JP4414462B2 - 補機と回転翼航空機の回転翼を駆動するためのエンジン部材との間に配置され補機を選択的に回転翼から分離して又は回転翼とともに駆動可能とする伝達機構 - Google Patents

補機と回転翼航空機の回転翼を駆動するためのエンジン部材との間に配置され補機を選択的に回転翼から分離して又は回転翼とともに駆動可能とする伝達機構 Download PDF

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Description

本発明は、機械的伝達分野、より詳細には回転翼シャフトを1つの駆動源又は複数の駆動源に選択的に伝達させる機構に関するものである。本発明は、補機の駆動が分離されるか回転翼の駆動と組み合わされるかを選択して実行され、シャフト特に回転翼航空機の回転翼を駆動するシャフトを駆動するエンジン部材で交流発電機及び/又は圧縮機等の補機を駆動するような伝達機構を提供するものである。
回転翼航空機、特にヘリコプタ等の分野では、複数のエンジン部材によって、特に一対のエンジンによって回転翼を駆動することが一般的慣行であることが思い起こされる。エンジン部材の少なくとも1つは、例えば交流発電機や圧縮機等の回転翼航空機の補機を駆動するために使用されることもまた思い起こされる。この説明の段階において、そのような補機の数量及び種類が本発明の請求範囲を限定していないことを述べておかなければならない。
提示される一般的な問題は、回転翼航空機のエンジン部材の二元的な目的、つまり回転翼を駆動するとともに、その内の少なくとも一つについては、補機をも駆動するという目的にある。この問題は、回転翼航空機が地上にいる間、特に離陸の準備中又は待機中に、回転翼とは無関係に補機を駆動させることが一般的慣行であることから、解決するのが特に困難になっている。このために、回転翼とエンジン部材セットとの間の接続を中断しながら、エンジンの一方を補機の駆動に割り当てることが一般的慣行になっている。
さらに厳密には、補機を駆動するエンジン部材は、最初に確動クラッチ機構のような選択的駆動部材を介して回転翼用のメイン・シャフトと連絡を取り、次に補機を駆動する2次シャフトと連絡を取る。これらの配設は、選択的駆動部材が動作すると、補機を駆動するエンジン部材が補機のみを駆動できるか、補機と回転翼との両方を駆動できるように設定されている。
特に回転翼を回転させる前であって回転翼航空機が準備中にある段階では、補機用のエンジン部材とメイン・シャフトとの間の接続が中断されて、補機のみがこのエンジン部材によって駆動するようになっている。その後、この準備段階が終了すれば、選択的駆動部材を介して、補機を駆動するエンジン部材と回転翼との間の接続を行う。同様に、回転翼の駆動が一時的に中断される回転翼航空機の待機中には、一方では補機を駆動し続けながら、選択的駆動部材を動作させてメイン・シャフトと補機の駆動に割り当てられたエンジンとの間の接続を遮断しなければならないのである。
仏国特許第2140107号及び米国特許第3782223号は、複雑で嵩張り比較的脆弱であることが判明している多数の部品を有する装置を開示している(特許文献1及び特許文献2参照。)。
仏国特許発明第2140107号明細書 米国特許第3782223号明細書
この説明の段階で、回転翼を駆動するエンジン部材とその関連メイン・シャフトとの間には、特にフリーホイール等で構成されている回転差動機構を挿入することも一般的慣行であることを述べておかねばならない。これらのフリーホイールは、回転翼が顕著な慣性を呈する場合にはさらに重要ですらあり、対応するエンジン部材と関連して駆動する回転翼と、一又は他のメイン・シャフトと、の間の相対的速度差のために被害が生じないことを保証する働きをする。ところが、回転翼のメイン・シャフトと、補機を駆動するエンジン部材と、の間に挿入される選択的駆動部材(クラッチ)を、軸方向に動作させることによって操作することが一般的慣行であるものの、そのような軸方向の動きは、回転翼と、補機の駆動に割り当てられたエンジン部材と、の間の回転速度差の容認可能な閾値を超えると困難になるか、不可能にさえなる。
この困難を克服するには、選択的駆動部材を動かして回転翼を両方のエンジン部材で駆動させるようにするに先立って、補機のみを駆動する位置から補機と回転翼との両方を駆動する位置へ移動している時に、前記速度差閾値に到達するのを待つことが一般的である。逆に、回転翼が両方のエンジン部材によって駆動されている間は、選択的駆動部材を軸方向に動かし、次に補機を駆動するエンジン部材のみを動作状態に維持する。選択的駆動部材を動かすことは、特に補機のみを駆動する位置から回転翼とともに補機を駆動する位置へ行く場合には、エンジン部材間の回転速度の差のために困難になるので、様々な回転部材の駆動速度がお互いに十分に近くなるまで、補機への駆動を一時的に中断する必要があることが一般的に認められている。
伝達機構に関するこのような一般的構成は、使用時には、特に上述したように速度が一致するのを待つ間に、補機機能を損なう恐れがあること、及び/又は、エンジンの何れかが故障した場合等のために、十分に満足できるものではないことが分かっている。たとえほんの一時的であっても、補機への駆動を中断することは、補機が特に空調機又はメモリ部材に動力を供給する交流電源を含んでいる場合には、交流電源を遮断すると情報を失う結果になり得るので、有害である。それにもかかわらず、この分野の慣行では、特に望ましくない余分な重量になる欠点と比較すれば、上記の部分で満足が得られなくても目をつぶる傾向がある。
この慣行は、補機及び特に交流電源に対する動作制約が補機等に最低速度及び最高速度の閾値に適合して駆動されることを必要とし、伝達機構の構造がさらに著しく複雑になりがちでそのためにあらゆる状況下で補機を駆動しながらこれらの閾値を保障できる構造を達成することが考えも及ばないことから、特に受け入れられている。
本発明の目的は、割り当てられた単一のエンジン部材によってのみ駆動される補機及び/又は回転翼とともに駆動される補機を含めて、回転翼航空機の補機への駆動を維持するための解決法を提案することである。但し、本解決法によれば、エンジン部材によって補機を選択的に駆動するという通常の動作、より詳細には補機を補機に割り当てられたエンジン部材から分離するか、又は回転翼を駆動する両方のエンジン部材と共同にするかを選択して駆動するという通常の動作を継続することが可能にならなければならない。
さらに厳密には、本発明は、回転翼を駆動するエンジン部材の動作を中断しなければならないという制約を受けずに、回転翼又は補機の駆動に使用される手段の信頼性を損なわずに、そのような動作が自由にできる状態で可能な限り小型かつ軽量な構造でこれを達成して、選択的に補機を駆動することが選択できるようにすることを目指す。
本発明は、より詳細には回転翼航空機のエンジン部材のいずれかが故障する可能性を考慮に入れるような解決法を提示する。
本発明の機構は、少なくとも1つの補機と一般的なシャフトを駆動するエンジン部材との間にあって、特に回転翼航空機の回転翼を駆動する伝達機構である。伝達機構は、自身を駆動するように割り当てられたエンジン部材の1つによって、又は回転翼を駆動するエンジン部材の全て特に一対のエンジン部材によって、補機を選択的に分離して駆動できるように構成されたものと同じ種類のものである。さらに厳密には、エンジン部材の1つは、回転翼から分離され又は回転翼と一緒に補機を駆動するように割り当てられる一方、他のエンジン部材は少なくとも回転翼を駆動するように割り当てられる。前記機構は、円錐歯車のような回転翼駆動部材が備えられ補機の駆動に割り当てられたエンジン部材に係合する駆動シャフトに関連する、メイン・シャフトを有する。これは、主回転速度差動部材、特にフリーホイール等や、軸方向に動作可能な選択的回転駆動部材、例えば特に確動クラッチ等を介して達成される。この選択的駆動は、メイン・シャフトが駆動シャフトを係合する、補機及び回転翼への結合駆動の位置と、補機のみが駆動されるようにこの接続が中断される分離駆動を行う位置と、の間で実現される。伝動装置によって補機が、補機エンジン部材の駆動シャフトに関連する2次シャフトと係合することができる。
本発明では、そのような伝達機構は主として、伝動装置が、メイン・シャフトと2次シャフトとの間に挿入された少なくとも1つの中間シャフトであってメイン・シャフトを直接係合している中間シャフトを有していることで、認識することができる。中間シャフトとメイン・シャフトとの直接係合は、この直接係合が本発明について上で試みた要件から逸脱することなく、伝動装置によって達成されるものであるから、定速度接続により、つまり角速度の顕著な変動のない接続によってもたらされなければならないことが理解される。また、第二の回転速度差動部材は、回転翼航空機のエンジン部材のいずれかが故障した場合でも、補機への駆動が保全されるように、中間シャフトと2次シャフトとの間に挿入する。さらに厳密には、これらの取り付けは、補機が、
*)分離された駆動位置にある駆動シャフトによって駆動されるそれ自体の2次シャフトそのものによるか、
*)又は、補機を間接的に駆動するエンジン部材によろうと、エンジン部材が両方とも故障したために回転翼が気流で回転する場合の回転翼自体によろうと、回転翼によって駆動されるメイン・シャフト自体によって駆動される中間シャフトによるか、
いずれかで駆動されるように、行われる。
2次シャフトと、駆動シャフト及び/又はメイン・シャフトと、の間の相対的速度に関係なく、補機への駆動は、飛行の準備中であろうと、すでに飛行中であろうと、飛行の待機中であろうと、エンジン部材の1つが飛行中に故障する場合も含めて、特に回転翼航空機の状況に関わりなく、保全されることが分かる。
中間シャフトは、メイン・シャフト及び2次シャフトに平行に延在することが好ましいが、これは本発明の請求範囲を限定するものではないことに留意しなければならない。また、駆動シャフトは、メイン・シャフトが同軸上に取り付けられた状態で、2次シャフトと同一の軸上に配置することが好ましいことにも留意しなければならない。このような状況下では、主回転速度差動部材は、メイン・シャフトと、2次シャフト又は駆動シャフトの何れかと、の間に挿入された主フリーホイールによって構成されることが好ましい。特に確動クラッチによって構成された選択的回転駆動部材は、主フリーホイールと、駆動シャフト及び/又は2次シャフトと、の間に挿入され、駆動シャフトに当接する端部から離れた2次シャフトの端部から好都合に突出している桿体によって、軸方向に移動できるようになっている。それにもかかわらず、これらの好ましい取り付けは、例示の手段として提示されたもので、決して本発明の請求範囲を限定するものではないことを理解していただかなければならない。
有利な実施形態では、中間シャフトは、メイン・シャフトに装着された駆動入力歯車を係合している第一の歯車と、第二の速度差動部材を介して2次シャフトと関連しかつ駆動出力歯車と係合している第二の歯車と、を備えている。
第二の速度差動部材は、第二の歯車と中間シャフトとの間に挿入された第一の2次フリーホイールと、駆動出力歯車と2次シャフトとの間に挿入された第二の2次フリーホイールと、によって構成されるような一対の2次フリーホイールであることが好ましい。
本発明は、添付図面に関して提示された下記の実施形態の記述を読めばさらによく理解され、それに関する詳細が見えてくる。
図において、伝達機構は交流電源1及び圧縮機2のような回転翼航空機の補機1、2を駆動するように構成されている。この説明の段階では、これらの補機1、2及び前記機構におけるそれらの配置は、実施例の手段として記述され図示されているものであって、本発明の請求範囲を限定するものではないことに留意していただかねばならない。これらの補機1、2は、回転翼5を駆動する回転翼航空機の一対のエンジン部材3、4におけるエンジン部材3の一つで駆動される。伝達機構は、補機1、2を駆動するエンジン部材3に関連する駆動シャフト6を有する。この駆動シャフト6は、主回転速度差動部材8と、メイン・シャフト7を駆動シャフト6によって選択的に駆動できるようにする部材9と、を介して、回転翼5を駆動するメイン・シャフト7と関連する。
メイン・シャフト7は特に、メイン・シャフト7に装着されて円錐歯車等で構成され回転翼5を駆動する駆動部材10を含む伝動装置を介して、回転翼5と関連する。
前記実施例では、メイン・シャフト7は駆動シャフト6の周りに特に同軸で取り付けられ、主回転速度差動部材8は、間に挿入された主フリーホイールによって構成されている。選択的駆動部材9は駆動シャフト6とフリーホイール8との間に挿入され、軸方向の桿体等として配置された部材11によって軸方向に動けるようになっている。この選択的駆動部材9は、特に当技術分野の従来のやり方では、ここに図示されていない従来構造の、前記軸方向の桿体11によって動かせる確動クラッチによって構成されている。
駆動シャフト6は、補機1、2を駆動する2次シャフト12にも関連付けられている。
図1に図示された実施形態では、2次シャフト12は特に、それが延在する駆動シャフト6と同じ軸上にあり、自身もメイン・シャフト7内の少なくとも一部に延在している。また、この2次シャフト12は、駆動シャフト6を延在させる端部と反対側の端部から突出する、選択的駆動部材9を動かす軸方向の桿体11を都合よく内蔵している。
図2に図示された実施形態では、選択的駆動部材8を動かす2次シャフト12と軸方向の桿体11とが一致する。さらに厳密には、軸方向の桿体11自体が、2次シャフト12を構成していて、第二の回転速度差動部材(16、17)を介して中間シャフト(13)と関連している。また、桿体11は、それを駆動するために使用される端部から離れた遠位端部で、特にフリーホイール8と協働する、選択的駆動部材9を駆動する制御部材25を有する。実施例の手段として、選択的駆動部材9及びフリーホイール8は、当技術分野で周知のように回転ケージ・フリーホイールとして構成される。
補機1、2は、中間シャフト13を含む伝動装置を介してメイン・シャフト7と関連する。中間シャフト13は、一組の歯車14、15又はそれらに関連する同等物を介してメイン・シャフト7と直接噛み合う。この歯車の組は特に、メイン・シャフト7に取り付けられた駆動歯車15と噛み合うとともに中間シャフト13に取り付けられた第一の歯車14を有する。中間シャフト13は、第二の回転速度差動部材16、17を介して2次シャフト12及び補機1、2を駆動する駆動出力歯車23とも関連する。
第二の回転速度差動部材は、一組の2次フリーホイール16、17等で構成される。第一の2次フリーホイール16は、中間シャフト13とそれ(13)に取り付けられた第二の歯車18との間に挿入される一方、第二の2次フリーホイール17は、第二の歯車18と2次シャフト12との間に挿入される。
図1では、補機1、2と2次シャフト12との間の中間伝動装置は、補機1、2を駆動する第一の個別駆動シャフト19をさらに有し、これが2次シャフト12と噛み合う。補機1、2を駆動する第二の個別シャフト20は、中間シャフト13と噛み合う。補機と2次シャフトと中間シャフトそれぞれの間のこれら接続部は、適切な場合には図示のようにそれぞれ挿入された個別歯車21、24及び22を介して実施できることに留意しなければならない。
一般論として、本発明の伝達機構をこのように配置することにより、補機1、2は、それに直接割り当てられたエンジン部材3によるばかりでなく、部材3が故障した場合には回転翼5を駆動するその他のエンジン部材4によって、又は、回転翼航空機のエンジン部材3、4が両方とも故障した場合には回転翼5が気流で回転するのなら、回転翼5自体によっても駆動できるようになる。補機1、2を駆動するこれらの状況の一つからその他の状況への移行は、それに付加される駆動を一時的にも中断する必要なしに達成できることに留意しなければならない。これは、サイズと重量を少し増やすだけであり、またそのような機構の操作に関わる慣行の変更も、特にメイン・シャフト7を駆動シャフト6と連絡させ駆動シャフト6を2次シャフト12と連絡させる手順に関しては、一切引き起こすことなく、達成できる。
さらに厳密には、中間シャフト13は、円錐歯車10を介してメイン・シャフト7と噛み合っているから、分離された駆動位置では回転しない。「分離された」駆動とは、回転翼5が駆動されていない間、特に乗り物が地上で待機している場合には、補機1、2が駆動される位置を意味するために使用されることに留意するべきである。メイン・シャフト7は、回転翼が駆動されていない限り、それ自体は静止している。そのような静止した中間シャフト13は、2次シャフト12を駆動する駆動シャフト6の障害物になることはない。フリーホイール17は、この分離した駆動位置で個別歯車23を駆動するように2次シャフト12に取り付けられる。フリーホイール16は、第二の歯車18が回転できるように可動状態で中間シャフト13に取り付けられ、歯車は個別歯車23と噛み合い、一方中間シャフト13は、回転翼5が駆動されていない状態で静止している。
さらに厳密には、結合駆動位置では、メイン・シャフト7と駆動シャフト6との間の相対速度によって、選択的駆動部材8を桿体11で軸方向に動作させて、中間シャフト13と2次シャフト12とはそれぞれ、メイン・シャフト7及び駆動シャフト6によって駆動される。「結合駆動」という用語は、補機1、2が回転翼5と同期して駆動され、それ自体がエンジン部材3、4の両方で駆動される位置を指定するために使用される。この結合駆動位置で、2次シャフト12は駆動シャフト6によって駆動される一方、中間シャフト13は、メイン・シャフト7と、各々第一の歯車及び駆動入力歯車になる歯車14、15と、を介して回転翼5によって駆動される。
これは、駆動入力歯車15と第一の歯車14との間、さらにまた駆動出力歯車23と第2の歯車18との間の伝達比を必要な大きさにするために、適切な選択肢を見出すことができることを意味する。関係する回転部材の様々な慣性、特に回転翼の慣性と補機の慣性との差を所与とし、かつ、補機の内の少なくとも1つに関する最低及び最高の動作閾値について可能性のある制約を所与とすれば、上述した歯車比によって実行される乗算の結果はほぼ一致しており、1よりわずかに大きいことが望ましい。
さらに厳密には、また本発明の別の態様では、駆動入力歯車15と第一の歯車との比率、及び、駆動出力歯車23と第二の歯車18との比率は、「(Z15/Z14)×(Z23/Z18)」が1よりはるかに大きくなっていて、
・Z15は駆動入力歯車の歯数であり、
・Z14は第一歯車の歯数であり、
・Z23は駆動出力歯車の歯数であり、
・Z18は第二歯車の歯数である、
という規則を満たしている。
これらの取り付けは、そのような伝達機構を実現するために、分離された駆動位置から結合駆動位置へ又はその逆への移行が、駆動シャフト6とメイン・シャフト7との速度の小さな回転速度差で実行されるように行われている。この小さな速度差は特に、回転翼5を介して補機1、2に間接的に作用するエンジン部材4の動作速度と比較すると、補機を直接駆動することに割り当てられたエンジン部材3の動作速度をわずかに落とすことによって取得される。これらを取り付けることにより、選択的駆動部材9を動かすことが容易になる。
分離された駆動位置から結合駆動位置へ及びその逆への移行は、補機1、2への駆動を中断せずに実行することができ、かつ、それにもかかわらず駆動シャフト6から2次シャフト12への駆動を中断した場合には、歯車23は回転翼5によって駆動されるように、中間シャフト13とメイン・シャフト7とを介して駆動し続けることができるが、それ自体も補機に直接関連しないエンジン部材4によるか、又は、エンジン3の故障時には気流で回転する回転翼によって駆動されるということに留意しなければならない。これらの取り付けは、選択的駆動部材9を、漸進的に一致するようにされた様々なシャフト6、7、12及び13の相対的な回転速度を利用して桿体11を使用することにより軸方向に動かすことが、さらに容易になるように行われることにも留意しなければならない。
さらに厳密には、分離された駆動位置から結合駆動位置への移行時に、選択的駆動部材9は、関係する部材が破損する危険性がないようにするために、小さな速度差動で動作する。エンジン部材3、4の両方が停止した場合には、特に桿体11を反応させることによって選択的駆動部材9を動かすことが直接実現できる。これは、補機1、2を駆動する部材3が動作中で、その動作速度が漸進的に落ちる場合に当てはまる。その結果、駆動シャフト6とメイン・シャフト7との小さな速度差動によって、いかなる損傷の危険も冒さずに選択的駆動部材9を動かすことができる。
さらに厳密には、結合駆動位置から分離された駆動位置へ移行する場合、補機1、2を駆動するエンジン部材3の速度は、選択的駆動部材9を反対方向に動かせるように、わずかに減少する。
いずれにしろ、本発明は、それでも補機1、2を直接駆動するエンジン部材3の速度を落とすことが好まれていて、上記で規定した規則から離れずに、エンジン部材3、4の速度の相互の小さな変動に基づき、補機1、2への駆動を変更することができるようにしようと努めている。
補機1、2を直接駆動するエンジン部材3が故障した場合、駆動出力歯車23はそれにもかかわらず中間シャフト13によって回転し、回転翼5の回転によってそれ自体が駆動するメイン・シャフト7と噛み合う。この駆動は、特にメイン・シャフト7とそれに取り付けられた駆動入力歯車15との間での、第一の個別歯車14とそのためにそれを担持する中間シャフト13との連続的接続と、さらに例えば調速機おもり等を用いる一組のフリーホイールによって特に構成される第二の回転差動部材16及び17を介しての第二の歯車18及び駆動出力歯車23との連続的接続と、によってできるようになる。
本発明の伝達装置は、回転翼の駆動に使用される複数のエンジン部材3、4の有無の如何に関わらず、回転翼5を駆動する単一の歯車10に接続されることに留意していただかなければならない。本発明の駆動装置は、乗り物の側部の一方に設置することができ、それによって特に構造のコンパクト性と簡潔性に伴う利点を獲得できることが分かる。
本発明の第一実施形態を構成する伝達機構の概略斜視図である。 本発明の第二実施形態を構成する伝達機構の軸方向概略断面図である。

Claims (10)

  1. 少なくとも1つの補機(1、2)と、回転翼航空機の回転翼(5)を駆動するエンジン部材(3、4)と、の間の伝達機構であって、
    第一のエンジン部材(3)は、前記補機(1、2)を分離して又は前記回転翼(5)と一緒に駆動するために割り当てられており、
    第二のエンジン部材(4)は、前記回転翼(5)のみを駆動するために設けられ、
    前記機構は、回転翼駆動部材(10)が設けられている前記メイン・シャフト(7)を有し、
    前記メイン・シャフト(7)は、主回転速度差動部材(8)及び選択的回転駆動部材(9)を介して前記第一エンジン部材(3)と係合する駆動シャフト(6)と分離可能に係合し、
    前記選択的回転駆動部材(9)は、前記メイン・シャフト(7)が前記駆動シャフト(6)と係合する前記補機(1、2)及び前記回転翼(5)の結合駆動位置と、前記補機(1、2)のみを駆動するように前記メイン・シャフト(7)が前記駆動シャフト(6)と係合しない分離された駆動位置と、の間で動作可能であり、
    前記補機(1、2)は、伝動装置を介して前記第一のエンジン部材(3)の前記駆動シャフト(6)に関連した2次シャフト(12)と係合し、
    前記伝動装置は、前記メイン・シャフト(7)と前記2次シャフト(12)との間に挿入された少なくとも1つの中間シャフト(13)を有し、
    前記中間シャフト(13)は、前記メイン・シャフト(7)と直接係合し、前記2次シャフト(12)とも係合し、
    第二の回転速度差動部材(16、17)は、前記2次シャフト(12)と前記中間シャフト(13)との間に挿入され、それにより、前記分離された駆動位置にある前記駆動シャフト(6)に駆動された前記2次シャフト(12)のみによって、又は、前記駆動シャフト(6)と同じ軸に取り付けられた前記メイン・シャフト(7)に駆動された前記中間シャフト(13)によって、前記補機(1、2)を駆動することができ、
    前記選択的駆動部材(9)は、前記駆動シャフト(6)と前記主回転速度差動部材(8)との間に挿入され、
    前記機構は、前記選択的駆動部材(9)を動かす軸方向の桿体(11)を含む、
    伝達機構。
  2. 中間シャフト(13)に、メイン・シャフト(7)に取り付けられた駆動入力歯車(15)と係合する第一の歯車(14)と、前記第二の速度差動部材(16、17)を介して初めに前記2次シャフト(12)と係合し次いで前記補機(1、2)を駆動する駆動出力歯車(23)と係合する第二の歯車(18)と、が取り付けられる、
    請求項1に記載の機構。
  3. 前記第二の速度差動部材(16、17)は、第二の歯車(18)と中間シャフト(13)との間に挿入された第一の2次フリーホイール(16)と、駆動出力歯車(23)と2次シャフト(12)との間に挿入された第二の2次フリーホイール(17)と、を有する一対の2次フリーホイールを有する、
    請求項2に記載の機構。
  4. 前記駆動入力歯車(15)と前記第一の歯車(14)との比率、及び、前記駆動出力歯車(23)と前記第二の歯車(18)との比率は、以下の不等式、
    [(Z15/Z14)×(Z23/Z18)]>1
    ・Z15は前記駆動入力歯車の歯数、
    ・Z14は前記第一の歯車の歯数、
    ・Z23は前記駆動出力歯車の歯数、
    ・Z18は前記第二の歯車の歯数、
    を満足している、
    請求項2又は3に記載の機構。
  5. 前記メイン・シャフト(7)は、前記駆動シャフト(6)の周囲の同軸上に取り付けられ、
    前記主回転速度差動部材(8)は、前記メイン・シャフト(7)と前記駆動シャフト(6)との間に挿入された主フリーホイールによって構成されている、
    請求項1から4の何れか一項に記載の機構。
  6. 前記2次シャフト(12)は、延在する前記駆動シャフト(6)と同じ軸上にあり、
    前記駆動シャフト(6)は、前記メイン・シャフト(7)の内側の少なくとも一部に延在し、前記駆動シャフト(6)が延在する端部とは反対側の端部に突出する桿体(11)を受け入れる、
    請求項1から5の何れか一項に記載の機構。
  7. 前記2次シャフト(12)と、選択的駆動部材(9)を動かす前記桿体(11)と、が一致し、
    前記桿体(11)は、第二のフリーホイール(17)と出力歯車(23)と第二の歯車(18)と第一のフリーホイール(16)とを介して前記中間シャフト(13)に機械的に接続され、前記桿体(11)を動かすために使用される端部とは反対側の末端部に、前記選択的駆動部材(9)を動かす制御部材(25)を有する、
    請求項1から5の何れか一項に記載の機構。
  8. 前記補機(1、2)を駆動する第一の個別シャフト(19)が前記2次シャフト(12)に係合する一方、前記補機(1、2)を駆動する第二の個別シャフト(20)が前記中間シャフト(13)に係合する、
    請求項1から7の何れか一項に記載の機構。
  9. 前記分離された駆動位置と前記結合駆動位置との間の移行が、前記駆動シャフト(6)の速度と前記メイン・シャフト(7)の速度との回転速度の差で実行される、
    請求項4に記載の機構を実施する方法。
  10. 前記選択的駆動部材(9)をさらに容易に動かすために、前記分離された駆動位置と前記結合駆動位置との間の移行が、前記第二のエンジン部材(4)の動作速度に対する前記第一のエンジン部材(3)の動作速度を落とすことによって実行される、
    請求項4に記載の機構を実施する方法。
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