JP4412114B2 - アクチュエータ - Google Patents
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しかし、このようなポリゴンミラーにおいて、より高解像度で品質のよい印字と高速印刷を達成するには、ポリゴンミラーの回転をさらに高速にしなければならない。現在のポリゴンミラーには高速安定回転を維持するためにエアーベアリングが使用されているが、今以上の高速回転を得るのは困難となっている。また、高速にするためには、大型のモーターが必要であり、騒音、発熱、消費電力が大きいことや小型化が困難であるという問題がある。このようなポリゴンミラーを用いると、構造が複雑となり、コストが高くなるといった問題も生じる。
図9の静電駆動型ねじり振動子は、ガラス基板1000上の両端部にスぺーサ200を介してシリコンの単結晶板からなる可動電極板300の両端固定部300aを固定し、この可動電極板300の両端固定部300a間に、細巾のトーションバー300bを介して可動電極部300cを支持させ、また、その可動電極部300cに電極間隔を置いて対向させる固定電極400を、ガラス基板1000上において前記可動電極部300cに対し平行配置している。可動電極板300と固定電極400との間にはスイッチ600を介して電源500が接続される。
前記第1の質量部を介して該第1の質量部の一端側と他端側とにそれぞれ設けられる1対の第2の質量部と、
前記第1の質量部と前記各第2の質量部とを支持する支持部と、
加熱により膨張する熱膨張部と、
前記第1の質量部と前記各第2の質量部とを、前記第1の質量部が前記各第2の質量部に対して回動可能となるように連結する、少なくとも1対の第1の弾性連結部と、
前記各第2の質量部と前記支持部とを、前記各第2の質量部が前記支持部に対して回動可能となるように連結する、少なくとも1対の第2の弾性連結部と、
前記各第2の質量部に対応して設置される対向基板とを有し、
前記各第2の質量部の厚さは、前記第1の質量部の厚さよりも厚く、かつ前記各第2の質量部の前記対向基板側の面は、前記第1の質量部の前記対向基板側の面よりも前記対向基板側に位置し、
前記熱膨張部は、前記対向基板の前記第2の質量部側の面に開放し、前記第2の質量部の一端側に対応するように形成された凹部および前記凹部を覆うように設けられた弾性変形可能な薄膜で構成された一対の流体室と、前記一対の流体室を連結する流路と、前記流路の内部に設けられた加熱部と、前記各流体室および前記流路に封入された流体とを有し、前記加熱部が加熱されることにより前記流体が膨張して前記各薄膜が突出変形し、突出変形した前記各薄膜により前記各第2の質量部が押圧され、これにより、前記各第2の質量部が同期的に駆動し、それに伴い前記第1の質量部が回動することを特徴とする。
これにより、例えば、第2の質量部の回転角度を検出したりすることができ、また、その検出結果を、第1の質量部の振動周波数の制御に利用することができる。
本発明のアクチュエータでは、前記温度検出手段は、前記熱膨張部に非接触でその温度を検出し得るものであることが好ましい。
これにより、構造を簡易なものとすることができる。
これにより、例えば、第2の質量部の回転角度および回転周波数を検出したりすることができ、また、その検出結果を、第1の質量部の振動周波数の制御に利用することができる。
これにより、構造を簡易なものとすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記変位測定手段は、前記第1の質量部および前記第2の質量部に非接触でその変位を検出し得るものであることが好ましい。
これにより、構造を簡易なものとすることができる。
これにより、確実に、熱膨張部の膨張量を制御することができるため、第2の質量部の回転角度(振れ角)を所望のものとすることができる。これにより、第1の質量部の振動周波数を好適に制御することができる。
る。
これにより、各第2の質量部をより大きな回転角度(振れ角)で駆動することができるため、第1の質量部の回転角度(振れ角)の大きいアクチュエータを提供することができる。
前記第1の質量部は、光反射部を有するのが好ましい。
これにより、本発明のアクチュエータを例えば、光スキャナとして用いた場合、光の光路を容易に変更することができる。
まず、本発明のアクチュエータの第1実施形態について説明する。
図1は、本発明のアクチュエータの第1実施形態を示す平面図、図2は、図1中のA−A線での縦断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
このアクチュエータ100は、第1の質量部2が中心に位置し、第1の質量部2を介し、第2の質量部1が一端側(右側)に設けられ、第2の質量部11が他端側(左側)に設けられている。また、第2の質量部1の図1中右側に一方の支持部3が配置され、第2の質量部11の図1中左側に他方の支持部3が配置されている。
第2の質量部1、11、第1の質量部2および支持部3、3は、それぞれ、例えば、シリコン等で構成されている。
本実施形態の第1の質量部2の表面(対向基板6が設けられている側とは反対の面側)には、光反射部21が設けられている。
この対向基板6は、各種ガラスやシリコン等で構成されている。
対向基板6は、図2および図3に示すように、第2の質量部1、11との接合面側の、第1の質量部2に対応する位置に開口部61を有している。
また、図2および図3に示すように、対向基板6には、第2の質量部1、11に対応する部位に設けられた凹部62、62と、第2の質量部1、11との接合面側の第2の質量部1、11の、それぞれ長手方向の一端側に対応する位置に、1対(複数)の熱膨張部7が、第1の質量部2を中心に略線対称となるように設けられている。
熱膨張部7は、対向基板6の第2の質量部1、11との接合面側に形成された凹部71と、薄膜72とを有している。
この凹部71は、例えば、図2中、対向基板6の上面からエッチング処理を施すことにより形成することができる。また、薄膜72は、凹部71を覆うように形成されている。また、凹部71と薄膜72とが流体室73を構成している。すなわち、凹部71と薄膜72の凹部71に対応する部位とが、流体室73を画成している。また、流体室73を画成する薄膜72は熱膨張部7(流体室73)のうちで最も薄く形成されている。
また、同じく流体室73の内部には、加熱部(加熱手段)75が設けられている。加熱部75は、ヒーターで構成されており、図示しない電源に接続されている。この加熱部75に電圧(電流)を印加することにより、加熱部75が加熱され、それに伴い流体74が加熱されるよう構成されている。
上述したような構成の2自由度振動型アクチュエータにおいては、第1の質量部2と第1の弾性連結部5とからなる第1の振動系と、第2の質量部1および11と第2の弾性連結部4とからなる第2の振動系とを構成する。
また、アクチュエータ100には、図示しない制御手段が設けられている。ピエゾ抵抗素子42と抵抗素子43とは、それぞれ制御手段に電気的に接続されており、制御手段には、ピエゾ抵抗素子42および抵抗素子43からの検出信号が、それぞれ、随時入力される。
この加熱部75の加熱と冷却(加熱の中止)とを所定のタイミングで交互に繰り返し行うことにより、第2の質量部1および11が振動し、それに伴って第1の質量部2が振動する。
前記関係を満たすことにより、L1およびL2をより小さくすることができ、第2の質量部1および11の回転角度をより大きくすることができ、第1の質量部2の回転角度をさらに大きくすることができる。
なお、前述したように、本実施形態では、L1とL2とは略等しく設定されているが、L1とL2とが異なっていてもよいことは言うまでもない。
また、第2の質量部1および11の平均厚さは、1〜1500μm程度であるのが好ましく、10〜300μm程度であるのがより好ましい。
第1の弾性連結部5のばね定数k1は、1×10−4〜1×104Nm/rad程度であるのが好ましく、1×10−2〜1×103Nm/rad程度であるのがより好ましく、1×10−1〜1×102Nm/rad程度であるのがさらに好ましい。これにより、第2の質量部1および11の振れ角を抑制しつつ、第1の質量部2の振れ角をより大きくすることができる。
第1の弾性連結部5のばね定数をk1、第2の弾性連結部4のばね定数をk2としたとき、k1とk2とが、k2>k1の関係を満足するのが好ましい。これにより、第2の質量部1および11の振れ角を抑制しつつ、第1の質量部2の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
前記のようにして求められる第1の振動系の固有振動数ω1と第2の振動系の固有振動数ω2とは、ω2>ω1の関係を満足するのが好ましい。これにより、第2の質量部1および11の振れ角を抑制しつつ、第1の質量部2の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
また、構造を簡易なものとすることができるため、高集積化、高密度化、低コスト化を図ることができる。
また、例えば、本発明のアクチュエータをレーザープリンタ等に用いた場合は、ポリゴンミラー等を用いた場合と比べて、より高解像度で品質のよい印字と高速印刷とを行うことができる。
フォトセンサは、第1の質量部2へ向けて光を照射する発光部と、この発光部から発せられ、第1の質量部2で反射した光(反射光)を受光し光電変換する受光部とを有し、第1の質量部2を反射した光が、受光部で受光されると、光電変換により、受光光量に応じた大きさの電圧(電流)が出力される。
なお、発光部としては、例えば、発光ダイオード、レーザダイオード等が挙げられ、受光部としては、例えば、フォトダイオード、フォトトランジスタ等が挙げられる。
また、レーザダイオードを用いた場合には、レーザー光を移動体に当てたとき、反射して戻ってくる光の振動数が移動体の速度に比例して変化する現象(ドップラー効果)を利用して移動体の速度を計測する方法であるレーザードップラー法を用いて第1の質量部2の回転角度を検出することもできる。
図3〜図5は、アクチュエータの製造方法の一例を示す工程図である。
本実施形態では、一例として、以下に示す第1〜第5の工程により、アクチュエータ100を製造する場合について説明する。
まず、ガラス基板60を用意する。
そして、図3(a)に示すように、ガラス基板60の上面に、凹部62、62および凹部71、71を形成する領域を除いた部分に対応するように、例えば、クロムや金、アルミニウム等により金属マスク63を形成する。
次に、このガラス基板60上に、図3(c)に示すように、加熱部75、75を形成する。
加熱部75、75は、ガラス基板60に金属膜を成膜し、加熱部75、75の形状に対応するマスクを介してチタンを下付けしたプラチナ、クロムを下付けした金等の金属膜や、ITO等の酸化物膜による導電膜のエッチングを行った後、マスクを除去することにより形成することができる。
次に、このガラス基板60上に、例えば、サンドブラスト等の方法により、貫通孔を形成する。これにより図3(d)に示すように、開口部61が形成される。
[第3の工程](薄膜形成工程)
次に、凹部71内に流体を封入する。この流体としては、特に限定されないが、例えば、窒素等の気体およびグリセリン、水等の液体が挙げられる。
また、有機物として例えば、ポリイミド膜を用いた場合には、ガラス基板60に対してポリイミド膜を接着剤にて接着した後に乾燥・固化させることにより、ガラス基板60と優れた接合信頼性で接合し得る薄膜72が形成される。
以上の工程により、図3(e)に示すように、凹部62、62(図示せず)、凹部71、71、薄膜72、72、加熱部75、75、開口部61が形成された対向基板6が得られる。
まず、図4(f)に示すように、シリコン基板105を用意する。
次に、図4(g)に示すように、第1の弾性連結部5、5に対応する部位にそれぞれピエゾ抵抗素子42および抵抗素子43を形成する。
次に、シリコン基板105の一方の面に、フォトレジストを塗布し、露光、現像を行う。これにより、第2の質量部1、11、第1の質量部2、支持部3、第2の弾性連結部4、4、第1の弾性連結部5、5の形状に対応するように、レジストマスク(図示せず)を形成する。
エッチング方法としては、例えば、プラズマエッチング、リアクティブイオンエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチング等の物理的エッチング法、ウェットエッチング等の化学的エッチング法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、以下の各工程におけるエッチングにおいても、同様の方法を用いることができる。
次に、第1の質量部2上に光反射部21を例えば、真空蒸着法等により成膜する。
以上の工程により、図4(d)に示すように、第2の質量部1、11、第1の質量部2、支持部3、第2の弾性連結部4、4、第1の弾性連結部5、5、光反射部21が形成された構造体140が得られる。
次に、前記第1〜3工程で得られた対向基板6と、前記第4工程で得られた構造体140とを、例えば、接着、陽極接合、合金接合等により接合して、図5に示すようなアクチュエータ100を得る。
なお、第4の工程は、第1〜第3の工程と同時に行ってもよいし、第1〜第3の工程よりも先に行ってもよい。
図6は、本発明のアクチュエータの第2実施形態を示す平面図、図7は、図6中のB−B線での縦断面図である。
以下、図6および図7に示すアクチュエータ100について、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
加熱部75の加熱により、流体74が、各流体室73間を自由に移動することにより、各流体室73の圧力を、それぞれ略一定とすることができるため、熱膨張力が、第2の質量部1および11に略等しく作用し、容易かつ確実に1対の第1の質量部を同期的に駆動することができる。これにより、第2の質量部の制御を簡易なものとすることができる。
図8は、本発明のアクチュエータの第3実施形態を示す平面図である。以下、図8に示すアクチュエータ100について、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態のアクチュエータ100は、図8に示すように、第1の質量部2が第2の質量部1、11に対して回動可能となるように、第2の質量部1、11と第1の質量部2とを連結する2対の第1の弾性連結部5’を有している。また、第2の質量部1、11が支持部3、3に対して回動可能となるように、第2の質量部1、11と支持部3、3とを連結する2対の第2の弾性連結部4’を有している。
このような構成とすることにより、より確実に第1の質量部2の振幅(回転)を制御することができる。
以上、本発明のアクチュエータ100を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、前述した実施形態では、第2の弾性連結部4を1対または2対有するものとして説明したが、これに限定されず、例えば、3対以上であってもよい。
また、前述した実施形態では、第1の弾性連結部5を1対または2対有するものとして説明したが、これに限定されず、例えば、3対以上であってもよい。
また、前述した実施形態では、第2の質量部1に対応する位置および第2の質量部11に対応する位置に、それぞれ熱膨張部7、7が設けられている構成について説明したが、これに限らず、例えば、第2の質量部1と第2の質量部11とのうちのいずれか一方の端部にのみ熱膨脹部7が設けられている構成であってもよいし、第2の質量部1、11の長手方向の両端部にそれぞれ熱膨張部7、7が設けられている構成、すなわち合計4つの熱膨張部7が設けられている構成であってもよい。
また、第2の質量部1および11の熱膨張部7と対向する面の表面に、短絡防止用の絶縁膜が設けられてもよい。
また、前述した実施形態では、加熱部75を流体室73内に設置した構成について説明したが、それに限られず、加熱部75が、流体室73外に設置された構成であってもよい。この場合、例えば、流体74に対して遠赤外線を照射したり、熱風を吹き付けたりすることにより流体74を加熱する構成であることが好ましい。
以上説明したようなアクチュエータは、例えば、レーザープリンタ、バーコードリーダー、走査型共焦点レーザー顕微鏡等の光スキャナ、チューナブルエタロン、イメージング用ディスプレイ等のMEMS(Micro Electro-Mechanical Systems)デバイスの駆動に好適に適用することができる。
Claims (7)
- 第1の質量部と、
前記第1の質量部を介して該第1の質量部の一端側と他端側とにそれぞれ設けられる1対の第2の質量部と、
前記第1の質量部と前記各第2の質量部とを支持する支持部と、
加熱により膨張する熱膨張部と、
前記第1の質量部と前記各第2の質量部とを、前記第1の質量部が前記各第2の質量部に対して回動可能となるように連結する、少なくとも1対の第1の弾性連結部と、
前記各第2の質量部と前記支持部とを、前記各第2の質量部が前記支持部に対して回動可能となるように連結する、少なくとも1対の第2の弾性連結部と、
前記各第2の質量部に対応して設置される対向基板とを有し、
前記各第2の質量部の厚さは、前記第1の質量部の厚さよりも厚く、かつ前記各第2の質量部の前記対向基板側の面は、前記第1の質量部の前記対向基板側の面よりも前記対向基板側に位置し、
前記熱膨張部は、前記対向基板の前記第2の質量部側の面に開放し、前記第2の質量部の一端側に対応するように形成された凹部および前記凹部を覆うように設けられた弾性変形可能な薄膜で構成された一対の流体室と、前記一対の流体室を連結する流路と、前記流路の内部に設けられた加熱部と、前記各流体室および前記流路に封入された流体とを有し、前記加熱部が加熱されることにより前記流体が膨張して前記各薄膜が突出変形し、突出変形した前記各薄膜により前記各第2の質量部が押圧され、これにより、前記各第2の質量部が同期的に駆動し、それに伴い前記第1の質量部が回動することを特徴とするアクチュエータ。 - 前記熱膨張部の温度を検出する温度検出手段を有する請求項1に記載のアクチュエータ。
- 前記温度検出手段は、前記熱膨張部に非接触でその温度を検出し得るものである請求項2に記載のアクチュエータ。
- 前記熱膨張部の膨張時において、前記第1の質量部または前記第2の質量部の変位を測定する変位測定手段を有する請求項1ないし3のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記変位測定手段は、前記1対の第1の弾性連結部および前記1対の第2の弾性連結部のうち少なくとも1つの内部に設けられるピエゾ抵抗素子を有する請求項4に記載のアクチュエータ。
- 前記変位測定手段は、前記第1の質量部および前記第2の質量部に非接触でその変位を検出し得るものである請求項4に記載のアクチュエータ。
- 前記温度検出手段および/または前記変位測定手段の検出結果に基づいて、前記熱膨張部の膨張量を制御するよう構成されている請求項2ないし6のいずれかに記載のアクチュエータ。
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