以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施の形態)
以下に,本発明の第1の実施の形態について説明する。第1の実施形態にかかるビデオデータ処理装置は,対応不能な形式のメタデータを取得した場合に,このメタデータを自己が対応可能な表示形式に変換し,かかる変換したメタデータに基づいて各種のビデオデータに関する処理を実行できることを特徴とする。以下に,かかる特徴を実現するためのビデオデータ処理装置について詳細に説明する。
<1.映像プログラム制作支援システム>
まず,本実施形態にかかるビデオデータ処理装置が採用される映像プログラム制作支援システムの全体構成について説明する。
映像プログラム制作支援システムは,例えば,テレビ放送局や,ビデオコンテンツ,映画等の制作会社などに設けられ,TV番組,ビデオコンテンツ,映画などの映像作品である映像プログラムを制作するためのシステムである。本実施形態にかかる映像プログラム制作支援システムの特徴は,映像プログラムの制作を分担する各部署で用いられる複数の端末装置間で,電子ファイル形式のメタデータ(詳細については後述する。)を,共用できる点にある。
ここで,図1に基づいて,本実施形態にかかる映像プログラム制作支援システムの構成について説明する。なお,図1は,本実施形態にかかる映像プログラム制作支援システムの概略的な構成を示すブロック図である。
図1に示すように,本実施形態にかかる映像プログラム制作支援システム1は,例えば,ネットワーク5と,企画用端末装置10と,撮像装置40およびフィールドPC/PDA(以下,フィールドPCという。)50などからなる取材用端末装置20と,編集用端末装置30と,から主に構成される。
ネットワーク5は,例えば,企画用端末装置10,撮像装置40,フィールドPC50および編集用端末装置30などを相互に双方向通信可能に接続する電気通信回線網である。このネットワーク5は,本実施形態では,例えば,RS−422又はRS−232Cなどの有線通信回線と,IEEE802.11a規格などを始めとした無線通信回線などから構成される。しかし,ネットワーク5は,かかる例に限定されず,この他にも,例えば,FDDI(Fiber Distributed Data Interface)などの光ファイバ網,衛星通信網,イーサネット(登録商標),LAN,インターネットなどの各種の専用または公衆回線網を利用して構成されてもよい。
かかるネットワーク5は,例えば,企画用端末装置10が生成したメタデータを,撮像装置40およびフィールドPC50(即ち,取材用端末装置20)などに伝送することができる。また,ネットワーク5は,例えば,撮像装置40が記録したビデオデータや,撮像装置40およびフィールドPC50が生成・編集したメタデータなどを,編集用端末装置30などに伝送することができる。
なお,映像プログラム制作支援システム1は,例えば,このようなネットワーク5を必ずしも具備していなくともよい。この場合には,各端末装置間で,例えば,光ディスク3,メモリーカード,メモリースティック,磁気ディスク等の各種の記録媒体を介して,メタデータなどをやり取りしてもよい。
また,企画用端末装置10,取材用端末装置20,編集用端末装置30は,例えば,映像プログラムの制作を分担する複数の部署のうち,それぞれ,企画構成部署,取材部署,編集部署などによって利用される端末装置である。
企画用端末装置10は,例えば,パーソナルコンピュータなどの情報処理装置及びその周辺装置などで構成されており,企画構成部署に設けられる。この企画構成部署とは,映像プログラムの制作全体を統括する部署であって,制作する映像プログラムの企画・構想を行ってシナリオ(筋書)を作成するとともに,取材部署および編集部署等の他部署に制作作業内容を指示する部署である。
上記企画用端末装置10は,電子ファイル形式のメタデータを生成するメタデータ生成部(図示せず。)を備えている。このメタデータ生成部は,例えば,メタデータを生成するためのアプリケーションソフトウエアを,企画用端末装置10にインストールすることにより構成される。かかるメタデータ生成部は,例えば,企画構成部署担当者の入力に基づいてメタデータのコンテンツを取得し,かかるコンテンツを例えばXML(eXtensible Markup Language)などの所定の言語の所定の表記形式(スキーマ)で記述してメタデータファイルを作成することができる。なお,このメタデータの表記形式は,例えば,企画用端末装置10が対応(認識)可能な任意の表記形式であってよい。
かかる企画用端末装置10は,メタデータとして,例えば,プログラムメタデータ(詳細は後述する。)を映像プログラム毎に生成することができる。詳細には,企画用端末装置10は,例えば,上記プログラムメタデータの枠組みを作成する。さらに,企画用端末装置10は,企画構成部署担当者の入力に基づいて制作指示情報を生成し,上記作成したプログラムメタデータ内の該当欄に,この制作指示情報を書き込む。この制作指示情報とは,例えば,企画構成部署が他部署に対して映像プログラムの制作内容を指示するための情報であり,企画構成部署によって作成されたシナリオに該当するものである。
また,企画用端末装置10は,例えば,上記のように生成したメタデータを,取材用端末装置20等に提供することができる。かかるメタデータの提供は,ネットワーク5を介した送信によってなされてもよく,或いは,メモリーカードなどの記録媒体を介して実現されてもよい。このようにして,企画用端末装置10が例えば上記制作指示情報を含むプログラムメタデータを取材用端末装置20などに提供することにより,企画構成部署は,取材部署などに対して取材・撮影すべき場面や内容等を指示することができる。
また,取材用端末装置20は,取材部署によって利用される端末装置群であり,例えば,撮像装置40とフィールドPC50などから構成される。この取材部署とは,例えば,上記企画構成部署による制作指示,シナリオなどに従って,制作現場で実際に取材を行う部署であって,映像プログラムを構成する各場面の映像を撮影するとともに,撮影状況を取材する部署である。
撮像装置40は,例えば,カムコーダなどのビデオカメラであり,放送用のニュース番組の取材や,スポーツなどの試合の模様,映画などの映像コンテンツの撮影に使用される装置である。本実施形態では,この撮像装置40は,ビデオデータを処理するビデオデータ処理装置であって,撮影したビデオデータを記録する処理を行うビデオデータ記録装置として構成されている。
即ち,撮像装置40は,例えば,映像プログラムを構成する各場面の映像(音声を含む。)を撮影することができる。この撮影処理は,例えば,テイクを複数回繰り返すことによって,進行していく。例えば,撮像装置40は,ある場面について1または2回以上のテイクを行い,次いで,異なる場面についてさらに1または2回以上のテイクを行う。なお,このテイクとは,撮像装置40による1回の記録開始から終了に至るまでの連続した撮影処理をいう。換言すると,このテイクは,映像プログラムの撮影段階における撮影処理の最小単位である。なお,映像作品の制作分野では,このテイクは,「クリップ」,「ショット」または「カット」等と呼ばれる場合もある。
また,撮像装置40は,例えば,上記撮影したビデオデータ(映像信号及び/又は音声信号をいう。)を,光ディスク3等の記録媒体に記録することができる。換言すると,撮像装置40は,例えば,撮影処理によって生成したビデオデータを当該記録媒体に記録することができる。なお,このビデオデータとは,撮像装置40によって撮影された内容を表す映像データ及び/又は音声データである,かかるビデオデータは,例えば,TV番組,映画などの動画像データ,写真や絵画などの静止画像データ,ラジオ番組などの音声データ,字幕データ,或いはこれらの組合せなどから構成される。さらに,撮像装置40は,かかるビデオデータを上記テイクごとに記録することができる。即ち,撮像装置40が,例えば,テイクを2回実行すれば,2つのビデオデータファイルが記録されることになる。
また,このビデオデータが記録される光ディスク3は,本実施形態では,例えば,大容量(例えば数百ギガバイト)のビデオデータを記録可能な大容量・次世代光ディスクなどで構成される。しかし,光ディスク3は,かかる例に限定されず,例えば,DVD−R,DVD−ROM,DVD−RAM,CD−R,CD−ROM等の各種の光ディスクであってもよい。また,撮像装置40がビデオデータを記録する記録媒体としては,上記光ディスク3の例に限定されず,例えば,MO等の光磁気ディスク,フレキシブルディスク等の磁気ディスク,デジタルVTRフォーマットのビデオテープ等の磁気テープ,各種のRAM,ROMなどであってもよい。
また,撮像装置40は,ビデオデータとして,例えば,オリジナル映像だけでなく,ローレゾリューション(low resolution:低解像度)映像を光ディスク3に記録することも可能である。ここでいうオリジナル映像とは,撮像装置40が撮像した生のビデオデータである。このオリジナル映像は,大容量であるが高画質であるので,映像プログラムの完成品に用いられる。一方,ローレゾリューション映像(以下ローレゾ映像という。)は,上記オリジナル映像を圧縮したビデオデータである。このローレゾ映像は,比較的低画質だが小容量であるので,送信が迅速かつ容易であるという利点を有し,主に粗編集段階で用いられる。
さらに,このような撮像装置40の本実施形態にかかる特徴は,以下の通りである。即ち,撮像装置40は,例えば,上記企画用端末装置10など外部の機器から,ネットワーク5または記録媒体を介して,各種のメタデータを取得することができる。また,撮像装置40は,このように外部から取得したメタデータの表記形式を,自己が対応可能な表記形式に変換することができる。さらに,撮像装置40は,上記変換により認識可能となったメタデータに基づいて,ビデオデータに関する各種処理を制御できる。
さらに,この撮像装置40は,上記取得したメタデータを編集することができる。また,撮像装置40は,テイクメタデータ(詳細は後述する。)等のメタデータを自ら生成することも可能である。このようなメタデータの編集処理や生成処理は,例えば,XML等でメタデータを記述することにより実行されるが,この際のメタデータの表記形式は,例えば,撮像装置40自身が対応可能な表記形式であってよい。以上のような撮像装置40の特徴の詳細については後述する。
一方,フィールドPC50は,例えば,ノート型のパーソナルコンピュータまたはPDA(personal digital assistant)などの携帯可能なコンピュータ及びその周辺装置などで構成される。このフィールドPCは,上記撮像装置40と各種の有線または無線回線などで接続されており,例えば,メタデータや記録したビデオデータを共用することもできる。
このフィールドPC50は,例えば,上記企画用端末装置10または撮像装置40などの他の機器から,ネットワーク5または記録媒体を介してメタデータを取得することができる。さらに,かかるフィールドPC50は,例えば,後述する撮像装置40のメタデータ変換機能と略同一の機能を有するように構成されてもよい。これにより,フィールドPC50は,例えば,上記取得したメタデータの表記形式を,自己が対応可能な表記形式に変換し,かかる変換により認識可能となったメタデータに基づいて,自己の各種処理を制御することができる。
かかる処理の例を挙げると,フィールドPC50は,例えば,取得したメタデータを所定の表示部に表示して,取材部署担当者にメタデータの内容を認識させることができる。また,フィールドPC50は,例えば,取材部署担当者の入力に基づいて,取材時における撮影状況に関するメタデータである撮影状況情報を上記プログラムメタデータに追加することができる。
このように,フィールドPC50は,例えば取得したメタデータを編集することができる。かかるフィールドPC50によるメタデータの編集機能は,例えば,メタデータを編集するためのアプリケーションソフトウエアを,フィールドPC50にインストールすることによって実現可能である。なお,このようなメタデータの編集処理は,例えば,XML等でメタデータを記述することにより実行されるが,この際のメタデータの表記形式は,フィールドPC50自身が対応可能な表記形式であってよい。
また,例えば,フィールドPC50が対応可能な表記形式を,上記撮像装置40が対応可能な表記形式と同一にした場合には,フィールドPC50が上記メタデータ変換機能を具備せずともよくなる。即ち,フィールドPC50は,撮像装置40から変換後のメタデータを取得することで,当該メタデータに基づいて上記メタデータ編集処理などの各種処理を実行できるようになる。
編集用端末装置30は,例えば,パーソナルコンピュータなどの情報処理装置及びその周辺装置などで構成されており,編集部署に設けられる。この編集部署とは,例えば,上記企画構成部署からの制作指示,シナリオや,取材段階で得た取材状況,撮像条件などに基づいて,上記撮像装置40が記録したビデオデータを編集して,映像プログラムを完成させる部署である。本実施形態では,この編集用端末装置30は,上記ビデオデータ処理装置であって,上記ビデオデータ記録装置(即ち,撮像装置40)によって記録媒体に記録されたビデオデータを再生するビデオデータ再生装置として構成されている。
即ち,編集用端末装置30は,例えば,記録媒体に記録されたビデオデータを再生するとともに,このビデオデータを編集することができる。より詳細には,例えば,上記撮像装置40から,光ディスク3等を介してビデオデータを取得することができる。また,この編集用端末装置30は,例えば光ディスク3に記録されているビデオデータを,例えば,テイク毎に単独再生,或いは好適な順序で連続再生して表示することができる。さらに,この編集用端末装置30は,例えば,かかるビデオデータの編集処理を支援することができる。この編集処理は,例えば,粗編集処理と本編集処理とからなる。
粗編集処理とは,次のような処理である。まず,上記テイクごとに記録された複数のビデオデータの中から,本編集で使用すべきビデオデータを収集する。さらに,収集されたビデオデータの中から,必要な映像部分を選択(Logging)する。次いで,選択された映像部分に対応した編集開始位置(In点)または編集終了位置(Out点)を例えばタイムコード等によって設定して,ビデオデータの中から必要部分を抽出(Ingesting)する。
また,本編集処理とは,例えば,上記粗編集を経た複数のビデオデータを切り出して繋ぎ合わせ,最終的な画質調整等を施し,番組などで放映するための完全パッケージデータを作成する処理である。
さらに,このような編集用端末装置30の本実施形態にかかる特徴は,以下の通りである。即ち,編集用端末装置30は,例えば,上記撮像装置40など外部の機器から,ネットワーク5または光ディスク3などを介して,各種のメタデータを取得することができる。また,編集用端末装置30は,このように外部から取得したメタデータの表記形式を,自己が対応可能な表記形式に変換することができる。さらに,編集用端末装置30は,上記変換により認識可能となったメタデータに基づいて,ビデオデータに関する各種処理を制御できる。
さらに,この編集用端末装置30は,上記取得したメタデータを編集することができる。このようなメタデータの編集処理は,例えば,XML等でメタデータを記述することにより実行されるが,この際のメタデータの表記形式は,例えば,編集用端末装置30自身が対応可能な表記形式であってよい。以上のような編集用端末装置30の特徴の詳細については後述する。
以上,本実施形態にかかる映像プログラム制作支援システム1およびその構成要素の概略について説明した。かかる映像プログラム制作支援システム1は,システムを構成する上記複数の端末装置(ビデオデータ処理装置)間で,映像プログラムの制作に関する各種のメタデータを,その表記形式にかかわらず相互にやり取りして,映像プログラムの制作に利用できるという利点を有する。この利点は,例えば,メタデータの受け側である撮像装置40,フィールドPC50および編集用端末装置30などが,受け取ったメタデータを自己が認識可能な表記形式に柔軟に変換できるという機能を有することによって実現されるものである。
<2.メタデータ>
次に,本実施形態にかかるメタデータについて,具体例を挙げながら詳細に説明する。
<2.1 メタデータの概容>
「メタデータ」とは,あるデータに関する上位データであり,各種データの内容や属性を表すためのインデックス(しおり)として機能するデータをいう。かかるメタデータの具体例としては,例えば,映像プログラムの制作内容を指示する制作指示情報データ(シナリオデータ),取材時に取得した撮影状況等に関する撮影状況情報データ,ビデオデータについてのテイク毎の撮影条件や機器のセットアップ等に関する撮影条件情報データ,テイク毎に撮影したビデオデータとシナリオとを結びつけるテイク関連付け情報データ,ビデオデータ内の代表的な静止画像に関するサムネイルデータ,およびビデオデータのコンテンツの特徴点に関する電子マークデータ,などがある。
このようなメタデータは,映像プログラムを制作する上で非常に有用な情報である。例えば,各部署の担当者は,かかるメタデータを閲覧することにより,撮影したビデオデータのインデックス情報を得たり,制作指示内容や取材結果内容,シナリオとビデオデータの対応関係を確認したりすることができる。また,各部署に設けられる上記各端末装置は,かかるメタデータを自動認識することにより,例えば,セットアップ情報やビデオデータ内の特徴点に関する情報を取得したり,シナリオとビデオデータの対応関係を把握したりすることができる。
また,かかるメタデータは,各部署(各端末装置)内だけで独立して利用される場合であっても有用であるが,さらに,かかるメタデータを複数の部署(端末装置)間で共通して利用可能に構成することにより,映像プログラムの制作効率や品質をより高めることができる。
このように複数の部署および装置間でメタデータを共用するためには,例えば,当該メタデータの表記形式がある程度は統一されていることが好ましい。このため,本実施形態では,例えば,メタデータを記述するための言語を1つの言語で統一している。これにより,メタデータの表記形式をある程度は標準化して,互換性を高めることができる。さらに,本実施形態では,かかるメタデータを記述するための言語として,例えばXMLを採用している。このXMLは,拡張可能なマークアップ言語であり,汎用性が高く,文法が比較的単純で修得しやすいという利点を有する。このため,かかるXMLでメタデータを記述することにより,不特定のユーザがメタデータの記述内容を容易に理解,修正することができる。
<2.2 プログラムメタデータ>
次に,図2に基づいて,本実施形態で利用されるメタデータの具体例であるプログラムメタデータについて説明する。なお,図2は,本実施形態にかかるプログラムメタデータの構成を例示する説明図である。
プログラムメタデータは,例えば,映像プログラムの制作に必要な各種のメタデータが表形式で構造化された表データ(即ち,構成表メタデータ)であり,例えば,映像プログラム毎に1つのメタデータファイルで管理されるものである。
このプログラムメタデータは,図2に示すように,例えば,映像プログラムの構成単位である取材,シーン,カットなどに応じて,プログラム識別階層,取材階層,シーン階層,カット階層などからなる階層構造を有している。なお,カットとは,企画段階(即ち,シナリオ作成時)における映像プログラムを構成する最小単位である。図2の例では,映像プログラムは例えば13つのカットから構成されている。また,シーンとは,企画段階における映像プログラムを構成する中規模単位であり,1又は2以上の上記カットから構成される。図2の例では,映像プログラムは例えば5つのシーンから構成されている。また,取材とは,企画段階における映像プログラムを構成する最大単位であり,1又は2以上の上記シーンから構成される。図2の例では,映像プログラムは例えば2つの取材から構成されている。このように,プログラムメタデータは,プログラム識別階層を頂点とし,取材階層,シーン階層,カット階層に遷移するにつれて徐々に細分化されるようなツリー構造を有する。
また,プログラムメタデータの各階層において,例えば,上方の欄に記入されている取材,シーン,カットほど,シナリオ順が先であることを示す。例えば,図2に示す映像プログラムを構成する5つのシーンのうち,最上段の欄のシーンがシナリオの最初のシーンであり,一方,最下段の欄のシーンがシナリオの最終のシーンとなる。
次に,上記のような階層構造を有するプログラムメタデータの内容について説明する。プログラムメタデータには,例えば,上記制作指示情報,撮影状況情報およびテイク関連付け情報等のメタデータが含まれている。これらのうち,例えば,制作指示情報および撮影状況情報は,階層構造化されて各階層に含まれている。これにより,映像プログラムの制作指示(シナリオ)や取材中に得た情報等の制作者の意図や認識に関連するメタデータを,明確かつ簡潔に表現することができる。一方,テイク関連付け情報は,例えば,カット階層にのみ含まれている。以下に,この制作指示情報,撮影状況情報およびテイク関連付け情報についてそれぞれ説明する。
まず,制作指示情報は,企画構成部署が,取材部署や編集部署などに映像プログラムの制作内容を指示するために作成するメタデータであり,映像プログラムのシナリオに該当するメタデータである。この制作指示情報データは,例えば,企画構成部署担当者の入力に基づいて上記企画用端末装置10などによって生成され,プログラムメタデータ内の該当欄に書き込まれる。映像プログラムの制作を分担する各部署は,かかる制作指示情報を閲覧することにより,制作指示内容,シナリオなどを把握できる。
かかる制作指示情報は,例えば,プログラムメタデータにおいて,プログラム識別階層全体,取材階層の「取材指示」,シーン階層の「シーン指示」,およびカット階層の「カット指示」の欄に含まれる。
具体的には,図2に示すように,プログラム識別階層の欄には,例えば,当該プログラムメタデータに対応する映像プログラムを識別するための識別データとして,映像プログラムID([ID]の項目)と,映像プログラムのタイトル名([Ttl]の項目)などの情報が含まれている。
また,取材階層の「取材指示」の欄には,上記制作指示情報として,例えば,取材毎に付される固有のIDである取材ID([ID]の項目),取材タイトル([Ttl]の項目),当該取材を担当するカメラマン名([Cam]の項目),当該取材を担当するレポータ名([Rep]の項目),当該取材の場所([Plc]の項目),当該取材の開始時刻および終了時刻の指示([Tim]の項目),当該取材の目的,概要などの取材指示内容([Dsc]の項目)などの情報が含まれる。
また,シーン階層の「シーン指示」の欄には,上記制作指示情報として,例えば,取材を構成する各シーンに対して例えば通し番号で付されるシーン番号([No]の項目),シーンタイトル([Ttl]の項目),当該シーンの概要,展開などシーン構成を指示するための取材指示内容([Dsc]の項目)などが含まれる。
また,カット階層の「カット指示」の欄には,上記制作指示情報として,例えば,シーンを構成する各カットに対して例えば通し番号で付されるカット番号([No]の項目),撮影すべきカット内容を指示するためのカットタイトル([Ttl]の項目)などの情報が含まれる。
また,撮影状況情報は,例えば,カット階層以上の各階層(例えば,カット階層,シーン階層,取材階層等)に対応した撮影状況に関するメタデータである。かかる撮影状況情報は,例えば,取材部署担当者の入力に基づいてフィールドPC50などによって生成され,プログラムメタデータ内の該当欄に書き込まれる。映像プログラムの制作を分担する各部署は,かかる撮影状況情報を閲覧することにより,映像撮影時における撮影状況を把握できる。
かかる撮影状況情報は,例えば,プログラムメタデータにおいて,取材階層の「取材メモ」,シーン階層の「シーンメモ」,およびカット階層の「カットメモ」の欄に含まれる。
具体的には,取材階層の「取材メモ」の欄には,上記撮影状況情報として,例えば,取材担当者が取材全体を通して気づいた連絡事項,注意事項および提案事項,取材場所の特徴および印象,取材作業全体で発生した事項などの取材メモ内容([Dsc]の項目)などの情報が含まれる。
また,シーン階層の「シーンメモ」の欄には,上記撮影状況情報として,例えば,取材担当者がシーンレベルで気づいた連絡事項,注意事項および提案事項,撮影したシーンの特徴および印象,シーンの撮影作業で発生した事項などのシーンメモ内容([Dsc]の項目)などの情報が含まれる。
また,カット階層の「カットメモ」の欄には,上記撮影状況情報として,例えば,取材担当者がカットレベルで気づいた連絡事項,注意事項および提案事項,撮影したカットの特徴および印象,カットの撮影作業で発生した事項などのカットメモ内容([Dsc]の項目)などの情報が含まれる。
また,テイク関連付け情報は,上記テイクのビデオデータなどを,カットに関連付けるためのメタデータである。かかるテイク関連付け情報は,例えば,取材部署または編集部署担当者の入力に基づいて,取材用端末装置20または編集用端末装置30によって生成され,プログラムメタデータのカット階層内の「テイク関連付け情報」の欄に書き込まれる。映像プログラムの制作を分担する各部署は,かかるテイク関連付け情報を閲覧することにより,カットに対していかなるテイクが割り当てられているかを把握できる。さらに,編集用端末装置30なども,例えば,かかるテイク関連付け情報に基づいて,カットとテイクの関連性を自動的に判断することができる。
より具体的には,このテイク関連付け情報は,図2に示すように,例えば,「テイクデータ」(「テイク番号」,「In点」および「Out点」)情報,「OK/NG」情報,「ビデオファイル名」情報,「ローレゾファイル名」情報および「テイクメタデータファイル名」情報などからなる。
「テイクデータ」の欄には,例えば,テイク毎に付される固有の番号であるテイク番号([No]の項目),編集作業において決定された編集開始位置(In点)のタイムコードであるIn点情報([In]の項目)と,編集終了位置(Out点)のタイムコードであるOut点情報([Out]の項目)などの情報が含まれる。
また,「OK/NG」の欄には,例えば,当該カットに関連付けられた1又は2以上のテイクの中から,いずれを採用(「OK」)し,いずれを不採用(「NG」)とするかを表す情報であるOK/NG情報が含まれる。
また,「ビデオファイル名」の欄には,当該テイクのオリジナル映像が記録されているファイル名の情報が含まれ,「ローレゾファイル名」の欄には,当該テイクのローレゾ映像が記録されているファイル名の情報が含まれる。また,「テイクメタデータファイル名」の欄には,関連付けられたテイクに対応するテイクメタデータ(後述する)のファイル名の情報が含まれる。
上記のような情報を含むテイク関連付け情報によって,プログラムメタデータ内のカットに対して,テイクを従属させることができる。例えば,図2の例では,プログラムID:「P2002−10」,取材ID:「A2002−1001」,シーン番号:「1」,カット番号:「1」で特定されるカット(最上段の欄のカット)には,テイク番号「1」および「2」で特定される2つのテイクがリンクされている。このように,テイク関連付け情報は,企画構成部署側で意図したカットと,取材部署側で得た実際の映像素材とを結びつける機能を有する。
以上,図2に基づいて,プログラムメタデータの構成及び内容について説明した。なお,プログラムメタデータの内容は,上記例に限定されず,上記以外にも,例えば,取材用機材の指示,制作スケジュール,作業の進捗状況,代表的な静止画像(サムネイルデータ),他部署の作業に関するメモなど,映像プログラムの制作に関わる各種のメタデータを含むようにしてもよい。
ところで,上記図2では,説明の便宜のため,プログラムメタデータを表形式で表示された態様で表現した。しかし,かかるプログラムメタデータは,実際には,例えばXMLで記述されたXML文書データである。
ここで,図3および図4に基づいて,本実施形態にかかるプログラムメタデータのXMLによる記述例について説明する,なお,図3および図4は,上記図2で説明したプログラムメタデータのXMLによる記述例を示す説明図である。
図3および図4に示すように,プログラムメタデータは,例えば,本願発明者らがプログラムメタデータ用に独自に開発したXML表記形式で記述されている。当該プログラムメタデータの表記形式が,かかる独自のXML表記形式であることは,例えば,実質的な先頭の開始タグである<ProgramMetadata id=“P2002−10” title=“東西麺つゆの境界線”>のタグ(即ち,「B」のタグ)により,識別することができる。
かかるプログラムメタデータの記述内容を詳細に説明すると,まず,「A」の部分は,XML宣言を行う部分である。また,「B」および「B’」の部分は,上記プログラム識別階層に含まれる情報が記述されている部分であり,かかる部分により当該プログラムメタデータがいかなる映像プログラムに属するものであるかを識別することができる。また,「C」および「C’」のタグは,これらのタグで囲まれる部分には,プログラムメタデータのコンテンツが記述されていることを表す。
「D」の部分は,取材IDが「A2002−1001」である取材について,上記取材階層の「取材指示」に含まれる情報が記述されている部分である。また,「E」の部分は,当該取材について「取材メモ」に含まれる情報が記述されている部分である。
「F」の部分は,上記取材におけるシーン番号1のシーン(以下では,シーン1という。他の番号,他の階層についても同様とする。)について,上記シーン階層およびカット階層に含まれる情報が記述されている部分である。詳細には,シーン1は例えばカット1およびカット2から構成されており,さらに,カット1にはテイク1とテイク2が従属し,カット2にはテイク3が従属している。従って,「G」の部分には,カット1について,上記カット階層の「カット指示」および「カットメモ」に含まれる情報と,テイク1およびテイク2についての「テイク関連付け情報」に含まれる情報が記述されている。一方,「H」の部分には,カット2について,上記カット階層の「カット指示」および「カットメモ」に含まれる情報と,テイク3についての「テイク関連付け情報」に含まれる情報が記述されている。また,「I」の部分には,シーン1についての「シーンメモ」に含まれる情報が記述されている。
「J」の部分は,上記取材におけるシーン2について,上記シーン1の場合と同様にして,シーン階層およびカット階層に含まれる情報が記述されている部分である。なお,この「J」の部分の後には,取材IDが「A2002−1002」である取材についてのメタデータが記述されているが,この記載は省略する。
以上,プログラムメタデータのXMLによる記述例について説明した。上記の記述例では,例えば,<Assignment>,<Scene>,<Cut>,<Take>タグなどを用いて,プログラムメタデータに含まれるメタデータを分割して,分かり易く記述しているので,任意のユーザがかかるプログラムメタデータを容易に理解,修正することができる。なお,上記記述例では,タグ名やXML文書構造などのメタデータ表記形式を,本願発明者らによる独自の表記形式としたが,かかる例に限定されず,同様の内容のプログラムメタデータを,後述する別のメタデータ表記形式で記述することも可能である。
<2.3 テイクメタデータ>
次に,図5に基づいて,本実施形態で利用されるメタデータの具体例であるテイクメタデータについて詳細に説明する。なお,図5は,本実施形態にかかるテイクメタデータの構成を例示する説明図である。
図5に示すように,テイクメタデータは,例えば,個々のテイクに対応する撮影状況,撮影条件等に関するメタデータであり,例えば,テイクごとに1つのメタデータファイルで管理されるものである。このテイクメタデータは,例えば,撮像装置40によってあるテイクのビデオデータが記録されると,このテイクのビデオデータと1対1対応して作成される。換言すると,例えば,テイクの撮影が行われる度に,新たなテイクメタデータファイルが作成される。また,かかるテイクメタデータは,例えば,上記プログラムメタデータ内のテイク関連付け情報によって,同一のテイクのビデオデータとともに上記カット階層のカットに関連付けられてもよい。
次に,テイクメタデータの内容について詳細に説明する。テイクメタデータには,例えば,テイク撮影条件情報,テイク撮影状況情報などのメタデータが含まれている。このテイク撮影条件情報とは,例えば,テイクの撮影条件や,機器のセットアップ情報,撮影状態その他のテイクに関する客観的なメタデータである。かかるテイク撮影条件情報は,例えば,撮像装置40などによって自動的に生成され,テイクメタデータ内に書き込まれる。また,テイク撮影状況情報とは,例えば,テイクの撮影処理レベルでの撮影状況に関する主観的なメタデータである。かかるテイク撮影状況情報は,例えば,取材部署担当者の入力に基づいてフィールドPC50などによって生成され,テイクメタデータ内に書き込まれる。
具体例を挙げて説明すると,図5に示すように,テイクメタデータには,上記テイク撮影状況情報として,例えば,テイクの撮影時において,取材担当者が気づいた連絡事項,注意事項および提案事項,テイクの特徴および印象,テイクの撮影作業で発生した事項,当該テイクのビデオデータに関する事項などのテイクメモ内容([Dsc]の項目)などの情報が含まれる。
また,テイクメタデータには,上記テイク撮影条件情報として,例えば,当該テイクの撮影を行った日付([Date]の項目),テイクの撮影を行った時刻([Time]の項目),当該テイクの撮影を行った場所の緯度および経度情報(GPS情報など)([Pos]の項目),当該テイクの撮影を行った撮像装置40の機種や機器番号([Machine]の項目),機器設定情報([Setup]の項目)などの情報が含まれる。
このうち,機器設定情報は,例えば,当該テイクの撮影を行った撮像装置40のセットアップ情報などである。この機器設定情報は,例えば,テイク撮影時のカメラのフィルタの種類,ホワイトバランススイッチ,ゲインスイッチ,DCC(ダイナミックコントラストコントロール)スイッチ,シャッタスイッチ,エクステンダースイッチ等の状態(スイッチのon/offやレベル等)などである。
また,テイクメタデータは,上記以外にも,例えば,対応するビデオデータ内の代表的な静止画像に関するサムネイルデータ,当該ビデオデータのコンテンツの特徴点に関する電子マークデータなどを含んでもよい。
また,例えば,上記プログラムメタデータに含まれていたテイク関連付け情報を,テイクメタデータに含めるようにしても良い。即ち,テイクメタデータTMが,例えば,対応するビデオデータのビデオデータファイル名情報,ローレゾファイル名情報や,当該ビデオデータのIn点およびOut点情報,テイク番号,OK/NG情報などを含むようにしてもよい。
以上,図5に基づいて,テイクメタデータの構成及び内容について説明した。以上のようなテイクメタデータを参照することによって,映像プログラムの制作を分担する各部署は,例えば,テイクメタデータに対応するビデオデータの内容,撮影条件,機器のセットアップ状態などを把握できる。かかるテイクメタデータ内の情報は,特に,編集部署においてビデオデータの編集作業を行う際に有用である。
ところで,上記図5では,説明の便宜のため,テイクメタデータを表形式で表示された態様で表現した。しかし,かかるテイクメタデータは,実際には,例えばXMLで記述されたXML文書データである。
ここで,図6に基づいて,本実施形態にかかるテイクメタデータのXMLによる記述例について説明する,なお,図6は,上記図5で説明したテイクメタデータのXMLによる記述例を示す説明図である。
図6に示すように,テイクメタデータは,例えば,本願発明者らがプログラムメタデータ用に独自に開発したXML表記形式で記述されている。当該プログラムメタデータの表記形式が,かかる独自のXML表記形式であることは,例えば,実質的な先頭の開始タグである<TakeMetadata no=“1”>のタグ(即ち,「B」のタグ)により,識別することができる。
かかるテイクメタデータの記述内容を詳細に説明すると,まず,「A」の部分は,XML宣言を行う部分である。また,「B」および「B’」の部分は,テイクメタデータを識別するための情報が記述されている部分であり,かかる部分により当該テイクメタデータがいかなるテイクに属するものであるかを識別することができる。
「C」の部分は,当該テイクに関するテイク撮影状況情報(即ち,テイクメモ内容)が記述されている部分である。また,「D」の部分は,当該テイクの撮影を行った日付,時間,緯度経度の情報が記述されている部分である。また,「E」の部分は,当該テイクの撮影を行った撮像装置40の機種や機器番号,および機器設定情報が記述されている部分である。
以上,テイクメタデータのXMLによる記述例について説明した。なお,上記記述例では,タグ名やXML文書構造などのメタデータ表記形式を,本願発明者らによる独自の表記形式としたが,かかる例に限定されず,同様の内容のテイクメタデータを,後述する別のメタデータ表記形式で記述することも可能である。
<2.4 メタデータの別の表記形式>
上記では,例えばメタデータプログラムメタデータおよびテイクメタデータが,例えば,本願発明者ら独自のXMLベースの表記形式で記述されている場合について詳細に説明した。しかし,本実施形態にかかるメタデータは,例えば,上記表記形式以外にも,映像作品の制作分野において用いられる任意のXMLベースの表記形式で記述されていてもよい。かかるXMLベースの表記形式で記述されたメタデータは,各標準化団体の方針やユーザの個別要求などに応じて多様なものが存在するが,その具体例を挙げると,例えば,「Dublin Coreメタデータ」,「MPEG−7メタデータ」,「Geneva Schemeメタデータ」,「MOSメタデータ」,その他,「カスタマー独自のメタデータ」などがある。
詳細には,「Dublin Coreメタデータ」は,Dublin Core Metadata Initiativeによって制定された標準仕様で記述されたメタデータであり,限定された少数の要素を標準化して記述することを特徴とする。また,「MPEG−7メタデータ」は,MPEG−7(Moving Picture Expert Group Phase7)規格のメタデータである。また,「Geneva Schemeメタデータ」は,BPRLで検討中のMXF Geneva SchemeのXML版のメタデータである。また,「MOSメタデータ」は,MOS(Media Object Server)プロトコルに基づくメタデータである。また,「カスタマー独自のメタデータ」は,各ユーザが,上記標準化メタデータを基に,或いは全く独自に,自己の要望に応じて作成したメタデータなどである。
<3.メタデータ変換の概容>
次に,本実施形態にかかるメタデータの変換の概要について説明する。
上記映像プログラム制作支援システム1を構成する各端末装置は,例えば,XMLベースのメタデータを解釈して,かかるメタデータに基づいて所定の処理を実行するメタデータアプリケーション処理部を備えている。このメタデータアプリケーション処理部は,例えば,ある特定の表記形式のメタデータに対応して構成されており,それ以外の表記形式のメタデータが入力されても認識,処理することができない。
一方,XMLではシンタックスが厳密に規定されていることから,XMLで記述されたメタデータの表記形式は,例えば,XSLT(Extensible Stylesheet Language Transformations)などを用いて容易に変換することができる。従って,例えば,XSLTエンジンなどの変換エンジンを,上記メタデータアプリケーション処理部の入出力処理部に導入することにより,メタデータアプリケーション処理部は,任意の表記形式のメタデータの入出力に対応することができる。
ここで,図7に基づいて,このようなXSLTエンジンによるメタデータ変換の概略について説明する。なお,図7は,本実施形態にかかるXSLTエンジンによるメタデータの変換を概念的に示す説明図である。
図7に示すように,例えば,撮像装置40などの各端末装置のメタデータ入出力処理部には,XSLTエンジン70が設けられている。このXSLTエンジン70は,例えば,外部から提供されたXMLベースの任意の表記形式のメタデータ(以下では,外部メタデータという。)72を,変換テーブル74を用いて,メタデータアプリケーション処理部80が対応可能な表記形式のメタデータ(以下では,内部メタデータという。)76に変換することができる。この変換テーブル74は,外部メタデータと内部メタデータとの変換ルールを定義した変換定義書であり,XSL(eXtensible Stylesheet Language)文書などである。
このようなXSL文書などの変換テーブル74やXSLTエンジン70は,XML分野で汎用的に用いられている標準化技術であり,記述内容や構造が分かり易い上,これらに関する多様な有効な変換データ生成ツールが入手可能な状態にある。このため,任意のユーザが,変換テーブル74やXSLTエンジン70を,容易にカスタマイズすることが可能である。
上記端末装置内に設けられたメタデータアプリケーション処理部80は,例えば,DOM (Document Object Model)等の標準API(Application Programming Interface)78などを介して,上記内部メタデータにアクセスすることができる。この内部メタデータ76は,上記XSLTエンジン70によってメタデータアプリケーション処理部80が対応可能な表記形式に変換されている。このため,アプリケーション処理部80は,この内部メタデータ76を認識して,かかるメタデータに基づいて所定の処理を実行することができる。
上記のように,例えば,メタデータ入出力処理部にXSLTエンジン70などの変換エンジンを導入することにより,予め定めた変換テーブル74を別途準備するだけで,撮像装置40などの各端末装置が,外部から提供された任意の表記形式のメタデータを容易に認識,処理することが可能となる。
一方,上記XSLTエンジン70は,例えば,内部メタデータ76を,変換テーブル74を用いて,任意の表記形式の外部メタデータ72に逆変換することもできる。これにより,各端末装置は,内部で生成・編集したメタデータを,外部機器で用いられるメタデータの表記形式に変換して出力することも可能である。
<4.撮像装置>
次に,上記メタデータの変換機能を備えたビデオデータ処理装置として,本実施形態にかかるビデオデータ記録装置である撮像装置40について詳細に説明する。
<4.1 撮像装置の構成>
まず,図8に基づいて,本実施形態にかかる撮像装置40の構成について説明する。なお,図8は,本実施形態にかかる撮像装置40の概略的な構成を示すブロック図である。
図8に示すように,撮像装置40は,CPU402と,メモリ部404と,操作部406と,表示部408と,音声出力部410と,通信部412と,外部インタフェース414と,カメラブロック416と,ディスク装置418と,変換テーブルデータベース420と,メタデータ生成部422と,メタデータ入出力処理部430と,メタデータアプリケーション処理部480とを備える。
CPU402は,演算処理装置および制御装置として機能し,撮像装置40の各部の処理を制御することができる。また,メモリ部404は,例えば,RAM,ROM,フラッシュメモリなどで構成されており,CPU402の処理に関するデータ等の各種データ,およびCPU402の動作プログラム等を記憶または一時記憶する機能を有する。
操作部406は,例えば,各種のボタン,レバー,ダイヤル,タッチパネルなどの操作手段などから構成される。カメラマンは,かかる操作部406を手動で操作することにより,例えば,電源on/off操作,撮影操作,ビデオデータの記録・再生操作,ズーム操作,モード変更操作,メタデータの閲覧,作成,編集操作などを行うことができる。CPU402は,この操作部406に対する操作内容に基づいて,例えば,レンズの絞りまたはズームの調整,記録開始または終了などの各種処理をカメラブロック416の各部に実行させるための指示信号を生成する。また,この操作部406には,例えば,上記フィルタ切替スイッチ,ホワイトバランススイッチ,ゲインスイッチ,DCCスイッチ,シャッタスイッチ,エクステンダースイッチ等も含まれる。
表示部408は,ディスプレイ装置であり,例えば,ビューファインダー,液晶モニタなどで構成される。この表示部408は,撮影中のビデオデータ,または再生したビデオデータなどを表示することができる。これにより,カメラマンは,例えば,表示部408を見ながら,撮影する被写体の確認,撮像中のモニタリング,光ディスク3に記録されたビデオデータのチェック,或いはビデオデータの簡単な編集作業などを行うことができる。さらに,この表示部408は,例えば,セットアップ情報や上記プログラムメタデータなどの各種メタデータを,単独で或いは映像と重畳させて表示することもできる。
音声出力部110は,スピーカなどの発音装置と音声データ処理装置等から構成されており,ビデオデータの音声などを出力することができる。また,この音声出力部110は,例えば,後述するメタデータアプリケーション処理部480によって読み上げられた制作指示情報等のメタデータを音声出力することなどもできる。
通信部412は,例えば,企画用端末装置10および編集用端末装置30などの外部機器との間でネットワーク5を介して,各種メタデータや,ローレゾ映像のビデオデータなどの各種データを送受信することができる。例えば,この通信部412は,外部の機器から提供されたメタデータを受信して,このメタデータをメタデータ入出力処理部430に出力することができる。また,かかる通信部412は,例えばSDI(Serial Digital Interface)により上記データをネットワーク5を介して送信する場合には,KLV(Key Length Value)符号化などの符号化処理をすることもできる。
外部インタフェース414は,撮像装置40に例えばUSB(Univarsal Serial Bus),SCSI(Small Computer System Interface)などの規格で接続された周辺機器との間で,データの送受信を行う部位である。また,この外部インタフェース414は,例えば,メモリーカード,メモリースティック,フレキシブルディスクなどの記録媒体に対して,メタデータなどの各種データを読み書きするインタフェースとして機能することもできる。
カメラブロック416は,撮影処理を行い,ビデオデータを生成する機能を有する。このカメラブロック416は,例えば,被写体を撮像して映像信号を出力する撮像部と,撮影環境の音声を収集し音声信号を生成するマイク部と,映像信号および音声信号などからなるビデオ信号を処理するビデオプロセッサと,ビデオ信号をMPEG1,2などの方式で圧縮して上記ローレゾ映像などを生成するビデオ圧縮部と,タイムコードを生成してビデオデータに付加するタイムコード生成部(いずれも図示せず。)などを備える。
このうち撮像部は,例えば,光学系ブロックと,駆動系ブロックと,CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子(撮像デバイス)などから構成されている。光学系ブロックは,レンズ,絞り,フィルタなどからなり,被写体からの光学像を撮像素子に入射させることができる。駆動系ブロックは,例えば,レンズの絞り,ズーム,露出,フォーカスなどを調整することができる。撮像素子は,受光面に2次元的に設けられた光電変換素子からなる複数の画素により,上記光学像を光電変換して電気的な映像信号を出力することができる。
また,ビデオプロセッサは,例えば,撮像部により生成された映像信号に対して,A/D変換処理,ゲイン調整(AGC)処理,ホワイトバランス処理,γ(ガンマ)補正処理,シェーディング補正,輪郭補正するためのアパーチャー(aperture)処理,ノイズ減少させるためのCDS(correlated double sampling circuit:相関2重サンプリング)処理などを実行する。また,このビデオプロセッサは,音声信号などを処理することもできる。
ディスク装置418は,例えば,光ディスク3などの記録媒体に対して,上記カメラブロック416が生成したビデオデータ(ビデオ信号)を記録することができる。また,このディスク装置418は,例えば,上記記録媒体などに対して,例えばメタデータ生成部422などが生成・編集したメタデータを記録することもできる。かかる観点では,このディスク装置418は,例えば,記録媒体にビデオデータとメタデータを関連付けて記録するビデオデータ記録部として機能することができる。また,ディスク装置418は,例えば,上記記録媒体に記録されたビデオデータを再生することもできる。また,かかるディスク装置418は,外部から提供された記録媒体に記録されているメタデータを読み出して,メタデータ入出力処理部430に出力することもできる。
変換テーブルデータベース420は,本実施形態にかかる特徴部であり,例えば,上記メタデータの変換テーブルを貯蔵する記録装置である。この変換テーブルは,外部から提供されたメタデータ(即ち,上記外部メタデータ)と,撮像装置40が対応可能な表記形式のメタデータ(即ち,上記内部メタデータ)と間の変換定義が記述されたXSL文書などである。変換テーブルデータベース420には,多様な種類の外部メタデータに対応した変換テーブルが,例えば複数記録されている。なお,かかる変換テーブルは,例えば,外部から上記ネットワーク5,またはメモリーカード等の記録媒体を介して提供されてもよいし,或いは取材部署担当などの入力に基づいて撮像装置40内で生成されてもよい。
メタデータ生成部422は,例えば,テイクメタデータ等のメタデータを新規に生成する機能を有する。
具体的には,メタデータ生成部422は,例えば,上記テイク毎にテイクメタデータを新規に作成し,作成したテイクメタデータのコンテンツとして上記テイク撮影条件情報などを記入することができる。
より詳細には,カメラブロック416によって1回のテイクの撮影処理がなされた場合に,メタデータ生成部422は,例えば,かかるテイクに関するテイクメタデータのファイルを自動的に新規作成する。次いで,メタデータ生成部422は,例えば当該テイクに関する撮影条件,セットアップ情報などを撮像装置40内の各部から収集し,上記テイク撮影条件情報を自動的に生成する。例えば,メタデータ生成部422は,上記タイムコード生成部から,当該テイクの撮影処理を開始した日付および時間情報を取得したり,メモリ部404などからAGCゲインのレベル,ホワイトバランススイッチの状態およびDCCスイッチのon/offなどの撮像装置40の設定情報を取得したりできる。さらに,メタデータ生成部422は,このように生成したテイク撮影条件情報を,例えば,上記新規作成したテイクメタデータのファイルに,XMLをベースとした内部メタデータの表記形式で記述する。なお,以上のようにして作成されたテイクメタデータなどは,例えば,メモリ部404や光ディスク3などに記録される。
メタデータ入出力処理部430は,本実施形態にかかる特徴部であり,上記図7で説明したように,例えば,外部メタデータを内部メタデータに変換した上で,メタデータアプリケーション処理部480に対して出力する機能を有する。このメタデータ入出力処理部430は,例えば,メタデータ表記形式識別部432と,変換テーブル選択部434と,メタデータ表記形式変換部436とを備える。
以下に,図9〜図11を参照しながら,かかるメタデータ入出力処理部430の各部の機能について詳細に説明する。なお,図9は,外部メタデータの一例であるMOSメタデータによる取材指示情報の記述例を示す説明図である。また,図10は,MOSメタデータおよび内部メタデータに対応した変換テーブルの具体例を示す説明図である。また,図11は,変換された内部メタデータによる取材指示情報の記述例を示す説明図である。
メタデータ表記形式識別部432は,外部メタデータの表記形式を識別する機能を有する。詳細には,このメタデータ表記形式識別部432には,例えば,企画端末装置10など外部から提供された外部メタデータが,通信部412,外部インタフェース414またはディスク装置418などを介して入力される。この外部メタデータは,例えば,XMLで記述されているが,その表記形式が内部メタデータとは異なるものとする。
メタデータ表記形式識別部432は,例えば,このように入力された外部メタデータからタグを検出することにより,この外部メタデータの表記形式を識別することができる。即ち,XMLで記述されたメタデータは,開始タグがメタデータの種類ごとに規定されている。このため,メタデータ表記形式識別部432は,例えば,外部メタデータ内に記述されている先頭または最後の開始タグなどを検出することにより,当該外部メタデータの種類を特定することができる。
例えば,MPEG−7メタデータは,必ず<Mpeg7>なるタグで開始し,</Mpeg7>なるタグで終了する。よって,メタデータ表記形式識別部432は,<Mpeg7>及び</Mpeg7>のタグを検出した場合には,当該メタデータは<Mpeg7>フォーマットで記述されたメタデータあると特定する。また,例えば,<TakeMetadata>及び</TakeMetadata>というタグを検出した場合には,本願発明者ら独自の表記形式のテイクメタデータであると特定する。
外部メタデータの実例をあげてより具体的に説明すると,例えば,図9に示すような外部メタデータが,メタデータ表記形式識別部432に入力されたとする。この場合には,メタデータ表記形式識別部432は,例えば,先頭および最後のタグである<mos>及び</mos>のタグを検出することにより,当該外部メタデータがMOSメタデータであると識別することができる。
変換テーブル選択部434は,変換テーブルDB420に記録されている例えば複数の変換テーブルの中から,上記メタデータ表記形式識別部432によって識別された外部メタデータの表記形式に対応する変換テーブルを選択する機能を有する。即ち,変換テーブル選択部434は,外部メタデータを内部メタデータに変換するための変換テーブルを選択することができる。
例えば,外部メタデータの種類が図9に示したようなMOSメタデータであると識別された場合には,変換テーブル選択部434は,例えば,外部メタデータであるMOSメタデータと,内部メタデータである本願発明者ら独自形式のプログラムメタデータとに対応する変換テーブルを選択する。この変換テーブルには,図10に示すように,MOSメタデータのタグを内部メタデータのタグに変換するための,タグ名変換ルールが記述されている。例えば,MOSメタデータの<afObj>なるタグは,内部メタデータの<Aquisition>なるタグに変換するよう定義されている。また,例えば,MOSメタデータの<afID>なるタグは,内部メタデータの<Assignment@id>なるタグに変換するよう定義されている。なお,この<Assignment@id>タグに変換するとは,MOSメタデータの「afID」要素の内容を,内部メタデータの「Assignment」要素が持つid属性として,記述することを意味する。
メタデータ表記形式変換部436は,上記変換テーブル選択部434によって選択された変換テーブルに基づいて,外部メタデータの表記形式を内部メタデータの表記形式に変換する機能を有する。このメタデータ表記形式変換部436は,例えば,XSLTエンジンなどの変換エンジンで構成されており,上記図7のXSLTエンジン70に対応する部分である。かかるメタデータ表記形式変換部436は,上記選択された変換テーブルに従って,例えば,外部メタデータのタグを,内部メタデータのタグに変換する。
具体的には,メタデータ表記形式変換部436は,例えば,図9に示したMOSメタデータに従う取材指示メタデータを,図10に示した変換テーブルに基づいて変換し,図11に示すような内部メタデータに従う取材指示メタデータ(即ち,プログラムメタデータの「取材指示」欄の一部に該当する。)を生成する。図9および11に示すように,図9の外部メタデータの「A」および「A’」,「B」,「C」および「C’」,「D」,並びに「E」の部分が,それぞれ,図11の内部メタデータの「a」および「a’」,「b」,「c」および「c’」,「d」および「d’」,並びに「e」の部分に対応している。
詳細には,まず,(「A」および「A’」)→(「a」および「a’」)の部分については,例えば,<mos>等のタグが,<ProgramMetadata>等のタグに変換されている。
また,「B」→「b」の部分については,例えば,外部メタデータの特有の項目であり変換テーブルに定義がないため,<mosID>および<ncsID>のタグが,<mos:mosID>および<mos:ncsID>のタグに変換されている。このように,外部メタデータ特有の項目は,例えば,その名前空間を含めたタグに変換(具体的には,例えば「mos:」なる接頭語を付加する)して保持されている。
また,(「C」および「C’」)→(「c」および「c’」)の部分については,例えば,<afObj>等のタグが,<Acquisition>等のタグに変換されている。
また,「D」→「d」の部分については,例えば,<afID>および<afSlug>等のタグが<Assignment>等のタグに統一して変換されるとともに,afIDおよびafSlug要素の内容が,Assignment要素が持つid属性,title属性として記述されている。
また,「D」の部分については,例えば,<photographer>,<reporter>および<description>等のタグが,<Cameraman>,<Reporter>および<Description>等のタグに変換されている。
このように,メタデータ表記形式変換部436は,外部メタデータを,メタデータアプリケーション処理部80が対応可能な内部メタデータの表記形式に変換することができる。このため,メタデータアプリケーション処理部480は,かかる変換されたメタデータを認識,処理することが可能となる。
なお,外部メタデータと内部メタデータのメタデータ構成要素は必ずしも一対一対応している訳ではないが,上記の変換例のように,例えば,外部メタデータ特有の項目はその名前空間を含めたタグ名に変換して保持することで,当該メタデータアプリケーション処理部480はこれらを効率的に読み飛ばすことができるだけでなく,逆変換が必要となった場合も元の情報を保つことが可能となる。
他方,内部メタデータでは定義されているものの,外部メタデータには存在しない項目(例えばFieldNoteやScene要素など)については,例えば,内部メタデータへの変換時に単にこれらを生成しないことで対処できる。
次に,メタデータアプリケーション処理部480は,例えば,上記表記形式が変換されたメタデータに基づいて,撮像装置40内におけるビデオデータに関連する処理などの各種の処理を制御する機能を有する。かかる観点では,メタデータアプリケーション処理部480は,本実施形態にかかる制御処理部として機能する。
上記のように,メタデータ表記形式変換部436は,例えば,メタデータアプリケーション処理部480が対応不能な外部メタデータを,メタデータアプリケーション処理部480が対応可能な内部メタデータの表記形式に変換することができる。メタデータアプリケーション処理部480は,例えば,かかる変換されたメタデータファイルを解釈し,必要なメタデータを抽出することができる。さらに,メタデータアプリケーション処理部480は,例えば,この抽出したメタデータを利用して,撮像装置40における多様なアプリケーション処理を実行することができる。
以下に,このメタデータアプリケーション処理部480によるメタデータに基づく制御処理の具体例について,説明する。
まず,メタデータアプリケーション処理部480による撮像装置40の再セットアップ処理について説明する。メタデータアプリケーション処理部480は,例えば,以前に撮影したときに記録したセットアップ情報などを含むメタデータを取得した場合には,かかるメタデータから抽出した各種のセットアップ情報を利用して,撮像装置40を例えば以前の撮影状態と同様に再セットアップすることができる。
より詳細には,メタデータアプリケーション処理部480は,例えば,前回あるいはそれ以前のテイク撮影時に記録した上記テイクメタデータなどが提供されると,このテイクメタデータなどから,当該テイクの撮影時における各種のセットアップ情報を抽出する。このセットアップ情報は,例えば,フィルタやエクステンダーの種類等のレンズに関する情報や,ホワイトバランス調整,シェーディング補正,ガンマ補正,ゲイン調整,DCC等に関するビデオ信号の処理値やスイッチの状態などである。メタデータアプリケーション処理部480は,カメラブロック416などに対して,これらのセットアップ情報に基づいたセットアップ指示を送り,カメラブロック416内の各部を以前と同様な撮影状態にセットアップするように制御することができる。これにより,撮像装置40を例えば前回の撮影状態に復活させることができる。このように,メタデータアプリケーション処理部480がメタデータに基づいて自動的に再セットアップを行うことにより,カメラマンなどが,煩雑なセットアップ操作を手動で行わなくても済むので便利である。
次に,メタデータアプリケーション処理部480によるメタデータの表示制御処理について説明する。メタデータアプリケーション処理部480は,解釈したメタデータを,表示部408に表示させる表示制御処理を実行することができる。
より詳細には,かかるメタデータアプリケーション処理部480は,例えば,入力されたプログラムメタデータやテイクメタデータなどのメタデータを解釈して,メタデータ内の項目を個別に扱いやすいような表形式に変換することができる。さらに,メタデータアプリケーション処理部480は,例えば,この表形式に変換されたプログラムメタデータやテイクメタデータなどを,ビューファインダーや液晶モニタなどの表示部408に表示させるよう制御することができる。また,このとき,メタデータアプリケーション処理部480は,例えば,プログラムメタデータなどの項目を絞り込んで表示させることもできる。このようなメタデータの表示制御処理により,カメラマンなどは,表形式のプログラムメタデータなどを閲覧して,撮影すべきシーン,カットの数や構成等を容易に認識することができる。また,テイクメタデータを閲覧することにより,撮影したテイクの撮影条件等を確認することもできる。
次に,メタデータアプリケーション処理部480によるメタデータの音声変換再生処理について説明する。メタデータアプリケーション処理部480は,例えば,プログラムメタデータやテイクメタデータなどのメタデータを解釈して音声信号に変換し,かかるメタデータの内容を音声出力部410から音声出力させるよう制御することができる。このようなメタデータの音声変換再生処理により,カメラマンなどは,読み上げられたプログラムメタデータなどの取材指示内容を聴いて,撮影すべきシーン,カットの数や構成等を容易に認識することができる。また,テイクメタデータの内容を聴くことにより,撮影したテイクの撮影条件などを確認することもできる。
次に,メタデータアプリケーション処理部480によるビデオデータのサムネイル表示制御処理について説明する。メタデータアプリケーション処理部480は,ビデオデータ内の代表的な静止画像のポイント(タイムコードなど)を表すメタデータであるサムネイルデータ値を認識することができる。さらに,メタデータアプリケーション処理部480は,上記認識したサムネイルデータ値に対応するビデオデータ内のフレームを表示部408にサムネイル表示させるよう制御することができる。このようなビデオデータのサムネイル表示制御処理により,カメラマンなどに対して,撮影したビデオデータ(映像素材)のビジュアルインデックス情報を提供することができる。
次に,メタデータアプリケーション処理部480によるシナリオと映像素材との関係付け処理について説明する。メタデータアプリケーション処理部480は,例えば,制作指示情報(シナリオ)を含むプログラムメタデータを取得した場合には,かかるプログラムメタデータに対して,撮影したテイクのビデオデータなどの映像素材を関連付けることができる。
より詳細には,メタデータアプリケーション処理部480は,例えば,テイクの撮影処理が行われる度に,上記テイク番号,OK/NG情報,ビデオファイル名,ローレゾファイル名およびテイクメタデータファイル名等からなるテイク関連付け情報などを例えば自動的に生成して,例えば,上記プログラムメタデータのカット階層の欄に追加記入することができる。このようにして,メタデータアプリケーション処理部480は,テイク関連付け情報を記入することにより,当該テイクのビデオデータおよびテイクメタデータを,上記プログラムメタデータ内のカットに関連付けることができる。また,かかるテイクの映像素材等をいずれのカットに関連付けるかは,例えば,カメラマンなどのカット選択操作に基づいて,決定される。このカット選択操作とは,例えば,カメラマンなどが,例えばタッチパネル方式のボタンを操作することなどにより,上記表示されたプログラムメタデータの制作指示情報に含まれる複数のカットの中から,これから撮影しようとするテイク或いは撮影済のテイクを割り当てるカットを選択する操作である。
このようにして,メタデータアプリケーション処理部480は,例えば,生成したテイク関連付け情報をプログラムメタデータに追加記入して,プログラムメタデータを編集することができる。この結果,メタデータアプリケーション処理部480は,制作指示(シナリオ)と映像素材とを関係付けることができる。
上記のように,メタデータアプリケーション処理部480によるメタデータに基づくアプリケーション処理の具体例について説明したが,これらはほんの一例であり,メタデータアプリケーション処理部480は,これら以外にも,ビデオデータに関する各種処理など,撮像装置40における多様な処理をメタデータに基づいて制御することができる。
<4.2 撮像装置の処理方法>
次に,図12に基づいて,本実施形態にかかる撮像装置40におけるメタデータに関する処理方法について説明する。なお,図12は,本実施形態にかかる撮像装置40の処理方法を示すフローチャートである。
図12に示すように,まず,ステップS102では,外部から提供されたXMLベースの任意の表記形式のメタデータ(即ち,外部メタデータ)が,取得される(ステップS102)。撮像装置40は,例えば,企画用端末装置10などの外部機器から,ネットワーク5或いは記録媒体などを介して,外部メタデータを取得する。詳細には,例えば,ネットワーク5を介して取得する場合には,撮像装置40の通信部412が,ネットワーク5を介して送信されてきた外部メタデータを受信して,メタデータ入出力処理部に430に出力する。一方,例えば,記録媒体を介して取得する場合には,外部インタフェース414またはディスク装置418が,記録媒体に記録されている外部メタデータを読み出して,メタデータ入出力処理部に430に出力する。
次いで,ステップS104では,上記取得されたメタデータの表記形式が識別される。(ステップS104:メタデータ表記形式識別工程)。メタデータ入出力処理部430のメタデータ表記形式識別部432は,例えば,入力された外部メタデータファイルから,開始タグなどを検出することにより,当該外部メタデータの表記形式を識別する。例えば,メタデータ表記形式識別部432は,<mos>なるタグを検出した場合には,外部メタデータの種類がMOSメタデータであると識別できる。
さらに,ステップS106では,識別されたメタデータの表記形式が,撮像装置40が対応可能な形式か否かが判定される(ステップS106)。例えば,メタデータ表記形式識別部432は,予め,撮像装置40のメタデータアプリケーション処理部480などが認識可能なメタデータ(即ち,内部メタデータ)の表記形式を知得している。従って,メタデータ表記形式識別部432は,上記ステップS104で識別した外部メタデータの表記形式が,この内部メタデータの表記形式と同一であるか否かを判定することができる。この結果,外部メタデータの表記形式が,メタデータアプリケーション処理部480が対応不能であると判定された場合には,ステップS108に進み,一方,対応可能であると判定された場合には,ステップS112に進む。
その後,ステップS108では,上記識別されたメタデータの表記形式に対応する変換テーブルが選択される(ステップS108:変換テーブル選択工程)。変換テーブル選択部434は,例えば,変換テーブルDB420に記録されている複数の変換テーブルの中から,上記ステップS104で識別された外部メタデータの表記形式と内部メタデータの表記形式に対応する1つの変換テーブルを選択する。
次いで,ステップS110では,上記選択された変換テーブルに基づいて,メタデータの表記形式が変換される(ステップS110:メタデータ変換工程)。メタデータ表記形式変換部436は,上記ステップS108で選択された変換テーブルに基づいて,外部メタデータの表記形式を内部メタデータの表記形式に変換する。これにより,取得した外部メタデータを,メタデータアプリケーション処理部480が認識可能な表記形式に変換することができる。
さらに,ステップS112では,各種のメタデータアプリケーション処理が実行される(ステップS112:処理制御工程)。メタデータアプリケーション処理部480は,例えば,上記表記形式が変換されて認識可能となったメタデータに基づいて,上記説明したような撮像装置40内における多様な処理を制御する。また,メタデータアプリケーション処理部480は,例えば,ステップS106で内部メタデータの表記形式と略同一であると判定された外部メタデータを,直接に認識して処理することもできる。
<5.編集用端末装置>
次に,上記メタデータの変換機能を備えたビデオデータ処理装置として,本実施形態にかかるビデオデータ再生装置である編集用端末装置30について詳細に説明する。
<5.1 編集用端末装置の構成>
まず,図13に基づいて,本実施形態にかかる編集用端末装置30の構成について説明する。なお,図13は,本実施形態にかかる編集用端末装置30の概略的な構成を示すブロック図である。
図13に示すように,編集用端末装置30は,CPU302と,メモリ部304と,入力部306と,表示部308と,音声出力部310と,通信部312と,外部インタフェース314と,ディスク装置316と,記録装置318と,変換テーブルDB320と,メタデータ入出力処理部330と,メタデータアプリケーション処理部380と,を備える。
CPU302は,演算処理装置および制御装置として機能し,編集用端末装置30の各部の処理を制御することができる。また,メモリ部304は,例えば,RAM,ROM,フラッシュメモリなどで構成されており,CPU302の処理に関する各種データ,CPU302の動作プログラム等を記憶する機能を有する。
入力部306は,例えば,マウス,キーボード,タッチパネルなどの一般的な入力装置(図示せず。)と,映像編集用入力装置(図示せず。)などから構成されている。この映像編集用入力装置は,例えば,In点を決定するIn点決定ボタン,Out点を決定するOut点決定ボタン,映像再生ボタン,停止ボタンなどの各種の編集用ボタンや,映像再生速度を調整したり,再生するビデオデータを選択したりするためのジョグダイヤル,レバーなどを備える。編集部署の担当者は,例えば,上記映像編集用入力装置を操作して,ビデオデータを多様に再生(早送りや巻き戻しなどを含む。)させたり,In点およびOut点を決定したりできる。
表示部308は,ディスプレイ装置であり,例えばCRTモニタや液晶モニタなどで構成される。この表示部308は,メタデータやビデオデータの映像などを表示することができる。
また,音声出力部310は,スピーカなどの発音装置と音声データ処理装置等から構成されており,ビデオデータの音声などを出力することができる。また,この音声出力部310は,例えば,後述するメタデータアプリケーション処理部380によって読み上げられた制作指示情報等のメタデータを音声出力することなどもできる。
通信部312は,例えば,企画用端末装置10および撮像装置40などの外部機器との間でネットワーク5を介して,各種メタデータや,ローレゾ映像のビデオデータなどの各種データを送受信することができる。例えば,この通信部312は,外部の機器から提供されたメタデータを受信して,このメタデータをメタデータ入出力処理部330に出力することができる。また,この通信部312は,例えばSDIにより上記データをネットワーク5を介して送信する場合には,KLV符号化などの符号化処理をすることもできる。上記のように,かかる通信部312によって受信したメタデータおよびローレゾ映像のビデオデータなどは,例えば,メモリ部304または記録装置318などに記録される。
外部インタフェース314は,編集用端末装置30に例えばUSB,SCSIなどの規格で接続された周辺機器との間で,データの送受信を行う部位である。この周辺装置は,例えば,外付けの各種ディスク装置,ハードディスクドライブ,プリンタ,スキャナなどである。
ディスク装置316は,例えば,撮像装置40などから提供された光ディスク3などの記録媒体に対して,ビデオデータ(ビデオ信号)を記録または再生する記録再生装置である。このディスク装置316は,例えば,編集用端末装置30に内蔵して構成することもできるし,或いは,外部インタフェース314を介して外付けして,編集用端末装置30とは別体に構成された記録再生装置として構成することもできる。また,後者の場合には,例えば,かかるディスク装置316に,上記のようなCPU,メモリ部,編集用入力装置,通信部,コンピュータインタフェース,表示制御部などを設けてもよい。
かかるディスク装置316は,例えば,光ディスク3に記録されているオリジナル映像またはローレゾ映像のビデオデータを再生して,表示部308に表示することができる。また,ディスク装置316は,例えば,光ディスク3などに記録されているメタデータを読み出して,メタデータ入出力処理部430に出力することもできる。
また,ディスク装置316は,例えば,ビデオデータを光ディスク3などに記録することもできる。例えば,ディスク装置316は,ネットワーク5を介して送信されてきたローレゾ映像のビデオデータや,編集処理により切り出されたビデオデータを,光ディスク3に記録することができる。また,ディスク装置316は,例えば,生成・編集されたメタデータを光ディスク3に記録することもできる。
また,ディスク装置316は,例えば,上記光ディスク3以外にも,フレキシブルディスク,ハードディスク,MO等の磁気ディスク,メモリースティック,メモリーカードなどの記録媒体に対して,メタデータ,各種アプリケーションプログラムなどを読み書きできるように構成してもよい。これにより,編集用端末装置30は,例えば,メモリーカードなどからメタデータを取得することも可能になる。
記録装置318は,例えば,ハードディスクドライブ等で構成されたストレージ装置であり,各種プログラム,メタデータ,オリジナル映像またはローレゾ映像等のビデオデータなどの各種データを格納することができる。
変換テーブルデータベース320は,本実施形態にかかる特徴部であり,例えば,上記メタデータの変換テーブルを貯蔵する記録装置である。この変換テーブルデータベース320の機能構成は,上記撮像装置40の変換テーブルデータベース420の機能構成と略同一であるので,その説明を省略する。なお,例えば,かかる変換テーブルデータベース320は,上記記録装置318内に設けられてもよい。
メタデータ入出力処理部330は,本実施形態にかかる特徴部であり,上記図7で説明したように,例えば,外部メタデータを内部メタデータに変換した上で,メタデータアプリケーション処理部380に対して出力する機能を有する。
このメタデータ入出力処理部430は,例えば,メタデータ表記形式識別部332と,変換テーブル選択部334と,メタデータ表記形式変換部336とを備える。なお,かかるメタデータ表記形式識別部332,変換テーブル選択部334およびメタデータ表記形式変換部336の機能構成は,上記撮像装置40におけるメタデータ表記形式識別部432,変換テーブル選択部434およびメタデータ表記形式変換部436の機能構成とそれぞれ略同一であるので,その説明は省略する。
メタデータアプリケーション処理部380は,例えば,上記メタデータ入出力処理部330によって表記形式が変換されたメタデータに基づいて,編集用端末装置30内におけるビデオデータに関連する処理などの各種の処理を制御する機能を有する。かかる観点では,メタデータアプリケーション処理部380は,本実施形態にかかる制御処理部として機能する。
メタデータ表記形式変換部336は,例えば,メタデータアプリケーション処理部380が対応不能な外部メタデータを,メタデータアプリケーション処理部380が対応可能な内部メタデータの表記形式に変換することができる。メタデータアプリケーション処理部380は,例えば,かかる変換されたメタデータファイルを解釈し,必要なメタデータを抽出することができる。さらに,メタデータアプリケーション処理部380は,例えば,この抽出したメタデータを利用して,編集用端末装置30における多様なアプリケーション処理を実行することができる。
以下に,このメタデータアプリケーション処理部380によるメタデータに基づく制御処理の具体例について,説明する。
まず,メタデータアプリケーション処理部380によるメタデータの表示制御処理および音声変換再生処理について説明する。メタデータアプリケーション処理部380は,解釈したメタデータを,表示部308に表示させる表示制御処理を実行することができる。また,メタデータアプリケーション処理部380は,例えば,プログラムメタデータやテイクメタデータなどのメタデータを解釈して音声信号に変換し,かかるメタデータの内容を音声出力部310から音声出力させるよう制御することができる。なお,かかるメタデータアプリケーション処理部380によるメタデータの表示制御処理および音声変換再生処理は,上記撮像装置40のメタデータアプリケーション処理部480によるメタデータの表示制御処理および音声変換再生処理と略同一なので,詳細説明は省略する。
かかるメタデータ表示制御処理および音声変換再生処理により,編集部署の担当者などは,表形式に整理されたプログラムメタデータなどを閲覧したり,或いは読み上げられた制作指示や取材状況を聴いたりして,編集しようとする映像プログラムのシナリオ,撮影時の状況などを把握することができる。また,編集部署の担当者は,例えば,一覧表示或いは個々に表示されたテイクメタデータを閲覧したり,読み上げられたテイクメタデータの内容を聴いたりして,テイクメタデータに対応するビデオデータの概容,撮影時の撮像条件などを把握することができる。
次に,メタデータアプリケーション処理部380によるビデオデータの表示制御処理について説明する。メタデータアプリケーション処理部380は,解釈したメタデータに基づいて,ビデオデータを表示部308に多様な態様で表示させる映像表示制御処理を実行することができる。
具体的には,例えば,メタデータアプリケーション処理部380は,プログラムメタデータに基づいて,シナリオ順に,OKのテイクのビデオデータを順次,連続再生(連続表示)するように制御できる。かかる連続再生処理についてより詳細に説明すると,まず,メタデータアプリケーション処理部380は,例えば,プログラムメタデータの制作指示情報に基づいて,カットのシナリオ順を知得する。さらに,メタデータアプリケーション処理部380は,テイク関連付け情報に基づいて,カットに従属するOKのテイクのビデオデータをシナリオ順に順次特定しながら,当該テイクのビデオデータをディスク装置316が順次再生するよう制御する。かかる処理により,シナリオ順にビデオデータを連続再生して,映像プログラムのプレビューが可能になる。
また,メタデータアプリケーション処理部380は,例えば,編集部署の担当者により選択された1のテイクのビデオデータのみを単独再生(単独表示)するように制御することもできる。かかる単独再生処理についてより詳細に説明すると,まず,メタデータアプリケーション処理部380はプログラムメタデータを表示部308に表示させる。次いで,編集部署の担当者によってプログラムメタデータ内の複数のテイクの中から閲覧所望のテイクが選択される(例えば,タッチスクリーン方式やGUI入力などで選択可能である。)と,メタデータアプリケーション処理部380は,テイク関連付け情報に基づいて,当該テイクのビデオデータ特定し,かかるビデオデータのみをディスク装置316が再生するよう制御する。これにより,ディスク装置316は,指示されたテイクのビデオデータのみを再生することができる。
さらに,メタデータアプリケーション処理部380は,かかるビデオデータの再生中に,例えば,プログラムメタデータまたはテイクメタデータなどの一部または全部を,映像にスーパーインポーズ表示することもできる。
このように,メタデータアプリケーション処理部380は,メタデータに基づいて,ビデオデータを多様な態様で表示制御することができる。これにより,映像編集前においては,編集部署の担当者は,所望するビデオデータを,所望の態様で迅速に閲覧できる。さらに,編集部署の担当者は,シナリオに従った順序で連続再生されたビデオデータを閲覧することにより,編集しようとする映像プログラムの全体構成やイメージを把握できる。このため,編集処理の効率化を図ることができる。また,編集処理後においては,編集部署の担当者は,連続再生されたビデオデータを閲覧することにより,完成した映像プログラムの内容を容易に確認できる。
また,メタデータアプリケーション処理部380は,例えば,上記撮像装置40のメタデータアプリケーション処理部480と同様にして,ビデオデータのサムネイル表示制御処理を行うことができる。このようなビデオデータのサムネイル表示処理により,編集部署の担当者などに対して,ビデオデータのビジュアルインデックス情報を提供することができる。
次に,メタデータアプリケーション処理部380による粗編集支援処理について説明する。メタデータアプリケーション処理部380は,例えば,編集部署の担当者の粗編集結果に基づいて上記In点情報およびOut点情報を生成し,かかる上記In点情報およびOut点情報をプログラムメタデータに追加記入することで粗編集を支援することができる。
より詳細には,粗編集処理は,例えば,テイクのビデオデータから,カットに相当する時間長分のビデオデータを抽出する処理である。かかる粗編集処理を行うときには,まず,編集部署の担当者が,例えば,粗編集しようとするカットに関連付けられているテイクのビデオデータを再生して,閲覧する。なお,かかるビデオデータの再生は,上記映像表示制御処理によって好適に行われるので,編集部署の担当者は,迅速かつ容易に粗編集作業を行うことができる。次いで,編集部署の担当者は,再生映像を閲覧しながら,所望の時点で上記In点決定ボタンまたはOut点決定ボタンを押下し,In点およびOut点を決定する。メタデータアプリケーション処理部380は,例えば,編集部署の担当者がIn点決定ボタンまたはIn点決定ボタンを押下したタイミングにおける,例えば当該ビデオデータに付されているタイムコードをそれぞれ抽出する。これにより,メタデータアプリケーション処理部380は,In点情報およびOut点情報を生成することができる。さらに,メタデータアプリケーション処理部380は,例えば,このようにして生成した上記In点情報およびOut点情報を,例えば上記プログラムメタデータの所定項目に記入する。これにより,例えば,プログラムメタデータが完成し,カットに関連付けられたテイクのビデオデータの有効範囲を特定することができる。
次に,メタデータアプリケーション処理部380によるビデオデータ編集処理について説明する。メタデータアプリケーション処理部380は,例えば,例えば,上記完成したプログラムメタデータに基づいて,映像プログラムを構成する全カットに対応するテイクのビデオデータを切り出し,切り出した複数のビデオデータをつなぎ合わせて記録するよう制御することができる。
より詳細には,メタデータアプリケーション処理部380は,まず,解釈した制作指示情報に基づいて,例えばシナリオの最初のカットを特定する。さらに,ビデオデータ編集部340は,例えば,プログラムメタデータのテイク関連付け情報に基づいて,当該カットに対応する「OK」のテイクを特定し,当該テイクのビデオデータのIn点情報およびOut点情報を取得する。次いで,メタデータアプリケーション処理部380は,ディスク装置316を用いて当該テイクのビデオデータを取得し,上記In点情報およびOut点情報に基づいて当該ビデオデータの有効映像部分を抽出する。さらに,メタデータアプリケーション処理部380は,例えば,ディスク装置316が,抽出されたビデオデータを新たな光ディスク3または記録装置318に記録するよう制御する。次いで,メタデータアプリケーション処理部380は,上記と同様にして,次のカットに対応するテイクのビデオデータを切り出して,上記先のテイクのビデオデータの例えば直後に記録するよう制御する。以上のような処理を繰り返すことで,メタデータアプリケーション処理部380は,必要なビデオデータをシナリオ順につなぎ合わせて記録する処理を制御することができる。このようなビデオデータ編集処理により,シナリオに従った映像プログラムのビデオデータを完成させることができる。
上記のように,メタデータアプリケーション処理部380によるメタデータに基づくアプリケーション処理の具体例について説明したが,これらはほんの一例であり,メタデータアプリケーション処理部380は,これら以外にも,ビデオデータに関する各種処理など,編集用端末装置30における多様な処理をメタデータに基づいて制御することができる。
<5.2 編集用端末装置の処理方法>
次に,本実施形態にかかる編集用端末装置30におけるメタデータに関する処理方法について説明する。編集用端末装置30において,メタデータアプリケーション処理部380が認識不能な外部メタデータを取得した場合には,まず,メタデータ表記形式識別部332が,取得した外部メタデータの表記形式を識別する。次いで,変換テーブル選択部334が,上記識別された表記形式に対応する変換テーブルを選択する。さらに,メタデータ表記形式変換部336が,上記選択された変換テーブルに基づいて,外部メタデータを内部メタデータの表記形式に変換する。この結果,メタデータアプリケーション処理部380は,上記変換され認識可能となったメタデータに基づいて,上記編集用端末装置30内の各種処理を制御することができる。なお,かかる編集用端末装置のメタデータ変換に関する処理方法は,上記図12で説明したような,撮像装置40の処理方法と略同一であるので,その詳細な説明は省略する。
以上説明したように,撮像装置40および編集用端末装置30は,例えば,メタデータ入出力処理部430,330を備えているので,内部のメタデータアプリケーション処理部480,380が対応不能な表記形式のメタデータを取得した場合であっても,かかるメタデータを対応可能な表記形式に的確に変換して,認識することができる。このため,撮像装置40および編集用端末装置30は,任意の種類のXMLベースのメタデータに,柔軟に対処することができる。
また,例えば,企画用端末装置10やフィールドPC50など他の端末装置に対しても,上記のようなメタデータ入出力処理部を適用することも可能である。これにより,映像プログラム制作支援システム1内で,各々の端末装置が対応可能なメタデータ形式が異なる場合であっても,各々の端末装置が円滑にメタデータをやり取りできるので,映像プログラム制作の効率化や映像作品の品質向上を図ることができる。
(第2の実施の形態)
次に,本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施形態では,ビデオデータ記録装置の一実施形態である撮像装置40が,例えば,自身の生成したメタデータの表記形式を,ビデオデータ再生装置の一実施形態である編集用端末装置30が対応可能な表記形式に変換した上で,かかる変換したメタデータとビデオデータを関連付けて編集用端末装置30に提供することを特徴とする。即ち,ビデオデータおよびメタデータの提供側である撮像装置40が,ビデオデータおよびメタデータの利用側である編集用端末装置30に配慮して,メタデータを当該編集用端末装置30が対処可能な形式に予め変換した上で提供する点に特徴を有する。
なお,第2の実施形態にかかる撮像装置40および編集用端末装置30は,上記第1の実施形態にかかる撮像装置40および編集用端末装置30と比して,上記特徴点に関連する機能構成が相違するのみである。このため,第2の実施形態では,撮像装置40および編集用端末装置30に関する上記以外の機能構成や,システム構成,メタデータ等については,上記第1の実施形態の場合と略同一であるので,その説明は省略する。
まず,図14に基づいて,本実施形態にかかる撮像装置40の構成について説明する。なお,図14は,本実施形態にかかる撮像装置40の概略的な構成を示すブロック図である。
図14に示すように,撮像装置40は,CPU402と,メモリ部404と,操作部406と,表示部408と,音声出力部410と,通信部412と,外部インタフェース414と,カメラブロック416と,ディスク装置418と,変換テーブルデータベース420と,メタデータ生成部422と,メタデータ入出力処理部430と,メタデータアプリケーション処理部480とを備える。
なお,第2の実施形態にかかる撮像装置40におけるメタデータ入出力処理部430以外の各部の機能構成は,第1の実施形態にかかる撮像装置40の場合と略同一であるのでその説明は省略する。
メタデータ入出力処理部430は,本実施形態にかかる特徴部であり,上記図7で説明したように,例えば,内部メタデータを任意の外部メタデータに変換して出力する機能を有する。このメタデータ入出力処理部430は,例えば,相手先メタデータ表記形式特定部431と,変換テーブル選択部434と,メタデータ表記形式変換部436とを備える。
相手先メタデータ表記形式特定部431は,例えば,メタデータを提供する相手先の機器(編集用端末装置30など)が対応可能なメタデータの表記形式(以下では,相手先メタデータ形式と略称する場合もある。)を,特定する機能を有する。より詳細には,相手先メタデータ表記形式特定部431は,例えば,担当者の入力操作等により内部メタデータを外部の機器へ提供する旨の指示を受けると,当該外部の機器の相手先メタデータ形式を特定して,相手先メタデータ形式の情報を変換テーブル選択部434に出力する。
かかる相手先メタデータ表記形式特定部431が相手先メタデータ形式を特定する手法としては,例えば,担当者の入力に基づいて特定する手法であってもよいし,或いは,例えば,相手先機器を識別する情報などに基づいて相手先メタデータ形式を自動的に特定する手法であってもよい。後者のように自動特定する場合には,相手先メタデータ表記形式特定部431は,ネットワーク5を介して相手先の機器にアクセスすることにより,相手先メタデータ形式の情報を自動的に取得するようにしてもよい。或いは,相手先メタデータ表記形式特定部431は,撮像装置40内部のメモリ部304や,外部から提供されたメモリーカード等の記録媒体などに格納されている相手先メタデータ形式の情報を読み出すことにより,相手先メタデータ形式の情報を自動的に取得するようにしてもよい。なお,この場合には,例えば,担当者などが,予め調査した例えば複数の相手先メタデータ形式を,上記メモリ部304や記録媒体等に記録しておく必要がある。
変換テーブル選択部434は,変換テーブルDB420に記録されている例えば複数の変換テーブルの中から,上記編集用端末装置30などの相手先の機器が認識可能なメタデータの表記形式に対応する変換テーブルを選択する機能を有する。即ち,変換テーブル選択部434は,内部メタデータを相手先メタデータ形式に変換するための変換テーブルを選択することができる。かかる変換テーブルの選択処理は,例えば,上記相手先メタデータ表記形式特定部431から入力された相手先メタデータ形式の情報に基づいて,実行される。例えば,相手先メタデータ表記形式特定部431が判断した相手先メタデータ形式がMOSメタデータ形式である場合には,変換テーブル選択部434は,例えば,内部メタデータとMOSメタデータとに対応する変換テーブルを選択する。
メタデータ表記形式変換部436は,上記変換テーブル選択部434によって選択された変換テーブルに基づいて,内部メタデータの表記形式を相手先メタデータ形式に変換する機能を有する。このメタデータ表記形式変換部436は,上記と同様に,例えば,XSLTエンジンなどの変換エンジンで構成されている。かかるメタデータ表記形式変換部436は,上記選択された変換テーブルに従って,例えば,上記メタデータ生成部422によって生成された内部メタデータ,またはメタデータアプリケーション処理部480によって編集された内部メタデータなどを,相手先メタデータ形式に変換することができる。かかるメタデータ変換処理は,例えば,上記図9〜図11で示したような,タグの変換処理などである。
上記のように,メタデータ表記形式変換部436は,例えば,相手先の機器が対応不能な内部メタデータを,対応可能な相手先メタデータ形式に変換することができる。このように変換されたメタデータは,例えば,ディスク装置418により,光ディスク3などの記録媒体に記録される,かかるメタデータの記録時には,本実施形態にかかるビデオデータ記録部であるディスク装置418は,例えば,当該メタデータと,当該メタデータに対応するビデオデータを関連付けて記録することができる。このようにメタデータとビデオデータとを関連付けて記録する手法としては,例えば,メタデータファイルとビデオデータファイルを,同一フォルダ或いはリンクされたフォルダ内に記録するなど,記録媒体内のディレクトリ構成を利用する手法,或いは,例えば,上記プログラムメタデータのテイク関連付け情報のように,メタデータ内にビデオデータファイル名を記入する手法などがある。
このようにして,変換されたメタデータが記録された光ディスク3などの記録媒体は,編集用端末装置30などの外部機器に提供される。これにより,当該編集用端末装置30などは,例えば,ビデオデータとともにこのビデオデータに関連するメタデータを,同一の記録媒体を介して取得することができる。
以上,本実施形態にかかる撮像装置40の各部の機能構成について説明した。しかし,撮像装置40は,上記の構成例に限定されるものではない。
例えば,撮像装置40は,例えば,上記相手先メタデータ形式に変換したメタデータを,ネットワーク5を介して送信することにより,編集用端末装置30などの外部機器に提供するようにしてもよい。これにより,撮像装置40は,当該外部機器に対して,変換したメタデータを迅速に提供することができる。
また,本実施形態にかかるメタデータ入出力処理部430は,例えば,外部から入力された対応不能な表記形式の外部メタデータを内部メタデータに変換するべく,上記第1の実施形態にかかるメタデータ入出力処理部430と同様な機能を兼ね備えてもよい。
即ち,メタデータ入出力処理部430は,さらに,外部メタデータの表記形式を識別するメタデータ表記形式識別部432を備えるように構成してもよい。さらに,上記変換テーブル選択部434が,例えば,第1の実施形態に場合のように,変換テーブルDB420内の例えば複数の変換テーブルの中から,上記メタデータ表記形式識別部432によって識別された外部メタデータの表記形式に対応する変換テーブルを選択する機能を兼ね備えるようにしてもよい。加えて,上記メタデータ表記形式変換部436が,例えば,第1の実施形態に場合のように,外部メタデータを,メタデータアプリケーション処理部80が対応可能な内部メタデータの表記形式に変換する機能を兼ね備えるようにしてもよい。これらの構成により,撮像装置40に対して対応不能な外部メタデータを内部メタデータ形式に変換して,メタデータアプリケーション処理部480が,変換されたメタデータを認識,処理することが可能となる。
次に,図15に基づいて,本実施形態にかかる撮像装置40におけるメタデータに関する処理方法について説明する。なお,図15は,本実施形態にかかる撮像装置40の処理方法を示すフローチャートである。
図15に示すように,まず,ステップS202では,撮像装置40の内部でメタデータが生成される(ステップS202:メタデータ生成工程)。撮像装置40のメタデータ生成部422は,例えば,上記テイクメタデータなどのメタデータを新規に生成する。このようにして撮像装置40内部で生成されたメタデータは,撮像装置40が対応可能な内部メタデータの表記形式で記述されている。
なお,ここでいう撮像装置40の内部で生成されたメタデータには,上記新規生成されたメタデータだけでなく,例えば,外部から提供されて撮像装置40の内部で編集されたメタデータなども含むものとする。かかる編集されたメタデータの例としては,例えば,メタデータアプリケーション処理部480が,上記テイク関連付け情報などを追加記入することなどにより,編集されたプログラムメタデータなどである。
次いで,ステップS204では,メタデータを提供する相手先の外部機器が認識可能なメタデータの表記形式が特定される(ステップS204)。相手先メタデータ表記形式特定部431は,例えば,担当者の入力に基づいて,或いは自動的に,上記相手先メタデータ形式を特定する。
さらに,ステップS206では,特定された相手先のメタデータ表記形式が,撮像装置40の内部メタデータの表記形式と同一であるか否かが判定される(ステップS206)。相手先メタデータ表記形式特定部431は,例えば,既知の内部メタデータの表記形式と,上記ステップS204で特定した相手先メタデータ形式が,同一であるか否かを判断する。この結果,同一でないと判断された場合には,ステップS208に進み,一方,同一であると判断された場合には,メタデータ変換の必要がないので,ステップS212に進む。
その後,ステップS208では,上記特定されたメタデータの表記形式に対応する変換テーブルが選択される(ステップS208)。変換テーブル選択部434は,例えば,変換テーブルDB420に記録されている複数の変換テーブルの中から,上記ステップS204で特定された相手先メタデータ形式と,および内部メタデータの表記形式とに対応する例えば1つの変換テーブルを選択する。
次いで,ステップS210では,上記選択された変換テーブルに基づいて,上記生成されたメタデータの表記形式が変換される(ステップS210:メタデータ表記形式変換工程)。メタデータ表記形式変換部436は,上記ステップS208で選択された変換テーブルに基づいて,内部メタデータの表記形式を相手先メタデータ形式に変換する。これにより,撮像装置40は,生成した内部メタデータを,編集用端末装置30などが認識可能な表記形式に変換することができる。
さらに,ステップS212では,上記変換されたメタデータとビデオデータとが記録媒体に記録される(ステップS212:ビデオデータ記録工程)。ディスク装置418は,編集用端末装置30などがビデオデータに関する処理を上記メタデータに基づいて制御できるように,上記ステップS210で変換されたメタデータ(或いは上記ステップS206で変換不要と判断されたメタデータ)と,当該メタデータに対応するビデオデータとを相互に関連付けて,光ディスク3などに記録する。
その後,ステップS214では,記録媒体を介してメタデータなどが提供される(ステップS214)。撮像装置40は,上記ステップS212でメタデータおよびビデオデータなどが記録された光ディスク3等の記録媒体を,編集用端末装置30などの外部機器に提供する。これにより,編集用端末装置30などは,例えば,自身が対応できるように変換されたメタデータを,ビデオデータとともに取得することができる。
以上のように,撮像装置40は,自身が生成・編集したメタデータを,編集用端末装置30などの相手先の対応可能な表記形式に変換した上で記録媒体に記録することができる。このため,かかる記録媒体を取得した当該編集用端末装置30などは,特段の処理を行わずとも,当該変換されたメタデータを記録媒体から読み出して,認識,処理することができる。よって,メタデータの受け側である当該編集用端末装置30などは,例えば,上記第1の実施形態で説明したようなメタデータ入出力処理部330などを具備しなくてもよいので,装置構成の簡略化,低価格化が図れる。
また,記録媒体にはビデオデータとメタデータが関連付けられて記録されているので,編集用端末装置30などは,取得したメタデータとビデオデータの対応関係を容易に把握できる。このため,当該編集用端末装置30は,当該メタデータに基づいて当該ビデオデータに関する処理を好適に実行できる。
(第3の実施の形態)
次に,本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施形態では,ビデオデータ記録装置の一実施形態である撮像装置40が,例えば,自己の生成したメタデータと,かかるメタデータに対応する変換テーブル,およびビデオデータを関連付けて,ビデオデータ再生装置の一実施形態である編集用端末装置30に提供することを特徴とする。即ち,ビデオデータおよびメタデータの提供側である撮像装置40が,ビデオデータおよびメタデータの利用側である編集用端末装置30に配慮して,編集用端末装置30側で当該メタデータを容易に変換して利用できるように,当該メタデータに対応する変換テーブルを当該メタデータとともに提供する点に特徴を有する。
なお,第3の実施形態にかかる撮像装置40および編集用端末装置30は,上記第1の実施形態にかかる撮像装置40および編集用端末装置30と比して,上記特徴点に関連する機能構成が相違するのみである。このため,第3の実施形態では,撮像装置40および編集用端末装置30に関する上記以外の機能構成や,システム構成,メタデータ等については,上記第1の実施形態の場合と略同一であるので,その説明は省略する。
まず,図16に基づいて,本実施形態にかかる撮像装置40の構成について説明する。なお,図16は,本実施形態にかかる撮像装置40の概略的な構成を示すブロック図である。
図16に示すように,撮像装置40は,CPU402と,メモリ部404と,操作部406と,表示部408と,音声出力部410と,通信部412と,外部インタフェース414と,カメラブロック416と,ディスク装置418と,変換テーブルデータベース420と,メタデータ生成部422と,メタデータ入出力処理部430と,メタデータアプリケーション処理部480とを備える。
なお,第3の実施形態にかかる撮像装置40におけるメタデータ入出力処理部430以外の各部の機能構成は,第1の実施形態にかかる撮像装置40の場合と略同一であるのでその説明は省略する。
メタデータ入出力処理部430は,本実施形態にかかる特徴部であり,例えば,内部メタデータの変換に必要な変換テーブルを選択して出力する機能を有する。このメタデータ入出力処理部430は,例えば,相手先メタデータ表記形式特定部431と,変換テーブル選択部434と,を備える。
相手先メタデータ表記形式特定部431は,例えば,メタデータを提供する相手先の機器(編集用端末装置30など)が対応可能なメタデータの表記形式(以下では,相手先メタデータ形式と略称する場合もある。)を,特定する機能を有する。この相手先メタデータ表記形式特定部431の機能構成は,上記第2の実施形態にかかる相手先メタデータ表記形式特定部431の機能構成と略同一であるので,その説明は省略する。なお,かかる相手先メタデータ表記形式特定部431は,例えば,必ずしも具備されなくともよい。
変換テーブル選択部434は,変換テーブルDB420に記録されている例えば複数の変換テーブルの中から,例えば,上記編集用端末装置30などの相手先の機器が認識可能なメタデータの表記形式に対応する変換テーブルを選択する機能を有する。即ち,変換テーブル選択部434は,例えば,相手先の機器が,撮像装置40の生成した内部メタデータを,相手先メタデータ形式に自ら変換するための変換テーブルを選択することができる。かかる変換テーブルの選択処理は,例えば,上記相手先メタデータ表記形式特定部431から入力された相手先メタデータ形式の情報などに基づいて,実行されてもよい。例えば,相手先メタデータ表記形式特定部431が特定した相手先メタデータ形式がMOSメタデータ形式である場合には,変換テーブル選択部434は,例えば,内部メタデータとMOSメタデータとに対応する変換テーブルを選択する。
また,メタデータ入出力処理部430が上記相手先メタデータ表記形式特定部431を具備しない場合には,この変換テーブル選択部434は,例えば,撮像装置40の生成した内部メタデータと,任意の表記形式の外部メタデータとに対応した1又は2以上の変換テーブルを選択するようにしてもよい。この場合はさらに,変換テーブル選択部434は,できるだけ多くの種類の外部メタデータに対応できるように,例えば,変換テーブルDB420に格納されている例えば全ての変換テーブルを選択するようにしてもよい。
上記のようにして,変換テーブル選択部434によって選択された1又は2以上の変換テーブルは,例えば,ディスク装置418により,光ディスク3などの記録媒体に記録される,かかる変換テーブルの記録時には,本実施形態にかかるビデオデータ記録部として構成されているディスク装置418は,例えば,当該変換テーブルと,メタデータ生成部422などが生成した未変換のメタデータと,当該メタデータに対応するビデオデータとを関連付けて記録媒体に記録することができる。このようにメタデータとビデオデータとを関連付けて記録する手法としては,例えば,変換テーブルファイル,メタデータファイルおよびビデオデータファイルを,同一フォルダ或いはリンクされたフォルダ内に記録するなど,記録媒体内のディレクトリ構成を利用する手法,或いは,例えばメタデータ内に変換テーブルファイル名およびビデオデータファイル名を記入する手法,これら三者の関連付け情報を記録したデータファイルをともに記録する手法などがある。
このようにして,未変換のメタデータおよび変換テーブルが記録された光ディスク3などの記録媒体は,編集用端末装置30などの外部機器に提供される。これにより,当該編集用端末装置30などは,例えば,ビデオデータとともに,このビデオデータに関連するメタデータと,このメタデータを変換するための変換テーブルとを,同一の記録媒体を介して取得することができる。
以上,本実施形態にかかる撮像装置40の各部の機能構成について説明した。しかし,撮像装置40は,上記の構成例に限定されるものではない。
例えば,撮像装置40は,例えば,上記未変換のメタデータおよびこのメタデータに対応する変換テーブルなどを,ネットワーク5を介して送信することにより,編集用端末装置30などの外部機器に提供するようにしてもよい。これにより,撮像装置40は,当該外部機器に対して,メタデータおよび変換テーブルを迅速に提供することができる。
また,本実施形態にかかるメタデータ入出力処理部430は,例えば,外部から入力された対応不能な表記形式の外部メタデータを内部メタデータに変換するべく,上記第1の実施形態にかかるメタデータ入出力処理部430と同様な機能を兼ね備えてもよい。即ち,メタデータ入出力処理部430は,さらに,上記メタデータ表記形式識別部432および上記メタデータ表記形式変換部436を備えるように構成してもよい。かかる構成により,撮像装置40に対して対応不能な外部メタデータを内部メタデータ形式に変換して,メタデータアプリケーション処理部480が,変換されたメタデータを認識,処理することが可能となる。
次に,図17に基づいて,本実施形態にかかる撮像装置40におけるメタデータに関する処理方法について説明する。なお,図17は,本実施形態にかかる撮像装置40の処理方法を示すフローチャートである。
図17に示すように,まず,ステップS302では,撮像装置40の内部でメタデータが生成される(ステップS302:メタデータ生成工程)。本ステップは,上記図15で示したステップS202と略同一であるので,詳細説明は省略する。
次いで,ステップS304では,メタデータを提供する相手先の外部機器が認識可能なメタデータの表記形式が特定される(ステップS304)。相手先メタデータ表記形式特定部431は,例えば,担当者の入力に基づいて,或いは自動的に,上記相手先メタデータ形式を特定する。なお,本ステップは省略することが可であり,この場合には,以下のステップS306,S312,S314も省略される。
さらに,ステップS306では,特定された相手先のメタデータ表記形式が,撮像装置40の内部メタデータの表記形式と同一であるか否かが判定される(ステップS306)。相手先メタデータ表記形式特定部431は,例えば,既知の内部メタデータの表記形式と,上記ステップS304で特定した相手先メタデータ形式が,同一であるか否かを判断する。この結果,同一でないと判断された場合には,ステップS308に進み,一方,同一であると判断された場合には,変換テーブルを送出する必要がないので,ステップS314に進む。
その後,ステップS308では,1又は2以上の変換テーブルが選択される(ステップS308:変換テーブル選択工程)。変換テーブル選択部434は,例えば,変換テーブルDB420に記録されている例えば複数の変換テーブルの中から,上記ステップS304で特定された相手先メタデータ形式と,および内部メタデータの表記形式とに対応する例えば1つの変換テーブルを選択する。
また,上記ステップS304を省略した場合や,相手先メタデータ形式を特定できなかった場合などには,例えば,変換テーブル選択部434は,変換テーブルDB420に記録されている例えば複数の変換テーブルのうちの全部又は一部を選択してもよい。
次いで,ステップS310では,上記選択された変換テーブル,上記生成されたメタデータおよびビデオデータが記録媒体に記録される(ステップS310)。ディスク装置418は,編集用端末装置30などがビデオデータに関する処理を上記メタデータに基づいて制御できるように,上記ステップS308で選択された1又は2以上の変換テーブルと,上記ステップS302で生成された未変換のメタデータと,当該メタデータに対応するビデオデータとを相互に関連付けて,光ディスク3などに記録する。
さらに,ステップS312では,記録媒体を介して変換テーブルおよびメタデータなどが提供される(ステップS312)。撮像装置40は,上記ステップS310で変換テーブル,メタデータおよびビデオデータなどが記録された光ディスク3等の記録媒体を,編集用端末装置30などの外部機器に提供する。これにより,編集用端末装置30などは,例えば,未変換のメタデータおよびこのメタデータを変換するための変換テーブルを,ビデオデータとともに取得することができる。
一方,ステップS314では,上記生成されたメタデータおよびビデオデータが記録媒体に記録される(ステップS314)。ディスク装置418は,上記ステップS302で生成された未変換のメタデータと,当該メタデータに対応するビデオデータとを相互に関連付けて,光ディスク3などに記録する。
その後,ステップS316では,記録媒体を介してメタデータなどが提供される(ステップS316)。撮像装置40は,上記ステップS308でメタデータおよびビデオデータなどが記録された光ディスク3等の記録媒体を,編集用端末装置30などの外部機器に提供する。これにより,編集用端末装置30などは,例えば,未変換でありながら対応可能なメタデータを,ビデオデータとともに取得することができる。
次に,図18に基づいて,本実施形態にかかる編集用端末装置30の構成について説明する。なお,図18は,本実施形態にかかる編集用端末装置30の概略的な構成を示すブロック図である。
図18に示すように,編集用端末装置30は,CPU302と,メモリ部304と,入力部306と,表示部308と,音声出力部310と,通信部312と,外部インタフェース314と,ディスク装置316と,記録装置318と,変換テーブルDB320と,メタデータ入出力処理部330と,メタデータアプリケーション処理部380と,を備える。
なお,第3の実施形態にかかる編集用端末装置30におけるディスク装置316およびメタデータ入出力処理部330以外の各部の機能構成は,第1の実施形態にかかる編集用端末装置30の場合と略同一であるのでその説明は省略する。
ディスク装置316は,上記第1の実施形態にかかるディスク装置316の機能に加え,例えば,上記撮像装置40などから提供された記録媒体から,メタデータと,このメタデータの表記形式に対応する1又は2以上の変換テーブルを読み出すメタデータ読出部としても機能する。
より詳細には,撮像装置40などから編集用端末装置30に対して光ディスク3等の記録媒体が提供されると,ディスク装置418は,例えば,かかる記録媒体から,未変換の(即ち,例えば撮像装置40の対応可能な表記形式のままの)メタデータと,このメタデータに関連付けられている1または2以上の変換テーブルとを読み出す。かかる記録媒体に記録されているメタデータは,例えば,XMLベースではあるものの,上記撮像装置40が認識可能な表記形式で記述されており,必ずしも編集用端末装置30に対応した表記形式であるとは限らない。また,上記記録媒体に記録されている変換テーブルは,例えば,上記撮像装置40による相手先メタデータ形式特定処理および変換テーブル選択処理の内容に応じて,編集用端末装置30が対応可能なメタデータの表記形式に対応した例えば1の変換テーブルである場合もあれば,或いは,例えば多様な表記形式に対応した複数の変換テーブルである場合もある。
ディスク装置316は,上記のようにして読み出したメタデータおよび変換テーブルをメタデータ入出力処理部330に出力する。
また,撮像装置40と編集用端末装置30の対応可能なメタデータの表記形式が略同一であるときなどには,上記撮像装置40から提供された記録媒体に,例えば,メタデータに関連付けられた変換テーブルが記録されていない場合もある。この場合には,ディスク装置316は,例えば,当該記録媒体からメタデータのみを読み出すこともできる。この場合には,当該メタデータの表記形式が,編集用端末装置30が対応可能な表記形式であるので,後述するメタデータ表記形式の変換処理は不要となる。従って,読み出されたメタデータは,メタデータアプリケーション処理部480に直接出力されて,処理される。
メタデータ入出力処理部330は,本実施形態にかかる特徴部であり,上記図7で説明したように,例えば,外部メタデータを内部メタデータに変換した上で,メタデータアプリケーション処理部380に対して出力する機能を有する。このメタデータ入出力処理部330は,例えば,変換テーブル選択部334と,メタデータ表記形式変換部336を備える。
変換テーブル選択部334は,例えば,ディスク装置316によって読み出された1又は2以上の変換テーブルの中から,編集用端末装置30のメタデータアプリケーション処理部380が対応可能な表記形式に対応した1の変換テーブルを選択する機能を有する。この変換テーブル選択部334による選択処理の内容は,例えば,上記撮像装置40による相手先メタデータ形式特定処理および変換テーブル選択処理によって,好適な変換テーブルが既に選択済みであるか否かによって異なる。
即ち,例えば,上記撮像装置40が,予め編集用端末装置30の対応可能なメタデータ表記形式を特定し,かかる表記形式に対応した例えば1の変換テーブルのみを選択して,記録媒体を介して提供した場合には,変換テーブル選択部334は,提供された例えば唯一の変換テーブルを選択する。なお,この場合には,変換テーブル選択部334は必ずしも具備されなくともよく,この変換テーブルをメタデータ表記形式変換部336に対して直接的に入力するよう構成してもよい。
一方,上記撮像装置40が,予め編集用端末装置30の対応可能なメタデータ表記形式を特定せず,未変換のメタデータに対応する例えば複数の変換テーブルを選択して提供した場合には,変換テーブル選択部334は,この提供された複数の変換テーブルの中から,メタデータアプリケーション処理部380が対応可能な表記形式に対応した1の変換テーブルを選択する。
メタデータ表記形式変換部336は,例えば,XSLTエンジンなどの変換エンジンとして構成されており,上記変換テーブル選択部334によって選択された例えば1の変換テーブルに基づいて,上記記録媒体から読み出されたメタデータの表記形式を内部メタデータの表記形式に変換する機能を有する。これにより,メタデータアプリケーション処理部380は,かかる変換されたメタデータを認識,処理することが可能となる。
次に,図19に基づいて,本実施形態にかかる編集用端末装置30におけるメタデータに関する処理方法について説明する。なお,図19は,本実施形態にかかる編集用端末装置30の処理方法を示すフローチャートである。
図19に示すように,まず,ステップS332では,編集用端末装置30が記録媒体を取得する(ステップS332)。編集用端末装置30は,上記撮像装置40によってメタデータおよびビデオデータなどが記録された光ディスク3などの記録媒体を取得する。
次いで,ステップS334では,上記記録媒体に変換テーブルが記録されているか否かが判断される(ステップS334)。メタデータ入出力処理部330は,例えば,ディスク装置318を利用して,上記記録媒体内に,XLT文書などの変換テーブルの有無を判断する。この際,例えば,上記撮像装置40が変換テーブルを記録媒体のルート位置などに記録するように規定されていれば,メタデータ入出力処理部330は,変換テーブルの有無を容易に判断することができる。
この結果,変換テーブルが記録媒体に記録されていると判断された場合には,ステップS340に進む。一方,変換テーブルが記録媒体に記録されていないと判断された場合には,ステップS336に進む。
さらに,ステップS336では,メタデータが記録媒体から読み出される(ステップS336)。ディスク装置318は,例えば,記録媒体からメタデータを読み出して,メタデータ入出力処理部330に出力する。
次いで,ステップS338では,上記読み出されたメタデータが編集用端末装置30で対応可能な形式か否かが判断される(ステップS338)。メタデータ入出力処理部330は,上記ステップS336で読み出されたメタデータの表記形式が,メタデータアプリケーション処理部380で対応可能であるか否かを判断する。例えば,上記撮像装置40が上記相手先メタデータ形式を特定でき,かつ,その相手先メタデータ形式が撮像装置40の内部メタデータ形式と略同一であったと判断した場合などには,撮像装置40は,編集用端末装置30に対してメタデータのみを提供し,変換テーブルを提供しない。この場合には,上記ステップS336で読み出されたメタデータは編集用端末装置30の対応可能な表記形式である。かかる場合などには,上記読み出されたメタデータがメタデータアプリケーション処理部380の対応可能な表記形式であると判断され,変換処理を行う必要がないので,ステップS348に進む。一方,上記読み出されたメタデータがメタデータアプリケーション処理部380の対応不能な表記形式であると判断された場合には,変換テーブルも添付されていないため,メタデータアプリケーション処理部380は当該メタデータを認識,処理できないので,全てのステップを終了する。
一方,ステップS340では,メタデータおよび変換テーブルが記録媒体から読み出される(ステップS340:メタデータ読出工程)。上記ステップS334で,変換テーブルが記録媒体に記録されていると判断された場合には,ディスク装置318は,例えば,当該記録媒体から,メタデータと,このメタデータに対応する1または2以上の変換テーブルを読み出して,メタデータ入出力処理部330に出力する。
さらに,ステップS342では,上記読み出された変換テーブルが選択不要であるか否かが判断される(ステップS342)。メタデータ入出力処理部330は,上記ステップS340で読み出された変換テーブルが,例えば,複数であるか,あるいは1つであるかを判断する。この結果,上記読み出された変換テーブルが複数である場合には,メタデータアプリケーション処理部380が対応可能な表記形式に対応する変換テーブルを選択する必要があるので,ステップS344に進む,一方,上記読み出された変換テーブルが1つである場合は,例えば,上記撮像装置40によって,編集用端末装置30の内部メタデータ形式に対応した1の変換テーブルが予め選択されているケースなどである。よって,かかる場合には,変換テーブルの選択は不要であるので,ステップS346に進む。
その後,ステップS344では,内部メタデータに対応する変換テーブルが選択される(ステップS344:変換テーブル選択工程)。変換テーブル選択部334は,上記ステップS340で読み出された1又は2以上の変換テーブルの中から,例えば,メタデータアプリケーション処理部380が対応可能な表記形式に対応した1の変換テーブルを選択する。
次いで,ステップS346では,上記読み出し或いは選択された変換テーブルに基づいて,メタデータの表記形式が変換される(ステップS346:メタデータ表記形式変換工程)。メタデータ表記形式変換部336は,例えば,上記ステップS344で選択された変換テーブル,或いは上記ステップS340で読み出された唯一の変換テーブルに基づいて,上記ステップS340で読み出さされたメタデータの表記形式を,メタデータアプリケーション処理部380が対応可能な形式に変換する。これにより,編集用端末装置30は,記録媒体を介して取得したメタデータを,自身が認識可能な表記形式に変換することができる。
さらに,ステップS348では,各種のメタデータアプリケーション処理が実行される(ステップS348:処理制御工程)。メタデータアプリケーション処理部380は,例えば,上記表記形式が変換された認識可能となったメタデータに基づいて,上記説明したような編集用端末装置30内における多様な処理を制御する。また,メタデータアプリケーション処理部380は,例えば,ステップS338で内部メタデータの表記形式と略同一であると判定された外部メタデータを,直接に認識して処理することもできる。
このように編集用端末装置30は,例えば,まず,変換テーブルの有無を確認し,それが存在する場合は,記録媒体から読み出したメタデータを当該変換テーブルの規定に従って対応可能な形式に変換することができる。これにより,編集用端末装置30は,様々な外部メタデータが記録された記録媒体を分け隔てなく取り扱うことが可能となる。
以上のように,本実施形態では,撮像装置40は,自身が生成・編集したメタデータに対応する変換テーブルを,当該メタデータとともに記録媒体に記録することができる。このため,かかる記録媒体を取得した編集用端末装置30は,記録媒体から読み出した変換テーブルを用いて,記録媒体から読み出した当該メタデータを,自己が認識,処理可能な表記形式に容易に変換することができる。
また,撮像装置40が,例えば,多様な種類の変換テーブルを当該メタデータとともに記録媒体に記録しておくことにより,かかる記録媒体は,認識可能なメタデータ形式が異なる複数の編集用端末装置30によって利用可能となる。即ち,かかる記録媒体を取得した任意の編集用端末装置30は,記録されている複数の変換テーブルの中から,上記生成されたメタデータを自己のメタデータ形式に変換するための変換テーブルを選択して,変換処理を好適に実行することができる。このように,記録媒体内に複数種類の変換テーブルを予め記録しておくことにより,かかる1つの記録媒体が,例えば,認識可能なメタデータ形式が異なる複数の編集用端末装置30などに対応したメタデータ伝達媒体として機能できる。
また,記録媒体にはビデオデータ,メタデータおよび変換テーブルが関連付けられて記録されているので,編集用端末装置30は,取得したメタデータと変換テーブルおよびビデオデータの対応関係を容易に把握できる。このため,編集用端末装置30は,変換したメタデータに基づいて当該ビデオデータに関する処理を好適に実行できる。
また,上記第1〜第3の実施形態におけるメタデータ生成部422,メタデータ入出力処理部330,430およびメタデータアプリケーション処理部380,480などは,上記のような処理機能を実現できるものであれば,例えば,専用装置(ハードウェア)として構成されてもよく,また,撮像装置40や編集用端末装置30などの各端末装置に,上記処理を実行させるアプリケーションプログラムをインストールして構成されてもよい。さらに,後者の場合,上記アプリケーションプログラムは,上記各端末装置に対して,CD−ROM等の記録媒体によって提供されてもよく,また,通信部312,412などを介して外部からダウンロードすることで提供されてもよい。また,当該アプリケーションプログラムは,予め,上記各端末装置内のメモリ部304,404,記録装置318,或いは外部インタフェース314.414等に接続された周辺機器などに格納されていてもよい。
以上のように,撮像装置40および編集用端末装置30などの各端末装置は,例えば,任意の表記形式に従ったXMLベースのメタデータの入出力に対して,柔軟に対応することができる。このため,映像プログラム制作支援システム1内で,各々の端末装置の対応可能なメタデータの表記形式が異なる場合であっても,各々の端末装置が円滑にメタデータをやり取りできる。従って,複数の端末装置間でメタデータを共用して有効利用できるので,映像プログラム制作の効率化や映像作品の品質向上を図ることができる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,上記企画用端末装置10,撮像装置40,フィールドPC50および編集用端末装置30などの各端末装置は,必ずしも1台だけから構成されなくともよく,複数台から構成される場合であっても実施可能である。例えば,複数台の撮像装置40が撮影したビデオデータを,光ディスク3またはネットワーク5などを介して,編集用端末装置30に提供することも可能である。
また,映像プログラム制作支援システム1は,例えば,上記企画用端末装置10,取材用端末装置20および編集用端末装置30の間に,センターサーバ(図示せず。)を設けることで,企画用端末装置10,取材用端末装置20および編集用端末装置30をクライアントとした,クライアント/サーバ(Client/Server)のネットワークシステムとして構成することも可能である。
例えば,上記第1の実施形態では,企画用端末装置10,取材用端末装置20および編集用端末装置30の間でメタデータを,例えばネットワーク5などを介して直接送受信していたが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,ネットワーク5に接続されたセンターサーバ(図示せず。)を設けて,メタデータやビデオデータなどを集中管理するデータベースを構築してもよい。これにより,各端末装置は,ネットワーク5を介してこのセンターサーバにアクセスし,メタデーまたはビデオデータのなどの取得や更新を行うことができる。
また,上記第1の実施形態では,企画用端末装置10,取材用端末装置20および編集用端末装置30などの間で,メタデータ等を例えばネットワーク5を介して送受信することにより,メタデータをやり取りしていたが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,企画用端末装置10,取材用端末装置20および編集用端末装置30などの間で,各種の記録媒体を介してメタデータ等をやり取りしてもよい。かかる構成により,上記第1の実施形態のようなネットワーク5を介した通信を行うための設備等を設けなくても済むので,映像プログラム制作支援システム1をより安価かつ容易に構築できる。
また,上記第1〜3の実施形態では,取材用端末装置20を撮像装置40およびフィールドPC50という2つのハードウェアから構成したが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,取材用端末装置20は,上記撮像装置40およびフィールドPC50の双方の機能を併せ持つハードウェアであれば,例えば1つのハードウェアで構成することも可能である。この1つのハードウェアからなる取材用端末装置20は,例えば,撮像装置40にキーボードなどの入力手段を接続して,取材部署担当者が上記撮影状況情報およびテイク撮影状況情報を入力可能に構成することで,実現可能である。
また,上記第1〜3の実施形態では,映像プログラム制作支援システム1は,企画構成部署,取材部署および編集部署に対応した端末装置10,20,30のみを具備した例について説明しているが,本発明はかかる例に限定されない。実際の映像プログラムの制作に携わる部署は,上記3つの部署以外にも,例えば,事務部署,機材部署,情報部署,台詞部署,CG/SI部署,出演者部署,資料部署,データ保存部署など多岐にわたる。従って,映像プログラム制作支援システム1は,これらの部署に対応した1または2以上の端末装置(ビデオデータ処理装置)をさらに備え,上記メタデータをより多くの端末装置間で共用できるように構成してもよい。
また,上記第1〜3の実施形態では,メタデータを記述する言語として,XMLを採用したが,かかる例に限定されず,例えば,HTML(Hyper Text Markup Language),SGML(Standard Generalized Markup Language)などその他のマークアップ言語,或いはXML以外のその他の各種の言語などであってもよい。また,例えば,XMLとHTMLとの間など,異なるマークアップ言語の間で,メタデータの表記形式を変換できるように構成してもよい。
また,上記第1〜3の実施形態では,ビデオデータ記録装置の一実施形態として撮像装置40の例を挙げるとともに,ビデオデータ記録装置の一実施形態として編集用端末装置30の例を挙げて説明したが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,ビデオデータ記録装置としては,ビデオデータを記録媒体に記録可能な装置であれば,撮像装置40以外の各種装置で構成されてもよい。また,ビデオデータ再生装置としては,ビデオデータを再生可能な装置であれば,編集用端末装置30以外の各種装置で構成されてもよい。
また,上記第1〜3の実施形態では,ビデオデータ記録装置およびビデオデータ再生装置などのビデオデータ処理装置が,1つの映像プログラム制作支援システム1の構成要素として構成されていたが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,ビデオデータ記録装置およびビデオデータ再生装置などのビデオデータ処理装置は,例えば,所定のシステム内で一組となって利用される場合のみならず,各々が単体で利用されてもよい。
また,上記第2および3の実施形態では,撮像装置40は,光ディスク3などの記録媒体を介して,メタデータ及び/又は変換テーブルをビデオデータとともに,編集用端末装置30に提供したが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,撮像装置40は,編集用端末装置30に対して,ビデオデータと,メタデータ及び/又は変換テーブルとを別々に提供してもよい。即ち,撮像装置40は,ビデオデータが記録される光ディスク3などとは異なる,メモリーカード,メモリースティック,磁気ディスク等の各種の記録媒体を介して,メタデータ及び/又は変換テーブルを編集用端末装置30に提供してもよい。また,撮像装置40は,例えば,ネットワーク5を介した送信により,メタデータ及び/又は変換テーブルを編集用端末装置30に提供してもよい。