JP4408645B2 - X線検査装置、x線検査方法およびx線検査装置の制御プログラム - Google Patents

X線検査装置、x線検査方法およびx線検査装置の制御プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線検査装置、X線検査方法およびX線検査装置の制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種のX線検査装置では対象試料にX線を照射し、透過X線の強度から厚み相当値を算出し、この厚み相当値からボイドの存在を推定している(例えば、特許文献1参照。)。すなわち、透過X線IはI=I0exp(−μt)と表現(I0は試料透過前のX線強度,μは透過物質の吸収係数,tは透過物質の厚み)される。ここで、(−μt)は透過物質の厚みによって変動するので、厚みに相当する値と言える。ボイドの吸収係数は”0”と見なすことができるので、透過X線からこの(−μt)やtを算出し、ある直線あるいは平面上で厚み相当値のプロファイルを作成すればボイドの存在しない対象試料ではプロファイルが対象試料の外形とほぼ一致するが、ボイドが存在すれば、プロファイルは外形と一致せず、凹部が形成される。そこで、対象試料の外形とプロファイルの差分をとり、この差分において所定の閾値を超えるピークを有するもの抽出することによりボイドの存在を推定する。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−280727号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のX線検査装置においては、微小なボイドを抽出できないという問題があった。すなわち、微小なボイドにおいては上記差分にて形成するピークが小さくなり、単に閾値を超えるか否かでボイドを抽出するのみでは、差分においてボイド以外に起因して形成されるピークと区別することが困難であった。より具体的には、微小なボイドのピークとノイズによるピークを区別することが困難であるし、対象試料の外形の一部に凹みが存在する場合にはこの凹みに起因して生じる小さいピークと微小ボイドのピークを区別することが困難である。他にもX線が対象試料以外の物質(例えば、基板上の銅配線パターン)を透過したことに起因してもピークが生じ、このようなピークと微小ボイドによるピークを区別できなければ微小ボイドを抽出できない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、微小なボイドであっても抽出することが可能なX線検査装置、X線検査方法およびX線検査装置の制御プログラムの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明では厚みプロファイルと外形プロファイルとからボイド候補を取得し、このボイド候補の中からその形状特定パラメータが基準ボイド形状での形状特定パラメータに合致しているものをボイドとして抽出する。従って、ボイド以外のノイズや対象試料以外の物質,ボイドの凹み等による影響を容易に除去することができ、微小なボイドであっても確実にボイドを抽出することができる。すなわち、上述の従来技術のように閾値のみによる抽出では微小なボイドとノイズ,対象試料以外の物質,ボイドの凹みによる影響とを区別することが困難である。しかし、ボイドの形状として基準ボイドを考えればボイド候補の形状がこの基準ボイドの形状である場合に得られるプロファイルを容易に特定することができるので、この基準ボイドと形状が類似しているボイド候補を抽出することができ、ノイズ等を排除して微小なボイドを抽出することができる。
【0006】
このために、X線照射機構によって対象試料に対してX線を照射するとともに透過X線を検出する。プロファイル取得手段ではこの透過X線の検出値から対象試料の厚みに相当する厚みプロファイルを取得することができればよい。X線強度を検出する構成としては、種々の構成を採用することが可能である。例えば、X線をシンチレータで受け止め、可視化した後にCCDで可視光を受光する構成(X線イメージインテンシファイア)等を採用可能である。この場合、CCDを構成する各画素での検出電圧が強度に相当する。
【0007】
当該強度から厚み相当値を算出すれば、当該厚み相当値の数値の大小に応じてドットマトリクス状の画素からなる画像の明度を決定することにより、厚み相当値に応じて明度が変化する2次元画像を容易に生成することができる。また、容易に厚みプロファイルや外形プロファイルを形成することができる。すなわち、CCD平面上のある直線での厚み相当値をグラフにプロットすれば当該直線上のプロファイルを形成することができるし、CCD平面上での厚み相当値を立体的に表現すれば曲面や微小な平面から構成される立体的なプロファイルを形成することができる。
【0008】
厚みプロファイルは対象試料の厚みに相当する厚み相当値から形成され、透過X線強度から厚み相当値を算出してプロファイルにすることができればよい。すなわち、上記従来の技術に示すexpの指数部分は透過X線を減衰させた物質の厚みに相当するので、当該指数部分を算出してもよいし、吸収係数にて除して厚みの次元にした値を算出してもよい。尚、対象試料を透過したX線を検出すると上述のexpの指数部分から厚み相当値を算出することができるが、検査対象の厚みをより正確に把握するためにエネルギーサブトラクション処理を行ってもよい。
【0009】
外形プロファイル取得手段は対象試料の外形に相当する外形プロファイルを取得することができればよい。すなわち、上記透過X線の検出値から得られる厚みプロファイルではボイド部分の厚みが小さな値となるので、プロファイルに凹部を形成する。しかし、対象試料に対して多数のボイドが含まれているのでなければ、この凹部は一部分に形成されるので、厚みプロファイルの外側を滑らかに接続すれば接続後のプロファイルは対象試料の外形に相当する。そこで、厚みプロファイルの包絡線を形成する処理やローパスフィルタによる処理,プロファイルの膨張/収縮処理等によって外形プロファイルを形成することができる。
【0010】
ここで膨張処理とは、処理対象となるプロファイル値の近傍の領域から最大のプロファイル値を抽出し、処理対象のプロファイル値を最大のプロファイル値で置き換える処理であって、プロファイルの微小な凹みを除去する処理である。収縮処理とは処理対象となるプロファイル値の近傍の領域から最小のプロファイル値を抽出し、処理対象のプロファイル値を最小のプロファイル値で置き換える処理であり、上記膨張後のプロファイルを元の大きさに戻すことができる。
【0011】
ボイド候補プロファイル取得手段では、これら外形プロファイルと厚みプロファイルとの差分からボイド候補のプロファイルを抽出することができればよい。すなわち、外形プロファイルと厚みプロファイルとの差分によれば、上記厚みプロファイルにおいて外形より厚み相当値が小さい部分を抽出することができる。外形より厚み相当値が小さい部分にはボイドが含まれるので、この抽出された部位をボイド候補としてもよいし、厚み相当値にある閾値を設けてこの閾値より大きなピークを有するプロファイルをボイド候補としてもよい。閾値によってボイド候補を抽出する場合には、抽出対象とするボイドの大きさより小さな厚み相当値を閾値とすれば、ボイド候補の抽出に際して抽出対象のボイドを除外してしまうことを防止することができる。
【0012】
ボイド候補プロファイルがボイドによって形成されているとすれば、このプロファイルの形状はボイド候補の形状を反映しているはずである。そこで、ボイド候補の形状を特定する形状特定パラメータを算出し、この形状特定パラメータが基準ボイド形状に合致しているか否かを判別することにより、ボイド候補の中から所望の形状のボイドを抽出することができる。基準ボイド形状は、対象試料内のボイドとして想定される形状であればよく、半球状のはんだ等が対象試料であれば当該はんだ内の微小なボイドは球形であると考えられる。従って、基準ボイド形状として球形を採用する構成が好ましい。
【0013】
また、ボイド候補プロファイルの形状はボイド候補の形状を反映しているので、請求項2に記載した発明のように抽出したボイドの寸法を算出し、ボイドを定量化することができる。すなわち、ボイド候補プロファイルの幅や断面積からボイドの径や面積を定量化することができるし、面積の積分によって体積を定量化することができる。
【0014】
例えば、ボイドが球形であるとすれば、ボイド候補プロファイルの幅方向の長さの最大値がボイドの径に相当するし、2次元断面の最大値がボイドの中心を通る断面積に相当するし、面積の積分は球の体積に相当する。ボイドの寸法を定量化することができれば、本発明にかかる試料内ボイドを抽出するX線検査装置を利用する利用者がそのニーズに応じて対象試料内のボイドとして許容できる寸法のボイドを適宜決定し、許容範囲内であれば対象試料が良品であるとして対象試料の良否判定をすることも可能になる。
【0015】
形状特定パラメータとしてはボイド候補の形状を特定していればよく、種々の構成を採用可能である。例えば、請求項3に記載した発明のように、ボイド候補内で直交する2つの径を形状特定パラメータとすることが可能である。この場合、当該2つの径の差分が”0”あるいは当該2つの径の比が”1”であるときに基準ボイド形状での形状特定パラメータに合致しているとして上記所定の閾値による判別を行う。
【0016】
すなわち、ボイド候補内で直交する2つの径とはボイドが球形であるとしたときにこの球の中心を通り互いに直交する2つの半径あるいは直径である。ボイドが球形であれば両者の差異は”0”であるので、両者の差異が所定の閾値より”0”に近いか否かによってボイド候補が球形に近いか否かを判別することができる。また、ボイドが球形であれば両者の比は”1”になるので、両者の比が所定の閾値より”1”に近いか否かによってボイド候補が球形に近いか否かを判別することができる。従って、この判別により球形のボイドを抽出することが可能になる。径は直交していればよく、プロファイルの厚み方向に平行な径とこの径に直交する径でもよいし、プロファイルの厚み方向に直交する2つの径でもよい。
【0017】
形状特定パラメータとしてボイド候補の径およびボイド候補プロファイルの積分値に相当する体積を採用してもよい。この場合、ボイド候補の径から算出される球形の体積と上記積分値に相当する体積との差分が”0”であるときに基準ボイド形状での形状特定パラメータに合致しているとして上記所定の閾値による判別を行う。すなわち、ボイド候補プロファイルの積分を行えばこのプロファイルからボイド候補の体積を算出することができる。一方、基準ボイド形状を球形とすれば、ボイド候補の径からボイド候補の体積を求めることができる。両者の体積がほぼ一致すればこのボイド候補は球形であるとすることができる。
【0018】
形状特定パラメータとしてボイド候補の径およびボイド候補の周囲長を採用してもよい。この場合、ボイド候補の径から算出される球形の周囲長の円周長と上記ボイド候補の周囲長との差分が”0”であるときに基準ボイド形状での形状特定パラメータに合致しているとして上記所定の閾値による判別を行う。
【0019】
すなわち、2次元的に形成されたボイド候補プロファイルにおいてその外周の一番広い部分の周囲長を足し合わせるとボイド候補の周囲長を算出することができる。一方、基準ボイド形状を球形とすれば、ボイド候補の径からボイド候補の周囲長を算出することができる。両者の周囲長が一致すればこのボイド候補は球形であるとすることができる。
【0020】
尚、ボイド候補の径は、ボイドが球形であるとしたときにこの球の中心を通る半径あるいは直径である。また、本発明においてボイドを抽出する際には、上述の形状特定パラメータのいずれかを採用してもよいし、その総てを採用し、総てにおいて基準ボイド形状の形状特定パラメータに合致している場合にそのボイド候補をボイドとして抽出する構成を採用してもよい。
【0021】
形状特定パラメータとしてボイド候補プロファイルの傾斜の大きさとその方向とのいずれかまたは双方を示すプロファイル傾斜データを採用してもよい。この場合、球形ボイドでのプロファイル傾斜データを予め算出しておき、上記ボイド候補プロファイルから算出されたプロファイル傾斜データとの差異を所定の閾値により判別する。この閾値による判別でボイド候補を球形ボイドと見なすことができる程度に両者が類似していると判別されたときには、このボイド候補を球形ボイドと見なす。
【0022】
すなわち、ここでもボイド候補プロファイルの形状がボイド候補の形状を反映していることを利用しており、ボイド候補のプロファイルが球形ボイドのプロファイルと同等の傾斜の大きさおよび方向になっているか否かを判別する。ボイド候補が球形ボイドのプロファイルに合致するのであれば、このボイド候補も球形であると推定され、このボイド候補を球形ボイドと見なすことができる。
【0023】
プロファイル傾斜データとしてはプロファイルの傾斜の大きさと傾斜の方向とのいずれかまたは双方を示すことができればよく、プロファイルを所定の関数で表現したときの勾配(grad)ベクトルであってもよいし、傾斜の強さに対応する大きさを有するとともに斜面に直交するベクトルであってもよい。プロファイルを微小な平面で近似するとともに当該平面に対して並行あるいは直交するベクトルであって傾斜の大きさに対応する大きさのベクトルであってもよい。また、簡易的にスカラー量を利用してもよい。すなわち、2次元プロファイルにおける傾斜の大きさを示す値を当該プロファイルを投影した平面上の値として備えておけばこの値もプロファイル傾斜データとなる。
【0024】
さらに、球形ボイドが球形であることに鑑み、ボイドの中心から等距離にある点での傾斜の大きさや方向を示す共通の値を球形ボイドのプロファイル傾斜データとしておいてもよい。ボイド候補プロファイルについてのプロファイル傾斜データはボイド候補プロファイルから算出すればよいし、球形ボイドのプロファイル傾斜データは球形ボイドである場合に得られるプロファイルを想定し、当該想定されるプロファイルからプロファイル傾斜データを算出すればよい。
【0025】
双方のプロファイル傾斜データを比較するための構成としては種々の構成が採用可能である。例えば、プロファイル傾斜データを2次元平面に投影するとともに両者の畳み込み積分を行って、得られる値が所定の閾値を超えるときに両者が合致しているとする構成を採用可能である。また、2次元平面に投影したプロファイル傾斜データについて、両者の大きさの差分を加え合わせたり両者の差分ベクトルの絶対値を加え合わせたりして得られた値が所定の閾値以下であるときに両者が合致していると判別してもよい。むろん、プロファイル傾斜データを3次元空間内で定義し、この3次元空間内で畳み込み積分を行ってもよいし、3次元空間内でプロファイル傾斜データの差分を加え合わせてもよい。
【0026】
以上は、本発明が装置として実現される場合について説明したが、かかる装置を実現する方法においても本発明を適用可能であることはいうまでもない。その一例として、請求項7にかかる発明は、請求項1に対応した方法を実現する構成としてある。むろん、その実質的な動作については上述した装置の場合と同様である。また、請求項2〜請求項6に対応した方法も構成可能である。このような試料内ボイドを抽出するX線検査装置は単独で実現される場合もあるし、ある方法に適用され、あるいは同方法が他の機器に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものである。従って、ソフトウェアであったりハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。
【0027】
発明の思想の具現化例として上記方法を制御するためのソフトウェアとなる場合には、かかるソフトウェアあるいはソフトウェアを記録した記録媒体上においても当然に存在し、利用される。その一例として、請求項8にかかる発明は、請求項1に対応した機能をソフトウェアで実現する構成としてある。むろん、請求項2〜請求項6に対応したソフトウェアも構成可能である。
【0028】
また、ソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。一次複製品、二次複製品などの複製段階については全く問う余地無く同等である。その他、供給装置として通信回線を利用して行う場合でも本発明が利用されていることにはかわりない。さらに、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現されている場合においても発明の思想において全く異なるものではなく、一部を記録媒体上に記憶しておいて必要に応じて適宜読み込まれるような形態のものとしてあってもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)本発明の構成:
(2)厚みプロファイル算出処理:
(3)はんだの検査処理:
(3−1)ボイドの抽出処理:
(4)他の実施形態:
【0030】
(1)本発明の構成:
図1は本発明にかかる試料内ボイドを抽出するX線検査装置の概略ブロック図である。同図において、この試料内ボイドを抽出するX線検査装置は、X線撮像機構部10とX線撮像制御部20とから構成されている。X線撮像機構部10は、X線発生器11とX線検出器13とX−Yステージ15とを備えている。X線撮像制御部20は、X線制御部21とメモリ22とステージ制御部23と検出信号処理部24とCPU25と出力部26aと入力部26bとを備えている。
【0031】
メモリ22はデータを蓄積可能な記憶媒体であり、予め撮像条件データ22a,厚み算出テーブルデータ22b,閾値データ22gが記憶され、試料内ボイドの検査の実施に際して生成される厚みプロファイル22c,外形プロファイル22d,ボイド候補プロファイル22e,形状特定パラメータ22f,ボイドデータ22hが記録される。メモリ22はデータを蓄積可能であればよく、RAMやEEPROM,HDD等種々の記憶媒体を採用可能である。X線制御部21は、X線発生器11を制御して所定のX線を発生させることができ、上記撮像条件データ22aを参照してX線管に対する印加電圧,撮像時間等を取得することにより、予め決められた撮像条件で駆動するようにX線発生器11を制御する。
【0032】
ステージ制御部23はX−Yステージ15と接続されており、同X−Yステージ15を移動させる。ステージ制御部23は後述するように標準試料の測定,対象試料の測定,無試料での測定を実現するためにX−Yステージ15を移動させることができ、撮像条件データ22aに記述されたそれぞれの座標データをメモリ22から取得して、データで示される座標にX−Yステージ15を移動させる。検出信号処理部24はX線検出器13と接続されており、X線検出器13が出力する検出値によって、標準試料を透過したX線,対象試料を透過したX線,試料を透過していないX線(無試料時のX線)のいずれかの強度を検出する。これらの検出値から上記厚みプロファイル22cが取得される。
【0033】
出力部26aはCPU25での処理結果等を表示するディスプレイであり、入力部26bは利用者の入力を受け付ける操作入力機器であり、利用者は入力部26bを介して種々の入力を実行可能であるし、CPU25の処理によって得られる種々の演算結果やプロファイル、はんだバンプ内のボイド寸法、はんだバンプの良否判定結果等を出力部26aに表示することができる。CPU25は、メモリ22に蓄積された各種制御プログラムに従って所定の演算処理を実行可能であり、利用者が入力部26b等によって検査指示等を行うことによって各種制御プログラムを実行し、はんだバンプ内のボイド寸法測定等を行う。
【0034】
X線発生器11は、上記X線制御部21の制御に従ってX線管に対する印加電圧を制御し、また、指示された時間X線を照射する。図2にはX線管11aの概略構成を示している。同図に示すようにX線管11aは開放管と呼ばれるタイプのX線管であり、アノード11bとカソード11cと電子レンズ11dとターゲット11eと絞り11fを備えている。X線管11aに対する印加電圧によってカソード11cから飛び出した電子はアノード11b方向に進行し、コイルからなる電子レンズ11dおよび絞り11fによって絞られてターゲット11eの微小位置に衝突する。
【0035】
ターゲット11eに電子が衝突すると当該ターゲット11e内の電子が励起され、励起された電子が低準位の軌道に遷移する際のエネルギーがX線として放射される。本実施形態におけるX線管11aは上述のように開放管であり、このタイプのX線管では図2に示すようにターゲット11eと試料との距離が非常に小さい状態で試料に対してX線を照射することができる。これに対して密閉管と呼ばれるタイプのX線管ではX線の照射方向にシャッターが備えられており、開放管と比較してターゲットと試料との距離が大きくなる。
【0036】
ターゲットの距離からX線検出器までの距離を一定とした場合、ターゲットと試料との距離が近いほど倍率が大きくなって大きなX線像を得ることができる。すなわち、より高分解能のX線撮像画像を得ることができる。従って、本発明のように微小ボイドを抽出するためには、より高分解能である開放管を利用するのが好ましい。むろん、本発明は基準ボイド形状の形状特定パラメータに合致しているか否かによってボイドを抽出するものであり、この技術的思想を密閉管に対して適用することも可能である。
【0037】
本実施形態において、X線の照射方向にはX線検出器13とX−Yステージ15とが配設されている。X−Yステージ15は、検査対象試料となるはんだバンプを備えるチップを実装した基板31を載置可能であり、基板31を載置した状態でX線の照射方向と略垂直方向にステージを移動させる。このとき、上記ステージ制御部23が指示する任意の座標値によって正確に位置を制御しつつステージを移動させることができる。
【0038】
また、X−Yステージ15には、上述の標準試料も載置可能であり、また、X線の照射範囲を基板31の載置範囲外にすることもできる。従って、X−Yステージ15によるステージの移動によって、X線の照射範囲内に対象試料あるいは標準試料を配設可能であるし、X線が試料に照射されない状態にすることもできる。尚、図1では基板31上にサブストレート32が備えられ、サブストレート32の上面にBGAを形成する複数のはんだバンプ30が備えられている様子を模式的に示している。
【0039】
X線検出器13は、入射X線の強度に相当する検出信号を出力するイメージインテンシファイアである。具体的には、X線検出器13の下部にシンチレータが備えられており、入射X線は同シンチレータにて可視光に変換される。シンチレータの上方には平面状に並べられた複数のCCDが備えられており、上記可視光が各CCDに到達すると各CCDにて同可視光の強度に応じた電圧が検出される。図2の上部左にはCCD上のある直線上で検出されるX線の強度をはんだバンプ30の一つについて拡大して示している。この検出電圧が上記検出信号処理部24に入力されることにより、はんだバンプ30の検出強度が得られ、CPU25はこの検出強度から厚み相当値を算出して厚みプロファイル22cとする。
【0040】
(2)厚みプロファイル算出処理:
以下、厚みプロファイル22cを算出する様子を詳細に説明する。一般に、物質を透過したX線の強度は以下の式(1)にて表現することができる。
【数1】
Figure 0004408645
ここで、IはX線検出器13によって検出されるX線の強度であり、I0はX線が試料を透過しない場合にX線検出器13によって検出されるX線の強度であり、μは対象試料におけるX線吸収係数,tは対象試料の厚みである。また、expの指数部分に相当する値は厚み相当値である。
【0041】
式(1)について自然対数をとると、以下の式(2)になる。
【数2】
Figure 0004408645
同式(2)の左辺は対象試料の厚みに比例してその大きさが変化するので、対象試料の厚み相当値である。この厚み相当値は上記CCDの画素毎に取得することができ、上記CCDの各画素は平面上に配設されているので、この厚み相当値はCCDの各位置毎に取得される。従って、2次元平面内の各位置に対応した厚み相当値を取得することとなり、この2次元平面の位置を(x,y)座標で特定することによって2次元のプロファイルを取得することができる。
【0042】
尚、本実施形態においては、はんだバンプ30内のボイド寸法を定量化することを一つの目的としているため、標準試料を測定することによって厚み相当値を実際の厚みに変換し、このデータを厚みプロファイル22cとしている。この変換は上記厚み算出テーブルデータ22bを参照することによって行われており、厚み算出テーブルデータ22bを本実施形態でのボイド検査前に予め作成しておく。図3は当該厚み算出テーブルを作成する際の処理を示すフローチャートであり、図4はX−Yステージ15上に載置された標準試料40をステージ側面から眺めた状態を示す図である。
【0043】
標準試料40は矩形板状のはんだが積層されることによって形成されており、各層の厚みは予め正確に測定してある。この標準試料40としては、本発明にて検査対象となるはんだと同成分のものが好ましいが、厳密に同成分であることが必須になるわけではない。標準試料40におけるある厚み相当値での実際の厚みを把握するため、無試料において一連の撮像処理を行っており、ステップS100ではCPU25がまずメモリ22に記録された無試料測定位置の座標データを取得し、ステージ制御部23に受け渡す。ステージ制御部23はこの無試料測定位置座標データに従ってX−Yステージ15を移動させ、X線発生器11とX線検出器13との間に試料が配設されていない状態とする。
【0044】
ステップS105ではCPU25がメモリ22に記録された撮像条件データ22aを取得し、X線制御部21に受け渡す。X線制御部21はこの撮像条件データ22aに従ってX線発生器11での条件設定を行い、X線を照射させる。ステップS105の設定によって照射されたX線は試料を透過せずにX線検出器13に到達する。ステップS110ではCPU25が検出信号処理部24を制御してX線検出器13の検出値を取得する(無試料画像の撮像)。
【0045】
標準試料40はX−Yステージ15の所定位置に載置されており、ステップS115ではCPU25がまずメモリ22に記録された標準試料測定位置の座標データを取得し、ステージ制御部23に受け渡す。ステージ制御部23はこの標準試料測定位置座標データに従ってX−Yステージ15を移動させ、X線発生器11とX線検出器13との間に標準試料40を配設させる。
【0046】
ステップS120ではCPU25がメモリ22に記録された撮像条件データ22aを取得し、X線制御部21に受け渡す。X線制御部21はこの撮像条件データ22aに従ってX線発生器11での条件設定を行い、X線を照射させる。ステップS120の設定によって照射されたX線は標準試料40を透過してX線検出器13に到達する。ステップS125ではCPU25が検出信号処理部24を制御してX線検出器13の検出値を取得する(標準画像の撮像)。標準試料40は一定の面積を有しているが、X線検出器13では所定の面積内に到達する透過X線を検出可能であり、当該標準試料40を透過したX線を一度に検出することができる。すなわち、標準試料40にて異なる厚みの部位を一度に撮像することができる。
【0047】
無試料画像におけるX線の検出値は上記式(2)のI0に相当し、標準画像におけるX線の検出値は上記式(2)のIに相当する。そこで、ステップS130ではこれらの検出値を上記式(2)に代入することにより標準試料40での厚み相当値を算出する。上述のように標準試料40では予め厚みが正確に測定されており、ステップS130にて算出した厚み相当値が標準試料40のいずれの位置の値に相当するのかは標準試料測定位置座標データから明らかである。従って、当該算出された厚み相当値での実際の厚みを把握することができる。ステップS135では、この厚み相当値と標準試料40における実際の厚みを対応づけたテーブルデータを生成し、上記RAM22に対して厚み算出テーブルデータ22bとして保存する。
【0048】
この厚み算出テーブルデータ22bがあれば、この標準試料40の撮像時と同じ条件で対象試料を撮像することによってその厚み相当値から実際の厚みを取得することができ、上記厚みプロファイル22cを取得することができる。尚、本実施形態では、定量化のために厚み相当値を実際の厚みに変換して厚み算出テーブルデータ22bとしているが、定量化をせず、ボイド候補が基準ボイド形状に合致しているか否かを判別するのであれば、厚み相当値を厚みプロファイル22cとしてもよい。
【0049】
(3)はんだの検査処理:
本実施形態においては、以上の処理により予め厚み算出テーブルデータ22bを作成した上で、図5,図6に示すフローに従ってはんだの検査処理、すなわちはんだバンプ30内のボイドの抽出および定量化を行う。ボイドが定量化されれば、そのボイドの径等によってはんだバンプ30が良品であるか不良品であるかを判定することができる。
【0050】
はんだの検査処理においてははんだバンプ30を対象試料としており、このはんだバンプ30のX線撮像画像および無試料時のX線撮像画像によって厚み相当値を取得し、厚み算出テーブルデータ22bによって実際の厚みを算出する。すなわち、ステップS200ではCPU25がまずメモリ22に記録された無試料測定位置の座標データを取得し、ステージ制御部23はこの座標データに基づいてX−Yステージ15を移動させ、X線発生器11とX線検出器13との間に試料が配設されていない状態とする。
【0051】
ステップS205ではCPU25がメモリ22に記録された撮像条件データ22aを取得してX線制御部21に受け渡し、X線発生器11での条件設定を行うとともにX線を照射させる。ステップS210では無試料画像の撮像、すなわち無試料のX線検出器13の検出値を取得する。続いてステップS215ではCPU25がメモリ22に記録された対象試料測定位置の座標データを取得し、ステージ制御部23に受け渡す。ステージ制御部23はこの対象試料測定位置座標データに従ってX−Yステージ15を移動させ、X線発生器11とX線検出器13との間に対象試料を配設させる。
【0052】
ステップS220では撮像条件データ22aに基づいてX線発生器11での条件設定を行い、ステップS225ではこの設定条件での照射X線にて対象試料画像を撮像する。すなわち、CPU25が検出信号処理部24を制御してX線検出器13の検出値を取得する。ステップS210で得られた無試料画像でのX線の検出値は上記式(2)のI0に相当し、ステップS220で得られた対象試料画像でのX線の検出値は上記式(2)のIに相当する。
【0053】
ステップS230では、これらを上記式(2)に代入して厚み相当値を算出し、厚み算出テーブルデータ22bを参照して厚みを算出する。こうして得られた厚みは上記座標(x,y)に対する厚みであり、2次元平面における厚みプロファイル22cに相当する。この厚みプロファイル22cは上記メモリ22に記憶される。尚、厚み算出テーブルデータ22bは、標準試料40における複数の厚みについて厚み相当値を特定しているに過ぎないが、各厚み相当値の間の値については補間演算によって算出することができる。従って、厚み算出テーブルデータ22bから任意の厚み相当値における実際の厚みを算出することができる。
【0054】
また、本実施形態においてははんだバンプの検査処理において無試料画像を撮像しており、X線管11aの経時変化等に鑑みれば検査処理毎にこの無試料画像を撮像するのが好ましいが、むろん、上記図3のステップS110にて撮像した画像データを流用してもよい。また、ステップS205,S220では同一の撮像条件を設定しているので、無試料画像を撮像した後に続けて対象試料画像を撮像する場合には新たに撮像条件を設定し直すことが必須ではない。
【0055】
図7はプロファイルの概略を説明する説明図である。同図では座標(x,y)によって2次元平面の位置が特定され、各座標にてプロファイルの値が特定されるプロファイルについて、2次元平面中のある直線上でのプロファイルの値を示している。同図最上段は厚みプロファイル22cにおいて一つのはんだバンプ30を例として抜き出して示す図である。上記はんだバンプ30は略半球形であり、この半球形の形状を反映して図に示す直線上のプロファイルは略半円形になっている。
【0056】
但し、厚みプロファイル22cではX線のノイズやはんだバンプ30内のボイド、はんだバンプ30の表面形状など種々の原因によって半球の外形が滑らかにはならない。はんだバンプ30内にボイドが存在した場合、このボイドにおいてはX線吸収係数をほぼ”0”と見なすことができるので、上記式(2)において厚み相当値を増大させないように寄与する。従って、ボイドが存在する場合、図7の最上段にvと示すように厚みプロファイル22cに凹みが生ずる。
【0057】
ボイドが微小な場合にはこの凹みvとX線のノイズによる影響およびはんだバンプ30の表面形状とを区別することが難しい。そこで、本発明では厚みプロファイル22cの凹みがボイドによるものであるか否かを判別するアルゴリズムを採用している。このために、まず、厚みプロファイル22cからはんだバンプ30がノイズ等の影響を受けなかった場合の外形を示す外形プロファイルを作成する。本実施形態ではこのためにステップS235で厚みプロファイル22cに対して膨張/収縮処理を施し、得られた結果をステップS240で外形プロファイル22dとしてメモリ22に記録する。
【0058】
図7においては、その最上段に示す厚みプロファイル22cから生成した外形プロファイルの例を図7の上から2段目に示している。このように、外形プロファイル22dは厚みプロファイル22cからノイズ成分を除去したようなプロファイルであり、ほぼはんだバンプ30の外形に相当する。また、外形プロファイル22dは、はんだバンプ30の外形に相当していればよく、厚みプロファイル22cに対してローパスフィルタを適用するなど種々の構成によって生成することができる。
【0059】
ステップS245では、外形プロファイル22dと厚みプロファイル22cとの差分を取得する。すなわち、双方とも座標(x,y)に対するプロファイルであるため、同じ座標において外形プロファイル22dのプロファイル値から厚みプロファイル22cのプロファイル値を減じる。この処理により、はんだバンプ30の下端から上端までの距離が外形より薄い部位を抽出することができる。
【0060】
但し、図7の下から2段目に示すようにこの差分においては厚みプロファイル22cにおけるノイズ等の影響を受けてボイド以外に起因したピークも存在する。尚、この差分を示すグラフにおいては上記厚みプロファイル22cと外形プロファイル22dとを示すグラフより縦軸のスケールが細かくなっている。本実施形態では、ステップS250においてこの差分値と所定の閾値とを比較し、ボイドが球形であるとして球形の形状特定パラメータに合致するピークをボイドとして抽出する。この抽出は後に詳述する。抽出されたボイドを示すデータはボイドデータ22hとしてメモリ22に記録される。ボイドが抽出されると、抽出されたボイドについて定量化することができ、ステップS255にて上記出力部26aにおいてボイドの寸法を表示する。
【0061】
(3−1)ボイドの抽出処理:
以下、図6〜図8に従ってボイドの抽出処理を詳述する。図6は上記ステップS250のボイド抽出処理を示すフローチャートであり、ステップS300では上記ステップS245で取得した差分に対して閾値を適用し、ボイド候補プロファイルを取得する。すなわち、上記差分のプロファイルはボイドに起因するピークとノイズ等に起因するピークとを含んでいるが、図7の下から2段目に示すようにまず閾値によって微小なピークを除去する。このプロファイルのデータはボイド候補プロファイル22eとしてメモリ22に記録される。
【0062】
上記閾値は上記閾値データ22gとしてメモリ22に対して予め記録されており、本実施形態にかかるX線検査装置を利用する利用者毎に適宜所望の値を選択可能である。すなわち、利用者毎に抽出したいボイドの径が異なっていることが想定され、差分値は後述するようにボイドの直径に相当するので、閾値を大きくするとボイド候補とされるボイドの径も大きくなる。そこで、抽出するボイド径の1/2以上の直径に相当するものを候補として抽出するなど、種々の構成を採用可能である。
【0063】
図7の最下段は、以上のようにして抽出したボイド候補プロファイル22eの例を示している。ステップS305以降では、このボイド候補プロファイル22eに存在する各プロファイルを一つずつ選択し、各プロファイルが球形ボイドでの形状特定パラメータに合致するか否かを判定する。図8は本実施形態における形状特定パラメータを説明する説明図である。上段は球形ボイドを示しており、下段は当該ボイドによる2次元平面に対するプロファイルPの形状の一例を示している。
【0064】
このプロファイルPの値はボイド内でのX線の透過距離に相当するので、当該プロファイルPの形状はボイドの形状を反映しているはずである。すなわち、ボイドの形状が図8の上段に示すように球形である場合、例えば図における原点x=y=0ではX線の透過距離は球形の直径に相当するので、当該原点におけるプロファイルPの値は球形の直径に等しくなるはずである。このように、ある座標でのプロファイルPの値は図8に示す球形内で軸zに平行な直線であってこの座標を通る直線を考えたとき、この直線と球の外周とで形成する2つの交点を結ぶ距離と等しくなる。
【0065】
従って、プロファイルPの形状から各種の寸法を取得したとき、この寸法が球形ボイドでのプロファイルPの寸法に合致しているか否かを判別することによってプロファイルPが球形ボイドに起因するか否かを判別することができる。具体的には、2次元平面上での最下位置に形成されるプロファイルPの外周Sは球形ボイドでの周囲長S0に合致するはずである。当該外周Sをx方向,y方向で切断したときの径は球形ボイドの直径に合致し、プロファイルPの原点での高さは球形ボイドでの直径に合致するはずである。
【0066】
すなわち、プロファイルPの原点での高さの1/2(R2)と外周Sをx方向で切断したときの径の1/2(R3)と外周Sをy方向で切断したときの径の1/2(R1)とは球形ボイドの半径R0に合致するはずである。さらに、プロファイルPの値を2次元平面に対して積分した値、すなわちプロファイルPの体積Vは球形ボイドの体積V0に合致するはずである。
【0067】
そこで、まずステップS305では上記ボイド候補プロファイル内に存在する複数の独立したプロファイルから一つ選択して判定対象とする。ステップS310では判定対象のボイド候補プロファイルについて2次元平面上の直交する径を抽出し、半径R1,R3および半径R2を取得する。これら取得した半径R1,半径R2,R3は形状特定パラメータ22fとしてメモリ22に記録される。
【0068】
尚、ボイド候補プロファイルは上述のように座標(x,y)に対して与えられているが、本実施形態において座標のピッチは上記X線検出器13におけるCCDの各画素に対応している。従って、CCDにおける各画素のピッチによりボイド候補プロファイルにおける座標の単位変化に対する実際の距離を算出することができ、実際の長さの次元で容易に上記半径R1,R3を取得することができる。また、ボイド候補プロファイルの値は上記厚み算出テーブルデータ22bによって実際の厚みにされているので、半径R2そのものが実際の長さの次元である。
【0069】
ステップS320では、プロファイルP内の体積Vを取得する。すなわち、プロファイルPを縦軸方向に対して単位距離毎に切断し、切断面の面積を加え合わせることによって体積Vを算出する。ステップS325では、プロファイルPの外周Sの長さを取得する。すなわち、上記CCDの画素ピッチを考慮しつつプロファイルPが2次元平面上に形成する外周Sの長さを算出する。
【0070】
ステップS330では、R1/R3が所定の閾値T1より小さいか否かを判別することによって、半径R1,R3が球形ボイドを想定した場合の縦横比に合致しているか否かを判別する。ここで、閾値T1は”1”以上であるが”1”に近い数値である。すなわち、R1/R3は外周Sにおける縦横比でありプロファイルPが球形ボイドに起因するプロファイルであれば径の比が”1”になるはずである。
【0071】
そこで、ボイド候補プロファイルにおける縦横比R1/R3が”1”に近いか否かを判別することにより判定対象のボイド候補が球形に近いか否かを判別することができる。尚、閾値T1の値はどの程度まで球形からのずれを許容するのかを利用者が予め決定し、閾値データ22gとしてメモリ22に記録しておく。むろん、上記縦横比は半径の比ではなく直径の比であってもよい。
【0072】
ステップS330にてR1/R3が所定の閾値T1より小さいと判別されないときには、判定対象のボイド候補が球形ではないとしてステップS365にジャンプする。ステップS330にてR1/R3が所定の閾値T1より小さいと判別されたときには、ステップS335以降の処理を実施する。ステップS335では、|R1−R2|が所定の閾値T2より小さいか否かを判別することによって、球形ボイドを想定した場合にプロファイルPの高さ方向の半径と2次元平面に平行な方向の半径とが等しいか否かを判別する。ここで、閾値T2は”0”以上であるが”0”に近い数値である。
【0073】
すなわち、R1は2次元平面に平行な方向の半径、R2はプロファイルPの高さ方向の半径であり、プロファイルPが球形ボイドに起因するプロファイルであれば両者が等しくなるはずである。そこで、|R1−R2|が所定の閾値T2より小さいか否かを判別することにより判定対象のボイド候補が球形に近いか否かを判別することができる。尚、閾値T2の値はどの程度まで球形からのずれを許容するのかを利用者が予め決定し、閾値データ22gとしてメモリ22に記録しておく。むろん、ここでは|R3−R2|と閾値T2を比較してもよいし、上記R1/R2が”1”に近いか否かを判別してもよい。逆に、ステップにて|R1−R3|が”0”に近いか否かを判別してもよい。
【0074】
ステップS335にて|R1−R2|が所定の閾値T2より小さいと判別されないときには、判定対象のボイド候補が球形ではないとしてステップS365にジャンプする。ステップS335にて|R1−R2|が所定の閾値T2より小さいと判別されたときには、ステップS340にてプロファイルPの形状から得られた半径を利用し、ボイド候補が球形であると想定した場合の体積V1,V2を算出する。
【0075】
すなわち、球の体積は半径をrとして(4πr3)/3であるので、半径rに対して上記R1を代入してV1とし、半径rに対して上記R2を代入してV2とする。そして、ステップS345では、|V−V1|および|V−V2|が所定の閾値T3より小さいか否かを判別することによって、球形ボイドを想定した場合にプロファイルPの半径から算出される体積とプロファイルPの体積とが等しいか否かを判別する。ここで、閾値T3は”0”以上であるが”0”に近い数値である。
【0076】
すなわち、プロファイルPが球形ボイドに起因するプロファイルであれば半径から算出した体積V1,V2とプロファイルPから算出した体積Vとが等しくなるはずである。そこで、|V−V1|および|V−V2|が所定の閾値T3より小さいか否かを判別することにより判定対象のボイド候補が球形に近いか否かを判別することができる。尚、閾値T3の値はどの程度まで球形からのずれを許容するのかを利用者が予め決定し、閾値データ22gとしてメモリ22に記録しておく。むろん、ここではV1,V2のいずれかと体積Vを比較してもよいし、半径R3から算出した体積と体積Vとを比較してもよい。
【0077】
ステップS345にて|V−V1|および|V−V2|が所定の閾値T3より小さいと判別されないときには、判定対象のボイド候補が球形ではないとしてステップS365にジャンプする。ステップS335にて|V−V1|および|V−V2|が所定の閾値T3より小さいと判別されたときには、ステップS350にてプロファイルPの形状から得られた半径を利用し、ボイド候補が球形であると想定した場合の外周S1を算出する。
【0078】
すなわち、本実施形態における球の外周Sは球の中心を通る断面に形成される円の外周であるので、半径をrとして2πrで計算可能であり、半径rに対して上記R1を代入してS1とする。そして、ステップS355では、|S−S1|が所定の閾値T4より小さいか否かを判別することによって、球形ボイドを想定した場合にプロファイルPの半径から算出される外周とプロファイルPから直接的に得られる外周とが等しいか否かを判別する。ここで、閾値T4は”0”以上であるが”0”に近い数値である。
【0079】
すなわち、プロファイルPが球形ボイドに起因するプロファイルであれば半径から算出した外周S1とプロファイルPから算出した外周Sとが等しくなるはずである。そこで、|S−S1|が所定の閾値T4より小さいか否かを判別することにより判定対象のボイド候補が球形に近いか否かを判別することができる。尚、閾値T4の値はどの程度まで球形からのずれを許容するのかを利用者が予め決定し、閾値データ22gとしてメモリ22に記録しておく。むろん、半径R2,R3から算出した外周と外周Sとを比較してもよい。
【0080】
ステップS355にて|S−S1|が所定の閾値T4より小さいと判別されないときには、判定対象のボイド候補が球形ではないとしてステップS365にジャンプする。ステップS355にて|S−S1|が所定の閾値T4より小さいと判別されたときには、判定対象のボイド候補が球形ボイドであるとする。すなわち、ステップS360にて判定対象のボイド候補を示すデータをボイドデータ22hとしてメモリ22に記録する。ボイドデータ22hではボイド候補を特定することができればよく、ボイド候補プロファイルの中心座標等種々のデータを採用可能である。
【0081】
ステップS365においては、以上の一連の処理を上記ボイド候補プロファイル内の総てのプロファイルに対して適用したか否かを判別し、同ステップS365にて総てのプロファイルに対して適用したと判別されるまで上記ステップS305以降の処理を繰り返す。従って、以上の処理によってボイド候補プロファイルの中から上記形状特定パラメータが球形ボイドの形状特定パラメータに合致しているものを抽出することができる。
【0082】
はんだバンプ30内に形成されるボイドはその形状が微小であればほぼ球形であると推定される。一方、ノイズ等がランダムあるいは何らかの傾向を持って発生したとしても、そのプロファイルが球形ボイドの形状特定パラメータに合致することはまれである。特に2次元平面に対するプロファイルが球形ボイドの形状特定パラメータに合致することは非常にまれである。従って、本実施形態のように球形ボイドによって形成される形状のボイド候補プロファイルをボイド候補として抽出することにより、ボイド候補プロファイルからボイドに起因するプロファイルを確実に抽出することができる。尚、以上の処理の後には上記図5のステップS255にてボイドの定量化/表示を行うが、上記ステップS310〜S325にて取得した半径等を上記出力部26aにて表示させればよい。
【0083】
(4)他の実施形態:
本発明においては、ボイド候補プロファイルから算出される形状特定パラメータが基準ボイド形状の形状特定パラメータに合致するか否かを判別してボイドを抽出することができればよく、上記第1実施形態のような構成が必須となるわけではない。例えば、上記実施形態ではボイド候補が球形ボイドに起因したプロファイル形状になっているか否かを判別するために、縦横比と半径と体積と外周との総てを利用していたが、試料内ボイドを抽出するX線検査装置において要求される精度や処理速度等に応じて縦横比と半径と体積と外周とのいずれかを適宜選択可能であるし、これらを適宜組み合わせて球形ボイドの形状と合致しているか否かを判別する構成にしてもよい。
【0084】
むろん、縦横比と半径と体積と外周以外の形状特定パラメータを採用することも可能である。例えば、図8に示すように外周S内の面積Aは球形ボイド内でその中心点を通る円を形成したときの面積A0に合致するはずである。そこで、プロファイルPの外周S内の面積Aを取得し、半径R1〜R3から算出される面積とプロファイルから直接的に取得した面積Aとの差分が”0”に近いか否かを判別してもよい。
【0085】
また、上記形状特定パラメータは基準ボイド形状の半径など寸法に基づく幾何学的形状を特定するパラメータであったが、形状特定パラメータにおいてはボイド候補の形状を特定することができればよく、他にも種々の構成を採用可能である。例えば、ボイド候補の形状が異なればプロファイルの傾斜やその方向が異なるのでプロファイルの傾斜やその方向を示すプロファイル傾斜データを利用して判定を行ってもよい。この場合も装置構成としては上記第1実施形態と同様の構成を採用可能である。
【0086】
図9は球形ボイドを基準ボイド形状とした場合のプロファイル傾斜データを作成する例を説明する説明図である。同図下部においては球形ボイドが座標(x,y)によって特定される2次元平面上に形成するプロファイルを上から見た状態を示しており、同図上部においてはx軸方向でプロファイルを切断し、縦軸tを厚みとした状態を示している。
【0087】
同図に示すように、球形ボイドによって形成されるプロファイルは縦軸t方向に最大値を有する釣鐘状になる。この釣鐘形状は原点x=y=0に対して点対称である。従って、図9の上部に示すプロファイルを縦軸tを中心として回転させることによって同図下部に示すプロファイルを形成することができる。本実施形態においてプロファイル傾斜データは、釣鐘形状のプロファイルの斜面に対して直角かつ傾斜の勾配の大きさに等しいベクトルから形成される。
【0088】
すなわち、プロファイルの外形は斜面の勾配の大きさと方向によって特定することができ、上述のベクトルによれば当該斜面の勾配の大きさと方向を特定することができるので、このベクトルは形状特定パラメータとなる。本実施形態では、このベクトルを図9に示すようにベクトルK(x,y)としてxとyの2次元関数としている。プロファイルの値は原点から放射状に単調減少となるため、2次元平面上の位置(x,y)がその位置の直上に存在するプロファイルの斜面を特定することとすれば、ベクトルK(x,y)によってプロファイルの斜面上の点およびその傾斜の大きさと方向を一義的に特定することができる。
【0089】
また、球形ボイドのプロファイルは原点を中心に点対称であるため、xが正の数でありyが”0”となる点についてベクトルK(x,y)を特定すれば、後はそのベクトルを原点に対して回転することによって総てのベクトルK(x,y)を決定することができる。図9の下部にはこの様子を示している。すなわち、図9の下部に示すように、プロファイルが原点対称であることからプロファイル上に形成される等高線は原点を中心とした円となり、この円上のベクトルK(x,y)は総て大きさが等しいとともにこの円に対して垂直方向に配向している。
【0090】
ベクトルK(x,y)を作成したら、このベクトルを示すプロファイル傾斜データを上記メモリ22に対して形状特定パラメータとして記録しておく。むろん、ベクトルK(x,y)の作成手法としては他にも種々の方法を採用可能である。例えば、プロファイルを関数で表現し、関数のgradを計算するなどして算出することができる。むろん、ベクトルの方向は斜面に垂直ではなく斜面の接線方向かつ最大傾斜方向に配向していてもよい。
【0091】
本実施形態において、検査処理は上記図5に示すフローと同様であるが、ステップS250に示すフローを図10に示すように変更する。図10においてステップS400,S405は上記図6に示すステップS300,S305と同様である。すなわち、閾値によってボイド候補プロファイルを生成し、そのうちの一つを判定対象のボイド候補とする。
【0092】
ステップS410〜S430では、上記ベクトルK(x,y)と比較可能なベクトルをボイド候補のプロファイルから作成する。このためにまずステップS410では判定対象のボイド候補プロファイルについて図11に示すようにプロファイルの頂点が原点を通る縦軸に相当するように2次元平面を考え、計算対象の座標(x,y)を決定する。
【0093】
ステップS415では、図11に示すx,y,tの3次元空間で座標(x,y,t)の周りから3点抽出し、当該3点を含む微小平面pを決定する。すなわち、3点を利用すればこの微小平面pを示す関数を表現できる。また微小平面であるため、この平面に垂直かつ上記座標(x,y,t)を通るベクトルが座標(x,y,t)を始点とするベクトルであると見なすことができる。また、この微小平面pは図11が示すプロファイルの表面に相当するので、微小平面pに垂直なベクトルの大きさを微小平面pの勾配の大きさとしてベクトルGとすれば、このプロファイルが球形ボイドに起因している場合、ベクトルGとベクトルKとがほぼ一致するはずである。
【0094】
そこで、ステップS420においては上記微小平面pを示す関数から当該微小平面pに垂直であって座標(x,y,t)を通り、かつ微小平面pの勾配の大きさを有するベクトルを決定し、ステップS425ではこのベクトルの厚みt依存性を無視してベクトルG(x,y)とする。ステップS430では、ボイド候補プロファイルが存在する総ての座標(x,y)についてベクトルG(x,y)を決定したか否かを判別し、同ステップS430にて全座標についてベクトルG(x,y)の決定が終了したと判別されるまでステップS410を繰り返す。
【0095】
ステップS435では、上記メモリ22に対して予め保存してあるプロファイル傾斜データを参照し、ベクトルK(x,y)を示すデータを取得し、ステップS440では上記ベクトルK(x,y)とベクトルG(x,y)の値域を合致させるように規格化する。すなわち、ベクトルK(x,y)はある大きさの球形ボイドを想定して作成したプロファイル傾斜データであるので、任意の大きさのボイド候補プロファイルとは大きさが異なることが多い。また、ベクトルK(x,y)を作成したときに参照した球形ボイドのプロファイルは原点を中心に対称であることから、x,yをともに定数倍すると、元のプロファイルの定数倍のプロファイルにおけるプロファイル傾斜データとなる。そこで、両ベクトルの値域を一致させるため、ベクトルK(x,y)の各座標値を定数倍して規格化を行う。
【0096】
そして、ステップS445においてはベクトルK(x,y)とベクトルG(x,y)とにおいて座標x,yの値域内での畳み込み積分を実施する。畳み込み積分においては同じ座標でのベクトルが一致していれば積分値を大きくし、一致していなければ抑制されるので、両ベクトルが一致しているほど積分値が大きくなる。そこで、ステップS450では積分値が所定の閾値T5より大きいか否かを判別し、同ステップS450で積分値が所定の閾値T5より大きいと判別されたときには、ステップS455で判定対象のボイド候補をボイドとして抽出する。尚、閾値T5の値はどの程度まで球形からのずれを許容するのかを利用者が予め決定し、閾値データ22gとしてメモリ22に記録しておく。
【0097】
ステップS450で積分値が所定の閾値T5より大きいと判別されないときには、ステップS455をスキップする。そして、ステップS460にて以上の一連の処理を上記ボイド候補プロファイル内の総てのプロファイルに対して適用したか否かを判別し、同ステップS460にて総てのプロファイルに対して適用したと判別されるまで上記ステップS405以降の処理を繰り返す。従って、以上の処理によってボイド候補プロファイルの中から上記形状特定パラメータが球形ボイドの形状特定パラメータに合致しているものを抽出することができる。
【0098】
尚、以上の構成は、球形ボイドのプロファイル傾斜データを予め決めておき、ボイド候補のプロファイル傾斜データと比較する構成の一例であり、むろん他にも種々の構成を採用可能である。例えば、上述の微小平面pを形成するに際しては座標(x,y,t)の直近の3点であることが好ましいが上記CCDの分解能が高く、CCDのピッチが細かい場合は直近の3点であることは必須ではないし、複数の点を利用して微小平面pを形成してもよい。また、4点以上の点を抽出してプロファイルの表面に相当する曲面を所定の関数にフィッティングし、得られた関数のgradを算出して勾配の大きさを算出してもよい。
【0099】
さらに、ベクトルKやベクトルGを2次元平面上に投影し、ベクトルの方向および大きさを2次元平面に投影した状態で比較する構成を採用してもよいし、ベクトルKやベクトルGをx,y,tの3次元空間で規定しておき、3次元空間中の畳み込み積分によって両者を比較する構成を採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるX線検査装置の概略ブロック図である。
【図2】X線管の概略構成を示す図である。
【図3】厚み算出テーブルを作成する際の処理を示すフローチャートである。
【図4】X−Yステージ上に載置された標準試料を示す図である。
【図5】検査処理を示すフローチャートである。
【図6】ボイド抽出処理を示すフローチャートである。
【図7】プロファイルの概略を説明する説明図である。
【図8】形状特定パラメータを説明する説明図である。
【図9】基準ボイドのプロファイル傾斜データを作成する例を説明する説明図である。
【図10】第2実施例でのボイド抽出処理を示すフローチャートである。
【図11】ベクトルGの算出を説明する説明図である。
【符号の説明】
10…X線撮像機構部
11…X線発生器
11a…X線管
11b…アノード
11c…カソード
11d…電子レンズ
11e…ターゲット
11f…絞り
13…X線検出器
15…X−Yステージ
20…X線撮像制御部
21…X線制御部
22…メモリ
22a…撮像条件データ
22b…厚み算出テーブルデータ
22c…厚みプロファイル
22d…外形プロファイル
22e…ボイド候補プロファイル
22f…形状特定パラメータ
22g…閾値データ
22h…ボイドデータ
23…ステージ制御部
24…検出信号処理部
26a…出力部
26b…入力部
30…はんだバンプ
31…基板
32…サブストレート
40…標準試料

Claims (7)

  1. 所望の対象試料に対してX線を照射するX線照射機構と、
    当該対象試料を透過した透過X線の検出値から対象試料の厚みに相当する厚みプロファイルを取得する厚みプロファイル取得手段と、
    上記対象試料を透過した透過X線の検出値から対象試料の外形に相当する外形プロファイルを取得する外形プロファイル取得手段と、
    外形プロファイルと厚みプロファイルとの差分から対象試料内に存在するボイドの候補に相当するボイド候補プロファイルを取得するボイド候補プロファイル取得手段と、
    ボイド候補プロファイルからボイド候補の形状を特定する形状特定パラメータとしてボイド候補内で直交する2つの径を算出する形状特定パラメータ算出手段と、
    当該2つの径の差分が"0"または当該2つの径の比が"1"であるときに形状特定パラメータが球形のボイドの形状を反映した形状特定パラメータに合致している判別して合致しているボイド候補をボイドとして抽出するボイド抽出手段とを備えることを特徴とするX線検査装置。
  2. 所望の対象試料に対してX線を照射するX線照射機構と、
    当該対象試料を透過した透過X線の検出値から対象試料の厚みに相当する厚みプロファイルを取得する厚みプロファイル取得手段と、
    上記対象試料を透過した透過X線の検出値から対象試料の外形に相当する外形プロファイルを取得する外形プロファイル取得手段と、
    外形プロファイルと厚みプロファイルとの差分から対象試料内に存在するボイドの候補に相当するボイド候補プロファイルを取得するボイド候補プロファイル取得手段と、
    ボイド候補プロファイルからボイド候補の形状を特定する形状特定パラメータとしてボイド候補の径およびボイド候補プロファイルの積分値に相当する体積を算出する形状特定パラメータ算出手段と、
    上記ボイド候補の径から算出される球形の体積と上記積分値に相当する体積との差分が"0"であるときに形状特定パラメータが球形のボイドの形状を反映した形状特定パラメータに合致していると判別して合致しているボイド候補をボイドとして抽出するボイド抽出手段とを備えることを特徴とするX線検査装置。
  3. 所望の対象試料に対してX線を照射するX線照射機構と、
    当該対象試料を透過した透過X線の検出値から対象試料の厚みに相当する厚みプロファイルを取得する厚みプロファイル取得手段と、
    上記対象試料を透過した透過X線の検出値から対象試料の外形に相当する外形プロファイルを取得する外形プロファイル取得手段と、
    外形プロファイルと厚みプロファイルとの差分から対象試料内に存在するボイドの候補に相当するボイド候補プロファイルを取得するボイド候補プロファイル取得手段と、
    ボイド候補プロファイルからボイド候補の形状を特定する形状特定パラメータとしてボイド候補の径およびボイド候補の周囲長を算出する形状特定パラメータ算出手段と、
    上記ボイド候補の径から算出される球形の周囲長と上記ボイド候補の周囲長との差分が"0"であるときに形状特定パラメータが球形のボイドの形状を反映した形状特定パラメータに合致していると判別して合致しているボイド候補をボイドとして抽出するボイド抽出手段とを備えることを特徴とするX線検査装置。
  4. 所望の対象試料に対してX線を照射するX線照射機構と、
    当該対象試料を透過した透過X線の検出値から対象試料の厚みに相当する厚みプロファイルを取得する厚みプロファイル取得手段と、
    上記対象試料を透過した透過X線の検出値から対象試料の外形に相当する外形プロファイルを取得する外形プロファイル取得手段と、
    外形プロファイルと厚みプロファイルとの差分から対象試料内に存在するボイドの候補に相当するボイド候補プロファイルを取得するボイド候補プロファイル取得手段と、
    ボイド候補プロファイルからボイド候補の形状を特定する形状特定パラメータとしてボイド候補プロファイルの傾斜の大きさとその方向とのいずれかまたは双方を示すプロファイル傾斜データを算出する形状特定パラメータ算出手段と、
    予め算出された球形ボイドでのプロファイル傾斜データと上記ボイド候補プロファイルから算出されたプロファイル傾斜データとの差異を所定の閾値によって判別することで形状特定パラメータが球形のボイドの形状を反映した形状特定パラメータに合致していると判別して合致しているボイド候補をボイドとして抽出するボイド抽出手段とを備えることを特徴とするX線検査装置。
  5. 上記ボイド抽出手段は、上記抽出されたボイドが球形であるとしたときの寸法を算出する寸法算出部を備えることを特徴とする上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載のX線検査装置。
  6. 所定のX線源から所望の対象試料に対してX線を照射してその透過X線の強度に基づいて対象試料内のボイド検査を行うX線検査方法であって、
    所望の対象試料に対してX線を照射して対象試料を透過した透過X線を検出し、得られた検出値から対象試料の厚みに相当する厚みプロファイルと対象試料の外形に相当する外形プロファイルを取得し、外形プロファイルと厚みプロファイルとの差分から対象試料内に存在するボイドの候補に相当するボイド候補プロファイルを取得し、ボイド候補プロファイルからボイド候補の形状を特定する形状特定パラメータとしてボイド候補内で直交する2つの径を算出し、当該2つの径の差分が"0"または当該2つの径の比が"1"であるときに形状特定パラメータが球形のボイドの形状を反映した形状特定パラメータに合致している判別して合致しているボイド候補をボイドとして抽出することを特徴とするX線検査方法。
  7. 所望の対象試料に対してX線を照射するX線照射機構と、
    上記X線の照射方向に配置されるとともに、対象試料を透過した透過X線の強度を検出するX線強度検出手段とを備えるX線検査装置を駆動するコンピュータにおいて、
    上記透過X線の検出値から対象試料の厚みに相当する厚みプロファイルを取得する厚みプロファイル取得機能と、
    上記透過X線の検出値から対象試料の外形に相当する外形プロファイルを取得する外形プロファイル取得機能と、
    外形プロファイルと厚みプロファイルとの差分から対象試料内に存在するボイドの候補に相当するボイド候補プロファイルを取得するボイド候補プロファイル取得機能と、
    ボイド候補プロファイルからボイド候補の形状を特定する形状特定パラメータとしてボイド候補内で直交する2つの径を算出する形状特定パラメータ算出機能と、
    当該2つの径の差分が"0"または当該2つの径の比が"1"であるときに形状特定パラメータが球形のボイドの形状を反映した形状特定パラメータに合致している判別して合致しているボイド候補をボイドとして抽出するボイド抽出機能とを実現させることを特徴とするX線検査装置の制御プログラム。
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