JP2015072737A - 同軸ケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】内部絶縁層および外部絶縁層を薄く均一に形成でき、かつこれらの絶縁層を形成する際に中心導体が断線しにくい、同軸ケーブルを提供する。
【解決手段】同軸ケーブル1は、中心導体2と、電着法によって中心導体2の周面に形成された内部絶縁層3と、内部絶縁層3の外周面に形成された金属めっき層(シールド層)4と、電着法によって金属めっき層4の外周面に形成された外部絶縁層5からなる。金属めっき層4の厚みは、0.5μm以上4.5μm以下であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

この発明は、高周波信号の伝送に用いられる同軸ケーブルに関する。
電子機器や医療機器では、高周波信号を伝送するため、同軸ケーブルが使用されている。同軸ケーブルは、中心導体(内部導体)と、中心導体の周面に形成された内部絶縁層と、内部絶縁層の外周面に形成されたシールド層(外部導体層)と、シールド層の外周面に形成された外部絶縁層(シース)とを有するケーブルである。
近年、電子機器や医療機器の小型化、軽量化の要求が高まるにつれて、同軸ケーブルの更なる細径化が求められている。
特許文献1には、直径が数10μm程度の単線または撚線からなる中心導体と、押出法によって中心導体の周面に形成された絶縁体(内部絶縁層)と、絶縁体の外周面に形成された巻線または編組からなる外部導体(シールド層)と、外部導体の外周に形成されたシース(外部絶縁層)とからなる極細同軸ケーブルが開示されている。
特許文献2には、直径が数10μm程度の導電ワイヤー(中心導体)と、電着法によって導電ワイヤーの周面に形成された絶縁層と、めっき法によって絶縁層の外周面に形成された金属導体層(シールド層)とからなる極細同軸ワイヤーが開示されている。
特許文献3には、直径が0.2mmの中心導体と、押出法によって中心導体の周面に形成された厚さが0.2mmの絶縁層(内部絶縁層)と、めっき法によって絶縁層の外周面に形成された厚さが0.1mm程度の外部導体層(シールド層)と、電着法によって外部導体層の外周面に形成された厚さが8μmの絶縁体外被層(外部絶縁層)とからなるセミリジッド型同軸ケーブルが開示されている。
特開2008−53073号公報 特開2008−227126号公報 特開2002−352638号公報
特許文献1または3記載の同軸ケーブルのように、押出法によって中心導体の周面に内部絶縁層を形成する際には、中心導体が押出機内部の溶融樹脂中を通過し、引き取り機によって引き取られる。そのため、中心導体の引き取り速度を上げると中心導体に張力がかかり、断線しやすいという問題が生じていた。さらには、押出法では絶縁層を薄くかつ均一に形成することが難しいため、絶縁層にピンホールが生じ、スパークが発生するという問題もあった。
特許文献2記載の極細同軸ワイヤーでは、電着法によって中心導体の周面に絶縁層が形成されている。しかしながら、特許文献2記載の極細同軸ワイヤーは、金属導体層(シールド層)の外周面を被覆する外部絶縁層を備えておらず、本願発明が対象としている同軸ケーブルではない。
この発明の目的は、内部絶縁層および外部絶縁層を薄く均一に形成でき、かつこれらの絶縁層を形成する際に中心導体が断線しにくい、同軸ケーブルを提供することである。
この発明による同軸ケーブルは、中心導体と、電着法によって前記中心導体の周面に形成された内部絶縁層と、前記内部絶縁層の外周面に形成された金属めっき層と、電着法によって前記金属めっき層の外周面に形成された外部絶縁層からなる。
この発明によれば、内部絶縁層および外部絶縁層がともに電着法によって形成されている。これにより、内部絶縁層および外部絶縁層を薄く均一に形成でき、かつそれらの絶縁層を形成する際に中心導体が断線しにくい、同軸ケーブルを実現できる。
本発明の一実施形態においては、前記金属めっき層の厚みが0.5μm以上4.5μm以下である。
外部絶縁層を電着法によって形成した場合には、内部絶縁層と金属めっき層との界面で剥離が発生するおそれがあることが判明した。この原因は、内部絶縁層の外周面に金属めっき層を形成した場合に、内部絶縁層と金属めっき層との界面に空隙が発生するためであると考えられる。この点についてより詳しく説明する。金属めっき層の外面に外部絶縁層を電着法で形成する場合には、外部絶縁層を形成する電着塗料を金属めっき層表面に付着させた後に、金属めっき層表面に付着した電着塗料の硬度を高めるために焼付処理(熱硬化処理)が施される。内部絶縁層と金属めっき層との界面に空隙が発生している場合には、この焼付処理時に前記空隙が膨張し、内部絶縁層と金属めっき層との界面で剥離が発生しやすくなると考えられる。
本発明者らは、金属めっき層の厚みを4.5μm以下にすると、内部絶縁層と金属めっき層との界面で剥離が発生しないことを発見した。これは、金属めっき層の厚みを4.5μm以下にすると、内部絶縁層の外周面に金属めっき層を形成した場合に、内部絶縁層と金属めっき層との界面に空隙が発生しにくくなるためであると考えられる。
金属めっき層の厚みが0.5μm以上4.5μm以下である構成では、金属めっき層の厚みが4.5μm以下であるため、内部絶縁層の外周面に金属めっき層を形成した場合に、内部絶縁層と金属めっき層との界面に空隙が発生しにくくなる。このため、外部絶縁層の焼付処理時に、内部絶縁層と金属めっき層との界面で剥離が発生しにくくなる。
また、この構成では、金属めっき層の厚みが0.5μm以上であるため、良好なシールド特性が得られる。
本発明の一実施形態においては、前記中心導体の直径が10μm以上100μm以下である。
本発明の一実施形態においては、前記内部絶縁層の厚みが10μm以上70μm以下である。
本発明の一実施形態においては、前記外部絶縁層の厚みが1μm以上10μm以下である。
本発明の一実施形態においては、前記金属めっき層が、無電解めっき層と電気めっき層とから構成されている。
本発明の一実施形態においては、前記金属めっき層が、銅めっき層から構成されている。
本発明の一実施形態においては、前記内部絶縁層および前記外部絶縁層がポリイミド樹脂からなる。
図1は、この発明の一実施形態に係る同軸ケーブルの構成を示す断面図である。 図2Aは、実施例1における外部絶縁層表面の顕微鏡写真であり、図2Bは、比較例1における外部絶縁層表面の顕微鏡写真であり、図2Cは、比較例3における外部絶縁層表面の顕微鏡写真である。
以下では、この発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る同軸ケーブルの構成を示す断面図である。
同軸ケーブル1は、中心導体2と、電着法によって中心導体2の周面に形成された内部絶縁層3と、内部絶縁層3の外周面に形成された金属めっき層(シールド層)4と、電着法によって金属めっき層4の外周面に形成された外部絶縁層(シース)5とからなる。
(中心導体2の説明)
中心導体2には、高い導電性と耐屈曲性を有する金属細線が用いられる。このような金属細線を構成する金属としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、タングステンおよびそれらの合金等が挙げられる。
中心導体2の直径は、10μm以上100μm以下であることが好ましく、10μm以上50μm以下であることがより好ましい。中心導体2の直径が10μm以上であると、導体抵抗が低くなり、信号の伝送ロスを抑えることができる。中心導体2の直径が100μm以下であると、極細同軸ケーブルを必要とする用途に最適に使用できる。
また、中心導体2は、単線であってもよく、複数の単線が集合した多心線であってもよい。
中心導体2は、荒引き線をダイスに通して引き抜き加工する等、従来公知の製造方法によって得られる。
(内部絶縁層3の説明)
内部絶縁層3を構成する樹脂の組成は特に限定されない。内部絶縁層3を構成する樹脂としては、耐電圧特性や絶縁性、電着法による成膜性等の観点から、アクリル樹脂やエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂を用いることが好ましく、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂を用いることが特に好ましい。
内部絶縁層3の厚みは、必要な特性インピーダンスに応じて設定されるため、特に限定されないが、10μm以上70μm以下であることが好ましい。内部絶縁層3の厚みが10μm以上70μm以下であると最適な特性インピーダンスが得られる。
内部絶縁層3は、電着法により、中心導体2の周面に形成される。電着法により内部絶縁層3を形成する方法としては、公知の方法を採用することができる。例えばポリイミド電着塗料を用いる場合には、中心導体2として用いる金属細線を陰極として使用し、SUS電極を陽極として使用する。そして、この金属細線をSUS電極と共に約30℃の電着塗料に浸漬し、20V〜200Vの電圧を10秒〜600秒通電することで、電着塗料を金属細線の表面に付着させる。次いで、イオン交換水で金属細線の表面を洗浄し、熱風によってイオン交換水を乾燥させる。この後、100℃〜120℃で5分〜10分間、金属細線の表面に付着した電着塗料を加熱乾燥させる。この加熱乾燥工程は、電着塗料中の溶剤と水分を揮発させて、電着塗料の欠損の発生を防止するために行う。最後に、金属細線の表面に付着した電着塗料(樹脂)の硬度を高めるために、焼付処理(熱硬化処理)を行う。
焼付処理時の加熱温度は、180℃以上300℃以下であることが好ましい。加熱温度が180℃以上であると内部絶縁層3を形成する樹脂が十分に硬化し、絶縁性、機械強度、密着性や耐電圧特性が良好となる。また、加熱温度が300℃以下であると、内部絶縁層3を形成する樹脂が分解することなく硬化する。
焼付処理時の加熱時間は、5分以上30分以下であることが好ましい。加熱時間が5分以上であると樹脂硬化が十分に進行し、絶縁性、機械強度、密着性や耐電圧特性が良好となる。また、加熱時間を30分以下とすれば、生産性が良好となる。
(金属めっき層4の説明)
金属めっき層4は、高い導電性を有する金属から構成されている。このような金属としては、例えば、銅、ニッケル、金、銀、錫、亜鉛およびこれらの合金等が挙げられる。
外部絶縁層5を電着法によって形成した場合には、内部絶縁層3と金属めっき層4との界面で剥離が発生するおそれがあることが判明した。この原因は、内部絶縁層3の外周面に金属めっき層4を形成した場合に、内部絶縁層3と金属めっき層4との界面に空隙が発生するためであると考えられる。この点についてより詳しく説明する。金属めっき層4の外周面に外部絶縁層5を電着法で形成する場合には、後述するように、外部絶縁層5を形成する電着塗料を金属めっき層4の表面に付着させた後に、金属めっき層表面4に付着した電着塗料の硬度を高めるために焼付処理(熱硬化処理)が施される。内部絶縁層3と金属めっき層4との界面に空隙が発生している場合には、この焼付処理時に前記空隙が膨張し、内部絶縁層3と金属めっき層4との界面で剥離が発生しやすくなると考えられる。
本発明者らは、金属めっき層4の厚みを4.5μm以下にすると、内部絶縁層3と金属めっき層4との界面で剥離が発生しないことを発見した。これは、金属めっき層4の厚みを4.5μm以下にすると、内部絶縁層3の外周面に金属めっき層4を形成した場合に、内部絶縁層3と金属めっき層4との界面に空隙が発生しにくくなるためであると考えられる。
そこで、金属めっき層4の厚みは、0.5μm以上4.5μm以下であることが好ましく、0.5μm以上3.2μm以下であることがより好ましい。金属めっき層4の厚みが0.5μm以上であると良好なシールド特性が得られる。金属めっき層4の厚みが4.5μm以下であると内部絶縁層3と金属めっき層4との界面に空隙が発生しにくくなる。これにより、内部絶縁層3と金属めっき層4との界面で剥離が発生しにくくなる。また、金属めっき層4の厚みが4.5μm以下であると、極細同軸ケーブルの製造に適した金属めっき層が得られる。
金属めっき層4は、内部絶縁層3の表面に形成された無電解めっき層と、無電解めっき層上に形成された電気めっき層とから構成されていることが好ましい。金属めっき層の析出速度は、無電解めっき処理よりも電気めっき処理の方が著しく速いため、電気めっき処理を併用すると生産性が良好となるからである。なお、金属めっき層4は、無電解めっき層のみから構成されていてもよい。
内部絶縁層3の表面に無電解めっき層を形成する前に、内部絶縁層3と無電解めっき層との密着性を向上させるための表面処理をすることが好ましい。このような処理としては、内部絶縁層3の表面をUV照射して表面を活性化する方法、内部絶縁層3の表面にクロム酸や硫酸を用いて表面を粗化する方法、内部絶縁層3の表面にPd触媒層を形成する方法、内部絶縁層3の表面をプラズマ等の放電ガスに曝して表面を活性化する方法等、公知の方法が挙げられる。
無電解めっき層の金属は特に限定されず、例えば無電解Niめっき層や無電解Cuめっき層等が挙げられる。内部絶縁層3の表面に無電解Cuめっき層を形成する際には、硫酸銅とホルムアルデヒド等からなるめっき液等の公知の無電解めっき液に、内部絶縁層3が形成された金属細線(中心導体2)を浸漬すればよい。
無電解めっき層に加えて電気めっき層を形成する場合には、内部絶縁層3が形成された金属細線を無電解めっき液に浸漬する時間は、10分以上45分以下であることが好ましい。10分以上であると、後述する電気めっき層の密着性が良好となる。また、無電解めっき処理を施す時間が45分以下であると、生産性が良好となる。
電気めっき層を形成する方法は公知の方法を使用することができ、例えば、硫酸銅めっき液中で無電解めっき層の表面に電気めっき層を形成する方法等が挙げられる。なお、公知の硫酸銅めっき液を用いて例えば0.1μm〜3.0μmの厚みの電気めっき層を得るには、1A/dmの電流密度で1分〜10分通電すればよい。
(外部絶縁層5の説明)
外部絶縁層5の厚みは、1μm以上10μm以下であることが好ましい。外部絶縁層の厚みが1μm以上であると、外部絶縁層5の厚みが均一となり、金属メッキ層4を十分に保護することができる。また、外部絶縁層5の厚みが10μm以下であると、極細同軸ケーブルの製造に適した外部絶縁層が得られる。
外部絶縁層5は、電着法により、金属めっき層4の外周面に形成される。電着工程は、前記内部絶縁層3を形成するときの電着工程とほぼ同様である。例えばポリイミド電着塗料を用いる場合には、金属めっき層4を陰極として使用し、SUS電極を陽極として使用する。そして、金属めっき層4をSUS電極と共に約30℃の電着塗料に浸漬し、20V〜200Vの電圧を10秒〜600秒通電することで、電着塗料を金属めっき層4の表面に付着させる。次いで、イオン交換水で金属めっき層4の表面を洗浄し、熱風によってイオン交換水を乾燥させる。この後、100℃〜120℃で5分〜10分間、金属めっき層4の表面に付着した電着塗料を加熱乾燥させる。最後に、金属めっき層4の表面に付着した電着塗料(樹脂)の硬度を高めるために、180℃〜300℃で5分〜30分間、焼付処理(熱硬化処理)を行う。
前述の実施形態によれば、内部絶縁層3および外部絶縁層5がともに電着法によって形成されているので、内部絶縁層3および外部絶縁層5を薄く均一に形成でき、かつそれらの絶縁層3,5を形成する際に中心導体2が断線しにくい、同軸ケーブル1を実現できる。
また、後述の実施例の評価結果からわかるように、金属めっき層4の厚さを4.5μm以下とすることにより、外部絶縁層5の焼付処理によって内部絶縁層3と金属めっき層4との境界に剥離が発生するのを抑制することができる。
以下、本発明の実施例および比較例について説明する。
表1は、本発明の実施例1〜7と比較例1〜3を示している。
[実施例1]
実施例1について説明する。
中心導体2として直径30μm、長さ10cmの極細銅線を用いた。そして、この極細銅線を、液温30℃のポリイミド電着塗料液(株式会社シミズ製 エレコートPI)に浸漬し、印可電圧を150Vとし通電時間を100秒として、前記極細銅線の表面にポリイミドを主成分とする内部絶縁層を電着した。
次に、内部絶縁層が電着された極細銅線を、120℃で10分間、加熱乾燥させた後、200℃で10分間、焼付処理を行った。得られた内部絶縁層3の厚みは20μmであった。
次に、内部絶縁層3の表面を、無水クロム酸と濃硫酸の混合物を用いてエッチング処理した。次に、その表面にパラジウム触媒(メルテックス株式会社製 メルプレートアクチベーター444)を塗布し、その表面を濃硫酸で洗浄することで、内部絶縁層の表面にPd触媒層を形成した。次に、液温35℃の銅めっき液(上村工業株式会社製 スルカップPSY)に内部絶縁層を20分間浸漬することにより、内部絶縁層の外周面に無電解めっき処理を施した。これにより、内部絶縁層の外周面に銅からなる無電解めっき層を形成した。
次に、無電解めっき処理が施された内部絶縁層を、硫酸銅を含む電気めっき液(CuSO・5HO:150g/L、HSO:50g/L、イオン交換水:1L)に浸漬し、電流密度1.0A/dmで1分間通電することにより、銅からなる電気めっき層を形成した。この後、100℃で30分間、電気めっき層を乾燥させた。これにより、内部絶縁層3の外周面に、無電解めっき層と電気めっき層からなる金属めっき層4を形成した。金属めっき層4の厚みは1.8μmであった。
次に、液温30℃のポリイミド電着塗料液(株式会社シミズ製 エレコートPI)を用い、印可電圧を50Vとし通電時間を120秒として、金属めっき層の表面にポリイミドを主成分とする外部絶縁層を電着した。次に、外部絶縁層に対して、180℃で30分間、焼付処理を行った。得られた外部絶縁層5の厚みは5μmであった。
内部絶縁層3と金属めっき層4との界面に剥離が発生しているか否かを調べるために、焼付処理後の外部絶縁層5の膨れの有無を、光学顕微鏡による観察で判定した。外部絶縁層の焼付処理時に内部絶縁層3と金属めっき層4との界面に剥離が発生した場合には、焼付処理後の外部絶縁層5に膨れが発生するからである。
表1の項目「膨れ」には、膨れの有無の判定結果を、○、△、×で表している。○は、膨れがないことを示している。△は、同軸ケーブルの10cm長さ当たりの膨れの個数が、1個以上4個以下であることを示している。×は、同軸ケーブルの10cm長さ当たりの膨れの個数が、5個以上であることを示している。
表1の項目「無電解Cuめっき」は、無電解Cuめっき処理条件を示している。表1の項目「電気Cuめっき」は、電気Cuめっき処理条件を示している。表1の項目「電着加工」は、外部絶縁層を電着するための電着加工の条件を示している。表1の項目「焼付処理」は、外部絶縁層に対して行われる焼付処理の条件を示している。表1の項目「めっき厚」は、金属めっき層の厚さを示している。
[実施例2〜4]
実施例2〜4は、無電解めっき処理の処理時間のみが、実施例1と異なる。実施例2〜4における無電解めっき処理の処理時間は、表1に示されている通りである。この結果、実施例2〜4における金属めっき層の厚さは、実施例1における金属めっき層の厚さと異なっている。
[実施例5〜6および比較例1〜3]
実施例5〜6および比較例1〜3は、無電解めっき処理の処理時間および電気めっき処理の処理時間のみが、実施例1と異なる。実施例5〜6および比較例1〜3における無電解めっき処理の処理時間および電気めっき処理の処理時間は、表1に示されている通りである。この結果、実施例5〜6および比較例1〜3における金属めっき層の厚さは、実施例1における金属めっき層の厚さと異なっている。
[実施例7]
実施例7は、金属めっき層4が無電解めっき層のみから構成されている点が、実施例1と異なる。無電解めっき処理における銅めっき液の液温は、実施例1では35℃であるのに対し、実施例7では24℃とした。無電解めっき処理の処理時間は、実施例1と同じ(20分間)である。外部絶縁層を形成する際の条件は、実施例1と同じである。この結果、実施例7における金属めっき層の厚さは、実施例1における金属めっき層の厚さより薄くなっている。
図2Aは、実施例1の外部絶縁層表面の顕微鏡写真(300倍)を示し、図2Bは、比較例1の外部絶縁層表面の顕微鏡写真(300倍)を示し、図2Cは、比較例3の外部絶縁層表面の顕微鏡写真(300倍)を示している。図2Aに示すように、実施例1の外部絶縁層表面には膨れは発生していないことがわかる。一方、図2Bおよび図2Cに示すように、比較例1および比較例3の外部絶縁層表面には、膨れが発生していることがわかる。また、比較例3では、比較例1に比べて、より多くの膨れが発生していることがわかる。
表1から、金属めっき層4の厚みを4.5μm以下とした場合には、外部絶縁層に膨れがほとんど発生していないことがわかる(実施例1〜7、比較例1〜3)。このことから、金属めっき層4の厚みを4.5μm以下とした場合には、外部絶縁層4の焼付処理時において、内部絶縁層3と金属めっき層4との界面に剥離が発生する可能性は低いと考えられる。
特に、金属めっき層4の厚みを3.2μm以下とした場合には、外部絶縁層に膨れが発生していないことがわかる(実施例1〜4、7)。つまり、金属めっき層4の厚みを3.2μm以下とした場合には、外部絶縁層4の焼付処理時において、内部絶縁層3と金属めっき層4との界面に剥離が発生する可能性は非常に低いと考えられる。
1…同軸ケーブル
2…中心導体
3…内部絶縁層
4…金属めっき層
5…外部絶縁層

Claims (8)

  1. 中心導体と、電着法によって前記中心導体の周面に形成された内部絶縁層と、前記内部絶縁層の外周面に形成された金属めっき層と、電着法によって前記金属めっき層の外周面に形成された外部絶縁層からなる、同軸ケーブル。
  2. 前記金属めっき層の厚みが0.5μm以上4.5μm以下である、請求項1に記載の同軸ケーブル。
  3. 前記中心導体の直径が10μm以上100μm以下である、請求項1または2に記載の同軸ケーブル。
  4. 前記内部絶縁層の厚みが10μm以上70μm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の同軸ケーブル。
  5. 前記外部絶縁層の厚みが1μm以上10μm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の同軸ケーブル。
  6. 前記金属めっき層が、無電解めっき層と電気めっき層とから構成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の同軸ケーブル。
  7. 前記金属めっき層が、銅めっき層から構成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の同軸ケーブル。
  8. 前記内部絶縁層および前記外部絶縁層がポリイミド樹脂からなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の同軸ケーブル。
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