JP4402586B2 - モアレ状のパターンを有する再帰反射物品 - Google Patents

モアレ状のパターンを有する再帰反射物品 Download PDF

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Description

本発明は、モアレ状のパターンにおいて光を反射する微小構造面を有するシートを具備する物品に関する。本発明は、さらにこのようなパターンを有するシートを生じる成形型を含むその原型および複製の作製方法に関する。好ましい方法は、基板(たとえば金属板)にV字形の溝を形成することを含み、3つの溝の交差点がコーナキューブ素子を形成する。コーナキューブ素子は、隣接する平行な溝がアレイ全体にわたって実質的に同一の溝間隔および溝深さを有するような態様で形成される。原型のほか、対応する成形型およびシートも、アレイ全体にわたって約0.0005インチ(0.0127mm)〜約0.007インチ(0.1778mm)の範囲の溝間隔を備えていれば好ましく、約0.004インチ(0.1016mm)未満の溝間隔であればさらに好ましい。
再帰反射コーナキューブシートは、種々の装飾目的および安全目的のために一般に用いられている。コーナキューブシートは、その高い再帰反射性の明るさに鑑みて、交通標識、舗装道路のマーキング、車両のマーキングおよび人間用の安全物品などの用途に関して好ましいことが多い。そのような発端以来、コーナキューブ再帰反射シートに関する特許文献に記載されているように、種々の改良が行われてきた。
つい最近、たとえば、米国特許第6,206,525号明細書は、アレイにおいて、小さなメタルバックのコーナキューブプリズムから形成される0.5°の観測角を含む反射光の方向自由な円錐を形成し、プリズムのサイズは中心間で0.0005インチ〜0.003インチの範囲内にある再帰反射シートを教示している。アレイは、角度を持って交差する3組の溝を線引きすることによって形成される成形型で透過性のプラスチックプリズムを注型することによって形成される。これらの溝は、中心間で0.0005インチ〜0.003インチの範囲の間隔で配置される。形成の前または後で、プリズムは金属などの反射性材料でコーティングされる。きわめて小さなプリズムの主な欠点は、線引き用の切削ダイヤモンドが摩滅するため、広い領域にわたって中心間でプリズムを0.002インチのアレイに線引きすることがきわめて難しいことであるように記載されている。しかし、きわめて小さいプリズムは可撓性の増大をはじめとする利点も有することが記載されている。
本発明者らは、きわめて小さいコーナキューブプリズムが正確に位置するV字形の交差溝を有する原型から形成されるとき、再帰反射シートなどの再帰反射原型および再帰反射複製はモアレ状のパターンを呈することを発見した。このようなモアレ状のパターンの発生は、隣接するキューブ(すなわち入射光が干渉性であるキューブの群)の間の光学的干渉から生じると推測される。シートにおけるこのモアレ状のパターンの存在は容易に視覚的に認識され、種々の交通制御、目につきやすさおよび文書認証用途に用いられることができ、特に、たとえば、パターンの存在が読みやすさを損なわないような態様において用いられる。
本発明は、幾何的な素子(たとえばコーナキューブ)のアレイを有するポリマーシートを含み、モアレ状のパターンを含む再帰反射シートに関する。好ましい実施形態において、素子は連続ランド層によって相互に接続される。
基板に3組のV字形の溝を形成することによって、交差点がコーナキューブ素子のアレイを形成するような原型の作製方法も開示される。各組の溝は実質的に同一の溝間隔および溝深さを有し、0.0005インチ(0.0127mm)〜0.0070インチ(0.1778mm)の範囲の溝間隔を有する。
素子は、3組の互いに交差するV字形の溝から形成されることが好ましい。溝の平均溝間隔は、0.0005インチ(0.0127mm)〜0.007インチ(0.1778mm)の範囲であることが好ましく、0.004インチ(0.1016mm)未満であればさらに好ましい。コーナキューブ素子は、アレイまたはサブアレイ全体にわたって実質的に同一のサイズである。
溝は、10個の連続する溝の距離に関して、少なくとも±800nmの溝位置精度に対して実質的に同一の間隔および深さを有し、少なくとも±500nmであれば一般的であり、少なくとも±200nmであればさらに一般的であり、少なくとも±100nmであれば好ましく、少なくとも±50nmであればさらに好ましく、少なくとも±25nmであればより一層好ましく、少なくとも±10nmであれば最も好ましい。コーナキューブ素子は、角を切り落としていてもよく、または切り落としていなくてもよい。
溝は、少なくとも±2分角の正確さである溝角度精度で形成され、少なくとも±1分角の正確さであれば好ましく、少なくとも±1/2分角の正確さであればさらに好ましい。
このようなモアレ状のパターンを提供する原型を提供する工程と、ネガティブ成形型を形成する原型を電気めっきする工程と、原型から成形型を取り外す工程と、任意に少なくとも1つのポジティブ(ポジ型)成形型を少なくとも一度形成するネガティブ(ネガ型)成形型を電気めっきする工程と、任意に複数世代成形型を形成するポジティブまたはネガティブ成形型を電気めっきする工程と、を含む成形型の作製方法も開示される。
このようなモアレ状のパターンを提供する成形型を提供する工程と、成形型のマイクロプリズム面上に流動性樹脂成形材料を注型する工程と、成形材料を硬化してシートを形成する工程と、成形型を除去する工程と、を含む再帰反射シートの作製方法も開示される。別の方法は、このようなモアレ状のパターンを提供する成形型を提供する工程と、成形可能な基板を提供する工程と、パターンが基板上に与えられるように成形型の面を基板に接触させる工程と、成形型を除去する工程と、を含む。この方法は、さらに、樹脂または基板に反射性コーティングを施す工程を含んでもよい。樹脂成形材料は、透過性(透明)であることが好ましい。好ましい樹脂は、ポリカーボネートである。
本発明は、モアレ状のパターンを含む原型(master)、成形型(tooling)および特にシートに関する。本発明はさらに、そのようなパターンを含むその原型および複製(レプリカ)の作製方法に関する。本願明細書で用いられるとき、「モアレ状のパターン」なる語は、図2に示されるものと類似の観察される外観を指し、評価時には再帰反射原型または複製から約20フィートまでの距離で、ほぼ鼻の位置で観察者の目付近に維持される通常のフラッシュライトからの光で照らし、その平面に対して略垂直に再帰反射原型または複製を照射する。
原型は、コーナキューブ素子を形成するために互いに交差する溝のパターンを形成するステップを含む直接的な機械加工技術を用いる溝形成装置によって形成されることが好ましい。溝付きの基板は原型と呼ばれ、それによって一連の複製を形成することができる。直接的な機械加工技術の例としては、米国特許第4,588,258号明細書(Hoopman)および米国特許第3,712,706号明細書(Stamm)に記載されているようなフライカッティング、フライス加工、研削および線引き加工などが挙げられる。これらの特許には、基板においてコーナキューブ光学面を形成するために、溝を切削するための2つの対向する切削面を有する機械加工工具の1回または複数回の通過が開示されている。
直接的に機械加工される溝組を形成するために適した任意の基板は、本発明の原型の作製方法において用いられてもよい。適切な基板は、バリを形成することなくきれいに機械加工し、低延性および低粒状性を呈し、溝形成後の寸法の精度を維持する必要がある。種々の機械加工可能なプラスチックまたは金属を利用してもよい。適切なプラスチックは、アクリル系または他の材料などの熱可塑性材料または熱硬化性材料が挙げられる。機械加工可能な金属としては、アルミニウム、黄銅、無電解ニッケル合金および銅が挙げられる。好ましい金属としては、非鉄金属が挙げられる。好ましい機械加工材料は一般に、溝の形成中に切削加工工具の摩耗を最小限に抑えるように選択される。
溝組を直接機械加工するのに適したダイヤモンド工具は、ニューヨーク州ムアーズ(Mooers,NY)のK&Yダイヤモンド(K&Y Diamond)またはオハイオ州シャルダン(Chardon,OH)のシャルダン・ツール(Chardon Tool)から購入可能なダイヤモンド工具のように高品質のものである。特に、適切なダイヤモンド工具は、2000倍の白色光顕微鏡で評価することができるように、チップの10ミルの中にかき傷がないものである。一般に、ダイヤモンドのチップは、約0.00003インチ(0.000762mm)〜約0.00005インチ(0.001270mm)のサイズの平坦な部分を有する。さらに、適切なダイヤモンド工具の表面仕上げは、約3nm未満の粗度平均を有し、ピークツーバレーの粗度が約10nm未満であることが好ましい。機械加工可能な基板に試験切削を行い、アリゾナ州トゥーソン(Tucson,AZ)のワイコ(Wyko)、ビーコ(Veeco)社の一部門から購入することができるような顕微干渉計を用いて試験切削を評価することによって、表面仕上げを評価することができる。
本発明による原型の作製方法は直接機械加工方法に向けられているが、成形型および再帰反射シートは、反射幾何素子の正確な形成によりそのようなモアレ状のパターンを生じることになるという条件で、他の方法によって製造される原型に由来することもありうる。平面図において、得られるコーナキューブ素子は、台形、矩形、四辺形、五角形または六角形をはじめとする非三角形である他の形状を備えていてもよいが、これらに限定されるわけではない。
本発明の原型の好ましい作製方法において、複数のV字形の溝が基板(たとえば金属板)に形成される。本願明細書で用いられるとき、「切削角度」なる語は、互いに対して溝組の相対的な方向を指す。「溝間隔」なる語は、ある溝の天底と隣接する平行な溝の天底との間の距離(たとえばx方向における)を指し、天底とは溝の最下点である。「溝深さ」なる語は、基板(たとえば板)の上面と溝の天底との間の距離(たとえばy方向における)を指す。「溝位置」なる語は、原型内の溝の2次元位置(たとえばx、y座標)を指す。第3の次元(たとえばz方向)は一般に一定であり、原型板の外縁から対向する外縁まで延在している。したがって、溝位置は、溝間隔および溝深さによって決定される。「溝半角」なる語は、V字形の溝の一方の側に形成される角度を指す。溝半角は、切削方向と一直線であり、基板の平面に対して垂直である基準平面に対して測定される。「溝角度」は、同一の天底を共有する隣接する半角の和である。
一般に、第1の組の平行な溝は図1の溝1,1〜1,20によって示されるように、平面に形成され、第2の組の平行な溝は図1の溝2,1〜2、31によって示されるように、第1の組に対する切削角度で平面に形成され、第3の組の平行な溝は図1の溝3,1〜3,31によって示されるように、第1の組対する切削角度で平面に形成される。各組は、複数の隣接する平行な溝を含んでいる。本願明細書で用いられるとき、「隣接する平行な溝」なる語は、同一の組においていずれかの側にある溝を指す。たとえば、溝1,2に対する隣接する平行な溝は、溝1,1または溝1,3である。
組内部の各溝のほか、溝の各組も一般に、共通の深さで形成される。切削角度は一般に約60°であり、約45°〜約75°の範囲内の正確に指定された角度であるように特に選択される。各溝組の交差点に関する溝角は、二面角が約90°であり、コーナキューブ素子を形成するように選択される。角を切り落としていないキューブの場合には、公称の溝角度は、3組すべてに関して同一である。あるいは、コーナキューブ素子は角を切り落としていてもよく、溝角度および切削角度は、素子の光軸が傾斜されるように選択される。前の角を切り落とした場合の実施例は、米国特許第4,588,258号明細書(Hoopman)に記載されている。角を切り落としたキューブまたは角を切り落としていないキューブは、角度が再帰反射光の広がりを制御するために、溝角度がわずかに変化するように(たとえば±10分角)形成されてもよい。図1によって示されているように、3組の交差する溝は、均一なパターンに配置されるコーナキューブ素子のアレイに生じる。アレイは、コーナキューブ素子の面積当たり実質的に最大数の素子を有することが好ましい。
V字形の溝は、微細精度で各溝を形成することができるダイヤモンド加工機械によって形成される。コネチカット州ブリッジポート(Bridgeport,CT)のムーア・スペシャル・ツール・カンパニー(Moore Special Tool Company)、ニューハンプシャー州キーン(Keene,NH)のプレシテック(Precitech)、ペンシルバニア州ピッツバーグ(Pittsburg,PA)のエアロテック・インコーポレィテッド(Aerotech Inc.)は、そのような目的のための適切な機械を製作している。そのような機械は一般に、レーザ干渉計位置決め装置を具備している。適切な精密回転テーブルはミシガン州スターリングハイツ(Sterling Heights,MI)のエーエーゲージ(AA Gage)から市販されており、適切な顕微干渉計はコネチカット州ミドルフィールド(Middlefield,CT)のザイゴ・コーポレーション(Zygo Corporation)およびアリゾナ州トゥーソン(Tucson,AZ)のワイコ(Wyko)、ビーコ(Veeco)社の一部門から市販されている。溝間隔および溝深さの精度(すなわちポイントツーポイント位置決め)は、少なくとも±750nmの正確さであることが一般的であり、少なくとも±500nmの正確さであれば好ましく、少なくとも±250nmの正確さであればさらに好ましく、少なくとも±100nmの正確さであればさらに一層好ましい。さらに、解像度(すなわち溝形成装置の現在の軸位置を検出する性能)は一般に、少なくとも精度の約10%である。したがって、±100nmの精度の場合には、解像度は少なくとも±10nmである。短距離(すなわち10個の隣接する平行な溝)に関して、精度は解像度にほぼ等しい。溝角度の精度は、少なくとも±2分角(±0.033°)の正確さであれば一般的であり、少なくとも±1分角(±0.017°)の正確さであればさらに好ましく、少なくとも±1/2分角(±0.0083°)の正確さであれば最も好ましい。
持続時間にわたってそのような微細精度の複数の溝を常に形成するために、工程の温度は±0.1℃以内に維持され、好ましくは±0.01℃以内に維持されることである。さらに、溝角度許容差を維持するために、原型内のすべての溝は、最終的な深さより約10ミクロンの深さに最初に荒削りされ、次に別の方向において仕上げ切削が行われることが好ましい。図1に示されるように、第1の溝1,1(すなわち第1の組、第1の溝)は、仕上げ切削がなされている。第2の溝は飛ばされ、第3の溝1,3は逆方向であることを除き、同一の態様で仕上げ切削がなされている。第4の溝は飛ばされ、第5の溝1,5が第1の方向において仕上げ切削がなされるなど、板の一番下にある最後の溝が形成されるまで以下同様に行われる。続いて、交互(すなわち飛ばされた偶数番号の)溝が、同一の態様で一番下から一番上まで仕上げ切削がなされる。続いて、第2の溝組および第3の溝組が同一の方式で切削される。
本発明者らは、小さなキューブがそのような精度で原型に形成されるとき、その再帰反射複製(すなわち成形型およびシート)はモアレ状のパターンを呈することを発見した。原型自体が再帰反射(たとえば透過性プラスチック)であるような適切な基板から原型が形成される場合には、原型はまた、このようなモアレ状のパターンを呈することになる。成形型が原型から作成される実施形態の場合には、パターンが成形型の形成中に複製される。さらに、次に、再帰反射シートがそのような成形型から形成されるときにも、パターンが複製される。したがって、ネガティブコピーの成形型がポジティブコピーの再帰反射シートを形成するために用いられる実施形態の場合には、再帰反射シートの表面は由来する原型と実質的に同一である。
理論によって束縛されることを望むものではないが、そのようなモアレ状のパターンの存在が隣接するキューブを照らして反射される入射光の干渉性によって生じる干渉効果であると推測される。光が干渉性である領域は、隣接領域のサイズを規定し、キューブのアパーチャサイズより大きい。そのような隣接領域を規定するキューブの集合体はすべて、入射光に同様に影響を及ぼす。可視光の波長のある小さな部分の中では、隣接するキューブは同一の反復幾何構成を有する。光の反射電解は、キューブの位置によって異なるだけであるという理論付けにより、個別のキューブからの電界の和が観測されるモアレ状のパターンを生じる。
十分に理解されていない理由のために、このようなモアレ状のパターンの発生は、たとえば0.01インチ(0.254mm)の溝間隔を有するより大きなキューブでは容易にはっきりと認められなかった。したがって、本発明の方法および物品は主に、0.0005インチ(0.0127mm)〜0.007インチ(0.1778mm)の範囲の溝間隔(すなわちピッチ)を有する比較的小さいキューブに関する。さらに、このようなモアレ状のパターンの発生の影響度は、ピッチが減少するほど大きくなる傾向にあると推測される。したがって、本発明は、溝間隔が0.004インチ(0.1016mm)未満であり、好ましくは0.0035インチ(0.0889mm)未満である原型および対応する物品の作製方法に最も有用である。素子が形成される技術に関係なく、素子の横方向の寸法(すなわち対向する面または特徴部の間で測定されるときの素子のサイズ)は、0.0005インチ(0.0127mm)〜0.007インチ(0.1778mm)の範囲であることが好ましい。素子の横方向の寸法は、0.004インチ(0.1016mm)未満であることが好ましく、0.0035インチ(0.0889mm)未満であればさらに好ましい。
本発明者らは、溝位置変動の一定の大きさおよび周波数を原型の作製方法に導入し、変動が意図的であり、制御されるようにすることにより、そのようなパターンの発生を減少または削減することができることを発見した。したがって、そのようなモアレ状のパターンを有する物品を常に形成するために、そのような変動が実質的に削減される。たとえば米国特許第6,168,275号明細書に記載されるような実質的に異なるサイズを有するコーナキューブ素子の形成に比べて、本発明では原型、成形型およびシートのコーナキューブ素子は、アレイまたはサブアレイ全体にわたって実質的に同一のサイズである。このことは、最小のキューブは、最大のキューブに比べて少なくとも85%のサイズであり、少なくとも90%のサイズであれば好ましいことを意味する。別の観点において、アレイにおける各キューブのアクティブアパーチャは、実質的に同一である。1つまたは個別のコーナキューブ素子に関する有効領域(すなわちアクティブアパーチャ)は、同一の平面で第3の反射の画像面の投影に関して、屈折入射光線に対して垂直である平面上の3つのコーナキューブ面の投影の位相交差点によって決定され、それに等しい。有効アパーチャを決定するための1つの手順は、たとえばエクハルト(Eckhardt)著、Applied Optics、v.10、n.7、1971年7月、1559〜1566頁に記載されている。米国特許第835,648号明細書(Straubel)もまた、有効領域またはアパーチャの概念について記載している。
一般に、溝は、溝間隔、溝深さおよび溝角度が各溝を通じて均一であるように、基板にダイヤモンド工具を用いて形成される。溝位置変動の大きさは、溝形成装置の精度に等しい。したがって、溝位置変動は1ミクロン未満であり、約750nm未満であれば一般的であり、約500nm未満であればさらに一般的であり、約250nm未満であれば好ましく、約100nm未満であればさらに好ましく、約50nm未満であればさらに一層好ましく、約10nm〜25nmであれば最も好ましい。したがって、溝位置変動は、人間の目によって検出することができるという点で、アレイまたはサブアレイ全体にわたって屈折光が同一であるほど十分に小さい。
溝が形成される基板に応じて、溝が適切な透過性プラスチック基板に形成される場合のように、原型自体は再帰反射物品として有用であってもよい。しかし、一般に、金属板を基板として用いる場合のように、原型自体は再帰反射性ではない。再帰反射シートを形成するための適切なサイズの原型成形型を形成するために、複数の成形型(タイルとも呼ばれる)は、ネガティブコピーを形成するために原型の溝付き面を電気めっきし、続いてポジティブコピーを形成するためにネガティブコピーを電気めっきし、第2の世代のネガティブコピーを形成するためにポジティブコピーを電気めっきするなどことによって形成される。電気めっき技術は一般に、Priconeらの米国特許第4,478,769号明細書および同第5,156,863号明細書に記載されているように、周知である。次に、所望のサイズの原型成形型は、そのような成形型を合せてタイルを張ることによって組立てられることができる。
タイリング工程は継ぎ目のあるタイルの間の境界で溝位置変動を導入してもよいことを十分に理解されたい。したがって、モアレ状のパターンがタイリングの結果、減少しないようにするために、モアレ状のパターンを有するサブアレイは、約1/4インチ(0.635cm)より大きいことが好ましい。比較的小さい安全マーキングの場合には、パターンがマーキングによって遮断されないことを保証するために、タイルは意図したマーキングのサイズとほぼ等しいことが好ましい。
再帰反射シートは、一体材料として形成されることが好ましい。すなわち、コーナキューブ素子が型の寸法全体にわたって連続層で相互連結される場合には、個別の素子およびその間の連結は同一の材料を含む。マイクロプリズム面に対向するシートの面は一般に滑らかで平坦であり、「ランド層」とも呼ばれる。このランド層は一般に、約0.001インチ(25ミクロン)〜約0.006インチ(150ミクロン)の範囲の厚さを有し、少なくとも0.002インチ(50ミクロン)〜0.003インチ(75ミクロン)の厚さであれば好ましい。そのようなシートの形成は一般に、流動性樹脂の成形材料を原型成形型に注型し、成形材料を硬化させてシートを形成することによって実現される。
しかし、任意に、特開平8−309851号公報および米国特許第4,601,861号明細書(Pricone)に記載されているように、溝付き原型またはそのポジティブコピーは、再帰反射物品を形成するためのエンボス加工用成形型として用いることができる。あるいは、PCT出願国際公開第95/11464号および米国特許第3,684,348号明細書に教示されているように、予備成形フィルムに対してコーナキューブ素子を注型することによって、または予備成形コーナキューブ素子に予備成形フィルムをラミネートすることによって、積層製品として再帰反射シートを製造することができる。その際、個別のコーナキューブ素子が、予備成形フィルムによって相互連結される。さらに、素子およびフィルムは一般に、異なる材料からなる。
本発明の再帰反射シートに関して適切な樹脂成形材料は、寸法が安定であり、耐久性があり、耐候性があり、所望の構成に容易に成形可能である透過性材料であることが好ましい。適切な材料の例としては、ローム・アンド・ハース・カンパニー(Rohm and Haas Company)によって製造されるプレキシガラス(Plexiglas)ブランド受信などの屈折率約1.5のアクリル系樹脂、屈折率約1.59のポリカーボネート、熱硬化性アクリレートおよびエポキシアクリレートなどの反応性材料、E・I・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー・インコーポレィテッド(E.I.Dupont de Nemours and Co.,Inc.)の商標名サーリン(SURLYN)で市場に出回っているようなポリエチレンベースのイオノマー、(ポリ)エチレン−コ−アクリル酸、ポリエステル、ポリウレタンおよびセルロースアセテートブチレートが挙げられる。ポリカーボネートは、その靭性および比較的高い屈折率のために特に適しており、一般により広い範囲の入射角にわたって改善した再帰反射性能に寄与する。モアレ状のパターンが所定の見る条件の下で観測可能である程度にシートが反射性であるという条件で、透過性のより低い樹脂もまた安全マーキングなどの非再帰反射用途に適している。
金属コーティングなどの鏡面反射性コーティングは、コーナキューブ素子の背面に配置されてもよい。金属コーティングは、アルミニウム、銀またはニッケルなどの金属を蒸着または化学蒸着するような公知の技術によって施されることができる。プライマ層が、金属コーティングの接着を促進するために、コーナキューブ素子の背面に施されてもよい。金属コーティングに加えて、または金属コーティングの代わりに、シールフィルムが、コーナキューブ素子の背面に施されてもよい。たとえば、米国特許第4,025,159号明細書および同第5,117,304号明細書参照。シールフィルムは、キューブの背面に空気の境界を維持し、境界で内部全反射を可能にし、土および/または水分などの汚染物質が入らないようにする。
接着剤層はまた、コーナキューブ素子またはシールフィルムの背後に配置され、コーナキューブの再帰反射シートを基板に固定することができる。適切な基板は、木、アルミニウムシート、亜鉛めっき鋼、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリフッ化ビニル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンなどのポリマー材料、およびこれらの材料および他の材料から形成される種々のラミネートが挙げられる。
着色剤(たとえば顔料および/または染料)、紫外光吸収剤、光安定剤、フリーラジカル捕捉剤、酸化防止剤および、粘着防止剤、離型剤、スリップ剤、潤滑剤のような加工助剤などの他の添加剤を必要に応じてコーナキューブシート、シールフィルムおよび接着剤層に添加してもよい。
本発明の物品はさらに、昼間における視認性または顕著性を増大させるために、さらなる「色(カラー)層」を含んでもよい。そのような色層は、ポリマーマトリックス中に溶解または分散される少なくとも1種類の染料または顔料を含む。特に顕著性に関して好ましい色層は、ポリマーマトリックス中に溶解される昼用の蛍光染料(すなわち可視光に曝露時に可視光を放射する染料)を含む。ポリマーマトリックスは、可視光、特に染料によって放射される波長の光および染料を蛍光させる波長の光に対して、実質的に透過性であることが好ましい。蛍光染料は一般に、所望の色、ポリマーマトリックスに対する溶解度およびポリマーマトリックス中の安定性に基づいて選択される。場合によっては、色層における染料は、本質的にチオキサンテン、チオインジゴイド、イソバレラントロン、ナフタラミド、ベンゾオキサゾールクマリン、ペリレンおよび/またはペリレンイミド染料からなることが好ましい。しかし、他の場合には、物品の色および外観を調整するための、上述したものに加えて、色層はまた、顔料または他の染料などの着色剤を含んでもよい。
微細構造付きシートは、モアレ状のパターンのみを容易に見えるようにするという点に鑑みて、またはその高い再帰反射の明るさおよび場合によって不規則な再帰反射の明るさと組合せて、種々の用途で有用である。この独自のパターンの微細構造付きシートの用途としては、交通標識、舗装道路のマーキング、人間用の安全物品、文書認証ステッカーおよびカバーフィルムのほか、フロアグラフィック、車両の広告、行式グラフィック、天幕のグラフィック、旗および横断幕をはじめとする商業用のグラフック用途が挙げられる。
たとえば包装製品、テープおよび転写物の場合には、感圧接着剤が一般に、ラミネートまたは物品を樽、円錐状のもの、ポスト、道路、ナンバープレート、バリケードまたは標識面に固定するために、ラミネートの対向する面に塗布される。
モアレ状のパターン付きシートはまた、衣類、建設作業員のベスト、人用浮標用具(たとえばライフジャケット)、レインウェア、ロゴ、パッチ、販売促進用品目、旅行鞄、ブリーフケース、ブックバッグ、バックパック、ゴムボート、杖、傘、動物の首輪、トラックマーキング、トレイラーのカバーおよびカーテンなどの物品をはじめとする種々の再帰反射安全装置にも有用である。パターン付きシートは、そのような安全装置の上に、接着、縫い付けまたは溶接(たとえば、熱溶接、高周波溶接、超音波溶接)されてもよい。
再帰反射シートの再帰反射係数RAは、CIE publication No.54によって推奨されるように、4°の入射角、0°の方位角、0.2°の観測角で測定されるとき、少なくとも約100カンデラ/ルクス/m2であれば一般的であり、少なくとも約300カンデラ/ルクス/m2であれば好ましく、少なくとも約800カンデラ/ルクス/m2であればさらに好ましい。しかし、標準偏差は比較的大きい傾向にあり、再帰反射係数を測定する性能と干渉するモアレ状のパターンのために、平均の約3%〜約10%の範囲にある。
物品がレタリングまたはシンボルを用いて画像形成される場合には、パターン付きシートは読みやすさをさらに損なうことなく、顕著性を強化する態様で用いられることが好ましい。たとえば、レタリングは着色されてもよく、不透明であってもよく、異なる材料から構成されてもよく、または背景のみがモアレ状のパターン付きシートを含んでいてもよい。さらに、物品は、パターン付きシートの縁またはフレームを備えていてもよい。
モアレ状のパターンを含むシートは、運転免許証、ナンバープレート、パスポート、従業員識別カード、軍の記章などの種々の文書の製造に有用である。そのようなシートの製造に必要な精度のために、パターンは偽造することが困難であり、その存在はそのような物品の認証に有用である。この場合も、読みやすさを損なうことのない態様でシートを用いることが好ましい。縁またはフレームとしてシートを用い、透過性カバーフィルムの下または物品の外面にそのようなシートの小さなステッカーを配置することも推測される。本願明細書に記載される本発明のシートが文書の改ざんを防止するために、透過性上紙として用いられる実施形態の場合には、物品は米国特許第5,743,981号明細書に記載されるように形成されてもよい。シートのポリマー材料および厚さの選択に応じて、パターン付きシート自体は折れやすい可能性がある。パターン付きシートの小さな部分を組込む別の方法は、フィルム層(たとえばカバーフィルム)にパターンを複製するために、所望の形状またはシンボルのタイルをエンボス加工型として用いることである。モアレ状のパターン付きシートはまた、米国特許第5,200,851号明細書に記載されるように、可視光スペクトル以外の光の波長を(再帰)反射するように、修正されてもよい。
本発明の目的および利点は、以下の実施例にさらに示されているが、実施例に記載された特定の材料およびその量のほか、他の条件および詳細も本発明を過度に制限するものと考えるべきではない。
実施例1
原型は、機械加工可能な金属からなる厚さ約1インチのブロックに直径9インチ(22.86cm)を用いて形成された。ブロックは、約0.005インチ(0.127mm)だけ盛り上がった4.75インチ(12.06cm)の正方形部分を有するように機械加工された。ブロックは、少なくとも±100nmの正確さの溝間隔および溝深さの精度(すなわちポイントツーポイント位置決め)および少なくとも±10nmの解像度(すなわち現在の軸位置を検出するためのレーザ干渉計位置決め装置の性能)を有するように溝形成装置に配置された。
ニューヨーク州ムアーズ(Mooers,NY)のK&Yダイヤモンド(K&Y Diamond)またはオハイオ州シャルダン(Chardon,OH)のシャルダン・ツール(Chardon Tool)から購入可能な複数のダイヤモンド工具は、各型が適切であることを保証するために検査された。各ダイヤモンド工具は、ダイヤモンドチップの10ミルの中にかき傷がないものであることを保証するために、2000倍の白色光顕微鏡を用いて評価された。各ダイヤモンド工具の表面仕上げもまた、粗度平均が3nm未満であり、ピークツーバレーの粗度が10nm未満であることを保証するために、機械加工可能な基板に試験切削を行い、ワイコ(Wyko)から商標名「RST」で入手される顕微干渉計を用いて試験切削を評価することによって検査された。ダイヤモンドのチップは、0.00003インチ(0.00076mm)〜0.00005インチ(0.001270mm)の範囲のサイズの平坦な部分を有する。さらに、適切なダイヤモンド工具は、ブロックの盛り上がった中心部分にV字形の溝を形成することができるように、溝形成装置上に固定された。試験ブロックおよび原型ブロックに各溝を形成する間、溝形成装置、ブロックおよびダイヤモンド工具の温度は20℃±0.01℃で維持された。ダイヤモンド工具は、1インチのキューブの試験ブロックに切削を行うことによって調整された。試験ブロックにおける切削は、溝角度を±30秒角(0.008°)の許容差煮調整するために、ダイヤモンド工具を繰り返し調整し、溝面の平面を工学的な基準とするために、精密回転テーブルおよび顕微干渉計において結果として生じる角度を測定することによって行われた。適切な精密回転テーブルはミシガン州スターリングハイツ(Sterling Heights,MI)のエーエーゲージ(AA Gage)から市販されており、適切な顕微干渉計はコネチカット州ミドルフィールド(Middlefield,CT)のザイゴ・コーポレーション(Zygo Corporation)およびアリゾナ州トゥーソン(Tucson,AZ)のワイコ(Wyko)、ビーコ(Veeco)社の一部門から市販されている。
原型において溝角度の許容差を維持するために、最小の目標溝角度より約1°小さいダイヤモンド工具を用いて、3組すべてにおける各溝の荒削りが順次なされた。各溝は、目標深さより10ミクロン浅い深さまで前後に荒削りされ、0.000002インチ(0.000051mm)のピークツーバレーの表面仕上げが行われた。ダイヤモンドの摩耗を最小限に抑えるために、仕上げの溝は、0.000001インチ(0.000025mm)のピークツーバレーの表面仕上げに交互の方向において原型に切削が行われた。第1の溝は、第1の方向に仕上げ切削が行われた。第2の溝は飛ばして、第3の溝は逆方向であることを除き、同一の態様で仕上げ切削が行われた。第4の溝は飛ばされ、第5の溝が第1の方向において仕上げ切削がなされるなど、板の一番下にある最後の溝が形成されるまで以下同様に行われる。続いて、前述のように、平均表面粗度が引き続き3nm以下であることと、溝角度が30秒角(0.008°)より大きく変更されないことと、を保証するために、ダイヤモンド工具の磨耗について検査された。次に、交互の(すなわち飛ばされた偶数番号の)溝が、同一の態様で一番下から一番上まで仕上げ切削がなされる。続いて、交互の溝を切削する前に、ダイヤモンド工具を検査し、第2の溝組および第3の溝組が同一の方式で切削された。さらに、各溝組の後に試験ブロックを利用することによって、ダイヤモンド工具が交換および調整された。
比較例のそれぞれに関して、溝は、アレイ全体にわたって各組に一定の溝間隔を備えるように形成された。比較例Aの場合には、第1の溝組は、ピッチ(すなわち溝間隔)0.003200インチ(0.081280mm)、溝角度67.301°および切削角度0°で原型板に切削される。第2の溝組は、ピッチ0.003102インチ(0.078791mm)、溝角度72.081°および切削角度(第1の方向に対して)+61°を有するように原型板にそれぞれ切削される。第3の溝組は、ピッチ0.003102インチ(0.078791mm)、溝角度72.081°および切削角度(第1の方向に対して)−61°を有するように原型板にそれぞれ切削される。第1の方向、第2の方向および第3の方向に関する溝深さは、各キューブの高さが約0.001476インチ(0.037490mm)であるように選択された。
原型が、溝形成装置から除去された。成形型は、米国特許第4,478,769号明細書および同第5,156,863号明細書に記載されているように、原型をニッケル電気めっきすることによって、原型から形成された。複数世代のポジティブコピーおよびネガティブコピーは、型が原型と実質的に同一の程度の精密なキューブ形成を有するように形成された。電気鋳造されたネガティブ型を用いて、型のパターンを厚さ約200ミクロンおよび屈折率約1.59のポリカーボネートフィルムに与えられた。ネガティブ型は、図2によって示されるように、モアレ状のパターンを有することが観測された。温度約375°F〜385°F、圧力約1600psi、滞留時間20秒で行われた加圧成形によって、圧縮成形機において型が用いられた。次に、成形されたポリカーボネートが、5分間、約200°F(100℃)に冷却された。結果として生じたシートは、一定の溝間隔を有する複数のコーナキューブ素子を含む構造面を有し、素子のベースが連続ランド層において同一の平面で一体連結され、そのようなランド層が対向する面上で実質的に滑らかで平坦であり、ランド層の存在がシートの再帰反射特性を損なわないようになっている。
実施例1に記載された同一の態様で形成された0.003500インチ(0.088900mm)未満の一定の溝間隔を有する再帰反射シートは、観察者の鼻から提供される通常のフラッシュライトからの光で照らし、その平面に対して名目上垂直に再帰反射シートを照射することによって評価された。約2フィートの距離から、シートから再帰反射された光は、同一の観測者の目で見た場合、モアレ状のパターンを呈した。モアレ状のパターンは、フラッシュライトがCIE標準光源Aとして指定されるライトと交換した場合には、その観測者の目で見た場合も、再帰反射であった。モアレ状のパターンは、約100フィートの距離で明確に視認可能である。再帰反射係数RAは、CIE publication No.54によって推奨されるように、4°の入射角、0°の方位角、0.2°の観測角で測定された。サンプルの全体領域にわたって読み出す9個のスポットの平均は764カンデラ/ルクス/m2であり、標準偏差は36カンデラ/ルクス/m2であった。
実施例2
比較例Aの再帰反射シートのコーナキューブ面は、厚さ950オングストロームで蒸着することによってアルミニウムでコーティングされた。
得られた再帰反射シートは、比較例Aと同一の態様で評価された。シートから再帰反射された光は、モアレ状のパターンを呈することが観測された。再帰反射係数RAは、CIE publication No.54によって推奨されるように、4°の入射角、0°の方位角、0.2°の観測角で測定された。サンプルの全体領域にわたって読み出す9個のスポットの平均は1085カンデラ/ルクス/m2であり、標準偏差は37カンデラ/ルクス/m2であった。
実施例3
原型は、比較例Aに記載されたものと同一の態様で形成された。ポジティブコピー成形型は、その成形型からシートを形成するために用いられた。このネガティブコピーシートのコーナキューブ構造面は、蒸着によってアルミニウムでコーティングされた。
得られた再帰反射シートは、比較例Aと同一の態様で評価された。シートから再帰反射された光は、モアレ状のパターンを呈することが観測された。再帰反射係数RAは、CIE publication No.54によって推奨されるように、4°の入射角、0°の方位角、0.2°の観測角で測定された。サンプルの全体領域にわたって読み出す9個のスポットの平均は1950カンデラ/ルクス/m2であり、標準偏差は98カンデラ/ルクス/m2であった。
図1は、3組のV字形の平行な溝を含む原型の一部の拡大平面図を示している。0.004インチ(0.1016mm)の溝間隔を有する実際の6インチ四方(15.24cm四方)の原型は、幅に沿って1500個のコーナキューブ素子を有し、全体領域に関して合計200万個を超える。この図はまた、原型のネガティブ複製である成形型から形成される再帰反射シートの一部の分解図を示している。 図2は、本発明によるモアレ状のパターンを有する成形型の写真を示している。成形型は、アレイ全体にわたって0.003500インチ(0.088900mm)未満の一定の溝間隔を有する原型のネガティブ複製であり、溝は少なくとも±100nmの精度で切削された。写真は、約10フィート(3m)の距離でフラッシュを用いてオリンパス(Olympus)C700ディジタルカメラで撮影された。

Claims (1)

  1. コーナキューブ素子のアレイを有するポリマーシートを含む再帰反射シートであり、該コーナキューブ素子が、0.0005インチ(0.0127mm)から0.004インチ(0.1016mm)未満までの横方向の寸法を有し、該コーナキューブ素子のアレイから反射される光がモアレ状のパターンを含み、かつ前記コーナキューブ素子が、3組の互いに交差するV字形の溝から形成され、かつ前記溝が、少なくとも±800nmの溝位置精度に対して同一の間隔および深さを有する、再帰反射シート。
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