JP4408140B2 - 雨傘除水機 - Google Patents

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Description

本発明は、濡れた傘からしずくを除去するための雨傘除水機に関する。
従来から、公共施設や店舗等の建物等に入る際、雨天時に使用して濡れた傘は建物等の出入口に備えた傘立てに立て掛けられるか、しずくが落ちないようにビニル袋に入れて持ち歩くのが一般的である。
出入口に立て掛けるためにはそのためのスペースが必要であったり、立て掛け具合によって出入口の安全性や景観が著しく損なわれたりするという問題があり、また、ビニル袋は一回使用されると再利用することなく廃棄されて無駄があり、濡れているために焼却処分の際に過大なエネルギーを必要とするという問題ある。
このような問題に対し、近年では使い捨てのビニル袋に代わって、濡れた傘に空気流を当ててしずくを除去して乾燥させる装置や傘を回転させて遠心力によりしずくを飛散させる等の特徴を有する装置等、種々の装置が提案乃至は実用化されている。
例えば特許文献1においては、送風力を必要以上に高めることなく、さまざまな様相を呈する傘の除水に効率的に機能する傘除水機を得ることを意図して、「すぼめた傘を、その石突きを下にし、露先を上にして挿抜及び回転させることができる除水処理空間と、この除水処理空間に入れた傘の外表に露先側から石突き側に向かって高速空気流を噴出する除水処理気流生成手段と、この除水処理気流生成手段による高速空気流を前記除水処理空間に入れた傘の外表に沿って露先側から石突き側に向かって斜めに案内する気流ガイドとを備えた傘除水機。」が提案されている。
ところが、特許文献1に記載の傘除水機は、高速空気流を噴出する除水処理気流生成手段が用いられていることから、装置の構造が煩雑になるとともに電力エネルギーの消費も必要とするため、その製造コスト及びランニングコストが高くならざるを得ないという問題があり、あまり普及していないのが実情である。
これに対し、例えば特許文献2においては、シンプルな構造で電力エネルギーを一切必要とせず、簡便かつ確実、短時間にしずくを吸水することができ、しかも吸水能力を一定に保持できる傘のしずく取り装置を提供することを意図して、装置ボディの傘の差込口に弾性を有する複数の吸水体を各吸水体間に所定間隔の隙間を形成するように放射状に設け、放射状に設けた複数の吸水体の中心部に傘の挿入空間を形成した傘のしずく取り装置が提案されている(特許文献2、要約及び請求項1等参照)。
上記特許文献2では、閉じた濡れた傘を挿入空間に差込んで隣接する各吸水体間の隙間に傘地をそれぞれ挿入し、傘の差込方向に沿って摺動させることで傘地表面のしずくを吸水体で吸水して除去することができると記載されている。また、上記特許文献2においては、前記吸水体に加えて、前記吸水体の下方に弾性を有する複数の吸水ローラを差込まれた傘を取囲むように放射状に配置し、同各吸水ローラを押圧して吸水した水を絞出する押圧片を設け、しずくを吸水しながら同時に絞出することにより吸水能力を一定に保持できるようにすることが提案されている(特許文献2、請求項10、図15〜図18参照)。
特開2005−201567号公報 特再表2004−001307号公報
しかしながら、上記特許文献2に記載のしずく取り装置においては、吸水体に含まれた水が吸水体から排出されにくく、ある程度の水分を含んだ後はしずくを十分に吸水して除去することができないという問題がある。また、上記特許文献2では、「ニットの裏側に防水コーティングを施された構造の布体を三角柱状の弾性材の表面に被覆し、同弾性材を硬質の補強板に着脱自在に取付けた吸水体」が好ましい態様として記載されているが、かかる吸水体は水を吸収する性能がさらに低く十分なしずく取り効果を維持することができない。
また、上記特許文献2において前記吸水体に加えて別途設けられる複数の吸水ローラは、折り畳まれた傘の先端部分に接する位置に配置されており、かつローラ形状を有していることから、傘カバーの主面には接することがなく、したがって、前記吸収体と組み合わせても、単独でも、傘カバーに付着した水を十分には吸水・除去することはできない。もし前記吸収体を省略し、前記吸水ローラの位置を上昇させて傘カバーの主面の一部に接触させる構成を採用したとしても、そのローラ形状から、前記吸水ローラは傘カバーの主面の一部により確実に接触させることができず、依然として傘カバーに付着した水を十分には吸水・除去することはできない。
そこで、本発明は、上記の問題点を解消すべく、好ましくは電力エネルギーの消費を必要とせず、特に吸水能力をほぼメンテナンスフリーで確実に維持することができ、シンプルな構造で、簡便かつ確実、短時間に、傘カバーに付着した水を十分に吸水・除去することができる雨傘除水機を提供することを目的とする。
本発明者は、上述のような課題を解決すべく、折り畳まれた傘の傘カバーに接触する弾性吸収体の構造について鋭意検討を重ね、雨傘除水機の試作及び除水操作の実験を幾度と無く繰り返すことにより、折り畳まれた傘の長さ方向において傘カバーの主面の少なくとも一部に面接触する略矩形部分を弾性吸収体に設けるとともに、当該弾性吸収体を搾る圧搾装置を採用すれば、上記課題を有効に解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
筐体と;
前記筐体に設けられた傘差込口と;
前記筐体内において、前記傘差込口の上面の略法線方向上側からみて、所定の間隔をあけて放射状に設けられた複数の弾性吸水体と;
前記複数の弾性吸水体の中心部に形成された挿入空間と;
前記弾性吸収体を搾る圧搾装置と;
を有し、
前記弾性吸収体は、折り畳まれた傘の長さ方向において傘カバーの主面の少なくとも一部に面接触する略平面状の略矩形面部分を有しており、
前記折り畳まれた傘を前記挿入空間に挿入することにより、前記傘カバーに付着した水分を前記弾性吸収体によって吸収・除去し、前記圧搾装置によって前記弾性吸収体を搾ることにより、前記弾性吸収体に吸収された水分を排出することを特徴とする雨傘除水機に関する。
ここで、本発明における「折り畳まれた傘の長さ方向において傘カバーの主面」とは、折り畳まれた傘の長さ方向において傘カバー部分の中心位置を、少なくとも含む面のことをいう。本発明における前記弾性吸収体が有する「略平面状の略矩形面部分」は、傘カバーの主面の少なくとも一部に面接触する機能を有するものであり、したがって、「略平面状」は、平滑な平面の他、微少な突起(連続又は非連続の直線状のリブを含む。)、穴(クレーター)、連続又は非連続の溝等を有する平面を含む概念であり、また、完全な平面状でなくても、例えば周辺部に熱がかけられて全体として外側に向かって緩やかな傾斜部を有している平面をも含む概念である。「略矩形」は、当然に正方形や長方形を含むが、必ずしも4隅の角度が直角である必要はなく、台形や平行四辺形も含む概念である。
本発明における「圧搾装置」は、弾性吸収体を搾って弾性吸収体に含まれた水分を当該弾性吸収体の外部に排出する機能を有するものであり、バリエーションとして、方向を問わず弾性吸収体の少なくとも一部を押し込んで水を排出する機構(圧縮搾り)、弾性吸収体を引っ張って水を排出する機構(延伸搾り)、又は弾性吸収体を捻って水を排出する機構(捻転搾り)等を含む。本発明においては、圧縮、延伸及び捻転等のいずれかの態様であるかを問わず、弾性吸収体に物理的な力(圧力)を加えて当該弾性吸収体から水を排出させることを「圧搾」という。また、上記のような機構は手動式であっても電動式であってもよいが、電力エネルギーの消費を要しないという観点から、好ましくは手動式であるのが好ましい。なお、「手動式」とは、「電気式」の反対の概念であり、手を用いる場合も足を用いる場合も含む概念である。
このような本発明の雨傘除水機によれば、好ましくは電力エネルギーの消費を必要とせず、吸水能力をほぼメンテナンスフリーで確実に維持することができるとともに、折り畳まれた傘の長さ方向において傘カバーの主面の少なくとも一部に面接触する略平面状の略矩形部分を有する弾性吸収体を具備することから、シンプルな構造で、簡便かつ確実、短時間にしずくを吸水することができ、かつ、弾性吸収体を搾る圧搾装置を具備することから、吸水能力をより確実に維持することができ、製造コスト及びランニングコストを低減することができる。
以上のように、本発明によれば、好ましくは電力エネルギーの消費を必要とせず、特に吸水能力をほぼメンテナンスフリーで確実に維持することができ、シンプルな構造で、簡便かつ確実、短時間に、傘カバーに付着した水を十分に吸水・除去することができる雨傘除水機を提供することができる。
本発明の雨傘除水機の好適な一実施の形態の側面図である。 図1に示す雨傘除水機の縦断面図である。 図1及び図2におけるX線方向から雨傘除水機をみた場合の図である。 本発明の一実施の形態の雨傘除水機に含まれる弾性吸水体の構成を示す概略斜視図である。 本発明の一実施の形態の雨傘除水機の構成の一部の位置関係を概念的に示す図である。 本発明の一実施の形態の雨傘除水機の機構を説明するために、同雨傘除水機の一部を概念的に示す図である。 本発明の一実施の形態の雨傘除水機の機構を説明するために、同雨傘除水機の一部を概念的に示す図である。 弾性吸収体6の変形例を示す図である。 圧搾機構の変形例を示す図である。 圧搾機構の別の変形例を示す図である。 本発明の雨傘除水機の好適な第二の実施の形態の主要部分の構造を示す分解斜視図である。 図11に示す雨傘除水機の主要部分における弾性吸収体6の構造を示す分解斜視図である。 弾性吸収体部分6aの変形例を示す図である。 弾性吸収体部分6aの別の変形例を示す図である。 弾性吸収体部分6aのさらに別の変形例を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の雨傘除水機の好適な実施の形態について説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の発明の思想の範囲内において種々の設計変更が可能であり、かかる設計変更後の発明も当然に本発明に含まれるものである。なお、図面に示す雨傘除水機は思想としての本発明を概念的に説明するためのものであるから、各構成要素の寸法やそれらの比は実際のものとは異なる場合もある。また、以下では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略することもある。
《第一の実施の形態》
図1は、本発明の雨傘除水機の好適な第一の実施の形態の側面図であり、図2は、図1に示す雨傘除水機の縦断面図である。また、図3は、図1及び図2におけるX線方向から雨傘除水機をみた場合の図である。図4は、本実施の形態の雨傘除水機に含まれる弾性吸水体の構成を示す概略斜視図であり、図5は、本実施の形態の雨傘除水機の構成の一部の位置関係を概念的に示す図である。さらに、図6及び図7は、本実施の形態の雨傘除水機の機構を説明するために、同雨傘除水機の一部を概念的に示す図である。
本実施の形態の雨傘除水機1は、図1〜図3及び図5に示すように、筐体2と、筐体2に設けられた傘差込口4と、筐体2内において、傘差込口4の上面の略法線方向(即ち、図1及び図2におけるX線方向)からみて、所定の間隔をあけて放射状に設けられた6個の弾性吸水体6と、6個の弾性吸水体6の中心部(即ち、図2において傘差込口4の外形を示す円の中心点付近)に形成された挿入空間8と、弾性吸収体6を搾るための圧搾装置10と、を有する。特に、弾性吸収体6は、図4に示すように、折り畳まれた傘の長さ方向において傘カバーの主面の少なくとも一部に面接触する2つの略平面状の略矩形面を有する弾性吸収体部分(略平面状の略矩形面部分)6aを有する。
この雨傘除水機1においては、濡れた雨傘を折り畳んだ状態(巻いたり結んでいない状態)で挿入空間8に挿入すると、傘カバーに弾性吸収体部分6が面接触し、雨傘に付着した水分が弾性吸収体6によって効果的に吸収・除去され、弾性吸収体6に吸収された水分は圧搾装置10によって排出されるため、弾性吸収体6の水分吸収・除去機能が長期に亘って維持される。
以下、本実施の形態の雨傘除水機1の構成及び機構を、図面を参照しながらより詳細に説明する。筐体2は、図1に示すように、雨傘除水機1の最外枠部分を構成する部材であり、その内部は、逆円錐形部2aと、底面板2bと、固定板2cと、仕切板2dと、水平板2eとで構成されている。底面板2bは逆円錐形部2aの最下面部分に固定されており、固定板2cは逆円錐形部2aの内側面に固定されている。この逆円錐形部2aの内部において、雨傘に付着した水分が吸収・除去される。
筐体2、逆円錐形部2a、底面板2b、固定板2c、仕切板2d及び水平板2eは、それぞれ独立して種々の材料で構成することができ、例えばポリプロピレン又はポリエチレン等の熱可塑性樹脂やブリキやステンレス等の金属等で構成することができる。一体成型を用いることができ製造に便利という観点からは、筐体2、逆円錐形部2a、底面板2b、固定板2c、仕切板2d及び水平板2eのすべてを同じ材料で構成するのが好ましい。
なかでも、特に雨傘除水機1のコアを構成する逆円錐形部2a、底面板2b、固定板2c、仕切板2d及び水平板2eを同じ材料で一体成型で構成するのが好ましい。このような態様によれば、コア部分を共通させつつ筐体2を種々のデザインに対応させて設計変更することができ、ユーザーの希望に応じた雨傘除水機1のデザイン変更を容易に行うことができる。
逆円錐形部2aの内部には、傘挿入口4側から挿入空間8を形成しつつ6個の弾性吸収体6が配置され、これら6個の弾性吸収体6の少なくとも底部が固定板2cに固定されている。また、固定板2cの中心部分には、挿入空間8と略同一の径の開口部が設けられている。
傘挿入口4は、図3に示すように、例えば略星形の開口部4aを有しており、放射状に設けられた6個の弾性吸収体6の弾性吸収体部分6aが開口部4aから(即ち、傘差込口4の上面の略法線方向上側から)見えている。また、6個の弾性吸収体6の中心部分には、雨傘を挿入することのできる挿入空間8が形成されている。
かかる傘挿入口4も、筐体2等と同様の材料で形成されていてよいが、弾性吸収体6の装着・脱着を可能とするためにも、筐体1や逆円錐形部2a等とは別部材として、筐体2又は逆円錐形部2aにネジ又はボルト・ナット等で装着及び脱着が可能な態様で固定されるように構成されることが好ましい。
次に、弾性吸収体6は、折り畳まれた傘の長さ方向において傘カバーの主面の少なくとも一部に面接触する略平面状の略矩形面部分を有するが、本実施の形態においてより具体的には、図4に示すように、上底(L1+L1)が下底(L2+L2)よりも若干長い逆等脚台形の形状を、左右対称に折り曲げた形状を有し、傘差込口24の上面の略法線方向からみてV字形状で、略法線方向に長さを有し、2つの略平面状の略矩形面を有する弾性吸収体部分6aと、その裏面(図3における円の径方向外側の面)に接着された押圧板6bと、で構成されている。
弾性吸収体6の固定板2cへの固定の方法は特に制限されないが、例えば、弾性吸収体6の下底部分に略円筒形の穴部を形成するとともに、固定板2cの上面に略円筒形の突起部を設け、当該突起部を上記穴部に挿入して弾性吸収体6と固定板2cを嵌合させる方法、ボルト及びナットで弾性吸収体6と固定板2cを結合する方法、接着剤で弾性吸収体6と固定板2cを接合する方法等が挙げられる。これらの方法のうちの複数を組み合わせて採用してもよい。
また、弾性吸収体6(弾性吸収体部分6a)は、雨傘の形状(特に折り畳んだ状態の傘の傘カバーの形状)に対応して沿うように変形する程度の弾性と、雨傘に付着している水分を吸収・除去することができる程度の水吸収力と、搾ることによって水分を排出することができる水排出力と、を有することが必要である。
かかる弾性吸収体6(弾性吸収体部分6a)を構成する材料としては、種々の材料を用いることができ、例えばポリビニルアルコール(PVA)、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル及びゴム等の熱可塑性樹脂、並びに天然繊維等が挙げられる。また、弾性吸収体6の形態としては例えばスポンジや不織布等が挙げられる。上記のような弾性、水吸収力及び水排出力をより確実に有するという観点からは、弾性吸収体6(弾性吸収体部分6a)は、PVAスポンジ等の熱可塑性樹脂製スポンジで構成されているのが好ましい。
また、雨傘除水機1内において、弾性吸収体部分6aは水分に曝される期間が長いため、抗菌処理及び/又は抗カビ処理されていることが好ましい。弾性吸収体部分6aを抗菌処理及び/又は抗カビ処理の方法としては種々の方法があるが、例えば弾性吸収体部分6aの製造工程(特にスポンジの製造工程)において、抗菌剤及び/又は抗カビ剤を練り込むことが考えられる。
このような抗菌処理及び/又は抗カビ処理に用いることのできる抗菌剤及び/又は抗カビ剤としては従来公知のものを用いることができるが、例えば北興産業(株)製の各種ホクスター、ホクサイド、ホクシャイン、IRGAGUARD、ZNOUVE、ドーブライト、ホクバリン、並びに竹炭及び梅種炭等の活性炭等が挙げられる。雨傘及び弾性吸収体部分6aがアルカリ及び酸に曝されると損傷を受けることが考えられるため、例えばホクサイドZPT等の、pHが中性領域(例えば約6.5〜約7.5)である抗菌剤及び/又は抗カビ剤を用いるのが好ましい。
また、弾性吸収体部分6aの裏面に設けられている押圧板6bは、圧搾装置10によって弾性吸収体部分6aに十分に圧搾力を伝達できる機能を有するものであり、即ち、ある程度の剛性及び硬度を有することが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルやポリカーボネート(PC)等の熱可塑性樹脂や、アルミニウムやステンレス等の金属を用いることができる。なお、弾性吸収体部分6aと押圧板6bとは、従来公知の接着剤等で接合すればよい。
次に、本実施の形態の圧搾装置10は、圧搾機構部と圧搾機構部に動力を伝える動力部とで構成される。圧搾機構部は、図2及び図5〜図7に示すように、円形板10a、円形板10aに係合した多数の孔を有する中空の筒状部材10b、環状部材10c1及び10c2、並びに円形板10aと環状部材10c1及び10c2とを接続する2本の長尺状部材10dを含む。
本実施の形態においては、2本の環状部材10c1及び10c2と、2本の長尺状部材10dとを用いたが、本発明はこれらの本数に限定されるものではない。環状部材については、本数が多いほど弾性吸収体6(弾性吸収体部分6a)を圧搾する箇所が増えるため、より高い圧搾効果が得られることが期待される。
また、長尺状部材については、本数が多いほど高い剛性が得られるため、強い力がより確実に弾性吸収体6(弾性吸収体部分6a)に伝達されてより高い圧搾効果が得られることが期待される。なお、長尺状部材の形状は棒状に限定されず、条状や板状等でもよい。動力部は、ペダル14、ペダル14に支点Aを経て部分Bにおいて回動可能に接続された棒状の動力伝達体14a、及び伝達体14aの一部に設けられた動力伝達フランジ14bを含む。
これら圧搾機構部及び動力部は、弾性吸収体6(弾性吸収体部分6a)に強い力を伝達するものであるため、比較的強い剛性及び硬度を有する必要があるため、例えばPET又はPC等の熱可塑性樹脂やアルミニウム、鉄又はステンレス等の金属で構成されているのが好ましい。ただし、金属を用いる場合には、防錆塗料を塗布する等して錆止め処理を施しておくことが好ましい。
ここで、本実施の形態の雨傘除水機1の弾性吸収体6に含まれている水分が排出される機構を、雨傘除水機1のコア部分の一部を概念的に示す図5と、かかるコア部分の動きを概念的に示す図6及び図7を参照して、より詳細に説明する。
まずステップ1として、ユーザーがペダル14を踏むことにより、支点Aを経て部分Bに接続された棒状の動力伝達体14aが上側に移動する。このとき、図6に示すような位置関係で圧搾装置10の円形板10aに筒状部材10bが係合しているため、まず動力伝達体14aが筒状部材10bのみを矢印X1の方向に押し上げる。
そうすると、図7の(a)に示すように、筒状部材10bのみが6個の弾性吸収体6の内側部分に接しつつ挿入空間8に入り込む。これによって、弾性吸収体6が内側(即ち、図2において傘差込口4の外形を示す円の径方向内側)に向かって移動することが妨げられる。また、この際、長尺状部材10dは線m1及びm2で示される位置に存在することになる。
次にステップ2として、ユーザーがペダル14を更に深く踏み込むことにより、動力伝達体14aが更に上側に移動し、動力伝達体14aに設けられた動力伝達フランジ14bが、円形板10aを矢印X1の方向に押し上げる(図6)。
そうすると、図7の(b)に示すように、6個の弾性吸収体6の内側への移動が筒状部材10bによって妨げられながら、円形板10aに接続された環状部材10c1及び10c2並びに長尺状部材10dが矢印X1の方向に押し上げられ、長尺状部材10dが線m1及びm2で示される位置よりも内側に移動して環状部材10c1及び10c2が弾性吸収体6を内側に圧縮することになる。
これによって、弾性吸収体6のうちの弾性吸収体部分6aが互いに圧縮し合って圧搾され、水分が弾性吸収体部分6aから排出されることになる。そして、ペダル14を離せば、筒状部材10b及び円形板10aが下側に移動して挿入空間8が確保され、再度本実施の形態の雨傘除水機1を使用することができる。
したがって、ユーザーが雨傘除水機1を連続して使用しても、定期的にペダル14を踏み込むことによって弾性吸収体6の水分を排出させることができ、繰り返して雨傘除水機1を使用することができる。上記ではステップ1及びステップ2に分けて説明したが、これらは一連のペダル操作として行うことができるため、ユーザーにとって雨傘除水機1の使用方法は非常に容易である。
なお、仕切板2d及び水平板2eは、G線で示される水平面に略平行になるように、筐体2の内側面に固定されており、仕切板2dと水平板2eとの間の空間12bは、水分を貯めたり筐体2から排水したりするために利用される。
例えば、上記空間12bは密閉させて、トレイ(及びスポンジ等)を設置可能にしておき、そこに排水を貯めて定期的に処分すればよい。また、上記トレイとともに、又は、上記トレイに代えて、上記空間12bから筐体2の外部にチューブ12a等を繋いでおけば、自動的に排水することが可能である。
また、水平板2eの下部には、例えば鉄製のある程度の重さを有する土台板16が設けられている。この土台板16は重さを有することにより、ペダル14の踏み込みや圧搾装置10の動きを伴う雨傘除水機1を安定的に使用することができる。
この土台板16には、図示していないが、筐体2の上端付近又は上端よりも上方に延びる取っ手、及び、キャスタを接続するのが好ましい。このような態様によってもペダル14の踏み込みや圧搾装置10の動きを伴う雨傘除水機1を安定的に使用することができるし、雨傘除水機1の製造工程及び取扱いが容易となる。
本実施の形態の雨傘除水機1においては、例えば高さが70cmであり、図2における矢印Xの方向と線Gの方向とが成す角度αが55°であるが、高さは約50cm〜約80cmであり、上記角度αが約50°〜約60°であるのが好ましい。このような範囲であれば、短い傘から長い傘まで大人から子供まで、雨傘を容易に傘差込口4から挿入することができる。
(変形例1−1)
以上、本発明の第一の実施の形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。例えば、弾性吸収体6の形状は、図8に示すような形状を有していてもよい。図8は、弾性吸収体6の変形例を示す図である。
図8に示す弾性吸収体6は、折り畳まれた傘の長さ方向において傘カバーの主面の少なくとも一部に面接触する2つの略平面状の略矩形面を有する弾性吸収体部分(略平面状の略矩形面部分)6aを有するとともに、図4に示す弾性吸収体6の折り曲げられた内部空間にも弾性吸収体が詰まったような形状を有し、上部扇形面と、上部扇形面よりも小さい面積の下部扇形面と、が略平行に位置した略棒状の形状を有しており、外周面に押圧板6bが接合されている。
(変形例1−2)
また、上記実施の形態においては、圧搾装置10が弾性吸収体6を一定の方向に圧縮により圧搾する態様を説明したが、これにのみ限定されるものではない。例えば図9に示すように、ペダル14にギア18及び20を接続して、ペダル14を踏み込むことによって円形板10aが矢印X1の方向に押し上げられるような構成としてもよい。図9は、圧搾機構の変形例を示す図である。図9に示す構成によれば、弾性吸収体6は図2における矢印Xの方向において長手方向に圧縮されて圧搾されることになる。このような構成によっても、弾性吸収体6に含まれる水分を効果的に排出させることができる。
(変形例1−3)
さらに、図9において、円形板10aが矢印X1の方向に押し上げられるのではなく、円周方向に回転する態様であってもよい。ただしこの場合、弾性吸収体6は固定板2cだけではなく、例えば傘差込口4にも固定しておく。そうすれば、上下で固定された弾性吸収体6は、円形板10aの回転によって捻られ、捻転によって圧搾されて水分を排出することになる。
弾性吸収体6の傘差込口4への固定は、種々の方法で行うことができ、円形板10aへの固定と同様に行えばよい。図8に示す弾性吸収体6を用いる場合には、この弾性吸収体6の内部に上面から下面に貫通する孔を形成し、ここに可撓性を有するチューブを円形板10aに接続して固定し、当該チューブに弾性吸収体6を通す。そして、前記チューブの上端部を傘差込口4に固定できるように、傘差込口4の下面に前記チューブに差し込み可能な突起部を設けておけばよい。
(変形例1−4)
さらに、図10に示すような態様も考えられる。図10は、圧搾機構の別の変形例を示す図である。図10の(b)に示すように、この変形例では、図8に示す弾性吸収体6のうちの弾性吸収体部分6aのみが10個配置されており、2個の弾性吸収体6の対向する端面に、図10の(a)に示す構造を有するスライド板22が設けられている。
このスライド板22は、側面に長手方向に沿って突条部22aを有し、外側には、逆円錐形部2aの内周面に対向する部分に、突部22bを有する。この変形例においては、逆円錐形部2aの内周面に、この突部22bが摺動可能に係合する溝を設ける。そして、ペダル14を踏み込むことによって、図10の(b)における矢印の方向にこれらスライド板22が移動し、10個の弾性吸収体6が当該矢印の方向に圧縮、圧搾されて、水分を排出することになる。
(変形例1−5)
また、上記実施の形態の圧搾装置10に代えて、図8に示す弾性吸収体6のうちの弾性吸収体部分6aの上端のみを傘差込口4に固定し、下端に引っ張り部材を接続する態様も考えられる。この態様によれば、ペダル14の踏み込みによって、引っ張り部材を引っ張ることによってこれに接続された弾性吸収体を延伸して搾ることができる。これによっても弾性吸収体の水分を効果的に排出させることができる。
(変形例1−6)
上記第一の実施の形態及び変形例1−1〜変形例1−5においては、ペダルを踏んで圧搾装置10を操作する足踏み式の態様について説明したが、圧搾装置10の操作はこれに限定されるものではなく、例えば、レバー及びギアボックスを用いて手動で環状部材10c1及び10c2を上昇させて弾性吸収体6を圧搾する手押し式の態様を採用してもよい。このとき、複数のギアを用いれば、ギア比をコントロールすることによって、圧搾に必要な力を低減することもできる。また、足踏み式と手押し式の両方を採用してもよい。
なお、第一の実施の形態においては、筒状部材10bを用いる態様を説明したが、筒状部材10bが無くても弾性吸収体6同士が互いに押圧し合って水分を搾り合うことができるため、筒状部材10bを省略することも可能である。また、第一の実施の形態では、筒状部材10bは平常時は下部に位置しペダル14を踏むことによって上昇する態様について説明したが、筒状部材10bが平常時から上部において弾性吸収体6間に位置し、傘を挿入した際に下降する態様としてもよい。
《第二の実施の形態》
図11は、本発明の雨傘除水機の好適な第二の実施の形態の主要部分の構造を示す分解斜視図であり、図12は、図11に示す雨傘除水機の主要部分における弾性吸収体6の構造を示す分解斜視図である。本実施の形態の雨傘除水機は、上記第一の実施の形態と異なり、傘を差し込む方向が略垂直方向である。なお、第一の実施の形態において、変形例として、傘を差し込む方向を略垂直方向としてもよいし、後述するように、本第二の実施の形態において、傘を差し込む方向を、略垂直方向に対して斜めの方向としてもよい。
本実施の形態の雨傘除水機の主要部分は、図11に示すような構成を有している。即ち、天蓋21と、開口部24aを有する傘差込口(上蓋)24と、天蓋21及び傘差込口24を受けるとともに、開口部26a及び弾性吸収体6の上側から弾性吸収体6の間に位置するガイド26bを有する内蓋26と、8個の弾性吸収体6と(ただし、図11においては、一部の弾性吸収体6を省略している。)、環状部材からなる圧搾装置10と、弾性吸収体6を受ける本体部30と、が設けられている。8個の弾性吸水体6は、傘差込口24の上面の略法線方向上側からみて、所定の間隔をあけて放射状に設けられており、8個の弾性吸水体6の中心部(即ち、図11において傘差込口24の外形を示す略円の中心点付近)には挿入空間(図示せず。)が形成されている。
弾性吸収体6は、傘差込口24の上面の略法線方向(垂直方向)上側からみて、径方向に移動可能な状態で本体部30に配置されている。図示しないが、例えば本体部30の上面には、弾性吸収体6が摺動可能な溝が設けられており、内蓋26に設けられているガイド26bと、圧搾装置10に設けられているガイド32及びガイド32内に設けられている軸32a(この軸はガイド32内において連続でも非連続でもよい。)とによって、弾性吸収体6は軸32aを支点として上記挿入空間の中心点側へと向かう方向に傾斜可能に位置決めされている。即ち、隣接する弾性吸収体6は、軸32aを支点として上記挿入空間の中心点側へと向かう方向に傾くことにより、互いに押し合って圧縮されて搾られる。
筐体(図示せず。)の前面には、上下に移動可能なレバー34と、筐体(図示せず。)に設けられたレバーカバー36と、レバー34とともに上下に移動可能なレバー受け38と、が設けられており、レバー受け38は支柱40a及び40bによって上下に移動可能に位置決めされている。
レバー受け38は、平常時にはバネ42a及び42bによって上側に位置し、レバー34を下に押すことによって一緒に下降する。このとき、レバー受け38に接続されるラック44aが下降することによって、ギア46が回転し(回転軸48aによって、本体部30に設けられた軸受け部48bに位置している。)、ラック44bに接続される側面受部50を上昇させる。
このように、側面受部50が上昇することにより、側面受部50に接続された環状部材からなる圧搾装置10も同時に上昇する。そして、圧搾装置10の上昇によって、弾性吸収体6が、傘差込口24の上面の略法線方向からみて径方向内側に移動し、互いに押圧される。
ここで、図12を参照しながら、本実施の形態における弾性吸収体6の構造について説明する。図12に示すように、弾性吸収体6は、正方形ないしは長方形の形状を左右対称に折り曲げた形状を有し、傘差込口24の上面の略法線方向からみてV字形状で、略法線方向に長さを有し、2つの略平面状の略矩形面を有する弾性吸収体部分6aと、弾性吸収体部分6aが接続される弾性吸収体受6bと、弾性吸収体部分6bを弾性吸収体受6bに接続するための押え板6cと、弾性吸収体受6bに接続される押圧部材6dと、を含む。
そして、図11に示すように、押圧部材6dには、垂直方向に対し上側に向かって所定の角度を有するスリット6eが設けられており、スリット6eを有する耳部分6fも垂直方向に対して上側に向かって所定の角度で外側に開いている。このスリット6eに、ガイド32内の軸32aが位置することになる(なお、変形例として、スリット6eを有する耳部分6fは、垂直方向に対して下側に向かって所定の角度で外側に開いていてもよい。)。
図11に示すように、このような構造を有する弾性吸収体6の外側において、環状部材からなる圧搾装置10が上昇すると、圧搾装置10が弾性吸収体6の耳部分6fを矢印Yの方向に押し(図12参照)、弾性吸収体6は、傘差込口24の上面の略法線方向からみて径方向内側に移動して互いに押圧し合い、弾性吸収体部分6aに含まれる水分が排出されることになる。
その後、レバー34をバネ42a及び42bの力によって自然上昇させると、圧搾装置10は下降し、ガイド32に設けられた軸32aがスリット6e内に位置することから、弾性吸収体6には矢印Yとは反対の方向に力が働き、弾性吸収体6は傘差込口24の上面の略法線方向からみて径方向外側に移動して元の位置に戻る。
(変形例2−1)
以上、本発明の第二の実施の形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。例えば、第二の実施の形態において、弾性吸収体部分6aの形状は、図13又は図14に示すような形状を有していてもよい。図13及び図14は、弾性吸収体部分6aの変形例を示す図である。図13及び図14に示す弾性吸収体部分6aは、図12における矢印Z方向から弾性吸収体部分6aをみた図であり、矢印で示される方向に傘が挿入されてこの弾性吸収体部分6aに接触することになる。
第一の実施の形態において説明したように、弾性吸収体部分6aは種々の材料を用いて構成することができるが、特に各種熱可塑性樹脂のスポンジで構成した場合、表面が極め細やか過ぎることがある。この場合、傘との接触面積が多くなって傘の滑り具合が悪くなり、傘を傘差込口24から挿入しにくくなるおそれがある。これに対し、本変形例においては、傘の挿入方向に対して略垂直な方向(図13)又は略平行な方向(図14)に、複数本の溝52を設ける。
このような溝を設けると、弾性吸収体部分6aと傘カバーとの接触面積が少なくなり、傘の挿入に対する抵抗が低下し、挿入し易くなるというメリットがある。また、特にポリビニルアルコール製スポンジを弾性吸収体部分6aに用いる場合、ポリビニルアルコール製スポンジは乾燥時と湿潤時とで形状及び寸法が変化するため、この変化を緩和することができるという点からも、溝を設けることは好ましい。なお、溝の数や間隔については適宜選択することができる。例えば5mm間隔で、幅2mm及び深さ4mmの溝を設ければよい。
(変形例2−2)
また、上記第二の実施の形態においては、傘と弾性吸収体部分6aとの接触面積をさらに低下させて傘の挿入を容易とするため、図15に示すように、傘が挿入される際に最初に接触する部分に、縫い付け等によって天然繊維や合成繊維製の網状物54を設けてもよい。不織布であってもよい。
この際、網状物54の網目の形状や寸法は適宜選択すればよい。なお、図15では、図13の弾性吸収体部分6aに網状物54を設けた態様を示したが、図14の弾性吸収体部分6aに網状物54を設けてもよく、また、図12に示すような溝を有しない弾性吸収体部分6aに網状物54を設けてもよい。
(変形例2−3)
また、上記第二の実施の形態においては、例えば、折り畳んだ傘を傘差込口24から挿入していった際に、傘骨の略中間部分に存在するジョイント部分が、隣接する弾性吸収体6同士の間に入り込み過ぎて、弾性吸収体6間に引っかかり、雨傘を引っ張り出しにくい場合がある。そこで、折り畳んだ状態の傘を傘差込口24から挿入した際に、傘骨の開きを抑制するか、又は、傘骨が内側に押さえられるように、弾性吸水体6の中心部の挿入空間において、弾性吸水体6よりも鉛直方向下側に、略円筒状部材を配置してもよい。
このような略円筒状部材を配置すれば、折り畳んだ状態の傘が挿入されてきた際に、傘の先端部分がこの略円筒状部材内に侵入し、傘骨の開きが抑制されるか、又は、傘骨が内側に押さえられることになる。ここで用いる略円筒状部材の形状、寸法及び高さ等は、上記のように、侵入した傘の傘骨の開きが抑制されるか、又は、傘骨が内側に押さえられて、傘骨のジョイント部分の弾性吸収体6間への引っかかりが効果的に抑制されるように適宜調整すればよい。
(変形例2−4)
上記第二の実施の形態及び変形例2−1〜変形例2−3においては、一つのギアを用いてレバー34を押して圧搾装置10を操作する手押し式の態様について説明したが、複数のギアを用いれば、ギア比をコントロールすることによって、圧搾に必要な力を低減することもできる。また、圧搾装置10の操作はこれに限定されるものではなく、例えば、ペダルを用いて環状部材からなる圧搾装置10を上昇させて弾性吸収体6を圧搾する足踏み式の態様を採用してもよい。また、足踏み式と手押し式の両方を採用してもよい。
(変形例2−5)
また、上記第二の実施の形態においては、弾性吸収体6が軸32aを支点として上記挿入空間の中心点側へと向かう方向に傾斜可能に位置決めされている態様について説明したが、軸32aをレール等に変更してもよい。例えば軸32aの代わりに、環状部材からなる圧搾装置10に前記中心点側に向かう方向に略水平のリブ状レールを設けるとともに、弾性吸収体受6bに接続される押圧部材6dの下側部分に上記レールが嵌まって摺動可能な溝等を設け、環状部材からなる圧搾装置10が上昇することによって、隣接する弾性吸収体6を、上記挿入空間の中心点側へと向かう方向に略水平に移動させ、互いに圧接し合って圧縮して搾る態様としてもよい。逆に、環状部材からなる圧搾装置10側に前記中心点側に向かう方向に略水平の溝を有する部材を設け、弾性吸収体受6bに接続される押圧部材6dの下側部分に、上記溝に嵌まって摺動可能なリブ状レールを設けてもよい。
以上、本発明の代表的な実施の形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、上記実施の形態及び変形例の技術内容を互いに置換したり組み合わせたりして採用することも可能である。また、本発明の技術的思想の範囲内で、かつ本発明の効果をより確実とするために、種々の設計変更や工夫を採用することが考えられ、従来公知の方法は採用できる。例えば、傘差込口の開口部には、傘を抜き取る際に傘を巻き込まないように、ガイドを設けることが考えられる。
また、本発明の雨傘除水機の利用方法としては種々の方法が考えられる。筐体は各種合成樹脂で作製することができるため、筐体に種々の形状やデザインを採用することができる。また、筐体を覆う第二の筐体を用いてもよい。筐体や第二の筐体には、例えばキノコ、ジュース缶、ポスト、トラック、電車、マイク、各種キャラクターの形状やデザインを採用することができ、このようにすれば本発明の雨傘除水機を広告塔として利用することができ、特に晴天時にもメリットがある。
また、光透過性を有する合成樹脂を用いて筐体や第二の筐体を構成し、電飾、蛍光灯又はLED等の光源を内部に搭載すれば、夜間であっても雨傘除水機及び広告塔として使用することができる。
本発明の雨傘除水機は、駅、バス停、商業ビル、オフィスビル、公共施設や店舗等の建物の出入口等、雨傘のしずくが落ちると好ましくないありとあらゆる場所において、好適に使用することができる。また、省エネで環境に優しいため、雨傘が使用される世界各地において使用されるべきものである。
1・・・雨傘除水機、
2・・・筐体、
2a・・・逆円錐形部2a、
2b・・・底面板、
2c・・・固定板、
2d・・・仕切板、
2e・・・水平板、
4、24・・・傘差込口、
4a、24a、26a・・・開口部、
6・・・弾性吸収体、
6a・・・弾性吸収体部分、
6b・・・押圧板、
6c・・・押え板、
6d・・・押圧部材、
6e・・・スリット、
6f・・・耳部分、
8・・・挿入空間、
10・・・圧搾装置、
10a・・・円形板、
10b・・・筒状部材、
10c1、10c2・・・環状部材、
10d・・・長尺状部材、
12a・・・チューブ、
12b・・・空間、
14・・・ペダル、
14a・・・動力伝達体、
14b・・・動力伝達フランジ、
16・・・土台板、
18、20・・・ギア、
21・・・天蓋、
22・・・スライド板、
22a・・・突条部、
22b・・・突部
26・・・内蓋、
26b・・・ガイド、
30・・・本体部、
32・・・ガイド、
32a・・・軸、
34・・・レバー、
36・・・レバーカバー、
38・・・レバー受け、
40a、40b・・・支柱、
42a、42b・・・バネ、
44a、44b・・・ラック、
46・・・ギア、
48a・・・回転軸、
48b・・・軸受け部、
50・・・側面受部、
52・・・溝、
54・・・網状物。

Claims (6)

  1. 筐体と;
    前記筐体に設けられた傘差込口と;
    前記筐体内において、前記傘差込口の上面の略法線方向上側からみて、所定の間隔をあけて放射状に設けられた複数の弾性吸水体と;
    前記複数の弾性吸水体の中心部に形成された挿入空間と;
    前記複数の弾性吸収体を搾る圧搾装置と;
    を有し、
    前記複数の弾性吸収体は、それぞれ、前記傘差込口の上面の略法線方向上側からみて、折り畳まれた傘の傘カバーの主面の少なくとも一部に面接触するV字形状部分を有しており、
    前記折り畳まれた傘を前記挿入空間に挿入することにより、前記傘カバーに付着した水分を前記複数の弾性吸収体によって吸収・除去し、前記圧搾装置によって前記複数の弾性吸収体を、前記傘差込口の上面の略法線方向上側からみて、前記傘差込口の外形を示す円の径方向内側に移動させて圧縮させて搾ることによって、前記複数の弾性吸収体に吸収された水分を排出すること
    を特徴とする雨傘除水機。
  2. 前記圧搾装置が手動式または電動式であること、
    を特徴とする請求項1に記載の雨傘除水機。
  3. 前記筐体の下部に設けられた排水機構を有すること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の雨傘除水機。
  4. 前記弾性吸収体がポリビニルアルコール製スポンジ又はウレタン樹脂製スポンジで構成されていること、
    を特徴とする請求項1〜のうちのいずれかに記載の雨傘除水機。
  5. 前記弾性吸収体が少なくとも表面に抗菌剤又は防カビ剤を有すること、
    を特徴とする請求項1〜のうちのいずれかに記載の雨傘除水機。
  6. 前記挿入空間のうちの前記弾性吸収体の鉛直方向下側に、略円筒状部材が配置されており、前記折り畳まれた傘が、前記挿入空間に挿入した際に前記略円筒状部材内に侵入し、傘骨の開きが抑制するか、又は、傘骨を内側に押さえること、
    を特徴とする請求項1〜のうちのいずれかに記載の雨傘除水機。
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