JP4417144B2 - 自動二輪車用ペダル装置 - Google Patents

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Description

この発明は、自動二輪車に適用されるペダル装置に関する。
従来から、自動二輪車におけるチェンジペダルやブレーキペダルといったペダル装置において、先端部を車両前方に向けると共に基端部が車体側に回動自在に軸支されるアーム部材と、このアーム部材の先端部に設けられるペダルとを有してなるものの中には、その操作フィーリングの向上を図るべく、前記アーム部材の基端部がニードルベアリングを介して車体側に支持されるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−180568号公報(第2図)
しかしながら、上述のような構成では、アーム部材の回動軸の径方向でのガタは無くすことができるものの、その軸方向ではガタが発生してしまうことがある。このようなガタは、アーム部材の先端部、つまり操作部であるペダルにおいてはより大きくなり、操作フィーリングに影響を与える虞があるため、このような点の改善が要望されている。
そこでこの発明は、アーム部材の回動軸の径方向及び軸方向でのガタを無くして良好な操作フィーリングを得ることができる自動二輪車用ペダル装置を提供する。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、先端部を車両略前方に向けると共に基端部(例えば実施例のボス部64)が車体側(例えば実施例のステップホルダ51)に回動自在に軸支されるアーム部材(例えば実施例のアーム部材61)と、このアーム部材の先端部に設けられるペダル(例えば実施例のペダル62)とを有してなる自動二輪車用ペダル装置(例えば実施例のチェンジペダル装置60)において、前記アーム部材の基端部内に、その回動軸(例えば実施例のピボットボルト63)に沿う方向で並設される少なくとも二つのボールベアリング(例えば実施例の各ボールベアリング74,75)を設け、前記各ボールベアリングが前記アーム部材の基端部内に圧入されると共に、前記各ボールベアリング間の相対位置を規定するディスタンスカラー(例えば実施例のディスタンスカラー77)を備え、該ディスタンスカラーの一部(例えば実施例の両側部78,79)を隣接する少なくとも一つの前記ボールベアリング内に挿入し、かつ前記アーム部材の基端部内に該アーム部材を支持するピボットボルト(例えば実施例のピボットボルト63)が入り込み、前記各ボールベアリングの内の車幅方向内側の内側ボールベアリングと前記車体側との間には、前記ピボットボルトの首下部分を貫通させる環状のエンドカラーが配設され、前記エンドカラーには、前記内側ボールベアリングのインナレースの車幅方向内側面との当接面が形成されると共に、前記ピボットボルトの頭部の首下側には、前記各ベアリングの内の車幅方向外側の外側ボールベアリングのインナレースの車幅方向外側面との当接面が形成されることを特徴とする。
この構成によれば、アーム部材の基端部がニードルベアリングを介して車体側に支持される場合と比べて、該アーム部材の回動軸の径方向だけでなく、その軸方向でのガタも無くすことが可能となる。
また、ペダル操作時等にアーム部材の基端部にこれを回動軸に対して傾けようとする荷重が加わった場合でも、該荷重を回動軸に沿う方向で並設された各ボールベアリングに分散させて効率良く支持することが可能となる。
しかも、前記各ボールベアリングが前記アーム部材の基端部内に圧入されることで、アーム部材と各ボールベアリングとを一部品として取り回すことが可能となる。
さらに、前記各ボールベアリング間の相対位置を規定するディスタンスカラーを備え、該ディスタンスカラーの一部を隣接する少なくとも一つの前記ボールベアリング内に挿入することで、ディスタンスカラーが、その両側のボールベアリングに挟まれることで回動軸に沿う方向での移動が規制されると共に、その一部が少なくとも一つのボールベアリング内に挿入されることで回動軸の径方向での移動も規制された状態となる。これにより、各ボールベアリングがアーム部材の基端部内に圧入される構成であれば、アーム部材、各ボールベアリング、及びディスタンスカラーを一部品として取り回すことが可能となる。
また、前記アーム部材の基端部内に該アーム部材を支持するピボットボルトが入り込むことで、ペダル操作時に足先がピボットボルトに干渉しなくなると共に、ピボットボルトの頭部が障害物から保護される。しかも、アーム部材の基端部周辺の凹凸が抑えられて外観上の見栄えが向上する。
また、請求項2に記載した発明のように、上記自動二輪車用ペダル装置がチェンジペダル装置であれば、ペダルの踏み込み動作と掻き上げ動作との両方が行われることから、アーム部材のガタや傾きが防止されていることの効果が高まる。
さらに、請求項3に記載した発明のように、前記ペダルと連係されるリンク機構(例えば実施例のリンク機構70)を介して、エンジン(例えば実施例のエンジン15)のシフトスピンドル(例えば実施例のシフトスピンドル73)と連結される構成であれば、構造上ガタや傾きが発生し易いものであることから、アーム部材のガタや傾きが防止されていることの効果がより一層高まる。
請求項4に記載した発明は、前記ピボットボルトの頭部の前記外側ボールベアリングと反対側の部位には外側拡径部(例えば実施例の拡径部86)が設けられ、前記エンドカラーの前記内側ボールベアリングと反対側の部位には内側拡径部(例えば実施例の拡径部87)が設けられることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、先端部を車両略前方に向けると共に基端部(例えば実施例のボス部64)が車体側(例えば実施例のステップホルダ51)に回動自在に軸支されるアーム部材(例えば実施例のアーム部材61)と、このアーム部材の先端部に設けられるペダル(例えば実施例のペダル62)とを有してなる自動二輪車用ペダル装置(例えば実施例のチェンジペダル装置60)において、前記アーム部材の基端部が、その回動軸(例えば実施例のピボットボルト63)に沿う方向での略中央よりも車体側の部位で、少なくと二つのボールベアリング(例えば実施例の各ボールベアリング74,75)を介して支持されることを特徴とする。
この構成によれば、アーム部材の基端部がその回動軸に沿う方向でオフセットした位置で支持されることで、構造上ガタや傾きが発生し易いものであることから、アーム部材が各ボールベアリングを介して支持されてそのガタや傾きが防止されていることの効果が高まる。
この発明によれば、ペダル操作時等のアーム部材のガタや傾きを効果的に防止して良好な操作フィーリングを得ることができる。
この発明によれば、各部品を一部品として取り回すことで車体側への組み付け作業性及び部品管理を容易にできる。
この発明によれば、操作性の向上、ピボットボルトの保護、及び見栄えの向上を図ることができる。
この発明によれば、アーム部材の基端部がその回動軸に沿う方向でオフセットした位置で支持される場合でも、そのガタや傾きを効果的に防止して良好な操作フィーリングを得ることができる。
以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ車両における向きと同一とする。
図1に示すように、自動二輪車(車両)1の前輪2を軸支する左右一対のフロントフォーク3はステアリングステム4を介して車体フレーム5のヘッドパイプ6に操舵可能に枢支される。ヘッドパイプ6からは左右一対のメインフレーム7が斜め下後方に延び、その後端部が同じく左右一対のセンタフレーム8の上部前側にそれぞれ接続される。ここで、車体フレーム5は、ヘッドパイプ6、各メインフレーム7、及び各センタフレーム8を備えてなるアルミ製のものである。
センタフレーム8にはピボット軸9を介してスイングアーム11の基端部が揺動可能に枢支され、このスイングアーム11の先端部には後輪12が軸支される。スイングアーム11の基端部近傍にはリアクッション13が配設され、該リアクッション13の一端部がスイングアーム11に、他端部がリンク機構14を介してセンタフレーム8のピボット軸9よりも下方となる部位に各々連結される。
車体略中央部分には、車幅方向に沿うクランク軸を有するV型五気筒エンジン(以下、単にエンジンという)15が配設される。該エンジン15の上方であってヘッドパイプ6の後方にはエアクリーナケース16が配設され、該エアクリーナケース16の後方には燃料タンク17が配設される。エアクリーナケース16及び燃料タンク17の上部はタンクカバー18により覆われる。
メインフレーム7の上部後側には、斜め上後方に延びるシートフレーム19の前端部が取り付けられる。このシートフレーム19には、タンクカバー18の後方に位置する運転者用のシート21及びその後方に位置するセンタマフラー42が支持される。ここで、燃料タンク17は、その後半部分がシート21の下方に配置されるように略後方に向かって延出されている。センタフレーム8の後部には運転者用の左右一対のステップ23が取り付けられる。また、シートフレーム19の右側下部には、車体右側に配設されたサイドマフラー41を支持するマフラステー24が取り付けられる。
フロントフォーク3の上端部には、左右一対のハンドル25がそれぞれ取り付けられる。また、フロントフォーク3の下端部にはブレーキキャリパ26が取り付けられ、該ブレーキキャリパ26に対応するブレーキディスク27が前輪2のハブ部に取り付けられる。これらブレ−キキャリパ26とブレーキディスク27とを主に自動二輪車1のフロントディスクブレーキが構成される。なお、後輪12の右側には、フロントディスクブレーキと同様の構成を有する不図示のリアディスクブレーキが設けられる。
自動二輪車1の車体前部はフロントカウル28により覆われ、シートフレーム19周辺はリアカウル29により覆われる。後輪12の左側にはリアスプロケット31が取り付けられ、このリアスプロケット31とエンジン15の後部左側に配設されたドライブスプロケット32とにドライブチェーン33が掛け回されることで、エンジン15の駆動力を後輪12に伝達可能とされる。
エンジン15は、その前部がメインフレーム7の下部に設けられたエンジンハンガー34に、後部がセンタフレーム8の上部及び下部にそれぞれ固定された状態で車体フレーム5に支持される。エンジン15の各気筒の内、クランクケース35の斜め前上方に設けられる前傾シリンダ部36には三気筒が、クランクケース35の斜め後上方に設けられる後傾シリンダ部37には他の二気筒がそれぞれ配設される。各シリンダ部36,37における他方のシリンダ部側の部位にはエアクリーナケース16から延びる吸気通路38が接続され、前記シリンダヘッドにおける吸気通路38と反対側の部位には排気管39が接続される。
前傾シリンダ部36から延びる排気管39は、下方に向かって湾曲してクランクケース35下方を通過した後に、車体右側の前記サイドマフラー41に接続される。また、後傾シリンダ部37から延びる排気管39は、略後方に向かって延出されてリアカウル29内の前記センタマフラー42に接続される。エンジン15の前方には、該エンジン用の上段側及び下段側ラジエータ43,44がそれぞれ配設される。
図2に示すように、車体両側に配設されるステップ23(車体左側のもののみ図示する)は、ステップホルダ51を介してセンタフレーム8に取り付けられる。ステップホルダ51は、センタフレーム8よりも後方となる位置にてステップ23を支持するもので、その後端部にはステップ支持部52が設けられる。また、ステップホルダ51の前半部分は、斜め上前方に向かって延びる上段ステー部53と略前方に向かって延びる下段ステー部54とに分岐し、各ステー部53,54の先端部がセンタフレーム8の後縁部に固定される。ステップホルダ51の上縁部には、車幅方向と略直交する壁面を形成するステッププレート55が取り付けられる。なお、ステップ23、ステップホルダ51、及びステッププレート55はアルミニウム製である。
ステップ支持部52には、車体側面視で後下がりとなるように配される連結軸52aを介してステップ23の基端部を支持するべく、車幅方向外側に略平行に突出する一対の支持壁56が設けられる。ステップ23とステップ支持部52との間には、ステップ23が通常使用状態となるように、すなわちステップ23がステップ支持部52から車幅方向外側に向かって略水平に突出するように配置された状態となるように、該ステップ23を付勢するコイルスプリング等の付勢手段(不図示)が介装される。この付勢手段の付勢力に抗する負荷がステップ23に入力された場合には、該ステップ23がその先端部を上方に変位させるようにスイング可能である。
ステップ23の前方には、前記エンジン15の変速機を作動させるためのチェンジペダル装置(自動二輪車用ペダル装置)60が配設される。このチェンジペダル装置60は、先端部を車両略前方に向けると共に基端部が車体側に回動自在に軸支されるアルミニウム製のアーム部材61と、このアーム部材61の先端部に設けられるペダル62とを有してなるものである。
アーム部材61の回動軸は、車幅方向と略平行に配置された状態でステップホルダ51に取り付けられるピボットボルト63であり、このピボットボルト63がステップホルダ51におけるステップ支持部52の直前となる部位に螺着され固定される。ここで、ステップホルダ51は、その車幅方向外側面S1(図3参照)が車体側面(車幅方向と直交する面)に概ね沿うように形成されている。
図3を併せて参照して説明すると、アーム部材61の基端部はピボットボルト63を貫通させるボス部64とされ、このボス部64からはステップ23の斜め下前方に位置するペダル62に向かってアーム本体65が延出される。アーム本体65は、ボス部64の車幅方向外側の端部からペダル62に向かって延びるものである。ここで、アーム本体65は、その車幅方向外側面をステップホルダ51の車幅方向外側面S1から所定量離間した車体側面S2に沿わせるようにして設けられる。また、ボス部64の車幅方向外側の端部は、車体後面視で上方に向かうほど車幅方向内側に位置するように傾斜して設けられる。
また、アーム本体65は、ボス部64から略下方に向かって延びた後に湾曲し、略前方に向かって延びてペダル62の車幅方向内側の端部に接続される。換言すれば、アーム本体65は、側面視略L字形状となるように設けられる。このようにアーム本体65が側面視略L字形状とされるのは、ステップ23の踏み部23aに載せた足でペダル62を操作する際に、その足先がアーム本体65に干渉し難くするためである。
ペダル62は、アーム本体65の先端部に一体に設けられ該先端部から車幅方向外側に向かって略水平に延出される芯部66と、該芯部66の外周に装着されたペダルラバー67とからなる。このようなペダル62は、その操作性の都合上、前記車体側面S2の近傍となる位置から車幅方向外側に突出するように設けられる。ここで、ステップ23における足の載せ場所となる前記踏み部23aも同様の理由から、該ステップ23の車体側面S2近傍の部位からその先端部に渡る範囲に設けられる。ペダル62の車幅方向での長さは、ステップ23の踏み部23aに載せた足の足先の踏み替えを容易にするべく、ステップ23の車幅方向での長さの半分程度とされる。
図2に示すように、アーム部材61のボス部64の略直下となる部位にはペダル側ボールジョイント68の一端側が連結されると共に、該ボールジョイント68の他端側はリンク部材69の後端部に連結される。このリンク部材69は略水平に配されるロッド状のもので、その前端部にはレバー側ボールジョイント71の一端側が連結されると共に、該ボールジョイントの他端側はセンタフレーム8の前縁部よりも前方に位置するシフトレバー72の上端部に連結される。
シフトレバー72は、その下端部が前記エンジン15の変速機から突出する不図示のシフトスピンドル73に一体的に連結される。シフトスピンドル73には不図示のシフトフォークが連結されており、該シフトスピンドル73が回動することで、前記変速機における変速段数が変化するようになっている。
このようなシフトレバー72、リンク部材69、及びアーム部材61により構成されたリンク機構70により、運転者がステップ23に載せた足の足先でペダル62を踏み下ろすまたは掻き上げることで、アーム部材61がピボットボルト63を中心として回動し、リンク部材69及びシフトレバー72を介してシフトスピンドル73を回動させる。
ペダル側ボールジョイント68は、例えばボールホルダ側に設けられたネジ部がリンク部材69の後端部にその軸線方向に沿って螺着されると共に、該ネジ部がロックナットによりリンク部材69に固定される。同様に、レバー側ボールジョイント71は、そのボールホルダ側のネジ部がリンク部材69の前端部に螺着されロックナットにより固定される。各ボールホルダの何れか一方のネジ部は逆ネジとされており、前記各ロックナットを緩めた状態でリンク部材69を回転させることで、各ボールジョイント68,71間の距離を増減させ、チェンジペダル装置60におけるペダル62の高さを調整可能となっている。
ここで、図3に示すように、アーム部材61のボス部64は、その軸方向(車幅方向)で並設される一対のラジアルボールベアリング(以下、単にボールベアリングという)74,75を介してピボットボルト63に回転自在に支持されている。以下、各ボールベアリング74,75の内、車幅方向外側に配されるものを外側ボールベアリング74、車幅方向内側に配されるものを内側ボールベアリング75ということがある。なお、この実施例においては、各ボールベアリング74,75は同一部品である。
各ボールベアリング74,75は、そのアウタレースの外周面をボス部64の内周面に密接させるようにして該ボス部64内に圧入される。ボス部64の内周部には、その径方向内側に向かって段差状に突出することで内側ボールベアリング75のアウタレースの車幅方向外側面への当接面を形成するボス側環状部76が設けられており、このボス側環状部76の当接面に内側ボールベアリング75のアウタレースの車幅方向外側端を当接させることで、該内側ボールベアリング75のボス部64に対する軸方向での位置決めがなされる。
一方、外側ボールベアリング74の軸方向での位置決めは、内側ボールベアリング75に対してディスタンスカラー77を介して相対的に行われる。
ディスタンスカラー77は、ピボットボルト63の首下部分が貫通可能な略円筒状のもので、その車幅方向外側の部位(以下、外側部78という)が外側ボールベアリング74のインナレース内に挿入され、車幅方向内側の部位(以下、内側部79という)が内側ボールベアリング75のインナレース内に挿入される。すなわち、アーム部材61のボス部64とピボットボルト63の首下部分との間には、各ボールベアリング74,75及びディスタンスカラー77の両側部78,79が介在するようになっている。
ディスタンスカラー77の外周部における軸方向略中央部には、その径方向外側に向かって段差状に突出することで、内側ボールベアリング75のインナレースの車幅方向外側面への当接面、及び外側ボールベアリング74のインナレースの車幅方向内側面への当接面を形成するカラー側環状部81が設けられる。このカラー側環状部81の各当接面に対応する各ボールベアリング74,75のインナレースをそれぞれ当接させることで、各ボールベアリング74,75が各当接面間の距離分(カラー側環状部81の軸方向での厚さ分)だけ離間するように相対的に位置決めされる。
このように位置決めされた各ボールベアリング74,75は、アーム部材61のボス部64における回動軸に沿う方向(車幅方向)での略中央よりも車体側(車幅方向内側)の部位に配置されることとなる。すなわち、アーム部材61のボス部64が、その回動軸に沿う方向での略中央よりも車体側の部位にて、各ボールベアリング74,75を介して支持されることとなる。
内側ボールベアリング75とステップホルダ51との間には、ピボットボルト63の首下部分を貫通させる環状のエンドカラー82が配設される。このエンドカラー82は、ステップホルダ51の車幅方向外側面S1との当接面、及び内側ボールベアリング75のインナレースの車幅方向内側面との当接面を形成しており、このエンドカラー82の各当接面にステップホルダ51及び内側ボールベアリング75をそれぞれ当接させることで、内側ボールベアリング75のステップホルダ51に対する軸方向での位置決めがなされると共に、ボス部64の車幅方向内側面とステップホルダ51の車幅方向外側面S1との間に所定の間隙が確保される。また、この状態でエンドカラー82とピボットボルト63とによりアーム部材61が固定されるので、該アーム部材61の車幅方向でのガタが無くなることとなる。
ピボットボルト63の頭部83の首下側には、外側ボールベアリング74のインナレースの車幅方向外側面との当接面が形成される。また、ピボットボルト63の首下部分における頭部83側の部位、具体的にはディスタンスカラー77及びエンドカラー82を貫通する部位は、ネジ山が形成されずに平滑な外周面が形成される軸部84とされる。
そして、ピボットボルト63の首下部分がディスタンスカラー77及びエンドカラー82を貫通した状態で、該首下部分の先端側のネジ部85をステップホルダ51のネジ孔に螺着させ絞め込むことで、ピボットボルト63の頭部83とステップホルダ51とにより、外側ボールベアリング74のインナレース、ディスタンスカラー77のカラー側環状部81、内側ボールベアリング75のインナレース、及びエンドカラー82が締め付けられ、これらが一体的に締結された状態となる。この状態で、アーム部材61は各ボールベアリング74,75のアウタレースと共に回転自在である。
ピボットボルト63の頭部83の外側ボールベアリング74と反対側の部位には拡径部86が設けられる。この拡径部86は、外側ボールベアリング74の車幅方向外側に配設される不図示のダストシールを保持するためのものである。同様の理由から、エンドカラー82の内側ボールベアリング75と反対側の部位にも拡径部87が設けられている。エンドカラー82の車幅方向外側の内周縁部には、ピボットボルト63の首下部分を挿通する際にこれを案内するべく、比較的大きな角面取り部88が形成される。ピボットボルト63の頭部83は、その先端面がアーム部材61の車幅方向外側面よりも突出しない範囲で球状に膨出形成されることでその審美性を高めている。このようなピボットボルト63は、アーム部材61のボス部64内に入り込んでいるといえる。
以上説明してきたように、上記実施例におけるチェンジペダル装置60は、先端部を車両略前方に向けると共に、基端部であるボス部64が、車体側であるステップホルダ51に回動自在に軸支されるアーム部材61と、このアーム部材61の先端部に設けられるペダル62とを有してなるものであって、アーム部材61の基端部であるボス部64内に、その回動軸(ピボットボルト63)に沿う方向で並設される二つのボールベアリング74,75を設けた構成とされる。
この構成によれば、アーム部材61のボス部64がニードルベアリングを介してステップホルダ51に支持される場合と比べて、該アーム部材61の回動軸の径方向だけでなく、その軸方向でのガタも無くすことが可能となる。
また、ペダル操作時等にアーム部材61の基端部にこれを回動軸に対して傾けようとする荷重が加わった場合でも、該荷重を回動軸に沿う方向で並設された各ボールベアリング74,75に分散させて効率良く支持することが可能となる。
このように、ペダル操作時等のアーム部材61のガタや傾きを防止することで良好な操作フィーリングを得ることができるという効果がある。
特に、上記構成がチェンジペダル装置60に適用されていれば、ペダル62の踏み込み動作と掻き上げ動作との両方が行われることから、アーム部材61のガタや傾きが防止されていることの効果が高まる。
また、ペダル62と連係されるリンク機構70を介して、エンジン15のシフトスピンドル73と連結される構成であれば、構造上ガタや傾きが発生し易いものであることから、アーム部材61のガタや傾きが防止されていることの効果がより一層高まる。
さらに、この実施例におけるチェンジペダル装置60のように、各ボールベアリング74,75で支持されるボス部64に対して、アーム部材61が車幅方向(回動軸に沿う方向)外側に向かってオフセットされると共に、このアーム部材61よりもさらに車幅方向外側となる位置に操作部であるペダル62が設けられるものの場合、ペダル操作時にはアーム部材61の基端部を傾けようとする荷重が必然的に発生することから、このような荷重を効率良く支持できることの効果が高まる。
しかも、上記チェンジペダル装置60においては、各ボールベアリング74,75が、アーム部材61のボス部64内に圧入される構成とすることで、アーム部材61と各ボールベアリング74,75とを一部品として取り回すことが可能となり、ステップポルダへの組み付け作業性、及び部品管理を容易にできるという効果がある。
さらに、上記チェンジペダル装置60においては、各ボールベアリング74,75間の相対位置を規定するディスタンスカラー77を設け、該ディスタンスカラー77の両側部78,79を各ボールベアリング74,75内に挿入した構成とすることで、ディスタンスカラー77が、各ボールベアリング74,75に挟まれることで回動軸に沿う方向での移動が規制されると共に、その両側部78,79が各ボールベアリング74,75内に挿入されることで回動軸の径方向での移動も規制された状態となる。これにより、各ボールベアリング74,75がアーム部材61のボス部64内に圧入される構成であれば、アーム部材61、各ボールベアリング74,75、及びディスタンスカラー77を一部品として取り回すことが可能となり、上記同様の効果を得ることができる。
また、上記チェンジペダル装置60において、アーム部材61のボス部64内に、該アーム部材61を支持するピボットボルト63が入り込む構成であれば、ペダル操作時に足先がピボットボルト63に干渉しなくなると共に、ピボットボルト63の頭部83が障害物から保護される。しかも、アーム部材61のボス部64周辺の凹凸が抑えられて外観上の見栄えが向上する。すなわち、操作性の向上、ピボットボルト63の保護、及び見栄えの向上を図ることができるという効果がある。
さらに、上記チェンジペダル装置60において、アーム部材61のボス部64が、その回動軸(ピボットボルト63)に沿う方向での略中央よりも車体側の部位で、各ボールベアリング74,75を介して支持される構成であれば、アーム部材61のボス部64がその回動軸に沿う方向でオフセットした位置で支持されることで、構造上ガタや傾きが発生し易いものであることから、アーム部材61が各ボールベアリング74,75を介して支持されてそのガタや傾きが防止されていることの効果が高まる。すなわち、アーム部材61のボス部64がその回動軸に沿う方向でオフセットした位置で支持される場合でも、そのガタや傾きを効果的に防止して良好な操作フィーリングを得ることができるという効果がある。
なお、この発明は上記実施例に限られるものではなく、例えば、車体左側に配設される不図示のリアブレーキペダル装置にも適用してもよい。また、アーム部材61のボス部64とステップ23の基端部とが略同軸配置される構成でもよい。さらに、アーム部材61の回動軸がステップホルダ51に立設される構成でもよい。さらにまた、アーム部材61とペダル62とは別体構成であってもよい。
また、ディスタンスカラー77の両側部78,79が各ボールベアリング74,75内に圧入される構成であってもよい。しかも、ディスタンスカラー77は、その一部が各ボールベアリング74,75の何れか一方に挿入される構成であってもよい。このとき、各ボールベアリング74,75が異なるものであってもよい。ここで、ボス部64内に三つ以上のボールベアリングを設けてもよい。
さらに、ボス側環状部76を軸方向で幅広に形成し、ディスタンスカラー77を用いずに各ボールベアリング74,75の軸方向での位置決めを行うようにしてもよい。さらにまた、エンドカラー82に代わり、ステップホルダ51に台座部が形成される構成であってもよい。
そして、上記実施例における構成は一例であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
この発明の実施例における自動二輪車の側面図である。 図1におけるステップ周辺の拡大図である。 図2におけるA−A線に沿う断面図である。
符号の説明
15 エンジン
51 ステップホルダ(車体側)
60 チェンジペダル装置(自動二輪車用ペダル装置)
61 アーム部材
62 ペダル
63ピボットボルト(回動軸)
64 ボス部(基端部)
70 リンク機構
73 シフトスピンドル
74,75 ボールベアリング
77 ディスタンスカラー
78 外側部(一部)
79 内側部(一部)

Claims (5)

  1. 先端部を車両略前方に向けると共に基端部が車体側に回動自在に軸支されるアーム部材と、このアーム部材の先端部に設けられるペダルとを有してなる自動二輪車用ペダル装置において、
    前記アーム部材の基端部内に、その回動軸に沿う方向で並設される少なくとも二つのボールベアリングを設け
    前記各ボールベアリングが前記アーム部材の基端部内に圧入されると共に、
    前記各ボールベアリング間の相対位置を規定するディスタンスカラーを備え、該ディスタンスカラーの一部を隣接する少なくとも一つの前記ボールベアリング内に挿入し、
    かつ前記アーム部材の基端部内に該アーム部材を支持するピボットボルトが入り込み、
    前記各ボールベアリングの内の車幅方向内側の内側ボールベアリングと前記車体側との間には、前記ピボットボルトの首下部分を貫通させる環状のエンドカラーが配設され、
    前記エンドカラーには、前記内側ボールベアリングのインナレースの車幅方向内側面との当接面が形成されると共に、前記ピボットボルトの頭部の首下側には、前記各ベアリングの内の車幅方向外側の外側ボールベアリングのインナレースの車幅方向外側面との当接面が形成されることを特徴とする自動二輪車用ペダル装置。
  2. チェンジペダル装置であることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車用ペダル装置。
  3. 前記ペダルと連係されるリンク機構を介して、エンジンのシフトスピンドルと連結されることを特徴とする請求項2に記載に記載の自動二輪車用ペダル装置。
  4. 前記ピボットボルトの頭部の前記外側ボールベアリングと反対側の部位には外側拡径部が設けられ、前記エンドカラーの前記内側ボールベアリングと反対側の部位には内側拡径部が設けられることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の自動二輪車用ペダル装置。
  5. 先端部を車両略前方に向けると共に基端部が車体側に回動自在に軸支されるアーム部材と、このアーム部材の先端部に設けられるペダルとを有してなる自動二輪車用ペダル装置において、
    前記アーム部材の基端部が、その回動軸に沿う方向での略中央よりも車体側の部位で、少なくと二つのボールベアリングを介して支持されることを特徴とする自動二輪車用ペダル装置。
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