JP4419682B2 - 感光性平版印刷版の製版方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アルミニウムを支持体とする光重合型感光性平版印刷版の製版方法に関する。
近年、オフセット印刷用の印刷版の作製技術において、画像のデジタルデータをレーザー光源で直接感光性印刷版に記録するCTPが開発され、実用化が進んでいる。
レーザーでデジタルデータを記録するCTP用感光性平版印刷版としては、従来知られているPS版と同様、セーフライト下での取り扱い性が要求され、特定のセーフライト下で扱うことができる、例えば特開平9−80750号、特開平10−101719号に記載の重合開始剤であるチタノセンと特定の色素を含有する光重合系感光層を有する感光性平版印刷版、黄色灯下で取り扱いが可能な光重合性感光層を有する印刷版材料が提案されている(例えば特許文献1、2参照。)。
しかしながら、これらの印刷版材料において、印刷時に汚れを生ずる場合がある、多数枚印刷した時のシャドウ部の汚れ発生、網点再現性の劣化などを生じる場合があり、特に、近年環境対応で用いられるようになった脱石油系揮発性有機化合物(VOC)インキを用いた印刷ではこれらの問題点は顕著であり耐刷性の面でも不十分であった。
他方、支持体を改良した印刷版材料として、特定の粗面化処理を施し、陽極酸化処理した後、ポリビニルホスホン酸で親水化処理を施したアルミニウム支持体を用いた印刷版材料(例えば特許文献3参照。)が知られている。
しかしながら、上記の印刷版材料においても多量の印刷を行う際、小点が損傷したり印刷時の汚れが発生する場合があり耐刷性、汚れ防止性において充分ではなかった。
一方、比較的耐刷力を要求される分野において、従来より、アルミニウム板支持体上に光重合型感光層を有する平版印刷版材料が用いられており、この光重合型感光層を有する平版印刷版材料用の現像液として、一般的にはアルカリ溶液を用いることが知られている。
アルカリ溶液として、例えば特開平8−248643号公報、特開平11−65129号公報に記載の珪酸アルカリ塩を含む溶液が知られている。
これら珪酸アルカリ塩を含む溶液の場合、高pHの場合画像部が損傷し易く、低PHの場合、現像液がゲル化して不溶化し易いという問題があった。
珪酸アルカリ塩を含まない現像液としては、例えば特開昭61−109052号公報に、アルカリ試薬、錯化剤、アニオン界面活性剤、乳化剤、n−アルカン酸等からなる現像液が知られているが、画像部の損傷が多く、高耐刷性を得るには不充分な場合があった。
又、比較的低pHで珪酸塩を含まない現像液として、例えば特開2000−81711号公報にアニオン界面活性剤を含む水酸化カリウム水溶液が、特開平11−65126号公報にpH8.5〜11.5のアルカリ金属の炭酸塩水溶液が開示されている。
このような比較的低pHでの現像の問題としては、基本的に光重合型感光層の溶解力が乏しいため、現像性が不充分である場合があるなどの問題があった。
さらに、これらの問題を改良する目的で、光重合性感光層を有する平版印刷版材料の現像に、無機アルカリ剤とポリオキシアルキレンエーテル基を有するノニオン系界面活性剤とを含有する現像液を用いることが知られている(例えば特許文献4、特許文献5参照。)。
しかしながら、これらの現像液を用いても、現像に自動現像機を用い比較的多量に印刷版材料を処理する際、あるいは比較的長期間に渡り現像液を使用する際に現像性が劣化して現像不良による汚れが発生する場合があるなど現像性が不充分であり、現像性と耐刷性を両立させるのは困難であり、また上記の脱石油系の揮発性有機化合物(VOC)インキを使用して印刷する場合で原画像に対する印刷版上での画像再現性が不充分であるという問題もあった。
特開2002−202598号公報 特開2003−21901号公報 特開2002−103834号公報 特開2002−196507号公報 特開2002−91015号公報
本発明の目的は、優れた画像再現性を有し、印刷時の汚れ防止性と耐刷性に優れ、かつ現像のメンテナンス性に優れる感光性平版印刷版の製版方法を提供することである。
本発明の目的は、下記の構成により達成される。
(請求項1)
アルミニウム支持体上に、(A)光重合開始剤、(B)高分子結合材、(C)重合可能な、エチレン性不飽和結合含有化合物および(D)吸収極大波長が350〜550nmにある色素を含有する光重合性感光性層を有する感光性平版印刷版を画像露光した後、現像処理する感光性平版印刷版の製版方法において、該現像処理に用いられる現像液が実質的に珪酸塩を含まず下記化合物Aを含有し、かつ該アルミニウム支持体の前記光重合性感光性層を有する面にポリビニルホスホン酸を積層し、該現像処理した後の平版印刷版材料の非画像部表面のP原子濃度が3〜15atm%であるようにする工程を有することを特徴とする感光性平版印刷版の製版方法。
化合物A:疎水基部分の飽和アルキル基の分子量が、疎水基全体の分子量の0〜25%であるポリオキシエチレン基を含有するアニオン性界面活性剤。
(請求項2)
前記アルミニウム支持体の前記光重合性感光性層を有する面を陽極酸化し、この後前記ポリビニルホスホン酸を含む水溶液で処理することで前記積層を行うことを特徴とする請求項1に記載の感光性平版印刷版の製版方法。
(請求項3)
前記化合物Aの含有量が2〜10質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の感光性平版印刷版の製版方法。
(請求項4)
前記現像液が、下記化合物Bを含有し、前記化合物Aと該化合物Bの含有割合(化合物A:化合物B)が2:3〜1:7であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の感光性平版印刷版の製版方法。
化合物B:R−(OC36m−(OC24n−OH
〔式中Rは置換、無置換のアルキル基または置換、無置換のアリール基を表す。mは1〜3の整数を表し、nは2〜30の整数を表す。〕
本発明の構成により、優れた画像再現性を有し、印刷時の汚れ防止性と耐刷性に優れ、かつ現像のメンテナンス性に優れる感光性平版印刷版の製版方法が提供できる。
本発明は、アルミニウム支持体上に、(A)光重合開始剤、(B)高分子結合材及び(C)重合可能な、エチレン性不飽和結合含有化合物および(D)吸収極大波長が350〜550nmにある色素を含有する光重合性感光性層を有する感光性平版印刷版を画像露光した後、現像処理する感光性平版印刷版の製版方法において、該現像処理に用いられる現像液が実質的に珪酸塩を含まず下記化合物Aを含有し、かつ該アルミニウム支持体の前記光重合性感光性層を有する面にポリビニルホスホン酸を積層し、該現像処理した後の平版印刷版材料の非画像部表面のP原子濃度が3〜15atm%であるようにする工程を有することを特徴とする感光性平版印刷版の製版方法。
本発明では、感光性平版印刷版は画像露光後現像処理され、未露光部分においては、光重合性感光性層は除去されて支持体が露出され水受容性の非画像部となる。
本発明に係る非画像部表面とは、この未露光部分の光重合性感光性層が除去され露出された支持体表面のことをいい、この表面のP原子濃度が3〜15atm%である。
本発明に係るP原子濃度とは、下記の測定法により測定された、支持体表面におけるP(燐)原子の含有割合(原子数濃度)atm%をいう。
支持体表面におけるP原子の含有割合(原子数濃度)atm%はX線光電子分光(XPS)表面分析装置を用いて行う。
XPS法とは、X線光電子分光法の略称であってX線の照射によって試料中の原子から放出された光電子のエネルギースペクトルから試料表面近傍の元素の種類及び化学結合状態を分析する方法である。
この方法では、光電子の透過能が小さいために試料最表面から10nm以内の情報が相対的に強く得られる特徴を有する。XPS法に用いられるX線源には、分解能が制約されるのを避けるため、エネルギー幅の小さい陽極材を用いる。
また、線源は長時間の電子衝撃に安定であり、千数百eV程度のエネルギーを有していなければならない。このような条件を満たす線源として、MgKα及びAlKαを用いる。
光電子とオージェピークの干渉が生じた場合、オージェ電子のエネルギーは線源により変わらないことから、2つの線源で測定することで干渉を解決できるので、測定装置にはXPSの線源として、Mg陽極とAl陽極とを装備する。
線源と試料の間にモノクロメーターを設置する。モノクロメーターを用いることによりX線の単色化がはかられ、サテライトによる干渉の除去、制動放射によるX線の除去によるS/N比の改善及び二重線の主線の分離を可能にする等の効果が得られる。ただし、モノクロメーターで非導電性物質を測定するとチャージアップを生じることがあるため、その時はフラッドガンを使用する必要がある。
試料表面から放出もしくは散乱された電子のエネルギーを測定する電子エネルギー分析器には、一般的に円筒鏡型分析器(CylindricalMirrorAnalyzer)と同心半球型分析器(ConcentricHemisphericalAnalyzer)の2つがある。前者は電子の取り込み立体角が広く、高感度の測定が可能である。また、後者は分解能の点では優れているが取り込み立体角が狭く感度が低いという問題があった。しかし、現在は、分光器のあとにチャンネルトロン電子増倍管を設置することにより、同心半球型分析器の高感度化が計られており、測定精度には問題がなく、測定にはどちらのタイプの分析器を用いてもよい。
XPS法では、表面の微細な変化が測定データに影響を与える。例えば、長時間大気中に放置することで生ずる不純物の吸着、コンタミネーションが問題となる。また、測定時の超高真空下での吸着物質の脱離,X線によるダメージ等も影響する。従って、試料の取り扱いに際しては上記の点を十分考慮しながら測定をしなければならない。測定したスペクトルにより定量を行う際、試料表面に蓄積する正電荷に起因する光電子ピークのエネルギーシフトに留意する必要がある。シフトの補正方法としては、
1.染炭化水素のC1sを利用
2.表面に蒸着したAuの4f7/2を利用
3.標準物質との混合
4.低エネルギー電子フラットガンの利用
等があるが、試料表面に特別な処理を施さない「汚染炭化水素のC1sを利用」する補正を行う。
XPS表面分析装置としては特に限定なく、いかなる公知の機種も使用することができるが、本発明においてはVGサイエンティフィックス社製ESCALAB−200Rを用いた。
X線アノードにはMgを用い、出力600W(加速電圧15kV、エミッション電流40mA)で測定する。
エネルギー分解能は、清浄なAg3d5/2ピークの半値幅で規定したとき、1.5〜1.7eVとなるように設定する。先ず、結合エネルギー0eVから1100eVの範囲をデータ取り込み間隔1.0eVで測定し、いかなる元素が検出されるかを求める。
次に、検出された全ての元素について、データの取り込み間隔を0.2eVとして、その最大強度を与える光電子ピークについてナロースキャンを行い、各元素のスペクトルを測定する。
得られたスペクトルを、表面組成の値を原子数濃度(atomic concentration)として求めるソフトを用いて、表面組成の値を原子数濃度として求めることができる(例えば、VAMAS−SCA−JAPAN社製のCOMMON DATA PROCESSING SYSTEM(Ver.2.3以降が好ましい)上に転送した後、同ソフトで処理をおこない、表面組成の値を原子数濃度(atomic concentration)として求めることができる)。
定量処理をおこなう前に、各元素についてCount Scaleのキャリブレーションをおこない、5ポイントのスムージング処理をおこなる。定量処理では、バックグラウンドを除去したピークエリア強度(cps*eV)を用いる。バックグラウンド処理には、Shirleyによる方法を用いる。なお、Shirley法についてはD.A.Shirley,Phys.Rev.,B5,4709(1972)を参考にすることができる。
P原子濃度が本発明の範囲である支持体は、支持体をPを有する化合物を含有する処理液にて処理することにより得られる。
アルミニウム支持体をポリビニルホスホン酸を含む水溶液で処理したものを用いるのが好ましい態様である。
特にアルミニウム支持体を後述のように陽極酸化し、この後ポリビニルホスホン酸を含む水溶液で処理することが好ましい。
ポリビニルホスホン酸を含む水溶液で処理するとは、ポリビニルホスホン酸を含む水溶液にアルミニウム支持体の表面を接触させることである。
ポリビニルホスホン酸はホスホン基を有するビニル重合体であり、数平均分子量が5000〜40000のものが好ましく用いられ10000〜25000のものが特に好まし。
上記ポリビニルホスホン酸の含有量としては、水溶液に対して、0.01〜35質量%の範囲で存在することが好ましい。さらに、0.1〜2質量%の範囲で使用することがなお好ましい。また水溶液のpHは1.5〜2.5であることが好ましい。
ポリビニルホスホン酸を含む水溶液での処理としては、塗布式、スプレー式、ディップ式等の方法が挙げられが、これらに限定されるものではない。この処理としては、設備を安価にするにはディップ式が好適である。
ディップ式の場合には、ポリビニルホスホン酸の0.1〜2質量%の水溶液で処理することが好ましい。また処理温度は40〜90℃、処理時間は10〜180秒で行うのが好ましい。
ポリビニルホスホン酸を含む水溶液を支持体に接触させた後、過剰に積層したポリビニルホスホン酸を除去するため、スキージ処理または水洗処理を行なってもよい。
これらの処理の後に150〜230℃で乾燥を行う。
150〜230℃で乾燥を行うとは、支持体表面の温度がこの範囲であることをいう。
表面温度は市販の非接触式表面温度計で測定することができる。乾燥時間は2秒〜60秒が好ましく、特に5秒〜40秒が好ましい。
乾燥のための加熱方法は、熱風を用いる乾燥でも、石英ヒーター、遠赤外ヒーターを用いたものでもよい。
(現像液)
本発明において、画像露光がなされた感光性平版印刷版は、実質的に珪酸塩を含まず上記化合物Aを含むアルカリ性水溶液からなる現像液で現像される。
水溶液とは、現像液中の溶媒の95質量%以上が水であることをいう。
本発明に係る現像液としては、アルカリ剤を含みpH8.5〜12.5のアルカリ性水溶液が好ましく用いられる。
実質的に珪酸塩を含まないとは、珪酸塩を含まないか、又は珪酸塩の濃度として、SiO2濃度換算で0.1質量%以下であることをいう。
(アルカリ剤)
アルカリ剤としては、例えば第二燐酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;重炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;ホウ酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;水酸化ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム及び同リチウム等の無機アルカリ剤が挙げられる。
また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ−i−プロピルアミン、ジ−i−プロピルアミン、トリ−i−プロピルアミン、ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ−i−プロパノールアミン、ジ−i−プロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン等の有機アルカリ剤も用いることができる。
また上記の塩の他に、スルホサリチル酸、サリチル酸及び非還元糖の糖アルコールとサッカロース、D−ソルビット等の塩も用いることがでる。
これらの中でも炭酸塩が好ましく用いられる。
アルカリ剤の現像液中の含有量は、0.1質量%〜10質量が好ましく、この範囲でpHを8.5〜12.5に調製するのが好ましい。
(化合物A)
本発明に係る化合物Aは、分子中に飽和アルキル基を有する疎水基を有し、該飽和アルキル基の分子量が、疎水基全体の分子量の0〜25%であるポリオキシエチレン基を含有するアニオン性界面活性剤を指し、該飽和アルキル基の分子量が該疎水基全体の分子量の0以上5%以下であるものが好ましい。
ここで、「飽和アルキル基の分子量が、疎水基全体の分子量の0〜25%である」とは
全ての疎水基の分子量に対する、飽和アルキル基の分子量の割合をいい、分子中に飽和アルキル基を有する疎水基を、2以上有する場合には、その分子が有する全ての疎水基の元素について合計した分子量を分母として、その全ての疎水基が有する飽和アルキル基の元素についての分子量を分子(飽和アルキル部)として計算した結果を%表示したものである。
複数の疎水基を分子が有する場合に、各疎水基が平均して「飽和アルキル基の分子量が、疎水基全体の分子量の0〜25%である」ことが好ましいが、各疎水基が平均して上記の範囲にないものも用いることができる。
また、疎水基の元素についての合計した分子量は、ある程度の大きさを有することが好ましく、分子量が120以上2000以下程度のものが好ましい。
ここで言う疎水基とは、下記に示す疎水化度が20以上のものをいう。
疎水化度は、メタノールウエッタビリティで表される。メタノールウエッタビリティとは、メタノールに対する塗れ性を評価するものであり、この方法は以下に示される。内容量1000mlのメスシリンダーに入れた蒸留水50mlに測定対象の基からなる化合物(微粒子状)を0.2g秤量し、蒸留水表面に乗せるようにそっと添加する。メタノールを先端が蒸留水中に浸漬されているビュレットからゆっくり撹拌しながら、全ての化合物微粒子が濡れて蒸留水/メタノール混合溶媒中に完全に没するまでゆっくり滴下する。この微粒子を完全に濡らすために必要なメタノールの量をa(ml)とした場合に、下記式により疎水化度を算出する。
疎水化度={a/(a+50)}×100
本発明に係る化合物Aは、現像液中に0.1〜10質量%含有されることが好ましく、更に、2〜10質量%含有されることが特に好ましい。
本発明の化合物Aとしては、疎水基としてナフチル基を有するものが好ましく、且つアルカリ水溶液現像液中に2〜10質量%含有されていることが特に好ましい。
次に、本発明に係る化合物Aの好ましい例を挙げるが、本発明においては、これらに限定されるものではない。
Figure 0004419682
(化合物B)
本発明に係る現像液は、さらに下記化合物Bを含むことが好ましい。
特に化合物Aと化合物Bの含有割合(化合物A:化合物B)が2:3〜1:7であることが、好ましい。
化合物B:R−(OC36m−(OC24n−OH
〔式中Rは置換、無置換のアルキル基または置換、無置換のアリール基を表す。mは1〜3の整数を表し、nは2〜30の整数を表す。〕
上記アルキル基としては、炭素数6〜20の飽和アルキル基が挙げられ、特に炭素数8〜14の飽和アルキル基が好ましく用いられる。
アリール基としは、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。
置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の芳香族基、ヘテロ環基などが挙げられる。
化合物Bの具体例を以下に示す。
Figure 0004419682
Figure 0004419682
(界面活性剤)
本発明に係る現像液には、現像性の促進や現像カスの分散および印刷版画像部の親インキ性を高める目的で必要に応じて他の界面活性剤や有機溶剤を添加できる。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系および両性界面活性剤が挙げられる。界面活性剤の好ましい例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアリールエーテル、エステルポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、しょ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体、エチレンジアミンのポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体付加物、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシドなどの非イオン性界面活性剤、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアリールエーテルカルボン酸、ポリオキシエチレンナフチルエーテル硫酸エステル塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、ポリオキシエチレンアリールルエーテル硫酸エステル塩、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム塩、N−アルキルスルホ琥珀酸モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類などのアニオン界面活性剤、アルキルアミン塩類、テトラブチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体などのカチオン性界面活性剤、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミダゾリン類などの両性界面活性剤が挙げられる。
好ましい界面活性剤は分子内にパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系の界面活性剤である。かかるフッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどのアニオン型、パーフルオロアルキルベタインなどの両性型、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などのカチオン型およびパーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基および親水性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基含有ウレタンなどの非イオン型が挙げられる。上記の界面活性剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて使用することができ、現像液中に0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%の範囲で添加される。
(現像安定化剤)
本発明に係る現像液には、種々の現像安定化剤をふくんでもよい。それらの好ましい例として、特開平6−282079号公報記載の糖アルコールのポリエチレングリコール付加物、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどのテトラアルキルアンモニウム塩、テトラブチルホスホニウムブロマイドなどのホスホニウム塩およびジフェニルヨードニウムクロライドなどのヨードニウム塩が好ましい例として挙げられる。
更には、特開昭55−95946号公報記載の水溶性カチオニックポリマー、特開昭56−142528号公報に記載されている水溶性の両性高分子電解質がある。更に、特開昭59−84241号公報のアルキレングリコールが付加された有機ホウ素化合物、特開昭60−129750号公報のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンを置換したアルキレンジアミン化合物、特開昭61−215554号公報記載の重量平均分子量300以上のポリエチレングリコール、特開平2−39157号公報の酸またはアルコールに4モル以上のエチレンオキシドを付加して得られる水溶性エチレンオキシド付加化合物と、水溶性ポリアルキレン化合物などが挙げられる。
(有機溶剤)
現像液には更に必要により有機溶剤を加えてもよい。かかる有機溶剤としては、水に対する溶解度が約10質量%以下のものが適しており、好ましくは5質量%以下のものから選ばれる。例えば、1−フェニルエタノール、2−フェニルエタノール、3−フェニル−1−プロパノール、4−フェニル−1−ブタノール、4−フェニル−2−ブタノール、2−フェニル−1−ブタノール、2−フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、o−メトキシベンジルアルコール、m−メトキシベンジルアルコール、p−メトキシベンジルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノールおよび4−メチルシクロヘキサノール、N−フェニルエタノールアミンおよびN−フェニルジエタノールアミンなどを挙げることができる。
有機溶剤の含有量は現像液の使用液の総質量に対して1質量%以下が好ましく、実質的に含まれないことが特に好ましい。実質的に含まれないとは1質量%以下であることをいう。
(還元剤)
本発明に係る現像液には必要に応じて還元剤が加えられる。これは印刷版の汚れを防止するものであり。好ましい有機還元剤としては、チオサリチル酸、ハイドロキノン、メトール、メトキシキノン、レゾルシン、2−メチルレゾルシンなどのフェノール化合物、フェニレンジアミン、フェニルヒドラジンなどのアミン化合物が挙げられる。更に好ましい無機の還元剤としては、亜硫酸、亜硫酸水素酸、亜リン酸、亜リン酸水素酸、亜リン酸二水素酸、チオ硫酸および亜ジチオン酸などの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などを挙げることができる。これらの還元剤のうち汚れ防止効果が特に優れているのは亜硫酸塩である。これらの還元剤は使用時の現像液に対して好ましくは、0.05〜5質量%の範囲で含有される。
(有機カルボン酸)
本発明に係る現像液には必要に応じて更に有機カルボン酸を加えることもできる。好ましい有機カルボン酸は炭素原子数6〜20の脂肪族カルボン酸および芳香族カルボン酸である。脂肪族カルボン酸の具体的な例としては、カプロン酸、エナンチル酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸などがあり、特に好ましいのは炭素数8〜12のアルカン酸である。また炭素鎖中に二重結合を有する不飽和脂肪酸でも、枝分かれした炭素鎖のものでもよい。
芳香族カルボン酸としてはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環などにカルボキシル基が置換された化合物で、具体的には、o−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、o−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、o−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸などがあるがヒドロキシナフトエ酸は特に有効である。
上記脂肪族および芳香族カルボン酸は水溶性を高めるためにナトリウム塩やカリウム塩またはアンモニウム塩として用いるのが好ましい。本発明で用いる現像液の有機カルボン酸の含有量は格別な制限はないが、好ましい添加量は使用時の現像液に対して0.1〜10質量%であり、よりこのましくは0.5〜4質量%である。
(その他の添加剤)
本発明に係る現像液には現像性能を高めるために前記の他に以下のような添加剤を加えることができる。例えば特開昭58−75152号公報記載のNaCl、KCl、KBr等の中性塩、特開昭59−121336号公報記載の[Co(NH3)]6Cl3等の錯体、特開昭56−142258号公報記載のビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドとアクリル酸ナトリウムの共重合体等の両性高分子電解質、特開昭59−75255号公報記載のSi、Ti等を含む有機金属界面活性剤、特開昭59−84241号公報記載の有機硼素化合物等が挙げられる。本発明に用いられる現像液および補充液には更に必要に応じて、防腐剤、着色剤、増粘剤、消泡剤および硬水軟化剤などを含有させることもできる。
消泡剤としては例えば、特開平2−244143号公報記載の鉱物油、植物油、アルコール、界面活性剤、シリコーン等が挙げられる。硬水軟化剤としては例えば、ポリ燐酸およびそのナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、エチレンジアミンジコハク酸、メチルイミノジ酢酸、βアラニンジ酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸、1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸および1,3−ジアミノ−2−プロパノールテトラ酢酸などのアミノポリカルボン酸およびそれらのナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、トリエチレンテトラミンヘキサ(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ(メチレンホスホン酸)および1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸やそれらのナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩を挙げることができる。このような硬水軟化剤はそのキレート化力と使用される硬水の硬度および硬水の量によって最適値が変化するが、一般的な使用量を示せば、使用時の現像液に0.01〜5質量%、より好ましくは0.01〜0.5質量%の範囲である。この範囲より少ない添加量では所期の目的が十分に達成されず、添加量がこの範囲より多い場合は、色抜けなど、画像部への悪影響がでてくる。現像液および補充液の残余の成分は水である。得られた現像液の電導度は5〜50mSの範囲であることがより好ましい。
本発明に係る現像液は使用時よりも水の含有量を少なくした濃縮液としておき、使用時に水で希釈するようにしておくことが運搬上有利である。この場合の濃縮度は各成分が分離や析出を起こさない程度が適当であるが、必要により可溶化剤を加えることが好ましい。かかる可溶化剤としては、特開平6−32081号公報記載のトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸およびそれらのアルカリ金属塩等のいわゆるヒドロトロープ剤が好ましく用いられる。
濃縮液の水の含有量をさらに減らし、固形状もしくはペースト状にすることもできる。この場合、一旦現像液にしてから蒸発乾固しても良いが、好ましくは複数の素材を混ぜ合わせる際に水を加えず、または少量の水を加える方法で素材を混ぜ合わせることで濃縮状態とする方法が好ましい。また、この現像液濃縮物は、特開昭51−61837、特開平2−109042、特開平2−109043、特開平3−39735、特開平5−142786、特開平6−266062、特開平7−13341等に記載された従来よく知られた方法にて顆粒状、錠剤とすることができる。固形状もしくはペースト状の現像液濃縮物に含まれる素材は、通常の光重合性感光性平版印刷版の現像液に用いられる成分を使用することができるが、水で希釈してももとに戻らないものは含まない方が好ましい。たとえば、珪酸塩は水分が低くなると石化し水に溶けにくくなるので、珪酸塩の代わりに炭酸塩、燐酸塩、有機酸塩等を含むことが好ましい。
これらの現像液の濃縮液もしくは固形状もしくはペースト状の濃縮物は、素材種や素材配合比等の異なる複数のパートに分けても良い。これらの濃縮した現像液濃縮物は、現像前に水で所定の濃度に希釈した後現像に使用することが好ましい。またこの現像液濃縮液または濃縮物を現像補充液として用いる場合は、所定の濃度に水で希釈した後、使用中の現像液に投入することが最も好ましいが、所定の濃度より濃い濃度や、所定の濃度に希釈せずそのまま使用中の現像液に投入することも可能である。所定の濃度より濃い濃度や、所定の濃度に希釈せずそのままで現像液濃縮物を使用中の現像液に投入する際は、同じタイミングまたは別のタイミングで使用中の現像液に直接別途に水を添加しても良い。
(アルミニウム支持体)
本発明に係るアルミニウム支持体は、アルミニウム板が使用され、この場合、純アルミニウム板及びアルミニウム合金板等であってもかまわない。
支持体のアルミニウム合金としては、種々のものが使用でき、例えば、珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル、チタン、ナトリウム、鉄等の金属とアルミニウムの合金が用いられる。又アルミニウム支持体は、保水性付与のため、表面を粗面化したものが用いられる。
粗面化(砂目立て処理)するに先立って表面の圧延油を除去するために脱脂処理を施すことが好ましい。脱脂処理としては、トリクレン、シンナー等の溶剤を用いる脱脂処理、ケシロン、トリエタノール等のエマルジョンを用いたエマルジョン脱脂処理等が用いられる。又、脱脂処理には、苛性ソーダ等のアルカリの水溶液を用いることもできる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、上記脱脂処理のみでは除去できない汚れや酸化皮膜も除去することができる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、支持体の表面にはスマットが生成するので、この場合には、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、或いはそれらの混酸に浸漬しデスマット処理を施すことが好ましい。粗面化の方法としては、例えば、機械的方法、電解によりエッチングする方法が挙げられる。
用いられる機械的粗面化法は特に限定されるものではないが、ブラシ研磨法、ホーニング研磨法が好ましい。
電気化学的粗面化法も特に限定されるものではないが、酸性電解液中で電気化学的に粗面化を行う方法が好ましい。
上記の電気化学的粗面化法で粗面化した後、表面のアルミニウム屑等を取り除くため、酸又はアルカリの水溶液に浸漬することが好ましい。酸としては、例えば、硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が用いられ、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用いられる。これらの中でもアルカリの水溶液を用いるのが好ましい。
表面のアルミニウムの溶解量としては、0.5〜5g/m2が好ましい。又、アルカリの水溶液で浸漬処理を行った後、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸或いはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。
機械的粗面化処理法、電気化学的粗面化法はそれぞれ単独で用いて粗面化してもよいし、又機械的粗面化処理法に次いで電気化学的粗面化法を行って粗面化してもよい。
粗面化処理の次には、陽極酸化処理を行うことができる。本発明において用いることができる陽極酸化処理の方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。陽極酸化処理を行うことにより、支持体上には酸化皮膜が形成される。
陽極酸化処理された支持体は、必要に応じ封孔処理を施してもよい。これら封孔処理は、熱水処理、沸騰水処理、水蒸気処理、珪酸ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム処理等公知の方法を用いて行うことができる。
更に、本発明では、これらの処理を行った後に、前述のようにPを含む化合物を含有する処理液にて親水化処理を行う。
好適なのは、前述のようにポリビニルホスホン酸で支持体表面を親水化処理を行うことである。
得られるアルミニウム支持体の感光層側の表面の算術平均粗さ(Ra)は0.4〜0.6μmが好ましく、粗面化処理での塩酸濃度、電流密度、電気量の組み合わせで制御することが出来る。
((A)光重合開始剤)
本発明に係る光重合開始剤は、画像露光により、(C)重合可能な、エチレン性不飽和結合含有化合物の重合を開始し得る化合物であり、好ましく使用できるものは、チタノセン化合物、モノアルキルトリアリールボレート化合物、鉄アレーン錯体化合物、トリハロアルキル化合物などが挙げられる。
チタノセン化合物としては、特開昭63−41483、特開平2−291に記載される化合物等が挙げられるが、更に好ましい具体例としては、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ジ−クロライド、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−フェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニル(IRUGACURE727L:チバスペシャリティーケミカルズ社製)、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウム(IRUGACURE784:チバスペシャリティーケミカルズ社製)、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,4,6−トリフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウムビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,4,6−トリフルオロ−3−(2−5−ジメチルピリ−1−イル)フェニル)チタニウム等が挙げられる。
モノアルキルトリアリールボレート化合物としては、特開昭62−150242、特開昭62−143044に記載される化合物等挙げられるが、更に好ましい具体例としては、テトラ−n−ブチルアンモニウム−n−ブチル−トリナフタレン−1−イル−ボレート、テトラ−n−ブチルアンモニウム−n−ブチル−トリフェニル−ボレート、テトラ−n−ブチルアンモニウム−n−ブチル−トリ−(4−tert−ブチルフェニル)−ボレート、テトラ−n−ブチルアンモニウム−n−ヘキシル−トリ−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−ボレート、テトラ−n−ブチルアンモニウムn−ヘキシルートリ−(3−フルオロフェニル)−ボレート等が挙げられる。
本発明に用いることができる、鉄アレーン錯体化合物の構造は、下記一般式(a)で表される化合物が好ましい。本発明の製版方法において、前記光重合開始剤が鉄アレーン錯体化合物である態様は特に好ましい態様である。
一般式(a)[A−Fe−B]+-
式中Aは、シクロペンタジエニル基、アルキル置換シクロペンタジエニル基を表す。式中Bは芳香族環を表す。式中X-はアニオンを表す。
芳香族環としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、ナフタレン、1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン、ビフェニル、フルオレン等が挙げられる。X-としては、PF6 -、BF4 -、SbF6 -、AlF4 -、CF3SO3 -等が挙げられる。
鉄アレーン錯体化合物は、重合可能な基を有する化合物に対して0.1〜20質量%の割合で含有することが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%である。
その他に任意の光重合開始剤の併用が可能である。例えばJ.コーサー(J.Kosar)著「ライト・センシテイブ・システムズ」第5章に記載されるようなカルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ並びにジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などが挙げられる。更に具体的な化合物は英国特許1,459,563号に開示されている。
即ち、併用が可能な光重合開始剤としては、次のようなものを使用することができる。
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン−i−プロピルエーテル、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン等のベンゾイン誘導体;ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;2−クロロチオキサントン、2−i−プロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;2−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン等のアントラキノン誘導体;N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン等のアクリドン誘導体;α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、フルオレノン、キサントン、ウラニル化合物の他、特公昭59−1281号、同61−9621号ならびに特開昭60−60104号記載のトリアジン誘導体;特開昭59−1504号、同61−243807号記載の有機過酸化物;特公昭43−23684号、同44−6413号、同44−6413号、同47−1604号ならびに米国特許3,567,453号記載のジアゾニウム化合物;米国特許2,848,328号、同2,852,379号ならびに同2,940,853号記載の有機アジド化合物;特公昭36−22062b号、同37−13109号、同38−18015号ならびに同45−9610号記載のo−キノンジアジド類;特公昭55−39162号、特開昭59−14023号ならびに「マクロモレキュルス(Macromolecules)」10巻,1307頁(1977年)記載の各種オニウム化合物;特開昭59−142205号記載のアゾ化合物;特開平1−54440号、ヨーロッパ特許109,851号、同126,712号ならびに「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.Imag.Sci.)」30巻,174頁(1986年)記載の金属アレン錯体;特願平4−56831号及び同4−89535号記載の(オキソ)スルホニウム有機硼素錯体;「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(CoordinationChemistryReview)」84巻,85〜277頁(1988年)ならびに特開平2−182701号記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体;特開平3−209477号記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;四臭化炭素、特開昭59−107344号記載の有機ハロゲン化合物、等。
(トリハロアルキル化合物)
本発明に係る光重合性感光性層は、トリハロアルキル化合物を含むことが好ましい。トリハロアルキル化合物はトリハロアルキル基を有する化合物であり、特に付加重合可能なエチレン性不飽和結合含有化合物として光で酸化し得る基を含む付加重合可能なエチレン性不飽和結合含有化合物を含む場合に特に好ましく用いられる。トリハロアルキル基を含む化合物としては、塩素または臭素を含有した化合物が特に適当である。
トリハロアルキル基としては、トリハロメチル基が好ましく、直接に、あるいは連続的に共役した鎖を経由して、芳香族炭素環または複素環に結合していることが好ましい。好ましくはふたつのトリハロメチル基を持つトリアジン環、を母核としてもつもの、特にEP−A−137452号、DE−A−2118259号および同2243621号各明細書に記載された化合物、が好ましい。これらの化合物は、近紫外領域、たとえば350〜400nm、に強い光吸収を示す。複写光のスペクトル領域において、それ自身光吸収しないか、ごくわずかだけ光吸収する併用開始剤、例えば、メソメリーを可能にする短い電子系を伴った置換基または脂肪族置換基を含むトリハロメチルトリアジン、も適当である。同様に適当なのは、異なった基本骨格をもち、短波紫外領域で光吸収する化合物であり、例えばフェニルトリハロメチルスルフォンまたはフェニルトリハロメチルケトン、例えばフェニルトリブロモメチルスルフォン、である。
((B)高分子結合剤)
本発明に係る高分子結合材としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、その他の天然樹脂等が使用出来る。また、これらを2種以上併用してもかまわない。
好ましくはアクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合が好ましい。さらに、高分子結合材の共重合組成として、(a)カルボキシル基含有モノマー、(b)メタクリル酸アルキルエステル、またはアクリル酸アルキルエステルの共重合体であることが好ましい。
カルボキシル基含有モノマーの具体例としては、α,β−不飽和カルボン酸類、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。その他、フタル酸と2−ヒドロキシメタクリレートのハーフエステル等のカルボン酸も好ましい。
メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル等の無置換アルキルエステルの他、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル等の環状アルキルエステルや、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート等の置換アルキルエステルも挙げられる。
さらに、本発明に係る高分子結合材は、他の共重合モノマーとして、下記(1)〜(14)に記載のモノマー等を用いる事が出来る。
1)芳香族水酸基を有するモノマー、例えばo−(又はp−,m−)ヒドロキシスチレン、o−(又はp−,m−)ヒドロキシフェニルアクリレート等。
2)脂肪族水酸基を有するモノマー、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、ヒドロキシエチルビニルエーテル等。
3)アミノスルホニル基を有するモノマー、例えばm−(又はp−)アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−(又はp−)アミノスルホニルフェニルアクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド等。
4)スルホンアミド基を有するモノマー、例えばN−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド等。
5)アクリルアミド又はメタクリルアミド類、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(4−ニトロフェニル)アクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド等。
6)弗化アルキル基を含有するモノマー、例えばトリフルオロエチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、N−ブチル−N−(2−アクリロキシエチル)ヘプタデカフルオロオクチルスルホンアミド等。
7)ビニルエーテル類、例えば、エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等。
8)ビニルエステル類、例えばビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等。
9)スチレン類、例えばスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等。
10)ビニルケトン類、例えばメチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等。
11)オレフィン類、例えばエチレン、プロピレン、i−ブチレン、ブタジエン、イソプレン等。
12)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン等。
13)シアノ基を有するモノマー、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−ペンテンニトリル、2−メチル−3−ブテンニトリル、2−シアノエチルアクリレート、o−(又はm−,p−)シアノスチレン等。
14)アミノ基を有するモノマー、例えばN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリブタジエンウレタンアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−i−プロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等。
さらにこれらのモノマーと共重合し得る他のモノマーを共重合してもよい。
上記ビニル系重合体は、通常の溶液重合により製造することができる。また、塊状重合または懸濁重合等によっても製造することができる。重合開始剤としては、特に限定されないが、アゾビス系のラジカル発生剤が挙げられ、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等が挙げられる。また、これらの重合開始剤の使用量は、共重合体を形成するのに使用されるモノマー全体100質量部に対し、通常0.05〜10.0質量部(好ましくは0.1〜5質量部)である。また、溶液重合を行う際に使用される溶媒としては、ケトン系、エステル系、芳香族系の有機溶媒が挙げられ、なかでもトルエン、酢酸エチル、ベンゼン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトン等の一般にアクリル系ポリマーの良溶媒が挙げられ、なかでも沸点60〜120℃の溶媒が好ましい。溶液重合の場合、上記溶媒を使用し、反応温度として通常40〜120℃(好ましくは60〜110℃)、反応時間として通常3〜10時間(好ましくは5〜8時間)の条件で行うことができる。反応終了後、溶媒を除去して共重合体を得る。また、溶媒を除去せずに引き続き後記の二重結合の導入反応を行うこともできる。
得られる共重合体の分子量は、使用される溶媒および反応温度を調整することによって調節することができる。目的とする分子量の共重合体を得るために使用される溶媒および反応温度等は、使用されるモノマーによって適宜決定することができる。また、特定の溶媒を上記溶媒に混合することによっても得られる共重合体の分子量を調節することができる。このような溶媒としては、例えば、メルカプタン系(例えば、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノール等)、四塩化炭素系(例えば、四塩化炭素、塩化ブチル、塩化プロピレン等)等が挙げられる。これらの溶媒を上記反応に使用する溶媒に混合する割合は、反応に使用するモノマー、溶媒、反応条件等によって適宜決定することができる。
さらに、本発明に係る高分子結合材は、側鎖にカルボキシル基および重合性二重結合を有するビニル系重合体であることが好ましい。例えば、上記ビニル系共重合体の分子内に存在するカルボキシル基に、分子内に(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物を付加反応させる事によって得られる、不飽和結合含有ビニル系共重合体も高分子結合材として好ましい。
分子内に不飽和結合とエポキシ基を共に含有する化合物としては、具体的にはグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、特開平11−271969号に記載のあるエポキシ基含有不飽和化合物等が挙げられる。また、上記ビニル系重合体の分子内に存在する水酸基に、分子内に(メタ)アクリロイル基とイソシアネート基を有する化合物を付加反応させる事によって得られる、不飽和結合含有ビニル系共重合体も高分子結合材として好ましい。分子内に不飽和結合とイソシアネート基を共に有する化合物としては、ビニルイソシアネート、(メタ)アクリルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、m−またはp−イソプロペニル−α,α′−ジメチルベンジルイソシアネートが好ましく、(メタ)アクリルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等が挙げられる。
ビニル系共重合体の分子内に存在するカルボキシル基に、分子内に(メタ)アクリロイル基とエポキシ基を有する化合物を付加反応させる方法は公知の方法で出来る。例えば、反応温度として20〜100℃、好ましくは40〜80℃、特に好ましくは使用する溶媒の沸点下(還流下)にて、反応時間として2〜10時間、好ましくは3〜6時間で行うことができる。使用する溶媒としては、上記ビニル系共重合体の重合反応において使用する溶媒が挙げられる。また、重合反応後、溶媒を除去せずにその溶媒をそのまま脂環式エポキシ基含有不飽和化合物の導入反応に使用することができる。また、反応は必要に応じて触媒および重合禁止剤の存在下で行うことができる。
ここで、触媒としてはアミン系または塩化アンモニウム系の物質が好ましく、具体的には、アミン系の物質としては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、ブチルアミン、アリルアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ベンジルアミン等が挙げられ、塩化アンモニウム系の物質としては、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
これらを触媒として使用する場合、使用する脂環式エポキシ基含有不飽和化合物に対して、0.01〜20.0質量%の範囲で添加すればよい。また、重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、メチル−p−ベンゾキノン、tert−ブチル−p−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン等が挙げられ、その使用量は、使用する脂環式エポキシ基含有不飽和化合物に対して、0.01〜5.0質量%である。なお、反応の進行状況は反応系の酸価を測定し、酸価が0になった時点で反応を停止させればよい。
ビニル系重合体の分子内に存在する水酸基に、分子内に(メタ)アクリロイル基とイソシアネート基を有する化合物を付加反応させる方法は公知の方法で出来る。例えば、反応温度として通常20〜100℃、好ましくは40〜80℃、特に好ましくは使用する溶媒の沸点下(還流下)にて、反応時間として通常2〜10時間、好ましくは3〜6時間で行うことができる。使用する溶媒としては、上記高分子共重合体の重合反応において使用する溶媒が挙げられる。また、重合反応後、溶媒を除去せずにその溶媒をそのままイソシアネート基含有不飽和化合物の導入反応に使用することができる。また、反応は必要に応じて触媒および重合禁止剤の存在下で行うことができる。ここで、触媒としてはスズ系またはアミン系の物質が好ましく、具体的には、ジブチルスズラウレート、トリエチルアミン等が挙げられる。
触媒は使用する二重結合を有する化合物に対して、0.01〜20.0質量%の範囲で添加することが好ましい。また、重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、メチル−p−ベンゾキノン、tert−ブチル−p−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン等が挙げられ、その使用量は、使用するイソシアネート基含有不飽和化合物に対して、通常0.01〜5.0質量%である。なお、反応の進行状況は反応系のイソシアナト基の有無を赤外吸収スペクトル(IR)で判定し、吸収が無くなった時点で反応を停止させればよい。
上記した本発明に用いることができる側鎖にカルボキシル基および重合性二重結合を有するビニル系重合体は、全高分子結合剤において、50〜100質量%であることが好ましく、100質量%であることがより好ましい。
光重合性感光性層中における高分子結合剤の含有量は、10〜90質量%の範囲が好ましく、15〜70質量%の範囲が更に好ましく、20〜50質量%の範囲で使用することが感度の面から特に好ましい。
((C)重合可能な、エチレン性不飽和結合含有化合物)
本発明に係る重合可能なエチレン性不飽和結合含有化合物は、分子内に、重合可能な、エチレン性不飽和結合を有する化合物であり、一般的なラジカル重合性のモノマー類、紫外線硬化樹脂に一般的に用いられる分子内に付加重合可能なエチレン性二重結合を複数有する多官能モノマー類や、多官能オリゴマー類を用いることができる。
これらの重合可能なエチレン性不飽和結合含有化合物に特に限定は無いが、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、グリセロールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシヘキサノリドアクリレート、1,3−ジオキサンアルコールのε−カプロラクトン付加物のアクリレート、1,3−ジオキソランアクリレート等の単官能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えば、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングルコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ハイドロキノンジアクリレート、レゾルシンジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジアクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートのジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレート、2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサンジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレートのε−カプロラクトン付加物、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテルのジアクリレート等の2官能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのε−カプロラクトン付加物、ピロガロールトリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールトリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ヒドロキシピバリルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリアクリレート等の多官能アクリル酸エステル酸、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル等を挙げることができる。
(光で酸化し得る基を含む重合可能なエチレン性不飽和結合含有化合物)
本発明に係る光重合性感光性層に用いられる重合可能なエチレン性不飽和結合含有化合物は、少なくとも一つの、光で酸化し得る基を含む付加重合可能なエチレン性不飽和結合含有化合物であることが好ましい。
特に好ましいのは、少なくとも1つの光酸化性基と少なくとも1つのウレタン基とを、分子中に含む、付加重合性化合物である。適当な光酸化性基としては、特に、複素環の構成員となっていてもよいチオ基、チオエーテル基、ウレイド基、アミノ基、およびエノール基である。それらの基の例としては、トリエタノールアミノ基、トリフェニルアミノ基、チオウレイド基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、アセチルアセトニル残基、N−フェニルグリシン残基およびアスコルビン酸残基である、好ましいものは、3級アミノ基、チオエーテル基を含む付加重合性化合物である。
光酸化性基を含む化合物の例は、ヨーロッパ特許出願公開第287,818号、同第353,389号および同第364,735号各明細書に記載されている。そこに記載されている化合物のなかで好ましいものは、第3アミノ基に加えて、ウレイド基および(または)ウレタン基をも含むものである。
また、少なくとも1つの光酸化性基と少なくとも1つのウレタン基を有する化合物としては、特開昭63−260909号公報、特許2669849号公報、特開平6−35189号公報、特開2001−125255に記載のものが挙げられる。
さらに、分子内に三級アミノ基を含有する多価アルコール、ジイソシアネート化合物、および分子内にヒドロキシル基と付加重合可能なエチレン性二重結合を含有する化合物の反応生成物を使用することが好ましい。
ここで言う、分子内に三級アミノ基を含有する多価アルコールとしては、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−tert.−ブチルジエタノールアミン、N,N−ジ(ヒドロキシエチル)アニリン、N,N,N’,N’−テトラ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、p−トリルジエタノールアミン、N,N,N’,N’−テトラ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アニリン、アリルジエタノールアミン、3−(ジメチルアミノ)−1,2−プロパンジオール、3−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオール、N,N−ジ(n−プロピル)アミノ−2,3−プロパンジオール、N,N−ジ(iso−プロピル)アミノ−2,3−プロパンジオール、3−(N−メチル−N−ベンジルアミノ)−1,2−プロパンジオール等が挙げられるが、これに限定されない。
ジイソシアネート化合物としては、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサン−1,6−ジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、オクタン−1,8−ジイソシアネート、1,3−ジイソシアナートメチル−シクロヘキサノン、2,2,4−トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,2−フェニレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,5−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、1,3−ジ(イソシアナートメチル)ベンゼン、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン等が挙げられるが、これに限定されない。分子内にヒドロキシル基と付加重合可能なエチレン性二重結合を含有する化合物としては、特に限定されないが、好ましくは、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピレン−1,3−ジメタクリレート、2−ヒドロキシプロピレン−1−メタクリレート−3−アクリレート等が挙げられる。
これらの反応は、通常のジオール化合物、ジイソシアネート化合物、ヒドロキシル基含有アクリレート化合物の反応で、ウレタンアクリレートを合成する方法と同様に行うことが出来る。
また、これらの分子内に三級アミノ基を含有する多価アルコール、ジイソシアネート化合物、および分子内にヒドロキシル基と付加重合可能なエチレン性二重結合を含有する化合物の反応生成物において具体例を以下に示す。
M−1:トリエタノールアミン(1モル)、ヘキサン−1,6−ジイソシアネート(3モル)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(3モル)の反応生成物
M−2:トリエタノールアミン(1モル)、イソホロンジイソシアネート(3モル)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(3モル)の反応生成物
M−3:N−n−ブチルジエタノールアミン(1モル)、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン(2モル)、2−ヒドロキシプロピレン−1−メタクリレート−3−アクリレート(2モル)の反応生成物
M−4:N−n−ブチルジエタノールアミン(1モル)、1,3−ジ(イソシアナートメチル)ベンゼン(2モル)、2−ヒドロキシプロピレン−1−メタクリレート−3−アクリレート(2モル)の反応生成物
M−5:N−メチルジエタノールアミン(1モル)、トリレン−2,4−ジイソシアネート(2モル)、2−ヒドロキシプロピレン−1,3−ジメタクリレート(2モル)の反応生成物
この他にも、特開平1−105238、特開平2−127404記載の、アクリレートまたはアルキルアクリレートが用いることが出来る。
(その他の、重合可能な、エチレン性不飽和結合含有化合物)
また、プレポリマーも上記同様に使用することができる。プレポリマーとしては、後述する様な化合物等が挙げることができ、また、適当な分子量のオリゴマーにアクリル酸、又はメタクリル酸を導入し、光重合性を付与したプレポリマーも好適に使用できる。これらプレポリマーは、1種又は2種以上を併用してもよいし、上述の単量体及び/又はオリゴマーと混合して用いてもよい。
プレポリマーとしては、例えばアジピン酸、トリメリット酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、ハイミック酸、マロン酸、こはく酸、グルタール酸、イタコン酸、ピロメリット酸、フマル酸、グルタール酸、ピメリン酸、セバシン酸、ドデカン酸、テトラヒドロフタル酸等の多塩基酸と、エチレングリコール、プロピレングルコール、ジエチレングリコール、プロピレンオキサイド、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等の多価のアルコールの結合で得られるポリエステルに(メタ)アクリル酸を導入したポリエステルアクリレート類;例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン・(メタ)アクリル酸、フェノールノボラック・エピクロルヒドリン・(メタ)アクリル酸のようにエポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したエポキシアクリレート類;例えば、エチレングリコール・アジピン酸・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルフタリルメタクリレート・キシレンジイソシアネート、1,2−ポリブタジエングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、トリメチロールプロパン・プロピレングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレートのように、ウレタン樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したウレタンアクリレート;例えば、ポリシロキサンアクリレート、ポリシロキサン・ジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート等のシリコーン樹脂アクリレート類;その他、油変性アルキッド樹脂に(メタ)アクリロイル基を導入したアルキッド変性アクリレート類、スピラン樹脂アクリレート類;等のプレポリマーが挙げられる。
また、本発明に係る重合可能な、エチレン性不飽和結合含有化合物として、ホスファゼンモノマー・トリエチレングリコール・イソシアヌール酸EO(エチレンオキシド)変性ジアクリレート、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル、アルキレングリコールタイプアクリル酸変性・ウレタン変性アクリレート等の単量体及び該単量体から形成される構成単位を有する付加重合性のオリゴマー及びプレポリマーを挙げることができる。
更に、本発明に係る重合可能な、エチレン性不飽和結合含有化合物として、少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基を含有するリン酸エステル化合物が挙げられる。該化合物は、リン酸の水酸基の少なくとも一部がエステル化された化合物であり、しかも、(メタ)アクリロイル基を有する限り特に限定はされない。
この他に特開昭58−212994号公報、同61−6649号公報、同62−46688号公報、同62−48589号公報、同62−173295号公報、同62−187092号公報、同63−67189号公報、特開平1−244891号公報等に記載の化合物などを挙げることができ、更に「11290の化学商品」化学工業日報社p.286〜p.294に記載の化合物、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」高分子刊行会p.11〜65に記載の化合物なども本発明においては好適に用いることができる。これらの中で、分子内に2以上のアクリル基又はメタクリル基を有する化合物が本発明においては好ましく、更に分子量が10,000以下、より好ましくは5,000以下のものが好ましい。
本発明に係る感光性平版印刷版材料には、上記した重合可能な、エチレン性不飽和結合含有化合物を感光層の1.0〜80.0質量%の範囲で含有するのが好ましく、より好ましくは3.0〜70.0質量%の範囲である。
(保護層)
本発明に係る光重合性感光性層の上側には、保護層を設けることが好ましい。保護層(酸素遮断層)は、現像液(アルカリ水溶液)への溶解性が高いことが好ましい。
保護層を構成する素材として好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリサッカライド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ゼラチン、膠、カゼイン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチル澱粉、アラビアゴム、サクローズオクタアセテート、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアミン、ポリエチレンオキシド、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、水溶性ポリアミド等が挙げられる。これらの化合物を単独又は2種以上併用し保護層塗布組成物とし用いることができる。特に好ましい化合物としてはポリビニルアルコールが挙げられる。
保護層塗布組成物を調製するには、上記の素材を適当な溶剤に溶解して塗布液とすることができ、この塗布液を本発明に係る光重合性感光層上に塗布し、乾燥して保護層を形成することができる。保護層の厚みは0.1〜5.0μmが好ましく、特に好ましくは0.5〜3.0μmである。保護層には、更に必要に応じて界面活性剤、マット剤等を含有することができる。
保護層の塗布方法としても、上記感光層の塗布において挙げた公知の塗布方法を好適に用いることができる。保護層の乾燥温度は、感光層の乾燥温度よりも低い方が好ましく、好ましくは感光層乾燥温度との差が10℃以上、より好ましくは20℃以上であり、上限はせいぜい50℃程度である。
また、保護層の乾燥温度が、感光層が含有するバインダーのガラス転移温度(Tg)より低いことが好ましい。保護層の乾燥温度と、感光層が含有するバインダーのガラス転移温度(Tg)の差は20℃以上であることが好ましく、より好ましくは40℃以上であり、上限はせいぜい60℃程度である。
(色材)
本発明に係る光重合性感光層は、必要に応じ画像露光光を吸収する色材をふくんでもよい。色材としては、例えばシアニン、フタロシアニン、メロシアニン、ポルフィリン、スピロ化合物、フェロセン、フルオレン、フルギド、イミダゾール、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、ポリエン、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ポリメチンアクリジン、クマリン、クマリン誘導体、ケトクマリン、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体等、ケトアルコールボレート錯体が挙げられ、更に欧州特許568,993号、米国特許4,508,811号、同5,227,227号、特開2001−125255、特開平11−271969号等に記載の化合物が挙げられる。
(吸収極大波長が350〜550nmにある色素)
本発明の感光性組成物は、350〜550nmの波長範囲に吸収極大を有する増感色素を含有する。
これらの色素としては、例えばシアニン、メロシアニン、ポルフィリン、スピロ化合物、フェロセン、フルオレン、フルギド、イミダゾール、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、アクリジン、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、トリフェニルアミン、クマリン誘導体、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合部、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体、ケトアルコールボレート錯体等が挙げられる。
これらの増感色素のうち例えば、特開平8−129258号公報のB−1からB−22のクマリン誘導体、特開2003−21901号公報のD−1からD−32のクマリン誘導体、特開2002−363206号公報の1から21のクマリン誘導体、特開2002−363207号公報の1から40のクマリン誘導体、特開2002−363208号公報の1から34のクマリン誘導体、特開2002−363209号公報の1から56のクマリン誘導体等が好ましく使用可能である。以下に本発明に用いることができる色素の具体例を示す。
Figure 0004419682
(製版方法)
本発明においては、感光性平版印刷版は350nm〜550nmの紫外光領域のレーザーで、露光を行う。350〜550nmの波長の入手可能なレーザー光源としては以下のものを利用することができる。ガスレーザーとして、Arイオンレーザー(364nm、351nm)、Krイオンレーザー(356nm,351nm)、He−Cdレーザー(441nm)、固体レーザーとして、Nd:YAG(YVO4)とSHG結晶×2回の組合わせ(355nm)、Cr:LiSAFとSHG結晶の組合わせ(430nm)、半導体レーザー系として、KNbO3、リング共振器(430nm)、導波型波長変換素子とAlGaAs、InGaAs半導体の組合わせ(380nm〜450nm)、導波型波長変換素子とAlGaInP、AlGaAs半導体の組合わせ(300nm〜350nm)、AlGaInN(350nm〜450nm)、その他にパルスレーザーとしてN2レーザー(337nm、パルス0.1〜10mJ)、XeF(351nm、パルス10〜250mJ)、FD−YAGレーザ(532nm)等が挙げられる。特にこの中でAlGaInN半導体レーザー(市販InGaN系半導体レーザー400〜410nm)が波長特性、コストの面で好適である。
レーザー露光の場合には、光をビーム状に絞り画像データに応じた走査露光が可能なので、マスク材料を使用せず、直接書込みを行うのに適している。又、レーザーを光源として用いる場合には、露光面積を微小サイズに絞ることが容易であり、高解像度の画像形成が可能となる。
レーザーの走査方法としては、円筒外面走査、円筒内面走査、平面走査などがある。円筒外面走査では、記録材料を外面に巻き付けたドラムを回転させながらレーザー露光を行い、ドラムの回転を主走査としレーザー光の移動を副走査とする。円筒内面走査では、ドラムの内面に記録材料を固定し、レーザービームを内側から照射し、光学系の一部又は全部を回転させることにより円周方向に主走査を行い、光学系の一部又は全部をドラムの軸に平行に直線移動させることにより軸方向に副走査を行う。平面走査では、ポリゴンミラーやガルバノミラーとfθレンズ等を組み合わせてレーザー光の主走査を行い、記録媒体の移動により副走査を行う。円筒外面走査及び円筒内面走査の方が光学系の精度を高め易く、高密度記録には適している。
(自動現像機)
本発明の製版方法では、自動現像機を用いて感光性平版印刷版材料を現像処理する方法が、本発明の効果が有効であり、好ましい態様である。
自動現像機は、好ましくは現像浴に自動的に補充液を必要量補充する機構が付与されており、好ましくは一定量を超える現像液は、排出する機構が付与されており、好ましくは現像浴に自動的に水を必要量補充する機構が付与されており、好ましくは、通版を検知する機構が付与されており、好ましくは通版の検知をもとに版の処理面積を推定する機構が付与されており、好ましくは通版の検知および/または処理面積の推定をもとに補充しようとする補充液および/または水の補充量および/または補充タイミングを制御する機構が付与されており、好ましくは現像液の温度を制御する機構が付与されており、好ましくは現像液のpHおよび/または電導度を検知する機構が付与されており、好ましくは現像液のpHおよび/または電導度をもとに補充しようとする補充液および/または水の補充量および/または補充タイミングを制御する機構が付与されている。
自動現像機は、現像工程の前に前処理液に版を浸漬させる前処理部を有してもよい。この前処理部は、好ましくは版面に前処理液をスプレーする機構が付与されており、好ましくは前処理液の温度を25℃〜55℃の任意の温度に制御する機構が付与されており、好ましくは版面をローラー状のブラシにより擦る機構が付与されている。またこの前処理液としては、水などが用いられる。
(後処理)
現像処理された版は水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体等を主成分とするフィニッシャーや保護ガム液で後処理を施された後、印刷に供せられる。
これらの後処理は、一般に現像部と後処理部とからなる自動現像機を用いて行われる。
後処理液は、スプレーノズルから吹き付ける方法、処理液が満たされた処理槽中を浸漬搬送する方法が用いられる。また、現像後一定量の少量の水洗水を版面に供給して水洗し、その廃液を現像液原液の希釈水として再利用する方法も知られている。このような自動処理においては、各処理液に処理量や稼働時間等に応じてそれぞれの補充液を補充しながら処理することができる。また、実質的に未使用の後処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。このような処理によって得られた平版印刷版は、オフセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用いられる。
本発明の製版方法においては、オーバーコート層を有する感光性平版印刷版材料の場合には、現像前水洗水で処理する工程を含む製版方法が好ましい態様である。
(印刷)
感光性平版印刷版材料は、本発明の製版方法により処理された後、印刷に供せられる。
印刷は、一般的な平版印刷機を用いて行うことができる。
近年印刷業界においても環境保全が叫ばれ、印刷インキにおいては石油系の揮発性有機化合物(VOC)を使用しないインキが開発されその普及が進みつつあるが、本発明の効果はこのような環境対応の印刷インキを使用した場合に特に顕著である。環境対応の印刷インキとしては大日本インキ化学工業社製の大豆油インキ“ナチュラリス100”、東洋インキ社製のVOCゼロインキ“TKハイエコーNV”、東京インキ社製のプロセスインキ“ソイセルボ”等があげられる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。尚、実施例における「部」は、特に断りない限り「質量部」を表す。
(実施例1)
(アクリル系共重合体1の合成)
窒素気流下の三ツ口フラスコに、メタクリル酸30部、メタクリル酸メチル50部、メタクリル酸エチル20部、イソプロピルアルコール500部及びα、α′−アゾビスイソブチロニトリル3部を入れ、窒素気流中80℃のオイルバスで6時間反応させた。その後、イソプロピルアルコールの沸点で1時間還流を行った後、トリエチルアンモニウムクロライド3部及びグリシジルメタクリレート25部を加えて3時間反応させ、アクリル系共重合体1を得た。
GPCを用いて測定した重量平均分子量は約35,000、DSC(示差熱分析法)を用いて測定したガラス転移温度(Tg)は約85℃であった。
(支持体の作製)
厚さ0.3mmのアルミニウム板(材質1050,調質H16)を65℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、1分間の脱脂処理を行った後、水洗した。この脱脂アルミニウム板を、25℃に保たれた10%塩酸水溶液中に1分間浸漬して中和した後、水洗した。次いで、このアルミニウム板を、0.3質量%の硝酸水溶液中で、25℃、電流密度100A/dm2の条件下に交流電流により60秒間、電解粗面化を行った後、60℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液中で10秒間のデスマット処理を行った。デスマット処理を行った粗面化アルミニウム板を、15%硫酸溶液中で、25℃、電流密度10A/dm2、電圧15Vの条件下に1分間陽極酸化処理を行い、支持体1を作製した。更に陽極酸化処理後に、親水化処理を表1に記載の条件で行い支持体2〜7を作製した。この時、表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.65μmであった。
(感光性平版印刷版材料1−1〜1−7の作製)
上記支持体1〜7上に、下記組成の感光層塗工液1を乾燥時1.5g/m2になるようワイヤーバーで塗布し、95℃で1.5分間乾燥し、感光層塗布試料を得た。
(感光層塗工液1)
付加重合可能なエチレン性二重結合含有単量体M−3(下記) 25.0部
付加重合可能なエチレン性二重結合含有単量体NKエステル4G(新中村化学社製ポリエチレングリコールジメタクリレート) 25.0部
重合開始剤I−3 4.0部
トリハロアルキル化合物CI−1 2.0部
分光増感色素D−1(前記) 3.0部
アクリル系共重合体1 40.0部
N−フェニルグリシンベンジルエステル 4.0部
フタロシアニン顔料(MHI454:御国色素社製) 6.0部
2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(スミライザーGS:住友3M社製) 0.5部
弗素系界面活性剤(F−178K;大日本インキ社製) 0.5部
チルエチルケトン 80部
シクロヘキサノン 820部
M−3:N−n−ブチルジエタノールアミン(1モル)、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン(2モル)、2−ヒドロキシプロピレン−1−メタクリレート−3−アクリレート(2モル)の反応生成物、重量平均分子量:54000、酸価:80mgKOH/g
上記感光層塗布試料上に、下記組成の酸素遮断層塗工液を乾燥時1.8g/m2になるようにアプリケーターで塗布し、75℃で1.5分間乾燥して、感光層上に酸素遮断層を有する表2に記載の感光性平版印刷版材料1−1〜1−7を作製した。
(酸素遮断層塗工液1)
ポリビニルアルコール(GL−05:日本合成化学社製) 89部
ポリビニルピロリドン(K−30:BAFS社製) 15部
界面活性剤(サーフィノール465:日信化学工業社製) 0.5部
水 900部
(感光性平版印刷版材料2−1〜2−7の作製)
光重合性感光層塗工液1の分光増感色素D−1をD−5に変更した光重合性感光層塗光液2を使用して、感光性平版印刷版材料1と同様の方法で、表3に記載の感光性平板印刷版材料2−1〜2−7を作製した。
Figure 0004419682
Figure 0004419682
Figure 0004419682
Figure 0004419682
(画像形成)
作製した感光性平板印刷版材料1−1〜1−7は、それぞれ、FD−YAGレーザー光源を搭載したCTP露光装置(Tigercat:ECRM社製)を用いて、画像部、非画像部の面積比率が、1:9になるように露光エネルギー:200μJ/cm2、2400dpi(dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す)の解像度で画像露光(露光パターンは、100%画像部と、175LPI99%、98%、97%、96%、95%、93%、90%、85%、80%、50%、20%、10%、8%、5%、4%、3%、2%、1%のスクエアードットを使用した)を行った。
作製した感光性平版印刷版材料2−1〜2−7は、それぞれ、405±5nm、30mWのレーザーを備えた光源を備えたプレートセッター(Tigercat:ECRM社製改造品)を用いて、画像部、非画像部の面積比率が、1:9になるように露光エネルギー:50μJ/cm2、2400dpi(dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す)の解像度で画像露光(露光パターンは、100%画像部と、175LPI 99%、98%、97%、96%、95%、93%、90%、85%、80%、50%、20%10%、8%、5%、4%、3%、2%、1%のスクエアードットを使用した)を行った。
次いで、版面温度が90〜130℃になるように加熱するプレヒート部、現像前に酸素遮断層を除去するプレ水洗部、下記組成の現像液を充填した現像部、版面に付着した現像液を取り除く水洗部、画線部保護のためのガム液(GW−3:三菱化学社製を2倍希釈したもの)を備えたCTP自動現像機(PHW32−V:Technigraph社製)で約50ml/m2となるように現像液の補充を行い、500m2の現像処理を行い、平版印刷版を得た。感光性平版印刷版が現像液に接触している時間を現像時間とし、上記自動現像機を用いた現像時間は25秒である。
(現像液)
現像液1 (1L水溶液処方)
界面活性剤:A−1 4.0質量%
エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム塩 0.05質量%
水酸カリ 下記pHとなる添加量
残余の成分は水
pH 11.8
現像液2 現像液1の界面活性剤:A−1をA−2に変更。
現像液3 現像液1の界面活性剤:A−1をA−3に変更。
現像液4 現像液1の界面活性剤:A−1をA−4に変更。
現像液5 現像液1の界面活性剤:A−1をA−5に変更。
現像液6 現像液1の界面活性剤:A−1をA−6に変更。
現像液7 現像液1の界面活性剤:A−1をA−7に変更。
現像液8 現像液1の界面活性剤:A−1をA−8に変更。
現像液9 現像液1の界面活性剤:A−1をA−9に変更。
現像液10 現像液1の界面活性剤:A−1をA−10に変更。
現像液11 現像液1の界面活性剤:A−1をA−11に変更。
現像液12 現像液1の界面活性剤:A−1をA−12に変更。
現像液13 現像液1の界面活性剤:A−1をA−13に変更。
現像液14 現像液1の界面活性剤:A−1をA−14に変更。
現像液15 現像液1の界面活性剤:A−1をA−15に変更。
現像液16 現像液1の界面活性剤:A−1をA−16に変更。
現像液17 現像液1の界面活性剤:A−1をA−17に変更。
現像液18 現像液1の界面活性剤:A−1をH−1に変更。
現像液19 現像液1の界面活性剤:A−1をH−2に変更。
現像液20(1L水溶液処方)
アニオン界面活性剤:A−5 3.0質量%
ノニオン界面活性剤:B−4 1.0質量%
エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム塩 0.05質量%
水酸カリ 下記pHとなる添加量
残余の成分は水
pH 11.8
現像液21 現像液20のノニオン界面活性剤:B−4をB−6に変更。
現像液22 現像液20のノニオン界面活性剤:B−4をB−8に変更。
現像液23 現像液20のノニオン界面活性剤:B−4をB−10に変更。
現像液24 現像液20のノニオン界面活性剤:B−4をB−15に変更。
現像液25 現像液20のノニオン界面活性剤:B−4をB−18に変更。
現像液26 現像液20のノニオン界面活性剤:B−4をB−21に変更。
現像液27 現像液20のノニオン界面活性剤:B−4をB−27に変更。
現像液28 現像液20のノニオン界面活性剤:B−4をB−31に変更。
現像液29 現像液20のアニオン界面活性剤:A−5をH−2に変更。
現像液30 現像液20のノニオン界面活性剤:B−4をH−3に変更。
現像液31 現像液20のノニオン界面活性剤:B−4をH−4に変更。
現像液32 現像液20のノニオン界面活性剤:B−4をH−5に変更。
現像液33(1L水溶液処方)
アニオン界面活性剤:A−5 2.0質量%
ノニオン界面活性剤:B−4 2.0質量%
エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム塩 0.05質量%
水酸カリ 下記pHとなる添加量
残余の成分は水
pH 11.8
現像液34(1L水溶液処方)
アニオン界面活性剤:A−5 3.0質量%
ノニオン界面活性剤:B−4 1.0質量%
エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム塩 0.05質量%
水酸カリ 下記pHとなる添加量
残余の成分は水
pH 11.8
現像液35(1L水溶液処方)
アニオン界面活性剤:A−5 3.3質量%
ノニオン界面活性剤:B−4 0.7質量%
エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム塩 0.05質量%
水酸カリ 下記pHとなる添加量
残余の成分は水
pH 11.8
現像液36(1L水溶液処方)
アニオン界面活性剤:A−5 3.5質量%
ノニオン界面活性剤:B−4 0.5質量%
エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム塩 0.05質量%
水酸カリ 下記pHとなる添加量
残余の成分は水
pH 11.8
現像液37(1L水溶液処方)
アニオン界面活性剤:A−5 3.6質量%
ノニオン界面活性剤:B−4 0.4質量%
エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム塩 0.05質量%
水酸カリ 下記pHとなる添加量
残余の成分は水
pH 11.8
現像液38(1L水溶液処方)
界面活性剤:A−5 4.0質量%
pH緩衝剤:炭酸カリウム 2.0質量%
エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム塩 0.05質量%
水酸カリ 下記pHとなる添加量
残余の成分は水
pH 11.8
現像液39(1L水溶液処方)
アニオン界面活性剤:A−5 3.0質量%
ノニオン界面活性剤:B−4 1.0質量%
pH緩衝剤:炭酸カリウム 2.0質量%
エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム塩 0.05質量%
水酸カリ 下記pHとなる添加量
残余の成分は水
pH 11.8
現像液40(1L水溶液処方)
アニオン界面活性剤:A−5 4.0質量%
pH緩衝剤:炭酸カリウム 1.5質量%
エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム塩 0.05質量%
水酸カリ 下記pHとなる添加量
残余の成分は水
pH 11.8
現像液41(1L水溶液処方)
アニオン界面活性剤:A−5 3.0質量%
ノニオン界面活性剤:B−4 1.0質量%
pH緩衝剤:炭酸カリウム 1.5質量%
エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム塩 0.05質量%
水酸カリ 下記pHとなる添加量
残余の成分は水
pH 11.8
Figure 0004419682
Figure 0004419682
Figure 0004419682
Figure 0004419682
Figure 0004419682
《画像再現性の評価》
自動現像機(Technigraph社製PHW32−V)を用いて現像処理し、作製された平版印刷版の2400dpi(dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す)/175lpiにおける、シャドー部の再現網%と3%網点を8倍のルーペで観察し、露光した画像データと比較した場合の再現性を評価した。
◎:完全に再現し、画像データと一致。
○:画像データに比べて、わずかに欠陥があるが、平版印刷版として使用可能。
△:画像データに比べて、半分以上再現しており、平版印刷版として使用可能。
×:画像データに比べて、半分以上欠けており、平版印刷版として使用不可。
《印刷汚れ防止性評価》
自動現像機(Technigraph社製 PHW32−V)を用いて現像処理し、作製された平版印刷版を、印刷機(三菱重工業(株)製DAIYA1F−1)で、コート紙、印刷インキ(大日本インキ化学工業社製の、大豆油インキ”ナチュラリス100”)及び湿し水(東京インク(株)製H液SG−51濃度1.5%)を用いて印刷を行った。印刷スタートより100枚目の印刷物について、非画像部100cm2内の斑点状のインキ汚れを目視にて評価した。
◎:非画像部にインキ汚れは認められない(斑点上のインキ汚れの数:0個)
○:非画像部にインキ汚れはほとんど認められない(斑点状のインキ汚れの数:1〜10個)
△:非画像部にインキ汚れがわずかに認められるが、印刷物として使用可(斑点状のインキ汚れの数:11〜30個)
×:非画像部にインキ汚れが認められ、印刷物として使用不可(斑点状のインキ汚れの数:31個以上)
《耐刷性の評価》
自動現像機(Technigraph社製 PHW32−V)を用いて現像処理し、作製された平版印刷版を、印刷機(三菱重工業(株)製DAIYA1F−1)で、コート紙、印刷インキ(大日本インキ化学工業社製の、大豆油インキ”ナチュラリス100”)及び湿し水(東京インク(株)製H液SG−51濃度1.5%)を用いて印刷を行い、1000枚連続印刷後、クリーナーで版面をふき、ハイライト部の点細りの発生する印刷枚数を耐刷力の指標とした。耐刷性1回は1000枚連続印刷後クリーナーでふく作業を指す。多いほど好ましい。クリーナーは、ウルトラプレートクリーナー(発売元:大日精化)を使用。
《メンテナンス性の評価》
画像部、非画像部の面積比率が、1:9になるように作製された印刷版の現像処理を、1m2当たり50mlの現像液を補充し、3ヶ月間で500m2実施した。自動現像機はTechnigraph社製 PHW32−Vを使用した。現像処理後の現像処理槽の清掃の容易さを評価した。
◎:現像槽の壁、ローラーにほとんど汚れが付着していない。水で洗い流すことができ、容易に清掃可能。
○:現像槽の壁、ローラーに汚れが付着しているが、水で洗い流すことができ、容易に清掃可能。
×:現像槽の壁、ローラーに汚れが付着しており、水で洗い流すことができない。スポンジで擦る等すると取り除くことができる。
××:現像槽の壁、ローラーに汚れが固まっており、水で洗い流すことができない。スポンジで擦る等しても、容易に取り除くことができない。
結果を表8〜10に示す。表8〜10から、本発明の製版方法では、画像再現性、印刷時の汚れ防止性、耐刷性に優れ、かつ現像のメンテナンス性に優れることが分かる。
Figure 0004419682
Figure 0004419682
Figure 0004419682

Claims (4)

  1. アルミニウム支持体上に、(A)光重合開始剤、(B)高分子結合材、(C)重合可能な、エチレン性不飽和結合含有化合物および(D)吸収極大波長が350〜550nmにある色素を含有する光重合性感光性層を有する感光性平版印刷版を画像露光した後、現像処理する感光性平版印刷版の製版方法において、該現像処理に用いられる現像液が実質的に珪酸塩を含まず下記化合物Aを含有し、かつ該アルミニウム支持体の前記光重合性感光性層を有する面にポリビニルホスホン酸を積層し、該現像処理した後の平版印刷版材料の非画像部表面のP原子濃度が3〜15atm%であるようにする工程を有することを特徴とする感光性平版印刷版の製版方法。
    化合物A:疎水基部分の飽和アルキル基の分子量が、疎水基全体の分子量の0〜25%であるポリオキシエチレン基を含有するアニオン性界面活性剤。
  2. 前記アルミニウム支持体の前記光重合性感光性層を有する面を陽極酸化し、この後前記ポリビニルホスホン酸を含む水溶液で処理することで前記積層を行うことを特徴とする請求項1に記載の感光性平版印刷版の製版方法。
  3. 前記化合物Aの含有量が2〜10質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の感光性平版印刷版の製版方法。
  4. 前記現像液が、下記化合物Bを含有し、前記化合物Aと該化合物Bの含有割合(化合物A:化合物B)が2:3〜1:7であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の感光性平版印刷版の製版方法。
    化合物B:R−(OC−(OC−OH
    〔式中Rは置換、無置換のアルキル基または置換、無置換のアリール基を表す。mは1〜3の整数を表し、nは2〜30の整数を表す。〕
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