JP4413783B2 - 置換4−ビニルフェノール調製のための、マイクロ波に誘発されるプロセス - Google Patents

置換4−ビニルフェノール調製のための、マイクロ波に誘発されるプロセス Download PDF

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Description

本発明は、「置換4−ビニルフェノール調製のための、マイクロ波に誘発されるプロセス」に関し、そのプロセスにおいては、商業的に重要な、FEMA GRASとして承認された香料およびフレーバーの、ビニルフェノール(すなわち、ヒドロキシスチレン)、すなわち4−ビニルグアヤコール(4−Vinylguaiacol)(FEMA GRAS No.2675)および4−ビニルフェノール(FEMA GRAS No.3739)、さらにはその他の有用なビニルフェノール、たとえば2,6−ジメトキシ−4−ビニルフェノール、2−ヒドロキシ−4−ビニルフェノール、3−ヒドロキシ−4−ビニルフェノールなどを、マロン酸と、対応する置換4−ヒドロキシフェニルアルデヒド(4−ヒドロキシベンズアルデヒド)とをマイクロ波照射下で縮合させることにより、ワンポット反応で得る。
本発明は、4−ヒドロキシフェニルアルデヒドから、マイクロ波の照射下で一段工程で置換ビニルフェノールを生成させる初めての例であり、今日までに公表されている他の文献類においては、ビニルフェノールを生成させるには、微生物を用いるかあるいは常用の方法のいずれかによってケイ皮酸を脱カルボキシル化させる方法しか開示されていない。
天然由来の芳香性の化合物は、フレーバーおよびフレグランス産業における最大の関心事であるが、植物界におけるそのような化合物の量に限度があるために、天然品だけでは、それら自体についての、ますます増大しつつある世界的な需要を満たすことは不可能である。したがって、天然の芳香性の化合物の代替え原料を開発することにますます関心が集まっており、特に、置換4−ビニルフェノールたとえば、4−ビニルグアヤコール(p−ビニルグアヤコールまたは2−メトキシ−4−ビニルフェノールまたは4−ヒドロキシ−3−メトキシスチレンまたは4−エテニル−2−メトキシフェノール)、4−ヒドロキシスチレン(p−ビニルフェノールまたは4−エテニルフェノール)、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシスチレン、その他の化合物が、最も精力的に検討されてきたものであるが、その理由は、それらが、食品およびアルコール飲料、フレーバー物質、および塗料、電子用途、イオン交換樹脂、およびフォトレジストなどに有用な、ポリマーおよびコポリマーの調製における中間体として、広汎な用途を有しているからである
(ステフェン(Steffen),A.編、『パフューム・アンド・フレーバー・ケミカルズ、アロマ・ケミカルズ(Perfume and Flavor Chemicals,Aroma Chemicals)』(アラード・パブリッシング・コーポレーション(Allured Publishing Corporation))第I〜IV巻(1994)およびジョージ(George),A.B.編『エンサイクロペディア・オブ・フード・アンド・カラー・アディティブズ(Encyclopedia of Food and Color Additives)』(CRC・プレス・インコーポレーテッド(CRC Press Inc.))、第I〜II巻(1996))。それらの置換4−ビニルフェノール、たとえば4−ビニルグアヤコール(FEMA GRAS No.2675)、4−ビニルフェノール(FEMA GRAS No.3739)その他のものなどの調製法は、当業者には周知ではあるが、置換4−ビニルフェノールを調製するためのより効率の良いプロセスが望まれ、必要とされている。本発明が提供するプロセスでは、マイクロ波を援用し(ボーズ(Bose),A.K.、バニック(Banik),B.K.、ラブリンスカイア(Lavlinskaia),N.、ジャヤラマン(Jayaraman),M.、およびマンハス(Manhas),M.S.、ケムテック(Chemtech)、第27巻、p.18〜24(1997)、およびラーヘッド(Larhed),M.およびホールバーグ(Hallberg)、ドラッグ・ディスカバリー・トゥデイ(Drug Discovery Today)、第6巻(第8号)、p.406〜416(2001))、有機塩基と有機酸の存在下に、置換4−ヒドロキシフェニルアルデヒドとマロン酸とを縮合させることにより、20分以内にワンポット反応で置換4−ビニルフェノールだけを与え、常用されるクネーベナーゲル−デーブナー(Knoevenagel−Doebner)縮合反応で一般に得られるケイ皮酸が生成しない(ファーニス(Furniss),B.S.、ハンナフォード(Hannaford),A.J.、ロジャース(Rogers),V.、スミス(Smith),P.W.G.、およびタッチェル(Tatchell),A.R.:『フォーゲルズ・テキストブック・オブ・プラクティカル・オーガニック・ケミストリー(Vogel’s Textbook of Practical Organic Chemistry)』第4版(ELBS、英国)、p.802(1978);スザンヌ(Susanne),R.H.、ケリー(Kerry),C.A.、ダック(Dac),D.M.、デュカン(Ducan),J.N.、クリストファー(Christopher),H.L.、リタ(Rita),H.M.、メアリー(Mary),L.E.、ナネット(Nanette),N.F.、マーチン(Martin),S.W.、クエル(Kjell),S.A.、マット(Matt),Z.J.、アービッド(Arvid),C.、およびチューホン(Chiu−Hong),L.、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、第44巻、p.4716〜4732(2001)、およびジェームス(James),M.、ジェニファー(Jennifer),A.S.、およびソーニヤ(Sonja),W.、テトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)、第39巻、p.8013〜8016(1998))。ここで注目すべきは、マイクロ波を援用した化学的な転化反応は、近年盛んに採り上げられている技術であって、環境に優しく、反応が早く、高収率なプロセスとして一般に知られてはいるものではあるが、しかしながら、脱カルボキシル化剤を添加しなくても縮合と脱カルボキシル化の両方が同時に起きるという、マイクロ波の驚くべき効果が認められたのは本発明が初めてであるということである。
次のような従来技術に関する文献が開示されている:
米国特許第6,468,566号明細書には、フェルラ酸のデカルボキシラーゼ酵素による、4−ビニルグアヤコールを調製するための方法が開示されている。
米国特許第6,235,507号明細書には、9よりも高いpHでフェルラ酸を微生物転化させることによる、4−ビニルグアヤコールを調製するための方法が開示されている。
米国特許第5,493,062号明細書には、高温でp−アルファ−アミノエチルフェノール(AEP)を処理することによる、4−ビニルフェノールを調製するための方法が開示されている。
米国特許第5,087,772号明細書には、適切な塩基の存在下に、4−アセトキシスチレンと適切なアルコールとを反応させることによる、4−ビニルフェノールを調製するための方法が開示されている。
米国特許第5,256,809号明細書には、4−アセトキシスチレンから4−ビニルフェノールを調製するための方法が開示されている。
ジャーナル・オブ・バイオテクノロジー(Journal of Biotechnology)、2000年、第80巻、p.195〜202には、バチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)によるフェルラ酸の脱カルボキシル化による、4−ビニルグアヤコールを調製するための方法が開示されている。
エンザイム・アンド・マイクロバイアル・テクノロジー(Enzyme and Microbial Technology)、1998年、第23巻、p.261〜266には、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)によるフェルラ酸の脱カルボキシル化による、4−ビニルグアヤコールを調製するための方法が開示されている。
アーカイブズ・オブ・バイオケミストリー・アンド・バイオフィジックス(Archives of Biochemistry and Biophysics)、1998年、第359巻(第2号)、p.225〜230には、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)によるヒドロキシケイ皮酸の脱カルボキシル化による、4−ビニルフェノールを調製するための方法が開示されている。
ジャーナル・オブ・ファーメンテーション・アンド・バイオエンジニアリング(J.Fermentation and Bioengineering)、1996年、第82巻(第1号)、p.46〜50には、蒸留・貯蔵した「焼酎」(日本産アルコール飲料の名称)から、4−ビニルグアヤコールを単離するための方法が開示されている。
ジョージ(George),A.B.編『エンサイクロペディア・オブ・フード・アンド・カラー・アディティブズ(Encyclopedia of Food and Color Additives)』(CRC・プレス・インコーポレーテッド(CRC Press Inc.))、第II巻、p.1705(1996)には、酢酸ナトリウムの存在下にフェニルアルデヒドと無水酢酸とを反応させてケイ皮酸を得て、それに続けてケイ皮酸を脱カルボキシル化させることによってスチレンを調製する方法が開示されている。
ステフェン(Steffen),A.編、『パフューム・アンド・フレーバー・ケミカルズ(アロマ・ケミカルズ)(Perfume and Flavor Chemicals(Aroma Chemicals))』(アラード・パブリッシング・コーポレーション(Allured Publishing Corporation))第II巻、p.1891(1994)には、1,1−ジフェニルエタン(1,1−ジ−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ)フェニルエタン)を接触酸化させることにより、ビニルフェノール(4−ヒドロキシ−3−メトキシスチレン)を調製する方法が開示されている。
ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal of Biol.Chem.)、1993年、第268巻、p.23954〜23958には、ロードトルーラ・ルブラ(Rhodotorula rubra)によるフェルラ酸の脱カルボキシル化により、4−ビニルグアヤコールを調製する方法が開示されている。
アプライド・エンバイロメンタル・マイクロバイオロジー(Appl.Environ.Microbiol.)、1993年、第59巻、p.2244〜2250には、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)およびシュードモナス・フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)によるフェルラ酸の脱カルボキシル化により、4−ビニルグアヤコールを調製する方法が開示されている。
ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal of Biol.Chem.)、1962年、第237巻、p.2926〜2931には、アエロバクター(Aerobacter)による4−ヒドロキシケイ皮酸の脱カルボキシル化により、4−ビニルフェノールを調製する方法が開示されている。
ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal of Biol.Chem.)、1961年、第236巻、p.2302には、ピルビン酸デカルボキシラーゼ酵素を使用して、トランス−ケイ皮酸を脱カルボキシル化させてスチレン誘導体とするための方法が開示されている。
ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal of Biol.Chem.)、1957年、第227巻、p.151には、シュウ酸デカルボキシラーゼ酵素を使用して、トランス−ケイ皮酸を脱カルボキシル化させてスチレン誘導体とするための方法が開示されている。
ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal of Biol.Chem.)、1960年、第235巻、p.1649には、グルタミン酸デカルボキシラーゼ酵素を使用して、トランス−ケイ皮酸を脱カルボキシル化させてスチレン誘導体とするための方法が開示されている。
ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal of Biol.Chem.)、1957年、第226巻、p.703には、アコニット酸デカルボキシラーゼ酵素を使用して、トランス−ケイ皮酸を脱カルボキシル化させてスチレン誘導体とするための方法が開示されている。
ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal of Biol.Chem.)、1964年、第239巻、p.879には、アスパラギン酸4−デカルボキシラーゼ酵素を使用して、トランス−ケイ皮酸を脱カルボキシル化させてスチレン誘導体とするための方法が開示されている。
テトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)、1999年、第40巻、p.6595〜6598には、植物細胞培養を使用して、トランス−ケイ皮酸を脱カルボキシル化させてスチレン誘導体とするための方法が開示されている。
ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal of Biol.Chem.)、1962年、第237巻、p.2926〜2931には、トランス−4−ヒドロキシケイ皮酸を脱カルボキシル化させて4−ヒドロキシスチレンとするための方法が開示されている。
アプライド・キャタリスト・A:ジェネラル(Applied Catalyst A:General)、1995年、第133巻、p.219〜239には、エチルベンゼンの脱水素によりスチレンを調製するための方法が開示されている。
オーガニック・シンセシス・コレクティブ・ボリューム(Organic Synthesis Collective Volume)第I巻、p.441〜442(1941)および、第IV巻、p.731〜734(1963)には、ケイ皮酸を銅粉の存在下200〜300℃でキノリンを用いて脱カルボキシル化させて、スチレンを調製するための方法が開示されている。
その他、典型的な従来技術文献としては以下のものが挙げられる米国特許第4,316,995号明細書;米国特許第4,868,256号明細書;米国特許第4,868,257号明細書;米国特許第4,933,495号明細書;米国特許第5,072,025号明細書;米国特許第5,128,253号明細書;米国特許第5,247,124号明細書;米国特許第5,344,963号明細書;米国特許第5,563,289号明細書;米国特許第6,111,133号明細書;欧州特許第0−128−984号明細書;欧州特許第0−108−624;オランダ国特許第72.09426号明細書;オランダ国特許第72.13842号明細書;オランダ国特許第75.04532号明細書;特開平10−306126号公報;特開平06−049137号公報;ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J.Am.Chem.Soc.)、第70巻、p.2295(1948);ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J.Am.Chem.Soc.)、第72巻、p.5198(1950);ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J.Am.Chem.Soc.)、第80巻、p.3645(1958);ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、第23巻、p.544〜549(1958);ヘミッシェ・ベリヒテ(Chem.Berichte)、第92巻、p.2958〜2961(1959);テトラへドロン(Tetrahedron)、第31巻、p.235(1975);カナディアン・ジャーナル・オブ・ケミストリー(Can.J.Chem.)、第63巻、p.153(1985)。しかしながら、上述の各方法は有用であることは証明されているが、それらのプロセスには、1つまたは複数の欠陥がある。たとえば、場合によっては、このタイプのプロセスでは周囲温度以下の温度を必然的に伴うこととなり、そのために当然のことながら、かなりのプロセス制御を必要とし、また反応混合物が生じる。
したがって、本発明の目的は、安価で市場で入手可能な4−ヒドロキシフェニルアルデヒドを原料とし、さらには、上述の特許および文献に付随する不利な点を克服した、置換4−ビニルフェノールを調製するための高速で経済的なプロセスを提供することにある。
本発明の主たる目的は、4−ヒドロキシフェニルアルデヒドから、高付加価値の食品フレーバーである置換4−ビニルフェノールを調製することである。
本発明のさらに別な目的は、置換4−ビニルフェノールを調製するために、環境に優しいマイクロ波技術を採用することである。
本発明のまた別な目的は、従来の方法では数時間必要であった反応時間を、はるかに短時間の数分とすることである。
本発明のさらに別な目的は、良好な収率で置換4−ビニルフェノールを調製するためのプロセスを開発することである。
本発明のさらに別な目的は、たとえばケイ皮酸や重合化反応生成物のような副生物を最小限に抑制して、高純度で置換4−ビニルフェノールを調製するための、単純なプロセスを開発することである。
本発明のさらに別な目的は、置換4−ビニルフェノールを調製するためのマイクロ波を援用したプロセスを開発することであって、このプロセスでは、従来の方法では2つの独立した工程が必要であった、縮合と脱カルボキシル化の両方の反応を一段で起こさせることが可能である。
本発明のさらに別な目的は、置換4−ビニルフェノールを調製するためのマイクロ波を援用したプロセスを開発することであって、このプロセスでは、従来の方法では必須であった脱カルボキシル化剤の添加を必要とせずに、反応を一段で起こさせることが可能である。
本発明のさらに別な目的は、ワンポットで置換4−ビニルフェノールを調製するためのプロセスを開発することである。
本発明のさらに別な目的は、その中で用いる酸が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸およびその他からなる有機酸の群から選択されるプロセスを開発することである。
本発明のさらに別な目的は、プロセス中で縮合させる有機酸および有機塩基のいくつか、たとえばピペリジンと酢酸が、FEMA GRASとして認められているものであって、そのために、本願発明者らのプロセスがより安全で、より環境に優しいものとなるような、プロセスを開発することである。
本発明のまた別な目的は、反応剤の有機塩基に対するモル比が1:1から1:20の範囲に入る、プロセスを開発することである。
本発明のまた別な目的は、反応剤の有機酸に対するモル比が1:1から1:20の範囲に入る、プロセスを開発することである。
本発明のさらに別な目的は、そのプロセスにおいて使用される溶媒を、溶媒として働くと同時に反応剤としても働いて二重に機能するような、有機酸または有機塩基の群から選択する、プロセスを開発することである。
本発明のさらに別な目的は、運転(workup)ならびに生成物の精製が容易なプロセスを開発することである。
本発明のさらに別な目的は、C6−C1(すなわち、フェニルアルデヒド)から、C6−C2(すなわち、ビニルフェノール(中間の脱カルボキシル化を介して))に鎖を伸長させることによってビニルフェノールを得るプロセスを開発することであるが、それに対して、従来からの方法およびバイオトランスフォーメーション法では一般に、C6−C3(ケイ皮酸)からC6−C2(ビニルフェノール)へと鎖短縮をすることで、ビニルフェノールを一般に得ている。
本発明のさらに別な目的は、マイクロ波誘導法を、4−ヒドロキシフェニルアルデヒドからのビニルフェノール(ヒドロキシスチレン)の調製だけではなく、4−ヒドロキシフェニルアルデヒド以外のフェニルアルデヒドからスチレンを調製する場合にも、高効率で高速な方法とする、プロセスを開発することである。
本発明のまた別な目的は、危険な化学物質の使用量がより少ない、あるいは全くないプロセスを開発することである。
本発明のまた別な目的は、より安価な化学反応剤を使用するプロセスを開発することである。
本発明のさらに別な目的は、高付加価値の置換4−ビニルフェノールを形成させるための、工業的に実行可能なプロセスを開発することである。
本発明のさらに別な目的は、高付加価値の置換4−ビニルフェノールを形成させるための、経済的なプロセスを開発することである。
したがって本発明は、商業的に重要な香料および食品フレーバーである、置換4−ビニルフェノール(すなわち、ヒドロキシスチレン)たとえば4−ビニルグアヤコール、4−ビニルフェノール、2,6−ジメトキシ−4−ビニルフェノール、2−ヒドロキシ−4−ビニルフェノール、3−ヒドロキシ−4−ビニルフェノールおよびその他多数のものを、マロン酸および置換フェニルアルデヒドの形の、より安価な物質を用いて、ワンポット反応で、マイクロ波照射下で調製するためのプロセスを提供する。使用される反応剤は、ピリジン、ピペリジン、コリジン、トリエチルアミンからなる有機塩基の群から選択される塩基、およびギ酸、酢酸、プロピオン酸その他からなる有機酸からの群から選択される酸の形態で使用される。最終生成物すなわち、置換4−ビニルフェノールは、20分以内の反応時間で、37〜51%といった程々の収率で得られた。ここで注目すべきは、このマイクロ波を援用したユニークなプロセスは、実際のところ、予想もしなかった結果を与えて、2つの独立した工程(すなわち、縮合と脱カルボキシル化)であったものが、脱カルボキシル化剤を添加することなく、置換4−ヒドロキシフェニルアルデヒドをマロン酸と反応させることにより、一段で初めて観察されたことである。上記に加えて、フェニルアルデヒドの4位にヒドロキシ置換基が存在することが、マイクロ波条件下で一段でビニルフェノールを生成させるための必須の条件であることがわかった。マイクロ波を用いずに従来の方法で上記の反応を実施しようとすると、置換4−ヒドロキシフェニルアルデヒドを出発原料として使用した場合であっても、ケイ皮酸だけが生成するということもまた、重要な注目点である。
したがって本発明が提供するのは、化学式(I)の4−ビニルフェノールまたはその誘導体を調製するための、マイクロ波を援用したシングルポットプロセスであって、
Figure 0004413783
(ここで、R=OHまたはOCHであり、R=−CH−CHであり、残りのR、R、RおよびR=H、OHもしくはOCHまたはそれらの組合せである)、前記プロセスには、以下の工程を含む:
a.4−ヒドロキシフェニルアルデヒドまたはその誘導体とマロン酸とを、有機塩基および有機酸の存在下、マイクロ波照射下で、1〜20分の範囲の時間で反応させる工程、
b.その混合物を冷却し、その冷却した混合物を氷冷水の中に注ぎ、有機溶媒を用いて抽出し、その有機層を分離する工程、
c.工程(b)の有機層を、希塩酸、次いで飽和塩化ナトリウム溶液を用いて洗浄し、その洗浄した有機層を無水硫酸ナトリウムの上で乾燥させ、濾過し、その有機層を減圧下で蒸発させて、液状の残留物を得る工程、
d.工程(c)の液状の残留物を、シリカゲルカラム上で、ヘキサンと酢酸エチルの混合物を用いて溶出させる工程、そして、
e.目的とする、式(I)の4−ヒドロキシビニルフェノールまたはその誘導体を得る工程。
まとめると、本発明では、マイクロ波条件下で、有機酸と有機塩基の存在下に、比較的安価で経済的な原料である4−ヒドロキシフェニルアルデヒドとマロン酸から出発して、ビニルフェノールを調製するための単純で経済的なプロセスを開示する。本発明のその他の目的および利点は、詳細な説明を読めば明らかになるであろう。
本発明が主として優れている点は次の通りである;
本発明が主として優れている点は、4−ヒドロキシフェニルアルデヒドから、高付加価値の食品フレーバーである置換4−ビニルフェノールを調製するプロセスである。
置換4−ビニルフェノールを調製するための、環境に優しいマイクロ波技術を採用したプロセス
1.数分の、遙かに短い反応時間で、4−ビニルフェノールを調製するためのプロセス。
2.置換4−ビニルフェノールを良好な収率(37〜55%)で調製するためのプロセス。
3.たとえばケイ皮酸や重合化物のような、副反応生成物が最小限または皆無である、高純度の置換4−ビニルフェノールを調製するためのプロセス。
4.マイクロ波を援用して置換4−ビニルフェノールを調製するためのプロセスであって、思いがけないことには、縮合と脱カルボキシル化の両方の反応が一段で起きるプロセス(このプロセス以外の従来法では、独立した二段の工程が必要である)。
5.ワンポット反応で置換4−ビニルフェノールを調製するためのプロセス。
6.塩基が、ピリジン、ピペリジン、コリジン、トリエチルアミンおよびその他のものからなる有機塩基の群から選択される、プロセス。
7.酸が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸およびその他のものからなる有機酸の群から選択される、プロセス。
8.反応剤の有機塩基に対するモル比が、1:1から1:20までの範囲である、プロセス。
9.反応剤の有機酸に対するモル比が、1:1から1:20までの範囲である、プロセス。
10.そのプロセスにおいて使用される溶媒を、溶媒として働くと同時に反応剤としても働いて二重に機能するような、有機酸または有機塩基の群から選択する、プロセス。
11.運転ならびに生成物の精製が容易なプロセス。
12.危険性がより少ないかまたは全く無い化学物質を使用するプロセス。
13.より安価な化学反応剤を必要とするプロセス。
14.高付加価値の置換4−ビニルフェノールの形成に向けて、工業的に適した工程を開発したプロセス。
15.高付加価値の置換4−ビニルフェノールの形成に向けて、経済的な工程を開発したプロセス。
本発明の1つの実施態様で提供するプロセスでは、工程(a)において使用される有機塩基が、ピリジン、ピペリジン、コリジン、トリエチルアミンおよび/またはそれらの混合物、からなる群より選択される。
別な実施態様では、工程(a)において使用される有機酸が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸および/またはそれらの混合物、からなる群より選択される。
また別な実施態様では、使用される4−ヒドロキシ−フェニルアルデヒドまたはその誘導体とマロン酸との比が、1:1から1:3の間の範囲である。
さらに別な実施態様では、使用される4−ヒドロキシフェニルアルデヒドまたはその誘導体と有機酸との比が、1:1から1:20の間の範囲である。
さらに、別な実施態様で提供するプロセスでは、工程(a)において、使用される4−ヒドロキシフェニルアルデヒドまたはその誘導体と有機塩基との比が、1:1から1:20の間の範囲である。
さらに別な実施態様においては、4−ヒドロキシフェニルアルデヒドまたはその誘導体と有機塩基との比が、1:10の範囲である。
本発明の別な実施態様においては、その反応が、1〜20分、好ましくは1〜6分の範囲の最短反応時間内に起きるので、これは、従来からのプロセス、さらにはバイオトランスフォーメーションプロセスよりも、反応時間が顕著に短縮される。
さらに別な実施態様においては、工程(a)において、その反応が1〜6分の間の範囲の時間で起きる。
さらに別な実施態様においては、工程(b)において使用される有機溶媒が、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルムおよび酢酸エチル、からなる群より選択される。
さらに別な実施態様においては、縮合と脱カルボキシル化が単一段において実施される。
さらに別な実施態様においては、脱カルボキシル化が、脱カルボキシル化剤を一切添加することなく、実施される。
さらに別な実施態様においては、工程(a)において使用される前記有機酸が、反応剤であることに加えて溶媒としても作用する。
さらなる1つの実施態様においては、マイクロ波照射の周波数が、2000〜2450HMzの範囲である。
別な実施態様においては、式(1)の化合物の収率が、35%〜55%の範囲である。
本発明の別な実施態様は、置換ケイ皮酸誘導体を調製するためのプロセスに関し、ここで前記方法は、置換ケイ皮酸誘導体の調製において有効であって、72〜88%の収率を与える。
さらに別な実施態様においては、4−ビニルフェノールまたはその誘導体は、4−ヒドロキシフェニルアルデヒドまたはその誘導体のアルデヒド炭素を鎖伸長させることによって得られる。
別な実施態様において本発明は、目的とする生成物の容易な精製法を提供し、そのプロセスは環境に優しい。
本発明のさらに別な実施態様においては、副生物を皆無または最小限度に抑えて、高純度の置換4−ビニルフェノールを与える。
本発明のさらに別な実施態様においては、置換4−ビニルフェノールを良好な収率で調製するための、環境に優しく経済的な工業プロセスを提供する。
本発明のさらに別な実施態様においては、C6−C1(フェニルアルデヒド)からC6−C2(ビニルフェノール)へと鎖伸長させることによって、4−ビニルフェノールを得る、ユニークなプロセスを提供するが、それに対して、従来からの方法および微生物トランスフォーメーション法では、C6−C3(ケイ皮酸)からC6−C2(ビニルフェノール)へと、鎖短縮によってビニルフェノールを形成することを開示している。
フレーバーおよびフラグランス化学品は、食品、香料、および医薬品産業において大きな需要がある、天然産品の重要な分野の一つである。芳香性の化学物質をスムーズに生産するために、科学分野では、化学合成、バイオテクノロジーおよび天然物の抽出など、各種の方法が用いられてきた。ビニルフェノールおよび関連のスチレン類のいくつかは、ヒトが消費するのに安全な芳香性分子としてフラグランスおよびフレーバーの分野で幅広く使用されているが、ビニルフェノールの濃度が高すぎると、時には、フレーバー中の異臭の原因となることがある。その上に、ビニルフェノールは、広い範囲の生物学的活性、たとえば、抗菌性、殺菌性、および脂質低下活性などを有していることも知られている(ウィリアム(William),A.A.、デイビッド(David),J.M.、およびプライヨトッシュ(Priyotosh),C.、フィトケミストリー(Phytochemistry)、第42巻(第5号)、p.1321〜1324(1996);アドリアーナ(Adriana),C.、レティシア(Leticia),G.、マリア(Maria),S.、エリズダス(Elizdath),M.、ユゴー(Hugo),A.J.、フランシスコ(Francisco),D.、ジャーマン(German),C.、およびホアキン(Joaquin),T.、アルツナイミッテル=フォルシュウンク/ドラッグ・リサーチ(Arzneim.−Forsch./Drug Res.)、第51巻(第11号)、p.535〜544(2001))。上述のものに加えて、ビニルフェノールおよび関連のスチレン類は、広汎な製品類のための多用途な中間体としても、用いられている(スチュアート(Stuart),R.R.、コレット(Colette),S.M.、およびデイビッド(David),J.L.、バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー(Bioorganic & Medicinal Chemistry)、2(6)、p.553〜556(1994);アツシ(Atsushi),M.、タケオ(Takeo),K.、およびヨシノブ(Yoshinobu),I.、リアクティブ・アンド・ファンクショナル・ポリマーズ(Reactive & Functional Polymers)、第37巻、p.39〜47、(1998);ミシェル(Michel),C.B.、アドリアーノ(Adriano),L.M.、およびイゴール(Igor),T.、ジャーナル・オブ・モレキュラー・キャタリスト・A:ケミカル(J.of Molecular Catalyst A:Chemical)、第143巻、p.131〜136(1999)、および、ペドロ(Pedro),J.C.、バーバラ(Barbara),G.、およびミグエル(Miguel),A.R.、テトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)、第41巻、p.979〜982(2000)。
広範囲な天然のビニルフェノールおよび関連のスチレン類は、各種の植物から得られるが、たとえば、ビニルグアヤコールと呼ばれることもある、2−メトキシ−4−ビニルフェノール(FEMA GRAS No.2675)は、ハイビスカス・エスキュレンツス(Hibiscus esculentus)(オクラ)およびジギタリア・エキシリス(Digitaria exilis)のさやから得られるし、また、調理したリンゴ、グレープフルーツジュース(シトルス・パラディシ(Citrus paradisi)、フェイジョアの果実(フェイジョア・セロウィアナ(Feijoa sellowiana))、ビティス・ビニフェラ(Vitis vinifera)、イチゴの実、生のアスパラガス、セロリの葉および茎、ライ麦ビスケット、白ワイン、赤ワイン、コーヒー、部分発酵させた茶葉、煎ったピーナッツ(アラキス・ヒポゲア(Arachis hypogea))、生の豆類、赤セージ(タクサス・セージ(Taxus sage))およびその他の天然由来品に認められる(ジェニファー(Jennifer),M.A.およびグレスニ(Glesni),M.、フィトケミストリー(Phytochemistry)、第29巻(第4号)、p.1201〜1207(1990);ハンナ(Hanna),P.、マイケル(Michael),N.、ウリ(Uri),Z.、ラッセル(Russell),L.R.、およびスチーブン(Steven),N.、ジャーナル・オブ・アグリカルチュラル・アンド・フード・ケミストリー(J.Agric.Food Chem.)、第40巻、p.764〜767(1992)、および、ラセカン(Lasekan),O.O.、テーシェーラ(Teixeira),J.P.F.、およびサルバ(Salva),T.J.G.、フード・ケミストリー(Food Chemistry)、第75巻、p.333〜337(2001))。上記のものに加えて、4−ビニルグアヤコールは、何種かのコーヒー植物の中にも存在していて、その場合、100種を超える化学成分の中でも4−ビニルグアヤコールは、芳香性物質抽出希釈分析(aroma extract dilution analysis、AEDA)を基準にすると、最も強力な芳香剤の1つとみなされる(テイラー(Taylor),A.J.およびモットラム(Mottram),D.S.編、『フレーバー・サイエンス・リーセント・ディベロップメント(Flavour Science Recent Development)』、ザ・ロイヤル・ソサイエティ・オブ・ケミストリー(The Royal Society of Chemistry)、p.200〜205(1996))。同様にして、4−ビニルグアヤコールは、煎った白ごまの中の最も強力な芳香活性化合物の1つであることも見出されたが、このものは、食品中のフレーバー材料として広く使用されている。アジア地区では、煎りごまから単離した油を各種の料理の味付けに使用しているが、ヨーロッパおよびアメリカでは、煎りごまはベーカリー製品に使用される(シュライヤー(Schreier),P.、ウィンターハルター(Winterhalter),P.編、『プログレス・イン・フレーバー・プレカーサー・スタディズ(Progress In Flavour Precursor Studies)』(米国、アラード・パブリッシング・コーポレーション(Allured Publishing Corporation))、p.343〜360(1993)、およびトシロウ(Toshiro),W.、アキラ(Akira),Y.、シロウ(Shiro),N.、およびシゲロウ(Shigero),T.、ジャーナル・オブ・クロマトグラフィー・A(J.of Chromatography A)、第793巻、p.409〜413(1998))。同様にして、4−ヒドロキシスチレンとも呼ばれることがある、4−ビニルフェノール(FEMA GRAS No.3739)は、調理したリンゴ、黒スグリ(芽)、生のアスパラガス、トマト、コニャック、白ワイン、赤ワイン、ロゼワイン、コーヒー、緑茶、部分発酵させた茶葉、微生物発酵させた茶葉、加熱した大豆、ボウリタス・エデュリス(Boletus edulis)、コリアンダーの実(コリアンドルム・サチブム(Coriandrum sativum)、ベチバー油(ベチベリア・ジザミオイデス(Vetiveria zizamioides))、オリーブ油およびその他の天然由来物などに見出される(ソウレイメーン(Souleymane),S.、およびジーン(Jean),C.、フィトケミストリー(Phytochemistry)、第12巻、p.2925〜2930(1973);タカユキ(Takayuki),S.およびオサム(Osamu),N.、フィトケミストリー(Phytochemistry)、第21巻(第3号)、p.793(1982);マコト(Makoto),O.、カズマサ(Kazumasa),W.、ハルキ(Haruki),N.、およびキヨユキ(Kiyoyuki),Y.、テトラへドロン(Tetrahedron)、第43巻(第22号)、p.5275〜5280(1987);サエズ(Saez),J.J.S.、ガラレータ(Garraleta),M.D.H.、およびオテロ(Otero),T.B.、アナリティカ・キミカ・アクタ(Analytica Chimica Acta)、第247巻(第2号)、p.295〜297(1991);ビセンテ(Vicente),F.、リカード(Ricardo),L.、エイナ(Ana),E.、およびジュアン(Juan),F.C.、ジャーナル・オブ・クロマトグラフィー・A(J.of Chromatography A)、第806巻、p.349〜354(1998);ニコラス(Nicholas),J.W.、アルジャン(Arjan),N.、クレイグ(Craig),B.F.、およびグレイ(Gray),W.、カレント・オピニオン・イン・バイオテクノロジー(Current Opinion in Biotechnology)、第11巻、p.490〜496(2000);ライナー(Rainer),P.、アレキサンダー(Alexander),S.、およびホルスト(Horst),P.、FEMS・マイクロバイオロジー・レターズ(FEMS Microbiology Letters)、第205巻、p.9〜16(2001);リカード(Ricardo),L.、マルガリータ(Margarita),A.、ジュアン(Juan),C.、およびビセンテ(Vicente),F.、ジャーナル・オブ・クロマトグラフィー・A(J.of Chromatography A)、第966巻、p.167〜177(2002);クロダ(Kuroda),K.およびディンメル(Dimmel),D.R.、ジャーナル・オブ・アナリティカル・アンド・アプライド・パイロリシス(J.of Analytical and Appllied Pyrolysis)、第62巻、p.259〜271(2002);クロダ(Kuroda),K.、イズミ(Izumi),A.、マズムダー(Mazumder),B.B.、オータニ(Ohtani),Y.、およびサメシマ(Sameshima),K.、ジャーナル・オブ・アナリティカル・アンド・アプライド・パイロリシス(J.of Analytical and Appllied Pyrolysis)、第64巻、p.453〜463(2002)、および、ダニエル(Daniel),F.、イバーノ(Ivano),V.、およびコリン(Colin),E.S.、ジャーナル・オブ・クロマトグラフィー・A(J.of Chromatography A)、第967巻、p.235〜242(2002))。上述のビニルフェノールとは別に、各種の植物に認められ、各種の用途があることが知られている、いくつかのその他のスチレン類もある。たとえば、エチレンベンゼンとも呼ばれることがある、スチレン(FEMA GRAS No.3233)は、シジウム・グアジャバ(Psidium guajava)(グアバの実)、アナス・コモサス(Annus comosus)(パイナップル)、アラキス・ヒポゲア(Arachis hypogea)(煎ったピーナッツ)や、その他の食品、飲料類に見出される。同様にして、o−ビニルアニソール(FEMA GRAS No.3248)は、オリガヌム・ブルガレ(Origanum vulgare)に見出されるし、それに対して、4−ビニルベラトロールおよび2,4,5−トリメトキシ−1−ビニルベンゼンは、ラム酒、コーヒー、およびいくつかのその他の天然産物に見られる(ナガシマ(Nagashima),F.、ムラカミ(Murakami),Y.および、アサカワ(Asakawa),Y.、フィトケミストリー(Phytochemistry)、第51巻、p.1101〜1104(1999))。
これまで説明してきたところから、4−ビニルフェノールおよび関連のスチレン類は、人類にとっては価値の高いものであると言っても間違いはない。しかしながら、それら置換4−ビニルフェノール類の植物界における量には限度があるので、全世界の需要を満たすには不十分である。その結果として、大量の4−ビニルフェノールおよび関連のスチレン類が、合成的に、さらには微生物トランスフォーメーションによって製造されているが、その場合、最も精力的に検討されてきたのは、ケイ皮酸からスチレン類を製造する方法である。ビニルフェノールおよび関連のスチレン類を調製するための化学的な方法が、多数の文献に報告されている(アルウィン(Alwyn),S.、ジャーナル・オブ・オルガノメタリック・ケミストリー(J.of Organometallic Chemistry.)、第247巻、p.117〜122(1983);マティアス(Matthias),B.、ハートムート(Hartmut),F.、およびクラウス(Klaus),K.、テトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Lettrs)、第35巻(第47号)、(1994);カバーニ(Cavani),F.およびトリフィロ(Trifiro),F.、アプライド・キャタリシス・A:ジェネラル(Applied Catalysis A:General)、第133巻、p.219〜239(1995);アツシ(Atsushi),T.、アツシ(Atsushi),M.、タケオ(Takeo),K.、およびヨシノブ(Yoshinobu),I.、リアクティブ・アンド・ファンクショナル・ポリマーズ(Reactive & Functional Polymers)、第37巻、p.39〜47、(1998);タカヤ(Takaya),M.、ロイ(Roy),A.P.、ダグラス(Douglas),J.T.、およびハジメ(Hajime),Y.、ジャーナル・オブ・キャタリシス(Journal of Catalysis)、第206巻、p.272〜280(2002))。しかしながら、スチレン類を調製するために最も広く使用されている化学的な方法は、トランス−ケイ皮酸を脱カルボキシル化させるものであって、それは、銅粉の存在下に、ケイ皮酸をキノリン中で200〜300℃で数時間加熱還流させることによって実施される(オーガニック・シンセシス・コレクティブ・ボリューム(Organic Synthesis Collective Volume)、第I巻、p.441〜442(1941)および第IV巻、p.731〜734(1963);ロバート(Robert),A.S.、チャールズ(Charles),R.D.、およびレオ(Leo),A.P.、テトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)、第49巻、p.4447〜4450(1976))。同様にして、1,1−ジフェニルエタン(1,1−ジ−(4−ヒドロキシフェニル)エタン)を接触酸化させることによって、スチレン(すなわち、4−ヒドロキシ−3−メトキシスチレン)が得られる(ステフェン(Steffen),A.編、『パフューム・アンド・フレーバー・ケミカルズ(アロマ・ケミカルズ)(Perfume and Flavor Chemicals(Aroma Chemicals))』(アラード・パブリッシング・コーポレーション(Allured Publishing Corporation))第II巻、p.1891(1994))。
化学的な方法に加えて、スチレン、特に置換ビニルフェノールを調製するための、いくつかの微生物トランスフォーメーションも報告されている(マスミ(Masumi),T.およびカズオ(Kazuo),A.、テトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)、第40巻、p.6595〜6598(1999)、およびジョージ(George),A.B.編『エンサイクロペディア・オブ・フード・アンド・カラー・アディティブズ(Encyclopedia of Food and Color Additives)』(CRC・プレス・インコーポレーテッド(CRC Press Inc.))、第II巻、p.1705(1996))。これまでに公表されている、スチレン類を製造するための、バイオトランスフォーメーションを含む特許のプロセスでは、その収率が比較的に低いが、その理由は、ビニルフェノールおよび関連のスチレン類がさらに分解して他の副生物となるからであって、たとえば、フェルラ酸をバイオトランスフォーメーションさせると、主生成物の4−ビニルグアヤコールだけではなく、バイオ触媒および条件によっては、副生物としてのバニリン、バニリン酸およびプロトカテク酸が得られる(タクヤ(Takuya),K.、ヤスロウ(Yasurou),I.、シンジ(Shinji),F.、キヨシ(Kiyoshi),I.、およびキミオ(Kimio),I.、ジャーナル・オブ・ファーメンテーション・アンド・エンジニアリング(J.of Fermentation and Engineering)、第82巻(第1号)、p.46〜50(1996);リー(Lee),I.、ホルム(Volm),T.G.、およびロサッザ(Rosazza),J.P.N.、エンザイム・アンド・マイクロバイアル・テクノロジー(Enzyme and Microbial Technology)、第23巻、p.261〜266(1998))。フェルラ酸を脱カルボキシル化して4−ビニルグアヤコールとするための、他の発酵プロセスもいくつか知られている。よく知られている例は、コムギビールの製造であって、この場合、特殊な上面酵母がフェルラ酸から4−ビニルグアヤコールを高い濃度で産生する。この高濃度の4−ビニルグアヤコールがビールに独特のフレーバーを与え、その価値を大いに高めている(ピゲット(Pigget),J.R.およびパターソン(Patterson),A.、『アンダースタンディング・ナチュラル・フレーバーズ(Understanding Natural Flavours)』(ブラッキー・アカデミック・アンド・プロフェッショナル(Blackie Academic and Professional)、ニューヨーク(New York))p.211〜227(1994))。同様にして、その他いくつかの微生物、菌類、酵母およびバクテリアが、ヒドロキシケイ皮酸からのビニルフェノールを含めて、各種の置換ケイ皮酸の脱カルボキシル化を行って、対応する置換スチレン類とすることができる(ヤスユキ(Yasuyuki),H.およびサントシ(Santoshi),T.、アーカイブズ・オブ・バイオケミストリー・アンド・バイオフィジックス(Archives of Biochemistry and Biophysics)、第359巻(第2号)、p.225〜230(1998);エドリン(Edlin),D.A.N.、ナルバド(Narbad),A.、ガッソン(Gasson),M.J.、ディッキンソンン(Dickinson),J.R.、およびロイド(Lloyd),D.、エンザイム・アンド・マイクロバイアル・テクノロジー(Enzyme and Microbial Technology)、第22巻、p.232〜239(1998);マスミ(Masumi),T.およびカズオ(Kazuo),A.、テトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Lettrs)、第40巻、p.6595〜6598(1999);トリパチ(Tripathi),U.、ラオ(Rao),S.R.、およびラビシャンカール(Ravishankar),G.A.、プロセス・バイオケミストリー(Process Biochemistry)、第38巻、p.419〜426(2002))。
上記の方法はすべて、たとえば、収率が低い、反応剤が高価である、望ましくない副生物が精製するなどの各種の限界がある。上述のような課題を視野に入れて、本願発明者らは、有機塩基および有機酸の存在下で、ヒドロキシ置換フェニルアルデヒドとマロン酸とから、一段の反応で4−ビニルフェノールおよび関連のスチレン類(実施例I、II、III)を調製するための、ユニークで新規なマイクロ波を援用したプロセスを開示する(ジーン(Jean),J.V.E.およびデルフィン(Delphine),R.、テトラへドロン(Tetrahedron)、第55巻、p.2687〜2694(1999))。事実それは、本願発明者らが、マイクロ波照射下におけるクネーベナーゲル−デーブナー(Knoevenagel−Doebner)縮合反応を検討していたときの偶然の観察結果であって(ファーニス(Furniss),B.S.、ハンナフォード(Hannaford),A.J.、ロジャース(Rogers),V.、スミス(Smith),P.W.G.、およびタッチェル(Tatchell),A.R.:『フォーゲルズ・テキストブック・オブ・プラクティカル・オーガニック・ケミストリー(Vogel’s Textbook of Practical Organic Chemistry)』第4版(ELBS、英国)、p.802(1978))、その検討の意図は、マイクロ波に固有の利点、特に、反応時間が短い、副生物が最小限または皆無である、全体として環境に優しい反応条件である、といった利点があるからである(ボーズ(Bose),A.K.、バニック(Banik),B.K.、ラブリンスカイア(Lavlinskaia),N.、ジャヤラマン(Jayaraman),M.、およびマンハス(Manhas),M.S.、ケムテック(Chemtech)、第27巻、p.18〜24(1997);ラーヘッド(Larhed),M.およびホールバーグ(Hallberg)、ドラッグ・ディスカバリー・トゥデイ(Drug Discovery Today)、第6巻(第8号)、p.406〜416(2001);クアン(Kuang),C.、センボク(Senboku),H.、およびトクダ(Tokuda),M.、テトラへドロン(Tetrahedron)、第58巻、p.1491〜1496(2002);および、クーネルト(Kuhnert),N.、アンゲバント・ヘミー・インターナショナル・エディション(Angew.Chem.Int.Ed.)、第41巻、p.1863〜1866(2002))。この意図から、3,4,5−トリメトキシベンズアルデヒドとマロン酸とのマイクロ波を援用した縮合を実施して、3,4,5−トリメトキシケイ皮酸を形成させ(実施例IV)、それに続けて、それを脱水素させることによって、天然でも希な3−(3,4,5−トリメトキシ)フェニルプロピオン酸を得たが(実施例V)、その理由は、多くの種類の、生物学的に活性な3−フェニルプロピオン酸が天然に見出されており、置換3−フェニルプロピオン酸のいくつかは、有用な有機化合物の合成、さらには、各種の医薬、たとえばエイズ治療薬、非ステロイド性抗炎症薬、およびドーパミンD3受容体拮抗薬などの合成のための中間体である(ダス(Das),B.、カシナタム(Kashinatham),A.、スリニバス(Srinivas),K.V.N.S.、プランタ・メディカ(Planta Medica)、第62巻、p.582(1996);ヨハネス(Johannes),G.V.,ジェララッド(Gerarad),R.、リチャード(Richard),G.、テトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)、第39巻、p.8329〜8332(1998);カンパーディック(Kamperdick),C.、プオン(Phuong),N.M.、スン(Sung),T.V.、シュミット(Schmidt),J.、フィトケミストリー(Phytochemistry)、第52巻、p.1671〜1676(1999);スザンヌ(Susanne),H.R.、ケリー(Kerry),C.A.、ダック(Dac),D.M.、ダンカン(Duncan),J.N.、クリストファー(Christopher),H.L.、リタ(Rita),H.M.、メアリー(Mary),L.E.、ナネット(Nanette),N.F.、マーチン(Martin),S.W.、クエル(Kjell),S.A.、マット(Matt),Z.J.、アービッド(Arvid),C.、リン(Lin),C.H.、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、第44巻、p.4716〜4732、(2001))。3,4,5−トリメトキシケイ皮酸およびそのジヒドロ体(3,4,5−トリメトキシジヒドロケイ皮酸)の調製の成功に続いて、多くの種類のその他の置換ベンズアルデヒド(すなわち、4−メトキシベンズアルデヒドまたは3,4−ジメトキシベンズアルデヒドまたは2,4,5−トリメトキシベンズアルデヒドまたはジオキシメチレンベンズアルデヒドまたは3−クロロベンズアルデヒドまたは4−ニトロベンズアルデヒドなど)が、マイクロ波の存在下で首尾良く、3−ヒドロキシケイ皮酸(実施例VII)も含めて、それらに対応するケイ皮酸(すなわち、4−メトキシケイ皮酸または3,4−ジメトキシベンズアルデヒドまたは2,4,5−トリメトキシケイ皮酸またはジオキシメチレンケイ皮酸または3−クロロケイ皮酸または4−ニトロケイ皮酸など)となることが見出された。驚くべきことには、3−メトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(バニリン)とマロン酸とをマイクロ波を援用して縮合反応させて、予想される3−メトキシ−4−ヒドロキシケイ皮酸(フェルラ酸)を得ることには失敗したが、それに代えて良い香りの液状化合物が得られ、そのものは、スペクトルデータから4−ビニルグアヤコールと同定された(実施例I)。
液状化合物のHNMRでは14個のプロトンが観察され(実施例I)、それは、フェルラ酸(実施例VI)のプロトンと考えられたが、本願発明者らが見出したところでは、2種の異なったダブレットがδ5.19(1H、d)とδ5.66(1H、d)に観察されると共に、二重のダブレットがδ6.6(2H、dd)に認められ、これらは、2つのダブレットがδ5.7(1H、d)とδ6.7(1H、d)に現れるフェルラ酸とは異なっていた。同様にして、液状化合物の13CNMRは、フェルラ酸ではカルボニル基を含めて10個の炭素が認められる筈であるのに対して、(実施例Iでは)炭素が9個でカルボニル基が存在しないことを示している。DEPT−135では、δ111.8に1個のCHの存在が確認できる。スペクトルデータを総合すると、予想していたフェルラ酸ではなくて、4−ビニルグアヤコールの存在が明らかとなった。最終的には、マススペクトルによって、液状物の構造が4−ビニルグアヤコール(GC純度99.4%)であることを確認した。
結論として、本願発明者らが開示するのは、ビニルフェノールを調製するための単純で経済的なプロセスであって、それには、比較的安価で経済的な原料の4−ヒドロキシフェニルアルデヒドとマロン酸から出発して、有機酸および有機塩基の存在下で、マイクロ波条件下で反応させるが、このことによって、ケイ皮酸および脱カルボキシル化剤を使用する必要がなく、また長い反応時間も要しない。
本発明を説明するために以下の実施例を示すが、それらが本発明の範囲を限定すると受け取ってはならない。
出発原料の置換フェニルアルデヒド、たとえば4−ヒドロキシフェニルアルデヒドたとえばバニリン、4−ヒドロキシベンズアルデヒドフェニルプロパン誘導体などは、商業的な供給源から入手することができる。すべての所与の反応において、ケンスター(Kenstar)マイクロ波オーブン(2450MHz、1200ワット)を使用する。
実施例I
4−ビニルグアヤコールの合成(マイクロ波照射法):バニリン(2.50g、0.0164mol)、マロン酸(3.41g、0.0328mol)、ピペリジン(3〜5ml)および酢酸(10〜20mL)の混合物を、頂部に着脱式のロート(loose funnel)を取り付けた100mlのエルレンマイヤーフラスコの中に入れた。そのフラスコをよく振盪し、マイクロ波オーブンの中に置いて、部分的に(in parts)1〜7分間照射させた。混合物を冷却してから、氷冷水の中に注ぎ、酢酸エチルを用いて抽出した。その有機層を希HCl、飽和塩化ナトリウムを用いて洗浄してから、有機層を硫酸ナトリウムの上で乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させると、液状物が得られるので、それを、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーでヘキサンと酢酸エチルの混合物(9:1から6:4)を使用して精製すると、甘く心地よい香りを有する液状物が、51%の収率で得られた;HNMR(CDCl)δ6.96(3H、m、3,5,6−Ar)、6.70(1H、dd、J=7.8Hz、CH=CH)、5.93(1H、s、OH)、5.66(1H、d、J=17.6、シス−CH=CH)、5.19(1H、d、J=10.9Hz、トランス−CH=CH)、3.90(3H、s、OMe);13CNMR(CDCl)δ147.1(C−1)、146.07(C−2)、137.1(CH=CH)、130.7(C−4)、120.4(C−6)、114.9(C−5)、111.8(CH=CH)、108.5(C−3)、56.2(OCH)。
実施例II
4−ビニルフェノール(4−ヒドロキシスチレン)の合成(マイクロ波照射法):4−ヒドロキシベンズアルデヒド(1.0g、0.0082mol)、マロン酸(1.69g、0.0163mol)、トリエチルアミン(2〜4mL)および酢酸(10〜15mL)の混合物を、頂部に着脱式のロートを取り付けた100mLのエルレンマイヤーフラスコの中に入れた。そのフラスコをよく振盪し、マイクロ波オーブンの中に置いて、部分的に2〜8分間照射させた。混合物を冷却してから、氷冷水の中に注ぎ、酢酸エチルを用いて抽出した。その有機層を重炭酸ナトリウム、希HCl、飽和塩化ナトリウムを用いて洗浄してから、有機層を硫酸ナトリウムの上で乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させると、液状物が得られるので、それを、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーでヘキサンと酢酸エチルの混合物(9:1から6:4)を使用して精製すると、甘く心地よい香りを有する液状物が、40%の収率で得られた;HNMR(CDCl)δ7.31(2H、d、J=8.5Hz、H−2およびH−6)、6.81(2H、d、J=8.8Hz、H−3およびH−5)、6.67(1H、dd、J=17.8Hz、11.3Hz、(CH=CH)、5.51(1H、s、OH)、5.2(1H、d、J=17.8、シス−CH=CH)、5.14(1H、d、J=11.3Hz、トランス−CH=CH);13CNMR(CDCl)δ155.5(C−1)、136.5(CH=CH)、130.9(C−4)、128.0(C−3およびC−5)、115.8(C−2およびC−6)、112.0(CH=CH)。
実施例III
3,5−ジメトキシ−4−ビニルフェノールの合成(マイクロ波照射法):4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンズアルデヒド(2.5g、0.013mol)、マロン酸(2.80g、0.027mol)、ピペリジン(2〜5mL)およびギ酸(10〜20mL)の混合物を、頂部に着脱式のロートを取り付けた100mLのエルレンマイヤーフラスコの中に入れた。そのフラスコをよく振盪し、マイクロ波オーブンの中に置いて、部分的に2〜8分間照射させた。混合物を冷却してから、氷冷水の中に注ぎ、酢酸エチルを用いて抽出した。その有機層を希HCl、飽和塩化ナトリウムを用いて洗浄してから、有機層を硫酸ナトリウムの上で乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させると、液状物が得られるので、それを、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーでヘキサンと酢酸エチルの混合物(9:1から6:4)を使用して精製すると、粘稠な液状物が、37%の収率で得られた;HNMR(CDCl)δ6.73(1H、s、H−3およびH−5)、6.62(1H、dd、CH=CH)、5.61(1H、d、J=18.6Hz、シス−CH=CH)、5.16(1H、d、J=10.8、トランス−CH=CH);13CNMR(CDCl)δ147.4(C−2およびC−6)、137.2(C−1)、135.1(CH=CH)、129.5(C−4)、112.2(CH=CH)、103.3(C−3およびC−5)、56.0(2−OMe)。
実施例IV
3,4,5−トリメトキシケイ皮酸の合成(マイクロ波照射法):3,4,5−トリメトキシベンズアルデヒド(5.0g、0.025mol)、マロン酸(5.30g、0.050mol)、ピペリジン(4〜8mL)および酢酸(25〜35mL)の混合物を、頂部に着脱式のロートを取り付けた100mLのエルレンマイヤーフラスコの中に入れたそのフラスコをよく振盪し、マイクロ波オーブンの中に置いて、部分的に4〜8分間照射させた。混合物を冷却してから、氷冷水の中に注ぎ、5%HClを用いて酸性にした。沈殿してきた黄色の固形物を濾過し、水性エタノールを用いて再結晶させると、3,4,5−トリメトキシケイ皮酸が88%の収率で得られた;融点127℃(融点文献値126〜128℃)、そのスペクトルデータは既報の数値と類似していることがわかった;HNMR(CDCl)δ7.73(1H、d、J=16.0Hz、−CH=CH−COOH)、6.78(2H、s、H−2およびH−6)、6.38(1H、d、J=16.0Hz、CH=CH−COOH)、3.91(9H、s、3−OCH、4−OCHおよび5−OCH);13CNMR:δ172.6(COOH)、153.8(C−3およびC−5)、147.4(C−4)、140.8(CH=CH−COOH)、129.8(C−1)、116.8(CH=CH−COOH)、105.8(C−2およびC−6)、61.4(4−OCH)、56.5(3−OCHおよび5−OCH)。
実施例V
3−(3,4,5−トリメトキシ)フェニルプロピオン酸の合成(マイクロ波照射法):3,4,5−トリメトキシケイ皮酸(0.72g、0.003mole)、PdCl(55mg、0.31mmol)、10%水酸化ナトリウム(6〜10mL)を、100mLのエルレンマイヤーフラスコ中で懸濁させ、それにギ酸(8〜12mL)を少しずつ加えた。その混合物をマイクロ波を用いて3〜5分間照射して、出発原料が認められなくなるまで続けた。混合物を冷却してから、氷冷水の中に注ぎ、5%のHClを用いて酸性にしてから、ジクロロメタン(3×10mL)を用いて抽出した。有機層は水で洗浄してから、無水NaSOの上で乾燥させた。溶媒を蒸発させ、粗製固形生成物を酢酸エチルとヘキサンの混合物を用いて再結晶させると、3−(3,4,5−トリメトキシ)フェニルプロピオン酸が白色固形物として84%の収率で得られた;融点102℃(融点文献値101〜102℃):HNMR(CDCl)δ6.70(2H、s、H−2およびH−6)、3.84(9H、s、3−OCH、4−OCH、および5−OCH)、2.92(2H、t、Ar−CH−CH−COOH)、2.70(2H、t、−CH−CH−COOH);13CNMR:δ178.1(COOH)、153.1(C−3およびC−5)、135.87(C−4およびC−1)、105.3(C−2およびC−6)、60.8.0(4−OCH)、56.1(3−OCHおよび5−OCH)、35.5(Ar−CH−)、31.0(−CH−COOH)。
実施例VI
フェルラ酸の合成(従来法):バニリン(2.50g、0.0164mol)、マロン酸(3.41g、0.0328mol)、ピペリジン(3〜5mL)および酢酸(10〜20mL)の混合物を、丸底フラスコにとり、その反応混合物を、実施例1で述べたようなマイクロ波照射をする代わりに、5〜6時間加熱還流させた。混合物を冷却してから、氷冷水の中に注ぎ、酢酸エチルを用いて抽出した。その有機層を希HCl、飽和塩化ナトリウムを用いて洗浄してから、有機層を硫酸ナトリウムの上で乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させると、固形物が得られたので、それをメタノールとヘキサンの混合物を用いて再結晶させると、固形の化合物としてフェルラ酸が65%の収率で得られ、その融点は169℃であった(融点文献値168−171℃);HNMR(DMSO−d)δ12.13(1H、s、COOH)、7.48(1H、d、Ar−CH=CH−COOH)、7.27(1H、s、H−3)、7.07(1H、d、H−6)、6.78(1H、d、H−5)、6.36(1H、d、−CH=CH−COOH)、3.81(3H、s、2−OCH);δ168.9(COOH)、149.8(C−1)、148.7(C−2)、145.4(CH=CH−COOH)、126.6(C−4)、123.7(C−5)、116.4(C−3およびC−6)、111.8(CH=CH−COOH)、56.4(2−OCH)。
この実験から明らかとなったことは、バニリンとマロン酸とから4−ビニルグアヤコールを調製するには、マイクロ波技術を使用する(実施例I)ことが重要であるということである。
実施例VII
3−ヒドロキシケイ皮酸の合成(マイクロ波照射法):3−ヒドロキシベンズアルデヒド(1g、0.008mol)、マロン酸(1.69g、0.016mol)、ピペリジン(1〜3mL)および酢酸(10〜20mL)の混合物を100mLエルレンマイヤーフラスコの中に入れ、マイクロ波で部分的に2〜8分間照射した。混合物を冷却してから、氷冷水の中に注ぎ、酢酸エチルを用いて抽出した。その有機層を希HCl、飽和塩化ナトリウムを用いて洗浄してから、有機層を硫酸ナトリウムの上で乾燥させた。溶媒を減圧下に蒸発させると、粗製固形分が得られるので、それを、メタノールを用いて再結晶させると、白色の固形物が76%の収率で得られた;193℃(融点文献値194℃);HNMR(CDCl)δ6.73(1H、s、H−3およびH−5)、6.62(1H、dd、H−7)、5.61(1H、d、J=10.9Hz、トランス、H−8)、5.16(1H、d、J=17.6、シス−H−8);13CNMR(CDCl)δ147.4(C−2およびC−6)、137.2(C−1)、135.1(C−7)、129.5(C−4)、112.2(C−8)、103.3(C−3およびC−5)、56.0(2OMe)。
この実験から明らかとなったことは、マイクロ波技術を使用することと、さらにはフェニルアルデヒドの4位にヒドロキシが存在することが、4−ビニルフェノールを調製するには重要であるということである(実施例I、IIおよびIII)。
実施例1に記述したビニルグアヤコール(4−ヒドロキシ−3−メトキシスチレン)のHNMR(300MHz)スペクトル(CDCl中)である。 実施例1に記述したビニルグアヤコール(4−ヒドロキシ−3−メトキシスチレン)の13CNMR(75.4MHz)スペクトル(CDCl中)である。 実施例1に記述したビニルグアヤコール(4−ヒドロキシ−3−メトキシスチレン)のDEPT−135NMR(300MHz)スペクトル(CDCl中)である。

Claims (15)

  1. 化学式(I)で表される化合物を調製するための、マイクロ波を援用したシングルポットプロセスであって、
    Figure 0004413783
    ここで、R=OHまたはOCHであり、R=−CH=CHであり、残りのR、R、RおよびR=H、OHもしくはOCHまたはそれらの組合せである)、前記プロセスには、以下の:
    a.4−ヒドロキシフェニルアルデヒドまたはその誘導体とマロン酸とを、有機塩基およびギ酸、酢酸、プロピオン酸および/またはそれらの混合物、からなる群より選択される有機酸の存在下、マイクロ波照射下で、1〜20分の範囲の時間で反応させる工程、
    b.前記混合物を冷却し、前記冷却した混合物を氷冷水の中に注ぎ、有機溶媒を用いて抽出し、その有機層を分離する工程、
    c.工程(b)の有機層を、希塩酸、次いで飽和塩化ナトリウム溶液を用いて洗浄し、洗浄した前記有機層を無水硫酸ナトリウムの上で乾燥させ、濾過し、前記有機層を減圧下で蒸発させて、液状の残留物を得る工程、
    d.工程(c)の液状の残留物を、シリカゲルカラム上で、ヘキサンと酢酸エチルの混合物を用いて溶出させる工程、そして、
    e.目的とする、式(I)の4−ヒドロキシビニルフェノールまたはその誘導体を得る工程、
    を含むプロセス。
  2. 前記工程(a)において使用される前記有機塩基が、ピリジン、ピペリジン、コリジン、トリエチルアミンおよび/またはそれらの混合物、からなる群より選択される、請求項1に記載のプロセス。
  3. 工程(a)において、使用される4−ヒドロキシ−フェニルアルデヒドまたはその誘導体とマロン酸とのモル比が、1:1から1:3の間の範囲である、請求項1に記載のプロセス。
  4. 工程(a)において、使用される4−ヒドロキシフェニルアルデヒドまたはその誘導体とギ酸、酢酸、プロピオン酸および/またはそれらの混合物、からなる群より選択される有機酸とのモル比が、1:1から1:20の間の範囲である、請求項1に記載のプロセス。
  5. 工程(a)において、使用される4−ヒドロキシフェニルアルデヒドまたはその誘導体と有機塩基とのモル比が、1:1から1:20の間の範囲である、請求項1に記載のプロセス。
  6. 4−ヒドロキシフェニルアルデヒドまたはその誘導体と有機塩基とのモル比が1:10の範囲である、請求項5に記載のプロセス。
  7. 工程(a)において、反応時間が1〜6分の範囲である、請求項1に記載のプロセス。
  8. 前記工程(b)において、使用される有機溶媒が、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルムまたは酢酸エチル、からなる群より選択される、請求項1に記載のプロセス。
  9. 前記縮合と脱カルボキシル化が一段階で実施される、請求項1に記載のプロセス。
  10. 前記脱カルボキシル化が、脱カルボキシル化剤を一切添加することなく実施される、請求項1に記載のプロセス。
  11. 前記マイクロ波照射の周波数が、2000〜2450MHzの範囲である、請求項1に記載のプロセス。
  12. 前記式(I)の化合物の収率が35%〜55%の範囲である、請求項1に記載のプロセス。
  13. 4−ビニルフェノールが、4−ヒドロキシフェニルアルデヒドのアルデヒド基をビニル基とすることにより得られる、請求項1に記載のプロセス。
  14. 目的とする生成物の精製を容易とする、請求項1に記載のプロセス。
  15. 環境に優しい、請求項1に記載のプロセス。
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