JP4414130B2 - 抗菌性および/または抗酸化性を持つ物質を抽出する方法 - Google Patents
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Description
【産業の属する技術分野】
本発明は、抗菌性および/または抗酸化性を持つ物質を抽出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
天然植物には、食品および医薬品産業に使用される不飽和脂肪酸、精油などの脂質およびフラボノイド、カテキン、芳香族有機酸のようなポリフェノールが豊富に含まれている(特許文献1〜5)。しかし、従来法では十分に利用されてないか抽出法に問題がある場合が多い。
【特許文献1】
特開2002−29908号公報
【特許文献2】
特開2002−17248号公報
【特許文献3】
特開2001−261600号公報
【特許文献4】
特開2001−98262号公報
【特許文献5】
特開2000−247864号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、天然植物由来の抗菌性および/または抗酸化性を持つ物質を製造する方法の提供を目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、竹の乾燥粉末を超臨界抽出し、好ましくは超臨界二酸化炭素抽出し、さらに好ましくはエタノールをエントレーナとする超臨界二酸化炭素抽出し、抗菌性および/または抗酸化性を持つ化合物であるエトクシキン、セスキテルペンおよびシクロヘキサノン誘導体の混合物を抽出する、抗菌性および/または抗酸化性を持つ化合物を抽出する方法を要旨としている。
【0005】
【発明の実施の形態】
抽出の手段として超臨界流体、好ましくは二酸化炭素を用いる。超臨界CO2抽出は精油の分離、食品や医薬品の低温処理および精製など様々な分野で幅広く応用されている。またCO2は自然界に存在しているものであり、無毒・無害かつ低価格で、しかも臨界温度、臨界圧力(Tc=31.1℃、Tp=73.8atm)が低いため、天然製品の処理における理想的な溶剤であると考えられる。一方、水/エタノール抽出の場合は、主に極性物質が得られる。有機溶剤に比べれば簡易であるが溶媒除去の手順が必要である。非極性物質を抽出する場合は、ヘキサン等の有機溶剤を使用する必要があり、溶媒除去の必要性、環境に対する負荷、また残留の危険性があり食品等への利用は困難である。
溶媒として用いた超臨界二酸化炭素は、常温常圧になれば普通の二酸化炭素であり抽出後の溶媒除去は容易である。超臨界抽出では圧力と温度を変化させたり、エントレーナと呼ばれる物質を加えることで、溶出力を変化させることが可能である。
【0006】
竹を超臨界二酸化炭素抽出することにより、通常の溶媒抽出と異なる成分を得ることができた。すなわち、抗菌性、抗酸化性を持つ3物質を抽出した。
竹から、水/エタノールなどの溶媒抽出により数種の抗菌性を持つ物質、植物成長剤等が抽出されている(上記特許文献1〜5)が、本発明の、3物質に関しては抽出されてない。
【0007】
超臨界CO2抽出によりこれらの化合物を得る可能性について、またエントレーナ(EtOH)の使用または不使用の条件で、超臨界CO2の処理により、天然植物から有用な有機化合物を抽出することについて実験した。
天然植物として木竹類について、抽出実験およびその結果について述べる。
抽出した化合物は、抗酸化剤、抗菌物質および殺菌剤のような有用な化合物であることがGC−MSおよびNISTのマススペクトルデータベースより確認された。Folin-Ciocalteau法での測定によって、抽出物中にフェノール化合物が存在する可能性を示したが、HPLC分析では明確にすることが出来なかった。アルコール量や圧力を増加することによって、フェノール化合物の抽出量の増加が可能であることから、抽出条件についてはさらに検討が必要である。また、植物からの抽出のみならず、幅広い分野において超臨界CO2抽出の技術の応用が期待される。
【0008】
超臨界抽出装置は、高圧ポンプ、圧力容器、分離器をガスラインで繋いで構成される。
竹を凍結乾燥し粉末にしたものを用いる。これを圧力容器に封入した後、二酸化炭素を高圧ポンプで送り加圧する。同時に圧力容器を加熱し、所定の圧力と温度で保持する。一定時間保持した後、系の圧力と温度を保ちながら、二酸化炭素を圧力容器から分離器を通じて放出する。分離器では抽出物が二酸化炭素と分離する。
抽出により得られた抽出物の重量は1〜2%、濃緑〜黄色であり、通常のエタノールによるソックスレー抽出による抽出物の色と異なった。
【0009】
分離した抽出物を、エタノールに溶解しGC−MSにより分析した。抽出物は主に、エトクシキン(6-エトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-2,2,4-トリメチルキノリン)、セスキテルペン〔1,2,3,4,4a,5,6,8a-オクタヒドロ-4a,8-ジメチル-2-(1-メチルエテニル)-[2-(2.アルファ.,4a.アルファ.,8a.ベーター.)]-ナフタレン〕、シクロヘキサノン誘導体〔2,3,3-トリメチル-2-(3-メチル-1,3-ブタジエニル)-(z)シクロヘキサノン〕であった。抽出温度を40℃から80℃まで変化させたところ、60℃の場合に3つの化合物の抽出量が最大であった。
これらの物質は抗菌性、抗酸化性を持つ物質として知られている。
【0010】
【作用】
超臨界抽出では圧力と温度を変化させたり、エントレーナと呼ばれる物質を加えることで、溶出力を変化させることが可能であり、通常の溶媒抽出と異なる成分を得ることができる。
また溶媒として用いた超臨界二酸化炭素は、常温常圧になれば普通の二酸化炭素であり抽出後の溶媒除去は容易である。
【0011】
【実施例】
本願発明の詳細を実施例で説明する。本願発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
【0012】
実施例
竹の凍結乾燥した粉末試料を用いた。
実験装置は図1に示したように、主に圧力容器(Autoclave,OM Lab.Tech.)、高圧ポンプ(NS personal pump,NP-AX-15J)、分離器をガスラインで繋いで構成される。試料を圧力容器に封入してから、CO2が高圧ポンプによって送られて、特定の圧力と温度で2時間保持した後、系の圧力・温度を保ちながら5時間をかけて2L/minの流量で分離器に通して放出した。分離器から得られた抽出物はGC-MSとHPLCによって分析を行った。
【0013】
竹の超臨界CO2抽出の結果を表1にまとめた。2回の抽出で集めた総抽出量はおよそ1〜2%であったが、抽出後のサンプルの重さは約2〜10%ほど減少した。エントレーナ(2mol%EtOH)の存在は抽出量に明確な効果を与えなかった。抽出温度の増加に伴って抽出物の粘性が小さくなり、また、その色が濃緑から黄色に変化することが認められた。しかし、通常のEtOHを用いたSoxhlet抽出法で得られた混合物の色は、超臨界CO2抽出によって得られたものと異なった。
また、各状態における抽出物中、EtOH不溶性残留物の割合を表1に示した。一般に、不溶性残留物の量は抽出時の温度上昇に従って増加する。さらにEtOHに溶けない白色粘状の残留物がベンゼンやクロロホルムのような溶剤に溶けることがわかった。
また、残留物とEtOHに溶解している成分を、GC-MSおよびHPLCによって分析したところ、この白色残留物は主に長鎖脂肪族炭化水素、分岐状炭化水素およびシクロヘキサノン誘導体から構成されることが分かった。EtOH可溶性化合物中に多く存在した成分は、エトクシキン、セスキテルペンおよびシクロヘキサノン誘導体(EtOH不溶性残留物で確認されるものと同様の化合物)である。これらの化合物は抗酸化剤、抗菌物質および殺菌剤として知られている。20MPaでは、抽出温度60℃の場合、これら3つの化合物の抽出量が最も高くなった。
【0014】
【表1】
【0015】
また、抽出したEtOH可溶性物中には、フェノール化合物の存在が示唆された。フェノールの総含量は2%EtOHが存在した場合、CO2のみの場合より倍増し、また、いずれの場合に温度の上昇に伴って減少することがFolin-Ciocalteau法での測定によって明らかになった。フェノール化合物が存在するサンプルをHPLCにより分析したところ、フラボノイドと芳香族有機酸が微量少し検出されたが、鋭いピークは観察されなかった。
【0016】
【発明の効果】
溶媒除去が簡単な抗菌性および/または抗酸化性を持つ物質の製造方法を提供することができる。
抗菌性および/または抗酸化性を持つ物質として、天然植物由来のエトクシキン、セスキテルペンおよびシクロヘキサノン誘導体の混合物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で用いた超臨界抽出用実験装置の該略図である。
Claims (3)
- 竹の乾燥粉末を超臨界抽出し抗菌性および/または抗酸化性を持つ化合物を抽出する方法であって、前記の抗菌性および/または抗酸化性を持つ物質の抽出がエトクシキン、セスキテルペンおよびシクロヘキサノン誘導体の混合物の抽出である、抗菌性および/または抗酸化性を持つ化合物を抽出する方法。
- 竹を超臨界二酸化炭素抽出する請求項1の抗菌性および/または抗酸化性を持つ物質を抽出する方法。
- 前記の超臨界二酸化炭素抽出が、エタノールをエントレーナとする超臨界二酸化炭素抽出である、請求項2の抗菌性および/または抗酸化性を持つ化合物を抽出する方法。
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