以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1はテレビジョン受像機の制御ブロック図、図2は図1に示すテレビジョン受像機の映像モニタを示す正面図(上左図)、右側面図(上右図)および背面図(下図)、図3は図2に示す映像モニタを用いて4画面のマルチ表示装置の一例を構成した状態を示す正面図、図4は図2に示す映像モニタを用いて9画面のマルチ表示装置の一例を構成した状態を示す正面図、図5はID自動検出プログラムの第1例を示すフローチャート、図6は図2に示す映像モニタを用いて4画面のマルチ表示装置の別の例を構成した状態を示す正面図、図7はID自動検出プログラムの第2例を示すフローチャートである。
テレビジョン受像機1は、図1に示すように、アンテナを経由して受信したRF信号をビデオ信号にデコードするチューナ2と、コンポジット、S、コンポーネントのいずれかのビデオ信号を入力するビデオ入力部3と、チューナ2からのビデオ信号またはビデオ入力部3からのビデオ信号を切り替えるビデオスイッチ4と、1フレームの映像情報を保存するフレームメモリ5と、ビデオ信号のIP変換、スケーリング、デジタルRGB変換などを行う映像処理回路6と、映像、文字などの画像情報を拡大表示するLCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイパネル)などの映像モニタ8と、後述する4個の押しボタンスイッチSW1〜SW4のon/off状態を検出し、その組み合わせによってIDを認識して記憶するマイコン(マイクロコンピュータ)10と、R/C信号をマイコン10へ伝達するR/C受光部9と、ROM(読取り専用記憶装置)11とを備えている。
ところで、映像モニタ8は、図2に示すように、横長の長方形枠状のベゼル81を有している。ベゼル81の右側面には、モーメンタリ動作型(自動復帰型)の第1の押しボタンスイッチSW1が横向きに突設されている。ベゼル81の上側面には、モーメンタリ動作型の第2の押しボタンスイッチSW2が上向きに突設されている。ベゼル81の左側面には、モーメンタリ動作型の第3の押しボタンスイッチSW3が横向きに突設されている。ベゼル81の下側面には、モーメンタリ動作型の第4の押しボタンスイッチSW4が下向きに突設されている。これらの押しボタンスイッチSW1〜SW4は、通常の突出状態でoffとなり、後退状態でonとなる電気接点構成を備えている。
また、ROM11には、図1に示すように、メモリマップ12が読み出し自在に格納されており、メモリマップ12には、マルチパネル画面数(4画面、9画面)ごとに、各押しボタンスイッチSW1〜SW4のon/off状態が映像モニタ8の設置位置に応じて記載されている。例えば、4画面の場合、画面1(図3の上段左列の映像モニタ8)については、押しボタンスイッチSW1がon、押しボタンスイッチSW2がoff、押しボタンスイッチSW3がoff、押しボタンスイッチSW4がonと記載されており、画面2(図3の上段右列の映像モニタ8)については、押しボタンスイッチSW1がoff、押しボタンスイッチSW2がoff、押しボタンスイッチSW3がon、押しボタンスイッチSW4がonと記載されている。また、9画面の場合、画面1(図4の上段左列の映像モニタ8)については、押しボタンスイッチSW1がon、押しボタンスイッチSW2がoff、押しボタンスイッチSW3がoff、押しボタンスイッチSW4がonと記載されており、画面2(図4の上段中央列の映像モニタ8)については、押しボタンスイッチSW1がon、押しボタンスイッチSW2がoff、SW3がon、押しボタンスイッチSW4がonと記載されている。
そして、このテレビジョン受像機1を4台使用して構成した4画面のマルチ表示装置21においては、図3に示すように、4個の映像モニタ8が2段2列(画面1、画面2、画面3、画面4)でマトリックス配置されている。
このとき、画面1(図3の上段左列の映像モニタ8)については、押しボタンスイッチSW1が画面2(図3の上段右列の映像モニタ8)のベゼル81に押される形で後退してonとなっており、押しボタンスイッチSW2、SW3がいずれも突出したままでoffとなっており、押しボタンスイッチSW4が画面3(図3の下段左列の映像モニタ8)のベゼル81に押される形で後退してonとなっている。
また、画面2については、押しボタンスイッチSW1、SW2がいずれも突出したままでoffとなっており、押しボタンスイッチSW3が画面1のベゼル81に押される形で後退してonとなっており、押しボタンスイッチSW4が画面4(図3の下段右列の映像モニタ8)のベゼル81に押される形で後退してonとなっている。
また、画面3については、押しボタンスイッチSW1が画面4のベゼル81に押される形で後退してonとなっており、押しボタンスイッチSW2が画面1のベゼル81に押される形で後退してonとなっており、押しボタンスイッチSW3、SW4がいずれも突出したままでoffとなっている。
さらに、画面4については、押しボタンスイッチSW1、SW4がいずれも突出したままでoffとなっており、押しボタンスイッチSW2が画面2に押される形で後退してonとなっており、押しボタンスイッチSW3が画面3のベゼル81に押される形で後退してonとなっている。
一方、テレビジョン受像機1を9台使用して構成した9画面のマルチ表示装置31においては、図4に示すように、9個の映像モニタ8が3段3列(画面1、画面2、画面3、画面4、画面5、画面6、画面7、画面8、画面9)でマトリックス配置されている。
このとき、画面1(図4の上段左列の映像モニタ8)については、押しボタンスイッチSW1が画面2(図の上段中央列の映像モニタ8)のベゼル81に押される形で後退してonとなっており、押しボタンスイッチSW2、SW3がいずれも突出したままでoffとなっており、押しボタンスイッチSW4が画面4(図4の中段左列の映像モニタ8)のベゼル81に押される形で後退してonとなっている。
また、画面2については、押しボタンスイッチSW1が画面3(図4の上段右列の映像モニタ8)のベゼル81に押される形で後退してonとなっており、押しボタンスイッチSW2が突出したままでoffとなっており、押しボタンスイッチSW3が画面1のベゼル81に押される形で後退してonとなっており、押しボタンスイッチSW4が画面5(図4の中段中央列の映像モニタ8)のベゼル81に押される形で後退してonとなっている。
また、画面3については、押しボタンスイッチSW1、SW2がいずれも突出したままでoffとなっており、押しボタンスイッチSW3が画面2のベゼル81に押される形で後退してonとなっており、押しボタンスイッチSW4が画面6(図4の中段右列の映像モニタ8)のベゼル81に押される形で後退してonとなっている。
また、画面4については、押しボタンスイッチSW1が画面5のベゼル81に押される形で後退してonとなっており、押しボタンスイッチSW2が画面1のベゼル81に押される形で後退してonとなっており、押しボタンスイッチSW3が突出したままでoffとなっており、押しボタンスイッチSW4が画面7(図4の下段左列の映像モニタ8)のベゼル81に押される形で後退してonとなっている。
また、画面5については、押しボタンスイッチSW1が画面6のベゼル81に押される形で後退してonとなっており、押しボタンスイッチSW2が画面2のベゼル81に押される形で後退してonとなっており、押しボタンスイッチSW3が画面4のベゼル81に押される形で後退してonとなっており、押しボタンスイッチSW4が画面8(図4の下段中央列の映像モニタ8)のベゼル81に押される形で後退してonとなっている。
また、画面6については、押しボタンスイッチSW1が突出したままでoffとなっており、押しボタンスイッチSW2が画面3のベゼル81に押される形で後退してonとなっており、押しボタンスイッチSW3が画面5のベゼル81に押される形で後退してonとなっており、押しボタンスイッチSW4が画面9(図4の下段右列の映像モニタ8)のベゼル81に押される形で後退してonとなっている。
また、画面7については、押しボタンスイッチSW1が画面8のベゼル81に押される形で後退してonとなっており、押しボタンスイッチSW2が画面4のベゼル81に押される形で後退してonとなっており、押しボタンスイッチSW3、SW4がいずれも突出したままでoffとなっている。
また、画面8については、押しボタンスイッチSW1が画面9のベゼル81に押される形で後退してonとなっており、押しボタンスイッチSW2が画面5のベゼル81に押される形で後退してonとなっており、押しボタンスイッチSW3が画面7のベゼル81に押される形で後退してonとなっており、押しボタンスイッチSW4が突出したままでoffとなっている。
さらに、画面9については、押しボタンスイッチSW1、SW4がいずれも突出したままでoffとなっており、押しボタンスイッチSW2が画面6のベゼル81に押される形で後退してonとなっており、押しボタンスイッチSW3が画面8のベゼル81に押される形で後退してonとなっている。
そして、これら2種のマルチ表示装置21、31に映像(画像、文字)の拡大表示を行う際には、各テレビジョン受像機1のマイコン10は、図5に示すID自動検出プログラムPRG1に基づき、次に述べるとおり、各種の動作を順次実行する。
まず、マイコン10は、すべての押しボタンスイッチSW1〜SW4のon/off状態を検出し、2個以上の押しボタンスイッチSWがonとなっているか否かを判定する(ID自動検出プログラムPRG1のステップS1)。
その結果、onとなっている押しボタンスイッチSWが1個以下であるテレビジョン受像機1が1台でもあった場合、マルチ表示装置21、31が構成されていないと考えられる。なぜなら、4画面のマルチ表示装置21においては、すべてのテレビジョン受像機1について、2個の押しボタンスイッチSWがonとなっており、9画面のマルチ表示装置31においては、すべてのテレビジョン受像機1について、2〜4個の押しボタンスイッチSWがonとなっているからである。
逆に、2個以上の押しボタンスイッチSWがonとなっている場合、4画面または9画面のマルチ表示装置21、31が構成されていると考えられる。そこで、マイコン10は、4画面マルチと9画面マルチのいずれかを選択する画面を映像モニタ8上にOSD表示する(ID自動検出プログラムPRG1のステップS2)。これを見て作業者は、4画面マルチと9画面マルチのいずれかを選択する。
そして、ここで4画面マルチが選択されると(ID自動検出プログラムPRG1のステップS3)、マイコン10は、すべての押しボタンスイッチSW1〜SW4のon/off状態を検出し(ID自動検出プログラムPRG1のステップS4)、その検出結果に基づき、ROM11に格納されたメモリマップ12を参照して4つの映像モニタ8の設置位置を認識する。
すなわち、マイコン10は、「押しボタンスイッチSW1、SW4がon、押しボタンスイッチSW2、SW3がoff」であるか否かを判定する(ID自動検出プログラムPRG1のステップS5)。その結果、「押しボタンスイッチSW1、SW4がon、押しボタンスイッチSW2、SW3がoff」である場合、メモリマップ12によれば、このon/off状態に合致するのは画面1(図3の上段左列の映像モニタ8)しかないので、マイコン10は、当該映像モニタ8の設置位置を「上段左列」と認識し、この上段左列を表す「ID1」を書き込む(ID自動検出プログラムPRG1のステップS6)。
逆に、「押しボタンスイッチSW1、SW4がon、押しボタンスイッチSW2、SW3がoff」でない場合、マイコン10は、「押しボタンスイッチSW1、SW2がoff、押しボタンスイッチSW3、SW4がon」であるか否かを判定する(ID自動検出プログラムPRG1のステップS7)。その結果、「押しボタンスイッチSW1、SW2がoff、押しボタンスイッチSW3、SW4がon」である場合、メモリマップ12によれば、このon/off状態に合致するのは画面2(図3の上段右列の映像モニタ8)しかないので、マイコン10は、当該映像モニタ8の設置位置を「上段右列」と認識し、この上段右列を表す「ID2」を書き込む(ID自動検出プログラムPRG1のステップS8)。
逆に、「押しボタンスイッチSW1、SW2がoff、押しボタンスイッチSW3、SW4がon」でない場合、マイコン10は、「押しボタンスイッチSW1、SW2がon、押しボタンスイッチSW3、SW4がoff」であるか否かを判定する(ID自動検出プログラムPRG1のステップS9)。その結果、「押しボタンスイッチSW1、SW2がon、押しボタンスイッチSW3、SW4がoff」である場合、メモリマップ12によれば、このon/off状態に合致するのは画面3(図3の下段左列の映像モニタ8)しかないので、マイコン10は、当該映像モニタ8の設置位置を「下段左列」と認識し、この下段左列を表す「ID3」を書き込む(ID自動検出プログラムPRG1のステップS10)。
逆に、「押しボタンスイッチSW1、SW2がon、押しボタンスイッチSW3、SW4がoff」でない場合、マイコン10は、「押しボタンスイッチSW1、SW4がoff、押しボタンスイッチSW2、SW3がon」であるか否かを判定する(ID自動検出プログラムPRG1のステップS11)。その結果、「押しボタンスイッチSW1、SW4がoff、押しボタンスイッチSW2、SW3がon」である場合、メモリマップ12によれば、このon/off状態に合致するのは画面4(図3の下段右列の映像モニタ8)しかないので、マイコン10は、当該映像モニタ8の設置位置を「下段右列」と認識し、この上段右列を表す「ID4」を書き込む(ID自動検出プログラムPRG1のステップS12)。
このようにして、4画面のマルチ表示装置21においては、すべての映像モニタ8が自己の設置位置を自動認識することができる。
他方、9画面マルチが選択されると(ID自動検出プログラムPRG1のステップS13)、マイコン10は、すべての押しボタンスイッチSW1〜SW4のon/off状態を検出し(ID自動検出プログラムPRG1のステップS14)、その検出結果に基づき、ROM11に格納されたメモリマップ12を参照して9つの映像モニタ8の設置位置を認識する。
すなわち、マイコン10は、「押しボタンスイッチSW1、SW4がon、押しボタンスイッチSW2、SW3がoff」であるか否かを判定する(ID自動検出プログラムPRG1のステップS15)。その結果、「押しボタンスイッチSW1、SW4がon、押しボタンスイッチSW2、SW3がoff」である場合、メモリマップ12によれば、このon/off状態に合致するのは画面1(図4の上段左列の映像モニタ8)しかないので、マイコン10は、当該映像モニタ8の設置位置を「上段左列」と認識し、この上段左列を表す「ID1」を書き込む。
逆に、「押しボタンスイッチSW1、SW4がon、押しボタンスイッチSW2、SW3がoff」でない場合、マイコン10は、「押しボタンスイッチSW1、SW3、SW4がon、押しボタンスイッチSW2がoff」であるか否かを判定する。その結果、「押しボタンスイッチSW1、SW3、SW4がon、押しボタンスイッチSW2がoff」である場合、メモリマップ12によれば、このon/off状態に合致するのは画面2(図4の上段中央列の映像モニタ8)しかないので、マイコン10は、当該映像モニタ8の設置位置を「上段中央列」と認識し、この上段中央列を表す「ID2」を書き込む。
逆に、「押しボタンスイッチSW1、SW3、SW4がon、押しボタンスイッチSW2がoff」でない場合、マイコン10は、「押しボタンスイッチSW1、SW2がoff、押しボタンスイッチSW3、SW4がon」であるか否かを判定する。その結果、「押しボタンスイッチSW1、SW2がoff、押しボタンスイッチSW3、SW4がon」である場合、メモリマップ12によれば、このon/off状態に合致するのは画面3(図4の上段右列の映像モニタ8)しかないので、マイコン10は、当該映像モニタ8の設置位置を「上段右列」と認識し、この上段右列を表す「ID3」を書き込む。
逆に、「押しボタンスイッチSW1、SW2がoff、押しボタンスイッチSW3、SW4がon」でない場合、マイコン10は、「押しボタンスイッチSW1、SW2、SW4がon、押しボタンスイッチSW3がoff」であるか否かを判定する。その結果、「押しボタンスイッチSW1、SW2、SW4がon、押しボタンスイッチSW3がoff」である場合、メモリマップ12によれば、このon/off状態に合致するのは画面4(図4の中段左列の映像モニタ8)しかないので、マイコン10は、当該映像モニタ8の設置位置を「中段左列」と認識し、この中段左列を表す「ID4」を書き込む。
逆に、「押しボタンスイッチSW1、SW2、SW4がon、押しボタンスイッチSW3がoff」でない場合、マイコン10は、「押しボタンスイッチSW1〜SW4がon」であるか否かを判定する。その結果、「押しボタンスイッチSW1〜SW4がon」である場合、メモリマップ12によれば、このon/off状態に合致するのは画面5(図4の中段中央列の映像モニタ8)しかないので、マイコン10は、当該映像モニタ8の設置位置を「中段中央列」と認識し、この中段中央列を表す「ID5」を書き込む。
逆に、「押しボタンスイッチSW1〜SW4がon」でない場合、マイコン10は、「押しボタンスイッチSW1がoff、押しボタンスイッチSW2〜SW4がon」であるか否かを判定する。その結果、「押しボタンスイッチSW1がoff、押しボタンスイッチSW2〜SW4がon」である場合、メモリマップ12によれば、このon/off状態に合致するのは画面6(図4の中段右列の映像モニタ8)しかないので、マイコン10は、当該映像モニタ8の設置位置を「中段右列」と認識し、この中段右列を表す「ID6」を書き込む。
逆に、「押しボタンスイッチSW1がoff、押しボタンスイッチSW2〜SW4がon」でない場合、マイコン10は、「押しボタンスイッチSW1、SW2がon、押しボタンスイッチSW3、SW4がoff」であるか否かを判定する。その結果、「押しボタンスイッチSW1、SW2がon、押しボタンスイッチSW3、SW4がoff」である場合、メモリマップ12によれば、このon/off状態に合致するのは画面7(図4の下段左列の映像モニタ8)しかないので、マイコン10は、当該映像モニタ8の設置位置を「下段左列」と認識し、この下段左列を表す「ID7」を書き込む。
逆に、「押しボタンスイッチSW1、SW2がon、押しボタンスイッチSW3、SW4がoff」でない場合、マイコン10は、「押しボタンスイッチSW1〜SW3がon、押しボタンスイッチSW4がoff」であるか否かを判定する。その結果、「押しボタンスイッチSW1〜SW3がon、押しボタンスイッチSW4がoff」である場合、メモリマップ12によれば、このon/off状態に合致するのは画面8(図4の下段中央列の映像モニタ8)しかないので、マイコン10は、当該映像モニタ8の設置位置を「下段中央列」と認識し、この下段中央列を表す「ID8」を書き込む。
逆に、「押しボタンスイッチSW1〜SW3がon、押しボタンスイッチSW4がoff」でない場合、マイコン10は、「押しボタンスイッチSW1、SW4がoff、押しボタンスイッチSW2、SW3がon」であるか否かを判定する。その結果、「押しボタンスイッチSW1、SW4がoff、押しボタンスイッチSW2、SW3がon」である場合、メモリマップ12によれば、このon/off状態に合致するのは画面9(図4の下段右列の映像モニタ8)しかないので、マイコン10は、当該映像モニタ8の設置位置を「下段右列」と認識し、この下段右列を表す「ID9」を書き込む。
このようにして、9画面のマルチ表示装置31においても、すべての映像モニタ8が自己の設置位置を自動認識することができる。
なお、上述の実施形態においては、映像モニタ8のベゼル81の4側面(右側面、上側面、左側面、下側面)の端部近傍に押しボタンスイッチSW(SW1〜SW4)を設ける場合について説明したが、映像モニタ8をマトリックス配置したときに押しボタンスイッチSW同士が干渉しない限り、押しボタンスイッチSWの設置位置はどこでも構わない。例えば、映像モニタ8の4側面の中央部寄りに押しボタンスイッチSWを設けてもよい。
なお、上述の実施形態においては、作業者が4画面/9画面を判別する場合について説明した。しかし、4画面のマルチ表示装置では、すべての映像モニタ8において2側面onで2側面offとなるのに対して、9画面のマルチ表示装置では、2側面onで2側面offの映像モニタ8と、3側面onで1側面offの映像モニタ8と、4側面onの映像モニタ8とが混在している。この違いから、4側面onの映像モニタ8が存在するか否かにより、4画面/9画面を判別することもできる。或いはまた、3側面on、1側面offの映像モニタ8が存在するか否かにより、4画面/9画面を判別することも可能である。
なお、上述の実施形態においては、通常の突出状態でoffとなり、後退状態でonとなる電気接点構成を備えた押しボタンスイッチSW1〜SW4を用いる場合について説明したが、通常の突出状態でonとなり、後退状態でoffとなる電気接点構成としてもよい。
なお、上述の実施形態においては、映像モニタ8のベゼル81の4側面(右側面、上側面、左側面、下側面)にそれぞれ押しボタンスイッチSW1〜SW4を設けた場合について説明したが、4画面のマルチ表示装置21に限っては、ベゼル81の垂直側面(右側面または左側面)と水平側面(上側面または下側面)の2側面に押しボタンスイッチSWを設ければ十分である。例えば、ベゼル81の右側面、上側面にそれぞれ押しボタンスイッチSW1、SW2を設ければ、これら2個の押しボタンスイッチSW1、SW2のon/off状態の組み合わせにより、映像モニタ8の設置位置を自動認識することができる。すなわち、「押しボタンスイッチSW1、SW2がいずれもoff」であれば、映像モニタ8の設置位置は図3の上段右列であり、「押しボタンスイッチSW1がoff、押しボタンスイッチSW2がon」であれば、映像モニタ8の設置位置は図3の下段右列である。また、「押しボタンスイッチSW1がon、押しボタンスイッチSW2がoff」であれば、映像モニタ8の設置位置は図3の上段左列であり、「押しボタンスイッチSW1、SW2がいずれもon」であれば、映像モニタ8の設置位置は図3の下段左列である。
なお、上述の実施形態においては、押しボタンスイッチSWを用いる場合について説明したが、CdS(Cadmium Sulfide)セルなどの光センサを代用することも可能である。すなわち、映像モニタ8のベゼル81の4側面にそれぞれ光センサ(図示せず)を取り付けておき、映像モニタ8同士が隣接すると、この光センサの受光量が減少して抵抗値が変化することを利用して、映像モニタ8が自己の設置位置を自動認識するようにしても構わない。
なお、上述の実施形態においては、押しボタンスイッチSWを設ける場合について説明したが、マルチ表示装置21、31を構成する複数個の映像モニタ8を順次接続するRS232Cケーブルなどの制御ケーブルの接続状態を利用することにより、押しボタンスイッチSWを設けなくても、各映像モニタ8は自己の設置位置を自動認識することができる。
例えば、4画面のマルチ表示装置21の場合、図6に示すように、画面1〜4の順に制御ケーブル13を接続する。すなわち、画面1(図6の上段左列の映像モニタ8)の制御端子T1と画面2(図6の上段右列の映像モニタ8)の制御端子T2とを制御ケーブル13でつなぎ、画面2の制御端子T1と画面3(図6の下段左列の映像モニタ8)の制御端子T2とを制御ケーブル13でつなぎ、画面3の制御端子T1と画面4(図6の下段右列の映像モニタ8)の制御端子T2とを制御ケーブル13でつなぐ。
そして、映像モニタ8の設置位置の自動認識に際しては、各テレビジョン受像機1のマイコン10は、図7に示すID自動検出プログラムPRG2に基づき、次に述べるとおり、各種の動作を順次実行する。
まず、マイコン10は、エンラージ機能が選択されたか否かを判定し(ID自動検出プログラムPRG2のステップS1)、エンラージ機能が選択された場合、マイコン10は、カウント処理を行う(ID自動検出プログラムPRG2のステップS2)。
すなわち、マイコン10は、まず初期値IDとして「1」を書き込む(ID自動検出プログラムPRG2のステップS9)。次いで、制御端子T2が接続されていない画面か否かを判定し(ID自動検出プログラムPRG2のステップS10)、制御端子T2が接続されていない画面である場合は、ID=1のままとなる。一方、制御端子T2が接続されていない画面でない場合、IDに「1」を加える(ID自動検出プログラムPRG2のステップS11)。さらに、制御端子T1から接続された次の映像モニタ8があるか否かを判定し(ID自動検出プログラムPRG2のステップS12)、制御端子T1から接続された次の映像モニタ8がある限り、繰り返しステップS11に戻ってIDに「1」を加える。
すると、このカウント処理の結果、画面1ではID=1となり、画面2ではID=2となり、画面3ではID=3となり、画面4ではID=4となる。
その後、マイコン10は、IDが「1」であるか否かを判定し(ID自動検出プログラムPRG2のステップS3)、IDが「1」である場合、マイコン10は、当該映像モニタ8にIDとして「1」を書き込む(ID自動検出プログラムPRG2のステップS4)。
逆に、IDが「1」でない場合、マイコン10は、IDが「2」であるか否かを判定し(ID自動検出プログラムPRG2のステップS5)、IDが「2」である場合、マイコン10は、当該映像モニタ8にIDとして「2」を書き込む(ID自動検出プログラムPRG2のステップS6)。
逆に、IDが「2」でない場合、マイコン10は、IDが「3」であるか否かを判定し(ID自動検出プログラムPRG2のステップS7)、IDが「3」である場合、マイコン10は、当該映像モニタ8にIDとして「3」を書き込む(ID自動検出プログラムPRG2のステップS8)。
逆に、IDが「3」でない場合、マイコン10は、IDが「4」であるか否かを判定し、IDが「4」である場合、マイコン10は、当該映像モニタ8にIDとして「4」を書き込む。
このようにして、4画面のマルチ表示装置21においては、すべての映像モニタ8が自己の設置位置を自動認識することができる。このとき、押しボタンスイッチSWを設ける必要がないため、余計なコストを削減することができる。