JP4411439B2 - 靴底及び靴 - Google Patents
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Description
例えば特許文献1においては、底本体を、踵部、不踏部、踏付け部、爪先部からなるゴム又は合成樹脂の一体成形品から構成し、不踏部と踏付け部の間、踏付け部と爪先部の間に、接地面側の凹溝、靴内面側の凹溝を設けることにより、歩行時のあおり動作を助勢し、安定した歩行を可能とする靴底が提案されている。
しかしながら、靴底構造に関する従来の何れの技術も、転倒防止に応用した場合に充分な効果が得られるものではなかった。
又、特許文献4においては、複数の緩衝チャンバ間の流体連通度を制御して、各緩衝チャンバ内の圧力を調節し、これによって様々な状況に応じて動的緩衝を実現するものに過ぎないので、充分に高い圧力が得られず、歩行時のバランスをとることは困難である。
更に特許文献5においては、複数のコンパートメント間を流れる流体の流量を調整するものに過ぎず、充分に高い圧力が得られないため、充分な転倒防止効果は得られない。
前記空気充填部(3)は空気充填/回生切り換え手段を介して前記複数枚の硬さ調整プレート(5)に接続され、該空気充填/回生切り換え手段は、空気充填部(3)から各硬さ調整プレート(5)へ繋がる空気通路に介在する充填切り換え弁と、各硬さ調整プレート(5)から圧力発生部(2)若しくは空気充填部(3)へ繋がる空気通路に介在する回生切り換え弁とを具え、前記充填切り換え弁によって空気充填部(3)から任意の1つの硬さ調整プレート(5)への空気の充填をオン/オフすることが可能であると共に、前記回生切り換え弁によって任意の1つの硬さ調整プレート(5)から空気充填部(3)若しくは圧力発生部(2)への空気の回生をオン/オフすることが可能であり、前記空気充填/回生切り換え手段は、歩行中の各硬さ調整プレート(5)の内部空気圧がそれぞれの基準値に近付く様に前記切り換え動作が制御される。
これによって、各硬さ調整プレート(5)の硬さ(剛性、コンプライアンス、軟らかさ)を変化させる。
空気充填部(3)内に充填された圧力空気は、歩行中の適時に、空気充填/回生切り換え手段を経て、1或いは複数枚の硬さ調整プレート(5)へ送り込まれ、1或いは複数枚の硬さ調整プレート(5)内の圧力空気は、歩行中の適時に、空気充填/回生切り換え手段を経て、空気充填部(3)若しくは圧力発生部(2)へ回生される。圧力発生部(2)に回生された空気は更に加圧されて、空気充填部(3)へ送り込まれる。
この結果、空気充填部(3)内には常に充分な圧力で空気が充填されている状態が維持されることになる。
又、足が持ち上げられて圧力発生部(2)に対する加圧が解除されると、空気取り入れ口(20)(20)が開放されると共に、圧力発生部(2)は弾性復帰し、その過程で圧力発生部(2)の空気室内には空気取り入れ口(20)(20)から空気が吸入されることになる。ここで逆止弁(61)は空気充填部(3)から圧力発生部(2)への空気の逆流を阻止する。
又、前記制御手段の第2制御部は、各硬さ調整プレート(5)の内圧を相互に比較すると共に、各硬さ調整プレート(5)の内圧を前記基準値と比較して、他の硬さ調整プレート(5)よりも内圧が高く、且つ基準値よりも内圧の高い硬さ調整プレート(5)に空気を充填するステップと、前記他の硬さ調整プレート(5)の内圧が基準値よりも高いとき、該硬さ調整プレート(5)の空気を排出するステップとを有している。
図1に示す如く本発明に係る靴(1)は、靴底本体(11)と靴本体(12)から構成され、靴底本体(11)に転倒防止のための構成が組み込まれている。
靴底本体(11)は合成樹脂製若しくはゴム製であって、図2に示す様に靴底本体(11)の内部には、踵に対応する後方領域に圧力発生部(2)、爪先に対応する前方領域に空気充填部(3)、圧力発生部(2)と空気充填部(3)の間の中央領域に左右2枚の硬さ調整プレート(5a)(5b)が配備されている。
圧力発生部(2)は踵により押圧されて厚さ方向に弾性変形可能であり、内部に空気室を有し、該空気室は、その上壁に開設した複数の空気取り入れ口(20)(20)を通じて靴本体(12)の内部空間に開口している。
圧力発生部(2)の上壁が足の踵によって押圧された状態では、全ての空気取り入れ口(20)(20)が塞がれるため、空気室内の空気は弾性変形に伴って圧縮され、圧力が増大することになる。又、図1中に鎖線で示す様に、踵が持ち上がると、全ての空気取り入れ口(20)(20)が開放され、圧力発生部(2)の弾性復帰による膨張に伴って、空気取り入れ口(20)(20)から空気室内に空気が吸入される。
多孔質体(51)は、連続気泡を含むポリマー成形体であって、可撓性を有し、基材ポリマーとしては、ポリウレタン、ポリエステル等の合成樹脂、若しくは天然ゴム、ポリイソプレン等のゴムが用いられている。
袋体(52)は、合成樹脂製のフィルムからなり、可撓性を有し、基材ポリマーとしては、ポリウレタン、ポリオレフィンなどの合成樹脂、若しくは軟質のゴムが用いられている。
尚、袋体(52)の裏面は、接着剤又は熱融着によって、多孔質体(51)の表面に接合されている。
空気充填部(3)と第1の硬さ調整プレート(5a)の間には、第1充填切り換え弁(62)と第1空気回生管(64)が設置され、第1空気回生管(64)には第1回生切り換え弁(66)が介在している。又、空気充填部(3)と第2の硬さ調整プレート(5b)の間には、第2充填切り換え弁(63)と第2空気回生管(65)が設置され、第2空気回生管(65)には第2回生切り換え弁(67)が介在している。
又、第2充填切り換え弁(63)は、空気充填部(3)から第2の硬さ調整プレート(5b)へ通じる空気通路を開閉する機能と、該硬さ調整プレート(5b)から第2空気回生管(65)へ通じる空気通路を開閉する機能を有している。第2回生切り換え弁(67)は第2空気回生管(65)内の空気通路を開閉する機能を有している。
更に、両硬さ調整プレート(5a)(5b)の内部には圧力センサー(41)(42)がそれぞれ設置されており、両圧力センサー(41)(42)の出力信号は回路基板(4)上の制御回路に供給される。
尚、回路基板(4)には適所に配備された釦電池等の電源から電力が供給されており、外部から操作可能なスイッチ(図示省略)をオンとすることによって、回路基板(4)上の制御回路が動作を開始し、後述の制御動作が実行される。
第1回生切り換え弁(66)及び第2回生切り換え弁(67)はそれぞれ図7に示す如く2ポートのポペット弁であって、同図(a)に示す如くポートPからポートAへの流路を閉じるオフ(OFF)状態と、同図(b)に示すポートPからポートAへの流路を開くオン(ON)状態の間で切り換えることが出来る。
第1充填切り換え弁(62)及び第2充填切り換え弁(63)はそれぞれ図8に示す如く3ポートのスプール弁であって、同図(a)に示す如くポートPからポートAへの流路を開くと共にポートAからポートRへの流路を閉じるオン(ON)状態と、同図(b)に示す如くポートPからポートAへの流路を閉じると共にポートAからポートRへの流路を開くオフ(OFF)状態の間で切り換えることが出来る。
同様に、第2充填切り換え弁(63)をON状態、第2回生切り換え弁(67)をOFF状態に設定することによって、圧力発生部(2)から第2の硬さ調整プレート(5b)へ空気を充填することが可能であり、逆に、第2充填切り換え弁(63)をOFF状態、第2回生切り換え弁(67)をON状態に設定することによって、第2の硬さ調整プレート(5b)から圧力発生部(2)へ空気を排気(回生)することが可能である。更に、第2充填切り換え弁(63)をOFF状態、第2回生切り換え弁(67)をOFF状態に設定することによって、第2の硬さ調整プレート(5b)を密閉することが出来る。
図10は、ユーザが歩行する前に行なう初期設定のための手続きであって、このとき、前記スイッチはオフの状態であり、第1充填切り換え弁(62)、第2充填切り換え弁(63)、第1回生切り換え弁(66)及び第2回生切り換え弁(67)は全てオフの状態にある。これによって両硬さ調整プレート(5a)(5b)は密閉状態となっている。
次に、ステップS12では、内圧Pa、Pbがそれぞれ平均圧力Pabに略等しいかどうかを判断する。ここでイエスと判断されたときは、歩行中の姿勢が安定しているもの(図9(c)の状態)と推定されるため、ステップS13に移行して、両硬さ調整プレート(5a)(5b)の密閉状態を維持し、ステップS11へ戻る。
即ち、圧力発生部(2)から空気充填部(3)を経て硬さ調整プレート(5)に送り込まれる空気の圧力Pcが、硬さ調整プレート(5)の表面に作用する圧力Pを上回ることとなり、この試算結果から、1つの硬さ調整プレート(5)に作用する荷重を圧力発生部(2)から発生する空気の圧力によって充分に支えることが出来ると言える。
更に又、回路基板(4)は、空気充填部(3)の内部に限らず、靴底本体(11)或いは靴本体(12)の適所に設置することも可能である。
(11) 靴底本体
(12) 靴本体
(2) 圧力発生部
(20) 空気取り入れ口
(3) 空気充填部
(4) 回路基板
(5) 硬さ調整プレート
(6) 空気供給管
(61) 逆止弁
(62) 第1充填切り換え弁
(63) 第2充填切り換え弁
(64) 第1空気回生管
(65) 第2空気回生管
(66) 第1回生切り換え弁
(67) 第2回生切り換え弁
(68) 第3空気回生管
Claims (12)
- 靴底本体(11)の内部に、歩行に伴って空気を空気室内に吸入しつつ空気室内の空気を加圧する圧力発生部(2)と、圧力発生部(2)によって加圧された空気が充填されるべき空気充填室を有する空気充填部(3)とが配備されると共に、靴底本体(11)の裏面に沿って、内部空気圧に応じた硬さを発揮する複数枚の硬さ調整プレート(5)が配置され、前記空気充填部(3)は空気充填/回生切り換え手段を介して前記複数枚の硬さ調整プレート(5)に接続され、該空気充填/回生切り換え手段は、空気充填部(3)から各硬さ調整プレート(5)へ繋がる空気通路を開閉すると共に、各硬さ調整プレート(5)から圧力発生部(2)若しくは空気充填部(3)へ繋がる空気通路を開閉することによって、空気充填部(3)から任意の1つの硬さ調整プレート(5)の内部へ空気を充填する空気充填状態と、任意の1つの硬さ調整プレート(5)内の空気を空気充填部(3)側若しくは圧力発生部(2)側へ回生する空気回生状態との間で、切り換えが可能であり、該空気充填/回生切り換え手段の切り換え動作によって、各硬さ調整プレート(5)の内部空気圧が調整されることを特徴とする靴底。
- 前記空気充填/回生切り換え手段は、歩行中の各硬さ調整プレート(5)の内部空気圧がそれぞれの基準値に近付く様に前記切り換え動作が制御される請求項1に記載の靴底。
- 靴本体(12)の裏面側に配備されるべき靴底であって、靴底本体(11)の内部に、歩行に伴って空気を空気室内に吸入しつつ空気室内の空気を加圧する圧力発生部(2)と、圧力発生部(2)によって加圧された空気が充填されるべき空気充填室を有する空気充填部(3)とが配備されると共に、靴底本体(11)の裏面に沿って、内部空気圧に応じた硬さを発揮する複数枚の硬さ調整プレート(5)が配置され、前記空気充填部(3)は空気充填/回生切り換え手段を介して前記複数枚の硬さ調整プレート(5)に接続され、該空気充填/回生切り換え手段は、空気充填部(3)から各硬さ調整プレート(5)へ繋がる空気通路に介在する充填切り換え弁と、各硬さ調整プレート(5)から圧力発生部(2)若しくは空気充填部(3)へ繋がる空気通路に介在する回生切り換え弁とを具え、前記充填切り換え弁によって空気充填部(3)から任意の1つの硬さ調整プレート(5)への空気の充填をオン/オフすることが可能であると共に、前記回生切り換え弁によって任意の1つの硬さ調整プレート(5)から空気充填部(3)若しくは圧力発生部(2)への空気の回生をオン/オフすることが可能であり、
前記空気充填/回生切り換え手段は、歩行中の各硬さ調整プレート(5)の内部空気圧がそれぞれの基準値に近付く様に前記切り換え動作が制御されることを特徴とする靴底。 - 圧力発生部(2)は、靴底本体(11)の端部であって足の踵を受け止める部位に配備されて、歩行時に踵により押圧されて弾性変形可能であり、踵が接触すべき上面には、1或いは複数の空気取り入れ口(20)が開設され、圧力発生部(2)から空気充填部(3)へ至る空気供給管(6)には、逆止弁(61)が介在している請求項1乃至請求項3の何れかに記載の靴底。
- 硬さ調整プレート(5)は、変形復元性を有する多孔質体(51)と、該多孔質体(51)を気密に包み込む袋体(52)とから構成されている請求項1乃至請求項4の何れかに記載の靴底。
- 空気充填/回生切り換え手段の動作を制御する制御手段は、回路基板(4)上に設けられて、空気充填部(3)の空気充填室内に設置されている請求項1乃至請求項5の何れかに記載の靴底。
- 空気充填/回生切り換え手段の動作を制御する制御手段は、歩行開始時に各硬さ調整プレート(5)について内圧の基準値を導出する第1制御部と、歩行中に各硬さ調整プレート(5)の内部空気圧を前記基準値に近付けるための制御手続を繰り返し実行する第2制御部とを具えている請求項1乃至請求項6の何れかに記載の靴底。
- 前記制御手段の第1制御部は、歩行開始時に全ての硬さ調整プレート(5)の内圧を平均することにより前記基準値を導出する請求項7に記載の靴底。
- 前記制御手段の第2制御部は、各硬さ調整プレート(5)の内圧を相互に比較すると共に、各硬さ調整プレート(5)の内圧を前記基準値と比較して、他の硬さ調整プレート(5)よりも内圧が高く、且つ基準値よりも内圧の高い硬さ調整プレート(5)に空気を充填するステップを有している請求項7又は請求項8に記載の靴底。
- 前記制御手段の第2制御部は、前記他の硬さ調整プレート(5)の内圧が基準値よりも高いとき、該硬さ調整プレート(5)の空気を排出するステップを有している請求項9に記載の靴底。
- 歩行に伴って空気を空気室内に吸入しつつ空気室内の空気を加圧する圧力発生部(2)と、圧力発生部(2)によって加圧された空気が充填されるべき空気充填室を有する空気充填部(3)とを具えると共に、靴底本体(11)の裏面に沿って、内部空気圧に応じた硬さを発揮する複数枚の硬さ調整プレート(5)が配置され、前記空気充填部(3)は空気充填/回生切り換え手段を介して前記複数枚の硬さ調整プレート(5)に接続され、該空気充填/回生切り換え手段は、空気充填部(3)から各硬さ調整プレート(5)へ繋がる空気通路を開閉すると共に、各硬さ調整プレート(5)から圧力発生部(2)若しくは空気充填部(3)へ繋がる空気通路を開閉することによって、空気充填部(3)から任意の1つの硬さ調整プレート(5)の内部へ空気を充填する空気充填状態と、任意の1つの硬さ調整プレート(5)内の空気を空気充填部(3)側若しくは圧力発生部(2)側へ回生する空気回生状態との間で、切り換えが可能であり、該空気充填/回生切り換え手段の切り換え動作によって、歩行中の各硬さ調整プレート(5)の内部空気圧が調整されることをを特徴とする靴。
- 前記空気充填/回生切り換え手段は、歩行中の各硬さ調整プレート(5)の内部空気圧がそれぞれの基準値に近付く様に前記切り換え動作が制御される請求項11に記載の靴。
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