JP4408532B2 - 座席式担架 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、傷病者等を乗せて運ぶ用具である担架に係り、特に、角部のある狭い通路や階段、或いは坂道や階段等の傾斜場所において好適に使用可能な担架の構造に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、事故現場等から歩行が困難となった傷病者等を乗せて運ぶ用具として、両端に把持部を有する一対の支持棒を互いに平行に所定距離を隔てて位置せしめた状態において、それら支持棒間にシートを架設することにより、所定幅の載置部を形成してなる構成の担架が知られている。そして、一般に、このような担架にあっては、一対の支持棒のそれぞれが、長尺で、強度の高い鉄製の直管等からなっており、それによって、傷病者等が、載置部上において寝かせられた状態で、安全に運搬され得るようになっている。
【0003】
ところが、かくの如き構造の従来の担架においては、傷病者等が、脚を伸ばして楽に寝かせられた状態で乗せられ得るように、全長が十分に長くされているため、狭い通路や階段の角部等では、その曲がり角が曲がり切れずに、使用が不可能となる場合があったのであり、また、坂道や階段等の傾斜した場所で使用する際には、載置部上に寝かせられた傷病者等が載置部から滑り落ちたりしないように、担架の前後で、それを支持して、傷病者を搬送する運搬者(担架の取扱者)が、それぞれ、腰を曲げて担架の支持位置を低くしたり、或いは担架を差し上げて、その支持位置を高くしたりして、担架を水平に保持しなければならず、それが、搬送者にとって大きな負担となる等の問題も、内在していたのである。
【0004】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、坂道や階段等の傾斜場所での使用時における搬送者(取扱者)の負担を効果的に軽減し得ると共に、角部のある狭い通路や階段等でも容易に使用が可能な担架を提供することにある。
【0005】
【解決手段】
そして、本発明は、かくの如き課題を解決するために、両端に把持部を有する支持棒の一対を互いに平行に所定距離を隔てて位置せしめた状態において、それら支持棒間にシートを架設することにより、所定幅の載置部が形成されるようにした担架において、前記一対の支持棒を、それぞれ、炭素繊維強化樹脂からなる中空のパイプ部材にて構成すると共に、該一対の支持棒における長さ方向中間部の互いに対応する二箇所において、それら一対の支持棒の平行状態を維持しつつ、同一の方向に、それら各支持棒をそれぞれ屈曲せしめて階段状と為すことにより、前記載置部の支持棒長さ方向における中間部に段差を形成せしめて、座席部としたことを特徴とする座席式担架を、その要旨とするものである。
【0006】
このような本発明に従う座席式担架にあっては、載置部の支持棒長さ方向における中間部に設けられた座席部に、膝を曲げて腰掛けさせるようにして、傷病者等を載置部上に寝かせることが出来、それによって、傷病者等が脚を伸ばした状態で載置部上に寝かされる従来の担架に比して、載置部上に寝かされる傷病者等の負担を増すことなく、全体の長さを効果的に短く為すことが可能となったのであり、その結果、階段や狭い通路の曲がり角も、傷病者等を乗せた状態でスムーズに曲がることが出来ることとなったのある。
【0007】
しかも、かかる座席式担架においては、上述の如く、傷病者等が座席部に腰掛けるようにして載置部上に寝かされるようになっているところから、全体を傾ける場合に、載置部上に寝かされる傷病者等の頭部側を傾きの上側に位置するように為せば、傷病者等が載置部上から滑り落ちるようなことが有利に阻止され得るのであり、それによって、例えば、坂や階段等の傾斜した場所で使用する際にあっても、担架の前後で、それを支持して、傷病者を搬送する運搬者が、それぞれ、腰を曲げて担架の支持位置を低くしたり、或いは担架を差し上げて、その支持位置を高くしたりして、担架を水平に保持する必要が、効果的に解消され得ることとなるのである。
【0008】
従って、かくの如き本発明に従う座席式担架にあっては、角部のある狭い通路や階段等でも容易に使用が可能となっているばかりでなく、坂道や階段等の傾斜場所で使用する際にも、載置部に傷病者等を乗せて搬送する搬送者の負担が極めて効果的に軽減され得るのである。
【0009】
また、本発明に従う座席式担架においては、一対の支持棒が、それぞれ、炭素繊維強化樹脂からなる中空のパイプ部材にて構成されているところから、従来の鉄パイプからなる支持棒の比べて、それら一対の支持棒の重量が有利に軽くされ得、それによって、担架全体の重量も効果的に軽量化され得ることとなり、以てその使用性や取扱性が極めて効果的に高められ得るのである。しかも、そのような炭素繊維強化樹脂からなる中空のパイプ部材は、載置部上に乗せられる傷病者の重量によって、ある程度の撓りを生ずるものであるため、剛直感がなく、傷病者等への負担を和らげることも可能となるのである。
【0010】
そして、本発明にあっては、前記支持棒の両端に設けられる把持部を、該支持棒の延長線を含む垂直面内に位置する、手指の挿入可能な内孔を有するリングにて構成し、且つ該リングの内周部を、内周方向に連続した波型形状に形成して、担架取扱者が該リングの内孔内に手指を挿入して該リングを把持し得るようにしたことをも、その要旨とする。かかる構成を採用すれば、例えば、担架を傾ける場合や、搬送者の腰よりも高い位置に担架を持ち上げる場合等において、搬送者が把持部の最も把持し易く且つ最も力を出し易い部分を把持しつつ、担架を支持することが出来、それによって、傷病者等を乗せて運ぶ際における使用性が有利に高められ得ると共に、搬送者の負担が、より一層効果的に軽減され得ることとなるのであり、また、リングの内孔内に挿入された手指の腹部の横側部分を、リングの内周部における波型形状の山部に引っ掛けつつ、該リングを把持することが出来、それによって、リングを把持した際の指の滑りが効果的に防止され得、以て、更に一層優れた使用性が発揮され得ることとなるのである。
【0012】
さらに、かくの如き本発明に従う座席式担架の有利な態様の一つによれば、前記一対の支持棒のそれぞれの長さ方向中間部に、第一の補助棒が、前記座席部の後端部側から垂下するように設けられて、それら第一の補助棒と、該座席部の前端部側から垂下するように延びる該一対の支持棒のそれぞれの端部側部分とにて、座席部の脚部が形成される。
【0013】
このような構成を有する座席式担架においては、載置部を起こせば椅子のような使い方をすることが可能となり、それによって、例えば、エレベータ内等、傷病者等を載置部上に寝かせた状態で搬送することが不可能な狭い場所等へ、載置部上に乗せられた傷病者等を運び込む場合にあっても、傷病者等を椅子に座らせた如き状態で運び込むことが出来るのである。
【0014】
従って、かくの如き本発明に従う座席式担架を用いれば、載置部上に乗せられた傷病者等を上述の如き狭い場所へ搬送する際における傷病者等に対する負担が効果的に軽減され得るのであり、また、載置部を起こして、椅子のようにして使用する場合には、傷病者等を搬送する搬送者が、載置部が倒れないように支持するだけで良いため、かかる搬送者に対する負担も、有利に軽減され得ることとなるのである。
【0015】
なお、そのように、本発明に従う座席式担架において、第一の補助棒と各支持棒の端部側部分とにて座席部の脚部が形成される場合には、有利には、前記第一の補助棒が、長さ方向の一方側の端部において、前記支持棒の長さ方向中間部に対して着脱可能に設けられることとなる。このような構成を採用すれば、座席部の脚部が不必要な場合には、第一の補助棒を取り外して使用することが可能となり、それによって、狭い場所への搬送がない普段の使用時に、第一の補助棒が邪魔となって使用性が低下したり、或いは該第一の補助棒によって重量が嵩んで取扱性が低下したりするようなことが、有利に回避され得るのである。
【0016】
また、本発明に従う座席式担架において、第一の補助棒と各支持棒の端部側部分とにて座席部の脚部が形成される場合には、別の好ましい態様として、前記第一の補助棒を、前記座席部の前端部側から延びる前記支持棒の長さ方向において移動可能に挿通して、保持する筒状の挿通部を備えた第一の保持部材が、該支持棒の長さ方向中間部に設けられていると共に該第一の保持部材の挿通部に挿通されて、保持された状態下での該第一の補助棒の移動を所定の移動位置にて阻止する移動阻止手段が設けられる構成が、有利に採用される。これによって、座席部の脚部が必要な時に、該脚部が、第一の補助棒にて、より迅速に且つスムーズに形成することが可能となるのである。
【0017】
さらに、本発明に従う座席式担架において、第一の補助棒と各支持棒の端部側部分とにて座席部の脚部が形成される場合には、更に別の有利な態様として、前記第一の補助棒の延出方向先端部に、転動部材が設けられる構成が採用される。
【0018】
このような構成を有する座席式担架にあっては、例えば、載置部を起こして椅子のようにした状態から、該載置部を所定の角度だけ傾けて、第一の補助棒の先端に設けられた転動部材のみを接地させると共に、該第一の補助棒の先端側とは反対側に位置する把持部を一人の搬送者が把持して、該転動部材を地面上を転動させるようにすれば、傷病者等を載置部上に腰掛けさせた状態で、一人の搬送者によって搬送することが可能となり、それによって、更に一層優れた使用性が発揮され得ることとなるのである。
【0019】
また、特に、転動部材が先端部に設けられた第一の補助棒が、前記第一の保持部材により、座席部の前端部側から延びる支持棒の長さ方向において移動可能に保持せしめられると共に、かかる第一の保持部材による保持状態下での第一の補助棒の移動が、前記移動阻止手段にて、所定の移動位置において阻止されるように構成される場合には、載置部の傾きの大きさに応じて、第一の補助棒の長さを短く為すことが出来、それによって、載置部上に乗せられた傷病者等の重心と担架の接地点との水平方向位置ずれを可及的に小さくしつつ、載置部を傾けることが可能となるのである。従って、そのような構成とされた第一の補助棒を有する座席式担架にあっては、載置部上に乗せられた傷病者等を一人で搬送する搬送者が、把持部を把持する高さ位置を変えても、それに応じて、第一の補助棒の長さを変更すれば、該搬送者に掛かる荷重負担の増大が可及的に抑制され得、以て、より優れた使用性や取扱性が、更に一層有効に発揮され得ることとなるのである。
【0020】
さらに、本発明に従う座席式担架の他の望ましい態様の一つによれば、前記座席部の後端部側に位置する前記一対の支持棒のそれぞれ長さ方向中間部と、該座席部の前端部側から垂下するように延びる該一対の支持棒端部の間に、それらを相互に連結するように、第二の補助棒が設けられる。このような構成を有する座席式担架にあっては、傷病者等の足が、第二の補助棒が設けられる各支持棒の前記他端部側に位置せしめられるようにして、傷病者等を載置部上に乗せて使用すれば、例えば、載置部に乗せられた傷病者等を窓を通じて屋内から屋外へ搬送する際や、塀等を乗り越えて搬送する場合等に、それら窓の枠や塀の内面或いは角部等に対して前記第二の補助棒を滑らせることによって、載置部が、前記段差部等において、窓枠や塀の上端部に引っ掛かるようなことがなく、窓内や塀の上を容易に且つスムーズに通過せしめられ得ることとなり、これによっても、搬送者の負担が有利に軽減され得るのである。
【0021】
また、このような構成を有する座席式担架においては、把持部を把持する搬送者とは別の搬送者が、第二の補助棒を把持しつつ搬送することが可能となり、それによって、より優れた使用性が発揮され得るといった利点も得られることとなるのである。
【0022】
さらに、かかる本発明に従う座席式担架においては、有利には、前記第一の補助棒と前記第二の補助棒の両方が設けられることとなるが、その場合にあっては、好ましくは、それら第一の補助棒と第二の補助棒とが同一の棒材にて構成されると共に、前記支持棒の長さ方向中間部に、該棒材を、その一端部において取り外し可能に固定する第一の固定部材が設けられて、該棒材が、該第一の固定部材を介して、該支持棒の長さ方向中間部に対して着脱可能に設けられ、更に、該支持棒の長さ方向中間部前記座席部の前端部側から垂下するように延びる該支持棒端部とに対して、該棒材を、その両端部において取り外し可能に固定する第二の固定部材が設けられて、該棒材が、該第二の固定部材を介して、該支持棒の長さ方向中間部該座席部の前端部側から垂下するように延びる該支持棒の端部とに対して着脱可能に設けられることとなる。
【0023】
このような構成を有する座席式担架にあっては、第一の補助棒と第二の補助棒が設けられていることによって奏され得る前述せる如き効果が有効に享受され得ると共に、それら第一の補助棒と第二の補助棒とを別個の棒材にて構成する場合に比べて、有利に軽量化が図られ得ると共に、材料コストの低減が図られ得ることとなるのである。
【0024】
さらに、本発明に従う座席式担架において、前記第一の補助棒と前記第二の補助棒の両方が設けられる場合の望ましい別の態様に一つによれば、前記第一の補助棒と前記第二の補助棒とが同一の棒材にて構成されると共に、前記第一の保持部材が、前記一対の支持棒のそれぞれの長さ方向中間部に対して、該一対の支持棒の一方から他方に向かって該支持棒に直角な方向に延びる回動軸回りに回動可能に設けられている一方、前記座席部の前端部側から垂下するように延びる該支持棒端部に対して、該棒材を、該第一の保持部材にて保持される側とは反対側の端部において位置固定に且つ着脱可能に保持する第二の保持部材が設けられ、更に、該第一の保持部材の回動を所定の回動位置にて阻止する回動阻止手段が設けられることとなる。
【0025】
これによっても、第一の補助棒と第二の補助棒が設けられていることによって奏され得る効果と、それら第一の補助棒と第二の補助棒とが同一の棒材によって構成されていることよって得られる優れた特徴が、それぞれ有効に享受され得るのであり、また、本発明に従う座席式担架においては、座席部の脚部が、必要な時に、より迅速に且つスムーズに形成され得るといった利点も得られることとなるのである。
【0026】
また、かくの如き本発明に従う座席式担架の他の好ましい態様の一つによれば、前記支持棒を構成する前記パイプ部材が、互いに独立した第一のパイプ部材と第二のパイプ部材と第三のパイプ部材の三つのものからなり、該第一のパイプ部材と該第二のパイプ部材とが、少なくともそれら二つのパイプ部材を屈曲せしめた位置と二つに折り畳んだ位置との間で一軸回りに回動可能に連結し、且つ該屈曲位置と該折畳み位置とにおいてかかる回動が阻止されるように構成された第一の連結部材を介して、相互に連結されている一方、該第二のパイプ部材と前記第三のパイプ部材とが、少なくともそれら二つのパイプ部材を屈曲せしめた位置と伸展させた位置との間で一軸回りに回動可能に連結し、且つ該屈曲位置と該伸展位置とにおいてかかる回動を阻止し得るように構成された第二の連結部材を介して、相互に連結されており、該第一のパイプ部材と該第二のパイプ部材とを屈曲せしめた位置と、該第二のパイプ部材と該第三のパイプ部材とを屈曲せしめた位置において、該第一の連結部材と該第二の連結部材のそれぞれの回動が阻止されることにより、前記支持棒を階段状と為した状態が維持され得るようになっている一方、該第一のパイプ部材と該第二のパイプ部材を二つに折り畳んだ位置と、該第二のパイプ部材と該第三のパイプ部材を展伸させた位置において、該第一の連結部材と該第二の連結部材のそれぞれの回動が阻止されることにより、前記支持棒を二つに折り畳んだ状態が維持され得るように構成される。
【0027】
このような構成を有する座席式担架においては、各支持棒の前記一方側部分を与えるパイプ部材と前記中間部分を与えるパイプ部材とが二つに折り畳まれた状態下で、それらのパイプ部材の回動を阻止せしめると共に、前記他方側部分を与えるパイプ部材と該中間部分を与えるパイプ部材とが伸展せしめられた状態下で、それらのパイプ部材の回動を阻止せしめることによって、各支持棒、ひいては担架全体が、二つに折り畳まれると共に、そのような折畳み状態が、維持せしめられ得るのである。
【0028】
従って、かくの如き座席式担架にあっては、例えば、その収納時等に、上述の如くして、二つに折り畳まれた状態とされることにより、小さな収納スペース内に、コンパクトに収納され得ることとなり、以て、より一層優れた取扱性が、極めて有効に発揮され得るのである。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明に係る座席式担架の具体的な構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0030】
先ず、図1乃至図3には、本発明に従う構造を有する座席式担架の一実施形態が、平面形態、側面形態、及び横断面形態において、それぞれ概略的に示されている。そこにおいて、一対の支持棒10,10が、互いに平行に所定距離を隔てて、担架の前後方向(図1及び図2中、上下方向)に延びるように位置せしめられている一方、それら支持棒10,10間に、シート12が架設乃至は張架せしめられていると共に、それら一対の支持棒10,10を連結する連結棒14a〜14bが4本が設けられており、それら4本の連結棒14a〜14bにて支持棒10,10の間隔が維持されて、シート12上に傷病者等を乗せ得る程度の幅の載置部16が形成されるようになっている。なお、支持棒10,10の両端には、担架を持ち運びするための把持部18,18が、一体的に設けられている。
【0031】
より具体的には、このような構成の担架において、前記一対の支持棒10,10は、それぞれ、炭素繊維強化樹脂製で、所定長さを有する直管からなる第一、第二、及び第三の3本のパイプ20,22,24を互いに接続して一本化せしめることにより、構成されているのである。
【0032】
すなわち、この支持棒10を構成する3本のパイプ20,22,24を与える炭素繊維強化樹脂製の直管は、よく知られているように、炭素繊維を織成してなるカーボンクロスを円筒状に巻いた状態において、それに含浸せしめたエポキシ樹脂等の熱硬化型の樹脂を加熱、硬化せしめることによって得られる複合パイプ部材であって、ここでは、カーボンクロスと共に、更に、ガラス繊維を織成してなるガラスクロスが積層されて、円筒状とされ、所定の樹脂にて硬化、一体化せしめられてなる構造とされている。また、そのような3本のパイプ20,22,24のうち、第一のパイプ20は、一般的な成人の上半身の長さよりも若干長い長さとされている一方、第二のパイプ22は、該成人の腰から膝までの長さに略相当する長さか、若しくはそれよりも所定寸法短い長さとされ、更に、第三のパイプ24は、該成人の膝から踵までの長さよりも若干長い長さとされている。
【0033】
そして、第一のパイプ20が、担架の前部(図1及び図2における上部)において、その長さ方向に延びるように位置せしめられている一方、第二のパイプ22が、該第一のパイプ20における担架の後部側端部から、担架の上方(図2における左方向)に向かって、直角に延びるように位置せしめられており、また、第三のパイプ24が、第二のパイプ22における第一のパイプ20側の端部とは反対側の端部から、担架の後部(図1及び図2における下部)に向かって直角に且つ第一のパイプ20と平行に延びるように、位置せしめられている。そして、そのように位置せしめられた第一、第二、及び第三のパイプ20,22,24が、互いに直角な3方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の3方向)に延びる三つのジョイント部を有する継手部材26の二つのジョイント部にそれぞれ外挿、固定されることにより接続されて、一本化せしめられているのである。
【0034】
これによって、一対の支持棒10,10が、長さ方向中間部の互いに対応する二箇所において、直角に屈曲せしめられてなる階段状形態をもって、それぞれ構成されており、また、各支持棒10を与える第一、第二、及び第三のパイプ20,22,24の合計長さが、従来の担架における支持棒の長さと略同一の寸法とされているものの、支持棒10の両端部間の距離、即ち、それら両端部間の直線的な長さは、階段状に屈曲せしめられている分だけ、従来の担架の支持棒よりも十分に短い長さとされている。そして、そのような階段状形態を有する一対の支持棒10,10が、互いに所定距離を隔てた位置において平行状態を維持しつつ、それぞれのものにおける担架の後部に位置する部分が、その前部に位置する部分に対して上方に段付けされた如き状態で、配置せしめられているのである。
【0035】
一方、かかる一対の支持棒10,10の間を連結する4本の連結棒14a〜14bも、該一対の支持棒10,10と同様な構造を有する炭素繊維強化樹脂からなる直管にて構成されている。また、そのような4本の連結棒14a〜14bにあっては、それらのうち、2本の連結棒14a,14aが、一対の支持棒10,10の互いに対応する両端部間に位置せしめられている一方、残りの2本の連結棒14b,14bが、それら一対の支持棒10,10の互いに対応する二つの屈曲部間に位置せしめられている。そして、支持棒10,10の対応する端部間に位置する2本の連結棒14a,14aが、それぞれのものの両端部に固設されたアルミ製等の剛性のある取付スリーブ28を各支持棒10に外挿、固定せしめることにより、該支持棒10,10の対応する各端部に取り付けられており、また、支持棒10,10の対応する二つの屈曲部間に位置する2本の連結棒14b,14bは、それぞれの両端部を、各支持棒10の二つの屈曲部にそれぞれ配設された前記継手部材26,26の各支持棒10間に延びるジョイント部に外挿、固定せしめることにより、それら支持棒10,10の対応する各屈曲部に取り付けられているのである。
【0036】
かくして、上述の如き配置形態とされた一対の支持棒10,10間の間隔が一定に維持されるようになっており、また、それら一対の支持棒10,10と4本の連結棒14a〜14bとによって形成された、担架の骨組みを構成する、全体として階段状形態を呈するフレームが、堅固なものとなって、担架に捩じり方向の力が作用しても、そのフレームが歪んだり、撓んだりしないようになっている。そして、それによって、前記シート12の載置部16上に乗せられる傷病者等の支持が困難となることもなく、その取扱い・搬送作業を有利に行い得ることとなるのである。
【0037】
また、ここでは、一対の支持棒10,10のそれぞれにおける前記第一のパイプ20に、載置部16上に乗せられる傷病者等を固定する固定バンド30,30が設けられており、それによっても、かかる傷病者等をより有利に搬送せしめ得るようになっている。なお、この固定バンド30,30は、一方の先端に設けられた弾性変形可能な爪部32を、他方の先端に設けられた係止部34に弾性変形下で挿通せしめることにより、該係止部34に対してワンタッチで係止せしめる公知の係止機構を有しており、かかる係止機構によって、固定バンド30,30が互いに連結され得るようになっている。
【0038】
そして、特に、本実施形態では、前述せる如く、各支持棒10,10が、従来の担架における支持棒よりも十分に短い長さをもって構成されているところから、かかる支持棒10,10の長さに相当するフレーム全体の長さも、従来の担架のフレーム全長よりも短くされており、以て担架全体の長さも、従来品に比べて有利に短く為され得ているのである。
【0039】
また、上述の如く、4本の連結棒14a〜14bにて連結された一対の支持棒10,10の間に架設乃至は張架せしめられたシート12は、軽量なポリビニルアルコール繊維(商品名:ビニロン)製の矩形の布にて構成されている。そして、かかる合成繊維製のシート12が、一対の支持棒10,10と4本の連結棒14a〜14bにて形成された階段状形態を呈するフレームに対して、その略全体をくるむようにして取り付けられることにより、前記傷病者等を乗せ得る載置部16が形成されるようになっており、また、それによって、一対の支持棒10,10のそれぞれのものにおける第一のパイプ20,20間に架設されたシート12部分と、第三のパイプ24,24間に架設されたシート12部分との間で、第二のパイプ22,22の間に架設されたシート12部分にて段付けされた段差が形成されているのである。なお、ここでは、前述の如く、第一のパイプ20が、一般的な成人の上半身の長さよりも若干長くされている一方、第二のパイプ22が、該成人の腰から膝までの長さと略同じか、それよりも所定寸法短い長さとされ、更に、第三のパイプ24が、該成人の膝から踵までの長さよりも若干長くされていることによって、第一のパイプ20,20間と、第二のパイプ22,22間と、第三のパイプ24,24間のシート12部分が、それぞれ、載置部16に乗せられる傷病者等の上半身と、腰から膝までの部位と、膝から踵までの部位を載置可能な大きさとされている。
【0040】
かくして、本実施形態では、支持棒10の長さ方向における載置部16の中間部に、第二のパイプ22,22間に架設されたシート12部分からなる、一般的な成人が腰掛け可能な大きさの座席部36が設けられているのである。
【0041】
一方、支持棒10の両端部に設けられた、担架を持ち運びするための把持部18は、図4及び図5に示されるように、支持棒10と同様な炭素繊維強化樹脂製の中空のパイプ部材が円形に成形されてなる、全体として、略リング形状をもって、構成されている。更に、このリング状の把持部18は、手指が挿入可能な内孔を有しており、その全周にわたって、該内孔内に手指を挿入した状態で把持され得る大きさとされている。
【0042】
そして、このようなリング状の把持部18にあっては、内孔内に挿入された指の腹部が接触せしめられ得る大きさの谷部38と、該指の腹部の横側部分が引っ掛かり得る大きさの山部40が、内周部に対して、その内周方向の全周にわたって交互に且つ連続的に形成されて、かかる内周部が波型形状とされている。これによって、把持部18の内孔内に挿入された指の腹部の横側部分を、前記山部40にそれぞれに引っ掛けつつ、把持部18が把持され得るようになっており、以て、把持部18を把持した際の指の滑りが、効果的に防止され得るようになっているのである。
【0043】
また、かかる把持部18は、上述の如く、中空のパイプ部材にて形成されていることによって、内部に、空洞部42が形成されており、この空洞部42内に、該空洞部42を径方向に二つに仕切る、補強材としてのリブ44が固設されている。なお、この補強材としてのリブ44は、ここでは、軽くて強い航空ベニヤが用いられている。これによって、把持部18の強度がより一層高められているのである。
【0044】
そして、図1及び図2に示されるように、リング状の把持部18が、支持棒10の延長線を含む垂直面内に位置し、且つ各支持棒10,10の互いに対応する端部において、中心軸が同一線上に位置する状態で、外周面に一体形成された取付突部46において支持棒10の両端部内にそれぞれ挿通せしめられて、固定されているのである。なお、図1乃至図3中、48,48は、補助バンドであり、把持部18を把持して担架を持ち運ぶ搬送者が、首等に掛けて、腕力による担架の支持力を自ら補助するものである。
【0045】
ところで、このような構造とされた本実施形態の座席式担架を用いて、傷病者等を搬送する場合には、例えば、先ず、担架の長さ方向における載置部16の中間部に設けられた座席部36に、膝を曲げて腰掛けさせるようにした状態で、傷病者等を載置部16上に寝かせた後、固定バンド30,30にて傷病者等を固定する。その後、二人の搬送者が、担架の前後において、補助バンド48をそれぞれ首等に掛けると共に、各支持棒10の両端の把持部18,18をそれぞれ把持して、担架を持ち上げる。そして、任意の場所に搬送するのである。
【0046】
このように、本実施形態に係る座席式担架にあっては、傷病者等が、座席部36に腰掛けるようにして、載置部16上に寝かされた状態で搬送され得るようになっているところから、担架を傾けても、載置部16上に寝かされた傷病者等の頭部側を傾きの上側に位置せしめれば、傷病者等が載置部16上から滑り落ちるようなことがなく、それによって、例えば、坂や階段等の傾斜した場所で使用する際にあっても、担架を無理に水平にする必要が有利に解消せしめられ得、以てそれら坂や階段等での使用時における搬送者の負担が、極めて効果的に軽減され得ることとなるのである。
【0047】
また、本実施形態の座席式担架においては、前述の如く、該担架の骨組みを構成するフレームが階段状形態をもって構成されていることによって、担架全体の長さが、従来の担架の全長よりも有利に短くされているところから、例えば、階段や狭い通路の曲がり角も傷病者等を乗せた状態でスムーズに曲がることが出来、以て従来の担架では使用が困難であった、角部のある階段や狭い場所でも、容易に使用され得るのである。なお、そのように、全長が短くされていても、前述の如く、傷病者等が、座席部36に腰掛けるようにして、載置部16上に寝かされた状態で搬送され得るようになっているため、載置部16上に寝かされた傷病者等が、その姿勢に苦痛を感じることはない。
【0048】
さらに、本実施形態の座席式担架にあっては、そのフレームを構成する支持棒10や連結棒14a〜14bと、支持棒10の両端に設けられた把持部18が、全て、炭素繊維強化樹脂からなる中空のパイプ部材にて構成され、しかも、シート12も、軽くて強いポリビニルアルコール繊維からなる布にて構成されているところから、フレームが鉄パイプからなるものや、把持部18が木製のもの、或いはシート12が綿布や帆布等の布はくからなる従来の担架に比して、強度を低下させることなく、その軽量化が、極めて有利に図られ得ているのである。また、そのように、フレームを与える支持棒10や連結棒14a〜14bが炭素繊維強化樹脂からなる中空のパイプ部材にて構成されていることによって、傷病者等が載置部16上に乗せられた際に、フレームにおいて、ある程度の撓りが生ぜしめられ得ることとなり、以て、剛直感等の傷病者等への負担が、効果的に和らげられ得るといった利点も発揮され得るのである。
【0049】
更にまた、本実施形態の座席式担架においては、支持棒10の両端に設けられた把持部18が、リング形状を呈し、その全周にわたって、内孔内に手指を挿入した状態で把持され得るようになっているところから、例えば、担架を傾ける場合や、搬送者の腰よりも高い位置に担架を持ち上げる際等において、搬送者が、把持部18において、最も把持し易く且つ最も力の出し易い部分を把持しつつ、担架を支持することが出来、それによって、傷病者等を乗せて運ぶ際における使用性が効果的に高められ得ると共に、搬送者の負担が、より一層有利に軽減され得ることとなるのである。
【0050】
また、本実施形態の座席式担架にあっては、把持部18の内周部が、谷部38と山部40が内周方向において交互に連続形成された波型形状とされており、把持部18の内孔内に挿入された指の腹部の横側部分を山部40に引っ掛けつつ、把持部18を把持することによって、指の滑りが防止され得るようになっているところから、更に一段と優れた使用性乃至は取扱性が発揮され得るのである。
【0051】
ところで、本発明に従う座席式担架は、上述した例示の構造のみに限定して解釈されるものでは決してなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、各種の変形を加えることが可能であり、その別の例が、図6乃至図21に示されている。なお、それら図6乃至図21においては、上述の実施形態と同一の構造とされた部材及び部位については、図中、それぞれ、上述の実施形態と同一の符号を付すことにより、その詳細な説明は、省略した。
【0052】
すなわち、先ず、図6及び図7には、載置部16における座席部36に対して脚部が形成されてなる構造の例が示されている。そこにおいて、一対の支持棒10,10は、それぞれ、前記実施形態と同様に、3本のパイプ20,22,24が、互いに直角に接続され、全体として、長さ方向中間部における二つの屈曲部位50,52において、直角に屈曲せしめられてなる階段形態をもって、構成されている。そして、ここでは、各支持棒10の二つの屈曲部位50,52のうち、第一のパイプ20と第二のパイプ22との接続部分にて構成される第一の屈曲部位50に、第一の補助棒としての脚パイプ54が、その一端部において接着される等して、一体的に取り付けられている。
【0053】
この脚パイプ54は、各支持棒10を与える第一、第二、及び第三のパイプ20,22,24と同様な構造を有する炭素繊維強化樹脂製の直管からなっており、また、第二のパイプ22と第三のパイプ24の接続部分にて構成される第二の屈曲部位52から、該第三パイプ24の端部に取り付けられた前記把持部18の先端までの長さと同一の長さを有して、構成されている。そして、このような脚パイプ54の2本のものが、それぞれ、一対の支持棒10,10の前記第一の屈曲部位50,50から、第三のパイプ24における把持部18の取付側に向かって、それぞれ、第三のパイプ24,24と平行して延び出しているのである。
【0054】
かくして、本実施形態では、一対の支持棒10,10を、第三のパイプ24側を下にして立てることにより、第三のパイプ24,24とそれらの端部にそれぞれ取り付けられた把持部18,18とにて、第二のパイプ22,22間に架設されたシート12部分からなる座席部36の二つの前側脚部が形成される一方、2本の脚パイプ54,54にて、該座席部36の後側脚部が形成されるようになっているのである。
【0055】
このように、本実施形態の座席式担架においては、座席部36の前側及び後側脚部が、一対の支持棒10,10の第三のパイプ24,24と2本の脚パイプ54,54とにて形成されているところから、載置部16に傷病者等を乗せた状態で、該載置部16を起こすことによって、傷病者等を椅子に座らせた如き状態をなすことが出来るのであり、それによって、例えば、エレベータ内等、傷病者等を載置部16上に寝かせた状態で搬送することが不可能な狭い場所等へも、載置部16上に乗せられた傷病者等を椅子に座らせた如き状態で運び込むことが可能となるのである。
【0056】
従って、このような座席式担架を用いれば、載置部16上に乗せられた傷病者等を上述の如き狭い場所へ搬送する際に、傷病者等に対する負担が効果的に軽減され得るのであり、また、載置部16を立てて傷病者等を椅子に座らせるようにして使用する場合には、搬送者が、載置部16が倒れないように支持するだけで良いため、搬送者に対する負担も有利に軽減され得ることとなるのである。
【0057】
なお、本実施形態では、脚パイプ54,54が、一対の支持棒10,10における第一の屈曲部位50,50に対して、それぞれ、接着される等して直接に且つ一体的に取り付けられていたが、その取付構造は、何等これに限定されるものではなく、適当な取付部材や固定部材等を介して、第一の屈曲部位50、或いは第一のパイプ20や第二のパイプ22等に取り付けるようにしても良い。
【0058】
また、図8には、脚パイプ54,54を一対の支持棒10,10に対して、それぞれ着脱可能に取り付けた例が示されている。即ち、本実施形態では、片側有底円筒状の固定筒体56,56が、各支持棒10を与える第一のパイプ20のそれぞれに対して、接着等により一体的に接合されている。そして、それら各固定筒体56の内孔内に、脚パイプ54を、その一端部において挿通せしめた状態下で、脚パイプ54の上端部に設けられた係止突起58を、固定筒体56の筒壁部に形成された係合孔60に係合せしめることによって、脚パイプ54が、固定筒体56に対して、着脱可能に挿通固定されるようになっているのである。
【0059】
また、ここでは、係止突起58が、球面形状を呈する先端面を有すると共に、図示しないばね等により突出方向に付勢せしめられた状態下で、突出/引込み移動可能とされていることによって、単に、脚パイプ54を固定筒体56の内孔内に挿通せしめるだけで、係止突起58の係合孔60に対する係合状態が得られるようになっており、更に、かかる係止突起58を押圧し、引込み移動させることによって、かかる係合状態が解除され、そして、その状態で、脚パイプ54を固定筒体56の内孔内から引き抜くだけで、脚パイプ54の固定筒体56から取り外され得るようになっているのである。
【0060】
かくして、本実施形態においては、座席部36の脚部が不必要な場合には、脚パイプ54を取り外して使用することが可能となり、それによって、狭い場所への搬送がない普段の使用時に、脚パイプ54が邪魔となって使用性が低下したり、或いは該脚パイプ54によって重量が嵩んで取扱性が低下したりするようなことが、有利に回避され得るのである。
【0061】
なお、この脚パイプ54を着脱可能に挿通固定する固定筒体56の構造や、かかる固定筒体56に対する脚パイプ54の固定構造、更には脚パイプ54自体の構造も、本実施形態に示されるものに限定されるものでないことは、言うまでもないところである。
【0062】
さらに、図9には、脚パイプ54,54を一対の支持棒10,10のそれぞれに設ける別の例が示されている。ここでは、第一のパイプ20,20(図示せず)に、その長さ方向に延びる円筒状の挿通部62を備えた第一の保持部材64の一対が、それぞれ、接着等により移動不能に一体接合され、この一対の第一の保持部材64,64のそれぞれの挿通部62に対して、各脚パイプ54が、各支持棒10の長さ方向に移動可能に挿通されると共に、所定の移動位置にて、固定的に保持せしめられるようになっている。
【0063】
より具体的には、図10からも明らかなように、一対の第一の保持部材64,64の挿通部62,62の筒壁部における互いの対向部位には、圧縮コイルばね66が一つずつ内装されたハウジング68,68が一体形成されている。更に、それら各ハウジング68内には、移動阻止手段としての係合ピン70が、圧縮コイルばね66にて、挿通部62の筒壁側に向かって付勢せしめられた状態で、その先端部において、挿通部62の筒壁部におけるハウジング形成部位に設けられた貫通孔72を通じて、該挿通部62の内孔内に突入せしめられている。そして、2本の脚パイプ54,54が、一対の保持部材64,64の挿通部62,62の内孔内に挿通せしめられた状態下で、該内孔内に突入せしめられた係合ピン70,70の先端部が、脚パイプ54,54に設けられた係合孔74,74内に更に突入し、係合せしめられることによって、脚パイプ54,54が、一対の第一の保持部材64,64のそれぞれの挿通部62内において、所定の移動位置にて、移動不能に保持せしめられ得るようになっているのである。
【0064】
また、係合ピン70,70は、それらの間に張架せしめられたワイヤ76によって互いに連結せしめられており、それによって、このワイヤ76を手前の方向等に引っ張れば、係合ピン70,70が、それぞれ、脚パイプ54,54の係合孔74,74及び挿通部62,62の貫通孔72,72から引き抜かれ、以て、各脚パイプ54の各第一の保持部材64に対する保持状態が解除されて、一対の支持棒10,10の長さ方向の両方向において、挿通部62内を再び自由に移動せしめられ得るようになっている。
【0065】
そして、ここでは、特に、係合孔74が、各脚パイプ54に対して、上下方向方向に三つ並んで設けられており、それら三つの係合孔74のうち、最上部に位置する係合孔74aに対して各保持部材64の係合ピン70が係合せしめられた際には、図9において実線で示される如く、各脚パイプ54の各挿通部62への挿通側とは反対側の先端が接地した状態下で、載置部16が上下方向に直立せしめられるようになっている。また、上下方向の真ん中に位置する係合孔74bに対して各保持部材64の係合ピン70が係合せしめられた際には、載置部16が後方に若干傾斜した状態とされるようになっている。そして、最下部に位置する係合孔74(図示せず)に対して各保持部材64の係合ピン70が係合せしめられた際には、図9に二点鎖線で示される如く、各脚パイプ54が、上方に大きく移動せしめられて、第一のパイプ20と重なるように位置せしめられる一方、各挿通部62からの下方への延出長さが極端に小さくされるようになっている。
【0066】
かくして、本実施形態では、載置部16を寝かせて使用する通常の使用状態において、各脚パイプ54を第一のパイプ20と重なるように位置させることにより、それら各脚パイプ54が邪魔とならないようして使用することが出来るのであり、また、載置部16を立てて傷病者等を椅子に座らせるようにして使用する場合には、各脚パイプ54にて、かかる椅子(座席部36)の脚部が、より迅速に且つスムーズに形成され得るのである。更に、本実施形態においては、載置部16を後方に傾斜させた状態で立てることが出来るところから、傷病者等を椅子に座らせるようにして使用する場合における傷病者等の負担が、より効果的に軽減され得るのである。
【0067】
なお、このように、脚パイプ54,54は、一対の支持棒10,10の第三のパイプ24,24と共に、座席部36の脚部を形成し、傷病者等を椅子に座らせた如き状態で、載置部16上に乗せ得るように為すものであるが、例えば、図11に示される如く、各脚パイプ54の先端部に、転動部材としての車輪75をそれぞれ設けても良い。このような構造を有する本実施形態においては、例えば、図11に示される如き状態から、上側の把持部18,18を把持して、担架全体を後ろ側(図11中、右側)に傾けることにより、各脚パイプ54の各車輪75のみを接地させ、各把持部18を押して、各車輪75を回転させるようにすれば、載置部16の座席部36上に腰掛けるようにして乗せられた傷病者等を、上側の各把持部18を把持する一人の搬送者にて、容易に搬送することが可能となるのであり、以て、より優れた使用性が発揮され得ることとなるのである。
【0068】
また、図示されてはいないものの、各支持棒10に対して、図9及び図10に示される如き構造を有する一対の第一の保持部材64,64を設けると共に、各脚パイプ54に対して、係合孔74を上下方向に多数設けることにより、各脚パイプ54が、上下方向の任意の移動位置で、各第一の保持部材64にて保持せしめられて、各脚パイプ54の、座席部16から下方に延び出す部分の長さが任意に変更され得るように構成し、そして、このような各脚パイプ54の先端部に、車輪75を、それぞれ設けるようにしても良い。
【0069】
このようにすれば、担架全体を後ろ側に傾けた際に、その傾きの大きさに応じて、脚パイプ54,54の第一の保持部材64,64に対する保持位置を変えることにより、座席部36から下方に延び出す部分の長さを短くすることによって、載置部16上に乗せられた傷病者等の重心と、担架の接地点である各車輪75との水平方向位置ずれを可及的に小さく為すことが出来るのである。従って、上述の如き構造によれば、搬送者が、把持部18を把持する高さ位置を変えても、それに応じて、脚パイプ54,54の、座席部36から下方に延び出す部分の長さを調節することにより、搬送者に掛かる荷重負担の増大が可及的に抑制され得、以て、より優れた使用性や取扱性が、更に一層有効に発揮され得ることとなるのである。なお、本実施形態においては、転動部材が、車輪75にて構成されていたが、かかる転動部材としては、転動によって担架を移動せしめ得るものであれば、コロやキャスタ等の公知の転動部材が何れも採用され得ることは、言うまでもないところである。
【0070】
また、図12及び図13には、一対の支持棒10,10のそれぞれにおける前記第一の屈曲部位50と第三のパイプ24の把持部18取付側端部との間に、第二の補助棒としての連結パイプ78が、それらを連結するように設けられてなる構造を有する例が、示されている。
【0071】
この連結パイプ78も、各支持棒10を与える第一、第二、及び第三のパイプ20,22,24と同様な構造を有する炭素繊維強化樹脂製の直管からなっており、両端部において、各支持棒10の第一の屈曲部位50と第三のパイプ24の把持部18取付側端部とに対して、接着等により一体的に固定されている。
【0072】
このような構造を有する本実施形態においては、例えば、載置部16に乗せられた傷病者等を窓を通じて屋内から屋外へ搬送する際や、塀等を乗り越えて搬送する場合等に、それら窓の枠や塀の内面或いは角部等に対して連結パイプ78,78を滑らせることによって、階段状に屈曲された形態を有する載置部16が、窓枠や塀の上端部に引っ掛かるようなことなく、窓内や塀の上を容易に且つスムーズに通過せしめられ得ることとなり、以て搬送者の負担が有利に軽減され得るのである。また、本実施形態にあっては、把持部18,18を把持する搬送者とは別の搬送者が、連結パイプ78,78を把持しつつ搬送することが可能となり、それによって、より優れた使用性が発揮され得るといった利点も得られるのである。なお、各支持棒10の第一の屈曲部位50と第三のパイプ24の把持部18取付側端部とに対する連結パイプ78の取付構造や、連結パイプ78自体の構造も、本実施形態に示されるものに、決して限定されるものでないことは、勿論である。
【0073】
さらに、図14には、脚パイプ(54)と連結パイプ(78)の機能を兼ね備えた補助パイプ80が設けられてなる構造の例が示されている。ここでは、補助パイプ80が、各支持棒10を与える第一、第二、及び第三のパイプ20,22,24と同様な構造を有する炭素繊維強化樹脂製の直管からなっている。また、各支持棒10の第一のパイプ20における載置部16の後側に、補助パイプ80を着脱可能に挿通固定する、第一の固定部材としての固定筒体56が設けられている一方、各支持棒10の第一の屈曲部位50と第三のパイプ24の把持部18取付側端部における各支持棒10の互いの対向側とは反対側の部分には、第二の固定部材としての固定ブッシュ82,84が、それぞれの中心軸を、第一の屈曲部位50と第三のパイプ24の把持部18取付側端部とを結ぶ直線と同一線上に位置せしめるようにして、それぞれ接着等により一体的に設けられている。なお、固定筒体56は、図8に示されるものと同様な構造を有しいる。また、各支持棒10の第一の屈曲部位50に設けられた固定ブッシュ82は、補助パイプ80が軸方向に移動可能に挿通せしめられる内孔を備えた円筒形状をもって構成されている一方、第三のパイプ24の把持部18取付側端部に設けられた固定ブッシュ84は、補助パイプ80の一端部が挿通可能な片側有底円筒形状を有して構成されている。
【0074】
そして、本実施形態では、図14において実線で示されるように、補助パイプ80を、その一端部において、固定筒体56に対して挿通固定することによって、かかる補助パイプ80が脚パイプ(54)として機能せしめられ得るようになっており、また、図14において二点鎖線で示される如く、補助パイプ80を固定筒体56から取り外して、固定ブッシュ82,84内に挿通して固定することにより、補助パイプ80が、連結パイプ(78)として機能せしめられ得るようになっているのである。なお、ここでは、補助パイプ80に設けられた二つの係止突起58,58を、固定筒体56と固定ブッシュ82にそれぞれ形成された係合孔60,60に係合せしめることにより、補助パイプ80が、固定筒体56及び固定ブッシュ82,84に対して固定されるようになっている。
【0075】
このような本実施形態においては、別部材にて構成された脚パイプ54,54と連結パイプ78,78の両方を一緒に設ける場合に比して、座席式担架全体の軽量化と、材料コストの低減が、共に有利に図られ得ることとなるのである。
【0076】
また、図15には、脚パイプ(54)と連結パイプ(78)の機能を兼ね備えた補助パイプ80が別の取付構造をもって設けられた例が示されている。ここでは、各支持棒10の第三のパイプ24の把持部18取付側端部における各支持棒10の互いの対向側とは反対側の部分に、固定ブッシュ84が、図14に示されるものと同様な構造をもって、位置固定に設けられている。また、各支持棒10の第一の屈曲部位50における各支持棒10の互いの対向側とは反対側の部分には、第一の保持部材としての保持ブッシュ86が設けられている。
【0077】
この保持ブッシュ86にあっては、図16に示されるように、一対の支持棒10,10の一方のものから他方のものに向かう方向において、該支持棒10に直角な方向に延びる回動軸88を介して、第一の屈曲部位50を構成する第一のパイプ20部分に取り付けられていることによって、該回動軸88回りに回動可能とされており、また断面六角形状の脚部を有する、回動阻止手段としての二つの固定ピン90,90が、筒壁部を径方向に挿通、配置せしめられて、成っている。そして、補助パイプ80が、その一端部において、かかる保持ブッシュ86内に挿通せしめられた状態下で、各固定ピン90が、その脚部において、該補助パイプ80と第一及び第二のパイプ20,22とにそれぞれ設けられた、該脚部に対応した六角形状の固定ピン挿通孔92,94,96内に、それぞれ挿通せしめられることによって、保持ブッシュ86の回動が、所定の回動位置にて阻止されると共に、補助パイプ80が、固定ブッシュ86に対して固定せしめられるようになっているのである。
【0078】
なお、ここでは、第一及び第二のパイプ20,22に対して、固定ピン挿通孔94,96が、対をなして二組設けられており、対を為す一方の組の固定ピン挿通孔94,96内に、各固定ピン90を挿通せしめることにより、図14において実線で示されるように、保持ブッシュ86が、第一のパイプ20の長さ方向に、中心軸の延出方向を一致せしめた第一の回動位置において、回動が阻止せしめられるようになっている。また、対を為す他方の組の固定ピン挿通孔94,96(図示せず)内に、各固定ピン90を挿通せしめることにより、図15において二点鎖線で示されるように、保持ブッシュ86が、前記固定ブッシュ84と同一の軸線上に位置する第二の回動位置において、回動が阻止せしめられるようになっているのである。
【0079】
かくして、本実施形態においては、保持ブッシュ86を前記第一の回動位置にて回動を阻止せしめた状態で、該保持ブッシュ86に対して補助パイプ80を固定することにより、該補助パイプ80が、脚パイプ(54)として機能せしめられ得るようになっており、また、保持ブッシュ86を前記第二の回動位置にて回動を阻止せしめた状態で、補助パイプ80の一端部を該保持ブッシュ86に固定すると共に、その他端部を固定ブッシュ84に固定することにより、該補助パイプ80が、連結パイプ(78)として機能せしめられ得るようになっているのである。このような本実施形態にあっても、脚パイプ(54)と連結パイプ(78)の両方の機能を備えた補助パイプ80を設けることによって得られる前述せる如き効果が、有効に享受され得ることとなるのである。
【0080】
なお、本実施形態では、保持ブッシュ86と固定ブッシュ84とが、各支持棒10の第一の屈曲部位50と第三のパイプ24の把持部18取付側端部とにおける各支持棒10の互いの対向側とは反対側の部分にそれぞれ設けられていたが、例えば、それら保持ブッシュ86と固定ブッシュ84とを、各支持棒10の第一の屈曲部位50と第三のパイプ24の把持部18取付側端部とにおける各支持棒10の互いの対向側に設けるようにしても良い。そうすれば、保持ブッシュ86に挿通せしめられる補助パイプ80が、第一のパイプ20に設けられる固定バンド30に邪魔されることなく、該第一のパイプ20の長さ方向に移動可能とされ、それによって、補助パイプ80を、第一のパイプ20と重なるような移動位置において固定的に保持することが可能となる。そして、その結果として、載置部16を寝かせて使用する通常の使用状態において、補助パイプ80,80を第一のパイプ20,20と重なるように位置させることにより、それら各補助パイプ80が邪魔とならないようにして使用することが出来るのであり、また、載置部16を立てて傷病者等を椅子に座らせるようにして使用する場合には、各補助パイプ80にて、かかる椅子(座席部36)の脚部が、より迅速に且つスムーズに形成され得ることとなるのである。
【0081】
また、図17〜図21には、各支持棒10を折り畳み可能となす構造の例が示されている。ここでは、支持棒10の一端部から該一端部側の屈曲部位までの、長さ方向の一方側の部分を与える第一のパイプ20と、支持棒10の該一端部側の屈曲部位からその他端部側の屈曲部位までの、長さ方向中間部分を構成する第二のパイプ22とが、第一の連結部材98を介して連結されており、また、支持棒10の他端部から該他端部側の屈曲部位までの、長さ方向の他方側の部分を与える第三のパイプ24と該第二のパイプ22とが、第二の連結部材100を介して連結されている。
【0082】
そして、それら第一及び第二の連結部材98,100のうち、第二の連結部材100は、図18に示される如く、雌部材102と雄部材104とを有して、成っている。また、雌部材102は、有底円筒状の取付部106を有しており、この取付部106の一方側の底部外面には、同一形状を呈する二つの連結円板108,110が、所定間隔をおいて互いに対向位置する状態で、一体的に設けられている。更に、かかる雌部材102にあっては、一方の連結円板108における他方の連結円板110側とは反対側の面に、円筒状突起112が、一体的に突出形成されている一方、他方の連結円板110における該一方の連結円板108側とは反対側の面には、略片側有底円筒形状を呈するハウジング114がねじ止めされている。
【0083】
また、このハウジング114内には、横断面六角形状を呈する係合ピン116が、その基部側端部を、該ハウジング114の底部から外方に突出させ、且つ先端部を、雌部材102における前記他方の連結円板110に設けられた貫通孔118を通じて、該他方の連結円板110と前記一方の連結円板108との対向面間に突入位置せしめた状態で、軸方向に移動可能に挿入されている。更に、該ハウジング114内には、圧縮コイルばね120が、その両端部を、ハウジング114の底部内面と、係合ピン116に設けられたフランジ部122とに対して係止せしめた状態で、収容されている。これによって、係合ピン116の基部側端部を摘んで、軸方向に引っ張ると、該係合ピン116の先端部が、二つの連結円板108,110の対向面間から、ハウジング114内に引込み移動せしめられ、また、その状態から、該係合ピン116に対する引っ張り力を解除すると、圧縮コイルばね120の付勢力により、該係合ピン116の先端部が、二つの連結円板108,110の対向面間に再び突入位置するように、突出移動せしめられるようになっているのである。
【0084】
一方、雄部材104は、有底円筒状の取付部124における一方側の底部外面に、雌部材102の二つの連結円板108,110と略同一の形状と、それら二つの連結円板108,110の間隔よりも僅かに小さな厚さとを有する連結円板126が、一体的に設けられている。また、図18及び図19に示される如く、この雄部材104の連結円板126の一方の面には、雌部材102に設けられる係合ピン116の先端部が挿入可能な二つの六角穴128a,128bが、互いに略180°の位相差をもって、形成されている。
【0085】
そして、このような構造とされた第二の連結部材100の雌部材102が、二つの連結円板108,110を外方に突出させつつ、取付部106において、前記第二のパイプ22の端部に内挿固定されている一方、雄部材104も、連結円板126を外方に突出させつつ、取付部124において、前記第三のパイプ24の端部に内挿固定されている。また、そのような状態下で、雄部材104の連結円板126が、雌部材102の二つの連結円板108,110の対向面間に挿入されると共に、それら三つの連結円板108,110,126のそれぞれの中心部に、回動軸130が挿通されていることによって、それら雌部材102と雄部材104とが、該回動軸130回りに回動可能に連結されているのである。
【0086】
また一方、第一の連結部材98は、図20に示される如く、六角穴128a,128bが、互いに略90°の位相差をもって形成されている以外、第一の連結部材100と同一の構造を有している。そして、かかる第一の連結部材98にあっては、雌部材102と雄部材104とが、それぞれの取付部106,124において、第二のパイプ22と第一のパイプ20の端部に、それぞれ内挿固定されていると共に、それら雌部材102の二つの連結円板108,110と雄部材104の連結円板126のそれぞれの中心部に挿通された回動軸130回りに回動可能に連結されているのである。
【0087】
かくして、第二のパイプ22と第三のパイプ24とが、第二の連結部材100を介して、回動軸回りに回動可能に連結されている一方、第一のパイプ20と第二のパイプ22とが、第一の連結部材98を介して、回動軸130回りに回動可能に連結されている。そして、図18及び図19に示される如く、第二のパイプ22と第三のパイプ24とが直角に屈曲せしめられた回動位置において、雌部材102の前記他方の連結円板110に設けられた係合ピン116の先端部が、雄部材104の連結円板126に形成された二つの六角穴128a,128bのうちの一方の六角穴128aに突入せしめられることにより、それら二つのパイプ22,24の回動軸130回りの回動が阻止されるようになっており、また、図20に示されるように、第一のパイプ20と第二のパイプ22とが直角に屈曲せしめられた回動位置において、雌部材102の前記他方の連結円板110に設けられた係合ピン116の先端部が、雄部材104の連結円板126に形成された二つの六角穴128a,128bのうちの一方の六角穴128aに突入位置せしめられることにより、それら二つのパイプ22,24の回動軸130回りの回動が阻止されるようになっている。これによって、図17に示される如く、第一、第二、及び第三のパイプ20,22,24が、階段状に屈曲せしめられた状態において固定的に組み付けられて、各支持棒10の階段状の屈曲形態が維持され得るようになっているのである。
【0088】
また、そのような状態から、第二の連結部材100において、係合ピン116の先端部を雄部材104における連結円板126の一方の六角穴128aから引き込み移動せしめ、そして、図19において矢印アにて示される方向に、第三のパイプ24を回動軸130回りに回動させて、図21に示される如く、第二のパイプ22と第三のパイプ24とが一直線となるように、それら二つのパイプ22,24を伸展せしめ、その状態下で、係合ピン116の先端部を、該連結円板126の他方の六角穴128bに突入せしめることにより、それら二つのパイプ22,24の回動軸130回りの回動が、再び阻止されるようになっている。一方、第一の連結部材98においても、係合ピン116の先端部を雄部材104における連結円板126の一方の六角穴128aから引き込み移動せしめ、そして、図20において矢印イにて示される方向に、第二のパイプ22を回動軸130回りに回動させて、図21に示される如く、第一のパイプ20と第二のパイプ22とを二つに折り畳み、その状態下で、係合ピン116の先端部を、該連結円板126の他方の六角穴128bに突入せしめることにより、それら二つのパイプ20,22の回動軸130回りの回動も、再び阻止されるようになっている。これによって、図21に示される如く、各支持棒10が、二つに折り畳まれると共に、その状態が維持され得るようになっているのである。
【0089】
このように、本実施形態においては、各支持棒10が二つ折りにされて、担架全体が、二つに折り畳まれ得るようになっているのであり、それによって、例えば、担架を収納する際等に、小さな収納スペース内に、コンパクトに収納され得、以て、より一層優れた取扱性が、極めて有効に発揮され得ることとなるのである。
【0090】
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
【0091】
例えば、前記実施形態では、担架のより一層の軽量化を図るために、シート12が、ポリビニルアルコール繊維からなる布にて構成されていたが、勿論、従来の如く、綿布や帆布等の布はくを用いることも可能である。
【0092】
また、そのようなシート12の一対の支持棒10,10間への架設構造は、特に限定されるものではないが、好ましくは、それら一対の支持棒10,10を含んで構成される、担架の骨組を与えるフレーム全体をくるみつつ、その端部同士を、例えばマジックテープやファスナー等にて連結したり、各支持棒10,10に対して、紐等で結び付けたりすることにより、該一対の支持棒10,10間に架設されることとなる。このようにすれば、シート12の取替えが極めて容易に行うことが出来、それによって、シート12を、常時、清潔に保つことが可能となるのである。
【0093】
さらに、前記実施形態では、炭素繊維強化樹脂製の3本のパイプ20,22,24を直角に接続して、一本化せしめることによって、全体として、階段状に屈曲せしめられた支持棒10が形成されていたが、炭素繊維強化樹脂製の1本のパイプ部材を階段状に屈曲変形せしめて、支持棒10を構成したり、或いは炭素繊維強化樹脂製の2本のパイプ部材や4本以上のパイプ部材を用いて、長さ方向中間部の二箇所において階段状に屈曲せしめられた支持棒10を構成しても、何等差し支えないのである。なお、支持棒10を複数本のパイプ部材にて構成する場合には、その接続構造が、前記実施形態に示されるものに、特に限定されるものでないことは言うまでもないところである。
【0094】
また、前記実施形態では、支持棒10が、各屈曲部において直角に屈曲せしめられていたが、それら屈曲部の屈曲角度は、何等これに限定されるものではなく、鈍角や鋭角とされていても良い。かかる屈曲部の屈曲角度が鈍角とされる場合には、載置部16上に乗せられる傷病者等が、より楽な状態で、載置部16上に寝かされ得ることとなる。
【0095】
さらに、支持棒10に対する把持部18の取付構造や、支持棒10と連結棒14の連結構造も、例示の構造に止まることなく、当業者に知識に基づいて、各種の構造が採用され得るものであることは、勿論である。
【0096】
また、前記実施形態では、把持部18が、リング形状をもって構成されていたが、従来の如く、かかる把持部18を、単なる棒形状において構成することも可能である。更に、把持部18をリング形状と為す場合にあっても、その内周部が、例示される如き形状に何等限定されるものではないのである。
【0097】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【発明の効果】
【0098】
以上の説明からも明らかなように、本発明に従う座席式担架にあっては、角部のある階段や狭い通路等でも容易に使用され得ると共に、坂道や階段等の傾斜場所で使用する際にも、搬送者の負担が極めて効果的に軽減され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う座席式担架の一例を示す平面説明図である。
【図2】図1に示される担架の側面説明図である。
【図3】図2における III−III 断面説明図である。
【図4】図2における部分拡大説明図である。
【図5】図4における V−V 断面説明図である。
【図6】本発明に従う座席式担架であって、座席部の脚部が一体的に設けられてなるものの例を示す側面説明図である。
【図7】図6に示された担架の背面説明図である。
【図8】本発明に従う座席式担架であって、座席部の脚部が着脱可能に設けられてなるものの例を示す側面説明図である。
【図9】本発明に従う座席式担架であって、座席部の脚部が移動可能に設けられてなるものの例を示す背面説明図である。
【図10】図9における部分断面拡大説明図であって、座席部の脚部を移動を所定の移動位置において阻止する移動阻止手段の構造を示している。
【図11】本発明に従う座席式担架であって、座席部の脚部に車輪を取り付けてなるものの例を示す側面説明図である。
【図12】本発明に従う座席式担架であって、各支持棒の屈曲部位と一端部とを連結する補助棒を設けてなるものの例を示す側面説明図である。
【図13】図11に示された担架の背面説明図である。
【図14】本発明に従う座席式担架であって、各支持棒の屈曲部位と一端部とを連結する補助棒と座席部の脚部とを設けてなるものの例を示す側面説明図である。
【図15】本発明に従う座席式担架であって、各支持棒の屈曲部位と一端部とを連結する補助棒と座席部の脚部とを設けてなるものの別の例を示す側面説明図である。
【図16】図14における部分断面拡大説明図であって、座席部の脚部を保持する保持部材の回動を、所定の回動位置において阻止する回動阻止手段移動の構造を示している。
【図17】本発明に従う座席式担架であって、各支持棒が折畳み可能とされたものの例を示す側面説明図である。
【図18】図17のA矢視における要部を拡大して示す、一部切欠図を含む要部拡大説明図である。
【図19】図17における部分拡大説明図である。
【図20】図17における部分拡大説明図である。
【図21】図17に示された座席式担架の使用状態を説明する図であって、該担架を二つに折り畳んだ状態を示している。
【符号の説明】
10 支持棒 12 シート
14a,14b 連結棒 16 載置部
18 把持部 36 座席部
38 谷部 40 山部

Claims (13)

  1. 両端に把持部(18)を有する支持棒(10)の一対を互いに平行に所定距離を隔てて位置せしめた状態において、それら支持棒(10)間にシート(12)を架設することにより、所定幅の載置部(16)が形成されるようにした担架において、
    前記一対の支持棒(10,10)を、それぞれ、炭素繊維強化樹脂からなる中空のパイプ部材(20,22,24)にて構成すると共に、該一対の支持棒(10,10)における互いに対応する位置で、且つ各支持棒(10)の長さ方向中間部の二箇所において、それら一対の支持棒(10,10)の平行状態を維持しつつ、同一の方向に、それら各支持棒(10)をそれぞれ屈曲せしめて階段状と為すことにより、前記載置部(16)の支持棒(10)長さ方向における中間部に段差を形成せしめて、座席部(36)する一方、前記支持棒(10)の両端に設けられる把持部(18)を、該支持棒(10)の延長線を含む垂直面内に位置する、手指の挿入可能な内孔を有するリングにて構成し、且つ該リングの内周部を、内周方向に連続した波型形状に形成して、担架取扱者が該リングの内孔内に手指を挿入して該リングを把持し得るようにしたことを特徴とする座席式担架。
  2. 前記一対の支持棒(10,10)のそれぞれの長さ方向中間部に、第一の補助棒(54)が、前記座席部(36)の後端部側から垂下するように設けられて、それら第一の補助棒(54)と、該座席部(36)の前端部側から垂下するように延びる該一対の支持棒(10,10)のそれぞれの端部側部分とにて、座席部(36)の脚部が形成されている請求項に記載の座席式担架。
  3. 前記第一の補助棒(54)が、長さ方向の一方側の端部において、前記支持棒(10)長さ方向中間部に対して着脱可能に設けられている請求項に記載の座席式担架。
  4. 前記第一の補助棒(54)を、前記座席部(36)の前端部側から延びる前記支持棒(10)の長さ方向において移動可能に挿通して、保持する筒状の挿通部(62)を備えた第一の保持部材(64)、該支持棒(10)の長さ方向中間部に設けられていると共に該第一の保持部材(64)の挿通部(62)に挿通されて、保持された状態下での該第一の補助棒(54)の移動を所定の移動位置にて阻止する移動阻止手段(70)が設けられている請求項2又は請求項3に記載の座席式担架。
  5. 前記第一の補助棒(54)の延出方向先端部に、転動部材(75)が設けられている請求項乃至請求項の何れか一つに記載の座席式担架。
  6. 前記座席部(36)の後端部側に位置する前記一対の支持棒(10,10)のそれぞれ長さ方向中間部と、該座席部(36)の前端部側から垂下するように延びる該一対の支持棒(10,10)の端部の間に、それらを相互に連結するように、第二の補助棒(78)が設けられている請求項に記載の座席式担架。
  7. 前記一対の支持棒(10,10)のそれぞれ長さ方向中間部に、第一の補助棒(54)が、前記座席部(36)の後端部側から垂下するように設けられて、それら第一の補助棒(54)と、該座席部(36)の前端部側から垂下するように延びる該一対の支持棒(10,10)のそれぞれの端部側部分とにて、座席部(36)の脚部が形成されている請求項に記載の座席式担架。
  8. 前記第一の補助棒(54)が、長さ方向の一方側の端部において、前記支持棒(10)長さ方向中間部に対して着脱可能に設けられている請求項に記載の座席式担架。
  9. 前記第一の補助棒(54)を、前記座席部(36)の前端部側から延びる前記支持棒(10)の長さ方向において移動可能に挿通して、保持する筒状の挿通部(62)を備えた第一の保持部材(64)、該支持棒(10)の長さ方向中間部に設けられていると共に該第一の保持部材(64)の挿通部(62)に挿通されて、保持された状態下での該第一の補助棒(54)の移動を所定の移動位置にて阻止する移動阻止手段(70)が設けられている請求項7又は請求項8に記載の座席式担架。
  10. 前記第一の補助棒(54)と前記第二の補助棒(78)とが同一の棒材(80)にて構成されると共に、前記支持棒(10)長さ方向中間部に、該棒材(80)を、その一端部において取り外し可能に固定する第一の固定部材(56)が設けられて、該棒材(80)が、該第一の固定部材(56)を介して、該支持棒(10)長さ方向中間部に対して着脱可能に設けられ、更に、該支持棒(10)長さ方向中間部前記座席部(36)の前端部側から垂下するように延びる該支持棒(10)の端部とに対して、該棒材(80)を、その両端部において取り外し可能に固定する第二の固定部材(82,84)が設けられて、該棒材(80)が、該第二の固定部材(82,84)を介して、該支持棒(10)長さ方向中間部該座席部(36)の前端部側から垂下するように延びる該支持棒(10)の端部とに対して着脱可能に設けられている請求項7乃至請求項9のうちの何れか一つに記載の座席式担架。
  11. 前記第一の補助棒(54)と前記第二の補助棒(78)とが同一の棒材(80)にて構成されると共に、前記第一の保持部材(86)が、前記一対の支持棒(10,10)のそれぞれの長さ方向中間部に対して、該一対の支持棒(10,10)の一方から他方に向かって該支持棒(10)に直角な方向に延びる回動軸回りに回動可能に設けられている一方、前記座席部(36)の前端部側から垂下するように延びる該支持棒(10)の端部に対して、該棒材(80)を、該第一の保持部材(64)て保持される側とは反対側の端部において位置固定に且つ着脱可能に保持する第二の保持部材(84)が設けられ、更に、該第一の保持部材(64)の回動を所定の回動位置にて阻止する回動阻止手段(90,90)が設けられている請求項7乃至請求項9のうちの何れか一つに記載の座席式担架。
  12. 前記第一の補助棒(54)の延出方向先端部に、転動部材(75)が設けられている請求項乃至請求項11の何れか一つに記載の座席式担架。
  13. 記支持棒(10)を構成する前記パイプ部材が、互いに独立した第一のパイプ部材(20)と第二のパイプ部材(22)と第三のパイプ部材(24)の三つのものからなり、該第一のパイプ部材(20)該第二のパイプ部材(22)とが、少なくともそれら二つのパイプ部材(20,22)を屈曲せしめた位置と二つに折り畳んだ位置との間で一軸回りに回動可能に連結し、且つ該屈曲位置と該折畳み位置とにおいてかかる回動が阻止されるように構成された第一の連結部材(98)を介して、相互に連結されている一方、該第二のパイプ部材(22)前記第三のパイプ部材(24)とが、少なくともそれら二つのパイプ部材(22,24)を屈曲せしめた位置と伸展させた位置との間で一軸回りに回動可能に連結し、且つ該屈曲位置と該伸展位置とにおいてかかる回動を阻止し得るように構成された第二の連結部材(100)を介して、相互に連結されており、該第一のパイプ部材(20)と該第二のパイプ部材(22)とを屈曲せしめた位置と、該第二のパイプ部材(22)と該第三のパイプ部材(24)とを屈曲せしめた位置において、該第一の連結部材(98)と該第二の連結部材(100)のそれぞれの回動が阻止されることにより、前記支持棒(10)を階段状と為した状態が維持され得るようになっている一方、該第一のパイプ部材(20)と該第二のパイプ部材(22)を二つに折り畳んだ位置と、該第二のパイプ部材(22)と該第三のパイプ部材(24)を展伸させた位置において、該第一の連結部材(98)と該第二の連結部材(100)のそれぞれの回動が阻止されることにより、前記支持棒(10)を二つに折り畳んだ状態が維持され得るようになっている請求項に記載の座席式担架。
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