JP4404816B2 - ミクロトーム - Google Patents

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Description

本発明は主に病理学的試料を薄片状に切断して検鏡試片を得るためのミクロトームに関するものである。
従来、主に病理学的試料を薄片状に切断して検鏡試片を得るための滑走式ミクロトームが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この病理学的試料を以下では、検鏡試料或いは単に試料という。
滑走式ミクロトームは、図1に示すように切断刃21を保持する切断刃ホルダ22をレール上に水平移動自在に配置した切断刃移動機構20と、検鏡試料を上下方向に昇降自在に配置する昇降機構、及び、該昇降機構の上部に設けられ、検鏡試料を保持するバイス50を取付するバイス取付ユニット40を備えている。バイス取付ユニット40には、バイス50の傾きを調節する傾き調節機構を備えている。
そして、滑走式ミクロトームでは、切断刃移動機構20の切断刃21の移動軌跡上に、検鏡試料を突出させるように昇降機構を操作者は手動で操作し、その後、傾き調節機構で、試料の傾きが切断するのに適切となるようにバイス50の傾きを調節する。そして、その後、切断刃移動機構20を手動で操作して、切断刃21の移動軌跡から上方に突出した検鏡試料の部分を切断刃21によって切断することにより、検鏡試片を得るようにしている。検鏡試料を切断した後は、再び、操作者は切断刃移動機構20を手動で操作して検鏡試料を切断する前の位置に戻し、昇降機構を再び手動で操作することより、切断刃21の移動軌跡上に、検鏡試料を突出させる。このような滑走式ミクロトームは、構造が簡単であり、電動駆動により、切断刃ホルダや検鏡試料を移動させるミクロトームと異なって、複雑な回路や、制御装置等が必要でないため、低価格であることを特徴としている。
ところで、バイス取付ユニット40は、図3に示すように昇降機構の上部に取付されたバイス台410と、バイス50を取付するバイス位置決め台420とを含むように構成されている。そして、バイス位置決め台420が、バイス台410に対して、いずれの方向に対しても傾動自在に配置されている。又、バイス位置決め台420の下部に突出した突出部422に対して、移動リング440が摺動自在に嵌合されており、この移動リング440を、互いに直交する方向からそれぞれ押圧操作して、移動リング440の位置を変位させることにより、バイス位置決め台420をバイス台410に対して傾動操作できるようにしている。前述した、バイス台410、バイス位置決め台420、移動リング440等により、傾き調節機構が構成されている。
特開平3−209145号公報
ところが、前記バイス位置決め台420をいずれの方向においても傾動自在にする必要があるため、前記移動リング440をいずれの方向にも移動自在に配置している。このため、一方向から移動リング440を押圧操作したとき、この一方向とは異なる方向にも意図せずして移動してしまうことがあった。
この結果、目的の方向において傾動調節を行いたい場合、正確な傾動調節を行うことが難しい問題があった。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、バイス位置決め部材をいずれの方向に対して傾動調節する場合、正確な傾動調節を行うことができるミクロトームを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、バイス台に対して傾動自在に設けられ、試料を保持可能なバイスを支持するバイス位置決め部材と、外部操作により、一平面内において互いに直交する二方向に移動自在に配置され、移動により、前記バイス位置決め部材に対して傾動を付与する作動部材と、前記作動部材の前記直交する二方向の位置をそれぞれ調節する第1位置調節部材と、第2位置調節部材を有するミクロトームにおいて、前記バイス台には、前記二方向のうち、一方の方向にのみ移動可能に配置され、前記第1位置調節部材により、変位駆動されるガイド部材が設けられ、前記ガイド部材には、前記二方向のうち、前記ガイド部材が移動可能な方向とは異なる他方の方向に前記作動部材をガイドするガイド部が設けられ、前記第2位置調節部材により、前記作動部材が前記他方の方向に位置調節される際に、前記ガイド部により、前記作動部材がガイドされることを特徴とするミクロトームを要旨とするものである。
請求項2の発明は、請求項1において、前記バイス台には、前記作動部材の前記第1位置調節部材による位置調節時に、リターンプリングとして前記作動部材に作用する第1バネと、前記ガイド部材の前記第2位置調節部材による位置調節時にリターンスプリングとして前記ガイド部材に作用する第2バネを設けたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2において、前記ガイド部材は、前記作動部材を移動自在に載せる平板部と、該平板部の一側から立設したガイド部としてのガイド側板とからなり、前記ガイド側板には、前記平板部から作動部材の浮き上がりを防止する浮き上がり防止手段を備えたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3において、前記浮き上がり防止手段は、前記ガイド側板が、前記作動部材を下方へ押圧するように斜状に立設されている構成であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項において、前記作動部材と第1位置調節部材間、及び前記作動部材と第2位置調節部材間の少なくともいずれかの間には、前記作動部材に対して面接触する押圧部材を介在配置したことを特徴とする。
(作用)
請求項1の発明では、作動部材を互いに直交する二方向のうち、一方の方向に沿って移動させると、該作動部材はガイド部材ともに、同じ方向に変位する。この変位に応じた分バイス位置決め部材は、この一方の方向に対して傾動する。
又、直交する二方向のうち、他方の方向に沿って作動部材を移動させると、ガイド部材のガイド部により、作動部材がガイドされて該他方の方向に沿って変位する。
この変位に応じた分バイス位置決め部材は、他方の方向に対して傾動する。この結果、作動部材は、直交する二方向において、それぞれ変位する時は、互いに他の方向には変位しないため、バイス位置決め部材は、互いに直交する二方向のそれぞれの変位に応じて、正確に傾動させることが可能となる。
請求項2の発明では、第1バネが、作動部材の第1位置調節部材による位置調節時に、リターンスプリングとして前記作動部材に作用する。又、第2バネが、ガイド部材の第2位置調節部材による位置調節時にリターンスプリングとして前記ガイド部材に作用する。この結果、第1バネの付勢力に抗して、第1位置調節部材による位置調節が行われる。又、第2バネの付勢力に抗して、第2位置調節部材による作動部材の位置調節が行われる。この結果、作動部材と第1位置調節部材、作動部材と第2位置調節部材とは、それぞれ離間することがない。
請求項3の発明では、作動部材の位置調節時において、作動部材が変位する際、ガイド部材の平板部上の作動部材は、ガイド側板に設けられた浮き上がり防止手段により、浮き上がりが防止される。
請求項4の発明では、浮き上がり防止手段を、ガイド側板が、作動部材を下方へ押圧するように斜状に立設して構成することにより、作動部材が変位する際、ガイド部材の平板部上の作動部材は、浮き上がりが防止される。
請求項5の発明では、作動部材と第1位置調節部材間、前記作動部材と第2位置調節部材間の少なくともいずれかの間には、作動部材に対して面接触する押圧部材を介在配置することにより、両者間に働く力が分散される。
請求項1の発明によれば、バイス位置決め部材をいずれの方向に対して傾動調節する場合、正確な傾動調節を行うことができる。
請求項2の発明によれば、作動部材と第1位置調節部材、作動部材と第2位置調節部材とは、それぞれ離間することがないため、作動部材の互いに直交する方向の変位を好適に行うことができる。
請求項3の発明によれば、作動部材の位置調節時において、作動部材が変位する際、ガイド部材の平板部上の作動部材は、ガイド側板に設けられた浮き上がり防止手段により、浮き上がりが防止できる。
請求項4の発明によれば、浮き上がり防止手段を、ガイド側板が、作動部材を下方へ押圧するように斜状に立設して構成することにより、作動部材が変位する際、ガイド部材の平板部上の作動部材は、浮き上がりが防止できる。このように、簡単な構成で、作動部材の浮き上がりが防止できる。
請求項5の発明によれば、作動部材に働く回転モーメントの影響を少なくでき、作動部材の移動をスムーズにすることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図7(a)を参照して説明する。
図1に示すように、ミクロトーム10は、切断刃21を保持する切断刃ホルダ22をレール上に水平移動自在に配置した切断刃移動機構20と、試料S(図3、図6参照)を上下方向に昇降自在に配置する昇降機構30、及び、該昇降機構30の上部に設けられた、バイス取付ユニット40を備えている。バイス取付ユニット40には、試料Sを保持するバイス50の傾きを調節する傾き調節機構Kを備えている。ミクロトーム10のベース23には切断刃移動機構20及び位置調整機構13が設けられている。
なお、本明細書では、切断刃21の移動方向をX方向(図1において、(前)と記載されている方向)とし、ミクロトーム10を前から見た場合を基準として、X方向に直交する方向をY方向(右方向)とする。X方向及びY方向は、水平面内に含まれるものとする。
(切断刃移動機構20)
ミクロトーム10は、ベース23上に固定された支台24及び支台24上に固定されたテーブル25を備えている。切断刃移動機構20は、テーブル25上に設けられたX方向に延びる図示しないレールと、該レールに対して、スライド自在に係合された滑走ブロック26とを備えている。又、ミクロトーム10は、テーブル25上をX方向に沿って移動する切断刃ホルダ22及び切断刃ホルダ22に取り付けされた切断刃21を備えている。滑走ブロック26上には、副ブロック27が固定されており、副ブロック27上に切断刃ホルダ22が固定されている。副ブロック27の右側部には、図示はしないがハンド操作板が固定されており、該ハンド操作板を把持して操作することにより、滑走ブロック26をスライド操作可能とされている。
(昇降機構30)
昇降機構30は、荒調整及び微調整が可能に構成された機構である。昇降機構30は、本発明の要部ではないため、簡単に説明する。
昇降機構30は、その大部分が支台24の左側部に設けられた機構ケース31内に収納されている。図2に示すように、機構ケース31の上壁からは、昇降機構30の作動により、上下方向に移動する支持台33が突出されている。
機構ケース31の左側面には、荒調整ノブ32が設けられている。荒調整ノブ32が回転操作されると、その回転量に応じて、昇降機構30が作動されて、前記支持台33の昇降方向の位置の荒調整が可能とされている。機構ケース31の前側面には、微調整ノブ34が設けられている。微調整ノブ34が回転操作されると、その回転量に応じて、昇降機構30が作動されて、荒調整ノブ32によるものよりも、支持台33の昇降方向の位置の調整を細かく行うことが可能とされている。
機構ケース31の左側面には、回転抑制ノブ35が設けられている。回転抑制ノブ35の回転操作により、昇降機構30がロックされて支持台33の昇降方向の移動が抑制されるようにされている。従って、昇降機構30がロックされた状態では、支持台33上のバイス取付ユニット40を介して支持されているバイス50に保持した試料Sを切断刃21にて切断する際に、良好に切断作業を行うことが可能となる。
(バイス取付ユニット40)
バイス取付ユニット40は、バイス台410、バイス位置決め台420、調整板430、移動リング440、第1位置調節軸450、第2位置調節軸452、リターンスプリング454a、第1バネケース456、第2バネケース457、第1バネ心棒458、第2バネ心棒459、固定体460等を備えている。
バイス台410は、図2に示すように、支持台33の上面に対して固定されている。バイス台410の上面中央には、上方が開口された収納室412とされている。収納室412の下部は、図4に示すように、断面が略正方四角形状をなす下部室413とされている。図4に示すように、下部室413は、X方向に平行な一対の側面413xと、Y方向に平行な一対の側面413yとを備えている。又、収納室412の上部室414は下部室413の横断面積よりも広い断面積を有しており、内周面が球面に形成され、上方が開口されている。又、下部室413の底面には、上下方向に延びる断面円形の貫通孔411が形成されている。
バイス位置決め部材としてのバイス位置決め台420は、その大部分が収納室412に対して収納配置されている。バイス位置決め台420の上部の外周面421は、上部室414の内周面の曲率半径と同じ曲率半径を有した球面に形成されており、上部室414の内周面に対して摺動自在に接して支持されている。この結果、バイス位置決め台420は、上部室414の内周面において、いずれの方向に対しても、バイス台410に対して、上部室414の内周面の曲率半径の中心を中心にして傾動自在にされている。
バイス位置決め台420の下部は、上部の中央から下方へ突出された突出部422とされている。突出部422の外周面は、横断面円形をなすとともに、外側へ膨らむ曲面に形成されている。突出部422は、図3に示すように、下部室413内に配置されている。バイス位置決め台420の上部中央には、凹部423が形成されている。凹部423の内面は、所定の曲率半径を有した半球状に形成されている。又、突出部422の中央には、凹部423よりも縮径した横断面円形をなす透孔424が形成されている。透孔424は凹部423と連通されており、同軸となるように配置されている。
下部室413底面には、ガイド部材としての調整板430が移動自在に載置されている。図5(a)、(c)に示すように、調整板430は、平板状の底板431と、底板431の一側縁から底板431側に向かって斜状に立設されたガイド部及びガイド側板としての受板部432とから構成されている。底板431は、平板部に相当する。受板部432が、底板431の一側縁から底板431側に向かって斜状に立設された構成は、浮き上がり防止手段に相当する。受板部432は、図4に示すように、Y方向と平行に配置されている。又、底板431には、円形をなす孔433が形成されている。
図4に示すように、調整板430の底板431はY方向の長さが、一対の側面413x間と略同じとされている。又、調整板430の底板431において、X方向の長さL1、一対の側面413y間の離間距離L2よりも短くされている。従って、調整板430は、Y方向に対しては、一対の側面413xにより規制されて移動不能とされており、X方向にのみ、|L1−L2|の長さ分往復移動可能である。一対の側面413xは、ガイド部材としての調整板430を一方向にのみ移動可能に規制する規制手段とされている。
調整板430上には作動部材としての移動リング440が載置されている。移動リング440は、図5(b)に示すように、外形が略正八角形に形成されている。移動リング440の中央には、孔433よりも若干小径の挿通孔441が形成されている。移動リング440の8個の外側面のうち、X方向及び反X方向に向かう係合面444,445は、図5(a)に示すように、挿通孔441側に向かって斜状となった斜面とされている。そして、鉛直線に対する係合面444,445の挿通孔441側への傾斜角度は、同じとされている。又、図5(a)に示すように、受板部432と、係合面444の鉛直線からの傾斜角度は同じとされている。
又、前記調整板430の受板部432は、移動リング440の係合面444に対して摺接可能とされており、移動リング440をY方向にガイド可能である。
移動リング440の挿通孔441には、バイス位置決め台420の突出部422が、該突出部422の曲面に沿って傾動自在に嵌合されている。そして、移動リング440が、X方向、反X方向、Y方向、反Y方向の少なくともいずれか一方向に変位すると、その変位に応じて、突出部422を介して、バイス位置決め台420がバイス台410に対して傾動可能である。
図4に示すように、バイス台410において、前側の外側壁面には、第1位置調節部材としての第1位置調節軸450が、進退可能に螺合されている。第1位置調節軸450の先端は、下部室413内に突出して、移動リング440の係合面445に対して当接されている。そして、第1位置調節軸450のバイス台410に対する螺合量に応じて、移動リング440のX方向における位置の変位が可能である。
又、バイス台410において、後側の外側壁面には、第1バネケース456が、第1位置調節軸450と対抗するように、すなわち、第1位置調節軸450と同軸となるように螺着されている。第1バネケース456内には、第1バネとしてのリターンスプリング454aと、該リターンスプリング454aに付勢される第1バネ心棒458が第1位置調節軸450と同軸なるように内装されている。そして、第1バネ心棒458は、図3,図4に示すように、調整板430の受板部432に対してリターンスプリング454aの付勢力により押圧して当接されている。
移動リング440の係合面444,445に対して、第1バネ心棒458や、及び第1位置調節軸450がそれぞれ押圧当接された際、斜面である係合面444,445に、印加された力は、ベクトル分解すると、下方向の分力があるため、この下方向の分力により、移動リング44の調整板430からの浮き上がりが防止されている。
一方、図4に示すように、バイス台410において、左側の外側壁面には、第2位置調節部材としての第2位置調節軸452が、進退可能に螺合されている。そして、第2位置調節軸452の先端は、下部室413内に突出して、移動リング440の左側面に対して当接されている。そして、第2位置調節軸452のバイス台410に対する螺合量に応じて、移動リング440のY方向における位置の変位が可能である。
又、バイス台410において、右側の外側壁面には、第2バネケース457が、第2位置調節軸452と対抗するように、すなわち、第2位置調節軸452と同軸となるように、螺着されている。第2バネケース457内には、リターンスプリング454bと、該リターンスプリング454bに付勢される第2バネ心棒459が第2位置調節軸452と同軸となるように内装されている。そして、第2バネ心棒459は、図4に示すように、移動リング440の右側面に対してリターンスプリング454bの付勢力により押圧して当接されている。
ここで、第1位置調節軸450の軸線O11と第2位置調節軸452の軸線O12が交わる交点Opを、移動リング440の軸線が通過するように移動リング440が位置した場合、突出部422を介して、バイス位置決め台420上面(バイス取付面)が水平になり、すなわち、後述するバイス50が水平となるようにされている。以後、このようにバイス50が水平となるときの移動リング440の位置(すなわち、移動リング440の軸心の位置)を原点位置(XY座標の原点)という。
なお、図1においては、説明の便宜上、第1位置調節軸450,第2位置調節軸452は省略されている。
前記バイス位置決め台420、調整板430、移動リング440、第1位置調節軸450、第2位置調節軸452、第1バネケース456、第2バネケース457、第1バネ心棒458、第2バネ心棒459、リターンスプリング454a,454bにより、傾き調節機構Kが構成されている。
固定体460は、上部体462、連結体463、下部体464とを備えている。上部体462は、バイス位置決め台420の凹部423内に位置するように配置されており、略半球状に形成されている。そして、上部体462の下面は、球面に形成されて、凹部423の内面と同じ曲率半径を有しており、凹部423と密接可能である。
連結体463は、上部体462の仮面中央から、突出部422の透孔424を貫通するようにして下方に延出されている。なお、突出部422の内周面と、連結体463間に形成される間隙は、後述する固定体460による、バイス位置決め台420のバイス台410への拘束が解除されている状態で、バイス位置決め台420の傾動があった際、突出部422が連結体463に干渉しないように設定されている。
図3に示すように、下部体464は、バイス台410の貫通孔411に対して、上下動自在に配置されており、上面が連結体463を介して、上部体462に連結されている。下部体464には偏心部挿入孔465が貫通形成されている。なお、図2,図3では、偏心部挿入孔465は、説明の便宜上、X方向に延びるように図示されているが、実際は、X方向に対して、所定角度なすように配置されている。すなわち、後述する固定ハンドル470の延びる方向に沿って設けられている(図1参照)。
偏心部挿入孔465に対応して、バイス台410には、ともに断面円形をなす固定ハンドル挿入孔480及び固定ハンドル挿入孔482が設けられている。固定ハンドル挿入孔480と、固定ハンドル挿入孔482は、貫通孔411を介在して離間されるとともに、同軸となるように配置されている。又、固定ハンドル挿入孔482は、固定ハンドル挿入孔480に比して小径に形成されている。
固定ハンドル470は、操作端側から順に大径部472、偏心部474、小径部476を備えている。大径部472及び小径部476は共通軸心O1を有しており、それぞれ固定ハンドル挿入孔480,482に対して回動自在に配置されている。
又、偏心部474は、共通軸心O1から偏心して配置されており、大径部472よりも若干小径をなすように断面円形に形成されている。図3において、O2は、偏心部474の軸心である。そして、偏心部474は、下部体464の偏心部挿入孔465内に挿入配置されている。
下部体464の下面には、図3に示すように、調整軸468が位置調節自在に螺入されており、その上端が、偏心部挿入孔465に突出されている。そして、偏心部挿入孔465内の突出量は、調整軸468の下部体464に対する螺合量に応じて調整可能である。
固定ハンドル470の回動操作により、偏心部474が、調整軸468に当接すると、下部体464、連結体463を介して上部体462が下方へ移動されて、バイス位置決め台420が、位置決め固定される。又、固定ハンドル470の回動操作により、偏心部474が、調整軸468から離間すると、上部体462の凹部423の内周面に対する下方への押圧が解除されるため、バイス位置決め台420の傾動が可能とされている。
バイス50は、バイス位置決め台420上面に設けられている。バイス50は、バイスブロック51、固定爪52、可動爪53、操作杆54等からなる。
バイスブロック51はバイス位置決め台420に対してボルトにより固定されている。バイスブロック51は、その上面に固定爪52が形成されており、固定爪52と相対する一側部側には可動爪53が回動自在に軸53aにて支持されている。又、図示はしないが、バイスブロック51には、可動爪53を押圧するスプリングが内装されており、該スプリングにより、常に、図3において、固定爪52側へ回動するように付勢されている。バイスブロック51の上面には、X方向へ延びる溝55が形成されている。溝55は、図3に示すように、バイスブロック51の前側及び後側の側面に開口されている。可動爪53には、溝55内に挿入された操作杆54が、取付けされている。操作杆54は、溝55の開口を介して、図3,図6に示すように前方へ突出されている。操作杆54を上下方向に操作することにより、可動爪53を可動して、試料Sを固定爪52と協働して把持可能である。バイスブロック51の前側壁には、ストッパピン56が突出されている。
又、バイス台410の前側面には、回動防止部材402が突出されている。回動防止部材402の先端には、側壁404が上方へ立設されている。側壁404は、上部が開口された係合溝405が形成されることにより二股状にされている。そして、ストッパピン56が係合溝405に係入されていることにより、バイス50の水平面内における回動が防止されている。
(作用)
次に、本実施形態の作用について説明する。
さて、昇降機構30により、予め、昇降機構30を操作して、切断刃21の移動軌跡上に、試料Sを対応配置させた状態にする。そして、この状態で、固定ハンドル470を解除方向に回動操作して、固定体460による、バイス位置決め台420のバイス台410への拘束を解除しておく。
以下では、説明の便宜上、第1位置調節軸450の螺合量の調節と、第2位置調節軸452の螺合量の調節は、同時に行われないものとして説明する。
(反X方向移動)
第1位置調節軸450のバイス台410に対する螺合量を調節する。たとえば、リターンスプリング454aの付勢力に抗して、反X方向へ第1位置調節軸450が移動すると、移動リング440は、係合面445において第1位置調節軸450により押圧される。このとき、第1位置調節軸450により押圧された移動リング440が受板部432を押圧するため、移動リング440は、側面413xに規制された状態の調整板430とともに、反X方向へ変位する。
(X方向移動)
又、X方向へ第1位置調節軸450が移動すると、リターンスプリング454aに押圧された第1バネ心棒458により、受板部432が押圧される。この結果、移動リング440は、側面413xに規制された状態の調整板430とともにX方向へ変位する。
このように、移動リング440が、X方向や、反X方向へ移動する際、移動リング440は、両側面413xにより回転が規制されている調整板430の受板部432に対して当接した状態で移動する。
従って、第1位置調節軸450のバイス台410に対する螺合量の調節時に、移動リング440に、回転モーメントが発生しても、受板部432により移動リング440は回転が阻止されるため、移動リング440はX方向や、反X方向への直線移動のみ許容される。
なお、X方向や、反X方向へ移動する時点で、すでに移動リング440の位置が、原点位置からY方向、或いは反Y方向に変位していた場合、その変位量(ずれ量)が大きいほど、第1位置調節軸450又は、第1バネ心棒458から印加される力により、回転モーメントは大きくなる。
調整板430がない従来の場合、移動リング440の回転モーメントが特に大きくなると、X方向や、反X方向へ移動する際、意図せずに、この回転モーメントにより、第2バネ心棒459側のリターンスプリング454bに抗して、移動リング440が回転してしまい、このときY方向、或いは反Y方向に変位が生ずる場合がある。
それに対して、本実施形態では、移動リング440は、回転が禁止されている調整板430の受板部432に対して当接されて一体にX方向や、反X方向へ直線移動して回転しないため、Y方向及び反Y方向に変位することはない。
このようにして、X方向又は反X方向の移動リング44のみの変位量に応じて、突出部422が移動リング440に駆動されるため、バイス位置決め台420は正確にその変位量に見合う分傾動することができる。
又、移動リング440の係合面444,445に対して、第1バネ心棒458や、第1位置調節軸450がそれぞれ押圧当接されても、斜面である係合面444,445により、印加された力は、ベクトル分解すると、下方向の分力があるため、移動リング44の調整板430からの浮き上がりが防止できる。
(Y方向移動)
又、第2位置調節軸452のバイス台410に対する螺合量を調節した場合には、たとえば、リターンスプリング454bの付勢力に抗して、Y方向へ第2位置調節軸452が移動すると、移動リング440は、第2位置調節軸452により押圧されるとともに、受板部432の平面によりガイドされてY方向へ変位する。このとき、移動リング440との摩擦により、調整板430がY方向に移動しようとしても、調整板430は、側面413xにより規制されて、Y方向への移動はできない。
(反Y方向移動)
又、反Y方向へ第2位置調節軸452が移動すると、移動リング440は、リターンスプリング454bに押圧されるとともに、受板部432によりガイドされて反Y方向へ変位する。
このように、移動リング440が、Y方向や、反Y方向へ移動する際、移動リング440は、両側面413xにより回転が規制されている調整板430の受板部432の平面によりガイドされて移動する。
そして、第2位置調節軸452のバイス台410に対する螺合量の調節時に、移動リング440に、回転モーメントが発生しても、移動リング440にたいして面接触している受板部432により移動リング440は回転が阻止されるため、移動リング440はY方向や、反Y方向への直線移動のみ許容される。
なお、Y方向や、反Y方向へ移動する時点で、すでに移動リング440の位置が、原点位置からX方向、或いは反X方向に変位していた場合、その変位量(ずれ量)が大きいほど、第2位置調節軸452又は、第2バネ心棒459から印加される力により、回転モーメントは大きくなる。
調整板430がない従来の場合、移動リング440の回転モーメントが大きくなると、Y方向や、反Y方向へ移動する際、意図せずに、この回転モーメントにより、リターンスプリング454a,454bに抗して、移動リング440が回転してしまい、このときX方向、或いは反X方向に変位が生ずる場合がある。
それに対して、本実施形態では、移動リング440は、回転が禁止されている調整板430の受板部432に対して面接触してガイドされることにより、回転モーメントが働いても回転が阻止されて、Y方向や、反Y方向へ直線移動できるため、X方向及び反X方向に変位することはない。
このようにして、反Y方向又はY方向の移動リング44のみの変位量に応じて、突出部422が移動リング440に駆動されるため、バイス位置決め台420は正確にその変位量に見合う分傾動することができる。
上記実施形態の特徴は、下記の通りである。
(1) 本実施形態では、移動リング440が、X方向や、反X方向へ移動する際には、X方向及び反X方向にのみ移動が許容された調整板430の受板部432に対して面接触した状態で移動できるため、移動リング440はX方向や、反X方向への直線移動のみできる。
(2) 本実施形態では、移動リング440は、回転が禁止されている調整板430の受板部432に対して面接触した状態で、X方向や、反X方向へ直線移動されるが、回転モーメントが作用しても、受板部432により回転が阻止されて回転しないため、Y方向及び反Y方向に変位することはない。
(3) 本実施形態では、従って、X方向又は反X方向の移動リング44のみの変位量に応じて、突出部422が移動リング440に駆動されるため、バイス位置決め台420は正確にその変位量に見合う分傾動することができる。
(4) 本実施形態では、移動リング440の係合面444,445に対して、第1バネ心棒458や、第1位置調節軸450がそれぞれ押圧当接された際、係合面444,445に印加された力は、ベクトル分解すると、下方向の分力があるため、移動リング44の調整板430からの浮き上がりが防止できる。
(5) 本実施形態では、移動リング440が、Y方向や、反Y方向へ移動する際、移動リング440は、両側面413xにより回転が規制されている調整板430の受板部432の平面によりガイドされて直線移動され、移動リング440に、回転モーメントが発生しても、受板部432により移動リング440の回転が阻止できる。このため、移動リング440はY方向や、反Y方向への直線移動のみができる。
(6) 本実施形態では、従って、反Y方向又はY方向の移動リング44のみの変位量に応じて、突出部422が移動リング440に駆動されるため、バイス位置決め台420は正確にその変位量に見合う分傾動することができる。
(7) この結果、本実施形態では、バイス50の傾きを意図した傾きに容易に調整できる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図8〜12を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一構成又は相当する構成については、同一符号を付してその説明を省略し、異なる構成について説明する。
第2実施形態では、第1実施形態の構成中、第1バネケース456、リターンスプリング454a,第1バネ心棒458、及び、第2バネケース457、リターンスプリング454b、第2バネ心棒459が省略されている。その代わりに、第1位置調節軸450に関しては、第1付勢機構500、第2位置調節軸452に関しては、第2付勢機構600が設けられているところが異なっている。
第1付勢機構500は、バネ支持杆501、第1バネとしてのリターンスプリング502、バネ受け部材503からなる。バネ支持杆501は、図8に示すように、内端がバイス台410の前側壁に対して移動自在に貫通されており、調整板430の前部に対して連結されている。バネ支持杆501の外端には、キャップ状のバネ受け部材503が固定されている。そして、バネ受け部材503と、バイス台410の前側面間には、コイルスプリングからなるリターンスプリング502が巻装されている。このリターンスプリング502のバネ力により、調整板430は、第1位置調節軸450に向かって(すなわち、X方向に向かって)常時付勢されている。そして、調整板430上の移動リング440は、リターンスプリング502の付勢力により、受板部432を介して押圧係合されているため、図8に示すように、第1位置調節軸450に対して、常時当接されている。
第2付勢機構600は、バネ取付ピン601、第2バネとしてのリターンスプリング602、押圧ピン603、揺動ユニット610から構成されている。
バネ取付ピン601は、バイス台410の後側壁に固定されている。又、揺動ユニット610は、バイス台410の右側壁に対して設けられている。揺動ユニット610は、揺動部材611、揺動アーム612、回動軸613、軸受614からなる。
回動軸613は、バイス台410の右側壁に対して軸受614により回動自在に支持されており、その両端には、一対の揺動アーム612の上端が連結されている。揺動アーム612の下端には、揺動部材611が架橋されている。図8に示すように、揺動部材611の一端とバネ取付ピン601との間には、リターンスプリング602が掛け渡され、リターンスプリング602のバネ力により、揺動アーム612を常時、バイス台410の右側壁へ近接するように付勢されている。一対の揺動アーム612間において、揺動部材611には、カラー615にて覆われている。
バイス台410の右側壁面には、下部室413に連通する一対の摺動孔418が設けられており、摺動孔418には、それぞれ押圧ピン603が、移動自在に挿入されている。各押圧ピン603の外端は、外部に突出されており、リターンスプリング602にて付勢された揺動部材611により、カラー615を介して押圧されている。この揺動部材611による押圧により、押圧ピン603は、図8に示すように、移動リング440の右側面に対して常時当接されている。
又、第2実施形態では、移動リング440が第1実施形態と一部異なっている。すなわち、移動リング440の外形形状は、図8に示すように、示すように平断面四角形とされている。又、第2実施形態では、調整板430の形状が一部第1実施形態と異なっている。すなわち、図9に示すように、受板部432は底板431に対して直角に立設されているところ、及び、底板431の外形が、略四角形状となっているところが異なっている。
第2実施形態では、上記のように第1実施形態との構成の相違がある。又、第1実施形態では、移動リング440に対する受板部432の付勢は、第1バネ心棒458のリターンスプリング454aが行っていたが、第2実施形態では、第1付勢機構500のリターンスプリング502が行っていることが相違する。又、第1実施形態では、移動リング440に対して第2バネ心棒459が図示しないリターンスプリングの付勢力を受けて押圧当接を行っていたが、第2実施形態では、第2付勢機構600が行っているところが、相違する。
しかし、他の構成は、略同じであるため、第2実施形態の効果は、前記第1実施形態の効果で述べた(1)〜(3),(4)〜(7)の効果を奏する。
なお、第2実施形態では、受板部432は斜面となっていないため、第1実施形態と異なり、移動リング440の積極的な浮き上がり防止効果はない。
なお、前記実施形態は、以下の別の態様に変更してもよい。
・ 図13、図14は、第1実施形態の構成にさらに、以下の構成を追加した構成である。
すなわち、この実施形態では、図13に示すように、第1位置調節軸450と移動リング440間、第2位置調節軸452と移動リング440間、第2バネ心棒459と移動リング440間には、押圧板650,660,670が介在配置されている。押圧板650,660は、押圧部材に相当する。
押圧板650,660,670は、図14に示すように、底板431上に移動自在に載置されている。押圧板650,660,670は、長方形状の平板にて形成されており、中央には、係合部としての係合孔651,661,671が透設されている。係合孔651,661,671には、第1位置調節軸450、第2位置調節軸452、第2バネ心棒459の半球状の先端が係合して当接されている。すなわち、係合孔651,661,671の径は、第1位置調節軸450、第2位置調節軸452、第2バネ心棒459の半球状の先端が、係合孔651,661,671を抜けでないように、該先端の径よりも短くされている。なお、係合孔の代わりに第1位置調節軸450、第2位置調節軸452、第2バネ心棒459の半球状の先端が係合できる係合部としての係合凹部であってもよい。
又、図13に示すように、押圧板660、670に対して面接触する移動リング440の側面は、係合面446,447とされており、係合面445と同様に、挿通孔441側に向かって斜状となった斜面とされている。そして、鉛直線に対する係合面446,447の挿通孔441側への傾斜角度は、同じとされている。この係合面446,447を斜状とする理由は、係合面444,445と同じ理由である。
なお、押圧板660,670は、移動リング440がX方向,反X方向に移動された際には、係合孔661と第2位置調節軸452、係合孔671と第2バネ心棒459とが係合されていることにより移動が阻止されて位置が保持され、移動リング440、調整板430のみが、X方向,反X方向に移動する。又、押圧板650は、移動リング440がY方向,反Y方向に移動された際には、係合孔651と第1位置調節軸450とが係合されていることにより移動が阻止されて位置が保持され、移動リング440のみが、Y方向,反Y方向に移動する。
本実施形態の作用について説明する。
前記第1実施形態では、説明はしなかったが、第1位置調節軸450、第2位置調節軸452、第2バネ心棒459の移動リング440に対して、点接触であるため、両者間に働く力が、接触点に集中する。このため、原点位置から、移動リング440が大きく変位している場合には、移動リング440に大きな回転モーメントが働く。第1実施形態では、受板部432や、413xで回転モーメントによる回転を移動リング440や、調整板430により阻止しているとはいえ、移動リング440のX方向,反X方向、或いはY方向、反Y方向の移動が、スムーズにいかなくなる虞がある。
これに対して、本実施形態では、第1位置調節軸450・移動リング440間、第2位置調節軸452・移動リング440間、第2バネ心棒459・移動リング440間に、それぞれ押圧板650,660,670が介在されることにより、両者間に働く力が分散される。この結果、第1実施形態よりも、回転モーメントの影響を少なくでき、移動リング440のX方向,反X方向、或いはY方向、反Y方向の移動をスムーズにすることができる。
・ 図13に示す実施形態において、押圧板650又は押圧板660のいずれかを省略してもよい。
・ 第1実施形態では、図5(a)に示すように、係合面445を斜面にしたが、浮き上がり防止のためには、係合面445,446のいずれか一方の斜面となっている面を省略しても、残りの面が斜面となっているため、浮き上がり防止機能を有する。たとえば、図7(a)は、係合面445を移動リング440の底面から垂直に形成したものであるが、このようにしても、受板部432と係合面444により、移動リング440の調整板430からの浮き上がりを防止できる。
・ 又、図7(b)に示すように移動リング440の調整板430からの浮き上がり防止のために、係合面444,445、受板部432は、それぞれ底面に対して垂直に形成し、受板部432の上端に係止突部432aを設け、移動リング440には係止突部432aに係合する段部440aを設けてもよい。係止突部432aは、受板部432と、移動リング440の図面に直交する方向に移動可能に段部440aにたいして係合されている。このようにしても、移動リング440の調整板430からの浮き上がりを防止できる。
・ 前記第1実施形態では、受板部432を調整板430の後部側に1つしか設けていないが、調整板430の前後両部において、それぞれ受板部432を設けてもよい。
・ 第1実施形態では、調整板430を移動リング440の下に配置したが、移動リング440の上に調整板430を配置して、受板部432を下に向くように配置してもよい。ただし、第1実施形態では、受板部432、係合面444,445は、挿通孔441側ではなく、挿通孔441とは反対側へ向くように傾斜させるものとする。このように構成しても、浮き上がり防止をすることができる。
・ 前記各実施形態では、滑走式ミクロトームに具体化したが、ロータリ式ミクロトームに具体化してもよい。
上記実施形態から把握できる請求項以外の技術的思想について述べる。
(1) 作動部材は、リング状に形成され、前記バイス位置決め部材の下部から突出した突出部に対して、摺動自在に嵌合されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項に記載のミクロトーム。このように構成すると、リング状の作動部材に対して、突出部を嵌合されているため、作動部材を変位させるだけで、簡単に、バイス位置決め部材を傾動させることができる。
第1実施形態のミクロトームの全体を示す概略斜視図。 ミクロトームのバイスの傾き調節機構の断面図。 同じく、拡大したバイスの傾き調節機構の断面図。 バイス台の平断面図。 (a)はリング部材の正面図、(b)はリング部材の平面図、(c)は、調整板の斜視図。 バイスの平面図。 (a)は、リング部材と調整板の正面図、(b)は、変形例のリング部材と調整板の正面図。 第2実施形態のバイス台の平断面図。 同じくバイス台の縦断面図。 同じくバイス台の平面図。 同じくバイス台の平断面図。 同じくバイス台の側面図。 他の実施形態のバイス台の平断面図。 同じく押圧板と調整板を組み合わせた概略斜視図。
符号の説明
11…ミクロトーム、40…バイス取付ユニット、410…バイス台
420…バイス位置決め台(バイス位置決め部材)
430…調整板(ガイド部材)、431…底板(平板部)
432…受板部(ガイド部、ガイド側板、浮き上がり防止手段)
440…移動リング(作動部材)、
450…第1位置調節軸(第1位置調節部材)、
452…第2位置調節軸(第2位置調節部材)、
454a…リターンスプリング(第1バネ)、
454b…リターンスプリング(第2バネ)
50…バイス、502…リターンスプリング(第1バネ)
602…リターンスプリング(第2バネ)、
650,660…押圧板(押圧部材)、S…試料

Claims (5)

  1. バイス台に対して傾動自在に設けられ、試料を保持可能なバイスを支持するバイス位置決め部材と、外部操作により、一平面内において互いに直交する二方向に移動自在に配置され、移動により、前記バイス位置決め部材に対して傾動を付与する作動部材と、前記作動部材の前記直交する二方向の位置をそれぞれ調節する第1位置調節部材と、第2位置調節部材を有するミクロトームにおいて、
    前記バイス台には、前記二方向のうち、一方の方向にのみ移動可能に配置され、前記第1位置調節部材により、変位駆動されるガイド部材が設けられ、前記ガイド部材には、前記二方向のうち、前記ガイド部材が移動可能な方向とは異なる他方の方向に前記作動部材をガイドするガイド部が設けられ、前記第2位置調節部材により、前記作動部材が前記他方の方向に位置調節される際に、前記ガイド部により、前記作動部材がガイドされることを特徴とするミクロトーム。
  2. 前記バイス台には、前記作動部材の前記第1位置調節部材による位置調節時に、リターンスプリングとして前記作動部材に作用する第1バネと、
    前記ガイド部材の前記第2位置調節部材による位置調節時にリターンスプリングとして前記ガイド部材に作用する第2バネを設けたことを特徴とする請求項1に記載のミクロトーム。
  3. 前記ガイド部材は、前記作動部材を移動自在に載せる平板部と、該平板部の一側から立設したガイド部としてのガイド側板とからなり、前記ガイド側板には、前記平板部から作動部材の浮き上がりを防止する浮き上がり防止手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載のミクロトーム。
  4. 前記浮き上がり防止手段は、前記ガイド側板が、前記作動部材を下方へ押圧するように斜状に立設された構成であることを特徴とする請求項3に記載のミクロトーム。
  5. 前記作動部材と第1位置調節部材間、及び前記作動部材と第2位置調節部材間の少なくともいずれかの間には、前記作動部材に対して面接触する押圧部材を介在配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載のミクロトーム。
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