JP4411492B6 - 水晶振動子、水晶ユニット、水晶発振器と情報通信機器 - Google Patents

水晶振動子、水晶ユニット、水晶発振器と情報通信機器 Download PDF

Info

Publication number
JP4411492B6
JP4411492B6 JP2006189802A JP2006189802A JP4411492B6 JP 4411492 B6 JP4411492 B6 JP 4411492B6 JP 2006189802 A JP2006189802 A JP 2006189802A JP 2006189802 A JP2006189802 A JP 2006189802A JP 4411492 B6 JP4411492 B6 JP 4411492B6
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tuning fork
arm
electrode
frame
arms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006189802A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006325240A (ja
JP4411492B2 (ja
Inventor
宏文 川島
Original Assignee
有限会社ピエデック技術研究所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 有限会社ピエデック技術研究所 filed Critical 有限会社ピエデック技術研究所
Priority to JP2006189802A priority Critical patent/JP4411492B6/ja
Publication of JP2006325240A publication Critical patent/JP2006325240A/ja
Publication of JP4411492B2 publication Critical patent/JP4411492B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4411492B6 publication Critical patent/JP4411492B6/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

本発明は屈曲モードで振動する振動腕と基部から成る水晶振動子とその振動子とケースと蓋から構成される水晶ユニットと増幅回路と帰還回路から成る水晶発振器に関する。特に、小型化、高精度化、耐衝撃性、低廉化の要求の強い情報通信機器用の基準信号源として最適な水晶振動子と水晶ユニットと水晶発振器で、新形状、新電極構成及び最適寸法を有する超小型の屈曲水晶振動子から構成される水晶ユニットと、基本波モード振動の発振周波数が出力信号である水晶発振器に関する。
従来の屈曲水晶振動子は音叉腕と音叉基部から構成され、音叉腕の上下面と側面に電極が配置されている。また、従来の水晶ユニットはケースと蓋と一体に形成された音叉腕と音叉基部から成る音叉型屈曲水晶振動子から構成され、更に、水晶発振器は増幅器とコンデンサと抵抗と音叉腕の上下面と側面に電極が配置された従来の音叉型屈曲水晶振動子から成る水晶発振器がよく知られている。多用されている従来の音叉型屈曲水晶振動子は2本の音叉腕と音叉基部から構成され、前記振動子の共振周波数は音叉の腕幅Wに比例し、音叉の腕の長さの二乗に反比例する。それ故、小型化を図るためには、腕幅Wを小さくする必要がある。しかしながら、腕幅Wを小さくすると、等価直列抵抗Rが大きくなるという課題が残されていた。また、前記音叉型屈曲水晶振動子から成る従来例の水晶ユニットと水晶発振器の小型化も同時に課題として残されていた。
このRが大きくなる理由は、音叉腕に配置された電極の、水晶の電気軸(x軸)方向の電界成分Exが大きいほど等価直列抵抗Rが小さくなり、品質係数Q値が大きくなる。しかしながら、従来から使用されている音叉型屈曲水晶振動子は、各音叉腕の上下面と側面の4面に電極を配置している。そのために電界が直線的に働かず、かかる音叉型屈曲水晶振動子を小型化させると、電界成分Exが小さくなってしまい、等価直列抵抗Rが大きくなり、品質係数Q値が小さくなる。同時に、時間基準として高精度な、即ち、高い周波数安定性を有し、2次高調波モード振動を抑えた屈曲水晶振動子を得ることが課題として残されていた。また、前記課題を解決する方法として、例えば、特開昭56−65517では音叉腕に溝を設け、且つ、溝の構成と電極構成について開示している。しかしながら、溝の構成、寸法と振動モード並びに基本波モード振動での等価直列抵抗Rと2次高調波モード振動での等価直列抵抗Rとの関係及び周波数安定性に関係するフイガーオブメリットMについては全く開示されていない。と同時に、前記溝を設けた振動子を従来の回路に接続し、水晶発振回路を構成すると、基本波モード振動の出力信号が衝撃や振動などの影響で出力信号が2次高調波モード振動の周波数に変化、検出される等の問題が発生していた。さらに、水晶発振器の消費電流を低減するために、負荷容量Cを小さくすると、2次高調波モードの振動がし易くなり、基本波モード振動の出力周波数が得られない等の課題が残されていた。更に、音叉基部で振動子が容器の固定部に固定されるので、音叉基部の長さ寸法を小さくできず、全長の短い小型の音叉型屈曲水晶振動子が得られないという課題があった。
特開昭56−65517 特開2000−223992 国際公開第00/44092 特開2003−163568
このようなことから、水晶振動子が衝撃や振動を受けても、それらの影響を受けない2次高調波モード振動を抑えた基本波モードで振動する屈曲水晶振動子とそれを具えた水晶ユニットと水晶発振器が所望されていた。さらに、基本波モードで振動する水晶振動子の長さ寸法の短い、即ち、全長の短い超小型で、等価直列抵抗Rの小さい、品質係数Q値が高くなるような新形状で、電気機械変換効率の良い溝の構成と電極構成を有する超小型の屈曲水晶振動子とそれを具えた水晶ユニットと、その水晶ユニットを具えた、出力信号が基本波モード振動の発振周波数で、高い周波数安定性(高い時間精度)を有する超小型の水晶発振器が所望されていた。同時に、消費電流の少ない、立ち上がり時間の短い水晶発振器が所望されていた。
本発明は、以下の方法で従来の課題を有利に解決した屈曲モードで振動する屈曲水晶振動子とそれを具えた水晶ユニットと水晶発振器を提供することを目的とするものである。
すなわち、本発明の水晶振動子の第1の態様は、少なくとも音叉型屈曲水晶振動子の基本波モード振動の負性抵抗の絶対値|−RL |を備えて構成される水晶発振回路に搭載される水晶振動子で、前記水晶振動子は音叉基部と前記音叉基部に接続された一端固定、他端自由の音叉腕を備えて構成され、屈曲モードで振動する音叉型屈曲水晶振動子で、前記音叉腕は第1音叉腕と第2音叉腕を備えて構成され、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々は上面と下と側面とを有し、前記音叉基部の側面に一方の接続部分を介して一方のフレームが接続され、前記音叉基部の側面に他方の接続部分を介して他方のフレームが接続されていて、前記一方のフレームと前記他方のフレームは音叉の叉部側と異なる音叉の外側に、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕と共通の方向に延びて形成され、前記一方のフレームと前記他方のフレームは前記音叉基部に対して互いに反対の位置にあって、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕と前記音叉基部と前記一方のフレームと前記他方のフレームとは、エッチング加工にて一体に形成されていて、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の上面と下面の各々には溝が形成されていると共に、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々は音叉先端部と、前記音叉先端部と反対の位置にあり前記音叉基部に接続される他端部を備え、かつ、前記音叉先端部と前記他端部の間に2つの異なる幅を備えていて、1つの幅は前記音叉先端部の側に位置し、他の1つの幅は前記音叉先端部の側と反対の位置にある前記他端部の側に位置し、かつ、前記音叉先端部の側に位置している幅より小さく、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の上面と下面の各々に形成された前記溝は、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた振動腕の上面と下面の各々に形成され、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた前記振動腕の上面と下面の各々に形成されたの側面に第1電極が配置され溝の前記側面に対抗する音叉腕の側面に第2電極が配置され、前記第1音叉腕の前記第1電極は前記第2音叉腕の前記第2電極に電気的に接続され、前記第1音叉腕の前記第2電極は前記第2音叉腕の前記第1電極に電気的に接続されると共に、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の一方の音叉腕の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた前記振動腕の上面に形成された溝の側面に配置された前記第1電極は、前記一方のフレームの面の上に配置された電極に接続され、かつ、前記第1音叉腕と前記第2音叉 腕の他方の音叉腕の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた前記振動腕の上面に形成された溝の側面に配置された前記第1電極は、前記他方のフレームの面の上に配置された電極に接続され、前記音叉型屈曲水晶振動子は基本波モード振動の等価インダクタンスL m1 と等価直列抵抗R を備えていて、前記音叉型屈曲水晶振動子のL m1 とR は2L m1 +R ≦|−RL |の関係を備えている水晶振動子である。
本発明の水晶振動子の第2の態様は、第1の態様において、前記フレームの幅W は0.45mm以下に、かつ、前記フレームの長さL は0.3mm〜1.85mmの範囲内にあると共に、前記接続部分の幅Wsは0.41mm以下に、かつ、前記接続部分の長さL は0.04mm〜0.5mmの範囲内にある水晶振動子である。
本発明の水晶ユニットの第1の態様は、少なくとも音叉型屈曲水晶振動子の基本波モード振動の負性抵抗の絶対値|−RL |を備えて構成される水晶発振回路に搭載される水晶振動子を備えた水晶ユニットで、前記水晶振動子は音叉基部と前記音叉基部に接続された一端固定、他端自由の音叉腕を備えて構成され、屈曲モードで振動する音叉型屈曲水晶振動子で、前記音叉型屈曲水晶振動子と、ケースと、蓋とを備えて構成される水晶ユニットであって、前記音叉腕は第1音叉腕と第2音叉腕を備えて構成され、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々は上面と下と側面とを有し、前記音叉基部の側面に一方の接続部分を介して一方のフレームが接続され、前記音叉基部の側面に他方の接続部分を介して他方のフレームが接続されていて、前記一方のフレームと前記他方のフレームは音叉の叉部側と異なる音叉の外側に、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕と共通の方向に延びて形成され、前記一方のフレームと前記他方のフレームは前記音叉基部に対して互いに反対の位置にあって、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕と前記音叉基部と前記一方のフレームと前記他方のフレームとは、エッチング加工にて一体に形成されていて、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の上面と下面の各々には溝が形成されていると共に、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々は音叉先端部と、前記音叉先端部と反対の位置にあり前記音叉基部に接続される他端部を備え、かつ、前記音叉先端部と前記他端部の間に2つの異なる幅を備えていて、1つの幅は前記音叉先端部の側に位置し、他の1つの幅は前記音叉先端部の側と反対の位置にある前記他端部の側に位置し、かつ、前記音叉先端部の側に位置している幅より小さく、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の上面と下面の各々に形成された前記溝は、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた振動腕の上面と下面の各々に形成され、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた前記振動腕の上面と下面の各々に形成されたの側面に第1電極が配置され溝の前記側面に対抗する音叉腕の側面に第2電極が配置され、前記第1音叉腕の前記第1電極は前記第2音叉腕の前記第2電極に電気的に接続され、前記第1音叉腕の前記第2電極は前記第2音叉腕の前記第1電極に電気的に接続されると共に、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の一方の音叉腕の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた前記振動腕の上面に形成された溝の側面に配置された前記第1電極は、前記一方のフレームの面の上に配置された電極に接続され、かつ、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の他方の音叉腕の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた前記振動腕の上面に形成された溝の側面に配置された前記第1電極は、前記他方のフレームの面の上に配置された電極に接続され、前記音叉型屈曲水晶振動子は基本波モード振動の等価インダクタンスL m1 と等価直列抵抗R を備えていて、前記音叉型屈曲水晶振動子のL m1 とR は2L m1 +R ≦|−RL |の関係を備えている水晶ユニットである。
本発明の水晶ユニットの第2の態様は、第1の態様において、前記音叉基部の長さL は0.5mm未満で、かつ、前記接続部分の長さL より大きく、前記フレームの先端部は音叉の叉部と前記音叉先端部の間にある水晶ユニットである。
本発明の水晶発振器の第1の態様は、少なくとも増幅器を備えて構成される増幅回路と、音叉基部と前記音叉基部に接続された一端固定、他端自由の音叉腕を備えて構成され、屈曲モードで振動する音叉型屈曲水晶振動子と、コンデンサとを少なくとも備えて構成される帰還回路からなる水晶発振回路を備えた水晶発振器で、増幅回路と帰還回路からなる前記水晶発振回路の増幅回路の基本波モード振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と基本波モード振動の等価直列抵抗Rとの比が増幅回路の2次高調波モード振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と2次高調波モード振動の等価直列抵抗Rとの比より大きくなるように前記水晶発振回路は構成されていて、前記音叉型屈曲水晶振動子を備えて構成された前記水晶発振回路の出力信号が基本波モード振動の発振周波数であって、前記音叉腕は第1音叉腕と第2音叉腕を備えて構成され、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々は上面と下と側面とを有し、前記音叉基部の側面に一方の接続部分を介して一方のフレームが接続され、前記音叉基部の側面に他方の接続部分を介して他方のフレームが接続されていて、前記一方のフレームと前記他方のフレームは音叉の叉部側と異なる音叉の外側に、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕と共通の方向に延びて形成され、前記一方のフレームと前記他方のフレームは前記音叉基部に対して互いに反対の位置にあって、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕と前記音叉基部と前記一方のフレームと前記他方のフレームとは、エッチング加工にて一体に形成されていて、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の上面と下面の各々には溝が形成されていると共に、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々は音叉先端部と、前記音叉先端部と反対の位置にあり前記音叉基部に接続される他端部を備え、かつ、前記音叉先端部と前記他端部の間に2つの異なる幅を備えていて、1つの幅は前記音叉先端部の側に位置し、他の1つの幅は前記音叉先端部の側と反対の位置にある前記他端部の側に位置し、かつ、前記音叉先端部の側に位置している幅より小さく、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の上面と下面の各々に形成された前記溝は、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた振動腕の上面と下面の各々に形成され、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた前記振動腕の上面と下面の各々に形成されたの側面に第1電極が配置され溝の前記側面に対抗する音叉腕の側面に第2電極が配置され、前記第1音叉腕の前記第1電極は前記第2音叉腕の前記第2電極に電気的に接続され、前記第1音叉腕の前記第2電極は前記第2音叉腕の前記第1電極に電気的に接続されると共に、前記第1電極と前記第2電極は、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕に溝を有する前記音叉型屈曲水晶振動子の基本波モード振動のフイガーオブメリットMが、2次高調波モード振動のフイガーオブメリットMより大きくなるように配置されていて、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の一方の音叉腕の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた前記振動腕の上面に形成された溝の側面に配置された前記第1電極は、前記一方のフレームの面の上に配置された電極に接続され、かつ、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の他方の音叉腕の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた前記振動腕の上面に形成された溝の側面に配置された前記第1電極は、前記他方のフレームの面の上に配置された電極に接続され、前記音叉型屈曲水晶振動子は基本波モード振動の等価インダクタンスL m1 を備えていて、前記水晶発振回路は|−RL |−R ≧2L m1 の関係を備えて構成される水晶発振器である。
本発明の情報通信機器の第1の態様は、少なくとも増幅器を備えて構成される増幅回路と、音叉基部と前記音叉基部に接続された一端固定、他端自由の音叉腕を備えて構成され、屈曲モードで振動する音叉型屈曲水晶振動子と、コンデンサとを少なくとも備えて構成される帰還回路からなる水晶発振回路を備えた水晶発振器を備えて構成される情報通信機器で、増幅回路と帰還回路からなる前記水晶発振回路の増幅回路の基本波モード振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と基本波モード振動の等価直列抵抗Rとの比が増幅回路の2次高調波モード振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と2次高調波モード振動の等価直列抵抗Rとの比より大きくなるように前記水晶発振回路は構成されていて、前記音叉型屈曲水晶振動子を備えて構成された前記水晶発振回路の出力信号が基本波モード振動の発振周波数で、前記出力信号は情報通信機器用の規準信号源であって、前記音叉腕は第1音叉腕と第2音叉腕を備えて構成され、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々は上面と下と側面とを有し、前記音叉基部の側面に一方の接続部分を介して一方のフレームが接続され、前記音叉基部の側面に他方の接続部分を介して他方のフレームが接続されていて、前記一方のフレームと前記他方のフレームは音叉の叉部側と異なる音叉の外側に、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕と共通の方向に延びて形成され、前記一方のフレームと前記他方のフレームは前記音叉基部に対して互いに反対の位置にあって、前記第1音叉腕と前記第 2音叉腕と前記音叉基部と前記一方のフレームと前記他方のフレームとは、エッチング加工により一体に形成されていて、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の上面と下面の各々には溝が形成されていると共に、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々は音叉先端部と、前記音叉先端部と反対の位置にあり前記音叉基部に接続される他端部を備え、かつ、前記音叉先端部と前記他端部の間に2つの異なる幅を備えていて、1つの幅は前記音叉先端部の側に位置し、他の1つの幅は前記音叉先端部の側と反対の位置にある前記他端部の側に位置し、かつ、前記音叉先端部の側に位置している幅より小さく、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の上面と下面の各々に形成された前記溝は、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた振動腕の上面と下面の各々に形成され、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた前記振動腕の上面と下面の各々に形成されたの側面に第1電極が配置され溝の前記側面に対抗する音叉腕の側面に第2電極が配置され、前記第1音叉腕の前記第1電極は前記第2音叉腕の前記第2電極に電気的に接続され、前記第1音叉腕の前記第2電極は前記第2音叉腕の前記第1電極に電気的に接続されると共に、前記第1電極と前記第2電極は、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕に溝を有する前記音叉型屈曲水晶振動子の基本波モード振動のフイガーオブメリットMが、2次高調波モード振動のフイガーオブメリットMより大きくなるように配置されていて、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の一方の音叉腕の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた前記振動腕の上面に形成された溝の側面に配置された前記第1電極は、前記一方のフレームの面の上に配置された電極に接続され、かつ、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の他方の音叉腕の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた前記振動腕の上面に形成された溝の側面に配置された前記第1電極は、前記他方のフレームの面の上に配置された電極に接続され、前記音叉型屈曲水晶振動子は基本波モード振動の等価インダクタンスL m1 を備えていて、前記水晶発振回路は|−RL |−R ≧2L m1 の関係を備えて構成される情報通信機器である。
このように、本発明は屈曲モードで振動する屈曲水晶振動子とそれを具えた水晶ユニットと水晶発振器で、しかも、屈曲水晶振動子の基部の形状と溝の構成と電極の配置を改善することにより、全長の短い屈曲水晶振動子が得られ、かつ、増幅回路と帰還回路との関係を示すことにより、2次高調波モード振動を抑え、基本波モード振動で振動する発振周波数を出力する水晶発振器を得る事ができる。
加えて、振動腕の中立線を挟んだ(含む)中央部に溝を設けるか、又は中立線の全部又は一部を残して中立線の両側に溝を設け、且つ、電極を配置し、溝の寸法の最適化を図る事により、等価直列抵抗Rが小さく、Q値が高く、電気機械変換効率の良い屈曲モードで振動する超小型の屈曲水晶振動子が得られる。と同時に、帰還回路の負荷容量を小さくできる。その結果、消費電流の少ない水晶発振器が得られる。
以下、本発明の実施例を図面に基づき具体的に述べる。
実施例1の屈曲水晶振動子
図1は本発明の実施例1の屈曲モードで振動する屈曲水晶振動子10の平面図を示す。また、x、y、zはそれぞれ水晶の電気軸、機械軸、光軸である。本実施例の振動子の形状は音叉形状で、屈曲水晶振動子10は振動腕20、振動腕31と基部40とから成り、振動腕20と振動腕31の一端部は基部40に接続されている。また、振動腕20と振動腕31はそれぞれ上面と下面と側面とを有する。更に、振動腕20の上面には中立線41を挟んで、即ち、中立線41を含むように溝21が設けられ、又、振動腕31の上面にも振動腕20と同様に溝27が設けられている。なお、角度θは、x軸廻りの回転角であり、通常0〜10°の範囲で選ばれる。又、振動腕20、31の下面にも上面と同様に溝が設けられている(図2参照)。詳細には、振動腕20の中立線41を挟むようにして溝21が設けられている。他方の振動腕31にも中立線42を挟むようにして溝27が設けられている。
更に、基部40は一方の接続部分34を介してフレーム36に接続されていて、他方の接続部分35を介してフレーム37に接続されている。本実施例の振動子は、フレーム36、37が収納される容器の固定部に導電接着剤又は半田等で固定される。また、振動腕20の側面には電極25、26が、溝21には電極23が配置され、フレーム36まで接続部分34を介して延在している。加えて、振動腕31の側面には電極32,33が、溝27には電極29が配置され、フレーム37まで接続部分35を介して延在している。
更に、振動腕の部分幅W、Wと溝幅Wとすると、振動腕20,31の腕幅WはW=W+W+Wで与えられ、通常はWとWの一部、又は全部がW▲≧▼Wまたは、W<Wとなるように形成される。又、溝幅WはW≧W,Wを満足する条件で形成される。更に具体的に述べると、本実施例では、溝幅Wと振動腕幅Wとの比(W/W)が0.35より大きく、1より小さくなるように、好ましくは、0.35〜0.95で、図2で示すように、溝の厚みtと振動腕の厚みtとの比(t/t)が0.79より小さくなるように、好ましくは、0.01〜0.79となるように溝が振動(音叉)腕に形成されている。このように形成することにより、振動腕の中立線41と42を基点とするモーメントが大きくなる。即ち、電気機械変換効率が良くなるので、等価直列抵抗Rの小さい、Q値の高い、しかも、容量比の小さい屈曲水晶振動子を得る事ができる。
これに対して、図示されていないが、溝21および溝27は溝の長さLを、振動腕は腕の長さLを有する。それ故、Rの小さい振動子を得るために、L/Lが0.4〜0.8の値を有する。ここで、溝に配置される電極が溝の一部に配置されるときには、Lは溝の電極の長さLである。更に、音叉形状の屈曲水晶振動子10の全長Lは要求される周波数や収納容器の大きさなどから決定される。本実施例では、Lは2.8mm以下で、好ましくは、2.1mm以下の寸法を有する。より小型化を図るためには、1.02mm〜1.95mmの範囲内にある。そして、振動腕の全幅W(=2W+W)は0.43mm以下に、好ましくは、0.15mm〜0.36mmの範囲内にある。また、本実施例では、(音叉)基部の幅寸法はWで与えられ、W▲≧▼Wの関係を有する。そして、Wは0.55mm以下に、好ましくは、0.15mm〜0.53mmの範囲内にある。また、フレームの幅Wは0.45mm以下に、フレームの長さLは2.1mm以下に、振動の漏れを低減するために、好ましくは、Lは0.3mm〜1.85mmの範囲内にある。また、接続部分の幅Wsは0.41mm以下に、接続部分の長さが最小となる長さLは0.04mm〜0.5mmの範囲内にある。更に、基本波モードで振動する良好な音叉型屈曲水晶振動子を得るためには、溝の長さLと全長Lとの間には密接な関係が存在する。
すなわち、振動腕20,31に設けられた溝の長さLと音叉形状の屈曲水晶振動子の全長Lとの比(L/L)が0.23〜0.88となるように溝の長さは設けられる。特に、Lは1.45mm以下に、好ましくは、Lは0.48mm〜1.29mmの範囲内にある。又、Lは基部(基部の溝の長さL)にまで延在しても良い。このように形成する理由は、特に、不要振動である2次高調波振動を抑圧する事ができると共に、基本波モード振動の周波数安定性を高めることができる。それ故、基本波モードで容易に振動する良好な屈曲水晶振動子が実現できる。詳述するならば、基本波モードで振動する音叉形状の屈曲水晶振動子の等価直列抵抗Rが2次高調波モード振動での等価直列抵抗Rより小さくなる。即ち、R<Rとなり、増幅器(CMOSインバータ)、コンデンサ、抵抗、本実施例の音叉形状の屈曲水晶振動子等から成る水晶発振器において、振動子が基本波モードで容易に発振する良好な水晶発振器が実現できる。即ち、基本波モード振動の発振周波数が出力信号として得られる。又、溝の長さLは振動腕の長さ方向に分割されていても良く、その中の少なくとも1個が前記辺比(L/L)を満足すれば良いか、又は、分割された溝の長さ方向の加えられた溝の長さが前記辺比(L/L)を満足すれば良い。
また、この実施例では、基部40は図1中、振動子10の長さLと幅Wの部分全体とされ、又、振動腕20と振動腕31は、図1中、振動子10の長さLの部分から上側の部分全体とされている。本実施例では音叉の叉部はU字型をしているが、本発明は前記形状に限定されるものではなく、音叉の叉部が矩形をしていても良い。この場合もU字型の形状と同じように、振動腕と基部との寸法の関係は前記関係と同じである。また、本発明で言う溝の長さLとは、溝幅Wと振動腕幅Wとの比(W/W)が0.35より大きく、且つ、1より小さく、溝の厚みtと振動腕の厚みtとの比(t/t)が0.79より小さくなるように形成された溝の長さである。
換言するならば、中立線を含む振動腕の上下面に各々少なくとも1個の溝が長さ方向に設けられ、前記溝の両側面に電極が配置され、前記溝側面の電極とその電極に対抗する振動腕側面の電極とが互いに異極となるように構成され、振動腕に生ずる慣性モーメントが大きくなるように前記各々少なくとも1個の溝の内少なくとも1個の溝幅Wと振動腕幅Wとの比(W/W)が0.35より大きく、1より小さく、且つ、前記溝の厚みtと振動腕の厚みtとの比(t/t)が0.79より小さくなるように溝が形成されている。
一例として、振動腕は少なくとも第1振動腕と第2振動腕を具えて構成され、前記第1振動腕と前記第2振動腕と前記基部とはエッチング法によって一体に形成されていて、第1振動腕と第2振動腕の上下面にはそれぞれ厚みの方向に対抗して溝が設けられ、前記溝は第1振動腕と第2振動腕の中立線を挟んだ幅方向略中央部の上下面に各々1個の溝が設けられ、各々の溝幅Wは部分幅W、Wと等しいか、又は部分幅W、Wより大きくなるように形成され、且つ、各々の溝には第1振動腕の溝の電極と第2振動腕の溝の電極との極性が異なる電極が配置されると共に、前記溝の電極と対抗して配置された振動腕の側面の電極とは極性が異なる2電極端子を構成し、前記2電極端子の内、1電極端子は第1振動腕の上下面の溝に配置された電極と第2振動腕の両側面に配置された電極から構成され、且つ、上下面の溝に配置された前記電極と両側面に配置された前記電極とが接続され、他の1電極端子は第1振動腕の両側面に配置された電極と第2振動腕の上下面の溝に配置された電極から構成され、且つ、両側面に配置された前記電極と上下面の溝に配置された前記電極とが接続されている。
更に、本実施例の振動腕の間隔はWで与えられ、間隔Wと溝幅WはW▲≧▼Wを満足するように構成され、間隔Wは0.05mm〜0.37mmで、溝幅Wは0.018mm〜0.12mmの値を有する。好ましくは、W=0.02mm〜0.069mm。このように構成する理由は超小型の屈曲水晶振動子で、かつ、音叉形状と振動腕の溝とをフオトリソグラフィ技術を用いて別々(別々の工程)に形成でき、更に、基本波モード振動の周波数安定性が2次高調波モード振動の周波数安定性より高くすることができる。この場合、厚みtは通常0.05mm〜0.15mmの水晶ウエハが用いられる。しかし、本発明はこれに限定されるものでなく、0.15mmより厚い水晶ウエハを使用してもよい。
更に詳述するならば、屈曲水晶振動子の誘導性と電気機械変換効率と品質係数を表すフイガーオブメリットMは品質係数Q値と容量比rの比(Q/r)によって定義され(i=1のとき基本波振動、i=2のとき2次高調波振動)、屈曲水晶振動子の並列容量に依存しない機械的直列共振周波数fと並列容量に依存する直列共振周波数fの周波数差ΔfはフイガーオブメリットMに反比例し、その値Mが大きい程Δfは小さくなる。従って、Mが大きい程、屈曲水晶振動子の共振周波数は並列容量の影響を受けないので、屈曲水晶振動子の周波数安定性は良くなる。即ち、時間精度の高い屈曲水晶振動子が得られる。
詳細には、前記音叉形状と溝とその寸法の構成により、基本波モード振動のフイガーオブメリットMが2次高調波モード振動のフイガーオブメリットMより大きくなる。即ち、M>Mとなる。一例として、音叉形状の基本波モード振動の基準周波数が32.768kHzで、W/W=0.5、t/t=0.34、L/L=0.48のとき、製造によるバラツキが生ずるが、音叉形状の屈曲水晶振動子のM、MはそれぞれM>60、M<30となる。即ち、高い誘導性と電気機械変換効率の良い(等価直列抵抗Rの小さい)、品質係数の大きい基本波モードで振動する屈曲水晶振動子を得ることができる。その結果、基本波モード振動の周波数安定性が2次高調波モード振動の周波数安定性より良くなると共に、2次高調波モード振動を抑圧することができる。
更に、本実施例の屈曲水晶振動子10の基部40は、接続部分34、35を介してフレーム36,37に接続されている。また、接続部分34,35の長さ寸法はそれぞれLを有し、フレーム36,37の長さ寸法と幅寸法はそれぞれLとWを有する。そして、各寸法はL▲≧▼L、L▲≧▼L、又は、L<Lの関係を満たすように形成される。更に、Lは小型化を図るために、0.5mm未満の寸法を有する。好ましくは、0.015mm〜0.45mmの範囲内にある。同時に、LとLの差、即ち、L−Lは−0.1mm〜0.32mmの範囲内にある。特に、W>Wのとき、長さLは0.012mm〜0.38mmの範囲内にある。本実施例では、フレーム36とフレーム37は接続されていないが、音叉先端部付近を通過するように両フレームを接続しても良い。即ち、本発明は前記形状をも包含する。また、本実施例では、フレームは基部の側面から接続部分を介して設けられているが、本発明はこれに限定されるものでなく、振動腕(音叉腕)の間に基部から突出するようにフレームを設けても良い。更に、本実施例では、振動腕に溝を設け、その中に電極を配置しているが、本発明はこれに限定されるものでなく、溝を設けない(平面)で、振動腕の上下面にそれぞれの溝の電極と極性が同じ電極を配置しても良い。これらのことは以下に述べる実施例の屈曲水晶振動子にも適用できることは言うまでもない。
図2は、図1の屈曲水晶振動子10の振動腕20、31のA−A′断面図を示す。図2では図1の水晶振動子の振動腕20,31の断面形状並びに電極配置について詳述する。振動腕20には溝21,22が設けられている。同様に、振動腕31には溝27,28が設けられている。更に、溝21と溝22には同極となる電極23,24が、溝27と溝28には同極となる電極29,30が配置されている。また、振動腕20の側面には同極となる電極25、26が配置され、振動腕31の側面には同極となる電極32、33が配置されている。詳細には、溝の側面に電極が配置され、前記電極に対抗して極性の異なる電極が振動腕の側面に配置されている2電極端子C−C′を構成している。即ち、1電極端子は電極25、26、29、30から構成、接続されている。他の1電極端子は電極23、24、32、33から構成、接続されている。更に詳細には、第1振動腕20の両側面と第2振動腕31の両側面に配置された電極25、26、32,33に対抗して配置された対抗電極は前記第1振動腕と前記第2振動腕の両側面の電極の各々に対して一部分対抗して配置されている。
即ち、z軸(厚み)方向に対抗する溝電極は同極に、且つ、大略x軸方向に対抗する電極は異極になるように構成されている。詳細には、厚み方向に対抗して設けられた溝に配置された電極の対抗する溝電極と溝電極との間には前記溝電極に対して垂直に発生する電界が厚み方法に存在しないように電極が配置されている。今、2電極端子C−C′間に直流電圧を印加(C端子に正極、C′端子に負極)すると電界Exは図2に示した矢印のように働く。電界Exは振動腕の側面と溝内の側面とに対抗して配置された電極により前記電極に垂直に、即ち、直線的に引き出されるので、電界Exが大きくなり、その結果、振動(音叉)腕の長さ方向に同時に歪が発生すると共に、中立線に対して振動(音叉)腕の内側と外側では歪の方向が反対に発生し、且つ、第1振動(音叉)腕と第2振動(音叉)腕の中立線に対して音叉の内側に発生する歪の方向が同じで、第1振動(音叉)腕と第2振動(音叉)腕の中立線に対して音叉の外側に発生する歪の方向が同じで、更に、前記内側の歪と前記外側の歪とが互いに反対の方向に発生する。それ故、2電極端子C−C′間に交番電圧を印加することにより、振動(音叉)腕が逆相で振動し、共振特性が良くなると共に、発生する歪の量も大きくなる。従って、音叉形状の屈曲水晶振動子を小型化させた場合でも、等価直列抵抗Rの小さい、品質係数Q値の高い屈曲モードで振動する音叉形状の屈曲水晶振動子が得られる。
また、屈曲水晶振動子10の振動(音叉)腕は厚みtを有し、溝は厚みtを有している。ここで言う厚みtは溝の一番深いところの厚みを言う。その理由は、水晶が異方性の材料のために、化学的エッチング法では各結晶軸の方向によりエッチングスピードが異なる。それ故、化学的エッチング法では溝の深さにバラツキが生じ、図2に示した一様な形状に加工するのが極めて難しいためである。本実施例では、溝の厚みtと振動(音叉)腕の厚みtとの比(t/t)が0.79より小さくなるように、好ましくは、0.01〜0.79となるように溝が振動腕に形成されている。このように形成することにより、振動腕の溝側面電極とそれに対抗する側面の電極との間の電界Exが大きくなる。すなわち、中立線を基点とするモーメントが大きい、電気機械変換効率の良い屈曲水晶振動子が得られる。即ち、容量比の小さい音叉形状の屈曲水晶振動子が得られる。
実施例2の屈曲水晶振動子
図3は本発明の実施例2の屈曲モードで振動する屈曲水晶振動子50の平面図を示す。振動子50は振動腕60,71と基部80とを有し、基部80の側面は接続部分75を介してフレーム77に接続されている。即ち、基部80の側面の片側にのみフレーム77が接続部分75を介して接続されている。更に、振動腕60には中立線81を挟んで溝61が設けられ、溝61には電極63が配置されている。また、振動腕60の側面には電極65、66が配置されている。一方、振動腕71には中立線82を挟んで溝67が設けられ、溝67には電極69が配置されている。また、振動腕71の側面には電極72,73が配置されている。そして、電極69はフレーム77まで延在して配置されている。
尚、図3には示されていないが、振動腕の下面にも溝と電極が形成されている。即ち、振動腕の溝の構成と電極の配置は、実施例1の図2で示したのと同じように構成、接続されている、いわゆる2電極端子を構成している。また、各寸法W、W、W、W、Wの関係とW、W、Wの関係とL、L、L、L、L、L、Lとの関係は、実施例1と同じである。本実施例では、フレーム77の幅Wの一端部がWより広く形成されている。
実施例3の屈曲水晶振動子
図4は本発明の実施例3の屈曲モードで振動する屈曲水晶振動子90の平面図を示す。本実施例の振動子の形状と寸法の関係は、上記実施例1と同じである。また、本実施例の振動子の形状は音叉形状で、屈曲水晶振動子90は少なくとも振動腕91、振動腕92と基部93とを具えて構成され、振動腕91と振動腕92の一端部は基部93に接続されている。更に、基部93にはフレーム94,95がそれぞれの接続部分96,97を介して接続されている。詳細には、一方の支持フレームはフレーム94と接続部分96からなり、他方の支持フレームはフレーム95と接続部分97からなる。即ち、支持フレームは基部93から突出して設けられている。また、振動腕91と振動腕92はそれぞれ上面と下面と側面とを有する。更に、振動腕91の上面には中立線98を挟んで、即ち、中立線98を含むように溝100が設けられ、又、振動腕92の上面にも振動腕91と同様に溝101が設けられている。また、振動腕91,92の下面にも上面と同様に溝が設けられている(図5参照)。詳細には、振動腕91の中立線98を挟むようにして溝100が設けられている。他方の振動腕92にも中立線99を挟むようにして溝101が設けられている。本実施例の振動子は、フレーム94,95が収納される容器の固定部に導電接着剤又は半田等で固定される。また、図5で示すように、振動腕91、92の側面と溝100,101には電極が配置される。
図5の(a)と(b)は、図4の屈曲水晶振動子90の振動腕91,92のB−B′断面図を示す。図5の(a)と(b)では図4の屈曲水晶振動子90の振動腕91,92の断面形状並びに電極配置の実施例について詳述する。まず、(a)では、振動腕91には溝100,102が設けられている。同様に、振動腕92には溝101,103が設けられている。更に、溝100と溝102には同極となる電極104,105が、溝101と溝103には同極となる電極106,107が配置されている。また、振動腕91,92の側面には同極となる電極108,109,110,111が配置され、これらの電極はアースに接地されている。即ち、アース電極で、記号D″で表す。更に詳述するならば、振動腕91の溝の電極と振動腕92の溝の電極とは極性の異なる電極が配置されている。それ故、本実施例では3電極端子D−D′−D″を構成している。即ち、1電極端子(記号D)は電極104,105から構成、接続されている。他の1電極端子(記号D′)は電極106,107から構成、接続されている。更に残りの1電極端子(記号D″)はアース電極(零の極性)で、電極108,109,110,111から構成、接続されている。即ち、3電極端子D、D′、D″に接続される電極はそれぞれ極性が異なる。更に電極について詳述するならば、第1振動腕91の両側面と第2振動腕92の両側面に配置された電極108,109,110,111に対抗して配置された対抗電極は前記第1振動腕と前記第2振動腕の両側面の電極の各々に対して一部分対抗して配置されている。
即ち、振動腕のz軸(厚み)方向に対抗する溝電極は同極に、且つ、大略x軸の方向に対抗する電極は極性が異なるように構成、配置されている。詳細には、厚み方向に対抗して設けられた溝に配置された電極の対抗する溝電極と溝電極との間には前記溝電極に対して垂直に発生する電界が厚み方法に存在しないように電極が配置されている。今、2電極端子D−D′間に直流電圧を印加(D端子に正極、D′端子に負極)すると、電界Exは図5の(a)に示した矢印のように働く。電界Exは振動腕の側面と溝内の側面とに対抗して配置された電極により前記電極に垂直に、即ち、直線的に引き出されるので、電界Exが大きくなり、その結果、振動(音叉)腕の長さ方向に同時に歪が発生すると共に、中立線に対して振動(音叉)腕の内側と外側では歪の方向が反対に発生し、且つ、第1振動(音叉)腕と第2振動(音叉)腕の中立線に対して音叉の内側に発生する歪の方向とが同じで、第1振動(音叉)腕と第2振動(音叉)腕の中立線に対して音叉の外側に発生する歪の方向が同じで、更に、前記内側の歪と前記外側の歪とが互いに反対の方向に発生する。それ故、2電極端子D−D′間に交番電圧を印加することにより、振動(音叉)腕が基本波モードで、かつ、逆相の屈曲モードで振動し、共振特性が良くなると共に、発生する歪の量も大きくなる。従って、音叉形状の屈曲水晶振動子を小型化させた場合でも、等価直列抵抗Rの小さい、品質係数Q値の高い屈曲モードで振動する音叉形状の屈曲水晶振動子が得られる。
また、屈曲水晶振動子90の振動(音叉)腕は厚みtを有し、溝は厚みtを有している。ここで言う厚みtは溝の一番深いところの厚みを言う。本実施例では、溝の断面形状は矩形の形状をしているが、実際には大略U字形状、又は大略V字形状、あるいは大略U字形状と大略V字形状が合成された形状をしている。より詳細には、溝が深くなるにつれて、溝の幅は徐々に狭くなる。このことは他の実施例の屈曲水晶振動子でも言える。
次に、図5の(b)では、振動腕91には溝100,102が設けられている。同様に、振動腕92には溝101,103が設けられている。更に、溝100,101,102,103には同極となる電極114,115,116,117が配置され、これらの電極はアースに接地されている。即ち、アース電極である。また、振動腕91の側面には同極となる電極118,119が配置され、振動腕92の側面には同極となる電極120,121が配置されている。更に詳述するならば、振動腕91の側面の電極と振動腕92の側面の電極とは極性の異なる電極が配置されている。それ故、本実施例では3電極端子E−E′−E″を構成している。即ち、1電極端子(記号E)は電極118,119から構成、接続されている。他の1電極端子(記号E′)は電極120,121から構成、接続されている。更に残りの1電極端子(記号E″)はアース電極(零の極性)で、電極114,115,116,117から構成、接続されている。即ち、3電極端子E、E′、E″に接続される電極はそれぞれ極性が異なる。更に電極について詳述するならば、第1振動腕91の両側面と第2振動腕92の両側面に配置された電極118,119,120,121に対抗して配置された対抗電極は前記第1振動腕と前記第2振動腕の両側面の電極の各々に対して一部分対抗して配置されている。
即ち、振動腕のz軸(厚み)方向に対抗する溝電極は同極に、且つ、大略X軸の方向に対抗する電極は極性が異なるように構成、配置されている。詳細には、厚み方向に対抗して設けられた溝に配置された電極の対抗する溝電極と溝電極との間には前記溝電極に対して垂直に発生する電界が厚み方法に存在しないように電極が配置されている。今、2電極端子E−E′間に直流電圧を印加(E端子に正極、E′端子に負極)すると、電界Exは図5の(b)に示した矢印のように働く。電界Exは振動腕の側面と溝内の側面とに対抗して配置された電極により前記電極に垂直に、即ち、直線的に引き出されるので、電界Exが大きくなり、その結果、音叉形状の屈曲水晶振動子を小型化させた場合でも、等価直列抵抗Rの小さい、品質係数Q値の高い屈曲モードで振動する音叉形状の屈曲水晶振動子が得られる。更に振動腕とその上に配置される電極について詳述するならば、振動腕は複数(本)個からなり、振動腕の上下面又は上下面に設けられた溝側面と振動腕の側面の内、少なくとも一面にアース電極が、少なくとも一面に正極となる電極が、少なくとも一面に負極となる電極が配置されている。即ち、3電極端子となるように電極が形成され、振動腕は屈曲モードの基本波モードで、かつ逆相で振動するように電極は配置されている。
実施例4の屈曲水晶振動子
図6は本発明の実施例4の屈曲モードで振動する音叉形状の屈曲水晶振動子130の平面図を示す。振動子130は音叉腕131,132と溝133,134を有する。即ち、本実施例の屈曲水晶振動子130は、前記実施例1のL=Lのときの形状である。図示されていないが、裏面にも溝と電極が設けられ、前記実施例1のように構成されている。
実施例5の屈曲水晶振動子
図7は本発明の実施例5の屈曲モードで振動する音叉形状の屈曲水晶振動子140の平面図を示す。振動子140は音叉腕141,142と溝143,144を有する。即ち、本実施例の屈曲水晶振動子140は、前記実施例2のL=Lのときの形状である。
実施例6の屈曲水晶振動子
図8は本発明の実施例6の屈曲モードで振動する音叉形状の屈曲水晶振動子145の平面図を示す。振動子145は音叉腕146,147と溝148,149を有する。即ち、本実施例の屈曲水晶振動子145は、前記実施例4の振動子の接続部又はフレームに切り欠き部150、151を形成した形状である。同時に、音叉腕(振動部)の先端部の腕幅を広くした形状を有する。このような構造にすることにより、音叉腕が質量効果を持つ。それ故、同じ周波数でもより腕の長さを短くできるので小型化ができる。実際には、腕幅を広くする音叉腕の長さは、音叉腕の自由端である先端部から腕の長さの約半分の位置まで、広く形成される。即ち、前記範囲内で任意の位置に幅が広く設けられる。更に、本実施例では、溝は音叉腕に設けられているが、溝は基部にまで延在して設けても良い。また、上記実施例1から実施例6の屈曲水晶振動子は圧電定数e12(=e′12)によって励振され、その絶対値が大きい程、電気機械変換効率は良くなる。本発明の屈曲水晶振動子の圧電定数e12の絶対値は0.095C/mより大きい値を有する。特に、基本波モード振動で、より小さい等価直列抵抗Rを得るために、好ましくは、e12の絶対値は0.12C/m〜0.19C/mの範囲内にある。但し、e12の計算には水晶の圧電定数e11=0.171C/mと圧電定数e14=−0.0406C/mを用いた。
実施例1の水晶ユニット
図9は本発明の実施例1の水晶ユニット120の上面図である。表面実装型のケース165には固定部166,167が設けられている。また、本実施例の水晶ユニット120は音叉形状の屈曲水晶振動子10、ケース165と蓋(図示されていない)とを具えて構成されている。更に詳述するならば、振動子10のフレーム36,37はケース165に設けられた固定部166,167に導電性接着剤168,169や半田によって固定される。又、ケース165と蓋は接合部材を介して接合される。本実施例では、フレームの2箇所でケースに振動子を固定しているが、音叉基部又は接続部分での固定を追加固定しても良い。また、固定部は蓋に設けても良い。また、振動子10の代わりに実施例3の屈曲水晶振動子90を搭載しても良い。この場合には、例えば、フレームに3電極端子を構成し、固定部もそれらの電極と接続される3電極が構成される。
実施例2の水晶ユニット
図10は本発明の実施例2の水晶ユニット170の上面図である。表面実装型ケース175には固定部176,177が設けられている。また、本実施例の水晶ユニット170は音叉形状の屈曲水晶振動子50、ケース175と蓋(図示されていない)とを具えて構成されている。更に詳述するならば、振動子50のフレーム77はケース175に設けられた固定部176,177に導電性接着剤178,179や半田によって固定される。又、ケース175と蓋は接合部材を介して接合される。また、3電極端子の屈曲水晶振動子を用いる場合には、振動子を固定する固定部もそれらの電極と接続される、分割された3電極が形成される。それらの電極は容器(例えば、ケース)の外側(裏面)に延在して配置される。
また、実施例3から実施例6の音叉形状の屈曲水晶振動子も前記水晶ユニットの構成と同じように、少なくともフレームで導電接着剤等を用いて固定される。前記実施例の水晶ユニットは回路素子(CMOSインバータ、抵抗、コンデンサ)に接続され、水晶ユニットの外側に設けられた2電極端子、又は3電極端子に電気的に接続される。即ち、音叉形状の屈曲水晶振動子のみがユニット内に収納されている。このとき、屈曲水晶振動子は真空中のユニット内に収納されている。更に、ケースの部材はセラミックスかガラス、蓋の部材は金属かガラス、そして、接合部材は金属か低融点ガラスでできている。また、前記構成とは異なり、容器(ユニット)内に回路素子と一緒に実施例1から実施例6の音叉形状の屈曲水晶振動子を収納しても良い。
実施例1の水晶発振器
図11は本発明の実施例1の水晶発振器を構成する水晶発振回路図の一実施例である。本実施例では、水晶発振回路1は増幅器(CMOSインバータ)2、帰還抵抗4、ドレイン抵抗7、コンデンサ5,6と音叉形状の屈曲水晶振動子3から構成されている。即ち、水晶発振回路1は、増幅器2と帰還抵抗4から成る増幅回路8とドレイン抵抗7、コンデンサ5,6と屈曲水晶振動子3から成る帰還回路9から構成されている。詳細には、本発明の水晶発振回路は、増幅回路と帰還回路から構成されていて、増幅回路は少なくとも増幅器から構成され、帰還回路は少なくとも音叉形状の屈曲水晶振動子とコンデンサから構成されている。又、本発明の水晶発振器に用いられる音叉形状の屈曲水晶振動子は実施例1から実施例6で述べた屈曲水晶振動子が用いられ、前記振動子は容器(ユニット)に収納されている。いわゆる、水晶ユニットが用いられる。
図12は図11の帰還回路図を示す。今、屈曲モードで振動する音叉形状の水晶振動子の角周波数をω、ドレイン抵抗7の抵抗をR、コンデンサ5、6の容量をC、C、水晶のクリスタルインピーダンスをRei,入力電圧をV,出力電圧をVとすると、帰還率βはβ=|V/|Vで定義される。但し、iは屈曲振動モードの振動次数を表し、例えば、i=1のとき、基本波モード振動、i=2のとき、2次高調波モード振動である。更に、負荷容量CはC=C/(C+C)で与えられ、C=C=CgdとR>>Reiとすると、帰還率βはβ=1/(1+kC )で与えられる。但し、kはω、R、Reiの関数で表される。又、Reiは近似的に等価直列抵抗Rに等しくなる。
このように、帰還率βと負荷容量Cとの関係から、Cが小さくなると、基本波モード振動と高調波モード振動の帰還率はそれぞれ大きくなることが良く分かる。それ故、Cが小さくなると、基本波モード振動よりも2次高調波モード振動の方が発振し易くなる。その理由は高調波モード振動の最大振動振幅が基本波モード振動の最大振動振幅より小さいために、発振持続条件である振幅条件と位相条件を同時に満足するためである。
本発明の屈曲水晶振動子を用いた水晶発振器は、消費電流が少なく、しかも、出力周波数が高い周波数安定性(高い時間精度)を有する、基本波モード振動の発振周波数である水晶発振器を提供することを目的としている。それ故、消費電流を少なくするために、負荷容量Cは18pF以下を用いる。より消費電流を少なくするには、消費電流は負荷容量に比例するので、C=14pF以下が好ましい。また、2次高調波モードの振動を抑え、発振器の出力信号が基本波モード振動の発振周波数を得るために、α/α>β/βとαβ>1を満足するように本実施例の発振回路は構成される。但し、α、αは基本波モード振動と2次高調波モード振動の増幅回路の増幅率で、β、βは基本波モード振動と2次高調波モード振動の帰還回路の帰還率である。
換言するならば、増幅回路の基本波モード振動の増幅率αと2次高調波モード振動の増幅率αとの比が帰還回路の2次高調波モード振動の帰還率βと基本波モード振動の帰還率βとの比より大きく、かつ、基本波モード振動の増幅率αと基本波モード振動の帰還率βの積が1より大きくなるように構成される。このような構成により、消費電流の少ない、出力信号が基本波モード振動の発振周波数である水晶発振器が実現できる。又、水晶発振回路の出力信号はバッファ回路を介して出力される。更に、基本波モード振動での最適な帰還率を得るために、ドレイン抵抗Rは通常200kΩから1MΩの範囲内にあるが、好ましくは、300kΩから600kΩが用いられる。
又、本実施例の水晶発振回路を構成する増幅回路の増幅部は負性抵抗−RLでその特性を示すことができる。i=1のとき基本波モード振動の負性抵抗で、i=2のとき2次高調波モード振動の負性抵抗である。本実施例の水晶発振器は、増幅回路の基本波モード振動の負性抵抗の絶対値|−RL1|言と基本波モード振動の等価直列抵抗Rとの比が増幅回路の2次高調波モード振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と2次高調波モード振動の等価直列抵抗Rとの比より大きくなるように発振回路が構成される。即ち、|−RL|/R>|−RL|/Rを満足するように構成される。好ましくは、|−RL|/R>1>|−RL|/Rの関係を有する。このような水晶発振回路の構成により、2次高調波モード振動の発振起動が抑えられるので基本波モード振動の発振周波数が出力信号として得られる。特に、超小型化した音叉形状の屈曲水晶振動子で前記目的を達成するには、一例として、基本波モード振動の基準周波数が32.768kHz(発振周波数が大略32.768kHz)の場合、その基本波モード振動での増幅部での負性抵抗の絶対値|−RL|が80kΩより大きく、且つ、2次高調波モード振動の増幅部での負性抵抗の絶対値|−RL|が75kΩより小さくなることが必要である。また、本実施例の水晶発振回路を構成する屈曲水晶振動子の電極構成は、2電極端子を示したが、3電極端子の屈曲水晶振動子でも良く、この場合には、図5の(a)と(b)で示したアース電極を水晶振動子3に追加すればよい。3電極端子の場合には、電界が発生する電極間の容量が2電極端子間の並列容量Cと同じになる。即ち、2電極端子でも3電極端子でもCの結果は同じになる。
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものではなく、上記実施例1から実施例6の音叉形状の屈曲水晶振動子では、溝が中立線を挟む(含む)ように音叉腕に設けられているが、本発明はこれに限定されるものでなく、中立線を残して、その両側に溝を形成しても良い。この場合、音叉腕の中立線を含めた部分幅Wは0.05mmより小さくなるように形成される。又、各々の溝の幅は0.04mmより小さくなるように形成され、溝の厚みtと音叉腕の厚みtとの比は0.79以下に成るように形成される。このように形成することにより、MをMより大きくする事ができる。また、本実施例では、部分幅Wは音叉腕の長さ方向に連続して設けても良いし、不連続に設けても良い。即ち、部分的に設けられる。詳細には、長さ方向に段差があるように設けられる。このような部分幅Wの形成により、音叉の外形形状と溝を同時に形成でき、工数の削減ができるので、安価な水晶振動子が実現できる。
更に、一例として、振動腕である音叉腕は第1音叉腕と第2音叉腕からなり、第1音叉腕と第2音叉腕の上下面にはそれぞれ厚みの方向に対抗して溝が設けられ、前記溝は第1音叉腕と第2音叉腕の中立線の全部、又は一部を残して幅方向の上下面に各々2個の溝が設けられている。更に、各々の溝には第1音叉腕の溝の電極と第2音叉腕の溝の電極との極性が異なる電極が配置されると共に、前記溝の電極と対抗して配置された音叉腕の側面の電極とは極性が異なる2電極端子を構成し、前記2電極端子の内、1電極端子は第1音叉腕の上下面の溝に配置された電極と第2音叉腕の両側面に配置された電極から構成され、且つ、上下面の溝に配置された前記電極と両側面に配置された前記電極とが接続され、他の1電極端子は第1音叉腕の両側面に配置された電極と第2音叉腕の上下面の溝に配置された電極から構成され、且つ、両側面に配置された前記電極と上下面の溝に配置された前記電極とが接続されている。
更に、上記実施例1〜実施例6の音叉形状の屈曲水晶振動子の基本波モード振動での容量比rは2次高調波モード振動の容量比rより小さくなるように構成されている。このような構成により、同じ負荷容量Cの変化に対して、基本波モードで振動する屈曲水晶振動子の周波数変化が2次高調波モードで振動する屈曲水晶振動子の周波数変化より大きくなる。即ち、基本波モード振動の方が2次高調波モード振動より周波数の可変範囲を広くとることができる。さらに詳細には、C=18pF付近では、そのC値が1pF変わると、基本波モード振動の周波数変化は2次高調波モード振動の周波数変化より大きくなる。それ故、基本波モード振動では、Cの可変量が小さくても、周波数の可変範囲を広くできるという著しい効果を有する。これにより、コンデンサの可変容量の範囲を小さくできるので、用いるコンデンサの数を少なくできる。その結果、安価な水晶発振器が得られる。また、上記各実施例の音叉形状の屈曲水晶振動子の基本波モード振動での容量比rは250から480の範囲内にあり、容量比rは1200より大きい値を有する。
また、音叉形状の屈曲水晶振動子の容量比r、rはそれぞれr=C/C、r=C/Cで与えられる。但し、Cは電気的等価回路の並列容量で、CとCは等価回路の基本波モード振動と2次高調波モード振動の等価容量である。即ち、Cは屈曲水晶振動子の2電極端子間、又は3電極端子間の、各々の端子間の全容量である。換言するならば、電界が生じる電極間の容量である。更に、音叉形状の屈曲水晶振動子の基本波モード振動と2次高調波モード振動の品質係数はQ値とQ値で与えられる。そして、前記各実施例の音叉形状の屈曲水晶振動子は、基本波モードで振動する共振周波数の並列容量による依存性が2次高調波モードで振動する共振周波数の並列容量による依存性より小さく成るように構成される。すなわち、r/2Q <r/2Q を満たすように構成される。この構成により、基本波モードで振動する共振周波数の並列容量による影響が無視できるほど極めて小さくなるので、高い周波数安定性を有する基本波モードで振動する音叉形状の屈曲水晶振動が得られる。又、本発明では、r/2Q とr/2Q をそれぞれSとSと置き、SとSをそれぞれ基本波モード振動と2次高調波モード振動の周波数安定係数と呼ぶ。即ち、S=r/2Q とS=r/2Q で与えられる。更に、通常、Q>Qの関係を有するように、溝と電極を設けるのが好ましいが、RがR▲〜▼(1〜3)Rの範囲内にあるときには、Q<Qの関係が得られる場合がある。
又、上記各実施例で述べられた振動子の基本波モード振動の電気機械結合係数は、2次高調波モード振動の電気機械結合係数より大きくなると共に、基本波モード振動の等価直列抵抗Rは35kΩ〜105kΩの範囲内にある。又、RはR/R>1の関係を有する。即ち、R>35kΩの関係を満たすように溝と電極が構成されている。更に、本発明の水晶発振器は、基本波モード振動の発振周波数が出力信号として得られ、且つ、発振の立ち上がり時間tが1秒以内にある水晶発振器を提供する事を目的にしている、そのためには、|−RL|−R▲≧▼2Lm1の関係を満足する必要がある。但し、本発明では、tは水晶発振回路の出力の最大出力電圧の80%に達する時間を言う。また、Lm1は音叉形状の屈曲水晶振動子の基本波モード振動での電気的等価回路の等価インダクタンスである。更に、tを短くするには、例えば、t▲≦▼0.4秒にするためには、|−RL|−R▲≧▼5Lm1の関係を満たす必要がある。また、負性抵抗の絶対値|−RL|をあまり大きくしないで、tを短くするために本発明の振動子の基本波モード振動(基準周波数が32.768kHz)での等価インダクタンスLm1は12kHより小さく、好ましくは、10.9kH以下にある。上記各実施例の音叉形状の屈曲水晶振動子の基本波モード振動での基準周波数として32.768kHzが用いられるが、本発明はこの周波数に限定されるものでなく、10kHz〜200kHzの基準周波数に適用される。
また、一例として、音叉形状の屈曲水晶振動子の基準周波数が32.768kHzで、水晶発振回路の出力信号が32.768kHz±100ppm(parts per million)以内の発振周波数を出力周波数として得るには、まず、水晶ウエハ内にフォトリソグラフィ法とエッチング法により、32.768kHzより周波数が高くなるように振動子が形成される。次に、前記振動子を収納する容器の固定部に固定した後に、水晶発振回路の出力信号が32.768kHz±100ppm以内の発振周波数が出力周波数として得られるように音叉腕に重りを付加して周波数調整するか、若しくは、周波数が32.768kHzより低くなるように音叉腕に重りを付着し、前記振動子を収納する容器の固定部に固定した後に、水晶発振回路の出力信号が32.768kHz±100ppm以内の発振周波数が出力周波数として得られるように音叉腕の重りを除去して周波数調整される。本実施例では、水晶発振回路の負荷容量C値は18pF以下が用いられる。更に、前記周波数調整には、レーザビームと、蒸着と、電子ビームと、イオン化した原子、分子による、いわゆるイオンエッチング法、又はスパッタリング法の内の少なくとも一つが使用される。また、本実施例では、水晶ウエハ内に32.768kHzより周波数が高くなるように振動子が形成された後に、水晶ウエハ内で良振動子か不良振動子かを検査する工程を入れても良い。即ち、不良振動子が存在するときには、不良振動子は水晶ウエハから取り除かれるか、又は振動子に何かマーキングされるか、又は振動子はコンピユタに記憶される。
更に、本実施例の屈曲水晶振動子の音叉形状と溝は化学的、物理的と機械的方法の内の少なくとも一つの方法を用いて加工される。物理的方法では、例えば、イオン化した原子、分子等のいわゆる粒子を飛散させて加工するものである。又、機械的方法では、例えば、ブラスト加工用の粒子を飛散させて加工するものである。前記の例では、加工に粒子を用いるので、本発明では、これを粒子法による(エッチング)加工と言う。
本発明の水晶振動子と水晶ユニットと水晶発振器は超小型で、高い周波数安定性を有するので、特に、超小型で、高い周波数安定性を必要とする携帯機器や民生機器等に適用できる。
本発明の実施例1の屈曲モードで振動する屈曲水晶振動子の平面図を示す。 図1の屈曲水晶振動子の振動腕のA−A′断面図を示す。 本発明の実施例2の屈曲モードで振動する屈曲水晶振動子の平面図を示す。 本発明の実施例3の屈曲モードで振動する屈曲水晶振動子の平面図を示す。 (a)と(b)は、図4の屈曲水晶振動子の振動腕のB−B′断面図を示す。 本発明の実施例4の屈曲モードで振動する音叉形状の屈曲水晶振動子の平面図を示す。 本発明の実施例5の屈曲モードで振動する音叉形状の屈曲水晶振動子の平面図を示す。 本発明の実施例6の屈曲モードで振動する音叉形状の屈曲水晶振動子の平面図を示す。 本発明の実施例1の水晶ユニットの上面図である。 本発明の実施例2の水晶ユニットの上面図である。 本発明の実施例1の水晶発振器を構成する水晶発振回路図の一実施例を示すものである。 図11の帰還回路図を示す。
符号の説明
、Ws 音叉基部の幅、接続部分の幅
、W、W 音叉腕の間隔、音叉腕の全幅、フレームの幅
、L 溝の長さ、音叉基部の長さ
、L 接続部分の長さ、フレームの長さ
音叉の全長

Claims (6)

  1. 少なくとも音叉型屈曲水晶振動子の基本波モード振動の負性抵抗の絶対値|−RL |を備えて構成される水晶発振回路に搭載される水晶振動子で、前記水晶振動子は音叉基部と前記音叉基部に接続された一端固定、他端自由の音叉腕を備えて構成され、屈曲モードで振動する音叉型屈曲水晶振動子で、前記音叉腕は第1音叉腕と第2音叉腕を備えて構成され、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々は上面と下と側面とを有し、前記音叉基部の側面に一方の接続部分を介して一方のフレームが接続され、前記音叉基部の側面に他方の接続部分を介して他方のフレームが接続されていて、前記一方のフレームと前記他方のフレームは音叉の叉部側と異なる音叉の外側に、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕と共通の方向に延びて形成され、前記一方のフレームと前記他方のフレームは前記音叉基部に対して互いに反対の位置にあって、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕と前記音叉基部と前記一方のフレームと前記他方のフレームとは、エッチング加工にて一体に形成されていて、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の上面と下面の各々には溝が形成されていると共に、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々は音叉先端部と、前記音叉先端部と反対の位置にあり前記音叉基部に接続される他端部を備え、かつ、前記音叉先端部と前記他端部の間に2つの異なる幅を備えていて、1つの幅は前記音叉先端部の側に位置し、他の1つの幅は前記音叉先端部の側と反対の位置にある前記他端部の側に位置し、かつ、前記音叉先端部の側に位置している幅より小さく、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の上面と下面の各々に形成された前記溝は、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた振動腕の上面と下面の各々に形成され、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた前記振動腕の上面と下面の各々に形成されたの側面に第1電極が配置され溝の前記側面に対抗する音叉腕の側面に第2電極が配置され、前記第1音叉腕の前記第1電極は前記第2音叉腕の前記第2電極に電気的に接続され、前記第1音叉腕の前記第2電極は前記第2音叉腕の前記第1電極に電気的に接続されると共に、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の一方の音叉腕の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた前記振動腕の上面に形成された溝の側面に配置された前記第1電極は、前記一方のフレームの面の上に配置された電極に接続され、かつ、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の他方の音叉腕の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた前記振動腕の上面に形成された溝の側面に配置された前記第1電極は、前記他方のフレームの面の上に配置された電極に接続され、前記音叉型屈曲水晶振動子は基本波モード振動の等価インダクタンスL m1 と等価直列抵抗R を備えていて、前記音叉型屈曲水晶振動子のL m1 とR は2L m1 +R ≦|−RL |の関係を備えていることを特徴とする水晶振動子。
  2. 請求項1において、前記フレームの幅W は0.45mm以下に、かつ、前記フレームの長さL は0.3mm〜1.85mmの範囲内にあると共に、前記接続部分の幅Wsは0.41mm以下に、かつ、前記接続部分の長さL は0.04mm〜0.5mmの範囲内にあることを特徴とする水晶振動子。
  3. 少なくとも音叉型屈曲水晶振動子の基本波モード振動の負性抵抗の絶対値|−RL |を備えて構成される水晶発振回路に搭載される水晶振動子を備えた水晶ユニットで、前記水晶振動子は音叉基部と前記音叉基部に接続された一端固定、他端自由の音叉腕を備えて構成され、屈曲モードで振動する音叉型屈曲水晶振動子で、前記音叉型屈曲水晶振動子と、ケースと、蓋とを備えて構成される水晶ユニットであって、前記音叉腕は第1音叉腕と第2音叉腕を備えて構成され、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々は上面と下と側面とを有し、前記音叉基部の側面に一方の接続部分を介して一方のフレームが接続され、前記音叉基部の側面に他方の接続部分を介して他方のフレームが接続されていて、前記一方のフレームと前記他方のフレームは音叉の叉部側と異なる音叉の外側に、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕と共通の方向に延びて形成され、前記一方のフレームと前記他方のフレームは前記音叉基部に対して互いに反対の位置にあって、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕と前記音叉基部と前記一方のフレームと前記他方のフレームとは、エッチング加工にて一体に形成されていて、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の上面と下面の各々には溝が形成されていると共に、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々は音叉先端部と、前記音叉先端部と反対の位置にあり前記音叉基部に接続される他端部を備え、かつ、前記音叉先端部と前記他端部の間に2つの異なる幅を備えていて、1つの幅は前記音叉先端部の側に位置し、他の1つの幅は前記音叉先端部の側と反対の位置にある前記他端部の側に位置し、かつ、前記音叉先端部の側に位置している幅より小さく、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の上面と下面の各々に形成された前記溝は、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた振動腕の上面と下面の各々に形成され、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた前記振動腕の上面と下面の各々に形成されたの側面に第1電極が配置され溝の前記側面に対抗する音叉腕の側面に第2電極が配置され、前記第1音叉腕の前記第1電極は前記第2音叉腕の前記第2電極に電気的に接続され、前記第1音叉腕の前記第2電極は前記第2音叉腕の前記第1電極に電気的に接続されると共に、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の一方の音叉腕の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた前記振動腕の上面に形成された溝の側面に配置された前記第1電極は、前記一方のフレームの面の上に配置された電極に接続され、かつ、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の他方の音叉腕の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた前記振動腕の上面に形成された溝の側面に配置された前記第1電極は、前記他方のフレームの面の上に配置された電極に接続され、前記音叉型屈曲水晶振動子は基本波モード振動の等価インダクタンスL m1 と等価直列抵抗R を備えていて、前記音叉型屈曲水晶振動子のL m1 とR は2L m1 +R ≦|−RL |の関係を備えていることを特徴とする水晶ユニット。
  4. 請求項3において、前記音叉基部の長さL は0.5mm未満で、かつ、前記接続部分の長さL より大きく、前記フレームの先端部は音叉の叉部と前記音叉先端部の間にあることを特徴とする水晶ユニット。
  5. 少なくとも増幅器を備えて構成される増幅回路と、音叉基部と前記音叉基部に接続された一端固定、他端自由の音叉腕を備えて構成され、屈曲モードで振動する音叉型屈曲水晶振動子と、コンデンサとを少なくとも備えて構成される帰還回路からなる水晶発振回路を備えた水晶発振器で、増幅回路と帰還回路からなる前記水晶発振回路の増幅回路の基本波モード振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と基本波モード振動の等価直列抵抗Rとの比が増幅回路の2次高調波モード振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と2次高調波モード振動の等価直列抵抗Rとの比より大きくなるように前記水晶発振回路は構成されていて、前記音叉型屈曲水晶振動子を備えて構成された前記水晶発振回路の出力信号が基本波モード振動の発振周波数であって、前記音叉腕は第1音叉腕と第2音叉腕を備えて構成され、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々は上面と下と側面とを有し、前記音叉基部の側面に一方の接続部分を介して一方のフレームが接続され、前記音叉基部の側面に他方の接続部分を介して他方のフレームが接続されていて、前記一方のフレームと前記他方のフレームは音叉の叉部側と異なる音叉の外側に、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕と共通の方向に延びて形成され、前記一方のフレームと前記他方のフレームは前記音叉基部に対して互いに反対の位置にあって、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕と前記音叉基部と前記一方のフレームと前記他方のフレームとは、エッチング加工にて一体に形成されていて、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の上面と下面の各々には溝が形成されていると共に、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々は音叉先端部と、前記音叉先端部と反対の位置にあり前記音叉基部に接続される他端部を備え、かつ、前記音叉先端部と前記他端部の間に2つの異なる幅を備えていて、1つの幅は前記音叉先端部の側に位置し、他の1つの幅は前記音叉先端部の側と反対の位置にある前記他端部の側に位置し、かつ、前記音叉先端部の側に位置している幅より小さく、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の上面と下面の各々に形成された前記溝は、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた振動腕の上面と下面の各々に形成され、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた前記振動腕の上面と下面の各々に形成されたの側面に第1電極が配置され溝の前記側面に対抗する音叉腕の側面に第2電極が配置され、前記第1音叉腕の前記第1電極は前記第2音叉腕の前記第2電極に電気的に接続され、前記第1音叉腕の前記第2電極は前記第2音叉腕の前記第1電極に電気的に接続されると共に、前記第1電極と前記第2電極は、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕に溝を有する前記音叉型屈曲水晶振動子の基本波モード振動のフイガーオブメリットMが、2次高調波モード振動のフイガーオブメリットMより大きくなるように配置されていて、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の一方の音叉腕の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた前記振動腕の上面に形成された溝の側面に配置された前記第1電極は、前記一方のフレームの面の上に配置された電極に接続され、かつ、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の他方の音叉腕の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた前記振動腕の上面に形成された溝の側面に配置された前記第1電極は、前記他方のフレームの面の上に配置された電極に接続され、前記音叉型屈曲水晶振動子は基本波モード振動の等価インダクタンスL m1 を備えていて、前記水晶発振回路は|−RL |−R ≧2L m1 の関係を備えて構成されることを特徴とする水晶発振器。
  6. 少なくとも増幅器を備えて構成される増幅回路と、音叉基部と前記音叉基部に接続された一端固定、他端自由の音叉腕を備えて構成され、屈曲モードで振動する音叉型屈曲水晶振動子と、コンデンサとを少なくとも備えて構成される帰還回路からなる水晶発振回路を備えた水晶発振器を備えて構成される情報通信機器で、増幅回路と帰還回路からなる前記水晶発振回路の増幅回路の基本波モード振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と基本波モード振動の等価直列抵抗Rとの比が増幅回路の2次高調波モード振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と2次高調波モード振動の等価直列抵抗Rとの比より大きくなるように前記水晶発振回路は構成されていて、前記音叉型屈曲水晶振動子を備えて構成された前記水晶発振回路の出力信号が基本波モード振動の発振周波数で、前記出力信号は情報通信機器用の規準信号源であって、前記音叉腕は第1音叉腕と第2音叉腕を備えて構成され、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々は上面と下と側面とを有し、前記音叉基部の側面に一方の接続部分を介して一方のフレームが接続され、前記音叉基部の側面に他方の接続部分を介して他方のフレームが接続されていて、前記一方のフレームと前記他方のフレームは音叉の叉部側と異なる音叉の外側に、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕と共通の方向に延びて形成され、前記一方のフレームと前記他方のフレームは前記音叉基部に対して互いに反対の位置にあって、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕と前記音叉基部と前記一方のフレームと前記他方のフレームとは、エッチング加工により一体に形成されていて、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の上面と下面の各々には溝が形成されていると共に、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々は音叉先端部と、前記音叉先端部と反対の位置にあり前記音叉基部に接続される他端部を備え、かつ、前記音叉先端部と前記他端部の間に2つの異なる幅を備えていて、1つの幅は前記音叉先端部の側に位置し、他の1つの幅は前記音叉先端部の側と反対の位置にある前記他端部の側に位置し、かつ、前記音叉先端部の側に位置している幅より小さく、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の上面と下面の各々に形成された前記溝は、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた振動腕の上面と下面の各々に形成され、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の各々の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた前記振動腕の上面と下面の各々に形成されたの側面に第1電極が配置され溝の前記側面に対抗する音叉腕の側面に第2電極が配置され、前記第1音叉腕の前記第1電極は前記第2音叉腕の前記第2電極に電気的に接続され、前記第1音叉腕の前記第2電極は前記第2音叉腕の前記第1電極に電気的に接続されると共に、前記第1電極と前記第2電極は、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕に溝を有する前記音叉型屈曲水晶振動子の基本波モード振動のフイガーオブメリットMが、2次高調波モード振動のフイガーオブメリットMより大きくなるように配置されていて、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の一方の音叉腕の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた前記振動腕の上面に形成された溝の側面に配置された前記第1電極は、前記一方のフレームの面の上に配置された電極に接続され、かつ、前記第1音叉腕と前記第2音叉腕の他方の音叉腕の前記他端部の側に位置している前記幅を備えた前記振動腕の上面に形成された溝の側面に配置された前記第1電極は、前記他方のフレームの面の上に配置された電極に接続され、前記音叉型屈曲水晶振動子は基本波モード振動の等価インダクタンスL m1 を備えていて、前記水晶発振回路は|−RL |−R ≧2L m1 の関係を備えて構成されることを特徴とする情報通信機器。
JP2006189802A 2003-06-30 2006-06-13 水晶振動子、水晶ユニット、水晶発振器と情報通信機器 Expired - Fee Related JP4411492B6 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006189802A JP4411492B6 (ja) 2003-06-30 2006-06-13 水晶振動子、水晶ユニット、水晶発振器と情報通信機器

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003205844 2003-06-30
JP2003205844 2003-06-30
JP2006189802A JP4411492B6 (ja) 2003-06-30 2006-06-13 水晶振動子、水晶ユニット、水晶発振器と情報通信機器

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003436310A Division JP4026074B2 (ja) 2003-06-30 2003-12-05 水晶振動子と水晶ユニットと水晶発振器

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2006325240A JP2006325240A (ja) 2006-11-30
JP4411492B2 JP4411492B2 (ja) 2010-02-10
JP4411492B6 true JP4411492B6 (ja) 2011-11-30

Family

ID=

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4026074B2 (ja) 水晶振動子と水晶ユニットと水晶発振器
JP5531319B2 (ja) 水晶振動子と水晶ユニットと水晶発振器の各製造方法
JP4379119B2 (ja) 水晶振動子
JP4411494B2 (ja) 水晶振動子
JP4411495B2 (ja) 屈曲水晶振動子を備えた水晶ユニット
JP2003273703A (ja) 水晶振動子と水晶振動子の製造方法
JP4411492B6 (ja) 水晶振動子、水晶ユニット、水晶発振器と情報通信機器
JP4411492B2 (ja) 水晶振動子、水晶ユニット、水晶発振器と情報通信機器
JP4411496B6 (ja) 水晶発振器を搭載した携帯機器とその製造方法
JP4411496B2 (ja) 水晶発振器を搭載した携帯機器とその製造方法
JP4074934B2 (ja) 水晶発振器とその製造方法
JP2005094733A (ja) 振動子と振動子ユニットと発振器と電子機器とそれらの製造方法
JP4697190B2 (ja) 水晶振動子と水晶ユニットの各製造方法
JP4697190B6 (ja) 水晶振動子と水晶ユニットの各製造方法
JP4697196B2 (ja) 水晶ユニットと水晶発振器の製造方法
JP4697196B6 (ja) 水晶ユニットと水晶発振器の製造方法
JP2003273696A (ja) 水晶ユニットの製造方法と水晶発振器の製造方法
JP4074935B2 (ja) 水晶発振器と水晶発振器の製造方法
JP2005094734A (ja) 振動子と振動子ユニットと発振器と電子機器
JP2003273701A (ja) 水晶発振器
JP2003273695A (ja) 水晶ユニットと水晶発振器
JP2003273699A (ja) 水晶ユニットと水晶発振器
JP2003273702A (ja) 水晶ユニット、その製造方法と水晶発振器
JP2003273697A (ja) 水晶発振器と水晶発振器の製造方法