JP4409069B2 - 撮像装置及び撮影条件算出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影条件を可変する機能を有した撮像装置と、この種の撮像装置の撮影条件を算出するための撮影条件算出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビデオカメラなどの撮像装置は従来より広く利用されており、近年主として静止画を撮像記録する電子スチルカメラも特にデジタルカメラとして普及するに至っている。
【0003】
ところで、電子撮像装置が使用する撮像素子のイメージエリアは、銀塩フィルムの代表的フレームフォーマットであるライカ版(ダブルフレーム)は勿論のこと、ハーフサイズ(シングルフレーム)やAPS(Advanced Photo System)に比しても極めて小さいのが通例である。これは、半導体製造歩留まり向上の要請から生じる必然的状況である。そして、撮像光学系の縦倍率は横倍率の2乗に比例するため、同画角における被写界深度は、他の条件が同じ時にはイメージエリアサイズが小さければ小さいほど深くなる。このため、電子撮像装置によって得られた画像は、銀塩カメラによって得られた画像に比して極めてパンフォーカス的印象の画像になり、いわゆるポートレート撮影等には不向きとなり易い問題があった。
【0004】
この問題に対処するために、画像処理技術を利用することが考えられる。即ち、フィルムカメラにおけるポートレート撮影は中望遠レンズを使用し人物に対して背景を大きくぼかすことによって達成されると考えれば、被写体領域によって異なる処理を行って背景だけをぼかすことができれば、フィルムカメラ類似のポートレート効果を持つ画像が得られる可能性がある。このような技術として本発明者らは、操作者が領域指定した「背景領域」に対して所定のローパスフィルタ処理を施す方法を既に提案している(特開平10−20392号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、「背景領域」に対してローパスフィルタ処理を施すものであるから、
(1)主要被写体はぼけない
(2)背景には一律なぼけが与えられる
ものである。
【0006】
しかし、現実の写真撮影におけるぼけはこのようなものではない。即ち、主要被写体も、また背景もそれぞれ(一般には)立体的な構造を有したものであり、それ自体が奥行きに応じて連続的に生じるぼけを伴うものである。例えば、ポートレート撮影における人物のアップを考えると、瞳(又は睫毛)にピントが合って、頬の輪郭部は浅い被写界深度によってややぼけるようになっていることによって、よりリアルな(写実的な)効果が得られるものである。
【0007】
従って、上記従来技術を単純に適用すると、現実の画像のぼけと、上記(1)(2)のような処理上の特徴との乖離が目立ち、たとえて言えば人物写真と背景写真を看板状にして舞台に立てた如き「書き割り的画像」、或いはいかにも切り貼りで作った如き「コラージュ的画像」のような不自然さを有した画像となってしまうという問題点があった。
【0008】
また、言うまでも無く主要被写体領域と背景領域とを個別に認識する必要があるため、このための特段の手段を必要とする上、もしも誤認識が発生した場合には例えば主要被写体に対して背景相当の大ぼけが発生するなど画質が破綻してしまう、という極めて大きな問題を含むものであった。
【0009】
なお、これに対して何らかの方法で被写体の距離分布を別途測定し、各被写体部分の距離ずれに応じて(距離ずれが大きいほどより大きなぼけを生じるように)画像処理するなどの方法で、被写体各部までの距離に応じて生じるぼけ、即ち現実の被写界において奥行きに応じて連続的に生じるぼけをシミュレーションする方法も考え得る。しかし、被写体の各部分を充分な分解能で瞬時に測距することが極めて困難であり、また画像処理によって光学系によるぼけと完全に等価な画像を得ることも同じく困難であるため、実用性が低いものであった。
【0010】
本発明は、上記事情を考慮して成されたもので、その目的とするところは、奥行きぼけ特性(被写界深度特性)まで考慮した時にも、任意の想定撮像系に対してこれと等価な又は極めて近い画質の撮影画像を得ることのできる撮像装置を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、上記の撮像装置等において、想定撮像系に対して等価又は極めて近い画質の撮影画像を得るために、撮像系の撮影パラメータとしての等価画像撮影条件を算出する撮影条件算出装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
(構成)
上記課題を解決するために本発明は次のような構成を採用している。
【0013】
即ち本発明は、被写体を撮像する実撮像系と、この実撮像系の撮影条件を算出する撮影条件算出手段と、この撮影条件算出手段で算出された撮影条件に基づいて前記実撮像系の撮影パラメータを制御する制御手段と、この制御手段で制御された撮影パラメータの下で前記実撮像系により撮像された画像を記録する記録媒体とを具備した撮像装置であって、前記撮影条件算出手段は、前記実撮像系によって得られる画像と、所望画質が得られると想定される想定撮像系によって得られる画像との2つの画像が、撮影画角及び奥行きぼけ特性が共に等しい等価画像になるための撮影パラメータである等価画像撮影条件を算出するものであり、該等価画像撮影条件が前記実撮像系で使用可能な撮影パラメータ範囲を逸脱している場合には、該撮影パラメータ範囲内において前記等価画像撮影条件に近い条件である代用撮影条件を算出するように構成されていることを特徴とする。
【0014】
また本発明は、撮像装置における撮影パラメータを算出するための撮影条件算出装置において、所望画質が得られると想定する撮像系である第1の撮像系(想定撮像系)によって得られる画像と実際の撮影に使用する撮像系である第2の撮像系(実撮像系)によって得られる画像との2つの画像が、撮影画角及び奥行きぼけ特性が共に等しい等価画像になるための第2の撮像系の撮影パラメータである等価画像撮影条件を算出するものであり、該等価画像撮影条件が第2の撮像系で使用可能な撮影パラメータ範囲を逸脱している場合には、該撮影パラメータ範囲内において前記等価画像撮影条件に近い条件である代用撮影条件を算出するように構成されていることを特徴とする。
【0017】
ここで、本発明の望ましい実施態様としては次のものが挙げられる。
【0018】
(1) 代用撮影条件の算出に際して、絞り値を開放値F0 としてもぼけが不足する場合においては、下式に従って求めた画角条件と開放絞り値F0の組合せを代用撮影条件として算出すること。
vc2 =vc1 ×{(F1/F0)・(w2/w1)}1/3
但し、fは焦点距離、Fは絞り値、wは画面サイズ、vc≡w/fであり、添字1は想定撮像系に対応し、添字2は実撮像系に対応している。
【0019】
(作用)
本発明によれば、実撮像系及び想定撮像系によって得られる2つの画像が、撮影画角及び奥行きぼけ特性が共に等しい等価画像になるための撮影パラメータである等価画像撮影条件を算出する。特に、等価画像撮影条件が実撮像系で使用可能な撮影パラメータ範囲を逸脱している場合には、該撮影パラメータ範囲内において等価画像撮影条件に近い条件である代用撮影条件を算出する。
【0020】
即ち、等画質(等奥行きぼけ特性)条件を目標に、まず等画角条件下でF値を制御し、なお不足する部分については等画角条件を崩して焦点距離を制御する。これにより、奥行きぼけ特性(被写界深度特性)まで考慮した時にも、任意の想定光学系(撮像系)に対して、これと等価な又は極めて近い画質の撮影画像を得ることが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図示の実施形態によって説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係わるデジタルカメラの概略構成を示すブロック図である。
【0023】
図中101は各種レンズからなるレンズ系、102はレンズ系101を駆動するためのレンズ駆動機構、103はレンズ系101の絞り及びシャッタを含む露出制御機構(但し、絞りの開放F値は1.4であるとする)、104はローパス及び赤外カット用のフィルタ、105は色フィルタを内蔵したCCDカラー撮像素子、106は撮像素子105を駆動するためのCCDドライバ、107はA/D変換器等を含むプリプロセス回路、108は色信号生成処理,マトリックス変換処理,その他各種のデジタル処理を行うためのデジタルプロセス回路、109はカードインターフェース、110はCF等のメモリカード、111はLCD画像表示系を示している。
【0024】
また、図中の112は各部を統括的に制御するためのシステムコントローラ(CPU)、113は各種SWからなる操作スイッチ系、114は操作状態及びモード状態等を表示するための操作表示系、115はレンズ駆動機構102を制御するためのレンズドライバ、116は発光手段としてのストロボ、117は露出制御機構103及びストロボ116を制御するための露出制御ドライバ、118は各種設定情報等を記憶するための不揮発性メモリ(EEPROM)を示している。
【0025】
本実施形態のデジタルカメラにおいては、システムコントローラ112が全ての制御を統括的に行っており、露出制御機構103に含まれるシャッタ装置と、CCDドライバ106によるCCD撮像素子105の駆動を制御して露光(電荷蓄積)及び信号の読み出しを行い、それをプリプロセス回路107を介してデジタルプロセス回路108に取込んで、各種信号処理を施した後にカードインターフェース109を介してメモリカード110に記録するようになっている。
【0026】
ここまでの基本構成は従来装置と同様であるが、本実施形態ではこれに加え後述するように、システムコントローラ112内に撮影条件算出手段が設けられている。そして、この撮影条件算出手段により、35ミリ銀塩カメラと等価な又は極めて近い画質の撮影画像を得るようになっている。
【0027】
ここで、撮影条件算出手段による算出方法を説明する前に、本発明の理論的裏付け(幾何光学的考察)を説明する。
【0028】
まず、奥行きぼけ特性の定量的解析として、奥行きぼけ関数DOFについて説明する。以下の解析は全て幾何光学のみ、しかも理想化された条件(無収差薄肉レンズ)の範疇で行う。言い換えれば、理想的結像が得られるための必要条件を仮定して、その時に得られるぼけ特性を取扱う。
【0029】
解析に使う基礎式は次の2式だけである。
1/a+1/b=1/f …(1)
δ=f/F・|d|/(b−d) …(2)
但し、aは被写体距離、bは結像距離、fはレンズの焦点距離、δは錯乱円径、Fはレンズの口径比(Fナンバー)、dはデフォーカス量=撮像面(予定焦平面)と結像面(合焦平面)とのずれ距離であり、結像面がレンズ(被写体)側にずれた場合を正、逆を負とした。
【0030】
(1)は「結像公式」と呼ばれているものである。但し、いわゆる「光学」では一般に被写体側への距離を負と考えるが、本明細書においては実距離を正としている。
【0031】
図2(a)のように、被写体距離aにある光軸から高さxの被写体アイが結像距離bにて合焦して高さyの倒立像ウエを生じたとする。光軸に平行な光線は焦点カ,キを通るから、△イキアと△クキケ及び△エカウと△オカケのそれぞれの相似関係から
x/(a−f)= y/f
y/(b−f)= x/f
が求まる。この2式から比y/xを消去すれば結像公式(1)が得られる。
【0032】
なお、比y/xは結像倍率であり、記号mで表わされることが多い。上式を変形すれば、
m= f/(a−f)= b/a
であることも容易に示せる。
【0033】
(2)において錯乱円とは、被写体の1点から発せられて、合焦平面においては1点に結像するはずの光が、撮像面がずれたために円盤状に広がったものを称し、その直径が錯乱円径である。即ちこの錯乱円は、ピントずれによって生じるぼけの定量的表現である。
【0034】
図2(b)のように、撮像面における錯乱円の大きさはレンズの口径Aに依存する。▲1▼結像距離が撮像面距離bよりも小さい場合(実合焦点がツの場合)と▲2▼大きい場合(同ツ’の場合)で、2通りの場合が生じる。▲1▼△タチツと△テトツ又は▲2▼△タチツ’と△テトツ’の相似関係から、
▲1▼A/(b−d)=δ/d
▲2▼A/(b+d)=δ/d
となるが、dの符号について、▲1▼の場合を基準にして正、▲2▼の場合は負として扱うことにより、いずれの場合も共通の一つの関係式
A/(b−d)=δ/|d|
とすることができる。この式とF値の定義F=f/Aを用いて錯乱円径の式(2)が得られる。
【0035】
ここで、距離aにおける主要被写体にピントを合わせて撮像する場合の、前後の被写体に対して生じるぼけ=錯乱円径を考える。距離aに対して距離Δaだけ後ろにずれた被写体(前にずれた被写体はΔaが負の場合として含む)の合焦面は、撮像面(これは主要被写体の合焦面に等しい)に対してレンズに近い側にずれて結像するから、ずれ量をΔbとして上記(1)(2)に適用すれば、
1/(a+Δa)+1/(b-Δb)=1/f …(3)
δ=f/F・|d|/(b-Δb) …(4)
(3)をΔbについて解き直して(4)に代入することよりΔbを消去して、
δ=f2/F・|Δa|/(a+Δa)(a-f) …(5)
を得る。ここで、距離ずれΔaを被写体(撮影対象空間)の奥行きを表わすパラメータであると考え、改めて記号Dに書き直し、さらに画面サイズwで割って規格化したものを考える。
【0036】
δ/w
=1/F・f2/W・|D|/a(a+D)・1/(1-f/a)…(6)
画面サイズwによる規格化は、「画面サイズが異なる撮像系においては、物理的に同じ大きさのぼけでも画像において生じる相対的なぼけの大きさが異なる」ため、これを同じ評価尺度で評価するためのものである。判り易く言えば、全画面を同じ大きさの画面に引き伸ばし(同じ大きさのディスプレイにフル画面で表示し)たときのぼけの大きさに相当している。
【0037】
wを撮像画面の対角線長とし、銀塩35mm(ライカフレーム)サイズカメラにおける被写界深度計算のための伝統的な許容錯乱円サイズ33.3μmを考えた時、δ/w=1/1300であるからこれを基準とすると考え易いので、(6)式の1300倍、即ち
DOF(D) ≡1300×δ/w
=1300・1/F・f2/W・|D|/a(a+D)・1/(1-f/a)
…(7)
を奥行きぼけ関数(DOF:Depth Out-focus Function)と名付ける。
【0038】
即ち、奥行きぼけ関数DOFは、合焦している被写体面に対して奥行きDだけずれた被写体がどの程度ぼけるかを表わす関数であり、値1のとき、伝統的に用いられている許容錯乱円サイズ(ライカフレームカメラにおける33.3μm相当)となる。なお、実用上の被写界深度から写真を見た時、大体ピントが合っているように感じられる範囲については写真の引き延ばし倍率にもよるが、多くの場合これの2倍程度以内、さらに大ぼけと感じるのは4〜5倍程度以上である。
【0039】
また、式(7)は近似を含まない厳密解であるが、超マクロ撮影の場合を除けば最後の項{1/(1-f/a)}はほぼ1であるから、通常の場合は次の近似式(7’)を用いても良い。
DOF(D)
= 1300・1/F・f2/W・|D|/a(a+D) …(7’)
以下では説明を明快にするため、結論に影響が無い場合は、近似式(7’)を用いる。なお、例示グラフの数値計算は厳密式(7)を用いている。
【0040】
また、(7)及び(7’)における係数項
1/F・f2/w
を、奥行きぼけ係数(DOC:Depth Out-focus Coefficient)と名付ける。DOFの式は、撮影距離aが与えられた場合の奥行きぼけの関数形状(対変数D)は同じで、その値は奥行きぼけ係数DOCに比例する(DOCはDOFグラフの縦軸方向のスケーリングファクタとなっている)ことを示すものである。
【0041】
ここで、撮像サイズwが異なる系について、画角を等しく保つ条件として、画面サイズに比例した焦点距離が用いられることを考慮し、画角係数
vc≡w/f
を定義する。画角係数の意味を理解し易くするために、図3に等画角撮影の場合の焦点距離fと画角係数との関係を示す。
【0042】
今、等画角条件を適用するためf=w/vcを式(7’)に代入して
DOF(D)
= 1300・1/F・W/VC2・|D|/a(a+D) …(8)
を得る。奥行きぼけ係数DOCは、
DOC=(1/F)・(w/vc2)
と表現しても良い。
【0043】
等画角条件で撮影する限りvcは定数、また同じ構図で撮影する時は被写体距離aも同じだから、等F値で撮影する限り、奥行きぼけ係数DOC(従って奥行きぼけ関数DOF(D) )はwに比例することが判る。このため、デジタルカメラで撮影した画像は、銀塩カメラのものよりもぼけが小さくなるのである。例えば、2/3サイズ(対角長11mm)の場合はwがライカフレームのほぼ1/4なので、ぼけも1/4しか生じない。
【0044】
また、この(8)式から、w/Fが変わらなければDOF(D) は変わらないこと、従って画面サイズが小さい分だけ絞りを開くことができれば、(近似項の微差を別にして)同一の奥行きぼけ特性を得ることができることも判る。
【0045】
次に、本実施形態のデジタルカメラにより35mm(ライカフレーム)サイズカメラと等価な画質の画像を得る方法について説明する。
【0046】
図4(a)(b)は、それぞれ付記した条件(VC=0.87,0.43、a=3m,2m、F=5.6)で撮像した場合の奥行きぼけ関数を示したものである。図中の実線はライカフレーム、一点鎖線は2/3インチ撮像素子を用いたデジタルカメラ、二点鎖線は1/2インチ撮像素子を用いたデジタルカメラの特性である。
【0047】
この図から、ぼけが画面サイズに比例していること、その結果として、画面サイズが小さくなると深度が深くなること、特に図4(a)のf=50mm相当画角では、2/3サイズや1/2サイズではほぼ完全なパンフォーカス状態となること等が読取れる。
【0048】
本実施形態では、前記撮影条件算出手段により2/3インチ撮像素子を用いた場合に35mm(ライカフレーム)サイズカメラと等価な画質の画像を得るF値を計算した。撮像素子の2/3サイズ(対角11mm)は、画面サイズがライカフレームの1/4であるため、F値を5.6の1/4、即ち1.4にすればよいことになる。
【0049】
図5(a)(b)は、2/3サイズの撮像素子を用いたデジタルカメラで、F値を1.4にした場合の特性である。画角vc,焦点f,その他の条件は図4(a)(b)と全く同様にしている。図から分かるように、画面サイズがライカフレームの1/4である2/3サイズ(対角11mm)において絞りを4段開く(F値で1/4)ことにより、確かにライカフレームと同じぼけ特性が得られている。即ち、与条件(図4(a)(b)のライカフレーム(銀塩カメラ)のぼけ特性)のF値がある程度大きい場合は、開放F値1.4のデジタルカメラで、F値のみの制御によってほぼ完全に等しいぼけ画像の撮影が行われることになる。
【0050】
しかし、このような絞りの調節のみによる完全な等ぼけ画像の撮影は、常に実現可能な訳では無い。むしろポートレート撮影ではもともと絞りを開放付近で使用することを考えると、不可能な場合が多いとも言える。このような場合について以下に説明する。
【0051】
図6(a)(b)は、それぞれ付記した条件で撮像した場合の奥行きぼけ関数を示したものである。図4(a)(b)とは異なり、F値が2.8となっている。この場合も、ぼけが画面サイズに比例していること、その結果として、画面サイズが小さくなると深度が深くなること、特に図6(a)のf=50mm相当画角では、ライカフレームではまだかなり深度が浅いのに対して、2/3サイズや1/2サイズでは殆どパンフォーカス状態に近いという極端な結果の相違が生じてしまうこと等が読取れる。
【0052】
先の例と同様に、前記撮影条件算出手段により2/3インチ撮像素子を用いた場合に35mm(ライカフレーム)サイズカメラと等価な画質の画像を得るF値を計算した。撮像素子の2/3サイズ(対角11mm)は、画面サイズがライカフレームの1/4であるため、F値を1/4にすればよいことになる。
【0053】
F値を2.8の1/4、即ち0.7にした場合の特性を、図7(a)(b)に示す。この図を見れば、画面サイズがライカフレームの1/4である2/3サイズ(対角11mm)において絞りを4段開く(F値で1/4)と、確かにライカフレームと同じぼけ特性が得られることが判る。
【0054】
しかしながら一般的には、このような低F値の撮像レンズを実現することは極めて困難である。このため、本実施形態のデジタルカメラの開放F値は、上述のように1.4(特に設計の難易度が高いズームレンズにおいては、これでもかなり低F値を指向した設定といえる)が採用されており、上記同じぼけ特性を得るための撮影条件F=0.7は開放F値の限界を超えた実現不可能な数値である。
【0055】
そこで本実施形態では、F値の限界を超える場合には、次のように撮像画角を含めて総合的にリファレンスたる銀塩カメラに近い撮像条件を算出した。
【0056】
画面サイズwが与えられた場合に、ぼけ味及び撮像画角を含めて総合的にリファレンスたる銀塩カメラに近い撮像条件を考えれば、要するに
DOC=1/F・w/vc2 =const
を充たすようにすることを目標にし、まずシステムが許す限りFを優先的に可変し、Fが可変限界に達した後の不足分をvc、即ち画角(焦点距離)を可変することによって補えば良いことになる。
【0057】
この際、vcを可変すると当然画角が変化するから、DOC=constを完全に充たすと画角変動が大きすぎて狙いとする画像が得られない恐れがある。従って、画角係数vcと奥行きぼけ係数DOCとは妥協的な設定を採用することが望ましい。
【0058】
数値例を挙げれば、ライカフレームカメラである第1カメラ(F1 =2.8)に対して、w2 =w1/4で、開放F値が1.4のデジタルカメラ(第2カメラ)があったとする。まず、F2 = F1/4を目標にするが、今F1 =2.8であって、F2 は1.4(= F1/2)が限界であるから、この値を採用したとすると、DOC2 はDOC1 の1/2、即ち0.5・DOC1 となりぼけが不足する。DOCを保とうとすれば vc2 =vc1 (0.5)1/2= 0.7・vc1 としなければならないが、DOCの値即ちぼけ量を本来の例えば80%で妥協して、DOC2 =0.8・DOC1 としたならば、
vc2 =vc1・(0.5÷0.8)1/2 =0.79vc1
と、画角も約80%を確保することができる。この画角、DOC共に約80%の条件を、前記図6(a)(b)のライカフレーム撮像特性を目標にして適用した場合のグラフを、図8(a)(b)に示した。このくらいの特性が得られれば、ぼけ味を含めて総合的にかなり近い撮像画像が得られると言える。
【0059】
図9は、本実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。近似画質条件算出のために、まず与条件として、ライカフレームの絞り値F1 、画面サイズw1 、画角vc1 を入力する(ステップS1)。
【0060】
デジタルカメラにおける撮像素子の画角をvc2 とし、デジタルカメラで必要な絞り値F2 =(w2 /w1 )・F1 を算出する。そして、このF2 が開放F値であるF0 以下であるか否かを判定する(ステップS2)。
【0061】
F2 がF0 より大きい場合、vc2 =vc1(等画角)とし(ステップS3)、F=F2 ,vc=vc2 に設定する(ステップS4)。これは、前記図4(a)(b)に示すような特性を、前記図5(a)(b)に示すような特性として実現した場合に相当する。
【0062】
一方、S2の判定でF2 がF0 より小さい場合、Fで補正できない分をvcで補正するために、
vc2 =vc1・(F1/F0・w2/w1)1/3
を計算する(ステップS5)。そして、F値を開放値であるF0 に設定すると共に、vcを上記計算されたvc2 に設定する(ステップS6)。これは、前記図6(a)(b)に示すような特性を、前記図8(a)(b)に示すような特性として実現した場合に相当する。
【0063】
上記のように、等価画像撮影条件を充たすことができない場合には、妥協的設定即ち代用撮影条件による撮影を行うことになる。これは、絞りを開放(F0 を採用)してもなお不足しているぼけを、DOC×vc2 という量全体に対して割り当てる(振り替える)こととし、その際DOCとvcに均等にこれを割り振るための条件である。(動作例のような、絞りが2段不足の場合は、DOC,vc共に(0.5)1/3=79.4%の充足率となる。)このようなDOCとvcに対する均等割当ては「妥協的設定」の中でも格別に好適な一例であるが、どのような代用撮影条件を用いるかはについてはこれに限られるものでは無く、例えば常に等画角条件を優先させても良い。
【0064】
このように本実施形態によれば、DOC=(1/F)・(w/vc2)で定義される奥行きぼけ係数が35ミリ銀塩カメラのそれと等しくなるように、撮影条件算出手段により絞り値Fを算出することによって、2/3インチサイズの撮像素子を用いたデジタルカメラにおいても、35ミリ銀塩カメラとほぼ等価な画質の撮影画像を得ることができる。また、一般にカメラレンズの開放F値には設計製造上の限界があるため、F値のみの制御では等価画像撮影条件を満足しきれない場合が生じるが、この場合には例えば、F値の制御と共にvcを可変することにより目的とする画像に極めて近い撮影画像を得ることができる。
【0065】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。実施形態では、撮像装置の例を説明したが、本発明は必ずしも撮像装置に内蔵されるものではなく、単体の撮影条件算出装置として構成することも可能である。
【0066】
例えば、(a)w1,w2,f1,F1の入力により、等価画像条件としてF2 を表示する機能を持つようにすればよい。又は、(b)w1,w2,f1,F1,F0(使用カメラの開放F値)の入力により、等価画像撮影の可否表示と、可の場合はF(=F2)を表示、否の場合は代用撮影条件として、F(=F0)とf2(=w2/vc2:必要に応じてf2 をさらにライカフレーム換算しても好適)を表示するの機能を持つようにすればよい。(a)(b)のいずれの態様においても、w1 はライカフレームサイズがデフォルト採用されている。
【0067】
また、実施形態では想定撮像系を35ミリ版銀塩フィルムカメラ、また実施形態カメラをデジタルカメラとしたが、上記においてはただ画面サイズの違いのみに基づく考察、処理しか条件にしてないから、銀塩フィルムと電子撮像系などの方式を問わず、画面サイズが異なる等価画質撮影一般に適用可能であることは明らかである。また実施形態では撮像画面サイズwとして画面の対角長を用いたが、画面アスペクト比(横縦比)が等しい(即ち画面形状が相似の)撮像系間の換算に際しては勿論のこと、アスペクト比が異なる撮像系間の換算に際しても、対角長に限らず、水平長(画面巾)、垂直長(画面高)など画面の大きさを代表する任意の1次元量を画面サイズwとして用いて良い。また、スチルカメラ,ムービーカメラの別を問わない。
【0068】
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
【0069】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、実撮像系及び想定撮像系によって得られる2つの画像が、撮影画角及び奥行きぼけ特性が共に等しい等価画像になるための撮影パラメータである等価画像撮影条件を算出し、等価画像撮影条件が実撮像系で使用可能な撮影パラメータ範囲を逸脱している場合には、該撮影パラメータ範囲内において等価画像撮影条件に近い条件である代用撮影条件を算出することにより、奥行きぼけ特性(被写界深度特性)まで考慮した時にも、任意の想定光学系(撮像系)に対して、これと等価な又は極めて近い画質の撮影画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わるデジタルカメラの概略構成を示すブロック図。
【図2】結像公式及び錯乱円の大きさを説明するための模式図。
【図3】等画角撮影の場合の焦点距離fと画角係数との関係を示す図。
【図4】F=5.6,vc=0.87 及び 0.43 の場合の奥行きぼけ特性(銀塩カメラ,デジタルカメラ)を示す図。
【図5】F=1.4,vc=0.87 及び 0.43 の場合の奥行きぼけ特性(デジタルカメラ)を示す図。
【図6】F=2.8,vc=0.87 及び 0.43 の場合の奥行きぼけ特性(銀塩カメラ,デジタルカメラ)を示す図。
【図7】F=0.7,vc=0.87 及び 0.43 の場合の奥行きぼけ特性(デジタルカメラ)を示す図。
【図8】F=1.4,vc=0.69 及び 0.34 の場合の奥行きぼけ特性(デジタルカメラ)を示す図。
【図9】実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
101…レンズ系
102…レンズ駆動機構
103…露出制御機構
104…メカシャッタ
105…CCDカラー撮像素子
106…CCDドライバ
107…プリプロセス部
108…デジタルプロセス部
109…カードインターフェース
110…メモリカード
111…LCD画像表示系
112…システムコントローラ(CPU)
113…操作スイッチ系
114…操作表示系
115…レンズドライバ
116…ストロボ
117…露出制御ドライバ
118…不揮発性メモリ(EEPROM)
Claims (4)
- 被写体を撮像する実撮像系と、この実撮像系の撮影条件を算出する撮影条件算出手段と、この撮影条件算出手段で算出された撮影条件に基づいて前記実撮像系の撮影パラメータを制御する制御手段と、この制御手段で制御された撮影パラメータの下で前記実撮像系により撮像された画像を記録する記録媒体とを具備した撮像装置であって、
前記撮影条件算出手段は、前記実撮像系によって得られる画像と、所望画質が得られると想定される想定撮像系によって得られる画像との2つの画像が、撮影画角及び奥行きぼけ特性が共に等しい等価画像になるための撮影パラメータである等価画像撮影条件を算出するものであり、該等価画像撮影条件が前記実撮像系で使用可能な撮影パラメータ範囲を逸脱している場合には、該撮影パラメータ範囲内において前記等価画像撮影条件に近い条件である代用撮影条件を算出するように構成されていることを特徴とする撮像装置。 - 前記代用撮影条件の算出に際して、絞り値を開放値F0 としてもぼけが不足する場合においては、下式に従って求めた画角条件と開放絞り値F0の組合せを前記代用撮影条件として算出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
vc2 =vc1 ×{(F1/F0)・(w2/w1)}1/3
(但し、fは焦点距離、Fは絞り値、wは画面サイズ、vc≡w/fであり、添字1は想定撮像系に対応し、添字2は実撮像系に対応する) - 所望画質が得られると想定される撮像系である第1の撮像系によって得られる画像と実際の撮影に使用する撮像系である第2の撮像系によって得られる画像との2つの画像が、撮影画角及び奥行きぼけ特性が共に等しい等価画像になるための第2の撮像系の撮影パラメータである等価画像撮影条件を算出するものであり、該等価画像撮影条件が第2の撮像系で使用可能な撮影パラメータ範囲を逸脱している場合には、該撮影パラメータ範囲内において前記等価画像撮影条件に近い条件である代用撮影条件を算出するように構成されていることを特徴とする撮影条件算出装置。
- 前記代用撮影条件の算出に際して、絞り値を開放値F0 としてもぼけが不足する場合においては、下式に従って求めた画角条件と開放絞り値F0の組合せを前記代用撮影条件として算出することを特徴とする請求項3に記載の撮影条件算出装置。
vc2 =vc1 ×{(F1/F0)・(w2/w1)}1/3
(但し、fは焦点距離、Fは絞り値、wは画面サイズ、vc≡w/fであり、添字1,2は撮像系の第1,第2に対応する)
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