JP4420725B2 - チェーン用油溜まり用盲溝付ブシュ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
このような円筒状軸受部材には、軸受面となる内周面とシャフト、ピン等との潤滑性を向上させるために、円筒状軸受部材の内周面にその軸方向と平行な潤滑油の油溜まりとなる有底の溝、要するに、油溜まり用盲溝が内側に多数形成されている。
しかも、油溜まり用盲溝となるディンプルがパイプ・イン・コイル製法の前段階でブシュ用帯鋼にプレス加工またはロール加工により連続的に形成されているので、チェーン用油溜まり用盲溝付ブシュの油溜まり用盲溝を効率よく形成することができる。
また、ディンプルが形成された長尺状の第一次円筒部材を熱間絞り加工して第二次円筒部材を形成したことにより、ディンプル形成時の加工歪みがなくなり、高周波溶接された母線状継目のない溶接部分が円筒部材の全体に同化して均一となるため、実質的に母線状継目を経由した潤滑油の外部流出が解消された優れた加工性を発揮することができる。
図1は、本発明の一実施例であるチェーン用油溜まり用盲溝付ブシュの斜視図であり、図2は、本実施例であるチェーン用油溜まり用盲溝付ブシュの製造工程図であり、図3は、本実施例にプレス加工を採用した場合であって、(a)は、プレス加工時の態様図であり、(b)は、プレス加工後のディンプルが形成されたブシュ用帯鋼を示す図であり、図4は、本実施例にロール加工を採用した場合であって、(a)は、ロール加工時の態様図であり、(b)は、ロール加工後のディンプルが形成されたブシュ用帯鋼を示す図であり、図5は、ブシュ用帯鋼に形成されたディンプルの変形例を示す図である。
まず、熱延された幅広のブシュ用帯鋼(図示しない)をスリット加工してなる幅狭のブシュ用帯鋼110を、アンコイラーから繰り出し、この繰り出されたブシュ用帯鋼110の表面にプレス機300を用いて多数のディンプル111を形成する。
そして、多数のディンプル111を形成したブシュ用帯鋼110を成形ロールに供給して、ブシュ用帯鋼110のディンプル111を内側としてブシュ用帯鋼110の長手方向に沿った両端部を円筒状態に順次引き揃えながら円筒部材に成形し、この円筒部材の外周を取り巻くように配置された高周波溶接装置(高周波誘導加熱コイル)を通過させ、この高周波溶接装置の高周波誘導加熱コイルを通過する際に、ブシュ用帯鋼110の長手方向に沿った両端部を円筒状態に順次引き揃えながら高周波誘導加熱により相互に溶融結合して高周波溶接され、スクイズロールで母線状継目を経由した潤滑油の外部流出を無くす円筒状態に成形される。
その後、円筒部材の内外面に生じた溶接部分のビードを切削機で切削加工して、多数のディンプル111を内面に形成した長尺状の第一次円筒部材となる。
したがって、ブシュ用帯鋼110には、図3の(b)に示すように、金型310のディンプル用凸部311に対応する長手方向に平行な長い溝のディンプル111を所定間隔で形成することができ、最終的に、図1で示すような長手方向端部が封止されている油溜まり用盲溝121となる。
この場合、金型310が上下動するプレス機300では、ブシュ用帯鋼110をチェーン用油溜まり用盲溝付ブシュ100単位で繰り返し移動させながら多数のディンプル111が形成され、ロール機400のロール410では、回転しながら、多数のディンプル111がチェーン用油溜まり用盲溝付ブシュ100単位毎に順次、形成される。
そして、最終工程の切断時に、ディンプル111の存在しない中間部分を切断すれば、全ての油溜まり用盲溝121の長手方向端部が封止された状態のチェーン用油溜まり用盲溝付ブシュ100が得られる。
なお、前述したようなディンプル111は、その後の熱間絞り加工及び冷間伸管加工によって、円筒部材の状態で延伸されて変形し、所望のディンプル形態を有する油溜まり用盲溝121に形成されるから、熱間絞り加工時の絞り率、冷間伸管加工時の伸管率などを考慮して、ディンプル自体の形状と分配形態を設定すると良い。
すなわち、このような熱間絞り加工において、ディンプル形成時の加工歪みがなくなり、高周波溶接された溶接部分が円筒部材の全体に同化して均一となるため、実質的に母線状継目を経由した潤滑油の外部流出が解消された優れた加工性を発揮する第二次円筒部材となる。
この冷間延伸からなる引き抜き加工によって、第二次円筒部材の強度が向上し、内面及び外面は均質で性状の優れたものとなる。
ここで、第三次円筒部材を所定のブシュ長さに切断する際に、予め、超音波センサー等を用いた非破壊検査機で油溜まり用盲溝121の位置を検知し、この検知データに基づいて切断位置を定めれば、油溜まり用盲溝121の存在しない箇所を正確に切断でき、油溜まり用盲溝121内における潤滑油の保持効果を最大限に発揮させることができる。
したがって、本実施例では、この冷間鍛造加工前において既にほぼチェーン用油溜まり用盲溝付ブシュ100の所望寸法となっているため、たとえば、従来のような棒材から7〜8ステージの加工工程を必要とする冷間鍛造加工で製造する場合に比較すると、本実施例の場合には冷間鍛造の加工工程が3〜4ステージに簡素化されて少ない工程数で最終製品を完成することができるとともに冷間鍛造機の稼働効率を高めることができ、冷間鍛造加工に要する鍛造工具の損耗も少なくすることができる。
しかも、油溜まり用盲溝121となるディンプル111がパイプ・イン・コイル製法の前段階でブシュ用帯鋼110にプレス加工またはロール加工により連続的に形成されているので、チェーン用油溜まり用盲溝付ブシュ100に所望の盲溝形態を有する油溜まり用盲溝121を効率よく形成することができ、冷間鍛造時に必要とした多段階の加工工程が簡素化されて冷間鍛造機の稼働効率を高め、生産性を大幅に向上させて低コストで量産することができるなど、その効果は甚大である。
110 ・・・ ブシュ用帯鋼
111 ・・・ ディンプル
120 ・・・ 円筒部材
121 ・・・ 油溜まり用盲溝
122 ・・・ 内周面
300 ・・・ プレス機
310 ・・・ 金型
311 ・・・ ディンプル用凸部
400 ・・・ ロール機
410 ・・・ ロール
411 ・・・ ディンプル用凸部
Claims (2)
- 多数の油溜まり用盲溝がプレス加工又はロール加工により形成されたブシュ用帯鋼を、高周波溶接によって長手方向に沿った両端部を突き合わせた円筒状態に順次引き揃えながら造管した母線状継目のない電縫鋼管を連続加熱炉で加熱した後に絞り圧延によって細径化して所定の細径寸法に仕上げた鋼管をコイル状に巻き取るパイプ・イン・コイル製法により、前記油溜まり用盲溝を内側として高周波溶接してなる母線状継目を経由した潤滑油の外部流出を無くす長尺状の円筒部材に成形して所定のブシュ長さに切断し、該所定のブシュ長さの円筒部材を冷間鍛造加工により面取り及びサイジングを行って成ることを特徴とするチェーン用油溜まり用盲溝付ブシュ。
- ブシュ用帯鋼の表面に油溜まり用盲溝となる多数のディンプルをプレス加工又はロール加工により形成した後、前記ブシュ用帯鋼の長手方向に沿った両端部を突き合わせた円筒状態に順次引き揃えながら高周波溶接によって造管した母線状継目のない電縫鋼管を連続加熱炉で加熱した後に絞り圧延によって細径化して所定の細径寸法に仕上げた鋼管をコイル状に巻き取るパイプ・イン・コイル製法によって、前記ディンプルを内側としてブシュ用帯鋼の長手方向に沿った両端部を円筒状態に順次引き揃えながら高周波溶接して母線状継目を経由した潤滑油の外部流出を無くす長尺状の第一次円筒部材を形成し、該第一次円筒部材を熱間絞り加工して長尺状の第二次円筒部材を形成し、該第二次円筒部材を冷間伸管加工して所定の連結ピンに相対するブシュ内径に縮径された長尺状の第三次円筒部材を形成し、次いで、該第三次円筒部材を少なくとも所定のブシュ長さに切断し、その後、該所定のブシュ長さの円筒部材に対して冷間鍛造加工により面取り及びサイジングを行うことを特徴とするチェーン用油溜まり用盲溝付ブシュの製造方法。
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