JP4401574B2 - 動的ビーム操舵干渉計 - Google Patents
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Description
発明の背景
本発明は、干渉計、例えば、石版印刷スキャナーまたはステッピングシステムの遮蔽膜台またはウェーハー台などの測定対象物の位置を測定するための偏位、角度および分散を測定する干渉計に関する。
【0002】
偏位測定干渉計は、光干渉信号に基づいて参照対象物に対する測定対象物の位置変化を監視する。本干渉計は、測定対象物から反射された測定ビームを参照対象物から反射された参照ビームとオーバーラップさせ、干渉することにより光干渉信号を生成する。
【0003】
多くの用途において、測定および参照ビームは、ヘテロダイン分割周波数により分離された直交偏光および周波数をもつ。分割周波数は、例えば、Zeeman分裂により、音響光学変調により、またはレーザー内部に複屈折素子を配置することにより生成し得る。偏光ビームスプリッターは、反射測定対象物(例えば、台上鏡)と接触する測定経路に沿って測定ビームを向け、参照経路に沿って参照ビームを向けた後、それらのビームを再結合してオーバーラップ射出測定および参照ビームを形成する。オーバーラップ射出ビームは、射出測定および参照ビームの偏光を混合して、混合ビームを形成する偏光子を通過する出力ビームを形成する。混合ビーム中の射出測定および参照ビームの成分は互いに干渉するので、混合ビームの強度は、射出測定および参照ビームの相対位相によって変化する。検出器は、混合ビームの時間従属性強度を測定し、その強度に比例した電気的干渉信号を生成する。測定および参照ビームは周波数が異なるので、電気的干渉信号は、分割周波数で「ヘテロダイン」信号を含む。測定対照物が、例えば、反射台を並進させることにより、移動しているとき、ヘテロダイン信号は、周波数が分割周波数+Doppler偏移と等しくなる。Doppler偏移は、2vp/λに等しい(vは測定および参照対象物の相対速度、λは測定および参照ビームの波長、pは参照および測定対象物へのパス数)。測定対象物までの光路長の変化は、測定された干渉信号の位相変化に相当し、2πの位相変化は、λ/pの光路長変化nLと実質的に等しくなる(nは光ビームが進行する、例えば、空気または真空媒体の平均屈折率、Lは周回距離変化、例えば、測定対象物を含む台までと台からの距離の変化)。同様に、多数の干渉計を用いて、測定対象物上の複数の点までの距離の変化を測定でき、それによって、測定対象物の角方位の変化を測定できる。
【0004】
IC製造などの高性能の用途では、関心のある量は、幾何学的長さLであり、偏位測定干渉計により測定される光路長nLではない。特に、nLの変化は、測定対象物の相対位置における幾何学的変化によるよりもむしろ屈折率の変化に起因し得る。分散干渉計使用法に基づく技術を用いて、大気の乱れの偏位測定値が補正されてきた。特に、干渉計を使用する偏位測定は、測定経路内の気体の分散を測定するため、複数の光学波長で行われる。その分散測定値を用いて、距離測定干渉計により測定された光路長を幾何学的長さに変換できる。
【0005】
このような距離、角度および分散干渉計は、半導体ウェーハー上に集積回路を製造するため、石版印刷で用いられるスキャナーシステムおよびステッピングシステムの非常に重要な成分である。石版印刷システムは、通常、ウェーハーを支持、配向および固定する少なくとも一つの可動台、暴露ビームに対して台を並進させるスキャナーまたはステッピングシステムおよび放射ビームに対する台の位置の変化を精確に測定する一つ以上の干渉計を含む。本干渉計は、石版印刷システムを精確に制御し、ウェーハー領域を放射ビームに暴露できるようにする。
【0006】
発明の概要
本発明は、測定対象物の角方位または位置の変化に応じて、干渉計使用システム内で一つ以上のビームを再配向する少なくとも一つの動的ビーム操舵組み立て体を含む干渉計使用システムを特徴付ける。動的ビーム操舵組み立て体は、距離、角度および/または分散を測定する干渉計使用システム内に組み入れることができる。動的ビーム操舵組み立て体は、測定対象物の角方位または位置の変化の有害な影響を最小化することにより、干渉計使用システムの性能を改善する。
【0007】
総じて一局面において、本発明は、操作中、測定対象物と接触する測定経路に沿って測定ビームを向け、その測定ビームの少なくとも一部分を別のビームと結合させて射出ビームのオーバーラップ対を形成する干渉計で、その干渉計がビーム操舵素子およびそのビーム操舵素子を配向する位置設定システムを有するビーム操舵組み立て体を含み、そのビーム操舵素子が、測定ビームを配向するため配置され、その測定ビームがビーム操舵素子と接触する干渉計;および操作中、位置設定システムに、測定対象物の角方位および位置の少なくとも一つの変化に応じてビーム操舵素子を再配向させる制御回路を含む干渉計使用システムを特徴付ける。本干渉計は、測定ビームを向けて測定対象物と、単一回(単一パス)、二回(二重パス)または偶数か奇数回接触するようにできる。
【0008】
操作中、制御回路は、位置設定システムに、測定対象物の角方位の変化に応じて、ビーム操舵素子を再配向させることができる。このような実施例の一つにおいて、干渉計使用システムは、さらに、信号処理装置を含むことができる。操作中、干渉計は、測定対象物と接触する第二測定経路に沿って第二測定ビームを向け、第二測定ビームの少なくとも一部分を別のビームと結合させて射出ビームの第二オーバーラップ対を形成する。測定ビームは、個々の位置で測定対象物と接触し、操作中、信号処理装置は、射出ビームのオーバーラップ対由来の信号に基づいて、測定対象物の角方位の変化を測定する。後者の実施例において、ビーム操舵素子を配置して、両測定ビーム、ビーム操舵素子と接触する両測定ビームを配向し得る。
【0009】
総じてさらに別の局面において、本発明は、操作中、入力ビームを受け取り、入力ビームを測定ビームと少なくとも一つの他のビームに分割し、測定対象物と接触する測定経路に沿って測定ビームを向け、次いで、測定ビームの少なくとも一部分を他のビームと結合させて射出ビームのオーバーラップ対を形成する干渉計;ビーム操舵素子およびそのビーム操舵素子を配向する位置設定システムを有し、ビーム操舵素子は入力ビームおよび射出ビームのオーバーラップ対を配向するため配置され、入力ビームおよび射出ビームのオーバーラップ対がビーム操舵素子と接触するビーム操舵組み立て体;操作中、位置設定システムに測定対象物の角方位および位置の少なくとも一つの変化に応じて、ビーム操舵素子を再配向させる制御回路を含む干渉計使用システムを特徴付ける。本干渉計は、測定ビームを向けて測定対象物と単一回(単一パス)、二回(二重パス)または偶数か奇数回接触するようにできる。
【0010】
操作中、制御回路は、位置設定システムに、測定対象物の角方位の変化に応じて、ビーム操舵素子を再配向させることができる。このような実施例の一つにおいて、干渉計使用システムは、さらに、信号処理装置を含むことができる。操作中、干渉計は、測定対象物と接触する第二測定経路に沿って第二測定ビームを向け、次いで第二測定ビームの少なくとも一部分を追加ビームと結合させて射出ビームの第二オーバーラップ対を形成する。測定ビームは、個々の位置で測定対象物と接触し、操作中、信号処理装置は、射出ビームのオーバーラップ対由来の信号に基づいて、測定対象物の角方位の変化を測定する。後者の実施例において、ビーム操舵素子を配置して入力ビームおよび射出ビームの両オーバーラップ対を配向でき、これらのビームは全て、ビーム操舵素子と接触する。
【0011】
上述のいずれかの干渉計使用システムにおいて、本システムは、さらに、信号処理装置を含むことができ、測定ビームは、二つの波長で成分を含み得る。このような実施例の一つにおいて、干渉計は、最初に述べた射出ビームのオーバーラップ対および射出ビームの第二オーバーラップ対を生成する。射出ビームの第一対は、二つの波長の第一波長での測定対象物までの光路長の変化を示し、射出ビームの第二対は、二つの波長の第二波長での測定対象物までの光路長の変化を示す。操作中、信号処理装置は、射出ビームのオーバーラップ対由来の信号を処理する。例えば、信号処理装置は、信号に基づいて測定経路に沿った分散を算出でき、および/または、信号処理装置は、信号に基づいて測定対象物までの幾何学的距離の変化を算出し得る。二つの波長は、十分に分離されているので、このような計算が可能になる。例えば、二つの波長は、調和的に関連するか、少なくとも1nm分離されている。
【0012】
さらに別のこのような実施例において、干渉計使用システムは、さらに、信号処理装置を含み、測定ビーム、他のビームおよび射出ビームのオーバーラップ対はそれぞれ、二つの波長で成分を含む。射出ビームのオーバーラップ対は、二つの各波長での測定対象物までの光路長の変化を示し、操作中、信号処理装置は、射出ビームのオーバーラップ対由来の信号を処理する。例えば、信号処理装置は、信号に基づいて、測定経路に沿った分散を算出でき、および/または信号処理装置は、信号に基づいて、測定対象物までの幾何学的距離の変化を算出し得る。やはり、二つの波長は、十分に分離されているので、このような計算が可能になる。例えば、二つの波長は、調和的に関連するか、少なくとも1nmは分離されている。
【0013】
総じてさらに別の局面において、本発明は、測定対象物と接触する測定経路に沿って測定ビームを向ける段階、測定ビームの少なくとも一部分を別のビームと結合させて射出ビームのオーバーラップ対を形成する段階および電子制御システムを用いて、測定対象物の角方位および位置の少なくとも一つの変化に応じて、測定ビームを再配向する段階を含む干渉計使用方法を特徴付ける。測定経路は、測定対象物と一回、二回またはそれ以上、一般的には偶数か奇数回接触することができる。本方法は、さらに、測定対象物と接触する第二測定経路に沿って第二測定ビームを向ける段階、第二測定ビームの少なくとも一部分を追加ビームと結合させて射出ビームの第二オーバーラップ対を形成し、射出ビームの第一および第二対が測定対象物上の二つの個々の位置までの光路長の変化を示す工程および射出ビームのオーバーラップ対由来の信号に基づいて、測定対象物の角方位の変化を算出する段階を含むことができる。
【0014】
総じてさらに別の局面において、本発明は、測定対象物と接触する測定経路に沿って二つの波長で成分を有する測定ビームを向ける段階、測定ビーム由来の干渉計使用信号に基づいて、測定対象物までの幾何学的距離の変化を算出する段階および電子制御システムを用いて、測定対象物の角方位および位置の少なくとも一つの変化に応じて、測定ビームを再配向する段階を含む干渉計使用方法を特徴付ける。択一的に、さらに別の局面において、本発明は、測定対象物と接触する測定路に沿って、二つの波長で成分を有する測定ビームを向ける段階、測定ビーム由来の干渉計使用信号に基づき測定経路に沿った分散を算出する段階および電子制御システムを用いて、測定対象物の角方位および位置の少なくとも一つの変化に応じて、測定ビームを再配向する段階を含む干渉計使用方法を特徴付ける。これらの局面のいずれかにおける電子制御システムは、測定対象物の角方位の変化に応じて、測定ビームを再配向でき、特に、測定ビームを再配向して、測定対象物の角方位範囲にかけて実質的に正常な入射で測定対象物と接触させることができる。また、これらの局面のいずれかにおいて、二つの波長は、十分に離れているので、幾何学的長さまたは分散を算出でき、例えば、二つの波長は調和的に関連するか、少なくとも1nm分離されている。
【0015】
本発明は、また、互いに対して可動する第一および第二成分を含む集積回路を構成する石版印刷システムを特徴付ける。上述の干渉計使用システムの一つは、第二成分に固定されており、測定対象物は、第一成分に剛性固定された鏡である。操作中、干渉計使用システムは、第二成分に対する第一成分の位置を測定する。実施例によっては、第二成分は、ウェーハーを支持するのに用いられる可動台であり、操作中、ビーム操舵素子は、測定ビームに測定対象物の角方位範囲にかけて実質的に正常な入射で鏡と接触させる。
【0016】
上述の干渉計使用システムおよび方法は、さらに、本発明の以下の追加局面の一つ以上の特徴を任意に含むことができる。
総じてさらに別の局面において、本発明は、測定対象物までの距離の変化を測定する干渉計使用システムを特徴付ける。本システムは、操作中、参照経路に沿って参照ビームを、測定対象物と接触する測定経路に沿って測定ビームを向け、次いで、参照および測定ビームを結合してオーバーラップ射出参照および測定ビームを生成する干渉計を含む。オーバーラップ射出参照および測定ビームは、参照および測定経路間の相対光路長の変化を示す。本干渉計は、ビーム操舵素子およびそのビーム操舵素子を配向する位置設定システムを有するビーム操舵組み立て体を含む。ビーム操舵素子は、参照および測定ビームの少なくとも一つを配向するために配置され、測定ビームは、ビーム操舵素子と接触する。本システムは、また、操作中、位置設定システムに測定対象物の角方位および位置の少なくとも一つの変化に応じて、ビーム操舵素子を再配向させる制御回路を含む。
【0017】
本システムは、以下の特徴を任意に含むことができる。
本干渉計は、入力ビームを空間的に分離されたビーム対に分けて参照および測定ビームを規定することができる。択一的に、操作中、干渉計は、参照および測定ビームを規定するため空間的に分離された一対の入力ビームを受け取る。
【0018】
本干渉計は、測定ビームが測定対象物と単一回のみ接触する単一パス干渉計となり得る。また、若干の実施例では、干渉計は、測定対象物を含むことができ、他の実施例では、測定対象物は、干渉計から独立して存在し得る。操作中、制御回路は、位置設定システムに、射出測定ビームから生成された信号に基づいてビーム操舵素子を再配向させることができる。
【0019】
また、操作中、制御回路は、位置設定システムにビーム操舵素子を再配向させて、以下を任意に実行することができる。1)測定対象物の角方位範囲にかけて射出参照および測定ビームを互いに実質的に平行に維持する。2)測定対象物の角方位の変化に起因する射出測定ビームの方向の変化を少なくする。3)測定対象物の角方位変化または測定対象物の並進に起因する射出参照および測定ビーム間の横偏位を減らす。4)測定対象物の角方位変化または測定対象物の並進に起因する測定ビームの横偏位を減らす。5)測定ビームが測定対象物の角方位範囲にかけて実質的に正常な入射で測定対象物と接触することを保証する。
【0020】
測定対象物が平面鏡であり、操作中、測定ビームが正常ではない入射で測定対象物と接触する実施例において、制御回路は、位置設定システムに、ビーム操舵素子を再配向させて測定対象物の並進に起因する射出参照および測定ビーム間の横偏位を減らすことができる。
【0021】
実施例によっては、ビーム操舵素子は、入力ビームを参照および測定ビームに分ける偏光ビームスプリッターを含むことができ、位置設定システムは、偏光ビームスプリッターに取り付けられていて、制御回路由来の制御信号に応じて偏光ビームスプリッターの方位を調整するように動作する少なくとも一つの変換器を含むことができる。択一的に、ビーム操舵素子は、参照経路に沿って参照ビームを、測定経路に沿って測定ビームを向ける偏光ビームスプリッターを含むことができ、位置設定システムは、偏光ビームスプリッターに取り付けられていて、制御回路由来の制御信号に応じて偏光ビームスプリッターの方位を調整するように動作する少なくとも一つの変換器を含むことができる。
【0022】
他の実施例において、干渉計は、さらに、入力ビームを参照および測定ビームに分離する偏光ビームスプリッターを含むことができ、そのビーム操舵素子は、ビーム操舵鏡を含み、位置設定システムは、ビーム操舵鏡に取り付けられていて、制御回路由来の制御信号に応じてビーム操舵鏡の方位を調整するように動作する少なくとも一つの変換器を含む。択一的に、本干渉計は、さらに、参照経路に沿って参照ビームを、測定経路に沿って測定ビームを向ける偏光ビームスプリッターを含むことができ、そのビーム操舵素子は、ビーム操舵鏡を含み、位置設定システムは、ビーム操舵鏡に取り付けられていて、制御回路由来の制御信号に応じてビーム操舵鏡の方位を調整するように動作する少なくとも一つの変換器を含む。
【0023】
本システムは、さらに、操作中、射出参照および測定ビームを受け取り、その射出参照および測定ビームの偏光を混合して参照および測定経路間の光路長差の変化を示す位相を有する混合ビームを生成する偏光子を含むことができる。制御回路は、射出参照および測定ビームの方向および/または位置を測定し、その方向および/または位置を示す測定信号を生成するように動作する、空間的に分離された検出器素子を有する検出器を含むことができる。制御回路は、さらに、検出器由来の測定信号を受信し、測定信号に基づく制御信号を位置設定システムに送信するように動作する制御器を含むことができ、制御信号は、位置設定システムにビーム操舵素子を再配向させる。
【0024】
偏光ビームスプリッター、ビーム操舵鏡およびビーム操舵鏡に取り付けられた変換器に加えて、本干渉計は、さらに、測定逆反射体、参照逆反射体および反射参照対象物を含むことができる。操作中、偏光ビームスプリッターは、参照ビームを参照対象物に、測定ビームを測定逆反射体に向け、参照対象物から参照ビームを、測定逆反射体から測定ビームを受け取った後、参照および測定ビームをビーム操舵鏡に向ける。ビーム操舵鏡は、参照ビームを参照逆反射体へ、測定ビームを測定対象物へ向け、参照逆反射体から参照ビームを、測定対象物から測定ビームを受け取った後、参照および測定ビームを偏光ビームスプリッターへ戻す。偏光ビームスプリッターは、参照および測定ビームを結合してオーバーラップ射出参照および測定ビームを生成する。測定逆反射体は、開口部を持つことができ、これを通過して参照ビームが参照対象物へおよび参照対象物から進行し、参照逆反射体は、開口部を持つことができ、これを通過して測定ビームが測定対象物へおよび測定対象物から進行する。本干渉計は、さらに、参照四分の一波長板および測定四分の一波長板を含むことができ、参照四分の一波長板を通過して参照ビームが参照対象物へおよび参照対象物から進行し、測定四分の一波長板を通過して、測定ビームが測定対象物へおよび測定対象物から進行する。
【0025】
ビーム操舵鏡は、正面および裏面を有することができる。操作中、ビーム操舵鏡の正面は、測定ビームを測定対象物に向けることができ、ビーム操舵鏡の裏面は、測定対象物由来の測定ビームを受け取ることができる。干渉計は、さらに、操作中に参照経路から参照ビームを、ビーム操舵鏡の裏面から測定ビームを受け取り、射出参照および測定ビームを生成する第二偏光ビームスプリッターを含むことができる。
【0026】
本干渉計は、さらに、追加ビーム操舵素子およびその追加ビーム操舵素子を配向するための追加位置設定システムを含む、少なくとも一つの追加ビーム操舵組み立て体を含むことができる。操作中、追加ビーム操舵素子は、測定ビームを配向する。測定ビームは、追加ビーム操舵素子と接触し、操作中、制御回路は、位置設定システムにビーム操舵素子を再配向させて射出参照および測定ビームのオーバーラップを最適化し、測定対象物の角方位および位置範囲にかけて射出参照および測定ビームを実質的に平行に維持する。制御回路は、射出測定ビームの位置および方向を測定し、その位置および方向を示す測定信号を生成するように動作する空間的に分離された検出器素子を有する二つの検出器を含むことができる。制御回路は、さらに、検出器由来の測定信号を受信し、制御信号を検出器由来の信号に基づいて位置設定システムに送信するように動作する制御器を含むことができ、制御信号は、位置設定システムにビーム操舵素子を再配向させる。
【0027】
総じてさらに別の局面において、本発明は、測定対象物までの距離の変化を測定する干渉計使用システムを特徴付ける。本システムは、操作中、参照ビームおよび測定ビームを規定する一つ以上の入力ビームを受け取り、参照経路に沿って参照ビームを、測定対象物と接触する測定経路に沿って測定ビームを向け、次いで参照および測定ビームを結合してオーバーラップ射出参照および測定ビームを含む出力ビームを生成する干渉計を含む。出力ビームは、参照および測定経路間の相対光路長の変化を示す。本システムは、さらに、ビーム操舵素子およびそのビーム操舵素子を配向する位置設定システムを含むビーム操舵組み立て体を含む。操作中、ビーム操舵素子は、入力および出力ビームを配向し、入力および出力ビームはビーム操舵素子と接触する。本システムは、さらに、操作中、位置設定システムに、測定対象物の角方位および位置の少なくとも一つの変化に応じて、ビーム操舵素子を再配向させる制御回路を含む。
【0028】
本システムは、以下の特徴を任意に含むことができる。
干渉計は、単一入力ビームを受け取り、単一入力ビームを参照および測定ビームを規定する空間的に分離された一対のビームに分離することができる。択一的に、本干渉計は、参照および測定ビームを規定する空間的に分離された一対の入力ビームを受け取ることができる。
【0029】
ビーム操舵素子は、ビーム操舵鏡を含むことができ、位置設定システムは、ビーム操舵鏡に取り付けられていて、制御回路由来の制御信号に応じてビーム操舵鏡の方位を調整するように動作する少なくとも一つの変換器を含むことができる。ビーム操舵鏡は、正面および裏面を含めることができ、操作中、その入力ビームはビーム操舵鏡の正面と接触し、出力ビームは、ビーム操舵鏡の裏面と接触する。干渉計は、測定ビームが測定対象物と単一回しか接触しない単一パス干渉計になり得る。
【0030】
本制御回路は、位置設定システムにビーム操舵素子を再配向させて以下を任意に実行することができる。1)測定対象物の角方位範囲にかけて、射出参照および測定ビームを互いに実質的に平行に維持する。2)測定対象物の角方位変化に起因する射出測定ビームの方向の変化を減らす。3)測定対象物の角方位の変化または測定対象物の並進に起因する射出参照および測定ビーム間の横偏位を減らす。4)測定対象物の角方位の変化または測定対象物の並進に起因する測定ビームの横偏位を減らす。5)測定ビームが測定対象物と測定対象物の角方位範囲にかけて実質的に正常な入射で接触することを保証する。
【0031】
総じてさらに別の局面において、本発明は、操作中、参照経路に沿って参照ビームを、測定対象物と接触する測定経路に沿って測定ビームを正常ではない入射で向け、次いで参照および測定ビームを結合してオーバーラップ射出参照および測定ビームを形成する干渉計を含む干渉計使用システムを特徴付ける。オーバーラップ射出測定および参照ビームは、参照および測定経路間の相対光路長の変化を示す。本干渉計は、測定ビームを配向するために配置されたビーム操舵組み立て体を含む。本システムは、操作中、ビーム操舵組み立て体に測定ビームを再配向させて測定対象物の並進に起因する射出参照および測定ビーム間の横偏位を減らす制御回路を含む。
【0032】
総じてさらに別の局面において、本発明は、操作中、参照経路に沿って参照ビームを、測定対象物と接触する測定経路に沿って測定ビームを向け、次いで参照および測定ビームを結合してオーバーラップ射出参照および測定ビームを形成する干渉計を含む干渉計使用システムを特徴付ける。オーバーラップ射出測定および参照ビームは、参照および測定経路間の相対光路長の変化を示す。本干渉計は、参照および測定ビームの少なくとも一つを配向するために配置されたビーム操舵組み立て体を含む。
【0033】
本システムは、さらに、操作中、ビーム操舵組み立て体に参照および測定ビームの一つを再配向させて、以下の少なくとも一つを実行する制御回路を含む。1)測定対象物の角方位範囲にかけて、射出参照および測定ビームを互いに実質的に平行に維持する。2)測定対象物の角方位の変化に起因する射出測定ビームの方向の変化を減らす。3)測定対象物の角方位の変化に起因する射出参照および測定ビーム間の横偏位を減らす。4)測定対象物の並進に起因する射出参照および測定ビーム間の横偏位を減らす。5)測定ビームが測定対象物と測定対象物の角方位範囲にかけて実質的に正常な入射で接触することを保証する。6)測定対象物の並進に起因する測定ビームの横偏位を減らす。7)測定対象物の角方位の変化に起因する測定ビームの横偏位を減らす。
【0034】
総じてさらに別の局面において、本発明は、操作中、参照経路に沿って参照ビームを、測定対象物と接触する測定経路に沿って測定ビームを向け、次いで、参照および測定ビームを結合してオーバーラップ射出参照および測定ビームを形成する干渉計を含む干渉計使用システムを特徴付ける。オーバーラップ射出測定および参照ビームは、参照および測定経路間の相対光路長の変化を示す。本干渉計は、参照および測定ビームの少なくとも一つを配向するために配置されたビーム操舵組み立て体を含む。本システムは、さらに、操作中、ビーム操舵組み立て体に、射出測定ビームから生成された信号に基づき、測定対象物の角方位の変化に応じて、参照および測定ビームの少なくとも一つを再配向させる制御回路を含む。
【0035】
総じてさらに別の局面において、本発明は、操作中、参照経路に沿って参照ビームを、測定対象物と接触する測定経路に沿って測定ビームを向け、次いで、参照および測定ビームを結合してオーバーラップ射出参照および測定ビームを形成する干渉計を含む単一パス干渉計使用システムを特徴付ける。オーバーラップ射出測定および参照ビームは、参照および測定経路間の相対光路長の変化を示す。測定経路は、測定対象物と単一回しか接触しない。本干渉計は、参照および測定ビームの少なくとも一つを配向するために配置されたビーム操舵組み立て体を含む。本システムは、さらに、操作中、ビーム操舵組み立て体に、測定対象物の角方位の変化に応じて参照および測定ビームの少なくとも一つを再配向させる制御回路を含む。
【0036】
さらに別の局面において、本発明は、また、ウェーハー上に集積回路を構成するのに用いる石版印刷システムを特徴付ける。石版印刷システムは、ウェーハーを支持する台;ウェーハーに空間的にパターン化された放射線を画像化する照明システム;画像化放射線に対して台の位置を調整する位置設定システム;および上述の任意の干渉計使用システムの少なくとも一つを含む。本干渉計使用システムは、画像化放射線に対するウェーハーの位置を測定する。
【0037】
さらに別の局面において、本発明は、ウェーハー上に集積回路を構成するのに用いる石版印刷システムを特徴付ける。石版印刷システムは、ウェーハーを支持する台および照明システムを含む。本照明システムは、放射線源、遮蔽膜、位置設定システム、レンズ組み立て体および上述の任意の干渉計使用システムの少なくとも一つを含む。操作中、線源は、放射線を遮蔽膜に向けて通過させ、空間的にパターン化された放射線を生成する。位置設定システムは、線源由来の放射線に対して遮蔽膜の位置を調整する。レンズ組み立て体は、ウェーハー上に空間的にパターン化された放射線を画像化する。本干渉計使用システムは、線源由来の放射線に対する遮蔽膜の位置を測定する。
【0038】
さらに別の局面において、本発明は、集積回路を構成する石版印刷システムを特徴付ける。本石版印刷システムは、第一および第二成分を含み、その第一および第二成分は、互いに対して可動する。また、石版印刷システムは、上述の任意の干渉計使用システムの少なくとも一つを含み、その第一成分は、測定対象物を含み、干渉計使用システムは、第二成分に対する第一成分の位置を監視する。
【0039】
さらに別の局面において、本発明は、石版印刷遮蔽膜を構成するのに用いるビーム記録システムを特徴付ける。本ビーム記録システムは、基板をパターン化する記録ビームを供給する線源;基板を支持する台;基板に記録ビームを送達するビーム配向組み立て体;台およびビーム配向組み立て体を互いに対して位置設定する位置設定システム;およびビーム配向組み立て体に対する台の位置を測定する上述の任意の干渉計使用システムの少なくとも一つを含む。
【0040】
総じてさらに別の局面において、本発明は、干渉計使用方法を特徴付ける。本干渉計使用方法は、参照経路に沿って参照ビームを、測定対象物と接触する測定経路に沿って測定ビームを向ける段階、参照および測定ビームを結合してオーバーラップ射出参照および測定ビームを形成し、そのオーバーラップ射出測定および参照ビームが参照および測定経路間の相対光路長の変化を示す段階および電子制御システムを用いて、測定対象物の角方位および位置の少なくとも一つの変化に応じて測定ビームを再配向する段階を含む。
【0041】
総じてさらに別の局面において、本発明は、干渉計使用方法を特徴付ける。干渉計使用方法は、参照ビームおよび測定ビームを規定する一つ以上の入力ビームを受け取る段階、参照経路に沿って参照ビームを、測定対象物と接触する測定経路に沿って測定ビームを向ける段階、参照および測定ビームを結合してオーバーラップ射出参照および測定ビームを含む出力ビームを形成し、そのオーバーラップ射出測定および参照ビームが参照および測定経路間の相対光路長の変化を示す段階および電子制御システムを用いて、測定対象物の角方位および位置の少なくとも一つの変化に応じて、入力および出力ビームを再配向する段階を含む。
【0042】
さらに別の局面において、本発明は、集積回路を構成するのに用いる石版印刷方法に関する。石版印刷方法は、ウェーハー上に空間的にパターン化された放射線を画像化する段階、画像化された放射線に対してウェーハーを位置設定する段階および上述の干渉計使用方法の少なくとも一つを用いて、画像化された放射線に対するウェーハーの位置を測定する段階を含む。
【0043】
さらに別の局面において、本発明は、集積回路を構成するのに用いる石版印刷方法を特徴付ける。石版印刷方法は、入力放射線を遮蔽膜に向けて通過させ、空間的にパターン化された放射線を生成する段階、入力放射線に対して遮蔽膜を位置設定する段階、上述の干渉計使用方法の少なくとも一つを用いて入力放射線に対する遮蔽膜の位置を測定する段階およびウェーハー上に空間的にパターン化された放射線を画像化する段階を含む。
【0044】
さらに別の局面において、本発明は、集積回路チップを構成するのに用いる石版印刷方法を特徴付ける。石版印刷方法は、石版印刷システムの第一成分を石版印刷システムの第二成分に対して位置設定してウェーハーを空間的にパターン化された放射線に暴露する段階および上述の任意の干渉計使用方法を用いて、第二成分に対する第一成分の位置を測定する段階を含む。
【0045】
さらに別の局面において、本発明は、石版印刷遮蔽膜を構成するのに用いるビーム記録方法を特徴付ける。本方法は、記録ビームを基板に向けて基板をパターン化する段階、基板を記録ビームに対して位置設定する段階および上述の任意の干渉計使用方法を用いて記録ビームに対する基板の位置を測定する段階を含む。
【0046】
最後に、総じてさらに別の局面において、本発明は、測定対象物までの距離の変化を測定する干渉計使用システムを特徴付ける。本干渉計使用システムは、干渉計、干渉計内で少なくとも一つのビームを再配向するビーム操舵組み立て体および測定対象物の角方位または位置の変化に応じてビーム操舵組み立て体を再配向する制御回路を含む。
【0047】
上述の干渉計使用システムおよび方法の実施例は、多くの利点を含む。
例えば、本システムは、射出参照および測定ビームを測定対象物の方位範囲にかけて互いに実質的に平行に維持でき、測定対象物に測定ビームを単一パスするだけでそれを実行できる。単一パスシステムは、二重パス干渉計と比較して、Doppler偏移を有する電気的干渉信号を処理するのに必要な電子装置の帯域幅を減少させる。さらに、単一パスシステムは、二重パス干渉計と比較して、複極、散乱および干渉計内で伝達光学系由来の不都合なスプリアス反射が生じる確率を低下させる。このような作用は、電気的干渉信号の測定相での誤差、例えば、周期的誤差を導き得る。にもかかわらず、実施例は、また、多重パス、例えば、二重パス構成も含め得る。
【0048】
単一パスおよび多重パスの両構成において、本システムは、射出参照および測定ビームの横偏位または測定対象物の角方位または位置の変化に起因する干渉計内の参照および測定ビームの成分の横偏位を最小化することができる。結果として、混合射出参照および測定ビームから生成された電気的干渉信号の平均振幅は、測定対象物の角方位および位置の変化と実質的に無関係になり得る。さらに、本システムは、測定対象物の角方位または位置の変化に起因する干渉計の伝達光学系、例えば、偏光ビームスプリッターおよび四分の一波長板を通過する測定および参照ビームの経路の変化を少なくする。このような伝達光学系は、それらの表面形状の欠陥および屈折率の局所変動を有し得る。したがって、このような光学系を通過するビームの経路の変化は、測定対象物および干渉計間の距離が変化しなかったとしても、干渉計により測定された光路長を変化させ得る。このような有害な作用は、伝達光学系が、くさびにより生成されるような分散特性を有すれば、倍加し得る。
【0049】
さらに、若干の実施例おいて、本システムは、唯一の伝達光学系として一つ以上の偏光ビームスプリッターを含み、他の光学系はすべて、反射性である。特に、四分の一波長板は、必要とされない。本システム光学系の伝達光学系の数を最小化することにより、復極、散乱ならびに参照および測定ビームの不都合なスプリアス反射が減少する。これらは、電気的干渉信号の測定相での誤差、例えば、周期的誤差を導き得る。
【0050】
本干渉計使用システムは、また、複数の干渉計および測定対象物の偏位に加えて、角方位を測定する少なくとも一つのビーム操舵組み立て体も含むことができる。このような角度を測定する実施例は、上述の利点の多くを有し得る。
【0051】
さらに、本干渉計システムは、測定経路に沿った分散を測定するため複数波長でのビーム成分を含み得る。このような分散測定値を用いて、光路長変化を幾何学的経路長変化に変換できる。やはり、このような分散を測定する実施例は、上述の利点の多くを有し得る。
【0052】
類似した特徴は、権利者の同じ1998年9月18日提出のHenry A.HillおよびPeter de Grootによる「動的ビーム操舵組み立て体を有する干渉計」と題する出願中の米国特許明細書09/157,131にも記載されている。その内容は、参照文献により本明細書において盛り込んである。
他の特徴、局面および利点は、以下の詳細な説明からおよび特許請求の範囲から明白になる。
【0053】
発明の詳細な説明
本発明の特徴は、干渉計、および制御回路により制御される少なくとも1つのビーム操作組立体を含む干渉計システムである。ある実施形態の場合には、ビーム操作組立体は、干渉計内において、基準ビームおよび測定ビームのうちの少なくとも一方をある方向に向ける干渉計の構成部材である。他の実施形態の場合には、ビーム操作組立体は、干渉計から独立していて、入力ビームを干渉計の方向に向け、出力ビームを干渉計から他の方向に向ける。ビーム操作組立体は、測定対象物の角度方位または位置の変更の望ましくない結果を最低限度に抑えるために、入力ビーム、出力ビーム、基準ビームおよび測定ビームの1つまたはそれ以上の方向を変える。
【0054】
最初に、本発明の4つの実施形態について説明するが、これらの実施形態は、比較的少数の構成部材を含み、ビームは1つの平面内だけを伝播する。しかし、これらの実施形態は、以下に記載する他の実施形態のところで説明する本発明の重要な機能をはっきりと示している。
【0055】
図15aは、本発明のある実施形態の略図である。干渉計1510の偏向ビーム・スプリッタ1512は、レーザ・ソース(図示せず)から入力ビーム1514を受信し、この入力ビーム1514を基準ビーム1516(点線)および測定ビーム1518(実線)に分離する。これらのビームは、相互に直角に直線的に偏向される。偏向ビーム・スプリッタ1512は、図15の平面、および偏向インターフェース1562を通して送られるビームを反射するための背面反射面1564に対して直角な偏向を持つビームを反射するための偏向インターフェース1562を含む。
【0056】
上記実施形態の場合には、直角に偏向した基準ビームおよび測定ビームは、例えば、ジーメン分割、音響光学変調、または入力ビーム1514の成分として、干渉計1510に入る前に、レーザに対して内側の複屈折素子を使用することにより相互に周波数シフトされる。異なる周波数により、干渉計システムは、ヘテロダインの干渉信号を発生することができる。上記実施形態は、ヘテロダイン・システムであるが、本発明は、基準ビームおよび測定ビームが同じ周波数を持つホモダイン・システムで使用できるように容易に適合させることができる。
【0057】
偏向ビーム・スプリッタ1512は、測定ビーム1518をビーム操作組立体1520の方に向ける。このビーム操作組立体1520は、ビーム操作ミラー1522、および一組の圧電トランスジューサ1524および1526を含む。上記トランスジューサは、サーボ・コントローラ1530からの信号1528に応じて、ビーム操作ミラーの向きを変える湾曲部によりビーム操作ミラー1522に接続している。ビーム操作組立体は、ビーム操作ミラー1522の方向、および/または位置の変化を測定するためのキャパシタンス・ゲージを含むことができる。また、キャパシタンス・ゲージは、圧電トランスジューサ1524および1526の特性を測定および/またはモニタするために使用することもできる。
【0058】
ビーム操作組立体1520は、基準逆リフレクタ1532を通して、測定ビームの向きを変える。基準逆リフレクタ1532は、頂部が切断されていて、その結果、逆リフレクタ1532の中心を通るビームは、逆反射されないで、ほぼ垂直に入射し、ステージ・ミラー1534、すなわち、測定対象物に接触する。その後で、ステージ・ミラー1534は測定ビームはもとの方向に反射し、この測定ビームは、その経路を逆に通って、ビーム操作組立体1520および偏向ビーム・スプリッタ1512に戻る。測定ビームは、4分の1波長板1536を2回通るが、この4分の1波長板1536は、ビーム操作組立体1520と偏向ビーム・スプリッタ1512との間に位置していて、測定ビームの直線的な偏向を90度だけ回転する。
【0059】
偏向ビーム・スプリッタ1512は、基準ビーム1516の向きをビーム操作組立体1520の方向に変え、ビーム操作組立体1520は、基準ビームを基準逆リフレクタ1532の方向に変える。基準逆リフレクタは、その後で、基準ビームの方向を元のビーム操作組立体1520の方向、および偏向ビーム・スプリッタ1512の方向に変える。基準ビームは、また、4分の1波長板1536を2回通過するが、この4分の1波長板1536は、基準ビームの直線的な偏向を90度だけ回転させる。
【0060】
偏向ビーム・スプリッタ1512は、その後で、偏向回転基準ビームおよび測定ビームを再結合して、重畳している出口基準ビームおよび測定ビームを形成し、上記ビームは、出力ビーム1540を形成する。ビーム・スプリッタ1542は、出力ビーム1540の一部を検出システム1544に送り、この検出システムは、出口基準ビームおよび測定ビームの伝播方向の差を測定する。検出システムは、サーボ・コントローラ1530に、上記すべての差を示すエラー信号1550を送り、上記サーボ・コントローラは、上記エラー信号に応じて、ビーム操作組立体1520に信号1528を送る。ビーム操作組立体1520は、信号1528に応じて、好適には、基準逆リフレクタ1532のノード点付近で、ビーム操作ミラー1522の向きを変化させ、基準ビームによる横剪断効果をかなり低減する、基準逆リフレクタ1532のノード点付近で、ビーム操作ミラー1522の向きを変化させる。
【0061】
別の方法としては、入力ビーム1514の方向が一定である場合には、検出器システム1544は、検出器システムの基準位置からの出口測定ビームの位置の差を測定し、上記位置の差を示すエラー信号1550を発生することができる。出口測定ビームの位置の差は、出力ビーム1540の出口測定ビーム成分の伝播の方向が変化したことによるものである。例えば、基準位置は、ステージ・ミラー1534から逆反射する、すなわち、垂直な入射角でステージ・ミラーに接触する、測定ビームに対応する検出器システムの出口測定ビームの位置であってもよい。上記ステージ・ミラー1534は、公称ゼロ位置にある。他の実施形態の場合には、検出器システムは、出口基準ビームおよび測定ビームの方向および位置を決定することができ、上記情報に基づいて、エラー信号を発生することができる複数の検出器を含むことができる。
【0062】
ステージ・ミラー1534の角度方位を偏向すると、測定ビームの向きおよび以降の出口測定ビームの向きが変わる。それにより、検出器システム1544は、エラー信号1550を発生する。サーボ・コントローラ1530は、エラー信号に応答して、例えば、ステージ・ミラーへの測定ビームの入射角を垂直にすることによりエラー信号を最小限度に小さくするために、ビーム操作組立体1520にビーム操作ミラー1522の方向を変更させる。その結果、出口基準ビームおよび測定ビームは、相互にほぼ平行状態を維持し、出口測定ビームの位置は、ステージ・ミラーの角度方位が変化しても、ほぼ一定で変化しない。さらに、ビーム操作組立体1520は、基準ビームおよび測定ビームの方向を、それぞれ2回再度変更するので、ビーム操作ミラー1522の反射面に対して垂直な方向におけるビーム操作ミラー1522の並進の際に、基準ビームと測定ビームとの間の相対的光学的経路の長さは一次のままで変化しない。さらに、測定ビームが、垂直な入射角でステージ・ミラーの方向に向けられた場合であって、測定ビームおよび基準ビームの経路がほぼ同じ中心軌跡を持っている場合には、(ステージ・ミラー上の測定ビーム点の中心の周囲で)ステージ・ミラーの角度方位がどのように変化しても、また、ビーム操作素子の対応する変化がどのようなものであっても、基準ビームと測定ビームとの間の光学的経路の相対的長さは一次のままで変化しない。
【0063】
偏向装置1545を通りビーム・スプリッタ1542を通過した後で、出口ビーム1540の残りの部分は、混合ビーム1546を形成するために、出口基準ビームの偏向と測定ビームの偏向とを混合する。信号処理システム1548は、例えば、光電検出により電気干渉信号または電気ヘテロダイン信号を発生するために、混合ビームの輝度を測定し、電気ヘテロダイン信号の位相を抽出し、その位相から基準ビームの経路と測定ビームの経路との間の光学的経路の長さの差を測定する。
【0064】
他の実施形態の場合には、検出器システム1544は、ステージ・ミラー1534の方向に向けられた追加の光ビーム(図示せず)からなる1つの独立感知システム(図示せず)の一部であってもよい。上記の1つの独立感知システムは、追加の光ビームを使用してステージ・ミラー1534の絶対的および相対的角度方位を測定し、方位を示す測定信号をサーボ・コントローラ1530に送る。図15aの実施形態の場合のように、サーボ・コントローラ1530は、検出器システムからの信号に基づいて、ビーム操作組立体1520を制御する。さらに、それぞれが、測定ビームを測定対象物の方向に向ける複数の干渉計システムを含む実施形態の場合には、各干渉計システムのビーム操作組立体の制御を案内するために、それぞれ、1つの角度感知システムを使用することができる。
【0065】
図15aの実施形態に類似の他の実施形態の場合には、偏向ビーム・スプリッタ1512およびビーム操作組立体1520は、図15bの偏向ビーム・スプリッタ、およびビーム操作組立体1560により示すように、単一のユニットに結合されている。この変形例の場合には、トランスジューサ1524および1526は、湾曲部を通して偏向ビーム・スプリッタ1512に直接接続している。その結果、サーボ・コントローラ1530は、トランスジューサ1524および1526を通して偏向インターフェース1562および偏向ビーム・スプリッタ1512の逆反射面1564の向きを変えて、基準ビームおよび測定ビームを、それぞれ、基準逆リフレクタ1532およびステージ・ミラー1534の方向に向ける。4分の1波長板1536は、基準逆リフレクタ1532とビーム操作組立体1560との間に位置する。この実施形態の他の特徴は、図15aの実施形態の特徴と同じものであり、同じ参照番号がつけてある。
【0066】
図15aおよび図15cに示す他の実施形態の場合には、入力ビーム1514は、最初、ビーム操作組立体1520に接触し、このビーム操作組立体は、入力ビームを干渉計1570の方向に向ける。この実施形態の場合には、干渉計は、偏向ビーム・スプリッタ1512、4分の1波長板1536、および基準逆リフレクタ1532を含むが、ビーム操作組立体1520を含んでいない。ビーム操作組立体1520は、干渉計の外部に位置する。図15bの実施形態の場合のように、偏向ビーム・スプリッタ1512は、基準ビームおよび測定ビームを、それぞれ、基準逆リフレクタ1532およびステージ・ミラー1534の方向に向け、出力ビーム1540の成分である重畳出口基準ビームおよび測定ビームを形成するために、反射した基準ビームおよび測定ビームを再結合させる。ビーム操作組立体1520は、その後で、図15aの実施形態におけるように、出力ビーム1540を受信し、この出力ビームを検出器システム1544および信号処理システム1548に送る。
【0067】
図15aの実施形態におけるように、図15cのサーボ・コントローラ1530は、検出器システム1544が発生するエラー信号を最小限度に小さくするために、組立体1520のビーム操作ミラー1522の方向を変える。そうするために、サーボ・コントローラ1530は、測定ビームが、ステージ・ミラーの角度方位のある範囲内で、垂直な入射角でステージ・ミラー1534に接触するように、入力ビームを干渉計1570の方向へ向けるように、ビーム操作ミラー1522の方向を変える。ビーム操作組立体1520は、信号1528に応じて、好適には、基準逆リフレクタ1532のノード点を中心にしてビーム操作ミラー1522の方向を変え、基準逆リフレクタ1532のノード点を中心にしてビーム操作ミラー1522の方向を変えて、基準ビームに対する横方向の剪断効果(横方向の変位)をかなり低減することが好ましい。その結果、出力ビームを形成する出口測定ビームおよび基準ビームが、干渉計からほぼ平行に出力される。入力ビームの方向を変えるビーム操作組立体により干渉計から出力される出力ビームの方向の変化は、出力ビームがビーム操作組立体に接触する際に補償される。上記ビーム操作組立体は、出力ビームを検出器システム1544および信号処理システム1548に送る。
【0068】
図15aの実施形態類似の図15dの他の実施形態の場合には、干渉計システムは、1つの入力ビームを基準ビームおよび測定ビームに分離するのではなく、基準ビームおよび測定ビームを定義するために、一組の空間的に分離している入力ビームを受信する。この実施形態の場合には、干渉計1580は、相互に直角に偏向された空間的に分離している入力ビーム1582および1584を受信し、偏向ビーム・スプリッタ1586は、基準ビーム1516、および測定ビーム1518を定義するために、異なる経路に沿って受信した入力ビームの方向を変える。偏向ビーム・スプリッタ1586に入る前に、入力ビームの位置が、非偏向ビーム・スプリッタ1588により取り出され、基準位相検出器1590に送られる。基準位相検出器は、入力ビームを光学的に混合するための、光学系、および混合ビームの相対的光学的位相を測定するための電子回路を含む。基準位相検出器1590は、基準ビームの経路と測定ビームの経路との間の光学的経路の長さの差を測定するために、信号1592を使用する信号処理システム1548へ干渉計1580が入った場合に、入力ビーム1582と1584との間の相対的位相差を示す基準位相信号1592を送る。
【0069】
図15dの実施形態の残りの部分は、出力ビーム1540を形成するために、基準ビーム1516と測定ビーム1518を再結合する偏向ビーム・スプリッタ1586を含む、図15aの説明と同じものである。図15dの実施形態、および基準ビームおよび測定ビームを定義するために、干渉計が、空間的に分離している入力ビームを受信する他の実施形態は、基準ビームおよび測定ビームが相互に重畳する干渉計の光学系内の経路を短縮する。このような経路の短縮により、システム1548により測定されたヘテロダイン信号で、反復エラーを起こす恐れがある基準ビームおよび測定ビームの間の偏向混合が低減する。このような反復エラーを記載している参考文献としては、例えば、1986年発行のAppl.Opt.26号、2676〜2681ページ掲載のN.ボブロフの論文を参照されたい。また、ビーム操作組立体が、干渉計の外部に設置されている、図15cの実施形態のような他の実施形態の場合には、ビーム操作ミラーは、基準ビームおよび測定ビームを定義するために、空間的に分離している入力ビームを干渉計に送ることができる。
【0070】
上記の図15a−図15dのシステム固有のコンセプトは、他の用途にも適用することができる。例えば、他の実施形態は、複数の次元に沿って、測定の角度方位および位置の変化をアドレスすることができる。また、他の実施形態は、干渉信号を形成するために、出口基準ビームおよび出口測定ビームが混合された場合に、出口基準ビームの横方向の空間的なプロファイルが確実に出口測定ビームに対して倒立しないようにすることができる。また、他の実施形態は、追加のビーム操作組立体を含むことができる。このような他の実施形態については以下に説明する。
【0071】
通常、これらの実施形態は、対象物の方向からほぼ独立していて、また対象物の横方向の変位からほぼ独立している対象物の直線的な変位を測定し、モニタするための装置および方法に関する。この場合、横方向への変位は、直線的変位に対して垂直である。重要な用途の一例としては、1つ、2つまたは3つの直角次元でのステッピングおよび/または走査を行う石版印刷ツールでの、1つまたはそれ以上のステージの所与の次元および位置に沿って測定およびモニタを行うための干渉計システムの使用がある。
【0072】
下記の実施形態は、1台の干渉計、および干渉計の構成部材であってもよいし、干渉計から独立しているものであってもよい、少なくとも1つのビーム操作組立体を備える。上記実施形態は、通常、これらの分類の中の1つに分類される。第1の分類の場合には、ビーム操作組立体は、測定ビームおよび基準ビーム両方の成分を送るためのものである。第2の分類の場合には、ビーム操作組立体は、測定成分を伝送するが、基準ビームは伝送しない。第3の分類の場合には、ビーム操作組立体は、入力ビームを干渉計に送信し、干渉計から出口ビームを伝送する。
【0073】
各分類においては、干渉計システムは、2つの異なる動作モードの一方または両方で機能することができる。第1の動作モードは、測定対象物の角度方位の変化による測定ビームまたは出口測定ビームの方向の変化を補償するためのものである。角度方位の変化は、例えば、ピッチおよびヨーの変化のように、1つまたはそれ以上の方向に沿って発生する場合がある。動作の第2のモードは、測定対象物の位置の変化による測定ビームまたは出口測定ビームの横方向の位置の変化を補償する。位置の変化は、任意の2つの横方向に沿って、すなわち、測定が行われている変位に直角な方向、および縦方向、すなわち、測定中の変位に沿った方向に沿って発生する場合がある。
【0074】
特定の干渉計システムに対する動作モードは、測定対象物の反射特性により異なる。例えば、測定ビームが平らなミラーから反射した場合には、ミラーの平面内の2つの直交軸を中心とする平面ミラーの角度方位が変化すると、2つの軸に対する反射測定ビームの方向が変化する。しかし、これら2つの軸の一方に沿って平面ミラーが並進しても、反射測定ビームの方向または横方向の位置は影響を受けない。それ故、測定ビームが、測定対象物の平面ミラーから反射する用途の場合には、システムは、通常、第1のモードで動作する。
【0075】
異なる例の場合には、測定ビームが逆リフレクタから反射する場合、反射測定ビームの方向は、測定対象物の角度方位または位置が変化しても影響を受けない。しかし、入射測定ビームに直角な方向に沿って逆リフレクタが並進すると、反射測定ビームの横方向の位置が変化する。それ故、測定ビームが、所与の面内において、測定対象物から逆反射する用途の場合であって、システムは、その平面内における入射測定ビームに直角に測定対象物が並進する場合には、通常、第2のモードで動作する。
【0076】
当業者であれば理解できると思うが、測定対象物が、測定ビームを反射するためのダハプリズムを含む構成の場合には、上記2つの例の機能が結合される。そのような構成の場合には、システムは、第1のモードおよび第2のモードの両方で動作する。
【0077】
システムは、また、測定対象物が、測定ビームを反射するための平面ミラーを含み、測定ビームが、垂直でない入射角で平面ミラーに入射する構成の場合には、第1のモードおよび第2のモードの両方で動作する。このような構成の場合、測定対象物が縦方向に並進すると、反射測定ビームの横方向の位置が変化し、測定対象物の角度方位が変化すると、反射測定ビームの方向が変化する。
【0078】
干渉計システムの実施形態は、また、測定対象物に対して、測定ビームの1つまたは複数の経路を含むことができる。経路が一本のシステムの場合には、測定対象物の角度方位または位置が変化すると、出口測定ビームの方向または横方向の位置が変化する。検出器システムが検出したように、出口測定ビームが変化すると、ビーム操作組立体を制御するために使用するエラー信号に対してバイアスが掛かる。ある種の複数の経路を含む配置の場合には、測定対象物の角度方位または位置が変化しても、出口測定ビームの方向および/または横方向の位置は変化しないが、干渉計内の測定ビームの方向および/または横方向の位置は変化する。干渉計内での測定ビームの方向および/または横方向の位置の変化を補償するために、干渉計システムのある種の実施形態は、奇数回、測定対象物に測定ビームが入射した後で、測定ビームから中間ビームを除去する。検出器システムにより検出された中間ビームの方向および/または位置は、ビーム操作組立体を制御するために使用されるエラー信号に対しバイアスを掛ける。
【0079】
本発明の各実施形態の場合には、干渉計および少なくとも1つのビーム操作組立体は、1つのユニットとして、少なくとも1つのビーム操作組立体のいくつかの光学的素子が変位しても、測定ビームと基準ビームの光学的経路の長さの間の差に少なくとも一次の影響を与えないように構成される。第1の動作モードの場合には、干渉計および少なくとも1つのビーム操作組立体は、測定対象物および/または1つのユニットとしてのビーム操作組立体のいくつかの光学的素子の方向の変化が、実質的に、測定ビームおよび基準ビームの光学的経路の長さの間の差に、少なくとも一次の影響を与えないように構成される。第2の動作モードの場合には、干渉計および少なくとも1つのビーム操作組立体は、直線的変位に直角な測定対象物の位置の変化が、実質的に、測定ビームおよび基準ビームの光学的経路の長さの間の差に、少なくとも一次の影響を与えないように構成される。
【0080】
図1a−図1fは、測定対象物の方向からほぼ独立していて、また対測定象物の横方向の変位からほぼ独立している対象物の直線的な変位を測定するための、本発明の第1の実施形態の略図である。上記横方向の変位は、上記直線的変位に対して直角である。上記第1の実施形態は、第1の分類の実施形態に含まれるもので、2つの直交軸を中心とする測定対象物の方向の変化に対して、第1の動作モードで動作する本発明のその変形例を示す。
【0081】
第1の実施形態は、光ビーム110、ビーム操作組立体、第1および第2のビーム分割組立体、逆リフレクタ172、1つの反射面を備える測定対象物ミラー170、および1つの反射面を備える基準ビーム・ミラー178を備える。プリズム150およびひし形のプリズム154は、図1aに示す第1のビーム分割組立体を備える。この場合、インターフェース152は、偏向ビーム分割インターフェースであり、面156は、リフレクタである。菱形のプリズム160、プリズム166および186、およびドーブプリズム182は、図1bの第2のビーム分割組立体を備える。この場合、インターフェース162はリフレクタであり、インターフェース面164および174は、偏向ビーム分割インターフェース、すなわち、非ビーム分割インターフェースのインターフェース面184であり、図1bに点線で示すインターフェース面180は、反射防止コーティングが行われている。
【0082】
第1の実施形態は、ヘテロダイン干渉計システムとして使用することができる。(図1a−図1fに図示していない)ソースは、第1の実施形態に対して異なる周波数の2つの直交する偏向成分からなる入口ビーム110を供給する。
【0083】
レーザのような光源としては、種々の周波数変調装置および/またはレーザの中の任意のものを使用することができる。例えば、レーザとしては、当業者であれば周知の従来の種々の技術のうちの任意の技術で安定化した、例えば、HeNeのようなガス・レーザを使用することができる。例えば、(1980年の)応用光学、19巻、3173〜3177ページ掲載の、T.ボエル他の「0.633ミクロンのHeNe縦方向ジーマン・レーザの周波数安定」;1975年6月10日付のバーグワルド他の米国特許第3,889,207号;および1972年5月9に日付のサンドストーム他の米国特許第3,662,279号を参照されたい。別の方法としては、レーザとして、当業者であれば周知の種々の従来技術の中の1つの安定化ダイオード・レーザ周波数を使用することができる。例えば、(1980年の)電子レター、16巻、179〜181ページ掲載の、T.大越、K.菊池の「ヘテロダイン・タイプの光通信システム用の半導体レーザの周波数安定」、および(1983年の)IEEEジャーナル、量子エレクトロニクス、QE−19、1514〜1519ページ掲載の、S.山口、およびM.鈴木の「クリプトンのオプトガルバニック効果の使用によるAlGaAs半導体レーザの周波数および電力の同時安定」を参照されたい。
【0084】
下記の技術の中の1つにより、2つの光学的周波数を発生することができる。すなわち、(1)ジーマン分割レーザの使用。例えば、1969年7月29日付の、バーグレイ他の米国特許第3,458,259号;(1968年8月付の)Ned.t.Natuurk、34巻、225〜232ページ掲載の、「ガスレーザによる干渉計」;1972年4月18日付の、バーグレイ他の米国特許第3,656,853号;および(1984年の)精密エンジニアリング、6(2)巻、87〜94ページ掲載の、H.松本の「安定化レーザを使用する最近の干渉計による測定」を参照されたい。(2)一組の音響光学ブラッグ・セルの使用、例えば、(1979年の)応用光学、18(2)巻、219〜224ページ掲載の、Y.大塚、K.伊藤の「低い周波数帯での小さな変位を測定する際の2つの周波数レーザ干渉計」;(1983年の)応用光学22(14)巻、2141〜2151ページ掲載の、N.マシエ他の「64チャネルのヘテロダイン干渉計を備えるレーザの流れフィールドの測定」;(1984年の)光学およびレーザ技術、16巻、25〜29ページ掲載の、Y.大塚、およびM.坪川の「小さな変位を測定するための動的な2つの周波数の干渉計」;H.松本のop cit;1996年1月16日付の、ダークセン他の米国特許第5,485,272号;(1996年の)光学エンジニアリング、35(4)巻、920〜925ページ掲載の、N.A.リザおよびM.M.K.ハウラダの「同調可能な低周波信号の発生および制御用の音響光学システム」参照。;(3)単一の音響光学ブラッグ・セルの使用。例えば、1987年8月4日付の、G.E.ソマグレンの共通所有の米国特許第4,684,828号;1987年8月18日付の、G.E.ソマグレンの共通所有の米国特許第4,687,958号;P.ダークセン他のop cit参照。(4)ランダムに偏向したHeNeレーザの2つの縦方向モードの使用。例えば、(1978年の)応用光学17(18)巻、2924〜2929ページ掲載の、J.B.ファーグソンおよびR.H.モリスの「6328オングストロームのHeNeレーザの単一モード崩壊」、または(5)レーザ内部への複屈折素子の使用。(1965年の)応用光学、4(1)巻、142〜143掲載の、V.イブツホフおよびA.E.ジーグマンの「レーザ凹部において軸方向に均一なエネルギー密度を入手するための“捻りモード”技術」を参照されたい。
【0085】
ビーム源110として使用される特定のデバイスは、ビーム110の直径およびダイバージェンスを測定する。例えば、ダイオード・レーザのようなある種のソースの場合には、後続の素子に対して適している直径およびダイバージェンスを持つビーム110を供給するために、従来の顕微鏡対象レンズのような従来のビーム成形光学系を使用する必要がある可能性が高い。ソースがHeNeレーザである場合には、ビーム成形光学系を必要としない。
【0086】
ビーム110は、図1aに示すように、第1のビーム分割組立体に入射するが、その場合、ビームの一部は、インターフェース152により伝送され、測定ビーム111として面156により反射される。ビーム111は、図1aの平面により偏向される。ビーム110の第2の部分は、図1aの平面に直角に偏向された基準ビームとしてインターフェース152により反射される。
【0087】
ビーム111は、ビーム操作素子158(図1a参照)に入り、ビーム113(図1b参照)としてビーム操作素子158から出力される。この場合、ビーム113は、ビーム111から横方向にずれていて、ビーム111の伝播方向とは名目上反対方向に伝播する。図1bの平面内へのビーム1113およびビーム111の投影は重畳する。ビーム操作素子158においては、ビーム111は、例えば、全内反射により、各インターフェース158A、158Bおよび158C(また図1aの干渉計の端面図を示し、ビーム操作素子158内の基準ビーム112の経路を示す図1c参照)により順次反射される。測定ビームの方向を変えるビーム操作組立体は、ビーム操作素子158および方向づけ/並進トランスジューサ159を備える。方向づけ/並進トランスジューサ159は、好適には、図1cの平面内の方向の変化に対して、干渉計172のノード点を中心にしてビーム操作素子158の方向を変更し、および/またはビーム111の伝播の名目上の方向において、ビーム操作素子158の位置を変更することが好ましい。この場合、逆リフレクタ172のノード点を中心とするビーム操作素子158の方向が変化すると、基準ビームが受ける横方向の剪断効果がかなり低減される。ビーム操作素子158の方向は、電子信号140により制御され、ビーム操作素子158の位置は、電子信号144を通して電子プロセッサおよびコンピュータ194により制御される。
【0088】
ビーム113は、図1bの第2のビーム操作組立体に入り、その内部で、インターフェース162のところでビーム115として反射され、その後で、偏向ビーム分割インターフェース164によりビーム117として送信される。図1bの平面内で偏光されたビーム117は、4分の1波長位相遅延板168により円形に偏向されたビームとして伝送され、測定対象物ミラー170により反対方向の円形偏向を含むビームとして反射され、位相遅延板168により図1bの平面に直角に直線的に偏向されたビーム119として伝送される。ビーム119は、第2のビーム分割組立体に入り、偏向ビーム分割インターフェース164によりビーム121として反射される。
【0089】
ビーム121は、第2のビーム分割組立体から出て、ビーム操作素子158(図1b参照)に入り、ビーム操作素子158からビーム123(図1a参照)として出力され、ビーム121の伝播方向とは名目上反対の方向に伝播する。ビーム123は、逆リフレクタ172(図1a参照)に入り、ビーム125(図1b参照)として逆反射される。図1dの場合には、ビーム123および125は、それぞれ、逆リフレクタ172への入力ビームであり、また逆リフレクタ172からの出力ビームである。
【0090】
基準ビーム112は、ビーム操作素子158(図1a参照)に入り、ビーム操作素子158からビーム114(図1bおよび図1c参照)として出力され、ビーム112の伝播方向とは名目上反対の方向に伝播する。ビーム114およびビーム112の投影は、図1aの平面内で重畳する。ビーム操作素子158を通るビーム111およびビーム112の経路の投影は、図1cの平面内で重畳する。ビーム114は、逆リフレクタ172(図1b参照)に入り、ビーム116(図1a参照)として逆反射される。図1dの場合には、ビーム114および116は、それぞれ、逆リフレクタ172への入力ビームであり、また逆リフレクタ172からの出力ビームである。ビーム116は、ビーム操作素子158(図1a参照)に入り、ビーム操作素子158からビーム118(図1b参照)として出力され、ビーム116の伝播方向とは名目上反対の方向に伝播する。
【0091】
ビーム118は、第2のビーム操作組立体に入り、ビーム118の一部は、ビーム120(図1b参照)として偏向ビーム分割インターフェース174により反射される。図1bの平面に直角に偏向されたビーム120は、4分の1波長位相遅延板176により円形に偏向されたビームとして伝送され、基準ミラー178により反対方向の円形偏向を含むビームとして反射され、その後で、図1bの平面に直角に直線的に偏向されたビーム122として、4分の1波長位相遅延板176により反射される。ビーム122は、第2のビーム分割組立体122に入り、偏向ビーム分割インターフェース174により、ビーム124として伝送される。ビーム124は、反射防止コーティングされたインターフェース180によりビーム126として伝送される。
【0092】
測定ビーム125は、図1bに示すように、第2のビーム分割組立体に入り、ビーム125の第1の部分は、非偏向ビーム分割インターフェース184により、第1の出力ビーム128の第1の成分として伝送される。ビーム126の第1の部分は、非偏向ビーム分割インターフェース184により第1の出力ビーム128の第2の成分として反射される。第1の出力ビーム128は、反射インターフェース162により出力ビーム130として反射される。出力ビーム130は、検出器188に入射し、それぞれ、2つの直交平面内の出力ビーム130内の測定ビーム成分および基準ビーム成分の伝播方向内の任意の差に関連する2つの成分を含む電気信号140を形成する。
【0093】
ビーム125の第2の部分は、非偏向ビーム分割インターフェース184により第2の出力ビーム132の第1の成分として反射される。ビーム126の第2の部分は、非偏向ビーム分割インターフェース184により第2出力ビーム132の第2の成分として伝送される。ビーム132は、混合光学的ビーム134を形成するように配置された偏向装置190により伝送される。ビーム134は、検出器192に入射し、混合ビーム134の測定ビーム成分および基準ビーム成分に関連する電気信号142を発生する。電気信号142は、混合ビーム134の測定ビーム成分および基準ビーム成分の位相差に関する情報を入手するための以降の処理を行うために、電子プロセッサおよびコンピュータ194に伝送される。混合ビームの検出は、通常、光電検出により行われ、その目的は、その位相が、測定ビームおよび基準ビームの光学的経路の長さの差に関連するヘテロダイン信号を発生することである。ヘテロダイン信号の位相は、例えば、ヘテロダイン信号のフーリエ変換またはヒルベルト変換により、電子プロセッサおよびコンピュータ194により判断することができる。
【0094】
図1eは、検出器188の素子の略図である。ビーム130は、偏向インターフェース188Bを含むプリズム188Aおよび188Cを備える偏向ビーム・スプリッタに入る。図1eの平面に直角に偏向された、ビーム130の測定ビーム成分は、偏向インターフェース188Bによりビーム130Mとして反射される。ビーム130Mは、レンズ188Dにより、カッド・セル検出器、二次元高速CCDカメラ、または横方向効果ホトダイオードのような検出器188E上の一点に焦点を結ぶ。二次元データアレイは、以降の処理のために、電子信号140Aとして電子プロセッサ188Hに伝送される。検出器188E上の点の位置は、ビーム130Mの横方向の剪断により影響を受けないが、伝播ビーム130Mの方向が変化すると、検出器188E上の点の位置が移動する。それ故、電子信号は、ビーム130Mの伝播の方向に関する情報を含む。
【0095】
図1eの平面内で偏向されるビーム130の基準ビーム成分は、偏向インターフェース188Bによりビーム130Rとして伝送される。ビーム130Rは、レンズ188Fにより、カッド・セル検出器、二次元高速CCDカメラ、または横方向効果ホトダイオードのような第2の検出器188G上の第2の点に焦点を結ぶ。二次元データアレイは、以降の処理のために、電子信号140Bとして電子プロセッサ188Eに伝送される。検出器188G上の第2の点の位置は、ビーム130Rの横方向の剪断により影響を受けないが、伝播ビーム130Rの方向が変化すると、検出器188G上の第2の点の位置が移動する。それ故、電子信号130Rは、ビーム130Rの伝播の方向に関する情報を含む。
【0096】
電子プロセッサ188Hは、2つの電子信号140Cおよび140Dを発生するために、電子信号140Aおよび140Bを処理する。この場合、2つの電子信号140Cおよび140Dは、2つの直交する平面内の測定ビーム成分および基準ビーム成分130の伝播方向の差に比例する。電子信号140Cおよび140Dは、電子信号140を含む。
【0097】
電子信号140は、方向づけ/並進トランスジューサ159に伝送される。信号140を内蔵している情報は、2つの直交軸を中心とする測定対象物ミラー170の方向が変化しても、測定ビーム123の伝播方向が、2つの次元において、ほぼ一定に維持されるように方向づけ/並進トランスジューサ159により、ビーム操作ミラー158の方向を変化するために、サーボ・システムでエラー信号として使用される。ビーム操作素子158による測定ビームの第1の方向転換の位置から測定対象物ミラー170までの測定ビームの物理的経路の長さが、測定対象物ミラー170から、ビーム操作素子158による測定ビームの第2の方向転換の位置までの測定ビームの物理的経路の長さと等しいという条件のもとでは、測定対象物ミラー170の方向に変化が、ビーム操作素子158の方向の変化により補償される場合には、ビーム操作素子158のところで、ビーム123の横方向の剪断は発生しない。物理的経路の長さのこの条件は、第1の実施形態の条件として参照される。
【0098】
第1の実施形態の条件を満たせば、測定対象物ミラー170の方向の変化が、ビーム操作素子158の方向の変化により補償される場合には、ビーム操作素子158のところで、測定ビーム123の横方向の剪断は発生しない。しかし、測定対象物ミラー170の方向の変化が、ビーム操作素子158の方向の変化により補償される場合には、基準ビーム126の横方向の剪断が導入される。横方向の剪断が、基準ビーム126内に導入されるが、横方向の剪断の大きさは、測定対象物ミラーの方向の変化による従来技術の平面ミラー干渉計の測定ビーム成分内に導入される横方向の剪断と比較した場合かなり低減する。低減係数は、干渉計の測定脚部の物理的長さに対する基準脚部の物理的長さの比率に比例する。
【0099】
ある種の最終的な使用の用途の場合には、123の伝播経路の方向に公称上平行な方向にビーム操作素子158を並進させることが望ましい。ビーム操作素子158に対するこのタイプの並進は、方向づけ/並進トランスジューサ159に伝送される電気信号144を通して信号プロセッサおよびコンピュータ194により制御される。
【0100】
本発明の調整可能な素子の能動的サーボ制御の使用により、測定対象物ミラー170に対する測定ビームの一本の経路を使用して、測定対象物ミラー170に対して正確な変位測定を行うことができる。ある相対的な精度で、第1の実施形態の条件を満足する用途の場合には、本発明の技術を使用することにより、干渉計の素子の横方向の剪断および補償してない分散特性による基準ビームの位相に対する測定ビームの位相の測定対象物ミラー170の方向に依存するエラーを(ある相対的な精度で)軽減する。
【0101】
第1の実施形態の干渉計およびビーム操作組立体は、ビーム操作素子158の変位により、基準ビームの光学的経路の長さに対する測定ビームの光学的経路の長さた、少なくとも1つの二次の影響を受けないように構成されている。この場合、基準ビームおよび測定ビームの両方は、方向転換の度に、入射角がほぼ同一のビーム操作素子158により2回方向転換されたその伝播方向を持つ。ビーム操作素子158に入る基準ビームおよび測定ビームの経路の中心は、ほぼ同一の広がりを持ち、ビーム操作素子158から出てくる基準ビームおよび測定ビームの経路の中心もほぼ同一の空間的広がりを持つ。基準ビームの光学的経路の長さに対する、また測定ビームの光学的経路の長さに対するビーム操作素子158の変位の一組の低次の影響の一例は、ビーム操作素子158の変位の大きさにおいて一次的なものであり、測定対象物ミラー170の方向の変化の大きさにおいて一次的なものであり、干渉計の1つまたはそれ以上の面の図におけるある種の補償してないエラーにおいて一次的なものである。
【0102】
干渉計およびビーム操作組立体は、(対象物ミラー上の測定ビーム点の中心を中心とする)対象物ミラーの方向の変化および/またはビーム操作素子158の方向の変化が、基準ビームの光学的経路の長さに対する測定ビームの光学的経路の長さに一次の影響を与えないように構成されている。残りの二次の影響は、測定ビームおよび基準ビームの経路の長さの差に比例し、測定ビーム点に対応する方向を中心とする対象物ミラーの方向の角度の変化において二次的である係数に比例する。二次的な影響の大きさは、複数の経路の配置に対する測定対象物への測定ビームの一本の経路により低減する。
【0103】
図1fは、上記節で説明した二次的な効果を示す。図1fは、最初の角度方位の場合に、対象物ミラーの第1のケースの場合の、および図1fの平面内での方向の変化による測定対象物ミラー170の第2のケースの場合の測定ビームの等価経路の略図である。図の場合、第2のケースの測定対象物ミラー170は、点aを中心にして、測定対象物ミラー170Aは角度方位βだけ回転している。ケース1の場合に干渉計により測定した距離は、点aおよび点bの間の距離の二倍である。点aおよび点bの間の距離はabで示す。点bから点cまでの線は、サーボ・システムにより制御されるビーム操作素子158の動作により、測定対象物ミラー170Aの面に対して直角である。それ故、ケース2の場合に、干渉計により測定した距離は、点bと点cとの間の距離の二倍である。点bと点cとの間の距離はbcで表わす。距離2bcと距離abとの間には、下記式の関係がある。
【0104】
【数1】
2bc=2abcosβ (1)
式(1)のコサイン係数は、二次β、すなわち、β2 /2である項によるものの数値とは異なる。
【0105】
第1の実施形態のもう1つの特徴は、測定ビームまたは基準ビーム、およびビーム操作素子158から出力されるビームの伝播の公称上の方向のビーム操作素子158の並進による少なくとも一次のビーム成分の横方向の剪断が発生しないことである。ビーム操作素子158に入るビーム、およびビーム操作素子158から出力されるビームである基準ビームおよび測定ビームの伝播方向は、ほぼ平行している。
【0106】
第1の実施形態の注目すべき特徴は、干渉計およびビーム操作組立体が、非倒置タイプであること、すなわち、入力ビーム110の基準ビーム成分および測定ビーム成分の波頭の振幅の対応する点が、出力ビーム130の基準ビーム成分および測定ビーム成分、および出力ビーム132の基準ビーム成分および測定ビーム成分の波頭の振幅の実質的な重畳点をマップすることである。この後者の特徴に関連するのは、ビーム130の基準ビーム成分および測定ビーム成分の間の角度、およびビーム132の基準ビーム成分および測定ビーム成分との間の角度が、入力ビーム110の伝播方向の変化により、一次およびそれより高次の影響を受けないという付随する特徴である。
【0107】
当業者であれば、上記節で説明した上記の付随特徴により、入力ビーム110の伝播方向が、本発明の精神または範囲から逸脱することなしに固定されている場合には、検出器188が、第1の出力ビーム130の測定ビーム成分の1つまたは2つの直角方向の、横方向の位置の変化を検出することによりサーボ・システムでその機能を実行することができることを理解することができるだろう。ある平面内の特定のビームの伝播方向の変化の検出からある平面内の横方向の剪断の検出へ、検出器188の特性を変更するために、特定のビームの一部を非偏向ビーム・スプリッタにより取り出し、焦点レンズを通さないで、二重セル検出器のような検出器に直接伝送される。上記二重セル検出器は、横方向の剪断を検出する方向を向いている。二重セル検出器は、特定のビームの横方向の剪断を感知するが、特定のビームの伝播方向の二重セル検出器のところでの変化は感知しない。特定のビームの2つの直交する平面内の、伝播方向の変化の検出から2つの直交する平面内の横方向の剪断の検出へ、検出器188の特性を変更するために、特定のビームは、焦点レンズを通さないで、カッド・セル検出器のような検出器に直接伝送される。カッド・セル検出器は、特定のビームの横方向の剪断を感知するが、特定のビームの伝播方向のカッド・セル検出器のところでの変化は感知しない。
【0108】
さらに、当業者であれば、石版印刷ステッパ/スキャナへ第1の実施形態を適用する場合、測定対象物ミラーをウェーハ・ステージに取り付けることができ、基準ミラーをレンズ組立体に取り付けることができることを理解することができるだろう。上記レンズ組立体は、本発明の精神または範囲から逸脱することなしに、列基準を形成するために、ウェーハ上に露出照射ビームの焦点を結ぶために使用される。
【0109】
上記の他に第1の実施形態は、いくつかの利点を持つ。その中の1つの利点は、測定ビームおよび基準ビーム用の経路が、高度に対称的であることである。このことは、通常、測定ビーム経路の各セグメントに対して、測定対象物ミラー170、および4分の1波長位相遅延板168の位置により定義される可変空気経路を除いて、基準ビーム経路のほぼ平行な対応するセグメントが存在することを意味する。さらに、空気内に位置する基準ビーム114の経路のあるセクションをガラスで置き換えることにより(図1b参照)、測定対象物ミラー170および4分の1波長位相遅延板168の位置により、形成される可変空気経路だけを除いて、同じ量のガラスおよび空気を通して測定ビームおよび基準ビームを通過させることができる。このように対称になっているので、高い熱安定性および機械的安定性が得られる。
【0110】
もう1つの利点は、測定ビームおよび基準ビームが、それぞれ、逆リフレクタ172の表面を含む同じ平面から、第1のビーム分割組立体の菱形プリズム154の面152および156、第2のビーム分割組立体のドーブプリズム182の面162および184、および測定対象物ミラー170および基準ミラー178を除いて、同じ回数反射することである。これにより、第1の実施形態の種々の反射面の平行配置の要件が大幅に緩和される。
【0111】
もう1つの他の利点は、第1実施形態が、容易に製造できる光学的構成部材からなることである。逆リフレクタ172としては、中空でないまたは中空の通常のタイプのものを使用することができる。第1および第2のビーム分割組立体は、通常の直角プリズム、ドーブプリズム、および菱形プリズムから作ることができる。ビーム操作素子158は、不等辺四辺形の形をしていて、容易に作ることができ、中空でなくても中空であってもよい。不等辺四辺形のプリズムは、特に、等辺プリズムの頭部を切除することにより作ることができる。
【0112】
他のもう1つの利点は、測定対象物ミラー170へのビームの、特に、スプリアス多重通過に関連するゴースト反射、すなわち、スプリアス反射の発生の可能性が非常に少ないことである。この特徴により、本発明の装置により測定した測定ビームおよび基準ビームの相対的位相内での反復エラー発生の可能性が低減する。反復エラーは、従来技術の平面ミラー干渉計の場合によく見受けられる。
【0113】
第1の実施形態のもう1つの利点は、ビーム操作素子158が、ビーム操作素子158の方向の変化より小さい程度の反射ビームの楕円率内で変化を起こすことである。測定ビームおよび基準ビームの間の測定した相対的位相差内の反復エラーに対する効果は、通常、三次効果である。ある効果の一例としては、反復エラーの初期値の大きさにおいては、一次効果であり、予め選択した方向についての、ビーム操作素子158の方向の変化においては二次効果である。
【0114】
第1の実施形態のもう1つの特徴は、整合手順が簡単なことである。検出器188に相対的角度検出器を設置した場合には、下記のように装置の整合が簡単になる。4分の1波長位相遅延板168と測定対象物ミラー170との間の測定ビームを阻止することにより、電気エラー信号188は、すべての他の整合が正しいものと仮定した場合、入口ビーム110の整合を表示する。すべての他の追加の表示手段(図示せず)を使用して、この信号を観察することにより、入口ビーム110の最善の整合方法をについての情報を入手することができる。
【0115】
整合手順をさらに改善するために、第1および第2のビーム分割組立体の角度方位および/または位置を調整することにより、第1の実施形態の装置を自動的に整合するために、第1および第2のビーム分割組立体に、追加のサーボ制御、および追加の方向づけ/並進トランスジューサ(図示せず)を設置することができる。整合手順をさらに改善する別の方法としては、基準ミラー178の角度方位を調整することにより、第1の実施形態の装置を自動的に整合させるために、基準ミラー178に、追加のサーボ制御、および追加の方向づけトランスジューサ(図示せず)を設置することができる。
【0116】
そこを通して、ビームが伝送される第1実施形態の素子のすべての面は、干渉計に対して高い伝送効率を維持するために、反射防止コーティングが行われる。
当業者であれば、最終的用途により、第1の実施形態を、本発明の範囲または精神から逸脱することなしに、2つの直交する回転軸の代わりに、一本の回転軸を中心にして測定対象物ミラーの回転の変化を補償するために、第1の実施形態を実行することができることを理解することができるだろう。
【0117】
図2a−図2fは、対象物の方向からほぼ独立していて、また対象物の横方向の変位からもほぼ独立している対象物の直線的な変位を測定するための、本発明の第2の実施形態の略図である。上記横方向の変位は、直線的変位に直角である。第2の実施形態は、第1の分類の実施形態に含まれるもので、2つの直交軸を中心とする測定対象物の方向の変化に対して、第1の動作モードで動作するその変形例を示す。第2の実施形態は、操作素子に関連するいくつかのステップにおいて、ビーム識別およびビーム経路の動作のため、ビーム偏向コード化を使用する。一方、第1の実施形態は、操作素子に関連する他のいくつかのステップにおいて、基準ビームおよび測定ビームの身元を継続的に追跡するために、ビームの空間的な分離を使用する。
【0118】
第2の実施形態は、光ビーム210、ビーム操作素子270および方向づけ/並進トランスジューサ271を備える光ビーム操作組立体、第1、第2、第3および第4のビーム分割組立体BAS1、BAS2、BAS3、およびBAS4、逆リフレクタ293、1つの反射面を備える測定対象物ミラー284、および1つの反射面を備える基準ビーム・ミラー265を備える。プリズム250、254、258、262、267、269、272および296、2分の1位相遅延板260および294、および第1のビーム分割組立体BAS1を含む4分の1波長位相遅延板268を備える。この場合、インターフェース面252、256、266および298は、偏向ビーム分割インターフェースであり、面264および274は、反射面(図2b参照)である。プリズム276および277は、第2のビーム分割組立体BAS2を備える。この場合、インターフェース280は、偏向ビーム分割インターフェースであり、面278は、反射面(図2e参照)である。プリズム286および292は、第3のビーム分割組立体BAS3を備える。この場合、インターフェース288は、偏向ビーム分割インターフェース(図2d参照)である。プリズム251および255は、第4のビーム分割組立体BAS4を備える。この場合、インターフェース253は、偏向ビーム分割インターフェース(図2a参照)である。
【0119】
第2の実施形態は、ヘテロダイン干渉計システムとして使用することができる。光ビーム210およびビーム・ソース210の説明は、第1の実施形態の光ビーム110およびビーム・ソース110の対応する説明と同じものである。
【0120】
ビーム210は、図2bに示すように、BAS1上に入射し、その場合、ビーム210の一部は、ビーム211として、インターフェース252により反射され、ビーム211は、インターフェース256により測定ビーム213として反射される。ビーム213は、図2bの平面に直角に偏向される。ビーム210の第2の部分は、インターフェース252により、図2bの平面内で偏向された基準ビーム212として伝送される。
【0121】
ビーム213は、4分の1波長位相遅延板268により円形に偏向されたビームとして伝送され、ビーム操作素子270により反対方向の円形偏向を含むビームとして反射され、その後で、4分の1波長位相遅延板268により、図2aの平面内で直線的に偏向されたビーム215(図2b参照)として伝送される。ビーム操作素子270は、1つの反射面からなる。ビーム215は、偏向インターフェース256により、BAS1のビーム217として伝送される。ビーム217は、反射インターフェース274により反射され、BAS1からビーム219として出力される。
【0122】
ビーム219は、BAS2(図2e参照)に入り、反射面278によりビーム221として反射され、ビーム221は、偏向ビーム分割インターフェース280により、ビーム223として反射される。
【0123】
図2eの平面に直角に偏向されているビーム223は、4分の1波長位相遅延板282により円形に偏向されたビームとして伝送され、測定対象物ミラー284により反対方向の円形偏向を含むビームとして反射され、その後で、4分の1波長位相遅延板282により、図2eの平面内で直線的に偏向され、図2aの平面に直角なビーム225として伝送される。
【0124】
ビーム225は、BAS2に入り、偏向ビーム分割インターフェース280により、ビーム227として伝送される。ビーム227は、BAS2から出て、BAS3(図2d参照)に入り、偏向ビーム分割インターフェース288により、ビーム229として反射される。図2dの平面に直角に偏向されているビーム229は、4分の1波長位相遅延板290により、円形に偏向されたビームとして伝送され、ビーム操作ミラー270により反対方向の円形偏向を含むビームとして反射され、その後で、4分の1波長位相遅延板290により、図2dの平面内で直線的に偏向されたビーム231として伝送される。ビーム231は、偏向ビーム分割インターフェース288によりビーム233として伝送される。
【0125】
ビーム233は、逆リフレクタ293(図2d参照)に入り、ビーム235(図2a参照)として逆方向に反射される。図2fの場合には、ビーム233および235は、それぞれ、逆リフレクタ293に入るビームであり、また逆リフレクタ293から出てゆくビームである。
【0126】
図2bの平面内で偏向された基準ビーム212は、1/2波長位相遅延板260によりビーム214として伝送され、1/2波長位相遅延板260は、ビーム214が、図2bの平面に直角に偏向されるような方向を向いている。ビーム214は、反射面264により、ビーム216として反射され、ビーム216は、偏向ビーム分割インターフェース266によりビーム218として反射される。図2bの平面に直角に偏向されているビーム218は、4分の1波長位相遅延板268により円形に偏向されたビームとして伝送され、操作ミラー270により反対方向の円形偏向を含むビームとして反射され、その後で、4分の1波長位相遅延板268により、図2bの平面内で直線的に偏向されたビーム220として伝送される。ビーム220は、偏向ビーム分割インターフェース266によりビーム222として伝送される。
【0127】
ビーム222は、逆リフレクタ293(図2a参照)に入り、ビーム224として逆方向に反射される(図2d参照)。図2fの場合には、ビーム222および224は、それぞれ、逆リフレクタ293に入るビームであり、また逆リフレクタ293から出てゆくビームである。ビーム224は、BAS3に入り、偏向ビーム分割インターフェース288によりビーム226として伝送される(図2d参照)。図2dの平面内で偏向されているビーム226は、4分の1波長位相遅延板290により円形に偏向されたビームとして伝送され、ビーム操作ミラー270により反対方向の円形偏向を含むビームとして反射され、その後で、4分の1波長位相遅延板290により、図2dの平面に直角に直線的に偏向されたビーム228として伝送される。ビーム228は、偏向ビーム分割インターフェース288によりビーム230として反射される。
【0128】
ビーム230は、BAS2に入り(図2d参照)、偏向ビーム分割インターフェース280によりビーム232として伝送される。ビーム223およびビーム232の投影は、図2eの平面内で重畳する。図2dの平面に直角に偏向されているビーム232は、4分の1波長位相遅延板282により円形に偏向されたビームとして伝送され、基準ミラー265により反対方向の円形偏向を含むビームとして反射され、その後で、4分の1波長位相遅延板282により、図2dの平面内で直線的に偏向されたビーム234として伝送される。
【0129】
ビーム234は、BAS2に入り、偏向ビーム分割インターフェース280により反射され、その後で、反射面278により、ビーム238として反射される(図2a参照)。
【0130】
ビーム235は、BAS1に入り、図2bの平面内で偏向され、1/2波長位相遅延板294により、ビーム237として伝送される。1/2波長位相遅延板294は、ビーム237が、図2bの平面に直角に偏向されるような方向を向いている。ビーム237は、偏向ビーム分割インターフェース298により出力ビーム240の第1の成分として反射される。ビーム238は、偏向ビーム分割インターフェース298により出力ビーム240の第2の成分として伝送される。
【0131】
図2aに示すように、ビーム240は、BAS4に入り、出力ビーム240の第1の部分は、非偏向ビーム分割インターフェース253により第1の出力ビーム241として伝送される。第1の出力ビーム241は、検出器257に入射し、2つの直交平面内の第1の出力ビーム241内の、測定ビーム成分および基準ビーム成分の伝播方向の任意の差に関連する電気信号244を形成する。
【0132】
ビーム240の第2の部分は、非偏向ビーム分割インターフェース253により第2の出力ビーム242として反射される。ビーム242は、混合光学的ビーム243を形成するような方向を向いている偏向装置259により伝送される。ビーム243は、検出器261に入射し、混合ビーム243の測定ビーム成分および基準ビーム成分の位相差に関連する電気信号245を発生する。電気信号245は、混合ビーム243の測定ビーム成分および基準ビーム成分の位相差に関する情報に対する以降の処理のために、電子プロセッサおよびコンピュータ263に伝送される。
【0133】
電子信号244は、方向づけ/並進トランスジューサ271に伝送される。信号244が内蔵している情報は、対象物ミラー284の方向のが変化しても、測定ビーム237の伝播方向が、ほぼ一定に維持されるように方向づけ/並進トランスジューサ271により、ビーム操作ミラー270の方向を変化するために、サーボ・システムでエラー信号として使用される。
【0134】
第2の実施形態の残りの説明は、反復エラーの発生に関する部分を除けば、第1の実施形態の説明の対応する部分と同じものである。第1実施形態に関連する第2の実施形態の追加の位相遅延板は、出力ビームの基準ビーム成分および測定ビーム成分の間で測定した、相対的位相の発生に対する可能性を増大する。しかし、追加の位相遅延板により、第2の実施形態で発生する反復エラーは、従来技術の平面ミラー干渉計の対応する反復エラーよりかなり少ない。その主な理由は、多くの従来技術の平面ミラー干渉計の測定ビームの測定対象物ミラーへの経路が二本あるのに対して、第2の実施形態の場合は、測定ビームが、測定対象物ミラー284に到着する経路が一本しかないためである。
【0135】
図3a−図3fは、対象物の方向からほぼ独立していて、また対象物の横方向の変位からほぼ独立している対象物の直線的な変位を測定するための、本発明の第3の実施形態の略図である。上記横方向の変位は、上記直線的変位に対して直角である。上記第3の実施形態は、第1の分類の実施形態に含まれるもので、その変形例は、第1の軸を中心とする対象物の方向の変化に対しては、第1の動作モードで動作し、第1の軸および/または対象物の横方向の変位に対して直角な、第2の軸を中心とする対象物の向きの変化に対しては、第2の動作モードで動作する。上記横方向の変位は、上記第2の軸および横方向の変位の両方に対して直角である。
【0136】
第1および第2の実施形態の干渉計システムは、対象物の反射特性を除けば、通常、類似している。第1の実施形態の対象物の反射特性は、平面ミラーの反射特性であり、第3の実施形態の対象物の反射特性は、ダハプリズムの反射特性である。
【0137】
第3の実施形態は、光ビーム310、ビーム操作素子362および方向づけ/並進トランスジューサ363を備える光ビーム操作組立体、第1、第2、第3および第4の各ビーム分割組立体BAS1、BAS2、BAS3およびBAS4、逆リフレクタ368、測定対象物ダハプリズム366、および基準ビーム・プリズム364を備える。菱形プリズム350およびプリズム354は、第1のビーム分割組立体BAS1を備える。この場合、インターフェース352は、偏向ビーム分割インターフェースであり、面356は、反射面である(図3b参照)。プリズム358および370は、第2のビーム分割組立体BAS2を備える。この場合、インターフェース360は、反射インターフェースである(図3a参照)。プリズム372および376は、第3のビーム分割組立体BAS3を備える。この場合、インターフェース374は、反射インターフェースである(図3d参照)。菱形プリズム378および384は、第4のビーム分割組立体BAS4を備える。この場合、インターフェース380は、非偏向ビーム分割インターフェースであり、面382および386は、反射面である(図3e参照)。
【0138】
第3の実施形態は、ヘテロダイン干渉計システムとして使用することができる。光ビーム310およびビーム・ソース310の説明は、第1の実施形態の光ビーム110およびビーム・ソース110の対応する説明と同じものである。
【0139】
ビーム310は、図3aに示すように、BAS1上に入射し、その場合、ビーム310の一部は、インターフェース325により反射され、面356により、測定ビーム311として反射される。ビーム311は、図3aの平面に直角に偏向される。ビーム310の第2の部分は、インターフェース352により、図3aの平面で偏向された基準ビーム312として伝送される。
【0140】
ビーム311は、図3bに示すように、BAS2上に入射し、インターフェース360により、測定ビーム313として反射される。ビーム313は、図3bの平面内で偏向される。
【0141】
ビーム313は、ビーム操作素子362に入り(図3b参照)、ビーム操作素子362からビーム315として出力されるが(図3d参照)、このビーム315は、ビーム313から横方向に変位していて、ビーム313の伝播方向とは公称上反対の方向に伝播する。図3bの平面上へのビーム313およびビーム315の投影は、重畳する。ビーム操作素子362内においては、ビーム313は、例えば、全内反射により、各面362A、362Bおよび362Cにより順次反射される(図3bおよび図3dの干渉計の側面図を示す図3c参照)。ビーム操作素子362および方向づけ/並進トランスジューサ363は、測定ビーム313の方向を変えるビーム操作組立体を備える。方向づけ/並進トランスジューサ363は、好適には、図3cの平面内の方向の変化に対して逆リフレクタ368のノード点を中心にして、ビーム操作素子362の方向を変更し、基準ビームが受ける横方向の剪断効果をかなり低減する逆リフレクタ368のノード点を中心にして、ビーム操作素子362の方向を偏向し、および/またはビーム313の伝播の名目上の方向において、ビーム操作素子362の位置を変更することが好ましい。ビーム操作素子362の方向は、電子信号340により制御される。ビーム操作素子362の位置は、電子信号344を通して、電子プロセッサおよびコンピュータ394により制御される。
【0142】
ビーム315は、ドーブプリズム364により、ビーム317として伝送される(図3d参照)。ビーム317は、測定対象物ダハプリズム366により、図3dの平面で直線的に偏向された、ビーム319として反射される。図3cの平面上へのビーム317およびビーム319の投影は、重畳する。測定対象物ダハプリズム366は、中空でなくてもよいし、中空であってもよい。ビーム319は、ドーブプリズム364により、ビーム321として伝送される。
【0143】
ビーム321は、ビーム操作素子362に入り(図3b参照)、ビーム操作素子362から、ビーム323として出力されるが(図3b参照)、このビーム323は、ビーム321の伝播方向とは公称上反対の方向に伝播する。ビーム323は、逆リフレクタ368に入り(図3b参照)、ビーム325として反対方向に反射される。図3fは、逆リフレクタ368およびドーブプリズム364の端面図である。ビーム325は、BAS2に入り、インターフェース360により、ビーム327として反射される。
【0144】
基準ビーム312は、BAS3に入り、インターフェース374により、ビーム314として反射される(図3d参照)。ビーム314は、ビーム操作素子362に入り(図3d参照)、ビーム操作素子362からビーム316として出力され(図3bおよび図3d参照)、ビーム314の伝播方向とは公称上反対方向に伝播する。図3bの平面上へのビーム316およびビーム314の投影は、重畳する。図3cの平面上へのビーム316およびビーム313の投影は重畳する。ビーム316は、逆リフレクタ368に入り、ビーム318として反対方向に反射される。(図3b参照)ビーム318は、ビーム操作素子362に入り(図3b参照)、ビーム操作素子362からビーム320として出力されるが(図3d参照)、このビーム320は、ビーム318の伝播方向とは公称上反対の方向に伝播する。
【0145】
測定ビーム323および325、および基準ビーム316および318は、同じ頂部ビーム平面内に位置する(図3b参照)。測定ビーム315および321、および基準ビーム314および320は、同じ底部ビーム平面内に位置する(図3d参照)。
【0146】
ビーム320は、ドーブプリズム364に入り、面364Aおよび364Bにより、ビーム324として反射される。ドーブプリズム364は、測定対象物ダハプリズム366が、ビーム317をビーム319として、方向転換をする際に機能するのと同じ方法で、ビーム320をビーム324として方向転換する際に、ダハプリズムとし機能する。図3dの平面に対して直角に偏向されたビーム324は、BAS3に入り、インターフェース374により、ビーム326として反射される。
【0147】
ビーム327は、BAS4に入り(図3e参照)、ビーム327の第1の部分は、非偏向ビーム分割インターフェース380により、第1の出力ビーム330として反射される。ビーム326は、BAS4に入り、面386により、ビーム328として反射される。ビーム328の第1の部分は、ビーム分割インターフェース380により、第1の出力ビーム330の第2の成分として伝達される。第1の出力ビーム330は、面382により、出力ビーム332として反射される。出力ビーム332は、検出器390に入射し、図3dの平面内、すなわち、図3eの平面に直角な、出力ビーム332の測定ビーム成分の任意の横方向の剪断に関連する第1の成分を含み、図3dの平面に直角な、すなわち、図3eの平面内に含まれる出力ビーム332内の測定ビーム成分および基準ビーム成分の伝播方向内の任意の差に関連する第2の成分を含む電気信号340を発生する。
【0148】
ビーム327の第2の部分は、非偏向ビーム分割インターフェース380により第2の出力ビーム334の第1の成分として伝送される。ビーム328の第2の部分は、非偏向ビーム分割インターフェース380により第2出力ビーム334の第2の成分として反射される。ビーム334は、混合光学的ビーム336を形成するように配置された偏向装置388により伝送される。ビーム336は、検出器392に入射し、混合ビーム336の測定ビーム成分および基準ビーム成分に関連する電気信号342を発生する。電気信号342は、混合ビーム336の測定ビーム成分および基準ビーム成分の位相差に関する情報のための以降の処理を行うために、電子プロセッサおよびコンピュータ394に伝送される。
【0149】
電子信号340は、方向づけ/並進トランスジューサ363に伝送される。信号340が内蔵する情報は、測定対象物ダハプリズム366の方向が変化しても、図3bのビーム327の横方向の剪断、および図3bの平面に直角な平面内の測定ビーム327の伝播方向の両方が、ほぼ一定に維持されるように方向づけ/並進トランスジューサ363によりビーム操作ミラー362の方向を変化するために、サーボ・システムでエラー信号として使用される。ビーム操作素子362による測定ビームの第1の方向転換の位置から測定対象物ダハプリズム366までの測定ビームの物理的経路の長さが、測定対象物ダハプリズム366から、ビーム操作素子362による第2の方向転換の位置までの測定ビームの物理的経路の長さと等しいという条件のもとでは、測定対象物ダハプリズム366の方向に変化が、ビーム操作ミラー362の方向の変化により補償される場合には、図3bの平面に直角なビーム327の横方向の剪断は発生しない。物理的経路の長さのこの条件は、第3の実施形態の条件として参照される。
【0150】
第3の実施形態の条件を満たせば、測定対象物ダハプリズム366の方向の変化が、ビーム操作素子362の方向の変化により補償される場合には、ビーム操作素子362のところで、測定ビーム323の横方向の剪断は発生しない。しかし、測定対象物ダハプリズム366の方向の変化が、ビーム操作素子362の方向の変化により補償される場合には、基準ビーム316の横方向の剪断が導入される。横方向の剪断が、測定ビーム成分内に導入されるが、横方向の剪断の大きさは、対象物ミラーの方向の変化による従来技術の平面ミラー干渉計の測定ビーム成分内に導入される横方向の剪断と比較した場合かなり低減する。低減係数は、干渉計の測定脚部の物理的長さに対する基準脚部の物理的長さの比率に比例する。
【0151】
第3の実施形態の残りの部分の説明は、第1の実施形態の説明の対応する部分と同じものである。
対象物の方向からほぼ独立していて、また対象物の横方向の変位からもほぼ独立している、対象物の直線的な変位を測定するための、本発明の第3の実施形態の第1の変形例について説明する。第3の実施形態の第1の変形例は、第1の分類の実施形態に含まれるもので、その変形例は、2つの直交軸を中心とする測定対象物の方向の変化に対して、および/または対象物の横方向の変位に対して、第2の動作モード動作する。情報横方向の変位は、上記直線的変位に対して直角である。
【0152】
第3の実施形態の第1の変形例の干渉計システム、および少なくとも1つのビーム操作組立体は、対象物素子、ある光学的ビームの検出器、ある光学的ビームの検出器が発生した信号、および各サーボ・システムを除いて、第3の実施形態の干渉計システム、および少なくとも1つのビーム操作組立体と同じ素子を備える。
【0153】
第3の実施形態の測定対象物素子、すなわち、ダハプリズム366の代わりに、第3の実施形態の第1変形例では、測定対象物逆リフレクタ366A(図示せず)が使用される。その結果、出力ビーム332Aの、基準ビーム成分および測定ビーム成分の伝播の相対的方向、第3の実施形態の出力ビーム332に対応する第3実施形態の第1の変形例の出力ビームは、第3の実施形態の第1の変形例のビーム操作素子362の方向の変化によりほとんど影響を受けない。しかし、直線的変位の方向に対して直角な面の測定対象物逆リフレクタ366Aが、横方向に並進したり、および/または逆リフレクタ366Aの測定対象物の方向が変化すると、出力ビーム332Aの測定ビーム成分が、横方向に変位する。
【0154】
第3の実施形態の検出器390に対応する第3の実施形態の第1の変形例の検出器390Aは、2つの直交方向において、出力ビーム332Aの測定ビーム成分の横方向の変位または剪断を検出し、第3の実施形態の電気信号340に対応する電気信号340Aを発生する。
【0155】
電子信号340Aは、第3の実施形態の第1の変形例の方向づけ/並進トランスジューサ363に伝送される。信号340Aが内蔵している情報は、直線的変位の方向に直角な平面内の、測定対象物逆リフレクタ366Aの横方向の並進から独立していて、および/または2つの直交軸を中心とする測定対象物逆リフレクタ366Aの横方向の変化からほぼ独立して、出力ビーム332A分の横方向の位置が、ほぼ一定に維持されるように、方向づけ/並進トランスジューサ363により、ビーム操作素子362の方向を変化するために、サーボ・システムでエラー信号として使用される。
【0156】
第3の実施形態の第1の変形例の残りの部分の説明は、第3の実施形態の説明の対応する部分と同じものである。
図4a−図4fは、対象物の方向からほぼ独立していて、また対象物の横方向の変位からほぼ独立している対象物の直線的な変位を測定するための、本発明の第4の実施形態の略図である。上記横方向の変位は、上記直線的変位に対して直角である。上記第4の実施形態は、第1の分類の実施形態に含まれるもので、その変形例は、第1の軸を中心とする対象物の方向の変化に対しては、第1の動作モードで動作し、第1の軸および/または対象物の横方向の変位に対して直角な、第2の軸を中心とする対象物の向きの変化に対しては、第2の動作モードで動作する。上記横方向の変位は、上記第2の軸および横方向の変位の両方に対して直角である。
【0157】
第3および第4の実施形態の干渉計システムは、対象物への測定ビームの経路の数、基準ミラーへの基準ビームによる経路の関連する数に関連する点を除けば、ほぼ類似している。第4の実施形態の測定(基準)ビームは、2つの対向する伝播方向内の測定(基準)経路のいくつかのセクションを横切る。一方、第3の実施形態の場合には、対応する測定(基準)ビームは、1つの伝播方向のいくつかのセクションを横切る。第4の実施形態の複数の通路構成の入力測定(基準)ビーム成分からの出力測定(基準)ビーム成分の効率的な分離は、偏向コード化および偏向ビーム・スプリッタを使用して行われる。
【0158】
第3および第4の実施形態の多くの素子は、類似の機能を行うが、これらの素子は、第4の実施形態に対して類似の機能を実行する素子の番号は、第3の実施形態の対応する素子の番号に100を加算した数字をつけるという方法で、番号がつけられている。基準ビーム経路および測定ビーム経路のいくつかのセクションは、第3の実施形態の対応する経路セクションと同じ説明がついている、第4の実施形態の基準または測定経路のあるセクションの番号が、第3の実施形態の対応する通路セクションの番号に100を加算したものと等しくなるという方法で番号がつけられている。
【0159】
第4の実施形態の測定(基準)ビーム経路のいくつかのセクションの場合には、測定(基準)ビームは、反対の伝播方向のいくつかのセクションを横切り、反対でない、すなわち、順方向伝播方向は、測定対象物ダハプリズム466(基準ビーム・ドーブプリズム464)への1回目の通過に関連し、逆の伝播方向は、測定対象物ダハプリズム466への2回目の通過に関連する。逆方向のあるセクションを横切る追加の測定(基準)ビームについての説明は、そうでない場合、第3の実施形態の場合の順方向の伝播方向を横切る、関連する測定(基準)ビームの説明の対応する部分と同じである。逆方向に進む測定(基準)ビームの英数字の番号は、順方向を進む関連する測定(基準)ビームの番号に等しいが、後にRがついている。
【0160】
第4の実施形態は、光ビーム410、ビーム操作素子462および方向づけ/並進トランスジューサ463を備える光ビーム操作組立体、第1、第2、第3および第4のビーム分割組立体、逆リフレクタ468、ダハプリズムを備える測定対象物素子466、ドーブプリズムを備える基準ビーム素子464、ミラー461、および4分の1波長位相遅延板457を備える。菱形プリズム450およびプリズム454は、第1のビーム分割組立体BAS1を備える。この場合、インターフェース452は、偏向ビーム分割インターフェースであり、面456は、反射面である(図4a参照)。プリズム458および470(図4b参照)は、第2のビーム分割組立体BAS2を備える。この場合、インターフェース460は、反射面である。プリズム472および476(図4d参照)は、第3のビーム分割組立体BAS3を備える。この場合、インターフェース474は、反射面である。プリズム451、453および465、および菱形プリズム467は、第4のビーム分割組立体BAS4(図4e参照)を備える。この場合、インターフェース455は非偏向ビーム分割インターフェースであり、インターフェース469は偏向ビーム分割インターフェースであり、面471は反射面である。
【0161】
測定ビーム427および基準ビーム426の発生についての説明は、第3の実施形態の測定ビーム327基準ビーム326の発生についての、対応する説明と同じものである。図4eに示すように、ビーム427は、第4のビーム分割組立体に入り、ビーム427の第1の部分は、非偏向ビーム分割インターフェース455により、図4eの平面に直角に偏向された測定ビーム成分401として伝送される。ビーム427の第2の部分は、非偏向ビーム分割インターフェース455により図4cの平面に直角に偏向された測定ビーム成分として反射される。ビーム426は、BAS4に入り、ビーム426の第1の部分は、非偏向ビーム分割インターフェース455により、図4cの平面内で偏向された基準ビーム成分として伝送される。ビーム426の第2の部分は、非偏向ビーム分割インターフェース455により、図4eの平面内で偏向された測定ビーム成分402として反射される。
【0162】
ビーム401は、偏向ビーム分割インターフェース469により第1の出力ビームの第1の成分として反射される。ビーム402は、反射面404により反射され、ビーム404は、非偏向ビーム分割インターフェース469により第1出力ビームの第2の成分として伝送される。第1の出力ビーム406は、検出器496に入射し、図4dの平面内に位置していて、ビーム417の伝播方向に公称上直角な測定対象物ダハプリズム466の変位により、および/または図4dの平面に垂直な軸を中心とする測定対象物ダハプリズム466の方向の変化により形成された出力ビーム406の測定ビーム成分の任意の横方向の剪断に関連する第1の成分と、図4dの平面内の軸を中心とし、ビーム417の伝播方向に公称上直角な、測定対象物ダハプリズム466方向の変化により発生した出力ビーム406の測定ビーム成分および基準ビーム成分の伝播方向の任意の差に関連する第2の成分を含む電気信号441を発生する。
【0163】
図4eの場合には、図4dの平面に直角に偏向したビーム403は、4分の1波長位相遅延板457により円形に偏向されたビームとして伝送され、ミラー461により反対方向の円形偏向を含むビームとして反射され、その後で、位相遅延板457により図4eの平面内で直線的に偏向されたビーム405として伝送される。ビーム405はBAS4に入り、ビーム405の一部は、非偏向ビーム分割インターフェース455によりビーム427Rとして反射される。ビーム427Rは、ビーム427の偏向方向に直角に偏向されている。
【0164】
図4eの平面内で偏向されたビーム402は、4分の1波長位相遅延板457により円形に偏向されたビームとして伝送され、ミラー461により反対方向の円形偏向を含むビームとして反射され、その後で、位相遅延板457により図4eの平面に直角に偏向したビーム408として伝送される。ビーム408はBAS4に入り、ビーム408の一部は、非偏向ビーム分割インターフェース455によりビーム426Rとして反射される。ビーム426Rは、ビーム426の偏向方向に直角に偏向されている。
【0165】
ビーム427Rは、ビーム427とほぼ同一の空間を占めていて、ビーム427Rは、ビーム427の伝播方向とはほぼ反対の伝播方向を持つ。その結果、ビーム427Rは、ビーム411Rを発生するために、ビーム427を発生する干渉計の一部を通る経路をほぼ通って戻る。干渉計の一部を通る復路は、特に、測定対象物ダハプリズム466への経路を含む。ビーム411Rは、ビーム411とほぼ同じ空間内に位置していて、ビーム411Rは、ビー411の伝播方向とほぼ反対の伝播方向を持つ。
【0166】
ビーム426Rは、ビーム426とほぼ同一の空間を占めていて、ビーム426Rは、ビーム426の伝播方向とはほぼ反対の伝播方向を持つ。その結果、ビーム426Rは、ビーム412Rを発生するために、ビーム426を発生する干渉計の一部を通る経路をほぼ通って戻る。干渉計の一部を通る復路は、基準ドーブプリズム464への経路を含む。ビーム412Rは、ビーム412とほぼ同じ空間内に位置していて、ビーム412Rは、ビー412の伝播方向とほぼ反対の伝播方向を持つ。
【0167】
図4aに示すように、図4aの平面内で偏向しているビーム411Rは、第1のビーム分割組立体に入り、反射面456により反射され、偏向ビーム分割インターフェース452により第2の出力ビーム446の第1の成分として伝送される。図4aの平面内で偏向しているビーム412Rは、第1のビーム分割組立体に入り、偏向ビーム分割インターフェース452Bにより第2の出力ビーム446の第2の成分として反射される。
【0168】
ビーム446は、混合光学的ビーム448を形成するように配置されている偏向装置497により伝送される。ビーム448は、検出器498に入射し、混合ビーム448の測定ビーム成分および基準ビーム成分の位相差に関連する電気信号443を発生する。電気信号443は、混合ビーム448の測定ビーム成分および基準ビーム成分の位相差に関する情報を入手するための以降の処理のために、電子プロセッサおよびコンピュータ499に伝送される。
【0169】
第4の実施形態の有意な機能は、通常、従来技術の干渉計の一本の経路内を通る同じ光学的経路を通って、測定対象物ダハプリズム466への経路が、二本形成されることである。
【0170】
第4の実施形態の残りの説明は、第3の実施形態の説明の対応する部分と同じものである。
ビーム操作素子462を制御するために使用するサーボ・システムで使用する電気信号の発生が、第4の実施形態で使用するものと異なる、第4の実施形態の第1の変形例について説明する。第4の実施形態の第1の変形例の場合には、検出器496は、図4dの平面内で測定対象物ダハプリズム466により発生し、通常は、ビーム417の伝播方向に直角な変位、および/または図4dの平面に垂直な軸を中心とする測定対象物ダハプリズム466の方向の変化により発生する出力ビーム406の測定ビーム成分の任意の横方向の剪断に関連する電気信号441の第1の成分しか発生しない。また、第3の検出器498A(図示せず)が、図4dの平面内の軸を中心とする測定対象物ダハプリズム466の方向の変化により発生する、通常は、ビーム417の伝播方向に対して直角な出力ビーム406内の測定ビーム成分および基準ビーム成分の伝播方向の任意の差に関連する第4の実施形態の信号441の第2の成分の機能を行う電気信号441Aを発生する。
【0171】
第3の検出器498Aは、ビーム446の経路内に挿入された非偏向ビーム・スプリッタ1により反射された第2の出力ビーム446の第1の部分を検出する。第2の出力ビーム446の第2の部分は、挿入されたビーム・スプリッタにより伝送され、混合ビームを形成するように配置された偏向装置497より伝送され、検出器499により検出される。
【0172】
第4の実施形態の第1の変形例の利点は、第2の出力ビーム446の第1の部分が、図4dの平面内の軸を中心とする対象物ダハプリズム466の方向の変化により発生する、通常は、ビーム417の伝播方向に直角な出力ビーム406の測定ビーム成分および基準ビーム成分の伝播方向の差の二倍である、その測定ビーム成分および基準ビーム成分の伝播方向の差を持つことである。さらに、第2の出力ビーム446の第1の部分の測定ビーム成分および基準ビーム成分は、図4dの平面内の測定対象物ダハプリズム466の変位により発生する、通常は、ビーム417の伝播方向に直角変位、および/または図4dの平面に垂直な軸を中心とする測定対象物ダハプリズム466の方向の変化により発生する横方向の剪断をほとんど発生しない。
【0173】
対象物の方向からほぼ独立していて、また対象物の横方向の変位からもほぼ独立している、対象物の直線的な変位を測定するための、本発明の第4の実施形態の第2の変形例について説明する。第4の実施形態の第2の変形例は、第1の分類の実施形態に含まれるもので、その変形例は、2つの直交軸を中心とする測定対象物の方向の変化に対して、および/または対象物の横方向の変位に対して、第2の動作モード動作する。情報横方向の変位は、上記直線的変位に対して直角である。
【0174】
第4の実施形態の第2の変形例の干渉計システム、および少なくとも1つのビーム操作組立体は、対象物素子、ある光学的ビームの検出器、ある光学的ビームの検出器が発生した信号、および各サーボ・システムを除いて、第4の実施形態の干渉計システム、および少なくとも1つのビーム操作組立体と同じ素子を備える。
【0175】
第4の実施形態の測定対象物素子、すなわち、測定対象物ダハプリズム466の代わりに、第4の実施形態の第2変形例では、測定対象物逆リフレクタ466B(図示せず)が使用される。その結果、出力ビーム401Bの基準ビーム成分および測定ビーム成分の伝播の相対的方向、第3の実施形態の出力ビーム401に対応する第4実施形態の第にの変形例の出力ビームは、第4の実施形態の第2の変形例のビーム操作素子462の方向の変化によりほとんど影響を受けない。しかし、直線的変位の方向に対して直角な面の測定対象物逆リフレクタ466Bが横方向に並進すると、出力ビーム401Bの測定ビーム成分が横方向に変位する。
【0176】
第4の実施形態の検出器496に対応する第4の実施形態の第2の変形例の検出器496Bは、2つの直交方向において、出力ビーム401Bの測定ビーム成分の横方向の変位または剪断を検出し、第4の実施形態の電気信号441に対応する電気信号441Bを発生する。電気信号441Bは、2つの成分からなる。1つの成分は、図4dの平面内で、ビーム417の伝播方向に対して公称上垂直な測定対象物逆リフレクタ466Bの変位、および/または図4dの平面内に対して垂直な軸を中心とする測定対象物逆リフレクタ466Bの方向の変化により発生する出力ビーム406の測定ビーム成分の任意の横方向の剪断に関連し、第2の成分は、図4dの平面に対して垂直であり、ビーム417の伝播方向に対して公称上垂直な測定対象物逆リフレクタ466Bの変位、および/または図4dの平面内に対して平行な軸を中心とする測定対象物逆リフレクタ466Bの方向の変化により発生する出力ビーム406の測定ビーム成分の任意の横方向の剪断に関連する。
【0177】
電子信号441Bは、第4の実施形態の第1の変形例の方向づけ/並進トランスジューサ463に伝送される。信号441Bが内蔵している情報は、直線的変位の方向に直角な平面内の、測定対象物逆リフレクタ466Bの横方向の並進から独立していて、および/または2つの直交軸を中心とする測定対象物逆リフレクタ466Bの横方向の変化からほぼ独立して、出力ビーム401B分の横方向の位置が、ほぼ一定に維持されるように、方向づけ/並進トランスジューサ463により、ビーム操作素子462の方向を変化するために、サーボ・システムでエラー信号として使用される。
【0178】
第4の実施形態の第2の変形例の残りの部分の説明は、第4の実施形態の説明の対応する部分と同じものである。
図5は、対象物の方位とはほぼ無関係で、対象物の横方向の変位とはほぼ無関係に、対象物の直線変位を測定する本発明の第5の実施形態を概略的な形態で示し、横方向の変位は、直線変位に直交する。第1の実施形態は、第1の分類の実施形態、および2本の直交軸をめぐって対象物の方位が変化する第1操作モードで動作する本発明のその変形例から来る。
【0179】
実施形態は、主に主として、ビーム分割および再結合光学部品530、方向づけ/並進トランスジューサ542に取り付けたビーム操作ミラー540、相対的ビーム角度センサ組立体550、基準ミラー536、2つの逆リフレクタ531および533、光検出器534、2つの4分の1波長位相遅延板538および539、および測定対象物ミラー590より構成される。逆リフレクタ531および533は、いずれか一方の中心を通るビームが逆反射されないよう、先端を切断する。
【0180】
第5の実施形態は、ヘテロダイン干渉計システムとともに使用するようになっている。ビーム510のソースおよびビーム510の説明は、第1の実施形態について与えられたビーム110のソースおよびビーム110の説明と同じである。入射ビーム510が、ビーム分割および再結合光学部品530の偏向ビーム・スプリッタ表面570に衝突する。偏向ビーム・スプリッタ表面570は、直角に偏向した入射ビーム510の成分を測定ビーム512と基準ビーム520に分割する。測定ビーム512は、最初は図5の面に対して直角な偏向を持つ。基準ビーム520は、最初に図5の面で直線の偏向を持つ。偏向ビーム・スプリッタ表面570は、図5の面に直角に偏向した光を反射し、図5の面に偏向した光を伝送する。
【0181】
最初に偏向ビーム・スプリッタ表面570で反射し、最初に図5の左から右へと進む測定ビーム512は、逆リフレクタ531で反射すると方向が逆転する。次に、右から左へと進む測定ビーム512は、偏向ビーム・スプリッタ表面570で2回目の反射を実施し、その後上方向に進む。測定ビーム512は、調節可能ミラー540で1回目の反射を実施して、逆リフレクタ533を1回目は中心を通り、次に4分の1波長位相遅延板539を1回目に通る。4分の1波長位相遅延板539は、図5の面に直角で図では514で示す初期直線偏向で、測定ビーム512を、円ビームに変換する。次に、測定ビーム514は、測定対象物ミラー590で反射した後に方向が逆転して、4分の1波長位相遅延板539を2回目に通過し、その結果、図5の面の直線偏向へと正味変化する。測定ビーム514は、2回目に逆リフレクタ533の中心を通過し、次に調節可能ミラー540を2回目は中心を通過して、次に調節可能ミラー540から2回目の反射を実施し、下方向に進む。測定ビーム514は偏向ビーム・スプリッタ表面570で1回目の通過を実施し、ビーム分割および再結合光学部品530の反射背面571で1回反射する。次に、測定ビーム514は、偏向ビーム・スプリッタ表面570で2回目の通過を実施して、図5の面で偏向する出口ビーム516の成分として、左から右に進み続ける。
【0182】
最初は下方向に進む基準ビーム520は、偏向ビーム・スプリッタ表面570を1回目に通過した後、ビーム分割および再結合光学部品530の反射性背面571で1回反射する。今回は左から右へと進んでいる基準ビーム520は、偏向ビーム・スプリッタ表面570を2回目に通過して、逆リフレクタ531を1回目は中心を通過し、次に4分の1波長位相遅延板538を1回目に通過する。4分の1波長位相遅延板538は、図5の面で偏向された基準ビーム520の偏向を、ここでは522と指示される円偏向ビームへと変換する。次に、基準ビーム522は、反射ミラー536で反射した後に方向を逆転して、4分の1波長位相遅延板538を2回目に通過し、その結果、図5の面に直角の直線偏向に正味変化する。基準ビーム522は、この時点で右から左へ進んでいるが、逆リフレクタ531を2回目は中心を通過して、次に偏向ビーム・スプリッタ表面570で1回目に反射し、上方向に進む。次に、基準ビーム522は、調節可能ミラー540で1回目に反射して、左から右へとすすみ、次に逆リフレクタ533で反射した後、方向を逆転する。次に、基準ビーム522は調節可能ミラー540で2回目に反射て下方向に進み、偏向ビーム・スプリッタ表面570で2回目に反射し、出口ビーム516の成分が図5の面に直角に偏向するので、左から右へと進む。
【0183】
出口ビーム516は、測定ビーム514および基準ビーム522にそれぞれ対応する、直角に偏向した成分を備える。出口ビーム516は、ピックオフ・ミラー559および混合偏向装置532を通過して光検出器534に至る。混合偏向装置532は、図5の面に対して約45に配向され、出口ビーム516の直角に偏向する成分を結合して、単一の直線偏向成分を含む混合ビームにする。光検出器534は、混合ビームを、たとえば光電検出によって電子干渉信号へと変換し、信号580は信号処理システム(図5には図示せず)に伝達される。電子干渉信号580は、測定ミラー590と基準ミラー536との相対的動作によって導入されたドップラー偏移により偏移した入射ビーム510の直交成分の光学的周波数の差と同じ周波数を有する。電子干渉信号580の位相は、測定ビーム514と基準ビーム522の光学的経路の差に従って変化する。したがって、電子干渉信号580は、光干渉現象を使用して、基準ミラー536に対する測定対象物ミラー590の変位を監視する手段を提供する。
【0184】
それと同時に、出口ビーム516からのサンプル・ビーム518がピックオフ・ミラー559で反射して、相対ビーム角度センサ組立体550内へと進む。相対ビーム角度センサ組立体550内には、サンプル・ビーム518から測定ビームの成分を選択する偏向装置558がある。次に、ビーム519はレンズ556を通ってカッド・セル検出器、高速CCDカメラ、または横方向効果ホトダイオードなどの検出器554、またはビーム519の測定ビーム成分の角度方位を求める同様の手段へと至る。検出器554からの情報は、電気エラー信号591としてサーボ制御装置552へと通過する。
【0185】
サーボ制御装置552は、電子ドライブ信号592を方向づけ/並進トランスジューサ542へと送信し、これは測定ビーム514がビーム分割および再結合光学部品530を出るにつれ、それで検出される角度の変化に応じてビーム操作ミラー540の角度方位を偏向する。方向づけ/並進トランスジューサ542は、信号592に応じて、好ましくは逆リフレクタ533の節点を中心に、ビーム操作ミラー540の方位を変化させ、基準逆リフレクタ533の節点を中心にビーム操作ミラー542の方位を変化させ、基準ビームによる横方向の剪断効果をかなり低減する。通常の操作では、測定ビーム514が、ビーム分割および再結合光学部品530を出るにつれ、基準ビーム522の角度に対してある固定した値で、電子サーボ制御装置552が測定ビーム514の角度を維持する。電子干渉信号580の強度を最大限にし、ビーム剪断に帰されるエラーを最低限に抑えるよう、基準ビーム522と測定ビーム514がビーム分割および再結合光学部品530を出るにつれ、その間の角度差を最低限度に抑えることが望ましいことが非常に多い。
【0186】
相対ビーム角度センサ組立体550、ビーム操作ミラー540、および方向づけ/並進トランスジューサ542を組み合わせた作用は、測定対象物ミラー590の方位の変化を補償することである。この実施形態では、この補償は、通常、測定対象物ミラー590の測定された直線変位を妨害することなく達成される。したがって、測定ビーム514と基準ビーム522との光学的経路の差は、ビーム操作ミラー540の角度または位置の変化とほぼ無関係である。
【0187】
第5の実施形態には幾つかの利点がある。第一に、測定ビーム514および基準ビーム522の経路は高度に対称である。つまり測定ビーム514と基準ビーム522は同じ量のガラスおよび空気を通過し、違いは測定対象物ミラー590の変位によって形成された可変空気経路のみである。測定ビーム514と基準ビーム522は、ほぼ平行な経路も有するが、これは空間的に隔置されて、電子干渉信号580の位相測定値の周期的エラーを発生する測定ビームと基準ビームとの相互の汚染を最低限に抑える。この対称性は、高い熱および機械的安定性をもたらす。
【0188】
第2に、測定ビーム514と基準ビーム522はそれぞれ、同じ平坦な表面で特に反射性背面571およびビーム分割および再結合光学部品530の偏向ビーム・スプリッタ表面570で、等しい回数反射する。これは、ビーム分割および再結合光学部品530の2つの表面の平行性に関する要件を大幅に減少させる。
【0189】
第3に、実施形態は、容易に作成される光学的構成要素で構成される。逆リフレクタは、中実または中空で、頂点を研削して平坦に研磨した一般的タイプでよい。ビーム分割および再結合光学部品530は、一方の縁を平坦に研削して研磨し、反射性背面571にした通常の立方体ビーム・スプリッタでよい。ピックオフ・ミラー559は、コーティングしていない小さいガラス部片でよく、この場合は出口ビーム516の成分が図5の面に直角に偏向されるよう配向される。
【0190】
第4に、特に測定対象物ミラー590へのスプリアス多重通過に関して、スプリアス反射とも呼ばれるゴースト反射の可能性が非常に低い。この特徴は、従来技術の平面ミラー干渉計の多数で一般的な周期的エラーの可能性を低下させる。
【0191】
第5の実施形態に関する残りの説明は、ビーム操作ミラー540の表面に通常は直角の方向で、ビーム操作ミラー530が並進することにより測定ビームおよび基準ビームに導入される横方向の剪断に関するもの以外は、第1の実施形態について与えられた説明の対応する部分と同じである。
【0192】
図6aおよび図6bは、対象の方位とほぼ無関係で、対象物の横方向の変位とはほぼ無関係に、対象物の直線変位を測定する本発明の第6の実施形態を概略的な形態で示し、横方向の変位は、直線変位に直交する。第6の実施形態は、第2の分類の実施形態、および2本の直交軸をめぐって対象物の方位が変化する第1操作モードで動作する本発明のその変形例から来る。
【0193】
図6aに示す光ビーム610および光ビーム610のソースの説明は、第1の実施形態について与えられたビーム110のソースおよびビーム110の説明と同じである。図6aで示すように、ビーム610はたとえば偏向タイプのビーム・スプリッタなどのビーム・スプリッタ650に衝突する。ビーム610の一部は、図6aの面に偏向する測定ビーム611として投下し、ビーム610の第2の部分は、図6aの面に直角に偏向する基準ビーム612として反射する。
【0194】
図6aでは、ビーム611はビーム操作ミラー652の第1表面でビーム613として反射する。ビーム操作ミラー652および方向づけトランスジューサ653Aおよび653Bは、測定ビーム613の方向を転換するビーム操作組立体を備える。ビーム613は、ミラー654で反射し、ビーム615としてミラー組立体656に入る。図6bで示すように、ミラー組立体656は3枚のミラー656A、656Bおよび656Cで構成される。図6bの面は、図6aの面と直角である。ビーム615は、3枚のミラー656A、656Bおよび656Cそれぞれで反射し、ビーム621としてミラー組立体656を出る。ミラー組立体656は、図6aの面にある軸線を中心とする画像インバータであり、ビーム615の伝播方向に直角である。しかし、ミラー組立体656の主要な機能は、図6bの面におけるビーム615の伝播方向の変化を、図6bの面におけるビーム621の反対の伝播方向の変化に変換し、図6aの面におけるビーム615の方向の変化を、図6aの面におけるビーム621の伝播方向の変化に変換することである。
【0195】
ビーム621は、面6aの面で偏向し、偏向ビーム・スプリッタ658によってビーム623として伝達される。ビーム623は、図6aの面で偏向し、4分の1波長位相遅延板660によって、円偏向ビームとして伝達され、測定対象物ミラー662によって、反対方向の円偏向ビームとして反射し、その後、4分の1波長位相遅延板660によって、図6aの面に垂直に直線で偏向したビーム627として伝達される。ビーム627は、ビーム・スプリッタ658によってビーム629として反射される。
【0196】
ビーム629は、ミラー664Aおよび664Bで反射してビーム631を形成する。ミラー664Aおよび664Bはともに、図6aの面のビーム629と631との間に、ペンタ・プリズムと同様に、一定の偏差を生成する。ビーム631は、ビーム操作ミラー652の第2表面でビーム633として反射する。測定対象物ミラー662の方位の変化は、ビーム操作ミラー652におけるビーム633の伝播方向および横方向の剪断を変化させる。ビーム633に対する両方の影響は、画像インバータ656、ビーム・スプリッタ658、ミラー664Aおよび664Bを含む一定偏差ミラー組立体、およびビーム操作ミラー652からの第1反射と第2反射との測定ビーム経路に配置された測定対象物ミラー662と組み合わせて、ビーム操作ミラー652の方位を適切に変化させることにより、補償することが可能である。
【0197】
ビーム633は、ミラー666によってビーム635として反射する。ビーム635は図6aの面に垂直に偏向される。
基準ビーム612は、4分の1波長位相遅延板668Aによって円偏向ビームとして伝達され、逆リフレクタ670で反射し、4分の1波長位相遅延板668Bによって、図6aの面で直線で偏向するビーム616として伝達される。
【0198】
ビーム635の一部は、偏向ビーム・スプリッタ672によって、出力ビーム636の一成分として反射する。ビーム616の一部は、偏向ビーム・スプリッタ672によって、出力ビーム636の第2成分として伝達される。
【0199】
出力ビーム636の一部は、非偏向ビーム・スプリッタ674によってビーム638として反射する。ビーム638は検出器676に衝突して、ビーム638の測定および基準ビーム成分の伝播方向の違いに関連する電気信号644を生成する。
【0200】
出力ビーム636の第2部分は、非偏向ビーム・スプリッタ674によってビーム640として伝達される。ビーム640は、混合光ビーム642を生成するよう配向された偏向装置678によって伝達される。ビーム642は検出器680に衝突して、混合ビーム642の測定および基準ビーム成分の位相差に関連する電気信号646を生成する。電気信号646は、混合ビーム642の測定および基準ビーム成分の位相差に関する情報について、その後に処理するため、電子プロセッサおよびコンピュータ682に伝達される。
【0201】
電気信号644は、方向づけトランスジューサ653Aおよび653Bに伝達される。信号644に含まれる情報は、サーボ・システムでエラー信号として使用し、ビーム633の伝播方向を、測定対象物ミラー662の方位変化に関係なく維持するよう、方向づけトランスジューサ653Aおよび653Bによってビーム操作ミラー652の方位を変更する。方向づけトランスジューサ653Aおよび653Bは、信号644に応答して、ビーム操作ミラー652の方位を、好ましくは基準逆リフレクタ1532の一点を中心に変化させ、変化は基準逆リフレクタ1532の節点を中心とするビーム操作ミラー1522の方位変化で、基準ビームによる横方向の剪断効果がかなり低減される。その結果、出口基準、およびビーム操作ミラー652の第1表面から測定対象物ミラー662までの測定ビームの物理的経路の長さが、測定対象物ミラー662からビーム操作ミラー652の第2表面までの測定ビームの物理的経路の長さと等しい場合は、測定対象物ミラー662の方位変化がビーム操作ミラー652の方位変化によって補償されれば、ビーム操作ミラー652でのビーム633の横方向の剪断がなくなる。物理的経路の長さに関するこの状態を、第6の実施形態の状態とする。
【0202】
第6の実施形態の状態では、ビーム操作ミラー652の表面でビーム操作ミラー652の表面に平行で、その表面の中心にある面に測定ビーム611および633を投射することは、層状に維持することができ、信号644に応答した方向づけトランスジューサ653Aおよび653Bによるビーム操作ミラー652の方位変化は、ビーム操作ミラー652の表面で、ビーム操作ミラー652の表面に平行で、その表面の中心にある面への測定ビーム611および633の投射の中心の周囲で行われる。
【0203】
第6の実施形態の残りの説明は、第1の実施形態で与えられた対応する部分と同じである。
本発明の第6の実施形態は、本発明の第1の実施形態について述べた利点に追加された利点を呈する。追加の利点には、ビーム操作ミラー652および/または測定対象物ミラー662の方位変化に関連して基準ビームの経路のいかなる部分も変化せず、測定ビーム611、測定ビーム633、および測定ビームおよびビーム633が操作ミラー652および/または測定対象物ミラー662の方位変化に関連した元となるビーム成分の経路に変化がないことなどがある。さらに、第6の実施形態の状態では、ビーム操作ミラー652のサイズは、測定ビーム611の投射サイズに対応するだけの大きさだけでよく、測定ビーム611および633の位置は、ビーム操作ミラー652において静止している。これは、第6の実施形態に、ビーム操作ミラー652および方向づけトランスジューサ653Aおよび653Bに許容される最小サイズが小さくなり、その結果、ビーム操作ミラー組立体の周波数応答が改良されるという追加の利点をもたらす。
【0204】
図7aおよび図7bは、対象物の方位とはほぼ無関係で、対象物の横方向の変位とはほぼ無関係に、対象物の直線変位を測定する本発明の第7の実施形態を概略的な形態で示し、横方向の変位は、直線変位に直交する。第7の実施形態は、第2の分類の実施形態、および第1軸をめぐって対象物の方位が変化する第1操作モードと、第1軸に直角の第2軸をめぐって対象物の方位が変化し、および/または対象物が横方向に変位したりする第2操作モードで動作する本発明のその変形例から来て、横方向の変位は、第2軸と直線変位の両方に直角である。
【0205】
第7の実施形態の干渉計システムは、対象物の反射特性に関することを除き、第6の実施形態の干渉計システムと同じである。つまり、第6の実施形態の対象物の反射特性は、平面鏡の特性であり、第7の実施形態の対象物の反射特性は、ダハプリズムの特性である。
【0206】
第7の実施形態では、対象物に衝突し、反射する測定ビーム成分の分割は、対象物と衝突して反射する測定ビーム成分を空間的に隔置することによって達成され、ダハプリズムが対象物の反射機能を提供し、第3の実施形態と同じである。第6の実施形態では、対象物と衝突して反射する測定ビーム成分の分割は、偏向エンコーディング、4分の1波長位相遅延板および偏向ビーム/スプリッタを使用して達成される。
【0207】
第6および第7の実施形態の多くの要素が、同様の機能を実施し、これらの要素は番号付与体系で指示され、第7の実施形態で同様の機能を実施する要素の番号は、第6の実施形態の対応する要素の番号に100を加えた値に等しい。第7の実施形態の基準および測定ビーム経路の特定区間に関する説明は、第6の実施形態の対応する経路について与えられた絵説明と同じである。特定の区間は、第7の実施形態では、番号付与体系で指示され、第6の実施形態の対応する経路区間と同じ説明を有する第7の実施形態の基準または測定経路の特定区間の番号は、第6の実施形態の対応する経路区間の番号に100を加えた値である。
【0208】
測定ビーム713および基準ビーム716の生成に関する説明は、第6の実施形態の測定ビーム613および基準ビーム616の生成に関して対応する説明で与えられた説明と同じである。図7aで示すように、ビーム613はミラー754Aおよび754Bで反射してビーム701を形成する。ミラー754Aおよび754Bは、一緒になって図6aの面におけるビーム713と701の一定偏差を生成し、これはペンタ・プリズムと同じである。ビーム701は、測定対象物ダハプリズム762でビーム703として反射し、図7aの面で偏向する。ビーム703は画像インバータ756に入射し、ビーム705として出る。画像インバータ756は、1本の軸線を中心に画像を逆転させ、画像インバータ756の説明は、第6の実施形態の画像インバータ656に関する説明と同じである。第7の実施形態の画像インバータ756の主要な機能は、第6の実施形態の顔図インバータ656の主要な機能と同じである。
【0209】
基準ビーム712は逆リフレクタ770に入射し、図7aの面に直角に偏向される718として逆反射される。第7の実施形態でビーム705および718からビーム738および742を生成することに関する説明は、第6の実施形態でビーム631および616いからビーム638および642を生成することに関する対応の説明と同じである。
【0210】
第7の実施形態でビーム738を検出して電子信号744を生成することに関する説明は、ビーム332から電子信号340を生成することに関して第3の実施形態で与えられた説明と同じである。第7の実施形態でビーム746の検出から電子信号746を生成することに関する説明は、ビーム336から電子信号342を生成することに関して第3の実施形態で与えられた説明と同じである。
【0211】
第7の実施形態の残りの説明は、第3および第6の実施形態について与えられた説明の対応する部分と同じである。
第6の実施形態に対する第7の実施形態の利点は、第3の実施形態が第1の実施形態に対して有する利点と同じである。
【0212】
本発明の第7の実施形態の第1の変形例を、対象物の方位とほぼ無関係で、対象物の横方向の変位とほぼ無関係に、対象物の直線変位を測定することについて説明する。横方向の変位は直線変位に対して直角である。第7の実施形態の第1の変形例は、第2の分類の実施形態、および2本の直交する軸をめぐって対象物の方位が変化したり、および/または対象物が横方向に変位したりする第2操作モードで動作する本発明のその変形例から来て、横方向の変位は、第2軸と直線変位の両方に直角である。
【0213】
第7の実施形態の第1変形例の干渉計システムおよび少なくとも1つのビーム操作組立体は、対象物の要素、特定の光ビームの検出器、特定の光ビームの検出器が生成する信号、および個々のサーボ・システムを除き、第7の実施形態の干渉計システムおよび少なくとも1つのビーム操作組立体と同じ要素を備える。
【0214】
第7の実施形態の測定対象物要素、つまりダハプリズム762は、第7の実施形態の第1変形例では、測定逆リフレクタ762A(図示せず)に置換される。その結果、出力ビーム738A、つまり第7の実施形態の出力ビーム738に対応する第7の実施形態の第1変形例の出力ビームの基準および測定ビームの相対的伝播方向は、第7の実施形態の測定対象物逆リフレクタ762Aの方位変化とほぼ無関係である。しかし、直線変位の方向に直角の面における測定対象物逆リフレクタ762Aの横方向の並進が、出力ビーム738Aの測定ビーム成分の横方向の変位を生成する。
【0215】
第7の実施形態の第1変形例の検出器776Aは、第7の実施形態の検出器776に対応し、出力ビーム738Aの測定ビーム成分の横方向の変位または剪断を検出して電気信号744Aを生成し、電気信号は第7の実施形態の電気信号744に対応する。
【0216】
電気信号744Aは、第7の実施形態の第1変形例の方向づけトランスジューサ753Aおよび753Bに伝達される。信号744Aに含まれる情報は、サーボ・システムでエラー信号として使用され、直線変位のほう既往に直角の面における測定対象物逆リフレクタ762Aの横方向の変位とはほぼ無関係で、第7の実施形態の第1変形例のビーム701の伝播方向に通常直角な2本の直交軸を中心とする測定対象物逆リフレクタ762Aの方位変化とほぼ無関係に、出力ビーム738Aの測定ビーム成分の横方向の位置をほぼ一定に維持するよう、第7の実施形態の第1変形例の方向づけトランスジューサ753Aおよび753Bでビーム操作ミラー752の方位を変化させる。
【0217】
第7の実施形態の第1変形例に関する残りの説明は、第7の実施形態に与えられた説明の対応する部分と同じである。
図8a−図8cは、方位を固定した対象物の直線変位を測定する、本発明の第8の実施形態を概略的形態で示し、対象物から反射した測定ビームの伝播方向は、対象物の方位の変化から影響を受けやすく、偏向エンコーディングを使用せずに測定ビームの高い伝達効率が維持される。第8の実施形態は、第2の分類の実施形態、対象物の直線変位が変化する第2操作モードで動作する変形例から来る。
【0218】
図8aに示す光ビーム810および光ビーム810のソースに関する説明は、第1の実施形態で与えられた光ビーム110および光ビーム110のソースに関する説明と同じである。図8aで示すように、ビーム810は偏向ビーム・スプリッタ850に衝突する。ビーム810の一部は、図8aの片で偏向する測定ビーム811として伝達し、ビーム810の第2部分は、図8aの面に直角に偏向した基準ビーム812として反射する。
【0219】
図8aでは、ビーム811はミラー852の第1表面でビーム813として反射する。ビーム813は画像インバータ854に入射する。図8bで示すように、画像インバータ854は3枚のミラー854A、854Bおよび854Cで構成される。ビーム813は、3枚のミラー854A、854Bおよび854Cそれぞれで反射し、ビーム817としてミラー組立体854を出る。画像インバータ854は、1本の軸を中心に画像を反転するが、画像インバータ854の説明は、第6の実施形態の画像インバータ656に関する説明と同じである。
【0220】
ビーム817は、ビーム操作ミラー856でビーム819として反射する。ビーム操作ミラー856および方向づけトランスジューサ857Aおよび857Bは、ビーム819の方向を変えるビーム操作組立体を備える。ビーム819は、測定対象物ミラー858でビーム823として反射する。ビーム823は、ミラー860でビーム825として反射し、ビーム825はビーム操作ミラー862でビーム827として反射する。ビーム操作ミラー862および方向づけトランスジューサ863Aおよび863Bは、ビーム827の方向を変えるビーム操作組立体を備える。
【0221】
ビーム827は、ミラー864A、864Bおよび864Cで反射してビーム829を形成する。ミラー864A、864Bおよび864Cは、ともに画像インバータを備え、これは図8aの面に直角の1本の軸を中心に画像を反転するが、その説明は、第6の実施形態の画像インバータに関する説明と同じである。ミラー864A、864Bおよび864Cで構成された画像インバータの主要な機能は、第6の実施形態の画像インバータ656の主要な機能と同じである。ミラー852へのビーム829の入射角度は、ミラー852へのビーム822の入射角度と名目上うなじである。
【0222】
ビーム829は、ミラー852の第2表面でビーム833として反射する。ビーム819および823の平均伝播方向に平行な方向に方位を固定した測定対象物ミラー858の並進により、ミラー852におけるビーム833の横方向の位置が変化する。ビーム操作ミラー856および862の方位を適切に変化させることにより、ビーム833への影響を補償することが可能であり、適切な変化は、個々の方向づけトランスジューサを、ビーム操作ミラー856と862の間で測定ビームの経路に配置されたミラー860と測定対象物ミラー858との組合せと併用して達成される。
【0223】
ビーム833はミラー866でビーム835として反射する。ビーム835は図8aの面で偏向される。
基準ビーム812は画像インバータ868に入射する。図8cで示すように、画像インバータ868は3枚のミラー868A、868Bおよび868Cで構成される。図8cの面は、図8aの面と直角である。ビーム812は3枚のミラー868A、868Bおよび868Cそれぞれで反射し、ビーム816としてミラー組立体868から出る。画像インバータ868の主要な機能は、第6の実施形態の画像インバータ656の主要な機能と同じである。
【0224】
基準ビーム816は、その後、ミラー870Aおよび870Bで反射してビーム818を形成する。ミラー870Aおよび870Bは併せてダハプリズムとして機能する。ビーム818は、図8aの面に垂直に偏向する。
【0225】
ビーム835は、偏向ビーム・スプリッタ872によって出力ビーム836の一成分として伝達され、ビーム835は図8aの面で偏向される。ビーム816の一部は、偏向ビーム・スプリッタ872によって出力ビーム836の第2成分として伝達され、ビーム816は図8aの面に直角に偏向される。
【0226】
出力ビーム836の一部は、非偏向ビーム・スプリッタ874でビーム838として反射する。ビーム838は検出器876と衝突して、ビーム838の測定ビーム成分の横方向の位置に関連する電気信号845を生成する。
【0227】
出力ビーム836の第2部分は、非偏向ビーム・スプリッタ874によってビーム840として伝達される。ビーム840は、混合光ビーム842を生成するよう配向された偏向装置878によって伝達される。ビーム842は検出器880に衝突して、混合ビーム842の測定および基準ビーム成分の位相差に関連する電気信号846を生成する。電気信号846は、その後に混合ビーム842の測定および基準ビーム成分の位相差に関する情報を得るため処理するよう、電子プロセッサおよびコンピュータ882に伝達される。
【0228】
電子信号845は、方向づけトランスジューサ857Aおよび857Bが使用して、図8aに示した点R1 を中心として図8aの面で操作ミラー856を回転させる。同様に、電子信号845は方向づけトランスジューサ863Aおよび863Bが使用して、図8aの点R2 を中心に操作ミラー862を回転させる。所与の信号845の結果として方向づけトランスジューサ857Aおよび857Bが生成するビーム操作ミラー856の回転ごとに、同様に信号845に基づく方向づけトランスジューサ863Aおよび863Bによって、ビーム操作ミラー862の同じ角度回転が生成される。したがって、ビーム827の伝播方向は、所与の信号845によって生じるビーム操作ミラー856と862との組み合わせた回転によって変化することがない。
【0229】
R1 からビーム817がビーム操作ミラー856と交差する点までの長さy1 の線は、ビーム817の伝播方向に直角である。R2 からビーム827がビーム操作ミラー862と交差する点までの長さy2 の線は、ビーム827の伝播方向と直角である。
【0230】
【数2】
y1 =y2 (2)
という条件、ビーム819の物理的経路の長さがビーム823と825を組み合わせた物理的経路の長さと等しいという条件、点R1 とR2 が同一平面にあるという条件を含む、第8の実施形態の1組の条件では、ビーム操作ミラー856および862がそれぞれ図8aの面でそれぞれ点R1 およびR2 を中心に角度γだけ回転することができ、したがって並進前にビーム819および823の平均電波方向に平行な方向の方位で固定した測定対象物ミラー858の並進については、1)ビーム819および823の平均伝播方向に変化がなく、2)測定対象物ミラー858でビーム819に導入される横方向の剪断がなく、3)ビーム操作ミラー856におけるビーム817に、またはビーム817の先祖であるビームに導入される横方向の剪断がなく、4)ビーム操作ミラー862におけるビーム827に、またはビーム827を先祖とする測定ビームまたは測定ビーム成分に導入される横方向の剪断がない。
【0231】
回転角度γの変化の絶対値は、η/2の変化の絶対値と等しく、ここでηは測定対象物ミラー858におけるビーム819の入射角度である。距離測定干渉計の典型的操作時に遭遇する回転角度γの変化の絶対値は、測定脚長が0.4mと1.0mの間で変化する場合、0.005ラジアンのオーダーになる。
【0232】
第8の実施形態に関する残りの説明は、第6の実施形態について与えられた説明の対応する部分と同じである。
第8の実施形態の利点は、偏向エンコーディングを使用せず、測定ビーム811、測定ビーム833、およびビーム833を先祖とする測定ビームおよび測定ビーム成分の変化可能な横方向の変位を導入することなく、測定ビームの伝達効率が高いことであり、利点は方位を固定した対象物の直線変位の測定で存在し、ここで対象物から反射する測定ビームの伝播方向は、対象物の方位の変化の影響を受けやすい。
【0233】
図9a−図9cは、対象物の方位からほぼ独立し、かつ、対象物の横方向の変位からもほぼ独立した対象物の直線的変位を測定するための、本発明の第9の実施形態の略図であり、横方向の変位は、直線的変位と直交している。第9の実施形態は、2本の直交する軸を中心として対象物の方位を変更するための第1操作モードで動作する第2の分類の実施形態およびその変形例に由来しており、直交する二軸は対象物の直線的変位および/または横方向の変位と直交しており、横方向の変位は直線的変位と直交している。
【0234】
第9の実施形態には、第6および第8の実施形態のビーム操作ビーム組立体が含まれている。この役割において、図9aに示す第9の実施形態の要素は、ビーム操作ミラー952と方向づけトランスジューサ953A、953Bを除き、図8aに記載の第8の実施形態において番号を付した要素と同様の機能を果たしており、番号が100ずつ大きくなっている。ビーム操作ミラー952、方向づけトランスジューサ953Aおよび953Bの説明は、第6の実施形態におけるビーム操作ミラー652ならびに方向づけトランスジューサ653Aおよび653Bについての説明と同一である。
【0235】
検出器976は第6の実施形態の検出器676の機能を果たし、電子信号944を生成する。第9の実施形態の電子信号944の説明は、第6の実施形態の電子信号644についての説明の対応部分と同一である。検出器976は、さらに、第8の実施形態の検出器876の機能を果たし、電子信号945を生成する。電子信号945の説明は、第8の実施形態の電子信号845についての説明と同一である。
【0236】
第9の実施形態の通常モードの操作では、ビーム操作ミラー952の向きが測定対象物ミラー958の与えられた方位に対して誤っていた場合、ビーム938の測定ビーム成分および基準ビーム成分の伝播方向に差が生じ、ビーム938の基準ビーム成分に対して、測定ビーム成分の横剪断を生じる。検出器976は、ビーム938の測定ビーム成分と基準ビーム成分との伝播方向の差を探知して、電子信号944を生成する。電子信号944は、方向づけトランスジューサ953Aおよび953Bに送られ、これらトランスジューサがビーム操作ミラー952の方位を調整して、ビーム938の測定ビーム成分および基準ビーム成分の伝播方向を同じにする。ビーム操作ミラー952の方位の誤りによるビーム938の基準ビーム成分に対しての測定ビーム成分の横剪断は、ビーム938の測定ビーム成分および基準ビーム成分の伝播方向の差の補償と同時に補償される。
【0237】
万一、ビーム操作ミラー956および962の方位が誤っていた場合、ビーム938の基準ビーム成分に対する測定ビーム成分の横剪断が残存することになる。検出器976は、ビーム938の測定ビーム成分および基準ビーム成分の残存横剪断を探知し、電子信号945を生成する。電子信号945は、方向づけトランスジューサ957Aおよび957Bに送られて、これらトランスジューサがビーム操作ミラー956の方位を調整し、また、方向づけトランスジューサ963Aおよび963Bに送られて、これらトランスジューサがビーム操作ミラー962の方位を調整して、ビーム938の測定ビーム成分と基準ビーム成分との残存横剪断を補償する。
【0238】
第9の実施形態についてのこれ以外の部分の説明は、第6および第8の実施形態についての説明の対応部分に対する説明と同じである。
図10a−図10cは、対象物の方位からほぼ独立し、かつ、対象物の横方向の変位からほぼ独立している対象物の直線的変位を測定するための本発明の第10の実施形態の略図であり、ここで、横方向の変位は直線的変位に直交し、偏向符号化を利用することなく測定ビームの高い伝達効率が維持されている。第10の実施形態は、2本の直交する軸を中心とする対象物の方位の変化について第1動作モードで動作する第2の分類の実施形態およびその変形例に由来しており、2本の直交する軸は、対象物の直線的変位および/または横方向の変位と直交していて、横方向の変位は直線的変位と直交している。
【0239】
第10の実施形態は、本発明の第9の実施形態の変形と考えられる。第10実施形態の、ビーム操作ミラー1052ならびに方向づけトランスジューサ1053Aおよび1053Bを備えるミラー組立体が果たす機能は、第9実施形態の、ビーム操作ミラー952ならびに方向づけトランスジューサ953Aおよび953Bを備えるミラー組立体が果たす機能と同一である。第10実施形態の、ビーム操作ミラー1058ならびに方向づけトランスジューサ1059Aおよび1059Bを備えるミラー組立体が果たす機能は、第9の実施形態の、ビーム操作ミラー956ならびに方向づけトランスジューサ957Aおよび957Bを備えるミラー組立体と、ミラー962ならびに方向づけトランスジューサ963Aおよび963Bを備えるビーム操作ミラー組立体とが結合して果たす機能と同一である。
【0240】
第10実施形態の電子信号1026および1028の説明は、それぞれ第9実施形態の電子信号944および945についての説明の対応部分と同一である。図10aに示す第10実施形態の残りの要素は、図9aに示す第9実施形態のうち、数字が100多い同様の番号の要素と同様の機能を果たす。
【0241】
関連する第10実施形態の条件は以下の通りである。
1)ビーム操作ミラー1058における測定ビーム1013からビーム操作ミラー1052における測定ビーム1021までの物理的な経路の長さは、ビーム操作ミラー1052における測定ビーム1039から操作ミラー1058における測定ビーム1041までの物理的な経路の長さに等しい。
【0242】
2)ビーム操作ミラー1052における測定ビーム1023から測定対象物ミラー1064における測定ビーム1031までの物理的な経路の長さは、測定対象物ミラー1064における測定ビーム1033からビーム操作ミラー1052における測定ビーム1037までの物理的な経路の長さに等しい。
【0243】
3)ビーム操作ミラー1058におけるビーム1011の入射角と、ビーム1041の入射角とは、名目上、同一である。
4)ビーム操作ミラー1052におけるビーム1021の入射角と、ビーム1037の入射角とは、名目上、同一である。
【0244】
第10実施形態の条件の下では、ビーム操作ミラー1058におけるビーム1011の位置とビーム1043の位置とが互いにほぼ重なり合い、ビーム操作ミラー1052におけるビーム1021の位置とビーム1039の位置とが互いにほぼ重なり合うことは、当業者には明らかであろう。
【0245】
第6実施形態の操作ミラー652を備える操作ビーム組立体についての、各構成部品の大きさと周波数応答に関する説明は、ビーム操作ミラー1052および1058を備える第10実施形態の両方のビーム操作組立体に適用される。
【0246】
第10実施形態のこれ以外の部分についての説明は、第9実施形態についての説明の対応部分と同一である。
図11a−図11fは、対象物の方位からほぼ独立し、かつ、対象物の横方向の変位からほぼ独立している対象物の直線的変位を測定するための本発明の第11の実施形態を略図で示しており、ここで、横方向の変位は直線的変位に直交している。第11実施形態は、2本の直交する軸を中心とする対象物の方位の変化について第1動作モードで動作する第2の分類の実施形態およびその変形例に由来しており、2本の直交する軸は、対象物の直線的変位および/または横方向の変位と直交していて、横方向の変位は両方の直線的変位と直交している。
【0247】
第10および第11実施形態の干渉計システムは、測定ビームが対象物に対して行うパスの回数の関連を除いて、おおむね同様である。第11実施形態の測定ビームは対向する二伝播方向で測定経路の特定部分を横切るが、第10実施形態では、対応する測定ビームは、伝播の一方向のみにおいて、特定部分を通る。第11実施形態の多パス構成において、出力測定ビーム成分の入力測定ビーム成分からの効率的な分離は、偏向符号化および偏向ビーム・スプリッタを利用して行われる。
【0248】
第10実施形態と第11実施形態の多くの要素が類似した機能を果たし、こうした要素は、第11実施形態で同様の機能を果たす要素の数字番号が、第10実施形態の対応する要素の数字番号に100を加えたものに等しいという数字番号の枠組みで示されている。基準ビーム経路および測定ビーム経路の一部の部分は、第10実施形態の対応する経路部分と同じ説明を有する第11実施形態の基準経路もしくは測定経路の一部分の数字番号が、第10実施形態の対応する経路部分の数字番号に100を加えたものに等しいという数字番号の枠組みにより示されている。
【0249】
第11実施形態の測定ビーム経路の一部の部分については、伝播と逆方向の一部の部分を横切る測定ビームがある。逆ではない、すなわち順方向の伝播方向は、測定対象物ミラー1164への第1のパスと関連付けられており、逆方向の伝播方向は、測定対象物ミラー1164への第2のパスと関連付けられている。逆方向に一部の部分を横切る追加測定ビームの説明は、その他の点では、第10実施形態において伝播の正方向に横切る測定ビームとの関連でなされた説明の対応する部分と同じであり、逆方向に横切る測定ビームの英数字は、接尾辞Rにより数を大きくした、順方向に横切る関連する測定ビームの数字番号と等しい。
【0250】
測定ビーム1143および基準ビーム1112の生成の説明は、第10実施形態の測定ビーム1043と基準ビーム1012との生成の対応する説明に対しての記述と同一である。図11dに示す通り、ビーム1143の第1部分は無偏向ビーム・スプリッタ1171によりビーム1145として伝達される。ビーム1145は、検出器1190に突き当たって、電子信号1128を生成する。ビーム1143の第2部分は、図11dの平面で偏向され、無偏向ビーム・スプリッタ1171により反射され、4分の1波長位相遅延板1172により、円形偏向ビームとして伝達され、ミラー1173により対向円形偏向を伴うビームとして反射され、位相遅延板1172により図11dの平面に対して直角に偏向されたビームとして伝達され、その後、その一部分が無偏向ビーム・スプリッタ1171により反射され、ビーム1143Rとなる。ビーム1143Rは図11dの平面と直角に偏向している。
【0251】
検出器1190の要素を、図11eに略図にして示した。ビーム1145が検出器1190に入ると、ビーム1145の第1部分は無偏向ビーム・スプリッタ1190Aに反射され、ビーム1145Aとなる。ビーム1145Aはレンズ1190Bにより、4セル検出器、二次元高速CCDカメラまたは側面効果ホトダイオードなどの検出器1190C上の一点に焦点を結ぶ。二次元データアレイは、電子信号1128Aとして送信される。検出器1190C上の一点の位置は、ビーム1145Aの横剪断によりもたらされるのではなく、ビーム1145Aの伝播方向の変化が検出器1190C上の一点の位置を動かす。それ故、電子信号1128Aは、ビーム1145Aの伝播方向についての情報を含む。
【0252】
ビーム1145の第2の部分は、ビーム1145Bとして伝達される。ビーム1145Bは、4セルなどの検出器1190Dに当たり、電子信号1128Bを生成する。検出器1190D上のビーム1145Bの位置は、ビーム1145Bの横剪断によりもたらされるが、検出器1190Dにおいてビーム1145Bの伝播方向が変化すれば、検出器1190D上のビーム1145Bの位置が移動する。それ故、電子信号1128Bはビーム1145Bの横剪断についての情報を含む。電子信号1128Aおよび1128Bは、電子信号1128を成す。
【0253】
図11aに示すように、基準ビーム1112の第1部分は、無偏向ビーム・スプリッタ1174により、ビーム1114として伝達され、基準ビーム1112の第2部分は、無偏向ビーム・スプリッタ1174により、ビーム1116として反射される。図11dおよび図11fに示すように、ビーム1114は検出器1192に当たり、電子信号1130を生成する。
【0254】
検出器1192の要素を略図として図11fに示した。ビーム1114が検出器1192に入ると、ビーム1114の第1部分が無偏向ビーム・スプリッタ1192Aにより反射され、ビーム1114Aとなる。ビーム1114Aは、レンズ1192Bにより、4セル検出器、二次元高速CCDカメラまたは側面効果ホトダイオードなどの検出器1192C上の一点に焦点を結ぶ。二次元データアレイは電子信号1130Aとして送信される。検出器1192C上の一点の位置は、ビーム1114Aの横剪断によりもたらされるのではなく、ビーム1114Aの方向の変化が検出器1192C上の一点の位置を動かす。それ故、電子信号1130Aは、ビーム1114Aの伝播方向についての情報を含む。
【0255】
ビーム1114の第2の部分は、ビーム1114Bとして、無偏向インタフェース1192Aにより伝達される。ビーム1114Bは、4セルなどの検出器1192Dに当たり、電子信号1130Bを生成する。検出器1192D上のビーム1114Bの位置は、ビーム1114Bの横剪断によりもたらされるが、検出器1192Dにおいてビーム1114Bの伝播方向が変化すれば、検出器1192D上のビーム1114Bの位置が移動する。それ故、電子信号1130Bはビーム1114Bの横剪断についての情報を含む。電子信号1130Aおよび1130Bは、電子信号1130を成す。
【0256】
電子信号1128および1130は、電子信号プロセッサ1194(図11d参照)に送信される。測定ビーム1145Aおよび基準ビーム1114Aの伝播方向についての情報を含む電子信号1128および1130の成分から、電子プロセッサ1194は、電子信号1132を生成する。測定ビーム1145Bおよび基準ビーム1114Bの横剪断についての情報を含む、電子信号1128および1130の成分から、電子プロセッサ1194は、電子信号1134を生成する。
【0257】
電子信号1132は方向づけトランスジューサ1153Aおよび1153Bに送られ、電子信号1134が方向づけトランスジューサ1159Aおよび1159Bに送信される。信号1132に含まれる情報をサーボシステムのエラー信号として利用して、ビーム操作ミラー1152の向きを方向づけトランスジューサ1153Aおよび1153Bにより修正し、測定ビーム1143の伝播方向を、直交する二方向において、測定対象物ミラー1164の方位の変化から独立してほぼ一定に維持する。信号1134に含まれる情報をサーボシステムのエラー信号として利用して、ビーム操作ミラー1158の向きを方向づけトランスジューサ1159Aおよび1159Bにより修正し、測定ビーム1143の横位置を、直交する二方向において、ビーム1131および1133の経路の平均に沿った測定対象物ミラー1164の位置の変化から独立してほぼ一定に維持する。ビーム操作要素1158による測定ビームの第1の方向転換位置からビーム操作要素1152による測定ビームの第1の方向転換位置までの測定ビームの物理的な経路の長さが、ビーム操作要素1152による測定ビームの第2の方向転換からビーム操作要素1158による測定ビームの第2の方向転換までの測定ビームの物理的な経路の長さに等しく、また、ビーム操作要素1152による測定ビームの第1の方向転換位置から測定対象物ミラー1164までの測定ビームの物理的な経路の長さが、測定対象物ミラー1164からビーム操作ミラー1152による測定ビームの第2の方向転換位置までの測定ビームの物理的な経路の長さに等しいという、第11実施形態の一連の条件下においては、測定対象物ミラー1164の方位の変更が、ビーム操作要素1152による方位の変更により補償された場合、ならびにビームの経路1131および1134の平均に沿った測定対象物ミラー1164の位置の変更の効果が、ビーム操作ミラー1158の向きの変更により補償される場合、ビーム操作要素1158において、ビーム1143の横剪断は生じない。物理的な経路の長さに関するこうした条件は、第11実施形態条件として参照される。
【0258】
ビーム1143Rは、ビーム1143にほぼ同延であり、ビーム1143R(図11a参照)は、1143の伝播方向にほぼ対向する伝播方向を有する。その結果、ビーム1143Rは、干渉計の一部を通った光のパス、すなわちビーム1143の生成を導いたパスを事実上再トレースして、ビーム1111Rを生成する。干渉計の一部を通っての再トレースは、特に、測定対象物ミラー1164への通過を含む。ビーム1111Rは事実上、ビーム1111と同延であり、ビーム1111Rは、ビーム1111の伝播方向にほぼ対応する伝播方向を有する。
【0259】
ビーム1111Rは、図11aの平面に直交するように偏向され、偏向ビーム・スプリッタ1150に反射されてビーム1147となる。ビーム1147はミラー1177に反射され、ビーム1149となる。
【0260】
基準ビーム1116は、ミラー1176Aおよび1176Bに反射されて、ビーム1118を形成する。ミラー1176Aおよび1176Bは共に、ペンタプリズムと同じように、図11aの平面上にあるビーム1116と1118の間に一定の偏差を生じさせる。
【0261】
ビーム1149の一部分は、無偏向ビーム・スプリッタにより出力ビーム1124の一成分として転送される。ビーム1118の一部分は、無偏向ビーム・スプリッタにより出力ビーム1124の第2の成分として転送される。ビーム1124は混合光ビームであり、ビーム1149および1118は共に、図11aの平面に対して直交するように偏向されていて、ビームスプリッタ1178は無偏向型である。ビーム1124は検出器1186に突き当たり、混合ビーム1124の測定ビーム成分と基準ビーム成分の位相における差に関連する電子信号1136を生成する。電子信号1136は、次の処理のために電子プロセッサおよびコンピュータ1188に送信され、混合ビーム1124の測定ビーム成分および基準ビーム成分の位相の差についての情報を得る。混合ビームの検出は、一般に、ヘテロダイン信号を生成する光電検出により行われ、この位相は、測定ビームと基準ビームの経路の長さの差に関連している。ヘテロダイン信号の位相は、電子プロセッサおよびコンピュータ1188により、例えば、ヘテロダイン信号のフーリエ変換やヒルベルト変換により決定することができる。
【0262】
第11実施形態のこれ以外の部分についての説明は、第4および第10実施形態についての説明の対応する部分と同一である。
図12a−図12eは、対象物の方位からほぼ独立し、かつ、対象物の横方向の変位からもほぼ独立した対象物の直線的変位を測定するための、本発明の第12の実施形態の略図であり、横方向の変位は直線的変位と直交している。第12の実施形態は、第1軸を中心として対象物の方位を変更するための第1動作モード、ならびに第1軸と直交する第2軸を中心として対象の方位を変更するための第2動作モードで動作する第2の分類の実施形態およびその変形例に由来しており、第1軸および第2軸は対象物の直線的変位および/または横方向の変位と直交しており、横方向の変位は第2軸および直線的変位の両方と直交している。
【0263】
第7および第12実施形態の干渉計システムは、測定ビームが対象物に対して行うパスの回数の関連を除いて、おおむね同様である。第12実施形態の測定ビームは伝播の対向する二方向において測定経路の特定部分を横切るが、第7実施形態では、対応する測定ビームは、伝播の一方向のみにおいて、特定部分を横切る。第12実施形態の多パス構成において、入力測定ビーム成分から出力測定ビーム成分を効率的に分離することは、偏向符号化および偏向ビーム・スプリッタを利用して行われる。
【0264】
第7および第12の実施形態の多くの要素が同様の機能を果たし、こうした要素は、第12実施形態について同様の機能を果たす要素の数字番号が、第11実施形態の対応要素の数字番号に500を加えた数字となるという数字番号の枠組みにより示される。測定ビーム経路の特定部分は、第7実施形態の対応する経路部分と同じ説明となる第12実施形態の測定経路の特定部分の数字番号が、第7実施形態の対応する経路部分の数字番号に500を加えた数値に等しいという数字番号の枠組みにより示されている。
【0265】
第12実施形態の測定ビームの経路の特定部分については、伝播とは逆方向に特定部分を横切る測定ビームがあり、伝播と逆でない、すなわち順方向は、測定対象物ダハプリズム1262への第1のパスに関連しており、伝播の逆方向は、測定対象物ダハプリズム1262への第2のパスに関連している。逆方向に特定部分を横切る追加測定ビームの説明は、その他の部分では、第7の実施形態において伝播と逆でない方向に横切る関連測定ビームについての説明の対応部分と同一であり、逆方向に横切る測定ビームの英数字は、逆でない方向に横切る関連測定ビームの数字番号を接尾辞Rの分だけ多くしたものと等しい。
【0266】
測定ビーム1233および基準ビーム1212の生成の説明は、第7実施形態において測定ビーム733および基準ビーム712の生成の対応する説明に対する記述と同一である。図12cに示すように、ビーム1233の第1部分は、無偏向ビーム・スプリッタ1271によりビーム1235として転送される。ビーム1235は検出器1290に突き当たって電子信号1228を生成する。ビーム1233の第2部分は、図12cの平面において偏向され、無偏向ビームスプリッタ1271により反射され、4分の1波長位相遅延板1272により、円形偏向ビームとして伝達され、ミラー1273により対向円形偏向を伴うビームとして反射され、4分の1波長位相遅延板1272により図12cの平面に対して直角に偏向されたビームとして伝達され、その後、その一部分が無偏向ビーム・スプリッタ1271により反射されてビーム1233Rとなる。ビーム1233Rは図12cの平面と直角に偏向している。
【0267】
検出器1290の要素を、図12dに略図にして示した。ビーム1235が検出器1290に入ると、ビーム1235の第1部分は無偏向ビーム・スプリッタ1290Aに反射され、ビーム1235Aとなる。ビーム1235Aはレンズ1290Bにより、デュアルセル検出器、線形アレイ、高速CCDカメラまたは側面効果ホトダイオードなどの一次元検出器1290C上の一点に焦点を結ぶ。一次元データアレイは、電子信号1228Aとして送信される。一次元検出器1290C上の一点の位置は、ビーム1235Aの横剪断によりもたらされるのではなく、一次元検出器1290Cにより定義される平面でのビーム1235Aの方向およびビーム1235Aの名目上の方向の変化が検出器1290C上の一点の位置を動かす。それ故、電子信号1228Aは、一次元検出器1290Cにより定義される平面でのビーム1235Aの伝播方向、ならびにビーム1235Aの名目上の方向についての情報を含み、平面は図12aの平面と直交し、測定ビーム1201の名目上の伝播方向に直交する平面に対応する。
【0268】
ビーム1235の第2の部分は、ビーム1235Bとして伝達される。ビーム1235Bは、デュアルセル検出器などの一次元検出器1290Dに当たり、電子信号1228Bを生成する。検出器1290D上のビーム1235Bの位置は、ビーム1235Bの横剪断によりもたらされるが、検出器1290Dにおいてビーム1235Bの伝播方向が変化すれば、一次元検出器1290D上のビーム1235Bの位置が移動する。それ故、電子信号1228Bはビーム1235Bの横剪断についての情報を含み、一次元検出器1290Dにより定義される平面は、一次元検出器1290Cにより定義される平面と直交する。電子信号1228Aおよび1228Bは、電子信号1228を成す。
【0269】
図12aに示すように、基準1212の第1部分は、無偏向ビーム・スプリッタ1274により、ビーム1214として伝達され、基準1212の第2部分は、無偏向ビーム・スプリッタ1274により、ビーム1216として反射される。図12cおよび図12eに示すように、ビーム1214は検出器1292に当たり、電子信号1230を生成する。
【0270】
検出器1292の要素を、図12eに略図にして示した。ビーム1214が検出器1292に入ると、ビーム1214の第1部分は、無偏向ビーム・スプリッタ1292Aに反射され、ビーム1214Aとなる。ビーム1214Aはレンズ1292Bにより、デュアルセル検出器、線形アレイ、高速CCDカメラまたは側面効果ホトダイオードなどの一次元検出器1292C上の一点に焦点を結ぶ。一次元データアレイは、電子信号1230Aとして送信される。一次元検出器1292C上の一点の位置は、ビーム1214Aの横剪断によりもたらされるのではなく、ビーム1214Aの伝播方向の変化が検出器1292C上の一点の位置を動かす。それ故、電子信号1230Aは、一次元検出器1292Cにより定義される平面でのビーム1214Aの伝播方向、ならびに一次元検出器1290Cの平面に対応するよう調整された一次元検出器1292Cの平面でのビーム1214Aの名目上の方向についての情報を含む。
【0271】
ビーム1214の第2の部分は、ビーム1214Bとして伝達される。ビーム1214Bは、デュアルセル検出器などの一次元検出器1292Dに当たり、電子信号1230Bを生成する。検出器1292D上のビーム1214Bの位置は、ビーム1214Bの横剪断によりもたらされるが、検出器1292Dにおいてビーム1214Bの伝播方向が変化すれば、一次元検出器1292D上のビーム1235Bの位置が移動する。それ故、電子信号1230Bはビーム1214Bの横剪断についての情報を含み、平面は、一次元検出器1290Dにより定義される平面に対応するよう調整された一次元検出器1292Dにより定義される。電子信号1230Aおよび1230Bは、電子信号1230を成す。
【0272】
電子信号1228および1230は、電子信号プロセッサ1294(図12c参照)に送信される。図12cの平面に直交し、ビーム1235aの名目上の伝播方向に平行な平面における測定ビーム1235Aおよび基準ビーム1214Aの伝播方向についての情報を含む電子信号1228および1230の成分から、電子プロセッサ1294は電子信号1232を生成する。図12cの平面における測定ビーム1235Bと基準ビーム1214Bの横剪断についての情報を含む電子信号1228および1230の成分から、電子プロセッサ1294は電子信号1234を生成する。
【0273】
電子信号1232は、方向づけトランスジューサ1253Aおよび1253Bに転送される。信号1232に含まれる情報をサーボシステムにおいてエラー信号として利用して、方向づけトランスジューサ1253Aおよび1253Aによりビーム操作ミラー1252の方位を修正し、これにより、第1平面において、測定ビーム1233の伝播方向を、測定対象物ダハプリズム1262の方位の変更とは独立してほぼ一定に維持する。ここで第1平面は、図12aの平面に直交し、かつ、ビーム1201の名目上の伝播方向に平行である。同時に、第1平面に直交する平面において、測定ビーム1233の横位置を、測定ビーム1201の伝播方向に名目上、直交する測定対象物ダハプリズム1262の翻訳から独立にほぼ一定で、図12aの平面に直交し、ビーム1201の名目上の伝播方向に直交する軸を中心とする測定対象物ダハプリズム1262の方位の変化からほぼ独立した位置に維持する。ビーム操作要素1252による測定ビームの第1の方向変更位置から測定対象物ダハプリズム1262までの測定ビームの物理的な経路の長さが、測定対象物ダハプリズム1262からビーム操作ミラー1252による測定ビームの第2の方向変換位置までの測定ビームの物理的な経路の長さに等しいという条件下では、測定対象物ダハプリズム1262の方位の変化がビーム操作要素1252の方位の変化で補償される場合、ならびにビーム1233の経路に対して名目上直交している測定対象物ダハプリズム1262の位置での変位の効果が、ビーム操作要素1252の方位の変化により補償される場合、ビーム操作要素1252においてビーム1233の横剪断はない。物理的な経路の長さに関してのこの条件は、第12実施形態の条件として参照される。
【0274】
ビーム1233Rは、ビーム1233とほぼ同延であり、ビーム1233R(図12c参照)は、1233の伝播方向とはほぼ反対の伝播方向を有する。その結果、ビーム1233Rは、干渉計の一部分を通るパスをほぼ再トレースして、このパスによりビーム1233が生成されることになり、ビーム1211Rが生成される。干渉計の一部分を通る再トレースには、特に、対象物ダハプリズム1262へのパスを含む。ビーム1211Rはビーム1211とほぼ同延であり、ビーム1211Rはビーム1211の伝播方向とはほぼ反対の伝播方向である。
【0275】
ビーム1211Rは、図12aの平面に直交して偏向されており、ビーム1247として、偏向ビームスプリッタに反射される。ビーム1247はミラー1177に反射されてビーム1249となる。
【0276】
基準ビーム1216は、ミラー1276Aおよびミラー1276Bにより反射され、ビーム1218を形成する。ミラー1276Aおよび1276Bは共に、図12aの平面におけるビーム1216と1218との間に一定の偏差を生成する。これはペンタプリズムと同じである。
【0277】
ビーム1249の一部分は、出力ビーム1224の一成分として無偏向ビームスプリッタ1278により転送される。ビーム1218の一部分は、出力ビーム1224の第2成分として、無偏向ビームスプリッタ1278により転送される。ビーム1224は、混合された光ビームで、ビーム1249および1218は、いずれも図12aの平面に対して直交するように偏向されており、ビームスプリッタ1278は、無偏向型である。ビーム1224は検出器1286に突き当たり、混合ビーム1224の測定ビーム成分と基準ビーム成分の位相における差に関連する電気信号1236を生成する。電気信号1236は、混合ビーム1224の測定ビーム成分および基準ビーム成分の位相の差についての情報を得るため、電子プロセッサおよびコンピュータ1288に送信されて次の処理が行われる。混合ビームの検出は、一般に、ヘテロダイン信号を生成する光電検出により行われ、この位相は、測定ビームと基準ビームの経路の長さの差に関連している。ヘテロダイン信号の位相は、電子プロセッサおよびコンピュータ1128により、例えば、ヘテロダイン信号のフーリエ変換やヒルベルト変換により決定することができる。
【0278】
第12実施形態のこれ以外の部分についての説明は、第4および第11実施形態の説明に関しての対応する部分と同一である。
本発明の第12実施形態の第1の変形は、対象物の方位からほぼ独立し、かつ、対象物の横方向の変位からほぼ独立している対象物の直線的変位の測定に関して記載する。横方向の変位は、直線的変位に直交する。第12実施形態の第1の変形例は、直交する二軸を中心とする対象物の方位の変化および/または対象物の横方向の変位(横方向の変位は直線的変位に直交する)についての第2の動作モードで動作する、第2の分類の実施形態およびその変形例に由来する。
【0279】
第12実施形態の第1の変形例の干渉計システムおよび少なくとも1個のビーム操作組立体は、第12実施形態の干渉計システムおよび少なくとも1個のビーム操作要素と同じ要素を備えているが、ただし、対象要素、特定の光ビームの検出器、特定の光ビームの検出器が生成する信号、ならびに各サーボシステムについてはその限りでない。
【0280】
第12実施形態の対象要素である測定対象ダハプリズム1262は、第12実施形態の第1の変形例においては、測定対象逆リフレクタ1262A(図示せず)に取って代わられる。その結果、出力ビーム1238A、すなわち第7実施形態の出力ビーム738に対応する、第12実施形態の第1の変形例における出力ビームについて、基準ビーム成分と測定ビーム成分の相対的な伝播方向は、第12実施形態の第1の変形例の測定対象逆リフレクタ1262Aの方位の変化からほぼ独立している。しかし、直線的変位の方向に対して直交する平面における測定対象逆リフレクタ1262Aの横移動は、出力ビーム1238Aの測定ビーム成分の横方向の変位を生成する。
【0281】
第12実施形態の第1の変形例の検出器1276Aは、第7実施形態の検出器776に対応しており、出力ビーム1238Aの測定ビーム成分の横方向の変位または剪断応力を検出し、電気信号1244、すなわち第7実施形態の電気信号744に対応する電気信号を生成する。
【0282】
電子信号1244Aは、第12実施形態の第1の変形例の方向づけトランスジューサ1253Aおよび1253Bに送信される。信号1244Aに含まれる情報をサーボシステムでエラー信号として利用して、第12実施形態の第1の変形例の方向づけトランスジューサ1253Aおよび1253Bによりビーム操作ミラー1252の方位を修正し、それにより、出力ビーム1238Aの測定ビーム成分の横位置を、直線的変位の方向に直交する平面上の測定対象逆リフレクタ1262Aの横移動から独立して、および/または第12実施形態の第1の変形例のビーム1201の伝播方向に名目上直交する2本の直交軸を中心とした測定対象逆リフレクタ1262Aの方位の変化から独立して、ほぼ一定に維持する。
【0283】
第12実施形態の第1の変形例についてのこれ以外の内容は、第12実施形態についての記載の対応部分と同一である。
図13a−図13bは、対象の方位および対象の横方向の変位からほぼ独立した対象の直線的変位を測定するための本発明の第13実施形態を略図で示している。横方向の変位は直線的変位に直交している。第13実施形態は、直交する二軸を中心とする対象の方位の変化について第1動作モードで動作する、本発明の第3の分類の実施形態及びその変形例からのものである。
【0284】
図13aに示す光ビーム1310および光ビーム1310の光源についての説明は、第1実施形態での、光ビーム110および光ビーム110の光源についての説明と同一である。図13aに示すように、ビーム1310はビーム操作ミラー1350の表面で反射されてビーム1312となる。ビーム操作ミラー1350ならびに方向づけトランスジューサ1351Aおよび1351Bは、入力ビーム1310の方向を変換するビーム操作組立体を成す。ビーム1312はミラー1352Aおよび1352Bにより反射され、ビーム1314を形成する。ミラー1352Aおよび1352Bは、共に、ペンタプリズムと同様、図13aの平面でビーム1312と1314との間に一定の偏差を生じる。
【0285】
図13aについて説明を続けると、ビーム1314は、図13aの平面において偏向された測定ビーム1315として転送されるビーム1314の一部分、ならびに図13aの平面に対して直交するように偏向された基準ビーム1316として反射されるビーム1314の第2部分は、偏向ビーム・スプリッタ1354に突き当たる。
【0286】
ビーム1315は、偏向ビーム・スプリッタ1356によりビーム1317として転送される。ビーム1317は、図13aの平面において偏向され、4分の1波長位相遅延板1358により円形偏向ビームとして伝達され、反射面が単一の測定対象ミラー1360により、対向円形偏向を伴うビームとして反射され、次に、4分の1波長位相遅延板1358により図13aの平面に直交するように直線的に偏向されたビーム1319として伝達される。ビーム1319偏向ビーム・スプリッタ1356に反射されてビーム1321となる。ビーム1321はミラー1362に反射されてビーム1323となる。
【0287】
基準ビーム1316は、半波長位相遅延板1364により転送され、図13aの平面において線形に偏向されたビーム1318となる。ビーム1318は逆リフレクタ1366により逆反射されて、ビーム1320となる。
【0288】
測定ビーム1323は出力ビーム1328の一成分として偏向ビーム・スプリッタ1368により反射される。ビーム1320は出力ビーム1328の第2成分として偏向ビーム・スプリッタ1368により転送される。ビーム1328は、ミラー1370に反射されてビーム1330となり、ビーム1330はビーム操作ミラー1350の第2表面により反射されて出力ビーム1332となる。
【0289】
出力ビーム1332は、光システム1398に入り、ビーム1338として出てくる。出力ビーム1332の基準ビーム成分は、直交する二軸を中心として画像の反転を経験し、出力ビーム1332の測定ビーム成分は、直交する軸の1本を中心として画像の反転を経験した。図13aの光システム1398はビーム1332の基準ビーム成分に比べて、ビーム1332の測定ビーム成分において、追加の画像反転を導入し、これによりビーム1338の基準ビーム成分が、2を法とした直交する二軸のそれぞれを中心として、ビーム1338の測定ビーム成分により経験される画像反転の数と同じ数の画像反転を経験した。
【0290】
ビーム1332の基準ビーム成分は、偏向ビーム・スプリッタ1372により転送され、ミラー1374により反射されて、ビーム1334となる。ビーム1334は画像インバータ1376に入る。図13bに示す通り、画像インバータ1376は3つのミラー1376A、1376B、1376Cから成る。図13bの平面は図13aの平面と直交する。ビーム1334は3つのミラー1376A、1376B、1376Cのそれぞれに反射され、画像インバータ1376を出てビーム1336となる。
【0291】
ビーム1332の測定ビーム成分は、偏向ビーム・スプリッタ1372により反射されてビーム1333となる。ビーム1333は、ミラー1378Aおよび1378Bにより反射され、ビーム1335を形成する。ミラー1378Aおよび1378Bは共に、図13aの平面においてビーム1333とビーム1333との間の一定の偏差を生成する。これはペンタプリズムと同様である。
【0292】
ビーム1336は、出力ビーム1338の一成分として、偏向ビーム・スプリッタ1380により転送される。ビーム1335は、出力ビーム1338の第2成分として、偏向ビーム・スプリッタ1380により反射される。
【0293】
ビーム1338の一部分は、無偏向ビーム・スプリッタ1382により反射されてビーム1340となる。ビーム1340は検出器1384に突き当たり、ビーム1340の測定ビーム成分および基準ビーム成分の伝播方向の差に関連する電気信号1348を生成する。
【0294】
出力ビーム1338の第2成分は、無偏向ビーム・スプリッタ1382により転送され、ビーム1342となる。ビーム1342は、混合光ビーム1344を生成する方向に向けてある偏向装置1386により転送される。ビーム1344は検出器1388に突き当たり、混合ビーム1344の測定ビーム成分と基準ビーム成分との位相の差に関連する電気信号1346を生成する。電気信号1346は、電子プロセッサおよびコンピュータ1390に送られて、混合ビーム1344の測定ビーム成分および基準ビーム成分の位相の差についての情報に関して次の処理を行う。
【0295】
電気信号1348は、方向づけトランスジューサ1351Aおよび1351Bに送信される。信号1348に含まれる情報は、サーボシステムでエラー信号をして使用され、方向づけトランスジューサ1351Aおよび1351Bによりビーム操作ミラー1350の方位を修正して、これにより、ビーム1332の測定ビーム成分の伝播方向を、測定対象物ミラー1360の方位の変化とは独立に、ビーム1332の基準ビーム成分の伝播方向との関連でほぼ一定に維持する。ビーム操作ミラー1350の第1表面から測定対象物ミラー1360までの物理的な経路の長さが、ビーム対象物ミラー1360から操作ミラー1350の第2表面までの物理的な経路の長さと等しいという条件下においては、測定対象物ミラー1360の向きの変更が、ビーム操作ミラー1350による向きの変更により補償された場合、操作ミラー1350において、ビーム1332の測定ビーム成分の横剪断は生じない。物理的な経路の長さに関するこうした条件は、第13実施形態条件として参照される。
【0296】
第13実施形態のこれ以外の内容は、上述の実施形態およびその変改についての記述の対応する部分と同一である。
本発明の第13実施形態は、本発明の第1実施形態について記載されたものに加えて、もうひとつの利点を示す。追加の利点は、ビーム操作ミラー1350および方向づけトランスジューサ1351Aおよび1351Bの大きさに関連している。第13実施形態の条件下で、ビーム操作ミラー1350の大きさは、入力ビーム1310が投射された大きさを収容できる程度の大きさがありさえすればよく、入力ビーム1310と出力ビーム1332の位置は、ビーム操作ミラー1350に静止している。これにより、ビーム操作ミラー1350および方向づけトランスジューサ1351Aおよび1351Bの許容される最小の大きさの削減、ならびにビーム操作ミラー組立体の周波数応答の付随する改良について、第13実施形態に関する利点がさらに生じることになる。
【0297】
ビーム1332の画像反転が望まれない複雑さを呈さないエンドユースのアプリケーションのために、第13実施形態のインバータ1398を省略しても、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、第13実施形態の変形例を形成することができる。第13実施形態の変形例についてのこれ以上の説明は、第13実施形態についての記述の対応する部分の記載と同一である。第13実施形態のその他の変形例として、測定対象物に、測定ビームを反射するためのダハプリズムもしくは逆リフレクタが含まれている例を含むことができる。このような変形例においては、システムは、必要に応じて第2モードで動作し、測定対象物のこの部分での変化を補償する。
【0298】
上述の実施形態の中には、ビーム操作組立体および制御回路を、基準ビームおよび測定ビームを生成するレーザ・ソースでスプリアス反射が生じてしまうという好ましくない効果を削減するために用いることができるものがある。偏向ビームのスプリット面または4分の1波長板での不完全さの結果として生じるスプリアス反射は、場合によっては、レーザ・ソースまで照り返して、レーザ・ソースの性能を不安定にしたり、変化させたりすることがある。このような望ましくない効果を削減するために、システムを以下のように調整することができる。
【0299】
ソース・レーザの性能に否定的な効果を及ぼすスプリアス反射が識別された場合、基準ビームの方向を定めている光学部品のひとつを調整して、基準ビームの方向を少し修正し、出口基準ビームの方向または位置に対応する変化を生じさせる。例えば、システムの中に基準対象物として平面ミラーがあるなら、その平面ミラーの角度方位を調整することができる。あるいは、システム中に、基準となる逆リフレクタを形成しているミラーがあるなら、こうしたミラーを調整して、その表面が互いに正確には正規にならないようにする。あるいは、基準ビーム中に小型角度オフセットを導入するための基準経路に、くさびまたはプリズムを導入することができる。光学部品がどのようなものであれ、その光学部品は、基準ビームから生じたスプリアスな反射がもうレーザ・ソースに戻るように伝播して来なくなるまで調整する。
【0300】
さらに、制御回路の検出器は、出口基準ビームの方向または位置の変化を検出し、サーボ制御装置の方位を、出口基準ビームおよび測定ビームの相対的な位置および/または方向における変化に応じて向きを変化させる。ビーム操作ミラーは、測定ビームの方向を、出口測定ビームが出口基準ビームの変化の軌跡に従うように変える。例えば、出口基準ビームおよび測定ビームがほぼ平行および/または同延を維持するようにする。その結果、測定ビームから生じるスプリアス反射は、もはやレーザ・ソースに戻るようには伝播しない。さらに、ビーム操作組立体および制御回路は、基準ビームおよび測定ビームの位置合わせを維持する。
【0301】
本手順は、干渉計システムの製造中に実施して、スプリアス反射のレーザ・ソースへ戻る方向の伝播を防止または削減する、このシステムの光学部品の位置合わせを決定する。一般に、本手順は、制御回路およびこの回路によるビーム操作組立体の方位の制御に、バイアスオフセットを光学的に導入する。
【0302】
あるいは、オフセットは、サーボコントローラにおいて、電子的に導入することもできる。どのように導入しても、オフセットは、測定対象物の角度方位または位置の変化に応じてビーム操作要素により行使される一般的な方位の範囲で、スプリアス反射のレーザ・ソースを戻る方向での伝播を防止するか、少なくとも最低限に抑えるのに十分な大きさでなければならない。
【0303】
また、1つ以上の光操作系を有する干渉測定装置の実施例は、測定対象物の角方位測定に用いることも可能であり、さらに測定対象物に対する変位の変化の測定も可能である。例えば、ステージミラー等の角方位を測定する場合、干渉測定装置には、複数の変位を測定する干渉計が含まれ、この干渉計を“積み重ね”て、ステージミラー上の空間的に離れた複数の位置までの距離を測定し、これによってステージミラーの方位を求めることができる。例えば、基準面から、ステージミラー上の3つの各非共線点までの距離によって、ステージミラーの位置および角方位が完全に求められる。干渉測定装置には光操作系が含まれ、この光操作系によって、光は、積み重ねられた干渉計の内部あるいは外部に導かれる。一方、干渉測定装置には、共通の光操作系が含まれ、この光操作系によって少なくとも測定光および基準光の内1つの光が、積み重ねられた各干渉計に導かれる。図17a乃至cは、そのような積み重ねられた2つの干渉計の実施例を示す。
【0304】
図17a乃至cの干渉計1710は、上述の図15aのものと同一であるが、異なる点は、再帰反射鏡1532が複合再帰反射鏡1732(図17bに示す)と入れ替わっており、さらに、この装置には偏光分割器1512に接続された分割菱面体1713(図17cに示す)が含まれることである。図17cに示すように、分割菱面体1713は、入力光1514を受け取り、それを2つの中間光1715aおよび1715bに分離する。分割菱面体1713には、入力光1514を分割するための非偏光分割面1717a、および中間光1715bを中間光1715aに平行にするための反射面1717bが含まれる。図17cは、図17aの面に垂直な平面内にあり、入力光1514を含む。
【0305】
偏光分割器1512によって、中間光1715aおよび1715bは、基準光1716aおよび1716b(点線)と測定光1718aおよび1718b(実線)に分離されるが、これらは直線偏光されており互いに直交している。図17aは、1組の基準光および測定光のみを示し、他の組の光は、図17aの面に平行な第2面の第1組に平行に伝播する。これ以降の基準光および測定光の説明では、特に指定のない限り、光1716および1718のように両方の組を同時に言及する。
【0306】
偏光分割器1512によって、測定光1718は光操作系1520に導かれ、光操作系1520によって、この測定光は複合基準再帰反射鏡1732を通って導かれる。複合基準再帰反射鏡は、台形状であり、その中央を通過する光は再帰的に反射されない。その結果、光操作系1520によって、測定光1718は、ステージミラー1534すなわち測定対象物にほぼ垂直な入射角で当たるように導かれる。そして、ステージミラー1534によって、測定光は反射され、光操作系1520および偏光分割器1512へ同じ経路を辿って戻る。測定光は4分の1波長板1536を2回通過するが、この4分の1波長板は光操作系1520と偏光分割器1512の間に位置し、測定光の直線偏光が90°回転する。
【0307】
偏光分割器1512によって、基準光1716は、光操作系1520に導かれ、光操作系1520によって基準光は複合基準再帰反射鏡1732に導かれる。そして、この複合基準再帰反射鏡によって、基準光は光操作系1520に戻され、さらに偏光分割器1512に導かれる。また、基準光も4分の1波長板1536を2回通過し、これによってその直線偏光が90°回転する。そして、偏光分割器1512によって、偏光回転した基準光1716aおよび測定光1718aが再び合成され、出力光1740aが形成されるが、これには、部分的に重なる出射基準光および測定光が含まれる。また偏光回転された基準光1716bおよび測定光1718bが再び合成されて出力光1740bが形成されるが、これには部分的に重なる出射基準光および測定光が含まれる。
【0308】
図17bは、図17aの面に垂直な面からみた装置の図であり、この装置にはステージミラー1534面が含まれる。図17bは、菱面体1713上の入力光1514、複合基準再帰反射鏡1732上の基準光1716aおよび1716b、ステージミラー1534上の測定光1718aおよび1718b、および偏光分割器1512から出射される出力光1740aおよび1740bの横断面を示す。
【0309】
光分割器1542によって、出力光1740aの一部が検出装置1544に送られ、検出装置1544によって、出力光の出射基準光および出射測定光の伝播方向における差が測定される。この検出装置によって、このような差を示すエラー信号1550がサーボ制御装置1530に送られ、既に述べたように、サーボ制御装置1530によって信号1528が光操作系1520に送られ、光操作系の向きがエラー信号に応じて変えられる。
【0310】
出力光1740bおよび残りの出力光1740aは、偏光板を各々通過し、出射基準光および出射測定光成分の偏光が混合される。上述したように、信号処理装置1748はこの混合光を受け取り、基準光1716aと測定光1718a間、および基準光1716bと測定光1718b間の光路長の変化を求める。測定された光路長の変化およびステージミラー1534上の測定光1718aおよび1718b間距離に基づき、信号処理装置1548はまたステージミラーの角方位の変化を求める。
【0311】
他の角度測定の実施例において、光操作系は干渉計の外部にあってもよい。このような一実施例には、図15bと同じ干渉測定装置が含まれるが、異なる点は、図17aの実施例のように、分割菱面体(例えば、分割菱面体1713)が偏光分割器1512に取り付けられ、入力光1514が2本の平行伝播光に分割される点と、再帰反射鏡1532が複合再帰反射鏡1732と入れ替わっている点である。分割菱面体および複合再帰反射鏡のために、図17aの実施例によって、出射光1540aおよび1540bが生成されるのと同様に、この干渉計によって2本の出射光が生成される。出射光の処理は図17aの実施例と同様であり、ここで信号処理装置1748等の信号処理装置によって、この2つの出射光から得られる信号に基づいて角度が計算される。
【0312】
変位、角度、あるいはその両方を測定するさらに他の実施例においては、光操作系は、測定対象物を2回通過する干渉計に用いられる。このように2回通過することによって、測定対象物の角方位の範囲を超えて出射基準光および出射測定光の平行度を受動的に維持することができるが、動的光操作系によって、さらに上述した多くの利点が得られる。例えば、動的光操作系によって、出射基準光および出射測定光の横方向の変位、あるいは測定対象物の角方位あるいは位置が変わることによって生じる干渉計内における基準光および測定光の成分の横方向変位を最小にすることができる。図18a乃至cはそのような実施例の概略図を示す。
【0313】
図18a乃至18cの干渉計1810は、上述した図15aと同一であるが、異なる点は、再帰反射鏡1532が複合再帰反射鏡1832(図18bに示す)に入れ替わり、さらにその装置には偏光分割器1512に接続された再循環プリズム1813(図18cに示す)が含まれ、光が装置を介して2回通過するという点である。
【0314】
偏光分割器1512によって、入力光1514が基準光1816(点線)と測定光1818(実線)に分離され、測定光1818が光操作系1520へ導かれ、光操作系1520によって、測定光が複合基準再帰反射鏡1832を介して導かれる。複合基準再帰反射鏡は台形状であり、それの中央を通過する光は再帰反射されない。その結果、光操作系1520によって、測定光1818は、ステージミラー1534すなわち測定対象物にほぼ垂直な入射角で当たるように導かれる。そして、ステージミラー1534によって、測定光が反射され、光操作系1520および偏光分割器1512へ同じ経路を辿って戻る。測定光は4分の1波長板1536を2回通過するが、4分の1波長板1536は、光操作系1520と偏光分割器1512の間に位置し、測定光の直線偏光を90°回転する。
【0315】
偏光分割器1512によって、基準光1816が光操作系1520に導かれ、光操作系1520によって、基準光は複合基準再帰反射鏡1832に導かれる。そして、複合基準再帰反射鏡によって、基準光は光操作系1520に戻され、さらに偏光分割器1512へ導かれる。また、基準光は、4分の1波長板1536を2回通過し、基準光の直線偏光が90°回転する。そして、偏光分割器1512によって、偏光回転された基準光1816および測定光1818が再び合成され、中間光1841が形成される。
【0316】
図18cに示すように、再循環プリズム1813は、中間光1841を受取り、中間光は、図18aの面内への横方向変位を伴い偏光分割器1512に再度導かれる。特に、図18cは、図18aの面に垂直な、また入力光1514を含む面内にある。このように、再循環プリズム1813によって、中間光1841は、図18aの面に平行で第2の面内にある装置を介して、同じ経路を再び辿る。その結果、部分的に重なる出射基準光および測定光が含まれる出力光1840は、入力光1514に平行であり、この第2面内にない干渉計から出射される。
【0317】
図18bは、図18aの面に垂直な面からみた装置を示す図であり、この装置にはステージミラー1534の表面が含まれる。図18bは光分割器1512上の入力光1514と、複合基準再帰反射鏡1832上の基準光1816と、ステージミラー1534上の測定光1818と、再循環プリズム1813上の中間光1841と、さらに偏光分割器1512から出射される出力光1840の横断面図を示す。
【0318】
図18dに示すように、出力光1840の以降の処理は、図15aを参照して述べた出力光1540の処理と同様である。特に、光分割器1542によって、出力光1840の第1の部分が検出装置1844に、第2の部分が偏光板1545を介して信号処理装置1848に送られる。しかしながら、検出装置1544とは異なり、検出装置1844はハイブリッドモードで動作する。特に、図18aの面に平行な面においては、検出装置1844によって、基準光成分に対する出力光1840の測定光成分の伝播方向における変化が測定され、図18aおよび図18bの面に垂直な面においては、基準光成分に対する出力光1840の測定光成分の位置における変化が測定される。一方、検出装置1844によって、ある絶対的な伝播方向および位置に対して、出力光1840の測定光成分の伝播方向および位置が各々測定できる。測定された測定光成分の伝播方向における変化は、図18aの面内にあるステージミラー1534の角方位の変化を示しているのに対して、測定された測定光成分の位置における変化は、図18aの面に垂直な面内にあるステージミラー1534の角方位における変化を示している。検出装置1844によって、ステージミラー1534の角方位における変化を示すエラー信号1550が、測定光成分の測定された変化に基づき、サーボ制御装置1530に送られる。そして、サーボ制御装置1530によって、制御信号1528が光操作系1512に送られ、示されたステージミラー1534の角方位における変化に応じて、光操作要素1522の向きが変えられる。
【0319】
他の2回通過の実施例には、上述した光操作系を、例えば、C.A.ザノニ(Zanoni)による“距離および角度測定用微分干渉計の構成、その原理、利点、および適用例”(VDI ベリッヒテ(Berichte) Nr.749:93−106、1989)で述べられた2回通過型平面鏡干渉計すなわち2回通過型微分平面鏡干渉計と組み合わせる干渉測定装置を含むことができる。また、他の実施例においては、光操作系は干渉計の外部に置くことができ、また、この干渉計によって、測定光が測定対象物に対して2回通過することができる。例えば、図18aの再循環プリズム1813および複合再帰反射鏡1832を組み込む方法と同様に、(この方法によって、干渉計は、基準光および測定光を2回通過させる)、再循環プリズムおよび複合再帰反射鏡を、図15cの干渉測定装置に追加し、基準光および測定光を2回通過させることができる。この後者の場合、再循環プリズムの位置は干渉計と光操作系の間ではなく、むしろ光操作系の下流に位置する。一方、光操作系は、図18eに示すように、高安定平面鏡型干渉計の外部にあってもよい。
【0320】
図18eにおいて、光操作系1520によって、入力光1514が高安定平面鏡型干渉計1870に導かれるが、この高安定平面鏡型干渉計1870は、立方体型偏光分割器1812、再帰反射鏡1882、基準鏡1884、および二つの4分の1波長板1836および1837から構成される。光分割器1812は、偏光分割界面1862を有する。光分割器1812によって、入力光1514は基準光1816(点線)と測定光1818(実線)に分離され、基準光は基準鏡1884側に反射され、測定光1818がステージミラー1534側へ出射される。基準鏡1884によって、基準光1816が反射されて光分割器1812へ戻され、さらに、基準光1816は再帰反射鏡1882に出射されるが、これは4分の1波長板1836を2回通過するためである。次に、再帰反射鏡1882によって、基準光1816が光分割器1812に戻るように導かれ、基準光1816が基準鏡1884に戻るように出射される。再度、基準鏡1884によって、基準光1816が反射されて光分割器1812に戻り、また基準光1816は再度4分の1波長板1836を2回通過する。同様に、ステージミラー1534によって、測定光1818が反射されて光分割器1812に戻り、そして、測定光1818が再帰反射鏡1882に反射されるが、これは測定光が4分の1波長板1837を2回通過するためである。次に、再帰反射鏡1882によって、測定光1818が光分割器1812に戻るよう導かれ、測定光1818が反射されてステージミラー1534に戻される。再度、ステージミラー1534によって、測定光1818が反射されて光分割器1812に戻され、測定光1818が再度4分の1波長板1837を2回通過する。光分割器1812と再帰反射鏡1882間の基準光および測定光は共線上にあるが、図18eでは明確にするためにそれらを別々に示していることに留意されたい。
【0321】
この時点で、基準光1816は基準鏡1884に2度接触し、2回通過しており、また測定光1818はステージミラー1534に2度接触し、2回通過している。ここで、光分割器1812によって、2回通過した基準光および測定光が中間光1889と再び合成され、そして光操作系1520によって導かれて、出力光1880を形成する。
【0322】
出力光1880の以降の処理は、図18fに示すように、図15aを参照して述べた出力光1540の処理と同様である。特に、光分割器1542によって、出力光1880の第1の部分が検出装置1884に送られ、第2の部分が偏光板1545を介して信号処理装置1548に送られる。しかしながら、検出装置1544とは異なり、検出装置1884によって、基準光成分に対する出力光1840の測定光成分の位置における変化が測定されが、基準光成分に対して測定光成分の伝播方向における変化は測定されない。このことは、再帰反射鏡1870を2回通過することによって、出力光1840の測定光成分および基準光成分が、ステージミラー1534の角方位の変化に拘わらず、互いに平行になるためである。しかしながら、このような変化によって、出力光1880の測定光成分に横方向の変位が生じる。このように、図18eの面内における横軸に沿った出力光1880の測定光成分の位置における測定された変化は、図18eの面内におけるステージミラー1534の角方位の変化を示し、図18eの面に垂直な横軸に沿う出力光1880の測定光成分の位置における測定された変化は、図18eの面に垂直な面内におけるステージミラー1534の角方位の変化を示す。他の実施例においては、検出装置1884によって、基準光成分に対してではなく、何らかの絶対位置に対して出力光1840の測定光成分の位置における変化が測定され、ステージミラー1534の角方位の変化が求められる。いずれの場合でも、検出装置1884によって、ステージミラー1534の角方位の変化を示すエラー信号1550が、測定光成分の位置における測定された変化に基づき、サーボ制御装置1530に送られる。そして、サーボ制御装置1530によって、制御信号1528が光操作系1512に送られ、光操作要素1522が、ステージミラー1534の角方位における示された変化に応じて向きを変えられる。
【0323】
上述したように、測定対象物の角方位あるいは位置が変化することによって生じる出射基準光と出射測定光間の横方向の変位を最小にするために、光操作系によって入力光および出力光の向きが再度変えられる。その結果、光操作系によって、測定対象物の角方位あるいは位置が変化することによって生じる干渉計内における光成分の横方向の変位も減少する。他の実施例においては、出力光の一部に基づき光操作系用の制御信号を決定せず、干渉計内の測定光成分によってこの制御信号を決定することができる。
【0324】
上述した全ての干渉測定装置において、入力光、基準光、測定光、中間光、および出力光には、複数の充分に分離された波長が含まれ、測定対象物に至る測定経路に沿って分散が測定される。充分に分離された波長には、例えば、レーザの基本波長および周波数2倍波長から生成される、基本波および周波数2倍波長Nd:Yagにおける1064および532nm、あるいは周波数2倍波長および周波数4倍波長Nd:Yagにおける532および266nm等がある。こうした光源の1つに、ヘリウム−ネオンレーザ光源があるが、これは、ウィリアム(William)A.シュル(Shull)およびカール(Carl)A.ザノニ(Zanoni)による、出願日1999年4月28日、弁理士登録No.09712/032001の、米国特許出願第_号、表題“変位および分散測定用干渉計に用いる二つの調和級数的に関連付けられた単一周波数波長を生成するヘリウム−ネオンレーザ光源”に記載されており、その内容は、参考として本明細書に引用している。複数波長での測定対象物までの光路長における変化の測定を用いて、測定経路に沿って空気外乱がある場合の変位測定を補正し、光路長変化を幾何的な経路長変化に変換することができる。
【0325】
図19a乃至19bは、変位・分散干渉測定装置を示す概略図である。レーザ光源1980によって、光線1981が生成されるが、この光線は充分分離された単一周波数波長λ1 およびλ2 を有する2本の光線の同延重ね合わせである。波長比(λ1 /λ2 )は、少なくとも概ねl1 /l2 と表すことのできる既知の値であり、ここでl1 およびl2 は整数である。実施例によっては、この2つの波長は調和級数的に関連付けられている。ダイクロック光分割器1983によって、重ね合わせ光1981が、2本の単一波長光1982および1988に分割され、ここで光1982は波長λ1 、光1988は波長λ2 である。光1982は、ドライバ1995によって駆動される第1の音響光学変調装置1993を通過し、光1999となる。同様に、光1988は、鏡1989によって方向を変えられた後、ドライバ1996によって駆動される第2の音響光学変調装置1994を通過し、光1990となる。音響光学変調装置1993および1994は各々、光1999および1990の直交する直線偏光成分間で各々周波数分割を行なう。
【0326】
特に、音響光学変調装置1993によって、光1982のx−偏光成分の光学周波数が、y−偏光成分を基準として量f1 だけシフトし、光1999が生成される。同様に、音響光学変調装置1994によって、光1988のx−偏光成分の光学周波数が、y−偏光成分を基準として量f2 だけシフトし、光1990が生成される。この説明において、z軸は光の伝播方向と同一線上にあり、x軸はz軸に垂直な図19aの面内にあり、y軸は図19aの面に垂直である。周波数シフトf1 およびf2 の値は、ドライバ1995および1996によって各々求められ、大きさは様々であるが、λ1 およびλ2 で定義される光学周波数より小さい(例えば、約10-7以下)。音響光学変調装置1993および1994には各々、少なくとも1つの音響光学変調装置、およびプリズムおよび複屈折要素のような1つ以上の追加的な光学要素が含まれる。好適な音響光学変調装置が、G.E.ソマルグレン(Sommargren)による米国特許第4,684,828号および第4,687,958号、さらにH.A.ヒル(Hill)による1998年4月17日出願の米国特許出願第09/061,928号に述べられており、これらの全内容は参照のために本明細書に引用している。音響光学変調装置によってもたらされる周波数分割によって、ヘテロダイン干渉測定技術を用いることができる。また、この技術分野で知られている他の周波数分割技術を用いても、ヘテロダイン周波数分割を行なうこともできる。一方、他の実施例においては、周波数分割が必要ない場合、ホモダイン干渉測定技術を用いることができる。
【0327】
実施例によっては、音響光学変調装置1993および1994のいずれか、あるいは両方によって、周波数オフセットが光1982および1988の両方の偏光成分に各々追加的に導入される。例えば、音響光学変調装置1993によって、光1982のx−偏光成分をf0 だけシフトし、またそのy−偏光成分をf0 +f1 だけシフトし、また音響光学変調装置1994によって、光1988のx−偏光成分をf0 ' だけシフトし、さらにそのy−偏光成分をf0 ' +f2 だけシフトすることができる。周波数オフセットによって、光源1980と干渉計下流間の分離を改善することができる。
【0328】
光1999は、鏡1912によってダイクロイック光分割器1914に導かれ、これによって光1999および光1990が光1920に合成される。このように光1920は、λ1 において周波数シフトされた直交偏光成分、およびλ2 において周波数シフトされた直交偏光成分から構成され、これらは全て、実質的に同延および同一線上にある。光整形光学部品1910によって、λ2 における光1920の成分が同じような直径を有するように、また特に、λ2 における光1920の成分が持つプロファイルのように類似の横方向の光強度特性を有するように、光1999の横方向の空間プロファイルが修正される。他の実施例においては、光整形光学部品1910は、音響光学変調装置の前あるいは後のいずれに置いてもよく、互いに分離されている限り、λ1 の光、あるいはλ2 の光を変えることができる。好適な光整形光学部品には、例えば、光拡大器、光圧縮器、可変密度フィルタ、およびアポダイゼーションマスクが含まれる。このような要素は、別々に、あるいは組み合わせて用いて、類似の横方向の光強度プロファイルを生成することができる。
【0329】
光1920は、干渉計ユニット1960に導かれ、この干渉計ユニットには上述の実施例全てにおいて述べたように、干渉計および光操作系が含まれる。干渉計ユニット1960によって、出射光1913が生成されるが、これは、2つの波長が各々λ1 およびλ2 である部分的に重なる1組の出射基準光および出射測定光から構成される。上述したように、干渉計ユニット1960における動的制御装置によって、出射光1915上における測定対象物の角方位あるいは位置における変化量が減少する。干渉計ユニット1960における基準経路および測定経路を分離することによって、波長λ1 の出射光1915のx−偏光成分とy−偏光成分間の位相シフトψ1 が生じ、波長λ2 の出射光1915のx−偏光成分とy−偏光成分間の位相シフトψ2 が生じる。位相シフトを表す式は次で与えられる。
【0330】
【数3】
ここで、Lは測定光1918が進んだ往復の距離、pは干渉計における往復通過の回数(ここで述べる干渉計はp=1)、nj は波数kj =(2π)/λj の気体1998の平均屈折率、およびζj は波長λj に対する位相オフセットであり、これには位相シフトψj の全ての因子が含まれているが、この位相シフトは、測定光1918が進む経路には関係しない。波長λ1 およびλ2 の測定光1918の成分は、同じ幾何的距離Lを進むが、異なる屈折率n1 およびn2 に遭遇するため、位相ψj は測定対象物への測定経路に沿う分散を求めるために用いることができる。
【0331】
偏光板1944(例えば、図19aの面に対して45°に向けられている)によって、波長が各々λ1 およびλ2 である出射光1915のx−およびy−偏光成分が混合され、混合光1919が生じる。そして、ダイクロイック光分割器1980によって、混合光1919が、波長λ1 の第1の信号光1917と波長λ2 の第2の信号光1918に分離される。光電検出装置1985および1986によって、干渉、ヘテロダイン信号s1 およびs2 が各々生成するために、信号光1917および1918の経時変化光強度が各々測定される。信号sj は次のようになる。
【0332】
【数4】
ここで、時間依存引き数αj (t)は次の式で与えられる。
【0333】
【数5】
ヘテロダイン信号s1 およびs2 は、各々電子信号1903および1904として解析を行う処理装置1909にデジタル形式あるいはアナログ形式で送信される。また、処理装置1909も、電子信号1901および1902をドライバ1995および1996から各々受け取るが、電子信号1901および1902は、各々駆動周波数(例えば、ヘテロダイン分割周波数f1 およびf2 )および位相を示す。
【0334】
図19bにおいて、さらに処理装置1909には、位相ψ1 およびψ2 を各々求めるために電子処理装置1094Aおよび1094Bが含まれている。処理装置1094Aによって、信号1903(s1 )および信号1901(ドライバ1995用のf1 のヘテロダイン基準位相)に基づきψ1 が求められ、また処理装置1094Bによって、信号1904(s2 )および信号1902(ドライバ1995用のf2 のヘテロダイン基準位相)に基づきψ2 が求められる。処理装置には、デジタルあるいはアナログ信号処理技術のいずれでも用いることができ、例えばこれには、デジタルヒルバート変換位相検出装置のような時間ベース位相検出が含まれる。例えば、R.E.ベスト(Best)による“位相ロックループ、その理論、設計、および適用例”第2版(マグロウ−ヒル(McGraw−Hill)、ニューヨーク、1993年)の4.1.1項を参照されたい。他の実施例においては、信号1901および1902は、各々光1999および1990の一部の偏光成分を混合することによって生じる混合基準位相光から導くこともできる。
【0335】
処理装置1094Aおよび1094Bによって求められる位相ψ1 およびψ2 は、好ましくはデジタル処理によって、電子処理装置1095Aおよび1095Bで各々、l1 /pおよびl2 /pを各々乗ぜられ、この結果、各々位相(l1 /p)ψ1 および(l2 /p)ψ2 となる。次に、位相(l1 /p)ψ1 および(l2 /p)ψ2 は、好ましくはデジタル処理によって、電子処理装置1096Aで互いに加算され、電子処理装置1097Aで一方から他方を減算し、各々位相ΘおよびΦとなり、次のように表される。
【0336】
【数6】
【数7】
再び図19aにおいて、位相ψ1 、Θ、およびΦは、デジタルあるいはアナログのいずれかの形式で、コンピュータ1910に信号1905として送信される。
【0337】
測定対象物への測定経路における気体の屈折率(n1 −1)は、次の公式を用いて計算することができる。
【0338】
【数8】
【0339】
ここで、
【数9】
【0340】
【数10】
【0341】
【数11】
量Γは気体の分散率の逆数であり、これは環境条件および気体中の外乱にほとんど依存しない。
【0342】
【数12】
ここで、
【数13】
【数14】
Γの値は、気体組成に基づいて、また気体成分の波長依存性の屈折率に基づいて算出してもよい。例えば、波長λ1 が632.8nm、λ2 が316.4nmである場合、Γは約21.4になる。
【0343】
こうした変位測定干渉に関する応用例の場合、ヘテロダイン位相ψ1 、位相ΘおよびΦは、幾何的距離Lを求めるために用いてもよく、Lは、測定経路における気体1998の屈折率の影響に依存しない。これには、次の公式が用いられる。
【0344】
【数15】
波長比は、数(9)および(10)から(Κ/χ)によって表すと、以下のようになる。
【0345】
【数16】
次の条件で動作する場合、
【数17】
位相ΦおよびΘの比は、次の近似値を有する。
【0346】
【数18】
ここでεは、気体の屈折率の測定、あるいは気体による測定区間の光路長における変化の測定に対して望まれる相対的な精度であり、次の不等式が適用される。
【0347】
【数19】
数(8)および(15)は、さらに簡略な形にすると、各々次のようになる。
【0348】
【数20】
【0349】
【数21】
上記の式を用いて、コンピュータ1910は、(n1 −1)、L、および/または処理装置1909からの信号1905に基づきLの変化を算出する。また、Lに対する同様な計算もn2 について行うことができる。
【0350】
ここで述べた実施例においては、干渉計ユニット1960によって、入力光1920が受け取られ、出射光1915が生成されるが、これには各々、波長λ1 およびλ2 の両方が含まれる。他の実施例においては、干渉計ユニットには、直接信号1917および1918を生成するために、偏光板1944およびダイクロイック光分割器1980を含むことができる。また、波長λ1 およびλ2 両方が含まれる場合、出射光1915の偏光を混合するのではなく、むしろ干渉計ユニットによって、光1915を波長λ1 あるいはλ2 のいずれかを有する光に分割し、そして各分割光の偏光を混合し、信号光1917および1918を生成する。さらに、他の実施例においては、干渉計ユニットには、各々波長λ1 およびλ2 の2つの入力光を両方の波長で一つの入力光に合成するために、ダイクロイック光分割器1914を含むことができる。また、干渉計ユニットは、波長λ1 およびλ2 の分離入力光を各々受け取ることができ、また1つ以上のダイクロイック光分割器を含むことができ、各入力光が各々の波長において基準光および測定光に分離される。後者の場合には、干渉計ユニットによって、波長λ1 およびλ2 の測定光が測定対象物に接触する共通経路に沿って導かれ、そして、各測定光が各々の基準光と再合成される。
【0351】
図19cは、このような干渉計ユニット1961の概略図である。偏光分割器1948aによって、波長λ1 の入力光1950aが両方共波長λ1 の基準光1952aおよび測定光1954aに分離される。同様に、偏光分割器1948bによって、波長λ2 の入力光1950bが両方共波長λ2 の基準光1952bおよび測定光1954bに分離される。例えば、入力光1950aおよび1950bは、図19aから、各々光1990および1999であってもよい。偏光分割器1948aおよび1948bは、各々偏光分割面1961aおよび1961b、および各々反射面1962aおよび1962bを有する。ダイクロイック光分割器1956によって、基準光1952aおよび1952bが合成され、波長λ1 およびλ2 両方を有する基準光1962となり、測定光1954aおよび1954bが合成され、波長λ1 およびλ2 両方を有する測定光1964となる。基準光1952a、1952b、および1962は、図19cにおいて破線で示し、一方、測定光1954a、1954b、および1964は図19cにおいて実線で示す。
【0352】
基準光1962および測定光1964は光操作系1520に伝播し、これによって基準光は再帰反射鏡1532に、測定光はステージミラー1534に導かれる。再帰反射鏡1532およびステージミラー1534によって、基準光および測定光が各々反射され、光操作系1520に戻り、この光操作系によって、光はダイクロイック光分割器1956に戻るように向きを変えられる。そしてダイクロイック光分割器1956によって、基準光1962は、各々波長λ1 およびλ2 を有する基準光1952aおよび1952bに戻るように分離され、また基準光1964は、各々波長λ1 およびλ2 を有する測定光1954aおよび1954bに戻るように分離される。そして、基準光1952aおよび測定光1954aは、偏光分割器1948aに伝播し、ここで、4分の1波長板1968aを2回通過するため、偏光分割器1948aによって、再び合成されて、波長λ1 を有する出射光1970aとなる。そして、同様に、基準光1952bおよび測定光1954bは、偏光分割器1948bに伝播し、ここで、4分の1波長板1968bを2回通過するため、偏光分割器1948bによって、それらが再び合成されて、波長λ2 を有する出射光1970bとなる。出射光1970aおよび1970bの内一出射光の一部が、検出装置1544のような検出装置(図示せず)に送られ、制御信号が生成され、この制御信号によって、光操作系1512は、ステージミラー1534の角方位における変化に応じて、基準光1962および測定光1964の向きを変える。このような制御装置の説明は、既に図15aの実施例を参照して述べたものと同じである。
【0353】
出射光1970aおよび1970bは、各々波長λ1 およびλ2 においてステージミラー1534への光路長の変化を示し、これによって、ステージミラーへの測定経路に沿った分散が求められる。特に、偏光板は、図19aを参照して上述した信号光1917および1918を生成するために、各出射光の基準光および測定光成分を混合するために用いることができる。
【0354】
上述された干渉計形システムは、コンピュータ・チップなどの大規模集積回路を作製するリソグラフィ(lithography)用途において特に有用であり得る。リソグラフィは、半導体製造分野に対する重要な技術原動力である。オーバレイの改善は、100nm以下の線幅(設計基準)への最も困難な5つの挑戦のひとつである。例えば、Semiconductor Industry Roadmap(1997)の第82頁を参照。オーバレイは、ウェハおよびレティクル(すなわちマスク)のステージを位置決めすべく使用される距離測定用干渉計の性能すなわち正確さおよび精度に直接的に依存する。リソグラフィ・ツールは5,000万ドル〜1億ドル(〜100M)/年の製品を生成することから、性能が改良された距離測定用干渉計の経済的価値は相当である。リソグラフィ・ツールの歩留まりを1%高めると、集積回路の製造業者は約100万ドル(M)/年の経済的利益を受けると共に、リソグラフィ・ツールの販売者は相当の競争優位性を有することになる。
【0355】
リソグラフィ・ツールの機能は、空間的パターン化放射線をフォトレジスト被覆ウェハへと導向することである。上記処理は、ウェハのどの箇所が放射線(radiation)を受けるかを決定する工程(整列)、および、その箇所でフォトレジストに対して放射線を当てる工程(露光)を含む。
【0356】
ウェハを適切に位置決めすべく、ウェハは専用センサにより測定され得る整列マークを含んでいる。測定された整列マークの位置は、上記ツール内におけるウェハの位置を定義する。この情報は、ウェハ表面の所望パターニングの仕様と共に、空間的パターン化放射線に対するウェハの整列を支配する。斯かる情報に基づき、フォトレジスト被覆ウェハを支持している並進移動可能ステージは、放射線がウェハの正しい箇所を露光する如くウェハを移動する。
【0357】
露光の間において放射線源がパターン化レティクルを照射すると該パターン化レティクルは上記放射線を拡散して空間的パターン化放射線を生成する。レティクルはマスクとも称されると共に、該語句は以下において互換可能に使用される。縮写リソグラフィ(reduction lithography)の場合、縮写レンズは拡散放射線を収束してレティクル・パターンの縮写イメージを形成する。代替的に近接プリンティングの場合、ウェハと接触する前に拡散放射線は(典型的にはミクロンのオーダーの)短距離を伝搬し、レティクル・パターンの1:1イメージを生成する。上記放射線はレジスト内で、放射線パターンをレジスト内の潜像に変換する光化学プロセスを開始させる。
【0358】
上述の干渉計形システムは、ウェハおよびレティクルの位置を制御する位置決め機構であってレティクル像をウェハ上に位置合わせする位置決め機構の重要構成要素である。
【0359】
概略的に、露光システムとも称されるリソグラフィ・システムは典型的に、照射システムおよびウェハ位置決めシステムを含んでいる。上記照射システムは、紫外線、可視光線、X線、電子もしくはイオン放射などの放射線を提供する放射線源と、放射線に対してパターンを加えることにより空間的パターン化放射線を生成するレティクルもしくはマスクとを含んでいる。これに加えて縮写リソグラフィの場合、上記照射システムは空間的パターン化放射線をウェハ上へと作像するレンズ・アセンブリを含み得る。作像された放射線は、ウェハ上に被覆されたレジストを露光する。上記照射システムはまた、マスクを支持するマスク・ステージと、上記マスクを介して導向される放射線に対して上記マスク・ステージの位置を調節する位置決めシステムとを含む。上記ウェハ位置決めシステムは、ウェハを支持するウェハ・ステージと、作像化放射線に対して上記ウェハ・ステージの位置を調節する位置決めシステムとを含む。また、集積回路の作製は複数の露光工程を含み得る。リソグラフィに関しては概略的に、例えばマイクロ・リソグラフィ:科学および技術(Microlithography:Science and Technology)(Marcel Dekker,Inc.,ニューヨーク、1998)におけるJ.R.SheatsおよびB.W.Smithを参照されたいが、その内容は言及したことにより本明細書中に援用する。
【0360】
上述の干渉計形システムは、レンズ・アセンブリ、上記露光システムの放射線源または支持構造などの他の構成要素に対するウェハ・ステージおよびマスク・ステージの各々の位置を正確に測定すべく使用され得る。斯かる場合、上記干渉計形システムは固定構造に取付けられ得ると共に、測定対象物はマスク・ステージおよびウェハ・ステージの一方などの可動要素に取付られ得る。代替的に、上記干渉計形システムを可動対象物に取付けて測定対象物を固定対象物に取付けることで上記状況は逆とされ得る。
【0361】
更に一般的に上記干渉計形システムは、上記露光システムの任意のひとつの構成要素に対する該露光システムの任意の他の構成要素の位置を測定すべく使用され得るものであり、その場合に上記干渉計形システムは各構成要素のひとつに対して取付けられもしくはそれにより支持され、測定対象物は各構成要素の他のものに対して取付けられもしくはそれにより支持される。
【0362】
図14aには、干渉計形システム1426を使用するリソグラフィ用スキャナ1400の一例が示されている。上記干渉計形システムは、露光システム内のウェハの位置を正確に測定すべく使用される。此処でステージ1422は露光ステーションに対してウェハを位置決めすべく使用される。スキャナ1400はフレーム1402を備えるが、該フレーム1402は他の支持構造と、それらの構造上に担持された種々の構成要素とを担持する。露光ベース1404の頂部にはレンズ・ハウジング1406が取付けられるが、該レンズ・ハウジング1406の頂部にはレティクルもしくはマスクを支持すべく使用されるレティクル・ステージもしくはマスク・ステージ1416がが取付けられる。上記露光ステーションに対して上記マスクを位置決めするための位置決めシステムは、要素1417により概略的に表される。位置決めシステム1417は例えば、圧電変換器要素および対応する制御用電子的機器などを含み得る。尚、本記述実施例には含まれていないが、リソグラフィ的構造を作製するためのプロセスにおいてその位置が正確に監視されるべきマスク・ステージならびに他の可動要素の位置を正確に測定すべく、上述の干渉計形システムは1台以上使用され得る(上記したSheatsおよびSmithのマイクロ・リソグラフィ:科学および技術を参照)。
【0363】
露光ベース1404の下には、ウェハ・ステージ1422を担持する支持ベース1413が吊下される。ステージ1422は、干渉計形システム1426により該ステージに導向された測定ビーム1454を反射する平面鏡1428を含む。干渉計形システム1426に対してステージ1422を位置決めする位置決めシステムは、概略的に要素1419により示される。位置決めシステム1419は例えば、圧電変換器要素および対応する制御用電子的機器などを含み得る。上記測定ビームは、露光ベース1404上に取付けられた上記干渉計形システムへと戻り反射する。上記干渉計形システムは、前述の各実施例のいずれかとされ得る。
【0364】
作業工程の間、例えば(不図示の)UVレーザからの紫外線(UV)ビームなどの放射線ビーム1410はビーム波形成形光学アセンブリ1412を通過し、鏡1414で反射した後に下方へ進行する。その後に上記放射線ビームはマスク・ステージ1416により担持された(不図示の)マスクを通過する。(不図示の)マスクは、レンズ・ハウジング1406に担持されたレンズ・アセンブリ1408を介し、ステージ1422上の(不図示の)ウェハに作像される。ベース1404および該ベースにより支持された種々の構成要素は、スプリング1420により示された緩衝システムにより周囲振動から遮断される。
【0365】
上記リソグラフィ用スキャナの他の実施例においては、例えば限定的なものとしてでなくウェハおよびレティクル(またはマスク)ステージに関する複数の軸心に沿った距離および角度を測定すべく、上記した干渉計形システムの1台以上が使用され得る。同様に、ウェハを露光するためにはUVレーザ・ビームではなく、例えばX線ビーム、電子ビーム、イオン・ビームおよび可視光ビームなどの他のビームも使用され得る。
【0366】
上記リソグラフィ用スキャナは更に、干渉計形システム1426が基準ビームをレンズ・ハウジング1406に導向するというカラム標点(column reference)、または、上記干渉計形システムの内部の基準経路以外で放射線ビームを導向する他の一定の構造を含み得る。ステージ1422から反射された測定ビーム1454およびレンズ・ハウジング1406から反射された基準ビームを組合せて干渉計形システム1426により生成される干渉信号は、上記放射線ビームに対する上記ステージの位置の変化を表す。更に、他の実施例において上記干渉計形システム1426は、マスク(もしくはレティクル)ステージ1416の位置または上記スキャナ・システムの他の可動構成要素の位置の変化を測定すべく位置決めされ得る。同様に他の実施例においては、干渉計形システム1426および平面鏡1428の位置は、干渉計形システムを可動ステージ上とし且つ平面鏡を支持構造に固定して、逆配置され得る。最後に、上記干渉計形システムは、スキャナに加え又はスキャナではなくステッパを含むリソグラフィ・システムと共に同様の手法で使用され得る。
【0367】
当業界で公知の如く、リソグラフィは半導体デバイスを作成する製造方法の重要な部分である。例えば米国特許第5,483,343号は斯かる製造方法に対する工程を概説している。これらの工程は図14bおよび図14cを参照して以下に記述される。図14bは、半導体チップ(例えばICもしくはLSI)、液晶パネルもしくはCCDなどの半導体デバイスを製造する手順のフローチャートである。工程1451は、半導体デバイスの回路を設計する設計処理である。工程1452は、回路パターン設計に基づきマスクを製造する処理である。工程1453は、ケイ素などの材料を用いてウェハを製造する処理である。
【0368】
工程1454は、その様に調製されたマスクおよびウェハを用いてリソグラフィによりウェハ上に回路が形成される予備処理と称されるウェハ処理である。工程1455は、工程1454により処理されたウェハが半導体チップへと形成される後処理と称される組立工程である。この工程は、組立て(ダイシングおよびボンディング)およびパッケージ化(チップ・シーリング)を含む。工程1456は検査工程であり、工程1455により生成された半導体デバイスの動作チェック、耐久性チェックなどが実行される。これらの処理により半導体デバイスは完成されて出荷される(工程1457)。
【0369】
図14cは、上記ウェハ処理の詳細を示すフローチャートである。工程1461は、ウェハの表面を酸化する酸化処理である。工程1462は、ウェハ表面上に絶縁膜を形成するCVD処理である。工程1463は、蒸着によりウェハ上に電極を形成する電極形成処理である。工程1464は、ウェハ内にイオンを注入するイオン注入処理である。工程1465は、ウェハに対してレジスト(感光材料)を塗付するレジスト処理である。工程1466は、上述の露光装置を用いて露光によりウェハ上にマスクの回路パターンを印刷する露光処理である。工程1467は、露光されたウェハを現像する現像処理である。工程1468は、現像されたレジスト像以外の部分を除去するエッチング処理である。工程1469は、上記エッチング処理を受けた後でウェハ上に残存するレジスト材料を分離するレジスト分離処理である。これらの処理を反復することにより、ウェハ上には回路パターンが形成かつ重畳される。
【0370】
上述の干渉計形システムはまた、対象物の相対位置が正確に測定される必要のある他の用途でも使用され得る。例えば、基板もしくはビームのいずれかが移動するときにレーザ、X線、イオンもしくは電子ビームなどの書込みビームが基板上にパターンをマークするという用途において、上記干渉計形システムは基板と書込みビームとの間の相対移動を測定すべく使用されうる。
【0371】
一例として、図16にはビーム書込みシステム1600の概要が示されている。ビーム源1610は書込みビーム1612を生成すると共に、ビーム焦点合せアセンブリ1614は可動ステージ1618により支持された基板1616へと放射線ビームを導向する。上記ステージの相対位置を決定すべく干渉計形システム1620は、ビーム焦点合せアセンブリ1614に取付けられた鏡1624へと基準ビーム1622を導向し、且つ、ステージ1618に取付けられた鏡1628へと測定ビーム1626を導向する。干渉計形システム1620は、上述の干渉計形システムの任意のものとされ得る。上記干渉計形システムにより測定された位置の変化は、基板1616上の書込みビーム1612の相対位置の変化に対応する。干渉計形システム1620は、基板1616上の書込みビーム1612の相対位置を示す測定信号1632をコントローラ1630へと送信する。コントローラ1630は、ステージ1618を支持して位置決めするベース1636へと出力信号1634を送信する。これに加えてコントローラ1630は書込みビーム1612の強度を変更しもしくは遮断するための信号1638をビーム源1610へと送信することから、上記基板の選択位置においてのみ光物理的もしくは光化学的な変化が起きるに十分な強度で上記書込みビームが基板に衝当する。更に一定の実施例においてコントローラ1630によればビーム焦点合せアセンブリ1614は、例えば信号1644を使用して上記基板の所定領域上を書込みビームでスキャンし得る。結果としてコントローラ1630は上記基板をパターン化すべく、上記システムの他の構成要素を制御する。上記パターニングは典型的には、上記コントローラ内に記憶された電子設計パターンに基づく。一定の用途において上記書込みビームは基板上に被覆されたレジストをパターン化すると共に、他の用途において上記書込みビームは基板を直接的にパターン化し例えばエッチングする。
【0372】
斯かるシステムの重要な用途は、上述したリソグラフィ方法で使用されるマスクおよびレティクルの作製である。例えばリソグラフィ・マスクを作製するには、クロム被覆ガラス基板をパターン化すべく電子ビームが使用され得る。その様に書込みビームが電子ビームであるという場合、上記ビーム書込みシステムは真空内の電子ビーム経路を囲繞する。同様に、上記書込みビームが例えば電子もしくはイオン・ビームである場合に上記ビーム焦点合せアセンブリは、真空下で基板上へと荷電粒子を焦点合わせして導向する4極式レンズ(quadrapole lens)などの電界発生器を含む。書込みビームが例えばX線、UVもしくは可視光である別の場合、上記ビーム焦点合せアセンブリはその放射線を基板へと焦点合わせして導向する対応光学機器を含む。
【0373】
本発明はその詳細な説明に関して記述されたが、上記記述は添付の請求の範囲により定義された発明の範囲を限定するのではなく例示することを意図していることは理解されよう。
【0374】
例えば上述された各実施例は基準経路および測定経路の間の光学的経路長差における変化を決定すべくヘテロダイン検波を使用したが、上記干渉計形システムは、基準ビームおよび測定ビームの周波数が同一であるというホモダイン検波も使用し得る。斯かる場合に非分極ビームスプリッタは、重複する出射基準ビームおよび測定ビームにより形成される出力ビームを2つの成分に分割し、その一方が四分の一波長板を通過する。その後に2つの成分の各々が偏光子を通過することにより、一対の検出器により夫々測定される一対の混合光信号を生成する。各検出器により測定された電気信号は相互に位相直交であると共にコンピュータにより処理されて、公知のホモダイン処理技術を使用して光経路長差の変化が決定される。
【0375】
更に、基準ビームが基準対象物から反射されるという他の実施例において上記干渉計形システムは、基準対象物の角度的配向もしくは位置の変化に応じて基準ビームを再導向する一個以上の付加的なビーム操作アセンブリ(および対応するコントローラおよび検出器)を含み得る。
【0376】
最後に、他の実施例において上記ビーム操作アセンブリは、位置決めシステムにより配向される鏡とは異なるものとされ得る。例えば上記ビーム操作アセンブリは次の要素の一個以上を含み得る:電気光学式もしくは音響光学式のビーム偏向器、回転する一対の光学くさび(Riselyプリズム)、可変くさび要素、および、光ビームの方向を変更し得る他の任意の要素。
【0377】
他の見地、利点および改変は添付の請求の範囲の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【図1a】 本干渉計使用システムの第一実施例の略図であり、下方平面でのビーム伝達を示す。
【図1b】 本干渉計使用システムの第一実施例の略図であり、上方平面でのビーム伝達を示す。
【図1c】 本干渉計使用システムの第一実施例の略図であり、図1aおよび1bに示された本システムの左端からのビーム伝達を示し、図1cの平面は、図1aおよび1bの平面と直交する。
【図1d】 本干渉計使用システムの第一実施例の略図であり、本システムの成分に入射および本システムの成分から射出するビームの断面図である。
【図1e】 本干渉計使用システムの第一実施例の略図であり、検出器システムの略図である。
【図1f】 本干渉計使用システムの第一実施例の略図であり、路長変動を検討するのに用いる線図である。
【図2a】 本干渉計使用システムの第二実施例の略図であり、上方平面でのビーム伝達を示す。
【図2b】 本干渉計使用システムの第二実施例の略図であり、図2aの挿入図である。
【図2c】 本干渉計使用システムの第二実施例の略図であり、図2aおよび2dに示された本システムの左端から見たビーム伝達を示し、図2cの平面は、図2aおよび2dの平面と直交する。
【図2d】 本干渉計使用システムの第二実施例の略図であり、下方平面でのビーム伝達を示す。
【図2e】 本干渉計使用システムの第二実施例の略図であり、図2aおよび2dに示されたシステム部分の底面図から見たビーム伝達を示す。
【図2f】 本干渉計使用システムの第二実施例の略図であり、本システムの成分に入射および本システムの成分から射出するビームの断面図である。
【図3a】 本干渉計使用システムの第三実施例の略図であり、図3dの挿入図である。
【図3b】 本干渉計使用システムの第三実施例の略図であり、上方平面でのビーム伝達を示す。
【図3c】 本干渉計使用システムの第三実施例の略図であり、図3bおよび3dの平面と直交するビーム伝達を示す。
【図3d】 本干渉計使用システムの第三実施例の略図であり、下方平面でのビーム伝達を示す。
【図3e】 本干渉計使用システムの第三実施例の略図であり、図3dの挿入図である。
【図3f】 本干渉計使用システムの第三実施例の略図であり、図3bおよび3dの平面と直交し、図3cの平面とも直交する平面における図3bおよび3dに示される本システムの右端から見たビームの断面図である。
【図4a】 本干渉計使用システムの第4実施例の略図であり、図4dの挿入図である。
【図4b】 本干渉計使用システムの第4実施例の略図であり、上方平面でのビーム伝達を示す。
【図4c】 本干渉計使用システムの第4実施例の略図であり、図4bおよび4dの平面と直交するビーム伝達を示す。
【図4d】 本干渉計使用システムの第4実施例の略図であり、下方平面でのビーム伝達を示す。
【図4e】 本干渉計使用システムの第4実施例の略図であり、図4dの挿入図である。
【図4f】 本干渉計使用システムの第4実施例の略図であり、図4bおよび4dの平面と直交し、図4cの平面とも直交する平面における図4bの右側から見たビームの断面図である。
【図5】 本干渉計使用システムの第5実施例の略図である。
【図6a】 本干渉計使用システムの第6実施例の略図であり、直交平面でのビーム伝達を示す。
【図6b】 本干渉計使用システムの第6実施例の略図であり、直交平面でのビーム伝達を示す。
【図7a】 本干渉計使用システムの第7実施例の略図を示し、直交平面でのビーム伝達を示す。
【図7b】 本干渉計使用システムの第7実施例の略図を示し、直交平面でのビーム伝達を示す。
【図8a】 本干渉計使用システムの第8実施例の略図である。
【図8b】 本干渉計使用システムの第8実施例の略図であり、図8aの平面と直交する平面でのビーム伝達を示す。
【図8c】 本干渉計使用システムの第8実施例の略図であり、図8aの平面と直交する平面でのビーム伝達を示す。
【図9a】 本干渉計使用システムの第9実施例の略図である。
【図9b】 本干渉計使用システムの第9実施例の略図であり、図9aの平面と直交する平面でのビーム伝達を示す。
【図9c】 本干渉計使用システムの第9実施例の略図であり、図9aの平面と直交する平面でのビーム伝達を示す。
【図10a】 本干渉計使用システムの第10実施例の略図である。
【図10b】 本干渉計使用システムの第10実施例の略図であり、図10aの平面と直交する平面でのビーム伝達を示す。
【図10c】 本干渉計使用システムの第10実施例の略図であり、図10aの平面と直交する平面でのビーム伝達を示す。
【図11a】 本干渉計使用システムの第11実施例の略図である。
【図11b】 本干渉計使用システムの第11実施例の略図であり、図11aの平面と直交する平面でのビーム伝達を示す。
【図11c】 本干渉計使用システムの第11実施例の略図であり、図11aの平面と直交する平面でのビーム伝達を示す。
【図11d】 本干渉計使用システムの第11実施例の略図であり、図11aの拡張図である。
【図11e】 本干渉計使用システムの第11実施例の略図であり、図11dの挿入図である。
【図11f】 本干渉計使用システムの第11実施例の略図であり、図11dの挿入図である。
【図12a】 本干渉計使用システムの第12実施例の略図である。
【図12b】 本干渉計使用システムの第12実施例の略図であり、図12aの平面と直交する平面でのビーム伝達を示す。
【図12c】 本干渉計使用システムの第12実施例の略図であり、図12aの拡張図である。
【図12d】 本干渉計使用システムの第12実施例の略図であり、図12cの挿入図である。
【図12e】 本干渉計使用システムの第12実施例の略図であり、図12cの挿入図である。
【図13a】 本干渉計使用システムの第13実施例の略図である。
【図13b】 本干渉計使用システムの第13実施例の略図であり、図13aの平面と直交する平面でのビーム伝達を示す。
【図14a】 石版印刷および集積回路を製造するその用途に関し、干渉計使用システムを用いる石版印刷暴露システムの略図である。
【図14b】 石版印刷および集積回路を製造するその用途に関し、集積回路の製造における工程を示すフローチャートである。
【図14c】 石版印刷および集積回路を製造するその用途に関し、集積回路の製造における工程を示すフローチャートである。
【図15a】 本干渉計使用システムの追加実施例の略図である。
【図15b】 本干渉計使用システムの追加実施例の略図である。
【図15c】 本干渉計使用システムの追加実施例の略図である。
【図15d】 本干渉計使用システムの追加実施例の略図である。
【図16】 本干渉計使用システムを用いるビーム記録システムの略図である。
【図17a】 本干渉計使用システムの角度および距離を測定する実施例の略図であり、垂直面での断面図である。
【図17b】 本干渉計使用システムの角度および距離を測定する実施例の略図であり、図17aの平面と直角をなす平面を覗き込む平面図である。
【図17c】 本干渉計使用システムの角度および距離を測定する実施例の略図であり、垂直面での断面図である。
【図18a】 本干渉計使用システムの多重パス実施例の略図であり、このような第一実施例に関し、第一平面での断面図である。
【図18b】 本干渉計使用システムの多重パス実施例の略図であり、このような第一実施例に関し、図18aの平面と直角をなす平面を覗き込む平面図である。
【図18c】 本干渉計使用システムの多重パス実施例の略図であり、このような第一実施例に関し、垂直面での断面図である。
【図18d】 本干渉計使用システムの多重パス実施例の略図であり、このような第一実施例に関し、第一平面での断面図である。
【図18e】 本干渉計使用システムの多重パス実施例の略図であり、このような第二実施例の略図であり、共通面での断面図である。
【図18f】 本干渉計使用システムの多重パス実施例の略図であり、このような第二実施例の略図であり、共通面での断面図である。
【図19a】 本干渉計使用システムの分散を測定する実施例に関し、本実施例の光学配置の略図である。
【図19b】 本干渉計使用システムの分散を測定する実施例に関し、本実施例で用いられる信号処理装置の略図である。
【図19c】 本干渉計使用システムの分散を測定する実施例に関し、光学配置に用いられる干渉計ユニットの変型である。
Claims (35)
- 干渉法システムであって、
操作中に、測定物体に接触する測定経路にそって測定ビームを導き、重複する1対の出射ビームを形成するために測定ビームの少なくとも一部を別のビームと組み合わせる干渉計であって、該干渉計が、ビーム操縦要素と、ビーム操縦要素の向きを決定する位置決めシステムとを有するビーム操縦アセンブリとを有し、該ビーム操縦要素が該測定ビームを導くよう配され、該測定ビームがビーム操縦要素に接触している、前記干渉計と、
操作中に、測定物体の角度方向と位置の少なくとも一方の変化に対応して、位置決めシステムにビーム操縦要素を新しい方向に向けさせる制御回路と
を備え、
前記ビーム操縦要素は、正面および裏面を有するビーム操舵鏡を含み、前記ビーム操舵鏡は測定ビームが測定物体に接触する前に前記正面に接触し、測定物体に接触した後に前記裏面に接触するように配置されている、干渉法システム。 - 請求項1に記載の干渉法システムであって、操作中に、該干渉計が、測定物体に偶数回接触するよう測定ビームを導く干渉法システム。
- 請求項1に記載の干渉法システムであって、操作中に、測定物体の角度方向の変化に対応して、制御回路が、位置決めシステムにビーム操縦要素を新しい方向に向けさせる干渉法システム。
- 請求項3に記載の干渉法システムであって、信号プロセッサをさらに備え、
操作中に、干渉計が、測定物体に接触する第2測定経路にそって第2測定ビームを導き、重複する1対の第2出射ビームを形成するために第2測定ビームの少なくとも一部を追加ビームと組み合わせ、
該測定ビームが離れた場所で測定物体に接触し、
操作中に、信号プロセッサが、該重複する出射ビーム対から引き出された信号に基づいて、測定物体の角度方向の変化を決定する
干渉法システム。 - 請求項4に記載の干渉法システムであって、ビーム操縦要素が、両方の測定ビームを導くよう配され、両方の測定ビームがビーム操縦要素に接触する干渉法システム。
- 請求項1に記載の干渉法システムであって、信号プロセッサをさらに備え、
測定ビームが2つの波長の成分を含み、操作中に、干渉計が第1該重複対の出射ビームと第2重複対の出射ビームを発し、該第1出射ビーム対が、2つの波長の第1の波長で測定物体までの光路長の変化を示し、第2出射ビーム対が、2つの波長の第2の波長で測定物体までの光路長の変化を示し、
操作中に、信号プロセッサが、該重複対の出射ビームから引き出された信号を処理する
干渉法システム。 - 請求項6に記載の干渉法システムであって、操作中に、信号プロセッサが、該信号に基づいて、測定経路にそった分散を計算する干渉法システム。
- 請求項6に記載の干渉法システムであって、操作中に、信号プロセッサが、該信号に基づいて、測定物体までの幾何学的距離の変化を計算する干渉法システム。
- 請求項6に記載の干渉法システムであって、該2つの波長が調波関連している干渉法システム。
- 請求項6に記載の干渉法システムであって、該2つの波長が1nmより多く隔てられている干渉法システム。
- 請求項1に記載の干渉法システムであって、信号プロセッサからさらに成り、
測定ビームと、該他のビームと、重複対の出射ビームのそれぞれが、2つの波長の成分を含み、該重複出射ビームが、2つの波長のそれぞれで測定物体までの光路長の変化を示し、
信号プロセッサが、該重複対の出射ビームから引き出された信号を処理する
干渉法システム。 - 請求項11に記載の干渉法システムであって、操作中に、信号プロセッサが、信号に基づいて、測定経路にそった分散を計算する干渉計システム。
- 請求項11に記載の干渉法システムであって、操作中に、信号プロセッサが、該信号に基づいて、測定物体までの幾何学的距離の変化を計算する干渉法システム。
- 請求項11に記載の干渉法システムであって、該2つの波長が調波関連している干渉法システム。
- 請求項11に記載の干渉法システムであって、該2つの波長が1nmより多く隔てられている干渉法システム。
- 干渉法システムであって、
操作中に、入力ビームを受け、入力ビームを測定ビームと少なくとも1個の他のビームに分解し、測定物体に接触する測定経路にそって測定ビームを導き、重複する1対の出射ビームを形成するために測定ビームの少なくとも一部を該他のビームと組み合わせる干渉計と、
ビーム操縦要素と、ビーム操縦要素の向きを決定する位置決めシステムとを有するビーム操縦アセンブリであって、該ビーム操縦要素が該入力ビームと該重複対の出射ビームとを導くよう配され、該入力ビームと該重複対の出射ビームとがビーム操縦要素に接触する、前記ビーム操縦アセンブリと、
操作中に、測定物体の角度方向の変化に対応して、前記位置決めシステムにビーム操縦要素の角度方向を変更させるようにして、測定ビームが測定物体の角方位範囲にかけて実質的に正常な入射で測定物体と接触することを保証する制御回路と
を備える干渉法システム。 - 請求項16に記載の干渉法システムであって、操作中に、該干渉計が、測定物体に偶数回接触するよう測定ビームを導く干渉法システム。
- 請求項16に記載の干渉法システムであって、信号プロセッサからさらに成り、
操作中に、干渉計が、測定物体に接触する第2測定経路にそって第2測定ビームを導き、重複する1対の第2出射ビームを形成するために第2測定ビームの少なくとも一部を追加ビームと組み合わせ、
該測定ビームが離れた場所で測定物体に接触し、
操作中に、信号プロセッサが、重複する一対の出射ビームから引き出された信号に基づいて、測定物体の角度方向の変化を決定する
干渉法システム。 - 請求項18に記載の干渉法システムであって、ビーム操縦要素が、入力ビームと第1および第2重複対の出射ビームを導くよう配され、すべてのビームがビーム操縦要素に接触する干渉法システム。
- 請求項16に記載の干渉法システムであって、信号プロセッサからさらに成り、
測定ビームが2つの波長の成分を含み、操作中に、干渉計が第1該重複対の出射ビームと第2重複対の出射ビームを発し、該第1出射ビーム対が、2つの波長の第1の波長で測定物体までの光路長の変化を示し、第2出射ビーム対が、2つの波長の第2の波長で測定物体までの光路長の変化を示し、
操作中に、信号プロセッサが、該重複対の出射ビームから引き出された信号を処理する
干渉法システム。 - 請求項20に記載の干渉法システムであって、操作中に、信号プロセッサが、該信号に基づいて、測定経路にそった分散を計算する干渉法システム。
- 請求項20に記載の干渉法システムであって、操作中に、信号プロセッサが、該信号に基づいて、測定物体までの幾何学的距離の変化を計算する干渉法システム。
- 請求項20に記載の干渉法システムであって、該2つの波長が調波関連している干渉法システム。
- 請求項20に記載の干渉法システムであって、該2つの波長が1nmより多く隔てられている干渉法システム。
- 請求項16に記載の干渉法システムであって、信号プロセッサからさらに成り、
測定ビームと、該他のビームと、重複対の出射ビームのそれぞれが、2つの波長の成分を含み、該重複出射ビームが、2つの波長のそれぞれで測定物体までの光路長の変化を示し、
信号プロセッサが、該重複対の出射ビームから引き出された信号を処理する
干渉法システム。 - 請求項25に記載の干渉法システムであって、操作中に、信号プロセッサが、該信号に基づいて、測定経路にそった分散を計算する干渉計システム。
- 請求項25に記載の干渉法システムであって、操作中に、信号プロセッサが、該信号に基づいて、測定物体までの幾何学的距離の変化を計算する干渉法システム。
- 請求項25に記載の干渉法システムであって、該2つの波長が調波関連している干渉法システム。
- 請求項25に記載の干渉法システムであって、該2つの波長が1nmより多く隔てられている干渉法システム。
- 集積回路を製造するためのリソグラフィシステムであって、
第1および第2コンポーネントであって、該第1および第2コンポーネントが互いに対して移動が可能である、第1および第2コンポーネントと、
第2コンポーネントに固定された請求項1の干渉法システムであって、該測定物体が第1コンポーネントに剛性固定された鏡であり、操作中に、干渉法システムが、第2コンポーネントに対する第1コンポーネントの位置を測定する、前記干渉法システムと
を備えるリソグラフィシステム。 - 請求項30に記載のリソグラフィシステムであって、該第2コンポーネントが、操作中にウェハを支持する可動ステージであるリソグラフィシステム。
- 請求項30に記載のリソグラフィシステムであって、操作中に、ビーム操縦要素が、測定ビームに、測定物体の角度方向の範囲で、実質的に垂直の入射で鏡に接触させるリソグラフィシステム。
- 集積回路を製造するためのリソグラフィシステムであって、
第1および第2コンポーネントであって、該第1および第2コンポーネントが互いに対して移動が可能である、第1および第2コンポーネントと、
第2コンポーネントに固定された請求項16の干渉法システムであって、該測定物体が第1コンポーネントに剛性固定された鏡であり、操作中に、干渉法システムが、第2コンポーネントに対する第1コンポーネントの位置を測定する、前記干渉法システムと
を備えるリソグラフィシステム。 - 請求項33に記載のリソグラフィシステムであって、該第2コンポーネントが、操作中にウェハを支持する可動ステージであるリソグラフィシステム。
- 請求項33に記載のリソグラフィシステムであって、操作中に、ビーム操縦要素が、測定ビームに、測定物体の角度方向の範囲で、実質的に垂直の入射で鏡に接触させるリソグラフィシステム。
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