JP4411869B2 - 電子機器、電子機器の制御方法、そのプログラム、記録媒体 - Google Patents

電子機器、電子機器の制御方法、そのプログラム、記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、時刻情報を含んだ外部無線情報を受信して時刻修正を行う電波修正時計に代表される電子機器、および、この電子機器の制御方法、プログラム、記録媒体に関する。
【0002】
【背景技術】
時刻情報が重畳された長波標準電波を受信し、時計内部の時刻との差異を修正して時刻修正を行う電波修正時計が知られている。
このような電波修正時計において、受信時に時計周囲や時計内部に磁界ノイズが発生すると、そのノイズが標準電波に影響を及ぼし、受信データが信頼できない場合が生じることが考えられる。
このような磁界ノイズの影響を考慮し、磁界ノイズの発生原因となる時計内部の電磁発電機が発電した場合には、受信を禁止したり、受信データを無効にすることで磁界ノイズが影響したデータを利用しないようにする技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−166071号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電磁発電機が発電していても、電波の強さや受信状態によっては正常なデータが受信できる場合も考えられるが、前記先行技術では、発電機が発電している間に受信したデータは全て無効にしてしまうため、受信動作を行いながらもデータを利用しないことになり、電力を無駄に消費してしまうとともに、受信タイミングにたまたま発電状態が重なると、長期間、受信データで時刻修正を行うことができなくなり、時刻指示精度が低下するという問題があった。
【0005】
また、内部の発電機による磁界ノイズの影響は排除されているが、時計外部の磁界ノイズが標準電波に影響し、受信データが不正確になった場合には、その受信データで時刻を修正してしまうため、修正された時刻が不正確になってしまうことも考えられる。
さらに、磁界ノイズ以外の何らかの異常、例えば電源電圧の低下等によって受信データが不正確になる可能性もあり、この場合にも修正された時刻が不正確になってしまうという問題がある。
【0006】
このような問題は、腕時計や置き時計タイプの電波修正時計からなる電子機器に限らず、携帯電話、電子おもちゃ、タイマー等の電波修正時計機能が組み込まれた各種電子機器においても発生する問題である。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑み、消費電力を抑えることができ、かつ、正確な時刻修正を行うことができて時刻指示精度を向上できる電子機器、電子機器の制御方法、そのプログラム、記録媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子機器は、時刻情報を含んだ外部無線情報を受信する外部無線情報受信部と、基準クロックに基づいて内部時刻を計時する内部時刻計時部と、前記外部無線情報受信部で受信した時刻情報である外部時刻データおよび前記内部時刻計時部で計時された内部時刻データを比較してその差異量を出力する時刻データ比較部と、前記内部時刻を修正する内部時刻修正制御部と、前記外部無線情報受信部によって前記外部無線情報を受信した時期を示す受信時期データおよびその際の前記差異量を示す差異量データの各データが記憶される受信情報記憶部と、前記受信時期データ、差異量データおよび前回受信時からの経過時間によって予測修正量を算出する予測修正量算出部と、前記予測修正量に基づいて設定された判定基準値および前記差異量を比較して前記外部時刻データが正しい時刻データであるかを判断する判断部と、理制御部と、を備え、前記判定基準値は上限値および下限値を有する所定範囲の値であり、前記処理制御部は、前記差異量が前記判定基準値の範囲内であり、前記判断部において前記外部時刻データが正しい時刻データであると判断された場合に、前記内部時刻修正制御部に対して前記差異量に基づいて前記内部時刻を修正させる内部時刻修正指示部と、前記差異量が前記判定基準値の範囲外であり、前記判断部において前記外部時刻データが正しい時刻データではないと判断された場合に、前記内部時刻修正制御部に対して前記予測修正量に基づいて前記内部時刻を修正させる予測修正量修正制御部と、を有することを特徴とする。
【0009】
このような本発明においては、外部無線情報受信部で外部無線情報を受信すると、受信した時刻情報(外部時刻データ)は、時刻データ比較部において、電子機器内部で作られる基準クロックに基づいて計時された内部時刻データと比較されて差異量が出力され、この差異量および受信時期の各データは受信情報記憶部に記憶される。
さらに、予測修正量算出部において、受信時期データ、差異量データ等に基づいて予測修正量を算出し、判断部において、予測修正量に基づいて設定される判定基準値と差異量とを比較し、外部時刻データが正しい時刻データであるかを判断する。
ここで、判定基準値としては、通常は、上限値および下限値を有する所定範囲の値で設定し、差異量がこの判定基準値の範囲内であれば、前記外部時刻データは正しいと判断し、判定基準値の範囲外であれば前記外部時刻データは正しくないと判断すればよい。
この判定基準値は、具体的には、以下のようにして設定することができる。例えば、予測修正量に対して所定係数(例えば、1.0、1.5、2.0等)を掛けて算出し、この算出値を上限値または下限値とし、その値の符号を変えたものを下限値または上限値としてもよい。この場合、差異量の絶対値が前記判定基準値の絶対値(上限値および下限値のいずれの絶対値も同じ)以下であるか、あるいは越えているかで判断することができる。
また、判定基準値としては、予測修正量を中心値とした所定範囲で設定することもできる。例えば、予測修正量に対して所定係数(例えば、1.0、1.5、2.0等)を掛けて算出値を求め、(算出値−予測修正量)の絶対値を、前記予測修正量に対してプラスマイナスして上限値および下限値を設定してもよい。
さらに、判定基準値としては、予測修正量に対して所定係数(例えば、1.0、1.5、2.0等)を掛けて算出値を求め、この算出値を上限値(算出値が正の値の場合)または下限値(算出値が負の値の場合)に設定し、「0(零)」を下限値または上限値として設定してもよい。
【0010】
差異量が予測修正量に基づく判定基準値の範囲内と小さければ、その差異量つまりは受信時刻データは内部時刻計時部で計時された内部時刻や予測修正量で修正したほぼ実際の時刻データに極めて近い時刻データとなる。ここで、近年の一般的なクオーツ時計の精度は、月差20秒以下(日差1秒以下)であることを考慮すれば、受信時刻データが内部時刻に近いものである場合、通常は、その時刻データは正しい時刻を表すことになる。
従って、差異量を判定基準値と比較することで、受信時刻データが正しい時刻データであるかを検証することができる。このため、複数フレーム分の受信時刻データを受信しなければ、そのデータが正しいかを検証できない従来技術に比べて、本発明は、最小限、例えば1フレーム分の受信時刻データであっても検証することができ、その分、受信処理を短縮できて消費電力を少なくすることができる。
従って、この差異量と判定基準値との比較によって受信時刻データが正しいか否かを判断し、正しいと判断した場合のみ、差異量に基づいて内部時刻修正を行えば、消費電力を抑えつつ、正確な時刻に修正できて時刻指示精度を向上できる。一方で、差異量と判定基準値との比較によって、受信時刻データが正しくないと判断された場合には、再受信を行ったり、差異量ではなく予測修正量に基づいて内部時刻修正を行えば、正しくない差異量で修正する場合に比べ、より正確な時刻に修正できて時刻指示精度を向上できる。
【0011】
差異量が判定基準値の範囲内であれば、受信時刻データは正しいデータと判断できる。このため、受信時刻データを1フレーム分のみ受信した場合でも、そのデータ検証を行うことができ、受信時間を短縮できて省電力化を図ることができるとともに、正しい時刻に修正できて時刻指示精度を向上できる。
差異量が判定基準値の範囲外であり、受信時刻データが正しくないデータと判断した際に、予測修正量で内部時刻を修正すれば、外部無線情報を受信できない状態でも内部時刻を修正できて時刻のズレの発生を抑えることができ、時刻指示精度を向上できる。
【0014】
前記処理制御部は、前記差異量が前記判定基準値の範囲外であり、前記判断部において前記外部時刻データが正しい時刻データではないと判断された場合に、前記外部無線情報受信部に対して再受信を指示する再受信制御部を有し前記予測修正量修正制御部は、前記再受信制御部によって所定回数再受信を行っても前記差異量が前記判定基準値の範囲外である場合に、前記内部時刻修正制御部に対して前記予測修正量に基づいて前記内部時刻を修正させることが好ましい。
本発明では、差異量が判定基準値の範囲外である場合に、まず、再受信処理を行い、再受信処理でも差異量が判定基準値の範囲外である場合に、予測修正量に基づいて内部時刻を修正しているので、再受信によって正しい時刻データが受信できれば、より精度の高い時刻指示を行うことができ、かつ、外部磁界の影響などによって再受信を行っても正しい時刻データを受信できない場合には、再受信処理を所定回数で打ち切って予測修正量に基づく時刻修正を行うため、無駄な受信処理の継続を防止できて消費電力を軽減でき、かつ、時刻指示精度も向上できる。
【0015】
前記判定基準値は、予測修正量に、所定係数を乗じた値が上限値または下限値として設定されていることが好ましい。なお、通常、予測修正量が正の値であれば、所定係数を乗じた値は上限値となり、負の値であれば下限値となる。
受信時刻データにノイズなどが含まれている場合、その差異量(受信時刻データと内部時刻データの差)は、通常、非常に大きく、数分から数十分あるいは数時間もの差となることもありうる。一方で、受信時刻データが正しい場合、その差異量は、通常、1〜数秒以内と非常に小さい。従って、判定基準値としては、予測修正量と同じにする必要はなく、予測修正量の2〜3倍程度にしても十分に判定可能である。そして、ある程度のマージン(余裕)を見込んで判定基準値を設定しておくことで、実際には正しい受信データにもかかわらず、判定基準値が小さいために間違って判断されることを防止でき、正確な判断を行うことができる。
【0016】
ここで、前記所定係数を設定する判定基準値設定部を有することが好ましい。判定基準値設定部を備えていれば、利用者などが受信状況などに応じて前記倍率(所定係数)を調整でき、適切な制御を行うことができる。
【0017】
本発明の電子機器の受信制御方法は、時刻情報を含んだ外部無線情報を受信する外部無線情報受信部と、基準クロックに基づいて内部時刻を計時する内部時刻計時部と、前記内部時刻を修正する内部時刻修正制御部とを有する電子機器の制御方法であって、前記外部無線情報受信部で受信した時刻情報である外部時刻データおよび前記内部時刻計時部で計時された内部時刻データを比較してその差異量を出力する時刻データ比較工程と、前記外部無線情報受信部によって前記外部無線情報を受信した時期を示す受信時期データおよびその際の前記差異量を示す差異量データの各データを記憶する受信情報記憶工程と、前記受信時期データ、差異量データおよび前回受信時からの経過時間によって予測修正量を算出する予測修正量算出工程と、前記予測修正量に基づいて設定された判定基準値および前記差異量を比較して前記外部時刻データが正しい時刻データであるかを判断する判断工程と、理制御工程と、を備え、前記判定基準値は上限値および下限値を有する所定範囲の値であり、前記処理制御工程は、前記差異量が前記判定基準値の範囲内であり、前記判断工程において前記外部時刻データが正しい時刻データであると判断された場合に、前記内部時刻修正制御部に対して前記差異量に基づいて前記内部時刻を修正させる内部時刻修正指示工程と、前記差異量が前記判定基準値の範囲外であり、前記判断工程において前記外部時刻データが正しい時刻データではないと判断された場合に、前記内部時刻修正制御部に対して前記予測修正量に基づいて前記内部時刻を修正させる予測修正量修正制御工程と、を有することを特徴とする。
【0018】
このような本発明においては、外部無線情報受信部で外部無線情報を受信すると、受信した時刻情報は時刻データ比較工程で、電子機器内部で作られる基準クロックに基づいて計時された内部時刻データと比較されて差異量が出力され、この差異量および受信時期の各データは受信情報記憶工程で記憶される。
さらに、予測修正量算出工程において、受信データに基づいて予測修正量を算出し、判断工程において、予測修正量に基づいて設定される判定基準値と、差異量とを比較しているので、受信時刻データが正確であるかを検証できる。従って、その結果に基づいて、受信処理や時刻修正処理等の所定の処理を行うことで、正確な時刻修正を行うことができ、消費電力を減少することもできる。
【0019】
本発明のプログラムは、電子機器に組み込まれたコンピュータに、前記制御方法を実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
また、本発明の記録媒体は、前記プログラムを記録したコンピュータによる読み出し可能な記録媒体であることを特徴する。
これらの各発明においても、前述した電子機器や電子機器の制御方法と同じ作用効果を奏することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1には、第1実施形態の電波修正時計1の回路構成が示され、図2にはその要部の回路構成が示されている。
電波修正時計1は、時刻情報が重畳された長波標準電波(外部無線情報)を受けるアンテナ21と、アンテナ21で受けた長波標準電波を処理して時刻情報(タイムコード)として出力する受信手段としての受信回路22と、受信回路22から出力された時刻情報を記憶するデータ記憶回路23と、制御回路24と、時刻を表示する表示部28の駆動を制御する表示駆動回路25と、各回路を駆動する電池等からなる電源27と、時針、分針、秒針等の指針28A、およびその指針28Aを駆動する輪列28Bおよびモータ28C等で構成された表示部28とを備えて構成されている。
【0021】
アンテナ21は、フェライト棒にコイルを巻いたフェライトアンテナ等で構成されている。
受信回路22は、図示しない増幅回路、バンドパスフィルタ、復調回路、デコード回路等を備え、受信した電波からデジタルデータからなる時刻情報(タイムコード)を取り出してデータ記憶回路23に記憶させる。
従って、アンテナ21、受信回路22およびデータ記憶回路23によって外部無線情報受信部が構成されている。
【0022】
データ記憶回路23に記憶された時刻情報は、制御回路24で処理される。この制御回路24の構成を、図2に示す。
制御回路24は、発振回路51、分周回路52、時刻カウンタ53、比較回路54、内部時刻修正制御部55、処理制御部56、判断部57、受信情報記憶部58、予測修正量算出部59、判定基準値作成部60、判定基準値設定部61、受信スケジュール制御部62、外部受信操作部63を備えて構成されている。
処理制御部56は、再受信制御部71および内部時刻修正指示部72を備えて構成されている。
【0023】
発振回路51は、水晶振動子等の基準発振源50を高周波発振させ、分周回路52はその発振信号を分周して所定の基準信号(基準クロックであり、例えば1Hzの信号)として出力する。時刻カウンタ53は、この基準信号をカウントして現時刻(内部時刻データ)を計時する。したがって、これらの発振回路51,分周回路52、時刻カウンタ53により内部時刻を計時する内部時刻計時部が構成されている。そして、時刻カウンタ53が1つカウントアップする度に表示駆動回路25に駆動信号が出力され、指針28A、輪列28B、ステッピングモータ28Cからなる表示部28を駆動している。
ここで、指針28Aの位置つまり指針28Aが指示している時刻(内部時刻データ)は、時刻カウンタ53の値で検出されている。
【0024】
比較回路54は、データ記憶回路23に記憶された時刻情報(外部時刻データ)が正しい時刻データであるかを判断可能に構成されるとともに、正しい時刻データであれば、時刻カウンタ53のカウンタ値つまり内部時刻データ(現時刻データ)との差異量を出力するように構成されている。従って、比較回路54により、時刻データ比較部が構成されている。
なお、受信した時刻情報が正確であるかの判断方法は、従来の電波修正時計で利用されている各種方法が採用できる。例えば、68分等のように非存在の時間や日になっていないかという点と、各時刻データ同士がそれぞれ予想される時刻を表しているか、つまり連続して受信した時刻データであればそれぞれが1分毎の時刻データとなっていると予測されるため、各データがそのような時刻になっているかという点とから、正確な時刻データとなっているかを確認する方法などが採用できる。
また、本実施形態では、内部時刻データとして、時刻カウンタ53の出力データを利用していたが、図2において輪列28B、指針28Aからの点線で示すように、輪列28Bの所定の歯車の回転位置や指針28Aの位置を直接検出する針位置検出回路を設け、この針位置検出回路の針位置データを利用してもよい。
但し、時刻カウンタ53の出力を利用した方が、光センサ等で構成される針位置検出回路26を設ける必要が無く、部品点数を少なくできる利点がある。
【0025】
内部時刻修正制御部55は、比較回路54から出力される差異量に基づいて時刻カウンタ53の値を修正し、表示駆動回路25を介して表示部28の時刻表示を修正する。内部時刻修正制御部55は、さらに、前記差異量および時刻修正時期つまり外部無線情報を受信した時期の各データを受信情報記憶部58に記憶する。
受信情報記憶部58には、図3に示すように、受信時期、差異量の各データが最新受信時点から過去7回分まで遡って記憶されている。また、差異量(秒)/受信間隔(日)で求められる時刻修正値(秒/日)も演算されて記憶されている。
【0026】
予測修正量算出部59は、受信情報記憶部58に記憶された複数のデータを用いて予測修正量を算出する。例えば、7個の差異量(時刻修正値)のデータから最小2乗法などで回帰直線等の回帰方程式を求め、最新受信時期からの所定経過時間後、例えば1日後における予測修正量を回帰方程式に基づいて算出している。例えば、予測修正量(秒)=0.21秒/日×日数で求められる場合、1日後の予測修正量は0.21秒となる。
【0027】
判定基準値作成部60は、予測修正量に基づいて判定基準値を算出する。本実施形態では、予測修正量に少なくとも1以上の所定係数を乗じた値を求め、この値と予測修正量の差を前記予測修正量にプラスマイナスすることで上限値および下限値を有する所定範囲の判定基準値を設定している。すなわち、判定基準値は、後述するように、受信時刻データが正しいか否かを概ね判断するためのものなので、厳密さは要求されない。このため、予測修正量に対して所定係数(例えば、1.0、1.5、2.0、2.5等の1以上の値)を乗じて上限値または下限値を設定し、前記予測修正量を中心値として設定している。例示すれば、例えば、予測修正量が0.2秒であり、所定係数が1.5の場合、判定基準値の上限値は0.2秒×1.5=0.3秒であり、下限値は、0.2秒−(0.3秒−0.2秒)=0.1秒であり、予測修正量0.2秒を中心値とし、0.3秒から0.1秒の範囲が判定基準値となる。また、例えば、予測修正量が−0.2秒であり、所定係数が1.5の場合、判定基準値の下限値は−0.2秒×1.5=−0.3秒であり、上限値は、−0.2秒−(−0.3秒+0.2秒)=−0.1秒であり、予測修正量−0.2秒を中心値とし、−0.1秒から−0.3秒の範囲が判定基準値となる。
【0028】
判定基準値設定部61は、前記所定係数(倍率)を利用者の操作に応じて任意に設定できるように構成されている。この際、所定係数は、予め設定されたものから選択するようにしてもよいし、利用者が直接入力できるようにしてもよい。従って、例えば、係数予測修正量が0.20秒、所定係数が1.5であれば、前述のように判定基準値は0.30秒〜0.1秒となり、予測修正量が0.10、所定係数が2.0であれば、判定基準値は0.20秒〜0.0秒となり、予測修正量が0.15、所定係数が2.5であれば、判定基準値は0.375秒〜−0.075秒となる。
【0029】
判断部57は、比較回路54から出力される差異量と、判定基準値作成部60から出力される判定基準値とを比較し、その判定結果信号を処理制御部56に出力する。具体的には、判断部57は、差異量が判定基準値の範囲内であるか、範囲外であるかを判断し、その結果を出力する。
【0030】
処理制御部56は、判断部57から差異量が判定基準値の範囲外であることを示す信号が出力された場合には、再受信制御部71を作動する。すなわち、差異量(受信時刻データと内部時刻データの時刻差)が判定基準値の範囲外で大きいため、受信時刻データにノイズが含まれている可能性が高いため、新たな電波を受信し直すためである。
このため、再受信制御部71は、受信回路22を作動し、標準電波の再受信処理を実行する。なお、差異量が予測修正量から大きく外れているということは、例えば、電波修正時計が外部磁界下にあったり、電源低下時の受信不備等の受信時刻データに問題があって差異量が外れている可能性がある。従って、前回の受信から所定時間(例えば、1時間等)経過してから受信動作に入ることが好ましい。
処理制御部56は、再受信制御部71によって再受信した結果、再度、差異量が判定基準値の範囲外である場合は、再受信制御部71を再度作動させて再受信処理を実行させる。そして、この再受信処理を複数回繰り返しても、差異量が判定基準値の範囲内とならない場合には、処理制御部56は再受信制御部71つまりは受信回路22の作動を停止する。この場合は、受信スケジュール制御部62によって受信処理が指示されるか、または、外部受信操作部63によって利用者が受信処理を指示する場合まで、受信回路22による受信は停止される。
【0031】
一方、処理制御部56は、判断部57から差異量が判定基準値の範囲内であることを示す信号が出力された場合には、内部時刻修正指示部72を作動する。すなわち、差異量(受信時刻データと内部時刻データの時刻差)が判定基準値の範囲内と小さければ、その受信時刻データは正しいものと推定できるので、受信時刻データに基づいて時刻を修正すればよい。従って、内部時刻修正指示部72は、内部時刻修正制御部55を作動し、内部時刻修正制御部55は、時刻カウンタ53の内部時刻データを差異量に応じて修正し、内部時刻データを受信時刻データに一致させる。
【0032】
受信スケジュール制御部62は、受信回路22を定期的に作動させる受信処理スケジュールを管理して受信回路22に受信処理を実行させるものである。
なお、受信スケジュール制御部62は、通常は、1日1回、例えば、午前2時などに電波受信を実行させるように受信回路22を制御しているが、例えば、図4に示すように複数の受信スケジュールを設定し、利用者の指示や差異量の大きさ等に応じて受信スケジュールを切り替えて実行できるように構成してもよい。
【0033】
外部受信操作部63は、利用者が強制的に電波受信処理を実行できるように設けられたものである。例えば、りゅうずや所定のボタン等を操作すると受信回路22が作動し、受信スケジュールに関係なく電波受信処理を実行するようにされている。なお、外部受信操作部63による強制受信後も、受信スケジュール制御部62の受信処理後と同様に、判断部57での判定に基づいて処理制御部56による制御が実行される。
【0034】
このような構成からなる電波修正時計1の動作を図5〜8のフローチャートを参照して説明する。
制御回路24は、通常時は、発振回路51、分周回路52を介して出力される1Hz等の基準クロックを時刻カウンタ53でカウントすることで現時刻を計時する。そして、時刻カウンタ53のカウンタ値の変化に伴い表示駆動回路25から表示部28のステッピングモータ28Cに駆動パルスが出力され、各指針28Aが作動される。
【0035】
また、制御回路24の受信スケジュール制御部62は、作動を開始すると、まず、受信回数を示す変数N1を初期値0にする(ステップ1、以下ステップを「S」と略す)。
次に、受信スケジュール制御部62は、外部受信操作部63による強制受信の指示があるか否かを判定する(S2)。強制受信の指示が無ければ、受信時期に達したか否かを判定する(S3)。
例えば、1日に1回、午前2時に受信処理を行うスケジュールが設定されている場合、受信スケジュール制御部62は、内部時刻データが設定された受信時期、例えば午前2時になったか否かを判断する(S3)。そして、受信時期に達した場合には、受信スケジュール制御部62は、受信回路22を駆動して電波受信処理を行う(S4)。
【0036】
受信回路22が作動されると、標準電波がアンテナ21で受信され、受信回路22を介して時刻データ(時刻情報)がデータ記憶回路23に記憶される。受信スケジュール制御部62は、3分ほど受信回路22を作動させて3フレーム分の時刻情報を受信すると、受信回路22を停止する。
そして、比較回路54は、データ記憶回路23に記憶された時刻情報が正確な時刻データとなっているかを確認して受信成功か否かを判定する(S5)。
【0037】
S5で受信成功と判定されると、比較回路54は受信した時刻情報と時刻カウンタ53でカウントされている内部時刻データ(現時刻)との差異量を算出し、内部時刻修正制御部55に出力する。
内部時刻修正制御部55は、その差異量データを用いて時刻カウンタ53のデータを修正し、表示駆動回路25を介して表示部28の現時刻表示を修正する(S6)。
【0038】
また、内部時刻修正制御部55は、前記差異量つまり時刻の修正量データと、受信時刻つまり修正時期データとを受信情報記憶部58に記憶する(S7)。
そして、制御回路24は、1回目の受信が行われたために受信回数N1に1をプラスし(S8)、受信回数N1が設定回数、本実施形態では7回以上であるか否かを判定する(S9)。なお、この設定回数は、予め固定値として設定しておいてもよいし、利用者が適宜変更できるようにしてもよい。さらに、設定回数は、7回に限らず、1回でもよいし、2〜6回でもよく、さらには8回以上でもよい。
【0039】
S9でN1が7回未満である場合、または、S5で比較回路54により受信に失敗と判断された場合は、強制受信があるか(S2)、受信時期に達するまで待ち(S3)、強制受信が指示されたり、受信時期になれば上記処理S4〜S9を繰り返す。
一方、制御回路24は、S9で受信回数N1が7回以上であると判定された場合、予測修正量算出部59によって予測修正量の算出処理を実行させ(S10)、さらに判定基準値作成部60によって判定基準値の算出処理を実行させる(S11)。
そして、図5に示す作動開始後の初期の受信制御処理を終了し、図6に示す通常時の受信制御処理を実行する。
【0040】
通常時の受信制御処理は、図6に示すフローチャートに基づいて実行される。
まず、受信スケジュール制御部62は、受信時期に達したか否かを判定する(S21)。
ここで、受信時期に達すると、受信スケジュール制御部62は受信回路22を作動して受信を行う(S22)。この際、図5の受信処理(S4)では3フレーム分受信していたが、この受信処理(S22)では、1フレーム分の受信を行っている。すなわち、S4の受信処理では、受信データが正しいかを判断するために複数のデータを受信して比較照合していたが、S22の受信処理では、判定基準値を用いて受信データの評価を行えるため、1フレーム分のみを受信すればよいためである。
但し、S22の受信処理においても、複数フレーム分を受信し、各フレームデータ同士の照合と、判定基準値との比較の2重のチェックを行ってもよい。この場合、受信データが正確かをより厳重に判断できる。
【0041】
受信回路22が作動されると、標準電波がアンテナ21で受信され、受信回路22を介して時刻データ(時刻情報)がデータ記憶回路23に記憶される。受信スケジュール制御部62は、1分ほど受信回路22を作動させて1フレーム分の時刻情報を受信すると、受信回路22を停止する。
そして、比較回路54は受信した時刻情報と時刻カウンタ53でカウントされている内部時刻データ(現時刻)との差異量(秒)を算出し、判断部57に出力する(S23)。なお、差異量は、内部時刻修正制御部55にも出力されるが、内部時刻修正制御部55は内部時刻修正指示部72からの指示があるまで時刻修正を行わないように制御されている。
【0042】
判断部57は、S11で算出した判定基準値(秒)と前記差異量(秒)とを比較する(S24)。
ここで、判断部57から差異量が判定基準値の上限値および下限値間ではないこと、つまり判定基準値の範囲外であることを示す信号が処理制御部56に出力されると、処理制御部56は再受信制御部71を作動し、再受信処理を指示する。
再受信制御部71は、予め決められた所定時間待機し(S25)、その後、受信回路22に対し電波受信を指示する(S22)。
その後は、前記S23〜24を行い、差異量つまり受信データが判定基準値の範囲内になるまで、再受信を繰り返す。
【0043】
一方、判断部57から差異量が判定基準値の範囲内であることを示す信号が処理制御部56に出力されると、内部時刻修正指示部72は、内部時刻修正制御部55に時刻修正を指示し、内部時刻修正制御部55は前記差異量を用いて時刻カウンタ53の内部時刻データを修正し(S26)、表示駆動回路25を介して表示部28の指針28Aを動かして現時刻表示を修正する(S27)。
さらに、内部時刻修正制御部55は、前記差異量つまり時刻の修正量データと、受信時刻つまり修正時期データとを受信情報記憶部58に記憶し(S28)、予測修正量の算出処理(S29)、判定基準値の算出処理(S30)を順次実行し、次回受信時に使用する判定基準値を求めておく。
以上のS21〜S29の処理を順次繰り返すことで、通常時の受信制御処理が実行される。
【0044】
なお、受信情報記憶部58に記憶されるデータの数は、スタート時点から受信に成功したすべてのデータを記憶し、その中で最新の7個のデータを利用して時刻修正値(秒/日)の平均値等を求めても良いが、記憶容量の点からは常に7個のデータのみを記憶し、新たなデータが記憶された場合には、最も古いデータが消去されるようにしてもよい。従って、時刻修正値の平均値は、あくまでも受信に成功した際の時刻修正値に基づく平均値であり、予測修正量を含むものではない。
【0045】
次に、本実施形態での具体的な処理を図7を参照して説明する。
受信データが図7(1)に示すような時刻修正値(秒/日)であり、1〜7日目までの受信および修正が行われた7日間の時刻修正値の平均値は約0.21秒/日であった場合、8日目における予測修正量は0.21秒/日×1日=0.21秒と予測できる。そして、この予測修正量に対し、所定の係数、例えば1.5を乗じて判定基準値(秒)の上限値又は下限値を求めておく。この例では、予測修正量が正の値であるため、判定基準値の上限値は0.315秒となり、下限値は、0.105秒となる。つまり、判定基準値は0.21秒±0.105秒となる。
この状態で、受信スケジュールに基づいて8日目に標準電波を受信し、前記差異量が0.20秒の場合、この差異量は判定基準値の範囲内であり、受信した時刻データは内部時刻データに近い時刻データであるから、その受信データは正しいものと判断できる。このため、この受信データに基づく差異量0.20秒で内部時刻データを修正することで、正しい時刻に修正できる。
そして、8回目で受信したデータに基づく差異量および受信時期データを受信情報記憶部58に記憶し、2〜8回の最新の7回分の上記データに基づいて9日目の予測修正量および判定基準値を新たに算出する。9日目に受信したデータに基づく差異量が上記判定基準値の範囲内であるので、その差異量で内部時刻データを修正する。同様の処理を行って、10日目から15日目まで内部時刻データを修正する。
【0046】
一方、16日目については、最新の7回分(9日目〜15日目)の時刻修正値(秒/日)の平均値が0.22秒/日となっており、16日目の予測修正量が0.22秒/日×1日=0.22秒、判定基準値の上限値が0.22秒×1.5=0.33秒、下限値が0.11秒となる。これに対し、16日目の受信データに基づく差異量は0.37秒(時刻修正値は0.37秒/日)である。従って、差異量が判定基準値の範囲外であるから、その受信データは間違っているものと判断できるため、この受信データに基づく差異量では内部時刻データの修正は行わない。このため、再受信制御部71によって時刻データを再受信し、再受信時刻データの差異量が判定基準値の範囲内となれば、ノイズの影響を軽減できている受信データを利用することになり、正しい時刻に修正できる。
17日目は、16日目で再受信した結果、差異量が判定基準値の範囲内となれば、その差異量を採用し、前述のように過去7日の差異量(時刻修正値)の平均値から求められる予測修正量に基づく判定基準値を利用して受信データを評価判断することになる。
なお、仮に受信が1日おいて行われた場合、前記予測修正量は、時刻修正値の平均値(0.22秒/日)に2日を乗じた0.44秒となる。従って、判定基準値は、0.66秒〜0.22秒の範囲となり、受信時の差異量が前記範囲内であればその差異量で時刻修正を行い、範囲外であれば再受信処理が行われる。
【0047】
ここで、図7のグラフにおいて、「●」印は、3フレーム分を受信する初期の受信処理および修正が行われた場合の各日における受信時刻と内部時刻との比較による時刻修正値を示す。「△」印は、判定基準値範囲内と判断され、修正が行われた場合の時刻修正値を示す。「×」印は、受信データの差異量が判定基準値範囲外となったために再受信処理を行った場合を示す。なお、1日1回の受信を行っている場合、時刻修正値(秒/日)の数値と、差異量(秒)とは一致することになるため、図7のデータ値は差異量の値とみなすこともできる。
【0048】
また、図7(2)に示すように、各時刻修正値がほぼ一定の傾向を示しており、それらの回帰方程式(回帰直線100等)にほぼ沿っている場合も、予測修正量と受信時刻データの差異量が、判定基準値(B1)つまり差異量が予測修正量を中心とする範囲B内に入っている場合には、その時刻データは正しいものと判断できるので、受信データに基づく差異量により時刻修正が行われる。一方、差異量が前記判定基準値を超えた場合には、再受信処理を行えばよい。
【0049】
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1) 本実施形態では、予測修正量算出部59によって算出された予測修正量に基づいて判定基準値を算出し、この判定基準値と受信時刻データの差異量とを比較しているので、受信時刻データが正しいか否かを簡単にかつ正確に行うことができる。例えば、従来であれば、3フレーム分(3分間)のデータを受信しなければならないのに対し、本実施形態では最初の7回のみ3フレーム分の受信が必要であるが、その後は、1フレーム分(1分間)のデータ受信のみでよく、受信処理を短時間で行えて消費電力を減少できる。
その上、差異量が判定基準値の範囲内の場合のみ、つまり正しい時刻データを受信できた場合のみ、その差異量に基づく時刻修正を行っているので、時刻指示精度を向上することができる。従って、電力消費の低減と、時刻指示精度の向上という両立が難しい技術的効果を同時に達成することができる。
【0050】
(2) さらに、処理制御部56は、差異量が判定基準値の範囲外である場合には、再度受信処理を行い、適切なデータを受信できるまで再受信処理を繰り返しているので、正しいデータを確実に受信でき、精度の高い時刻指示を行うことができる。
また、この再受信処理の場合、所定時間待機し、設定時間経過後に再受信処理を行っているので、一時的に外部磁界の影響が強い場所にいたために正しい時刻データを受信できなかった場合でも、一定時間経過後であれば、その場所から移動している可能性が高く、次の受信処理時には正しいデータを受信できる可能性が高くなる。このため、一定時間待機することで、再受信処理を繰り返す回数を少なくでき、省電力化を図ることができる。
【0051】
(3) 複数回の受信処理によって得られた受信時期データ、差異量データに基づいて、予測修正量つまりは判定基準値を算出するようにしているので、1回の受信時のデータのみで判定基準値を算出する場合に比べて、判定基準値をより正確にでき、精度の高い判定を行うことができる。
【0052】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態について、図8〜9を参照して説明する。なお、本実施形態において、前記第1実施形態と同一または同様の構成要素には同一符号を付し、説明を省略する。
【0053】
第2実施形態の電波修正時計1は、図8に示すように、第1実施形態の構成に対し、再受信制御部71の代わりに、予測修正量修正制御部73を設けた点のみが相違し、その他の構成は第1実施形態と同一である。
予測修正量修正制御部73は、内部時刻修正制御部55に対し、予測修正量算出部59で算出され送信された予測修正量データに基づいて時刻カウンタ53の内部時刻データを修正させるように制御するものである。
従って、第2実施形態では、図5に示す初期の受信制御処理を行った後、図9に示す通常の受信制御処理を行う。そして、図9のフローチャートに示すように、差異量が判定基準値の範囲内であれば、第1実施形態と同様に、内部時刻修正指示部72の指示により、内部時刻修正制御部55は、差異量に基づいて時刻カウンタ53の内部時刻データを修正する(S26)。
一方、差異量が判定基準値の範囲外である場合には、再受信処理は行われず、予測修正量修正制御部73の指示により、内部時刻修正制御部55は、予測修正量に基づいて時刻カウンタ53の内部時刻データを修正する(S31)。その他の処理は前記図6に示す第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
【0054】
このような本実施形態においては、前記第1実施形態の(1),(3)と同様の作用効果を奏することができる上、次の効果もある。
(4) 差異量が判定基準値の範囲外である場合、再受信処理を行わずに、予測修正量で時刻カウンタ53のデータを修正しているので、再受信処理を行う場合に比べて消費電力を軽減できる。
【0055】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態について、図10を参照して説明する。なお、本実施形態において、前記第1,2実施形態と同一または同様の構成要素には同一符号を付し、説明を省略する。
【0056】
第3実施形態の電波修正時計1は、図10に示すように、第1実施形態および第2実施形態を組み合わせたものであり、処理制御部56には、再受信制御部71、内部時刻修正指示部72、予測修正量修正制御部73が設けられている。
本実施形態では、図5に示す初期の受信制御処理を行った後、図11に示す通常の受信制御処理を行う。この通常の受信制御処理では、図11に示すように、受信時期に達すると(S21)、再受信回数を示す変数N2を初期化(0に設定)し(S34)、受信処理(S22),差異量算出(S23)を行い、差異量が判定基準値内であるかを判断する(S24)。差異量が判定基準値の範囲外である場合には、N2が1より大きいかを判断する(S35)。最初は、N2=0であるため、N2に1が加算されて、N2は1となり(S36)、所定時間待機後(S25)、再受信(S22)が実行される。すなわち、再受信制御部71によって再受信処理が実行される(S35〜S22)。この再受信処理を所定回数(1回あるいは2〜5回程度、本実施形態では2回)繰り返しても、差異量が判定基準値の範囲内にならない場合には(S24)、N2が2であって、S35でYesと判断される。すなわち、その場所での受信は困難であると考えられるので、再受信処理を行わずに予測修正量修正制御部73による予測修正量に基づく時刻修正処理が行われる(S31)。なお、前述したように、この再受信処理の回数をカウントするため、S21の処理の後に、再受信回数を示す変数N2を初期化(0に設定)し(S34)、再受信処理を行う場合に、そのN2を+1し(S36)、S35で回数を判定している。
【0057】
このような本実施形態によれば、前記第1,2実施形態の各作用効果を奏することができる。すなわち、差異量が判定基準値の範囲外である場合には、まず、再受信処理を試みて正しい時刻データの受信を試行し、再受信処理を2回行っても正しいデータが受信できない場合には、予測修正量で時刻修正を行うため、再受信処理を継続して繰り返す必要が無くて効率的であり、かつ再受信処理で正しい時刻データを受信できればそのデータを利用して時刻修正を行うことができるため、初めから予測修正量で時刻修正を行う場合に比べても時刻指示精度を向上することができる。
【0058】
尚、本発明は、上述の各実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
前記実施形態では、1フレーム分の受信時刻データと、判定基準値とを比較していたが、複数フレーム分の受信時刻データと判定基準値とを比較してもよい。複数フレームのデータを受信した場合には、それらのデータによるデータ検証に加えて、判定基準値との比較で検証できるので、受信データが正しいデータであるかを2重にチェックでき、精度の高い判断を行うことができる。
【0059】
また、前記実施形態では、差異量、予測修正量(判定基準値)は、1日あたりの変動量に換算せずに比較していたが、差異量や予測修正量(判定基準値)を1日あたりの変動量に換算して比較してもよい。すなわち、前記実施形態では、1日一回の受信であるため、差異量や予測修正量の値は1日あたりの変動量と同じであるが、例えば、受信間隔を変更した場合、その受信間隔に基づいて1日あたりの変動量に換算して比較すればよい。
さらに、前記実施形態では、予測修正量に所定係数を乗じて判定基準値の上限値または下限値を算出していたが、予測修正量に所定値をプラスマイナスして上限値および下限値を設定してもよい。例えば、水晶振動子の精度などに応じた許容値を設定し、その許容値を予測修正量に加算、減算して判定基準値の範囲を設定すればよい。このように、ある定数値を予測修正量に加算、減算して範囲を設定する場合には、差異量や予測修正量は1日あたりの変動量に換算したほうが、処理が容易になるため、好ましい。
【0060】
さらに、前記実施形態では、1フレーム分のデータを受信していたが、受信処理を行う際に、予測修正量を算出しておき、その予測修正量に応じて受信データ単位を選定してもよい。
例えば、毎日の受信時期が午前2:30に設定されている場合、第1基準値を0.2秒/日に設定し、第2基準値を0.35秒/日に設定した際に、予測修正量(1日あたりの換算値)が0.2秒/日以下であれば、秒時刻データのみを受信し、予測修正量が0.2秒/日よりも大きく、0.35秒/日以下の場合には、秒時刻データと分時刻データを受信し、予測修正量が0.35秒/日よりも大きい場合には、1フレーム全部の時刻データ(秒、分、時、日等)を受信するようにしてもよい。
具体的には、図2、図8、図10において、処理制御部56に受信単位制御部を設け、予測修正量算出部59から予測修正量を取得し、その予測修正量と上記設定された基準値とに基づいて、秒時刻データ、分時刻データ、時時刻データ、暦時刻データ等の受信単位を選択し、選択した受信単位に伴う受信単位制御信号を受信回路22に送り、受信回路22にて当該受信単位に基づいた受信を行うようにするものである。
このようにすれば、予測修正量が小さい場合には、受信データ量を少なくできるの受信時間を短くでき、受信時の電力低減を図ることができる。
【0061】
前記各実施形態では、最初に7回電波を受信してから、本発明の特徴である判定基準値との比較に基づく制御を行うようにしていたが、図5のS9における判断を7回ではなく例えば3回にすることで、図12(3)に示すように、3回電波を受信しただけで、図6,9,11に示す受信処理を実行するようにしてもよい。要するに、少なくとも複数回、電波を受信して得られた受信時期データ、差異量データを利用できればよい。
また、予測修正量を求めるデータ個数を、差異量等で可変させてもよい。例えば、図12(3)に示すように、時刻修正値(1日あたりに換算した差異量)が0.1秒/日で一定している場合には、時計の計時処理も安定していると考えられるため、3回程度と少ない回数でも予測修正量を算出するのに必要な情報が得られる。従って、差異量が同一であれば3回で予測修正量(判定基準値)を用いた受信処理制御を行い、時刻修正値が一定しない場合には、7回等のより多くのデータで行うようにしてもよい。
なお、予測修正量を求めるデータ数としては、複数であることが精度を高める点で好ましいが、1つの受信データに基づいて算出してもよい。
【0062】
また、図12(4)に示すように、予測修正量に基づいた2つの判定基準値(範囲A1,A2)を設定し、差異量が大きな判定基準値A2の範囲外である場合には再受信処理または予測修正量での時刻修正の一方を行い、差異量が小さな判定基準値A1の範囲外で、判定基準値A2の範囲内の場合に、前記他方の処理を行い、判定基準値A1の範囲内の場合に差異量による時刻修正処理を行うようにしてもよい。
【0063】
また、判定基準値は、前記実施形態のように設定する以外に、以下のようにして設定してもよい。例えば、判定基準値としては、予測修正量に対して所定係数(例えば、1.0、1.5、2.0等)を掛けて算出し、この算出値を上限値または下限値とし、その値の符号を変えたものを下限値または上限値としてもよい。例えば、予測修正量が0.24秒であり、所定係数が1.5であれば、判定基準値は、0.36秒〜−0.36秒となる。同様に、予測修正量が−0.16秒であり、所定係数が1.5であれば、判定基準値は、0.24秒〜−0.24秒となる。この場合、差異量の絶対値が前記判定基準値の絶対値(上限値および下限値のいずれの絶対値も同じ)以下であるか、あるいは越えているかで前記判定基準値の範囲内であるか否かを判断することができる。
さらに、判定基準値としては、予測修正量に対して所定係数(例えば、1.0、1.5、2.0等)を掛けて算出値を求め、この算出値を上限値(算出値が正の値の場合)または下限値(算出値が負の値の場合)に設定し、「0(零)」を下限値または上限値として設定してもよい。例えば、予測修正量が0.24秒であり、所定係数が1.5であれば、判定基準値は、0.36秒〜0秒となる。同様に、予測修正量が−0.16秒であり、所定係数が1.5であれば、判定基準値は、0秒〜−0.24秒となる。
また、前記実施形態では、予測修正量を中心値としていたが、中心値をずらして設定してもよい。すなわち、上限値および予測修正値の差と、予測修正値および下限値の差を異ならせても良い。例えば、内部電源の電圧値が低下している場合等のように、内部時刻データの誤差の傾向が進み方向あるいは遅れ方向の一方向と予測できる場合には、前記予測修正値に対して上限値および下限値の一方側の範囲を広くし、他方を狭くするなどして調整してもよい。
【0064】
また、各判定基準値は、季節変動などを加味して変更してもよい。特に、水晶振動子等は厳密には温度特性があるため、夏と冬のように外部気温が異なると、計時精度も多少異なる。従って、時刻修正値も季節によって傾向が異なる場合もあるため、これらを考慮して判定基準値を設定すれば、より一層高精度の制御を行うことができる。
また、前記実施形態では、判定基準値設定部61を設けて判定基準値を工場出荷時や利用者(ユーザー)が自在に設定できるようにしていたが、判定基準値設定部61を設けずに所定係数を一定値にしてもよい。
【0065】
さらに、前記実施形態では、受信スケジュールを変更可能にしていたが、一定のスケジュールに固定してもよい。また、受信スケジュールは、予め設定されたものから選択するだけでなく、例えば、時刻修正値の平均値をパラメータとして受信間隔を算出できるルーチンを設け、前記平均値によって受信スケジュールを設定できるようにしてもよい。
【0066】
過去の受信・時刻修正量のデータからの予測修正量の予測については、予測修正量が予測できるものであればよく、前記各実施形態以外の場合も本発明に含まれる。
例えば、前記各実施形態では、新たに受信したデータを順次利用して予測修正量を更新していたが、図13に示すように、過去データとして、1週間(月曜日から日曜日)のデータを受信し、その1週間のデータ変化に応じてその後の各曜日の予測修正量を算出して修正してもよい。具体的には、最初に、1週間分のデータを蓄積し、その後はそのデータの各曜日のデータを利用して各曜日の予測修正量としてもよい。
なお、データ取得は、1〜数ヶ月おきに1週間分のデータを取得するようにすればよい。但し、使用者がデータ取得指示操作を行った時から1週間分のデータを取得するような手動によるデータ取得モードを備えていてもよい。
また、1週間分に限らず、1〜数週間分のデータを蓄積し、各曜日毎のデータを用いて各曜日用の予測修正量を算出してもよい。
このような場合、例えば、仕事や通学等を行っている平日と休日との生活サイクルの違いなどが影響する場合に、各曜日毎にその影響を加味した予測修正が行えて、生活サイクルの影響が大きい場合に精度の高い時刻修正を行うことができる。
【0067】
また、過去データとしては、1週間分のデータに限らず、図14に示すように、1年間のデータを蓄積し、月毎の修正量を算出してデータ変化傾向を把握し、次年度からは前年度以前の過去データの月毎修正量に基づいて予測修正量を算出し、修正してもよい。特に、日本のように、四季に応じた温度変化がある場合には、その温度変化に応じて修正量も増減するため、各月に応じて予測修正量を算出することで、より精度の高い時刻修正を行うことができる。
【0068】
また、前記電波修正時計1には、現在時刻が受信電波で修正された時刻を表示しているのか、あるいは予測修正量で修正された時刻を表示しているのかを、つまり時刻種類を液晶画面や有機EL画面等の表示手段で表示してもよい。この表示タイミングは、常時表示でもよいが、りゅうずやボタンが操作された場合に一定時間だけ表示してもよい。さらに、この時刻種類の情報は、画面表示に限らず、時刻表示用の指針に特別な動作を行わせたり、専用の表示針で表示してもよい。
【0069】
また、図2、図8、図10における制御回路24内の各手段等(特に各制御部)は、各種論理素子等のハードウェアで構成されたものや、CPU(中央処理装置)、メモリ(記憶装置)等を備えたコンピュータを時計1内に設け、このコンピュータに所定のプログラムやデータ(各記憶部に記憶されたデータ)を組み込んで各手段を実現させるように構成したものでもよい。
例えば、電波修正時計1内にCPUやメモリを配置してコンピュータとして機能できるように構成し、所定の制御プログラムやデータを前記メモリにインストールし、このインストールされたプログラムでCPU等を動作させて、各手段を実現させればよい。なお、プログラムなどを前記メモリにインストールするタイミングとしては、メモリを時計1に組み付ける前に予め組み込んでおいてもよいし、時計1を製造後、その時計1内のメモリに工場内で組み込んでもよく、さらには、時計1の出荷後に、インターネット等の通信手段や、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体を介して組み込んでもよい。
なお、電波修正時計1に所定のプログラム等をインストールするには、その電波修正時計1にメモリカードやCD−ROM等を直接差し込んで行ってもよいし、これらの記憶媒体を読み取る機器を外付けで電波修正時計1に接続してもよい。さらには、LANケーブル、電話線等を電波修正時計1に接続して通信によってプログラム等を供給しインストールしてもよいし、アンテナ21を備えていることから無線によってプログラムを供給してインストールしてもよい。
【0070】
このような記録媒体やインターネット等の通信手段で提供される制御プログラム等を電波修正時計1に組み込めば、プログラムの変更のみで前記各発明の機能を実現できるため、工場出荷時あるいは利用者が希望する時に制御プログラムを選択して組み込むこともできる。この場合、プログラムの変更のみで制御形式の異なる各種の電波修正時計1を製造できるため、部品の共通化等が図れ、バリエーション展開時の製造コストを大幅に低減できる。
【0071】
電波修正時計としての機能、つまり計時手段、受信手段、時刻修正手段等の各構成は、前記実施形態のものに限らず、従来から知られている電波修正時計の各手段が利用できる。
【0072】
また、本発明の電波修正時計1は、アナログ式の時計に限らず、デジタル式の時計や、アナログ表示用の指針とデジタル表示用の液晶表示部との両方を有する時計でもよい。さらに、電波修正時計1としては、腕時計や懐中時計等の携帯時計、掛時計や置時計等の設置型時計等、様々な時計に適用できる。
さらに、外部無線情報は長波標準電波による時刻情報に限られない。例えば、FMやGPSあるいはブルーツースや非接触ICカードでの無線情報でもよく、少なくとも時刻情報を含むものであればよい。ちなみに、電波の種類によって、アンテナ21や受信回路22の構成等は適宜変更されるのは言うまでもない。
【0073】
さらに、本発明の電子機器としては、前記実施形態のものに限らず、例えば、親子時計やリピータ等でもよい。ここで、親子時計とは、親時計が保有する時刻情報を無線等で子時計に送信し、子時計はその時刻情報に基づいて時刻修正を行う時計である。従って、例えば、柱時計や置き時計等からなる親時計を本発明の電子機器で構成し、さらに、親時計の修正量算出部で算出された予測修正量の信号を子時計に送信し、子時計(腕時計、置き時計等)はその予測修正量によって時刻修正を行うようにしてもよい。
また、親時計が受信スケジュール制御部により所定の受信間隔で電波などの外部無線情報を受信した際の修正量(内外の各時刻データの差異量)を子時計に送信し、子時計はその修正量に基づいて時刻修正を行うようにしてもよい、
同様に、外部無線情報を受信して時計装置等に転送するリピータに本発明を適用し、上記親時計のように予測修正信号や所定の受信間隔で受信した電波による修正量の信号を計時装置に送信して、その計時装置がその情報を受信して時刻修正を行うことで正確な時刻を表示できるようにしてもよい。
【0074】
さらに、本発明の電子機器は、電波修正時計に限らず、パソコン、電子おもちゃ、タイマーなど、正確な時刻情報を利用して、何らかの処理や動作を行うものであればよい。特に、本発明では消費電力を低減できる効果があるため、電池駆動の携帯型の電子機器に好適である。この際、通常の1次電池を用いたものに限らず、太陽電池等の各種発電機を有するものでもよく、この場合も消費電力を低減できることで持続時間を長くできる利点がある。
【0075】
[本発明の他の態様]
本発明のその他の態様を以下に示す。
第1の態様に係る電子機器の受信制御方法は、時刻情報を含んだ外部無線情報を受信する外部無線情報受信部と、基準クロックに基づいて内部時刻を計時する内部時刻計時部と、前記内部時刻を修正する内部時刻修正制御部とを有する電子機器の制御方法であって、前記外部無線情報受信部で受信した時刻情報である外部時刻データおよび前記内部時刻計時部で計時された内部時刻データを比較してその差異量を出力する時刻データ比較工程と、前記外部無線情報受信部によって外部無線情報を受信した時期およびその際の前記差異量の各データを記憶する受信情報記憶工程と、前記受信時期データ、差異量データおよび前回受信時からの経過時間によって予測修正量を算出する予測修正量算出工程と、予測修正量に基づいて設定された判定基準値および前記差異量を比較して前記外部時刻データが正しい時刻データであるかを判断する判断工程と、判断工程の判断結果に基づいて前記外部無線情報受信部または内部時刻修正制御部の少なくとも一方の動作を制御する処理制御工程と、を備えることを特徴とするものである。
【0076】
第2の態様は、第1の態様において、前記判定基準値は上限値および下限値を有する所定範囲の値であり、前記処理制御工程は、前記差異量が前記判定基準値の範囲内である場合に、前記内部時刻修正制御部に対して前記差異量に基づいて内部時刻を修正させる内部時刻修正指示工程を有することを特徴とするものである。
【0077】
第3の態様は、第1または第2の態様において、前記判定基準値は上限値および下限値を有する所定範囲の値であり、前記処理制御工程は、前記差異量が前記判定基準値の範囲外である場合に、前記外部無線情報受信部に対して再受信を指示する再受信制御工程を有することを特徴とするものである。
【0078】
第4の態様は、第1または第2の態様において、前記判定基準値は上限値および下限値を有する所定範囲の値であり、前記処理制御工程は、前記差異量が前記判定基準値の範囲外である場合に、前記内部時刻修正制御部に対して前記予測修正量に基づいて内部時刻を修正させる予測修正量修正制御工程を有することを特徴とするものである。
【0079】
第5の態様は、第1または第2の態様において、前記判定基準値は上限値および下限値を有する所定範囲の値であり、処理制御工程は、前記差異量が前記判定基準値の範囲外である場合に、前記外部無線情報受信部に対して再受信を指示する再受信制御工程と、所定回数再受信を行っても差異量が前記判定基準値の範囲外である場合に、前記内部時刻修正制御部に対して前記予測修正量に基づいて内部時刻を修正させる予測修正量修正制御工程と、を有することを特徴とするものである。
【0080】
第6の態様は、第1から第5の態様のいずれかにおいて、判定基準値は、予測修正量に、所定係数を乗じた値が上限値または下限値として設定されていることを特徴とするものである。
第7の態様は、第6の態様において、所定係数を設定する判定基準値設定工程を有することを特徴とするものである。
【0081】
第8の態様に係る電子機器の制御プログラムは、電子機器に組み込まれたコンピュータに、前記第1〜7の態様のいずれかの制御方法を実行させることを特徴とするものである。
第9の態様に係る記録媒体は、電子機器に組み込まれたコンピュータに、前記第1〜7の態様のいずれかの制御方法を実行させるプログラムを記録したコンピュータによる読み出し可能であることを特徴とするものである。
このような各方法、プログラムや記録媒体の構成によっても、前記電子機器の発明と同様の作用効果を奏することができる。
【0082】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の電子機器、電子機器の制御方法、プログラム、記録媒体によれば、消費電力を抑えることができ、かつ、正確な時刻修正を行うことができて時刻指示精度を向上できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である電波修正時計の構成を示す図である。
【図2】前記第1実施形態の制御回路の構成を示すブロック図である。
【図3】前記第1実施形態における受信情報記憶部のデータ構成を示す図である。
【図4】前記第1実施形態における受信スケジュールの内容を示す図である。
【図5】前記第1実施形態における制御回路の初期動作を示すフローチャートである。
【図6】前記第1実施形態における制御回路の動作を示すフローチャートである。
【図7】前記第1実施形態における時刻修正値(差異量)の経時変化を示すグラフである。
【図8】本発明の第2実施形態の制御回路の構成を示すブロック図である。
【図9】第2実施形態における制御回路の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第3実施形態の制御回路の構成を示すブロック図である。
【図11】第3実施形態における制御回路の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の変形例における時刻修正値(差異量)の経時変化を示すグラフである。
【図13】本発明の他の変形例における時刻修正値(差異量)の経時変化を示すグラフである。
【図14】本発明の他の変形例における時刻修正値(差異量)の経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1…電波修正時計、21…アンテナ、22…受信回路、23…データ記憶回路、24…制御回路、25…表示駆動回路、26…針位置検出回路、27…電源、28…表示部、28A…指針、28B…輪列、28C…モータ、50…基準発振源、51…発振回路、52…分周回路、53…時刻カウンタ、54…比較回路、55…内部時刻修正制御部、56…処理制御部、57…判断部、58…受信情報記憶部、59…予測修正量算出部、60…判定基準値作成部、61…判定基準値設定部、62…受信スケジュール制御部、63…外部受信操作部、71…再受信制御部、72…内部時刻修正指示部、73…予測修正量修正制御部。

Claims (7)

  1. 時刻情報を含んだ外部無線情報を受信する外部無線情報受信部と、
    基準クロックに基づいて内部時刻を計時する内部時刻計時部と、
    前記外部無線情報受信部で受信した時刻情報である外部時刻データおよび前記内部時刻計時部で計時された内部時刻データを比較してその差異量を出力する時刻データ比較部と、
    前記内部時刻を修正する内部時刻修正制御部と、
    前記外部無線情報受信部によって前記外部無線情報を受信した時期を示す受信時期データおよびその際の前記差異量を示す差異量データの各データが記憶される受信情報記憶部と、
    前記受信時期データ、差異量データおよび前回受信時からの経過時間によって予測修正量を算出する予測修正量算出部と、
    前記予測修正量に基づいて設定された判定基準値および前記差異量を比較して前記外部時刻データが正しい時刻データであるかを判断する判断部と、
    理制御部と、を備え
    前記判定基準値は上限値および下限値を有する所定範囲の値であり、
    前記処理制御部は、
    前記差異量が前記判定基準値の範囲内であり、前記判断部において前記外部時刻データが正しい時刻データであると判断された場合に、前記内部時刻修正制御部に対して前記差異量に基づいて前記内部時刻を修正させる内部時刻修正指示部と、
    前記差異量が前記判定基準値の範囲外であり、前記判断部において前記外部時刻データが正しい時刻データではないと判断された場合に、前記内部時刻修正制御部に対して前記予測修正量に基づいて前記内部時刻を修正させる予測修正量修正制御部と、
    を有することを特徴とする電子機器。
  2. 請求項に記載の電子機器において、
    前記処理制御部は、前記差異量が前記判定基準値の範囲外であり、前記判断部において前記外部時刻データが正しい時刻データではないと判断された場合に、前記外部無線情報受信部に対して再受信を指示する再受信制御部を有し
    前記予測修正量修正制御部は、前記再受信制御部によって所定回数再受信を行っても前記差異量が前記判定基準値の範囲外である場合に、前記内部時刻修正制御部に対して前記予測修正量に基づいて前記内部時刻を修正させることを特徴とする電子機器。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電子機器において、
    前記判定基準値は、前記予測修正量に、所定係数を乗じた値が上限値または下限値として設定されていることを特徴とする電子機器。
  4. 請求項に記載の電子機器において、
    前記所定係数を設定する判定基準値設定部を有することを特徴とする電子機器。
  5. 時刻情報を含んだ外部無線情報を受信する外部無線情報受信部と、基準クロックに基づいて内部時刻を計時する内部時刻計時部と、前記内部時刻を修正する内部時刻修正制御部とを有する電子機器の制御方法であって、
    前記外部無線情報受信部で受信した時刻情報である外部時刻データおよび前記内部時刻計時部で計時された内部時刻データを比較してその差異量を出力する時刻データ比較工程と、
    前記外部無線情報受信部によって前記外部無線情報を受信した時期を示す受信時期データおよびその際の前記差異量を示す差異量データの各データを記憶する受信情報記憶工程と、
    前記受信時期データ、差異量データおよび前回受信時からの経過時間によって予測修正量を算出する予測修正量算出工程と、
    前記予測修正量に基づいて設定された判定基準値および前記差異量を比較して前記外部時刻データが正しい時刻データであるかを判断する判断工程と、
    理制御工程と、を備え、
    前記判定基準値は上限値および下限値を有する所定範囲の値であり、
    前記処理制御工程は、
    前記差異量が前記判定基準値の範囲内であり、前記判断工程において前記外部時刻データが正しい時刻データであると判断された場合に、前記内部時刻修正制御部に対して前記差異量に基づいて前記内部時刻を修正させる内部時刻修正指示工程と、
    前記差異量が前記判定基準値の範囲外であり、前記判断工程において前記外部時刻データが正しい時刻データではないと判断された場合に、前記内部時刻修正制御部に対して前記予測修正量に基づいて前記内部時刻を修正させる予測修正量修正制御工程と、
    を有することを特徴とする電子機器の制御方法。
  6. 電子機器に組み込まれたコンピュータに、請求項に記載の制御方法を実行させるためのプログラム。
  7. 請求項に記載のプログラムを記録したコンピュータによる読み出し可能な記録媒体。
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