JP4403371B2 - ブレーズ回折形光変調装置および画像表示装置 - Google Patents

ブレーズ回折形光変調装置および画像表示装置 Download PDF

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本発明は、ブレーズ回折形光変調装置および画像表示装置、特に複数の波長、例えば赤、緑および青の波長の光に対しそれぞれ光変調を行うブレーズ回折形の光変調素子によって構成される光変調装置および画像表示装置に関わる。
画像表示装置、例えばカラー画像表示を行うプロジェクタにおいて、各色の赤、緑および青の各光源からの各色のレーザ光を、表示画像の各色の成分光学像を得るために、各色のレーザ光をそれぞれ光変調素子によって変調して、これら各色の光学像を例えばスクリーン上に合成投射することによってカラー投射画像を得るようにした画像表示装置の提案がなされている。
このような、画像表示装置等に用いられる光変調素子としては、例えば回折格子による空間光変調素子GLV(Grating Light Valve)が用いられる(例えば特許文献1参照)。
図9Aに模式的断面図を示すように、通常一般の非ブレーズ形のGLV200は、基準面f−f´上に、回折格子を構成する複数のリボン状の回折格子要素211,212,213・・・が、平行配列され、これら回折格子要素211,212,213・・・に対向して平面状の共通電極201が、基準面f−f´に平行に配置されて成る。
回折格子要素211,212,213・・・は、それぞれ電極層を有し、共通電極201と対向する側とは反対側が光反射面とされて成る。
このGLV200による被変調光の入射光Liは、基準面f−f´に対し直交する方向に入射される。
このGLVにおいては、オフ状態、いわゆるダーク状態においては、図9Aに示すように、回折格子要素211,212,213,・・・が、基準面f−f´と平行の同一平面内に配置され、この配置面と直交する方向に被変調光の入射光Liを入射させる。この状態では、各回折格子要素211,212,213,・・・は、平面反射鏡として機能するに過ぎず、反射光Lrが生じるのみである。
これに対して、空間光変調動作時においては、図9Bに示すように、回折格子を構成する回折格子要素211,212,213,・・・の1つ置きの回折格子要素212,214・・・を、他の1つ置きの回折格子要素211,213・・・の配置面に対し、例えばλ/4(λは、入射光Liの波長)後退した位置に変位させるとき、反射回折格子として動作し、入射光Liによって回折光が発生する。図9Bにおいては、±1次光L1およびL2を代表的に示している。
この図9に示した回折格子要素が、基準面f−f´に平行に配列されたGLV200(以下このGLVを通常一般のGLVと呼称する)においては、空間光変調動作時の状態においては、±両1次光が発生することから、高輝度の変調光を用いる場合には、これら±1次光を、集光合成して高い輝度を得るようにする必要があり、この場合は、光学系が複雑となる問題がある。
また、輝度を犠牲にして、±1次光の一方の1次光のみを用いる場合において、入射光の反射光の遮光と共に、他方の1次光を遮光する必要があり、構造が複雑となる。
これに対して、図2に模式的断面図を示す、いわゆるブレーズ回折形光変調装置(ブレーズ形GLVと略称する)100においては、非駆動状態(初期状態)において、図2Aに示すように、基準面f−f´に対して平行に配置された平面状の共通電極101を有し、この共通電極101に対向して、リボン状の回折格子要素11(111,112,113,114,・・・)が、基準面f−f´に対して所定の角度、すなわち所定のブレーズ角γをもって配置される(例えば特許文献2参照)。
これら、回折格子要素11(111,112,113,114,・・・)は、それぞれ電極層を有し、共通電極101と対向する側とは反対側が光反射面とされて成る。
そして、各回折格子要素11(111,112,113,114,・・・)は、図2Aで示すように、所定のチルト段差Dが形成されるように配列される。この場合、実際の製造上の問題等から、隣り合う回折格子要素11(111,112,113,114,・・・)間には、所要の間隙gが形成されるが、上述したチルト段差Dは、この間隙gが存在しないとしたときの、各回折格子要素11の上端および下端間の段差をもって近似させ、例えばλ/4とする。
そして、図2Aの初期の状態を第1の状態とし、例えば図2Bに示すように、1つ置きの回折格子要素112,114、・・・を変位させる第2の状態において、隣り合う対の回折格子要素をもってチルト段差が2D、すなわち、例えばλ/2となるようにする。
このようにすることによって1方向のみの1次回折光Ld1が得られるものである(例えば特許文献2参照)。
このように、ブレーズ形GLVによる場合、回折格子要素の変位によって、1次回折光が1方向に得られることから、実効的な回折効率が高い。
そして、このブレーズ形GLV方向から回折格子要素の反射面に対する法線から1方向側のみに1次光が得られることから、上述の非ブレーズ形のGLV200に比し、光学系の簡略化、装置の小型化等が図られる。
ところで、この回折格子による光変調素子においては、上述したように、その回折格子要素のチルト段差は、入射光の波長λに依存することから、例えばカラー画像表示装置においては、赤、緑および青の相互に異なる波長の光をそれぞれ変調する光変調素子としてのブレーズ形GLVは、それぞれ異なる設計のもとになされたそれぞれ異なる波長に関して高い回折効率を得ることができるチルト段差Dおよびブレーズ角γを有するブレーズ形GLVによる光変調素子が用意されることになる。
しかしながら、上述したブレーズ形構成とする場合、その構造が複雑であることから、それぞれ異なる設計に基く複数種の光変調器を作製すること、また、これらを個々に取り扱って光学系に組み込む作業等は、極めて煩雑となる。
特表2002−503351号公報(第13頁5行〜第14頁5行および図5および図6)。 US2003/0035189A1(段落番号0038〜0040およびFig3A〜4B)
本発明において解決しようとする課題は、それぞれ異なる複数の波長が取り扱われる複数のブレーズ回折形光変調素子を有してなる光変調装置、およびこの光変調装置による画像表示装置にあって、その光変調素子が、ブレーズ回折格子形光変調素子特有の高い回折効率を得つつ、簡潔な構造とし、小型化、特性の安定化、ひいては、歩留まりの向上、量産性の向上、製造コストの低減化を図ることができるようにすることにある。
本発明によるブレーズ回折形光変調装置は、波長625nm〜675nmの赤の波長と、波長500nm〜550nmの緑の波長と、波長420nm〜470nmの青の波長との入射光に対して光変調がなされる複数の1次元ブレーズ回折形光変調素子GLVを有し、これら異なる波長の入射光に対して光変調がなされる上記1次元ブレーズ回折形光変調素子GLVのブレーズ角が、上記入射光の最長波長の光に対する最適ブレーズ角と、最短波長の光に対する最適ブレーズ角との間の角度であり、上記変調素子の回折格子要素のチルト段差が120nm〜140nmとなるように同一ブレーズ角及び同一チルト段差を選定されて成ることを特徴とする。
また、本発明によるブレーズ回折形光変調装置は、これら異なる波長の入射光に対して光変調がなされる1次元ブレーズ回折形光変調素子GLVの同一ブレーズ角は、入射光の最長波長の光に対する最適ブレーズ角と、最短波長の光に対する最適ブレーズ角との間の角度に選定されて成ることを特徴とする。
またさらには、これら複数の1次元ブレーズ回折形光変調素子GLVは共通の基板上に配列されるとともに単一密閉空間内に封入される。そして異なる波長の入射光が、対応する1次元ブレーズ回折形光変調素子GLVに対し、異なる入射角をもって入射され、ほぼ同一方向に1次回折光を発生させることを特徴とする。
また、本発明によるブレーズ回折形光変調装置においては、上述した異なる波長の入射光を、対応する1次元ブレーズ回折形光変調素子に対し、異なる入射角をもって入射させ、ほぼ同一方向に1次回折光を発生させる構成とすることができるものである。
そして、本発明による画像表示装置は、波長625nm〜675nmの赤の波長の光と、波長500nm〜550nmの緑の波長の光と、波長420nm〜470nmの青の波長の光とを発生する光源部と、各波長の光を表示情報に応じてそれぞれ変調する複数の1次元ブレーズ回折形光変調素子を有するブレーズ回折形光変調装置を具備するものであり、上記1次元ブレーズ回折形光変調素子の回折格子要素のチルト段差が120nm〜140nmとなるように全て同一ブレーズ角に選定されて成ることを特徴とする。
そして、この画像表示装置において、そのブレーズ回折形光変調装置は、上述した本発明によるブレーズ回折形光変調装置における構成と同様の構成とすることを特徴とする。
また、本発明による画像表示装置は、上述した複数の1次元ブレーズ回折形光変調素子によってそれぞれ変調されて得た複数の1次元画像を走査して、目的とする結像面において2次元画像を得る走査装置を有して成ることを特徴とする。
そして、この構成にあって、タイミング処理手段を具備するものであり、この複数の1次元画像相互の走査方向に関して、これら1次元画像の目的とする結像面における、それぞれの走査時の同一地点上の通過時間のずれを、タイミング処理手段によって補正することを特徴とする。
本発明は、異なる波長の入射光に対して光変調がなされる複数の1次元ブレーズ回折形光変調素子を有するブレーズ回折形光変調装置において、従来構造においては、冒頭に述べたように、それぞれそのブレーズ角を、それぞれの波長に対して最適角に設定していたことに対して、これら複数の1次元ブレーズ回折形光変調素子におけるブレーズ角を、同一ブレーズ角に設定するものであり、このような構成としても、充分に、各波長の入射光に対して従前の非ブレーズ形GLVの光変調装置と同等もしくはそれ以上の1次回折効率が得られることを見出したものである。
すなわち、この複数の1次元ブレーズ回折形光変調素子のブレーズ角を、これら光変調素子によって光変調を行う異なる波長の入射光のうちの、最長波長の光に対する最適ブレーズ角と、最短波長の光に対する最適ブレーズ角との間のブレーズ角に選定することによって、従来のブレーズ回折形光変調装置における、各波長の光に対してブレーズ角を変更した場合に比して、実質的に遜色のない1次光回折効率が得られたのである。
このように、本発明によるブレーズ回折形光変調装置によれば、その複数の1次元ブレーズ回折形光変調素子について、同一構造、寸法とすることができることから、複雑なブレーズ形構成において、その製造の簡易化、設計値に対するばらつきの低減化が図られる。
そして、これら複数の1次元ブレーズ回折形光変調素子を、共通の基板上に形成する構成とすることによって、より簡潔な構造、製造の簡易化、素子相互の位置関係の設定の精度の向上、組立て精度の向上、全体の小型化、コンパクト化が図られる。
また、複数の1次元ブレーズ回折形光変調素子を、同一製造工程で同時に製造することができることから、量産性の向上を図ることができ、コストの低減化、信頼性の向上を図ることができる。
更に、その波長を異にする入射光の、対応する1次元ブレーズ回折形光変調素子に対する入射角を選定することによって、この1次回折光を、同一方向に発生させることにより、これら1次回折光を、他の光例えば入射光の反射光と分離する例えば空間フィルタを、複数の1次元ブレーズ回折形光変調素子からの1次回折光に対して、共通化することができ、しかもその回折光を選択的に通過させる開口を小さくすることができるので、迷光の通過を減少させることができ、複数の空間フィルタの回避から、部品点数の減少、これに伴う、構成の簡略化、小型化、コストの低廉化を図ることができるものである。
そして、本発明による画像表示装置は、上述したように、複数の波長の光が用いられる画像表示装置であり、かつこれら波長を異にする光によって画像表示を行う構成であり、この構成において、その各波長の光を、表示情報に応じて変調するブレーズ回折形光変調装置を具備するものである。
そして、そのブレーズ回折形光変調装置が、上述した本発明によるブレーズ回折形光変調装置の構成とされるものである。
したがって、本発明による画像表示装置は、上述した本発明によるブレーズ回折形光変調装置におけると同様に複数の1次元ブレーズ回折形光変調素子について、同一構造、寸法とすることができることから、その製造の簡易化、設計値に対するばらつきの低減化が図られる。
そして、これら複数の1次元ブレーズ回折形光変調素子を、共通の基板上に形成する構成とすることによって、より簡潔な構造、製造の簡易化、素子相互の位置関係の設定の精度の向上、組立て精度の向上、小型、コンパクト化が図られることから、特に、画像表示装置例えばプロジェクタにおけるように、取り扱いの簡便性、小型軽量化が望まれる装置においてその効果は大きい。
更に、例えばカラー画像表示装置において、対応する1次元ブレーズ回折形光変調素子に対する入射角を選定することによって、1次回折光を、同一方向に発生させることによって、これら1次光を他の光例えば入射光の反射光と分離する例えば空間フィルタを、複数の1次元ブレーズ回折形光変調素子からの1次回折光に対して、共通化することができるので、部品点数の減少、これに伴う、構成の簡略化、小型化、コストの低廉化を図ることができるものである。
そして、このように、複数、例えば赤、緑および青の変調光、すなわち1次回折光を、相互に同一方向に取り出すことによって、これらを同一方向に向かわせるための合波のための光学手段が省略されることから、画像表示装置としての部品点数の減少、構成の簡略化、コストの低廉化、取り扱いの簡便化を図ることができるものである。
そして、この場合、複数の上述した1次回折光によるレーザ光、例えば赤、緑、および青の光が、相互に平行に、すなわち、所要の間隔をもって平行に進行させることができることから、この画像の結像面、例えばスクリーン、あるいは瞳孔、あるいは結像面に向かう途上において、各光の間隔を、所要の間隔に選定しておくことによって、瞳孔にこれら複数の光線が同時に導入されることを回避できる。したがって、レーザによる、例えば人の目に対する安全性を確保する効果をもたらすことができる。
そして、この例えばスクリーン上における、各色の光線の位置ずれは、タイミング処理手段を設けた構成としたことによって、各色の画像信号を、その位置ずれに応じてタイミング補正することによって、観察者において、実質的に画質の低下を来たすことなく、観察することができるものである。
本発明によるブレーズ回折形光変調装置および画像表示装置の各実施の形態を、図面を参照して例示して説明するが、本発明は、これら実施の形態例に限定されるものではない。
図1は、本発明によるブレーズ回折形光変調装置1の実施の形態例で、図1Aは、その概略平面図、図1Bは、図1AのB−B線の概略断面図である。
この例においては、共通の基板21、例えば厚さ0.7mm程度のシリコン半導体基板上に、異なる波長の入射光に対してそれぞれ光変調がなされる複数の1次元ブレーズ回折形光変調素子が形成される。この例では、それぞれ波長625nm〜675nmの赤のレーザ光と、波長500nm〜550nmの緑のレーザ光と、波長420nm〜470nmの青のレーザ光の入射光に対して、それぞれ光変調がなされる1次元ブレーズ回折形光変調素子GLV−R、GLV−G、GLV−Bが形成される。
これら、各1次元ブレーズ回折形光変調素子GLV−R、GLV−G、GLV−Bは、図1Aで示すように、互いに平行に所要の間隔をもって並置形成することができる。
一方、基板21上に、1次元ブレーズ回折形光変調素子GLV−R、GLV−G、GLV−Bを覆って、例えばガラス板より成る透明封止板22を対向配置し、基板21および透明封止板22の外周部を封着材23、例えば半田によって封着する。
このようにして、複数の1次元ブレーズ回折形光変調素子GLV−R、GLV−G、GLV−Bが配列形成された基板21を、この基板21と透明封止板22との間に形成された単一密閉空間24内に封入する。
これら異なる波長の入射光に対して光変調がなされる複数、この例では3組の1次元ブレーズ回折形光変調素子GLV−R、GLV−G、GLV−Bの基本的構成は、前述した図2の模式的断面図で説明したブレーズ形GLV100による。
すなわち、図1で示した例えば基板1の1主面を基準面f−f´として、この主面上に、各1次元ブレーズ回折形光変調素子GLV−R、GLV−G、GLV−Bのそれぞれにおける共通電極20が形成される。
一方、全1次元ブレーズ回折形光変調素子GLV−R、GLV−G、GLV−Bの構成部に関して、各共通電極101に対向して、例えば6本の帯状の回折格子要素11(111,112,113,114,115,116)を1ピクセルとして、例えば1088個のピクセルが、例えば第1の状態の非駆動状態(初期状態)においては、図3A1,B1,C1に示すように、基準面f−f´に対し共通する一定のブレーズ角γをもって、また、共通する一定のチルト段差Dをもって、一方向に、すなわち1次元的に形成する。
この状態においては、各波長の例えば赤、緑および青の入射レーザ光LiR,LiGおよびLiBによって回折光は発生せず、反射のみが生じる。
そして、これら1次元ブレーズ回折形光変調素子GLV−R、GLV−G、GLV−Bにおいて、図3A2,B2,C2に示すように、第2の状態において、上述した例えば各波長の赤、緑および青の色の入射レーザ光に対し、1次回折光LdR,LdGおよびLdBを発生させる状態を、1つおきの回折格子要素112,114,116と、これらに対向する共通電極101との間に所要の電位を印加することによって変位させる。
このとき、1次元ブレーズ回折形光変調素子GLV−R、GLV−G、GLV−Bに対する入射レーザ光LiR,LiG,LiBの、入射角δR,δG、δBを選定することによって、図3A2,B2,C2に示すように、各1次回折光LdR,LdG,LdBを一定の出射角αとなるようにする。
これら1次回折光は、図4に示すように、空間フィルタを通じて取り出される。
このようにして、第1および第2の状態の切り換えによって1次回折光の例えばオン・オフを行って、この1次回折光のオン・オフをもって光変調を行う。
本発明においては、上述したように、1次元ブレーズ回折形光変調素子GLV−R、GLV−G、GLV−Bにおいて、そのブレーズ角、すなわち回折格子要素11の傾き角γ、チルト段差Dを共通にするものであるが、そのブレーズ角γは、入射光の最長波長の光、この例では、赤の波長に対する最適ブレーズ角と、最短波長の光に、この例では、青の波長に対するそれぞれの最適ブレーズ角との間の角度に選定する。
また、上述した異なる波長の入射光が、それぞれ波長625nm〜675nmの赤の波長光と、波長500nm〜550nmの緑の波長光と、波長420nm〜470nmの青の波長光である場合において、その全1次元ブレーズ回折形変調素子GLV−R、GLV−G、GLV−Bの回折格子要素11(111〜116)のチルト段差Dは、120nm〜140nmに選定されるように、ブレーズ角を選定する。
尚、上述した説明においては、第1および第2の状態を代表的に説明したが、これらの中間の状態を形成することによってオン・オフのみならず、その中間の諧調的状態を形成することもできる。
上述したように、本発明においては、各波長光に関する1次元ブレーズ回折形光変調素子GLV−R、GLV−G、GLV−Bにおいて、同一出射角αの設定を行うときは、図4に、その1次回折光を選択的に取り出す空間フィルタ25の開口25Wを充分小さくすることができることから、空間フィルタ25を通過する迷光を効果的に回避できる。
これに対し、例えば図8に示すように、1次回折光が分散される構成とするときは、空間フィルタ25の開口25Wは、大にせざるを得なくなり、これに伴い迷光の入り込みが大きくなる。
上述したように、本発明によるブレーズ回折形光変調装置によれば、複数の異なる波長に関する1次元ブレーズ回折形光変調素子を同一設計とするものであるが、図5を参照してその回折効率の波長依存性について説明する。
図5中、曲線50R,50G,50Bは、それぞれ本発明構成によらず、それぞれチルト段差Dを、各赤、緑、青の入射波長642nm,532nm,457nmの1/4に選定したブレーズ形GLVにおける入射光波長に対する1次回折光効率の依存性を示したものである。
また、破線50は、ブレーズ形によらない図9で示した非ブレーズ形の通常一般のGLVにおける回折効率を示したものである。
そして、図5中、曲線51は、本発明によるブレーズ形GLVにおいて、その光変調がなされる入射光の最長波長の光、この例では642nmと、最短波長の光、この例では457nmとのほぼ中間の500nmに対する最適段差にした場合の波長依存性を示したものである。
曲線51をみて明らかなように、各赤、緑、青の入射波長642nm,532nm,457nmに関して、十分な高い回折効率が得られている。そして、従来の非ブレーズ形の破線50の効率に比しては、かなり高い効率を示すことがわかる。
また、図6Aは、1次元ブレーズ回折形光変調素子における相対回折効率の、規格化されたチルト段差依存性を示す図である。
ここで、
相対回折効率=[2−2cos{π(−1+pt)}]/[π(−1+pt)
・・・・・(1)
但し、ptは、規格化チルト段差であり、pt=設計チルト段差×4/λとする。
上記(1)式は、図6に示す回折格子要素11の配列において、その真上から、平面波を入射させたときに生じた光の波形のフーリエ変換で求めた1次回折光の式で、そのチルト段差を波長で規格化した。
図6Aにおいて、非ブレーズ形のGLVにおける±1次回折光の一方の回折効率は、4/πであるが、この非ブレーズ形のGLVにおいて、±1次回折光の両光を合波して用いる場合を想定すると、8/πとなる。
すなわち、この非ブレーズ形のGLVにおける±1次回折光より高い回折効率を得るには、8/π以上の回折効率が得られるチルト段差とすることが必要となる。
この条件を満たすためには、図6Aにより、規格化チルト段差ptが、1/2<pt<
3/2に選定されることが必要となる。
すなわち、具体的には、入射光が、643nm,532nm,457nmである場合、設計チルト段差は、80.4nm〜171nmの間とする。
尚、本発明による1次元ブレーズ回折形光変調素子の具体的構造、およびその製造方法は、公知の構造および製造方法を適用できる。例えば前述した特許文献2(US2003/0035189A1)に開示の構造および製造方法によることができる。
次に、本発明による画像表示装置の実施の形態例を図7の概略構成図を参照して説明する。
本発明による画像表示装置30は、本発明によるブレーズ回折形光変調装置1を具備する。
本発明による画像表示装置は、例えばカラー画像投影装置に適用し得るものであり、図7はこの場合の実施の形態例である。
この実施の形態例では、ブレーズ回折形光変調装置1と、空間フィルタ25と、投影レンズ31と、ガルバノスキャナあるいはポリゴンスキャナ等よりなるスキャナ32と、スクリーン33と、光源部34とを有する。
光源部34は、それぞれ例えば波長625nm〜675nmの赤の波長のレーザ光と、波長500nm〜550nmの緑の波長のレーザ光と、波長420nm〜470nmの青の波長のレーザ光をそれぞれ発生する例えば半導体レーザあるいは利得媒質を有する固体レーザ、固体レーザと波長変換素子との組み合わせによるレーザ光発生装置34R、34G、34Bが配置されて成る。
ブレーズ回折形光変調装置1は、例えば図1で説明した1次元ブレーズ回折形光変調素子GLV−R、GLV−G、GLV−Bを有し、これらに、それぞれ光源部34のレーザ光発生装置34R、34G、34Bからの各色のレーザ光LiR,LiG,LiBが、所要の光学系35を通じて次元ブレーズ回折形光変調素子GLV−R、GLV−G、GLV−Bの1次元方向に沿うライン状の入射光LiR,LiG,LiBとされて入射される。
一方、これら1次元ブレーズ回折形光変調素子GLV−R、GLV−G、GLV−Bには、赤、緑および青の各色の投影画像信号源SR,SGおよびSBからの各色の投影画像信号が供給されてこれにより、入射レーザ光の1次回折光の発生のオン・オフ制御がなされ、この光変調がなされた各1次元回折光によるレーザ光が、空間フィルタ25、投影レンズ31を通じてスキャナ32に照射され、スクリーン上に投射され、スキャンされて2次元像として投射される。
この場合、上述した1次元ブレーズ回折形光変調素子GLV−R、GLV−G、GLV−Bは、図4で説明したように、これら1次元ブレーズ回折形光変調素子GLV−R、GLV−G、GLV−Bから発生した1次回折光が、同一方向に出射されるように選定されているものであり、このようにされていることから、前述したように、空間フィルタ25の開口25Wは小に選定でき、迷光の入り込みが低減される。
そして、このように、平行光として送り出されたレーザ光は、スクリーン上で幾分、相互に集中されるものの、相互にスキャン方向に離間している。
このように、例えば3本のレーザ光が離間していることは、安全性において好ましいが、画像としては、画質の低下を来たす。
そこで、この実施の形態においては、1次元ブレーズ回折形光変調素子GLV−R、GLV−G、GLV−Bへの画像信号の供給部に、これらのタイミングを補正するタイミング処理手段36、例えば各色、少なくとも2色の画像信号に対してタイミングを補正する遅延回路を設けるものであり、このようにして、スクリーン上での各レーザ光のずれに応じて、画像信号による画像に時間的ずれを発生させて、各スキャン位置で、この位置で投影すべき画像が忠実に再現されるようになすものである。
そして、本発明においては、例えばスクリーン上における各レーザ光の間隔の選定、また、その途上において、各レーザ光が一致することを回避し、人間の瞳孔の幅以上の間隔となるように、その間隔を選定する。
このようにすることによって、仮にレーザ光の光路内に、観察者が入り込んで、肉眼によって受光する場合においても、その瞳孔の幅以上の間隔以上にレーザ光の間隔を選定していることによって、同時に2本以上のレーザ光が瞳孔に入ることが回避され、安全性を確保できるものである。
尚、本発明は上述したスクリーン上に画像投射を行う例に限られるものではなく、また、ガラー画像表示装置に限られることなく、複数の波長の光源が用いられる各種画像表示装置に適用して、同様の効果を奏することができるものである。
本発明によるブレーズ回折形光変調装置の実施の形態例で、図Aは、その概略平面図、図Bは、図AのB−B線の概略断面図である。 本発明によるブレーズ回折形光変調装置の基本構成を示す図で、図Aおよび図Bはその第1および第2の状態における回折格子要素の配置状態を示す図である。 図A1,図B1,図C1は、第1の状態での、互いに異なる波長に対する本発明装置の1次元ブレーズ回折形光変調素子の一例の概略図、図A2,図B2,図C2は、第2の状態での、同様の1次元ブレーズ回折形光変調素子の概略図である。 図3で示した本発明装置の1次元ブレーズ回折形光変調素子の1次回折光の空間フィルタとの関係を示す図である。 一次元回折格子による光変調素子GLVの回折効率の波長依存性を示す図である。 図Aは、1次元ブレーズ回折形光変調素子の相対回折効率の規格化されたチルト段差との関係を示す図で、図Bは、その説明図である。 本発明による画像表示装置の実施の形態例の概略構成図である。 図4と対比される空間フィルタと回折光との関係を示す図である。 図Aおよび図Bは、非ブレーズ形光変調装置の第1および第2の状態における回折格子要素の配置状態を示す図である。
符号の説明
1・・・ブレーズ回折形光変調装置、21・・・基板、22・・・透明封止板、23・・・封着材、24・・・密閉空間、25・・・空間フィルタ、25W・・・開口、100・・・ブレーズ回折形光変調装置(ブレーズ形GLV)、110・・・共通電極、11(111〜116)回折格子要素、30・・・画像表示装置、31・・・投影レンズ、32・・・スキャナ、33・・・スクリーン、34・・・光源部、34R,34G,34B・・・レーザ光発生装置、35・・・光学系、36・・・タイミング処理回路、200・・・非ブレーズ形GLV、201・・・共通電極、211〜216・・・回折格子要素、GLi,LiR,LiG,LiB・・・入射レーザ光、Ld,LdR,LdG,LdiB・・・回折光

Claims (4)

  1. 波長625nm〜675nmの赤の波長と、波長500nm〜550nmの緑の波長と、波長420nm〜470nmの青の波長との入射光に対して光変調がなされる複数の1次元ブレーズ回折形光変調素子GLVを有し、
    これら異なる波長の入射光に対して光変調がなされる上記1次元ブレーズ回折形光変調素子GLVのブレーズ角が、上記入射光の最長波長の光に対する最適ブレーズ角と、最短波長の光に対する最適ブレーズ角との間の角度であり、上記1次元ブレーズ回折形光変調素子GLVの回折格子要素のチルト段差が120nm〜140nmとなるように全て同一ブレーズ角及び同一チルト段差を選定し、共通の基板上に配列されるとともに単一密閉空間内に封入して成り、
    上記異なる波長の入射光が、対応する上記1次元ブレーズ回折形光変調素子GLVに対し、異なる入射角をもって入射され、ほぼ同一方向に1次回折光を発生させる
    ブレーズ回折形光変調装置。
  2. 波長625nm〜675nmの赤の波長の光と、波長500nm〜550nmの緑の波長の光と、波長420nm〜470nmの青の波長の光とを発生する光源部と、各波長の光を表示情報に応じてそれぞれ変調する複数の1次元ブレーズ回折形光変調素子GLVを有するブレーズ回折形光変調装置を具備し、
    上記1次元ブレーズ回折形光変調素子GLVのブレーズ角が、上記入射光の最長波長の光に対する最適ブレーズ角と、最短波長の光に対する最適ブレーズ角との間の角度であり、上記1次元ブレーズ回折形光変調素子GLVの回折格子要素のチルト段差が120nm〜140nmとなるように全て同一ブレーズ角及び同一チルト段差に選定し、共通の基板上に配列されるとともに単一密閉空間内に封入して成り、
    上記異なる波長の入射光が、対応する上記1次元ブレーズ回折形光変調素子GLVに対し、異なる入射角をもって入射され、ほぼ同一方向に1次回折光を発生させ、スクリーン上またはスクリーンに到達するまでにおける上記各波長の光の間隔が、人間の瞳孔の幅以上の間隔とされる
    画像表示装置。
  3. 上記複数の1次元ブレーズ回折形光変調素子GLVによってそれぞれ変調されて得た複数の1次元画像を走査して、目的とする結像面において2次元画像を得る走査装置を有して成る請求項2に記載の画像表示装置。
  4. 上記請求項3に記載の画像表示装置であって、画像信号のタイミング処理回路を具備し、
    該複数の1次元画像相互の上記走査方向に関して、これら1次元画像の目的とする結像面における、それぞれの走査時の同一地点上の通過時間のずれが、上記タイミング処理手段によって補正される画像表示装置。
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