JP4413459B2 - 固体高分子電解質膜および燃料電池 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、固体高分子電解質膜および該固体高分子電解質膜を用いた燃料電池に関する。
さらに詳しくは、長期運転あるいは高温運転においても高い電圧を維持できる安定性に優れた固体高分子電解質膜型燃料電池に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
近年、クリーンな水素をエネルギー源とする高効率、無公害でCO2等温暖化ガスを発生しない発電システムとして燃料電池が注目されている。このような燃料電池は、家庭や事業所など固定設備、自動車などの移動設備などでの使用を目的に本格的な開発研究が行われている。
【0003】
燃料電池は使用する電解質膜によって分類され、アルカリ電解質膜型、固体高分子電解質膜型、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体電解質膜型に分けられる。このとき固体高分子電解質膜型およびリン酸型は電荷移動体がプロトンであり、プロトン型燃料電池ともいわれる。
この燃料電池に用いる燃料としては、天然ガス、LPガス、都市ガス、アルコール、ガソリン、灯油、軽油などの炭化水素系燃料が挙げられる。
【0004】
このような炭化水素系燃料を、まず水蒸気改質、部分酸化などの反応により水素ガス、COガスに変換し、COガスを除去して水素ガスを得る。この水素は、アノードに供給され、アノードの金属触媒によってプロトン(水素イオン)と電子に解離し、電子は回路を通じて仕事をしながらカソードに流れ、プロトン(水素イオン)は電解質膜を拡散してカソードに流れ、カソードにてこの電子、水素イオンとカソードに供給される酸素とから水となって電解質膜に拡散する。すなわち、酸素と燃料ガスに由来する水素とを供給して水を生成する過程で電流を取り出すメカニズムになっている。
【0005】
このような燃料電池に用いられる電解質膜としてはスルホン酸基を有するポリスチレン系の陽イオン交換膜、フルオロカーボンスルホン酸とポリビニリデンフルオライドとの混合膜、フルオロカーボンマトリックスにトリフルオロエチレンをグラフト化した膜、パーフルオロカーボンスルホン酸膜等が用いられている。
しかしながら、このような有機樹脂膜からなる電解質膜中のプロトンの移動、すなわち膜のイオン電導度は、膜中の含水率に依存し、長期運転した場合、あるいは約80℃以上の高温運転すると、膜内の含水率が低下し、その結果、イオン電導度が低下し、発生電圧の低下をきたすなどの問題があった。
【0006】
このため、特開平6−103983号公報には、高分子膜にリン酸基を持つ化合物を含有させることで、高分子膜に良好な保水性能を発揮させ、これにより、80℃あるいはそれ以上の運転温度において好適に使用可能な固体高分子電解質膜型燃料電池も提案されている。
また、特開2001−143723号公報には、80℃あるいはそれ以上の運転温度において好適に使用可能な燃料電池用電解質膜として、五酸化リンを含む非晶質シリカ成形体からなるものが開示されている。
【0007】
しかしながら、これらの提案された固体高分子電解質膜を100℃以上の高温で長期にわたり使用するとやはり電圧が降下し、電池性能が低下するという問題があった。
そこで、本発明者らは、このような高温条件での長期間使用による電池性能の向上させる手段について鋭意検討した結果、酸化アンチモン粒子はプロトン導電性が高く、しかも高温で高い保水性を有しており、この酸化アンチモン粒子を有機樹脂とともに固体高分子電解質膜として使用することで、長期間高温下で使用しても高い電池性能を有する燃料電池が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の目的】
本発明は、長期運転あるいは高温運転においても高い電圧を維持できる安定性に優れた燃料電池を提供可能な固体高分子電解質を提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】
本発明に係る固体高分子電解質膜は、
有機樹脂と下記式(1)で表される水和酸化アンチモン粒子とからなり、該粒子の平均粒子径が5〜50nmの範囲にあり、水和酸化アンチモン粒子の含有量が酸化物(Sb2O5)換算で5〜80重量%の範囲にあることを特徴としている。
【0010】
Sb2O5・nH2O (1)
n=0.1〜5
前記有機樹脂が、スルホン酸基を有するポリスチレン陽イオン交換樹脂、フルオロカーボンスルホン酸とポリビニリデンフルオライドとの混合物、フルオロカーボンマトリックスにトリフルオロエチレンをグラフト化したグラフト共重合体、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2−ジクロロエチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、メタクリル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0011】
本発明に係る高分子電解質膜型燃料電池は、前記固体高分子電解質膜を用いてなる。
【0012】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る固体高分子電解質膜型燃料電池について説明する。
固体高分子電解質膜
本発明に係る固体高分子電解質膜は、有機樹脂と下記式(1)で表される水和酸化アンチモン粒子とからなる。
【0013】
[有機樹脂]
有機樹脂としては、固体電解質膜として用いることができれば特に制限はなく、たとえば、スルホン酸基を有するポリスチレン陽イオン交換樹脂、フルオロカーボンスルホン酸とポリビニリデンフルオライドとの混合物、フルオロカーボンマトリックスにトリフルオロエチレンをグラフト化したグラフト共重合体、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2−ジクロロエチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、メタクリル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0014】
これらの有機樹脂は、たとえば、特開平6-275301号公報、特開平10-199559号公報、特開平10-40737号公報、特開平6-103983号公報に例示されたものを使用することができる。
[水和酸化アンチモン粒子]
本発明に用いる水和酸化アンチモン粒子は、酸化アンチモンの水和物であり、下記式で表される。(結晶水ではない、単なる付着水を除く)
Sb2O5・nH2O (1)
n=0.1〜5
酸化アンチモン粒子は、プロトン導電性を有しており、固体高分子電解質膜の導電性を高めるために配合される。
【0015】
このような水和酸化アンチモン粒子の平均粒子径は、5〜50nm、さらには5〜25nmの範囲にあることが好ましい。平均粒子径が5nm未満の場合は、粉体抵抗(体積抵抗値)が1010Ω・cmを越えることがあり、このため陽イオンの伝導性が低く、このため充分な出力電圧が得られないことがある。平均粒子径が上限範囲を越えると、固体高分子電解質膜の製造方法にもよるが、電解質膜中に水和酸化アンチモン粒子を充分に導入することができない場合があり、導入できたとしても固体高分子電解質膜の強度が不充分となることがある。
【0016】
水和酸化アンチモン粒子の水分含有量としては、100℃で1時間乾燥したときの水分含有量が、概ね0.5〜22重量%、さらには2〜22重量%の範囲にあることが好ましい。
さらに、好ましくは、200℃で乾燥した後の水分含有量が0.25〜10重量%、さらには0.5〜10重量%の範囲にあることが望ましい。
【0017】
水和酸化アンチモン粒子の200℃で乾燥した後の水分含有量が0.25重量%未満の場合は、無機プロトン導電性粒子として水和酸化アンチモン粒子を用いた効果が得られず、高温運転、長期運転した場合に電圧が降下し、電池の性能が低下する傾向にある。
200℃で乾燥した後の水分含有量が10重量%を越えたものは得ることが困難である。
【0018】
また、本発明に用いる水和酸化アンチモン粒子は固体高分子電解質膜の調製に用いる際に前記水分含有量範囲にある必要はなく、固体高分子電解質膜を調製した後、加湿処理等によって前記水分範囲として用いることもできる。
本発明で使用される水和酸化アンチモン粒子は、粉体抵抗(体積抵抗値)が1010Ω・cm未満、さらには107Ω・cm未満であることが好ましい。
【0019】
導電性酸化物粒子の体積抵抗値が前記上限を越えると、固体高分子電解質膜中の含有量にもよるが、電気抵抗を低く維持する効果が不充分となり充分な出力電圧が得られないことがある。
[固体高分子電解質膜]
本発明に係る固体高分子電解質膜は、前記有機樹脂と前記水和酸化アンチモン粒子とから構成されている。
【0020】
固体高分子電解質膜中の水和酸化アンチモン粒子の含有量は、酸化物(Sb2O5)として5〜80重量%、さらには10〜50重量%の範囲にあることが好ましい。
水和酸化アンチモン粒子の含有量が前記範囲内にあれば、固体高分子電解質膜のプロトン導電性が高く、しかも高温で高い保水性を有しており、長期間高温下で使用しても高い電池性能を有する燃料電池が得られる。なお、前記下限未満の量で水和酸化アンチモン粒子を含んでいても、粒子を用いた効果が不充分となることがあり、水和酸化アンチモン粒子の含有量が前記上限を越えるものは製造困難であり、仮に作製できたとしても固体高分子電解質膜の強度が不充分となることがある。
【0021】
本発明に係る固体高分子電解質膜は、実質的に、前記した有機樹脂からなる膜体に、水和酸化アンチモン粒子が付着(担持)あるいは導入されている。
このため、有機樹脂膜体は、多孔質であるものが望ましく、気孔率が5%以上、好ましくは10%以上のものが望ましい。
本発明に係る固体高分子電解質膜の製造方法は、有機樹脂膜体に水和酸化アンチモン粒子を付着(担持)あるいは導入できれば特に制限はないが、たとえば、水和酸化アンチモン粒子の分散液に有機樹脂膜を浸漬し、有機樹脂膜の細孔中に水和酸化アンチモン粒子を導入し、ついで乾燥することによって得ることができる。また、必要に応じてこの浸漬と乾燥を繰り返すことによって水和酸化アンチモン粒子の導入量を増量することができる。
【0022】
前記分散液としては、特に水和酸化アンチモン粒子が安定に分散したゾルを用いると水和酸化アンチモン粒子が膜中均一に分散した固体高分子電解質膜を得ることができる。ゾルの分散媒としては水およびアルコールの混合溶媒を用いると、樹脂との親和性が増大し、無機プロトン導電性酸化物粒子が膜中でより均一に分散した固体高分子電解質膜を得ることができる。その結果、形成した燃料電池を高温運転、長期運転でもプロトン導電性の低下が小さく、高い出力電圧を維持することができる。
【0023】
さらに、上記分散液に浸漬したのち、取り出し、乾燥した後、使用有機樹脂の軟化点付近の温度で加熱すれば、有機樹脂膜へ水和酸化アンチモン粒子を強く固定することができる。あるいは、乾燥後の固体高分子電解質膜を、2枚の電極膜で挟み、ホットプレスする際に固定することもできる。
また、有機樹脂膜を製造する際に、あらかじめ樹脂モノマーに水和酸化アンチモン粒子を分散させて、重合させることによっても得ることができる。また、一旦有機樹脂を溶解したのち水和酸化アンチモン粒子を混合し、公知の成型法で膜体を成形することによって、本発明に係る固体高分子電解質膜を製造することができる。
【0024】
本発明では、得られる膜の強度、製造簡便性の点からは、有機樹脂膜体を、水和酸化アンチモン粒子の分散液に浸漬・乾燥する方法が望ましい。
燃料電池
本発明に係る燃料電池は、上記した固体高分子電解質膜を使用することを特徴としている。
【0025】
具体的には、前記した固体高分子電解質膜と、この両側に配置される一対のガス拡散電極(燃料極および酸化極)とから構成され、燃料極と酸化剤極とで固体高分子電解質膜を挟持するとともに、両極の外側に燃料室および酸化剤室を形成する溝付きの集電体を配したものを単セルとし、このような単セルを、冷却板等を介して複数層積層することによって構成される。
【0026】
ガス拡散電極は、通常、触媒粒子を担持させた導電性材料をPTFEなどの疎水性樹脂結着剤で保持させた多孔質体シートからなる。また、導電性材料とPTFEなどの疎水性樹脂結着剤とからなる多孔質体シートの固体高分子電解質膜接触面に触媒粒子層を設けたものであってもよい。
このようなガス拡散電極の一対で、固体高分子電解質膜を挟持し、ホットプレスなどの公知の圧着手段により、圧着される。
【0027】
触媒としては、水素の酸化反応及び酸素の還元反応に触媒作用を有するものであれば良く、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスニウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属またはそれらの合金から選択することができる。
【0028】
電導性材料としては電子伝導性物質であれば良く、たとえば炭素材料として公知のファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラックの他、活性炭、黒鉛、また各種金属も使用可能である。
疎水性樹脂結着剤としては、たとえばフッ素を含む各種樹脂が挙げられ、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、パーフルオロスルホン酸等などが挙げられる。
【0029】
疎水性樹脂結着剤として、プロトン伝導性ポリマーを用いてもよく、このポリマーは、ポリマー自体に結着剤としての機能も有しており、触媒層内で触媒粒子、電導性粒子との充分な安定性のあるマトリックスを形成させることが可能である。
また、固体高分子電解質膜と接する反対の面に、前記疎水性樹脂結着剤からなるガス拡散層が設けられていてもよい。
【0030】
触媒の担持量は、触媒層シートを形成した状態で0.01〜5mg/cm2であり、より好ましくは0.1〜1mg/cm2であればよい。
電気伝導性多孔質材料は、比表面積として、100〜2000m2/gであることが、充分な透過性を得る上で好ましい。またガス拡散電極の平均細孔直径は、0.01〜1μmであることが好ましい。
【0031】
さらに、本発明では触媒層の少なくとも一方と固体高分子電解質膜の接する界面に形成させるプロトン伝導性ポリマー層を形成してもよい。
本発明に係る燃料電池では、燃料室に水素を供給し、酸化剤室に空気(酸素)を供給し、下記電極反応により電気を発生させる。
燃料極(アノード): H2 → 2H+ + 2e-
酸素極(カソード): 2H+ + 1/2O2 + 2e- → 2H2O
固体高分子電解質膜中の酸化アンチモン粒子では、水素が酸化アンチモン骨格の酸素と結合しているか、水の状態で存在するか、プロトン(H+)あるいはヒドロニウムイオン(H3O+)の状態で存在しているものと思料される。
【0032】
電池反応で生成されたガス状の水や凝縮された水は、より撥水性の高く、微細な孔を有する層を毛細管現象によって、速やかに酸素極を通過する。
【0033】
【発明の効果】
本発明によると、固体高分子電解質膜が、有機樹脂膜と、高温保水性能および導電性に優れた無機プロトン導電性酸化物粒子とから構成されているので、長期運転、100℃以上の高温運転した場合にも高い出力電圧を安定に維持することができる固体高分子電解質膜型燃料電池を提供することができる。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0035】
【実施例1】
無機プロトン導電性酸化物粒子として五酸化アンチモン粒子(平均粒子径10nm、Sb2O5・2.5H2O)を用い、濃度がSb2O5として30重量%のエチルアルコール:水=50:50の混合溶媒分散液を調製した。これに有機樹脂膜としてパーフルオロカーボンスルホン酸膜(A)(Du Pont社製:Nafion膜 N-117、膜厚183μm)を50℃で12時間浸漬し、これを取り出した後100℃で12時間乾燥して固体高分子電解質膜(A)を得た。固体高分子電解質膜(A)中の五酸化アンチモン粒子の含有量は、重量増加から算出して20重量%であった。
【0036】
また、白金含有量がPtとして40重量%の白金担持カーボン粒子にエチルアルコール:水=50:50の混合溶媒を加えてペースト状とし、これをテトラフルオロエチレンで撥水処理したカーボン紙(東レ(株)製)2枚に、各々白金担持カーボン粒子は0.5mg/cm2の密度となるように塗布し、100℃で12時間乾燥してガス拡散電極(A)2枚を作成した。
【0037】
2枚のガス拡散電極(A)を正極および負極とし、この両極の間に固体高分子電解質膜(A)を挟み、150Kg/cm2の加圧下、100℃で5分間ホットプレスし、ガス拡散電極(A)と固体高分子電解質膜(A)を接合した単位セル(A)を作成した。
評価
単位セル(A)を80℃、相対湿度30%で2時間加湿処理した。ついで、常圧下、80℃、100℃、120℃、140℃の各温度において電流密度0.5A/cm2で50時間運転し、このときの各温度における出力電圧を測定した。
【0038】
結果を表1に示す。
【0039】
【実施例2】
実施例1と同様にして得た固体高分子電解質膜(A)を再び五酸化アンチモン粒子分散液に50℃で12時間浸漬し、これを取り出した後100℃で12時間乾燥して固体高分子電解質膜(B)を得た。 固体高分子電解質膜(B)中の五酸化アンチモン粒子の含有量は、重量増加から35重量%であった。
【0040】
評価
固体高分子電解質膜(B)を用いた以外は実施例1と同様にして単位セル(B)を作成し、出力電圧を測定した。
結果を表1に示す。
【0041】
【実施例3】
実施例2と同様にして得た固体高分子電解質膜(B)を再び五酸化アンチモン粒子分散液に50℃で12時間浸漬し、これを取り出した後100℃で12時間乾燥して固体高分子電解質膜(C)を得た。固体高分子電解質膜(C)中の五酸化アンチモン粒子の含有量は、重量増加から45重量%であった。
【0042】
評価
固体高分子電解質膜(C)を用いた以外は実施例1と同様にして単位セル(C)を作成し、出力電圧を測定した。結果を表1に示す。
【0043】
【実施例4】
五酸化アンチモン粒子(平均粒子径40nm、Sb2O5・2.5H2O)を用いた以外は実施例1と同様にして固体高分子電解質膜(D)を得た。 固体高分子電解質膜(D)中の五酸化アンチモン粒子の含有量は重量増加から15重量%であった。
【0044】
評価
固体高分子電解質膜(D)を用いた以外は実施例1と同様にして単位セル(D)を作成し、出力電圧を測定した。結果を表1に示す。
【0045】
【実施例5】
有機樹脂膜としてパーフルオロカーボンスルホン酸膜(B)(DuPont 社製:Nafion膜 N-115、膜厚127μm)を用いた以外は実施例1と同様にして固体高分子電解質膜(E)を得た。固体高分子電解質膜(E)中の五酸化アンチモン粒子の含有量は、重量増加から25重量%であった。
【0046】
評価
固体高分子電解質膜(E)を用いた以外は実施例1と同様にして単位セル(E)を作成し、出力電圧を測定した。結果を表1に示す。
【0047】
【実施例6】
有機樹脂膜としてパーフルオロカーボンスルホン酸膜(C)(DuPont 社製:Nafion膜 NE-1135、膜厚51μm)を用いた以外は実施例1と同様にして固体高分子電解質膜(F)を得た。固体高分子電解質膜(F)中の五酸化アンチモン粒子の含有量は重量増加から15重量%であった。
【0048】
評価
固体高分子電解質膜(F)を用いた以外は実施例1と同様にして単位セル(F)を作成し、出力電圧を測定した。結果を表1に示す。
【0049】
【比較例1】
固体高分子電解質膜(G)として五酸化アンチモン粒子を導入することなくパーフルオロカーボンスルホン酸膜(A)を用いた以外は実施例1と同様にして単位セル(G)を作成し、出力電圧を測定した。結果を表1に示す。
【0050】
【比較例2】
固体高分子電解質膜(H)として五酸化アンチモン粒子を導入することなくパーフルオロカーボンスルホン酸膜(B)を用いた以外は実施例1と同様にして単位セル(H)を作成し、出力電圧を測定した。結果を表1に示す。
【0051】
【比較例3】
固体高分子電解質膜(I)として五酸化アンチモン粒子を導入することなくパーフルオロカーボンスルホン酸膜(C)を用いた以外は実施例1と同様にして単位セル(I)を作成し、出力電圧を測定した。結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
Claims (3)
- 有機樹脂と下記式(1)で表される水和酸化アンチモン粒子とからなり、該粒子の平均粒子径が5〜50nmの範囲にあり、水和酸化アンチモン粒子の含有量が酸化物(Sb2O5)換算で5〜80重量%の範囲にあることを特徴とする固体高分子電解質膜。
Sb2O5・nH2O (1)
n=0.1〜5 - 前記有機樹脂がポリスチレン系陽イオン交換樹脂、フルオロカーボンスルホン酸とポリビニリデンフルオライドとの混合物、フルオロカーボンマトリックスにトリフルオロエチレンをグラフト化したグラフト共重合体、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2−ジクロロエチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、メタクリル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子電解質膜。
- 請求項1または2に記載の固体高分子電解質膜を用いてなることを特徴とする固体高分子電解質膜型燃料電池。
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