本発明は干渉分光器、および、制御回路に制御される少なくとも1つのビーム操向アセンブリを含む干渉分光システムを特徴とする。いくつかの実施形態において、ビーム操向アセンブリは干渉分光器の構成部分であり、干渉分光器内で参照および測定ビームの少なくとも1つを向けて送る。他の実施形態において、ビーム操向アセンブリは干渉分光器から分離され、干渉分光器に入力ビームを、および、任意で干渉分光器から出力ビームを向けて送る。ビーム操向アセンブリは、測定物体の角度配向および位置の変化の不要な効果を最小に抑えるために入力、出力、参照、および、測定のビームの1つまたは複数を再度向けて送る。
本発明の4つの実施形態が最初に説明され、これらの実施形態は比較的少数の構成部分および1つの平面のみにおけるビームの伝播を含む。にもかかわらず、これらの実施形態は、その後に説明される追加の実施形態において拡張される本発明の重要な特徴を立証する。
本発明の実施形態の概略を図15aに示す。干渉分光器1510における偏光ビーム・スプリッタ1512は(図示しない)レーザ光源から入力ビーム1514を受光し、入力ビーム1514を、線形に互いに直交に偏光された参照ビーム1516(点線)と測定ビーム1518(実線)に分離する。偏光ビーム・スプリッタ1512は、図15aの平面に直交する偏光を有するビームを反射するための偏光インターフェイス1562、および、偏光インターフェイス1562を介して透過されるビームを反射するための背面反射表面1564を含む。
説明されている実施形態において、直交偏光された参照および測定ビームは、入力ビーム1514の成分として干渉分光器1510に進入する前に、例えばゼーマン分割、音響光学的変調、または、レーザ内部の複屈折性要素の使用により、互いに関して周波数シフトされている。異なった周波数は、干渉分光システムが、ヘテロダイン干渉信号を生成することを可能にする。説明されている実施形態がヘテロダイン・システムであっても、本
発明は、参照および測定ビームが同じ周波数を有するホモダイン・システムにおける使用のために直ちに適応される。
偏光ビーム・スプリッタ1512は測定ビーム1518をビーム操向アセンブリ1520に向けて送り、ビーム操向アセンブリ1520はビーム操向ミラー1522および1対の圧電トランスデューサ1524および1526を含む。トランスデューサは、サーボ制御器1530からの信号1528に応答して、ビーム操向ミラーを配向するために、曲げ部分によりビーム操向ミラー1522に結合されている。ビーム操向アセンブリは、ビーム操向ミラー1522の向きおよび/または位置の変化を測定するための容量ゲージを含み得る。容量ゲージは圧電トランスデューサ1524および1526の特性を測定および/または監視するために使用することも可能である。
ビーム操向アセンブリ1520は参照遡及反射器1532を介して測定ビームを向けて送り、参照遡及反射器1532は頂部が切り詰められ、そのため、遡及反射器1532を介して中央を通過するビームは、実質的に垂直な入射でステージ・ミラー1534、すなわち、測定物体に接触するためには遡及反射されない。続いて、ステージ・ミラー1534は測定ビームをビーム操向アセンブリ1520および偏光ビーム・スプリッタ1512へ自身の経路を辿り戻すように反射する。測定ビームは、ビーム操向アセンブリ1520と偏光ビーム・スプリッタ1512の間に位置され、測定ビームの線形偏光を90度回転させる4分の1波長板1536を二重に通過する。
偏光ビーム・スプリッタ1512は、参照ビーム1516をビーム操向アセンブリ1520に向けて送り、ビーム操向アセンブリ1520は、次に、参照ビームを参照遡及反射器1532に向けて送る。続いて、参照遡及反射器は参照ビームをビーム操向アセンブリ1520に戻し、かつ、偏光ビーム・スプリッタ1512上に向けて送る。参照ビームも、参照ビームの線形偏光を90度回転させる4分の1波長板1536を二重に通過する。
続いて、偏光ビーム・スプリッタ1512は、出力ビーム1540を一緒に形成する重なり合う射出参照および測定ビームを形成するために、偏光が回転された参照および測定ビームを再結合する。ビーム・スプリッタ1542は、出力ビーム1540の一部を、射出参照および測定ビームの伝播の方向の差を測定する検出器システム1544に送る。検出器システムは、いかなるそのような差も示す誤差信号1550をサーボ制御器1530に送り、サーボ制御器1530は、誤差信号に応答してビーム操向アセンブリ1520に信号1528を送る。ビーム操向アセンブリ1520は、信号1528に応答して、好ましくは参照遡及反射器1532のノード点に関してビーム操向ミラー1522の向きを変化させ、参照遡及反射器1532のノード点に関したビーム操向ミラー1522の向きの変化は参照ビームにより経験された実質的に低減された横方向のシア効果を生成する。
別法として、入力ビーム1514の方向が一定である時、検出器システム1544は、検出器システムにおける参照位置からの出射測定ビームビームの位置の差を測定可能であり、位置のその差を示す誤差信号1550を発生可能であり、出射測定ビームビームの位置の差は出力ビーム1540の出射測定ビームビーム成分の伝播の方向の変化の影響である。例えば、参照位置は、ステージ・ミラー1534から遡及反射する、すなわち、ステージ・ミラーに垂直入射で接触する測定ビームに対応する検出器内の出射測定ビームビームの位置とし得、ステージ・ミラー1534は垂直なゼロの向きにある。他の実施形態において、検出器システムは、射出参照および測定ビームの方向および位置を決定するための複数の検出器を含み得、かつ、そのような情報に基づき誤差信号を生成可能である。
ステージ・ミラー1534の角度配向の変化は測定ビームの方向およびその後の出射測定ビームビームの方向を変化させる。これは、検出器システム1544に誤差信号155
0の発生を行なわせる。サーボ制御器1530は、例えば測定ビームを垂直入射でステージ・ミラーに向けて送ることなどにより、誤差信号を最小に抑えるように、ビーム操向アセンブリ1520にビーム操向ミラー1522を再配向させるように指令することにより誤差信号に応答する。その結果、射出参照および測定ビームは実質的に互いに平行のままであり、出射測定ビームビームの位置はステージ・ミラーの角度配向の範囲にわたり実質的に一定のままとなる。さらに、ビーム操向アセンブリ1520は参照および測定ビームの各々を2回再度向けて送るため、ビーム操向ミラー1522の反射面に垂直な方向におけるビーム操向ミラー1522の移動の1次に対する参照ビームと測定ビームの間の相対光路長には変化がない。加えて、測定ビームが垂直入射でステージ・ミラーに向けて送られ、かつ、測定および参照ビームの経路が実質的に同じ重心を有する時、(ステージ・ミラー上の測定ビームのスポットの中心について)ステージ・ミラーのいかなる角度上の変化およびビーム操向要素におけるいかなる対応する変化においても、1次に対して参照ビームと測定ビームの間の相対光路長には変化がない。
ビーム・スプリッタ1542が偏光板1545を通過した後、出力ビーム1540の残りは、混合ビーム1546を形成するために射出参照および測定ビームの偏光を混合する。信号処理システム1548は、電気干渉信号または電気ヘテロダイン信号を生成するために、例えば光電検出などにより混合ビームの強度を測定し、電気ヘテロダイン信号の位相を抽出し、かつ、その位相から、参照ビームと測定ビームの経路間の光路長の差を決定する。
他の実施形態において、検出器システム1544は、ステージ・ミラー1534に向けて送られた(図示しない)追加の光ビームを含む(図示しない)別個の角度感知システムの一部とし得る。別個の角度感知システムは、追加の光ビームを使用してステージ・ミラー1534の角度上の絶対的または相対的な向きを測定し、かつ、その向きを示す測定信号をサーボ制御器1530に送る。図15aの実施形態における如く、サーボ制御器1530は検出器システムからの信号に基づきビーム操向アセンブリ1520を制御する。加えて、いくつかの干渉分光システムが、各々、測定ビームを測定物体に向けて送る実施形態において、単一の角度感知システムは、干渉分光システムの各々においてビーム操向アセンブリの制御を誘導するために使用可能である。
さらに、測定ステージの角度配向を測定するように構成された干渉分光システム(例えば、多軸干渉分光システム)において、角度測定自体はビーム操向要素を配向するために使用される誤差信号を供給するために使用可能である。
図15aの実施形態に類似の他の実施形態において、図15bの偏光ビーム・スプリッタおよびビーム操向アセンブリ1560により示す如く、偏光ビーム・スプリッタ1512およびビーム操向アセンブリ1520は単一のユニットに結合されている。この変形において、トランスデューサ1524および1526は偏光ビーム・スプリッタ1512に曲げ部分を介して直接結合されている。その結果、サーボ制御器1530は、参照および測定ビームをそれぞれ参照遡及反射器1532およびステージ・ミラー1534に向けて送るために、トランスデューサ1524および1526を介して偏光インターフェイス1562および偏光ビーム・スプリッタ1512の反射性背面1564を配向する。4分の1波長板1536は参照遡及反射器1532とビーム操向アセンブリ1560の間に位置されている。この実施形態の他の特徴は図15aの実施形態の特徴と同じであり、かつ、同じに番号が付けられている。
さらなる実施形態において、図15aのおよび図15cに示す実施形態と同様に、入力ビーム1514はビーム操向アセンブリ1520に最初に接触し、ビーム操向アセンブリ1520は続いて入力ビームを干渉分光器1570内に向けて送る。この実施形態におい
て、干渉分光器は偏光ビーム・スプリッタ1512、4分の1波長板1536、および、参照遡及反射器1532を含むが、干渉分光器の外部にあるビーム操向アセンブリ1520は含まない。図15bの実施形態における如く、偏光ビーム・スプリッタ1512は参照および測定ビームをそれぞれ参照遡及反射器1532およびステージ・ミラー1534に向けて送り、出力ビーム1540の成分となる重なり合う射出参照および測定ビームを形成するために、反射された参照および測定ビームを再結合する。続いて、図15aの実施形態における如く、ビーム操向アセンブリ1520は出力ビーム1540を受光し、このビームを検出システム1544および信号処理システム1548に向けて送る。
図15aの実施形態における如く、図15cのサーボ制御器1530は、検出システム1544により発生される誤差信号を最小に抑えるために、アセンブリ1520のビーム操向ミラー1522を配向する。これを行なうために、サーボ制御器1530は、ステージ・ミラーの角度配向の範囲にわたり測定ビームが垂直入射でステージ・ミラー1534に接触するように干渉分光器1570内に入力ビームを向けて送るために、アセンブリ1520のビーム操向ミラー1522を向けて送る。ビーム操向アセンブリ1520は、信号1528に応答して、好ましくは参照遡及反射器1532のノード点についてビーム操向ミラー1522の向きを変化させ、参照遡及反射器1532のノード点についてのビーム操向ミラー1522の向きの変化は、参照ビームに対する実質的に低減された横方向のシア効果(横断方向変位)を生成する。その結果、出力ビームを形成する射出参照および測定ビームは、実質的に平行で、かつ、低減されて横断方向に分離されて干渉分光器から現出する。入力ビームを再度向けて送るビーム操向アセンブリにより引き起こされた干渉分光器から現出する出力ビームの方向の変化は、検出システム1544および信号処理システム1548に出力ビームを向けて送るビーム操向アセンブリに出力ビームが接触する時に補償される。ビーム操向アセンブリによる出力ビームの方向のこの補償は好ましいが、これは必要ではない。なぜなら、ステージ・ミラーの角度配向の変化は、出力ビームが検出システム1544および信号処理システム1548に到達することを妨害しないように典型的に十分小さいからである。したがって、追加の実施形態において、出力ビームはビーム操向要素に接触する必要はない。
図15aに類似し、かつ、図15dに示す他の実施形態において、干渉分光システムは、単一の入力ビームを参照および測定ビームに分離するより、むしろ、参照および測定ビームを規定するための1対の空間的に分離された入力ビームを受光する。この実施形態において、干渉分光器1580は、参照ビーム1516および測定ビーム1518を規定するために、互いに直交に偏光された空間的に分離された入力ビーム1582および1584を受光し、偏光ビーム・スプリッタ1586は受光した入力ビームを異なる経路に沿って向けて送る。偏光ビーム・スプリッタ1586に進入する前に、入力ビームの一部は非偏光ビーム・スプリッタ1588により分割され、参照位相検出器1590に向けて送られる。参照位相検出器は、入力ビームを光学的に混合するための光学系、および、混合ビームの相対光学位相を測定するための電子回路を含む。参照位相検出器1590は、干渉分光器1580に進入する際の入力ビーム1582および1584間の相対位相差を示す参照位相信号1592を信号処理システム1548に送り、信号処理システム1548は参照ビームと測定ビームの経路間の光路長の差を決定するために信号1592を使用する。
図15dの実施形態に対する残りの説明は図15aに対する説明と同一であり、出力ビーム1540を形成するために偏光ビーム・スプリッタ1586は参照ビーム1516および測定ビーム1518を再結合する。図15dの実施形態、および、参照および測定ビームを規定するために干渉分光器が空間的に分離された入力ビームを受光する他の実施形態は参照および測定ビームが互いに重なり合う干渉分光器の光学系内の経路を低減する。そのような低減は、システム1548により測定されたヘテロダイン信号における繰り返
し誤差を引き起こし得る参照ビームと測定ビームの間で混合する偏光を低減する。このような繰り返し誤差を説明する参照のため、例えば、エヌ ボブロフ(N.Bobroff)、Appl.Opt.26:2676から2681、1986を参照されたい。同様に、ビーム操向アセンブリが干渉分光器の外部にある図15cの実施形態などの他の実施形態において、ビーム操向ミラーは、参照および測定ビームを規定するために干渉分光器内に空間的に分離された入力ビームを向けて送ることが可能である。
上述および図15aから15dに示すシステムに固有の概念は、他の応用例にも拡張可能である。例えば、他の実施形態は、複数の次元に沿って測定物体の角度配向および位置の変化に対処可能である。同様に、他の実施形態は、参照信号を生成するために射出参照ビームおよび出射測定ビームビームが混合される時に、射出参照ビームの横断方向空間プロファイルが出射測定ビームビームのプロファイルを基準として反転されないことを確実にし得る。同様に、他の実施形態は追加のビーム操向アセンブリを含み得る。このような代案実施形態はさらに以下に説明する。
一般に、これらの実施形態は、物体の向きとは実質的に独立であり、かつ、物体の横方向の変位とは実質的に独立である物体の線形変位を測定および監視するための装置および方法に関し、横方向の変位は線形変位に直交している。重要な応用例の例は、1つ、2つ、または、3つの直交する次元においてステッピングおよび/またはスキャンニングするリソグラフィ用手段における1つまたは複数のステージの位置を与えられた次元に沿って測定および監視するための干渉分光システムの使用にある。
以下に説明する実施形態は、干渉分光器、および、干渉分光器の構成部分とし得るか、または、それから分離し得る少なくとも1つのビーム操向アセンブリを含む。実施形態は全般に3つの分類の1つに該当する。第1の分類において、ビーム操向アセンブリは測定ビームおよび参照ビームの双方の成分を向けて送るように位置決めされている。第2の分類において、ビーム操向アセンブリは参照ビームではなく、測定の成分を向けて送るように位置決めされている。そして、第3の分類において、ビーム操向アセンブリは干渉分光器への入力ビームおよび干渉分光器からの出力ビームを向けて送るように位置決めされている。
各分類内で、干渉分光システムは動作の異なったモードの1つまたは双方において機能し得る。動作の第1のモードは、測定物体の角度配向の変化により引き起こされた測定ビームまたは出射測定ビームビームの方向の変化を補償する。角度配向の変化は1つまたは複数の次元に沿い得る、例えば、縦ゆれおよび片ゆれ。動作の第2のモードは、測定物体の位置の変化により引き起こされた測定ビームまたは出射測定ビームビームの横断方向の位置の変化を補償する。位置の変化は2つの横断方向のいずれにも、すなわち、測定されている変位に直交する方向、および、縦方向、すなわち、測定されている変位に沿った方向に沿い得る。
特定の干渉分光システムに対する動作のモードは測定物体の反射特性に依存する。例えば、もし測定ビームが平面ミラーから反射すれば、ミラーの平面における2つの直交する軸についての平面ミラーの角度配向の変化は、この2つの軸を基準とした反射された測定ビームの方向に変化を引き起こす。しかし、これらの2つの軸のいずれかに沿った平面ミラーの移動は反射された測定ビームの方向または横断方向の位置に影響を及ぼさない。したがって、測定ビームが測定物体の平面ミラーから反射する応用例の場合、システムは典型的に第1のモードで動作する。
異なった例において、もし測定ビームが遡及反射器から反射すれば、反射された測定ビームの方向は測定物体の角度配向または位置の変化とは独立である。しかし、入来測定ビ
ームに直交する方向に沿った遡及反射器の移動は反射された測定ビームの横断方向位置の変化を引き起こす。したがって、測定ビームが与えられた平面において測定物体から遡及反射する応用例の場合、システムは、典型的に、その平面における、かつ、入来測定ビームに直交する測定物体の移動に対して第2のモードにおいて動作する。
当業者には明らかであるように、測定物体が測定ビームを反射するために屋根型プリズムを含む応用例は、直前の2つの例の特徴を組み合わせている。このような応用例において、システムは第1および第2のモードの双方で動作する。
測定物体が測定ビームを反射するために平面ミラーを含むが、測定ビームは平面ミラーに非垂直入射で接触する応用例に対しても、システムは第1および第2のモードの双方で動作する。このような応用例において、測定物体の縦方向の移動は反射された測定ビームの横断方向位置を変化させ、測定物体の角度配向の変化は反射された測定ビームの方向を変化させる。
干渉分光システムの実施形態は測定物体への測定ビームの単一および複数の通過も含む。単一通過システムにおいて、測定物体の角度配向または位置の変化は出射測定ビームビームの方向または横断方向位置を変化させる。検出器システムにより検出された如くの出射測定ビームビームに対する変化はビーム操向アセンブリを制御するために使用された誤差信号に対する基礎を提供する。いくつかの複数通過配列において、測定物体の角度配向または位置の変化は出射測定ビームビームの方向および/または横断方向位置を変化させないが、干渉分光器内の測定ビームの方向および/または横断方向位置は確かに変化させる。干渉分光器内の測定ビームの方向および/または横断方向位置の変化を補償するために、干渉分光システムのいくつかの実施形態は、測定ビームが測定物体に奇数回接触した後に測定ビームから中間ビームを分割している。検出器システムにより検出された如くの中間ビームの方向および/または位置はビーム操向アセンブリを制御するために使用される誤差信号に対する基礎を提供する。
本発明の実施形態の各々について、干渉分光器および少なくとも1つのビーム操向アセンブリは、ユニットとしての少なくとも1つのビーム操向アセンブリの特定の光学的要素の変位が、測定ビームと参照ビームの光路長間の差に少なくとも1次においては影響しないように構成されている。動作の第1のモードに対して、干渉分光器および少なくとも1つのビーム操向アセンブリは、測定物体および/またはユニットとしてのビーム操向アセンブリの特定の光学的要素の向きの変化が、測定ビームと参照ビームの光路長間の差に少なくとも1次において実質的に影響を及ぼさないように構成されている。動作の第2のモードに対して、干渉分光器および少なくとも1つのビーム操向アセンブリは、線形変位に直交する測定物体の位置の変位が、測定ビームと参照ビームの光路長間の差に少なくとも1次において実質的に影響を及ぼさないように構成されている。
図1aから1fは、測定物体の向きとは実質的に独立であり、かつ、測定物体の横方向変位とも実質的に独立である測定物体の線形変位を測定するための本発明の第1の実施形態を概略した形で示し、横方向変位は線形変位に直交している。第1の実施形態は本発明の第1の分類の実施形態およびそれらの変形からであり、第1の実施形態は2つの直交する軸についての測定物体の向きの変化に対する動作の第1のモードにおいて動作する。
第1の実施形態は、光ビーム110、ビーム操向アセンブリ、第1および第2のビーム分割アセンブリ、遡及反射器172、単一の反射面を含む測定物体ミラー170、および、単一の反射面を含む参照ビーム・ミラー178を含む。プリズム150および菱形プリズム154は図1aに示す第1のビーム分割アセンブリを含み、インターフェイス152は偏光ビーム分割インターフェイスであり、面156は反射器である。菱形プリズム16
0、プリズム166および186、および、ドーブ・プリズム182は図1bに示す第2のビーム分割アセンブリを含み、インターフェイス162は反射器であり、インターフェイス面164および174は偏光ビーム分割インターフェイスであり、インターフェイス面184は非偏光ビーム分割インターフェイスであり、かつ、図1bに点線として示すインターフェイス面180は反射防止コーティングが施されている。
第1の実施形態はヘテロダイン干渉分光器システムとして使用するように適合されている。(図1aから1fには示さない)光源は、異なった周波数の2つの直交するように偏光された成分を含む進入ビーム110を第1の実施形態に対して供給する。
レーザなどの光源は様々な周波数変調装置および/またはレーザのいずれともし得る。例えば、レーザは当業者に知られている様々な従来技術のいずれかにおいて安定化されたガス・レーザ、例えばHeNeとし得、例えば、ティー バエルら(T.Baer et
al.)、「Frequency Stabilization of a 0.633μm HeNe−longitudinal Zeeman Laser」、Applied Optics、19、3173から3177(1980);1975年6月10日発行、バーグウォルドら(Burgwald et al.)、米国特許第3,889,207号明細書;および、1972年5月9日発行、サンドストロームら(Sandstrom et al.)、米国特許第3,662,279号明細書を参照されたい。別法として、レーザは、当業者に知られている様々な従来技術の1つにおいて周波数が安定化されたダイオード・レーザとし得、例えば、ティー オコシおよびケー キクチ(T.Okoshi and K.Kikuchi)、「Frequency Stabilization of Semiconductor Lasers for Heterodyne−type Optical Communication Systems」、Electronic Letters、16、179から181(1980);および、エス ヤマグチおよびエム スズキ(S.Yamaguchi and M.Suzuki)、「Simultaneous Stabilization of the
Frequency and Power of an AlGaAs Semiconductor Laser by Use of the Optogalvanic
Effect of Krypton」、IEEE J.Quantum Electronics、QE−19、1514から1519(1983)を参照されたい。
2つの光学的周波数は以下の技術の1つにより生成可能である。すなわち、(1)ゼーマン分割レーザの使用。例えば、1969年7月29発行、バグリーら(Bagley et al.)、米国特許第3,458,259号明細書;ジー バウフイズ(G.Bouwhuis)、「Interferometrie Mit Gaslasers」、Ned.T.Natuurk、34、225から232(1968年8月);1972年4月18日発行、バグリーら(Bagley et al.)、米国特許第3,656,853号明細書;および、エイチ マツモト(H.Matsumoto)、「Recent interferomeric measurements using stabilized lasers」、Precision Engineering、6(2)、87から94(1984)を参照されたい。;(2)1対の音響光学的ブラッグ・セルの使用、例えば、ワイ オーツカおよびケー イトー(Y.Ohtsuka and K.Itoh)、「Two−frequency Laser Interferometer for Small Displacement Measurements in a Low Frequency Range」、Applied Optics、18(2)、219から224(1979);エヌ マシーら(N.Massie et al.)、「Measuring Laser Flow Fields With
a 64−Channel Heterodyne Interferometer」、Applied Optics、22(14)、2141から2151(1983);
ワイ オーツカおよびエム ツボカワ(Y.Ohtsuka and M.Tsubokawa)、「Dynamic Two−frequency Interferometry for Small Displacement Measurements」、Optics and Laser Technology、16,25から29(1984);エイチ マツモト(H.Matsumoto)、上掲書;1996年1月16日発行、ピー ダークセンら(P.Dirksen et al.)、米国特許第5,485,272号明細書;エヌ エー リザおよびエム エム ケー ハウレイダ(N.A.Riza and M.M.K.Howlader)、「Acousto−optic system for the generation and control of
tunable low−frequency signals」,Opt.Eng.,35(4),920から925(1996)を参照されたい。;(3)単一の音響光学的ブラッグ・セルの使用、例えば、1987年8月4日発行、ジー イー ソマーグレン(G.E.Sommargren)、共通所有米国特許第4,684,828号明細書;1987年8月18日発行、ジー イー ソマーグレン(G.E.Sommargren)、共通所有米国特許第4,687,958号明細書;ピー ダークセンら(P.Dirksen et al.)、上掲書、を参照されたい。;(4)ランダムに偏光されたHeNeレーザの2つの縦モードの使用、例えば、ジェー ビー ファーグソンおよびアール エイチ モリス(J.B.Ferguson and R.H.Morris)、「Single Mode Collpse in 6328Å HeNe Lasers」、Applied Optics、17(18)、2924から2929(1978)を参照されたい。;または、(5)レーザに対する複屈折要素などの使用、例えば、ヴィー エントゥホフおよびエイ イー シーグマン(V.Evtuhov and A.E.Siegman)、「A 「Twisted−Mode」 Technique for Obtaining Axially Uniform Energy Density in a Laser Cavity」、Applied Optics、4(1)、142から143(1965)を参照されたい。
ビーム110の光源に使用される特定のデバイスはビーム110の直径および発散を決定する。いくつかの光源、例えばダイオード・レーザに対して、後続の要素のために適する直径および発散をビーム110に提供するために、従来のビーム整形光学系、例えば従来の顕微鏡対物レンズなどを使用することが必要となる可能性が高い。光源がHeNeレーザである時は、例えばビーム整形光学系は必要でないことがある。
図1aに示すように、ビーム110は第1のビーム分割アセンブリに当たり、ビーム110の部分は測定ビーム111としてインターフェイス152により透過され、面156により反射される。ビーム111は図1aの平面内で偏光されている。ビーム110の第2の部分は、図1aの平面に対して直行に偏光された参照ビーム112としてインターフェイス152により反射される。
ビーム111はビーム操向要素158に進入(図1aを参照)し、ビーム111から横方向に変位され、かつ、ビーム111の伝播の方向とは名目上は逆の方向に伝播するビーム113(図1bを参照)としてビーム操向アセンブリ158から射出する。図1bの平面におけるビーム113およびビーム111の投影は重なり合わされる。ビーム操向要素158において、ビーム111は連続した順序で、例えば内部全反射により、面158A、158B、および、158Cの各々により反射される(図1aに示す干渉分光器の端面図を提示し、かつ、ビーム操向要素158内の参照ビーム112の経路も示す図1cを参照)。測定ビーム113を反射するビーム操向アセンブリはビーム操向要素158および向き/移動トランスデューサ159を含む。向き/移動トランスデューサ159は、好ましくは、図1cの平面における向きの変化に対して、遡及反射器172のノード点についてビーム操向要素158の向きを変更する、および/または、ビーム111の伝播の名目
上の方向における操向要素158の位置を変更し、遡及反射器172のノード点についてのビーム操向要素158の向きの変化は参照ビームにより経験された横方向のシア効果を実質的に低減する。ビーム操向要素158の向きは電子信号140により制御され、ビーム操向要素158の位置は電子信号144を介して電子プロセッサおよびコンピュータ194により制御される。
ビーム113は図1bに示す第2のビーム分割アセンブリに進入し、ここで、ビーム113はビーム115としてインターフェイス162により反射され、続いて、ビーム117として偏光ビーム分割インターフェイス164により透過される。図1bの平面において偏光されたビーム117は、円偏光されたビームとして4分の1波長位相遅延板168により透過され、逆手円偏光を持つビームとして測定物体ミラー170により反射され、かつ、その後、図1bの平面に直交に線形偏光されたビーム119として位相遅延板168により透過される。ビーム119は第2のビーム分割アセンブリに進入し、ビーム121として偏光ビーム分割インターフェイス164により反射される。
ビーム121は第2のビーム分割アセンブリに進入し、ビーム操向要素158に進入し(図1bを参照)、かつ、ビーム121の伝播の方向に対して名目上逆の方向に伝播するビーム123としてビーム操向要素158を射出する(図1aを参照)。ビーム123は遡及反射器172に進入し(図1aを参照)、ビーム125として遡及反射される(図1bを参照)。ビーム123および125は、それぞれ遡及反射器172への、および、これからのそれぞれ進入および射出ビームとして図1dに示す。
参照ビーム112はビーム操向要素158に進入し(図1aを参照)、ビーム112の伝播の方向に名目上逆の方向に伝播するビーム114としてビーム操向要素158を射出する(図1bおよび1cを参照)。ビーム114およびビーム112の投影は図1aの平面において重なり合わされる。ビーム操向要素158を介したビーム111および112の経路の投影は図1cの平面において重なり合わされる。ビーム114は遡及反射器172に進入し(図1bを参照)、ビーム116として遡及反射される(図1aを参照)。図1dにおいて、ビーム114および116はそれぞれ遡及反射器172への、および、これからのそれぞれ進入および射出ビームとして示す。ビーム116はビーム操向要素158に進入し(図1aを参照)、ビーム116の伝播の方向に名目上逆の方向に伝播するビーム118としてビーム操向要素158を射出する(図1bcを参照)。
ビーム118は第2のビーム分割アセンブリに進入し、ビーム118の部分はビーム120として偏光ビーム分割インターフェイス174により反射される(図1bを参照)。図1bの平面に直交に偏光されたビーム120は円偏光ビームとして4分の1波長位相遅延板176により透過され、逆手円偏光を持つビームとして参照ミラー178により反射され、かつ、その後、図1bの平面において線形偏光されたビーム122として4分の1波長位相遅延板176により透過される。ビーム122は第2のビーム分割アセンブリに進入し、ビーム122はビーム124として偏光ビーム分割インターフェイス174により透過される。ビーム124はビーム126として反射防止コーティングされたインターフェイス180により透過される。
測定ビーム125は図1bに示すように第2のビーム分割アセンブリに進入し、ビーム125の第1の部分は第1の出力ビーム128の1つの成分として非偏光ビーム分割インターフェイス184により透過される。ビーム126の第1の部分は第1の出力ビーム128の第2の成分として非偏光ビーム分割インターフェイス184により反射される。第1の出力ビーム128は出力ビーム130として反射性インターフェイス162により反射される。出力ビーム130は、検出器188に当たり、それぞれ2つの直交する平面における出力ビーム130中の測定ビームおよび参照ビームの成分の伝播の方向におけるい
かなる差にも関する2つの成分を持つ電気信号140を生成する。
ビーム125の第2の部分は第2の出力ビーム132の1つの成分として非偏光ビーム分割インターフェイス184により反射される。ビーム126の第2の部分は第2の出力ビーム132の第2の成分として非偏光ビーム分割インターフェイス184により透過される。ビーム132は混合された光学的ビーム134を生成するために配向された偏光板190により透過される。ビーム134は、検出器192に当たり、混合ビーム134の測定ビームおよび参照ビーム成分の位相の差に関連する電気信号142を発生する。電気信号142は混合ビーム134の参照ビームおよび測定ビーム成分の位相の差についての情報を得るためのその後の処理のために電子プロセッサおよびコンピュータ194に伝送される。混合ビームの検出は、典型的に、ヘテロダイン信号を生成するための光電検出により、この信号の位相は測定ビームと参照ビームの光路長の差に関連する。ヘテロダイン信号の位相は、例えばヘテロダイン信号のフーリエ変換またはヒルベルト変換などから、電子プロセッサおよびコンピュータ194により決定可能である。
検出器188の要素は図1eに概略の形で示す。ビーム130は、偏光インターフェイス188Bを備えたプリズム188Aおよび188Cを含む偏光ビーム・スプリッタに進入する。図1eの平面に直交に偏光されたビーム130の測定ビーム成分は、ビーム130Mとして偏光インターフェイス188Bにより反射される。ビーム130Mは、四連セル検出器、二次元高速CCDカメラ、または、横効果フォトダイオードなどの検出器188E上のスポットにレンズ188Dにより合焦される。二次元データ・アレイは、その後の処理のために電子プロセッサ188Hに電子信号140Aとして伝送される。検出器188E上のスポットの位置はビーム130Mの横方向シアによっては影響されないが、ビーム130Mの伝播の方向の変化は検出器188E上のスポットの位置をずらす。したがって、電子信号はビーム130Mの伝播の方向についての情報を含む。
図1eの平面において偏光されたビーム130の参照ビーム成分はビーム130Rとして偏光インターフェイス188Bにより透過される。ビーム130Rは四連セル検出器、二次元高速CCDカメラ、または、横効果フォトダイオードなどの第2の検出器188G上の第2のスポットにレンズ188Fにより合焦される。二次元データ・アレイは、その後の処理のために電子プロセッサ188Hに電子信号140Bとして伝送される。検出器188G上の第2のスポットの位置はビーム130Rの横方向シアによっては影響されないが、ビーム130Rの伝播の方向の変化は検出器188G上の第2のスポットの位置をずらす。したがって、電子信号130Rはビーム130Rの伝播の方向についての情報を含む。
電子プロセッサ188Hは、2つの電子信号140Cおよび140Dを発生するために電子信号140Aおよび140Bを処理し、2つの電子信号140Cおよび140Dは2つの直交する平面におけるビーム130の測定ビームと参照ビーム成分の伝播の方向の差に比例する。
電気信号140は向き/移動トランスデューサ159に伝送される。信号140に含まれる情報は、2つの直交する軸についての測定物体ミラー170の向きの変化とは独立に、測定ビーム123の伝播の方向を二次元において実質的に一定に維持するように、向き/移動トランスデューサ159によりビーム操向ミラー158の向きを変更するためにサーボ・システムにおいて誤差信号として使用される。測定物体ミラー170へのビーム操向要素158による測定ビームの第1の再度向けて送る位置からの測定ビームの物理的経路長が、ビーム操向ミラー158による測定ビームの第2の再度向けて送る位置への測定物体ミラー170からの測定ビームの物理的経路長に等しいという条件下では、測定物体ミラー170の向きの変化がビーム操向要素158の向きの変化により補償されると、ビ
ーム操向要素158においてビーム123の横方向シアはない。物理的経路長に関するこの条件は、第1の実施形態条件として参照される。
第1の実施形態条件への応従は、測定物体ミラー170の向きの変化がビーム操向要素158の向きの変化により補償されると、ビーム操向要素158における測定ビーム123の横方向シアを排除する。しかし、測定物体ミラー170の向きの変化がビーム操向要素158の向きの変化により補償されると、参照ビーム126の横方向シアは導入される。参照ビーム126に横方向シアが導入されても、横方向シアの大きさは、測定物体ミラーの向きの変化のために、従来技術の平面ミラー干渉分光器の測定ビーム成分に導入された横方向シアに関連して大幅に低減され、低減の係数は、干渉分光器の測定レッグの物理的長さに対する参照レッグの物理的長さの比に比例する。
特定の最終用途の応用例に対しては、123の伝播の方向に通常平行な方向におけるビーム操向要素158の移動を導入することが望ましいことがある。ビーム操向要素158に対するこの種の移動は、向き/移動トランスデューサ159に伝送された電気信号144を介して信号プロセッサおよびコンピュータ194により制御される。
調整可能な要素の活性サーボ制御の発明的使用は、測定物体ミラー170への測定ビームの単一の通過を使用して、測定物体ミラー170に対する正確な変位測定を実行することを可能にする。第1の実施形態条件が特定の相対精度まで満足されている応用例に対して、本発明的技術は、横方向ビーム・シアおよび干渉分光器の要素の未補償分散性特性により引き起こされた参照ビームの位相を基準とした測定ビームの位相における測定物体ミラー170向き依存誤差を(特定の相対精度まで)低減する。
第1の実施形態の干渉分光器およびビーム操向アセンブリは、ビーム操向要素158の変位が参照ビームの光路長を基準とした測定ビームの光路長に少なくとも2次において影響を及ぼさない、すなわち、参照ビームおよび測定ビームの双方が、それらのビームの伝播の方向を、再度向けて送る各瞬間における入射の角度と実質的に同じ角度でビーム操向要素158により2回再度向けて送られ、ビーム操向要素158に進入する参照および測定ビームの経路の重心は実質的に同じ長さに延長し、かつ、ビーム操向要素158から射出する参照および測定ビームの経路の重心は実質的に同じ長さに延長するように構成されている。参照ビームの光路長を基準とした測定ビームの光路長に及ぼすビーム操向要素158の変位の最低次の影響の集合からの例は、ビーム操向要素158の変位の大きさにおける1次、測定物体ミラー170の向きの変化の大きさにおける1次、測定物体ミラー170の向きの変化の大きさにおける1次、および、干渉分光器の要素の1つまたは複数の面におけるいくつかの未補償誤差における1次となる。
干渉分光器およびビーム操向アセンブリは、(物体ミラー上の測定ビームのスポットの中心についての)物体ミラーおよび/またはビーム操向要素158の向きの変化が、参照ビームの光路長を基準とした測定ビームの光路長に1次において影響しないように:残留2次影響が測定ビームと参照ビームの経路長の差に比例し、かつ、測定ビームのスポットに対応する向きについての物体ミラーの向きの角度上の変化における2次である係数に比例するように構成されている。2次影響の大きさは多数通過の装置を基準として測定物体への測定ビームの単一通過により低減されている。
前段落に引用した2次影響は図1fの支援を得て説明する。図1fは初期の角度配向における物体ミラーの第1の場合、および、図1fの平面における向きの変化を持つ測定物体ミラー170の第2の場合に対して、測定ビームの等価な経路を概略の形で示す。第2の場合に対する測定物体ミラー170は点aについて角度β回転された測定物体ミラー170Aとして示す。第1の場合に対して干渉分光器により測定された距離は、点aとbの
間の距離の2倍であり、abにより表す。点bから点cへの直線は、サーボ・システムに制御されているビーム操向要素158の行動の結果として測定物体ミラー170Aの面に直交する。したがって、第2の場合に対して干渉分光器により測定された距離は点bとcの間の距離の2倍であり、点bとcの間の距離はbcにより表す。距離2bcは距離2abに以下のように関連付けられる。
2bc=2abcosβ (1)
式(1)における余弦の係数はβの2次である項、すなわち、β2/2だけ第1の場合の値とは異なっている。
第1の実施形態の他の特徴は、ビーム操向要素158から射出するビームの伝播の名目上の方向におけるビーム操向要素158の移動により生成された少なくとも1次における測定ビームまたは参照ビームのいずれか、および、ビーム成分の横方向シアがないこと;ビーム操向要素158に進入する、および、これから射出する参照および測定ビームの伝播の方向は実質的に平行であることである。
第1の実施形態の注目すべき特徴は、干渉分光器およびビーム操向アセンブリが非反転型のものである、すなわち、入力ビーム110の参照および測定ビーム成分の波面振幅における対応点が、出力ビーム130の参照および測定ビーム成分、および、出力ビーム132の参照および測定ビーム成分の波面振幅における点に実質的に重ね合わせられるように、マッピングすることである。この後者の特徴に関連するものは、ビーム130の参照と測定ビーム成分の間の角度、および、ビーム132の参照と測定ビーム成分の間の角度が、入力ビーム110の伝播の方向の変化によっては1次およびそれより高次において影響されないという付随的な特徴である。
当業者には、もし本発明の精神または範囲のいずれからも逸脱せずに入力ビーム110の伝播の方向が固定されていれば、前段落に引用した付随的特長の結果として、検出器188が、その機能を、第1の出力ビーム130の測定ビーム成分の1つまたは2つの直交する方向における横方向の位置の変化を検出することによりサーボ・システムにおいて実行可能であることは明らかであろう。1つの平面における特定のビームの伝播の方向の変化の検出から、1つの平面における横方向シアの検出へと検出器188の特性を変更するために、特定のビームの部分は、非偏光ビーム・スプリッタにより分割され、合焦用レンズを通過せずに、二連セル検出器などの検出器に直接透過され、二連セル検出器は横方向シアを検出するように配向されている。二連セル検出器は特定のビームの横方向シアに敏感であるが、特定のビームの伝播の方向における二連セル検出器での変化には敏感でない。特定のビームの2つの直交する平面における伝播の方向の変化の検出から、2つの直交する方向における横方向シアの検出へと検出器188の特性を変更するために、特定のビームは、合焦用レンズを通過せずに、四連セル検出器などの検出器に直接透過される。四連セル検出器は特定のビームの横方向シアに敏感であるが、特定のビームの伝播の方向における四連セル検出器での変化には敏感でない。
当業者には、リソグラフィ用ステッパ/スキャナに対する第1の実施形態の応用例において、測定物体ミラーがウェハ工程に装着可能であり、参照ミラーがレンズアセンブリに装着可能であり、レンズアセンブリは、本発明の範囲または精神から逸脱せずにカラム参照を形成するために、ウェハ上に露光用放射光ビームを合焦するために使用されることは、さらに明らかであろう。
第1の実施形態のいくつかの追加の長所がある。1つの追加の長所は、測定ビームおよび参照ビームに対する経路が高度に対称的であることであり、測定ビームの経路の各区画に対して、測定物体ミラー170および4分の1波長位相遅延板168の位置により規定
された可変空気経路を除いて、参照ビームの経路の実質的に平行な対応区画があることを一般に意味している。さらに、測定ビームおよび参照ビームは、空気中にある参照ビーム114の経路の区画をガラスで置き換えることにより(図1bを参照)、測定物体ミラー170および4分の1波長位相遅延板168の位置により規定された可変空気経路のみを除いて、同じ量のガラスおよび空気を介して通過させられ得ている。この対称性は、熱的および機械的な高い安定性につながる。
他の追加の長所は、測定ビームおよび参照ビームが、各々、遡及反射器172の面を含む同じ平坦な面から、第1のビーム分割アセンブリの菱形プリズム154の面152および156、第2のビーム分割アセンブリのドーブ・プリズム182の面162および184、および、測定物体ミラー170および参照ミラー178を除き、等しい回数反射することである。これは、第1の実施形態の様々な反射面の平行性に対する要件を大幅に低減する。
他の追加の長所は、第1の実施形態が容易に製造される光学的構成部分を含むことである。遡及反射器172は中空でないか、中空のいずれかの一般のタイプのものとし得る。第1および第2のビーム分割アセンブリは、通常の直角プリズム、ドーブ・プリズム、および、菱形プリズムから製造可能である。ビーム操向要素158は、中空でなくとも中空でも、容易に製造可能な台形プリズムである。台形プリズムは特に等辺形プリズムの頂部を切り落とすことにより製造可能である。
他の追加の長所は、特に測定物体ミラー170へのビームの擬似複数通過に関して、擬似反射であるゴースト反射のための機会が非常に少ないことである。この特性は本発明的装置により測定された測定および参照ビームの相対位相における繰り返し誤差の発生のための可能性を低減し、繰り返し誤差は従来技術の平面ミラー干渉分光器には一般的である。
第1の実施形態の他の特徴は、ビーム操向要素158が、ビーム操向要素158の向きの変化のオーダであるか、または、それ未満である反射されたビームの楕円率の変化に影響を及ぼすことである。測定ビームと参照ビームの間の測定された相対位相差における繰り返し誤差に及ぼす影響は典型的に3次である。1つの影響の例は繰り返し誤差の初期値の大きさの1次、および、再選択された向きについてのビーム操向要素158の向きの変化における2次の影響である。
第1の実施形態の他の特徴は単純な位置合わせ手順である。検出器188内の相対角度検出器188の存在は、以下の如くに装置の位置合わせを簡略化する。4分の1波長位相遅延板168と測定物体ミラー170の間で測定ビームを遮断することにより、電気誤差信号188は進入ビーム110の位置合わせを示すようになり、全ての他の位置合わせが正しいことを想定する。(図示しない)追加の表示手段を介してこの信号を見ることは、進入ビーム110をどのようにして最善に位置合わせするかについての情報を提供する。
位置合わせの手順に対するさらなる改善として、第1および第2のビーム分割アセンブリの角度配向および/または位置の調整により、第1の実施形態の装置を自動的に位置合わせするために、第1および第2のビーム分割アセンブリに追加のサーボ制御および(図示しない)追加の向き/移動トランスデューサを設けることが可能である。位置合わせの手順に対するさらなる改善の別法として、参照ミラー178の角度配向の調整により、第1の実施形態の装置を自動的に位置合わせするために、参照ミラー178に追加のサーボ制御および(図示しない)追加の向きトランスデューサを設けることが可能である。
ビームが透過される第1の実施形態の要素の全ての面は、干渉分光器のために高い透過
効率を維持するために反射防止コーティングが施されている。
当業者には、最終的用途の応用例によっては、第1の実施形態が、本発明の範囲または精神のいずれからも逸脱せずに、回転の2つの直交する軸の代わりに、回転の1つの軸のみについて測定物体ミラーの向きの変化を補償するために実施可能であることが明らかであろう。
図2aから2fは、物体の向きとは実質的に独立であり、かつ、物体の横方向の変位とも実質的に独立である物体の線形変位を測定するための本発明の第2の実施形態を概略の形で示しており、横方向の変位は線形変位に直交する。第2の実施形態は、2つの直交する軸についての物体の向きの変化に対して、動作の第1のモードで動作する実施形態の第1の分類およびその変形からのものである。第1の実施形態が、操向要素に関連した他の特定のステップにおける参照および測定ビームの身元の広がりを維持するためにビームの空間的分離を使用する場合に、第2の実施形態は、操向要素に関連する特定のステップにおけるビームの識別およびビーム経路の制御に対するビーム偏光符号化を使用する。
第2の実施形態は光ビーム210、ビーム操向要素270および向き/移動トランスデューサ271を含む光ビーム操向アセンブリ、第1、第2、第3、および、第4のビーム分割アセンブリBAS1、BAS2、BAS3、および、BAS4、遡及反射器293、単一の反射面を含む測定物体ミラー284、および、単一の反射面を含む参照ビーム・ミラー265を含む。プリズム250、254、258、262、267、269、272、および、296、半波長位相遅延板260および294、および、4分の1波長位相遅延板268は第1のビーム分割アセンブリBAS1を含み、インターフェイス面252、256、266、および、298は偏光ビーム分割インターフェイスであり、面264および274は反射面である(図2bを参照)。プリズム276および277は第2のビーム分割アセンブリBAS2を含み、インターフェイス280は偏光ビーム分割アセンブリであり、面278は反射面である(図2eを参照)。プリズム286および292は第3のビーム分割アセンブリBAS3を含み、面288は偏光ビーム分割インターフェイスである(図2dを参照)。プリズム251および255は第4のビーム分割アセンブリBAS4を含み、インターフェイス253は非偏光ビーム分割インターフェイスである(図2aを参照)。
第2の実施形態はヘテロダイン干渉分光器システムとしての使用のために適合されている。光ビーム210およびビーム210の光源の説明は第1の実施形態の光ビーム110およびビーム110の光源に対して与えられた対応する説明と同じである。
図2bに示すビーム210はBAS1に当たり、ビーム210の部分はビーム211としてインターフェイス252により反射され、ビーム211は測定ビーム213としてインターフェイス256により反射される。ビーム213は図2bの平面に直交に偏光される。ビーム210の第2の部分は図2bの平面において偏光された参照ビーム212としてインターフェイス252により透過される。
ビーム213は円偏光されたビームとして4分の1波長位相遅延板268により透過され、逆手円偏光を持つビームとしてビーム操向要素270により反射され、その後、図2aの平面において線形偏光されたビーム215として4分の1波長位相遅延板268により透過される(図2bを参照)。ビーム操向要素270は単一の反射面を含む。ビーム215はBAS1のビーム217として偏光インターフェイス256により透過される。ビーム217は反射インターフェイス274により反射され、ビーム219としてBAS1を射出する。
ビーム219はBAS2に進入し(図2eを参照)、ビーム221として反射面278
により反射され、ビーム221はビーム223として偏光ビーム分割インターフェイス280により反射される。
図2eの平面に直交に偏光されているビーム223は円偏光されたビームとして4分の1波長位相遅延板282により透過され、逆手円偏光を持つビームとして測定物体ミラー284により反射され、その後、図2eの平面において線形偏光され、かつ、図2aの平面に直交するビーム225として4分の1波長位相遅延板282により透過される。
ビーム225はBAS2に進入し、ビーム227として偏光ビーム分割インターフェイス280により透過される。ビーム227はBAS2から射出し、BAS3に進入し(図2dを参照)、かつ、ビーム229として偏光ビーム分割インターフェイス288により反射される。図2dの平面に直交に偏光されているビーム229は円偏光されたビームとして4分の1波長位相遅延板290により透過され、逆手円偏光を持つビームとして操向ミラー270により反射され、その後、図2dの平面において線形偏光されたビーム231として4分の1波長位相遅延板290により透過される。ビーム231はビーム233として偏光ビーム分割インターフェイス288により透過される。
ビーム233は遡及反射器293に進入し(図2dを参照)、ビーム235として遡及反射される(図2aを参照)。ビーム233および235は遡及反射器293にそれぞれ進入する、および、それから射出するビームとして図2fに示す。
図2bの平面において偏光された参照ビーム212はビーム214として半波長位相遅延板260により透過され、半波長位相遅延板260がそのように配向されているため、ビーム214は図2bの平面に直交に偏光される。ビーム214はビーム216として反射面264により反射され、ビーム216はビーム218として偏光ビーム分割インターフェイス266により反射される。図2bの平面に直交に偏光されているビーム218は円偏光を持つビームとして4分の1波長位相遅延板268により透過され、逆手円偏光を持つビームとして操向ミラー270により反射され、その後、図2bの平面において線形偏光されたビーム220として4分の1波長位相遅延板268により透過される。ビーム220はビーム222として偏光ビーム分割インターフェイス266により透過される。
ビーム222は遡及反射器293に進入し(図2aを参照)、ビーム224として遡及反射される(図2dを参照)。図2fにおいて、ビーム222および224は遡及反射器293にそれぞれ進入する、および、それから射出するビームとして示す。ビーム224はBAS3に進入し、ビーム226として偏光ビーム分割インターフェイス288により透過される(図2dを参照)。図2dの平面において偏光されているビーム226は円偏光されたビームとして4分の1波長位相遅延板290により透過され、逆手円偏光を持つビームとして操向ミラー270により反射され、その後、図2dの平面に直交に線形偏光されたビーム228として4分の1波長位相遅延板290により透過される。ビーム228はビーム230として偏光ビーム分割インターフェイス288により反射される。
ビーム230はBAS2に進入し(図2dを参照)、ビーム232として偏光ビーム分割インターフェイス280により透過される。ビーム223および232の投影は図2eの平面において重なり合わされる。図2dの平面に直交に偏光されているビーム232は、円偏光されたビームとして4分の1波長位相遅延板282により透過され、逆手円偏光を持つビームとして参照ミラー265により反射され、かつ、その後、図2dの平面において線形偏光されたビーム234として4分の1波長位相遅延板282により透過される。
ビーム234はBAS2に進入し、偏光ビーム分割インターフェイス280により反射
され、その後、ビーム238として反射面278により反射される(図2aを参照)。
図2bの平面において偏光されているビーム235はBAS1に進入し、ビーム237として半波長位相遅延板294により透過される。半波長位相遅延板294は、ビーム237が図2bの平面に直交に偏光されるように配向されている。ビーム237は出力ビーム240の1つの成分として偏光ビーム分割インターフェイス298により反射される。ビーム238は出力ビーム240の第2の成分として偏光ビーム分割インターフェイス298により透過される。
図2aに示すように、ビーム240はBAS4に進入し、出力ビーム240の第1の部分は第1の出力ビーム241として非偏光ビーム分割インターフェイス253により透過される。第1の出力ビーム241は、検出器257に当たり、2つの直交する平面における出力ビーム241中の測定および参照ビーム成分の伝播の方向のいかなる差にも関連する電気信号244を生成する。
ビーム240の第2の部分は第2の出力ビーム242として非偏光ビーム分割インターフェイス253により反射される。ビーム242は混合光ビーム243を生成するために配向された偏光板259により透過される。ビーム243は、検出器261に当たり、混合ビーム243の測定および参照ビーム成分の位相の差に関連する電気信号245を生成する。電気信号245は、混合ビーム243の測定および参照ビーム成分の位相の差についての情報に対するその後の処理のために電子プロセッサおよびコンピュータ263に伝送される。
電気信号244は向き/移動トランスデューサ271に伝送される。信号244に含まれる情報は、物体ミラー284の向きの変化とは独立に、測定ビーム237の伝播の方向を実質的に一定に維持するように、向き/移動トランスデューサ271によりビーム操向ミラー270の向きを変更するためにサーボ・システムにおいて誤差信号として使用される。
第2の実施形態の残りの説明は、繰り返し誤差の生成に関しては除き、第1の実施形態の説明の対応部分と同じである。第1の実施形態に関した第2の実施形態における追加の位相遅延板は、出力ビームの参照ビーム成分と測定ビーム成分の間で測定された相対位相における繰り返し誤差の生成に対する可能な場合の数を増加させる。しかし、追加の位相遅延板の結果として第2の実施形態において生成された繰り返し誤差は従来技術の平面ミラー干渉分光器において存在する対応する繰り返し誤差よりも一般に実質的に少なく、主に、多くの従来技術平面ミラー干渉分光器における測定ビームによる測定物体ミラーへの二重通過との比較において、第2の実施形態における測定ビームによる測定物体ミラー284への1回のみの通過しかないための結果である。
図3aから3fは、物体の向きとは実質的に独立であり、かつ、物体の横方向の変位とも実質的に独立である物体の線形変位を測定するための本発明の第3の実施形態を概略の形で示しており、横方向の変位は線形変位に直交する。第3の実施形態は、第1の軸についての物体の向きの変化に対して動作の第1のモードで、かつ、第1の軸および/または物体の横方向の変位に直交する第2の軸についての物体の向きの変化に対しては動作の第2のモードで動作する第1の分類の実施形態およびその変形からのものであり、横方向の変位は第2の軸および線形変位の双方に直交している。
第1および第3の実施形態の干渉分光器システムは物体の反射特性に関してを除き全体的に同様であり、第1の実施形態のための物体の反射特性は平面ミラーの特性であり、第3の実施形態のための物体の反射特性は屋根型プリズムの特性である。
第3の実施形態は光ビーム310、ビーム操向要素362および向き/移動トランスデューサ363を含む光ビーム操向アセンブリ、第1、第2、第3、および、第4のビーム分割アセンブリBAS1、BAS2、BAS3、および、BAS4、遡及反射器368、測定物体屋根型プリズム366、および、参照ビーム・プリズム364を含む。菱形プリズム350およびプリズム354は第1のビーム分割アセンブリBAS1を含み、インターフェイス352は偏光ビーム分割インターフェイスであり、面356は反射面である(図3bを参照)。プリズム358および370は第2のビーム分割アセンブリBAS2を含み、インターフェイス360は反射インターフェイスである(図3aを参照)。プリズム372および376は第3のビーム分割アセンブリBAS3を含み、インターフェイス374は反射面である(図3dを参照)。菱形プリズム378および384は第4のビーム分割アセンブリBAS4を含み、インターフェイス380は非偏光ビーム分割インターフェイスであり、面382および386は反射面である(図3eを参照)。
第3の実施形態はヘテロダイン干渉分光器としての使用に対して適合されている。光ビーム310およびビーム310の光源の説明は第1の実施形態の光ビーム110およびビーム110の光源に対して与えられた対応する説明と同様である。
図3aに示すように、ビーム310はBAS1に当たり、ビーム310の部分は測定ビーム311としてインターフェイス352により反射され、面356により反射される。ビーム311は図3aの平面に対して直交に偏光されている。ビーム310の第2の部分は、図3aの平面において偏光された参照ビーム312としてインターフェイス352により透過される。
図3bに示すように、ビーム311はBAS2に当たり、測定ビーム313としてインターフェイス360により反射される。ビーム313は図3bの平面において偏光されている。
ビーム313はビーム操向要素362に進入し(図3bを参照)、ビーム313から横方向に変位され、かつ、ビーム313の伝播の方向とは名目上は逆の方向に伝播するビーム315としてビーム操向要素362から射出する(図3dを参照)。図3bの平面上のビーム313およびビーム315の投影は重なり合わされる。ビーム操向要素362において、ビーム313は連続で、例えば内部全反射により、面362A、362B、および、362Cの各々により反射される(図3bおよび3dに示す干渉分光器の端面図を提示する図3cを参照)。ビーム操向要素362および向き/移動トランスデューサ363は、測定ビーム313を再度向けて送るビーム操向アセンブリを含む。向き/移動トランスデューサ363は、好ましくは、図3cの平面における向きの変化に対して、遡及反射器368のノード点についてビーム操向要素362の向きを変更し、遡及反射器368のノード点についてのビーム操向要素362の向きの変化は参照ビームにより経験される実質的に低減された横方向のシア効果を生成し、および/または、ビーム313の伝播の名目上の方向におけるビーム操向要素362の位置を変更する。ビーム操向要素362の向きは電子信号340により制御される。ビーム操向要素362の位置は電子信号344を介して電子プロセッサおよびコンピュータ394により制御される。
ビーム315はビーム317としてドーブ・プリズム364により透過される(図3dを参照)。ビーム317は図3dの平面において線形偏光されたビーム319として測定物体屋根型プリズム366により反射される。図3cの平面上のビーム317およびビーム319の投影は重なり合わされる。測定物体屋根型プリズム366は中空でないか、または、中空の構造のいずれかとし得る。ビーム319はビーム321としてドーブ・プリズム364により透過される。
ビーム321はビーム操向要素362に進入し(図3dを参照)、かつ、ビーム321の伝播の方向に対して名目上逆の方向に伝播するビーム323としてビーム操向要素362を射出する(図3bを参照)。ビーム323は遡及反射器368に進入し(図3bを参照)、ビーム325として遡及反射される。遡及反射器368およびドーブ・プリズム364の端面図は図3fに示す。ビーム325はBAS2に進入し、ビーム327としてインターフェイス360により反射される。
参照ビーム312はBAS3に進入し、ビーム314としてインターフェイス374により反射される(図3dを参照)。ビーム314はビーム操向要素362に進入し(図3dを参照)、ビーム314の伝播の方向に名目上逆の方向に伝播するビーム316としてビーム操向要素362を射出する(図3bおよび3dを参照)。図3bの平面上のビーム316およびビーム314の投影は重なり合わされる。図3cの平面上のビーム316およびビーム313の投影は重なり合わされる。ビーム316は遡及反射器368に進入し、ビーム318として遡及反射される(図3bを参照)。ビーム318はビーム操向要素362に進入し(図3bを参照)、ビーム318の伝播の方向に名目上逆の方向に伝播するビーム320としてビーム操向要素362を射出する(図3dを参照)。
測定ビーム323および325および参照ビーム316および318は同じ頂部ビーム平面内に横たわる(図3bを参照)。測定ビーム315および321および参照ビーム314および320は同じ底部ビーム平面内に横たわる(図3dを参照)。
ビーム320はドーブ・プリズム364に進入し、ビーム324として面364Aおよび364Bにより反射される。ドーブ・プリズム364は、測定物体屋根型プリズム366がビーム317をビーム319として再度向けて送る際に機能する方法と同じ方法で、ビーム320をビーム324として再度向けて送る際に屋根型プリズムとして機能する。図3dの平面に直交に偏光されているビーム324はBAS3に進入し、ビーム326としてインターフェイス374により反射される。
ビーム327はBAS4に進入し(図3eを参照)、ビーム327の第1の部分は第1の出力ビーム330の1つの成分として非偏光ビーム分割インターフェイス380により反射される。ビーム326はBAS4に進入し、ビーム328として面386により反射される。ビーム328の第1の部分は第1の出力ビーム330の第2の成分としてビーム分割インターフェイス380により透過される。第1の出力ビーム330は出力ビーム332として面382により反射される。出力ビーム332は、検出器390に当たり、図3dの平面における、すなわち、図3eの平面に直交する出力ビーム332の測定ビーム成分のいかなる横方向シアにも関連する1つの成分、および、図3dの平面に直交する、すなわち、図3eの平面における出力ビーム332中の測定および参照ビーム成分の伝播の方向のいかなる差にも関連する第2の成分を持つ電気信号340を生成する。
ビーム327の第2の部分は出力ビーム334の1つの成分として非偏光ビーム分割インターフェイス380により透過される。ビーム328の第2の部分は第2の出力ビーム334の第2の成分として非偏光ビーム分割インターフェイス380により反射される。ビーム334は、検出器392に当たり、混合光学ビーム336を生成するために配向された偏光板388により透過される。ビーム336は、混合ビーム336の測定および参照ビーム成分の位相の差に関連する電気信号342を発生する。電気信号342は、混合ビーム336の測定および参照ビーム成分の位相の差についての情報に対するその後の処理のために電子プロセッサおよびコンピュータ394に伝送される。
電気信号340は向き/移動トランスデューサ363に伝送される。信号340に含まれる情報は、測定物体屋根型プリズム366の向きの変化とは独立に、図3bの平面にお
けるビーム327の横方向シアおよび図3bの平面に直交する平面における測定ビーム327の伝播の方向を実質的に一定に維持するように、向き/移動トランスデューサ363によりビーム操向要素362の向きを変更するためにサーボ・システムにおいて誤差信号として使用される。測定物体屋根型プリズム366へのビーム操向要素362による第1の再度向けて送る位置からの測定ビームの物理的経路長が、測定物体屋根型プリズム366からビーム操向要素362による第2の再度向けて送る位置への測定ビームの物理的経路長に等しいという条件下では、測定物体屋根型プリズム366の向きの変化がビーム操向ミラー362の向きの変化により補償されると、図3bの平面に直交するビーム327の横方向シアはない。物理的経路長に関するこの条件は、第3の実施形態条件として参照される。
第3の実施形態条件への応従は、測定物体屋根型プリズム366の向きの変化がビーム操向要素362の向きの変化により補償されると、ビーム操向要素362における測定ビーム323の横方向シアを排除する。しかし、測定物体屋根型プリズム366の向きの変化がビーム操向要素362の向きの変化により補償されると、参照ビーム316の横方向シアは導入される。参照ビーム316に横方向シアが導入されても、横方向シアの大きさは、物体ミラーの向きの変化のために、従来技術の平面ミラー干渉分光器の測定ビーム成分に導入された横方向シアに関連して大幅に低減され、低減の係数は、干渉分光器の測定レッグの物理的長さに対する参照レッグの物理的長さの比に比例する。
第3の実施形態の残りの説明は第1の実施形態に対して与えられた説明の対応する部分と同様である。
本発明の第3の実施形態の第1の変形は、物体の向きと実質的に独立であり、かつ、物体の横方向変位とも実質的に独立である物体の線形変位の測定に対して説明され、横方向変位は線形変位に直交している。第3の実施形態の第1の変形は、2つの直交する軸についての物体の向きの変化、および/または、物体の横方向変位に対して動作の第2のモードにおいて動作する第1の分類の実施形態およびその変形からのものであり、横方向変位は線形変位に直交している。
第3の実施形態の第1の変形の干渉分光器システムおよび少なくとも1つのビーム操向アセンブリは、物体要素、特定の光学ビームの検出器、特定の光学ビームの検出器により生成された信号、および、個別のサーボ・システムを除き、第3の実施形態の干渉分光器システムおよび少なくとも1つのビーム操向アセンブリと同じ要素を含む。
第3の実施形態の測定物体要素である屋根型プリズム366は、第3の実施形態の第1の変形において、(図示しない)測定物体遡及反射器366Aにより置き換えられている。その結果、出力ビーム332Aの参照および測定ビーム成分の伝播の相対方向であって、第3の実施形態の第1の変形の出力ビームは第3の実施形態の出力ビーム332に対応する方向は、第3の実施形態の第1の変形のビーム操向要素362の向きの変化とは実質的に独立している。しかし、線形変位の方向に直行する平面における測定物体遡及反射器366Aの横方向移動、および/または、測定物体遡及反射器366Aの向きの変化は、出力ビーム332Aの測定ビーム成分の横方向変位を発生する。
第3の実施形態の検出器390に対応する第3の実施形態の第1の変形の検出器390Aは、2つの直交する方向における出力ビーム332Aの測定ビーム成分の横方向変位またはシアを検出し、電気信号340Aを発生し、電気信号は第3の実施形態の電気信号340に対応する。
電気信号340Aは第3の実施形態の第1の変形の向き/移動トランスデューサ363に伝送される。信号340Aに含まれる情報は、線形変位の方向に直行する平面における
測定物体遡及反射器366Aの横方向移動とは実質的に独立に、および/または、2つの直交する軸についての測定物体遡及反射器366Aの向きの変化とも実質的に独立に、出力ビーム332Aの測定ビーム成分の横方向の位置を一定に維持するように、向き/移動トランスデューサ363によりビーム操向要素362の向きを変更するためにサーボ・システムにおいて誤差信号として使用される。
第3の実施形態の第1の変形の残りの説明は、第3の実施形態に対して与えられた説明の対応する部分と同様である。
図4aから4fは、物体の向きとは実質的に独立であり、かつ、物体の横方向変位とも実質的に独立である物体の線形変位を測定するための本発明の第4の実施形態を概略した形で示し、横方向変位は線形変位に直交している。第4の実施形態は、第1の軸についての物体の向きの変化に対する動作の第1のモードで、かつ、第1の軸に直交する第2の軸についての物体の向きの変化および/または物体の横方向変位に対して動作の第2のモードで動作する第1の分類の実施形態およびその変形からのものであり、横方向の変位は第2の軸および線形変位の双方に直交している。
第3および第4の実施形態の干渉分光システムは、測定ビームが物体に対して行なう通過の数および参照ミラーに対して参照ビームにより行なわれる通過の関連数に関してを除き、全般に同様であり、第3の実施形態において対応する測定(参照)ビームが伝播の1つの方向のみにおいて特定の区画を通過する場合に、第4の実施形態の測定(参照)ビームは伝播の2つの相反する方向において測定(参照)経路のその特定の区画を横切る。第4の実施形態の複数通過構成における入力測定(参照)ビーム成分からの出力測定(参照)ビーム成分の効率的な分離は、偏光符号化および偏光ビーム分割の使用により達成される。
第3および第4の実施形態の多くの要素は同様の機能を実行し、これらの要素は数字番号付け方式により示され、第4の実施形態に対して同様の機能を実行する要素の数字番号は、100ずつだけ増加された第3の実施形態の対応する要素の数字番号と等しい。参照および測定ビーム経路の特定の区画はこの数字番号付け方式により示され、第3の実施形態の対応する経路区画と同じ記述を有する第4の実施形態の参照または測定経路の特定の区画の数字番号は、100ずつだけ増加された第3の実施形態の対応する経路区画の数字番号と等しい。
第4の実施形態に対する測定(参照)ビーム経路の特定の区画に対して、伝播の戻る方向で特定の区画を横切る測定(参照)ビームがあり、伝播の戻らない、または、前に向かう方向は測定物体屋根型プリズム466(参照ビーム・ドーブ・プリズム464)への第1の通過と関連し、伝播の戻る方向は測定物体屋根型プリズム466(参照ビーム・ドーブ・プリズム464)への第2の通過と関連する。戻る方向で特定の区画を横切る追加の測定(参照)ビームの説明は、他の点では、第3の実施形態に対する伝播の戻らない方向で横切る測定(参照)ビームに関連して与えられた説明の対応する部分と同様であり、戻る方向で横切る測定(参照)ビームの英数字番号は接尾文字Rが付加された戻らない方向で横切る測定(参照)ビームの数字番号と等しい。
第4の実施形態は光ビーム410、ビーム操向要素462および向き/移動トランスデューサ463を含む光ビーム操向アセンブリ、第1、第2、第3、および、第4のビーム分割アセンブリ、遡及反射器468、屋根型プリズムを含む測定物体要素466、ドーブ・プリズムを含む参照ビーム要素464、ミラー461、および、4分の1波長位相遅延板457を含む。菱形プリズム450およびプリズム454は第1のビーム分割アセンブリBAS1を含み、インターフェイス452は偏光ビーム分割インターフェイスであり、面456は反射面である(図4aを参照)。プリズム458および470(図4bを参照
)は第2のビーム分割アセンブリBAS2を含み、インターフェイス460は反射インターフェイスである。プリズム472および476(図4dを参照)は第3のビーム分割アセンブリBAS3を含み、インターフェイス474は反射インターフェイスである。プリズム451、453、および、465、および、菱形プリズム467は、第4のビーム分割アセンブリBAS4を含み(図4eを参照)、インターフェイス455は、非偏光ビーム分割インターフェイスであり、インターフェイス469は偏光ビーム分割インターフェイスであり、かつ、面471は反射面である。
測定ビーム427および参照ビーム426の発生の説明は、第3の実施形態の測定ビーム327および参照ビーム326の発生の対応する説明に対して与えられた説明と同様である。図4eに示すように、ビーム427は第4のビーム分割アセンブリに進入し、ビーム427の第1の部分は図4eの平面に直行に偏光された測定ビーム成分401として非偏光ビーム分割インターフェイス455により透過される。ビーム427の第2の部分は図4eの平面に直行に偏光された測定ビーム成分403として非偏光ビーム分割インターフェイス455により反射される。ビーム426はBAS4に進入し、ビーム426の第1の部分は図4eの平面において偏光された参照ビーム成分400として非偏光ビーム分割インターフェイス455により透過される。ビーム426の第2の部分は図4eの平面において偏光された測定ビーム成分402として非偏光ビーム分割インターフェイス455により反射される。
ビーム401は第1の出力ビーム406の1つの成分として偏光ビーム分割インターフェイス469により反射される。ビーム402は反射表面404によって反射され、ビーム404は第1の出力ビーム406の第2の成分として偏光ビーム分割インターフェイス469により透過される。第1の出力ビーム406は、検出器496に当たり、図4dの平面内にあり、かつ、ビーム417の伝播の方向に名目上直行する測定物体屋根型プリズム466の変位、および/または、図4dの平面に垂直な軸についての測定物体屋根型プリズム466の向きの変化により生成された出力ビーム406の測定ビーム成分のいかなる横方向シアにも関連した第1の成分、および、図4dの平面内にあり、かつ、ビーム417の伝播の方向に名目上直行する軸についての測定物体屋根型プリズム466の向きの変化により生成された出力ビーム406中の測定および参照ビーム成分の伝播の方向のいかなる差にも関連した第2の成分を持つ電気信号を生成する。
図4eにおいて、図4dの平面に直交に偏光されているビーム403は円偏光されたビームとして4分の1波長位相遅延板457により透過され、逆手円偏光を持つビームとしてミラー461により反射され、かつ、その後、図4eの平面に直交に偏光されたビーム405として位相遅延板457により透過される。ビーム405はBAS4に進入し、ビーム405の部分はビーム427Rとして非偏光ビーム分割インターフェイス455により反射される。ビーム427Rはビーム427の偏光に直交の偏光を有する。
図4eの平面において偏光されているビーム402は、円偏光ビームとして4分の1波長位相遅延板457により透過され、逆手円偏光を持つビームとしてミラー461により反射され、図4eの平面に直交に偏光されたビーム408として位相遅延板457により実質的に透過される。ビーム408はBAS4に進入し、ビーム408の部分はビーム426Rとして非偏光ビーム分割インターフェイス455により反射される。ビーム426Rはビーム426の偏光に直交する偏光を有する。
ビーム427Rはビーム427と実質的に同じ長さに延長し、かつ、ビーム427Rはビーム427の方向に実質的に逆の伝播の方向を有する。その結果、ビーム427Rはビーム411Rを発生するために、ビーム427の発生につながる通過である干渉分光器の部分を介して通過を実質的に追跡する。干渉分光器の部分を介した追跡は、特に測定物体
屋根型プリズム466への通過を含む。ビーム411Rはビーム411と実質的に同じ長さにわたって延長し、かつ、ビーム411Rはビーム411の伝播の方向と実質的に逆の伝播の方向を有する。
ビーム426Rはビーム426と実質的に同じ長さにわたって延長し、かつ、ビーム426Rはビーム426の伝播の方向と実質的に逆の伝播の方向を有する。その結果、ビーム426Rはビーム412Rを発生するために、ビーム426の発生につながる通過である干渉分光器の部分を介して通過を実質的に追跡する。干渉分光器の部分を介した追跡は、参照ドーブ・プリズム464への通過を含む。ビーム412Rはビーム412と実質的に同じ長さにわたって延長し、かつ、ビーム412Rはビーム412の伝播の方向と実質的に逆の伝播の方向を有する。
図4aに示すように、図4aの平面において偏光されているビーム411Rは第1のビーム分割アセンブリに進入し、反射面456により反射され、第2の出力ビーム446の第1の成分として偏光ビーム分割インターフェイス452により透過される。図4aの平面に直交に偏光されているビーム412Rは第1のビーム分割アセンブリに進入し、第2の出力ビーム446の第2の成分として偏光ビーム分割インターフェイス452により反射される。
ビーム446は混合光学ビーム448を生成するために配向されている偏光板497により透過される。ビーム448は、検出器498に当たり、混合ビーム448の測定と参照のビーム成分の位相の差に関連した電気信号443を発生する。電気信号443は混合ビーム448の測定と参照のビーム成分の位相の差についての情報に対するその後の処理のために電子プロセッサおよびコンピュータ499に伝送される。
第4の実施形態の重要な特徴は、従来技術の干渉分光器の場合の単一通過において垂直に横切られた同じ光学的経路にわたる測定物体屋根型プリズム466への二重通過の発生である。
第4の実施形態の残りの説明は第3の実施形態に対して与えられた説明の対応する部分と同様である。
第4の実施形態の第1の変形が説明され、この変形において、ビーム操向要素462を制御するために使用されるサーボ・システムで使用される電気信号の発生は第4の実施形態において使用される電気信号の発生とは異なっている。第4の実施形態の第1の変形において、検出器496は、図4dの平面内にあり、かつ、ビーム417の伝播の方向に名目上直行する測定物体屋根型プリズム466の変位、および/または、図4dの平面に垂直な軸についての測定物体屋根型プリズム466の向きの変化により生成された出力ビーム406の測定ビーム成分のいかなる横方向シアにも関連した電気信号の第1の成分のみを発生し、(図示しない)第3の検出器498Aは、図4dの平面内にあり、かつ、ビーム417の伝播の方向に名目上直行する軸についての測定物体屋根型プリズム466の向きの変化により生成された出力ビーム406中の測定と参照のビーム成分の伝播の方向のいかなる差にも関連した第2の成分の機能を役立つための電気信号441Aを発生するために追加されている。
第3の検出器498Aは、ビーム446の経路に挿入された非偏光ビーム・スプリッタにより反射された第2の出力ビーム446の第1の部分を検出し、第2の出力ビーム446の第2の部分は挿入されたビーム・スプリッタにより透過され、混合ビームを生成するように配向された偏光板497により透過され、かつ、検出器499により検出される。
第4の実施形態の第1の変形の長所は、図4dの平面にあり、かつ、ビーム417の伝
播の方向に名目上直行する軸についての物体屋根型プリズム466の向きの変化により生成された出力ビーム406中の測定と参照のビーム成分の伝播の方向における差の2倍である、出力ビーム446の測定と参照のビーム成分の伝播の方向における差を、第2の出力ビーム446の第1の部分が有することである。加えて、第2の出力ビーム446の第1の部分の測定および参照ビーム成分は、図4dの平面にあり、かつ、ビーム417の伝播の方向に名目上直行する物体屋根型プリズム466の変位、および/または、図4dの平面に垂直な軸についての測定物体屋根型プリズム466の向きの変化によって生成された横方向シアを実質的に有さない。
本発明の第4の実施形態の第2の変形は、物体の向きとは実質的に独立であり、かつ、物体の横方向変位とも実質的に独立である物体の線形変位の測定に対して説明され、横方向変位は線形変位に直交している。第4の実施形態の第2の変形は、2つの直交する軸についての物体の向きの変化、および/または、物体の横方向変位に対して動作の第2のモードで動作する第1の分類の実施形態およびその変形からのものであり、横方向変位は線形変位に直交している。
第4の実施形態の第2の変形の干渉分光器システムおよび少なくとも1つのビーム操向アセンブリは、物体要素、特定の光学ビームの検出器、特定の光学ビームの検出器により生成される信号、および、個別のサーボ・システムを除き第4の実施形態の干渉分光器システムおよび少なくとも1つのビーム操向アセンブリと同じ要素を含む。
第4の測定物体要素である測定物体屋根型プリズム466は第4の実施形態の第2の変形において(図示しない)測定物体遡及反射器466Bにより置き換えられている。その結果、第4の実施形態の出力ビーム401に対応する第4の実施形態の第2の変形の出力ビームである出力ビーム401Bの参照および測定ビーム成分の伝播の相対方向は、第4の実施形態の第2の変形のビーム操向要素462の向きの変化とは実質的に独立である。しかし、線形変位の方向に直行する平面における測定物体遡及反射器466Bの横方向移動は出力ビーム401Bの測定ビーム成分の横方向変位を発生する。
第4の実施形態の検出器496に対応する第4の実施形態の第2の変形の検出器496Bは、2つの直交する方向における出力ビーム401Bの測定ビーム成分の横方向変位またはシアを検出し、第4の実施形態の電気信号441に対応する電気信号である電気信号441Bを発生する。電気信号441Bは2つの成分を含み、1つの成分は、図4dの平面にあり、かつ、ビーム417の伝播の方向に名目上直行する測定物体遡及反射器466Bの変位、および/または、図4dの平面に垂直な軸についての測定物体遡及反射器466Bの向きの変化により生成された出力ビーム406の測定ビーム成分のいかなる横方向シアにも関連し、かつ、第2の成分は、図4dの平面に垂直であり、かつ、ビーム417の伝播の方向に名目上直行する測定物体遡及反射器466Bの変位、および/または、図4dの平面に平行な軸についての測定物体遡及反射器466Bの向きの変化によって生成された出力ビーム406の測定ビーム成分のいかなる横方向シアにも関連する。
電気信号441Bは第4の実施形態の第2の変形の向き/移動トランスデューサ463に伝送される。信号441Bに含まれる情報は、線形変位の方向に直行する平面における測定物体遡及反射器466Bの横方向移動とは実質的に独立に、および/または、2つの直交する軸についての測定物体遡及反射器466Bの向きの変化とは実質的に独立に、出力ビーム401Bの測定ビーム成分の横方向位置を実質的に一定に維持するように、向き/移動トランスデューサ463によりビーム操向要素462の向きを変更するためにサーボ・システムにおいて誤差信号として使用される。
第4の実施形態の第2の変形の残りの説明は第4の実施形態に対して与えられた説明の
対応する部分と同様である。
図5は、物体の向きとは実質的に独立であり、かつ、物体の横方向の変位とも実質的に独立である物体の線形変位を測定するための本発明の第5の実施形態を概略の形で示しており、横方向の変位は線形変位に直交する。第5の実施形態は、2つの直交する軸についての物体の向きの変化に対して動作の第1のモードで動作する本発明の第1の分類の実施形態およびその変形からのものである。
実施形態は、ビーム分割および再結合光学系530、向き/移動トランスデューサ542に装着されたビーム操向ミラー540、相対ビーム角度センサアセンブリ550、参照ミラー536、2つ遡及反射器531および533、光検出器534、2つの4分の1波長遅延板538および539、および、測定物体ミラー590を主に含む。遡及反射器531および533は、いずれかの1つを介して中央を通過するビームが遡及反射されないように頂部を切り落としてある。
第5の実施形態はヘテロダイン干渉分光器システムとの使用のために適合されている。ビーム510の光源およびビーム510の説明は第1の実施形態に対して与えられたビーム110の光源およびビーム110の説明と同様である。進入ビーム510はビーム分割および再結合光学系530の偏光ビーム・スプリッタ面570上に当たる。偏光ビーム・スプリッタ面570は進入ビーム510の直交に偏光された成分を測定ビーム512と参照ビーム520に分離する。測定ビーム512は図5の平面に垂直な線形偏光を当初有している。参照ビーム520は図5の平面における線形偏光を当初有している。偏光ビーム・スプリッタ面570は図5の平面に直交に偏光されている光を反射し、図5の平面において偏光されている光を透過する。
測定ビーム512は、遡及反射器531からの反射の後、偏光ビーム・スプリッタ面570からの第1の反射が方向を逆転させた後、図5において左から右に当初進行する。現在右から左に進行中の測定ビーム512は、偏光ビーム・スプリッタ面570から2回反射し、その後、上方に進行する。測定ビーム512は調整可能ミラー540から第1回目に反射し、遡及反射器533を第1回目に通過し、続いて、4分の1波長位相遅延板539を第1回目に通過する。4分の1波長位相遅延板539は図5の平面に直交な初期線形偏光で測定ビーム512を円偏光に変換し、現在図中では514で示される。続いて、測定ビーム514は測定物体ミラー590からの反射の後、方向を逆転し、4分の1波長位相遅延板539を第2回目に通過し、図5の平面における線形偏光への正味の変化をもたらす。測定ビーム514は遡及反射器533の中央を第2回目に通過し、続いて、調整可能ミラー540から第2回目に反射し、下方に進行する。測定ビーム514は偏光ビーム・スプリッタ面570を第1回目に通過し、ビーム分割および再結合光学系530の反射性背面571から1回反射する。続いて、測定ビーム514は偏光ビーム・スプリッタ面570を通過し、図5の平面において偏光された射出ビーム516の成分として左から右に進行を続ける。
偏光ビーム・スプリッタ面570を第1回目に通過した後、下方に当初進行する参照ビーム520は、ビーム分割および再結合光学系530の反射性背面571から1回反射する。左から右に現在進行中の参照ビーム520は偏光ビーム・スプリッタ面570を第2回目に通過し、遡及反射器531を第1回目に中央を通過し、続いて、4分の1波長位相遅延板538を第1回目に通過する。4分の1波長位相遅延板538は図5の平面において偏光されている参照ビーム520の偏光を、522で現在示す円偏光されたビームに返還する。続いて、参照ビーム522は参照ミラー536から反射した後に方向を逆転し、4分の1波長遅延板538を第2回目に通過し、図5の平面に直交な線形偏光への正味の変化をもたらす。現在右から左に進行中の参照ビーム522は遡及反射器531の中央を第2回目に通過し、続いて、偏光ビーム・スプリッタ面570から第1回目に反射し、上
方に進行する。参照ビーム522は調整可能ミラー540から第1回目に反射し、左から右に進行し、続いて、遡及反射器533からの反射の後に方向を逆転する。続いて、参照ビーム522は調整可能ミラー540から第2回目に反射し、下方に進行し、偏光ビーム・スプリッタ面570から第2回目に反射し、図5の平面に直交に偏光された射出ビーム516の成分として左から右に進行を続ける。
射出ビーム516はそれぞれ測定ビーム514と参照ビーム522に対応する直交に偏光された成分を含む。射出ビーム516は、光検出器534上へピック・オフ・ミラー559および混合偏光板532を通過する。図5の平面に関して約45°に配向された混合偏光板532は、射出ビーム516の直交に偏光された成分を単一の線形偏光成分を含む混合ビームに結合する。光検出器534は、(図5には示さない)信号処理システムに伝送されている信号580を使用して、例えば光電検出により、混合ビームを電子干渉信号に変換する。電子干渉信号580は、測定ミラー590と参照ミラー536の相対的な動きにより導入されたいかなるドプラ・シフトにもよりずらされた進入ビーム510の直交成分間の光学的周波数の差と同じ周波数を有する。電子干渉信号580の位相は測定ビーム514と参照ビーム522の光路間の差に従って変化する。したがって、電子干渉信号580は、光学的干渉現象を使用して、参照ミラー536に関して測定物体ミラー590の変位を監視する手段を提供する。
同時に、射出ビーム516からのサンプル・ビーム518はピック・オフ・ミラー559から反射し、相対ビーム角度センサアセンブリ550内に進行する。相対ビーム角度センサアセンブリ550内には、サンプル・ビーム518から測定ビーム成分を選択する偏光板558がある。続いて、ビーム519は、レンズ556を介して、ビーム519の測定ビーム成分の角度配向を決定するための四連セル検出器、高速CCDカメラ、もしくは、横効果フォトダイオード、または、同様の手段などの検出器554に進行する。検出器554からの情報は電気誤差信号591としてサーボ制御器552へ通過する。
サーボ制御器552は電子駆動信号592を向き/移動トランスデューサ542に送り、トランスデューサ542は、ビーム分割および再結合光学系530を射出する際の測定ビーム514の検出された角度の変化に応答してビーム操向ミラー540の角度配向を修正する。向き/移動トランスデューサ542は、参照遡及反射器533のノード点についてのビーム操向ミラー542の向きの変化である、好ましくは遡及反射器533のノード点についてのビーム操向ミラー540の向きを、信号592に応答して変化させ、参照ビームにより経験される実質的に低減された横方向シアを生成する。通常の動作において、電子サーボ制御器552は、ビーム分割および再結合光学系530を射出する際の測定ビーム514の角度を、ビーム分割および再結合光学系530を射出する際の参照ビーム522の角度に関して何らかの固定された値に維持する。よりしばしば、電子干渉信号580の強度を最大化し、かつ、ビーム・シアに帰せられる誤差を最小に抑えるように、ビーム分割および再結合光学系530を射出する際の参照ビーム522と測定ビーム514の間の角度の差を最小に抑えることが望ましい。
相対ビーム角度センサアセンブリ550、ビーム操向ミラー540、および、向き/移動トランスデューサ542の結合された行動は、測定物体ミラー590の向きの変化を補償することである。本実施形態において、この補償は測定物体ミラー590の測定された線形変位を乱さずに典型的に達成される。したがって、測定ビーム514と参照ビーム522の光路差はビーム操向ミラー540の角度または位置の変化とは実質的に独立である。
第5の実施形態のいくつかの長所がある。第1に、測定ビーム514および参照ビーム522に対する経路は高度に対称的であり、測定物体ミラー590の変位により規定され
た可変空気経路のみを除いて、同じ量のガラスおよび空気を介して通過していることを意味している。測定ビーム514および参照ビーム522は、電子干渉信号580の測定された位相において繰り返し誤差を発生する測定ビームおよび参照ビームの互いによる汚染を最小に抑えるためにこれらのビームが空間的に分離されてはいるが、実質的に平行な経路も有する。この対称性は熱的および機械的な高い安定性につながる。
第2に、測定ビーム514および参照ビーム522が、各々、等しい回数だけ同じ平坦面、特にビーム分割および再結合光学系530の反射性背面571および偏光ビーム・スプリッタ面570から反射する、このことは、ビーム分割および再結合光学系530の2つの面の平行性に対する要件を大幅に低減する。
第3に、実施形態は容易に製造される光学的構成部分を含む。遡及反射器は、頂部底が下方にされ、平坦に研磨された、中空でないか、または、中空のいずれかの一般のタイプのものとし得る。ビーム分割および再結合光学系530は、背面571を反射性にするための平坦かつ研磨された1つのエッジ底を備えた通常の立方体ビーム・スプリッタとし得る。ピック・オフ・ミラー559はコーティングされていないガラスの小片とし得、この場合、図5の平面に直交に偏光された射出ビーム516の成分に都合良く配向されている。
第4に、特に測定物体ミラー590への擬似複数通過に関して、擬似反射としても知られているゴースト反射のための機会が非常に少ない。この特性は、従来技術の平面ミラー干渉分光器の大多数に共通である繰り返し誤差の可能性を低減する。
第5の実施形態の残りの説明は、ビーム操向ミラー540の面に名目上直行する方向におけるビーム操向ミラー530の移動により、測定および参照ビームに導入された横方向シアに関してを除き、第1の実施形態に対して与えられた説明の対応する部分と同じである。
図6aおよび6bは、物体の向きとは実質的に独立であり、かつ、物体の横方向の変位とも実質的に独立である物体の線形変位を測定するための本発明の第6の実施形態を概略の形で示しており、横方向の変位は線形変位に直交する。第6の実施形態は、2つの直交する軸について動作の第1のモードで動作する本発明の第2の分類の実施形態およびその変形からのものである。
図6aに示す光ビーム610および光ビーム610の光源の説明は第1の実施形態に対して与えられた光ビーム110および光ビーム110の光源の説明と同様である。図6aに示すように、ビーム610はビーム・スプリッタ650、例えば偏光型のビーム・スプリッタ上に当たる。ビーム610の部分は図6aの平面において偏光された測定ビーム611として通過され、ビーム610の第2の部分は図6aの平面に直交に偏光された参照ビーム612として反射される。
図6aにおいて、ビーム611はビーム613としてビーム操向ミラー652の第1の面により反射される。ビーム操向ミラー652および配向トランスデューサ653Aおよび653Bは測定ビーム613を再度向けて送るビーム操向アセンブリを含む。ビーム613はミラー654により反射され、ビーム615としてミラーアセンブリ656に進入する。図6bに示すように、ミラーアセンブリ656は3つのミラー656A、656B、および、656Cを含む。図6bの平面は図6aの平面に直交している。ビーム615はミラー656A、656B,および、656Cの各々により反射され、ビーム621としてミラーアセンブリ656を射出する。ミラーアセンブリ656は図6aの平面にあり、かつ、ビーム615の伝播の方向に直交する軸についての画像反転器である。しかし、
ミラーアセンブリ656の主機能は図6bの平面におけるビーム615の伝播の方向の変化を図6bの平面におけるビーム621の伝播の逆の方向の変化に変換すること、および、図6aの平面におけるビーム615の方向の変化を図6aの平面におけるビーム621の伝播の方向の同じ変化に移動することである。
図6aの平面において偏光されているビーム621はビーム623として偏光ビーム・スプリッタ658により透過される。図6aの平面において偏光されているビーム623は円偏光されたビームとして4分の1波長位相遅延板660により透過され、逆手円偏光を持つビームとして測定物体ミラー662により反射され、かつ、その後、図6aの平面に垂直に線形偏光されたビーム627として4分の1波長位相遅延板660により透過される。ビーム627はビーム629としてビーム・スプリッタ658により反射される。
ビーム629はビーム631を形成するためにミラー664Aおよび664Bにより反射される。ミラー664Aおよび664Bは図6aの平面におけるビーム629と631の間の一定の離別を共働して五角形プリズムと同様に生成する。ビーム631はビーム633としてビーム操向ミラー652の第2の面から反射される。測定ビーム・ミラー662の向きの変化はビーム操向ミラー652におけるビーム633の伝播の方向の変化および横方向シアに影響を及ぼす。ビーム633に対する影響の双方を補償することは、画像反転器656、ビーム・スプリッタ658、ミラー664Aおよび664Bを含む一定別離ミラーアセンブリ、および、ビーム操向ミラー652からの第1と第2の反射の間の測定ビームの経路に位置された測定物体ミラー662と一緒に、ビーム操向ミラー652の向きの適切な変化により可能である。
ビーム633はビーム635としてミラー666により反射される。ビーム635は図6aの平面に垂直に偏光されている。
参照ビーム612は円偏光ビームとして4分の1波長位相遅延板668Aにより透過され、遡及反射器670により反射され、かつ、図6aの平面において線形偏光されたビーム616として4分の1波長位相遅延板668Bにより透過される。
ビーム635の部分は、出力ビーム636の1つの成分として偏光ビーム・スプリッタ672により反射される。ビーム616の部分は出力ビーム636の第2の成分として偏光ビーム・スプリッタ672により透過される。
出力ビーム636の部分はビーム638として非偏光ビーム・スプリッタ674により反射される。ビーム638は、検出器676に当たり、ビーム638中の測定と参照ビーム成分の伝播の方向のいかなる差にも関連する電気信号644を生成する。
出力ビーム636の第2の部分はビーム640として非偏光ビーム・スプリッタ674により透過される。ビーム640は混合光学ビーム642を生成するために配向されている偏光板678により透過される。ビーム642は、検出器680上に当たり、混合ビーム642の測定と参照ビーム成分の位相の差に関連する電気信号646を発生する。電気信号646は、混合ビーム642の測定および参照ビーム成分の位相の差についての情報に対するその後の処理のために電子プロセッサおよびコンピュータ682に伝送される。
電気信号644は向きトランスデューサ653Aおよび653Bへ透過される。信号644に含まれる情報は、測定物体ミラー662の向きの変化とは独立に、ビーム633の伝播の方向を実質的に一定に維持するように、向きトランスデューサ653Aおよび653Bによりビーム操向ミラー652の向きを変更するためにサーボ・システムにおいて誤差信号として使用される。向きトランスデューサ653Aおよび653Bは、信号644に応答して、好ましくは参照遡及反射器1532の点についてビーム操向ミラー652の
向きを変化させ、参照遡及反射器1532のノード点についてのビーム操向ミラー1522の向きの変化は参照ビームにより経験される実質的に低減された横方向のシア効果を生成する。その結果、射出ビーム、および、ビーム操向ミラー652の第1の面から測定物体ミラー662への測定ビームの部率低経路長が、測定物体ミラー662からビーム操向ミラー652の第2の面への測定ビームの物理的経路長と等しいという条件下では、測定物体ミラー662の向きの変化がビーム操向ミラー652の向きの変化により補償されると、ビーム操向ミラー652においてビーム633の横方向シアはない。この条件は第6の実施形態条件として参照される。
第6の実施形態条件下では、ビーム操向ミラー652の面平面に平行かつその中央にある平面上へのビーム操向ミラー652の面における測定ビーム611および633の投影は重なり合ったまま維持可能であり、信号644に応じた向きトランスデューサ653Aおよび653Bによるビーム操向ミラー652の向きの変化は、ビーム操向ミラー652の面平面に平行かつその中央にある平面上へのビーム操向ミラー652の面における測定ビーム611および633の投影の中央についてのものである。
第6の実施形態の残りの説明は第1の実施形態に対して与えられた対応する部分と同様である。
本発明の第6の実施形態は本発明の第1の実施形態に対して説明された長所への追加の長所を示している。追加の長所は、ビーム操向ミラー652および/または測定物体ミラー662の向きの変化に関連した参照ビームの経路のいかなる部分にもおける無変化、および、操向ミラー652および/または測定物体ミラー662の向きの変化に関連する測定ビーム611、測定ビーム633、および、ビーム633が源であるビーム成分の経路における無変化を含む。さらに、第6の実施形態条件下では、ビーム操向ミラー652のサイズは測定ビーム611の投影されたサイズを収容するために十分大きいことのみを必要とし、測定ビーム611および633の位置はビーム操向ミラー652において静止している。このことはビーム操向ミラー652および向きトランスデューサ653Aおよび653Bに対して許容される低減された最小サイズに関した第6の実施形態に対する追加の長所、および、ビーム操向ミラーアセンブリの周波数応答における付随的な改善につながる。
図7aおよび7bは、物体の向きとは実質的に独立であり、かつ、物体の横方向変位とも実質的に独立である物体の線形変位を測定するための本発明の第7の実施形態を概略した形で示し、横方向変位は線形変位に直交している。第7の実施形態は、第1の軸についての物体の向きの変化に対して動作の第1のモードで、かつ、第1の軸および/または物体の横方向変位に直交する第2の軸についての物体の向きの変化に対して動作の第2のモードで動作する第2の分類の実施形態およびその変形からのものであり、横方向の変位は第2の軸および線形変位の双方に直交している。
第7の実施形態の干渉分光器システムは、物体の反射特性に関してを除き第6の実施形態の干渉分光器システムに同様であり、第6の実施形態に対する物体の反射特性は平面ミラーの反射特性であり、かつ、第7の実施形態に対する物体の反射特性は屋根型プリズムの反射特性である。第3の実施形態と第7の実施形態の間にも重要な類似性がある。第3および第7の実施形態の双方に対する物体の反射特性は屋根型プリズムの反射特性である。
第7の実施形態において、物体上に入射する、および、物体から反射する測定ビーム成分の分離は、物体の反射機能を添付した屋根型プリズムを使用して物体上に入射する、および、物体から反射する測定ビーム成分を空間的に分離することにより達成される。第6の実施形態において、物体に入射する、および、物体から反射する測定ビーム成分の分離
は偏光符号化、4分の1波長位相遅延板、および、偏光ビーム・スプリッタの使用により達成されている。
第6および第7の実施形態の多くの要素は同様の機能を実行し、これらの要素は数字番号付け方式により示され、第7の実施形態に対して同様の機能を実行する要素の数字番号は、100ずつだけ増加された第6の実施形態の対応する要素の数字番号と等しい。第7の実施形態に対する参照および測定ビーム経路の特定の区画の説明は第6の実施形態の対応する経路に対して与えられた説明と同じである。特定の区画は数字番号付け方式により第7の実施形態に対して示され、第6の実施形態の対応する経路区画としての同じ説明を有する第7の実施形態の参照または測定経路の特定の区画の数字番号は、100ずつだけ増加された第6の実施形態の対応する経路区画の数字番号と等しい。
測定ビーム713および参照ビーム716の発生の説明は、第6の実施形態の測定ビーム613および参照ビーム616の発生の対応する説明に対して与えられた説明と同様である。図7aに示すように、ビーム613はビーム701を形成するためにミラー754Aおよび754Bにより反射される。ミラー754Aおよび754Bは、図6aの平面におけるビーム713と701の間の一定の離別を共働して五角形プリズムと同様に生成する。ビーム701は図7aの平面において偏光されたビーム703として測定物体屋根型プリズム762により反射される。ビーム703は画像反転器756に進入し、ビーム705としてこれを射出する。画像反転器756は1つの軸について画像を反転し、画像反転器756の説明は第6の実施形態の画像反転器656の説明と同様である。第7の実施形態における画像反転器756の主機能は第6の実施形態における画像反転器656の主機能と同様である。
参照ビーム712は遡及反射器770に進入し、図7aの平面に直交に偏光された718として遡及反射される。第7の実施形態におけるビーム705および718からのビーム738および742の発生の説明は、第6の実施形態におけるビーム631および616からのビーム638および642の発生に対して与えられた対応する説明と同様である。
第7の実施形態におけるビーム738の検出からの電子信号744の発生の説明は、ビーム332からの電子信号340の発生に対して第3の実施形態において与えられた説明と同様である。第7の実施形態におけるビーム746の検出からの電子信号746の発生の説明は、ビーム336からの電子信号342の発生に対して第3の実施形態において与えられた説明と同様である。
第7の実施形態の残りの説明は第3および第6の実施形態に対して与えられた説明の対応する部分と同様である。
第6の実施形態に関連した第7の実施形態の長所は、第3の実施形態が第1の実施形態に関して有する長所と同じ長所である。
本発明の第7の実施形態の第1の変形は、物体の向きと実質的に独立であり、かつ、物体の横方向変位とも実質的に独立である物体の線形変位の測定に対して説明され、横方向変位は線形変位に直交している。第7の実施形態の第1の変形は、2つの直交する軸についての物体の向きの変化、および/または、物体の横方向変位に対して動作の第2のモードにおいて動作する第2の分類の実施形態およびその変形からのものであり、横方向変位は線形変位に直交している。
第7の実施形態の第1の変形の干渉分光器システムおよび少なくとも1つのビーム操向アセンブリは、物体要素、特定の光学ビームの検出器、特定の光学ビームの検出器により
生成された信号、および、個別のサーボ・システムを除き、第7の実施形態の干渉分光器システムおよび少なくとも1つのビーム操向アセンブリと同じ要素を含む。
第7の実施形態の測定物体要素である屋根型プリズム762は、第7の実施形態の第1の変形における(図示しない)測定遡及反射器762Aにより置き換えられている。その結果、第7の実施形態の出力ビーム738に対応する第7の実施形態の第1の変形の出力ビームである出力ビーム738Aの参照および測定ビーム成分の伝播の相対方向は、第7の実施形態の第1の変形の測定物体遡及反射器762Aの向きの変化とは実質的に独立している。しかし、線形変位の方向に直行する平面における測定物体遡及反射器762Aの横方向移動は、出力ビーム738Aの測定ビーム成分の横方向変位を発生する。
第7の実施形態の検出器776に対応する第7の実施形態の第1の変形の検出器776Aは、出力ビーム738Aの測定ビーム成分の横方向変位またはシアを検出し、電気信号744Aを発生し、電気信号は第7の実施形態の電気信号744に対応する。
電気信号744Aは第7の実施形態の第1の変形の向きトランスデューサ753Aおよび753Bに伝送される。信号744Aに含まれる情報は、線形変位の方向に直行する平面における測定物体遡及反射器762Aの横方向移動とは実質的に独立に、および/または、第7の実施形態の第1の変形のビーム701の伝播の方向に名目上直交する2つの直交する軸についての測定物体遡及反射器762Aの向きの変化とも実質的に独立に、出力ビーム738Aの測定ビーム成分の横方向の位置を一定に維持するように、第7実施形態の第1の変形の向きトランスデューサ753Aおよび753Bによりビーム操向ミラー752の向きを変更するためにサーボ・システムにおいて誤差信号として使用される。
第7の実施形態の第1の変形の残りの説明は、第7の実施形態に対して与えられた説明の対応する部分と同様である。
図8aから8cは向きが固定された物体の線形変位を測定するための本発明の第8の実施形態を概略の形で示し、物体から反射された測定ビームの伝播の方向は物体の向きの変化に敏感であり、かつ、高い透過効率が偏光符号化を使用せずに測定ビームに対して維持されている。第8の実施形態は、物体の線形変位の変化に対して動作の第2のモードで動作する第2の分類の実施形態およびその変形からのものである。
図8aに示す光ビーム810および光ビーム810の光源の説明は第1の実施形態に対して与えられた光ビーム110および光ビーム110の光源の説明と同様である。図8aに示すように、ビーム810は偏光ビーム・スプリッタ850上に当たる。ビーム810の部分は図8aの平面において偏光された測定ビーム811として通過され、ビーム810の第2の部分は図8aの平面に直交に偏光された参照ビーム812として反射される。
図8aにおいて、ビーム811はビーム813としてミラー852の第1の面により反射される。ビーム813は画像反転器854に進入する。図8bに示すように、画像反転器854は3つのミラー854A、854B、および、854Cを含む。ビーム813は3つのミラー854A、854B,および、854Cの各々により反射され、ビーム817としてミラーアセンブリ854を射出する。画像反転器854は1つの軸について画像を反転し、画像反転器854の説明は第6の実施形態の画像反転器656の説明と同様である。
ビーム817はビーム819としてビーム操向ミラー856により反射される。ビーム操向ミラー856および向きトランスデューサ857Aおよび857Bは、ビーム819を再度向けて送るビーム操向アセンブリを含む。ビーム819はビーム823として測定物体ミラー858により反射される。ビーム823はビーム825としてミラー860に
より反射され、ビーム825はビーム827としてビーム操向ミラー862により反射される。ビーム操向ミラー862および向きトランスデューサ863Aおよび863Bはビーム827を反射するビーム操向アセンブリを含む。
ビーム827はビーム829を形成するためにミラー864A、864B、および、864Cにより反射される。ミラー864A、864B、および、864Cは一緒に、図8aの平面に直交する1つの軸について画像を反転する画像反転器を含み、これの説明は第6の実施形態の画像反転器656の説明と同様である。ミラー864A、864B、および、864Cを含む画像反転器の主機能は第6の実施形態における画像反転器656の主機能と同様である。ミラー852上へのビーム829の入射の角度はミラー852上へのビーム811の入射の角度と同一である。
ビーム829はビーム833としてミラー852の第2の面から反射される。ビーム819および823の伝播の平均方向に平行な方向における向きが固定された測定物体ミラー858の移動は、ミラー852におけるビーム833の横方向の位置の変化に影響を及ぼす。ビーム操向ミラー856および862の向きの適切な変化によりビーム833に対する影響を補償することが可能であり、適切な変化は、ビーム操向ミラー856と862の間の測定ビームの経路に位置されているミラー860と測定物体ミラー858の組み合わせと共に個々の向きトランスデューサにより達成される。
ビーム833はビーム835としてミラー866により反射される。ビーム835は図8aの平面において偏光されている。
参照ビーム812は画像反転器868に進入する。図8cに示すように、画像反転器868は3つのミラー868A、868B、および、868Cを含む。図8cの平面は図8aの平面に直交している。ビーム812は3つのミラー868A、868B、および、868Cの各々により反射され、ビーム816としてミラーアセンブリ868を射出する。画像反転器868の主機能は第6の実施形態における画像反転器656の主機能と同様である。
その後、参照ビーム816はビーム818を形成するためにミラー870Aおよび870Bにより反射される。ミラー870Aおよび870Bは共働して屋根型プリズムとして機能する。ビーム818は図8aの平面に垂直に偏光されている。
ビーム835は出力ビーム836の1つの成分として偏光ビーム・スプリッタ872により通過され、ビーム835は図8aの平面において偏光されている。ビーム816の部分は出力ビーム836の第2の部分として偏光ビーム・スプリッタ872により通過され、ビーム816は図8aの平面に直交に偏光されている。
出力ビーム836の部分はビーム838として非偏光ビーム・スプリッタ874により反射される。ビーム838は、検出器876に当たり、ビーム838の測定ビーム成分の横方向の位置に関連する電気信号845を生成する。
出力ビーム836の第2の部分はビーム840として非偏光ビーム・スプリッタ874により通過される。ビーム840は混合光ビーム842を生成するために配向されている偏光板878により透過される。ビーム842は、検出器880上に当たり、混合ビーム842の測定と参照のビーム成分の位相の差に関連した電気信号846を生成する。電気信号846は、混合ビーム842の測定および参照ビーム成分の位相の差についての情報に対するその後の処理のために電子プロセッサおよびコンピュータ882に伝送される。
電気信号845は、図8aに示す点R1についての図8aの平面における操向ミラー8
56の回転を達成するために向き/移動トランスデューサ857Aおよび857Bにより使用される。同様に、電子信号845は図8aの平面における点R2についての操向ミラー862の回転を達成するために向きトランスデューサ863Aおよび863Bにより使用される。与えられた信号845からの結果である向きトランスデューサ857Aおよび857Bにより生成されたビーム操向ミラー856の各回転に対して、ビーム操向ミラー862の角度上の同じ回転が、信号845にも基づいて向きトランスデューサ863Aおよび863Bにより発生される。したがって、ビーム827の伝播の方向は与えられた信号845から生じるビーム操向ミラー856および862の組み合わされた回転によっても変化されない。
R1から、ビーム817がビーム操向ミラー856を横切る点までの長さy1の直線はビーム817の伝播の方向に直交している。R2から、ビーム827がビーム操向ミラー862を横切る点までの長さy2の直線はビーム827の伝播の方向に直交している。
y1=y2 (2)
という条件、ビーム819の物理的経路長がビーム823および825の結合された物理的経路長に等しいという条件、および、点R1およびR2が同じ長さに延長するという条件を含む第8の実施形態の条件の集合の下では、ビーム操向ミラー856および862は、移動前のビーム819および823の伝播の平均方向に平行な方向における固定された向きの測定物体ミラー858の移動に対して、
1)ビーム819および823の伝播の平均方向に変化がない、
2)測定物体ミラー858におけるビーム819に横方向のシアが導入されない、
3)ビーム操向ミラー856におけるビーム817に、または、ビーム817の源である各ビームに横方向のシアが導入されない、かつ、
4)ビーム操向ミラー862におけるビーム827に、または、ビーム827が源である測定ビームもしくは測定ビーム成分に横方向のシアが導入されないように、それぞれ点R1およびR2について図8aの平面において角度γだけ各々回転され得る。
回転γの角度の変化の絶対的大きさはη/2の変化の絶対的大きさに等しく、ここで、ηは測定物体ミラー858におけるビーム819の入射の角度である。距離測定用干渉分光器の典型的な動作において遭遇する回転γの角度の変化の大きさは0.4mと1.0mの間で変化する測定レッグに対して、0.005ラジアンのオーダのものである。
第8の実施形態の残りの説明は第6の実施形態に対して与えられた説明の対応する部分と同様である。
第8の実施形態の長所は、偏光符号化を使用せずに、かつ、測定ビーム811、測定ビーム833、および、ビーム833が源となっている測定ビームおよび測定ビーム成分の可変横方向変位を導入せずに、測定ビームの高い透過効率であり、この長所は固定された向きの物体の線形変位の測定に対して存在し、物体から反射された測定ビームの伝播の方向は物体の向きの変化に敏感である。
図9aから9cは、物体の向きとは実質的に独立であり、かつ、物体の横方向の変位とも実質的に独立である物体の線形変位を測定するための本発明の第9の実施形態を概略の形で示しており、横方向の変位は線形変位に直交する。第9の実施形態は、2つの直交する軸についての物体の向きの変化に対して動作の第1のモードで動作する第2の分類の実施形態およびその変形からのものであり、直交する軸は物体の線形変位および/または横方向変位に直交し、横方向変位は線形変位に直交している。
第9の実施形態は第6および第8の実施形態のビーム操向ビームアセンブリを組み込んでいる。この役割において、図9aに示す第9の実施形態の要素は、ビーム操向ミラー9
52および向きトランスデューサ953Aおよび953Bを除き、100ずつだけ増加された図8aに示す第8の実施形態同じ番号を付けられた要素と同様の機能を実行する。ビーム操向ミラー952および向きトランスデューサ953Aおよび953Bの説明は第6の実施形態のビーム操向ミラー652および向きトランスデューサ653Aおよび653Bに対して与えられた説明と同様である。
検出器976は第6の実施形態の検出器676の機能を実行し、電子信号944を発生し、第9の実施形態の電子信号944の説明は第6の実施形態の電子信号644に対して与えられた説明の対応する部分と同様である。加えて、検出器976は第8の実施形態の検出器876の機能を実行し、電子信号945を発生し、電子信号945の説明は第8の実施形態の電子信号845に対して与えられた説明と同様である。
第9の実施形態の通常のモードの動作において、もしビーム操向ミラー952の向きが測定物体ミラー958の与えられた向きに対して正しくなければ、ビーム938の測定ビームおよび参照ビーム成分の伝播の方向の差、および、ビーム938の参照ビーム成分を基準とした測定ビーム成分の横方向シアがある。検出器976はビーム938の測定および参照ビーム成分の伝播の方向の差を検出し、電子信号944を発生する。電子信号944は向きトランスデューサ953Aおよび953Bに伝送され、これらのトランスデューサは、ビーム938の測定および参照ビーム成分の伝播の方向が同じになるようにビーム操向ミラー952の向きを調整する。ビーム操向ミラー952の不正確な向きによるビーム938の参照ビーム成分を基準とした測定ビーム成分の横方向シアは、ビーム938の測定ビームおよび参照ビーム成分の伝播の方向の差の補償と同時に補償される。
ビーム操向ミラー956および962の向きが不正確である場合、ビーム938の参照ビーム成分を基準として測定ビーム成分の残存横方向シアがある。検出器976はビーム938の測定および参照ビーム成分の残存横方向シアを検出し、電子信号945を発生する。電子信号945は、ビーム938の測定および参照ビーム成分の残存横方向シアが補償されるように、ビーム操向ミラー956の向きを調整する向きトランスデューサ957Aおよび957Bに、および、ビーム操向ミラー962の向きを調整する向きトランスデューサ963Aおよび963Bに伝送される。
第9の実施形態の残りの説明は第6および第8の実施形態に対して与えられた説明の対応する部分に対して与えられた説明と同様である。
図10aから10cは、物体の向きとは実質的に独立であり、かつ、物体の横方向の変位とも実質的に独立である物体の線形変位を測定するための本発明の第10の実施形態を概略の形で示しており、横方向の変位は線形変位に直交し、かつ、測定ビームの高い透過効率が偏光符号化を使用せずに維持されている。第10の実施形態は、2つの直交する軸についての物体の向きの変化に対して動作の第1のモードで動作する第2の分類の実施形態およびその変形からのものであり、直交する軸は物体の線形変位および/または横方向変位に直交し、横方向変位は線形変位に直交している。
第10の実施形態は本発明の第9の実施形態の変形と考えられ得る。第10の実施形態のビーム操向ミラー1052および向きトランスデューサ1053Aおよび1053Bを含むミラーアセンブリにより実行される機能は、第9の実施形態のミラー952および向きトランスデューサ953Aおよび953Bを含むミラーアセンブリにより実行される機能と同様である。第10の実施形態のビーム操向ミラー1058および向きトランスデューサ1059Aおよび1059Bを含むミラーアセンブリにより実行される機能は、第9の実施形態のビーム操向ミラー956および向きトランスデューサ957Aおよび957Bを含むミラーアセンブリ、および、ミラー962および向きトランスデューサ963Aおよび963Bを含むビーム操向ミラーアセンブリにより実行される組み合わされた機能
と同様である。
第10の実施形態の電子信号1026および1028の説明は、第9の実施形態の電子信号944および945に対してそれぞれ与えられた説明の対応する部分と同様である。図10aに示す第10の実施形態の残りの要素の説明は、100ずつだけ増加された図9aに示す第9の実施形態の同じ番号を付けられた要素と同じ機能を実行する。
関連する第10の実施形態の条件は、以下の通りである。
1)ビーム操向ミラー1058における測定ビーム1013からビーム操向ミラー1052における測定ビーム1021への物理的経路長は、ビーム操向ミラー1052における測定ビーム1039から操向ミラー1058における測定ビーム1041への物理的経路長と同じである。
2)ビーム操向ミラー1052における測定ビーム1023から測定物体ミラー1064における測定ビーム1031への物理的経路長は、測定物体ミラー1064における測定ビーム1033からビーム操向ミラー1052における測定ビーム1037への物理的経路長と同じである。
3)ビーム操向ミラー1058におけるビーム1011の入射の角度とビーム1041の入射の角度は名目上同じである。
4)ビーム操向ミラー1052におけるビーム1021の入射の角度とビーム1037の入射の角度は名目上同じである。
当業者には、第10の実施形態の条件下で、ビーム操向ミラー1058におけるビーム1011の位置およびビーム1043の位置は実質的に一方が他方の上方にあること、および、ビーム操向ミラー1052におけるビーム1021の位置およびビーム1039の位置は実質的に一方が他方の上方にあることが明らかであろう。
個々の要素のサイズおよび周波数応答に関した第6の実施形態の操向ミラー652を含む操向ビームアセンブリの説明は、ビーム操向ミラー1052および1058を含む第10の実施形態のビーム操向アセンブリの双方に対して適用可能である。
第10の実施形態の残りの説明は第9の実施形態に対して与えられた説明の対応する部分と同様である。
図11aから11fは、物体の向きとは実質的に独立であり、かつ、物体の横方向の変位とも実質的に独立である物体の線形変位を測定するための本発明の第11の実施形態を概略の形で示しており、横方向の変位は線形変位に直交している。第11の実施形態は、2つの直交する軸についての物体の向きの変化に対して動作の第1のモードで動作する第2の分類の実施形態およびその変形からのものであり、2つの直交する軸は線形変位および/または物体の横方向変位に直交し、横方向変位は線形変位の双方に直交している。
第10の実施形態および第11の実施形態の干渉分光器システムは、物体に対して測定ビームが行なう通過の数;第10の実施形態において、測定ビームが、伝播の1つの方向のみにおいて特定の区画を通過する場合に、第11の実施形態の対応する測定ビームが伝播の2つの相反する方向において測定経路の特定の区画を横切ることに関してを除き、全体的に同じである。第11の実施形態の複数通過構成における入力測定ビーム成分からの出力測定ビーム成分の効率的な分離は、偏光符号化および偏光ビーム・スプリッタの使用により達成されている。
第10と第11の実施形態の多くの要素は同じ機能を実行し、かつ、これらの要素は数
字番号付け方式により示され、第11の実施形態に対して同様の機能を実行する要素の数字番号は、100ずつだけ増加された第10の実施形態の対応する要素の数字番号と等しい。参照および測定ビーム経路の特定の区画はこの数字番号付け方式により示され、第10の実施形態の対応する経路区画と同じ記述を有する第11の実施形態の参照または測定経路の特定の区画の数字番号は、100ずつだけ増加された第10の実施形態の対応する経路区画の数字番号と等しい。
第11の実施形態に対する測定ビーム経路の特定の区画に対して、伝播の戻る方向において特定の区画を横切る測定ビームがあり、伝播の戻らない、または、前に向かう方向は測定物体ミラー1164への第1の通過と関連し、伝播の戻る方向は測定物体ミラー1164への第2の通過と関連する。戻る方向で特定の区画を横切る追加の測定ビームの説明は、他の点では、第10の実施形態に対する伝播の戻らない方向で横切る測定ビームに関連して与えられた説明の対応する部分と同様であり、戻る方向で横切る測定ビームの英数字番号は接尾文字Rが付加された戻らない方向で横切る関連する測定ビームの数字番号と等しい。
測定ビーム1143および参照ビーム1112の発生の説明は、第10の実施形態の測定ビーム1043および参照ビーム1012の発生の対応する説明に対して与えられた説明と同様である。図11dに示すように、ビーム1143の第1の部分はビーム1145として非偏光ビーム・スプリッタ1171により透過される。ビーム1145は、検出器1190上に当たり、電気信号1128を発生する。図11dの平面において偏光されているビーム1143の第2の部分は非偏光ビーム・スプリッタ1171により反射され、円偏光されたビームとして4分の1波長位相遅延板1172により透過され、逆手円偏光を持つビームとしてミラー1173により反射され、図11dの平面に直交に偏光されたビームとして位相遅延板1172により透過され、かつ、このビームの部分は実質的にビーム1143Rとして非偏光ビーム・スプリッタ1171により反射される。ビーム1143Rは図11dの平面に直交に偏光されている。
検出器1190の要素は、図11eに概略の形で示す。ビーム1145は検出器1190に進入し、ビーム1145の第1の部分はビーム1145Aとして非偏光ビーム・スプリッタ1190Aにより反射される。ビーム1145Aは四連セル検出器、二次元高速CCDカメラ、または、横効果フォトダイオードなどの検出器1190C上のスポットにレンズ1190Bにより合焦される。二次元データ・アレイは、電子信号1128Aとして伝送される。検出器1190C上のスポットの位置はビーム1145Aの横方向シアによっては影響されないが、ビーム1145Aの伝播の方向の変化は検出器1190C上のスポットの位置をずらす。したがって、電子信号1128Aはビーム1145Aの伝播の方向についての情報を含む。
ビーム1145の第2の部分は、ビーム1145Bとして透過される。ビーム1145Bは、電子信号1128Bを発生するために四連セルなどの検出器1190D上に当たる。検出器1190D上のビーム1145Bの位置はビーム1145Bの横方向シアによって影響されるが、検出器1190Dにおけるビーム1145Bの伝播の方向の変化は検出器1190D上のビーム1145Bの位置をずらす。したがって、電子信号1128Bはビーム1145Bの横方向シアについての情報を含む。電子信号1128Aおよび1128Bは電子信号1128を含む。
図11aに示すように、参照1112の第1の部分はビーム1114として非偏光ビーム・スプリッタ1174により透過され、参照1112の第2の部分はビーム1116として非偏光ビーム・スプリッタ1174により反射される。図11dおよび11fに示すように、ビーム1114は、検出器1192上に当たり、電気信号1130を発生する。
検出器1192の要素は図11fに概略の形で示す。ビーム1114は検出器1192に進入し、ビーム1114の第1の部分はビーム1114Aとして非偏光ビーム・スプリッタ1192Aにより反射される。ビーム1114Aは四連セル検出器、二次元高速CCDカメラ、または、横効果フォトダイオードなどの検出器1192C上のスポットにレンズ1192Bにより合焦される。二次元データ・アレイは、電子信号1130Aとして伝送される。検出器1192C上のスポットの位置はビーム1114Aの横方向シアによっては影響されないが、ビーム1114Aの伝播の方向の変化は検出器1192C上のスポットの位置をずらす。したがって、電子信号1130Aはビーム1114Aの伝播の方向についての情報を含む。
ビーム1114の第2の部分はビーム114Bとして非偏光インターフェイス1192Aにより透過される。ビーム1114Bは、四連セルなどの検出器1192D上に当たり、電子信号1130Bを発生する。検出器1192D上のビーム1114Bの位置はビーム1114Bの横方向シアによって影響されるが、検出器1192Dにおけるビーム1114Bの伝播の方向の変化は検出器1192D上のビーム1114Bの位置をずらす。したがって、電子信号1130Bはビーム1114Bの横方向シアについての情報を含む。電子信号1130Aおよび1130Bは電子信号1130を含む。
電子信号1128および1130は電子信号プロセッサ1194に伝送される(図11dを参照)。測定ビーム1145Aおよび参照ビーム1114Aの伝播の方向についての情報を含む電子信号1128および1130の成分から、電子プロセッサ1194は電子信号1132を発生する。測定ビーム1145Bおよび参照ビーム1114Bの横方向シアについての情報を含む電子信号1128および1130の成分から、電子プロセッサ1194は電子信号1134を発生する。
電気信号1132は向きトランスデューサ1153Aおよび1153Bに伝送され、電子信号1134は向きトランスデューサ1159Aおよび1159Bに伝送される。信号1132に含まれる情報は、測定物体ミラー1164の向きの変化とは独立に、測定ビーム1143の伝播の方向を2つの直交する次元において実質的に一定に維持するように、向きトランスデューサ1153Aおよび1153Bによりビーム操向ミラー1152の向きを変更するためにサーボ・システムにおいて誤差信号として使用される。信号1134に含まれる情報は、ビーム1131および1133の経路の平均に沿った測定物体ミラー1164の位置の変化とは独立に、測定ビーム1143の横方向位置を2つの直交する次元において実質的に一定に維持するように、向きトランスデューサ1159Aおよび1159Bによりビーム操向ミラー1158の向きを変更するためにサーボ・システムにおいて誤差信号として使用される。ビーム操向要素1158による測定ビームの第1の再度向けて送る位置からビーム操向要素1152による測定ビームの第1の再送への測定ビームの物理的経路長がビーム操向要素1152による測定ビームの第2の再送からビーム操向要素1158による測定ビームの第2の再送への測定ビームの物理的経路長に等しく、かつ、ビーム操向要素1152による測定ビームの第1の再度向けて送る位置から測定物体ミラー1164への測定ビームの物理的経路長が測定物体ミラー1164からビーム操向ミラー1152による測定ビームの第2の再送への測定ビームの物理的経路長に等しいという第11の実施形態の条件の集合の下では、測定物体ミラー1164の向きの変化がビーム操向要素1152の向きの変化により補償され、かつ、ビーム1131および1133の経路の平均に沿った測定物体ミラー1164の位置の変化の影響がビーム操向ミラー1158の向きの変化により補償されると、ビーム操向要素1158においてビーム1143の横方向シアはない。物理的経路長に関したこれらの条件は第11の実施形態条件として参照される。
ビーム1143Rはビーム1143と実質的に同じ長さに延長し、かつ、ビーム1143R(図11aを参照)は1143の伝播の方向に実質的に逆の伝播の方向を有する。その結果、ビーム1143Rは干渉分光器の部分を介して通過を実質的に追跡する。通過はビーム1111Rを発生するために、ビーム1143の発生につながる。干渉分光器の部分を介した追跡は、特に測定物体ミラー1164への通過を含む。ビーム1111Rはビーム1111と実質的に同じ長さにわたって延長し、かつ、ビーム1111Rはビーム1111の伝播の方向と実質的に逆の伝播の方向を有する。
図11aの平面に直交に偏光されているビーム1111Rはビーム1147として偏光ビーム・スプリッタ1150により反射される。ビーム1147はビーム1149としてミラー1177により反射される。
参照ビーム1116はビーム1118を形成するためにミラー1176Aおよび1176Bにより反射される。ミラー1176Aおよび1176Bは図11aの平面におけるビーム1116と1118の間の一定の離別を共働して五角形プリズムと同様に生成する。
ビーム1149の部分は出力ビーム1124の1つの成分として非偏光ビーム・スプリッタ1178により透過される。ビーム1118の部分は出力ビーム1124の第2の成分として非偏光ビーム・スプリッタ1178により透過される。ビーム1124は混合された光学ビームであり、ビーム1149および1118はともに図11aの平面に直交に偏光され、かつ、ビーム・スプリッタ1178は非偏光型のものである。ビーム1124は、検出器1186に当たり、混合ビーム1124の測定および参照ビーム成分の位相の差に関連する電気信号1136を生成する。電気信号1136は混合ビーム1124の測定と参照ビーム成分の位相の差についての情報を得るためのその後の処理のために電子プロセッサおよびコンピュータ1188に伝送される。混合ビームの検出は、典型的に、ヘテロダイン信号を生成するための光電検出により、この信号の位相は測定と参照ビームの光路長の差に関連する。ヘテロダイン信号の位相は、例えばヘテロダイン信号のフーリエ変換またはヒルベルト変換などから、電子プロセッサおよびコンピュータ1188により決定可能である。
第11の実施形態の残りの説明は第4および第10の実施形態の説明に対して与えられた対応部分と同様である。
図12aから12eは、物体の向きとは実質的に独立であり、かつ、物体の横方向の変位とも実質的に独立である物体の線形変位を測定するための本発明の第12の実施形態を概略の形で示しており、横方向の変位は線形変位に直交している。第12の実施形態は、第1の軸についての物体の向きの変化に対して動作の第1のモードで、かつ、第1の軸に直交する第2の軸についての物体の向きの変化に対して動作の第2のモードで動作する第2の分類の実施形態およびその変形からのものであり、第1および第2の軸は線形変位および/または物体の横方向変位であり、横方向変位は第2の軸および線形変位の双方に直交している。
第7および第12の実施形態の干渉分光器システムは、物体に対して測定ビームが行なう通過の数:第7の実施形態において、測定ビームが、伝播の1つの方向のみにおいて特定の区画を通過する場合に、第12の実施形態の対応する測定ビームが伝播の2つの相反する方向において測定経路の特定の区画を横切ることに関してを除き全体的に同様である。第12の実施形態の複数通過構成における入力測定ビーム成分からの出力測定ビーム成分の効率的な分離は、偏光符号化および偏光ビーム・スプリッタの使用により達成される。
第7および第12の実施形態の多くの要素は同様の機能を実行し、これらの要素は数字
番号付け方式により示され、第12の実施形態に対して同様の機能を実行する要素の数字番号は、500ずつだけ増加された第11の実施形態の対応する要素の数字番号と等しい。測定ビーム経路の特定の区画はこの数字番号付け方式により示され、第7の実施形態の対応する経路区画と同じ記述を有する第12の実施形態の測定経路の特定の区画の数字番号は、500ずつだけ増加された第7の実施形態の対応する経路区画の数字番号と等しい。
第12の実施形態に対する測定ビーム経路の特定の区画に対して、伝播の戻る方向において特定の区画を横切る測定ビームがあり、伝播の戻らない、または、前に向かう方向は測定物体屋根型プリズム1262への第1の通過と関連し、伝播の戻る方向は測定物体屋根型プリズム1262への第2の通過と関連する。戻る方向で特定の区画を横切る追加の測定ビームの説明は、他の点では、第7の実施形態に対する伝播の戻らない方向で横切る測定ビームに関連して与えられた説明の対応する部分と同様であり、戻る方向で横切る測定ビームの英数字番号は接尾文字Rが付加された戻らない方向で横切る関連する測定ビームの数字番号と等しい。
測定ビーム1233および参照ビーム1212の発生の説明は第7の実施形態の測定ビーム733および参照ビーム712の発生の対応する説明に対して与えられた説明と同様である。図12cに示すように、ビーム1233の第1の部分はビーム1235として非偏光ビーム・スプリッタ1271により透過される。ビーム1235は、検出器1290上に当たり、電気信号1228を発生する。図12cの平面において偏光されている出力ビーム1233の第2の部分は非偏光ビーム・スプリッタ1271により反射され、円偏光されたビームとして4分の1波長位相遅延板1272により透過され、逆手円偏光を持つビームとしてミラー1273により反射され、図12cの平面に直交に偏光されたビームとして4分の1波長位相遅延板1272により透過され、かつ、このビームの実質的に部分はビーム1233Rとして非偏光ビーム・スプリッタ1271により反射される。ビーム1233Rは図12cの平面に直交に偏光されている。
検出器1290の要素は図12dに概略の形で示す。ビーム1235は検出器1290に進入し、ビーム1235の第1の部分はビーム1235Aとして非偏光ビーム・スプリッタ1290Aにより反射される。ビーム1235Aは、四連セル検出器、線形アレイ、高速CCDカメラ、または、横効果フォトダイオードなどの一次元検出器1290C上のスポットにレンズ1290Bにより合焦される。一次元データ・アレイは、電子信号1228Aとして伝送される。一次元検出器1290C上のスポットの位置はビーム1235Aの横方向シアによっては影響されないが、一次元検出器1290Cおよびビーム1235Aの名目上の方向により規定された平面内でのビーム1235Aの方向の変化は検出器1290C上のスポットの位置をずらす。したがって、電子信号1228Aは、一次元検出器1290Cおよびビーム1235Aの名目上の方向により規定された平面、すなわち、図12aの平面に直交し、かつ、測定ビーム1201の伝播の名目上の方向に直交する平面におけるビーム1235Aの伝播の方向についての情報を含む。
ビーム1235の第2の部分はビーム1235Bとして透過される。ビーム1235Bは電子信号1228Bを発生するために二連検出器などの一次元検出器1290D上に付き当たる。検出器1290D上のビーム1235Bの位置はビーム1235Bの横方向シアによって影響されるが、検出器1290Dにおけるビーム1235Bの伝播の方向の変化は一次元検出器1290D上のビーム1235Bの位置をずらす。したがって、電子信号1228Bはビーム1235Bの横方向シアについての情報を含み、一次元検出器1290Dにより規定された平面は、一次元検出器1290Dにより規定された平面に直交している。電子信号1228Aおよび1228Bは電子信号1228を含む。
図12aに示すように、参照1212の第1の部分はビーム1214として非偏光ビーム・スプリッタ1274により透過され、参照1212の第2の部分はビーム1216として非偏光ビーム・スプリッタ1274により反射される。図12cおよび12eに示すように、ビーム1214は、検出器1292上に当たり、電気信号1230を発生する。
検出器1292の要素は図12eに概略の形で示す。ビーム1214は検出器1292に進入し、ビーム1214の第1の部分はビーム1214Aとして非偏光ビーム・スプリッタ1292Aにより反射される。ビーム1214Aは四連セル検出器、線形アレイ、高速CCDカメラ、または、横効果フォトダイオードなどの検出器1292C上のスポットにレンズ1292Bにより合焦される。一次元データ・アレイは電子信号1230Aとして伝送される。一次元検出器1292C上のスポットの位置はビーム1214Aの横方向シアによっては影響されないが、ビーム1214Aの伝播の方向の変化は一次元検出器1292C上のスポットの位置をずらす。したがって、電子信号1230Aは一次元検出器1292Cおよびビーム1214Aの名目上の方向により規定された平面におけるビーム1214Aの伝播の方向についての情報を含み、一次元検出器1292Cの平面は一次元検出器1290Cの平面に対応するように構成されている。
ビーム1214の第2の部分はビーム1214Bとして透過される。ビーム1214Bは、二連セル検出器などの一次元検出器1292D上に当たり、電子信号1230Bを発生する。検出器1292D上のビーム1214Bの位置はビーム1214Bの横方向シアにより影響されるが、検出器1292Dにおけるビーム1214Bの伝播の方向の変化は検出器1292D上のビーム1214Bの位置をずらす。したがって、電子信号1230Bはビーム1214Bの横方向シアについての情報を含み、一次元検出器1292Dにより規定される平面は一次元検出器1290Dにより規定される平面に対応するように構成されている。電子信号1230Aおよび1230Bは電子信号1230を含む。
電子信号1228および1230は電子信号プロセッサ1294に伝送される(図12cを参照)。図12cの平面に直交し、かつ、ビーム1235Aの伝播の名目上の方向に平行である平面における測定ビーム1235Aおよび参照ビーム1214Aの伝播の方向についての情報を含む電子信号1228および1230の成分から、電子プロセッサ1294は電子信号1232を発生する。図12cの平面における測定ビーム1235Bおよび参照ビーム1214Bの横方向シアについての情報を含む電子信号1228および1230の成分から、電子プロセッサ1294は電子信号1234を発生する。
電気信号1232は向きトランスデューサ1253Aおよび1253Bに伝送される。信号1232に含まれる情報は、測定物体屋根型プリズム1262の向きの変化とは独立に、測定ビーム1233の伝播の方向を第1の平面において実質的に一定に維持するように、第1の平面は図12aの平面に直交し、かつ、ビーム1201の伝播の名目上の方向に平行であり、および、測定ビーム1201の伝播の方向に名目上直交する測定物体屋根型プリズム1262の移動とは独立に、かつ、図12aの平面に直交し、かつ、ビーム1201の伝播の名目上の方向に直交する軸についての測定物体屋根型プリズム1262の向きの変化とも実質的に独立に、測定ビーム1233の横方向位置を第1の平面に直交する面において実質的に一定に維持するように、向きトランスデューサ1253Aおよび1253Bによりビーム操向ミラー1252の向きを変更するためにサーボ・システムにおいて誤差信号として使用される。ビーム操向要素1252による測定ビームの第1の再度向けて送る位置から測定物体屋根型プリズム1262への測定ビームの物理的経路長が測定物体屋根型プリズム1262からビーム操向ミラー1252による測定ビームの第2の再度向けて送る位置への測定ビームの物理的経路長に等しいという第11の実施形態の条件下では、測定物体屋根型プリズム1262の向きの変化がビーム操向要素1252の向きの変化により補償され、かつ、ビーム1233の経路に名目上直交する測定物体屋根型
プリズム1262の位置の変位の影響がビーム操向要素1252の向きの変化により補償されると、ビーム操向要素1252においてビーム1233の横方向シアはない。物理的経路長に関したこの条件は第12の実施形態条件として参照される。
ビーム1233Rはビーム1233と実質的に同じ長さに延長し、かつ、ビーム1233R(図12cを参照)は1233の伝播の方向に実質的に逆の伝播の方向を有する。その結果、ビーム1233Rは干渉分光器の部分を介して通過を実質的に追跡し、通過はビーム1211Rを発生するためにビーム1233の発生につながる。干渉分光器の部分を介した追跡は、特に物体屋根型プリズム1262への通過を含む。ビーム1211Rはビーム1211と実質的に同じ長さにわたって延長し、かつ、ビーム1211Rはビーム1211の伝播の方向と実質的に逆の伝播の方向を有する。
図12aの平面に直交に偏光されているビーム1211Rはビーム1247として偏光ビーム・スプリッタ1250により反射される。ビーム1247はビーム1249としてミラー1177により反射される。
参照ビーム1216はビーム1218を形成するためにミラー1276Aおよび1276Bにより反射される。ミラー1276Aおよび1276Bは図12aの平面におけるビーム1216と1218の間の一定の離別を共働して五角形プリズムと同様に生成する。
ビーム1249の部分は出力ビーム1224の1つの成分として非偏光ビーム・スプリッタ1278により透過される。ビーム1218の部分は出力ビーム1224の第2の成分として非偏光ビーム・スプリッタ1278により透過される。ビーム1224は混合された光学ビームであり、ビーム1249および1218はともに図12aの平面に直交に偏光され、かつ、ビーム・スプリッタ1278は非偏光型のものである。ビーム1224は混合ビーム1224の測定および参照ビーム成分の位相の差に関連する。電気信号1236は混合ビーム1224の測定と参照ビーム成分の位相の差についての情報を得るためのその後の処理のために電子プロセッサおよびコンピュータ1288に伝送される。混合ビームの検出は、典型的に、ヘテロダイン信号を生成するための光電検出によるものであり、この信号の位相は測定と参照ビームの光路長の差に関連する。ヘテロダイン信号の位相は、例えばヘテロダイン信号のフーリエ変換またはヒルベルト変換などから、電子プロセッサおよびコンピュータ1288により決定可能である。
第12の実施形態の残りの説明は第4および第11の実施形態の説明に対して与えられた対応部分と同様である。
本発明の第12の実施形態の第1の変形は、物体の向きと実質的に独立であり、かつ、物体の横方向変位とも実質的に独立である物体の線形変位の測定に対して説明され、横方向変位は線形変位に直交している。第12の実施形態の第1の変形は、2つの直交する軸についての物体の向きの変化、および/または、物体の横方向変位に対して動作の第2のモードにおいて動作する第2の分類の実施形態およびその変形からのものであり、横方向変位は線形変位に直交している。
第12の実施形態の第1の変形の干渉分光器システムおよび少なくとも1つのビーム操向アセンブリは、物体要素、特定の光学ビームの検出器、特定の光学ビームの検出器により生成された信号、および、個別のサーボ・システムを除き、第12の実施形態の干渉分光器システムおよび少なくとも1つのビーム操向要素と同じ要素を含む。
第12の実施形態の物体要素である測定物体屋根型プリズム1262は、第12の実施形態の第1の変形における(図示しない)測定物体遡及反射器1262Aにより置き換えられている。その結果、第7の実施形態の出力ビーム738に対応する第12の実施形態
の第1の変形の出力ビームである出力ビーム1238Aの参照および測定ビーム成分の伝播の相対方向は、第12の実施形態の第1の変形の測定物体遡及反射器1262Aの向きの変化とは実質的に独立している。しかし、線形変位の方向に直行する平面における測定物体遡及反射器1262Aの横方向移動は、出力ビーム1238Aの測定ビーム成分の横方向変位を発生する。
第7の実施形態の検出器776に対応する第12の実施形態の第1の変形の検出器1276Aは、出力ビーム1238Aの測定ビーム成分の横方向変位またはシアを検出し、電気信号1244Aを発生し、電気信号は第7の実施形態の電気信号744に対応する。
電気信号1244Aは第12の実施形態の第1の変形の向きトランスデューサ1253Aおよび1253Bに伝送される。信号1244Aに含まれる情報は、線形変位の方向に直行する平面における測定物体遡及反射器1262Aの横方向移動とは実質的に独立に、および/または、第12の実施形態の第1の変形のビーム1201の伝播の方向に名目上直交する2つの直交する軸についての測定物体遡及反射器1262Aの向きの変化と実質的に独立に、出力ビーム1238Aの測定ビーム成分の横方向の位置を実質的に一定に維持するように、第12実施形態の第1の変形の向きトランスデューサ1253Aおよび1253Bによりビーム操向ミラー1252の向きを変更するためにサーボ・システムにおいて誤差信号として使用される。
第12の実施形態の第1の変形の残りの説明は第12の実施形態に対して与えられた説明の対応する部分と同様である。
図13aおよび13bは、物体の向きとはおよび物体の横方向の変位とも実質的に独立である物体の線形変位を測定するための本発明の第13の実施形態を概略の形で示しており、横方向の変位は線形変位に直交している。第13の実施形態は、第2の直交する軸についての物体の向きの変化に対して動作の第1のモードで動作する本発明の第3の分類の実施形態およびその変形からのものである。
図13aに示す光ビーム1310およびビーム1310の光源の説明は第1の実施形態に対して与えられた光ビーム110およびビーム110の光源の説明と同じである。図13aに示すように、ビーム1310はビーム1312としてビーム操向ミラー1350の面により反射される。ビーム操向ミラー1350および向きトランスデューサ1351Aおよび1351Bは入力ビーム1310を反射するビーム操向アセンブリを含む。ビーム1312はビーム1314を形成するためにミラー1352Aおよび1352Bにより反射される。ミラー1352Aおよび1352Bは図13aの平面におけるビーム1312と1314の間の一定の離別を共働して五角形プリズムと同様に生成する。
図13aを参照して続けると、ビーム1314は偏光ビーム・スプリッタ1354上に当たり、ビーム1314の部分は図13aの平面において偏光された測定ビーム1315として透過され、ビーム1314の第2の部分は図13aの平面に直交に偏光された参照ビーム1316として反射される。
ビーム1315はビーム1317として偏光ビーム・スプリッタ1356により透過される。図13aの平面において偏光されているビーム1317は円偏光されたビームとして4分の1波長位相遅延板1358により透過され、逆手円偏光を持つビームとして単一の反射面を含む測定物体ミラー1360により反射され、かつ、その後、図13aの平面に直交に線形偏光されたビーム1319として4分の1波長位相遅延板1358により透過される。ビーム1319は、ビーム1321として偏光ビーム・スプリッタ1356により反射される。ビーム1321は、ビーム1323としてミラー1362により反射される。
参照ビーム1316は図13aの平面において線形偏光されたビーム1318として半波長位相遅延板1364により透過される。ビーム1318はビーム1320として遡及反射器1366により遡及反射される。
測定ビーム1323は出力ビーム1328の1つの成分として偏光ビーム・スプリッタ1368により反射される。ビーム1320は出力ビーム1328の第2の成分として偏光ビーム・スプリッタ1368により透過される。ビーム1328はビーム1330としてミラー1370により反射され、ビーム1330は出力ビーム1332としてビーム操向ミラー1350の第2の面により反射される。
出力ビーム1332は光学系1398に進入し、ビーム1338として射出する。出力ビーム1332の参照ビーム成分は2つの直交する軸についての画像反転を経験しており、出力ビーム1332の測定ビーム成分は直交する軸の1つについての画像反転を経験している。図13aの光学系1398は、ビーム1338の参照ビーム成分が、ビーム1338の測定ビーム成分により経験された画像反転の数としての2を法として、直交する2つの軸の各々に対して、これについての同じ数の画像反転を経験しているように、ビーム1332の参照ビーム成分を基準としてビーム1332の測定ビーム成分に追加の画像反転を導入する。
ビーム1332の参照ビーム成分は偏光ビーム・スプリッタ1372により透過され、ビーム1334としてミラー1374により反射される。ビーム1334は画像反転器1376に進入する。図13bに示すように、画像反転器1376は3つのミラー1376A、1376B、および、1376Cを含む。図13bの平面は図13aの平面に直交している。ビーム1334はミラー1376A、1376B,および、1376Cの各々により反射され、ビーム1336として画像反転器1376を射出する。
ビーム1332の測定ビーム成分はビーム1333として偏光ビーム・スプリッタ1372により反射される。ビーム1333はビーム1335を形成するためにミラー1378Aおよび1378Bにより反射される。ミラー1378Aおよび1378Bは図13aの平面におけるビーム1333と1333の間の一定の離別を共働して五角形プリズムと同様に生成する。
ビーム1336は出力ビーム1338の1つの成分として偏光ビーム・スプリッタ1380により透過される。ビーム1335は出力ビーム1338の第2の成分として偏光ビーム・スプリッタ1380により反射される。
ビーム1338の部分はビーム1340として非偏光ビーム・スプリッタ1382により反射される。ビーム1340は、検出器1384に当たり、ビーム1340の測定と参照ビーム成分の伝播の方向のいかなる差にも関連した電気信号1348を生成する。
出力ビーム1338の第2の部分はビーム1342として非偏光ビーム・スプリッタ1382により透過される。ビーム1342は混合光学ビーム1344を生成するために配向されている偏光板1386により透過される。ビーム1344は、検出器1388に当たり、混合ビーム1344の測定と参照ビーム成分の位相の差に関連した電気信号1346を発生するために電気信号1346は混合ビーム1344の測定と参照ビーム成分の位相の差についての情報に対するその後の処理のために電子プロセッサおよびコンピュータ1390に伝送される。
電気信号1348は向きトランスデューサ1351Aおよび1351Bに伝送される。
信号1348に含まれる情報は、測定物体ミラー1360の向きの変化とは独立に、測定ビーム1332の測定ビーム成分の伝播の方向をビーム1332の参照ビーム成分の伝播の方向を基準として実質的に一定に維持するように、向きトランスデューサ1351Aおよび1351Bによりビーム操向ミラー1350の向きを変更するためにサーボ・システムにおいて誤差信号として使用される。ビーム操向ミラー1350の第1の面から測定物体ミラー1360への測定ビームの物理的経路長が測定物体ミラー1360から操向ミラー1350の第2の面への測定ビームの物理的経路長に等しいという条件下では、測定物体ミラー1360の向きの変化が操向ミラー1350の向きの変化により補償されると、操向ミラー1350においてビーム1332の測定ビーム成分の横方向シアはない。物理的経路長に関したこの条件は第13の実施形態条件として参照される。
第13の実施形態の残りの説明は先行する実施形態およびその変形に対して与えられた説明の対応する部分と同様である。
本発明の第13の実施形態は本発明の第1の実施形態に対する説明に追加される長所を示す。追加の長所はビーム操向ミラー1350および向きトランスデューサ1351Aおよび1351Bのサイズに関連している。第13の実施形態条件下では、ビーム操向ミラー1350のサイズは入力ビーム1310の投影されたサイズを収容するために十分大きいことのみを必要とし、入力ビーム1310および出力ビーム1332の位置はビーム操向ミラー1350において静止している。このことはビーム操向ミラー1350および向きトランスデューサ1351Aおよび1351Bに対して許容される低減された最小サイズに関した第13の実施形態に対する追加の長所、および、ビーム操向ミラーアセンブリの周波数応答における付随的な改善につながる。
ビーム1332における画像反転が不要な複雑さを提示しない最終的用途の応用例に対して、第13の実施形態の反転器1398は、本発明の範囲または精神から逸脱せずに第13の実施形態の変形を形成するために省略され得る。第13の実施形態の変形の残りの説明は第13の実施形態に対して与えられた説明の対応する部分と同様である。第13の実施形態の他の変形は、測定物体が測定ビームを反射するための屋根型プリズムまたは遡及反射器を含む変形を含む。このような変形において、システムは測定物体の位置の変化を補償するために必要とされる第2のモードにおいて動作可能である。
上述の実施形態のいくつかにおいて、ビーム操向アセンブリおよび制御回路は、参照および測定ビームを発生するレーザ光源に対する擬似反射の悪影響を低減するために使用可能である。偏光ビーム分割面または4分の1波長板における不完全性の結果生じた擬似反射は、いくつかの場合に、レーザ光源に反射し返し、レーザ光源の性能を不安定化または変化させる。このような悪影響を低減するために、システムは以下のように位置合わせされ得る。
もし光源のレーザの性能に悪影響を及ぼす擬似反射が識別されたなら、参照ビームを向けて送る光学系の1つは、参照ビームの方向を僅かに変更するように調整され、射出参照ビームの方向または位置に対応する変化を作り出す。例えば、もしシステムが参照物体として平面ミラーを含むなら、平面ミラーの角度配向が調整可能であり、また、もしシステムが参照遡及反射器を形成するミラーを含むなら、それらのミラーは、互いに面が正確に垂直とはならないように調整可能である。別法として、参照ビームにおける小さな角度のオフセットを導入するために、光学くさびまたはプリズムを参照経路に導入可能である。光学系が何であれ、その光学系は、参照ビームから導出された擬似反射がレーザ光源に最早伝播し戻らなくなるまで調整される。
加えて、制御回路における検出器は射出参照ビームの方向または位置の変化を検出し、サーボ制御器に、射出参照および測定ビームの相対的な位置および/または方向の変化に
応答してビーム操向ミラーを再配向させる。ビーム操向ミラーは、出射測定ビームビームが射出参照ビームに対する変化を追跡するように、例えば、射出参照および測定ビームが実質的に平行および/または同じ長さだけ延長したまま存続するように測定ビームを再度向けて送る。その結果、測定ビームから導出された擬似反射はレーザ光源に最早伝播し戻らない。さらに、ビーム操向アセンブリおよび制御回路は参照および測定ビームの位置合わせを維持する。
この手順は、レーザ光源に戻る擬似反射の伝播を防止または低減するシステムの光学系に対して位置合わせを決定するために、干渉分光器システムの製造の間に実施可能である。一般に、この手順は制御回路およびビーム操向アセンブリの向きの制御回路による制御にバイアス・オフセットを光学的に導入する。別法として、オフセットはサーボ制御器に電子的に導入可能である。しかし、導入されても、オフセットは、測定物体の角度配向または位置の変化に応答してビーム操向要素により行なわれた配向の典型的な範囲にわたりレーザ光源へ戻る擬似反射の伝播を防止する、または少なくとも最小に抑えるために十分大きいべきである。
1つまたは複数のビーム操向アセンブリを有する干渉分光システムの実施形態は、測定物体に対する変位の変化の測定に加えて、測定物体の角度配向を測定するためにも使用可能である。例えばステージ・ミラーの角度配向を測定するために、干渉分光システムは、ステージ・ミラーの角度配向が決定可能である、ステージ・ミラー上の複数の空間的に分離された位置への距離を測定するために「積み重ねられる」多変位測定干渉分光器を含む。例えば、参照平面からステージ・ミラー上の同一直線上にない3つの点の各々への距離はステージ・ミラーの位置および角度配向を完全に定義する。干渉分光システムは、積み重ねられた干渉分光器一式内に、および/または、それらからビームを向けて送るビーム操向アセンブリを含み得る。別法として、干渉分光システムは、積み重ねられた干渉分光器一式の各々に対して測定および参照ビームの少なくとも1つを向けて送る一般のビーム操向アセンブリを含み得る。図17aからcは2つの積み重ね干渉分光器に対するそのような実施形態を示す。いずれの場合でも、干渉分光システムにより得られた角度情報は、ビーム操向アセンブリにおけるビーム操向要素を配向するための制御ループを提供するために使用可能である。
図17aからcの干渉分光器1710は、遡及反射器1532が(図17bに示すような)複合遡及反射器1732で置き換えられていること、および、システムが偏光ビーム・スプリッタ1512に接続された(図17cに示すような)分割菱形1713をさらに含むことを除き、上述の図15aの干渉分光器1710と同様である。図17cに示すように、分割菱形1713は入力ビーム1514を受光し、そのビームを2つの中間ビーム1715aおよび1715bに分離する。分割菱形1713は、入力ビーム1514を分割するための非偏光ビーム分割面1717a、および、中間ビーム1715bを中間ビーム1715aに平行に再度向けて送るための反射面1717bを含む。図17cは図17aの平面に垂直かつ入力ビーム1514を含む平面内にある。
偏光ビーム・スプリッタ1512は、中間ビーム1715aおよび1715bを、互いに直交に線形偏光された参照ビーム1716aおよび1716b(点線)と測定ビーム1718aおよび1718b(実線)に分離する。図17aは、参照および測定ビームの1つの組のみを示し、もう1つの組は図17aの平面に平行な第2の平面における第1の組に平行に伝播する。他に指定されていない限り、参照および測定ビームのその後の説明は双方の組を同時にビーム1716および1718として指す。
偏光ビーム・スプリッタ1512は測定ビーム1718をビーム操向アセンブリ1520に向けて送り、ビーム操向アセンブリ1520は測定ビームを複合参照遡及反射器17
32を介して向けて送る。複合参照遡及反射器は、この反射器の中央を介して通過するビームが遡及反射されないように頂部が切り落とされている。その結果、ビーム操向アセンブリ1520は、ステージ・ミラー1534、すなわち、測定物体に実質的に垂直の入射で接触するように測定ビーム1718を向けて送る。続いて、ステージ・ミラー1534は、測定ビームを、それらのビームの経路を再追跡するようにビーム操向アセンブリ1520および変更ビーム・スプリッタ1512に反射し戻す。測定ビームは4分の1波長板1536を二重に通過し、4分の1波長板1536はビーム操向アセンブリ1520と変更ビーム・スプリッタ1512の間に位置され、かつ、測定ビームの線形偏光を90°回転させる。
偏光ビーム・スプリッタ1512は参照ビーム1716をビーム操向アセンブリ1520に向けて送り、ビーム操向アセンブリ1520は参照ビームを今度は複合参照遡及反射器1732に向けて送る。続いて、複合参照遡及反射器は参照ビームをビーム操向アセンブリ1520に、および、偏光ビーム・スプリッタ1512上に向けて戻す。参照ビームも4分の1波長板1536を二重通過し、4分の1波長板1536は参照ビームの線形偏光を90°回転させる。続いて、偏光ビーム・スプリッタ1512は、重なり合った射出参照および測定ビームを含む出力ビーム1740aを形成するために、偏光が回転された参照および測定ビーム1716aと1718aを再結合し、かつ、重なり合った射出参照および測定ビームを含む出力ビーム1740bを形成するために、偏光が回転された参照および測定ビーム1716bと1718bを再結合する。
図17bは図17aの平面に垂直かつステージ・ミラー1534の面を含む平面に向かって見たシステムの図である。図17bは菱形1713上の入力ビーム1514、複合参照遡及反射器1732上の参照ビーム1716aおよび1716b、ステージ・ミラー1534上の測定ビーム1718aおよび1718b、および、偏光ビーム・スプリッタ1512から射出する出力ビーム1740aおよび1740bの横断面のプロファイルを示す。
ビーム・スプリッタ1542は出力ビーム1740aの部分を検出器システム1544に送り、検出器システム1544は出力ビームの参照ビームと測定ビームの伝播の方向の差を測定する。検出器システムはいかなるそのような差も示す誤差信号1550をサーボ制御器1530に送り、サーボ制御器1530は、既に説明したように誤差信号に応答してビーム操向アセンブリを再配向するために、信号1528をビーム操向アセンブリ1520に送る。
出力ビーム1740bおよび出力ビーム1740aの残り部分は、各々、それらのビームの射出参照および測定ビーム成分の偏光を混合する偏光板を通過する。信号処理システム1748は、上述したように、混合ビームを受光し、参照ビーム1716aと測定ビーム1718aの間の、および、参照ビーム1716bと測定ビーム1718bの間の光路長の変化を決定する。ステージ・ミラー1534上の測定ビーム1718aと1718bの間の測定された光路長およびの変化および分離に基づき、信号処理システム1748もステージ・ミラーの角度配向の変化を決定する。
他の実施形態において、信号処理システム1748により決定された角度情報は検出器システム1544よりも、むしろサーボ制御器1530に対する誤差信号1550を生成するために使用可能である。したがって、このような実施形態において、ビーム・スプリッタ1542および検出器システム1544は必要ない。
さらに、さらなる実施形態において、ビーム操向アセンブリは干渉分光器の外部とし得る。1つのそのような実施形態は図15bの干渉分光システムと同一のシステムを含むが
、図17aの実施形態のように、入力ビーム1514を2つの平行に伝播するビームに分割するために分割菱形(例えば、分割菱形1713)が偏光ビーム・スプリッタ1512に装着されていること、および、遡及反射器1532が複合遡及反射器1732で置き換えられていることを除く。ちょうど図17aの実施形態が射出ビーム1540aおよび1540bを生成するように、分割菱形および複合遡及反射器のために、干渉分光器は2つの射出ビームを生成する。射出ビームの処理は図17aの実施形態の処理と同一であり、この処理において、信号プロセッサ1748などの信号プロセッサは、2つの射出ビームから導出された信号に基づき角度を計算する。再び、さらなる実施形態において、信号処理システム1748により決定された角度情報は、検出器システム1544よりも、むしろサーボ制御器1530に対する誤差信号1550を生成するために使用可能である。したがって、このような実施形態において、ビーム・スプリッタ1542および検出器システム1544は必要ない。
変位、角度、または、その両者を測定するさらなる実施形態において、ビーム操向アセンブリは測定物体を二重に通過する干渉分光器とともに使用可能である。このような二重通過は測定物体の角度配向の範囲にわたり射出参照および測定ビームの平行性を受動的に維持可能であるが、動的なビーム操向アセンブリは、それでも、上述の長所の多くを提供する。例えば、ビーム操向アセンブリは、測定物体の角度配向または位置の変化により引き起こされた射出参照および測定ビームの横断的変位または干渉分光器内の参照および測定ビームの成分の横断的変位を最小に抑え得る。図18aからcはこのような実施形態の概略を示す。
図18aからcの干渉分光器1810は上述の図15aの干渉分光器と同一であるが、遡及反射器1532が(図18bに示すように)複合遡及反射器1832で置き換えられていること、および、システムが、システムを介してビームを二重通過させるための偏光ビーム・スプリッタ1512に接続された(図18cに示すような)再循環プリズム1813をさらに含んでいることを除く。
偏光ビーム・スプリッタ1512は入力ビーム1514を参照ビーム1816(点線)と測定ビーム1818(実線)に分離し、かつ、測定ビーム1818をビーム操向アセンブリ1520に向けて送り、ビーム操向アセンブリ1520は測定ビームを複合参照遡及反射器1832を介して向けて送る。複合参照遡及反射器は、この反射器の中央を通過するビームが遡及反射されないように頂部が切り落とされている。その結果、ビーム操向アセンブリ1520は、ステージ・ミラー1534、すなわち、測定物体に実質的に垂直の入射で接触するように測定ビーム1818を向けて送る。続いて、ステージ・ミラー1534は、測定ビームを、それらのビームの経路を再追跡するようにビーム操向アセンブリ1520および変更ビーム・スプリッタ1512に反射し戻す。測定ビームは4分の1波長板1536を二重に通過し、4分の1波長板1536はビーム操向アセンブリ1520と変更ビーム・スプリッタ1512の間に位置され、かつ、測定ビームの線形偏光を90°回転させる。
偏光ビーム・スプリッタ1512は参照ビーム1816をビーム操向アセンブリ1520に向けて送り、ビーム操向アセンブリ1520は参照ビームを今度は複合参照遡及反射器1832に向けて送る。続いて、複合参照遡及反射器は参照ビームをビーム操向アセンブリ1520に、および、偏光ビーム・スプリッタ1512上に向けて戻す。参照ビームも4分の1波長板1536を二重通過し、4分の1波長板1536は参照ビームの線形偏光を90°回転させる。続いて、偏光ビーム・スプリッタ1512は、中間ビーム1841を形成するために、偏光が回転された参照および測定ビーム1816と1818を再結合する。
図18cに示すように、循環プリズム1813は中間ビーム1841を受光し、このビームを図18aの平面における変位と共に偏光ビーム・スプリッタ1512に再度向けて戻す。特に、図18cは図18aの平面に垂直かつ入力ビーム1514を含む平面にある。したがって、再循環プリズム1813は、中間ビーム1841に、図18aの平面に平行な第2の平面におけるシステムを介して自身の経路を再追跡させる。その結果、重なり合う射出参照および測定ビームを含む出力ビーム1840は、入力ビーム1514に平行であるが第2の平面にある干渉分光器から出現する。
図18bは図18aの平面に垂直かつステージ・ミラー1534の面を含む平面に向かって見たシステムの図である。図18bはビーム・スプリッタ1512上の入力ビーム1514、複合参照遡及反射器1832上の参照ビーム1816、ステージ・ミラー1534上の測定ビーム1818、再循環プリズム1813上の中間ビーム1841、および、偏光ビーム・スプリッタ1512から射出する出力ビーム1840の横断面のプロファイルを示す。
図18dに示す出力ビーム1840のその後の処理は、図15aを参照して出力ビーム1540に対して説明された処理と同様である。特に、スプリッタ1542は出力ビーム1840の第1の部分を検出器システム1844に、および、第2の部分を偏光板1545を介して信号処理システム1548に送る。しかし、検出器システム1544とは異なり、検出器システム1844は複合モードで動作する。特に、図18aの平面に平行な平面において、検出器システム1844は出力ビーム1840の参照ビーム成分を基準とし、測定ビーム成分の伝播方向の変化を測定し、かつ、図18aおよび18bの平面に垂直な平面において、出力ビーム1840の参照ビーム成分を基準として測定ビーム成分の位置の変化を測定する。別法として、検出器システム1844は、それぞれ何らかの絶対的な伝播方向および位置を基準として、出力ビーム1840の測定ビーム成分の伝播方向および位置を測定可能である。測定ビーム成分の伝播方向の測定された変化は、図18aの平面におけるステージ・ミラー1534の角度配向の変化を示すのに対し、測定ビーム成分の位置の測定された変化は、図18aの平面に垂直な平面内のステージ・ミラー1534の角度配向の変化を示す。検出器システム1844は、測定ビーム成分の測定された変化に基づき、ステージ・ミラー1534の角度配向の変化を示す誤差信号1550をサーボ制御器1530に送る。続いて、サーボ制御器1530は、ステージ・ミラー1534の角度配向の示された変化に応答して、ビーム操向要素1522を再配向するために、ビーム操向アセンブリ1512に制御信号1528を送る。
二重通過の他の実施形態は、上述のビーム操向アセンブリを、スィー エイ ザノーニ(C.A.Zanoni)、「Differential Interferometer Arrangements for Distance and Angle Measurements: Principles,Advantages,and Applications」(VDI Berichte Nr.749:93から106、1989)に説明されているものなどの二重通過平面ミラー干渉分光器または二重通過差分平面ミラー干渉分光器と組み合わせた干渉分光システムを含み得る。同様に、他の実施形態において、ビーム操向アセンブリは干渉分光器の外部とし得、かつ、干渉分光器は測定物体に対して測定ビームを二重通過させ得る。例えば、干渉分光器が参照および測定ビームを二重通過させることを可能にした図18aにおける再循環プリズム1813および複合遡及反射器1832の組み込みと同様の方法で、再循環プリズムおよび複合遡及反射器は、参照および測定ビームを二重通過させるために図15cの干渉分光システムを追加可能である。この後者の場合において、再循環プリズムの位置は干渉分光器とビーム操向アセンブリの間ではないが、むしろビーム操向アセンブリの下流にある。別法として、ビーム操向アセンブリは図18eに示すように高安定性平面ミラー干渉分光器の外部とし得る。
図18eを参照すると、ビーム操向アセンブリ1520は、偏光立方体ビーム・スプリッタ1812、遡及反射器1882、参照ミラー1884、および、2つの4分の1波長板1836および1837を含む高安定性平面ミラー干渉分光器(HSPMI)1870内に入力ビーム1514を向けて送る。ビーム・スプリッタ1812は偏光ビーム分割インターフェイス1862を有する。ビーム・スプリッタ1812は入力ビーム1514を参照ビーム1816(点線)と測定ビーム1818(実線)に分離し、参照ビームを参照ミラー1884に向けて反射し、かつ、測定ビーム1818をステージ・ミラー1534に向けて透過する。参照ミラー1884は参照ビーム1816をビーム・スプリッタ1812に反射し戻し、ビーム・スプリッタ1812は参照ビーム1816を遡及反射器1882へ現在透過する。なぜなら、参照ビーム1816は4分の1波長板1836を二重通過するからである。遡及反射器1882は今度は参照ビーム1816をビーム・スプリッタ1812に向けて戻し、ビーム・スプリッタ1812は参照ビーム1816を参照ミラー1884に向けて通過し戻す。再び、参照ミラー1884は参照ビーム1816をビーム・スプリッタ1812に反射し戻し、参照ビーム1816は4分の1波長板1836を再び二重通過する。同様に、ステージ・ミラー1534は測定ビーム1818をビーム・スプリッタ1812へ反射し戻し、ビーム・スプリッタ1812は測定ビーム1818を遡及反射器1882へ現在反射する。なぜなら、測定ビーム1818は4分の1波長板1837を二重通過するからである。遡及反射器1882は今度は測定ビーム1818をビーム・スプリッタ1812に向けて戻し、ビーム・スプリッタ1812は測定ビーム1818をステージ・ミラー1534に向けて反射し戻す。再び、ステージ・ミラー1534は測定ビーム1818をビーム・スプリッタ1812に反射し戻し、測定ビーム1818は4分の1波長板1837を再び二重通過する。ビーム・スプリッタ1812と遡及反射器1882の間の参照および測定ビームは同一直線上にあるが、図18eは明確さのためにこれらのビームを分離されているとして示していることに注意されたい。
この時点において、参照ビーム1816は参照ミラー1884に2回接触しており、このミラーを二重通過し、測定ビーム1818はステージ・ミラー1534に2回接触しており、このミラーを二重通過している。今、ビーム・スプリッタ1812は二重通過した参照および測定ビームを中間ビーム1889に再結合し、続いて、中間ビーム1889は、出力ビーム1880を形成するためにビーム操向アセンブリ1520により向けて送られる。
図18fに示す出力ビーム1880のその後の処理は、図15aを参照して出力ビーム1540に対して説明された処理と同様である。特に、スプリッタ1542は出力ビーム1880の第1の部分を検出器システム1844に、および、第2の部分を偏光板1545を介して信号処理システム1548に送る。しかし、検出器システム1544とは異なり、検出器システム1884は、参照ビーム成分を基準とした測定ビーム成分の伝播の方向の変化ではなく、参照ビーム成分を基準とした出力ビーム1840の測定ビーム成分の位置の変化を測定する。これは、ステージ・ミラー1534の角度配向の変化にもかかわらず、干渉分光器1870における二重通過が、出力ビーム1840中の測定および参照ビーム成分を互いに平行にするからである。しかし、このような変化は横断的な変位を出力ビーム1880の測定ビーム成分に伝える。したがって、図18eの平面における横断的な軸に沿った出力ビーム1880の測定ビーム成分の位置の測定された変化は図18eの平面におけるステージ・ミラー1534の角度配向の変化を示し、かつ、図18eの平面に垂直な横断的な軸に沿った出力ビーム1880の測定ビーム成分の位置の測定された変化は図18eの平面に垂直な平面におけるステージ・ミラー1534の角度配向の変化を示す。他の実施形態において、検出器システム1884は、ステージ・ミラー1534の角度配向の変化を決定するために、参照ビーム成分よりも、むしろ何らかの絶対的な位置を基準として出力ビーム1840の測定ビーム成分の位置の変化を測定する。いかなる
場合でも、検出器システム1884は、測定ビーム成分の位置の測定された変化に基づき、ステージ・ミラー1534の角度配向の変化を示す誤差信号1550をサーボ制御器1530に送る。続いて、サーボ制御器1530は、ステージ・ミラー1534の角度配向の示された変化に応答して、ビーム操向要素1522を再配向するために、ビーム操向アセンブリ1512に制御信号1528を送る。
上述のように、ビーム操向アセンブリは、測定物体の角度配向または位置の変化により引き起こされた射出参照と測定ビームの間の横断的な変位を最小に抑えるために、入力ビームを再度向けて送る。その結果、ビーム操向アセンブリは、測定物体の角度配向または位置の変化により引き起こされた干渉分光器内のビーム成分の横断的な変位も低減する。図18eに示すように、ビーム操向アセンブリも、ビーム操向要素による入力ビームの再送により全体として引き起こされた出力ビームの角度上の逸脱を補償するために出力ビームを再度向けて送るように位置決め可能である。しかし、追加の実施形態において、このような補償は必要ではない。
他の実施形態において、むしろ出力ビームの部分に基づきビーム操向アセンブリに対して制御信号を決定することより、制御信号は、干渉分光器内の測定ビーム成分から決定され得る。
さらに、追加の実施形態において、図18aからfに示すものなどの複数二重通過干渉分光器は、図17aからcを参照して上述した積み重ねられた干渉分光器の実施形態と同様の方法で、測定物体の向きについての干渉分光上の角度情報を提供するために使用可能である。さらに、そのような実施形態において、干渉分光上の角度情報はビーム操向要素を配向するための制御信号を生成するために使用可能である。
図20は、測定物体2010の配向についての干渉分光上の角度情報を提供するための多軸干渉分光システム2000、および、干渉分光上の角度情報に基づき多軸干渉分光システム内に入力ビーム2002を向けて送るためのビーム操向アセンブリ2020を含む装置を示す。
ビーム操向アセンブリ2020はビーム操向ミラー2022および1対の圧電トランスデューサ2024および2026を含む。トランスデューサは、サーボ制御器2030からの信号2028に応答してビーム操向ミラーを配向するために、曲げ部分によりビーム操向ミラー2020に結合されている。ビーム操向アセンブリは、ビーム操向ミラーの向きおよび/または位置の変化を測定するための容量ゲージを含み得る。容量ゲージは、圧電トランスデューサの特性を測定および/または監視するためにも使用可能である。
入力ビーム2002はビーム操向ミラー2022に接触し、このミラーはこのビームを多軸干渉分光システム2000内に再度向けて送る。現在説明している実施形態において、入力ビームはヘテロダイン干渉分光に適して分割している周波数を有する直交偏光成分を含む。多軸干渉分光器2000は、図18eに示すもののような2つの高安定性平面ミラー干渉分光器(HSPMI)2040および2042、および、干渉分光器2040および2042の各々に入力ビームの部分を向けて送るための1対の五角形プリズム2044および2046を含む。五角形プリズム2044は、入力ビームの第1の部分2004が干渉分光器2040へ透過することを可能にし、入力ビームの第2の部分2006を五角形プリズム2042へ反射するための非偏光ビーム・スプリッタ面2045を含み、五角形プリズム2042は今度は入力ビームの第2の成分を干渉分光器2042に向けて送る。入力ビームの第1および第2の部分がそれらの部分の個々の干渉分光器2040および2042に進入する際に、ビーム操向アセンブリが入力ビームの伝播方向を変化させる際でさえ、五角形プリズムは、それらの部分を互いに平行に維持するように位置決めされ
る。
他の実施形態において、五角形プリズム2044および2046は、入力ビームの第1および第2の部分がそれらの部分の個々の干渉分光器2040および2042に進入する際に、ビーム操向アセンブリが入力ビームの伝播方向を変化させる際でさえ、それらの部分を互いに平行に同じく維持するために、互いに平行に配向されているそれぞれ、偏光ビーム・スプリッタ面およびミラーで置き換え可能である。
干渉分光器2040は入力ビームの部分2004を(図示しない)測定ビームおよび参照ビームに分離し、測定物体2010に対する2回の通過を行なうために測定ビーム2041を向けて送る(測定物体2010は、例えばリソグラフィ用ステージに装着された平面ミラーである)。その後、干渉分光器2040は、干渉分光器2040により規定された測定軸に沿った測定物体への距離の変化を示す干渉分光情報を含む出力ビームを生成するために、反射された測定ビームを参照ビームと再結合する。
同様に、干渉分光器2042は入力ビームの部分2006を測定ビーム2043および(図示しない)参照ビームに分離し、かつ、測定物体2010に対する2回の通過を行なうために測定ビーム2043を向けて送る(測定物体2010は、例えばリソグラフィ用ステージに装着された平面ミラーである)。その後、干渉分光器2043は、干渉分光器2042により規定された測定軸に沿った測定物体への距離の変化を示す干渉分光情報を含む出力ビームを生成するために、反射された測定ビームを参照ビームと再結合する。
干渉分光器2040は、測定ビーム2041を、測定物体へのこのビーム2041の第1の通過の間、入力ビームの部分2004に対して平行に伝播するように配向される。同様に、干渉分光器2042は、測定ビーム2043を、測定物体へのこのビーム2043の第1の通過の間、入力ビームの部分2006に対して平行に伝播するように配向される。したがって、ビーム操向アセンブリ2020は、測定ビーム2041および2043の双方に、図20の平面における測定物体の角度配向の範囲にわたり実質的に垂直な入射で測定物体に接触させるために、入力ビーム2002を再度差し向け可能である。上述のように、このような垂直入射は、干渉分光器内の参照ビームと測定ビームの間の横方向シア、および、出力ビームの参照と測定ビーム成分の間の横方向シアを低減可能である。
現在説明している実施形態において、干渉分光器2040および2042は、位相が測定物体に対する距離変化に対応するヘテロダイン強度成分を有する信号ビームを生成するために、出力ビームの参照と測定ビーム成分を混合するための(図示しない)偏光板をそれぞれ含む。光ファイバ2050および2052は、各干渉分光器から対応する検出器2051および2053に信号ビームをそれぞれ搬送する。他の実施形態において、光ファイバは使用されず、検出器は、信号ビームの強度を直接測定するために、干渉分光器に隣接して位置されている。
信号プロセッサ2060は検出器と結合されており、各信号ビームからの距離情報および(図20の距離「A」として示す)干渉分光器2040と2042の測定軸間の分離に基づき、図20の平面における測定物体の角度配向の変化を決定する。続いて、信号プロセッサは、角度配向の変化に基づき、サーボ制御信号2062をサーボ制御器2030に送り、サーボ制御器2030は今度は、測定ビーム2041および2043に実質的に垂直な入射で測定物体に接触させるために、1つまたは双方のトランスデューサ2024および2026にビーム操向ミラー2022を配向させる。
図20の実施形態は、入力ビームの部分2004を2対のの測定および参照ビームに分離し、かつ、第3の計測軸についての測定物体への距離の変化を示す第3の出力ビームを
生成するために追加の測定ビームを図20の平面の上方(または下方)の測定物体に接触するように向けて送り、かつ、この測定ビームをそれの対応する参照ビームと再結合する積み重ねHSPMI干渉分光器で、HSPMI干渉分光器2040を置き換えることにより、図20の平面から外への(すなわち、距離矢印「A」に対応する軸についての)測定物体の角度配向の変化に対処するために拡張可能である。この第3の出力ビームは他の出力ビームと同じ方法で処理可能であり、これらの出力ビームは、共働して、干渉分光システムを基準とした測定物体の距離、縦ゆれ、および、片ゆれの変化についての情報を供給する。後の2つの量は、縦ゆれおよび片ゆれの双方における測定物体の角度配向の変化にもかかわらず、この3つのビームを測定物体に対して実質的に垂直に維持するために二次元においてビーム操向ミラーを配向するために使用可能である。
さらに、追加の実施形態において、入力ビームの追加の部分は、ビーム操向アセンブリ2020または追加のビーム操向要素に対してサーボ・ループを制御するためにも使用可能である追加の計測軸を提供するために使用可能である。例えば、測定物体が複数の次元に沿って移動するステージである応用例の場合、多軸干渉分光システムはステージの複数の側面に計測軸を設けることが可能である。さらに、そのような実施形態において、多軸干渉分光システムは可動ステージを基準として静止とし得る。別法として、多軸干渉分光システムは可動ステージにより支持可能であり、測定物体は固定参照フレーム(例えば、L字型ミラー)を規定可能である。内容を本願明細書に援用するKreuzerへの米国特許第5,757,160号明細書を参照されたい。さらに、追加の実施形態において、干渉分光器2040および2042は異なったタイプの干渉分光器、例えば上述のもののいずれをも含む単一通過干渉分光器または他のタイプの二重通過干渉分光器で置き換え得る。さらに、異なった計測軸を提供する別個の干渉分光器を有するよりも、むしろ積分型多軸干渉分光器が使用され得る。内容を本願明細書に援用するボックマン(Bockman)への米国特許第5,064,289号明細書およびザノーニ(Zanoni)への米国特許第4,883,357号明細書を参照されたい。
さらなる実施形態において、測定物体の角度配向についての情報を供給する干渉分光システムは、測定物体の角度配向についての干渉分光情報を直接的に含む出力ビームを供給するために、2つのビームを測定物体の異なった位置に接触するように向けて送り、かつ、それらのビームを、測定物体に接触した後に再結合する角度測定干渉分光器を含み得る。このような情報は動的ビーム操向要素に対する制御信号を生成するために使用可能であり、この動的ビーム操向要素は角度測定干渉分光器においてビームの1つまたは双方を、(もし角度測定干渉分光器が多軸干渉分光器の一部であれば)干渉分光器において他の測定ビームを、または、干渉分光器内へ入力ビームを再度向けて送るように位置することが可能であり、測定物体に接触するビームは入力ビームから導出される。
このような実施形態は図21に示す。光源2302は、既に説明したように分割しているヘテロダイン周波数を有する直交に偏光された成分を含む入力ビーム2310を供給する。入力ビーム2310は、制御器2311からの制御信号2304に応答してミラー2314を動的に配向するためのビーム操向ミラー2314およびトランスデューサ2316および2318を含む動的ビーム操向アセンブリに入射し、かつ、これにより、入力ビーム2312として再度向けて送られる。以前の実施形態において説明したように、制御器2311は、測定物体2380の角度配向の変化に応答してビーム操向ミラー2314を配向するための制御信号2304を発生する。本実施形態において、制御器2311は、干渉分光システム2306により生成された角度測定出力ビーム2378の検出器2376により測定された強度情報2313に基づき制御信号を生成する。
引き続き図21を参照すると、干渉分光システム2306は以下のように機能する。非偏光ビーム・スプリッタ2320は入力ビーム2312を角度測定入力ビーム2382と
距離測定入力ビーム2384に分割する。干渉分光システムの距離測定部分は高安定性平面ミラー干渉分光器(HSPMI)を含む。干渉分光システムの角度測定部分は、光学的差分に基づき角度測定出力ビームを生成するために測定物体上の異なった点への単一通過を行なうように角度測定ビームを向けて送る。以下にさらに詳細に説明するように、干渉分光システムの角度測定部分は、複数の測定軸を提供する集積システムを生産するために、多くの構成部分を距離測定HSPMIの部分と共有する。
引き続き図21を参照すると、非偏光ビーム・スプリッタ2320は距離測定入力ビーム2384を(ミラー2331を介して)偏光ビーム・スプリッタ2330に反射し、ビーム・スプリッタ2330はこのビームを2つの距離測定ビーム、すなわち、反射された参照ビーム2395と透過された測定ビーム2391に分割する。続いて、参照ビーム2395は参照ミラー2338から反射し、続いて、4分の1波長板2336を介した二重通過に続き遡及反射器2332へ偏光ビーム・スプリッタ2330により透過される。続いて、遡及反射器2332は参照ビーム2395を偏光ビーム・スプリッタ2330に向けて戻し、ビーム・スプリッタ2330はこのビームを参照ミラー2338に透過し戻し、参照ミラー2338は今度はこのビームを、4分の1波長板2336を介した別の二重通過の後に偏光ビーム・スプリッタに反射し戻す。4分の1波長板を介した二重通過により、偏光ビーム・スプリッタ2330は距離測定出力ビーム2374の参照ビーム成分として参照ビームを今反射する。測定ビーム2391は測定ミラー2380から反射し、続いて、4分の1波長板2334を介した二重通過に続き遡及反射器2332へ偏光ビーム・スプリッタ2330により透過される。続いて、遡及反射器2332は測定ビーム2391を偏光ビーム・スプリッタ2330に向けて戻し、ビーム・スプリッタ2330はこのビームを測定ミラー2380に反射し戻し、測定ミラー2380は今度はこのビームを、4分の1波長板2334を介した別の二重通過の後に偏光ビーム・スプリッタに反射し戻す。4分の1波長板を介した二重通過により、偏光ビーム・スプリッタ2330は距離測定出力ビーム2374の測定ビーム成分として測定ビームを今透過する。
したがって、測定物体2380に対する測定ビーム2391の二重通過、および、参照物体2338に対する参照ビーム2395の二重通過に続き、変更ビーム・スプリッタ2330は、距離測定出力ビーム2374を形成するために測定および参照ビームそれぞれ2391および2395を再結合する。偏光板2371は、距離測定出力ビームの偏光成分を、検出器2372に当たる前に混合する。距離測定出力ビームの位相は検出器2372により測定から導出され、軸X1に沿った平面ミラー物体の線形変位を決定するために使用される。
非偏光ビーム・スプリッタ2320は角度測定入力ビーム2382を偏光ビーム・スプリッタ2330へ透過し、偏光ビーム・スプリッタ2330は角度測定入力ビーム2382を角度測定ビーム2393および2394に分離する。偏光ビーム・スプリッタ2330は角度測定ビーム2393を透過し、続いて、このビームは平面ミラー測定物体2380により反射される。4分の1波長板2334を二重通過した後、角度測定ビーム2393は偏光ビーム・スプリッタ2330に戻り、偏光ビーム・スプリッタ2330はこのビームを中間ビーム2390の第1の成分として反射する。偏光ビーム・スプリッタ2330はビーム2394を反射し、続いて、このビームは平面ミラー参照物体2338により反射される。4分の1波長板2336を二重通過した後、角度測定ビーム2394は偏光ビーム・スプリッタ2330に戻り、偏光ビーム・スプリッタ2330はこのビームを中間ビーム2390の第2の成分として反射する。
続いて、中間ビーム2390はミラー2347、2348、および、2349から3つの別個の反射を行い、これらの反射は中間ビームを偏光ビーム・スプリッタ2330に向けて戻し、偏光ビーム・スプリッタ2330は今度は中間ビームをビーム2393および
2394に分離し戻す。しかし、偏光ビーム・スプリッタ2330に到達する前に、中間ビーム2390は、中間ビームの成分の線形偏光を90°回転する半波長遅延板2350を通過する。偏光回転により、偏光ビーム・スプリッタ2330はその後に角度測定ビーム2394を平面ミラー測定物体2380に反射し、かつ、角度測定ビーム2393を平面ミラー参照物体2338へ透過する。測定および参照物体それぞれ2380および2338からのビーム2394および2393の反射、および、4分の1波長板それぞれ2334および2336を介した二重通過に続き、変更ビーム・スプリッタ2330は、角度測定出力ビーム2378の成分として角度測定ビームをを再結合する。したがって、ビーム2393および2394は、これらのビームが各々異なった点において平面ミラー測定物体に1回接触した後、角度測定出力ビーム2378を形成するために再結合される。偏光板2375は、角度測定出力ビーム2378の偏光成分を、これらの成分が検出器2376に当たる前に混合する。
遡及反射器2332、ミラー2347、2348、および、2349、および、半波長遅延板2350を含む構成部分は全体で戻りビーム光学アセンブリ2351を規定し、このアセンブリ2351は、距離測定ビーム2391および2395を、これらのビームのそれぞれ測定および参照物体への第1と第2の通過の間に偏光ビーム・スプリッタ2330に戻し、かつ、角度測定ビーム2393および2394を、これらのビームのそれぞれ測定および参照物体への通過の後に偏光ビーム・スプリッタ2330に戻す。
各角度測定ビームが測定物体に1回接触するため、測定物体2380における傾きにより導入されたいかなる角度上の逸脱も双方の成分に影響を及ぼし、そのため、ビーム成分は角度変位干渉分光器の出力において平行のままと存続する。さらに、角度測定出力ビームは、b1が平面ミラー測定物体におけるビーム2393と2394の間の間隔であり、入力ビーム2310の波長λ1に対して波数k1=2π/λ1であり、かつ、n1はビーム経路における気体の屈折率であるとして、式φ1=2k1n1b1θ1によれば、(入力ビーム2312の伝播方向を基準として)測定物体の角度上の変化θ1に関連した相対位相シフトφ1を含む。
角度測定ビーム2393および2394を(これらのビームが中間ビーム2390の成分である時)偏光ビーム・スプリッタ2330に再度向けて戻すための3つのミラー2347、2348、および、2349を含む戻りミラー・システム折込みシステムは、角度測定出力ビーム2378における双方の成分が平行であることを確実にする。
干渉分光システム2306の角度測定部分の1つの長所は、検出器または光ファイバ・ピック・アップ(FOP)における角度測定出力ビームの成分の差分ビーム・シアが、例えばHSPMIの検出器またはFOPにおける出力ビームにおける差分ビーム・シアに比較して、実質的に低減されていることである。これは、角度測定出力ビームの双方の成分(すなわち、角度測定ビーム2393および2394)が、測定平面ミラーからの非垂直反射および干渉分光器へ戻るその後の伝播の際に、実質的に等しい量のシアを受けるためである。
さらなる実施形態において、干渉分光システム2306は、本願明細書に援用するヘンリー エイ ヒル(Henry A.Hill)による2003年1月27日に出願の「Multi−Axis Interferometer」と題された共通所有出願米国特許出願第10/351,708号明細書に開示されているものなどの角度測定干渉分光器を含む他の干渉分光システムで置き換えられ得る。同様に、さらなる実施形態において、動的ビーム操向要素は、角度測定干渉分光器内のビームの1つ(例えば、測定物体に接触するビームの1つまたは双方)を向けて送るように位置決めすることが可能である。
上述の干渉分光システムのいずれの1つにおいても、入力、参照、測定、中間、および、出力のビームは、測定物体への測定経路に沿った分散を測定するための複数の十分に分離された波長を含み得る。十分に分離された波長は、例えばレーザの基底および周波数倍増波長、例えば1064および532nmにおける基底および倍増Nd:Yagまたは532および266における倍増および四倍増Nd:Yagなどから出来可能である。1つのそのような光源は、本願明細書に援用する1999年4月28日出願のウィリアム エイ シャルおよびカール エイ ザノーニ(William A.Shull and Carl A.Zanoni)による「Helium−Neon Laser Light Source Generating Two Harmonically Related,Single−Frequency Wavelengths for Use in Displacement and Dispersion Measuring Interferometry」と題された米国特許出願明細書第09/305,808号に説明されているヘリウム−ネオン・レーザ光源である。複数の波長における測定物体への光路長の変化の測定は、測定経路に沿った空気の擾乱に対して変位の測定値を補正し、光路長の変化を幾何学的経路長の変化に変換するために使用可能である。
図19aおよびbは変位および分散干渉分光システムの概略を示す。レーザ光源1980は、十分に分離された単一周波数の波長λ1および波長λ2を有する2つのビームの同じ長さに延長する重複体である光ビーム1981を発生する。波長(λ1/λ2)の比はI1/I2として少なくとも近似的に表し得る知られている値を有し、ここでI1およびI2は整数である。いくつかの実施形態において、2つの波長は高調波の関係にある。二色ビーム・スプリッタ1983は重複ビーム1981を波長λ1のビーム1982およびλ2のビーム1988の2つの単一波長ビーム1982および1988に分割する。ビーム1982はビーム1999となるためにドライバ1995により給電されている音響光学変調システム1993を通過する。同様に、ビーム1988は、ミラー1989により再度向けて送られた後、ビーム1990となるためにドライバ1996により給電されている音響光学変調システム1994を通過する。音響光学変調システム1993および1994は、各々、それぞれビーム1999および1990の直交線形偏光成分間で分割している周波数を生成する。
特に、音響光学変調システム1993は、ビーム1999を生成するために、ビーム1982のy偏光成分に関して、ビーム1982のx偏光成分の光学周波数を量f1シフトさせる。同様に、音響光学変調システム1994は、ビーム1990を生成するために、ビーム1988のy偏光成分に関して、ビーム1988のx偏光成分の光学周波数を量f2シフトさせる。この説明において、z軸はビームの伝播の方向と同一直線上にあり、x軸はz軸に垂直な図19aの平面内にあり、かつ、y軸は図19aの平面に垂直である。周波数シフトの値f1およびf2はそれぞれドライバ1995および1996により決定され、かつ、λ1およびλ2により規定された光学周波数より小さな大きさの(例えば、約10−7小さい)多くの次数にある。音響光学変調システム1993および1994は、各々、少なくとも1つの音響光学変調器、および、プリズムおよび複屈折要素などの1つまたは複数の追加の光学要素を含む。適する音響光学変調システムは、本願明細書に援用する米国特許第4,684,828号明細書および第4,687,958号明細書においてジー イー ソマーグレン(G.E.Sommargren)により、および、1998年4月17日出願の米国特許出願第09/061,928号においてエイチ エイ ヒル(H.A.Hill)により説明されている。音響光学変調システムにより生成された周波数分割は、ヘテロダイン干渉分光技術の使用を可能にする。当技術分野で知られている他の周波数分割技術も、ヘテロダイン周波数分割を生成するために使用可能である。別法として、他の実施形態において、ホモダイン干渉分光技術が使用可能であり、この場合、周波数分割は必要ない。
いくつかの実施形態において、音響光学変調システム1993および1994のいずれか、または、双方は、それぞれビーム1982および1988の両偏光成分に対して周波数オフセットを付加的に導入可能である。例えば、音響光学変調システム1993はビーム1982のx偏光成分をf0シフトさせ得、かつ、そのビームのy偏光成分をf0+f1シフトさせ得、音響光学変調システム1994はビーム1988のx偏光成分をf0’シフトさせ得、かつ、そのビームのy偏光成分をf0’+f2シフトさせ得る。周波数オフセットは光源1980と干渉分光器の下流の間の隔離を改善可能である。
ビーム1999は二色ビーム・スプリッタ1914にミラー1912により向けて送られ、二色ビーム・スプリッタ1914はビーム1999とビーム1990をビーム1920に結合する。したがって、ビーム1920は、λ1における周波数シフトされた直交偏光成分およびλ2における周波数シフトされた直交偏光成分を含み、これらの全ては実質的に同じ長さに延長し、同一直線上にある。ビーム整形光学系1910は、λ1におけるビーム1920の成分が、λ2におけるビーム1920の成分のものと同様の直径、より詳細には、同様の横断的強度プロファイルを有するように、ビーム1999の横断的空間プロファイルを修正する。他の実施形態において、ビーム整形光学系1910は音響光学変調システムの前または後ろのいずれかに位置決めすることが可能であり、かつ、λ1におけるビームまたはλ2におけるビームを、それらのビームがどこで互いから分離されても変化させ得る。適するビーム整形光学系は、例えばビーム拡張器、ビーム圧縮器、可変密度フィルタ、および、アポダイジング・マスクを含む。このような要素は、同様の横断的強度プロファイルを生成するために別個に、または、組み合わせて使用可能である。
ビーム1920は、上記の実施形態のいずれかにおいて説明された干渉分光器およびビーム操向アセンブリを含む干渉分光器ユニット1960内へ向けて送られる。干渉分光器ユニット1960は、2つの波長λ1およびλ2の各々における射出参照および測定ビームの重なり合う対を含む射出ビーム1915を生成する。上述したように、干渉分光ユニット1960における動的制御システムは、射出ビーム1915に対する測定物体の角度配向または位置の変化の影響を低減する。干渉分光ユニット1960内の別個の参照および測定経路は、波長λ1における射出ビーム1915のx偏光成分とy偏光成分の間に位相シフトφ1を導入し、かつ、波長λ2における射出ビーム1915のx偏光成分とy偏光成分の間に位相シフトφ2を導入する。位相シフトに対する表現は以下により与えられる。
φj=Lpkjφj+ζj、ここで、j=1または2、 (3)
ここで、Lは測定ビーム1918により横切られる往復距離であり、pは干渉分光器内の往復通過の数(現在説明されている干渉分光器に対しては、p=1)であり、njは波数kj=(2π)/λjにおける気体1998の平均屈折率であり、かつ、ζjは、測定ビーム1918により横切られた経路に関連しない位相シフトφjへの全ての寄与を含む波長λiに対する位相オフセットである。波長λ1およびλ2における測定ビーム1918の成分が同じ幾何学的距離Lを横切るが、異なった屈折率n1およびn2を経験するために、位相φjは測定物体への測定経路に沿った経路内の分散を決定するために使用可能である。
(例えば、図19aの平面に45度で配向された)偏光板1944は、混合ビーム1919を生成するために、波長λ1およびλ2の各々におけるビーム1915のxおよびy偏光成分を混合する。続いて、二色ビーム・スプリッタ1980は混合ビーム1919を波長λ1における第1の信号ビーム1917および波長λ2における第2の信号ビーム1918に分離する。光電検出器1985および1986は、それぞれ干渉ヘテロダイン信号s1およびs2を生成するために、信号ビーム1917および1918の時間で変化する強度をそれぞれ測定する。信号sjは以下の形を有する。
sj=Ajcos|αj(t)|、j=1および2、 (4)
ここで、時間依存偏角αj(t)は以下により与えられる。
αj(t)=2πfjt+φj、j=1および2 (5)
ヘテロダイン信号s1およびs2は、デジタルまたはアナログのフォーマットのいずれかでそれぞれ電子信号1903および1904として解析のために処理システム1909に伝送される。処理システム1909は、ドライバ1995および1996から、それらのドライバの個々の駆動周波数(例えば、ヘテロダイン分割周波数f1およびf2)および位相をそれぞれ示す電子信号1901および1902も受信する。
図19bを参照すると、処理システム1909は、位相φ1およびφ2をそれぞれ決定するために電子プロセッサ1094Aおよび1094Bをさらに含む。プロセッサ1094Aは信号1903(s1)および信号1901(ドライバ1995に対するf1におけるヘテロダイン参照位相)に基づきφ1を決定し、プロセッサ1094Bは信号1904(s2)および信号1902(ドライバ1996に対するf2におけるヘテロダイン参照位相)に基づきφ2を決定する。プロセッサは、例えばデジタル・ヒルベルト変換位相検出器などの時間に基づく位相検出を含めて、デジタルまたはアナログの信号処理技術のいずれかを使用可能である。例えば、アール イー ベスト(R.E.Best)、「Phase−locked loops:theory,design,and applications」、第2版、(McGraw−Hill、New York、1993)の第4.1.1.節を参照されたい。他の実施形態において、信号1901および1902は、ビーム1999および1990の各々の部分の偏光成分をそれぞれ混合することにより生成された混合参照位相ビームから導出可能である。
プロセッサ1094Aおよび1094Bにより決定された位相φ1およびφ2は、次に、電子プロセッサ1095Aおよび1095Bにおいて、好ましくはデジタル処理においてl1/pおよびl2/pによりそれぞれ乗され、それぞれ位相(l1/p)φ1および(l2/p)φ2をもたらす。位相(l1/p)φ1および(l2/p)φ2は、次に、位相
およびΦをそれぞれ作成するために、好ましくはデジタル処理により、電子プロセッサ1096Aにおいて一緒に加算され、電子プロセッサ1097Aにおいて一方から他方が除される。式で記載すれば以下のようになる。
図19aを再び参照すると、位相φ1、
、および、Φは、デジタルまたはアナログのフォーマットのいずれかで信号1905としてコンピュータ1910に伝送される。
測定物体への測定経路における気体の屈折度(n1−1)は以下の式を使用して算出可能である。
ここで、
χ=(l1k1+l2k2)/2、 (9)
K=(l1k1−l2k2)/2、 (10)
量Γは、環境の条件および気体における擾乱とは実質的に独立している気体の逆分散力である。オフセットの項Qは以下のように定義される。
Q=ξ(K/χ)−Z (12)
ここで、
Γの値は、気体の組成の知識から、かつ、気体の成分の波長依存屈折度の知識から算出可能である。例えば、632.8nmに等しい波長λ1および316.4nmに等しいλ2に対して、Γは約21.4に等しい。
変位測定干渉分光に関連した応用例に対して、ヘテロダイン位相φ1および位相
およびΦは、以下の式を使用して、測定経路における気体1998の屈折率の影響とは独立に、幾何学的距離Lを決定するために使用可能である。
波長の比は、式(9)および(10)からの(K/χ)の項に表し得、結果は以下のようになる。
以下の条件下で動作する時、
位相Φおよび
の比は以下の近似値を有する。
ここで、εは、気体の屈折度、または、気体による測定レッグの光路長の変化の測定に対して所望されている相対精度であり、以下の不等式が適用される。
式(8)および(15)は以下のより簡略な形にそれぞれ書き換えられる。
上記の式を使用して、コンピュータ1910は、処理システム1909からの信号1905に基づき(n1−1)、L、および/または、Lの変化を算出する。Lに対する同様の計算はn2に関しても実行可能である。
現在説明している実施形態において、干渉分光器ユニット1960は、入力ビーム1920を受光し、射出ビーム1915を生成し、それらのビームの各々は波長λ1およびλ2の双方を含む。他の実施形態において、干渉分光器ユニットは、信号ビーム1917および1918を直接生成するために、偏光板1944および二色ビーム・スプリッタ1980を含み得る。同様に、射出ビーム1915が波長λ1およびλ2の双方を含む時にこのビームの偏光を混合するよりも、むしろ干渉分光器ユニットは、ビーム1915を波長λ1またはλ2のいずれかを有するビームに分割し得、続いて、信号ビーム1917および1918を生成するために分割されたビームの各々の偏光を混合し得る。さらに、他の実施形態において、干渉分光器ユニットは、それぞれ波長λ1およびλ2における2つの入力ビームを双方の波長における1つの入力ビームに結合するために、二色ビーム・スプリッタ1914を含み得る。同様に、干渉分光器ユニットは、それぞれ波長λ1およびλ2における分離した入力ビームを受光し得、かつ、これらの入力ビームの各々を、個々の波長における参照および測定ビームに分離するために、1つまたは複数の二色ビーム・スプリッタを含み得る。後者の場合、干渉分光器ユニットは、波長λ1およびλ2における測定ビームを測定物体に接触する共通の経路に沿って向けて送り、続いて、測定ビームの各々をそれぞれの参照ビームと再結合する。
図19cはそのような干渉分光器ユニット1961の概略を示す。偏光ビーム・スプリッタ1948aは波長λ1における入力ビーム1950aを、ともに波長λ1における参照ビーム1952aおよび測定ビーム1954aに分離する。同様に、偏光ビーム・スプリッタ1948bは波長λ2における入力ビーム1950bを、ともに波長λ2における参照ビーム1952bおよび測定ビーム1954bに分離する。例えば、入力ビーム1950aおよび1950bは、それぞれ図19aからビーム1990および1999とし得る。偏光ビーム・スプリッタ1948aおよび1948bはそれぞれ偏光ビーム分割面1961aおよび1961b、および、それぞれ反射面1962aおよび1962bを有する。二色ビーム・スプリッタ1956は、参照ビーム1952aおよび1952bを波長λ1およびλ2の双方を有する参照ビーム1962に結合し、かつ、測定ビーム1954
aおよび1954bを波長λ1およびλ2の双方を有する測定ビーム1964に結合する。参照ビーム1952a、1952b、および、1962は図19cにおいてダッシュ線として示すのに対し、測定ビーム1954a、1954b、および、1964は図19cにおいて実線として示す。
参照ビーム1962および測定ビーム1964はビーム操向アセンブリ1520に伝播し、ビーム操向アセンブリ1520は参照ビームを遡及反射器1532に、および、測定ビームをステージ・ミラー1534に向けて送る。遡及反射器1532およびステージ・ミラー1534は参照および測定ビームをそれぞれビーム操向アセンブリ1520に反射し戻し、ビーム操向アセンブリ1520はこれらのビームを二色ビーム・スプリッタ1956に再度向けて戻す。続いて、二色ビーム・スプリッタ1956は参照ビーム1962を波長λ1およびλ2をそれぞれ有する参照ビーム1952aおよび1952bに分離し戻し、かつ、参照ビーム1964を波長λ1およびλ2をそれぞれ有する測定ビーム1954aおよび1954bに分離し戻す。続いて、参照および測定ビーム1952aおよび1954aは偏光ビーム・スプリッタ1948aに伝播し、これらのビームが4分の1波長板1968aを二重通過するために、偏光ビーム・スプリッタ1948aは、波長λ1を有する射出ビーム1970aを形成するためにそれらのビームを再結合する。同様に、続いて、参照および測定ビーム1952bおよび1954bは偏光ビーム・スプリッタ1948bに伝播し、これらのビームが4分の1波長板1968bを二重通過するために、偏光ビーム・スプリッタ1948bは、波長λ2を有する射出ビーム1970bを形成するためにそれらのビームを再結合する。射出ビーム1970aおよび1970bの1つの一部は、ビーム操向アセンブリ1512に、ステージ・ミラー1534の角度配向の変化に応答して参照および測定ビーム1962および1964を再度向けて送らせる制御信号を生成するために、検出器1544などの(図示しない)検出器システムに送られる。このような制御システムの説明は、図15aの実施形態を参照して既に説明したものと同一である。
射出ビーム1970aおよび1970bは、それぞれ波長λ1およびλ2におけるステージ・ミラー1534への光路長の変化を示し、これらのビームからはステージ・ミラーへの測定経路に沿った分散が決定可能である。特に、偏光板は、図19aを参照して上述した信号ビーム1917および1918を生成するために、射出ビームの各々の参照および測定ビーム成分を混合するために使用可能である。
上述した干渉分光システムは、コンピュータ・チップなどの大規模集積回路を製造するリソグラフィ用応用例において特に有用となり得る。リソグラフィは半導体製造産業に対する重要な技術駆動部分である。重ね合わせの改善は、100nmの線幅(デザイン・ルール)への、および、それ以下での5つの最も困難な挑戦の1つであり、例えば、「Semiconductor Industry Roadmap」p.82(1997)を参照されたい。重ね合わせは、ウェハおよびレチクル(または、マスク)ステージを位置決めするために使用される距離測定干渉分光器の性能、すなわち、正確さおよび精密さに直接依存する。1基のリソグラフィの装置は年間5千万から1億ドルの製品を生産可能であるため、改善された性能の距離測定干渉分光器からの経済価値はかなりになる。リソグラフィ装置の歩留まりの各1%の上昇は、集積回路製造業者への年間約百万ドルの経済的利益およびリソグラフィ装置販売業者への競争上での実質的な有利性をもたらす。
リソグラフィ装置の機能は空間的にパターン形成された放射光をフォトレジストが塗布されたウェハ上に向けて送ることである。この工程は、ウェハのどの位置が放射光を受光するのかを決定する工程(位置合わせ)およびその位置におけるフォトレジストに放射光を当てる工程(露光)を含む。
ウェハを適切に位置決めするために、ウェハは、専用のセンサにより測定可能であるウェハ上の位置合わせマークを含む。位置合わせマークの測定された位置は装置内のウェハの位置を規定する。この情報は、ウェハ表面の所望のパターン形成の指定とともに、空間的にパターン形成された放射光を基準としてウェハの位置合わせを誘導する。そのような情報に基づき、フォトレジストが塗布されたウェハを支持している移動可能なステージは、放射光がウェハの正しい位置を露光するようにウェハを移動する。
露光中、放射光源はパターン形成されたレチクルを照光し、レチクルは空間的にパターン形成された放射光を生成するために放射光を散乱する。レチクルは「マスク」とも呼ばれ、これらの用語は、以下、相互に交換可能に使用される。縮小リソグラフィの場合、縮小レンズは散乱された放射光を収集し、レチクルのパターンの縮小された画像を形成する。別法として、近接印刷の場合、散乱された放射光は、レチクルのパターンの1:1画像を生成するためにウェハに接触する前に、短い距離(典型的に、ミクロンのオーダ)を伝播する。放射光は、放射光のパターンをレジスト内の潜像に変換するレジストにおける光化学工程を開始させる。
上述の干渉分光システムは、ウェハおよびレチクルの位置を制御し、レチクルの画像をウェハ上に登録する位置決め機構の重要な構成部分である。
一般にリソグラフィ・システムは「露光システム」とも呼ばれ、照射システムおよびウェハ位置決めシステムを典型的に含む。照射システムは、紫外線、可視光、X線、電子線、または、イオン放射などの放射光を供給するための放射光源、および、パターンを放射光に伝達するためのレチクルまたはマスクを含み、これらにより、空間的にパターン形成された放射光を発生する。加えて、縮小リソグラフィの場合、照射システムは、空間的にパターン形成された放射光をウェハ上に結像するためのレンズアセンブリを含み得る。結像された放射光はウェハ上に塗布されたレジストを露光する。照射システムは、マスクを支持するためのマスク・ステージ、および、マスクを介して向けて送られた放射光を基準としてマスク・ステージの位置を調整するための位置決めシステムも含む。ウェハ位置決めシステムは、ウェハを支持するためのウェハ工程、および、結像された放射光を基準としてウェハ工程の位置を調整するための位置決めシステムを含む。集積回路の製造は複数の露光工程を含み得る。リソグラフィに関する全般的な参照のために、例えば、内容を本願明細書に援用する「Microlithography: Science and Technology」(マーセル デッカー社(Marcel Dekker,Inc.)、ニューヨーク、1998)におけるジェイ アール シーツおよびビー ダブリュー スミス(J.R.Sheats and B.W.Smith)を参照されたい。
上述の干渉分光システムは、レンズアセンブリ、放射光源、または、支持構造体などの露光システムの他の構成部分を基準としてウェハ工程およびマスク・ステージの各々の位置を精密に測定するために使用可能である。このような場合、干渉分光システムは静止構造体に装着可能であり、測定物体はマスクとウェハの各ステージの1つなどの可動要素に装着可能である。別法として、状況は逆になり、干渉分光システムが可動物体に装着され、測定物体は静止物体に装着されている。
より一般的には、干渉分光システムは、露光システムのいずれか1つの構成部分を基準として露光システムのいずれかの他の構成部分の位置を測定するために使用可能であり、これにおいて、干渉分光システムは構成部分の1つに装着されているか、または、それに支持されており、測定物体は構成部分の他の別の1つに装着されているか、または、それに支持されている。
干渉分光システム1426を使用するリソグラフィ用スキャナ1400の例を図14aに示す。干渉分光システムは露光システム内のウェハの位置を精密に測定するために使用
されている。ここで、ステージ1422は露光ステーションを基準としてウェハを位置決めするために使用されている。スキャナ1400は、他の支持構造体、および、それらの構造体上で搬送される様々な構成部分を搬送するフレーム1402を含む。露光基礎部1404は、その頂部にレンズ筐体1406を搭載し、レンズ筐体1406の頂部にはレチクルまたはマスクを支持するために使用されるレチクルまたはマスク・ステージ1416が搭載されている。露光ステーションを基準としてマスクを位置決めするための位置決めシステムの概略が要素1417により示されている。位置決めシステム1417は、例えば圧電トランスデューサ要素および対応する制御電子回路を含み得る。この説明されている実施形態には含まれていないが、上述の干渉分光システムの1つまたは複数も、マスク・ステージ、ならびに、リソグラフィ構造体を製造するための工程において位置が正確に監視されなければならない他の可動要素の位置を精密に測定するために使用可能である(前出のシーツおよびスミス(Sheats and Smith)、「Microlithography: Science and Technology」を参照されたい)。
露光基礎部1404の下に懸垂されているのは、ウェハ工程1422を搬送する支持基礎部1413である。ステージ1422は、干渉分光システム1426によりステージに向けて送られた測定ビーム1454を反射するための平面ミラー1428を含む。干渉分光システム1426を基準としてステージ1422を位置決めするための位置決めシステムは要素1419により概略が示されている。位置決めシステム1419は、例えば圧電トランスデューサ要素および対応する制御電子回路を含み得る。測定ビームは、露光基礎部1404上に搭載されている干渉分光システムに反射し戻る。干渉分光システムは既に説明した実施形態のいずれかとし得る。
動作中、放射光ビーム1410、例えば(図示しない)紫外線レーザからの紫外線(UV)ビームはビーム整形光学系アセンブリ1412を通過し、ミラー1414から反射した後、下方に進行する。その後、放射光ビームはマスク・ステージ1416により搬送された(図示しない)マスクを通過する。(図示しない)マスクは、レンズ筐体1406内に搬送されたレンズアセンブリ1408を介してウェハ工程1422上の(図示しない)ウェハ上に結像される。基礎部1404および基礎部1404により支持されている様々な構成部分は、スプリング1420により示されている減衰システムにより環境による振動から隔離されている。
リソグラフィ用スキャナの他の実施形態において、既に説明した干渉分光システムの1つまたは複数は、例えばウェハおよびレチクル(または、マスク)の各ステージに限定されないが、これらに関した複数の軸および角度に沿った距離を測定するために使用可能である。同様に、紫外線レーザ・ビームよりも、むしろ、例えば、x線ビーム、電子ビーム、イオン・ビーム、および、可視光ビームなどを含む他のビームが、ウェハを露光するために使用可能である。
加えて、リソグラフィ用スキャナはカラム参照を含み、カラム参照においては、干渉分光システムの内部の参照経路よりも、むしろ放射光ビームを向けて送るレンズ筐体1406または何らかの他の構造体に、干渉分光システム1426が参照ビームを向けて送る。ステージ1422から反射された測定ビーム1454とレンズ筐体1406から反射された参照ビームを結合する時に干渉分光システム1426により生成される干渉信号は、放射光ビームを基準としたステージの位置の変化を示す。さらに、他の実施形態において、干渉分光システム1426は、スキャナ・システムのレチクル(または、マスク)1416または他の可動構成部分の位置の変化を測定するように位置決め可能である。同様に、他の実施形態において、干渉分光システム1426および平面ミラー1428の位置は、可動ステージ上の干渉分光システムおよび構造体を支持するために固定された平面ミラー
を使用して逆転可能である。最後に、干渉分光システムは、スキャナに加えて、または、スキャナよりもむしろ、ステッパを含むリソグラフィ・システムとともに同様の方法で使用可能である。
当技術分野でよく知られているように、リソグラフィは半導体デバイスを作成するための製造方法の重要な部分である。例えば、米国特許第5,483,343号明細書はそのような製造方法に対する諸工程を概説している。これらの工程は図14bおよび14cを参照して以下に説明する。図14bは、例えば半導体チップ(例えば、ICまたはLSI)、液晶パネル、または、CCDなどの半導体デバイスを製造するシーケンスのフローチャートである。工程1451は半導体デバイスの回路を設計するための設計工程である。ステップ1452は回路パターン設計に基づいたマスクを製造するための工程である。工程1453はシリコンなどの材料の使用によりウェハを製造するための工程である。
工程1454は、そのように準備されたマスクおよびウェハの使用により、リソグラフィを介してウェハ上に回路が形成される前工程と呼ばれるウェハ工程である。ステップ1455は、工程1454により処理されたウェハが半導体チップに形成される後工程と呼ばれる組立工程である。この工程は組立(ダイシングおよびボンディング)およびパッケージング(チップ封入)を含む。工程1456は、工程1455により作成された半導体デバイスの動作性チェック、耐久性チェックなどが行なわれる検査工程である。これらの諸工程を使用して、半導体デバイスは完成され、出荷される(工程1457)。
図14cはウェハ工程の詳細を示すフローチャートである。工程1461はウェハの表面を酸化させるための酸化工程である。工程1462はウェハの表面上に絶縁薄膜を形成するためのCVD工程である。工程1463は蒸着によりウェハ上に電極を形成するための電極形成工程である。工程1464はウェハにイオンを注入するためのイオン注入工程である。工程1465はウェハにレジスト(感光性材料)を塗布するためのレジスト工程である。工程1466は上述の露光装置を介してウェハ上にマスクの回路パターンを、露光により、印刷するための露光工程である。工程1467は露光されたウェハを現像するための現像工程である。工程1468は現像されたレジスト画像以外の部分を除去するためのエッチング工程である。工程1469はエッチング工程を受けた後にウェハ上に残っているレジスト材料を剥離するためのレジスト剥離工程である。これらの工程を反復することにより、回路パターンが形成され、かつ、ウェハ上に重ね合わされていく。
上述の干渉分光システムは物体の相対位置が精密に測定されるべき他の応用例においても使用可能である。例えば、基板またはビームが移動する際にレーザ、X線、イオン、または、電子ビームなどの書込みビームが基板上にパターンを記す応用例において、干渉分光システムは基板と書込みビームの間の相対移動を測定するために使用可能である。
例として、図16にビーム書込みシステム1600の概略を示す。光源1610は書込みビーム1612を発生し、ビーム合焦アセンブリ1614は可動ステージ1618により支持されている基板1616に放射光ビームを向けて送る。ステージの相対位置を決定するために、干渉分光システム1620は参照ビーム1622をビーム合焦アセンブリ1614上に搭載されているミラー1624に、および、測定ビーム1626をステージ1618上に搭載されているミラー1628に向けて送る。干渉分光システム1620は既に説明した干渉分光システムのいずれかとし得る。干渉分光システムにより測定された位置の変化は、基板1616上の書込みビーム1612の相対位置の変化に対応する。干渉分光システム1620は、基板1616上の書込みビーム1612の相対位置を示す測定信号1632を制御器1630に送る。制御器1630はステージ1618を支持し、かつ位置決めする基礎部1636に出力信号1634を送る。加えて、制御器1630は、基板の選択された部分のみにおいて光物理的または光化学的な変化を引き起こすために十
分な強度で書込みビームが基板に接触するように、書込みビーム1612の強度を変化させ、または、これを遮断するための信号1638を光源1610に送る。さらに、いくつかの実施形態において、制御器1630は、ビーム合焦アセンブリ1614に、例えば信号1644を使用して、基板の領域にわたり書込みビームを走査させ得る。その結果、制御器1630は基板にパターン形成するようにシステムの他の構成部分に指令する。パターン形成は典型的に制御器に保存された電子的設計パターンに基づく。いくつかの応用例において、書込みビームは基板上に塗布されたレジストをパターン形成し、他の応用例においては、書込みビームが基板を直接的にパターン形成、例えば、エッチングを行う。
このようなシステムの重要な応用例は、既に説明したリソグラフィの方法において使用されているマスクおよびレチクルの製造である。例えば、リソグラフィ用マスクを製造するために、電子ビームはクロムがコーティングされたガラス基板をパターン形成するために使用可能である。書込みビームが電子ビームである場合、ビーム書込みシステムは電子ビームの経路を真空中に包含する。同様に、書込みビームが例えば電子またはイオンのビームである場合、ビーム合焦アセンブリは、真空中で基板上に荷電粒子を合焦し向けて送るための四極レンズなどの電場発生器を含む。書込みビームが放射光ビーム、例えばX線、紫外線、または、可視光である他の場合、ビーム合焦アセンブリは基板に放射光を合焦し向けて送るための対応する光学系を含む。
本発明が詳細な説明とともに説明された一方、上記の説明は、本発明の範囲を限定するためではなく、説明するためであり、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲により定義されていることは理解されよう。
例えば、上述の実施形態は、参照と測定の経路間の光路長差の変化を決定するためにヘテロダイン検出を使用しているが、干渉分光システムは、参照および測定ビームの周波数が同じであるホモダイン検出も使用可能である。そのような場合、非偏光ビーム・スプリッタは、重なり合った射出参照および測定ビームにより形成された出力ビームを2つの成分に分割し、その1つは4分の1波長板を通過する。その後、2つの成分の各々は1対の混合光信号を生成するために偏光板を通過し、混合光信号は1対の検出器によりそれぞれ測定される。検出器により測定された電子信号は位相が互いに矩であり、よく知られているホモダイン処理技術を使用して光路長差の変化を決定するためにコンピュータにより処理可能である。
さらに、参照ビームが参照物体から反射する他の実施形態において、干渉分光システムは、参照物体の角度配向または位置の変化に応答して参照ビームを再度向けて送る1つまたは複数の追加のビーム操向アセンブリ(および、対応する制御器および検出器)を含み得る。
最後に、他の実施形態において、ビーム操向アセンブリは位置決めシステムにより配向されるミラーとは異なり得る。例えば、ビーム操向アセンブリは以下の要素の1つまたは複数を含み得る。すなわち、光電子または音響光学ビーム・デフレクタ、1対の回転光学くさび(Riselyプリズム)、可変くさび要素、および、光ビームの方向を変更し得るいずれの他の要素。
他の態様、長所、および、改変は冒頭の特許請求項の範囲内である。