JP4414774B2 - シリコン針の製造方法 - Google Patents
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Description
また、本発明の製造方法の好ましい態様として、前記マスクを設ける工程、前記第1のエッチング工程、前記第2のエッチング工程、前記堆積層を除去する工程、および前記第3のエッチング工程が経時的に順次行われ、前記複数の針状体は、先端に向かって漸減した外径を備える先端部と、該先端部と連接しつつ先端に向かって漸減した外径を備える針本体を備えるように構成される。
また、本発明の製造方法の好ましい態様として、前記複数の針状体の高さをHとし、先端から1/3Hでの位置での外径をD1、先端から2/3Hでの位置での外径をD2として場合に、D1/D2比の値が、0.4以上1.0未満の範囲にあるように構成される。
また、本発明の製造方法の好ましい態様として、前記複数の針状体の高さHが、60〜200μmとなるように構成される。
本発明におけるシリコン針の製造方法は、シリコンウエハを所定のステップでエッチングすることにより形成するものであって、基体の上に一体的に複数の針状体を立設するように形成する。以下、工程順に説明する。
図3(a)に示されるように複数の針状体を形成すべき箇所に対応するようにマスク22が設けられる。図3(a)の例では2本の針状体が形成される状況が部分的に示されている。また、図示例ではマスク22の上にパターン形成のためのフォトレジスト23が存在する。
図3(b)に示されるように、上述のマスク22(23)を設けた状態でシリコンウエハ31に対して等方性エッチングが施される。すなわち、シリコンウエハ31の表面から例えば深さ15〜45μm、幅10〜20μm程度に亘って等方性エッチングを行い、図3(b)に示されるごとく、先端部にある程度の針形状を形成させる。等方性エッチングはウエットエッチングあるいはドライエッチングいずれを用いてもよい。
次いで、図3(c)に示されるように異方性エッチングを施す第2のエッチング工程が行なわれる。この工程は、上述のマスク22を設けた状態でシリコンウエハ31に対してエッチングステップと堆積ステップを繰り返して、針状体の基礎となる側面に堆積層34を形成しつつ高さ(厚さ)方向に選択エッチング性を有する異方性エッチングを施す工程である。より具体的には、上述したICP−RIE装置を用い、反応ガスとして例えばSF6のエッチングガスと例えばC4F8の堆積ガスを交互にプラズマ化させて、エッチングステップと堆積ステップを繰り返すいわゆるボッシュ・プロセスが実施される。
このような異方性エッチング工程を行った後に、図3(d)に示されるように針状体の基礎となる側面に堆積した堆積層34(図3(c))を除去する工程を施す。除去するための溶液としては、H2SO4/H2O2/H2O混合溶液が好適に用いられる。H2SO4/H2O2/H2Oの混合体積比は、3〜9:3:1程度とされ、処理時間は10〜30分程度とされる。溶液の攪拌は通常しなくてもよい。また、処理後は純水によるリンスを10〜30分程度行なうのがよい。この工程で、通常、図3(d)に示されるようにフォトレジスト23も除去される。
上記堆積層を除去した後に、さらに、図3(e)に示されるように第3のエッチング工程としての針の高さに対し、エッチングレートに勾配があるエッチング処理(勾配エッチング)がなされる。すなわち、針の先端方向である高さ方向に行くに連れて漸増的にエッチングレートが増加するような処理を行う。すなわち、配設密度が20個/mm2以上でかつアスペクト比が1.5以上の針状体を、攪拌してしない状態でエッチング処理することによって、針の上部と下部で薬液の出入量が異なり、高さ方向に行くに連れて漸増的にエッチングレートが増加するという手法である。
(実施例1)
厚さ625μmのシリコンウエハ31を準備した。次いでこのシリコンウエハ31の基板の表面を熱酸化して、酸化シリコン層を形成した後、フォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィー法およびエッチング処理法を用いて複数の針状体を形成すべき箇所に対応するようにマスク22(符号23はフォトレジスト)を形成した(図3(a))。マスク22(符号23)の直径は50μmとした。なお、複数の針状体の単位平方ミリ当たりの配設密度は、48個/mm2を目標に設定した。
ICPーRIE装置を用い、エッチング反応ガスとしては、SF6を使用した。装置内に導入する反応ガスの流量は130sccm、ガス圧力は33mTorr(4.4Pa)、コイルへの印加電力は800W、基板電極への印加電力は3W、エッチング時間は6分とした。
ICP−RIE装置を用い、反応ガスとしてSF6のエッチングガスと、C4F8の堆積ガスを交互にプラズマ化させて、エッチングステップと堆積ステップを繰り返した。
エッチングおよび堆積ステップにおける装置内に導入するSF6反応ガスとC4F8反応ガスの流量比はSF6/C4F8=8/3、1回当たりの処理時間の比はエッチング/堆積=3/2、ガス圧比はエッチング/堆積=3、コイルへの印加電力は900W、基板電極への印加電力は18Wとした。
第3のエッチング工程における勾配エッチングは、処理液としてHNO3/HF/CH3COOH/H2O(混合体積比=25/637/40/298)を用い、処理時間は1分20秒とした。溶液の攪拌は行なわなかった。これにより上述のごとく針の高さに対し、上部位置でのエッチングレートが速く、下部位置でのエッチングレートが遅くなるようなエッチングレートの勾配が生じる。また、処理後、純水によるリンスを30分行なった。
このようにして図3(e)に示されるように先端に向かって細径化したテーパ状をなす先端部13と、この先端部に向かって細径化したテーパ状をなす針本体18からなるシリコン製の針状体10が形成された。
2…基体(シリコンウエハ部分)
10…針状体
13…先端部
15…連接部分
18…針本体
31…シリコンウエハ
34…堆積層
Claims (6)
- シリコンウエハをエッチングして基体の上に一体的に形成された複数の針状体を備えるシリコン針の製造方法であって、
該方法は、
複数の針状体を形成すべき箇所に対応してマスクを設ける工程と、
前記マスクを設けた状態でシリコンウエハに対して等方性エッチングまたは結晶異方性エッチングを施す第1のエッチング工程と、
前記マスクを設けた状態でシリコンウエハに対してエッチングステップと堆積ステップを繰り返して、針状体の基礎となる側面に堆積層を形成しつつ高さ(厚さ)方向に選択エッチング性を有する異方性エッチングを施す第2のエッチング工程と、
前記側面に堆積した堆積層を除去する工程と、
前記シリコンウエハに対して高さ方向に対しエッチングレートに勾配があるエッチングを施す第3のエッチング工程と、
を有してなることを特徴とするシリコン針の製造方法。 - 前記マスクは、シリコンウエハ表面を酸化処理またはシリコンウエハ上にシリコン窒化膜を形成した後、フォトリソグラフィー法およびエッチング処理法により形成された円形状群のマスクパターンである請求項1に記載のシリコン針の製造方法。
- 前記マスクパターンの配設密度は20〜70個/mm2である請求項1または請求項2に記載のシリコン針の製造方法。
- 前記マスクを設ける工程、前記第1のエッチング工程、前記第2のエッチング工程、前記堆積層を除去する工程、および前記第3のエッチング工程が経時的に順次行われ、前記複数の針状体は、先端に向かって漸減した外径を備える先端部と、該先端部と連接しつつ先端に向かって漸減した外径を備える針本体を備えるように形成される請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のシリコン針の製造方法。
- 前記複数の針状体の高さをHとし、先端から1/3Hでの位置での外径をD1、先端から2/3Hでの位置での外径をD2として場合に、D1/D2比の値が、0.4以上1.0未満の範囲にあるように形成される請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のシリコン針の製造方法。
- 前記複数の針状体の高さHが、60〜200μmとなるように形成される請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のシリコン針の製造方法。
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