JP4419694B2 - 透明性フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、透明性、靱性、表面硬度及びその他機械特性に優れたフィルムに関するものである。
透明性フィルムは、包装、表面保護、表示、積層ベース等の目的により、種々の用途に用いられてきた。そして近年、エレクトロニクス分野では透明材料として主流を占めていたガラス、アクリル板などの硬質板から、透明プラスチックフィルムへの代替が進行している。その理由として、これらエレクトロニクス分野においては、透明材料に求められる特性が、単なる高光線透過率だけではなく、透明材料を用いる部品、機器の軽量化、小型化、低コスト化、デザインの自由度、高性能化などの要求に合せ、高度化していることが挙げられる。透明性フィルムとしては、メタクリル樹脂(以下、PMMAと略記する。)、ポリエステル(以下、PETと略記する)、ポリカーボネート(以下、PCと略記する。)、ポリエーテルサルフォン(以下、PESと略記する。)、ポリアリレート(以下、PARと略記する。)、ノルボルネン系樹脂などを原料としたフィルムがよく知られる。
一方、マレイミド・オレフィン共重合体からなるフィルムは、透明性、耐熱性が優れるといった特徴を有していることが開示されている(例えば特許文献1参照。)。
また、N−置換マレイミド・オレフィン共重合体及びアクリロニトリル・スチレン共重合体からなるフィルムが提案されており、耐熱性に優れ、非常に複屈折が小さいため、光学用途に適した特徴を有していることが開示されている(例えば特許文献2参照。)。
さらに、N−置換マレイミド・オレフィン共重合体及びエラストマーからなる樹脂組成物が、透明性、耐熱性、靱性に優れるといった特徴を有していることが開示されている(例えば特許文献3参照。)。
特開平09−328523号公報
特開2000−080240号公報 特許第3214003号公報
しかし、PMMAフィルムは優れた光学特性、表面硬度を有するが、耐熱性、靱性が乏しい問題があり、PETフィルムは延伸により優れた機械特性、耐熱性、耐薬品性を発現させることができるが、分子配向により複屈折が非常に大きくなり、低複屈折性が求められる光学用途には使用できない。また、PCフィルム、PESフィルム、PARフィルムは靱性、耐熱性に優れるが、耐候性、表面硬度が劣り、複屈折が大きいため、低複屈折性が求められる光学用途には向かない。ノルボルネン系樹脂フィルムは耐熱性が高く、複屈折は小さいが、接着性に乏しい問題がある。
そして、特許文献1に提案されているマレイミド・オレフィン共重合体からなるフィルムは透明性が高く、耐熱性が優れるなどの特徴を有するが、靱性が乏しいため、成形時あるいは成形後のハンドリング性などに課題が残った。
また、特許文献2に記載されているN−置換マレイミド・オレフィン共重合体及びアクリロニトリル・スチレン共重合体からなるフィルムは透明性が高く、耐熱性が優れ、非常に複屈折が小さいなどの特徴を有するが、靱性が乏しいため、成形時あるいは成形後のハンドリング性などに課題が残った。
さらに、特許文献3に関しては、N−置換マレイミド・オレフィン共重合体及びエラストマーからなる樹脂組成物に関するものであり、透明性フィルムに関する検討は一切なされていない。
このように、従来の透明性フィルムは、それぞれ長所と短所を有するのが実情であり、近年の高度化、複雑化した要求を必ずしも満足させるべきものとは言い難いため、さらなる高機能性フィルムの出現が望まれていた。
そこで、本発明は、透明性、耐熱性、靱性及びその他機械特性に優れた透明性フィルムを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題に関し、鋭意検討した結果、N−置換マレイミド・オレフィン共重合体及び特定の分子構造を有するグラフト共重合体からなるフィルムが高い透明性を有し、耐熱性、表面硬度、剛性に優れ、さらに靱性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、下記一般式(I)で示される単位40〜60モル%と下記一般式(II)で示される単位60〜40モル%からなり、数平均分子量が1×10以上5×10以下である、N−メチルマレイミド・イソブテン共重合体、N−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体、N−シクロヘキシルマレイミド・イソブテン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のN−置換マレイミド・オレフィン共重合体50〜99重量%、及び、ゴム粒子に芳香族ビニル化合物、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、マレイミド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の単量体をグラフト重合してなる、スチレン・メタクリル酸エチル共重合体−(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)グラフト共重合体、スチレン・メタクリル酸エチル共重合体−(1,3−ブタジエンゴム)グラフト共重合体、スチレン・アクリル酸エチル共重合体−(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)グラフト共重合体、スチレン・アクリル酸エチル共重合体−(1,3−ブタジエンゴム)グラフト共重合体、スチレン・メタクリル酸ブチル共重合体−(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)グラフト共重合体、スチレン・メタクリル酸ブチル共重合体−(1,3−ブタジエンゴム)グラフト共重合体、スチレン・アクリル酸ブチル共重合体−(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)グラフト共重合体、スチレン・アクリル酸ブチル共重合体−(1,3−ブタジエンゴム)グラフト共重合体、スチレン・N−メチルマレイミド共重合体−(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)グラフト共重合体、スチレン・N−メチルマレイミド共重合体−(1,3−ブタジエンゴム)グラフト共重合体、スチレン・N−フェニルマレイミド共重合体−(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)グラフト共重合体、スチレン・N−フェニルマレイミド共重合体−(1,3−ブタジエンゴム)グラフト共重合体、スチレン・メタクリル酸エチル共重合体−(アクリルゴム)グラフト共重合体、スチレン・アクリル酸エチル共重合体−(アクリルゴム)グラフト共重合体、スチレン・メタクリル酸ブチル共重合体−(アクリルゴム)グラフト共重合体、スチレン・アクリル酸ブチル共重合体−(アクリルゴム)グラフト共重合体、スチレン・N−メチルマレイミド共重合体−(アクリルゴム)グラフト共重合体、スチレン・N−フェニルマレイミド共重合体−(アクリルゴム)グラフト共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のグラフト共重合体50〜1重量%からなることを特徴とする透明性フィルムに関するものである。
Figure 0004419694
(R1はメチル基、フェニル基、シクロヘキシル基から選ばれる少なくとも1種以上の有機基を示す。)
Figure 0004419694
(R2、R3はメチル基を示す。)
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の透明性フィルムを構成するN−置換マレイミド・オレフィン共重合体は、上記一般式(I)で示される単位40〜60モル%及び上記一般式(II)で示される単位60〜40モル%からなる共重合体であり、数平均分子量1×10以上5×10以下を有するものである。
一般式(I)で示される単位のR1は、特に耐熱性、表面硬度に優れる透明性フィルムとなることなることからメチル基、フェニル基、シクロヘキシル基であることが好ましい
また、一般式(II)で示される単位のR2及びR3は、特に耐熱性、靱性に優れる透明性フィルムとなることからメチル基であることが好ましい。
そして、このようなN−置換マレイミド・オレフィン共重合体は、例えば一般式(I)で示される単位を誘導するマレイミド類と一般式(II)で示される単位を誘導するオレフィン類とのラジカル共重合反応により得ることができる。
その際、一般式(I)で示される単位を誘導するマレイミド類としては、特に耐熱性、表面硬度に優れる透明性フィルムが得られることからN−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ジクロヘキシルマレイミドであることが好ましい。
一般式(II)で示される単位を誘導するオレフィン類としては、特に耐熱性、靱性に優れる透明性フィルムとなることからイソブテンが好ましい。
また、本発明に用いられるN−置換マレイミド・オレフィン共重合体を構成する一般式(I)で示される単位は40〜60モル%の範囲であり、特に耐熱性、靱性に優れる透明性フィルムとなることから45〜55モル%であることが好ましい。ここで、一般式(I)で示される単位が60モル%を越える場合、得られるフィルムは脆くなる。一方、40モル%未満の場合、フィルムの耐熱性が低下する。
本発明に用いられるN−置換マレイミド・オレフィン共重合体は、数平均分子量が1×10以上5×10以下であり、特に靱性に優れ、厚み精度の高い透明性フィルムとなることから1×10以上5×10以下が好ましい。数平均分子量が5×10を超える場合、N−置換マレイミド・オレフィン共重合体の溶融粘度が高くなりすぎるため、N−置換マレイミド・オレフィン共重合体の流動性が乏しくなり、得られるフィルムの厚み精度が劣るものとなる。一方、数平均分子量が1×10未満の場合、得られるフィルムの靱性が乏しくなる。ここで、本発明における数平均分子量とは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)により求めた標準ポリスチレン換算値のことである。
本発明に用いられるN−置換マレイミド・オレフィン共重合体は、特に耐熱性、靱性、表面硬度のバランスに優れた透明性フィルムとなることから、N−メチルマレイミド・イソブテン共重合体、N−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体、N−シクロヘキシルマレイミド・イソブテン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のN−置換マレイミド・オレフィン共重合体であることが好ましい。
更に、本発明に用いられるN−置換マレイミド・オレフィン共重合体は、必要に応じ本発明の目的を損なわない範囲で他の単量体成分より誘導される単位を含有するものであってもよく、そのような他の単量体成分としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体;メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸又はそのエステル類;アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸又はそのエステル類;酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピオビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;無水マレイン酸;アクリロニトリル等の化合物が挙げられ、その含有率としては5モル%以下であることが好ましい。
本発明に用いられるN−置換マレイミド・オレフィン共重合体は、一般式(I)で示される単位を誘導するマレイミド類及び一般式(II)で示される単位を誘導するオレフィン類を公知の方法により重合することで得ることができる。このような重合方法として、例えば塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、沈殿重合法、乳化重合法のいずれの方法によっても得ることができ、その中でも特に透明性、色調に優れるフィルムが得られることから沈殿重合法により得られるものであることが好ましい。
重合反応の際に用いる重合開始剤としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−ブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ系開始剤等が挙げられる。
溶液重合法、沈殿重合法において用いられる溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族溶媒;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール系溶媒;シクロヘキサン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、酢酸イソプロピル、芳香族系溶媒とアルコール系溶媒の混合溶媒などが挙げられる。
その際の重合温度は、重合開始剤の分解温度に応じて適宜設定することができるが、一般的には40〜150℃の範囲で行うことが好ましい。
また、N−置換マレイミド・オレフィン共重合体は、別法として無水マレイン酸・オレフィン共重合体をアミン化合物を用いて、後イミド化することによっても得ることができる。
このような後イミド化反応は、例えば無水マレイン酸・オレフィン共重合体をメタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール溶媒;ベンゼン、トルエンなどの芳香族系溶媒;酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶媒;芳香族系溶媒とアルコール系溶媒の混合溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミドなどの溶媒に溶解あるいは分散させ、アミン化合物と50〜250℃の温度で反応させることによりアミド化反応とイミド化反応を連続的に行う方法、アミン化合物と反応させてアミド体を得た後、該アミド体を加熱して脱水閉環させ、イミド化を行う方法等により製造することができる。
アミン化合物の例としては、特に耐熱性、靱性、表面硬度のバランスに優れる透明性フィルムとなることから、一般式(I)で示される単位を誘導するアミン化合物としてメチルアミン、アニリン、シクロヘキシルアミンが好ましい。
本発明の透明性フィルムを構成するグラフト共重合体は、ゴム粒子に芳香族ビニル化合物、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、マレイミド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の単量体をグラフト重合してなるグラフト共重合体である。該グラフト共重合体は、ゴム粒子に該単量体からなる重合体をグラフト化することにより、該グラフト共重合体とN−置換マレイミド・オレフィン共重合体の相溶性が向上し、その結果、N−置換マレイミド・オレフィン共重合体中におけるゴム粒子の分散性が良好なものとなり、透明性、靱性に優れたフィルムとなるものである。
該ゴム粒子としては、特に限定されるものではなく、その中でも特に透明性、耐熱性に優れるフィルムとなることから、共役ジエン単独重合体ゴム、共役ジエンとの共重合性を有する単量体と共役ジエンとの共役ジエン共重合体ゴム、アクリルゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のゴム粒子であることが好ましい。また、該ゴム粒子は、透明性フィルムとした際の靱性が優れたものとなることから、部分的に架橋されたものであることがより好ましい。さらに、該ゴム粒子は、多官能性ビニルモノマー、すなわちエチレン性不飽和結合を複数個有するモノマーを共重合させたものであっても良く、一般的に、多官能性ビニルモノマーを用いた場合、ゴム粒子の架橋、あるいはグラフト反応が容易となり、透明性フィルムの靱性が優れたものとなる。
該共役ジエンとしては、例えばブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられ、共役ジエンとの共重合性を有する単量体としては、例えばスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸アルキルエステル、メクリル酸アルキルエステル等が挙げられ、該ゴム粒子としては、特に透明性、耐熱性に優れるフィルムとなることから、1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム、1,3−ブタジエンゴム、アクリルゴムが好ましい。
また、芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、ジメチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、ビニルナフタレン、2,4−ジメチルスチレン、メトキシスチレン、ブロモスチレン、フルオロスチレン、ヒドロキシスチレン、ビニルキシレン、アミノスチレン、シアノスチレン、ニトロスチレン、クロロメチルスチレン、アセトキシスチレン、p−ジメチルアミノメチルスチレン、ビニルナフタレン等のスチレン誘導体が挙げられ、これらは単独又は2種以上用いても良い。
アクリル酸アルキルエステルとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ドデシル等が挙げられ、これらは単独又は2種以上用いても良い。
メタクリル酸アルキルエステルとしては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ドデシル等が挙げられ、これらは単独又は2種以上用いても良い。
マレイミド化合物としては、例えばN−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−フェニルマレイミド等が挙げられ、これらは単独又は2種以上用いても良い。
該グラフト共重合体は、一般的には芳香族ビニル化合物、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、マレイミド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の単量体が重合してなる重合体が、ゴム粒子に枝として結合したグラフト状の共重合体であり、一般的なグラフト共重合体の製造方法として知られている方法により製造することが可能である。例えばゴム粒子、芳香族ビニル化合物,アクリル酸アルキルエステル,メタクリル酸アルキルエステル,マレイミド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の単量体、ラジカル重合開始剤、溶媒等を仕込み乳化重合法、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法などにより製造する方法が挙げられ、該重合方法の中でも特にグラフト共重合体の製造が容易となることから乳化重合法が好ましい。また、該グラフト共重合体におけるゴム粒子と枝となる重合体の配合割合は任意であり、その中でも特に耐熱性、靱性、表面硬度のバランスに優れ、厚み精度の高いフィルムとなることからゴム粒子:重合体=10〜80:90〜20(重量%)であることが好ましい。
該乳化重合法の具体例としては、例えば窒素雰囲気下、脱イオン水中、0〜100℃の温度にてゴム粒子、該単量体を、必要に応じて乳化剤、分散剤、重合開始剤、分子量調節剤、連鎖移動剤、PH調節剤などとともに、一度に、又は回分式に、又は連続的に重合系に供給して重合させる方法が挙げられる。また、グラフト共重合体がラテックスの状態で得られる場合は、グラフト共重合体を単離するため、従来公知の方法、例えば電解質又は溶媒による凝集法又は凍結法等により凝固、及び分離し、さらに水洗、乾燥するなどの方法を用いることが好ましい。
該グラフト共重合体としては、特に透明性、靱性に優れたフィルムが得られることからスチレン・メタクリル酸エチル共重合体−(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)グラフト共重合体、スチレン・メタクリル酸エチル共重合体−(1,3−ブタジエンゴム)グラフト共重合体、スチレン・アクリル酸エチル共重合体−(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)グラフト共重合体、スチレン・アクリル酸エチル共重合体−(1,3−ブタジエンゴム)グラフト共重合体、スチレン・メタクリル酸ブチル共重合体−(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)グラフト共重合体、スチレン・メタクリル酸ブチル共重合体−(1,3−ブタジエンゴム)グラフト共重合体、スチレン・アクリル酸ブチル共重合体−(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)グラフト共重合体、スチレン・アクリル酸ブチル共重合体−(1,3−ブタジエンゴム)グラフト共重合体、スチレン・N−メチルマレイミド共重合体−(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)グラフト共重合体、スチレン・N−メチルマレイミド共重合体−(1,3−ブタジエンゴム)グラフト共重合体、スチレン・N−フェニルマレイミド共重合体−(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)グラフト共重合体、スチレン・N−フェニルマレイミド共重合体−(1,3−ブタジエンゴム)グラフト共重合体、スチレン・メタクリル酸エチル共重合体−(アクリルゴム)グラフト共重合体、スチレン・アクリル酸エチル共重合体−(アクリルゴム)グラフト共重合体、スチレン・メタクリル酸ブチル共重合体−(アクリルゴム)グラフト共重合体、スチレン・アクリル酸ブチル共重合体−(アクリルゴム)グラフト共重合体、スチレン・N−メチルマレイミド共重合体−(アクリルゴム)グラフト共重合体、スチレン・N−フェニルマレイミド共重合体−(アクリルゴム)グラフト共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のグラフト共重合体であることが好ましい。
また、該グラフト共重合体は、透明性と靱性に特に優れたフィルムとなることからゴム粒子の平均粒子径が0.01〜1μmの範囲にあることが好ましく、特に0.02〜0.5μmの範囲にあることが好ましい。さらに、該グラフト共重合体は、特に透明性に優れるフィルムとなることからN−置換マレイミド・オレフィン共重合体の屈折率に対し、屈折率差が絶対値として0.01以下のグラフト共重合体であることが好ましい。
本発明の透明性フィルムは、該N−置換マレイミド・オレフィン共重合体50〜99重量%及び該グラフト共重合体50〜1重量%からなるものであり、特に透明性が高く、耐熱性、表面硬度、靱性のバランスに優れ、厚み精度の高いフィルムとなることから該N−置換マレイミド・オレフィン共重合体60〜99重量%及び該グラフト共重合体40〜1重量%からなるものであることが好ましい。ここで、N−置換マレイミド・オレフィン共重合体が50重量%未満である場合、N−置換マレイミド・オレフィン共重合体の流動性が乏しくなり、得られるフィルムの厚み精度が劣るものとなる。一方、N−置換マレイミド・オレフィン共重合体が99重量%を超える場合、フィルムの靱性が乏しくなる。
また、本発明の透明性フィルムは、特に透明性が高く、靱性、表面硬度のバランスに優れたフィルムとなることから、さらに、該N−置換マレイミド・オレフィン共重合体100重量部に対し、芳香族ビニル化合物、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル及びマレイミド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の単量体を重合してなる熱可塑性樹脂1〜50重量部を含んでなる透明性フィルムであることが好ましい。
該熱可塑性樹脂は、市販品として入手する事が可能であり、例えば上記した芳香族ビニル化合物、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル及びマレイミド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の単量体を一般的にラジカル重合法として知られている方法により重合することによっても得ることができる。また、その際の該熱可塑性樹脂は、特に透明性に優れるフィルムとなることからN−置換マレイミド・オレフィン共重合体の屈折率に対し、屈折率差が絶対値として0.01以下の熱可塑性樹脂であることが好ましい。
本発明の透明性フィルムとする際には、一旦樹脂組成物としてもよく該樹脂組成物は、該N−置換マレイミド・オレフィン共重合体、グラフト共重合体、及び、場合によっては該熱可塑性樹脂を一般的な混合・混練を行うことにより製造することができ、その際の混合・混練の装置としては、例えば単軸押出機、二軸押出機、ブラベンダー、ロール、ニーダー、バンバリーミキサーなどの溶融混練装置を挙げることができる。また、溶媒中にそれぞれの成分を溶解あるいは分散させて混合する方法であってもよい。さらに少なくともそれぞれの一成分が存在する中、他成分の原材料から他成分を変性・重合等の方法により製造する方法であってもよい。
本発明の透明性フィルムは、製造時や成形加工時の熱履歴に起因する着色や分解、架橋等を抑制するため、フェノール系、リン系、イオウ系、その他の酸化防止剤を必要に応じて含有しても良い。また、これら酸化防止剤はそれぞれ単独で用いてもよく、それぞれを併用して用いても良い。以下にその詳細を示すが、本発明はこれらになんら制限されるものではない。
フェノール系酸化防止剤としては、例えばペンタエリスリトール−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、チオジエチレン−ビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド)、ジエチル((3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)メチル)ホスフェート、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス(3−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート)、ヘキサメチレン−ビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス((4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−ジ−t−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−ブチル−6−(1−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレートなどが挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えばトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ビス(2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル)エチルエステル亜りん酸、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)(1,1−ビフェニル)−4,4’−ジイルビスホスフォナイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト、テトラキス(2,4−t−ブチルフェニル)(1,1−ビフェニル)−4,4’−ジイルビスホスフォナイト、ジ−t−ブチル−m−クレジル−ホスフォナイトなどが挙げられる。
イオウ系酸化防止剤としては、例えばジラウリル−3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル−3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンなどが挙げられる。
また、その他の酸化防止剤として例えば、フェノール系酸化防止剤としての機能とリン系酸化防止剤としての機能を併せ持つ酸化防止剤であるフェノール/リン系酸化防止剤として、6−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル)プロポキシ)−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ(d,f)(1,3,2)−ジオキサホスフェピン;ビタミンE系酸化防止剤として、3,4−ジヒドロ−2,5,7,8−テトラメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−2H−ベンゾピラン−6−オール;ラクトン系酸化防止剤として、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−t−ブチル−3H−ベンゾフラン−2−オンなどが挙げられる。
上記酸化防止剤のうち、特に透明性フィルムが着色し難いことから、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤を含有することが好ましい。その場合、例えばフェノール系酸化防止剤100重量部に対してリン系酸化防止剤を100〜500重量部の割合で含有することが好ましい。また、酸化防止剤の含有量としては、100〜20000ppmであることが好ましい。
また、透明性フィルムを光学フィルムとして用いる場合、可視光線、紫外線、赤外線などの光の照射を受けることが想定され、特に高温状況下で光が照射されると、熱着色や光劣化が生じ易いため、該熱着色や光劣化を抑制する目的にて、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、近赤外線吸収剤などを必要に応じて含有しても良い。以下にその詳細を示すが、本発明はこれらになんら制限されるものではない。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、熱着色抑制効果に優れることから分子量が1,000以上のものが好ましい。さらに、ヒンダードアミン系光安定剤の含有量は、熱着色防止効果および光安定化効果に優れることから、100〜15000ppmであることが好ましい。
このようなヒンダードアミン系光安定剤として例えば、ポリ((6−モルフォリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ))、ポリ((6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5―トリアジン−2、4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ))、ジブチルアミン−1,3,5−トリアジン−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,6−ヘキサメチレンジアミンと、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン縮合物などが挙げられる。
また、紫外線吸収剤としては、従来、一般的に知られるベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、ベンゾエート系、サリチル酸系、アクリレート系、金属錯塩系などの紫外線吸収剤が挙げられる。紫外線吸収剤の含有量としては、500〜100000ppmであることが好ましい。
紫外線吸収剤として例えば、特開2001−98163号公報に開示されるような化合物が挙げられ、具体的にはフェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−オクチルフェニルサリシレート、ビス(4−t−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、ヘシサデシル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエートおよびそれらの混合物などのサリシレート誘導体;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンおよびそれらの混合物などの2−ヒドロキシベンゾフェノン誘導体;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−s−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−((3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−5’−(2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよび2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾールの混合物、2,2’−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)、2,2’−メチレンビス(4−t−ブチル−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、ポリ(3〜11)(エチレングリコール)と2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾールとの縮合物、ポリ(3〜11)(エチレングリコール)とメチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとの縮合物、2−エチルヘキシル−3−(3−t−ブチル−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクチル−3−(3−t−ブチル−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、メチル−3−(3−t−ブチル−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3−(3−t−ブチル−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、2−(4,6−ジフェニール−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシル(オキシ))−フェノールなどが挙げられる。
近赤外線吸収剤としては、例えばシアニン系近赤外線吸収剤、ピリリウム系近赤外線吸収剤、スクワリリウム系近赤外線吸収剤、クロコニウム系近赤外線吸収剤、アズレニウム系近赤外線吸収剤、フタロシアニン系近赤外線吸収剤、ジチオール金属錯体系近赤外線吸収剤、ナフトキノン系近赤外線吸収剤、アントラキノン系近赤外線吸収剤、インドフェノール系近赤外線吸収剤、アジ系近赤外線吸収剤などが挙げられる。
また、本発明の透明性フィルムは、表面平滑性、靱性などを付与する目的にて、透明性を損なわない範囲において、可塑剤を必要に応じて含有しても良く、可塑剤の含有量としては、通常20重量%以下であることが好ましい。また、これら可塑剤はそれぞれ単独で用いてもよく、それぞれを併用しても良い。以下にその詳細を示すが、本発明はこれらになんら制限されるものではない。該可塑剤としては、例えばポリエステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、リン酸系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤等が挙げられる。
該ポリエステル系可塑剤としては、一般的にポリエステル系可塑剤として知られているもので良く、例えば脂肪族多塩基酸及び/又は芳香族多塩基酸とポリオールとを縮重合したものが挙げられ、さらに末端キャッピング剤で末端エステル化されたものであっても良い。
脂肪族多塩基酸としては、炭素数2〜20の脂肪族多塩基酸もしくはそのエステル形成性誘導体が好ましく、例えばシュウ酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジ酸、テトラデカンジ酸、ヘキサデカンジ酸、オクタデカンジ酸等の脂肪族二塩基酸、そのエステルなどを挙げることができる。また、エタントリカルボン酸、プロパントリカルボン酸等の脂肪族三塩基酸、ブタンテトラカルボン酸等の脂肪族4塩基酸等も併用できる。また、これら脂肪族多塩基酸のエステル形成性誘導体としては、これら多塩基酸の低級アルキルエステル、酸ハライド、酸無水物等を挙げることができる。これらの脂肪族多塩基酸もしくはそのエステル形成性誘導体は、一種のみ用いてもよく、また二種以上併用してもよい。
芳香族多塩基酸としては、炭素数8〜20の芳香族多塩基酸もしくはそのエステル形成性誘導体が好ましく、例えばフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族二塩基酸またはこれらのエステル形成性誘導体などを挙げることができる。また、トリメシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多塩基酸またはこれらのエステル形成性誘導体を用いることもできる。これらは1種のみ用いてもよく、また2種以上併用してもよい。
ポリオールとしては、炭素数2〜20の脂肪族アルコール類が好ましく、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール等の脂肪族2価アルコールなどを挙げることができる。また、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリストール等の脂肪族多価アルコール等を併用することもできる。これらは1種のみ用いてもよく、また2種以上併用してもよい。
末端キャッピング剤としては、炭素数2〜20の一塩基酸もしくはそのエステル形成性誘導体、炭素数1〜18の一価アルコールが好ましく、炭素数2〜20の1塩基酸としては、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、トルイル酸、イソノナン酸、安息香酸、ドデカン酸、ジメチル安息香酸等の一塩基酸もしくはエステル形成性誘導体などを挙げることができ、これらの一塩基酸またはエステル形成性誘導体は、一種のみ用いてもよく、二種以上併用してもよい。また、炭素数1〜18の一価アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、n−ドデカノール、テトラデカノール、ステアリルアルコール、ベンジルアルコールなどを挙げることができ、これらの一価アルコールは、一種のみ用いてもよく二種以上併用してもよい。
エポキシ系可塑剤として、例えばエポキシ化大豆油、オクチルエポキシステアレートなど;リン酸エステル系として、例えばトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリオレイルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェートなど;トリメリット酸エステル系可塑剤として、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート、トリイソデシルトリメリレートなど;ピロメリット酸系可塑剤として、2−エチキシルピロメリレートなどが挙げられる。
また、本発明の透明性フィルムは、上述の成分以外に、顔料、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、界面活性剤、高分子電解質、導電性錯体、無機フィラー、染料、オイルなどを必要に応じて含有しても良い。
滑剤としては、例えば流動パラフィン、天然パラフィン、ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系滑剤;セチルアルコール、ステアリルアルコール、ステアリン酸などの高級脂肪族系アルコール・高級脂肪酸系滑剤;ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、パルミチン酸アミド、メチレンビスステアロアミドなどの脂肪族アマイド系滑剤;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウムなどの金属石鹸系滑剤;ステアリン酸ブチル、ステアリン酸エチレングリコールなどの脂肪酸エステル系滑剤;シリコーンオイルなどが挙げられ、滑剤の含有量は、10000ppm以下であることが好ましい。
本発明の透明性フィルムの製造方法としては、キャスティング法(溶液流延法)、溶融押出法、カレンダー法、圧縮成形法などの公知公用の方法が挙げられる。キャスティング法に用いられる溶媒類としては、クロロホルム、塩化メチレンなどの塩素系溶媒;トルエン、キシレン、及びこれらの混合溶媒などの芳香族系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノールなどのアルコール系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド、ジオキサン、メチルエチルケトン、テトラハイドロフラン、シクロヘキサノン、アセトン、酢酸エチル、酢酸メチル、シエチルエーテル、アセトニトリルなどを用いることができ、成形装置としてはドラム式キャスティングマシン、バンド式キャスティングマシン、スピンコーターなどが使用できる。
溶融押出法としては、Tダイ法、インフレーション法が挙げられる。また、得られたフィルムは延伸法により延伸フィルムとしてもよく、採用できるニ軸延伸法としてテンター法、チューブ法、一軸延伸法として水槽延伸法、輻射延伸法、熱風加熱法、熱板過熱法、ロール加熱法などが挙げられる。
本発明の透明性フィルムの厚みは10〜500μmであることが好ましく、特に機械特性、ハンドリング性のバランスなど優れることから、10〜200μmであることが好ましい。
本発明の透明性フィルムは、ガスバリヤー性、耐傷つき性、耐薬品性等の機能を付与する目的にて、薄膜が塗工されたものであってもよい。すなわち、各種の熱可塑性樹脂;アミノ基、イミノ基、エポキシ基、シリル基などを有する熱硬化性樹脂;アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基などを有する放射線硬化型樹脂;これら樹脂の混合物に重合禁止剤、ワックス類、分散剤、顔料、溶剤、染料、可塑剤、紫外線吸収剤、無機フィラー等を加え、グラビアロールコーティング法、マイヤーバーコーティング法、リバースロールコーティング法、ディップコーティング法、エアーナイフコーティング法、カレンダーコーティング法、スキーズコーティング法、キスコーティング法、ファンテンコーティング法、スプレーコーティング法、スピンコーティング法等の方法により塗工することができる。さらに、塗工後、必要に応じて放射線照射による硬化、または加熱による熱硬化を行わせて硬化薄膜層とすることができる。また、印刷を行う際にはグラビア方式、オフセット方式、フレキソ方式、シルクスクリーン方式などの方法を用いることができる。また、ガスシール性等を付与する目的から、アルミニウム、ケイ素、マグネシウム、亜鉛等を主成分とする金属酸化物層を有してもよく、該金属酸化物層は真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法などにより形成することが好ましい。
また、他のフィルムと積層化させることも可能である。積層化させる方法としては、公知公用のいかなる方法を用いてもよく、例えば、ヒートシール法、インパルスシール法、超音波接合法、高周波接合法などの熱接合方法;押出ラミネート法、ホットメルトラミネート法、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、無溶剤接着ラミネート法、サーマルラミネート法、共押出法等のラミネート加工方法などが挙げられる。積層化させるフィルムとしては、例えば、ポリエステル樹脂フィルム、ポリビニルアルコール樹脂フィルム、セルロース樹脂フィルム、ポリフッ化ビニル樹脂フィルム、ポリ塩化ビニリデン樹脂フィルム、ポリアクリロニトリル樹脂フィルム、ナイロン樹脂フィルム、ポリエチレン樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム、アセテート樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、ポリアクリレート樹脂フィルム等が挙げられる。
本発明の透明性フィルムは接着性に優れることから、上記の印刷、塗装、ハードコート、反射防止コート、真空蒸着、スパッタリング、防眩コート等の表面処理が容易に行えるといった特徴を有し、さらに耐熱性、表面硬度、靱性などにも優れることから、光学用フィルムとして好適に使用することができる。光学用フィルムとして例えば、LCD、有機EL、PDP、複写機、プリンター、ファクシミリ、タッチパネル、光ファイル等の情報機器に使用される位相差フィルム、偏光膜保護フィルム、リフレクターフィルム、セパレーターフィルム、光拡散フィルム、透明電極フィルム基板、ディスプレイの表面保護フィルム、アンチグレアフィルム、アンチリフレクションフィルム、電磁波遮蔽フィルム、紫外線吸収フィルム、遠赤外線吸収フィルムなどを挙げることができる。
また、光学用以外のフィルムとしても好適に使用することができ、例えば下記の用途を挙げることができる。
記録分野:静電記録基板、OHP、第2原図、スライドフィルム、マイクロフィルム、X線フィルム
光・磁気メモリー分野:サーモ・プラスチック・レコーディング、強誘電体メモリー、磁気テープ、IDカード、バーコード
帯電防止分野分野:メータ類の窓、テレビのブラウン管、クリーンルーム窓、半導体包装材料、フォトマスク用防塵フィルム
電磁波遮蔽分野:計測器、医療機器、放射線検出器、IC部品、CRT
光電変換素子分野:太陽電池の窓、光増幅器、光センサー
熱線反射分野:窓(建築、自動車等)、白熱電球、調理オーブンの窓、炉の覗き窓、選択透過膜
面状発熱体分野:デフロスタ、航空機、自動車、冷凍庫、保育器、ゴーグル、医療機器、液晶表示装置
電子部品・回路材料分野:コンデンサ、抵抗体、薄膜複合回路、リードレスLSIチップキャリアの実装、ドライフィルムレジスト
電極分野:ペーパーバッテリー用電極
光透過フィルター分野:紫外線カットフィルター、紫外線透過フィルター、紫外線透過可視光吸収フィルター、色分解フィルター、色温度変換フィルター、ニュートラルデンシティフィルター、コントラストフィルター、波長校正フィルター、干渉フィルター、赤外線透過フィルター、赤外線カットフィルター、熱線吸収フィルター、熱線反射フィルター
ガス選択透過性膜分野:酸素/窒素分離膜、二酸化炭素分離膜、水素分離膜
電気絶縁分野:絶縁粘着テープ、モーターのスロットライナ、変圧機の相間絶縁、リード線の絶縁、高電圧ケーブルの絶縁被覆
高分子センサ分野:光センサ、赤外線センサ、音波センサ、圧力センサ
表面保護分野:CRT、家具、システムキッチン、自動車内外装、塗装保護フィルム
摺動材分野:ホッパー・シュートの内張り、ベルトコンベアのすべり材、ガイドレールのすべり材、複写機の紙送りローラー、コンピュータ−マウス
多孔質フィルム分野:透湿防水材、精密濾過膜用のフィルター材
その他分野:通電熱転写、プリンターリボン、電線ケーブルシールド、漏水防止フィルム、電池用セパレートフィルム
本発明により得られるフィルムは、透明性、耐熱性、靱性及びその他機械特性に優れることから、光学用フィルムなどとして好適に使用することができる。
以下に本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら制限されるものではない。
実施例に示された諸物性は以下の方法により測定した。
〜数平均分子量〜
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製、商品名HLC−802A)を用い測定したN−置換マレイミド・オレフィン共重合体の溶出曲線により、標準ポリスチレン換算値として求めた。
〜ヘイズ〜
JIS K7136に準拠して測定した。
〜引掻き鉛筆硬度〜
JIS K5600−5−4に準拠して測定した。
〜引張破断伸び〜
ASTM D882に準拠し、透明性フィルム成形時の流動方向の引張破断伸びを測定した。
〜引張弾性率〜
ASTM D882に準拠し、透明性フィルム成形時の流動方向の引張弾性率を測定した。
〜屈折率〜
ASTM D542に準拠し、測定温度25℃、測定波長589nmの条件で測定した。
〜ゴム粒子の平均粒子径〜
レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製、商品名LA500)を用いて測定した。
合成例1(N−メチルマレイミド・イソブテン共重合体の合成)
ステンレス製オートクレーブに無水マレイン酸・イソブテン共重合体(株式会社クラレ製、商品名イソバン10)100重量部及び溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと記す。)500重量部を充填し、室温で攪拌して無水マレイン酸・イソブテン共重合体をNMPに溶解させた。次いで、メチルアミン40重量部を室温で導入した後、80℃に昇温して1時間攪拌することにより無水マレイン酸単位のアミド化反応を行った。引き続き、205℃に昇温し、1時間攪拌することによりイミド化反応を行った後、室温まで冷却し、イソプロパノールを用いて再沈殿処理して共重合体を得た。
元素分析、赤外吸収スペクトル測定及び13C−NMR測定から、生成した共重合体はN−メチルマレイミド残基/イソブテン残基=0.50/0.50(モル比)のN−メチルマレイミド・イソブテン共重合体(以下、A−1と記すこともある。)であることを確認した。また、数平均分子量は90000であり、屈折率は1.5276であった。
合成例2(N−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体の合成)
ステンレス製オートクレーブにN−フェニルマレイミド73重量部、イソブテン227重量部、トルエン400重量部、重合開始剤としてパーブチルネオデカノエート0.244重量部を充填した、次いで、60℃に昇温して5時間攪拌することにより重合反応を行った後、室温まで冷却し、ろ過、洗浄、乾燥することにより共重合体を得た。
H−NMR測定から、生成した共重合体はN−フェニルマレイミド残基/イソブテン残基=0.57/0.43(モル比)のN−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体(以下、A−2と記すこともある。)であることを確認した。また、数平均分子量は90000であり、屈折率は1.5706であった。
合成例3(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム粒子の合成)
ステンレス製オートクレーブに、脱イオン水150重量部、高級脂肪酸セッケン4重量量部、水酸化ナトリウム0.075重量部を充填し、窒素置換後、68℃に昇温した。別途調製しておいたブタジエン80重量部、スチレン20重量部及びt−ドデシルメルカプタン0.3重量部からなる単量体混合物の内、20重量%を該オートクレーブ内に添加した後、過硫酸カリウム0.135重量部を添加し、1時間攪拌することにより重合反応を行った。その後、単量体混合物の残りの80重量%を連続的に添加し、添加終了後、80℃に昇温しさらに1時間攪拌することにより重合反応を行い、1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム粒子(以下、ゴム粒子(B)と記すこともある。)の合成を行った。得られた1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム粒子の平均粒子径は0.1μmであった。
合成例4(スチレン・メタクリル酸エチル共重合体−(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)グラフト共重合体の合成)
ステンレス製オートクレーブに合成例3により得られたゴム粒子(B)100重量部、脱イオン水265重量部を充填し、70℃に昇温した。次いで、過硫酸カリウム0.32重量部、スチレン55重量部、メタクリル酸エチル45重量部、ロジン酸カリウムセッケン1.8重量部、水酸化カリウム0.44重量部、脱イオン水27重量部を添加し、添加終了後、30分間攪拌することによりグラフト重合反応を行い、該グラフト共重合体に対し老化防止剤2.5重量部を添加した。その後、95℃に加熱した硫酸マグネシウム水溶液中に添加・凝固させ、該凝固物を水洗、乾燥することによりスチレン・メタクリル酸エチル共重合体−(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)グラフト共重合体(以下、C−1と記すこともある。)を得た。得られたスチレン・メタクリル酸エチル共重合体−(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)グラフト共重合体の屈折率は1.5298であった。
合成例5(スチレン・アクリル酸ブチル共重合体−(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)グラフト共重合体の合成)
ステンレス製オートクレーブに合成例3により得られたゴム粒子(B)100重量部、脱イオン水265重量部を充填し、70℃に昇温した。次いで、過硫酸カリウム0.32重量部、スチレン80重量部、アクリル酸ブチル20重量部、ロジン酸カリウムセッケン1.8重量部、水酸化カリウム0.44重量部、脱イオン水27重量部を添加し、添加終了後、30分間攪拌することによりグラフト重合反応を行い、該グラフト共重合体に対し老化防止剤2.5重量部を添加した。その後、95℃に加熱した硫酸マグネシウム水溶液中に添加・凝固させ、該凝固物を水洗、乾燥することによりスチレン・アクリル酸ブチル共重合体−(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)グラフト共重合体(以下、C−2と記すこともある。)を得た。得られたスチレン・アクリル酸ブチル共重合体−(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)グラフト共重合体の屈折率は1.5731であった。
合成例6(スチレン・メタクリル酸エチル共重合体の合成)
ステンレス製オートクレーブに脱イオン水100重量部、スチレン45重量部、メタクリル酸エチル55重量部、ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.02重量部、硫酸ナトリウム0.2重量部を充填し、攪拌しつつ105℃に昇温した。次いで、少量のスチレンに溶解したジ−t−ブチルパーオキサイド0.01重量部を添加した。その後145℃に昇温し、重合反応を行った後、室温に冷却し、ろ過、洗浄、乾燥して共重合体を得た。
H−NMR測定から、生成した共重合体はスチレン残基/メタクリル酸エチル残基=0.47/0.53(モル比)のスチレン・メタクリル酸エチル共重合体(以下、D−1と記すこともある。)であることを確認した。また、数平均分子量は95000であり、屈折率は1.5315であった。
合成例7(スチレン・アクリル酸ブチル共重合成体の合成)
ステンレス製オートクレーブに脱イオン水100重量部、スチレン75重量部、アクリル酸ブチル25重量部、ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.02重量部、硫酸ナトリウム0.2重量部を充填し、攪拌しつつ105℃に昇温した。次いで、少量のスチレンに溶解したジ−t−ブチルパーオキサイド0.01重量部を添加した。その後145℃に昇温し、重合反応を行った後、室温に冷却し、ろ過、洗浄、乾燥して共重合体を得た。
H−NMR測定から、生成した共重合体はスチレン残基/アクリル酸ブチル残基=0.78/0.22(モル比)のスチレン・アクリル酸ブチル共重合体(以下、D−2と記すこともある。)であることを確認した。また、数平均分子量は100000であり、屈折率は1.5722であった。
実施例1
合成例1により得られたN−メチルマレイミド・イソブテン共重合体90重量%及び合成例4により得られたスチレン・メタクリル酸エチル共重合体−(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)グラフト共重合体10重量%を配合し、30mmφ2軸押出機(株式会社日本製鋼所製、商品名TEX30)に供して押出し、樹脂組成物を得た。
次いで、得られた樹脂組成物をTダイスを設置した2軸押出機に供し、Tダイスの温度270〜285℃、冷却ロールの温度100〜130℃の条件で押出して厚み100μmの透明性フィルムを得た。本透明性フィルムを用いて物性を測定した結果を表1に示す。
実施例2
合成例2により得られたN−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体80重量%及び合成例5により得られたスチレン・アクリル酸ブチル共重合体−(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)グラフト共重合体20重量%を配合し、30mmφ2軸押出機(株式会社日本製鋼所製、商品名TEX30)に供して押出し、樹脂組成物を得た。
次いで、得られた樹脂組成物をTダイスを設置した2軸押出機に供し、Tダイスの温度270〜285℃、冷却ロールの温度100〜130℃の条件で押出して厚み100μmの透明性フィルムを得た。本透明性フィルムを用いて物性を測定した結果を表1に示す。
実施例3
合成例1により得られたN−メチルマレイミド・イソブテン共重合体90重量%を80重量%ととし、さらに合成例6により得られたスチレン・メタクリル酸エチル共重合体10重量%を配合した以外は、実施例1と同様の方法により樹脂組成物、透明性フィルムを得、評価を行った。
物性を測定した結果を表1に示す。
実施例4
合成例2により得られたN−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体80重量%を70重量%ととし、合成例5により得られたスチレン・アクリル酸ブチル共重合体−(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)グラフト共重合体20重量%を15重量%ととし、更に合成例7により得られたスチレン・アクリル酸ブチル共重合体15重量%を配合した以外は、実施例2と同様の方法により樹脂組成物、透明性フィルムを得、評価を行った。
物性を測定した結果を表1に示す。
比較例1
合成例1により得られたN−メチルマレイミド・イソブテン共重合体を30mmφ2軸押出機(株式会社日本製鋼所製、商品名TEX30)に供して押出し、透明性樹脂を得た。
次いで、得られた樹脂組成物をTダイスを設置した2軸押出機に供し、Tダイスの温度270〜285℃、冷却ロールの温度100〜130℃の条件で押出して厚み100μmの透明性フィルムを得た。本透明性フィルムを用いて物性を測定した結果を表2に示す。
得られた透明性フィルムは、引張り破断伸びが低く、靭性に劣るものであった。
比較例2
合成例2により得られたN−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体を30mmφ2軸押出機(株式会社日本製鋼所製、商品名TEX30)に供して押出し、透明性樹脂を得た。
次いで、得られた樹脂組成物をTダイスを設置した2軸押出機に供し、Tダイスの温度270〜285℃、冷却ロールの温度100〜130℃の条件で押出して厚み100μmの透明性フィルムを得た。本透明性フィルムを用いて物性を測定した結果を表2に示す。
得られた透明性フィルムは、引張り破断伸びが低く、靭性に劣るものであった。
比較例3
合成例1により得られたN−メチルマレイミド・イソブテン共重合体90重量%及び合成例3により得られた1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム粒子10重量%を配合し、30mmφ2軸押出機(株式会社日本製鋼所製、商品名TEX30)に供して押出し、樹脂組成物を得た。
次いで、得られた樹脂組成物をTダイスを設置した2軸押出機に供し、Tダイスの温度270〜285℃、冷却ロールの温度100〜130℃の条件で押出して厚み100μmのフィルムを得た。本フィルムを用いて物性を測定した結果を表2に示す。
得られたフィルムはヘイズが6.5%と大きく、透明性に劣るとともに、引掻き鉛筆硬度が2Bと硬度にも劣るものであった。
比較例4
合成例2により得られたN−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体80重量%及び合成例3により得られた1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム粒子20重量%を配合し、30mmφ2軸押出機(株式会社日本製鋼所製、商品名TEX30)に供して押出し、樹脂組成物を得た。
次いで、得られた樹脂組成物をTダイスを設置した2軸押出機に供し、Tダイスの温度270〜285℃、冷却ロールの温度100〜130℃の条件で押出して厚み100μmのフィルムを得た。本フィルムを用いて物性を測定した結果を表2に示す。
得られたフィルムはヘイズが8.3%と大きく、透明性に劣るとともに、引掻き鉛筆硬度が2Bと硬度にも劣るものであった。
比較例5
合成例1により得られたN−メチルマレイミド・イソブテン共重合体45重量%及び合成例4により得られたスチレン・メタクリル酸エチル共重合体−(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)グラフト共重合体55重量%を配合し、30mmφ2軸押出機(株式会社日本製鋼所製、商品名TEX30)に供して押出し、樹脂組成物を得た。
次いで、得られた樹脂組成物をTダイスを設置した2軸押出機に供し、Tダイスの温度270〜285℃、冷却ロールの温度100〜130℃の条件で押出し、フィルム成形を試みたが、該樹脂組成物は流動性に著しく劣るため、フィルムを得ることができなかった。
比較例6
市販のポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、商品名L−1250Y)をTダイスを設置した2軸押出機に供し、Tダイスの温度270〜285℃、冷却ロールの温度100〜130℃の条件で押出して厚み100μmの透明性フィルムを得た。本透明性フィルムを用いて物性を測定した結果を表2に示す。ポリカーボネートフィルムは剛性、表面硬度に劣るものであった。
Figure 0004419694
Figure 0004419694

Claims (5)

  1. 下記一般式(I)で示される単位40〜60モル%と下記一般式(II)で示される単位60〜40モル%からなり、数平均分子量が1×10以上5×10以下である、N−メチルマレイミド・イソブテン共重合体、N−フェニルマレイミド・イソブテン共重合体、N−シクロヘキシルマレイミド・イソブテン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のN−置換マレイミド・オレフィン共重合体50〜99重量%、及び、ゴム粒子に芳香族ビニル化合物、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、マレイミド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の単量体をグラフト重合してなる、スチレン・メタクリル酸エチル共重合体−(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)グラフト共重合体、スチレン・メタクリル酸エチル共重合体−(1,3−ブタジエンゴム)グラフト共重合体、スチレン・アクリル酸エチル共重合体−(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)グラフト共重合体、スチレン・アクリル酸エチル共重合体−(1,3−ブタジエンゴム)グラフト共重合体、スチレン・メタクリル酸ブチル共重合体−(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)グラフト共重合体、スチレン・メタクリル酸ブチル共重合体−(1,3−ブタジエンゴム)グラフト共重合体、スチレン・アクリル酸ブチル共重合体−(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)グラフト共重合体、スチレン・アクリル酸ブチル共重合体−(1,3−ブタジエンゴム)グラフト共重合体、スチレン・N−メチルマレイミド共重合体−(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)グラフト共重合体、スチレン・N−メチルマレイミド共重合体−(1,3−ブタジエンゴム)グラフト共重合体、スチレン・N−フェニルマレイミド共重合体−(1,3−ブタジエン・スチレン共重合体ゴム)グラフト共重合体、スチレン・N−フェニルマレイミド共重合体−(1,3−ブタジエンゴム)グラフト共重合体、スチレン・メタクリル酸エチル共重合体−(アクリルゴム)グラフト共重合体、スチレン・アクリル酸エチル共重合体−(アクリルゴム)グラフト共重合体、スチレン・メタクリル酸ブチル共重合体−(アクリルゴム)グラフト共重合体、スチレン・アクリル酸ブチル共重合体−(アクリルゴム)グラフト共重合体、スチレン・N−メチルマレイミド共重合体−(アクリルゴム)グラフト共重合体、スチレン・N−フェニルマレイミド共重合体−(アクリルゴム)グラフト共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のグラフト共重合体50〜1重量%からなることを特徴とする透明性フィルム。
    Figure 0004419694
    (R1はメチル基、フェニル基、シクロヘキシル基から選ばれる少なくとも1種以上の有機基を示す。)
    Figure 0004419694
    (R2、R3はメチル基を示す。)
  2. ゴム粒子の平均粒子径が0.01〜1μmの範囲にあるグラフト共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の透明性フィルム。
  3. N−置換マレイミド・オレフィン共重合体の屈折率に対し、屈折率差が絶対値として0.01以下のグラフト共重合体であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の透明性フィルム。
  4. さらに、N−置換マレイミド・オレフィン共重合体100重量部に対し、芳香族ビニル化合物、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル及びマレイミド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の単量体を重合してなる熱可塑性樹脂1〜50重量部を含んでなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明性フィルム。
  5. N−置換マレイミド・オレフィン共重合体の屈折率に対し、屈折率差が絶対値として0.01以下の熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項4に記載の透明性フィルム。
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