JP4408995B2 - ノズルおよび廃液燃焼装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば廃液燃焼装置においてその燃焼室内に廃液を噴霧したりするのに用いられるノズル、および該ノズルを備えた廃液燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の廃液燃焼装置としては、装置内の燃焼室にノズルから霧状に噴霧された廃液を燃焼用バーナによって燃焼して処理するものが、例えば特開平10−332127号公報等において提案されている。ここで、図7は、この公報に記載された廃液燃焼装置の廃液噴霧用のノズル1を示すものであって、このノズル1は、噴霧ヘッドの本体部2に取り付けられた外筒部3の内周部に、同軸かつ外筒部3との間に径方向に隙間を開けてノズル管4が挿入された二重管構造とされており、このノズル管4は噴霧液体としての廃液のタンクに接続されるとともに、上記外筒部3の内周とノズル管4との間には噴霧媒体として高圧のエアが供給されている。そして、このエアが外筒部3とノズル管4との間から噴出することによって生じる負圧によりノズル管4の先端から廃液が吸い出され、さらにこの廃液が噴出するエアによって霧状にされて燃焼室内に噴霧されるようになされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような廃液燃焼装置において効率的な廃液の燃焼を図るには、ノズル1から霧状に噴霧される廃液の粒子径を小さく、かつできるだけ粒子径の分布が均一となるように、しかも燃焼条件に応じた所定の噴霧角度に制御されて噴霧されるのが望ましい。しかしながら、上述のような構成のノズル1では、ノズル管4の先端から吸い出された廃液がエアによって霧状化されて噴霧されるだけであるので、その粒子径を小さくするにはエアの供給量を増大させなければならず非経済的であり、また粒子径分布の均一化を図ったり噴霧角度を確実に制御したりするにも自ずと限度がある。なお、上記公報には、このノズル1の後方から燃焼室内に螺旋方向に送風をして噴霧された廃液を拡散させることも提案されてはいるが、そのためには送風機構を設けなければならなくなって装置構造の複雑化を招いたりするとともに、送風によって燃焼室内での安定した廃液の燃焼が阻害されるおそれもある。
【0004】
一方、上述のような噴霧液体と噴霧媒体とからなる噴霧流体をこのように旋回させて供給するノズルとしては、例えば特開平10−331739号公報に、直噴式の筒内噴射エンジンに燃料(噴霧液体)と空気(噴霧媒体)との混合体を噴霧して燃焼させるためのノズルとして、旋回強さの異なる複数の混合体の供給路を形成したものが提案されている。しかしながら、この公報記載のノズルは、このように旋回強さの異なる供給路を形成することにより、噴霧角度の大きい旋回流と小さい旋回流とを形成するものであって、均一な噴霧角度の旋回流を安定して形成するものではなく、しかも該公報にも記載されているように、噴霧角度の大きな旋回流では噴霧液体の粒子径は小さくなり、逆に噴霧角度の小さい旋回流では粒子径は大きくなるため、粒子径の全体的な微細化および均一化を図ることはできない。
【0005】
本発明は、このような背景の下になされたもので、噴霧流体として噴霧媒体により霧状とされて噴霧される噴霧液体の粒子径の確実な微細化および粒子径分布の均一化を図るとともに、その噴霧角度を安定して所定の角度に制御することが可能なノズル、および該ノズルを用いた廃液燃焼装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して、このような目的を達成するため、本発明は、ノズル本体に、霧状にされて噴霧させられる噴霧液体を供給する供給路と、この噴霧液体を霧状にして噴霧せしめる噴霧媒体を供給する供給路とを備えた複数の噴霧流体の供給路を形成し、これらの供給路を、上記噴霧液体と噴霧媒体とをそれぞれに旋回させて噴霧可能としたノズルであって、上記ノズル本体には、該ノズル本体の中心軸線に直交する断面において該軸線を中心とした複数の同心円上に上記複数の供給路がそれぞれ配設され、これらの供給路は上記ノズル本体の先端側において上記軸線を中心とする円の接線方向に延びる旋回路に連通させられて、該軸線上に形成された旋回室に開口させられており、このうち上記噴霧媒体を供給する供給路に上記旋回路を介して連通する旋回室は、上記噴霧液体を供給する供給路に上記旋回路を介して連通する旋回室の先端側に、この噴霧液体の旋回室よりも大きな径で一段拡径するように形成されて連通させられていることを特徴とする。従って、このようなノズルによれば、旋回させられて分散しながら噴出する噴霧液体が、同じく旋回させられて噴出する噴霧媒体によってさらに分散させられて霧状に噴霧されるので、これら噴霧液体の旋回と噴霧媒体の旋回とによる相乗効果によって噴霧粒子の粒子径が微細化されるとともに、大きな粒子の形成が阻止されて粒子径の分布の均一化が図られ、さらに各噴霧流体による旋回流を適宜制御することにより噴霧角度を所定の大きさに安定的に制御することが可能となる。また、このように各噴霧流体をそれぞれに旋回させつつ噴霧するに際して、上記ノズル本体に、該ノズル本体の中心軸線に直交する断面において該軸線を中心とした複数の同心円上に上記複数の供給路をそれぞれ配設し、これらの供給路を、上記ノズル本体の先端側において上記軸線を中心とする円の接線方向に向けて延びる旋回路に連通させて、該軸線上に形成された旋回室に開口させるようにしているので、各噴霧流体によってそれぞれ偏りのない旋回流を形成することができ、さらに確実な粒子径の微細化、粒子径分布の均一化、および噴霧角度の安定制御を図ることができる。
【0007】
また、ノズル本体に、噴霧流体を互いに反対向きに旋回させて噴霧する複数の供給路を形成して、互いに反対向きに旋回する噴霧流体同士を衝突させることにより、噴霧液体の粒子に衝撃を与えてそのさらなる微細化および粒子径分布の均一化を図ることができ、また各噴霧流体の旋回流の大きさによって噴霧角度を制御することができる。そして、特にこの場合において、互いに反対向きに旋回させられる上記噴霧流体を、霧状にされて噴霧させられる噴霧液体と、この噴霧液体を霧状にして噴霧せしめる噴霧媒体とすることにより、旋回する噴霧液体をこれとは反対向きに旋回する噴霧媒体に衝突させることによって一層確実に噴霧粒子を分散して微細化することができ、またその粒子径のさらなる均一化を促すことが可能となる。
【0008】
さらに、上記複数の供給路のうち少なくとも一部の供給路の少なくとも上記旋回路の部分を、上記ノズル本体に着脱可能とされた部材に形成すれば、この部材を異なる旋回路が形成された部材に交換することなどにより、上記噴霧角度をさらに広い範囲で所定の角度に設定したりすることが可能となるとともに、噴霧流体の性状などによって供給路の特に旋回路部分に腐食や摩耗、あるいは詰まり等を生じても、上記部材を交換することによって速やかにこれに対処することができる。勿論、複数の供給路のすべてについて、その少なくとも旋回路の部分をそれぞれノズル本体に着脱可能な部材に形成してもよい。
【0009】
さらに、これら複数の供給路に噴霧流体を供給する供給管は、上記特開平10−332127号公報に記載のように外筒部の内周部に同軸にノズル管が挿入されたような二重管構造のものでもよいが、例えばこれらの噴霧流体が大きな温度差を持っているときには、供給管がこのような二重管構造であると両者の間で熱交換が生じて円滑な噴霧に支障を来すおそれが生じる場合がある。そこで、そのような場合には、上記ノズル本体に、上記複数の供給路にそれぞれ連通する複数の噴霧流体の供給管を互いに間隔を開けて接続可能として、これらの噴霧流体同士を熱的に隔絶するのが望ましい。さらにまた、本発明の廃液燃焼装置は、このようなノズルを備えた廃液燃焼装置であって、上記複数の供給路の一部に廃液を噴霧流体として供給するものであり、上記ノズルによってこの廃液を均一な粒子径分布で微細化して所定の噴霧角度で噴霧することができて、効率的な燃焼を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1ないし図3は本発明のノズルの第一の実施形態を示すものであり、この実施形態のノズル11においては、そのノズル本体12が、先端側が底部とされた概略有底円筒状の1次アトマイザ13の上記先端に円板状の2次アトマイザ14が取り付けられた構成とされ、さらにこの1次アトマイザ13の先端側にはノズルキャップ15が取り付けられている。なお、これら1次、2次アトマイザ13,14およびノズルキャップ15はステンレス鋼等の金属材料により形成されている。そして、このように構成されたノズル本体12は、1次アトマイザ13の後端部が噴霧流体の供給管16の先端に接合されて該供給管16に取り付けられる。なお、この噴霧流体の供給管16は、本実施形態では内管17が外管18内に同軸に挿入されて支持された二重管構造をなすものであり、内管17の先端は外管18の先端よりも僅かに後退した位置に配設されていて、本実施形態ではこの内管17内に噴霧流体のうちの噴霧液体が、また内管17と外管18との間の断面円環状の空間に噴霧流体のうちの噴霧媒体が、それぞれ所定の供給量で先端側に向けて供給される。
【0011】
上記1次アトマイザ13の後端面には、該1次アトマイザ13の中心軸線O回りに周回するように凹溝19が形成されており、この凹溝19と1次アトマイザ13の内周部20との間に画成される円筒壁部21は、該凹溝19の外周側に画成される円筒壁部22よりも一段後端側に突出するように形成されていて、この円筒壁部21が供給管16の内管17の先端に、また円筒壁部22が外管18の先端にそれぞれ接合されている。なお、この凹溝19は、その外周側の内壁面が先端側に向けてテーパ部を介して一段縮径するように形成されており、これに対して上記内周部20は、その内周面が、当該1次アトマイザ13の外径が一段縮径する先端部内においてテーパ部を介して一段拡径して、有底円筒状の当該1次アトマイザ13の底部に至るように形成されている。また、1次アトマイザ13の上記円筒壁部22の外周面には互いに平行な一対の平坦面23,23が形成されるとともに、上記先端部の外周面には雄ネジ部24が形成されている。
【0012】
さらに、上記凹溝19の後端側を向く底面からは、断面円形をなす多数(本実施形態では24)の小径孔25…が、上記軸線Oに直交する断面において該軸線Oを中心とした一の円A上に等間隔に、かつそれぞれ軸線Oに平行に先端側に向けて形成されている。一方、1次アトマイザ13の先端面には、上記小径孔25の内径よりも僅かに大きな幅を有する断面「コ」字状の凹溝26が上記円Aに沿って形成されており、各小径孔25…はこの凹溝26の先端側を向く底面に開口させられている。
【0013】
さらにまた、1次アトマイザ13の内周部20の拡径した底面からは、やはり断面円形をなす多数の小径孔27…が、上記軸線Oに直交する断面において該軸線Oを中心とした上記円Aよりも小径の一の円B上に等間隔に、かつそれぞれ軸線Oに平行に先端側に向けて形成されるとともに、1次アトマイザ13の先端面には、これら小径孔27の内径よりも僅かに大きな幅を有する断面「コ」字状の凹溝28が上記円Bに沿って形成され、各小径孔27…はこの凹溝28の先端側を向く底面に開口させられている。従って、上記小径孔25…,27…および凹溝26,28は、軸線Oに直交する断面において該軸線Oを中心とする同心円A,B上にそれぞれ配設される。
【0014】
なお、本実施形態では、内周側の小径孔27の内径および凹溝28の溝幅は、外周側の小径孔25の内径および凹溝26の溝幅よりも大きくされており、さらに凹溝28はその溝深さも凹溝26より深くされている。ただし、小径孔27…の数は小径孔25…よりも少なくされていて、特に本実施形態では小径孔25…が偶数の24であるのに対して小径孔27…はその半数の12であり、しかも個々の小径孔27は周方向において隣接する小径孔25,25同士の間に一つおきに位置するように配設されて、小径孔25との間に十分な肉厚が確保されるようになされている。
【0015】
そして、さらに1次アトマイザ13の先端面には、その軸線O上に、該軸線Oに直交する断面がこの軸線Oを中心とした円形をなす旋回室29が形成されるとともに、この旋回室29と上記凹溝28との間には、断面「コ」字状の複数(本実施形態では4条)の凹溝30…が周方向に等間隔に形成されている。この凹溝30は、該軸線O方向先端側から見て、その溝幅方向の中心線Cが軸線Oを中心とする円Dの接線方向に延びるように、かつ上記凹溝28側から旋回室29側に向かうに従い軸線Oを中心として時計回り方向に向かうように形成されており、特に本実施形態では凹溝30の反時計回り方向を向く内壁面30Aが旋回室29の内周面に接して開口するように形成されている。なお、これに対して凹溝30の時計回り方向を向く内壁面30Bは、軸線O方向先端側から見て旋回室29の内周面に鋭角に交差するように、すなわち軸線Oを通って上記内壁面30Aに平行な平面よりも内壁面30A側に位置するように形成されている。
【0016】
一方、上記2次アトマイザ14は、1次アトマイザ13の先端面の外径と等しい外径を有する円板状をなしており、その中心線を1次アトマイザ13の軸線Oと同軸としてその先端に取り付けられる。ここで、この2次アトマイザ14の外周側には、上記小径孔25と同径かつ同数の断面円形をなす小径孔31…が、上記軸線Oに直交する断面においてやはり小径孔25…と同じ上記円A上に等間隔に、かつ2次アトマイザ14の後端面から先端側に向けてそれぞれ軸線Oに平行に形成されるとともに、この2次アトマイザ14の先端面には、上記凹溝26と同幅かつ同深さの断面「コ」字状の凹溝32が、やはり上記円Aに沿って形成されていて、小径孔31…はこの凹溝32の底面に開口させられている。従って、上述のように2次アトマイザ14を1次アトマイザ13の先端に取り付けた状態で、上記小径孔25…,31…同士は凹溝26を介して互いに連通し、かつ凹溝32を介して2次アトマイザ14の先端面、すなわちノズル本体12の先端に開口することとなる。
【0017】
また、この2次アトマイザ14には、その先端面から上記軸線Oに沿って当該2次アトマイザ14を貫通して上記旋回室29に連通する旋回室33が形成されている。この旋回室33は、2次アトマイザ14の後端側において上記旋回室29と同径とされ、先端側に向けて同一径で延びた後、テーパ部33Aにおいて先端側に向かうに従い漸次縮径し、さらにこの2次アトマイザ14の先端面側の開口部33Bにおいて上記旋回室29よりも大きな径で一段拡径するように形成されている。
【0018】
さらに、この2次アトマイザ14の先端面には、上記旋回室33の開口部33Bと上記凹溝32との間に、断面「コ」字状をなす複数(本実施形態では凹溝30と同じく4条)の凹溝34…が周方向に等間隔に形成されている。この凹溝34は、軸線O方向先端側から見て上記凹溝30と同じように、その溝幅方向の中心線Eが、上記円Dよりも径の大きい軸線Oを中心とする円Fの接線方向に延びるように形成されたものであるが、その向きは上記凹溝32側から旋回室33側に向かうに従い軸線Oを中心として反時計回り方向に向かうように、すなわち上記凹溝30とは反対向きとなるようにされている。なお、この凹溝34においては、その時計回り方向を向く内壁面34Aが旋回室33の開口部33Bの内周面に接して開口するように形成されており、これに対して凹溝34の反時計回り方向を向く内壁面34Bは、軸線O方向先端側から見て旋回室33の開口部33Bの内周面に鋭角に交差するように、すなわち軸線Oを通って上記内壁面34Aに平行な平面よりも内壁面34A側に位置するように形成されている。
【0019】
さらにまた、上記ノズルキャップ15は、底部が厚肉とされた略有底円筒状をなしていて、この底部を先端側に向けて取り付けられ、その内周部は後端側に向けて一段拡径するように形成されており、この拡径した部分の内周面には1次アトマイザ13の上記雄ネジ部24に螺合する雌ネジ部35が形成されている。一方、この内周部の先端側の一段縮径する部分は、その内径が上記2次アトマイザ14およびこれと同外径とされる1次アトマイザ13の最先端部を嵌挿可能な大きさとされるとともに、その軸線O方向の長さは上記2次アトマイザ14の厚さよりも僅かに大きく、かつこの2次アトマイザ14の厚さと1次アトマイザ13の先端面から上記雄ネジ部24の先端までの長さとを加えた長さよりは短くされている。なお、このノズルキャップ15の先端外周部にも、互いに平行な一対の平坦面36,36が形成されている。
【0020】
さらに、このノズルキャップ15の先端面は、その外周部が断面凸円弧状に面取りされるとともに、これよりも内周側は内周側に向かいに従い先端側に向かうテーパ面37とされ、さらにこれよりも内周側は、上記テーパ面37よりも小さなテーパ角で先端側に向かうテーパ面38とされた後、中央部において軸線Oに直交する円形の平坦面39とされている。一方、この先端面の裏側の上記内周部の底面中央には、2次アトマイザ13の旋回室33の上記開口部33Bと同径の凹孔40が軸線Oに沿って形成されていて、この凹孔40の後端側を向く底面40Aは軸線Oを中心とした凹円錐面状に形成されており、さらにこの凹孔40からノズルキャップ15の上記先端面にかけては断面円形の複数の噴射孔41…,42…が形成されている。
【0021】
これらの噴射孔41…,42…は、互いに同数(本実施形態では6つずつ)かつ等しい内径の噴射孔41…と噴射孔42…とが、それぞれ軸線Oを含む一の平面に沿って一つずつ、該平面上にその中心線を位置させ、周方向に等間隔となるように配設されたものであって、噴射孔41は上記凹孔40の内周面と底面40Aとの交差稜線部からノズルキャップ15の先端面の上記テーパ面37の内周側縁部に開口するように、また噴射孔42は凹孔40の底面40Aの中ほど内周側から先端面の上記テーパ面38の中ほど外周側に開口するように、いずれも先端側に向かうに従い外周側に向かうように傾斜させられている。ただし、外周側の噴射孔41の軸線Oに対する傾斜角は内周側の噴射孔42の傾斜角よりも小さくされており、上記平面上において噴射孔41と噴射孔42とが先端側に向かうに従い接近して互いの中心線の延長線が交差するように形成されていて、これら噴射孔41,42の中心線がなす交差角θは、5°〜50°の範囲に設定されている。
【0022】
このような本実施形態のノズル11は、上述のように1次アトマイザ13の先端に2次アトマイザ14を同軸に配置してノズル本体12を構成した上で、さらにその先端に、上記雄ネジ部24に雌ネジ部35をねじ込んでノズルキャップ15を取り付けることにより、2次アトマイザ14と1次アトマイザ13の最先端部とがノズルキャップ15内周部先端側の縮径した部分に嵌挿されて収容され、一体に組み立てられる。従って、2次アトマイザ14はノズルキャップ15の着脱によって1次アトマイザ13に着脱可能とされる。また、この組立状態においては、1次アトマイザ13の先端面に2次アトマイザ14の後端面が密着して凹溝28,30…の先端側開口部が閉塞されるとともに、凹溝26と小径孔31…とが上述のように連通させられ、さらに2次アトマイザ14の先端面に、ノズルキャップ15の内周部底面の上記凹孔40の周りの部分が密着して凹溝32,34…の先端側開口部が閉塞される。
【0023】
従って、この組立状態において、1次アトマイザ13から2次アトマイザ14にかけては、後端側から先端側に向けて凹溝19、小径孔25…、凹溝26、小径孔31…、および凹溝32が連通することにより、その外周側の上記円A上に噴霧流体(噴霧媒体)の供給路が形成されるとともに、2次アトマイザ14の先端には上記凹溝34…の先端側開口部がノズルキャップ15によって閉塞されることにより、上記円Fの接線方向に延びる旋回路が画成され、上記供給路はこの旋回路に連通させられて軸線O上に形成された旋回室33に開口させられる。一方、1次アトマイザ13の内周部20から上記円Aに同心な円B上に形成された小径孔27…および凹溝28は噴霧流体(噴霧液体)の供給路をなし、この供給路は、上記凹溝30の先端側開口部が2次アトマイザ14の後端面に閉塞されて画成された上記円Fの接線方向に延びる旋回路に連通して、上記旋回室33に連通する旋回室29に開口させられる。
【0024】
このように構成された上記実施形態のノズル11は、例えば図4に示す本発明の一実施形態の廃液燃焼装置において、その燃焼室51内に噴霧流体(噴霧液体)として廃液を霧状に噴霧するのに用いられる。ここで、この実施形態の廃液燃焼装置において上記燃焼室51は縦形円筒状をなしていて、その上部中央には助燃バーナ52が該燃焼室51の中心線X方向に下向きに取り付けられており、この助燃バーナ52の周りの燃焼室51上部の肩部に、複数の上記ノズル11…がその軸線Oを上記中心線X上の1点に交差させるようにして配設されている。そして、これらのノズル11…においては、上記供給管16の内管17内に噴霧液体として廃液が供給されるとともに、この内管17と外管18との間に噴霧媒体として圧縮空気や蒸気が供給されることにより、廃液が噴霧媒体によって霧状とされてノズルキャップ15先端の噴射孔41…,42…から噴霧させられ、上記助燃バーナ52によって燃焼させられる。
【0025】
なお、この廃液燃焼装置において上記燃焼室51の下方には、溶解液を噴霧するディゾルバ53を内部に備えた回収タンク54が設けられていて、燃焼室51において廃液を燃焼することにより生じた燃焼排ガス中のアルカリ等の溶解が行われ、溶解したアルカリ等は回収タンク54内に溶解液として回収される。ここで、図中に符号55で示すのは回収された溶解液の攪拌機である。また、この回収タンク54には、冷却液を噴霧する冷却機56を内部に備えた冷却塔57が取り付けられており、上記ディゾルバ53によってアルカリ等が溶解、回収された排ガスは、この冷却塔57において冷却され、さらに図示されないスクラバによって除塵されたり蒸発濃縮器の加熱源とされたりして排出される。なお、上記ディゾルバ53から噴霧される溶解液や冷却機56から噴霧される冷却液としては、上記回収タンク54に回収された溶解液の一部が循環させられて使用される。また、残りの溶解液は排出口58から系外に排出される。
【0026】
しかるに、上記実施形態のノズル11では、供給管16の内管17内に供給された上記廃液等の噴霧液体は、上述のように1次アトマイザ13の内周部20から小径孔27…および凹溝28を通って1次アトマイザ13の先端側に送られ、さらに凹溝30…から旋回室29に流れ込んで2次アトマイザ14の旋回室33に噴出させられる。一方、供給管16の内管17と外管18との間に供給された上記圧縮空気や蒸気等の噴霧媒体は、やはり上述のように凹溝19から小径孔25…および凹溝26を通って1次アトマイザ13の先端側に送られ、さらに2次アトマイザ14の小径孔31…および凹溝32を通ってその先端側に送られた後、凹溝34…から旋回室33の先端側の開口部33Bに流れ込む。そして、この開口部33Bにおいて上記噴霧液体は、この噴霧媒体により霧状にされて先端側に噴霧させられ、さらにノズルキャップ15の凹孔40から噴射孔41…,42…を通ってノズル11の先端側に噴射させられる。
【0027】
しかして、上記構成のノズル11においては、噴霧液体が供給される上記凹溝30…が軸線Oを中心とする円Dの接線方向に延びるように形成されて旋回路を構成しているので、旋回室29に流れ込んだ噴霧液体は軸線O回りの旋回流を生じ、そのまま2次アトマイザ14の旋回室33に噴出させられる一方、噴霧媒体が供給される上記凹溝34…も軸線Oを中心とする円Fの接線方向に延びて旋回路を構成しているため、噴霧媒体はやはり軸線O回りの旋回流を生じる。従って、自らの旋回流によって微細化された噴霧液体の粒子が噴霧媒体の旋回流によってさらに微細化されるので、上記ノズル11によれば、これら噴霧液体と噴霧媒体との二重の旋回流による相乗効果によって噴霧液体の粒子径の一層の微細化を図ることができ、またこれに伴い大きな粒径の粒子が形成されるのが阻止されるので、粒子径分布の均一化を促すことが可能となる。
【0028】
さらに、このように噴霧流体としての噴霧液体と噴霧媒体とがそれぞれに旋回流を形成して噴霧されるため、上記ノズル11によれば、各噴霧流体の旋回流を適宜に制御することによってその噴霧角度も所定の大きさに安定的に制御することが可能となる。すなわち、例えば噴霧液体の供給量が同じであっても、噴霧媒体の供給量を多くしたり供給圧を高くしたりしてその旋回流を大きくすれば大きな噴霧角度を得ることができ、逆に噴霧媒体の供給量を少なくしたり供給圧を低減したりして旋回流を小さくすれば、噴霧角度を小さくすることができる。また、これとは逆に噴霧媒体の旋回流を一定として、噴霧液体の旋回流を調整することにより噴霧角度を制御してもよいし、噴霧液体と噴霧媒体との双方の旋回流を調整するようにしてもよい。さらに、これら噴霧液体と噴霧媒体の旋回路を形成する上記凹溝30…,34…の形状や大きさ、数などを適宜調整することによってその旋回流を調整し、噴霧角度を制御することも可能である。
【0029】
しかも、これに加えて上記構成のノズル11では、これら噴霧液体の旋回路を形成する凹溝30…と噴霧媒体の旋回路を形成する凹溝34…とが、軸線Oを中心とする円D,Fの接線方向に向けて互いに反対向きに延びるように形成されており、このため該旋回路によって形成される旋回流も噴霧液体と噴霧媒体との両噴霧流体同士で互いに反対向きとなる。具体的に、本実施形態では、軸線O方向先端側から見て、凹溝30…は凹溝28から内周側の旋回室29に向けて時計回り方向に上記円Dの接線方向に延びており、従って噴霧液体の旋回流も時計回り方向となるのに対し、凹溝34は逆に凹溝32から内周側の旋回室33に向けて反時計回り方向に上記円Fの接線方向に延びていて、噴霧媒体の旋回流も反時計回り方向となる。従って、上記ノズル11によれば、これら互いに反対向きに旋回する両噴霧流体が衝突しながら噴霧されることとなり、その際の衝撃によって噴霧液体の粒子をさらに細かく分散させることができるので、一層の粒子径の微細化と粒子径分布の均一化を図ることができ、さらに各旋回流の調整による噴霧角度の制御もより正確かつ高精度に行うことが可能となる。
【0030】
従って、このようなノズル11を廃液噴霧用のノズルとして取り付けた上記実施形態の廃液燃焼装置によれば、噴霧液体としての廃液が粒子径分布の均一なきわめて微細な粒子として噴霧され、しかもその噴霧角度も所定の大きさに制御可能であることから、この噴霧された廃液を助燃バーナ52によって効率的に燃焼させることが可能となり、上述したようなアルカリを含有した廃液などにおいてもその確実な処理を図ることができる。また、特に噴霧角度を正確に制御可能であることから、燃焼室51の所定位置以外の部分に廃液が飛散するのを防ぐことができるため、燃焼室51を小型化して装置全体のコンパクト化を図ることが可能となるとともに、上述の二重の旋回流による相乗効果やこれらの旋回流の向きが反対向きとされることによる衝突効果により、所定の供給量の廃液を噴霧するにも従来より少ない圧縮空気や蒸気供給量で済むので、経済的であるという利点も得られる。なお、上記廃液燃焼装置では、このように廃液噴霧用のノズルとして上記ノズル11を使用しているが、例えばディゾルバ53の溶解液噴霧用のノズルや冷却機56の冷却液噴霧用のノズルとして上記ノズル11を使用することも勿論可能である。
【0031】
ところで、上述した本発明の第一の構成によれば、噴霧液体と噴霧媒体とがそれぞれに旋回流を形成することにより、噴霧液体の粒子径の微細化や粒子径分布の均一化、噴霧角度の安定制御等が図られるのであるから、これらの旋回流の向きは必ずしも上記実施形態のように反対向きでなくてもよく、両旋回流が同じ向きであっても十分な効果を得ることができる。また一方、本発明の第二の構成によれば、互いに反対向きに旋回する噴霧流体が衝突することによって上述の効果が得られるのであるから、この場合の噴霧流体は必ずしも上記実施形態のように廃液等の噴霧液体と圧縮空気や蒸気等の噴霧媒体とでなくても、例えば上記特開平10−331739号公報記載の直噴式筒内噴射エンジンの燃料噴射用ノズルの場合のような燃料と空気との混合体など、予め噴霧液体と噴霧媒体とが混合された流体であってもよく、言い換えれば本発明の上記第二の構成はそのようなノズルに適用することも可能である。
【0032】
しかしながら、このように上記第二の構成において、互いに反対向きの旋回流をなす噴霧流体をともに噴霧液体と噴霧媒体の混合体とした場合には、これらの旋回流が衝突することによって噴霧粒子の微細化が図られる反面、場合によっては噴霧粒子同士が衝突することによって一体化し、却って粒子径の大きな噴霧粒子が形成されるとともに粒子径分布も不均一となってしまうおそれもある。従って、この第二の構成のように噴霧流体を互いに反対向きに旋回させて噴霧する場合には、これら互いに反対向きに旋回させられる噴霧流体は、一方が霧状にされて噴霧させられる噴霧液体であり、他方がこの噴霧液体を霧状にして噴霧せしめる噴霧媒体であるのが望ましい。
【0033】
一方、上記実施形態のノズル11においては、ノズル本体12を構成する1次、2次アトマイザ13,14に、噴霧媒体の供給路を構成する小径孔25…,31…および凹溝26,32と、噴霧液体の供給路を構成する小径孔27…および凹溝28とが、それぞれノズル本体12の中心軸線Oに直交する断面において該軸線Oを中心とする同心な円A,B上に配設されており、これらの供給路がそれぞれノズル本体12の先端側において上記旋回路を構成する凹溝30…,34…に連通させられて旋回室29,33に開口し、各噴霧流体の旋回流を形成するようになされている。このため、本実施形態によれば、各旋回室29,33に向けて上記供給路から円A,Bの全周に亙って均一に上記旋回路を介して噴霧流体を供給することができ、これにより旋回室29,33から噴出、噴霧される噴霧流体の旋回流を偏りのないものに形成することが可能となって、さらに確実な噴霧粒子の微細化、粒子径分布の均一化、および噴霧角度の安定化を図ることができる。
【0034】
なお、本実施形態では断面円形の上記小径孔25…,31…,27…を上記円A,Bに沿って配設して供給路を形成するようにしているが、例えばこれらの円A,Bに沿って断面円弧状の孔を形成して供給路とするようにしてもよく、また場合によってはこれらの供給路が円A,Bに沿った断面円環状に形成されていてもよい。また、上記旋回路を形成する凹溝30…,34…についても、本実施形態ではその中心線E,Cが軸線Oを中心とする上記円D,Fの接線方向に真っ直ぐに延び、かつ該中心線E,Cに沿って同一幅および深さで延びるように形成されているが、上記中心線E,Cは円D,Fとの接点において該円D,Fの接線方向に延びていればよく、言い換えれば該中心線E,Cが軸線Oに対する径方向に延びていなければよく、例えばこれら中心線E,Cが湾曲するように凹溝30,34が形成されていたり、また溝幅や溝深さが該中心線E,Cに沿って漸次増減するように形成されていたりしてもよい。
【0035】
また、本実施形態では、そのノズル本体12が1次アトマイザ13と2次アトマイザ14とから構成されていて、このうち2次アトマイザ14は上述のようにノズルキャップ15を取り外すことによって1次アトマイザ13に着脱可能とされている。そして、上記噴霧流体の供給路のうち噴霧媒体を旋回させる旋回路を画成する凹溝34はこの2次アトマイザ14に形成されているので、この2次アトマイザ14を、異なる形状や寸法、あるいは数の旋回路を画成可能な凹溝が形成されたものに交換するだけで、噴霧媒体の旋回流をノズルの使用条件等に合わせて適当に変更することが可能となり、従ってこの噴霧媒体と噴霧液体とからなる噴霧流体の旋回流も適宜異なったものに容易に変更することができる。このため、例えば上記噴霧角度をさらに広い範囲で所定の角度に設定したりすることができて、より汎用性の高いノズルを提供することが可能となる。
【0036】
さらに本実施形態では、このようにノズル本体12の先端部にノズルキャップ15が取り付けられていて、旋回室33から噴霧された噴霧流体はこのノズルキャップの凹孔40から上記噴射孔41…,42…を通ってノズル11の先端に噴霧される。そして、これらの噴射孔41…,42…はそれぞれ一つずつが軸線Oを含む同一平面上にあって、先端側に向かうに従い互いに接近する方向に形成されているので、各噴射孔41,42から噴射させられた噴霧流体は該噴射孔41,42の延長線上の交点において衝突させられることとなり、従ってその際の衝撃によって噴霧粒子のさらなる微細化および粒子径分布の均一化を図ることが可能となる。
【0037】
ところで、このようなノズルキャップ15を取り付けて噴射孔41,42から噴射させられた噴霧流体を衝突させるようにした場合には、衝突によって噴霧粒子が分散してその粒径の微細化等が図られる反面、上述の噴霧液体と噴霧媒体との混合流体を互いに反対向きに旋回させた場合と同じように、噴霧粒子同士が衝突することにより一体化して却って粒子径の大きな噴霧粒子が形成され、粒子径分布も不均一となってしまうおそれも生じる。ここで、このような場合において噴霧粒子が衝突した際に衝撃によって分散するか一体化するかには、衝突の際に噴霧粒子同士が交差する角度が影響を及ぼし、この衝突角度が大きく、例えば180°であって噴霧粒子同士が正面衝突するような場合には一体化してしまう可能性も高くなる。ところが、その一方で、この衝突角度が小さすぎ、例えば0°であって噴霧粒子同士が平行に飛散するような場合には衝突自体が起こらず、従って噴霧粒子の分散による粒子径の微細化も生じ得ない。このため、両噴射孔41,42から噴射される噴霧粒子は適当な角度で衝突するように設定されるのが望ましく、これにより本実施形態では上記交差角θを5°〜50°の範囲としている。
【0038】
また、このような噴射孔41,42から噴霧流体を噴射する場合、これらの噴射孔41,42が開口する面(テーパ面37,38)に対して該噴射孔41,42が斜めに交差していると、噴射孔41,42の開口部がなす円は楕円形状となってしまい、この楕円の長軸に沿った断面において、該長軸の一端側では噴射孔41,42とテーパ面37,38とが鈍角に交差するとともに他端側では鋭角に交差することとなり、両側での噴霧角度が異なるものとなってしまうおそれがある。従って、これら噴射孔41,42と該噴射孔41,42が開口する上記テーパ面37,38とは、より垂直に近い角度で交差するように形成されるのが望ましく、このため本実施形態では、軸線Oに対する傾斜角が小さな外周側の噴射孔41は軸線Oに対するテーパ角が大きなテーパ面37に、また軸線Oに対する傾斜角が大きな内周側の噴射孔42はテーパ角の小さなテーパ面38にそれぞれ開口するようにして、各噴射孔41,42がテーパ面37,38に垂直に近い角度で交差するようにし、それぞれの開口部が真円に近い形状となるように図られている。
【0039】
ただし、本実施形態のノズル11では、このように噴射孔41…,42…が形成されたノズルキャップ15をノズル本体12の先端に取り付けているが、例えば噴射孔41,42を形成することなく、上記凹孔40をそのまま、あるいは拡縮径させつつ先端面に開口させたノズルキャップ15を取り付けるようにしてもよく、また場合によってはこのようなノズルキャップ15を設けることなく、凹溝32,34…の先端側開口部を閉塞して旋回路を形成した上で、2次アトマイザ14を直接的に1次アトマイザ13に着脱可能に取り付けてノズル本体12を構成するようにしてもよい。さらに上記実施形態では、図4に示した廃液燃焼装置の廃液噴霧を初めとする各液体の噴霧や直噴式エンジンの燃料噴射にそのノズル11を適用可能であることを説明したが、本発明のノズルはこれらの用途に限定されることはなく、他の種の燃焼装置用や散水用など、様々な用途に使用しても効果的である。
【0040】
一方、この第一の実施形態では、このようにノズル本体12を1次アトマイザ13とこれに着脱可能とされた2次アトマイザ14とにより構成しているが、例えば図5に示す本発明の第二の実施形態のノズル61のように、上記1次アトマイザ14をもさらに上記供給管16に接合されるホルダ62とこのホルダ62に着脱可能とされる1次アトマイザ本体63とから構成して、噴霧媒体の供給路を構成する小径孔25…の一部および凹溝26と、噴霧液体の供給路を構成する小径孔27…および凹溝28と、1次アトマイザ13の内周部20の一部と、さらに噴霧液体の旋回路を構成する凹溝30…および上記旋回室29とを、この1次アトマイザ本体63に形成するようにしてもよい。なお、この図5に示す第二の実施形態および後述する図6に示す第三の実施形態において、上記第一の実施形態と共通する部分には同一の符号を配して説明を省略する。
【0041】
すなわち、この第二の実施形態のノズル61において、上記ホルダ62はその外形が第一の実施形態の1次アトマイザ13と同形状に形成されるとともに、その先端側には断面が軸線Oを中心とした円形をなす取付孔64が形成され、この取付孔64は、その内径が上記2次アトマイザ14の外径よりも小さく、かつ上記小径孔25や凹溝26の軸線Oからの外径よりは大きくされるとともに、その深さは上記凹溝19に達しない深さとされており、この凹溝19から先端側に向けて延びる上記小径孔25…の後端側部分25a…と1次アトマイザ13の上記内周部20の後端側部分20aとは、この取付孔64の底面に開口させられている。なお、この取付孔64の底面には、上記凹溝26と同様に小径孔25の内径よりも僅かに大きな幅を有する断面「コ」字状の凹溝65が上記円Aに沿って形成されており、小径孔25…の後端側部分25a…はこの凹溝65を介して取付孔64の底面に開口させられている。
【0042】
また、上記1次アトマイザ本体63は、このホルダ62の取付孔64に嵌挿可能かつ該取付孔64の深さと等しい長さを有する概略有底円筒状に形成されており、その内周部が1次アトマイザ13の上記内周部20の先端側部分20bとされるとともに、その底部にはこの内周部20の先端側部分20bに連通するように上記小径孔27…、凹溝28、30…、および旋回室29が形成され、さらにこの1次アトマイザ本体63の周壁部には上記小径孔25…の残りの先端側部分25b…と上記凹溝26とが上記円Aに沿って形成されている。なお、この1次アトマイザ本体63の周壁部の後端面には、凹溝65と同様に小径孔25の内径よりも僅かに大きな幅を有する断面「コ」字状の凹溝66が上記円Aに沿って形成されており、小径孔25…の先端側部分25b…はこの凹溝66を介して1次アトマイザ本体63の後端面に開口させられている。
【0043】
しかして、本実施形態では、この1次アトマイザ本体63がその上記底部を先端側に向けてホルダ62の取付孔64に嵌挿されることにより、上記内周部20の先端側部分20bと後端側部分20aとが連通して噴霧液体が先端側に供給可能とされるとともに、小径孔25…の先端側部分25b…と後端側部分25a…とが凹溝65,66を介して連通して噴霧媒体が先端側に供給可能とされ、第1の実施形態と同様の1次アトマイザ13が構成される。次いで、この1次アトマイザ13の先端に上記2次アトマイザ14が取り付けられてノズル本体12が構成され、さらにこのノズル本体12の先端に上記ノズルキャップ15が装着されることによってこの第二の実施形態のノズル61が構成される。
【0044】
しかるに、このように構成される本実施形態のノズル61においては、1次アトマイザ13がホルダ62と1次アトマイザ本体63とから構成されており、この1次アトマイザ本体63はホルダ62の取付孔64に嵌挿されているだけであって、ノズルキャップ15および2次アトマイザ14を取り外すことによってノズル本体12に着脱可能とされている一方、噴霧液体の供給路を構成する上記小径孔27…と凹溝28および旋回路を構成する凹溝30…と、噴霧媒体の供給路の一部となる小径孔25…の先端側部分25b…とは、この着脱可能な1次アトマイザ本体63に形成されているので、例えば腐食性や摩耗性を有する噴霧流体が供給されて上記2次アトマイザ本体63に損傷が生じたりしても、この2次アトマイザ本体63を交換することによって容易に当初の性能を回復することができる。また、この2次アトマイザ本体63を、例えばその噴霧液体の旋回路としての凹溝30…が異なる形状や寸法、あるいは数のものに交換することにより、噴霧液体の旋回流もノズルの使用条件に合わせて適宜変更することができ、2次アトマイザ14が着脱可能とされていることとも相俟って、本実施形態によればさらに一層汎用性の高いノズルを提供できるという利点も得られる。
【0045】
ところで、これら第一、第二の実施形態のように上記噴霧媒体と噴霧液体の供給管16が二重管構造をなしている場合には、この噴霧媒体と噴霧液体との間に温度差があると、ノズル本体12に供給されるまでに両者の間で内管17を介して熱の移動が生じる。しかしながら、例えば上記噴霧液体がアルコールを含有する液体などであって沸点が低い場合において、上記噴霧媒体の温度がこれよりも高温であって温度差が大きいと、ノズル本体12に供給されるまでの間に噴霧液体が加熱されることによって沸騰して気泡を発生することにより、噴霧液体が連続的に噴霧できなくなるという、いわゆるベーパーロックと称される事態が生じて、円滑な噴霧に支障を来すおそれがある。また、例えば上記噴霧液体が石油精製時に生じるボトムオイルなどであって、その粘度が温度によって大きく変化するような場合などでも、噴霧媒体との温度差が大きいと噴霧流体の粘度の変動も大きく、場合によっては噴霧液体の詰まりなどを生じるおそれがある。
【0046】
そこで、このような場合には、図6に示す本発明の第三の実施形態のノズル71のように、噴霧液体を供給する供給管72と噴霧媒体を供給する供給管73とを互いに間隔を開けて独立した別体の管として、これらの供給管72,73をノズル本体12に互いに間隔を開けたまま接続可能とするのが望ましい。ここで、この第三の実施形態では、そのノズル本体12の1次アトマイザ13が、ちょうど上記第二の実施形態の取付孔64の底面の位置で軸線Oに直交する平面によって先端部74と後端部75とに分割形成されたものを、これら先端部74の後端面と後端部75の先端面とを突き合わせて接合することにより一体化した構成とされており、このうち上記先端部74は、その後端面に上記小径孔25の内径よりも僅かに大きな幅を有する断面「コ」字状の凹溝76が上記円Aに沿って形成されている以外は、第一の実施形態の1次アトマイザ13の上記平面よりも先端側の部分と略同様の構成を有している。
【0047】
一方、この1次アトマイザ13の後端部75には、その先端面に上記凹溝76と等しい幅の断面「コ」字状の凹溝77が上記円Aに沿って形成されるとともに、この先端面の中央部には、先端部74側の1次アトマイザ13の上記内周部20と等しい内径の供給孔78が軸線Oを中心として開口させられている。そして、この後端部75の後端面には、軸線Oに対して一方の側(図6において下側)に、上記噴霧液体の供給管72が取り付けられる凹孔状の取付部79が、またこの取付部79とは軸線Oを挟んで反対の他方の側(図6において上側)には、上記噴霧媒体の供給管73が取り付けられるやはり凹孔状の取付部80が、軸線Oに対する径方向に間隔を開けてそれぞれ形成されていて、上記供給管72,73はこれらの取付部79,80に各々嵌挿された上で接合されることにより、1次アトマイザ13の後端部75に取り付けられている。さらに、上記取付部80は軸線Oに平行な大径の凹孔81および小径の連通孔82を介して上記凹溝77に、また上記取付部79は、これら凹孔81、連通孔82、および凹溝77を避けるように軸線Oに対して斜めに形成された斜行孔83を介して上記供給孔78に、それぞれ連通させられている。
【0048】
従って、このように構成された第三の実施形態のノズル71によれば、噴霧液体の供給管72と噴霧媒体の供給管73とが互いに間隔を開けていて、そのままノズル本体12に接続可能とされているので、両噴霧流体間の温度差が大きくてもこのノズル本体12に供給されるまでの間に熱の移動が生じることがなく、このため噴霧液体の沸点が低くてもベーパーロックが生じたりするのを防ぐことができるとともに、噴霧液体の粘度が変動してしまうような事態も防止することができ、円滑な噴霧を促すことが可能となる。なお、本実施形態では上記先端部74を後端部75に接合して1次アトマイザ13を構成しているが、例えばこれらを雌雄ネジ部によるネジ止めなどによって着脱可能としたり、または上記第二の実施形態のホルダ62を上記後端部75と同様の構成として供給管72,73を互いに間隔を開けて接続可能としたりすれば、この第二の実施形態と同様の効果も得ることができる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、噴霧液体と噴霧媒体とをそれぞれに旋回させて噴霧することにより、噴霧粒子の分散を図ってその粒子径を微細化するとともに粒子径分布を均一化することができ、さらには噴霧角度も容易かつ安定的に所定の角度に制御することが可能となる。また、これらの噴霧流体を供給する供給路をノズル本体の軸線を中心とする同心円上に配設し、ノズル本体の先端側で旋回路に連通させて該噴霧流体を旋回させるようにすることにより、偏りのない旋回流を形成することができて一層確実に上記効果を奏功することができる。特に、噴霧液体と噴霧媒体とを互いに反対向きに旋回させた場合には、より効果的である。
【0050】
また、この旋回路をノズル本体に着脱可能な部材に形成すれば、より汎用性の高いノズルを提供することができるとともに、腐食や摩耗が生じた場合でもこの部材を交換することによって当初の性能を容易に回復することができる。さらに、上記複数の噴霧流体を供給する供給管を別体にして互いに間隔を開けたままノズル本体に接続可能とすることにより、これらの噴霧流体間に温度差があっても円滑な噴霧を図ることができる。従って、このようなノズルを備えた本発明の廃液燃焼装置によれば、廃液を効率的に噴霧して燃焼させることができ、その確実な処理を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施形態のノズル11の断面図である。
【図2】 図1に示す実施形態のノズル11を軸線O方向先端側から正面図である。
【図3】 図1におけるZOZ断面図である。
【図4】 図1に示す実施形態のノズル11を備えた本発明の廃液燃焼装置の一実施形態を示す一部破断側面図である。
【図5】 本発明の第二の実施形態のノズル61の断面図である。
【図6】 本発明の第三の実施形態のノズル71の断面図である。
【図7】 従来の廃液燃焼装置のノズル1を示す断面図である。
【符号の説明】
11,61,71 ノズル
12 ノズル本体
13 1次アトマイザ
14 2次アトマイザ(ノズル本体に着脱可能とされた部材)
15 ノズルキャップ
16,72,73 噴霧流体の供給管
25,27,31 小径孔(噴霧流体の供給路)
26,28,32,65,66,77,76 凹溝(噴霧流体の供給路)
29,33 旋回室
30,34 凹溝(旋回路)
41,42 噴射孔
O ノズル本体12の中心軸線
A,B 噴霧流体の供給路が配設される同心円
θ 噴射孔41,42の交差角
Claims (7)
- ノズル本体に、霧状にされて噴霧させられる噴霧液体を供給する供給路と、この噴霧液体を霧状にして噴霧せしめる噴霧媒体を供給する供給路とを備えた複数の噴霧流体の供給路が形成され、これらの供給路が上記噴霧液体と噴霧媒体とをそれぞれに旋回させて噴霧可能とされているノズルであって、
上記ノズル本体には、該ノズル本体の中心軸線に直交する断面において該軸線を中心とした複数の同心円上に上記複数の供給路がそれぞれ配設され、これらの供給路は上記ノズル本体の先端側において上記軸線を中心とする円の接線方向に延びる旋回路に連通させられて、該軸線上に形成された旋回室に開口させられており、このうち上記噴霧媒体を供給する供給路に上記旋回路を介して連通する旋回室は、上記噴霧液体を供給する供給路に上記旋回路を介して連通する旋回室の先端側に、この噴霧液体の旋回室よりも大きな径で一段拡径するように形成されて連通させられていることを特徴とするノズル。 - 霧状にされて噴霧させられる上記噴霧液体と、この噴霧液体を霧状にして噴霧せしめる上記噴霧媒体とが、互いに反対向きに旋回させられることを特徴とする請求項1に記載のノズル。
- 上記複数の供給路のうち少なくとも一部の供給路の少なくとも上記旋回路の部分が、上記ノズル本体に着脱可能とされた部材に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のノズル。
- 上記複数の供給路の上記旋回路の部分が、それぞれ上記ノズル本体に着脱可能とされた部材に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のノズル。
- 上記ノズル本体には、上記複数の供給路にそれぞれ連通する複数の噴霧流体の供給管が互いに間隔を開けて接続可能とされていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のノズル。
- 上記噴霧液体を供給する供給路は、内周面がテーパ部を介して一段拡径する上記ノズル本体の内周部の拡径した底面から先端側に向けて形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のノズル。
- 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のノズルを備えた廃液燃焼装置であって、上記複数の供給路の一部には廃液が噴霧流体として供給されることを特徴とする廃液燃焼装置。
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