JP4405737B2 - シリンジポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薬剤容器とこれを用いた薬剤注入装置に係り、特に輸液ポンプやシリンジポンプのように生体に対して薬液を注入する際に、薬剤の取り違いや、投与条件の設定などのミスを未然に防止する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医療現場において、主に看護師の不足により薬剤の取り違えミスや投与条件の設定ミスによる医療過誤が多く社会問題化している。このような問題に対処する為に、薬剤容器にバーコードを貼り付け、薬液注入ポンプにセットする時にバーコードリーダで読取、照合するという方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
しかしながら、薬剤容器を薬剤注入装置の装填部に正しくセットする際に、バーコードの面とバーコードリーダの読取面とを合わせなければならないという煩わしい作業が伴うこととなる。また小さい薬剤容器の場合には、バーコードを貼り付ける面積が十分に確保できない。
【0004】
一方、シリンジを扱うシリンジポンプでは、シリンジの突出部(フランジ部)に識別タグを固定する方法が提案されている(例えば、特許文献2)。しかし、この場合にもシリンジをシリンジポンプにセットする時に識別タグと検出部の相対位置合わせをしなければならないので、煩わしい作業が伴うこととなる。
【0005】
さらに、輸液バッグと輸液セットはベッドサイドで接続することが多いが、薬剤の入った輸液バックを特定しても、蠕動式ポンプの場合には接続チューブのみセットするこで、違う設定状態にセットされた輸液ポンプに対して誤って接続してしまうおそれも指摘されている。
【0006】
また、薬剤注入装置において、識別(ID)タグを使用することも提案されている(例えば、特許文献3)。
【0007】
【特許文献1】
特表平5−500917号公報。
【0008】
【特許文献2】
特表平8−509402号公報。
【0009】
【特許文献3】
米国特許公開公報2001−49608号公報。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は上記の問題点に鑑みて成されたものであり、薬剤容器を薬剤注入装置へ装填するときに、識別タグを検出するための検出部に対する相対位置合わせを不要にすることができ、かつ誤った薬剤容器を装填することを防止して安全性を確保できる薬剤容器とこれを用いた薬剤注入装置の提供を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係るシリンジポンプは、以下のような構成を備える。即ち、
収容された薬剤に関するデータが記憶されたRFIDタグが押子部の端面に配されたシリンジを保持し、該シリンジ内に収容された薬剤を送出するシリンジポンプであって、
前記シリンジのフランジ部を挟持することで前記シリンジを保持する保持部材と、
前記保持部材により保持された状態における前記シリンジの押子部の端面を押圧することで、前記シリンジのガスケットを摺動させ前記薬剤を送出させる押圧部材であって、前記シリンジの押子部の端面を押圧する押圧面上に、前記RFIDタグと通信するためのアンテナコイルが配設された押圧部材と、
前記アンテナコイルを介して前記RFIDタグと通信することにより、該RFIDタグに記憶された前記薬剤に関するデータを読み出す読出部と
前記読出部により読み出された前記薬剤に関するデータが、調合により前記シリンジに収容された薬剤に関するデータであって、所定のデータベースに登録されていない場合には、該読み出された薬剤に関するデータを該データベースに登録し、
前記読出部により読み出された前記薬剤に関するデータが、予め前記シリンジに収容された薬剤に関するデータであって、前記データベースに登録されている場合には、該読み出された薬剤に関するデータを、前記データベースと照合する照合部とを備える。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態であって、薬剤容器をバッグまたはシリンジとし、薬剤注入装置を蠕動式ポンプ、ローラポンプ、シリンジポンプに適用した場合について述べる。これらの薬剤注入装置としては他にもダイヤフラム式輸液装置等があり、以下に説明する構成に限定されないことは言うまでもない。
【0024】
先ず、図1は、薬剤容器と薬剤注入装置の第1実施形態の外観斜視図である。本図において、薬剤である輸液剤や生理食塩水等の薬剤が収納された輸液バッグ4には接続チューブ5が接続されている。この接続チューブ5は塩化ビニルなどの弾性変形可能なチューブが用いられ、先端には穿刺針7が接続されており、蠕動式ポンプの場合、接続チューブ5の途中部位を外径方向から順次押圧することで蠕動運動により薬剤を穿刺針7側に送り出すことで患者に注入する。
【0025】
この接続チューブ5の途中位置には、図示のような開口部6aを形成した長方形の所定形状の形状部材6が設けられており、接続チューブ5が開口部6aから覗くようにして固定されている。以上の輸液バッグ4と接続チューブ5と形状部材6と穿刺針7が、好ましくは一体化された輸液セット1として準備される。
【0026】
一方、形状部材6は所定樹脂材料から成型されるとともに、上記の薬剤に関する薬剤データ(薬剤識別データ等の薬剤そのものの識別データ、薬剤識別コード等の薬剤そのものの薬剤識別データ、標準医薬品コード、標準医薬品番号(連番等)等の薬剤認識データ、それぞれの病院等の医療機関で定めた任意の番号,コード等をの少なくともいずれかを含む)を記録した識別タグ3が図示の位置に固定されるか、識別タグ3がインサート成型されている。この識別タグ3は、薬剤に関する薬剤データ(薬剤識別データ等の薬剤そのものの識別データ、薬剤識別コード等の薬剤そのものの薬剤識別データ、標準医薬品コード標準医薬品番号(連番等)等の薬剤認識データ、それぞれの病院等の医療機関で定めた任意の番号,コード等をの少なくともいずれかを含む)とを記録した記憶部と、この記憶部に接続される第1の無線通信部とを有している。また、識別タグ3の記憶部は、書換不能な薬剤データ(薬剤名、注入速度の上限/限値等)を記憶する領域、書換可能なデータ(担当医、担当医コード患者名患者コード等)を記憶する領域を備えていてもよい。
【0027】
上記の輸液セット1を使用する蠕動ポンプ式の輸液装置10には、形状部材6を装填するために、形状部材6の外形寸法および形状に一致する凹部を有した装填部12が設けられており、この装填部12において、さらに蠕動ポンプ機構11が設けられている。この装填部12には、識別タグ3の第1の無線通信部との間で無線により情報のやりとりを行う第2の無線通信部となるアンテナ46が埋設されており、形状部材6を装填部12にセットしたときに識別タグ3がアンテナ46と対向するようにしている。
【0028】
蠕動ポンプ式の輸液装置10には、ヒンジで開閉自在にされた開閉蓋8が設けられている。この開閉蓋8には、さらに形状部材6の開口部6aから露出した接続チューブ5aに対する押圧力を発生するための押圧板9が内蔵されており、開閉蓋8を装填部12に対する係止状態に図示しない係止機構により維持することで、蠕動ポンプ機構11に設けられた複数のフィンガによる蠕動運動を押圧板9との間で挟持された接続チューブ6aに印加することで薬剤を送り出すように構成されている。
【0029】
以上の構成によれば、薬剤認識時の位置合わせなどの煩わしい作業を要することなく薬剤の自動認識を識別タグ3の電子的な認識により実施することができるようになる。特に、輸液セット1は患者のベッドの近くで接続するときに、輸液セット1の識別タグ3を固定した形状部材6を輸液装置10にセットすることで確実に薬剤認識をすることが可能になった。
【0030】
次に、図2は、薬剤容器と薬剤注入装置の第2実施形態の外観斜視図である。本図において、既に説明済みの構成部品については同様の符号を附して説明を割愛する。形状部材6には、接続チューブ5の上下の複数の所定箇所(6箇所)を挿通することで支持するための突起部6bが形成されている。また、破線図示の押圧板9がさらに内蔵されている。一方、この形状部材6の右側面には2箇所の係止溝部6c、6cが、また左側面には2箇所の係止溝部6d、6dが、係止溝部6c、6cと高さ位置をずらして夫々形成されている。
蠕動ポンプ式の輸液装置10の装填部12には、形状部材6の6箇所の突起部6bとともに接続チューブ5を挿入するための凹部14が形成されている。また凹部14の間には、接続チューブの閉塞状態を検出する閉塞センサ18と、気泡混入を検出する気泡センサ19が配設されている。
【0031】
この装填部12には、さらに上記の係止溝部6c、6cに係止する係止爪20、20と係止溝部6d、6dに係止する係止爪21、21が設けられている。係止爪21、21はレバー22に固定される軸体23により回動力が伝達されることで係止状態を解除できるように構成されている。
【0032】
即ち、図2のX−X線矢視断面図である図3において、軸体23は装填部12の裏面において回動自在に軸支されており、途中に係止爪21を固定しており、図示しないトーションバネにより矢印方向に回動付勢されている。この状態から、レバー22を指先で回動することで係止状態を解除できるように構成されている。つまり、図4の図2の薬剤容器と薬剤注入装置を動作状態にした外観斜視図において、レバー22を操作することで形状部材6を図示の係止状態から解除して取り外すことができるようにしている。
【0033】
以上の構成によれば、蠕動ポンプ機構11に設けられた複数のフィンガによる蠕動運動を、形状部材6に内蔵された押圧板9との間で挟持された接続チューブ6aに印加することで薬剤を送り出すようにできるとともに、薬剤認識時の位置合わせなどの煩わしい作業を要することなく薬剤の自動認識を識別タグ3の電子的な認識により実施することができる。また、形状部材6は複数箇所(2箇所)の係止溝部6d、6dが、係止溝部6c、6cと高さ位置をずらして夫々形成されているので上下を逆にセットすることはできないことになる。
【0034】
次に、図5は、薬剤容器と薬剤注入装置の第3実施形態の外観斜視図である。本図において、既に説明済みの構成部品については同様の符号を附して説明を割愛すると、形状部材6は図示のような形状を有しており、図示しない係止機構によりローラポンプ110の装填部142に対して装填される。
【0035】
以上の構成により、ローラポンプ110に設けられたローラと、形状部材6との間で接続チューブ6を挟持してローラによる送液運動を接続チューブ6に対して加することで薬剤を送り出すようにできる。さらに、薬剤認識時の位置合わせなどの煩わしい作業を要することなく薬剤の自動認識を識別タグ3に対向配置されるアンテナ46との間で電子的な認識により実施することができる。さらに、上下を逆にセットすることはできないようになる。
【0036】
図6は、薬剤容器(シリンジ)と薬剤注入装置の第4実施形態に係るシリンジポンプ30の要部を示した断面図である。
【0037】
本図において、このシリンジポンプ30は、ICU、CCU、NICUでの、栄養補給や輸血、化学療法剤、麻酔剤などの薬液注入を目的とした微量持続注入用であり、注入の高精度と操作性の向上を重視するために制御手段としてマイクロコンピュータによる精密な注入動作制御を実現可能にするとともに、警告手段である動作インジケータが設けられており、この動作インジケータが赤色または緑色に多色に点灯、点滅したり、回転点灯表示するようにしてその動作状態や警報状態が遠方からでもモニターできるようにして安全性を万全にしたものである。この動作インジケータは、好ましくは、外部から見易い位置において上方に突出して設けられている。
【0038】
さらに、ブザーが内蔵されており連続注入時における流量の上・下限値、ワンショット投与時における上・下限値、時間と流量の双方またはいずれか一方の設定を行なうときに、上・下限値を外れた設定が操作部または設定ダイヤルを用いて行なわれたときに、上記の動作インジケータとともに音と光による警告により注入の停止を促すことで安全性を考えた警報機能が備わっている。
【0039】
また、小型・軽量であり、複数台数を同時使用する場合にも使用に便利となり持ち運びも簡単となるように設計されている。さらに、装置の右側面の設定ダイヤルを回すことで回転速度と回転方向に応じた数値設定が短時間でできるようにする一方で、表示パネルの表示部に設定値を表示できるようにして、流量などの数値の設定変更時は、設定ダイヤルの操作によりワンアクションで簡単に行えるようにしている。
【0040】
そして、図中の矢印A4方向に駆動されるスライダ組立体25は、ケース上を往復移動するように、スライダー送り機構に対して中空管であるパイプシャフト、インナークラッチシャフトの端部において連結固定されており、スライダ組立体25のクラッチレバー26を手動で操作することで、シリンジ2の押子2pを簡単に装着または取り外すことができるように構成されている。シリンジ2はシリンジ2のフランジ部2hが図示のように移動部材の1つとして形成する凹部にセットされてからクランプ32により図示の位置に固定される。
【0041】
一方、押子2pには識別タグ3である、記憶部を有するICチップから構成される識別タグ3が固定されている。この識別タグ3は、収容された薬剤または収容されるべき薬剤に関する薬剤データを記録している。具体的には、この識別タグ3は、薬剤に関する薬剤データ(薬剤識別データ等の薬剤そのものの識別データ、薬剤識別コード等の薬剤そのものの薬剤識別データ、標準医薬品コード標準医薬品番号(連番等)等の薬剤認識データ、それぞれの病院等の医療機関で定めた任意の番号,コード等をの少なくともいずれかを含む)を記録した記憶領域を有しているる。また、薬剤の種類及び濃度と、連続注入時における流量の上・下限値、ワンショット投与時における上・下限値、時間と流量の双方またはいずれか一方の薬剤データ等、医師などの医療従事者が変更できない記憶領域を有していてもよい。さらに、医師などの医療従事者がデータ入力装置を用いて書換可能なデータ(担当医, 担当医コード患者名患者コード等)を入力、記憶する領域を備えていてもよい。
【0042】
また、薬剤が収納されたシリンジ2の押子2pをスライダ組立体25に図示のようにセットすると、識別タグ3に対応した位置に配設された、第2の無線通信部であるアンテナ46による電気的な検出が可能となる。なお、シリンジ2の押子2pの先端はシリコンンゴム等で形成され、薬剤を液密に保持するガスケット2aが設けられている。一方、シリンジ外筒2bの内側には、ガスケット2aが抜け落ちないように突起部(ストッパー部材)2cが設けられている。識別タグがついた押子がはずれると一対一に対応できなくなるのを防止している。予め薬剤が収容(充填)されたシリンジ、即ち、プレフィルドシリンジにおいては、突起部(ストッパー部材)2cにより、識別タグ3がついた押子2pが容易にはずれることがないので薬剤の誤投与を確実に防止できる。
【0043】
リードネジ軸体37は基部33において軸支されており、ステッピングモータ119により回転駆動されるとともに、リードネジ軸体37に対する係止状態と解除状態にする回動力を伝達する中空管27を備えており、第2の無線通信部であるアンテナ46から接続される配線28(破線図示)を挿通させることにより、識別タグ3と第2の無線通信部を介してシリンジポンプ本体内の薬剤検出回路65との間の有線での通信を可能にしている。なお、第2の無線通信部と薬剤検出回路65との間の通信を無線で通信してもよい。
【0044】
以上の構成において、クラッチを解除してスライダーを移動させ、スライダー組立体(押子移動手段)25のクラッチレバー26を押すことで手で動かせるようになる。
【0045】
そこで、シリンジ2の押子2Pがスライダ組立体25に当接するようにしてから、クラッチレバー26を離すと、左右フック(不図示)がシリンジ2の押子2Pを自動的に保持する。以上でシリンジ装填手段によるセットが終了する。
【0046】
以上の構成により、スライダ組立体25が押子2Pを矢印A方向に押圧移動して薬液の注入を行ない、注入動作が完了すると、送り方向とは逆方向へ移動して、初期の位置へ戻る。
【0047】
図7は、識別タグ3のブロック図である。本図において、識別タグ3は、アナログ入出力回路部39とデジタル回路であるCPU35とから構成されている。アナログ入出力回路部39には、第1の無線通信部であるループアンテナ45に接続されることで薬剤検出回路65(図8参照)から配線28を経てアンテナ46を介して発信される所定周波数の無線をアンテナ45を介して受信する無線周波数回路(RF回路)40が接続されている。この無線周波数回路40にはCPU35に対して所定電圧を供給する電源部41と、読み取られた薬剤データをデジタル信号化してCPU35に送るための第1信号制御部42と、クロック信号を発生してCUP35を起動及び駆動するクロック部44とが接続されている。なお、CPU35から送られた時間と流量に関するデジタル信号をアナログ信号に変換して無線周波数回路40に送る第2信号制御部43を必要に応じて備えていてもよい。
【0048】
一方、CPU35は、ROM37に接続されている。ROM37には、薬剤に関する薬剤データ(薬剤識別データ等の薬剤そのものの識別データ、薬剤識別コード等の薬剤そのものの薬剤識別データ、標準医薬品コード標準医薬品番号(連番等)等の薬剤認識データ、それぞれの病院等の医療機関で定めた任意の番号,コード等をの少なくともいずれかを含む)が記憶されている。必要に応じて、フラッシュメモリである書換え可能なE2PROM36を設け、薬剤の種類及び濃度と、連続注入時における流量の上・下限値、ワンショット投与時における上・下限値、時間と流量の双方またはいずれか一方の薬剤データ等、医師などの医療従事者が変更できないデータの記憶、医師などの医療従事者がデータ入力装置を用いて書換可能なデータ(担当医, 担当医コード患者名患者コード等)を入力、記憶可能としてもよい。RAM38は、信号処理の際における記憶部として使用される。
【0049】
この識別タグ3は、大きな面積を占有するループアンテナ45に接続される集積回路チップをベース上に特殊印刷したものであり、これ自体には電源を有しておらず、ループアンテナで受信した電波による電磁誘導により発電を行い、この発電で回路を駆動することで読取り及び書換えを行うように構成されている。この識別タグ3は、薬剤認識コードとしての役割を果たす。
【0050】
図8は、シリンジポンプ30のブロック図である。本図において、既に説明済みの構成部品については同様の符号を附して説明を割愛すると、制御手段のCPU100に対して制御回路104が接続されている。この制御回路104は薬剤検出回路65に接続されており、配線28を介して上記のループアンテナ46がさらに接続されている。このループアンテナ46は上記のようにシリンジ2を装填した状態において、識別タグ3のループアンテナ45に対向配置されるので、制御回路104から送られる制御信号のやり取りによって、識別タグ3の読み込みを行うように構成されている。なお、書き換え併せておこなえるように構成してもよい。ループアンテナ46の近傍にA/D変換回路を設けてデジタルデータに変換して、薬剤検出回路65に送信してもよいし、A/D変換回路を設けないで、アナログデーダを薬剤検出回路65に送信してもよい。また、配線28を介さず、無線で送信してもよい。
【0051】
このCPU100には、シリンジ2の外径寸法をシリンジ2をセットするためにクランプ32の移動量の検出により行うシリンジサイズ検出回路105と、押子2pの移動量の検出から薬剤の残量を検出する残量検出回路106と、押子移動力の増加を検出して接続チューブ5の閉塞状態を検出する閉塞検出回路107と、押子2pがスライダ組立体25から脱落したことを検出する押子・クラッチ外れ検出回路108とが接続されている。また、CPU100には、スイッチとダイヤルの操作により設定される設定値を検出してCPU100に送るスイッチ・ダイヤル検出回路109と、電源スイッチのオン・オフを検出する電源スイッチ回路110と、CPU100の動作をモニターする監視回路116と、スライダ組立体25を駆動するモータ119の駆動制御を行うモータ駆動回路118と、モータ119の回転量を検出することで送液を測定するモータ回転検出回路とが接続されている。
【0052】
さらに、CPU100には、ブザー7を駆動するブザー駆動回路120と、LED表示部を駆動するLED表示駆動回路121と、液晶部を駆動する液晶表示駆動回路122と、外部通信コネクタ22に接続されることで緊急の場合にナースを呼び出すナースコール回路123と、データ入力装置に接続されて識別タグ3の薬剤認識データの情報をホストコンピュータ、ナースセンター等外部に有線(院内LAN等)または無線(赤外線等)で通信可能にできる外部通信回路124とが接続されている。こうして、予め登録された様々な薬剤認識データベース(薬剤ライブラリ)と照合、確認が可能となっている。
【0053】
また、電源回路113には電源入力コネクタ112が接続されており、商用電源からの電力供給を受けて、充電回路114を駆動して充電バッテリー115の充電と上記の電源スイッチ回路110への電力供給を行うようにしている。この電源回路113は、さらに直流電源入力のためのコネクタ111が接続されており、直流電源による駆動を行えるようにしている。
【0054】
尚、識別タグ3には、薬剤データ(薬剤識別データ等の薬剤そのものの識別データ、薬剤識別コード等の薬剤そのものの薬剤識別データ、標準医薬品コード標準医薬品番号(連番等)等の薬剤認識データまたは連番コードが記憶されている。薬剤収納容器がシリンジの場合には、所定の薬剤(鎮痛剤,麻酔剤、抗ガン剤、ビタミン剤等)が予め収納されたフレフィルドシリンジとして準備される場合や、調合後にシリンジに薬剤を充填した後、識別タグ3の情報をループアンテナ45を介してループアンテナ46で読み取り、ホストコンピュータ等に薬剤認識データベースに予め登録する場合がある。
【0055】
以上のように、薬剤容器を薬剤注入装置へ装填するときに、識別タグを検出するための検出部に対する相対位置合わせを不要にすることができ、かつ誤った薬剤容器を装填することを防止して安全性を確保できるようになる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、薬剤容器を薬剤注入装置へ装填するときに、識別タグを検出するための検出部に対する相対位置合わせを不要にすることができ、かつ誤った薬剤容器を装填することを防止して安全性を確保できる薬剤容器とこれを用いた薬剤注入装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】薬剤容器と薬剤注入装置の第1実施形態の外観斜視図である。
【図2】薬剤容器と薬剤注入装置の第2実施形態の外観斜視図である。
【図3】図2のX-X線矢視断面図である。
【図4】図2の薬剤注入装置の動作状態を示した外観斜視図である。
【図5】薬剤容器と薬剤注入装置の第3実施形態の外観斜視図である。
【図6】薬剤容器と薬剤注入装置の第4実施形態の要部断面図である。
【図7】識別タグのブロック図である。
【図8】シリンジポンプ30のブロック図である。
【符号の説明】
1 輸液セット
2 シリンジ
3 識別タグ(第1の無線通信部)
4 バッグ
5 接続チューブ
6 形状部材
10 蠕動式輸液装置
11 蠕動ポンプ機構
12 装填部
46 アンテナ(第2の無線通信部)

Claims (1)

  1. 収容された薬剤に関するデータが記憶されたRFIDタグが押子部の端面に配されたシリンジを保持し、該シリンジ内に収容された薬剤を送出するシリンジポンプであって、
    前記シリンジのフランジ部を挟持することで前記シリンジを保持する保持部材と、
    前記保持部材により保持された状態における前記シリンジの押子部の端面を押圧することで、前記シリンジのガスケットを摺動させ前記薬剤を送出させる押圧部材であって、前記シリンジの押子部の端面を押圧する押圧面上に、前記RFIDタグと通信するためのアンテナコイルが配設された押圧部材と、
    前記アンテナコイルを介して前記RFIDタグと通信することにより、該RFIDタグに記憶された前記薬剤に関するデータを読み出す読出部と
    前記読出部により読み出された前記薬剤に関するデータが、調合により前記シリンジに収容された薬剤に関するデータであって、所定のデータベースに登録されていない場合には、該読み出された薬剤に関するデータを該データベースに登録し、
    前記読出部により読み出された前記薬剤に関するデータが、予め前記シリンジに収容された薬剤に関するデータであって、前記データベースに登録されている場合には、該読み出された薬剤に関するデータを、前記データベースと照合する照合部と
    を備えることを特徴とするシリンジポンプ。
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