以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施の形態)
以下に,本発明にかかる第1の実施形態について説明する。
<1.映像プログラム制作支援システム>
まず,本発明の第1の実施形態にかかる映像プログラム制作支援システムについて説明する。映像プログラム制作支援システムは,例えば,テレビ放送局や,ビデオコンテンツ,映画等の制作会社などに設けられ,TV番組,ビデオコンテンツ,映画などの映像作品である映像プログラムを制作するためのシステムである。本実施形態にかかる映像プログラム制作支援システムの特徴は,映像プログラムの制作を分担する複数の部署間で,電子ファイル形式の構成表メタデータ(詳細については後述する。)を一貫して利用できるようにすることにより,映像プログラムを効率的に作成できる点にある。
ここで,図1に基づいて,本実施形態にかかる映像プログラム制作支援システムの構成について説明する。なお,図1は,本実施形態にかかる映像プログラム制作支援システムの概略的な構成を示すブロック図である。
図1に示すように,本実施形態にかかる映像プログラム制作支援システム1は,例えば,ネットワーク5と,企画端末10と,撮像装置40およびフィールドPC/PDA(以下,フィールドPCという。)50などからなる取材端末20と,編集端末30と,から主に構成される。
ネットワーク5は,例えば,企画端末10,撮像装置40,フィールドPC50および編集端末30を相互に双方向通信可能に接続する電気通信回線網である。このネットワーク5は,本実施形態では,例えば,RS−422又はRS−232Cなどの有線通信回線と,IEEE802.11a規格などを始めとした無線通信回線などから構成される。しかし,ネットワーク5は,かかる例に限定されず,この他にも,例えば,FDDI(Fiber Distributed Data Interface)などの光ファイバ網,衛星通信網,イーサネット,LAN,インターネットなどの各種の専用または公衆回線網を利用して構成されてもよい。
かかるネットワーク5は,例えば,企画端末10が作成した構成表メタデータを,撮像装置40およびフィールドPC50(即ち,取材端末20)などに伝送することができる。また,ネットワーク5は,例えば,撮像装置40が記録したコンテンツデータや,撮像装置40およびフィールドPC50が編集した構成表メタデータなどを,編集端末30に伝送することができる。
また,企画端末10,取材端末20,編集端末30は,例えば,映像プログラムの制作を分担する複数の部署のうち,それぞれ,企画構成部署,取材部署,編集部署などによって利用される端末装置である。なお,企画端末10は,本実施形態にかかる企画装置として構成され,また,取材端末20および編集端末30は,本実施形態にかかる処理装置として構成されている。
企画端末10は,例えば,パーソナルコンピュータなどの情報処理装置及びその周辺装置などで構成されており,企画構成部署に設けられる。この企画構成部署とは,映像プログラムの制作全体を統括する部署であって,制作する映像プログラムの企画・構想を行ってシナリオ(筋書)を作成するとともに,取材部署および編集部署等の他部署に制作作業内容を指示する部署である。
上記企画端末10は,例えば,電子ファイル形式の構成表メタデータを映像プログラムごとに作成する(即ち,後述するプログラムメタデータを作成する)機能を有する。また,企画端末10は,例えば,企画構成部署担当者の入力に基づいて制作指示情報を生成し,この制作指示情報を上記作成した構成表メタデータ内の該当欄に書き込むことができる。この制作指示情報は,例えば,他部署に対して映像プログラムの制作内容を指示するための情報であり,上記企画された映像プログラムのシナリオに対応して作成される。さらに,企画端末10は,例えば,この制作指示情報を含む構成表メタデータを,ネットワーク5を介して取材端末20等に送信することができる。このように,企画端末10が上記制作指示情報を含む構成表メタデータを取材端末20などに提供することにより,企画構成部署は,取材部署などに対して取材・撮像すべき場面や内容を指示することができる。
また,取材端末10は,取材部署によって利用される端末装置群であり,例えば,撮像装置40とフィールドPC50から構成される。この取材部署とは,例えば,上記企画構成部署による制作指示に従って,制作現場で実際に取材を行う部署であって,映像プログラムを構成する各場面の映像を撮像するとともに,撮像状況を取材する部署である。
撮像装置40は,例えば,放送用のニュース番組の取材や,スポーツなどの試合の模様,映画などの映像コンテンツの撮像に使用される装置である。
この撮像装置40は,例えば,上記企画端末10からネットワーク5を介して上記構成表メタデータを取得する。かかる撮像装置40は,例えば,取得した構成表メタデータに含まれる制作指示情報を表示部に表示することにより,カメラマン等の撮像スタッフに対して,映像プログラムのシナリオと撮像すべき内容を認識させることができる。
さらに,撮像装置40は,この構成表メタデータの制作指示情報に基づいて,映像プログラムを構成する各場面を撮像することができる。この撮像処理は,例えば,テイクを複数回繰り返すことによって,進行していく。例えば,撮像装置40は,ある場面について1または2回以上のテイクを行い,次いで,異なる場面についてさらに1または2回以上のテイクを行う。なお,このテイクとは,撮像装置40による1回の記録開始から終了に至るまでの連続した撮像処理をいう。
さらに,撮像装置40は,撮像処理によって得られたコンテンツデータを,光ディスク3等の記録媒体に記録することができる。なお,コンテンツデータは,映像データおよび音声データの少なくともいずれか一方若しくは双方である。具体的には,このコンテンツデータは,例えば,TV番組,映画などの動画像データ,写真や絵画などの静止画像データ,ラジオ番組などの音声データ,或いはこれらの組合せなどから構成されるデータである。さらに,撮像装置40は,かかるコンテンツデータを上記テイクごとに記録することができる。即ち,撮像装置40が,例えば,テイクを2回実行すれば,2つのコンテンツデータのファイルが記録されることになる。
また,このコンテンツデータが記録される光ディスク3は,例えば,DVD−R,DVD−RAM,CD−R等の規格の光ディスクや,MO型やライトワンス型や相変化型等の各種の光ディスクで構成される。また,撮像装置40がコンテンツデータを記録する記録媒体としては,上記光ディスク3の例に限定されず,例えば,フレキシブルディスク等の磁気ディスク,デジタルVTRフォーマットの磁気テープ,各種のRAMなどであってもよい。
また,撮像装置40は,例えば,オリジナル映像だけでなく,ローレゾリューション(low resolution:低解像度)映像を光ディスク3に記録することができる。ここでいうオリジナル映像とは,撮像装置40が撮像した生のコンテンツデータである。このオリジナル映像は,大容量であるが高画質であるので,映像プログラムの完成品に用いられる。一方,ローレゾリューション映像(以下ローレゾ映像という。)は,上記オリジナル映像を圧縮したコンテンツデータである。このローレゾ映像は,比較的低画質だが小容量であるので,送信が迅速かつ容易であるという利点を有し,主に粗編集段階で用いられる。
上記のようにして,撮像装置40によってコンテンツデータが記録された光ディスク3は,後述する編集部署に搬送されて,コンテンツデータの編集に利用される。しかし,かかる搬送にはある程度の時間を要する。このため,本実施形態では,例えば,以下のように,撮像装置40がコンテンツデータをネットワーク5を介して迅速に提供できるように構成されている。
即ち,撮像装置40は,例えば,上記ローレゾ映像を,ネットワーク5を介して編集端末30,企画端末10,フィールドPC50などに送信することができる。かかるローレゾ映像の送信は,撮像装置40による撮像と略同時並行して行ってもよいし,或いは撮像後に一括して行ってもよい。これにより,編集部署は,搬送された光ディスク3が到着していなくとも,比較的早い段階で(例えば,撮像作業とほぼ同時並行して),編集作業を行うことができるので,映像プログラムの制作効率を高めることができる。なお,上記のように,ローレゾ映像がネットワーク5を介して伝送される場合,撮像装置40は,例えば,オリジナル映像のみを光ディスク3に記録するようにしてもよい。
一方,フィールドPC50は,例えば,ノート型のパーソナルコンピュータまたはPDA(personal digital assistant)などの携帯可能なコンピュータ及びその周辺装置などで構成される。このフィールドPCは,上記撮像装置40と各種の有線または無線回線などで接続されており,例えば,構成表メタデータや記録したコンテンツデータを共有することができる。
このフィールドPC50は,例えば,上記企画端末10からネットワーク5を介して上記構成表メタデータを取得することができる。また,フィールドPC50は,例えば,構成表メタデータを撮像装置40から取得することもできる。かかるフィールドPC50は,例えば,取得した構成表メタデータを所定の表示部に表示して,取材部署担当者に取材・撮像すべき内容を認識させることができる。
さらに,フィールドPC50は,例えば,取材部署担当者の入力に基づいて,取材・撮像状況に関する情報である撮像状況情報を生成し,この撮像状況情報を上記構成表メタデータ内の該当欄に追加することができる。この撮像状況情報は,例えば,テイクごとや取材場所ごとに多様な観点で記載されたテキストデータなどであり,後段の編集時に有用となる情報である。このように,フィールドPC50は,撮像状況情報を書き込むことにより,構成表メタデータを編集することができる。
上記のような撮像装置40及びフィールドPC50から構成された取材端末20は,さらに,例えば,上記テイクの撮像時における撮像状況に関するメタデータであるテイクメタデータを構成表メタデータの一部として作成することができる。このテイクメタデータについては後に詳説する。
加えて,かかる取材端末20は,例えば,シナリオに対して,コンテンツデータおよびテイクメタデータをテイク単位で関連付けるための情報であるテイク関連付け情報(詳細は後述する。)を生成し,このテイク関連付け情報を構成表メタデータに追加することができる。これにより,取材端末20は,例えば,構成表メタデータを用いて,実際の撮像結果である映像素材(即ち,コンテンツデータ)等を,企画部署の企画・構想であるシナリオに対して割り当てることができる。
以上のようにして,取材端末20は,例えば,取材・撮像状況に応じて各種情報を書き込むことなどにより,構成表メタデータ編集することもできる。
編集端末30は,例えば,パーソナルコンピュータなどの情報処理装置及びその周辺装置などで構成されており,編集部署に設けられる。この編集部署とは,例えば,上記企画構成部署による制作指示や,上記取材部署による取材状況を反映した構成表メタデータに基づいて,上記撮像装置40が記録したコンテンツデータを編集して,映像プログラムを完成させる部署である。
この編集端末30は,例えば,上記取材端末20から,ネットワーク5を介して構成表メタデータおよびローレゾ映像を取得し,光ディスク3を介してオリジナル映像を取得する。また,編集端末30は,例えば,上記企画端末10から制作指示情報をネットワーク5を介して直接受信することもできる。
また,編集端末30は,上記構成表メタデータに基づいて,コンテンツデータを好適に再生して表示できる。例えば,編集端末30は,ネットワークを介して受信したローレゾ映像や,光ディスク3に記録されたオリジナル映像を,シナリオに従った順序で連続表示したり,所望のテイクのコンテンツデータだけを表示したりできる。なお,オリジナル映像を再生する際には,例えば,光ディスク3を読み書きできる記録再生装置であるディスク装置などが利用される。
さらに,編集端末30は,例えば,上記構成表メタデータに基づいて,必要なコンテンツデータを所望の順序で再生して表示できるとともに,かかるコンテンツデータの編集処理を支援することができる。この編集処理は,例えば,粗編集処理と本編集処理とからなる。
粗編集処理とは,次のような処理である。まず,上記テイクごとに記録された複数のコンテンツデータの中から,本編集で使用すべきコンテンツデータを収集する。さらに,収集されたコンテンツデータの中から,必要な映像部分を選択(Logging)する。次いで,選択された映像部分に対応した編集開始位置(In点)または編集終了位置(Out点)を例えばタイムコード等によって設定して,コンテンツデータの中から必要部分を抽出(Ingesting)する。
また,本編集処理とは,例えば,粗編集されたコンテンツデータのオリジナルデータを抽出して,最終的な画質調整等を施し,番組などで放映するための完全パッケージデータを作成する処理である。
以上,映像プログラム制作支援システム1およびその構成要素の概略について説明したが,映像プログラム制作支援システム1は上記例に限定されるものではない。
例えば,上記企画端末10,撮像装置40,フィールドPC50および編集端末30などの各装置は,必ずしも1台だけから構成されなくともよく,複数台から構成される場合であっても実施可能である。例えば,複数台の撮像装置40が撮像したコンテンツデータを,光ディスク3またはネットワーク5を介して,1つの編集端末30に提供することも可能である。
また,上記企画端末10,撮像装置40,フィールドPC50および編集端末30は,必ずしもハードウェア的に別体に構成されなくともよい。例えば,企画端末10と編集端末30は,双方の機能を兼ね備えた同一のハードウェアとして一体構成されてもよい。また,取材端末20と編集端末30とを,双方の機能を兼ね備えた同一のハードウェアとして一体構成することにより,1つのハードウェアとして処理装置を構成してもよい。また,撮像装置40とフィールドPC50も,例えば,撮像装置40にキーボードなどの入力装置を設けるなどして,双方の機能を兼ね備えた同一のハードウェアとして一体構成されてもよい。また,取材端末20は,必ずしも撮像装置40を具備しなくてもよい。
また,映像プログラム制作支援システム1は,例えば,上記企画端末10,取材端末20および編集端末30の間に,センターサーバ(図示せず。)を設けることで,企画端末10,取材端末20および編集端末30をクライアントとした,クライアント/サーバ(Client/Server)のネットワークシステムとして構成することも可能である。
<2.構成表メタデータ>
次に,本実施形態にかかる構成表メタデータについて説明する。以下では,まず,本実施形態で使用される各種用語について定義し,次いで,構成表メタデータの具体例を挙げながら構成表メタデータの構成について詳細に説明することとする。
<2.1 用語の定義>
まず,本実施形態で使用される各種用語を定義する。
・「メタデータ」とは,あるデータに関する付随データであり,各種データの内容を表すためのインデックス(しおり)として機能するデータをいう。具体的には,このメタデータは,例えば,映像プログラムに関する制作指示情報,撮像状況情報およびテイク関連付け情報や,コンテンツデータに関する撮像条件情報および電子マークデータなどである。
・「構成表メタデータ」とは,映像プログラムの制作に必要な各種のメタデータが表形式で構造化された表データである。具体的には,この構成表メタデータは,例えば,1つの映像プログラムの内容をその構成要素に分割して,プログラム識別階層,取材階層,シーン階層,カット階層,テイク階層の順に階層構造化されている。この各階層には,例えば,それぞれの構成(数や順番),タイトル,説明,その他付随する情報等のメタデータが記述されている。なお,構成表メタデータは,例えば,映像プログラム毎に単位ファイルで管理されるプログラムメタデータと,テイク毎に単位ファイルで管理されるテイクメタデータからなる。
・「プログラムメタデータ」とは,上記「構成表メタデータ」のうち,カット階層以上の階層のメタデータを,1つの映像プログラムにつき1つのメタデータファイル(単位ファイル)にまとめて管理されるメタデータである。このプログラムメタデータは,例えば,プログラム識別階層,取材階層,シーン階層,カット階層がこの順で階層構造化されている。かかるプログラムメタデータには,例えば,シナリオに対応して作成された制作指示情報や,プログラム撮像状況情報,テイク関連付け情報等のメタデータが含まれる。かかるプログラムメタデータは,シナリオに対応した制作指示情報を含むことにより,各部署間で共通に使用される電子ファイル形式のシナリオとして機能することができる。
・「テイクメタデータ」とは,上記「構成表メタデータ」のうち,上記テイクに関するメタデータからなり,1つのテイクにつき1つのメタデータファイル(単位ファイル)で管理されるメタデータである。このため,テイクメタデータは,1つの映像プログラムについて(1つのプログラムメタデータPMに対して),複数のファイルが作成される場合がある。このテイクメタデータは,上記プログラムメタデータのカット階層に関連付けられ,かかるカット階層の下位階層に該当する。かかるテイクメタデータには,例えば,後述するテイク撮像状況情等報のメタデータが含まれる。
・「テイク」とは,上記のように,撮像装置による1回の記録開始から記録終了に至るまでの連続した撮像処理である。換言すると,このテイクは,映像プログラムの撮像段階における撮像処理の最小単位である。なお,映像作品の制作分野では,「テイク」は,「クリップ」,「ショット」または「カット」等と呼ばれる場合もあるが,本明細書において「カット」は以下に定義する意味内容を表すものであり「テイク」とは異なる。また,当該分野では,「テイク」は,撮像装置による1回の記録開始から記録終了に至るまでの連続した映像区間を意味する場合もあるが,本明細書において「テイク」は,上記のような連続した撮像処理を意味する。
・「テイク階層」とは,上記テイクメタデータにおいて,上記テイクに関するメタデータからなる階層である。
・「カット」とは,企画段階(即ち,シナリオ作成時)における映像プログラムを構成する最小単位である。このカットは,あくまで企画構成部署側からみたシナリオの一部(即ち,想定された撮像場面)であり,上記のような取材部署側からみた実際の撮像処理の最小単位であるテイクとは異なる。上記テイクのコンテンツデータから必要部分を抽出したものが,このカットに割り当てられる。
・「カット階層」とは,上記プログラムメタデータにおいて,上記カットに関するメタデータからなる階層である。
・「シーン」とは,企画段階(即ち,シナリオ作成時)における映像プログラムを構成する中規模単位であり,少なくとも1つの上記カットから構成される。即ち,このシーンは,少なくとも1つの上記カットをまとめた撮像場面であるともいえる。例えば,同一の取材現場内で撮像位置が異なれば,別のシーンとすることができる。
・「シーン階層」とは,上記プログラムメタデータにおいて,上記シーンに関するメタデータからなる階層である。
・「取材」とは,企画段階(即ち,シナリオ作成時)における映像プログラムを構成する最大単位であり,少なくとも1つの上記シーンから構成される。即ち,この取材は,少なくとも1つの上記シーンをまとめた撮像場面であるともいえる。例えば,取材現場が異なれば,別の取材とすることができる。映像プログラムは,例えば,少なくとも1つの取材から構成される。
・「取材階層」とは,上記プログラムメタデータにおいて,上記取材に関するメタデータからなる階層である。
・「プログラム識別階層」とは,上記プログラムメタデータにおいて,そのプログラムメタデータに対応する映像プログラムを識別するためのメタデータからなる階層である。
以上,本実施形態で使用される各種用語を定義した。
<2.2 構成表メタデータの全体構成>
次に,図2に基づいて,本実施形態にかかる構成表メタデータの全体的な構成について説明する。なお,図2は,本実施形態にかかる構成表メタデータの全体構成を例示する説明図である。なお,図2では,図面スペースの都合上,テイクメタデータの内容が,その一部のみしか表示されていない。
図2には,構成表メタデータの例として,「麺つゆの東西境界線を調べる」という内容の映像プログラムに関する構成表メタデータが示されている。このように,構成表メタデータは,例えば,映像プログラム毎に作成されるデータ表である。かかる構成表メタデータは,例えば,上記企画用端末措置10によって電子ファイル形式で作成される。
図2に示すように,1つの映像プログラムに関する構成表メタデータは,例えば,1つのプログラムメタデータPMと,複数のテイクメタデータTM1,TM2,…,TM15(以下では,テイクメタデータTMと総称する場合もある。)と,から構成される。即ち,構成表メタデータは,1つの映像プログラムに関しては,例えば,1つのプログラムメタデータPMの電子ファイルと,撮像したテイク数に相当する数(図2では15個)のテイクメタデータTMの電子ファイルと,を有している。なお,図2では,各テイクメタデータTMがプログラムメタデータPM中のどのカットに関連付けられているかを分かり易くするため,複数のテイクメタデータTMを縦に連結して表現しているが,実際には,各テイクメタデータTMはテイク毎に独立した1つのファイルとして管理されている。
<2.3 プログラムメタデータ>
次に,図2〜図4に基づいて,プログラムメタデータPMについて詳細に説明する。また,図3および図4は,図2に示した構成表メタデータの一部を拡大して示す説明図である。なお,図4では,図面スペースの都合上,テイクメタデータの内容が,その一部のみしか表示されていない。
プログラムメタデータPMは,図2に示すように,例えば,プログラム識別階層,取材階層,シーン階層,カット階層からなる階層構造を有している。これらの階層のうち,例えば,プログラム識別階層が最上位階層であり,取材階層がこのプログラム識別階層の下位階層であり,さらに,シーン階層がこの取材階層の下位階層であり,カット階層が最下位階層である。
具体的には,図2に示すプログラムメタデータPMにおいて,プログラム識別階層は,プログラムを識別するためのメタデータを有している。また,取材階層は,2つの取材に関するメタデータを有している。さらに,シーン階層は,5つのシーンに関するメタデータを有している。最後に,カット階層は,13のカットに関するメタデータを有している。換言すると,図2に示した構成表メタデータの映像プログラムは,2つの取材から構成されている,5つのシーンから構成されている,或いは,13のカットから構成されているということができる。
このように,プログラムメタデータPMは,プログラム識別階層を頂点とし,取材階層,シーン階層,カット階層に遷移するにつれて徐々に細分化されるようなツリー構造を有する。なお,プログラムメタデータPMの階層構造は,上記の例に限定されない。例えば,プログラムメタデータPMの階層構造は,上記4つの階層以外にも,さらに新たな階層を含んでもよい。また,プログラムメタデータPMの階層構造は,少なくともプログラム識別階層とカット階層さえ含めばよく,取材階層またはシーン階層は必ずしも含まなくともよい。この場合,例えば,取材階層のデータを,全体として1つの取材データファイル,或いは各取材毎に作成された複数の取材データファイルなどの別ファイルで管理し,この取材データファイルとプログラムメタデータPMとを,リファレンス番号若しくはID等のリファレンス情報を用いて相互にリンクしてもよい。これにより,プログラムメタデータPMのデータ量を低減できる一方,プログラムメタデータPMに基づいて取材階層のデータを容易かつ迅速に参照することができる。また,同様にして,シーン階層のデータについても,シーンデータファイル等を作成して,別ファイルで管理してもよい。
また,プログラムメタデータPMの各階層において,例えば,上方の欄に記入されている取材,シーン,カットほど,シナリオ順が先であることを示す。例えば,図2に示す映像プログラムを構成する5つのシーンのうち,最上段の欄のシーンがシナリオの最初のシーンであり,一方,最下段の欄のシーンがシナリオの最終のシーンとなる。
次に,かかる構造のプログラムメタデータPMが有するメタデータの内容について説明する。
まず,プログラムメタデータPMは,全体としては,例えば,制作指示情報と,プログラム撮像状況情報と,テイク関連付け情報などを含んでいる。これらのうち,例えば,制作指示情報およびプログラム撮像状況情報は,階層構造化されており,一方,テイク関連付け情報は,例えば,カット階層にのみ含まれている。以下に,制作指示情報,プログラム撮像状況情報およびテイク関連付け情報についてそれぞれ説明する。
制作指示情報は,企画構成部署が,取材部署や編集部署などに対して映像プログラムの制作内容を指示するためのメタデータである。この制作指示情報は,企画構成部署担当者の入力に基づいて,企画端末10によって生成され,プログラムメタデータPM内の該当欄に書き込まれる。企画構成部署は,当然ながら,映像プログラムのシナリオに沿った内容で制作指示を行うので,この制作指示情報はシナリオに対応した内容で構成されている。このため,映像プログラムの制作を分担する各部署の担当者は,かかる制作指示情報を閲覧することにより,制作指示内容のみならず,映像プログラムのシナリオを把握することができる。
かかる制作指示情報は,例えば,プログラムメタデータPMにおいて,プログラム識別階層全体,取材階層の「取材指示」,シーン階層の「シーン指示」,およびカット階層の「カット指示」の欄に,例えばテキストデータとして記入される。この結果,制作指示情報は,全体として階層構造化されることとなる。制作指示情報がこのように階層構造化されていることにより,企画構成部署による制作指示内容およびシナリオを明確かつ簡潔に表現することができる。
プログラム撮像状況情報は,例えば,カット階層以上の階層(例えば,カット階層,シーン階層,取材階層等)に対応した撮像状況に関するメタデータである。このプログラム撮像状況情報とは,より具体的には,例えば,取材・撮像した映像に関する連絡事項や注意事項,提案事項,撮像した情景の特徴や印象,或いは,取材・撮像作業で発生した事項などである。かかるプログラム撮像状況情報は,例えば,取材部署担当者の入力に基づいてフィールドPC50によって生成され,プログラムメタデータPM内の該当欄に書き込まれる。映像プログラムの制作を分担する各部署は,かかるプログラム撮像状況情報を閲覧することにより,映像撮像時における撮像状況を把握できる。
かかるプログラム撮像状況情報は,例えば,プログラムメタデータPMにおいて,取材階層の「取材メモ」,シーン階層の「シーンメモ」,およびカット階層の「カットメモ」の欄に,例えばテキストデータとして記載される。この結果,プログラム撮像状況情報もまた,全体として階層構造化されることとなる。プログラム撮像状況情報がこのように階層構造化されていることにより,上記撮像状況を明確かつ簡潔に表現することができる。なお,本実施形態にかかるプログラムメタデータPMでは,プログラム識別階層に上記プログラム撮像状況情報を含んでいないが,かかる例に限定されず,例えば,プログラム識別階層に上記プログラム撮像状況情報を記載できるようにしてもよい。
テイク関連付け情報は,上記テイクのコンテンツデータおよびテイクメタデータTMを,カットに関連付けるためのメタデータである。より具体的には,このテイク関連付け情報は,例えば,「テイクデータ」情報,「OK/NG」情報,「ビデオファイル名」情報,「ローレゾファイル名」情報および「テイクメタデータファイル名」情報などからなるが,詳細については後述する。かかるテイク関連付け情報は,例えば,取材部署または編集部署担当者の入力に基づいて,取材端末20または編集端末30によって生成され,プログラムメタデータPMのカット階層内の該当欄に書き込まれる。映像プログラムの制作を分担する各部署は,かかるテイク関連付け情報を閲覧することにより,カットに対していかなるテイクが割り当てられているかを把握できる。さらに,編集端末30なども,例えば,かかるテイク関連付け情報に基づいて,カットとテイクの関連性を自動的に判断することができる。
次に,図3および図4を参照しながら,プログラムメタデータPMのメタデータ項目の具体例について,各階層毎に,詳細に説明する。
(プログラム識別階層)
まず,プログラム識別階層には,図3に示すように,例えば,「プログラムID:[ID]」,「プログラムタイトル:[Ttl]」などの項目が設けられる。
・「プログラムID」には,映像プログラム毎に付される固有のIDが記入される。図3の例の映像プログラムには,例えば「P2002−10」なるプログラムIDが付されている。このプログラムIDにより,そのプログラムメタデータPMがいかなる映像プログラムに関するものであるかを識別することができる。
・「プログラムタイトル」には,映像プログラムのタイトルが記入される。図3の例では,「東西麺つゆの境界線」なるタイトルが記入されている。
(取材階層)
次に,取材階層は,図3に示すように,「取材指示」の欄と,「取材メモ」の欄に区分されている。
「取材指示」の欄は,企画構成部署の担当者が取材階層の上記制作指示情報を記入するための欄である。この「取材指示」の欄には,例えば,「取材ID:[ID]」,「取材タイトル:[Ttl]」,「カメラマン:[Cam]」,「レポータ:[Rep]」,「場所:[Plc]」,「指定時刻:[Tim]」,「取材指示内容:[Dsc]」などの項目が設けられる。
・「取材ID」には,取材毎に付される固有のIDが記入される。例えば,図3に示す取材には,例えば「A2002−1001」なる取材IDが付されている。この取材IDにより,例えば,その取材がいかなる映像プログラムに属する何番目の取材であるかを識別することができる。
・「取材タイトル」には,取材のタイトルが記入される。図3の例では,「名古屋の麺つゆ」なるタイトルが記入されている。
・「カメラマン」には,当該取材を担当するよう指名されたカメラマンの名前またはIDが記入される。
・「レポータ」には,当該取材を担当するよう指名されたレポータの名前またはIDが記入される。
・「場所」には,当該取材を行う場所の指示が記入される。
・「指定時刻」には,取材開始時刻および終了時刻の指示が記入される。
・「取材指示内容」には,取材指示の内容が記入される。この取材指示とは,例えば,当該取材の目的,概要などである。
また,「取材メモ」の欄は,取材部署の担当者が取材階層の上記プログラム撮像状況情報を記入するための欄である。この「取材メモ」の欄には,「取材メモ内容:[Dsc]」などの項目が設けられる。
・「取材メモ内容」には,例えば,取材階層の取材・撮像状況のメモが記入される。具体的には,例えば,取材担当者が取材全体を通して気づいた連絡事項,注意事項および提案事項,取材場所の特徴および印象,取材作業全体で発生した事項などの情報が主に記入される。
(シーン階層)
次に,シーン階層は,図3に示すように,「シーン指示」の欄と,「シーンメモ」の欄に区分されている。
「シーン指示」の欄は,企画構成部署の担当者がシーン階層の上記制作指示情報を記入するための欄である。この「シーン指示」の欄には,例えば,「シーン番号:[No]」,「シーンタイトル:[Ttl]」,「シーン指示内容:[Dsc]」などの項目が設けられる。
・「シーン番号」には,1つの取材を構成する少なくとも1つのシーンに付される固有の番号が記入される。このシーン番号は,例えば,1つの取材内においてシーン順に通し番号で付されるので,1つの取材内で同一のシーン番号が用いられることはない。例えば,図3に示す取材(「名古屋のつゆ」の取材)は,2つのシーンから構成されており,このうち,シーン順が1番目のシーンにはシーン番号「1」が付され,2番目のシーンにはシーン番号「2」が付されている。このように,かかるシーン番号はシーンの構成順を指示する情報であるともいえる。
・「シーンタイトル」には,シーンのタイトルが記入される。図3の例では,「店の外観」または「店の名」なるタイトルが記入されている。
・「シーン指示内容」には,シーン指示の内容が記入される。このシーン指示とは,撮像すべきシーン構成の指示であり,例えば,当該シーンの概要,展開などである。このような,「シーンタイトル」および「シーン指示内容」に記載された内容は,シナリオにおけるシーン構成に対応している。
また,「シーンメモ」の欄は,取材部署の担当者がシーン階層の上記プログラム撮像状況情報を記入するための欄である。この「シーンメモ」の欄には,「シーンメモ内容:[Dsc]」などの項目が設けられる。
・「シーンメモ内容」には,例えば,シーン階層の取材・撮像状況のメモが記入される。具体的には,例えば,取材担当者がシーン単位で気づいた連絡事項,注意事項および提案事項,撮像したシーンの特徴および印象,シーンの撮像作業で発生した事項などの情報が主に記入される。
(カット階層)
次に,カット階層は,図4に示すように,「カット指示」の欄と,「カットメモ」の欄と,「テイク関連付け情報」の欄と,に区分されている。
「カット指示」の欄は,企画構成部署の担当者がカット階層の上記制作指示情報を記入するための欄である。この「カット指示」の欄には,例えば,「カット番号:[No]」,「カットタイトル:[Ttl]」などの項目が設けられる。
・「カット番号」には,1つのシーンを構成する少なくとも1つのカットに付される固有の番号が記入される。このカット番号は,例えば,1つのシーン内において通し番号で付されるので,1つのシーン内で同一のカット番号が用いられることはない。図4の例では,上記シーン番号1のシーン(即ち,「店の外観」のシーン)は,2つのカットから構成されており,このうち,カット順が1番目のカットにはカット番号「1」が付され,2番目のカットにはカット番号「2」が付されている。このように,かかるカット番号はカットの構成順を指示する情報であるともいえる。
・「カットタイトル」には,カットのタイトルが記入される。図3の例では,「店の全体」または「店の入り口」なるタイトルが記入されている。このカットタイトルの内容は,シナリオにおけるカット構成に対応しており,撮像すべきカット内容を指示する情報として機能するので,カメラマンが撮像対象を特定できる程度具体的に記入されることが好ましい。なお,例えば,「カット指示」の欄が,カットの内容をより詳細に指示するための「カット指示内容」の項目をさらに含むように構成してもよい。
また,「カットメモ」の欄には,取材部署の担当者がカット階層の上記プログラム撮像状況情報を記入するための欄である。この「カットメモ」の欄には,「カットメモ内容:[Dsc]」などの項目が設けられる。
・「カットメモ内容」には,例えば,カット階層の取材・撮像状況のメモが記入される。具体的には,例えば,取材担当者がカット単位で気づいた連絡事項,注意事項および提案事項,撮像したカットの特徴および印象,カットの撮像作業で発生した事項などの情報が主に記入される。
また,「テイク関連付け情報」の欄は,例えば,取材端末20および編集端末30が上記テイク関連付け情報を入力するための欄である。この「テイク関連付け情報」の欄には,「テイクデータ(「テイク番号」,「In点」および「Out点」)」,「OK/NG」,「ビデオファイル名」,「ローレゾファイル名」,「テイクメタデータファイル名」などの項目が設けられる。
・「テイクデータ」には,「テイク番号」,「In点」および「Out点」などの項目が設けられる。
・「テイク番号」には,テイク毎に付される固有の番号等の識別子が記入される。このテイク番号とは,例えば,取材部署側で新たなテイクが実行される度にそのテイクに対して順次付されていく番号であり,企画構成側の意図したシナリオとは無関係に付されるものである。従って,原則として,異なるテイクについて同一のテイク番号が付されることはない。
また,かかるテイク番号は,例えば,UMID(Unique Material IDentifier)とすることもできる。この「UMID」は,コンテンツデータ等の映像素材をグローバルユニークに特定できる識別子であり,SMPTE330M(Society of Motion Picture and Television Engineers 330M)で規格化されている。本実施形態にかかるUMIDは,例えば,少なくとも撮像装置40の機器番号と時間情報とを含む基本UMIDである。このUMIDは,例えば,コンテンツデータに対してテイク単位(ビデオファイル単位)で付与されているので,かかるUMIDによってテイクを特定することができる。
このようにして,映像素材にシナリオとは無関係なテイク番号を付することで,シナリオと映像素材を分離することができる。また,例えば,上記UMIDをテイク番号として採用することにより,複数の映像プログラム間においても,異なるテイクには同一のテイク番号を付さないようにすることができ,シナリオと映像素材をより完全に分離できる。なお,かかるテイク番号は,例えば,撮像装置40によって自動的に作成されて,入力される。
・「In点」および「Out点」には,例えば,編集作業において決定された編集開始位置(In点)のタイムコードと,編集終了位置(Out点)のタイムコードと,が入力される。このタイムコードが例えば「09:43:52:01」と入力されている場合には,「9時43分52秒の第1フレーム」であることを意味する。かかるIn点およびOut点情報は,当該テイクのコンテンツデータから必要な映像部分を抽出した範囲を表す情報,即ち,映像プログラムに用いられる有効範囲を表す情報の一例である。なお,タイムコードは,上記のような時間情報およびフレーム情報だけではなく,日付情報などをさらに含むようにしてもよい。
・「OK/NG」には,「OK」または「NG」が入力される。「OK」と入力された場合には,当該テイクのコンテンツデータが採用されるべきものあることを表す。一方,「NG」と入力された場合には,当該テイクのコンテンツデータが不採用とすべきものあることを表す。1のカットについて複数のテイクが関連付けられている場合,原則として,「OK」とされるのは,例えば1つのテイクだけであり,その他は「NG」とされる。このように,かかるOK/NG情報は,カットに関連付けられたテイクの中からいずれか1つの採用すべきテイクを選択する情報として機能する。なお,かかるOK/NG情報は,例えば,撮像装置40またはフィールドPC50によって,手動または自動で入力される。
・「ビデオファイル名」には,当該テイクのオリジナル映像のコンテンツデータが記録されているファイル名が入力される。このビデオファイル名は,上記テイク番号と同様に,映像素材ごとに固有のファイル名が,シナリオとは無関係に付されている。このため,かかるビデオファイル名によって,オリジナル映像のコンテンツデータを特定できる。なお,かかるビデオファイル名は,例えば,カメラマン等によって手動で入力されても良いし,或いは,撮像装置40またはフィールドPC50によって,テイクの撮像順にシーケンシャルな番号を付与するなどして,自動的に作成されてもよい。また,ビデオファイル名の拡張子である「mxf」は,「material exchange format」のコンテンツデータであることを意味する。
・「ローレゾ(low resolution)ファイル名」には,当該テイクのローレゾ映像やローレゾ音声が記録されているファイル名が入力される。このローレゾファイル名も,上記テイク番号と同様に,映像素材ごとに固有のファイル名が,シナリオとは無関係に付されている。このため,かかるローレゾファイル名によって,ローレゾ映像のコンテンツデータを特定できる。なお,かかるローレゾファイル名は,例えば,撮像装置40またはフィールドPC50によって,手動または自動で入力される。なお、ローレゾ映像やローレゾ音声をオリジナル映像や音声に加えて記録しておくと、データ量の少ないローレゾ映像やローレゾ音声を予め取材先から放送局に伝送して,粗編集などをオリジナル映像や音声が届く前に進めておくなどすることができる。
・「テイクメタデータファイル名」には,当該テイクに対応したテイクメタデータのファイル名が入力される。かかるテイクメタデータファイル名は,プログラムメタデータPMのカット階層とテイクメタデータTMを関連付ける情報として機能する。なお,かかるテイクメタデータファイル名は,例えば,撮像装置40またはフィールドPC50によって,手動または自動で入力される。
上記のような項目からなるテイク関連付け情報によって,プログラムメタデータPM内のカットに対して,テイクを従属させることができる。例えば,図2の例では,プログラムID:「P2002−10」,取材ID:「A2002−1001」,シーン番号:「1」,カット番号:「1」で特定されるカット(最上段の欄のカット)には,テイク番号「1」および「2」で特定される2つのテイクがリンクされている。このように,テイク関連付け情報は,企画構成部署側で意図したカットと,取材部署側で得た実際の映像素材とを結びつける機能を有する。
以上,プログラムメタデータPM内の各項目,およびそのメタデータの内容について詳細に説明した。なお,プログラムメタデータPM内の項目および内容は,上記例に限定されず,上記以外にも,例えば,取材用機材の指示,制作スケジュール,作業の進捗状況,代表的な静止画像,他部署の作業に関するメモなど,映像プログラムの制作に関わる各種情報が入力されてもよい。
<2.4 テイクメタデータ>
次に,図2,図4および図5に基づいて,テイクメタデータTMについて詳細に説明する。なお,図5は,本実施形態にかかる1つのテイクメタデータTMの内容を詳細に例示する説明図である。
まず,テイクメタデータTMの構造およびプログラムメタデータPMとの関係について説明する。
テイクメタデータTMは,撮像装置40によってあるテイクのコンテンツデータが記録されると,例えば,このテイクのコンテンツデータと1対1対応して作成される。即ち,テイクの撮像が行われる度に,新たなテイクメタデータTMが作成される。従って,撮像したテイクの回数が多いほど,作成されるテイクメタデータTMのファイル数も多くなることになる。例えば,図2の例では,13個のカットに対して15個のテイクが実行されているため,作成されたテイクメタデータTMのファイル数も15個になっている。
このように,テイクメタデータTMのファイルは,プログラムメタデータPMのファイルとは別個の独立したファイルとしてテイク毎に作成される。
さらに,かかるテイクメタデータTMは,例えば,上記プログラムメタデータPM内のテイク関連付け情報(「テイクメタデータファイル名」の項目)によって,コンテンツデータとともに上記カット階層のカットに関連付けられている。例えば,テイクメタデータTM1は,プログラムID:「2002−10」,取材ID:「2002−1001」,シーン番号:「1」,カット番号:「1」で特定されるカットに,関連付けられている。この際,テイクメタデータTM1は,ビデオファイル1およびローレゾファイル1とともに当該カットに関連付けられている。さらに,このカットには,テイクメタデータTM2も関連付けられている。このように,1つのカットに対して2つのテイクメタデータTMを関連付けることもできる。また,逆に,1つのテイクメタデータTMを異なる2以上のカットに関連付けることもできる。
次に,テイクメタデータTMの内容について説明する。
テイクメタデータTMの内容は,例えば,テイク撮像条件情報およびテイク撮像状況情報などである。テイク撮像条件情報は,各テイクの実行時における撮像装置40等の撮像条件を表すメタデータである。このテイク撮像条件情報は,例えば,撮像装置40などによってテイク単位で自動的に生成され,テイクメタデータTM内に書き込まれる。また,テイク撮像状況情報とは,例えば,テイクにおける撮像状況に関するメタデータである。かかるテイク撮像状況情報は,例えば,取材部署担当者の入力に基づいて,フィールドPC50などによってテイク単位で生成され,テイクメタデータTM内に書き込まれる。
具体例を挙げて説明すると,図5に示すように,テイクメタデータTMには,テイク撮像状況情報である「テイクメモ内容:[Dsc]」と,テイク撮像条件情報である「日付:[Date]」,「時刻:[Time]」,「緯度経度情報:[Pos]」,「機器番号:[Machine]」および「機器設定情報:[Setup]」などの項目が設けられる。
・「テイクメモ内容」には,例えば,テイク単位の撮像状況のメモが記入される。具体的には,例えば,テイクの撮像時において,取材担当者が気づいた連絡事項,注意事項および提案事項,テイクの特徴および印象,テイクの撮像作業で発生した事項,当該テイクのコンテンツデータに関する事項などの情報が主に記入される。
・「日付」には,当該テイクの撮像を行った日付が入力される。
・「時刻」には,当該テイクの撮像を行った時刻が入力される。
・「緯度経度情報」には,当該テイクの撮像を行った場所の緯度および経度情報(GPS情報)が入力される。
・「機器番号」には,当該テイクの撮像を行った撮像装置40の機器番号が入力される。
・「機器設定情報」には,当該テイクの撮像を行った撮像装置40の設定(セットアップ)情報が入力される。この機器設定情報は,例えば,カメラのフィルタの種類,ホワイトバランススイッチ,ゲインスイッチ,DCC(ダイナミックコントラストコントロール)スイッチ,シャッタスイッチ,レンズのエクステンダースイッチ等の状態(スイッチのon/offやレベル等)などである。
以上のようにテイクメタデータTMは,あくまで,実際の撮像処理であるテイクに関するメタデータからなり,シナリオ等の企画構想に関するメタデータなどは含んでいない。かかる内容のテイクメタデータTMを参照することによって,映像プログラムの制作を分担する各部署は,例えば,テイクメタデータTMに対応するコンテンツデータの内容,撮像条件,機器の状態などを把握できる。かかるテイクメタデータTM内の情報は,特に,編集部署においてコンテンツデータの編集作業を行う際に有用である。
<2.5 構成表メタデータのディレクトリ構成>
次に,図6に基づいて,本実施形態にかかる構成表メタデータのディレクトリ構成について詳細に説明する。なお,図6は,本実施形態にかかる構成表メタデータのディレクトリ構成を例示する説明図である。
図6に示すように,本実施形態にかかるディレクトリ構成では,例えば,ルートディレクトリRに対し,複数のプログラムメタデータファイルPM1,PM2,…と,複数のテイクフォルダT1,T2,…が,並列に位置づけられる。この各テイクフォルダTnの中には,例えば,同一のテイクに関する,オリジナル映像のビデオファイルVnと,ローレゾ映像のローレゾファイルLnと,テイクメタデータファイルTMnなどが一組になって格納されている。なお,かかるディレクトリ構成は,構成表メタデータおよびコンテンツデータを,光ディスク3などの記録媒体や,各端末装置10,20,30の記録装置などに格納する際に適用されるものである。
このように,シナリオ等に該当するプログラムメタデータファイルPMと,テイクに関するファイル群とを並列に位置づけることにより,双方のファイルの内容を独立して処理することができる。さらに,複数の映像素材およびそのメタデータ(即ち,複数のコンテンツデータおよびテイクメタデータTM)と,複数のシナリオのメタデータ(即ち,複数のプログラムメタデータPM)と,を自由にリンクすることもできる。
<2.6 構成表メタデータの特徴点>
以上のような構成の構成表メタデータの主要な特徴点をまとめると,例えば,以下の通りである。
(1)構成表メタデータは,撮像装置40等でも読み込み可能な電子ファイル形式のファイルで作成される。これにより,企画構成部署,取材部署および編集部署などで一貫して利用可能な電子ファイル形式の構成表メタデータを提供でき,制作作業の正確化と迅速化が図れる。
(2)プログラムメタデータPMは階層構造化されており,映像プログラムごとに1つのファイルで管理される。さらに,プログラムメタデータPMには,制作指示情報が階層化されて含まれており,プログラム撮像状況情報も階層化されて含まれている。これにより,各担当者は映像プログラム全体の内容を容易に認識することができる。さらに,撮像担当者は,カット階層の制作指示情報に基づいて,撮像すべき対象物を容易に把握できるとともに,カットごとに撮像を繰り返していくことで撮り忘れを防止できる。さらに,撮像順序も任意であり,取り直しも自由である。
(3)プログラムメタデータPMとテイクメタデータTMが,別のファイルで作成される。これにより,プログラムメタデータPMに含まれるメタデータを,シナリオ等に関連するメタデータに限定して,全ての部署で共用されるプログラムメタデータPMのデータ量を小さく抑えることができる。また,シナリオ等の企画構成側の意図に関するメタデータと,実際に撮像した映像素材に関するメタデータとを分離して管理することができる。よって,プログラムメタデータPMとテイクメタデータTMを相互に独立して処理することができる。
(4)テイクメタデータTMは,テイク毎に別ファイルで作成される。これにより,テイク毎にコンテンツデータとテイクメタデータTMとを組み合わせることができる。このとき,テイクメタデータTMは,対応するコンテンツデータのインデックス情報として機能する。
(5)同じテイクのコンテンツデータおよびテイクメタデータTMをカットに関連付けるテイク関連付け情報は,プログラムメタデータPMに含まれている。これにより,プログラムメタデータPM側で,各カットに対して,映像素材(テイク単位のコンテンツデータ)を柔軟に関連付けることができる。例えば,1つのカットに対して,複数の映像素材を関連付けることができる。また,複数のカットに対して,同一の映像素材を関連付けることもできる。さらに,異なるプログラムメタデータPMに属するカットに対して,同一の映像素材を,関連付けることもできる。
このように,本実施形態にかかる構成表メタデータは,そのデータ構造上の特徴により,映像プログラムの制作効率を改善することができる。
<3.企画端末>
次に,図7に基づいて,本実施形態にかかる企画端末10について詳細に説明する。なお,図7は,本実施形態にかかる企画端末10の概略的な構成を示すブロック図である。
図7に示すように,企画端末10は,CPU102と,メモリ部104と,入力部106と,表示部108と,音声出力部110と,通信部112と,外部インタフェース114と,記録装置116と,ディスク装置118と,プログラムメタデータ作成部120と,メタデータ表示制御部122と,制作指示情報生成部124を備える。
CPU102は,演算処理装置および制御装置として機能し,企画端末10の各部の処理を制御することができる。また,メモリ部104は,例えば,RAM,ROM,フラッシュメモリなどで構成されており,CPU102の処理に関する各種データ,CPU102の動作プログラム等を記憶する機能を有する。
入力部106は,マウス,キーボード,タッチパネルなどの入力装置から構成されている。企画構成部署の担当者は,この入力部106を用いて,例えば,プログラムメタデータPMに制作指示情報の内容などを記入することができる。
表示部108は,例えば,CRTモニタや液晶モニタなどで構成される。この表示部108は,構成表メタデータやコンテンツデータに含まれる映像データなどを表示することができる。例えば,表示部108は,後述する撮像装置40が送信するローレゾ映像を,例えば撮像中にリアルタイムで表示することなどもできる。また,音声出力部110は,スピーカなどの発音装置と音声データ処理装置等から構成されており,コンテンツデータに含まれる音声データを出力することができる。
通信部112は,例えば,取材端末20および編集端末30などとの間でネットワーク5を介して,プログラムメタデータPM等の構成表メタデータや,ローレゾ映像のコンテンツデータなどの各種データを通信することができる。また,この通信部112は,例えばSDI(Serial Digital Interface)により上記データをネットワーク5を介して送信する場合には,KLV(Key Length Value)符号化などの符号化処理をすることもできる。また,本実施形態では,この通信部112は,少なくともプログラムメタデータPMを,ネットワーク5経由で取材端末20または編集端末30などに提供するプログラムメタデータ提供部として機能する。
外部インタフェース114は,企画端末10に例えばUSB(Univarsal Serial Bus),SCSI(Small Computer System Interface)などで接続された周辺機器との間で,データの通信を行う部位である。この周辺装置は,例えば,光ディスクドライブやハードディスクドライブ等のディスク装置などの記録再生装置,プリンタ,スキャナなどである。
記録装置116は,例えば,ハードディスクドライブ等で構成されたストレージ装置であり,各種プログラム,構成表メタデータ,オリジナル映像またはローレゾ映像等のコンテンツデータなどの各種データを格納することができる。
ディスク装置118は,例えば,DVD−R,DVD−RAM,CD−Rや光磁気ディスク等の各種の光ディスク3や,フレキシブルディスク,ハードディスク等の磁気ディスク,半導体メモリなどの記録媒体に対して,コンテンツデータ,構成表メタデータ,各種アプリケーションプログラムなどを読み書きする装置である。このディスク装置118は,例えば,企画端末10に内蔵されてもよいし,また,企画端末10に対して外付けされてもよい。
プログラムメタデータ作成部120は,上記電子ファイル形式のプログラムメタデータPMを新規に作成する機能を有する。より詳細には,企画構成部署の担当者によって入力部106が操作され,新規な構成表メタデータの作成が指示されると,プログラムメタデータ作成部120は,例えば,新たなプログラムメタデータPMの枠組みを自動的に作成する。この枠組みとは,例えば,図2に示したようなプログラムメタデータPM内の記入欄および項目などに該当するレイアウトである。なお,かかるプログラムメタデータPMは,例えば,XML(extensible markup language)等のタグ言語などで記述されることにより,作成される。
さらに,プログラムメタデータ作成部120は,例えば,上記のようにして新規作成したプログラムメタデータPMに自動又は手動で新たなファイル名を付し,このプログラムメタデータPMのファイルを記録装置116などに保存することもできる。
また,メタデータ表示制御部122は,例えば,プログラムメタデータ作成部120によって新規作成されたプログラムメタデータPMを解釈して,図2に示したようなデータを個別に扱いやすい表形式に変換することができる。さらに,メタデータ表示制御部122は,表形式に変換したプログラムメタデータPMを表示部108に表示させるよう制御することができる。これにより,企画構成部署の担当者は,表形式に整理されたプログラムメタデータPMを閲覧することができる。
制作指示情報生成部124は,上記制作指示情報をプログラムメタデータPMとして生成することができる。より詳細には,制作指示情報生成部124は,例えば,企画構成部署の担当者の入力に基づいて,テキストデータなどである制作指示情報を生成する。さらに,制作指示情報生成部124は,例えば,生成した制作指示情報を,上記プログラムメタデータ生成部120によって新規作成されたプログラムメタデータPMの所定欄の所定項目に順次書き込むことができる。
かかる制作指示情報生成部124の処理により,企画構成部署の担当者は,構成表メタデータにシナリオを記入することができる。即ち,企画構成部署の担当者は,表示されたプログラムメタデータPMの枠組みを参照しながら,入力部106を操作することにより,企画したシナリオに対応する制作指示情報をプログラムメタデータPMの各項目に順次記入することができる。
上記のようにして作成されたプログラムメタデータPMは,例えば,記録装置116に保存されるとともに,上記通信部112によって例えばネットワーク5を介して取材端末20または編集端末30などに提供される。
なお,上記プログラムメタデータ作成部120,メタデータ表示制御部122および制作指示情報生成部124は,上記のような処理機能を実現できるものであれば,例えば,専用装置(ハードウェア)として構成されてもよく,また,コンピュータ等の企画端末10に上記処理を実行させるアプリケーションプログラムをインストールして構成されてもよい。さらに,後者の場合,上記アプリケーションプログラムは,企画端末10に対して,CD−ROM等の記録媒体によって提供されてもよく,また,通信部112を介して外部からダウンロードすることで提供されてもよい。また,当該アプリケーションプログラムは,予め,企画端末10内のメモリ部104または記録装置116,或いは外部インタフェース114に接続された周辺機器などに格納されていてもよい。
<4.取材端末>
次に,本実施形態にかかる取材端末20を構成する撮像装置40およびフィールドPC50について説明する。
<4.1 撮像装置>
まず,図8に基づいて,本実施形態にかかる撮像装置40について説明する。なお,図8は,本実施形態にかかる撮像装置40の概略的な構成を示すブロック図である。
図8に示すように,撮像装置40は,例えば,各種撮像処理を制御し,映像データを生成するカメラブロック402と,音声データ及びメタデータを生成するとともに,コンテンツデータ(映像および音声データ)およびメタデータを通信し,並びにこれらを光ディスク3に記録/再生するレコーダブロック403と,から構成される。
まず,カメラブロック402の構成について詳細に説明する。
カメラブロック402は,図8に示すように,撮像部407と,ビデオプロセッサ408と,ビデオ圧縮部409と,ビデオインタフェース410と,データバス411と,カメラコントローラ413と,カメラコントローラインタフェース412と,ビデオプロセッサインタフェース414と,操作部インタフェース415と,操作部416と,メモリ部417と,CPU418と,ビューファインダー419と,ビューファインダーインタフェース420と,レコーダインタフェース421と,メタデータ表示制御部45と,から構成される。
撮像部407は,例えば,光学系ブロックと,駆動系ブロックと,CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子(撮像デバイス)などから構成されており,被写体を撮像して映像データを出力することができる。光学系ブロックは,レンズ,絞り,フィルタなどからなり,被写体からの光学像を撮像素子に入射させることができる。駆動系ブロックは,レンズの絞り,ズーム,露出,フォーカスなどを調整することができる。撮像素子は,受光面に2次元的に設けられた光電変換素子からなる複数の画素により,上記光学像を光電変換して電気的な映像データを出力することができる。
ビデオプロセッサ408は,撮像部407により生成された映像データに対して,A/D変換処理,ホワイトバランス処理,γ(ガンマ)補正処理,輪郭補正するためのアパーチャー(aperture)処理,またはノイズ減少させるためのCDS(correlated double sampling circuit:相関2重サンプリング)処理などを実行する。このビデオプロセッサ408は,ビデオプロセッサインタフェース414を介して,CPU418によって制御される。
ビデオ圧縮部409は,上記ビデオプロセッサ408からの映像データを,例えば,MPEG1(Moving Picture Experts Group 1),MPEG2−TS,またはMPEG2−PS方式などにより圧縮処理(エンコード処理)して,上記ローレゾ映像を生成できる。さらに,このビデオ圧縮部409は,例えば,かかる圧縮処理を行わずに,生の映像データ(上記オリジナル映像)をそのまま出力することもできる。また,ビデオインタフェース410は,ビデオ圧縮部409からの映像データ(オリジナル映像およびローレゾ映像)をデータバス411に転送するための媒介として機能する。
カメラコントローラ413は,例えば,CPU418からの指示信号に基づき,レンズの絞り,ズーム,露出,フォーカスなどを好適に調整するよう撮像部407を制御する。また,カメラコントローラ413は,例えば,タイミングジェネレータを備え,タイミング信号を発生できる。また,カメラコントローラインタフェース412は,例えばCPU418からの指示信号などを,カメラコントローラ413に転送するための媒介として機能する。
操作部416は,例えば,各種のボタン,レバー,ダイヤルなどで構成される。カメラマンは,かかる操作部416を手動で操作することにより,例えば,電源on/off操作,撮像操作,再生操作,ズーム操作,モード変更操作,映像およびメタデータの編集操作などを行うことができる。CPU418は,この操作部416に対する操作内容に基づいて,例えば,レンズの絞りまたはズームの調整,記録開始または終了などの各種処理をカメラブロック402の各部に実行させるための指示信号を生成する。また,操作部インタフェース415は,上記操作部416の操作に関する操作信号を,データバス411に転送するための媒介として機能する。
CPU418は,カメラブロック402内の各部の処理を制御する機能を有する。また,メモリ部417は,例えば,ROM,RAMなどから構成され,撮像条件等の撮像処理に関する各種データや,CPU418用の制御ソフトウェアプログラムなどを記録または一時記憶する。
ビューファインダー419は,例えば,小型のLCDモニタなどで構成された撮像装置用の表示部である。このビューファインダー419は,撮像中の映像データ,または再生した映像データなどを表示することができる。これにより,カメラマンは,例えば,ビューファインダー419を見ながら,撮像する被写体の確認,撮像中のモニタリング,ディスク3に記録されたコンテンツデータに含まれる映像データのチェック,或いはコンテンツデータの簡単な編集作業などを行うことができる。さらに,このビューファインダー419は,例えば,プログラムメタデータPMまたはテイクメタデータTMなどを,単独で或いは映像データと重畳させて表示することもできる。また,ビューファインダーインタフェース420は,データバス411から転送される映像データまたは構成表メタデータなどを,上記ビューファインダー419に転送するための媒介として機能する。
レコーダインタフェース421は,カメラブロック402とレコーダブロック403との間で,データを転送するための媒介として機能する。なお,メタデータ表示制御部45については後述する。
次に,レコーダブロック403の構成について詳細に説明する。
レコーダブロック403は,図8に示すように,マイクロフォン422と,オーディオプロセッサ423と,オーディオインタフェース424と,オーディオプロセッサインタフェース425と,カメラインタフェース426と,通信部427と,日時情報コード生成部428と,LCD表示インタフェース430と,LCD表示部429と,メモリカードインタフェース431と,メモリ部432と,CPU433と,記録再生部406と,テイクメタデータ生成部42と,テイク関連付け部44と,から構成される。
カメラインタフェース426は,カメラブロック402とレコーダブロック403との間で,データを転送するための媒介として機能する。
マイクロフォン422は,撮像環境における音声を集音して,音声データを生成する。オーディオプロセッサ423は,マイクロフォン422から入力された音声データに対して,A/D変換処理及び音声調整処理などを実行する。また,このオーディオプロセッサ423は,A/D変換した音声データを必要に応じて圧縮することができる。かかるオーディオプロセッサ423は,オーディオプロセッサインタフェース425を介して,CPU433によって制御される。また,オーディオインタフェース424は,音声データをデータバス434に転送するための媒介として機能する。
通信部427は,例えば,企画端末10,フィールドPC50または編集端末30などとの間で,ネットワーク5を介して,構成表メタデータやコンテンツデータなどの各種データを通信することができる。詳細には,通信部427は,例えば,企画端末10が作成したプログラムメタデータPMなどを,ネットワーク5を介して受信して取得することができる。このように通信部427は,本実施形態にかかる撮像装置40が具備するプログラムメタデータ取得部として構成されている。また,通信部427は,例えば,後述するテイクメタデータ生成部42が作成したテイクメタデータTMや,後述するテイク関連付け部44が編集したプログラムメタデータPMを,ネットワーク5を介してフィールドPC50,編集端末30および企画端末10などに送信することができる。さらに,通信部427は,例えば,カメラブロック402が生成したローレゾ映像などのコンテンツデータを,撮像と同時に,或いは撮像終了後に,ネットワーク5を介してフィールドPC50,編集端末30および企画端末10などに送信することができる。また,この通信部427は,例えばSDIにより上記データをネットワーク5を介して送信する場合には,KLV符号化などの符号化処理をすることもできる。
タイムコード生成部428は,例えば,撮像時にタイムコードのタイムカウントを行い,コンテンツデータのフレームごとに上記生成したタイムコードを付加する。なお,このタイムコード生成部428は,タイムコードの代わりに,例えば,日付情報およびタイムコードの双方を含む日時情報コードを付加したり,コンテンツデータを構成するフレームごとにフレーム番号を付加したりしてもよい。
LCD表示部429は,例えば,コンテンツデータに含まれる映像データ,タイムコード,音声出力レベル,プログラムメタデータPM,テイクメタデータTMなどを表示することができる。また,LCD表示インタフェース430は,データバス434から上記LCD表示部429に,上記各種のデータを転送するための媒介として機能する。
メモリカードインタフェース431は,例えば,半導体メモリ等の記憶媒体に対して,構成表メタデータなどの各種データを読み書きすることができる。なお,本実施形態では,構成表メタデータをネットワーク5を介して通信可能であるので,このメモリカードインタフェース431は必ずしも具備されなくともよい。
CPU433は,レコーダブロック403内の各部の処理を制御する機能を有する。また,メモリ部432は,例えば,ROM,RAMなどから構成され,構成表メタデータなどの各種データや,CPU433用の制御ソフトウェアプログラムなどを記録または一時記憶する。
記録再生部406は,図8に示すように,例えば,ドライブインタフェース435と,データプロセッサ437と,ローディングメカニズムコントローラ438と,メカニズムインタフェース439と,から構成されている。
データプロセッサ437は,コンテンツデータを光ディスク3に記録・再生するためのデータ形式に変換することができる。また,ピックアップコントロール436は,光ディスク3に対してコンテンツデータを記録再生するために,レーザ発生部及び受光部(図示せず。)の位置を制御することができる。また,メカニズムインタフェース439は,データバス434から上記データプロセッサ437およびピックアップコントロール436に,制御信号等を転送するための媒介として機能する。
ローディングメカニズムコントローラ438は,光ディスク3をドライブに着脱する機構(即ち,ローディングメカニズム。図示せず。)を制御することができる。また,メカニズムインタフェース439は,データバス434から上記ローディングメカニズムコントローラ438に,制御信号等を転送するための媒介として機能する。
かかる構成の記録再生部406は,例えば,上記のようにして撮像された映像データと,集音された音声データとを含むコンテンツデータを光ディスク3に記録することができる。この際,記録再生部406は,例えば,コンテンツデータをテイク単位のファイルで記録することができる。また,記録再生部406は,例えば,オリジナル映像のコンテンツデータだけでなく,ローレゾ映像のコンテンツデータを記録することも可能である。また,記録再生部406は,例えば,上記コンテンツデータだけでなく,編集された構成表メタデータを光ディスク3に記録することも可能である。また,記録再生部406は,例えば,光ディスク3に記録されているコンテンツデータおよび構成表メタデータを再生することもできる。このため,記録再生部406は,企画端末10から光ディスク3等の記録媒体を介してプログラムメタデータPMを取得するプログラムメタデータ取得部としても機能する。
テイクメタデータ作成部42は,上記テイク毎にテイクメタデータTMを新規に作成し,作成したテイクメタデータTMのコンテンツとして上記テイク撮像条件情報を入力することができる。
より詳細には,カメラブロック402によって1回のテイクの撮像処理がなされた場合に,テイクメタデータ作成部42は,かかるテイクに関するテイクメタデータTMのファイルを自動的に新規作成することができる。なお,かかるテイクメタデータTMのファイルを新規作成するタイミングは,例えば,当該テイクの撮像処理の開始と同時,当該テイクの撮像処理継続中の任意の時点,当該テイクの撮像処理が終了した直後または所定時間経過後など,任意のタイミングであってよい。
また,テイクメタデータ作成部42は,例えば当該テイクに関する撮像条件等の情報(例えば,図5に示したテイクメタデータTMの各種項目に関する情報など)を撮像装置40内の各部から収集し,上記テイク撮像条件情報を自動的に生成することができる。例えば,テイクメタデータ作成部42は,上記タイムコード生成部428から,当該テイクの撮像処理を開始した日付および時間情報を取得したり,カメラブロック402のメモリ部417,カメラコントローラ413およびビデオプロセッサ408などから,AGCゲインのレベル,ホワイトバランススイッチの状態およびDCCスイッチのon/offなどの撮像装置40の設定情報を取得したりできる。なお,このようにテイクメタデータ作成部42がテイク撮像条件情報を自動的に生成するタイミングは,例えば,当該テイクの撮像処理開始から終了まで期間内の任意のタイミングであってよい。
さらに,テイクメタデータ作成部42は,このように生成したテイク撮像条件情報を,例えば,上記新規作成したテイクメタデータTMのファイルに,テイクメタデータTMのコンテンツとして入力することができる。なお,以上のようにして作成されたテイクメタデータTMは,例えば,メモリ部432や光ディスク3などに記録される。
テイク関連付け部44は,上記テイク関連付け情報を生成し,このテイク関連付け情報を,上記企画端末10から取得したプログラムメタデータPMのカット階層のテイク関連付け情報欄に追加入力することができる。これにより,テイク関連付け部44は,テイク毎に記録したコンテンツデータおよび当該テイクのテイクメタデータTMを,上記プログラムメタデータPM内のカットに関連付けることができる。
より詳細には,まず,テイク関連付け部44は,例えば,カメラマンのカット選択操作(詳細は後述する。)に基づいて,当該テイクによるコンテンツデータおよび当該テイクのテイクメタデータTMを関連付けるべきカットを選択する。次いで,例えば,当該テイクの撮像処理が終了すると,テイク関連付け部44は,テイク関連付け情報を自動的に生成する。さらに,テイク関連付け部44は,プログラムメタデータPM内のカットのうち,上記選択したカットに対応する欄に,生成したテイク関連付け情報を入力する。
このようにして,書き込まれるテイク関連付け情報は,例えば,図2で示したような,テイク番号,OK/NG情報,ビデオファイル名,ローレゾファイル名およびテイクメタデータファイル名などである。以下に,テイク関連付け部44が,かかるテイク関連付け情報を,それぞれどのようにして生成して入力するかについて説明する。
まず,テイク番号について説明する。テイク関連付け部44は,例えば,カットに割り付けられたテイク番号がない場合には,テイク番号を「1」とする。一方,割り付けられたテイク番号がある場合には,テイク関連付け部44は,例えば,既存のテイク番号のうち最大の番号に1を加えた数字をテイク番号とする。なお,このテイク番号は,例えば,上記UMIDとしてもよい。
次に,OK/NG情報について説明する。テイク関連付け部44は,例えば,カメラマンのOK/NG選択操作(詳細は後述する。)に基づいてOK/NG情報を生成し,「OK」または「NG」を該当欄に入力する。
次に,ビデオファイル名,ローレゾファイル名,およびテイクメタデータファイル名について説明する。テイク関連付け部44は,例えば,光ディスク3などに記録されたオリジナル映像およびローレゾ映像のファイル名を取得して,該当欄に入力する。テイクメタデータファイル名について説明する。また,テイク関連付け部44は,例えば,上記テイクメタデータ作成部42によって生成されたテイクメタデータTMのファイル名を取得して,該当欄に入力する。
このようにして,テイク関連付け部44は,テイク関連付け情報を生成して,プログラムメタデータPMに追加入力することができる。従って,このテイク関連付け部44は,例えば,少なくともプログラムメタデータPMを編集する取材端末用メタデータ編集部として機能する。
また,カメラブロック402のメタデータ表示制御部45は,例えば,構成表メタデータの変換処理を実行するとともに,変換処理された構成表メタデータを,ビューファインダー419に表示させる表示制御処理を実行することができる。
より詳細には,かかるメタデータ表示制御部45は,例えば,通信部427がネットワーク5を介して取得したプログラムメタデータPMを解釈して,プログラムメタデータPM内の項目を個別に扱いやすいような表形式(図2参照)に変換することができる。また,メタデータ表示制御部45は,例えば,上記のように表形式に変換したプログラムメタデータPMの項目を絞り込む処理を実行することもできる。さらに,メタデータ表示制御部45は,上記のように項目が絞り込まれた表形式のプログラムメタデータPMを,ビューファインダー419に表示させる(後述する図9参照)よう制御することができる。これにより,カメラマンは,必要項目に絞り込まれた表形式のプログラムメタデータPMを閲覧して,撮像すべきシーン,カットの数や構成等を容易に認識することができる。
なお,上記のようなテイクメタデータ作成部42,テイク関連付け部44およびメタデータ表示制御部45は,上記のような処理機能を実現できるものであれば,例えば,専用装置(ハードウェア)として構成されてもよく,また,撮像装置40に上記処理を実行させるアプリケーションプログラムをインストールして構成されてもよい。さらに,後者の場合,上記アプリケーションプログラムは,撮像装置40に対して,CD−ROM等の記録媒体によって提供されてもよく,また,通信部427を介して外部からダウンロードすることで提供されてもよい。また,当該アプリケーションプログラムは,予め,撮像装置40内のメモリ部418,432などに格納されていてもよい。
また,上記のようなテイクメタデータ作成部42及び/又はテイク関連付け部44は,例えば,フィールドPC50などに設けられてもよい。また,上記テイク関連付け部44は,例えば,編集端末30などに設けられてもよい。
ここで,図9に基づいて,本実施形態にかかる撮像装置40のビューファインダー419に表示されたプログラムメタデータPMの具体例と,カット選択操作およびOK/NG選択操作について説明する。なお,図9は,本実施形態にかかる撮像装置40のビューファインダー419に表示されたプログラムメタデータPMを例示する説明図である。
図9に示すように,ビューファインダー419は,項目が絞り込まれたプログラムメタデータPM’を表示している。この絞り込まれた項目としては,例えば,プログラムID,プログラムタイトル,取材ID,取材タイトル,シーン番号,カット番号などである。
さらに,ビューファインダー419は,例えば,プログラムメタデータPM’の取材階層,シーン階層およびカット階層に対応させて撮像カット選択部46も表示している。この撮像カット選択部46は,カットの中から撮像するテイクに対応するカットを選択するためのものであり,例えばタッチスクリーン方式のボタンなどで構成される。このタッチスクリーン方式のボタンは,例えば,取材選択ボタン462と,シーン選択ボタン464と,カット選択ボタン466等から構成されている。
カメラマンは,例えば,撮像前に,これらの選択ボタン462,464,466を操作して,所望のカットを選択することができる(カット選択操作)。即ち,カメラマンは,表示されたプログラムメタデータPM’内の,選択ボタン462,464,466に触れることで,例えば,これから撮像しようとするテイクを割り当てるカットを選択することができる。
例えば,図9の例では,太枠で囲って示すように,取材IDが「A2002−1001」である取材が選択され,シーン番号が「1」であるシーンが選択され,カット番号が「1」であるカットが選択されている。また,図9の例では,当該カットには,例えば,テイク番号1のテイクと,テイク番号2のテイクが割り当てられている。
なお,カメラマンが上記のようなカット選択操作を行わない場合には,例えば,プログラムメタデータPM’内の1番目にあるカットか,或いは過去に選択されているカットが,自動的に選択される。その後は,カット選択操作を行わない限り,例えば,テイクの撮像処理を繰り返す度に,同じカットに各テイクが割り当てられ,テイク番号が自動的に増えていく。
さらに,上記のようなカット選択操作は,例えば,撮像後になされてもよい。即ち,上記のように1回のテイクを撮像する前に当該テイクをカットに割り当てるのではなく,例えば,1回のテイクの撮像直後に当該テイクを所望のカットに割り当てる,或いは,複数回のテイクの撮像後にまとめて,複数のテイクをそれぞれ所望のカットに割り当ててもよい。この場合には,例えば,撮像時においては,シーン番号が「0」であり,かつ,カット番号がテイクの撮像毎に「1」から順次増加するように設定された架空のカットに対して,撮像されたテイクを順次,一時的に関連付けておいてもよい。
また,ビューファインダー419は,例えば,OK/NG選択ボタン48も表示している。このOK/NG選択ボタン48は,撮像したテイクのコンテンツデータが,「OK(採用すべきもの)」であるか「NG(不採用とすべきもの)」であるかを選択するためのものであり,例えばタッチスクリーン方式のボタンなどで構成される。カメラマンは,例えば,テイクの撮像後に,このOK/NG選択ボタン48を操作して,当該テイクがOKであるNGであるかを選択することができる(OK/NG選択操作)。例えば,図9の例では,テイク番号1のテイクが「OK」とされ,テイク番号2のテイクが「NG」とされている。
なお,カメラマンが上記のようなOK/NG選択操作を行わない場合には,例えば,テイク関連付け部44は,当該テイクの「OK/NG」欄に自動的に「OK」と入力する,或いは当該欄を空白にしておくようにしてもよい。また,カットに割り当てられたテイクが1つだけである場合には,例えば,テイク関連付け部44は,当該テイクを自動的に「OK」としてもよい。
上記のように,ビューファインダー419に表示されたプログラムメタデータPMの具体例と,カット選択操作およびOK/NG選択操作について説明した。なお,かかるカット選択操作およびOK/NG選択操作は,上記のようにビューファインダー419上でタッチスクリーン式のボタンを用いてなされたが,かかる例に限定されず,例えば,撮像装置40の操作部416に選択ボタンを設けて上記操作を行ってもよい。また,例えば,撮像装置40またはフィールドPC50のGUI(Graphical User Interface)上で,上記操作を行ってもよい。
以上,本実施形態にかかる撮像装置40について説明した。かかる撮像装置40の主な機能をまとめると,例えば以下の通りである。
撮像装置40は,上記プログラムメタデータPMに基づいて各カットの被写体を撮像する機能を有する。また,撮像装置40は,撮像したコンテンツデータを光ディスク3等に上記テイク毎に記録する機能と,光ディスク3に記録されたコンテンツデータを再生する機能とを有する。このように,撮像装置40は,例えば,ビデオカメラと記録再生装置とが一体となった装置である。
また,撮像装置40は,例えば,上記企画端末10からネットワーク5などを介して上記プログラムメタデータPMを取得するプログラムメタデータ取得部として機能する。さらに,撮像装置40は,例えば,取得したプログラムメタデータPMを解釈して,図2に示したようなデータを,ユーザが個別に扱いやすいような表形式に変換する機能を有する。また,撮像装置40は,上記表形式に変換されたプログラムメタデータPMを表示部(ビューファインダー419など)に表示する機能を有する。
さらに,撮像装置40は,例えば,撮像したコンテンツデータに対応する上記テイクメタデータTMをテイク毎に自動的に作成する機能を有する。また,撮像装置40は,上記テイク関連付け情報を生成して上記プログラムメタデータPMに追加するなどして,上記プログラムメタデータPMを編集する機能を有する。さらに,また,撮像装置40は,上記作成したテイクメタデータTMおよび編集したプログラムメタデータPM等からなる構成表メタデータを,光ディスク3などに記録したり,ネットワーク5を介して送信したりする機能も有する。
<4.2 フィールドPC>
次に,図10に基づいて,本実施形態にかかるフィールドPC50について説明する。なお,図10は,本実施形態にかかるフィールドPC50の概略的な構成を示すブロック図である。
図10に示すように,フィールドPC50は,CPU502と,メモリ部504と,入力部506と,表示部508と,音声出力部510と,通信部512と,外部インタフェース514と,記録装置516と,ディスク装置518と,メタデータ表示制御部520と,撮像状況情報生成部522と,を備える。
なお,フィールドPC50にかかるCPU502,メモリ部504,表示部508,音声出力部510,外部インタフェース514,記録装置516およびディスク装置518の機能構成は,上記企画端末10にかかるメモリ部104,表示部108,音声出力部110,外部インタフェース114,記録装置116およびディスク装置118の機能構成と略同一であるので,その説明は省略する。
入力部506は,マウス,キーボード,タッチパネルなどの入力装置から構成されている。取材部署の担当者は,この入力部506を用いて,例えば,プログラムメタデータPMにプログラム撮像状況情報の内容などを記入したり,テイクメタデータTMにテイク撮像条件情報の内容を記入したりすることができる。
通信部512は,例えば,企画端末10,撮像装置40および編集端末30などとの間でネットワーク5を介して,プログラムメタデータPMおよびテイクメタデータTM等の構成表メタデータや,ローレゾ映像のコンテンツデータなどの各種データを通信することができる。このように通信部512は,本実施形態にかかるフィールドPC50が具備するプログラムメタデータ取得部として構成されている。また,この通信部512は,例えばSDIにより上記データをネットワーク5を介して送信する場合には,KLV符号化などの符号化処理をすることもできる。
また,ディスク装置518は,光ディスク3等の記録媒体に記録されているプログラムメタデータPMやテイクメタデータTMなどを読み出すことができる。このため,ディスク装置518は,企画端末10または撮像装置40等から記録媒体を介してプログラムメタデータPMを取得するプログラムメタデータ取得部としても機能する。
メタデータ表示制御部520は,例えば,企画端末10からネットワーク5を介して取得したプログラムメタデータPMを解釈して,図2に示したようなデータを個別に扱いやすい表形式に変換することができる。さらに,メタデータ表示制御部520は,変換したプログラムメタデータPMを表示部508に表示させるよう制御することができる。これにより,取材部署の担当者は,表形式に整理されたプログラムメタデータPMを閲覧することができる。
また,このメタデータ表示制御部520は,例えば,撮像装置40からネットワーク5を介して取得したテイクメタデータTMを解釈して,図5に示したような閲覧しやすい形式に変換することができる。さらに,メタデータ表示制御部520は,変換したテイクメタデータTMを表示部508に表示させるよう制御することができる。これにより,取材部署の担当者は,一覧表示されたテイクメタデータTMを閲覧することができる。
撮像状況情報生成部522は,上記プログラム撮像状況情報をプログラムメタデータPMとして生成することができる。より詳細には,撮像状況情報生成部522は,例えば,取材部署の担当者の入力に基づいて,テキストデータなどであるプログラム撮像状況情報を生成する。さらに,撮像状況情報生成部522は,例えば,生成したプログラム撮像状況情報を,プログラムメタデータPMの該当する項目に順次書き込むことができる。具体的には,このプログラム撮像状況情報は,上記図3および図4で説明したように,例えば,取材メモ内容,シーンメモ内容,カットメモ内容などの項目に記入される。
さらに,撮像状況情報生成部522は,上記テイク撮像状況情報をテイクメタデータTMとして生成することができる。より詳細には,撮像状況情報生成部522は,例えば,取材部署の担当者の入力に基づいて,テキストデータなどであるテイク撮像状況情報を生成する。さらに,撮像状況情報生成部522は,例えば,生成したテイク撮像状況情報を,該当するテイクメタデータTMの該当する項目に書き込むことができる。具体的には,このプログラム撮像状況情報は,上記図5で説明したように,例えば,テイクメモ内容などの項目に記入される。
このように,かかる撮像状況生成部522は,例えば,既存のプログラムメタデータPMまたはテイクメタデータTMに対して,プログラム撮像状況情報またはテイク撮像状況情報を追加することができる。従って,かかる観点によれば,撮像状況生成部522は,例えば,プログラムメタデータPMおよびテイクメタデータTMを編集する取材端末用メタデータ編集部として機能するものである。
上記のような撮像状況情報生成部522の処理により,取材部署の担当者は,例えば,取材・撮像段階で認識した撮像状況についてのメモなどを,プログラムメタデータPMおよびテイクメタデータTMに記入することができる。即ち,取材部署の担当者は,表形式に整理されたプログラムメタデータPMを閲覧しながら,プログラムメタデータPMの所望の項目にプログラム撮像状況情報を記入することができる。また,取材部署の担当者は,一覧表示されたテイクメタデータTMを閲覧しながら,テイクメタデータTMの所望の項目にテイク撮像状況情報を記入することができる。
なお,上記メタデータ表示制御部520および制作指示情報生成部522は,上記のような処理機能を実現できるものであれば,例えば,専用装置(ハードウェア)として構成されてもよく,また,コンピュータ等のフィールドPC50に上記処理を実行させるアプリケーションプログラムをインストールして構成されてもよい。さらに,後者の場合,上記アプリケーションプログラムは,フィールドPC50に対して,CD−ROM等の記録媒体によって提供されてもよく,また,通信部512を介して外部からダウンロードすることで提供されてもよい。また,当該アプリケーションプログラムは,予め,フィールドPC50内のメモリ部504または記録装置516,或いは外部インタフェース514に接続された周辺機器などに格納されていてもよい。
上記のようにして編集して更新されたプログラムメタデータPMおよびテイクメタデータTMは,例えば,記録装置516に保存されるとともに,上記通信部512によって例えばネットワーク5を介して撮像装置40などに提供される。
また,上記撮像装置40による構成表メタデータの編集・更新処理(例えば,テイク関連付け情報の生成処理)と,フィールドPC50による構成表メタデータの編集・更新処理(例えば,プログラム撮像状況情報およびテイク撮像状況情報の生成処理)とが,同時並行して行われる場合もある。従って,撮像装置40またはフィールドPC50は,構成表メタデータの同期処理を実行可能に構成されている。この同期処理とは,撮像装置40およびフィールドPC50が,元々同一の内容であった構成表メタデータを別々に編集加工した場合に,双方の編集加工内容を加え合わせる処理である。また,撮像装置40およびフィールドPC50が,例えば,構成表メタデータ内の同一の項目を別々に編集加工した場合には,取材部署担当者がいずれかの編集加工内容を選択したり,或いは,自動的に双方の更新内容を併記したりすることもできる。
かかる同期処理により,企画端末10から提供された構成表メタデータが,撮像装置40およびフィールドPC50の双方によってそれぞれ編集加工された場合であっても,撮像装置40またはフィールドPC50は,双方による編集加工内容を一元化した構成表メタデータを編集端末30などに出力できる。
<5.編集端末>
次に,図11に基づいて,本実施形態にかかる編集端末30について説明する。なお,図11は,本実施形態にかかる編集端末30の概略的な構成を示すブロック図である。
図11に示すように,編集端末30は,CPU302と,メモリ部304と,入力部306と,表示部308と,音声出力部310と,通信部312と,外部インタフェース314と,記録装置316と,ディスク装置318と,表示制御部320と,編集端末用メタデータ編集部330と,コンテンツデータ編集部340と,を備える。
なお,編集端末30にかかるCPU302,メモリ部304,表示部308,音声出力部310,外部インタフェース314および記録装置316の機能構成は,上記企画端末10にかかるメモリ部104,表示部108,音声出力部110,外部インタフェース114および記録装置116の機能構成と略同一であるので,その説明は省略する。
入力部306は,例えば,マウス,キーボード,タッチパネルなどの一般的な入力装置(図示せず。)と,映像編集用入力装置(図示せず。)などから構成されている。この映像編集用入力装置は,例えば,In点を決定するIn点決定ボタン,Out点を決定するOut点決定ボタン,映像再生ボタン,停止ボタンなどの各種の編集用ボタンや,映像再生速度を調整したり,再生するコンテンツデータを選択したりするためのジョグダイヤル,レバーなどを備える。編集部署の担当者は,例えば,上記映像編集用入力装置を操作して,コンテンツデータを多様に再生(早送りや巻き戻しなどを含む。)させたり,In点およびOut点を決定したりできる。
通信部312は,例えば,企画端末10,取材端末20などとの間でネットワーク5を介して,プログラムメタデータPMおよびテイクメタデータTM等の構成表メタデータや,ローレゾ映像のコンテンツデータなどの各種データを通信することができる。例えば,このように通信部312は,本実施形態にかかる編集端末30が具備するプログラムメタデータ取得部として構成されている。また,この通信部312は,例えばSDIにより上記データをネットワーク5を介して送信する場合には,KLV符号化などの符号化処理をすることもできる。上記のように,かかる通信部312によって受信した構成表メタデータおよびローレゾ映像のコンテンツデータなどは,例えば,記録装置316などに記録される。なお,かかる構成表メタデータおよびローレゾ映像のコンテンツデータなどは,例えば,ディスク装置318によって光ディスク3などに記録されてもよい。
ディスク装置318は,例えば,撮像装置40などから提供された光ディスク3に対して記録再生可能な記録再生装置である。このディスク装置318は,例えば,上記図8で説明したような撮像装置40の記録再生部406の構成と略同一に構成して,編集端末30に内蔵することができる。また,かかるディスク装置318は,例えば,外部インタフェース314を介して外付けして,編集端末30とは別体に構成された記録再生装置として構成することもできる。この場合には,例えば,かかるディスク装置318に,上記のようなCPU,メモリ部,編集用入力装置,通信部,コンピュータインタフェース,メタデータまたは映像表示制御部などを設けてもよい。
かかるディスク装置318は,例えば,光ディスク3に記録されているオリジナル映像またはローレゾ映像のコンテンツデータを再生して,表示部308に表示することができる。かかるコンテンツデータの再生・表示は,後述する映像表示制御部324によって制御される。また,ディスク装置318は,例えば,光ディスク3に記録されている構成表メタデータを読み出して,表示部308に表示することも可能である。かかる構成表メタデータの表示は,後述するメタデータ表示制御部322によって制御される。このように,ディスク装置318は,企画端末10または取材端末20から光ディスク3等の記録媒体を介してプログラムメタデータPMを取得する場合には,プログラムメタデータ取得部としても機能する。
また,ディスク装置318は,例えば,コンテンツデータを光ディスク3に記録することができる。例えば,ディスク装置318は,ネットワーク5を介して送信されてきたローレゾ映像のコンテンツデータや,後述するコンテンツデータ編集部340による編集処理により抽出されたコンテンツデータを,光ディスク3に記録することができる。また,ディスク装置318は,例えば,構成表メタデータを光ディスク3に記録することもできる。例えば,ディスク装置318は,ネットワーク5を介して送信されてきた構成表メタデータや,後述する編集端末用メタデータ編集部330による編集処理により更新された構成表メタデータなどを,光ディスク3に記録することができる。
また,ディスク装置318は,例えば,上記光ディスク3以外にも,フレキシブルディスク,ハードディスク,磁気ディスク,半導体メモリなどの記録媒体に対して,コンテンツデータ,構成表メタデータ,各種アプリケーションプログラムなどを読み書きできるように構成してもよい。これにより,編集端末30は,例えば,メモリーカードなどから構成表メタデータを取得することも可能になる。
表示制御部320は,例えば,メタデータ表示制御部322と,映像表示制御部324とから構成される。
メタデータ表示制御部322は,例えば,取材端末20からネットワーク5あるいは光ディスク3を介して取得したプログラムメタデータPMを解釈して,図2に示したようなデータを個別に扱いやすい表形式に変換することができる。さらに,メタデータ表示制御部322は,変換したプログラムメタデータPMを表示部308に表示させるよう制御することができる。これにより,編集部署の担当者は,表形式に整理されたプログラムメタデータPMを閲覧して,編集しようとする映像プログラムのシナリオ,撮像時の状況などを把握することができる。
また,このメタデータ表示制御部322は,例えば,取材端末20からネットワーク5あるいは光ディスク3を介して取得したテイクメタデータTMを解釈して,図5に示したような閲覧しやすい形式に変換することができる。さらに,メタデータ表示制御部322は,変換したテイクメタデータTMを表示部308に表示させるよう制御することができる。これにより,編集部署の担当者は,例えば,一覧表示或いは個々に表示されたテイクメタデータTMを閲覧して,テイクメタデータTMに対応するコンテンツデータの概容,撮像時の撮像条件などを把握することができる。
映像表示制御部324は,構成表メタデータに基づいて,コンテンツデータの再生処理を制御することができる。この再生されるコンテンツデータは,光ディスク3に記録されているオリジナル映像またはローレゾ映像であってもよいし,また,ネットワーク5を介して受信されて記録装置312などに記録されているローレゾ映像であってもよい。かかる映像表示制御部324の制御により,コンテンツデータを多様な態様で再生・表示できる。
例えば,映像表示制御部324は,シナリオに従った取材,シーンおよびカットなどの順に,OKのテイクのコンテンツデータを順次,連続再生(連続表示)するように制御できる。
かかる連続再生処理についてより詳細に説明すると,まず,映像表示制御部324は,構成表メタデータのプログラムメタデータPMを読み出して,解釈する。
次いで,映像表示制御部324は,プログラムメタデータPMの制作指示情報に基づいて,再生する取材,シーンおよびカットの順序を決定する。この順序の決定は,例えば,取材ID,シーン番号およびカット番号などを参照することで可能となる。即ち,例えば,シーン番号が小さいシーンから順次再生することとし,さらに,同一のシーン内では,カット番号が小さいカットから順次再生するようにする。
さらに,映像表示制御部324は,プログラムメタデータPMのテイク関連付け情報に基づいて,再生するカットに対応するテイクを特定し,特定したテイクのコンテンツデータのファイル名を取得する。このテイクを特定する際,1つのカットに2以上のテイクが割り当てられている場合には,映像表示制御部324は,OK/NG情報を参照して,OKのテイクを選択する。
その後,映像表示制御部324は,取得したビデオファイル名のコンテンツデータを再生するように,ディスク装置318に指示を出す。これにより,ディスク装置318は,指示されたテイクのコンテンツデータを再生する。
次いで,映像表示制御部324は,上記と同様にして,次に再生するカットを決定して,テイクを特定し,コンテンツデータのファイルを特定する情報(例えばファイル名,UMID等)を指示する。かかる処理を繰り返すことで,シナリオの順序に従ったコンテンツデータの連続再生が可能になる。
さらに,例えば,かかる映像データの連続再生中に,上記メタデータ表示制御部322が機能することで,プログラムメタデータPMまたはテイクメタデータTMの全部または一部を,映像とともに表示(即ち,スーパーインポーズ)することもできる。
また,映像表示制御部324は,例えば,編集部署の担当者により選択された1のテイクのコンテンツデータのみを単独再生(単独表示)するようにも制御できる。
かかる単独再生処理についてより詳細に説明すると,まず,上記メタデータ表示制御部322がプログラムメタデータPMを表示部308に表示させる。次いで,編集部署の担当者によってプログラムメタデータPM内の複数のテイクの中から所望のテイクが選択される(例えば,タッチスクリーン方式やGUI入力などで選択可能である。)と,映像表示制御部324は,テイク関連付け情報に基づいて,当該テイクのコンテンツデータのファイル名を取得する。さらに,映像表示制御部324は,取得したビデオファイル名のコンテンツデータのみを再生するように,ディスク装置318に指示を出す。これにより,ディスク装置318は,指示されたテイクのコンテンツデータのみを再生することができる。
さらに,後述するコンテンツデータの編集処理が終了し,In点及びOut点情報がプログラムメタデータPMに入力されている場合には,映像表示制御部324は,かかるIn点及びOut点情報に基づいて,テイクのコンテンツデータの必要部分のみを抽出して再生表示させる処理を実行できる。映像表示制御部324は,例えば,かかる処理を上記連続再生処理と組み合わせることで,完成した映像プログラムを連続再生することができる。
上記のように,表示制御部320は,構成表メタデータに基づいて,多様な表示制御処理を実行できる。これにより,映像編集前においては,編集部署の担当者は,所望するコンテンツデータを,所望の態様で迅速に閲覧できる。さらに,編集部署の担当者は,シナリオに従った順序で連続再生されたコンテンツデータを閲覧することにより,編集しようとする映像プログラムの全体構成やイメージを把握できる。このため,編集処理の効率化を図ることができる。また,編集処理後においては,編集部署の担当者は,連続再生されたコンテンツデータを閲覧することにより,完成した映像プログラムの内容を容易に確認できる。
編集端末用メタデータ編集部330は,例えば,プログラムメタデータPMおよびテイクメタデータTMなどを編集することができる。この編集端末用メタデータ編集部330は,テイク関連付け部332と,テイク関連付け情報編集部334とを備える。
テイク関連付け部332は,例えば,上記撮像装置40のテイク関連付け部44と略同一の機能構成を有するので,詳細な説明は省略する。このテイク関連付け部332は,編集担当者が編集端末30を用いてカットとテイクを関連付け場合に機能する。なお,このテイク関連付け部332は,例えば,上記撮像装置40がテイク関連付け部44を具備する場合には,必ずしも具備されなくともよい。
一方,例えば,上記撮像装置40がテイク関連付け部44を具備しない場合,即ち,プログラムメタデータPMのカットと撮像されたテイクとがまだ関連付けられていない場合には,テイク関連付け部332は,例えば,編集段階において上記テイク関連付け情報を生成して,テイクとカットを関連付けることができる。このとき,各テイクをどのカットに関連付けるかの判断は,例えば,取材部署のカメラマンからネットワーク5を介して取得した情報などに基づいて判断してもよい。或いは,編集部署の担当者が,当該テイクのテイクメタデータTMを参照したり,当該テイクのコンテンツデータを再生したりすることなどによって,上記判断を行ってもよい。
また,例えば,上記撮像装置40がテイク関連付け部44を具備しており,撮像段階でカットとテイクは関連付けられてはいるが,例えば,OK/NG情報だけが入力されていない場合もあり得る。即ち,取材部署の担当者が,いずれのテイクを採用するかを,編集部署に委ねた場合などである。かかる場合には,編集部署の担当者は,当該カットに関連付けられた複数のテイクのコンテンツデータを順次再生して,いずれのテイクを採用するかを選択し,選択結果を入力部306により入力する。次いで,テイク関連付け部332は,例えば,編集部署の担当者の入力に基づいて,「OK」または「NG」情報を生成し,プログラムメタデータPMの該当する項目に記入する。
テイク関連付け情報編
集部334は,コンテンツデータの編集結果に基づいて,プログラムメタデータPM内のテイク関連付け情報を編集する機能を有する。即ち,このテイク関連付け情報編集部334は,例えば,編集部署の担当者の粗編集結果に基づいて上記In点情報およびOut点情報を生成し,かかる上記In点情報およびOut点情報をプログラムメタデータPMに記録することができる。
ここで,粗編集処理の概容について説明した上で,上記テイク関連付け情報編集部334の機能についてより詳細に説明する。
一般に,テイクのコンテンツデータは,例えば,シナリオで定められているカットの時間長よりも,長くなるように撮像処理されている。従って,テイクのコンテンツデータから,カットに相当する時間長分のコンテンツデータを抽出する粗編集処理を行う必要がある。かかる粗編集処理を行うときには,まず,編集部署の担当者は,例えば,粗編集しようとするカットに関連付けられているテイクのコンテンツデータを再生して,閲覧する。なお,かかるコンテンツデータの再生は,上記のように表示制御部320によって好適に行われるので,編集部署の担当者は,迅速かつ容易に粗編集作業を行うことができる。
次いで,編集部署の担当者はかかるコンテンツデータの中から必要な部分を抽出する。この抽出作業は,例えば,編集部署の担当者が再生映像を閲覧しながら,所望のフレームの静止画を選択して上記In点決定ボタンまたはOut点決定ボタンを押下して,In点およびOut点を決定することにより行われる。
テイク関連付け情報編集部334は,例えば,編集部署の担当者によってIn点およびOut点として選択されたフレームのタイムコードをそれぞれ抽出する。これにより,テイク関連付け情報編集部334は,In点情報およびOut点情報を生成することができる。さらに,テイク関連付け情報編集部334は,例えば,このようにして生成した上記In点情報およびOut点情報をプログラムメタデータPMの「In点」および「Out点」の項目に入力する。これにより,例えば,テイク関連付け情報が完成し,カットに関連付けられたテイクのコンテンツデータの有効範囲が特定されたこととなる。
また,以上のような粗編集処理,およびIn点・Out点情報の生成処理は,例えば,ローレゾ映像を用いることで迅速に行うことができる。即ち,本実施形態では,編集端末30は,例えば,取材端末20からネットワーク5を介して構成表メタデータおよびローレゾ映像を取得することができる。従って,編集部署担当者は,例えば,オリジナル映像が記録された光ディスク3が取材先から搬送されてきていなくても,撮像作業と同時並行或いはその直後など比較的早い段階で,粗編集作業に取りかかることができる。よって,映像プログラムの制作効率が向上する。
コンテンツデータ編集部340は,例えば,構成表メタデータに基づいてコンテンツデータを編集する機能を有する。即ち,かかるコンテンツデータ編集部340は,例えば,非破壊編集によって,映像プログラムを構成する全カットに対応するテイクのコンテンツデータの必要部分を抽出し,映像プログラムを構成するコンテンツデータを完成させることができる。
より詳細には,コンテンツデータ編集部340は,まず,プログラムメタデータPMを読み出して,解釈する。次いで,コンテンツデータ編集部340は,プログラムメタデータPMの制作指示情報に基づいて,例えばシナリオの最初のカットを特定する。さらに,コンテンツデータ編集部340は,プログラムメタデータPMのテイク関連付け情報に基づいて,当該カットに対応する「OK」のテイクを特定する。その後,コンテンツデータ編集部340は,特定したテイクに関するコンテンツデータのIn点情報およびOut点情報をテイク関連付け情報から取得する。次いで,コンテンツデータ編集部340は,ディスク装置318を用いて当該テイクのコンテンツデータを読み出し,上記In点情報およびOut点情報に基づいて当該コンテンツデータの有効映像部分を抽出する。さらに,以上と同様な処理を,映像プログラムを構成する複数のカットについてシナリオ順に行うことにより,必要なコンテンツデータを順次抽出する。このようにして,コンテンツデータ編集部340は,シナリオに従った映像プログラムのコンテンツデータを完成させることができる。
なお,上記では,コンテンツデータ編集部340による非破壊編集の例について説明したが,かかる例に限定されない。コンテンツデータ編集部340は,例えば,各カットに対応するテイクのコンテンツデータをIn点情報およびOut点情報に基づいて切り出し,これらのコンテンツデータを繋ぎ合わせて,新たな記録媒体に記録するといった編集処理を行ってもよい。また,コンテンツデータ編集部340は,例えば,EDL(Edit Dicision List)を作成するのみで編集処理を終えてもよい。なお,このEDLは,テイクのコンテンツデータのファイル名,UMID,In点情報,Out点情報などの編集作業に必要な情報を含む一覧表である。
また,コンテンツデータ編集部340は,例えば,コンテンツデータの画質調整処理(例えば,輝度または色合い調整処理,シャープネス・アンシャープネス補正処理,映像又は音声のノイズ低減・除去処理,映像のぶれ補正処理など)を,自動的にまたは手動で実行可能な機能を備えてもよい。また,コンテンツデータ編集部340は,コンテンツデータ内の異常映像部分(例えば,過度のノイズを含む部分,輝度または色合いが異常な部分など)を自動的にまたは手動で削除する機能を備えてもよい。また,コンテンツデータ編集部340は,例えば,字幕データ,CG画像データ等をコンテンツデータに重畳する機能(スーパーインポーズ機能など)や,コンテンツデータ同士を合成する機能,コンテンツデータをフェードイン・アウトさせる機能などを備えてもよい。上記のようなのコンテンツデータ編集部340の機能は,例えば,コンテンツデータの本編集処理において有用である。
なお,上記のような表示制御部320,編集装置用メタデータ編集部330およびコンテンツデータ編集部340は,上記のような処理機能を実現できるものであれば,例えば,専用装置(ハードウェア)として構成されてもよく,また,コンピュータ等の編集端末30に上記処理を実行させるアプリケーションプログラムをインストールして構成されてもよい。さらに,後者の場合,上記アプリケーションプログラムは,編集端末30に対して,CD−ROM等の記録媒体によって提供されてもよく,また,通信部312を介して外部からダウンロードすることで提供されてもよい。また,当該アプリケーションプログラムは,予め,編集端末30内のメモリ部304または記録装置316,或いは外部インタフェース314に接続された周辺機器などに格納されていてもよい。
以上,編集端末30の各部について詳細に説明した。上記のような編集端末30は,構成表メタデータに基づいて,必要なコンテンツデータを好適に再生表示することができる。これにより,編集部署の担当者は,例えば,In点およびout点を効率的に決定できる。また,この編集端末30は,In点およびout点情報を生成して,プログラムメタデータPMを完成させることもできる。さらに,この編集端末30は,構成表メタデータに基づいてコンテンツデータを編集し,映像プログラムを完成させることもできる。
<6.映像プログラム制作支援方法>
次に,図12〜図20に基づいて,上記のような構成の映像プログラム制作支援システム1を用いた映像プログラム制作支援方法について説明する。なお,図12は,本実施形態にかかる映像プログラム制作支援方法の制作フローを示すフローチャートである。また,図13は,本実施形態にかかる映像プログラム制作支援方法における撮像フローを詳細に示すフローチャートである。また,図14は,本実施形態にかかる映像プログラム制作支援方法における編集フローを詳細に示すフローチャートである。また,図15〜図20は,本実施形態にかかる映像プログラム制作支援方法の制作フローの各工程における構成表メタデータの構成を例示する説明図である。
図12に示すように,まず,ステップS10では,企画端末10のプログラムメタデータ作成部120が,プログラムメタデータPMを新規に作成する(ステップS10:プログラムメタデータ作成工程)。詳細には,まず,企画構成部署の担当者が,新規な映像プログラムを企画・構成して,当該映像プログラムのシナリオ(筋書)を電子ファイル形式で作成することを所望する。次いで,企画構成部署の担当者は,例えば,入力部106を操作して,企画端末10に対して新規な構成表メタデータの作成を指示する。すると,プログラムメタデータ作成部120は,例えば,企画された新しい映像プログラムに対応する1つのプログラムメタデータPMを,電子ファイル形式で新規作成する。このプログラムメタデータPMは,例えば,構成表メタデータの枠組みだけが自動的に作成されたものである。次いで,メタデータ表示制御部122は,作成されたプログラムメタデータPMの枠組みを,表示部108に表示させる。なお,この新規作成されたプログラムメタデータPMは,例えば,新たなファイル名が付されて,自動的に記録装置116などに自動的に保存されてもよい。
次いで,ステップS20では,企画端末10の制作指示情報生成部124が,制作指示情報を生成する(ステップS20:制作指示情報生成工程)。詳細には,まず,企画構成部署の担当者が,上記表示されたプログラムメタデータPMの枠組みを閲覧しながら,入力部106を操作して,プログラムメタデータPMの項目毎にシナリオに対応した制作指示内容を入力する。制作指示情報生成部124は,かかる企画構成部署の担当者の入力に基づいて,テキストデータなどである制作指示情報を項目毎に生成するとともに,生成した制作指示情報を当該項目毎に順次書き込む。
このように,プログラムメタデータPMに制作指示情報が入力された段階における構成表メタデータの例を,図15に示す。図15に示すように,プログラムメタデータPM内には,制作指示情報が,例えば,プログラム識別階層の各項目,並びに,取材指示,シーン指示およびカット指示の欄における各項目に,区分されて記入されている。かかるプログラムメタデータPMを閲覧することにより,各部署の担当者は,映像プログラムの全体構成を容易に把握できる。なお,かかる段階では,例えば,テイクメタデータTMは,まだ作成されていない。
さらに,ステップS30では,企画端末10が構成表メタデータを例えば送信する。(ステップS30)。詳細には,企画端末10の通信部112は,上記のようにして制作指示情報が記入されたプログラムメタデータPMを,例えば,ネットワーク5を介して取材端末20などに送信する。これにより,企画端末10は,少なくとも当該プログラムメタデータPMを含む構成表メタデータを取材端末20などに提供できる。また,企画端末10は,例えば,送信したプログラムメタデータPMを記録装置116などに保存する。なお,上記のような構成表メタデータの提供は,例えば,光ディスク3やメモリーカード等の記録媒体を介して実行することもできる。
以上までのステップS10〜S30が,企画構成部署が企画端末10を用いて映像プログラムを企画して,制作指示を行う段階である企画構成段階に相当する。
その後,ステップS40では,取材端末20が,構成表メタデータを取得する(ステップS40)。詳細には,撮像装置40およびフィールドPC50は,例えば,上記ステップS30で送信されたプログラムメタデータPMを,通信部427,512によって受信して,メモリ部432または記録装置516などに記録する。このようにして,撮像装置40およびフィールドPC50は,プログラムメタデータPMを取得する。この結果,企画構成部署から取材部署に対して,映像プログラムの制作指示が行われたことになる。なお,撮像装置40およびフィールドPC50は,例えば,光ディスク3やメモリーカード等の記録媒体を介して構成表メタデータを取得することもできる。
次いで,ステップS50では,取材端末20は,構成表メタデータに基づいて撮像を行う(ステップS50:撮像工程)。以下に,図13に基づいて,かかる撮像工程S50について詳細に説明する。なお,以下では,例えば,図15に示したようなプログラムメタデータPMによる撮像指示に従って,シナリオ通りのカット順で撮像するフローについて説明するが,撮像するカットの順序はかかる例に限定されるものではない。
図13に示すように,まず,ステップS502では,プログラムメタデータPMの取材の中から,撮像される取材が,選択される(ステップS502)。撮像装置40は,例えば,図9に示したように,企画端末から取得したプログラムメタデータPMの項目を絞り込んで,ビューファインダー419に表示することができる。これにより,カメラマンは,表形式のプログラムメタデータPMを閲覧して,撮像すべき取材,シーン,カットの数や構成等を容易に認識できる。さらに,カメラマンは,例えば,図9に示す取材選択ボタン462を操作して,表示されたプログラムメタデータPM内の少なくとも1つの取材(取材指示)の中から,これから撮像しようとする取材を1つ選択する。例えば,図9の例では,太枠で囲って示すように,取材IDが「A2002−1001」である取材が選択されている。
次いで,ステップS504では,プログラムメタデータPMのシーンの中から,撮像されるシーンが,選択される(ステップS504)。カメラマンは,例えば,図9に示すシーン選択ボタン464を操作して,上記ステップS502で選択された取材内に属する少なくとも1つのシーン(シーン指示)の中から,これから撮像しようとするシーンを1つ選択する。例えば,図9の例では,太枠で囲って示すように,シーン番号が「1」であるシーン(以下では,シーン1という。他の番号についても同様とする。)が選択されている。
さらに,ステップS506では,プログラムメタデータPMのカットの中から,撮像されるカットが,選択される(ステップS506)。カメラマンは,例えば,図9に示すカット選択ボタン466を操作して,上記ステップS504で選択されたシーンに属する少なくとも1つのカット(カット指示)の中から,これから撮像しようとするカットを1つ選択する。例えば,図9の例では,太枠で囲って示すように,カット番号が「1」であるカット(以下では,カット1という。他の番号についても同様とする。)が選択されており,以下では,まず「店の中」なるカットに関する撮像処理が実行される。
また,以上までのステップS502〜S506によって選択された1のカットに対して,次のステップS508で撮像処理がなされる1のテイクが割り当てられることとなる。
その後,ステップS508では,1のテイクの撮像処理が実行される(ステップS508)。撮像装置40は,カメラマンの撮像開始操作に基づいて,被写体の撮像を開始して,得られたコンテンツデータを光ディスク3などに記録し始める。次いで,撮像装置40は,カメラマンからの指示があるまでは,撮像処理と記録処理を継続する。さらに,撮像装置40は,カメラマンの撮像終了操作に基づいて,被写体の撮像を終了するとともに,コンテンツデータの記録を停止する。このような,1回の記録開始から終了までの連続した撮像処理がテイクであり,かかるテイクのコンテンツデータは,切れ目のない連続した映像・音声データとなる。なお,かかる撮像処理では,例えば,オリジナル映像とローレゾ映像の双方を記録することができる。
次いで,ステップS510では,テイクメタデータTMが作成される(ステップS510:テイクメタデータ作成工程)。撮像装置40のテイクメタデータ作成部42は,上記ステップS508で撮像処理が成された1のテイクに関するテイクメタデータTMを新規に作成する。さらに,テイクメタデータ作成部42は,作成されたテイクメタデータTMのコンテンツとして,例えば,当該テイクに関する撮像条件等の情報であるテイク撮像条件情報を生成し,テイクメタデータTMの各項目に入力する。
さらに,ステップS512では,テイク関連付け情報が生成される(ステップS512:テイク関連付け情報生成工程)。撮像装置40のテイク関連付け部44は,上記ステップS506で選択されたカットに対して,上記ステップS508で撮像処理が成された1のテイクを関連付ける内容の上記テイク関連付け情報を生成する。さらに,テイク関連付け部44は,生成したテイク関連付け情報,プログラムメタデータPMのカット階層の該当する欄に記入する。これにより,当該カットに対して,当該テイクのコンテンツデータおよびテイクメタデータTMなどが割り当てられる。
ここで,図16に基づいて,上記ステップS512でプログラムメタデータPMにテイク関連付け情報が入力された段階における構成表メタデータの例について説明する。
図16に示すように,上記1のテイクに対応するテイクメタデータTM1が作成されている。また,プログラムメタデータPM内には,カット1に対応する欄に,当該テイクに関するテイク関連付け情報が記入されている。なお,かかる段階では,プログラムメタデータPMにおいて,例えば,テイク関連付け情報のうちOK/NG情報のみが入力されておらず,また,カットメモ等のプログラム撮像状況情報も記入されていない。
その後,ステップS514では,テイクメタデータTMにテイクメモが入力される(ステップS514)。フィールドPC50の撮像状況情報生成部522は,例えば,取材部署の担当者の入力に基づいて,上記ステップS508で撮像処理が成されたテイクに関する上記テイク撮像状況情報を生成する。さらに,撮像状況情報生成部522は,例えば,生成したテイク撮像状況情報を,上記ステップS510で作成されたテイクメタデータTMの「テイクメモ内容」の項目に入力する。これにより,テイクメタデータTMのコンテンツは,例えば図5に示したように,例えば,テイク撮像条件情報のみならず,テイク撮像状況情報もが入力された状態となる。なお,かかるテイクメモの入力は,必ずしも実行されなくともよい。
次いで,ステップS516では,選択されているカットについての撮像を終了するか否かが判断される(ステップS516)。撮像処理では,同一のカットに関するテイクの撮像処理を複数回行う場合がある。具体的には,例えば,ある場面の撮像を行った(1回目のテイク)が好適に撮像できなかったため,同一の場面をもう一度撮像する(2回目のテイク)場合や,安全のため略同一の場面を複数回撮像する場合,などである。本ステップでは,カメラマンなどにより,上記ステップS506で選択されたカットに関して,さらにテイクの撮像処理を行うか否かが判断される。この結果,さらなるテイクの撮像処理は不要であり,当該カットについての撮像を終了すると判断された場合には,ステップS518に進む。
一方,さらなるテイクの撮像処理が必要であり,当該カットについての撮像を終了しないと判断された場合には,ステップS508に戻り,同一のカットについて再度,テイクの撮像処理を行う。これにより,再度のテイクに関しても,上記のように,テイクメタデータTMが作成されるとともに,テイク関連付け情報が生成されてプログラムメタデータPMに記入される。
さらに,ステップS518では,上記ステップS506で選択されたカットに関して,OK/NG情報が設定される(ステップS518)。上記ステップS506で選択されたカットに関して,例えば,1のテイクしか関連付けられていない場合には,テイク関連付け部44は,例えば,このテイクをOK(採用)とするように自動的に設定する。即ち,テイク関連付け部44は,OK情報を生成して,プログラムメタデータPMのカット階層における当該テイクの欄にOK情報を入力する。
一方,当該カットに関して,例えば,複数のテイクが関連付けられている場合には,テイク関連付け部44は,上記カメラマンのOK/NG選択操作に基づいて,例えば,1のテイクをOKとし,その他のテイクをNG(不採用)とするように設定する。より詳細には,カメラマンは,例えば,図9に示したようなOK/NG選択ボタン48を操作して,各テイクがOKであるNGであるかを選択することができる。この結果,テイク関連付け部44は,OKと選択された例えば1のテイクに関しては,プログラムメタデータPMの当該テイクの欄にOK情報を入力し,一方,NGと選択された例えば少なくとも1つのテイクに関しては,プログラムメタデータPMの当該テイクの欄にNG情報を入力する。
その後,ステップS520では,プログラムメタデータPMにカットメモが入力される(ステップS520:撮像状況情報生成工程)。フィールドPC50の撮像状況情報生成部522は,例えば,取材部署の担当者の入力に基づいて,上記ステップS516で撮像を終了すると判断されたカットに関する上記プログラム撮像状況情報を生成する。さらに,撮像状況情報生成部522は,例えば,生成したプログラム撮像状況情報を,プログラムメタデータPMの「カットメモ内容」の項目に入力する。なお,かかるカットメモの入力は,必ずしも実行されなくともよい。
ここで,図17に基づいて,上記ステップS520でプログラムメタデータPMにカットメモが入力された段階における構成表メタデータの例について説明する。なお,上記ステップS506で選択された最初のカットに関して,例えば2回のテイクの撮像処理が実行されたものとする。
図17に示すように,例えば2回のテイクの撮像処理が行われたため,2つのテイクメタデータTM1,TM2が作成されている。また,プログラムメタデータPM内においては,例えば1つのカット1に関して,テイク番号が「1」,「2」である2つのテイクが関連付けられている。さらに,OK/NG情報が追加記入されており,例えば,テイク番号「1」のテイク(以下では,テイク1という。他の番号についても同様とする)が「OK」に設定され,一方,テイク2が「NG」に設定されている。また,カット1のカットメモの欄には,例えば,当該カットに関するプログラム撮像状況情報として,「2回撮像した」というカットレベルの内容が記入されている。
次いで,ステップS522では,選択されているシーンについての撮像を終了するか否かが判断される(ステップS522)。本ステップでは,カメラマンなどにより,上記ステップS504で選択されたシーンに属する全てのカットについて,撮像処理が終了したか否かが判断される。この結果,当該シーンに属する全てのカットについての撮像が終了したと判断された場合には,ステップS524に進む。一方,当該シーンに属する全てのカットについての撮像が終了していない(例えば,取り残したカットがある)と判断された場合には,ステップS506に戻る。後者の場合には,新たに別のカットが選択され,上記と同様にして,この新たなカットについての撮像処理が実行される。
例えば,図17に示した段階では,シーン1に属するカットのうち,カット1についての撮像は完了しているものの,カット2についての撮像は終了していない。従って,ステップS506に戻り,カット2が選択され,「店の入り口」のカットについての撮像処理が行われることとなる。
さらに,ステップS524では,プログラムメタデータPMにシーンメモが入力される(ステップS524:撮像状況情報生成工程)。あるシーンに属する全てのカットについての撮像処理が終了すると,例えば,取材部署の担当者は,当該シーンについてのシーンメモをフィールドPC50に入力する。すると,フィールドPC50の撮像状況情報生成部522は,かかる取材部署の担当者の入力に基づいて,当該シーンに関する上記プログラム撮像状況情報を生成する。さらに,撮像状況情報生成部522は,例えば,生成したシーンレベルでのプログラム撮像状況情報を,プログラムメタデータPMの「シーンメモ内容」の項目に入力する。なお,かかるシーンメモの入力は,必ずしも実行されなくともよい。
ここで,図18に基づいて,上記ステップS524でプログラムメタデータPMにシーンメモが入力された段階における構成表メタデータの例について説明する。
図18に示すように,シーン1に属する全てのカット(即ち,カット1およびカット2)についての撮像処理が終了しており,合計で例えば3回のテイクの撮像処理が行われている。このため,例えば3つのテイクメタデータTM1〜TM3が作成されている。また,カット2に関しては,例えば1回のテイク(即ち,テイク3)の撮像処理しか行われておらず,このため,当該テイクが,例えば自動的にOKに設定されている。また,シーン1のシーンメモの欄には,例えば,当該シーンに関するプログラム撮像状況情報として,「繁華街にある。店の背後には名古屋城が見える。」というシーンレベルの風景に関する内容が記入されている。
その後,ステップS526では,選択されている取材についての撮像を終了するか否かが判断される(ステップS526)。本ステップでは,カメラマンなどにより,上記ステップS502で選択された取材に属する全てのシーンについて,撮像処理が終了したか否かが判断される。この結果,当該取材に属する全てのシーンについての撮像が終了したと判断された場合には,ステップS528に進む。一方,当該取材に属する全てのシーンについての撮像が終了していないと判断された場合には,ステップS504に戻る。後者の場合には,新たに別のシーンが選択される。その後,上記と同様にして,当該新たなシーンに属する全てのカットについての撮像処理が実行される。
例えば,図18に示した段階では,取材ID「A2002−1001」に属するシーンのうち,シーン1についての撮像は完了しているものの,シーン2についての撮像は終了していない。従って,ステップS504に戻り,シーン2が選択され,「店の中」なるシーン2に属する「主人に麺つゆの色を尋ねる」なるカット1についての撮像処理が行われることとなる。
次いで,ステップS528では,プログラムメタデータPMに取材メモが入力される(ステップS528:撮像状況情報生成工程)。ある取材に属する全てのシーンについての撮像処理が終了すると,例えば,取材部署の担当者は,当該取材についての取材メモをフィールドPC50に入力する。すると,フィールドPC50の撮像状況情報生成部522は,かかる取材部署の担当者の入力に基づいて,当該取材に関する上記プログラム撮像状況情報を生成する。さらに,撮像状況情報生成部522は,例えば,生成した取材レベルでのプログラム撮像状況情報を,プログラムメタデータPMの「取材メモ内容」の項目に入力する。なお,かかる取材メモの入力は,必ずしも実行されなくともよい。
ここで,図19に基づいて,上記ステップS528でプログラムメタデータPMに取材メモが入力された段階における構成表メタデータの例について説明する。
図19に示すように,取材ID「A2002−1001」の取材に属する全てのシーン(即ち,シーン1およびシーン2)についての撮像処理が終了しており,合計で例えば6回のテイクの撮像処理が行われている。このため,例えば6つのテイクメタデータTM1〜TM6が作成されている。また,取材ID「A2002−1001」の取材の取材メモの欄には,例えば,当該取材に関するプログラム撮像状況情報として,「名古屋は、赤味噌仕立ての店も多い。今回対象外だが紹介した方がよいかも。」という取材レベルの提案内容が記入されている。
さらに,ステップS530では,撮像・取材を終了するか否かが判断される(ステップS530)。本ステップでは,カメラマンなどにより,映像プログラムに関する全ての取材が終了したか否かが判断される。この結果,当該映像プログラムに関する全ての取材が終了していないと判断された場合には,ステップS540に進み,取材場所が変更される。次いで,ステップS502に戻り,新たに別の取材が選択され,上記と同様にして,当該新たな取材に属する全てのカットについての撮像処理が実行される。一方,当該映像プログラムに関する全ての取材が終了したと判断された場合には,撮像工程のすべてが終了するので,図12のステップS60に進む。
ここで,図20に基づいて,上記ステップS530で撮像工程の全てが終了した段階における構成表メタデータの例について説明する。
図20に示すように,プログラムID「A2002−10」の映像プログラムに属する全てのカットについての撮像処理が終了しており,合計で例えば15回のテイクの撮像処理が行われている。このため,当該映像プログラムの撮像では,テイク毎の映像素材として,例えば15つのテイクのコンテンツデータ(ファイル名が,VIDEO−1〜15)が記録され,例えば15つのテイクメタデータTM1〜15が作成されている。かかるテイクのコンテンツデータおよびテイクメタデータTM1〜15は,例えば,13つのカットのいずれかに関連付けられている。このうち,テイク2およびテイク8は,NG情報が付されており,不採用とされている。また,プログラムメタデータPMの取材,シーン,カットのメモ欄には,当該映像プログラムにおける各種の撮像状況上布が階層別に記入されているので,閲覧者は,映像プログラムの撮像状況を全体的かつ部分的に認識することができる。なお,かかるプログラムメタデータPMでは,テイク関連付け情報の「テイクデータ」の欄には,例えば,テイク番号のみが記入されており,まだIn点およびOut点情報は記入されていない。
上記のような撮像工程の後,再び図12を参照すると,ステップS60では,取材端末20が,例えば,ローレゾ映像および構成表メタデータを送信する(ステップS60)。詳細には,撮像装置40の通信部427またはフィールドPC50の通信部514は,例えば,上記撮像工程で記録されたコンテンツデータのうちのローレゾ映像を,ネットワーク5を介して編集端末30などに送信する。かかるローレゾ映像の送信は,例えば,上記撮像工程と同時並行してテイクごとに行ってもよいし,例えばカット,シーン,取材または映像プログラム全体に関する撮像処理の終了した時点で複数のテイク分を一括して行ってもよい。なお,通信部427,514は,ローレゾ映像を送信する代わりに,例えば,通信可能であればオリジナル映像を送信してもよい。
さらに,上記通信部427または通信部514は,例えば,構成表メタデータの同期処理を行った上で,かかる構成表メタデータを,ネットワーク5を介して編集端末30などに送信する。
また,取材端末20は,例えば,オリジナル映像などを記録した光ディスク3を取材端末30に搬送する。
以上までのステップS40〜S60が,取材部署が取材端末20を用いて映像プログラムのコンテンツを撮像・取材する工程である取材段階に相当する。
その後,ステップS70では,編集端末30が,ローレゾ映像および構成表メタデータを取得する(ステップS70)。詳細には,編集端末30は,例えば,上記ステップS60で送信されたローレゾ映像および構成表メタデータを,通信部312によって受信して,記録装置316などに記録する。このようにして,編集端末30は,例えば,取材端末20によって記録されたローレゾ映像と,編集された構成表メタデータを取得する。また,編集端末30は,例えば,取材端末20によって記録されたオリジナル映像を,光ディスク3を介して取得する。なお,編集端末30は,例えば,光ディスク3やメモリーカード等の記録媒体を介して,上記編集された構成表メタデータを取得することもできる。
次いで,ステップS80では,編集端末30は,構成表メタデータに基づいてコンテンツデータの編集を行う(ステップS80:コンテンツデータ編集工程)。以下に,図14に基づいて,かかるコンテンツデータ編集工程について詳細に説明する。
図14に示すように,まず,ステップS802では,構成表メタデータまたはコンテンツデータが表示される(ステップS802:コンテンツデータ表示工程)。編集端末30のメタデータ表示制御部322は,例えば,取材端末20から取得したプログラムメタデータPMまたはテイクメタデータTMを見やすい形式に変換した上で,表示部308に表示させるよう制御することができる。
これにより,編集部署の担当者は,プログラムメタデータPMを閲覧することによって,映像プログラム全体を見渡すことができる。このため,編集部署担当者は,編集作業の指示内容や概容を的確に把握できる。また,編集部署の担当者は,テイクメタデータTMを閲覧することによって,個々の映像素材に関する情報をシナリオとは独立して把握することができる。このため,編集部署の担当者は,必要に応じて,詳細な映像素材の情報などを迅速に取得できる。従って,後工程で行われるコンテンツデータの編集作業の効率化を図ることができる。
また,映像表示制御部324は,構成表メタデータに基づいて,例えば,ローレゾ映像を多様な態様で再生・表示させる。例えば,上記説明したように,映像プログラムのシナリオに従ったカット順に複数のテイクのローレゾ映像などを連続表示させる,或いは,編集部署の担当者により選択された1のテイクのローレゾ映像などを単独表示させることができる。また,例えば,コンテンツデータに構成表メタデータを重畳させて表示させることもできる。
これにより,編集部署の担当者は,例えば,連続表示されたコンテンツデータを閲覧することにより,編集しようとする映像プログラムの全体のイメージ効率的に把握できる。また,編集部署の担当者は,例えば,所望する1のテイクのみに関するコンテンツデータを迅速に閲覧できるとともに,部分的な詳細を十分に把握できる。従って,後工程で行われるコンテンツデータの編集作業の効率化を図ることができる。
なお,本ステップS802は省略することも可能である。
次いで,ステップS804では,粗編集処理を行う1のカットが,選択される(ステップS804)。編集部署の担当者は,例えば,プログラムメタデータPMを閲覧して,これから粗編集処理(即ち,In点・Out点の指定処理など)を行おうとするカットを1つ選択する。
さらに,ステップS806では,上記ステップS804で選択されたカットに対応するコンテンツデータが再生される(ステップS806:コンテンツデータ表示工程)。映像表示制御部324は,例えば,プログラムメタデータPMのテイク関連付け情報(OK/NG情報など)に基づいて,上記ステップS804で選択されたカットに対応するテイクを特定する。次いで,映像表示制御部324は,例えば,特定したテイクのローレゾ映像などをディスク装置318によって再生・表示させる。また,例えば,この際,例えば,コンテンツデータとともに,タイムコード,プログラムメタデータPMまたはテイクメタデータTMなどをスーパーインポーズ表示させることもできる。
その後,ステップS808では,当該テイクのIn点およびOut点が決定される(ステップS808)。編集部署の担当者は,上記ステップS806で再生された映像を閲覧しながら,所望の時点で上記In点決定ボタンおよびOut点決定ボタンを押下し,当該テイクのIn点およびOut点を決定する。これにより,当該テイクのコンテンツデータの有効範囲が抽出されたこととなる。
次いで,ステップS810では,In点情報およびOut点情報が生成される(ステップS810:テイク関連付け情報編集工程)。テイク関連付け情報編集部334は,例えば,上記ステップS808でIn点決定ボタンおよびOut点決定ボタンが押下されたタイミングにおけるタイムコードをそれぞれ抽出する。これにより,テイク関連付け情報編集部334は,例えば,かかるタイムコードをIn点情報およびOut点情報として生成する。さらに,テイク関連付け情報編集部334は,例えば,かかるIn点情報およびOut点情報をプログラムメタデータPMの「In点」および「Out点」の項目に入力する。
さらに,ステップS812では,プログラムメタデータPM内の全てのカットに対応するコンテンツデータの粗編集が終了したか否かが,判断される(ステップS812)。かかる判断は,例えば,プログラムメタデータPMの全てのカットのテイク関連付け情報に関して,OKとされているテイクにIn点情報およびOut点情報が入力されているか否かを確認することによって実行できる。なお,このIn点情報およびOut点情報の有無の確認処理は,例えば,上記編集部署の担当者が目視によって確認してもよいし,或いは,テイク関連付け情報編集部334などが自動的に行ってもよい。
この結果,全てのカットの粗編集が終了したと判断された場合には,ステップS814に進む。一方,全てのカットの粗編集が終了していないと判断された場合には,ステップS804に戻り,未編集のカットを選択した上で,上記と同様な粗編集処理が行われる。
その後,ステップS814では,全カットに対応するコンテンツデータの必要部分が抽出される(ステップS814)。まず,コンテンツデータ編集部340は,プログラムメタデータPMに基づいて,映像プログラム内の最初のカットを選択する。次いで,コンテンツデータ編集部340は,上記選択したカットに対応するテイクをテイク関連付け情報に基づいて特定する。さらに,コンテンツデータ編集部340は,上記特定されたテイクのコンテンツデータをIn点情報およびOut点情報に基づいて抽出する。かかる処理をシナリオ順に複数のカットについて繰り返し行うことで,映像プログラムを構成するコンテンツデータを完成させることができる。これにより,編集担当者は,映像プログラムの内容を確認することができる。なお,本ステップでは,コンテンツデータ編集部340によって上記EDLを作成する処理のみを行ってもよい。
次いで,ステップS816では,上記映像プログラムのコンテンツデータの画質調整処理が実行される(ステップS816)。上記ステップS816で完成した映像プログラムのコンテンツデータに対して,例えば,輝度または色合い調整処理,シャープネス・アンシャープネス補正処理,映像又は音声のノイズ低減・除去処理,映像のぶれ補正処理など各種の画質調整処理などが行われる。また,上記映像プログラムのコンテンツデータに対して,各種データの重畳処理や,コンテンツデータ相互の合成処理などを施してもよい。なお,上記のようなステップS814およびS816などは,例えば,映像プログラムの本編集(実編集)処理に相当する。
以上,図14に基づいてコンテンツデータ編集工程について説明した。なお,以上までのステップS70〜S80が,編集部署が編集端末30を用いて映像プログラムを編集する工程である編集段階に相当する。
また,ステップS80が終了することにより,図12に示した,映像プログラム制作支援方法の制作フローも終了する。
ところで,上記の映像プログラム制作支援方法の制作フローの撮像工程S50では,例えば,シナリオ通りのカット順で,カットに対応するテイクの撮像処理を順次行っていく例について説明した。しかし,撮像工程S50におけるカットの撮像順序は,かかる例に限定されるものではなく,例えば,任意のカット順であってもよい。
そこで,以下に,図21に基づいて,かかる撮像工程S50において任意のカット順で撮像する撮像フローについて説明する。なお,図21は,本実施形態にかかる撮像工程S50において任意のカット順で撮像する撮像フローを示すフローチャートである。
図21に示すように,まず,ステップS550では,プログラムメタデータPMの取材の中から,撮像される取材,シーンおよびカットが,選択される(ステップS550)。カメラマンは,例えば,ビューファインダー419に表示された表形式のプログラムメタデータPMを閲覧する。次いで,カメラマンは,上記のように,例えば取材選択ボタン462,シーン選択ボタン464およびカット選択ボタン466を操作して,これから撮像しようとする取材,シーンおよびカットカットをそれぞれ選択する。
かかる選択時においては,例えば,カメラマンは,シナリオのカット順とは無関係に,所望する任意の1のカットを選択することができる。例えば,上記図15に示す例では,取材ID「A2002−1001」の取材に属するシーン1において,カット1についての撮像が終わっていない場合であっても,例えば,カット2を選択することができる。また,シーン1に属するカットの撮像が全て終了していない,或いは全く行われていない場合であっても,例えば,シーン2に属するカットを選択してもよい。
次いで,選択したカットに割り当てられる1のテイクの撮像処理がなされ(ステップS552),当該テイクに関するテイクメタデータTMが作成され(ステップS554),当該テイクに関するテイク関連付け情報が生成され(ステップS556),当該テイクに関するテイクメモが入力される(ステップS558)。かかるステップS552〜S558は,上記図13で説明したステップS508〜S514と略同一であるので,詳細な説明は省略する。
さらに,ステップS560では,全てのカットについての撮像を終了したか否かが判断される(ステップS560)。本ステップでは,例えば,ある取材場所における取材に属する全てのカットについての撮像が終了したか否かが判断される。即ち,例えば,当該取材の全てのシーンに属する全てのカットに関し,割り当てられるテイクの撮像処理がなされた否かが判断される。勿論,上記のように1つのカットに関し複数回のテイクの撮像処理がなされる場合には,例えば,これら複数回のテイクの撮像処理が終了したか否かも判断対象となる。
このような全てのカットに関する撮像処理が終了したか否かの判断は,例えば,カメラマンなどがプログラムメタデータPMを閲覧することで容易に判断できる。即ち,カメラマン等は,プログラムメタデータPMにおいて,例えば,当該取材に属するカットの全てについて,少なくとも1のテイクが関連付けられているか否か(即ち,当該全カットについてのテイク関連付け情報の存否)を視覚的に確認するだけでよい。これにより,カメラマン等は,撮り忘れや取り残しを容易かつ迅速に把握することができる。
上記判断の結果,当該取材に属する全てのカットについての撮像が終了したと判断された場合には,ステップS562に進む。一方,終了していないと判断された場合には,ステップS550に戻り,例えば,当該取材に属する任意のカットが再び選択され,上記と同様な処理が再度行われる。
なお,上記のような本ステップにかかる判断処理では,ある取材に属する全てのカットの撮像が終了したか否かを判断する例について説明した。しかし,かかる例に限定されず,例えば,シーン毎に全てのカットに関する撮像が終了したか否かを判断するようにすることも可能である。また,例えば,映像プログラムに属する全てのカットの撮像が終了したか否かを判断するようにすることも可能である。このような映像プログラムに基づく判断処理は,例えば,ある取材に属するカットを撮像した後,別の取材に属するカットを撮像し,さらに,再度最初の取材に属するカットを撮像するケースに有用となる。このようなケースとは,例えば,ある取材の撮像修了後に,この取材について取り直し指示や何らかのトラブルなどがあった場合などである。
その後,ステップS562では,例えば,撮像が終了した全てのカットに関して,OK/NG情報がそれぞれ設定される(ステップS562)。本ステップは,上記図13で説明したステップS518と略同一であるので,詳細な説明は省略する。
ただし,本ステップにおいては,例えば,ある取材に属する複数のカットに関して,例えばまとめてOK/NG情報が設定され点で,上記ステップS518とは相違する。これは,個々のカットに関してのOK/NG情報の設定は,例えば,そのカットに関するテイクの撮像処理が全て終了してから実行することが好ましいからである。即ち,本撮像フローでは,上記のように,カットの撮像順は任意の順であり,また,同一のカットに関して後から取り直しをすることも可能である。よって,このため,例えば,上記取材に属する全てのカットの撮像が終了したと判断されてから,全てのカットについてそれぞれOK/NG情報が設定される。しかし,本撮像フローにかかるOK/NG情報の設定処理は,かかる例に限定されるものではなく,例えば,当該カットの撮像が終了した時点で個々に設定する,或いは当該カットが属するシーンの撮像が全て終了した時点でまとめて設定する,などしてもよい。また,OK/NG情報の設定処理は,例えば,編集段階などにおいて再生したコンテンツデータを閲覧しながら行ってもよい。
次いで,ステップS564では,プログラムメタデータPMに,カットメモ,シーンメモ,取材メモ等が入力される(ステップ564)。本ステップでは,カットメモ,シーンメモ,取材メモ等が,例えば,上記図13で説明したステップS520,S524およびS528と同様な手法により,例えば取材が終了した段階でまとめてプログラムメタデータPMに入力される。なお,これらの各種メモは,必ずしもこのようにまとめて入力されなくともよく,例えば,上記撮像フロー中に随時入力されてもよい。
さらに,ステップS566では,撮像・取材を終了するか否かが判断される(ステップ566)。本ステップでは,カメラマンなどにより,映像プログラムに関する全ての取材が終了したか否かが判断される。この結果,当該映像プログラムに関する全ての取材が終了していないと判断された場合には,ステップS568に進み,取材場所が変更される。次いで,ステップS550に戻り,新たに別の取材が選択され,上記と同様にして,当該新たな取材に属する全てのカットについて任意の順で撮像処理が実行される。一方,当該映像プログラムに関する全ての取材が終了したと判断された場合には,撮像工程S50のすべてが終了する。
以上のように,図21に示したような撮像工程S50の処理フローでは,映像プログラムを構成する複数のカットを,例えば,シナリオの順序とは無関係に,任意の順で撮像することができる。これにより,撮像現場の環境,出演者のスケジュール,機材の準備状況等の各種の状況・要請などに応じて,撮像可能なカット順あるいは効率的なカット順などで,撮像を行うことができる。例えば,シーン1内でカット1よりもカット2を先に撮像したり,シーン1とシーン2の撮像順序を入れ替えたり,或いは,あるカットについての新たなテイクを別のカットの撮像後に撮り直したりすることができる。また,このように任意の順でカットの撮像を行ったとしても,プログラムメタデータPM内のテイク関連付け情報により,カットとテイクとは明確に結びつけられている。このため,テイクのコンテンツデータの映像再生時には,プログラムメタデータPMのシナリオに従った正しい順序で連続再生することができる。
なお,上記図13および図21で説明した撮像工程の処理フローでは,カメラマンがこれから撮像しようとするカットを選択した後に,対応するテイクの撮像処理を行ったが,かかる例に限定されない。例えば,テイクの撮像処理を行った後に,上記撮像カット選択部46を操作して当該テイクを割り当てるカットを選択するようにしてもよい。この場合には,例えば,かかるカット選択操作時に,上記テイク関連付け情報が生成されて,プログラムメタデータPM内の当該選択されたカット内に入力される。このように,カメラマン等がカットとテイクを結びつける操作を行うタイミングは,例えば,当該テイクの撮像前,または撮像後のいずれであってもよい。
次に,プログラムメタデータPMのカットに対して,テイクのコンテンツデータおよびテイクメタデータを関連付ける別の態様について説明する。
上記のような,映像プログラム制作フローの撮像工程S50では,撮像前に,カメラマンがカットとテイクとを関連付ける操作を行っていた。しかし,かかる例に限定されず,カットとテイクとを関連付ける操作は,以下に説明するように,複数のテイクの撮像後にまとめて行うこともできる。
また,上記テイク関連付け部44は,テイク関連付け情報として,ビデオファイル名,ローレゾファイル名およびテイクメタデータファイル名を,プログラムメタデータPMのカット階層の該当欄に入力することにより,カットとテイクを関連付けていた。しかし,かかる例に限定されず,テイク関連付け部44は,テイク関連付け情報として,UMIDをプログラムメタデータPMの該当欄に入力することにより,カットとテイクを関連付けることもできる。
そこで,以下に,図22〜図28に基づいて,撮像後にUMIDを用いてカットとテイクを関連付ける処理を行う撮像フローについて説明する。なお,図22は,本実施形態の変更例にかかる撮像工程S50において,UMIDを用いて撮像後にカットとテイクを関連付ける処理を行う撮像フローを示すフローチャートである。また,図23〜図27は,本実施形態の変更例にかかる撮像工程S50の各工程における構成表メタデータの構成を例示する説明図である。また,図28は,本実施形態にかかる撮像装置40のLCD表示部429に表示されたプログラムメタデータPM’等を例示する説明図である。
図22に示すように,まず,ステップS580〜S584では,カメラマンによって任意に選択されたカットについて,1回のテイク(撮像処理)がなされ,(ステップS580),当該テイクに関するテイクメタデータTMが作成され(ステップS582),当該テイクに関するテイクメモが入力される(ステップS584)。かかるステップS580,S582,S584は,それぞれ上記図13で説明したステップS508,S510,S514と略同一であるので,詳細な説明は省略する。
この結果,図23に示すように,1つのテイクに関して,テイクメタデータTM1と,ビデオファイルV1がそれぞれ作成される。このように作成されたテイクメタデータTM1およびビデオファイルV1には,共通のUMID「AAAAAAAA」が含まれている。このUMIDにより,テイクメタデータTM1とビデオファイルV1とを,同一のテイクに関するデータとして関連付けることができる。また,テイクメタデータTM1には,対応するテイクのコンテンツデータのローレゾファイル名も記入されている。これにより,撮像装置40は,テイクメタデータTM1に対応するテイクのコンテンツデータ内の代表画(サムネール画)を抽出して,表示することができる。このため,カメラマンは,かかる代表画を閲覧することで,当該テイクの内容を容易に把握することができる。
次いで,ステップS586では,同一の取材の属する全てのカットについての撮像を終了したか否かが判断される(ステップS586)。本ステップS586は,上記図21で説明したステップS560と略同一であるので,詳細な説明は省略する。
この判断の結果,当該取材に属する全てのカットについての撮像が終了したと判断された場合には,ステップS588に進む。一方,終了していないと判断された場合には,ステップS580に戻り,例えば,当該取材に属する同一若しくは別のカットについて,上記ステップS580〜S584と同じ処理が繰り返される。
このようにして,ある取材に属するすべてのカットについての撮像処理が終了した時点における,構成表メタデータの構成について,図24に基づいて説明する。図24に示すように,取材ID「A2002−1001」に属する5つのカットについて合計6回のテイクが行われ,この6回のテイクに関して,テイクメタデータTM1〜TM6と,ビデオファイルV1〜V6がそれぞれ作成されている。これらのテイクメタデータTM1〜TM6およびビデオファイルV1〜V6は,テイク毎に固有のUMIDがそれぞれ含んでおり,このUMIDにより相互に関連付けられている。しかし,この時点では,カットとテイクとの関連付け作業がまだ行われていないので,プログラムメタデータPMのテイク関連付け情報の欄には,実行されたテイクについてのテイク関連付け情報は未入力である。また,プログラムメタデータPMの取材メモ,シーンメモ,カットメモの欄にも,プログラム撮像状況情報は未入力である。
なお,本ステップS586にかかる判断処理では,上記のように,ある取材に属する全てのカットの撮像が終了したか否かを判断する例について説明した。しかし,かかる例に限定されず,例えば,シーン毎若しくはプログラム単位で,全てのカットに関する撮像が終了したか否かを判断するようにすることも可能である。
次いで,ステップS588では,プログラムメタデータPMのカットに対して,複数のテイクがまとめて関連付けられる(ステップS588)。具体的には,まず,カメラマン等によって撮像装置40に対して関連付け処理の開始が指示されると,撮像装置40のLCD表示部429は,図28に示すように,項目が絞り込まれたプログラムメタデータPM’を表示する。この絞り込まれた項目は,例えば,プログラム識別階層,取材階層の取材指示,シーン階層のシーン指示,カット階層のカット指示などである。さらに,このプログラムメタデータPM’には,テイク階層の代表画欄が追加されている。この代表画欄は,各カットに対応して設けられた空白欄であり,関連付け時に代表画をドロップする(詳細は後述する。)ためのスペースである。また,このLCD表示部429には,図28に示すように,プログラムメタデータPM’とともに,撮像済の各テイクの代表画T1〜T6も撮像順に表示されている。従って,カメラマン等は,この代表画を閲覧することで,各テイクのコンテンツデータの内容を容易に把握できる。
次いで,カメラマンは,例えば図28のように表示されたプログラムメタデータPM’の制作指示情報と,テイクの代表画とを見比べて,カットに対してテイクを関連付ける作業を行う。この関連付け作業は,例えば,カメラマンが撮像装置の操作部416を操作して,プログラムメタデータPM’のテイク階層の代表画欄に,テイクの代表画をドラッグアンドドロップすることで実行される。具体的には,最初に撮像したテイクの代表画T1をドラッグし,この代表画T1を,プログラムメタデータPMのテイク階層の代表画欄の所望欄(図28ではシーン1のカット2に対応する欄)に移動させてドロップする。これにより,代表画T1のテイクを,シーン1のカット2に関連付けることができる。さらに,他のテイクの代表画T2〜T6についても同様にして,順次ドラッグアンドドロップして所望のカットに関連付けることができる。このとき,必ずしも全てのテイクをカットに関連付けなくてもよい。また,同一のテイクを複数のカットに関連付けてもよい。
このようにして,カメラマン等によって各テイクがカットに対して手動で関連付けられると,テイク関連付け部44は,自動的に,UMIDからなるテイク関連付け情報を生成して,プログラムメタデータPMの該当欄に入力する。これにより,テイク関連付け部44は,カメラマンによって指定されたカットに対して,テイクメタデータTMおよびビデオファイルV(即ち,コンテンツデータ)を関連付けることができる。
具体的には,図25に示すように,テイク関連付け部44は,テイクメタデータTM内のUMIDを読み出し,このUMIDを,プログラムメタデータPMのUMID欄のうち,指定されたカットに対応する欄に入力する。例えば,上記のようにカメラマンによって最初のテイクはシーン2のカット1に関連付けられたので,テイク関連付け部44は,シーン2のカット1に対応するUMID欄に,テイクメタデータTM1に含まれているUMID「AAAAAAAA」を入力する。これにより,共通のUMID「AAAAAAAA」を有するテイクメタデータTM1およびビデオファイルV1は,プログラムメタデータPMのシーン2のカット1に関連付けられたことになる。
その後,ステップS590およびS592では,図25に示したように,例えば,撮像が終了した全てのカットに関してOK/NG情報がそれぞれ設定され(ステップS590),プログラムメタデータPMに,カットメモ,シーンメモ,取材メモ等が入力される(ステップS592)。このステップS590およびS592は,上記図21で説明したステップS562およびS564と略同一であるので,詳細な説明は省略する。
次いで,ステップS594では,撮像・取材を終了するか否かが判断される(ステップS594)。本ステップでは,カメラマンなどにより,映像プログラムに関する全ての取材が終了したか否かが判断される。この結果,当該映像プログラムに関する全ての取材が終了していないと判断された場合には,ステップS596に進み,取材場所を変更した後,ステップS580に戻る。次いで,新たに別の取材(例えば取材ID「A2002−1002」)に含まれる全てのカットについて,上記ステップS580〜S584を繰り返す。この結果,図26に示すように,新たに9つのテイクに関するメタデータTM7〜TM15およびビデオファイルV7〜15が作成される。その後,図27に示すように,これらのメタデータTM7〜TM15およびビデオファイルV7〜15が,上記と同様にして,プログラムメタデータPMのカットにそれぞれ関連付けられる。(ステップS588)さらに,図27に示すように,プログラムメタデータPMに対して,OK/NG情報が入力され(ステップS590),カットメモ,シーンメモおよび取材メモが入力される(ステップS592)。
その後,ステップS594で,当該映像プログラムに関する全ての取材が終了したと判断された場合には,撮像工程S50のすべてが終了する。
以上のように,図22に示したような撮像工程S50の処理フローでは,カットとテイクの関連付け作業を,複数のカットの撮像後にまとめて行っている。即ち,撮像済の複数のテイクに関するコンテンツデータおよびテイクメタデータTMを,まとめて,カメラマンにより指定されたカットにそれぞれ関連付けている。これにより,カメラマン等の関連付け作業の担当者は,カットとテイクの関連付け作業を効率的に行うことができる。この際,テイクの代表画TがLCD表示部429に表示されるため,担当者は,テイクの内容を視覚的に理解でき,誤って関連付けることがない。また,担当者は,代表画をドラッグアンドドロップするだけで,容易かつ迅速にテイクとカットを関連付けることができる。
さらに,テイク関連付け情報としてUMIDを採用し,テイクとカットの関連付けを行っている。このため,上記図3等で説明したように,テイクメタデータファイル名,ビデオファイル名およびローレゾファイル名の全てを用いて関連付けを行った場合と比べて,プログラムメタデータPMのデータ量を低減することができる。また,UMIDは,グローバルユニークであるので,複数の映像プログラムのプログラムメタデータPMを取り扱う場合に,テイクを明確に区別できる。このため,同一のビデオファイル名やテイクメタデータファイル名等の存在が原因で,コンテンツデータやテイクメタデータTMを混同してしまうといったこともない。
以上,本発明の第1の実施形態にかかる映像プログラム制作支援システム1,構成表メタデータ,企画用,取材用および編集端末10,20,30,映像プログラム制作支援方法などについて詳細に説明した。
上記実施形態によれば,上記のようなプログラムメタデータPMおよびテイクメタデータTMからなる構成表メタデータは,実際の映像プログラムの制作作業に対応した実用的な構成となっている。このため,以下のように,構成表メタデータを利用することにより,撮像ワークフローの効率を改善できる。
まず,映像プログラムの制作に携わる企画構成部署,取材部署および編集部署などの各部署で,電子ファイル形式の構成表メタデータを一貫して共用できる。このため,1つの映像プログラムに関する各部署の作業内容を,1つの構成表メタデータで一元管理できる。さらに,各部署は,この構成表メタデータを閲覧することにより,例えば制作指示内容の確認や,他部署による作業結果の取得を迅速,容易かつ的確に行うことができる。従って,各部署間での情報伝達の正確性や迅速性を向上させることができるとともに,全部署間で統一した情報管理を行うことができる。よって,各部署間での連携や的確な指示・要請を容易に実現できるとともに,シナリオの修正・変更に十分に対応できる。この結果,映像プログラムの制作作業全体の正確化と迅速化,効率化を図ることができる。
また,プログラムメタデータPMには,1個の映像プログラムに関する制作指示や取材中に得た情報など,制作者の意図や認識に関わるメタデータなどが階層化されて1つのデータファイルにまとめられている。このため,各部署の担当者は映像プログラム全体の内容を容易に見渡して,認識することができる。このため,撮像効率や,編集効率などを向上させることができる。
さらに,取材担当者は,プログラムメタデータPMの制作指示情報に基づいて,撮像すべき対象物を容易に把握できるとともに,撮り忘れを防止できる。また,例えば,指示されたカットごとに撮像処理を実行して,プログラムメタデータPMのカット階層の欄を埋めていくことで,1つの映像プログラムを完成させることができる。さらに,カットについての撮像順序も任意であり,取り直しも自由である。このため,撮像効率および撮像品質を向上させることができる。
また,上記構造の構成表メタデータを利用することにより,テイクをどのカット対しても自由に関連付けることができる。即ち,プログラムメタデータPM内にテイク関連付け情報を生成することよって,企画側の意図(シナリオ)であるカットに対して,個々の映像素材であるテイクのコンテンツデータおよびテイクメタデータTM等を,柔軟に関連付ける(リンクする)ことができる。これにより,撮像段階では上記のように任意のカット順で撮像することも可能になる。また,例えば,1つのテイクを複数のカットに関連付けることが可能になる。この際,例えば,1つのテイクのコンテンツデータの一部(例えば前半部分)をあるカットに,当該コンテンツデータの別の一部(例えば後半部分)を他のカットに割り振ることもできる。さらに,同一のテイクを,例えば異なる映像プログラムに属する複数のカット対しても関連付けることもできる。また,映像プログラムのシナリオ変更等があった場合などにも,テイクとカットのリンクを変更する(即ち,テイク関連付け情報を更新する)だけで済むので,かかる企画変更などに柔軟に対処することができる。
かかる柔軟な関連付けは,例えば,シナリオ等に関する情報が階層構造化されたプログラムメタデータPMを映像プログラム毎に1つのファイルで一元管理するとともに,実際に撮像した映像素材およびテイクメタデータTM等をテイク毎に1つのファイルで作成して,上記プログラムメタデータPMから独立して管理するという,本実施形態にかかる構成表メタデータの特徴によって実現可能となっている。また,このように,プログラムメタデータPMとテイクメタデータTMとを相互に分離して管理することにより,プログラムメタデータPMの容量を低減することもできる。
また,プログラムメタデータPMの中に,関連するテイクのコンテンツデータやテイクメタデータTMのファイル名称等からなるテイク関連付け情報を付加することにより,映像プログラム中の必要な映像やメタデータを自由に呼び出し,それらの内容を閲覧することができる。
また,編集段階などでは,プログラムメタデータPMに基づいて,映像プログラムを構成する複数のテイクのコンテンツデータファイルを,シナリオ順など必要な順番で再生することができる。このため,編集担当者などは,映像プログラムの一部または全体を連続して閲覧することができるので,編集効率が向上する。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,上記実施形態では,企画端末10,取材端末20および編集端末30の間で構成表メタデータやローレゾ映像を,例えばネットワーク5を介して直接的に通信していたが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,ネットワーク5に接続されたセンターサーバ(図示せず。)を設けて,構成表メタデータやローレゾ映像,オリジナル映像などを集中管理するデータベースを構築してもよい。これにより,各端末装置は,ネットワーク5を介してこのセンターサーバにアクセスし,各種情報の取得や更新を行うことができる。
即ち,企画端末10は,例えば,作成したプログラムメタデータPMを上記センターサーバが具備する構成表メタデータ用データベース(図示せず。)に格納するようにしてもよい,一方,取材端末20および編集端末30は,構成表メタデータ用データベースからプログラムメタデータPMを取得して,自己の処理の利用に供するようにしてもよい。さらに,取材端末20および編集端末30は,プログラムメタデータPMを自己の処理結果に応じて編集し,この編集内容を構成表メタデータ用データベース上のプログラムメタデータPMに上書きするようにしてもよい。また,取材用端装置20は,作成したテイクメタデータTMを,構成表メタデータ用データベース上に格納するようにしてもよい。また,撮像装置40は,記録したコンテンツデータ(ローレゾ映像及び/又はオリジナル映像)を上記センターサーバが具備する映像コンテンツ用データベース(図示せず。)に格納するようにしてもよい。また,編集端末30は,編集に必要なコンテンツデータを上記映像コンテンツ用データベースから取得するようにしてもよい。この際,映像コンテンツ用データベースは,例えば,ローレゾ映像用データベースとオリジナル映像用データベースとに分けて構成してもよい。
また,上記実施形態では,企画端末10,取材端末20および編集端末30などの間で,例えばネットワーク5を介した通信により,構成表メタデータ等を提供・取得していたが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,図22に示すように,企画端末10,取材端末20および編集端末30の間で,各種の記録媒体を介して構成表メタデータ等をやり取りしてもよい。なお,図22は,他の実施形態にかかる映像プログラム制作支援システム1の全体構成を概略的に示すブロック図である。
具体的には,図22に示すように,例えば,企画端末10は,新規作成したプログラムメタデータPM等を,光ディスク3やメモリーカード7などの記録媒体に記録する。かかるプログラムメタデータPMを記録した光ディスク3およびメモリーカード7などは,例えば,取材端末20などに向けて搬送される。
撮像装置40は,例えば,企画端末10から光ディスク3などによりプログラムメタデータPMを取得する。また,フィールドPC50は,例えば,企画端末10からメモリーカード7などによりプログラムメタデータPMを取得する。さらに,撮像装置50は,取得したプログラムメタデータPMに基づいて,上記説明したような撮像処理などを行い,例えば光ディスク3にコンテンツデータを記録する。さらに,撮像装置40およびフィールドPC50は,上記撮像処理結果に基づいてプログラムメタデータPMをそれぞれ編集し,双方の編集結果の同期処理を行った上で,編集したプログラムメタデータPMを例えば光ディスク3に書き込む。これにより光ディスク3内のプログラムメタデータPMは更新される。また,撮像装置40は,上記撮像処理に伴って作成したテイクメタデータTMも光ディスク3に書き込む。この結果,例えば,光ディスク3などには,ある映像プログラムに関するコンテンツデータと,構成表メタデータ(プログラムメタデータPMおよびテイクメタデータTM)の双方が記録されたこととなる。この光ディスク3などは,例えば,編集端末30などに向けて搬送される。
編集端末30は,例えば,取材端末20から光ディスク3などによりコンテンツデータおよび構成表メタデータなどを取得する。さらに,編集端末30は,取得した構成表メタデータに基づいて,上記説明したようなコンテンツデータの編集処理などを行う。
このようにして,記録媒体を介して構成表メタデータをやり取りすることにより,上記第1の実施形態のようなネットワーク5を介した通信を行うための設備等を設けなくても済むので,映像プログラム制作支援システム1をより安価かつ容易に構築できる。特に,例えば,オリジナル映像のみを用いて編集作業を行うケースなどに有用である。かかるケースでは,編集処理を行うためには,例えば,オリジナル映像が記録された光ディスク3が到着するのを待つ必要がある。このようなケースに,かかる光ディスク3内に構成表メタデータも記録されていれば,オリジナル映像と構成表メタデータを1枚の光ディスクによってセットで取り扱うことができるので,便利である。
また,上記実施形態では,取材端末20を撮像装置40およびフィールドPC50という2つのハードウェアから構成したが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,取材端末20は,上記撮像装置40およびフィールドPC50の双方の機能を併せ持つハードウェアであれば,例えば1つのハードウェアで構成することも可能である。この1つのハードウェアからなる取材端末20は,例えば,撮像装置40にキーボードなどの入力装置を接続して,取材部署担当者が上記プログラム撮像状況情報およびテイク撮像状況情報を入力可能に構成することで,実現可能である。
また,上記実施形態では,映像プログラム制作支援システム1は,企画構成部署,取材部署および編集部署に対応した端末装置10,20,30のみを具備した例について説明しているが,本発明はかかる例に限定されない。実際の映像プログラムの制作に携わる部署は,上記3つの部署以外にも,例えば,事務部署,機材部署,情報部署,台詞部署,CG/SI(コンピュータグラフィックス/スーパーインポーズ)部署,出演者部署,資料部署,データ保存部署など多岐にわたる。従って,映像プログラム制作支援システム1は,これらの部署に対応した少なくとも1つの端末装置をさらに備え,上記構成表メタデータをより多くの端末装置間で共用できるように構成してもよい。なお,この場合には,上記のような構成表メタデータを統一管理するセンターサーバ(図示せず。)をネットワーク5上に設けることにより,各部署の端末装置がネットワーク5経由で単一のデータベースにアクセスして,一元化された構成表メタデータを取得および更新できるようにしてもよい。
また,上記実施形態では,撮像装置30のビューファインダー419またはLCD表示部429に表示されたプログラムメタデータPM’を基に,テイクとカットを関連付ける作業を行ったが,本発明は,かかる例に限定されない。例えば,フィールドPC50の表示部508や,編集端末30の表示部308にプログラムメタデータPM’を表示して,各担当者がテイクとカットの関連付け作業を行うようにしてもよい。
また,上記実施形態では,プログラムメタデータPMは,電子ファイル形式のシナリオとして機能するために,シナリオに対応した制作指示情報を含んでいたが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,プログラムメタデータPMは,企画構成部署によって企画された映像プログラムのシナリオ自体の情報(シナリオ情報)を含むようにしてもよい。このシナリオ情報は,例えば,上述した制作指示情報の「取材タイトル」,「取材指示内容」,「シーンタイトル」,「シーン指示内容」,「カットタイトル」等の項目に入力されたテキストデータと同様な情報で構成することができる。かかるシナリオ情報がプログラムメタデータPMに階層化されて含まれていれば,各部署の担当者は,プログラムメタデータPMを閲覧してシナリオの内容を直接的に把握できる。