JP4421195B2 - 配線ボックス、配線チェック機器及びシステム構築方法 - Google Patents

配線ボックス、配線チェック機器及びシステム構築方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭内等に設置した設備機器類を外出先等から端末でネットワークを通じて遠隔で操作したり、モニタリングをするシステムを構築するのに用いられる配線ボックス、配線チェック機器及びシステム構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、家庭内に設置されている玄関鍵や照明、エアコン等を、外出先から携帯電話等の端末でネットワークを通じて操作したりモニタリングするシステムの開発が、実用化に向けて具体的に進められている状況にある。
【0003】
そのような状況において、次のような問題がある。即ち、このようなシステムを構築するためには、家庭内において、電気工事部分の工事が必要であると共に、設備機器類を制御するための制御工事部分の工事が必要であり、更に、外出先から制御工事部分に制御の指令信号を送信したり、送信結果情報等を外出先で受信できるようにするためのネットワーク関連工事部分の工事が必要となる。
【0004】
そして、これらの工事を一手に引き受けることのできる能力を備えた業者は限られているため、システムを広く普及させていくためには、電気工事部分の工事は電気工事業者が行い、制御工事部分の工事は制御工事業者あるいは電気工事業者が行い、そして、ネットワーク関連工事部分の工事はネットワーク工事業者が行うという方法を採らざるを得ない。
【0005】
しかるに、電気工事業者は制御工事やネットワーク関連工事に関する専門的な知識に乏しく、制御工事業者には電気工事やネットワーク関連工事に関する専門的な知識に乏しく、ネットワーク工事業者には電気工事や制御工事に関する専門的な知識に乏しいというのが普通であり、それら工事部分を現場で容易に有機的に結びつけてシステムを完成させるのが実際には非常に難しく、それが、システムの普及を妨げる要因の一つとなっている。
【0006】
また、これらの工事をこのように複数の業者に分担させて行った場合、システムが全体としてうまく動く場合は問題ないが、システムの動作に不具合がある場合に、その原因が、電気工事部分や制御工事部分にあるのか、それとも、ネットワーク関連工事部分にあるのかを特定するのが困難で、これも、システムの普及を妨げる他の要因となっている。
【0007】
特に、電気工事部分と制御工事部分の工事は、ネットワーク関連工事部分の工事に先行して行われるのが一般的であるため、ネットワーク工事後にシステムの動作試験を行って、うまく動作が行われない場合に、その原因が、電気工事部分や制御工事部分にあるのか、それとも、ネットワーク関連工事部分にあるのかを特定しかねる場合があり、原因追及と責任区分の切り分けを容易に行えないという問題を生じる。
【0008】
本発明は、上記のような背景において、電気工事部分や制御工事部分、ネットワーク関連工事部分を担当する業者が異なっている場合でも、システムの構築を施工容易に行っていくことができ、また、システムに不具合がある場合の責任の切り分けを容易に行うことができる配線ボックス及び配線チェック装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、ボックス内に制御工事部分がプレパッケージされており、
制御工事部分には、ネットワーク関連工事部分と接続する第1接続端子部が備えられると共に、電気工事部分と接続する第2接続端子部が備えられ、
ネットワーク関連工事部分を第1接続端子部に接続すると共に、電気工事部分を第2接続端子部に接続することにより、ネットワークを通じて設備機器類の操作及び/又はモニタリングを行うことができるようになされている配線ボックスによって解決される。
【0010】
この配線ボックスでは、ボックス内に制御工事部分がプレパッケージされているため、システムの構築において、住宅等の現場で制御工事部分の工事を制御工事業者が行う必要をなくすことができる。
【0011】
しかも、制御工事部分には、電気工事部分と接続する第2接続端子部が備えられているので、現場では、電気工事部分の工事を電気工事業者が行うと共に、電気工事業者が配線ボックスの設置工事も行い、電気工事部分を制御工事部分の第2接続端子に接続するだけで、制御工事部分と電気工事部分の工事を終えることができる。電気工事部分を制御工事部分の第2接続端子に接続するだけなら、制御工事部分の制御についての専門的な知識がなくとも工事は可能であり、電気工事業者でも充分対応することができる。
【0012】
そして、ネットワーク関連工事部分の工事は、ネットワーク工事業者が行うが、制御工事部分には、ネットワーク関連工事部分と接続する第1接続端子部が備えられるので、ネットワーク関連工事部分の工事をして、制御工事部分の第1接続端子部にネットワーク関連工事部分を接続するだけで、ネットワーク関連工事部分と制御工事部分とを接続することができ、システムを、異なる工事業者の連繋によって容易に構築していくことができる。
【0013】
また、上記の課題は、上記の配線ボックス用の配線チェック機器であって、
前記第1接続端子に接続することによって、ネットワークを通じて設備機器類を制御する場合と同様の制御信号を制御工事部分に送信すると共に送信結果を受信し、電気工事部分と制御工事部分の通電状態をチェックする配線チェック手段が備えられていることを特徴とする配線チェック機器によって解決される。
【0014】
このチェック機器では、配線チェック手段を配線ボックスの第1接続端子に接続し、この配線チェック手段によって制御信号を制御工事部分に送信すると共に送信結果を受信してみることで、送受信が良好に行われた場合には、電気工事部分と制御工事部分の通電状態は良好であると判断することができ、送受信に不具合がある場合には、電気工事部分と制御工事部分の通電状態に不具合があると判断することができる。
【0015】
従って、このチェック機器で不具合が発見された場合には、不具合の原因が電気工事部分あるいは制御工事部分にあると特定することができ、その修復をその担当業者が速やかに行っていくことができる。
【0016】
また、このチェック機器で不具合が発見されず、しかも、ネットワーク関連工事部分の工事を終えてシステムの動作試験を行った場合にシステムの動作に不具合があった場合は、不具合の原因がネットワーク関連工事部分にあると特定することができ、その修復をその担当業者が速やかに行っていくことができる。
【0017】
こうして、システムに不具合がある場合の業者間の責任の切り分けを容易に行っていくことができる。
【0018】
上記の配線チェック機器において、制御対象設備機器類に備えられる制御用アダプターと同じ規格のアダプター接続コネクターが備えられ、該コネクターに前記電気工事部分の制御用アダプターを接続することによって、設備機器類を接続したのと同じ状態を形成する設備機器類ダミーが備えられているとよい。
【0019】
即ち、電気工事において設置がなされない設備機器類がある場合には、設備機器類がないゆえに、上記の配線チェックを全くあるいは一部行えない場合がある。そのため、上記のような設備機器類ダミーがあれば、このダミーに備えられているアダプターを電気工事部分の制御用アダプターと接続することで、電気工事部分の制御用アダプターに実際の設備機器類の制御用アダプターが接続されたのと同じ状態を形成することができ、上記の配線チェック手段を用いてシステムに不具合がある場合の業者間の責任の切り分けを行っていくことができる。
【0020】
また、上記の課題は、設備機器類をネットワークを通じて遠隔で操作したり、及び/又は、モニタリングを行うシステムの構築方法であって、
請求項1に記載の配線ボックスを用い、これを設備機器類の設置されるところに設置して、電気工事部分を配線ボックスの制御工事部分と接続し、しかる後、請求項2又は3に記載の配線チェック機器を用い、電気工事部分と制御工事部分の配線チェックを行い、電気工事部分と制御工事部分の通電状態の良好を確認することを、ネットワーク関連工事部分の工事前に行うことを特徴とする構築方法によって同様に解決される。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、家庭内の照明、玄関鍵、エアコンを外出先から携帯電話等の端末機器を用いネットワークを通じて操作したり、モニタリングをするシステムに用いる配線ボックスに適用した場合のものである。なお、家庭内に設置するネットワーク関連機器は、制御ボックスのみで、操作に必要なプログラムや設定は管理会社などの他所に設置されたサーバーとしての管理用コンピュータで管理されるようになされているが、サーバーを宅内に設置するようにしてもよい。
【0022】
図1及び図2に示す実施形態の配線ボックス1において、2はボックス本体であり、正面側が扉3で開閉できるようになされていて、内部には、制御工事部分4がプレパッケージされている。
【0023】
制御工事部分4は、照明制御用のリレー5を備えると共に、電源8と、ネットワーク関連工事部用の電源コンセント9を備え、更に、ネットワーク関連工事部分を接続する第1接続端子部10と、電気工事部分と接続する第2接続端子部11,6,7を備えており、それらの配線もすでになされている。第2接続端子6,7は、玄関鍵とエアコンを接続して制御するもので、例えばJEMA規格のものからなっている。
【0024】
本実施形態では、第1接続端子部10は、ネットワーク関連工事部分の制御ボックスの接続端子をワンタッチ式で接続するワンタッチ式接続端子で構成されている。
【0025】
また、電源コンセント9には、電源スイッチ12が備えられ、ボックス1の扉3を開けなくても、このスイッチ12をオンオフ操作することで、ネットワーク関連工事部分の電源のオンオフを行うことができるようになされている。
【0026】
システムの構築は、上記の配線ボックス1を用いて行う。即ち、まず、図3に示すように、電気工事部分13の工事を行う電気工事業者が、上記の配線ボックス1を住宅等の建物に設置すると共に、分電盤14や、照明15…、照明用のスイッチ16、制御用アダプターとしてのJEMAアダプタ17,18等の設置を行い、これらを配線ボックス1の第2接続端子11,6,7に接続する。
【0027】
このように、配線ボックス1には予め制御工事部分4がプレパッケージされているので、システムの構築において、住宅等の現場で制御工事部分4の工事を制御工事業者が行う必要をなくすことができ、工事を能率良く進めていくことができる。
【0028】
しかも、配線ボックス1において、制御工事部分4には、電気工事部分13と接続する第2接続端子部11…が備えられているので、現場では、電気工事部分13の工事を電気工事業者が行うと共に、電気工事業者が配線ボックス1の設置工事も行い、電気工事部分13を制御工事部分4の第2接続端子11…に接続するだけで、制御工事部分4と電気工事部分13の工事を終えることができる。制御工事部分4の制御についての専門的な知識は必要なく、電気工事業者でも充分対応することができる。
【0029】
なお、本実施形態では、電気工事部分13にエアコンと玄関鍵は含まれておらず、これらは別途家電量販店や鍵施工業者が行うようになされており、そのためのJEMAアダプタ17,18のみを電気工事部分13に含ませている。
【0030】
こうして電気工事部分13の工事を終えた後、電気工事業者は、次いで配線のチェックを行う。そのため、図4に示すような配線チェック機器を用いる。この配線チェック機器には、図4(イ)に示すような配線チェック手段としてのチェックボックス19と、図4(ロ)に示すような設備機器類ダミーとしてのダミーボックス20とが備えられている。
【0031】
配線チェックボックス19は、上記の第1接続端子部10に接続することによって、ネットワークを通じて設備機器類を制御する場合と同様の制御信号を制御工事部分に送信すると共に送信結果を受信し、電気工事部分と制御工事部分の通電状態をチェックするもので、ボックス19には、電源スイッチ21と、玄関鍵用のスイッチ22と、エアコン用のスイッチ23と、照明用のスイッチ24とが備えられ、各スイッチ21,22,23,24に対応してLED25…が確認用の発光部として備えられている。更に、配線ボックス1の第1接続端子部10に接続するワンタッチ式の接続端子26が備えられている。
【0032】
また、設備機器類ダミーボックス20には、制御対象設備機器類に備えられる制御用アダプターと同じ規格のアダプター接続コネクター27が備えられ、該コネクター27に前記電気工事部分のJEMAアダプター17又は18を接続することによって、設備機器類を接続したのと同じ状態を形成するもので、ボックス20には、このコネクター27のほか、電源スイッチ28と発光部としてのLED29が備えられている。本実施形態では、エアコンの設置と玄関鍵の設置とが電気工事部分に含められていないため、配線チェックにこのダミーボックス20の使用が必要となる。
【0033】
配線のチェックは、図4及び図5に示すように、上記の配線チェック機器を用い、配線チェックボックス19を配線ボックス1の第1接続端子部10に接続すると共に、電源スイッチ21をオンにし、また、電気工事部分13の一部として設置したJEMAアダプタ17,18に設備機器類ダミーボックス20,20のコネクタ27を接続して電源スイッチ28をオンにし、そして、配線チェックボックス19の玄関鍵用スイッチ22、エアコン用スイッチ23、照明用スイッチ24をオンにしていく。この操作によって、制御工事部分4との間に制御信号のやりとりが行われ、各スイッチ22,23,24のLED25…が点灯すれば、電気工事部分13と制御工事部分4の通電状態は良好で、電気工事部分13と制御工事部分4とに不具合はないと判断することができ、各スイッチ22,23,24のLED25…の少なくとも一つが点灯しない場合には、電気工事部分13あるいは制御工事部分4に通電上の不具合があると判断することができる。制御工事部分4について既に通電状態のチェックがなされているのであれば、不具合は電気工事部分13にあると判断することができ、電気工事業者がその責任において修復を行っていくことができ、不具合を解消することができる。
【0034】
こうして、配線チェックを終え、図6に示すように、エアコン30や電気鍵31の設置も終えた後、ネットワーク関連工事部分32の工事を行う。この工事は、電気工事業者ではなく、ネットワーク工事業者が行う。工事は、配線ボックス1内に制御ボックス33を設置し、制御ボックス33を電源コンセント9に接続すると共に第1接続端子部10に接続し、また、制御ボックス33をHUB34に接続するというように行われていく。ネットワーク関連工事部分32の工事は、制御工事部分4にネットワーク関連工事部分32を接続する第1接続端子部10が備えられるので、制御工事部分とネットワーク関連工事部分との接続は第1接続端子部10にネットワーク関連工事部分32を接続するだけでよく、システムを、異なる工事業者の連繋によって容易に構築していくことができる。
【0035】
システムの構築後、ネットワーク工事業者が端末機器等を用いてシステム全体の動作試験を行うが、その動作試験において、照明15…やエアコン30、玄関鍵31の操作やモニタリングがうまくいかない場合には、上記のように制御工事部分4や電気工事部分13には通電上の不具合がないと判明しているのであるから、その原因がネットワーク関連工事部分32にあると特定することができ、ネットワーク工事業者がその責任において修復を行っていくことができ、動作の不具合を解消することができる。こうして、システムに不具合がある場合の業者間の責任の切り分けを容易に行っていくことができる。
【0036】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、電気工事部分13からエアコン30の設置や玄関鍵31の設置を除いた場合を示したが、これらを電気工事部分13に含めるようにしてもよく、例えばそのような場合には、配線チェック機器から設備機器類ダミー20を省略して、配線チェック機器を配線チェックボックス19のみで構成してもよい。また、上記の実施形態では、操作やモニタリングの対象が照明15、玄関鍵31、エアコン30である場合を示したが、この中の一つであってもよいし、いずれか二つであってもよいし、室内等のモニタリング用のカメラや浴槽への湯ばり、湯沸かし、炊飯等の各種の設備機器類であってよい。また、システムは、設備機器類の操作のみを行うものであってもよいし、モニタリングのみを行うものであってもよいし、両方行うものであってもよい。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、以上のとおりのものであるから、電気工事部分や制御工事部分、ネットワーク関連工事部分を担当する業者が異なっている場合でも、システムの構築を施工容易に行っていくことができる。また、システムに不具合がある場合の責任の切り分けを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の配線ボックスを示す内部正面図である。
【図2】同斜視図である。
【図3】配線ボックスの設置と電気工事部分の工事を終えた状態の説明図である。
【図4】配線チェック機器を示すもので、図(イ)はチェックボックスの斜視図、図(ロ)はダミーボックスの斜視図である。
【図5】電気工事部分の工事を終えた後の配線チェック機器の接続状態を示す説明図である。
【図6】システム構成図である。
【符号の説明】
1…配線ボックス
4…制御工事部分
10…第1接続端子部
11…第2接続端子部
13…電気工事部分
19…配線チェックボックス(配線チェック手段)
20…ダミーボックス(設備機器類ダミー)
32…ネットワーク関連工事部分

Claims (2)

  1. 家庭内の設備機器類を外出先から端末機器を用いてネットワークを通じて遠隔で操作するシステムの構築方法であって、
    ボックス内に制御工事部分がプレパッケージされ、制御工事部分には、ネットワーク関連工事部分と接続する第1接続端子部が備えられると共に、電気工事部分と接続する第2接続端子部が備えられ、ネットワーク関連工事部分を第1接続端子部に接続すると共に、電気工事部分を第2接続端子部に接続することにより、ネットワークを通じて設備機器類の操作を行うことができるようになされた配線ボックスを用い、
    これを家庭内において設備機器類の設置されるところに設置して、電気工事部分を第2接続端子への接続により配線ボックスの制御工事部分と接続し、しかる後、
    第1接続端子に接続することによって、ネットワークを通じて設備機器類を制御する場合と同様の制御信号を制御工事部分に送信すると共に送信結果を受信し、電気工事部分と制御工事部分の通電状態をチェックする配線チェック手段が備えられている配線チェック機器を用い、
    該配線チェック機器を第1接続端子に接続して電気工事部分と制御工事部分の配線チェックを行い、電気工事部分と制御工事部分の通電状態の良好を確認した後、ネットワーク関連工事部分の工事行うことを特徴とする構築方法。
  2. 制御対象設備機器類に備えられる制御用アダプターと同じ規格のアダプター接続用のコネクターを備え、該コネクターに前記電気工事部分の制御用アダプターを接続することによって、設備機器類を接続したのと同じ状態を形成する設備機器類ダミーを、前記配線チェック機器が備え、
    該ダミーのコネクターに前記電気工事部分の制御用アダプターを接続して、電気工事部分と制御工事部分の配線チェックを行う請求項1に記載の構築方法。
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