JP4416335B2 - 走行タイヤのタイヤ挙動測定方法およびタイヤ挙動測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両走行中の走行タイヤのタイヤ挙動を測定する走行タイヤのタイヤ挙動測定方法およびこの測定方法を実施する走行タイヤのタイヤ挙動測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気入りタイヤのタイヤ開発は、一般に、車両にタイヤを装着して所定のコースを走行する実車評価によって行われている。特に、タイヤ開発における操縦安定性能の評価は、ドライバーが操舵して車両の変化を体感しながら官能評価を行うため、タイヤ開発者は操舵に対する車両の変化を体感することができず、ドライバーの官能評価に頼る比率が大きかった。そして、タイヤ開発者がドライバーの官能評価によって指摘する内容をタイヤ開発に反映させていくには、タイヤ開発者にとって、失敗を含む長い間の経験と多大な知識が必要であった。そのため、タイヤ開発はタイヤ開発者個人の有する経験と知識に頼っていた。
【0003】
一方、ドライバーが官能評価で指摘する内容を定量的に把握し、タイヤ開発をより効率よく迅速に行うために、官能評価のためにドライバーが車両を走行させる間、車両のステアリングホイールの操舵角、ステアリングホイールの操舵力、車両の横方向の加速度、あるいはタイヤ一輪に加わる荷重や横力を計測することがしばしばなされる。例えば、ステアリングホイールの操舵角の計測のためにステアリングホイールのシャフトに操舵角力計を設置し、車両横方向の加速度の計測のために、車両の重心点近傍に加速度計を貼り付けることによって行われる。
【0004】
しかし、このような計測で得られる計測データは、例えばステアリングホイールの操舵角や横加速度が時系列的にどのように変化したか、といった折れ線グラフ等の数値情報に過ぎないため、車両が所定の走行コースのどの部分を走行しているのか正確にわからない他、計測データの中から、ドライバーの官能評価にとって重要な領域を読み取るのが難しく、特殊な知識と経験が必要である。従って、タイヤ開発において、誰もが実際の車両の走行状態を判り易く解析することは非常に困難であった。
【0005】
一方、車両走行中の走行タイヤのタイヤ挙動を動画として撮影し、例えば、タイヤが力を受けて大きく変形している部分や接地面から浮き上がっているタイヤのトレッド面の領域を撮影して調べ、タイヤ挙動を定性的に理解することができる。そして、タイヤ開発者は、この定性的な理解に基づいて、タイヤ設計要因の変更に反映させることができる。しかし、走行タイヤのタイヤ挙動を動画として撮影し、この動画を定量的なデータとして解析することは殆どなされていない。わずかに、室内の台上試験における例が、特開平10−38533号公報で提案されているに過ぎない。同公報によると、室内の台上試験において、タイヤのサイド表面に格子面を設け、ストロボ装置によって間欠照明をした状態で2台のカメラでタイヤのサイドの表面の画像を取得し、この画像からタイヤの断面形状を再生する装置および方法が提案されている。特に、タイヤ挙動が過渡状態である場合でもタイヤの断面形状を測定することができるとされている。
【0006】
しかし、上記例は、予め定められた測定モードで制御されたタイヤ挙動の過渡状態を再現して測定する室内の台上試験にすぎず、しかも、タイヤ挙動に対応したタイヤ回転軸に作用する荷重変動等の物理量を同期させて測定する訳ではなく、タイヤの断面形状を精度良く測定するに過ぎない。従って、タイヤ挙動とタイヤ軸に作用する荷重変動とを精度良く照合させることはできない。
【0007】
一方、車両に装着した走行タイヤをタイヤ挙動の測定の対象とする場合、ドライバーの官能評価によって指摘される内容は、室内の台上試験のように、予め定められた時間に発生するものではない。しかも、「コース上のあのコーナーのクリッピングポイントでグリップが抜ける」といった官能評価によって指摘される内容が走行後に指摘される。この場合、指摘を受けた「コーナーのクリッピングポイント」が、撮影された過渡状態のタイヤの動画から画像のコマを大まかに選び出すことはできても、指摘を受けた「コーナーのクリッピングポイント」の位置におけるタイヤ挙動がどのような車両の走行状態に対応しているのか不明である。走行タイヤのタイヤ挙動を動画として撮影する際、同時にステアリングホイールの操舵角やステアリングホイールの操舵力や車両横方向の加速度や、タイヤ一輪に加わる荷重や横力を計測することはできるが、計測データを過渡状態のタイヤ挙動の動画と同期させて解析することは不可能に近い。そのため、ドライバーが官能評価で指摘する内容をタイヤ開発者が計測データとタイヤ挙動を撮影した動画を定量的に結びつけて理解することは非常に困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、ドライバーの官能評価と車両走行中の走行タイヤのタイヤ挙動を照合して定量的に解析を行う際、ドライバーの官能評価で指摘する内容に対応した計測データとタイヤ挙動の画像を定量的に結びつけることができ、ドライバーが官能評価で指摘する内容を定量的に理解することを容易にする車両走行中の走行タイヤのタイヤ挙動測定方法および、この方法を実施する走行タイヤのタイヤ挙動測定装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、車両走行中の走行タイヤのタイヤ挙動を測定する方法であって、
前記走行タイヤの接地部分を含む前記走行タイヤの動画を撮影するとともに、この撮影と同時に車両走行状態を表す物理量を測定して、この測定された物理量に基づく数値測定情報を得、
この数値測定情報を前記走行タイヤの動画に同期させて合成して合成画像を作成し、
この合成画像を用いて前記走行タイヤのタイヤ挙動を測定することを特徴とする走行タイヤのタイヤ挙動測定方法を提供するものである。
【0010】
ここで、測定する前記車両走行状態を表す物理量は、前記走行タイヤを懸架する懸架装置の部材に作用する力および前記走行タイヤを操舵する操舵装置の部材に作用する力の少なくとも1方を含むのが好ましく、前記数値測定情報は、前記走行タイヤの垂直方向に作用する荷重、前記走行タイヤの前後方向に作用する力、および、前記走行タイヤの横方向に作用する力の少なくとも1つの数値情報を含むのが好ましい。
【0011】
また、上記走行タイヤのタイヤ挙動測定方法において、前記車両は4輪の走行タイヤを有し、
この4輪の走行タイヤの動画を別個に撮影するとともに、前記4輪の走行タイヤの各々に対応した前記懸架装置の部材に作用する力および前記操舵装置の部材に作用する力の少なくとも1方を測定して、前記4輪の走行タイヤの各々に対応した数値測定情報を得、
前記合成画像は、画像領域を複数に分割した分割領域に前記4輪の走行タイヤの各々の動画が割り当てられ、前記数値測定情報の各々が、対応する走行タイヤの動画の割り当てられた前記分割領域に対応して合成されるのが好ましい。
【0012】
また、前記数値測定情報は、この数値測定情報が持つ数値そのものおよびこの数値を示すグラフの少なくとも1方であり、この数値測定情報が前記走行タイヤの動画に合成されるのが好ましい。
前記合成画像は、さらに、前記車両の運転者の運転操作を含む前記車両の前方を前記車両の後方から撮影した画像が合成されるのが好ましい。
また、測定する前記物理量は、前記車両の走行中の操舵状態を表す物理量を含んでもよく、また、測定する前記物理量は、前記車両の駆動装置および制動装置の作動状態を表す物理量を含んでもよい。
【0013】
また、上記走行タイヤのタイヤ挙動測定方法は、前記走行タイヤの垂直方向および横方向の撓み量を、前記合成画像中の走行タイヤの画像から求めるのが好ましい。
また、上記走行タイヤのタイヤ挙動測定方法では、前記車両の外部から送信される前記車両の走行位置を示す信号を前記車両側で受信し、
この受信した信号に基づいて得られる前記車両の走行位置を示す車両位置情報を表した画像を作成し、
前記合成画像は、この作成された前記車両位置情報を表した画像が合成されるのが好ましい。
【0014】
また、本発明は、車両走行中の走行タイヤのタイヤ挙動を測定する走行タイヤのタイヤ挙動測定装置であって、
前記走行タイヤの接地部分を含む前記走行タイヤの動画を撮影した画像信号を取り込み、第1のデジタル画像信号とする画像信号取込部と、
前記走行タイヤの撮影と同時に測定した車両走行状態を表す物理量の測定信号を取り込みデジタル測定信号とする測定信号入力部と、
この測定信号入力部で得られたデジタル測定信号から前記物理量に基づく数値測定情報を得、この数値測定情報を画像表示するための第2のデジタル画像信号に変換する測定信号変換処理部と、
この測定信号変換処理部で得られた前記第2のデジタル画像信号を、前記画像信号取り込み部で得られた第1のデジタル画像信号に同期させて、前記第1のデジタル画像信号に合成して合成画像信号を作成する画像合成処理部を有することを特徴とする走行タイヤのタイヤ挙動測定装置を提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の走行タイヤのタイヤ挙動測定方法および走行タイヤのタイヤ挙動測定装置について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
【0016】
本発明の走行タイヤのタイヤ挙動測定装置は、タイヤ挙動を撮影するカメラから得られる画像信号と、車両の走行状態を表す物理量を測定する測定センサから得られる測定信号とを入力信号とし、画像合成信号を出力する装置である。
【0017】
図1は、上記カメラと上記測定センサを車両10に設置する位置の一例を説明する図である。
図1に示す車両10は、矢印A方向に走行する走行車両であって、タイヤT1 〜T4 と各輪のサスペンションと操舵機構が簡略化して示されている。
車両10の左前輪タイヤT1 を撮影するカメラC1 は、タイヤT1 と地面とが接地する接地部を含むタイヤT1 の下側部分の動画を前方から撮影するように、車両10のフェンダーに固定される。同様にして、車両10の右前輪タイヤT2 を撮影するカメラC2 も、タイヤT2 と地面とが接地する接地部を含むタイヤT2 の下側部分の動画を前方から撮影するように、車両10のフェンダーに固定される。
同様にして、左後輪タイヤT3 および右後輪タイヤT4 を撮影するカメラC3 およびカメラC4 も、タイヤT3 およびタイヤT4 の各々と地面とが接地する接地部を含むタイヤの下側部分の動画を前方から撮影するように、車両10のフェンダーに固定される。
【0018】
さらに、車両10の室内後部座席から、ドライバーがステアリングホイールを操舵する操舵の様子と車両10のフロントガラスを通した車両走行前方を撮影するカメラC5 を車両後方から車両前方に向けて室内後部座席に固定する。
カメラC1 〜C5 は、いずれも公知の撮像装置であって、CCD撮像素子を用いたカメラが好適に用いられる。
【0019】
一方、車両の走行状態を表す物理量を測定する測定センサは、左前輪タイヤT1 のサスペンションのコイルスプリングCs1 の上方のアッパーマウント部にロードセルSa1 が固定され、操舵装置のステアリングギアボックス12の左前輪タイヤT1 側のプッシュロッド部にロードセルSb1 が固定される。同様に、右前輪タイヤT2 のサスペンションのコイルスプリングCs2 の上方のアッパーマウント部にロードセルSa2 が固定され、操舵装置のステアリングギアボックス12から伸びる右前輪タイヤT2 側のプッシュロッド部にロードセルSb2 が固定される。
また、左後輪タイヤT3 のサスペンションのコイルスプリングCs3 の上方のアッパーマウント部にロードセルSa3 が固定され、サスペンションアーム部(図1に示す例では後輪のサスペンション形式はデュアルリンクストラット形式である)にロードセルSc3 が固定される。ロードセルSa4 およびロードセルSc4 も同様に固定される。
【0020】
ロードセルSa1 〜Sa4 およびロードセルSb1 ,Sb2 ,Sc3 ,Sc4 は、サスペンションや操舵装置の各部材に作用する引っ張り力や圧縮力を計測するセンサーである。ロードセルの種類は、特に限定されないが、歪みゲージタイプのものが好適に用いられる。この場合、上記ロードセルの信号を増幅するための各々のロードセルに対応した増幅装置(AMP)が車両10の室内に備えられる。
なお、ロードセルSa1 〜Sa4 およびロードセルSb1 ,Sb2 ,Sc3 ,Sc4 の取り付け位置は、図1の取り付け位置に必ずしも限定されず、サスペンション形式に応じて取り付け位置を変えてもよいのは勿論である。
【0021】
車両10のフェンダー部に固定されたカメラC1 〜C4 と車両室内に固定されたカメラC5 の画像信号および、増幅装置(AMP)を介したロードセルSa1 〜Sa4 およびロードセルSb1 ,Sb2 ,Sc3 ,Sc4 の測定信号は、車両10の室内に設けられた、本発明に係る走行タイヤのタイヤ挙動測定装置の好適実施例である、図2に示されたタイヤ挙動測定装置20に入力される。
【0022】
タイヤ挙動測定装置20は、測定入力信号部22と、測定信号変換処理部24と、画像信号取込部26と、画像合成処理部28と、合成画像出力部30を有し、合成画像出力部30から出力される合成画像信号は、アナログ信号として画像記憶装置32に記録される。
【0023】
測定入力信号部22は、走行中のタイヤT1 〜T4 の撮影と同時にロードセルSa1 〜Sa4 およびロードセルSb1 ,Sb2 ,Sc3 ,Sc4 によって測定して得られたアナログの測定信号を取り込み、8ビットや12ビット等でAD変換してデジタル測定信号とする複数のAD変換回路によって構成される部位である。
得られたデジタル測定信号は、測定信号変換処理部24に送られる。
【0024】
測定信号変換処理部24は、測定信号入力部22で得られたデジタル測定信号から、各タイヤT1 〜T4 の垂直方向に作用する荷重や、タイヤT1 〜T4 の操舵によって発生するコーナリング力およびトルクによって定まる各タイヤT1 、T2 に働く操舵力(タイヤの横方向に作用する力)や、各タイヤT1 〜T4 の走行前後方向に作用する前後力の値を、サスペンションや操舵装置のジオメトリーから算出して求めるとともに、この求められた値を棒グラフ化したタイヤT1 〜T4 の数値測定情報をデジタルグラフ画像データ(デジタル画像信号)に変換する部位である。ここで、垂直方向とは水平な接地面に対して垂直な方向(鉛直方向)をいい、前後方向とは車両10が進行する方向およびその反対の方向をいい、横方向とは上記前後方向に直交し、しかも、上記垂直方向に直交する方向をいう。
【0025】
なお、図2では省略されているが、車両10のブレーキ装置のブレーキペダルの踏力や油圧ブレーキの圧力や、車両10のアクセルペダルの開度や車両10のエンジンの吸入空気量から得られるエンジンの負荷や、エンジンの回転数等の車両10のエンジン(制動装置)やブレーキ(駆動装置)の作動状態が測定され、測定信号入力部22に測定信号として入力され、さらに、測定信号変換処理部24において、アクセルペダルの開度やエンジンの吸入空気量から得られるエンジンの負荷や、エンジンの回転数の値が、車両10のエンジンやブレーキの作動状態を表す数値測定情報としてデジタル画像信号に変換される。
【0026】
測定信号変換処理部24は、後述する画像信号取込部26から画像合成処理部28を介して送られてくる同期信号に従って同期してデジタルグラフ画像データを作成し、画像合成処理部28に送る。なお、測定信号変換処理部24は、測定される物理量に応じてノイズ除去等のためにフィルタ処理を施すが、画像信号取込部26から送られてくる同期信号は、カメラC1 〜C5 で撮影された1/30秒に1コマの動画に画像を合成するための同期信号であるため、フィルタ処理によって同期信号による同期が妨げられることはない。
【0027】
画像信号取込部26は、走行中のタイヤT1 〜T4 の挙動をカメラC1 〜C5 によって撮影したNTSC信号あるいはPAL信号等の画像信号を取り込み、デジタル画像信号とする部位であり、Y/C分離回路26aと8ビットや12ビット等のAD変換を行うAD変換回路26bによって構成される。
まず、Y/C分離回路26aは、カメラC1 〜C5 から送られてきた画像信号がコンポジットビデオ信号であるため、輝度信号(Y信号)と色信号(C信号)をフィルタを用いて分離する部分である。さらに、Y/C分離回路26aで輝度信号(Y信号)と色信号(C信号)を分離する際、撮影された動画の1フレーム毎の同期信号が生成され画像合成処理部28に送られる。
また、AD変換回路26bは、カメラC1 〜C5 から送られ、輝度信号(Y信号)と色信号(C信号)に分離された画像信号をAD変換し、デジタル画像信号を得る部分である。
得られたデジタル画像信号は、画像合成処理部28に送られる。
【0028】
画像合成処理部28は、測定信号変換処理部24で得られたデジタルグラフ画像データを、画像信号取込部26から送られてきた同期信号に従って、画像信号取込部26で得られたデジタル画像信号に合成して合成画像信号を作成する部位である。
合成画像信号によって作成される合成画像は、走行タイヤT1 〜T4 の各々の動画を所定の位置に、例えば、図4に示される様に、タイヤT1 を撮影した画像は左上の領域に、タイヤT4 を撮影した画像は右下の領域に、また、カメラC5 で撮影した画像は中央の領域に割り当てて表示する画像であって、走行タイヤT1 〜T4 や車量10の上記数値測定情報が、対応する動画の割り当てられた領域に合成される。合成画像信号は、このような合成画像が得られる様に作成される。
作成された合成画像信号は、合成画像出力部30に送られる。
【0029】
合成画像出力部30は、DA変換回路30aと、Y/C合成回路30bを有して構成され、画像合成処理部28で作成された合成画像信号はDA変換回路30aでアナログ信号に変換され、さらに、輝度信号(Y信号)と色信号(C信号)を合成してアナログのコンポジットビデオ信号として、NTSC信号やPAL信号やRGB/S信号等を出力する部位である。
出力されたコンポジットビデオ信号は、画像記憶装置32に記録される。
タイヤ挙動測定装置20は以上の様に構成される。
【0030】
次に、本発明の走行タイヤの挙動測定方法の一例を、タイヤ挙動測定装置20の動作に基づいて、図3に示す流れにしたがって説明する。
まず、図1に示す様に、車両10の所定の位置にカメラC1 〜C5 およびロードセルSa1 〜Sa4 およびロードセルSb1 ,Sb2 ,Sc3 ,Sc4 が取り付けられる。
そして、ドライバーの官能評価を行う車両の走行中に、走行中のタイヤT1 〜T4 の挙動をカメラC1 〜C5 によって撮影したNTSC信号あるいはPAL信号等の画像信号が、画像信号取込部26において取り込まれ、AD変換されてデジタル画像信号とされる(ステップ100、ステップ102)。その際、撮影された動画の1フレーム毎の同期信号が生成される。
【0031】
また、車両10の車両走行状態を表す物理量、例えば、ロードセルSa1 〜Sa4 の取り付けられたサスペンションのアッパーマウント部に作用する引っ張り力や圧縮力や、サスペンションのリンク機構を構成するアーム部材や操舵装置のプッシュロッド部等のロッド部材に作用する引っ張り力や圧縮力、さらには、車両10の走行状態を表す物理量、すなわち、ブレーキ装置のブレーキペダルの踏力や油圧ブレーキの圧力や、車両10のアクセルペダルの開度や車両10のエンジンの吸入空気量から得られるエンジンの負荷や、エンジンの回転数等が測定され、測定信号入力部22において測定信号がAD変換されてデジタル測定信号とされる(ステップ104)。
【0032】
なお、本発明における車両走行状態を表す物理量は、上述の様に、タイヤを懸架するサスペンションの部材に作用する力およびタイヤを操舵する操舵装置の部材に作用する力の少なくとも1方を含むものであってもよいし、また、車両10の走行中の操舵状態を表す物理量、すなわち、車両10のステアリングホイールの操舵角や操舵トルクや、車両10の車両重心点近傍に取り付けられた加速度計で測定される垂直方向や前後方向や横方向の加速度やジャイロで測定されるヨー速度を含むものであってもよい。この場合、数値測定情報は、操舵角や操舵トルクや加速度やヨー速度の数値に関する情報である。
【0033】
次に、ステップ104で得られたデジタル測定信号から各タイヤT1 〜T4 の垂直方向に作用する荷重や、タイヤT1 〜T4 の操舵によって発生するコーナリング力およびトルクによって定まる各タイヤT1 、T2 に働く操舵力(タイヤの横方向に作用する力)や、各タイヤT1 〜T4 の走行前後方向に作用する前後力の値を、サスペンションや操舵装置のジオメトリーから算出して求め、この求められた各値を棒グラフ化して表したタイヤT1 〜T4 の数値測定情報や車両10のブレーキやエンジンの作動状態を表す物理量を棒グラフにして表した車両10の数値測定情報を、ステップ100、ステップ102で生成された同期信号に従って同期して、デジタルグラフ画像データに変換するグラフ画像信号処理が施され、デジタルグラフ画像データが作成される(ステップ106)。
なお、本発明における数値測定情報は、タイヤの垂直方向に作用する荷重、タイヤの前後方向に作用する力、および、タイヤの横方向に作用する力に関する少なくとも1つの数値情報を含むものであればよい。
【0034】
また、数値測定情報のグラフ化は、棒グラフに限定されず、折れ線グラフや円グラフやベクトル表示されたグラフであってもよい。さらに、タイヤT1 〜T4 や車両10の数値測定情報はグラフ化されたものに限られず、数値そのものであってもよい。すなわち、後述する合成画像において、数値が直接表示される様に数値測定情報が合成されてもよい。
【0035】
デジタルグラフ画像データは、ステップ100およびステップ102で得られたデジタル画像信号とともに、画像合成処理部28において、同期信号に従って合成され、1つの合成画像信号が生成される(ステップ108)。
すなわち、走行タイヤT1 〜T4 の各々の動画を所定の位置に、カメラC5 で撮影した画像は合成画像の中央の位置に分割表示されるようにデジタル画像信号が合成され、ステップ104で求められたデジタルグラフ画像データは、数値測定情報が数値測定情報の対応する画像の位置に対応して表示されるように合成される。例えば、数値測定情報がタイヤT1 に関するものであれば、タイヤT1 の画像が表示される位置に合成される。数値測定情報が、エンジンの負荷やブレーキペダルの踏力に関するものであれば、カメラC5 で撮影した画像の位置に合成される。
【0036】
作成された合成画像信号は、車両10に搭載された画像記憶装置32にビデオ録画される(ステップ110)。勿論、ドライバーが走行中に発する音声情報も同時に記録される。
一方、ステップ104でAD変換して得られたデジタル測定信号は、画像信号取込部26から送られてくる同期信号とともに、車両10に搭載された図示されないデータロガーに記録される(ステップ114)。
【0037】
こうして、ドライバーの官能評価を行う車両の走行中のデータの収集が終了する。
車両の走行後、ビデオ録画された合成画像は、パーソナルコンピュータに取り込まれてモニタ上に再生される(ステップ112)。一方、データロガーに記録されたデジタル測定信号は、上記パーソナルコンピュータに転送され(ステップ116)、パーソナルコンピュータで測定信号が再生され、時系列データとして再生される(ステップ118)。
なお、本実施例は、ビデオ録画された合成画像を測定信号とともに再生して、走行タイヤのタイヤ挙動を細かく解析を行う例であるが、本発明では、データロガーを介して得られた測定信号を再生することなく、ビデオ録画された合成画像を、モニタ上で画像再生して、走行タイヤのタイヤ挙動の解析を行ってもよい。
【0038】
ここで、モニタ上に再生される合成画像の一例が図4に模式的に示されている。
図4に示す合成画像の左上の部分には、タイヤの接地部分を含む左前輪タイヤT1 の下方をカメラC1 で撮影した画像G1 が表示され、画像G1 の左端には、タイヤT1 に作用する垂直方向の荷重の変化を示す棒グラフGra1 が、上端には、タイヤT1 の横方向に作用する力の変化を示す棒グラフGrb1 がそれぞれ表示されている。同様に、合成画像の右上の部分には、タイヤの接地部分を含む右前輪タイヤT2 の下方をカメラC2 で撮影した画像G2 が表示され、画像G2 の右端には、タイヤT2 に作用する垂直方向の荷重の変化を示す棒グラフGra2 が、上端には、タイヤT2 の横方向に作用する力の変化を示す棒グラフGrb2 がそれぞれ表示されている。同様に、タイヤの接地部分を含む左後輪タイヤT3 の下方をカメラC3 で撮影した画像G3 およびタイヤの接地部分を含む右後輪タイヤT4 の下方をカメラC4 で撮影した画像G4 がそれぞれ、合成画像の左下の部分および右下の部分に表示され、それぞれの画像に、垂直方向の荷重の変化を示す棒グラフGra3 、Gra4 が、横方向に作用する力の変化を示す棒グラフGrb3 、Grb4 が表示されている。
【0039】
一方、中央部には、ドライバーがステアリングホイールを操舵する運転操作の様子を含む、車両後部座席側から見た車両10の前方の様子をカメラC5 で撮影して得た画像G5 が表示されている。画像G5 の下端には、エンジンの負荷状態を示す棒グラフGrc5 が、画像G5 の右端には、ブレーキペダルの踏力の変化を示す棒グラフGrd5 が示されている。
また、画像G5 の上端には、記録開始からの時間を示す時計Gc5 が表示されている。画像再生においては、勿論、ドライバーが走行中に発した音声情報も同時に再生されるので、ドライバーが官能評価で感知した一瞬のタイヤT1 〜T4 の挙動および車両走行状態を、ドライバーが走行中に発した音声情報から同時に知ることができる。
【0040】
一方において、パーソナルコンピュータで測定信号が時系列データとして再生される場合、Sa1 〜Sa4 およびロードセルSb1 ,Sb2 ,Sc3 ,Sc4 等で測定された測定信号に基づいて、棒グラフGra1 〜Gra4 や棒グラフGrb1 〜Grb4 やGrc5 やGrd5 に表示される数値データが時系列データとして再生されるので、タイヤ開発者であるオペレータは、モニタに表示された合成画像を見ながら、しかも、ドライバーの発する音声情報に基づき、時系列データの中から、ドライバーの官能評価にとって重要な領域を極めて簡単に読み取るができる。さらに、オペレータは、同時に、その瞬間の合成画像の1フレームを極めて簡単に取り出すことができる。
勿論、ドラーバーの発した音声データや上述した同期信号を測定信号内に記録しなくても、モニタ上に表示された棒グラフの数値測定情報と時系列データを照らし合わせることによって、再生された時系列データの中からドライバーの官能評価にとって重要な領域を極めて簡単に読み取るができる。
【0041】
図5には、車両が静止状態の際の合成画像の一例が示されており、図6には、車両が横Gを受けながら旋回する際の走行中のドライバーの官能評価で指摘する内容が発現する瞬間の合成画像の1フレームを取り出した一例が示されている。図6の合成画像中の右下の画像の後輪右タイヤは、旋回外側のタイヤとなって垂直方向の荷重が静止状態の垂直方向の荷重より大きくなるとともに、横方向の力を受けて大きく変形していることが示されている。一方、左下の画像の後輪左タイヤは、旋回内側のタイヤとなって垂直荷重が静止状態の垂直荷重より小さくなり、さらに横方向の力を受けるため、タイヤの接地部分の右端が浮き上がっているのが示されている。このように、ドライバーの官能評価で指摘する内容に対応した合成画像を容易に取り出すことができる。
本実施例では、走行タイヤの接地部分を含む走行タイヤの動画を撮影するものであるが、上述した様に、垂直方向に作用する荷重や横方向の力によって、タイヤの接地部分は大きく変化し、タイヤのグリップ性能に大きな影響を与えることから、走行タイヤの接地部分を含む走行タイヤの動画を撮影することは非常に重要である。
【0042】
こうして、測定信号が時系列データとして再生されると同時に、合成画像が再生されて、走行タイヤのタイヤ挙動の解析が行われる(ステップ120)。
解析においては、タイヤの回転方向に特定のマーキングを予めタイヤ表面に付し、例えば、タイヤの回転方向の溝底に、ゴム部材と反射率の異なる白色の細線をタイヤの回転方向に沿って付し、画像表示された合成画像内のこのマーキングの位置の移動によって、タイヤの横方向の撓み量を定量的に測定する。
また、同様に、タイヤのサイドウォール部分に特定のマーキングを付し、画像表示された合成画像内のこのマーキングの位置の移動によって、タイヤの垂直方向の撓み量を定量的に測定する。
このような撓み量は、合成画像が作成される前に、撓み量を算出する画像処理回路を別途設けて算出し、この算出された撓み量を合成画像内に数値として表示してもよい。
以上が、本発明の走行タイヤの挙動測定方法の一例の流れである。
【0043】
このように、ドライバーが官能評価で指摘する内容が発現する瞬間に対応したタイヤ挙動の画像からタイヤの撓み量と、その時のタイヤの垂直方向の荷重や横方向の力を用いて、ドライバーが官能評価で指摘する内容を可能な限り定量的に把握することができる。また、ドライバーが官能評価で指摘する内容が、タイヤ挙動を撮影した画像および数値測定情報から定量的に把握することができるので、ドライバーの官能評価の評価能力の差異によって生じる官能評価のばらつきを防止することができ、官能評価の評価精度の向上が達成できる。
また、ドライバーが官能評価で指摘する内容が発現する瞬間のタイヤ挙動を画像として捉え、さらにタイヤの撓み量を求めることができるので、タイヤの設計要因の変更に容易に反映させることができる。特に、操縦安定性能の官能評価では、ステアリングホイールに伝わる「リアル感」の有り無しで表現される傾向が強いが、本発明では、この「リアル感」を定量的に把握するために、ステアリングギアボックスから伸びるプッシュロッド部に作用する力を測定するので、ドライバーが指摘する「リアル感」を数値測定情報とタイヤ挙動の画像から定量的に捉えることが容易にできる。
【0044】
また、本発明においては、図7に示す様に、ドライバーが官能評価を行う走行コース上に、車両10の走行通過に応じて信号を車両10に向けて送信する発信装置を走行コース上の所望の位置L1 〜LN に複数設け、一方、車両10が位置L1 〜LN を通過する度に、車両10に搭載された受信装置で信号を受信し、この受信した信号から、車両10の走行コース上の走行位置を知り、この走行位置から車両位置情報を表す画像を作成して上述した合成画像の中に合成してもよい。すなわち、車両10の外部から送信される車両10の走行コース上の走行位置を示す信号を車両側で受信し、この受信した信号に基づいて得られる車両10の走行位置を示す車両位置情報を表した画像を作成し、この作成された画像を上述した合成画像に合成してもよい。
【0045】
車両位置情報を表す画像とは、例えば、予め走行コースが描かれた画像に、位置L1 〜LN の通過の度に受信する信号によって、通過位置がドットによって画像上に記され、あるいは、1つ前の通過位置から今回通過した通過位置までの間を逐次、線を引いて車両10の走行位置を表す画像であり、走行コース上を車両10が周回する度にドットや線の色やドットの形や線の種類が変化する様に構成される。また、位置L1 〜LN に設定される信号発生装置ごとに送信される信号を周波数変調して、受信装置で通過位置を個別に識別できるようにしてもよい。このような車両10の走行位置を示す車両位置情報を表す画像は、図4に示される合成画像の中央部に表示される画像G5 の替わりに配置されてもよいし、画像G1 〜G4 の配置領域に配置されてもよい。
【0046】
この場合、画像再生時、車両位置情報を表す画像を有する合成画像がコンピュータを介してモニタ表示されるが、コンピュータに接続されたキーボードやモニタを用いて走行コース上の所望の位置Lk (k=1〜Nの中のいずれかの整数)の指定と所望の周回数を指定することによって、車両10が走行コース上を指定された周回数、周回して位置Lk を通過した時点からの合成画像の再生が開始される。このように、オペレータは、車両10が走行コース上のどの部分を走行しているのか合成画像を見るだけで判断できるので、ドライバーの官能評価にとって重要なコース上の位置を知ることができ、また、この位置を車両10が通過する合成画像を瞬時に再生することができ、タイヤ挙動の解析を迅速に行うことができる。
【0047】
上記例は、いずれも4輪のタイヤを撮影して合成画像として記録するものであるが、本発明においては、必ずしも4輪のタイヤを撮影する場合に限定されず、1輪や2輪、3輪等タイヤの本数は限定されない。
また、本発明は、タイヤ開発における操縦安定性能の評価に限定されて用いられるわけでなく、走行タイヤのタイヤ挙動を観察するあらゆる場合に用いられ、特に、路面のわだちによって車両がふらつくわだちワンダリング性能の改良に有効に用いることができる。
【0048】
以上、本発明の走行タイヤのタイヤ挙動測定方法および走行タイヤのタイヤ挙動測定装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0049】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、ドライバーの官能評価と車両走行中の走行タイヤのタイヤ挙動を照合して定量的に解析を行う際、ドライバーの官能評価で指摘する内容に対応した、タイヤに作用する垂直方向の荷重や横方向の力等の計測データに基づく数値測定情報とタイヤ挙動の画像を、時系列の計測データや撮影したタイヤの動画の中から極めて容易に取り出すことができ、ドライバーが官能評価で指摘する内容を、この数値測定情報とタイヤ挙動の画像とを結びつけることによって定量的に理解することが容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の走行タイヤのタイヤ挙動測定方法を実施するためのカメラおよび測定センサの取り付け方法を説明する説明図である。
【図2】 本発明の走行タイヤのタイヤ挙動測定装置の一実施例の構成を示す構成図である。
【図3】 本発明の走行タイヤのタイヤ挙動測定方法の一実施例の流れを示すフローチャートである。
【図4】 本発明の走行タイヤのタイヤ挙動測定方法を用いて表示される合成画像の構成を示す説明図である。
【図5】 本発明の走行タイヤのタイヤ挙動測定方法を用いて表示される合成画像の一例を示す図である。
【図6】 本発明の走行タイヤのタイヤ挙動測定方法を用いて表示される合成画像の他の例を示す図である。
【図7】 本発明の走行タイヤのタイヤ挙動測定方法を実施する他の実施例を説明する図である。
【符号の説明】
10 車両
12 ステアリングギアボックス
20 タイヤ挙動測定装置
22 測定信号入力部
24 測定信号変換処理部
26 画像信号取込部
28 画像合成処理部
30 合成画像出力部
32 画像記憶装置
Claims (11)
- 車両走行中の走行タイヤのタイヤ挙動を測定する方法であって、
前記走行タイヤの接地部分を含む前記走行タイヤの動画を撮影するとともに、この撮影と同時に車両走行状態を表す物理量を測定して、この測定された物理量に基づく数値測定情報を得、
この数値測定情報を前記走行タイヤの動画に同期させて合成して合成画像を作成し、
この合成画像を用いて前記走行タイヤのタイヤ挙動を測定することを特徴とする走行タイヤのタイヤ挙動測定方法。 - 測定する前記車両走行状態を表す物理量は、前記走行タイヤを懸架する懸架装置の部材に作用する力および前記走行タイヤを操舵する操舵装置の部材に作用する力の少なくとも1方を含むことを特徴とする請求項1に記載の走行タイヤのタイヤ挙動測定方法。
- 前記数値測定情報は、前記走行タイヤの垂直方向に作用する荷重、前記走行タイヤの前後方向に作用する力、および、前記走行タイヤの横方向に作用する力の少なくとも1つの数値情報を含むことを特徴とする請求項2に記載の走行タイヤのタイヤ挙動測定方法。
- 前記車両は4輪の走行タイヤを有し、
この4輪の走行タイヤの動画を別個に撮影するとともに、前記4輪の走行タイヤの各々に対応した前記懸架装置の部材に作用する力および前記操舵装置の部材に作用する力の少なくとも1方を測定して、前記4輪の走行タイヤの各々に対応した数値測定情報を得、
前記合成画像は、画像領域を複数に分割した分割領域に前記4輪の走行タイヤの各々の動画が割り当てられ、前記数値測定情報の各々が、対応する走行タイヤの動画の割り当てられた前記分割領域に対応して合成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の走行タイヤのタイヤ挙動測定方法。 - 前記数値測定情報は、この数値測定情報が持つ数値そのものおよびこの数値を示すグラフの少なくとも1方であり、この数値測定情報が前記走行タイヤの動画に合成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の走行タイヤのタイヤ挙動測定方法。
- 前記合成画像は、さらに、前記車両の運転者の運転操作を含む前記車両の前方を前記車両の後方から撮影した画像が合成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の走行タイヤのタイヤ挙動測定方法。
- 測定する前記物理量は、前記車両の走行中の操舵状態を表す物理量を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の走行タイヤのタイヤ挙動測定方法。
- 測定する前記物理量は、前記車両の駆動装置および制動装置の作動状態を表す物理量を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の走行タイヤのタイヤ挙動測定方法。
- 前記走行タイヤの垂直方向および横方向の撓み量を、前記合成画像中の走行タイヤの画像から求めることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の走行タイヤのタイヤ挙動測定方法。
- 前記車両の外部から送信される前記車両の走行位置を示す信号を前記車両側で受信し、
この受信した信号に基づいて得られる前記車両の走行位置を示す車両位置情報を表した画像を作成し、
前記合成画像は、この作成された前記車両位置情報を表した画像が合成されることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の走行タイヤのタイヤ挙動測定方法。 - 車両走行中の走行タイヤのタイヤ挙動を測定する走行タイヤのタイヤ挙動測定装置であって、
前記走行タイヤの接地部分を含む前記走行タイヤの動画を撮影した画像信号を取り込み、第1のデジタル画像信号とする画像信号取込部と、
前記走行タイヤの撮影と同時に測定した車両走行状態を表す物理量の測定信号を取り込みデジタル測定信号とする測定信号入力部と、
この測定信号入力部で得られたデジタル測定信号から前記物理量に基づく数値測定情報を得、この数値測定情報を画像表示するための第2のデジタル画像信号に変換する測定信号変換処理部と、
この測定信号変換処理部で得られた前記第2のデジタル画像信号を、前記画像信号取り込み部で得られた第1のデジタル画像信号に同期させて、前記第1のデジタル画像信号に合成して合成画像信号を作成する画像合成処理部を有することを特徴とする走行タイヤのタイヤ挙動測定装置。
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