(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明のデジタル回路の1つであるインバータの、具体的な構成とその動作について説明する。
図2に本実施の形態のインバータの構成を示す。201は補正手段に相当し、202は回路素子群である。
補正手段201は第1の容量素子203と、第2の容量素子204と、前記第1の容量素子203への電位の供給を制御する3つのスイッチ205〜207と、前記第2の容量素子204への電位の供給を制御する3つのスイッチ208〜210とを有している。
スイッチ205は、第1の容量素子203が有する第1の電極への、入力信号の電位の供給を制御する。スイッチ206は、第1の容量素子203が有する第1の電極への、高電位側の電源電位VHの供給を制御する。スイッチ207は、第1の容量素子203が有する第2の電極への、電源電位VDDの供給を制御する。
またスイッチ208は、第2の容量素子204が有する第1の電極への、入力信号の電位の供給を制御する。スイッチ209は、第2の容量素子204が有する第1の電極への、低電位側の電源電位VLの供給を制御する。スイッチ210は、第2の容量素子204が有する第2の電極への、電源電位VSSの供給を制御する。
なお本実施の形態では、スイッチ207によって、第1の容量素子203が有する第2の電極へ電源電位VDDが供給される形態を示しているが、本発明はこれに限定されない。第1の容量素子203が有する第2の電極に供給される電位は電源電位VDD以外の電位であっても良く、入力信号の電位に合わせて、供給する電位を適宜調節できるようにしても良い。また同様に、スイッチ210によって、第2の容量素子204が有する第2の電極へ電源電位VSSが供給される形態を示しているが、本発明はこれに限定されない。第2の容量素子204が有する第2の電極に供給される電位は電源電位VSS以外の電位であっても良く、入力信号の電位に合わせて、供給する電位を適宜調節できるようにしても良い。
回路素子群202は、1つのpチャネル型トランジスタ211と、1つのnチャネル型トランジスタ212とを有している。pチャネル型トランジスタ211の第1の端子(ここではソース)には電源電位VDDが与えられており、nチャネル型トランジスタ212の第1の端子(ここではソース)には電源電位VSSが与えられている。またpチャネル型トランジスタ211の第2の端子(ここではドレイン)とnチャネル型トランジスタ212の第2の端子(ここではドレイン)は互いに接続されており、これらの2つのトランジスタの第2の端子の電位が、出力信号OUTの電位として後段の回路に供給される。
また、第1の容量素子203の第2の電極はpチャネル型トランジスタ211のゲートに接続されており、第2の容量素子204の第2の電極はnチャネル型トランジスタ212のゲートに接続されている。
なお、VDD>VSSであり、VH>VLであり、VDD>VH、VL>VSSとする。そして電源電位VHは、通常動作の際の入力信号の高電位側の電位に近く、できればそれ以下となるように設定するのが望ましい。そうすることで、高電位側の電位が供給されたときに、pチャネル型トランジスタ211がオフしやすくなる。また電源電位VLは、通常動作の際の入力信号の低電位側の電位に近く、できればそれ以上となるように設定するのが望ましい。そうすることで、低電位側の電位が供給されたときに、nチャネル型トランジスタ212がオフしやすくなる。本実施の形態では入力信号の高電位側の電位が電源電位VHと等しく、入力信号の低電位側の電位が電源電位VLと等しいものと仮定する。またVH−VL>VTHn、VL−VH<VTHpとなるようにする。
また、本実施の形態では、回路素子群202が有するpチャネル型トランジスタ211とnチャネル型トランジスタ212の閾値電圧が0であると仮定してその動作について説明をするが、実際の回路では閾値が0であるとは限らない。その場合、例えばpチャネル型トランジスタ211の閾値電圧をVTHpとすると、VHは、通常動作の際の入力信号の高電位側の電位よりも|VTHp|分以上高くなるように設定するのが望ましい。また例えばnチャネル型トランジスタ212の閾値電圧をVTHnとすると、VLは、通常動作の際の入力信号の低電位側の電位よりも|VTHn|分以上低くなるように設定するのが望ましい。そうすることで、ノーマリオンになるのを防ぎつつ、pチャネル型トランジスタ211やnチャネル型トランジスタ212をオンさせるときに、|VGS|を最大限に大きくしてより高いオン電流を得ることができる。
次に図3を用いて、図2に示したインバータの動作について説明する。本発明のデジタル回路の動作は、補正するべき電位差を記憶する動作と、デジタル回路の本来の機能を果たす通常の動作とに区別される。
まず電位差を記憶する動作について、図3を用いて説明する。記憶するべき電位差は第1の容量素子203と、第2の容量素子204とで異なる。第1の容量素子203では電源電位VDDと高電位側電源電位VHとの電位差を記憶し、第2の容量素子204では電源電位VSSと低電位側電源電位VLとの電位差を記憶する。
具体的には図3(A)に示すようにスイッチ205をオフ、スイッチ206、207をオンにして、第1の容量素子203の第1の電極に電源電位VHを与え、第2の電極に電源電位VDDを与える。そして第1の容量素子203には、電源電位VHと電源電位VDDとによって電荷が蓄積される。
また、スイッチ208をオフ、スイッチ209、210をオンにして、第2の容量素子204の第1の電極に電源電位VLを与え、第2の電極に電源電位VSSを与える。そして第2の容量素子204には、電源電位VLと電源電位VSSとによって電荷が蓄積される。
次に図3(B)に示すように、スイッチ205、206、207をオフにすることで、蓄積された電荷が第1の容量素子203において保持され、電源電位VDDと電源電位VHとの間の電位差(Vc1と記する)が記憶される。また同様に、スイッチ208、209、210をオフにすることで、蓄積された電荷が第2の容量素子204において保持され、電源電位VSSと電源電位VLとの間の電位差(Vc2と記する)が記憶される。
次に、記憶された電位差による入力信号の電位の補正と、該補正された電位に基づいて行なわれる通常動作について説明する。
図4(A)を用いて、入力信号INの電位が、高電位側(本実施の形態ではVH)である場合の動作について説明する。
通常の動作では、常にスイッチ206、207、209、210がオフし、スイッチ205、208がオンしている。入力信号の電位VHは、スイッチ205、208を介して第1の容量素子203の第1の電極と、第2の容量素子204の第1の電極に与えられる。
第1の容量素子203と第2の容量素子204がそれぞれ有する2つの電極間の電位差は、電荷保存の法則に従い、常に一定である。よって第1の容量素子203の第2の電極の電位は、第1の電極に電位VHが与えられると、電位VHに電位差Vc1が加算された高さに保たれる。ここで電位差Vc1=電源電位VDD−電源電位VHであるので、第1の容量素子203の第2の電極の電位はVDDとなる。第2の電極の電位VDDはpチャネル型トランジスタ211のゲートに与えられ、pチャネル型トランジスタ211はゲート電圧が0となるのでオフになる。
一方、第2の容量素子204の第2の電極の電位は、第1の電極に電位VHが与えられると、電位VHに電位差Vc2が加算された高さに保たれる。ここで電位差Vc2=電源電位VSS−電源電位VLであるので、第2の容量素子204の第2の電極の電位はVH+VSS−VLとなる。よってnチャネル型トランジスタ212はゲート電圧がVH−VLとなり、VH−VL>VTHnの場合はオンとなる。
よって、入力信号INの電位がVHの場合、電源電位VSSが出力信号の電位として後段の回路に与えられる。
次に図4(B)を用いて、入力信号INの電位が、低電位側(本実施の形態ではVL)である場合の動作について説明する。
上述したように通常の動作ではスイッチ206、207、209、210がオフし、スイッチ205、208がオンしている。入力信号の電位VLは、スイッチ205、208を介して第1の容量素子203の第1の電極と、第2の容量素子204の第1の電極に与えられる。
第1の容量素子203と第2の容量素子204がそれぞれ有する2つの電極間の電位差は、電荷保存の法則に従い、常に一定である。よって第1の容量素子203の第2の電極の電位は、第1の電極に電位VLが与えられると、電位VLに電位差Vc1が加算された高さに保たれる。ここで電位差Vc1=電源電位VDD−電源電位VHであるので、第1の容量素子203の第2の電極の電位はVL+VDD−VHとなる。よってpチャネル型トランジスタ211はゲート電圧がVL−VHとなり、VL−VH<VTHpの場合はオンとなる。
一方、第2の容量素子204の第2の電極の電位は、第1の電極に電位VLが与えられると、電位VLに電位差Vc2が加算された高さに保たれる。ここで電位差Vc2=電源電位VSS−電源電位VLであるので、第2の容量素子204の第2の電極の電位はVSSとなる。第2の電極の電位VSSはnチャネル型トランジスタ212のゲートに与えられ、nチャネル型トランジスタ212はゲート電圧が0となるのでオフになる。
よって、入力信号INの電位がVLの場合、電源電位VDDが出力信号の電位として後段の回路に与えられる。
本発明は上記構成によって、入力信号の電位にかかわらず、電位差VC1とVC2とを同時に取得することができる。
なお本実施の形態では、スイッチ207または210によって容量素子の第2の電極への電源電位VSSまたはVDDの供給が制御されているが、本発明はこの構成に限定されない。スイッチ207によって電源電位VDDとは異なる電源電位VH’の、第1の容量素子203の第2の電極への供給が制御されていても良い。また、スイッチ210によって電源電位VSSとは異なる電源電位VL’の、第2の容量素子204の第2の電極への供給が制御されていても良い。この場合、入力信号の高電位側の電位をVH''、低電位側の電位をVL''とすると、VH''+VL’−VL−VSS>VTHnとし、またVL''+VH’−VH−VDD<VTHpとする。さらに、VL''+VL’−VL−VSS≦VTHnであることが望ましく、またVH''+VH’−VH−VDD≧VTHpであることが望ましい。
なお、スイッチ207または210によって第2の電極への電源電位VSSまたはVDDの供給が制御されている場合、電源電位VSSまたはVDDとは異なる電位VL’またはVH’を供給する場合に比べて、電源電位を供給するための配線数を抑えることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明のデジタル回路の1つであるインバータの、実施の形態1とは異なる構成について説明する。
図5に本実施の形態のインバータの構成を示す。301は補正手段に相当し、302は回路素子群である。
補正手段301は第1の容量素子303と、第2の容量素子304と、前記第1の容量素子303への電源電位VDDの供給を制御するスイッチ305と、前記第2の容量素子304への電源電位VSSの供給を制御するスイッチ306とを有している。
なお本実施の形態では、スイッチ305によって、第1の容量素子303が有する第2の電極へ電源電位VDDが供給される形態を示しているが、本発明はこれに限定されない。第1の容量素子303が有する第2の電極に供給される電位は電源電位VDD以外の電位であっても良く、入力信号の電位に合わせて、供給する電位を適宜調節できるようにしても良い。また同様に、スイッチ306によって、第2の容量素子304が有する第2の電極へ電源電位VSSが供給される形態を示しているが、本発明はこれに限定されない。第2の容量素子304が有する第2の電極に供給される電位は電源電位VSS以外の電位であっても良く、入力信号の電位に合わせて、供給する電位を適宜調節できるようにしても良い。
回路素子群302は、1つのpチャネル型トランジスタ311と、1つのnチャネル型トランジスタ312とを有している。pチャネル型トランジスタ311の第1の端子(ここではソース)には電源電位VDDが与えられており、nチャネル型トランジスタ312の第1の端子(ここではソース)には電源電位VSSが与えられている。またpチャネル型トランジスタ311の第2の端子(ここではドレイン)とnチャネル型トランジスタ312の第2の端子(ここではドレイン)は互いに接続されており、これら2つのトランジスタの第2の端子の電位が、出力信号OUTの電位として後段の回路に供給される。なお、VDD>VSSである。また、VSSがnチャネル型トランジスタ312とスイッチ306に接続されている場合は、入力信号の高電位側の電位をVH、低電位側の電位をVLとしたときに、VH−VL>VTHn、VL−VH<VTHpとなるようにする。
また、第1の容量素子303の第2の電極はpチャネル型トランジスタ311のゲートに接続されており、第2の容量素子304の第2の電極はnチャネル型トランジスタ312のゲートに接続されている。
次に図6を用いて、図5に示したインバータの動作について説明する。図6に示したインバータの動作も、補正するべき電位差を記憶する動作と、デジタル回路の本来の機能を果たす通常の動作とに区別される。ただし本実施の形態のインバータは、各容量素子への電源電位の供給は、第1の容量素子と第2の容量素子とで同時に行なうのではなく、順に行なう。
まず、第1の容量素子303において電位差を記憶する動作について、図6(A)を用いて説明する。図6(A)に示すように、スイッチ305をオン、スイッチ306をオフにして、第1の容量素子303の第1の電極に入力信号INの高電位側の電位VHを与える。上記構成によって第1の容量素子303には、入力信号INの電位VHと電源電位VDDとによって電荷が蓄積される。そして、スイッチ305をオフにし、第1の容量素子303に蓄積された電荷が保持され、電源電位VDDと入力信号の高電位側の電位VHとの間の電位差(Vc1と記する)が記憶される。
次に第2の容量素子304において電位差を記憶する動作について、図6(B)を用いて説明する。図6(B)において、スイッチ305をオフ、スイッチ306をオンにして、第2の容量素子304の第1の電極に入力信号INの低電位側の電位VLを与える。上記構成によって第2の容量素子304には、入力信号INの電位VLと電源電位VSSとによって電荷が蓄積される。そして、スイッチ306をオフにし、第2の容量素子304に蓄積された電荷が保持され、電源電位VSSと入力信号の低電位側の電位VLとの間の電位差(Vc2と記する)が記憶される。
なお、第1の容量素子303と第2の容量素子304への電荷の蓄積は、どちらを先に行っても良い。
次に、記憶された電位差による入力信号の電位の補正と、該補正された電位に基づいて行なわれる通常動作について説明する。図6(C)に示すように、通常動作の場合は、スイッチ305、306を常にオフにしておく。
第1の容量素子303と第2の容量素子304がそれぞれ有する2つの電極間の電位差は、電荷保存の法則に従い常に一定である。よって第1の容量素子303の第2の電極の電位は、第1の電極に電位VHが与えられると、電位VHに電位差Vc1が加算された高さに保たれる。ここで電位差Vc1=電源電位VDD−入力信号の高電位側の電位VHであるので、第1の容量素子303の第2の電極の電位はVDDとなる。第2の電極の電位VDDはpチャネル型トランジスタ311のゲートに与えられ、pチャネル型トランジスタ311はゲート電圧が0となるのでオフになる。
一方、第2の容量素子304の第2の電極の電位は、第1の電極に電位VHが与えられると、電位VHに電位差Vc2が加算された高さに保たれる。ここで電位差Vc2=電源電位VSS−入力信号の低電位側の電位VLであるので、第2の容量素子304の第2の電極の電位はVH+VSS−VLとなる。よってnチャネル型トランジスタ312はゲート電圧がVH−VLとなり、VH−VL>VTHnであるのでオンとなる。
よって、入力信号INの電位がVHの場合、電源電位VSSが出力信号の電位として後段の回路に与えられる。
入力信号INの電位が低電位側の電位VLである場合、入力信号の電位VLは第1の容量素子303の第1の電極と、第2の容量素子304の第1の電極に与えられる。
第1の容量素子303と第2の容量素子304がそれぞれ有する2つの電極間の電位差は、電荷保存の法則に従い常に一定である。よって第1の容量素子303の第2の電極の電位は、第1の電極に電位VLが与えられると、電位VLに電位差Vc1が加算された高さに保たれる。ここで電位差Vc1=電源電位VDD−入力信号の高電位側の電位VHであるので、第1の容量素子303の第2の電極の電位はVL+VDD−VHとなる。よってpチャネル型トランジスタ311はゲート電圧がVL−VHとなり、VL−VH<VTHpであるのでオンとなる。
一方、第2の容量素子304の第2の電極の電位は、第1の電極に電位VLが与えられると、電位VLに電位差Vc2が加算された高さに保たれる。ここで電位差Vc2=電源電位VSS−入力信号の低電位側の電位VLであるので、第2の容量素子304の第2の電極の電位はVSSとなる。第2の電極の電位VSSはnチャネル型トランジスタ312のゲートに与えられ、nチャネル型トランジスタ312はゲート電圧が0となるのでオフになる。
よって、入力信号INの電位がVLの場合、電源電位VDDが出力信号の電位として後段の回路に与えられる。
本発明は上記構成によって、入力信号の電位に関わらずデジタル回路を正常に動作させることができる。また、図2に示したデジタル回路に比べて補正手段に用いるスイッチの数を抑えることができ、より簡単な構成で本発明の効果を得ることができる。
なお本実施の形態では、スイッチ305または306によって第2の電極への電源電位VSSまたはVDDの供給が制御されているが、本発明はこの構成に限定されない。スイッチ305によって電源電位VDDとは異なる電源電位VH’の、第1の容量素子303の第2の電極への供給が制御されていても良い。また、スイッチ306によって電源電位VSSとは異なる電源電位VL’の、第2の容量素子304の第2の電極への供給が制御されていても良い。この場合、VH+VL’−VL−VSS>VTHnとし、またVL+VH’−VH−VDD<VTHpとする。さらに、VL’−VSS≦VTHnであることが望ましく、またVH’−VDD≧VTHpであることが望ましい。
なお、スイッチ305または306によって第2の電極への電源電位VSSまたはVDDの供給が制御されている場合、電源電位VSSまたはVDDとは異なる電位VL’またはVH’を供給する場合に比べて、電源電位を供給するための配線数を抑えることができる。
逆に、電源電位VSSまたはVDDとは異なる電位VL’またはVH’を供給する場合、スイッチ305または306によって第2の電極への電源電位VSSまたはVDDの供給が制御されている場合に比べて、各容量素子において記憶される電位差を、pチャネル型トランジスタ311、nチャネル型トランジスタ312の閾値に合わせて適宜設定することができる。本実施の形態では、回路素子群302が有するpチャネル型トランジスタ311とnチャネル型トランジスタ312の閾値電圧が0であると仮定してその動作について説明をしたが、実際の回路では閾値が0であるとは限らない。この場合、例えばpチャネル型トランジスタ311の閾値電圧をVTHpとすると、VH’は、通常動作の際の入力信号の高電位側の電位VHよりも|VTHp|分以上高くなるように設定するのが望ましい。また例えばnチャネル型トランジスタ312の閾値電圧をVTHnとすると、VLは通常動作の際の入力信号の低電位側の電位VLよりも|VTHn|分以上低くなるように設定するのが望ましい。上記構成により、各トランジスタの閾値に合わせて入力信号を補正することができ、デジタル回路の動作をより確実なものにすることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明のデジタル回路の1つであるNANDの構成について説明する。
図7に示す本実施の形態のNANDは、第1の補正手段401と、第2の補正手段402と、回路素子群403とを有している。
第1の補正手段401は第1の容量素子404と、第2の容量素子405と、前記第1の容量素子404への電源電位VDDの供給を制御するスイッチ406と、前記第2の容量素子405への電源電位VSSの供給を制御するスイッチ407とを有している。
また第2の補正手段402は第3の容量素子411と、第4の容量素子412と、前記第3の容量素子411への電源電位VDDの供給を制御するスイッチ413と、前記第4の容量素子412への電源電位VSSの供給を制御するスイッチ414とを有している。
回路素子群403は、2つのpチャネル型トランジスタ420、421と、2つのnチャネル型トランジスタ422、423とを有している。pチャネル型トランジスタ420の第1の端子(ここではソース)と、pチャネル型トランジスタ421の第1の端子(ここではソース)には電源電位VDDが与えられている。そして、pチャネル型トランジスタ420の第2の端子(ここではドレイン)と、pチャネル型トランジスタ421の第2の端子(ここではドレイン)は互いに接続されている。また、nチャネル型トランジスタ422の第1の端子(ここではソース)には電源電位VSSが与えられている。また、nチャネル型トランジスタ422の第2の端子(ここではドレイン)にはnチャネル型トランジスタ423の第1の端子(ここではソース)が接続されている。そしてnチャネル型トランジスタ423の第2の端子(ここではドレイン)は、pチャネル型トランジスタ420、421の第2の端子に接続されている。なお、nチャネル型トランジスタ423の第2の端子とpチャネル型トランジスタ420、421の第2の端子の電位が、出力信号OUTの電位として後段の回路に与えられる。
第1の容量素子404の第2の電極は、pチャネル型トランジスタ420のゲートに接続されている。第2の容量素子405の第2の電極は、nチャネル型トランジスタ422のゲートに接続されている。第3の容量素子411の第2の電極は、pチャネル型トランジスタ421のゲートに接続されている。第4の容量素子412の第2の電極は、nチャネル型トランジスタ423のゲートに接続されている。
第1の容量素子404の第1の電極と、第2の容量素子405の第1の電極に、入力信号IN1の電位が入力される。また、第3の容量素子411の第1の電極と、第4の容量素子412の第1の電極に、入力信号IN2の電位が入力される。
なお、VDD>VSSである。また入力信号の高電位側の電位をVH、低電位側の電位をVLとし、pチャネル型トランジスタ420、421の閾値電圧をVTHpとし、nチャネル型トランジスタ422、423の閾値電圧をVTHnとしたときに、VH−VL>VTHn、VL−VH<VTHpとなるようにする。
図7に示したNANDの動作も、補正するべき電位差を記憶する動作と、デジタル回路の本来の機能を果たす通常の動作とに区別される。ただし本実施の形態のNANDは、各容量素子への電源電位の供給は、第1の容量素子404と第2の容量素子405とで同時に行なうのではなく順に行ない、また第3の容量素子411と第4の容量素子412とで同時に行なうのではなく順に行なう。
第1の容量素子404において電位差を記憶する際、スイッチ406をオン、スイッチ407をオフにして、第1の容量素子404の第1の電極に入力信号IN1の高電位側の電位VHを与える。そして電荷が十分蓄積された後、スイッチ406をオフにし、第1の容量素子404に蓄積された電荷を保持する。また、第2の容量素子405において電位差を記憶する際、スイッチ407をオン、スイッチ406をオフにして、第2の容量素子405の第1の電極に入力信号IN1の低電位側の電位VLを与える。そして電荷が十分蓄積された後、スイッチ407をオフにし、第2の容量素子405に蓄積された電荷を保持する。
第3の容量素子411において電位差を記憶する際、スイッチ413をオン、スイッチ414をオフにして、第3の容量素子411の第1の電極に入力信号IN2の高電位側の電位VHを与える。そして電荷が十分蓄積された後、スイッチ413をオフにし、第3の容量素子411に蓄積された電荷を保持する。また、第4の容量素子412において電位差を記憶する際、スイッチ414をオン、スイッチ413をオフにして、第4の容量素子412の第1の電極に入力信号IN2の低電位側の電位VLを与える。そして電荷が十分蓄積された後、スイッチ414をオフにし、第4の容量素子412に蓄積された電荷を保持する。
そして通常動作の際には、記憶された電位差によって入力信号の電位の補正が行なわれる。通常動作の際は、スイッチ406、407、413、414を常にオフにしておく。
本発明は上記構成によって、入力信号の電位に関わらずデジタル回路を正常に動作させることができる。
なお本実施の形態では、スイッチ406、407、413、414によって第2の電極への電源電位VSSまたはVDDの供給が制御されているが、本発明はこの構成に限定されない。スイッチ406によって電源電位VDDとは異なる電源電位VH1’の、第1の容量素子404の第2の電極への供給が制御されていても良い。また、スイッチ407によって電源電位VSSとは異なる電源電位VL1’の、第2の容量素子405の第2の電極への供給が制御されていても良い。この場合、VH+VL1’−VL−VSS>VTHnとし、またVL+VH1’−VH−VDD<VTHpとする。さらに、VL1’−VSS≦VTHnであることが望ましく、またVH1’−VDD≧VTHpであることが望ましい。
また、スイッチ413によって電源電位VDDとは異なる電源電位VH2’の、第3の容量素子411の第2の電極への供給が制御されていても良い。また、スイッチ414によって電源電位VSSとは異なる電源電位VL2’の、第4の容量素子412の第2の電極への供給が制御されていても良い。この場合、VH+VL2’−VL−VSS>VTHnとし、またVL+VH2’−VH−VDD<VTHpとする。さらに、VL2’−VSS≦VTHnであることが望ましく、またVH2’−VDD≧VTHpであることが望ましい。
なお、スイッチ406、407、413、414によって第2の電極への電源電位VSSまたはVDDの供給が制御されている場合、電源電位VSSまたはVDDとは異なる電位を供給する場合に比べて、電源電位を供給するための配線数を抑えることができる。
逆に、電源電位VSSまたはVDDとは異なる電位を供給する場合、スイッチ406、407、413、414によって第2の電極への電源電位VSSまたはVDDの供給が制御されている場合に比べて、各容量素子において記憶される電位差を、各トランジスタ420〜423の閾値に合わせて適宜設定することができる。例えばpチャネル型トランジスタ420、421の閾値電圧をVTHpとすると、VH1’またはVH2’は、通常動作の際の入力信号の高電位側の電位VHよりも|VTHp|分以上高くなるように設定するのが望ましい。また例えばnチャネル型トランジスタ421、423の閾値電圧をVTHnとすると、VL1’またはVL2’は通常動作の際の入力信号の低電位側の電位VLよりも|VTHn|分以上低くなるように設定するのが望ましい。上記構成により、各トランジスタの閾値に合わせて入力信号を補正することができ、デジタル回路の動作をより確実なものにすることができる。
なお本実施の形態では、図5と同様に図1(C)に示す第2の構成を用いた場合について示したが、図4と同様に図1(B)に示す第1の構成を用いることもできる。
また、本実施の形態ではNANDの場合を示したが、NORやトランスミッションゲートなど様々な論理回路にも同様に適用することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明のデジタル回路の1つであるクロックドインバータの構成について説明する。
図8(A)に示す本実施の形態のクロックドインバータは、補正手段501と、回路素子群502とを有している。
補正手段501は第1の容量素子503と、第2の容量素子504と、前記第1の容量素子503への電源電位VDDの供給を制御するスイッチ505と、前記第2の容量素子504への電源電位VSSの供給を制御するスイッチ506とを有している。
回路素子群502は、2つのpチャネル型トランジスタ520、521と、2つのnチャネル型トランジスタ522、523とを有している。pチャネル型トランジスタ520の第1の端子(ここではソース)には電源電位VDDが与えられている。そして、pチャネル型トランジスタ520の第2の端子(ここではドレイン)と、pチャネル型トランジスタ521の第1の端子(ここではソース)は互いに接続されている。また、nチャネル型トランジスタ523の第1の端子(ここではソース)には電源電位VSSが与えられている。また、nチャネル型トランジスタ523の第2の端子(ここではドレイン)にはnチャネル型トランジスタ522の第1の端子(ここではソース)が接続されている。そしてnチャネル型トランジスタ522の第2の端子(ここではドレイン)は、pチャネル型トランジスタ521の第2の端子(ここではドレイン)に接続されている。なお、nチャネル型トランジスタ522の第2の端子とpチャネル型トランジスタ521の第2の端子の電位が、出力信号OUTの電位として後段の回路に与えられる。
第1の容量素子503の第2の電極は、pチャネル型トランジスタ520のゲートに接続されている。第2の容量素子504の第2の電極は、nチャネル型トランジスタ523のゲートに接続されている。
第1の容量素子503の第1の電極と、第2の容量素子504の第1の電極に、入力信号INの電位が入力される。そして、pチャネル型トランジスタ521のゲートにクロック信号CKが、またnチャネル型トランジスタ522のゲートには、クロック信号の極性が反転した信号に相当する反転クロック信号CKbが入力される。
なお、VDD>VSSである。また入力信号の高電位側の電位をVH、低電位側の電位をVLとし、pチャネル型トランジスタ520の閾値電圧をVTHpとし、nチャネル型トランジスタ523の閾値電圧をVTHnとしたときに、VH−VL>VTHn、VL−VH<VTHpとなるようにする。
図8(A)に示したクロックドインバータの動作も、実施の形態1〜3と同様に、補正するべき電位差を記憶する動作と、デジタル回路の本来の機能を果たす通常の動作とに区別される。ただし本実施の形態のクロックドインバータは、各容量素子への電源電位の供給は、第1の容量素子503と第2の容量素子504とで同時に行なうのではなく順に行なう。
第1の容量素子503において電位差を記憶する際、スイッチ505をオン、スイッチ506をオフにして、第1の容量素子503の第1の電極に入力信号INの高電位側の電位VHを与える。そして電荷が十分蓄積された後、スイッチ505をオフにし、第1の容量素子503に蓄積された電荷を保持する。また、第2の容量素子504において電位差を記憶する際、スイッチ506をオン、スイッチ505をオフにして、第2の容量素子504の第1の電極に入力信号INの低電位側の電位VLを与える。そして電荷が十分蓄積された後、スイッチ506をオフにし、第2の容量素子504に蓄積された電荷を保持する。
そして通常動作の際には、記憶された電位差によって入力信号の電位の補正が行なわれる。通常動作の際は、スイッチ505、506を常にオフにしておく。
本発明は上記構成によって、入力信号の電位に関わらずデジタル回路を正常に動作させることができる。
なお、pチャネル型トランジスタ521とpチャネル型トランジスタ520の接続は必ずしも図8(A)に示した構成に限定されない。例えば、pチャネル型トランジスタ521によって、pチャネル型トランジスタ520のソースへの、電源電位VDDの供給が制御されるように接続されていても良い。
同様に、nチャネル型トランジスタ522とnチャネル型トランジスタ523の接続は必ずしも図8(A)に示した構成に限定されない。例えば、nチャネル型トランジスタ522によって、nチャネル型トランジスタ523のソースへの、電源電位VSSの供給が制御されるように接続されていても良い。
次に、図8(A)とは異なる構成のクロックドインバータについて説明する。図8(B)に示す本実施の形態のクロックドインバータは、補正手段501と、回路素子群502の接続構成が、図8(A)に示すクロックドインバータとは異なっている。
具体的には、第1の容量素子503の第1の電極にクロック信号CKが、また第2の容量素子504の第1の電極にクロック信号の極性が反転した信号に相当する反転クロック信号CKbが入力される。そして、pチャネル型トランジスタ541のゲートと、nチャネル型トランジスタ542のゲートには、入力信号INの電位が入力される。
そして、図8(A)の場合と同様に、その動作は、補正するべき電位差を記憶する動作と、デジタル回路の本来の機能を果たす通常の動作とに区別される。ただし本実施の形態のクロックドインバータは、各容量素子への電源電位の供給は、順に行っても良いし、同時に行っても良い。
第1の容量素子503において電位差を記憶する際、スイッチ505をオン、スイッチ506をオフにして、第1の容量素子503の第1の電極にクロック信号CKの高電位側の電位VHを与える。そして電荷が十分蓄積された後、スイッチ505をオフにし、第1の容量素子503に蓄積された電荷を保持する。また、第2の容量素子504において電位差を記憶する際、スイッチ506をオン、スイッチ505をオフにして、第2の容量素子504の第1の電極に反転クロック信号CKbの低電位側VLの電位を与える。そして電荷が十分蓄積された後、スイッチ506をオフにし、第2の容量素子504に蓄積された電荷を保持する。
そして通常動作の際には、記憶された電位差によって入力信号の電位の補正が行なわれる。通常動作の際は、スイッチ505、506を常にオフにしておく。
本発明は上記構成によって、入力信号の電位に関わらずデジタル回路を正常に動作させることができる。
なお本実施の形態では、スイッチ505、506によって第2の電極への電源電位VSSまたはVDDの供給が制御されているが、本発明はこの構成に限定されない。スイッチ505によって電源電位VDDとは異なる電源電位VH’の、第1の容量素子503の第2の電極への供給が制御されていても良い。また、スイッチ506によって電源電位VSSとは異なる電源電位VL’の、第2の容量素子504の第2の電極への供給が制御されていても良い。この場合、VH+VL’−VL−VSS>VTHnとし、またVL+VH’−VH−VDD<VTHpとする。さらに、VL’−VSS≦VTHnであることが望ましく、またVH’−VDD≧VTHpであることが望ましい。
なお、スイッチ505、506によって第2の電極への電源電位VSSまたはVDDの供給が制御されている場合、電源電位VSSまたはVDDとは異なる電位を供給する場合に比べて、電源電位を供給するための配線数を抑えることができる。
逆に、電源電位VSSまたはVDDとは異なる電位を供給する場合、スイッチ505、506によって第2の電極への電源電位VSSまたはVDDの供給が制御されている場合に比べて、各容量素子において記憶される電位差を、各トランジスタ540、543の閾値に合わせて適宜設定することができる。例えばpチャネル型トランジスタ540の閾値電圧をVTHpとすると、VH’は通常動作の際の入力信号の高電位側の電位VHよりも|VTHp|分以上高くなるように設定するのが望ましい。また例えばnチャネル型トランジスタ543の閾値電圧をVTHnとすると、VL’は通常動作の際の入力信号の低電位側の電位VLよりも|VTHn|分以上低くなるように設定するのが望ましい。上記構成により、各トランジスタの閾値に合わせて入力信号を補正することができ、デジタル回路の動作をより確実なものにすることができる。
なお、図8(A)と図8(B)とを組み合わせても良い。
本発明において、適用可能なトランジスタの種類に限定はなく、非晶質シリコンや多結晶シリコンに代表される非単結晶半導体膜を用いた薄膜トランジスタ(TFT)、半導体基板やSOI基板を用いて形成されるMOS型トランジスタ、接合型トランジスタ、バイポーラトランジスタ、有機半導体やカーボンナノチューブを用いたトランジスタ、その他のトランジスタを適用することができる。また、トランジスタが配置されている基板の種類に限定はなく、単結晶基板、SOI基板、ガラス基板などに配置することが出来る。
本発明のデジタル回路において用いられるトランジスタは、単結晶シリコンを用いて形成されたトランジスタであっても良いし、SOIを用いたトランジスタであっても良いし、多結晶シリコン、セミアモルファスシリコン(微結晶シリコン)、アモルファスシリコンを用いた薄膜トランジスタであっても良い。また、有機半導体を用いたトランジスタであっても良いし、カーボンナノチューブを用いたトランジスタであってもよい。
なお本実施の形態では、図5と同様に図1(C)に示す第2の構成を用いた場合について示したが、図4と同様に図1(B)に示す第1の構成を用いることもできる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、図2に示した本発明のインバータにおいて、第1の容量素子203が有する第2の電極に供給される電位を、電源電位VDD以外の電位とし、また、第2の容量素子204が有する第2の電極に供給される電位を、電源電位VSS以外の電位とする形態について説明する。
図16(A)に、本実施の形態のインバータの構成を示す。図2において既に示したものには同じ符号を付す。図16(A)では、第1の容量素子203にpチャネル型トランジスタ211の閾値電圧分の電荷が蓄積されるように、また第2の容量素子204にnチャネル型トランジスタ212の閾値電圧分の電荷が蓄積されるように、各電源電圧の値を最適化する。本実施の形態では、スイッチ206によって第1の容量素子203の第1の電極に供給される電位をVDD、またスイッチ207によって第1の容量素子203の第2の電極に供給される電位をVDD−|VTHp|とする。また、スイッチ209によって第2の容量素子204の第1の電極に供給される電位をVSS、またスイッチ210によって第2の容量素子204の第2の電極に供給される電位をVSS+|VTHn|とする。
図16(B)〜図16(D)を用いて、図16(A)に示したインバータの動作について説明する。
まず、第1の容量素子203と、第2の容量素子204において、電荷の蓄積を行なう。本実施の形態では、第1の容量素子203の第2電極の電位と、pチャネル型トランジスタ211のソースの電位を個別に制御でき、また第2の容量素子204の第2電極の電位と、nチャネル型トランジスタ212のソースの電位を個別に制御できる。よって、第1の容量素子203と第2の容量素子204における電荷の蓄積を並行して行なうことができる。
ます図16(B)に示すように、スイッチ206、207、209、210をオンに、スイッチ205、208をオフすることで、第1の容量素子203にpチャネル型トランジスタ211の閾値電圧を記憶し、第2の容量素子204にnチャネル型トランジスタ212の閾値電圧を記憶する。そして、スイッチ206、207、209、210をオフにすることで、蓄積された電荷が第1の容量素子203及び第2の容量素子204において保持される。
次に、記憶された電位差による入力信号の電位の補正と、該補正された電位に基づいて行なわれる通常動作について説明する。
図16(C)を用いて、入力信号INの電位が、電源電位VDDと同じ場合について説明する。通常の動作では、常にスイッチ206、207、209、210がオフし、スイッチ205、208がオンしている。入力信号の電位は、スイッチ205、208を介して第1の容量素子203の第1の電極と、第2の容量素子204の第1の電極に与えられる。
第1の容量素子203には閾値電圧−|VTHp|が保持されているので、第1の容量素子203の第2の電極の電位は、VDD−|VTHp|となる。よって、pチャネル型トランジスタ211は、そのゲート電圧VGSp=−|VTHp|となるため、オフする。
一方、第2の容量素子204には閾値電圧|VTHn|が保持されているので、第2の容量素子204の第2の電極の電位は、VDD+|VTHn|となる。よって、nチャネル型トランジスタ212は、そのゲート電圧VGSn=VDD−VSS+|VTHn|>|VTHn|となるので、オンする。
よって、入力信号INの電位がVDDの場合、電源電位VSSが出力信号の電位として後段の回路に与えられる。
図16(D)を用いて、入力信号INの電位が、電源電位VSSと同じ場合について説明する。図16(C)の場合と同様に、通常の動作ではスイッチ206、207、209、210がオフし、スイッチ205、208がオンしている。入力信号の電位は、スイッチ205、208を介して第1の容量素子203の第1の電極と、第2の容量素子204の第1の電極に与えられる。
第1の容量素子203には閾値電圧−|VTHp|が保持されているので、第1の容量素子203の第2の電極の電位は、VSS−|VTHp|となる。よって、pチャネル型トランジスタ211は、そのゲート電圧VGSp=VSS−VDD−|VTHp|<−|VTHp|となるため、オンする。
一方、第2の容量素子204には閾値電圧|VTHn|が保持されているので、第2の容量素子204の第2の電極の電位は、VSS+|VTHn|となる。よって、nチャネル型トランジスタ212は、そのゲート電圧VGSn=|VTHn|となるので、オフする。
よって、入力信号INの電位がVSSの場合、電源電位VDDが出力信号の電位として後段の回路に与えられる。
本実施の形態では、電源電位がトランジスタのしきい値電圧の絶対値に対して十分大きくない場合でもトランジスタの動作速度を向上させることができ、よって、デジタル回路の消費電力を低減させることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、図5に示した本発明のインバータにおいて、第1の容量素子303が有する第2の電極に供給される電位を、電源電位VDD以外の電位とし、また、第2の容量素子304が有する第2の電極に供給される電位を、電源電位VSS以外の電位とする形態について説明する。
図17(A)に、本実施の形態のインバータの構成を示す。図5において既に示したものには同じ符号を付す。図17(A)では、第1の容量素子303にpチャネル型トランジスタ311の閾値電圧分の電荷が蓄積されるように、また第2の容量素子304にnチャネル型トランジスタ312の閾値電圧分の電荷が蓄積されるように、各電源電圧の値を最適化する。本実施の形態では、スイッチ305によって第1の容量素子303の第2の電極に供給される電位をVDD−|VTHp|とする。また、スイッチ306によって第2の容量素子304の第2の電極に供給される電位をVSS+|VTHn|とする。
図17(B)〜図17(D)を用いて、図17(A)に示したインバータの動作について説明する。
まず、第1の容量素子303と、第2の容量素子304において、電荷の蓄積を行なう。
まず図17(B)に示すように、スイッチ305をオンに、スイッチ306をオフする。そして入力信号としてVDDを入力することで、第1の容量素子303にpチャネル型トランジスタ311の閾値電圧を記憶する。そしてスイッチ305をオフにすることで、蓄積された電荷が第1の容量素子303において保持される。
次に図17(C)に示すように、スイッチ306をオンに、スイッチ305をオフする。そして入力信号としてVSSを入力することで、第2の容量素子304にnチャネル型トランジスタ312の閾値電圧を記憶する。そしてスイッチ306をオフにすることで、蓄積された電荷が第2の容量素子304において保持される。
次に、記憶された電位差による入力信号の電位の補正と、該補正された電位に基づいて行なわれる通常動作について説明する。
図17(D)を用いて、入力信号INの電位が、電源電位VDDと同じ場合について説明する。通常の動作では、常にスイッチ305、306はオフしている。入力信号の電位は、第1の容量素子303の第1の電極と、第2の容量素子304の第1の電極に与えられる。
第1の容量素子303には閾値電圧−|VTHp|が保持されているので、第1の容量素子303の第2の電極の電位は、VDD−|VTHp|となる。よって、pチャネル型トランジスタ311は、そのゲート電圧VGSp=−|VTHp|となるため、オフする。
一方、第2の容量素子304には閾値電圧|VTHn|が保持されているので、第2の容量素子304の第2の電極の電位は、VDD+|VTHn|となる。よって、nチャネル型トランジスタ312は、そのゲート電圧VGSn=VDD−VSS+|VTHn|>|VTHn|となるので、オンする。
よって、入力信号INの電位がVDDの場合、電源電位VSSが出力信号の電位として後段の回路に与えられる。
次に、入力信号INの電位が、電源電位VSSと同じ場合について説明する。図17(C)の場合と同様に、通常の動作ではスイッチ305、306がオフしている。入力信号の電位は、第1の容量素子303の第1の電極と、第2の容量素子304の第1の電極に与えられる。
第1の容量素子303には閾値電圧−|VTHp|が保持されているので、第1の容量素子303の第2の電極の電位は、VSS−|VTHp|となる。よって、pチャネル型トランジスタ311は、そのゲート電圧VGSp=VSS−VDD−|VTHp|<−|VTHp|となるため、オンする。
一方、第2の容量素子304には閾値電圧|VTHn|が保持されているので、第2の容量素子304の第2の電極の電位は、VSS+|VTHn|となる。よって、nチャネル型トランジスタ312は、そのゲート電圧VGSn=|VTHn|となるので、オフする。
よって、入力信号INの電位がVSSの場合、電源電位VDDが出力信号の電位として後段の回路に与えられる。
本実施の形態では、電源電位がトランジスタのしきい値電圧の絶対値に対して十分大きくない場合でもトランジスタの動作速度を向上させることができ、よって、デジタル回路の消費電力を低減させることができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本実施例では、半導体表示装置の信号線駆動回路に、本発明のクロックドインバータを用いた場合の、クロックドインバータの構成とその駆動について説明する。
図9(A)に本実施例で用いられるクロックドインバータの回路図を示す。図9(A)に示すクロックドインバータは、図8(A)に示したクロックドインバータのスイッチに、トランジスタを用いたものに相当する。
なお本実施の形態では、図5と同様に図1(C)に示す第2の構成を用いた場合について示したが、図4と同様に図1(B)に示す第1の構成を用いることもできる。
図9(A)に示すクロックドインバータは、第1の容量素子601と、第2の容量素子602と、pチャネル型トランジスタ603、607、608と、nチャネル型トランジスタ604、609、610を有している。
第1の容量素子601の第1の電極と第2の容量素子602の第1の電極は互いに接続されており、入力信号INの電位が与えられる。第1の容量素子601の第2の電極はpチャネル型トランジスタ607のゲートに接続されている。また、第2の容量素子602の第2の電極はnチャネル型トランジスタ610のゲートに接続されている。
pチャネル型トランジスタ603の第1の端子には電源電位VDDが与えられており、第2の端子は第1の容量素子601の第2の電極に接続されている。nチャネル型トランジスタ604の第1の端子には電源電位VSSが与えられており、第2の端子は第2の容量素子602の第2の電極に接続されている。
pチャネル型トランジスタ607の第1の端子(ここではソース)には電源電位VDDが与えられている。そして、pチャネル型トランジスタ607の第2の端子(ここではドレイン)と、pチャネル型トランジスタ608の第1の端子(ここではソース)は互いに接続されている。また、nチャネル型トランジスタ610の第1の端子(ここではソース)には電源電位VSSが与えられている。また、nチャネル型トランジスタ610の第2の端子(ここではドレイン)にはnチャネル型トランジスタ609の第1の端子(ここではソース)が接続されている。そしてnチャネル型トランジスタ609の第2の端子(ここではドレイン)は、pチャネル型トランジスタ608の第2の端子(ここではドレイン)に接続されている。なお、nチャネル型トランジスタ609の第2の端子とpチャネル型トランジスタ608の第2の端子の電位が、出力信号OUTの電位として後段の回路に与えられる。
図9(B)に、第2の容量素子602に電荷を蓄積する期間と、第1の容量素子601に電荷を蓄積する期間と、通常動作する期間の、入力信号INの電位と、pチャネル型トランジスタ603のゲートの電位と、nチャネル型トランジスタ604のゲートの電位のタイミングチャートを示す。
図9(B)に示すように、第2の容量素子602への電荷蓄積期間において、pチャネル型トランジスタ603は、電源電位VDDに閾値電圧を加算した電位より高い電位がゲートに与えられ、オフとなる。また、nチャネル型トランジスタ604は、電源電位VSSに閾値電圧を加算した電位より高い電位がゲートに与えられ、オンとなる。そして入力信号INの電位は低電圧側の電位VLに保たれる。
そして、第2の容量素子602に十分電荷が蓄積されたら、nチャネル型トランジスタ604のゲートに、電源電位VSSから閾値電圧分より低い電位が与えられてオフとなり、第2の容量素子602に電荷が保持された状態になる。
次に第1の容量素子601への電荷蓄積期間において、pチャネル型トランジスタ603は、電源電位VDDに閾値電圧を加算した電位より低い電位がゲートに与えられ、オンとなる。また、nチャネル型トランジスタ604は、電源電位VSSに閾値電圧を加算した電位より低い電位がゲートに与えられ、オフとなる。そして入力信号INの電位は高電圧側の電位VHに保たれる。
そして、第2の容量素子602に十分電荷が蓄積されたら、pチャネル型トランジスタ604のゲートに、電源電位VSSに閾値電圧を加算した電位より高い電位が与えられてオフとなり、第2の容量素子602に電荷が保持された状態になる。
なお図9(B)では、第2の容量素子602への電荷の蓄積を、第1の容量素子601への電荷の蓄積より先に行なっているが、逆であってもよい。すなわち、第1の容量素子601への電荷の蓄積を行なった後、第2の容量素子602への電荷の蓄積を行なうようにしても良い。
そして、通常動作期間においては、pチャネル型トランジスタ603は、電源電位VDDに閾値電圧を加算した電位より高い電位がゲートに与えられ、オフとなる。またnチャネル型トランジスタ604は、電源電位VSSに閾値電圧を加算した電位より低い電位がゲートに与えられ、オフとなる。
図10に、本実施例のクロックドインバータを用いた信号線駆動回路の構成を示す。本実施例の信号線駆動回路は、シフトレジスタ1001と、ラッチA1002と、ラッチB1003とを有する。ラッチA1002とラッチB1003は、複数段のラッチを有しており、本実施例のクロックドインバータは各ラッチに用いられている。
具体的には図10に示すように、本実施例のラッチA1002が有する各段のラッチは、本実施例のクロックドインバータ1004、通常のクロックドインバータ1005と、2つのインバータ1006、1007とを有している。
通常のクロックドインバータ1005と、2つのインバータ1006、1007には電源と同じ振幅の信号が入力されるとする。従って、通常の回路を用いれば良い。しかし、ビデオ信号、つまりクロックドインバータ1004の入力信号には振幅の小さな信号が入力されるとする。従って、図8、図9に示したような、本発明の回路を用いる必要がある。
本実施例のクロックドインバータの場合、ビデオ信号が入力信号INに相当し、シフトレジスタから供給されるタイミング信号と、その極性を反転させた信号とが、一方はpチャネル型トランジスタ608のゲートに入力され、他方はnチャネル型トランジスタ609のゲートに入力される。電荷の蓄積を行なう期間は、ラッチAが動作していない期間に設ければ良い。例えば、帰線期間や時間階調のときの点灯期間(ドライバが動いていない期間)などに設ければ良い。
あるいは、シフトレジスタ1001から出力される信号(サンプリングパルス)を用いて、電荷の蓄積を行なうタイミングを制御しても良い。つまり、数列分前のサンプリングパルスを用いて、電荷の蓄積を行っても良い。
図11に、クロックドインバータ1004、1005の上面図を示す。クロックドインバータ1004と1005は構成がほぼ同一であるため、クロックドインバータ1004を例に挙げ、その構成について説明する。なお、図9(A)において既に示したものについては、同じ符号を付す。
1101は入力信号INが入力される配線であり、1102は出力信号OUTが出力される配線である。また1103はnチャネル型トランジスタ609のゲートに与えられる電位が供給される配線であり、1104はpチャネル型トランジスタ608のゲートに与えられる電位が供給される配線である。1105はnチャネル型トランジスタ604のゲートに与えられる電位が供給される配線であり、1106はpチャネル型トランジスタ603のゲートに与えられる電位が供給される配線である。
また、1120は電源電位VSSが供給されている配線であり、1121は電源電位VDDが供給されている配線である。
図11のA−A’における断面図を図12(A)に、B−B’における断面図を図12(B)に示す。
配線1200と配線1201は共に配線1106に接続されており、配線1200は配線1220を介してpチャネル型トランジスタ603の第2の端子に接続されている。
クロックドインバータ1004が有するpチャネル型トランジスタ608は、チャネル形成領域1207と、第1の端子または第2の端子に相当する不純物領域1206、1208と、ゲートに相当するゲート電極1202と、チャネル形成領域1207とゲート電極1202間に設けられたゲート絶縁膜1224を有している。
クロックドインバータ1004が有するpチャネル型トランジスタ607は、チャネル形成領域1209と、第1の端子または第2の端子に相当する不純物領域1208、1210と、ゲートに相当するゲート電極1203と、チャネル形成領域1209とゲート電極1203間に設けられたゲート絶縁膜1224を有している。
クロックドインバータ1005が有するpチャネル型トランジスタ607は、チャネル形成領域1211と、第1の端子または第2の端子に相当する不純物領域1210、1212と、ゲートに相当するゲート電極1204と、チャネル形成領域1211とゲート電極1204間に設けられたゲート絶縁膜1224を有している。
クロックドインバータ1005が有するpチャネル型トランジスタ608は、チャネル形成領域1213と、第1の端子または第2の端子に相当する不純物領域1212、1214と、ゲートに相当するゲート電極1205と、チャネル形成領域1213とゲート電極1205間に設けられたゲート絶縁膜1224を有している。
なお、クロックドインバータ1004が有するpチャネル型トランジスタ608と、クロックドインバータ1004が有するpチャネル型トランジスタ607は、不純物領域1208を共有している。不純物領域1208は、クロックドインバータ1004が有するpチャネル型トランジスタ608においてはソースに、クロックドインバータ1004が有するpチャネル型トランジスタ607においてはドレインに相当する。
また、クロックドインバータ1005が有するpチャネル型トランジスタ608と、クロックドインバータ1005が有するpチャネル型トランジスタ607は、不純物領域1212を共有している。不純物領域1212は、クロックドインバータ1005が有するpチャネル型トランジスタ608においてはソースに、クロックドインバータ1005が有するpチャネル型トランジスタ607においてはドレインに相当する。
また、クロックドインバータ1004が有するpチャネル型トランジスタ607と、クロックドインバータ1005が有するpチャネル型トランジスタ607は、不純物領域1210を共有している。不純物領域1210は、両トランジスタにおいてソースに相当する。
不純物領域1206に配線1215が接続されている。また不純物領域1214に、配線1217が接続されている。配線1215は、クロックドインバータ1004が有するnチャネル型トランジスタ609のドレインに接続されている。
クロックドインバータ1004が有するpチャネル型トランジスタ607のゲート電極1203は、配線1221を介してpチャネル型トランジスタ603の第2の端子に接続されている。
配線1223は、第1の容量素子601の半導体膜1226が有する不純物領域1225に接続されている。半導体膜1226とゲート電極1203とがゲート絶縁膜1224を間に挟んで重なることで形成される容量素子と、ゲート電極1203と配線1223とが層間絶縁膜1230を間に挟んで重なることで形成される容量素子とが、共に第1の容量素子601に相当する。
このように容量素子をMOS容量として形成している。ただし、MOS容量は一方の電極と他方の電極とで、電位の上下関係によっては容量値が非常に小さくなってしまう。従って、容量素子を2つ並列に配置し、その極性や電極の向きなどを逆にすることにより、電位の上下関係に関係なく容量素子として動作させている。
なお容量素子は大きく形成している。なぜなら、入力信号INの電圧を印加しても容量素子601とトランジスタ607のゲート容量とにより電圧分圧されるからである。例えば、容量素子601とトランジスタ607のゲート容量とが同じ大きさなら、入力信号INの振幅のうち、半分しかトランジスタ607のゲートに加わらない。よって、容量素子601は大きくする必要がある。基準としてはトランジスタ607のゲート容量の5倍の大きさで容量素子601を形成するのが望ましい。なお、容量素子602と、トランジスタ610の関係についても同様である。
なお本発明のデジタル回路の1つであるクロックドインバータは、図11に示す構成に限定されない。例えば、シフトレジスタ1001が有するフリップフロップ回路を構成しているクロックドインバータに用いられていても良い。
この場合も、入力信号に振幅が小さい信号が入力される部分に本発明を適用すれば良い。従って、シフトレジスタではクロック信号やその反転信号の振幅が小さいため、図8(A)のクロックドインバータを用いれば良い。この場合、入力されるビデオ信号の帰線期間においてシフトレジスタは動作していないので、該期間において電荷の蓄積を行なえば良い。
なお本発明のデジタル回路の1つであるクロックドインバータは、図11に示す構成に限定されない。
(実施例2)
本発明のデジタル回路を駆動回路に用いたあらゆる半導体装置は、本発明の範疇に含まれる。図15に本発明の半導体装置の1つである半導体表示装置の外観図を示す。図15に示す半導体表示装置は、複数の画素が設けられた画素部1503と、画素を選択する走査線駆動回路1501と、前記選択された画素にビデオ信号を供給する信号線駆動回路1502とを有する。そして画素部1503、信号線駆動回路1502または走査線駆動回路1501の駆動に用いられる各種信号及び電源電位は、FPC1504を介して供給される。
本発明の半導体表示装置には、液晶表示装置、有機発光素子に代表される発光素子を各画素に備えた発光装置、DMD(Digital Micromirror Device)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission
Display)等や、半導体膜を用いた回路素子を駆動回路に有しているその他の表示装置が含まれる。
また本発明の範疇に含まれる半導体装置には、半導体表示装置の他に、加算器、ALU(Arithmetic Logic Unit)、カウンタ、乗算器、シフタ等を含む演算回路と、フリップフロップ、マルチポートRAM、FIFO(First In First Out)回路等を含む記憶回路と、PLA(Programmable Logic Array)等を含む制御回路とを、いずれか単数または複数有する半導体集積回路がある。
(実施例3)
本発明の半導体装置を用いた電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。それら電子機器の具体例を図18に示す。
図18(A)は表示装置であり、筐体2001、表示部2002、スピーカー部2003等を含む。本発明の半導体装置は、表示部2002に用いることができる。表示装置には、パソコン用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。本発明の半導体装置は、表示部2002及びその他の信号処理回路に用いることができる。なお表示装置に発光装置を用いる場合、発光素子が有する電極において外光が反射することで、鏡面のように像を写してしまうのを防ぐために、偏光板を設けておいても良い。
図18(B)はデジタルスチルカメラであり、本体2101、表示部2102、受像部2103、操作キー2104、外部接続ポート2105、シャッター2106等を含む。本発明の半導体装置を表示部2102またはその他の信号処理回路に用いることで、本発明のデジタルスチルカメラが完成する。
図18(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、本体2201、筐体2202、表示部2203、キーボード2204、外部接続ポート2205、ポインティングマウス2206等を含む。本発明の半導体装置を表示部2203またはその他の信号処理回路に用いることで、本発明のノート型パーソナルコンピュータが完成する。
図18(D)はモバイルコンピュータであり、本体2301、表示部2302、スイッチ2303、操作キー2304、赤外線ポート2305等を含む。本発明の半導体装置を表示部2302またはその他の信号処理回路に用いることで、本発明のモバイルコンピュータが完成する。
図18(E)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体2401、筐体2402、表示部A2403、表示部B2404、記録媒体(DVD等)読み込み部2405、操作キー2406、スピーカー部2407等を含む。表示部A2403は主として画像情報を表示し、表示部B2404は主として文字情報を表示する。なお、記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含まれる。本発明の半導体装置を表示部A2403、B2404またはその他の信号処理回路に用いることで、本発明の画像再生装置が完成する。
図18(F)はゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)であり、本体2501、表示部2502、アーム部2503を含む。本発明の半導体装置を表示部2502またはその他の信号処理回路に用いることで、本発明のゴーグル型ディスプレイが完成する。
図18(G)はビデオカメラであり、本体2601、表示部2602、筐体2603、外部接続ポート2604、リモコン受信部2605、受像部2606、バッテリー2607、音声入力部2608、操作キー2609等を含む。本発明の半導体装置を表示部2602またはその他の信号処理回路に用いることで、本発明のビデオカメラが完成する。
ここで図18(H)は携帯電話であり、本体2701、筐体2702、表示部2703、音声入力部2704、音声出力部2705、操作キー2706、外部接続ポート2707、アンテナ2708等を含む。なお、表示部2703は黒色の背景に白色の文字を表示することで携帯電話の消費電流を抑えることができる。本発明の半導体装置を表示部2703またはその他の信号処理回路に用いることで、本発明の携帯電話が完成する。
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。また、本実施例の電子機器は実施例1〜9に示したいずれの構成を用いても良い。