JP4406669B2 - コンテンツ再生装置及びコンテンツ再生方法 - Google Patents

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本発明は記録時の画質を保持した再生映像信号はコピー禁止だが、記録画質に対し十分に画質を低下させた再生映像信号にはコピーを許可するという新しい著作権管理システムに対応したコンテンツ配布媒体の記録・再生方式に関するものである。
コンテンツ配布媒体の代表はDVDディスクであり、DVDディスクの著作権を保護する仕組みについては、非特許文献1のDVD ROMの規格書に記載されている。著作権管理情報としては、記録されているコンテンツに対して、コピー禁止、1世代コピー可能(コピーワンス)、またはコピーフリーのコピー条件に関する著作権管理情報CGMS(Copy Generation Management System)が採用されている。
また、このDVDディスク及びDVDプレーヤにおいては、一般ユーザの不正コピーを防ぐDVD著作権保護システムCSS(Content Scramble System)の例が非特許文献2に記載されている。
このDVDディスクでは、ほとんど全ての映画ソフトDVDは著作権者の意向に従い、DVDディスク内のCGMS規定エリアにコピー禁止コードが多重されており、そのアナログあるいはデジタル映像信号出力にはコピー禁止を示すCGMS−AあるいはCGMS−Dが付加されている。このため、一定の画質低下を施せばコピーを許可する意向が著作権者にある場合でも、現行の著作権管理ルールの基ではコピー禁止のDVD映像信号を小型HDDやフラッシュメモリ等へコピーできず、屋外等で小画面付ポータブルムービープレーヤ(PMP)でDVD映画ソフトを楽しむことができなかった。
DVD Specifications for Read−Only Disc Part 1 Physical Specifications Version 1.02:September 1999(第44頁)Attached Sheets for DVD Specifications National Technical Report Vol.43 No.3 Jun.1997(第339頁−341頁)
映画ソフトを所有する著作権者は違法コピーを極力減らしたい一方、自分たちが販売するDVD映画に代表されるコンテンツ事業における付加価値の増加、即ち新しい市場ニーズの発掘を熱望している。市場ニーズである「いつでも、どこでも映画を楽しみたい”ユビキタスムービー”」を実現する近道はDVD映画ソフトをPMPでも楽しめるようにすることであり、具体的にはPMPの小型ディスプレイでのみ満足できる画質制限を持つ映像信号に新しい著作権管理システムを導入することで、著作権者、消費者、メーカの三者が共存共栄できる新しいビジネスモデルを創造することが課題といえる。
本発明の目的は、著作権者、消費者及びメーカのメリットに資することである。
前記目的を達成するためには、例えば特許請求の範囲に記載されるように構成すればよい。従来の著作権管理ルールである、コピー禁止、コピーワンス、コピーフリーに「記録時と同等の画質で出力される映像信号はコピー禁止だが、記録時に比べ十分に画質を低下させた映像信号にはコピーを許可する新しい著作権管理ルール」を追加する。
本発明によれば、著作権者、メーカ及び消費者のメリットに資する。
本発明は記録時の画質を保持した再生映像信号はコピー禁止だが、記録画質に対し十分に画質を低下させた再生映像信号にはコピーを許可するという新しい著作権管理システムを開発し、画質を低下させた映画ソフトの再生映像信号をPMPの記録媒体に記録できるようにし、PMPで再生するのに好適なコンテンツ配布媒体の記録・再生方式に関するものである。
以下本発明の実施例について説明する。
図1はコンテンツ配布媒体の一実施例の構成例を示したものである。1は光ディスク媒体、2は新著作権管理システムを採用していることを示す情報が記録されるエリア、3は映像や音声情報を含むコンテンツと新著作権管理システムに対応できる著作権管理情報が記録されるエリアである。
次に、図1に示した実施例のコンテンツ配布媒体について説明する。光ディスク媒体1としてDVDと同じ直径12cmの光ディスクを用い、エリア3には水平画素数704、垂直画素数480の全画素数337Kの映像情報がMPEG2圧縮された映像データとDolby AC3圧縮された音声データ、字幕データ及びCGMSをコピー禁止に規定する従来の第1の著作権管理情報と新著作権管理システムに対応する「画素数を記録時の半分以下である168Kに制限した映像信号出力にはコピーを許可する」ことを意味する第2の新著作権管理情報が記録される。第2の新著作権管理情報の記録方法として、従来のDVDのData FrameのCopyright Management Information(CPR_MAI)記録エリアのCGMSの2bitを使う場合は”01”のreservedを流用することもできる。この場合の著作権管理情報の定義は「CSSとCGMSの”01”の並存は画素数制限した再生信号のコピーを許可」となる。エリア2のリードインエリアの中には「光ディスクが新著作権管理システムを採用している」ことを示す第3の新著作権管理情報が記録される。第3の新著作権管理情報としては上記に加え、記録映像の画素数情報やコピーを許容する画素数情報、あるいは画素数制限した場合のコピー許諾がコピーフリーかコピーワンスかを規定する情報を記録することもできる。
第2の新著作権管理情報としては現行DVDが採用するCGMSを規定する著作権管理情報と同形式のデータを追加する方式でも良いし、該映像情報の中に電子透かし(Video Water Mark:WM)形式で第2の新著作権管理情報を埋め込む方式とすることもできる。
WM方式とする場合は、1ビットのWMであるVeilを採用し、Veilが存在すれば「上記画素数制限があればコピー許可」を意味し、Veilが存在しない場合は「画素数制限してもコピー禁止」を規定することが出来る。
2ビット以上のWMを採用する場合は、従来のコピー禁止コードに加え画素数制限付コピー許可コードの新著作権管理情報を設けることが出来る。
第2及び第3の新著作権管理情報を追加する目的は、新著作権管理システム対応のDVD媒体が従来のDVDプレーヤでは従来通り再生され、新著作権管理システム対応の新DVDプレーヤのみがコピー可能な画素数制限された映像信号出力を出せるようにすることである。したがって、第2あるいは第3の新著作権管理情報だけでも上記を実現できる。
以上は現行のDVDフォーマットに本発明を実施する場合の例であるが、Blu−ray DiscフォーマットやHD DVDフォーマットに本発明を実施する場合は以下のようになる。
エリア3に記録されるHD映像情報は水平画素数1920、垂直画素数1080であり全画素数は2073Kとなり、この映像情報がMPEG2/HL、H.264 AVC、VC9で圧縮された映像データ他が記録される。この場合の著作権管理ルールは以下となる。
記録時と同等の画素数である2073K同等の再生映像信号出力には暗号化とコピー禁止コードの付加を義務付け、暗号化しない再生映像信号出力には全画素数を540K以下に制限することとコピー禁止コードのCGMSコードを付加することを義務付け、全画素数を168K以下に制限した再生映像信号出力にのみコピー許可を示すCGMSコードを認める。
図2は本発明のコンテンツ配布媒体1の再生装置の構成例を示したものである。
図2において、4は新著作権管理システム対応のDVDプレーヤ装置、5はDVD駆動回路、6は第1の信号処理回路、7はMPEG2、H.264 AVCやVC9等の映像データ伸長回路、8,9,10は夫々第1、第2、第3の著作権管理情報読み取り回路、11はCGMS信号制御回路、12は画素数変換回路、13,14,16は夫々第2、第3、第4の信号処理回路、15は映像データ圧縮回路、17,18,19は夫々第1、第2、第3の映像信号出力端子、20は外部メモリである。
第2図では、本発明の光ディスク媒体1に記録されたデジタルデータがDVD駆動回路5で読み出され、第1の信号処理回路6により復調され、エラー訂正された各種データが取り出される。第1の著作権管理情報読み取り回路8は上記各種データ中のエリア2から読み出された第3の新著作権管理情報を検出し、媒体1が新著作権管理システムを採用しているか否かを判別する。
第2の著作権管理データ読み取り回路9はエリア3に記録されたCGMSを規定するDVDフォーマット形式の従来の第1の著作権管理情報及び第2の著作権管理情報を検出し、このデータが画総数を制限された映像信号出力のコピーを許可か否かを判別する。
エラー訂正された各種データの中の映像データは映像データ伸長回路7で元の非圧縮映像データに戻される。
第3の著作権管理データ読み取り回路10はこの非圧縮映像データの中からエリア3に記録された電子透かし形式の第2の新著作権管理情報を検出し、この第2の新著作権管理情報が画素数制限された映像信号出力のコピーを許可か否かを判別する。
CGMS信号制御回路11は読み取り回路9が読み取った従来の第1の著作権管理情報がコピー禁止と判別すれば、画素数制限のない映像信号出力に付加されるCGMS−A,CGMS−Dをコピー禁止に設定する。
CGMS信号制御回路11は読み取り回路8,9,10のいずれかが「画素数制限した映像信号出力にはコピー許可」と判別すれば、画素数制限のある映像信号出力に付加されるCGMS−A,CGMS−Dをコピーフリーかコピーワンスに設定する。読み取り回路8,9,10の役割は「新著作権管理情報に従い著作権管理を行なわない従来のDVDプレーヤにはコピーを許可せず、新著作権管理情報に準拠する新しいDVDプレーヤだけにコピーを許可する」ことなので、CGMSの制御は上記に限らず、読み取り回路8及び9の両方がコピー許可の場合あるいは読み取り回路8及び10の両方がコピー許可の場合にのみ「画素数制限した映像信号出力のコピーを許可」とすることも出来る。更にコピー許可を厳重に管理したい場合は読み取り回路8,9,10の全てがコピー許可の時のみ「画素数制限した映像信号出力のコピーを許可」とすればよい。
映像データ伸長回路7から出力された非圧縮映像データには第2の信号処理回路13によりCGMS信号制御回路11で制御されたCGMS−AあるいはCGMS−Dが付加された後に第1の映像信号出力端子に導かれる。
映像データ伸長回路7のもう一つの出力は画素数変換回路12に導かれ,非圧縮映像データの画総数が704×480の場合は、画素数変換回路12で水平画素数704が半分の352に間引かれ画素数352×480に変換され、第3の信号処理回路14によりコピーフリーかコピーワンスのCGMS−AあるいはCGMS−Dが付加された後に第2の映像信号出力端子18に導かれる。
画素数変換回路12のもう一つの出力はH.264 AVCやVC9等の映像データ圧縮回路15で圧縮映像データに変換され、第4の信号処理回路16でコピーフリーあるいはコピーワンスを表す著作権管理情報が付加された後に第3の映像信号出力端子19に導かれ、SDカードや小型HDD等の外部メモリ20に記録される。第2図のDVDプレーヤ装置4には同一装置内に映像データ伸長回路7と映像データ圧縮回路15を内蔵しているので、圧縮回路15での圧縮性能の向上を狙い伸長回路7で検出される動きベクトル等の情報を圧縮回路15に伝え、圧縮回路15をいわゆる2pass方式の圧縮回路とすることもできる。
図3は本発明の画素数変換回路12の変換内容の一例を表に表したものである。回路12の入力信号である映像データの画素数の代表例は(A)水平704、垂直480、(B)水平640、垂直480、(C)水平1920,垂直1080の3種類に大別できる。
一方、PMPに搭載されるディスプレイの画素数は(a)水平320〜352,垂直480、(b)水平480,垂直270,(c)水平320,垂直240の3種類に大別できる。
したがって、入力信号の画素数とPMPのディスプレイの画素数に対応して、ユーザが図3に一例を示す画素数変換テーブルを選択し、外部メモリの容量に余裕がある場合は画質優先となる多い目の画総数を選べるし、外部メモリに余裕のない場合は画質を多少犠牲にした少な目の画素数を選択できる。
また、ユーザが選択した画素数変換テーブルの内容(選択結果)を圧縮映像データとともに外部メモリ20に記録し、PMPでの映像データ再生時に再生画像が最適になるように映像データ伸張処理に利用することも出来る。
図2、図3では映像情報についてのみ言及したが、音声データについてもPMPの小型メモリやヘッドフォーン主体の視聴環境に相応しい変換が望ましい場合は、コンテンツ配布媒体に記録されたDolby AC3やMPEG1音声データをMP3,AAC等の高圧縮音声データに変換した後に前述した画素数制限し高圧縮した映像データとともに外部メモリに記録することもできる。図4は、本発明の外部メモリを装着したPMPの構成例を示したものである。図4において、20は記録済みの外部メモリ、40は小型ディスプレイ付のPMP、41は記録された映像データを再生する信号処理回路、42は記録された映像データの圧縮方式、選択画素数等の画素変換情報読出し回路、43は映像データ伸張回路、44は小型ディスプレイである。
図4では、外部メモリ20に記録された映像データが読み出され、信号処理回路41でデータが復調され、エラー訂正処理されたデータが映像データ伸長回路43に導かれる。画像変換情報読出し回路42は、映像データの圧縮方式、選択画素数を読出し、映像データ伸長回路43に入力し、映像データ伸長回路43の伸長方式の選択及び画素数制御等の処理を行い、画素数を制限した非圧縮映像データを小型ディスプレイ44に出力する。
本発明は、記録画質を保持した映像信号は従来どおりコピー禁止だがPMPで楽しむのに不都合のない程度に画質制限を施した映像信号にはコピーフリーあるいはコピーワンスを許可する新しい著作権管理ルールを開発し、画質制限した映画ソフトをPMP用の記録媒体に記録できるようにし、”ユビキタスムービー”事業を早期に実現するものである。以上の実施例によれば、DVD等の映画ソフトにおいて、記録画質を保持した映像信号は従来通りコピー禁止を維持し、画質制限した映像信号はコピーを許可する新しい著作権管理情報を付加することにより、PMP用の記録媒体に記録できるようにし、PMPの小型ディスプレイで手軽に映画ソフトを楽しむことが出来る。その結果、著作権者は新著作権管理システム対応のコンテンツ配布媒体に従来のDVD媒体より高い付加価値を実現でき、メーカは新著作権管理システム対応のDVDプレーヤやPMPの事業を拡大でき、消費者は早期かつ安価にユビキタスムービーを楽しむことができる。それ故に、著作権者、メーカ及び消費者のメリットに資するという本発明の目的を達成できる。
本発明における第2の新著作権管理情報にWM(Water Mark)を用いる場合は、WMを普及させる新しいビジネスモデルを併せて提供できることになる。即ち、従来のWMは著作権を保護するだけの目的しか持たなかった為、著作権所有者だけにしかメリットがなく、WM読み取り機能を搭載する機器メーカにも、エンドユーザにも全くメリットがなく、このためWMの普及が実現していない。本発明ではWMが上記の目的に加え、「画素数制限した映像信号出力はコピー可」というメーカにとっては機器の付加価値向上を示し、エンドユーザにとっては「ユビキタスムービーの実現」を示す。
尚、第1の著作権保護情報がコピー禁止であっても、ムーブの場合には、出力された映像データがコピーされるのを許可するようにしても良い。
尚、第2の著作権保護情報がコピー許可であっても、ムーブの場合のみ、コピーを許可するようにしても良い。すなわち、元の媒体からは映像データを消去し、メモリ等に当該映像データを画素数制限したものを出力・記録するようにしても良い。
本発明は、屋外等で映画等の映像情報を小型ディスプレイで楽しむ再生装置において、解像度制限をした低画質の映像情報をコピーした小型HDDやフラッシュメモリ等の外部メモリを再生装置で再生することが出来るPMPシステムに有効である。
本発明のコンテンツ配布媒体の実施例を示す図 本発明のコンテンツ配布媒体の再生装置の実施例を示すブロック図 本発明の画素変換回路の変換内容の一実施例を示す表 本発明のPMPの実施例を示すブロック図
符号の説明
1…光ディスク媒体、2…第3の著作権管理情報の記録エリア、3…コンテンツと第2の著作権管理情報の記録エリア、5…DVD駆動回路、6…第1の信号処理回路、7…映像データ伸長回路、8…第1の著作権管理情報読み取り回路、9…第2の著作権管理情報読み取り回路、10…第3の著作権管理情報読み取り回路、11…CGMS信号制御回路、12…画素数変換回路、13…第2の信号処理回路、14…第3の信号処理回路、15…映像データ圧縮回路、16…第4の信号処理回路、20…外部メモリ、42…画像変換情報読み出し回路、43…映像データ伸長回路、44…小型ディスプレイ

Claims (2)

  1. 著作権管理情報が付随しているコンテンツを記録媒体から再生して出力するコンテンツ再生装置において、
    前記記録媒体からコンテンツを再生する再生手段と、
    前記再生手段において再生された前記コンテンツを出力する第1の出力手段と、
    前記再生手段において再生された前記コンテンツの解像度を半分以下に落として出力する第2の出力手段と、
    前記コンテンツ付随している著作権管理情報に応じて、前記第1の出力手段と前記第2の出力手段とから出力するコンテンツのコピー制御情報を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記第1の出力手段からは再生した前記コンテンツをコピー禁止として出力し、前記第2の出力手段からは再生した前記コンテンツを1世代コピー可能またはコピーフリーとして出力すことを特徴とするコンテンツ再生装置。
  2. 著作権管理情報が付随しているコンテンツを記録媒体から再生して出力するコンテンツ再生方法において、
    前記記録媒体からコンテンツを再生し、
    前記コンテンツ付随している著作権管理情報に応じて、前記コンテンツを第1の出力手段からコピー禁止として出力し、前記コンテンツの解像度を半分以下に落とし、1世代コピー可能またはコピーフリーとして第2の出力手段から出力すことを特徴とするコンテンツ再生方法。
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