JP4405361B2 - レシプロ機構 - Google Patents

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本発明は、シリンダに摺動自在に嵌合するピストンをコネクティングロッドを介してクランクシャフトに接続したレシプロ機構に関し、特にピストンの上・下死点およびストロークを共に変更可能なレシプロ機構に関する。
排気量あるいは圧縮比を変更可能なレシプロ機構が、下記特許文献1および下記特許文献2により公知である。
特許文献1に記載されたレシプロ機構は、クランクケースに対してシリンダブロックをアクチュエータで揺動させるものであり、シリンダブロックを揺動させてシリンダ軸線に対するクランクシャフト軸線のオフセット量を増加させ、それに応じてピストンのストロークを増加させることで、排気量および圧縮比を変更するようになっている。
特許文献2に記載されたレシプロ機構は、クランクピンに第1のコネクティングロッドの中間部を接続し、第1のコネクティングロッド一端部とピストンとを浮動レバーで接続し、第1のコネクティングロッド他端部と偏心軸とを第2のコネクティングロッドで接続したもので、アクチュエータで偏心軸を回転させて第2のコネクティングロッド、第1のコネクティングロッドおよび浮動レバーを介してピストンの上下位置を調整することで、圧縮比を変更するようになっている。
特開平6−137176号公報 特開2000−73804号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたものは、クランクケースに対してシリンダブロックを揺動させるため、極めて大出力のアクチュエータが必要になるだけでなく、揺動するシリンダブロックが他部材と干渉するのを回避するためにレシプロ機構のレイアウトが困難になるという問題がある。
また特許文献2に記載されたものは、圧縮比の変更は可能であるが排気量の変更は不可能であり、しかもアクチュエータを必要とするために部品点数およびコストが増加する問題がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、特別のアクチュエータを必要とせずにピストンの上・下死点およびストロークを変更することが可能なレシプロ機構を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、シリンダと、シリンダに摺動自在に嵌合するピストンと、シリンダ軸線に対するオフセット量が変更可能なガイド部材と、一端がピストンに接続されて他端がガイド部材に摺動自在に支持された第1コネクティングロッドと、一端が第1コネクティングロッドに接続されて他端がクランクシャフトに接続された第2コネクティングロッドとを備え、ガイド部材は、クランクシャフト軸線に直交する平面内で少なくとも一部が湾曲していることを特徴とするレシプロ機構が提案される。
また請求項に記載された発明によれば、シリンダと、シリンダに摺動自在に嵌合するピストンと、シリンダ軸線に対するオフセット量が変更可能なガイド部材と、一端がピストンに接続されて他端がガイド部材に摺動自在に支持された第1コネクティングロッドと、一端が第1コネクティングロッドに接続されて他端がクランクシャフトに接続された第2コネクティングロッドとを備え、ガイド部が所定位置にあるとき、クランクシャフトの回転に伴って、ピストンが停止した状態で第1、第2コネクティングロッドが揺動することを特徴とするレシプロ機構が提案される。
また請求項に記載された発明によれば、請求項の構成に加えて、ガイド部材は円弧状であり、前記円弧の半径は第1コネクティングロッドの両端間の距離に等しく、かつ前記円弧の中心はシリンダ軸線上に移動可能であることを特徴とするレシプロ機構が提案される。
請求項1または請求項2の構成によれば、一端がピストンに接続された第1コネクティングロッドの他端を、シリンダ軸線に対するオフセット量を変更可能なガイド部材に摺動自在に案内するとともに、一端が第1コネクティングロッドに接続された第2コネクティングロッドの他端をクランクシャフトに接続したので、前記オフセット量の変更に基づいてピストンの上死点の位置および下死点の位置を変化させて排気量および圧縮比を変更することができる。また第2コネクティングロッドがシリンダ軸線に対して傾斜したときの偏荷重をガイド部材で受けてピストンの傾斜を防止することで、ピストンの側圧を効果的に低減することができる。しかも特別のアクチュエータを必要とせずにレシプロ機構の運転状態に応じてガイド部材のオフセット量が自動的に変化するので、部品点数およびコストの削減が可能となる。更に、ガイド部材をオフセットさせたことで、所定のピストンストロークを確保するためのクランク半径を小さくすることができるので、クランクシャフトの小型軽量化を図ることができる。
特に請求項1の構成によれば、クランクシャフト軸線に直交する平面内でガイド部材の少なくとも一部が湾曲しているので、ピストンの下死点の位相遅れを解消し、下死点から上死点へのピストンの移動速度と上死点から下死点へのピストンの移動速度とを均一化したり、上死点および下死点の中間位置でのピストンの最大速度を低下させたりすることができる。
特に請求項2の構成によれば、ガイド部を所定位置に固定すると、クランクシャフトが回転して第1、第2コネクティングロッドが揺動してもピストンが停止状態に維持されるので、可動部のうちで最も質量および摩擦が大きいピストンを停止させて振動の低減および摩擦損失の低減を図ることができるだけでなく、ピストンのストロークをゼロから最大値まで任意に変化させることができる。
請求項の構成によれば、円弧状のガイド部材の円弧の半径を第1コネクティングロッドの両端間の距離に等しく設定したので、前記円弧の中心をシリンダ軸線上に移動させると、第1コネクティングロッドの一端を前記円弧の中心に一致させてピストンを停止させることができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例および参考例に基づいて説明する。
図1〜図7は本発明の第1参考例を示すもので、図1は排気量および圧縮比の可変機構を備えたエンジンの縦断面図、図2は高負荷時における上死点および膨張・吸気行程の作用説明図、図3は高負荷時における下死点および圧縮・排気行程の作用説明図、図4は低負荷時における上死点および膨張・吸気行程の作用説明図、図5は低負荷時における下死点および圧縮・排気行程の作用説明図、図6は高負荷時および低負荷時におけるクランクアングルに対するピストン位置の関係を示すグラフ、図7はエンジンの負荷状態に応じた排気量および圧縮比の変化を示すグラフである。
図1に示すように、レシプロ機構の一例としての4サイクル単気筒エンジンEはクランクケース11と、シリンダブロック12と、シリンダヘッド13とを備えており、シリンダブロック12の内部に設けたシリンダ14に摺動自在に嵌合するピストン15と、クランクケース11に回転自在に支持したクランクシャフト16とが、第1コネクティングロッド17および第2コネクティングロッド18を介して接続される。
シリンダヘッド13の下面にピストン15の上面に臨む燃焼室19が形成されており、燃焼室19に連なる吸気ポート20および排気ポート21がそれぞれ吸気バルブ22および排気バルブ23で開閉される。これらの吸気バルブ22および排気バルブ23は、図示せぬ動弁機構により駆動される。
軸線L2を有するレール状のガイド部材24がクランクシャフト軸線L3と平行な支軸24aを支点としてクランクケース11の内部に揺動可能に枢支されており、このガイド部材24にスライダ25が摺動自在に嵌合する。第1コネクティングロッド17は「く」字状に屈曲した部材であり、その上端がピストン15の下面にピストンピン26を介して枢支されるとともに、その下端がスライダ25に第1ピン27を介して枢支される。ガイド部材24の支軸24aにはブレーキ機構28が設けられており、支軸24aを回転可能な自由状態と回転不能な拘束状態とに切り替えることができる。
クランクシャフト16はジャーナル16aと、クランクウエブ16bと、クランクピン16cとを備えており、直線状の第2コネクティングロッド18は、その上端が第1コネクティングロッド17の中間部に第2ピン29を介して枢支されるとともに、その下端がクランクシャフト16のクランクピン16cに枢支される。
シリンダ軸線L1に対して、ガイド部材24の軸線L2は左側にオフセットしており、クランクシャフト軸線L3、つまりジャーナル16aの軸線は右側にオフセットしている。このガイド部材24は、第1コネクティングロッド17のガイド部材24側の端部の移動軌跡の、シリンダ軸線L1に対するオフセット量を変更可能である。
次に、上記構成を備えた本発明の第1参考例の作用について説明する。
エンジンEの運転中にブレーキ機構28を作動させて支軸24aを拘束することで、ガイド部材24は所定の角度に固定される。エンジンEの排気量および圧縮比を変更したいときにブレーキ機構28を解除すると、そのときのエンジンEの運転状態(例えば負荷状態)に応じてガイド部材24が自動的に支軸24aまわりに揺動するので、任意の位置でブレーキ機構28を作動させてガイド部材24を新たな角度に固定する。
図2および図3はエンジンEの高負荷時に対応するもので、ガイド部材24は支軸24aを支点として時計方向に揺動しており、図2(A)は上死点、図2(B)は膨張・吸気行程、図3(C)は下死点、図3(D)は圧縮・排気行程を示している。図4および図5はエンジンEの低負荷時に対応するもので、ガイド部材24は支軸24aを支点として反時計方向に揺動しており、図4(A)は上死点、図4(B)は膨張・吸気行程、図5(C)は下死点、図5(D)は圧縮・排気行程を示している。
このようなガイド部材24の角度の制御は、エンジンEの運転状態を検出する運転状態検出手段と、ガイド部材24の実角度を検出する角度検出手段とを設け、電子制御ユニットでエンジンEの運転状態からガイド部材24の目標角度を決定し、角度検出手段で検出したガイド部材24の実角度が前記目標角度に一致したときに、ブレーキ機構28を作動させてガイド部材24の角度を固定することで実現される。
図6は高負荷時および低負荷時におけるクランクアングルに対するピストン位置の関係を示すものである。図2および図3に示す高負荷時と図4および図5に示す低負荷時とで、ピストン15の上死点の位置およびタイミングは殆ど同じである。それに対して、図4および図5に示す低負荷時に比べて、図2および図3に示す高負荷時には、ピストン15の下死点の位置が低くなり、かつ下死点のタイミングが遅れている。このことは、図3(C)に示す高負荷時の下死点状態と、図5(C)に示す低負荷時の下死点状態とを比較すると明らかであり、図3(C)の方が図5(C)に比べてピストン15の下死点の位置が低く、かつクランクシャフト16の位相が進んでいる。
図7はエンジンEの負荷状態に応じた排気量および圧縮比の変化を示すものである。ピストン15の上死点の位置が高負荷時と低負荷時とで殆ど変化せず、ピストン15の下死点の位置が高負荷時の方が低負荷時よりも低くなることで、高負荷時に排気量および圧縮比が共に増加し、低負荷時に排気量および圧縮比が共に減少している。
このように、ピストン15の上死点の位置を殆ど変えずに下死点の位置を下げることができるので、燃焼室19の形状を変化させることなく排気量および圧縮比を変更することができ、エンジンEの熱効率を高い値に保持しながら高負荷時に出力を増加させることができる。しかも簡単な構造で、かつ特別のアクチュエータを必要とせずに排気量および圧縮比を変更することができるので、極めて低コストで実現可能である。
更に、本参考例によればピストン15の側圧を低減する効果を達成することができる。即ち、エンジンEの膨張行程および圧縮行程では第1、第2コネクティングロッド17,18に大きな圧縮荷重が作用する。第1コネクティングロッド17のピストンピン26および第2ピン29に挟まれた部分は概ねシリンダ軸線L1に沿って移動するのに対し、第2コネクティングロッド18のシリンダ軸線L1に対する傾斜角はクランクシャフト16の回転に伴って連続的に変化する。
特に、本参考例では、図3(D)および図5(D)およびに示す圧縮行程において、第2コネクティングロッド18がシリンダ軸線L1に対して大きく傾斜するため、第2コネクティングロッド18に作用する圧縮荷重の反力で第1コネクティングロッド17の第2ピン29が左側に付勢される。しかしながら、この付勢力は第1コネクティングロッド17の下端の第1ピン27およびスライダ25を介してガイド部材24により支持されるため、ピストン15に作用する偏荷重による側圧を大幅に低減し、偏摩耗の発生による耐久性の低下を防止することができる。このピストン15の側圧の低減効果は、程度の差は存在するものの、全てのクランクアングルにおいて達成される。
またクランクシャフト軸線L3がシリンダ軸線L1上にあると仮定すると、ピストン15のストローク(上死点および下死点間の距離)はクランクシャフト軸線L3とクランクピン16cの中心との距離の2倍になるが、本参考例の如くクランクシャフト軸線L3をシリンダ軸線L1から偏心させると、ピストン15のストロークを所定の大きさに確保するための前記距離を小さくすることができ、これによりクランクシャフト16の小型化および重量軽減を達成することができる。
次に、図8に基づいて本発明の第1実施例を説明する。
図6で説明したように、上述した第1参考例は高負荷時にピストン15の下死点の位相が遅れる特性があり、そのためにピストン15が下死点から上死点に移動する速度が速くなって摩擦抵抗の増加する可能性がある。そこで第1実施例ではガイド部材24の軸線L2をピストン15の上死点側に比べて下死点側でシリンダ軸線L1側に接近するように湾曲させている。これにより、高負荷時のピストン15の下死点の位相を図6に矢印aで示すように進ませることで、ピストン15が下死点から上死点に移動する速度と、ピストン15が上死点から下死点に移動する速度とを均一化することができる。
またガイド部材24の両端部を一直線状として中間部だけを湾曲させれば、上死点および下死点の中間位置でのピストン15の最大速度を低下させることができる。
図9〜図11は本発明の第2参考例を示すもので、図9は排気量および圧縮比の可変機構を備えたエンジンの縦断面図、図10は高負荷時および低負荷時におけるクランクアングルに対するピストン位置の関係を示すグラフ、図11はエンジンの負荷状態に応じた排気量および圧縮比の変化を示すグラフである。
図1(第1参考例)と図9(第2参考例)とを比較すると明らかなように、第2参考例ではガイド部材24の支軸24aの位置が第1参考例よりも下方に下がっており、その他の構成は全て第1参考例と同じである。
ガイド部材24の支軸24aの位置を下げたことにより、図10および図11から明らかなように、ピストン15の下死点の位置は高負荷時に低負荷時に比べて大きく下がるのに対し、ピストン15の上死点の位置は高負荷時に低負荷時に比べて若干下がっている。その結果、排気量はピストン15の下死点の位置が下がる高負荷時ほど大きくなるのに対し、圧縮比は高負荷時にピストン15の上死点の位置が若干下がって燃焼室19の容積が増加することにより、負荷の大小に関わらずに略一定に保持される。
図12〜図14は本発明の第3参考例を示すもので、図12は排気量および圧縮比の可変機構を備えたエンジンの縦断面図、図13は高負荷時および低負荷時におけるクランクアングルに対するピストン位置の関係を示すグラフ、図14はエンジンの負荷状態に応じた排気量および圧縮比の変化を示すグラフである。
図9(第2参考例)と図12(第3参考例)とを比較すると明らかなように、第3参考例ではガイド部材24の支軸24aの位置が第2参考例よりも更に下方に下がっており、その他の構成は全て第2参考例と同じである。
ガイド部材24の支軸24aの位置を更に下げたことにより、図13および図14から明らかなように、ピストン15の下死点の位置は高負荷時に低負荷時に比べてやや多めに下がるのに対し、ピストン15の上死点の位置は高負荷時に低負荷時に比べてやや少なめに下がっている。その結果、排気量はピストン15の下死点の位置が下がる高負荷時ほど大きくなるのに対し、圧縮比は高負荷時にピストン15の上死点の位置が下がって燃焼室19の容積が増加することにより、高負荷時ほど低下している。
図15〜図17は本発明の第4参考例を示すもので、図15は排気量および圧縮比の可変機構を備えたエンジンの縦断面図、図16は高負荷時および低負荷時におけるクランクアングルに対するピストン位置の関係を示すグラフ、図17はエンジンの負荷状態に応じた排気量および圧縮比の変化を示すグラフである。
図1(第1参考例)と図15(第4参考例)とを比較すると明らかなように、第4参考例ではガイド部材24の支軸24aの位置が第1参考例よりも上方に上がっており、その他の構成は全て第1参考例と同じである。
ガイド部材24の支軸24aの位置を上げたことにより、図16および図17から明らかなように、ピストン15の下死点の位置は高負荷時に低負荷時に比べてかなり多めに下がるのに対し、ピストン15の上死点の位置は高負荷時に低負荷時に比べて全く変化していない。その結果、第1参考例とほぼ同様に、高負荷時に排気量および圧縮比が共に増加し、低負荷時に排気量および圧縮比が共に減少している。
また本参考例では圧縮比および排気量が可変であるが、ピストン15の上死点の位置は全く変化しない。従って、圧縮比および排気量を変化させても、燃焼室19の形状が変化しないために燃焼状態を安定させることが可能となる。
図18および図19は本発明の第2実施例を示すもので、図18は排気量および圧縮比の可変機構を備えたエンジンの縦断面図、図19はピストン停止時の作用を説明する図である。
第2実施例は湾曲したガイド部材24を持つ第1実施例と、下端を枢支したガイド部材24を有する第3参考例とを組み合わせたものである。下端を支軸24aで枢支したガイド部材24は円弧状をなしており、そこに「く」字状に屈曲した第1コネクティングロッド17の下端のスライドピン17aが、スライダ25を介さずに摺動自在かつ揺動自在に案内される。支軸24aをブレーキ機構28で拘束することで、ガイド部材24を回転不能に固定することができる。
第1コネクティングロッド17の長さR、つまりピストンピン26およびスライドピン17a間の距離Rが、円弧状のガイド部材24の円弧の半径Rに等しく設定される。ガイド部材24が支軸24aまわりに揺動するとガイド部材24の円弧の中心Oは円弧A上を移動する。図18には、ガイド部材24の円弧の中心Oがシリンダ軸線L1上にある状態、つまり前記円弧の中心Oが第1コネクティングロッド17の上端のピストンピン26の位置に一致している状態が示されており、この状態でクランクシャフト16が回転してもピストン15は停止状態に維持される。
即ち、図19(a)〜(d)に示すように、クランクシャフト16が回転すると、第2コネクティングロッド18に押し引きされて第1コネクティングロッド17が揺動するが、第1コネクティングロッド17の揺動中心となるピストンピン26の位置がガイド部材24の円弧の中心Oに一致しているため、第1コネクティングロッド17はスライドピン17aをガイド部材24に案内させながらピストンピン26の位置を中心として揺動することができ、クランクシャフト16が回転してもピストン15を停止状態に維持することができる。
このように、第2実施例によれば、クランクシャフト16が回転してもピストン15が停止状態に維持されるので、第1、第2コネクティングロッド17,18に比べて質量および摩擦が大きいピストン15を停止させて振動の低減および摩擦損失の低減を図ることができるだけでなく、ピストン15のストロークをゼロから最大値まで無段階に変化させて圧縮比や排気量を任意に変化させることができる。またバルブ停止をせずに気筒休止が可能になるので、部品点数を大幅に削減することができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施例では4サイクル単気筒エンジンEを例示したが、本発明は気体あるいは液体を作動媒体とするモータ、ポンプ、コンプレッサ等の任意のレシプロ機構に対しても適用することができ、しかもシリンダの数やシリンダの配置も任意である。
また実施例ではクランクシャフト軸線L3をシリンダ軸線L1に対して偏心させているが、クランクシャフト軸線L3をシリンダ軸線L1上に配置しても良い。
また実施例ではガイド部材24を支軸24aまわりに揺動させてオフセット量を変更しているが、ガイド部材24を平行移動させて、あるいは平行移動および揺動を組み合わせてオフセット量を変更しても良い。
また本発明を多気筒エンジンに適用する場合に、複数の気筒のガイド部材24の角度を一括して変更あるいは設定することができる。
またガイド部材24の位置および支軸24aの位置を変化させることによって、ピストン15の上死点および下死点の設定自由度を増加させることができる。
第1参考例の排気量および圧縮比の可変機構を備えたエンジンの縦断面図 高負荷時における上死点および膨張・吸気行程の作用説明図 高負荷時における下死点および圧縮・排気行程の作用説明図 低負荷時における上死点および膨張・吸気行程の作用説明図 低負荷時における下死点および圧縮・排気行程の作用説明図 高負荷時および低負荷時におけるクランクアングルに対するピストン位置の関係を示すグラフ エンジンの負荷状態に応じた排気量および圧縮比の変化を示すグラフ 第1実施例の排気量および圧縮比の可変機構を備えたエンジンの縦断面図 第2参考例の排気量および圧縮比の可変機構を備えたエンジンの縦断面図 高負荷時および低負荷時におけるクランクアングルに対するピストン位置の関係を示すグラフ エンジンの負荷状態に応じた排気量および圧縮比の変化を示すグラフ 第3参考例の排気量および圧縮比の可変機構を備えたエンジンの縦断面図 高負荷時および低負荷時におけるクランクアングルに対するピストン位置の関係を示すグラフ エンジンの負荷状態に応じた排気量および圧縮比の変化を示すグラフ 第4参考例の排気量および圧縮比の可変機構を備えたエンジンの縦断面図 高負荷時および低負荷時におけるクランクアングルに対するピストン位置の関係を示すグラフ エンジンの負荷状態に応じた排気量および圧縮比の変化を示すグラフ 第2実施例の排気量および圧縮比の可変機構を備えたエンジンの縦断面図 ピストン停止時の作用を説明する図
14 シリンダ
15 ピストン
16 クランクシャフト
17 第1コネクティングロッド
18 第2コネクティングロッド
24a 支軸
25 スライダ
L1 シリンダ軸線
L3 クランクシャフト軸線

Claims (3)

  1. シリンダ(14)と、
    シリンダ(14)に摺動自在に嵌合するピストン(15)と、
    シリンダ軸線(L1)に対するオフセット量が変更可能なガイド部材(24)と、
    一端がピストン(15)に接続されて他端がガイド部材(24)に摺動自在に支持された第1コネクティングロッド(17)と、
    一端が第1コネクティングロッド(17)に接続されて他端がクランクシャフト(16)に接続された第2コネクティングロッド(18)と、
    を備え
    ガイド部材(24)は、クランクシャフト軸線(L3)に直交する平面内で少なくとも一部が湾曲していることを特徴とするレシプロ機構。
  2. シリンダ(14)と、
    シリンダ(14)に摺動自在に嵌合するピストン(15)と、
    シリンダ軸線(L1)に対するオフセット量が変更可能なガイド部材(24)と、
    一端がピストン(15)に接続されて他端がガイド部材(24)に摺動自在に支持された第1コネクティングロッド(17)と、
    一端が第1コネクティングロッド(17)に接続されて他端がクランクシャフト(16)に接続された第2コネクティングロッド(18)と、
    を備え
    ガイド部材(24)が所定位置にあるとき、クランクシャフト(16)の回転に伴って、ピストン(15)が停止した状態で第1、第2コネクティングロッド(17,18)が揺動することを特徴とするレシプロ機構。
  3. ガイド部材(24)は円弧状であり、前記円弧の半径は第1コネクティングロッド(17)の両端間の距離に等しく、かつ前記円弧の中心はシリンダ軸線(L1)上に移動可能であることを特徴とする、請求項に記載のレシプロ機構。
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