JP4400740B2 - 地下連続壁施工用掘削機及び姿勢制御方法 - Google Patents
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Description
(a) SMWは、削孔と混練りとの機能を兼ね備えた削孔混練機構によって施工する。削孔混練機構は、相互に連結された複数本の混練軸(掘削ビットと攪拌翼が設けられた掘削軸)からなり、その軸の先端部分にセメント系懸濁液の吐出口が設けられている。
(b) SMWの造成に際しては、原位置土を削孔混練機構によって削孔すると同時に、その先端部分より吐出するセメント系懸濁液によって混合・攪拌し、均一にソイルセメント化した壁体とする。
(c) SMWの連続性を維持するため、形成する柱列式連続壁は完全ラップ施工とする。
また、SMWは、それ自体が止水壁として利用できる他、種々の芯材を挿入することにより、土留壁あるいは耐土圧構造物として利用することができる。
この特許文献1に示される「掘削軸の位置ズレ修正方法」は、掘削軸先端におけるビット部上部の連結体に設けた傾斜計からの連結体のX−Y方向の姿勢情報に基づいて、連結体から突出する水平掘削軸を進退させて掘削孔の土壁を押圧し、この反力で掘削軸の傾斜角を変化させるものである。
この方法は、水平掘削軸の進退制御信号や駆動油圧を地上からケーブルやパイプラインで送受する必要があり、作業性に問題がある。
この特許文献2に示される「地盤削孔機およびこの地盤削孔機における削孔姿勢制御方法」は、各オーガ軸の連結保持部材の対向側面位置にそれぞれの削孔壁に対して進退自在の姿勢制御用ジャッキを複数組配置し、連結保持部材に設けたジャイロ装置により検出した、削孔方向を基軸とする捩れ角度と、水平面内のX軸・Y軸を基軸とする傾斜角度に基づいて、姿勢制御用ジャッキの進退量を制御することにより、孔曲がりを修正するものである。油圧ジャッキに対する給油方法に関しては、オーガ軸内に形成した作動油供給路を通して供給する方法、連結保持部材内に作動油発生機構から供給する方法が記載されている。
この方法は、各オーガ軸の連結保持部材側面に取り付けた複数の姿勢制御用ジャッキを進退させるための進退制御信号や駆動油圧を地上からケーブルやオーガ軸内作動油供給路により送受する必要があり、作業性に問題がある。
この特許文献3に示される「穿削孔軸線の補正方法およびアースオーガ掘削機」は、オーガ軸先端上部の連結支持装置の中に各オーガ軸の制動装置(ブレーキ片を押し付ける形式)を設け、オーガ軸線の所要補正量に合わせて各制動装置を選択的に作動させて穿削孔軸線の補正を行うものである。
この方法は、オーガ軸のトルクを利用するため、穿削孔軸線の捩じり方向の補正はできるが、X方向またはY方向のベクトル方向補正ができない。また、地上からの信号ケーブルや油圧ホースの接続が必要であり、作業性に問題がある。
この特許文献4に示される「ワイヤー式掘削精度制御装置を備えた地盤改良処理機」は、掘削軸に連結した複数本のワイヤーを油圧シリンダによって個別に引張り、掘削攪拌翼軸の先端位置を修正・制御するものである。特許文献5の発明も同様である。
この方法は、掘削機のリーダとオーガ軸先端とを複数本のワイヤーと油圧シリンダで個別に引張り、操り人形のようにオーガ軸先端を操作しようとする方法であるが、深度が深くなると、吊りワイヤーによるオーガ軸先端の水平方向分力が小さくなり、所要の方向補正力が確保できなくなるので問題である。また、地上部から複数本の吊りワイヤーは削孔時の作業性に問題がある。
この特許文献6に示される「アースオーガ掘削機」は、三連オーガ軸の下部連結装置に、中央のオーガ軸の掘削トルクを正転または逆転させて下部連結装置に伝達する第一・第二クラッチ部材及び太陽・遊星歯車装置を設け、中央オーガ軸を上下操作することで、正転クラッチ(第一クラッチ部材)または逆転クラッチ(第二クラッチ部材・歯車装置)の接続・切断を行い、三連オーガ軸全体の捩れを修正するものである。特許文献7に示される「アースオーガ掘削機」は、三軸のオーガ軸のそれぞれにクラッチ部材を設け、中央オーガ軸を上下操作することで、同様に三連オーガ軸全体の捩れを修正するものである。
特許文献6の発明は、中央オーガ軸と逆方向に下部連結装置を回転させようとする場合、遊星歯車を介した逆転クラッチを接続して中央オーガ軸と逆方向に回転させるとしているが、この方法は原理的に不可能と考えられる。また、特許文献6、7の発明は、いずれも、機構が複雑となるなどの問題がある。
この特許文献8に示される「軸貫入装置及び軸貫入装置による軸貫入方法」は、外部から動力(油圧)を供給して、最下段の中間軸受けに装備した油圧駆動押付けブレードを駆動し、削孔の土壁を押圧し、この反力で掘削軸の貫入方向を修正するものである。
この方法は、油圧駆動押付けブレードを駆動するための油圧を地上からの油圧ホースで送受する必要があり、作業性に問題がある。
この特許文献9に示される「軸貫入装置の貫入方向修正装置」は、外部の特別な動力を用いずに、一対の貫入軸のベルト等で被駆動軸に伝達し、両貫入軸の回転速度差に対応する速度で被駆動軸及び押付けブレードを前後方向に移動させる駆動伝達機構により削孔の土壁を押圧し、この反力で掘削軸の貫入方向を修正するものである。
この方法では、柱列壁の短辺方向の補正は可能であるが、長辺方向(柱列方向)や捩れの補正ができないのが問題である。
この特許文献10に示される「軸貫入装置の貫入方向修正装置」は、掘削軸先端部に、カッタとそのカッタ駆動装置とを設けており、カッタ先端部の掘削動力と、途中攪拌部の攪拌動力とを分離することができ、また各カッタ掘削軸は個々に任意の方向に回転させることができる。そのため、掘削回転反力を作用させることにより、三連オーガの捩れを修正することができる。特許文献11の発明は、掘削軸の下部を一体的に屈曲させて掘削方向を修正するようにしたものである。
特許文献10の発明は、オーガ軸先端近くに駆動用動力を配置しているので、掘削軸下部に重心があり、鉛直方向の掘削安定性が高い反面、地上部から電源ケーブルを繋いでおく必要性があり、漏電による感電の危険性や錐継ぎ作業時と削孔作業時の作業性に問題がある。
この特許文献13、14の発明では、傾斜計で計測した掘削軸の傾斜信号をロッド連結部において非接触で伝送する非接触・信号伝送器が開示されている。
この方法は、オーガ軸内部では通常の有線で信号を伝送し、掘削軸のロッド連結部では周知の非接触式信号伝送方式を採用する方法において、一対の非接触・信号伝送器間の接近距離を無理なく一定に保つバネ式治具を提案しており、現実的で有効な手段である。この方法は、掘削軸の傾斜信号を地上部に送信するため以外に、地上部から掘削方向制御信号を掘削軸先端部の掘削軸連結装置内の掘削方向制御装置へ送信する場合にも使用できる。但し、非接触方式では、掘削軸先端の傾斜計や方向制御用電磁弁類が必要とする電力の送電は難しい。
(1-1) 位置計測のための傾斜計、あるいは鉛直方向制御のためのジャッキの変位計及び油圧機器制御用機器等に必要な電力は、地上部から電源ケーブルで供給する必要があり、掘削深度延長時の単位ロッド接続作業時に電源ケーブルの接続・延長作業が必要となり、作業性が悪く、大きなロスタイムの原因になっている。また、掘削時に電源ケーブルが掘削軸に巻き込まれて断線するような事故も懸念される。
(1-2) 掘削軸の姿勢制御を行わず、傾斜測定のみであれば、バッテリーでセンサーに電力を供給する方法もあるが、バッテリーを取り外して定期的に充電する人手作業が必要になる。また、バッテリーの過放電や充電不足による電源トラブルが起きる。
(2-1) 掘削軸の捩れ修正や変位修正を行うための油圧は、地上部から油圧ホースで供給する必要があり、掘削深度延長時の単位ロッド接続作業に伴う油圧ホースの接続・延長作業が必要となり、作業性が悪く、大きなロスタイムの原因になっている。また、掘削時に油圧ホースが掘削軸に巻き込まれて破損するような事故も懸念される。
(2-2) 地上部から長い距離を油圧ホースで圧送することにより、作動油圧の圧損による低下、背圧上昇による油圧機器の動作不良、油圧応答の時間遅れ等による動作トラブル等が起きる。
通常、掘削軸の鉛直精度を把握するための傾斜計は掘削軸先端部に装備しており、計測時には掘削軸の回転を止めて連続壁の座標と掘削軸の座標とを一致させて計測する必要があるため、掘削しながら傾斜測定することができず、ロスタイムの原因になっている。
掘削方向の制御には複数の電磁弁を制御する必要があり、地上部からの制御信号線は断線時の予備を含めた多芯複合ケーブルを使用するが、ケーブル自体が重いため、信号ケーブルの接続不良や断線等の通信線トラブルが頻発する。
軸の捩れ方向制御は、掘削軸を回転させながら捩れ角を修正し、実際の捩れ角の修正量の確認が必要である。即ち、掘削軸の傾斜測定→捩れ角計算→捩れ角修正→傾斜測定による捩れ角修正量の確認を繰り返す必要がある。従って、傾斜計側時に掘削を止めなければならない従来の方法では、ロスタイムが多すぎて施工上問題である。また、掘削時の回転偶力を利用して捩れ修正する方法は、掘削軸回転時にしか捩れ修正ができないため、回転停止時に傾斜計側し、回転時に捩れ修正を行い、再度回転停止して傾斜計側を繰り返す必要があり、作業効率が悪い。
掘削軸の変位修正のため、押し出し信号を送って土壁押圧用スキッドを押し出すが、実際に動いたスキッドの押し出し量が把握できない。
(1) 電源の供給
(1-1) 傾斜計、ジャッキの変位計、油圧機器制御用電磁弁等に必要な電力を掘削軸先端の連結支持装置内で発電・給電・蓄電でき、内部供給できるため、地上部から電源ケーブルで電力供給する必要がなく、掘削深度延長時の単位ロッド接続作業時に電源ケーブルの接続・延長作業が不要となり、ロスタイムが無くなり、作業性が極めて向上する。また、掘削時に電源ケーブルが掘削軸に巻き込まれて断線するような事故も無くなる。
(1-2) バッテリーに常時適正充電されるため、バッテリーを取り外して定期的に充電する人手作業が不要になり、作業性の向上・省力化が図られる。また、バッテリーの過放電や充電不足による電源トラブルも解消される。
(2-1) 掘削軸の捩れ修正あるいは変位修正を行う姿勢制御装置の油圧アクチュエータの油圧を掘削軸先端の連結支持装置内で発生させて内部供給できるため、掘削軸の捩れ修正や変位修正を行うための油圧は、地上部から油圧ホースで供給する必要が無くなり、掘削深度延長時の単位ロッド接続作業に伴う油圧ホースの接続・延長作業が不要となり、ロスタイムが無くなり、作業性が極めて向上する。また、掘削時に油圧ホースが掘削軸に巻き込まれて破損するような事故も無くなる。
(2-2) 地上部から長い距離を油圧ホースで圧送する必要が無いため、作動油圧の圧損による低下、背圧上昇による油圧機器の動作不良、油圧応答の時間遅れ等による制御トラブル等が解消される。
傾斜計を内蔵した傾斜角検出装置が連結支持装置内で掘削軸の外側に設置され、掘削軸と共に回転せず、掘削軸の鉛直方向と平行に保持されるため、掘削軸が回転中でも掘削軸の傾斜角を正確に測定することができる。このため、掘削中でも常時傾斜測定ができ、掘削軸の姿勢把握が可能なため、掘削軸の鉛直精度測定→掘削軸の姿勢制御→鉛直精度測定による姿勢制御修正量の把握→掘削軸の姿勢制御と、掘削しながら絶え間なく掘削軸の姿勢把握と姿勢修正をリアルタイムで行うことができ、常に正確な鉛直方向掘削が可能となる。また、計測のために掘削軸の回転を止める必要が無いため、ロスタイムが無くなる。
掘削軸内に設置される信号伝送ケーブルと単位ロッド接続部の非接触式の信号伝送手段を用いて計測信号・制御信号を伝送することにより、またデータ多重伝送方式でを採用して複数の制御信号を伝送することにより、従来のような掘削軸外への信号ケーブル設置や多芯複合ケーブル使用による信号ケーブルの接続不良や断線等の通信線トラブルが激減し、計測・制御の信頼性が高まる。
捩れ方向の姿勢制御装置は、掘削軸の正逆の回転力による偶力を掘削軸全体すなわち連結支持装置の捩れ修正に利用するディスクブレーキ(クラッチ)によるトルクコントロール方式のため、削孔しながら捩れ修正を行うことができ、ロスタイムが無く、作業性がよく、高精度の鉛直方向精度維持が可能となる。また、軟弱地質で土壁押圧板が土壁から反力を得られない場合でも、捩れ方向の修正が可能となる。また、ディスクロータとブレーキ装置からなる比較的簡易な構造の姿勢制御装置により、捩れ方向の修正を行うことができる。
押圧板スキッドと油圧ジャッキと平行リンク機構からなる比較的簡易な姿勢制御装置により削孔中に変位制御が可能であり、ロスタイムがなく、作業性がよく、高精度の鉛直方向精度維持が可能となる。また、変位出力型油圧ジャッキを用いてフィードバック制御することにより、押圧板の押し出し量を正確に把握でき、掘削軸の正確な変位制御が可能となる。
図1は、3軸式SMW掘削機の一例を示したものであり、図1(a)〜(c)は削孔前の状態の3面図、図1(d)は所定長の単位ロッドを接続(錐継ぎ) した状態の図である。3軸式SMW掘削機1の地中部は、3本の掘削軸2から構成され、各掘削軸2は、掘削ビット3を有するオーガーヘッド4が先端部に設けられたオーガーロッド5と、攪拌羽根6を有する複数本の攪拌用ロッド7と、複数本の中継用ロッド8から構成され、これらロッドを順次継ぎ足しながら削孔が行われる。セメントミルク等のセメント系懸濁液は掘削軸2内を通り、先端部分から吐出される。
図2は、連結支持装置20内の主要な機器構成の一例を示したものである。連結支持装置20は、掘削軸2を覆う円筒体を3つ数珠繋ぎしたような形状の鋼製の箱体であり、上板21と底板22と側板23から構成され、掘削土等が侵入しないように密閉されている。また、上板21と底板22は、3つの削孔を隙間をおいて通過可能な平面形状・大きさとされ、3本の掘削軸2をそれぞれ上板と底板に設けた軸受を介して回転自在に支持している。
図4は、発電・充電装置30による発電・充電システムの一例を示したものである。この発電・充電装置30は、発電・充電機(オルターネータ)31と、バッテリー32と、中央の掘削軸2−2に設けられた動力取出し歯車33と、これに噛合する従動歯車34などから構成され、中央の掘削軸2−2の動力で発電・充電機31を回し、バッテリー32に常時適正充電するものである。充電はフローティング充電方式が好ましい。充電された電力は、後述する図3に示すように、後述する、傾斜角検出装置50、電磁弁制御装置44、変位出力型油圧ジャッキ73の変位計などに供給される。
図5は、油圧発生装置40による油圧ポンプシステムの一例を示したものである。この油圧発生装置40は、油圧ポンプ41と、油圧制御機器42、動力取出し歯車33に噛合する従動歯車43などから構成され、中央の掘削軸2−2の動力で油圧ポンプ41を駆動する。油圧制御機器42は、図3に示すように、電磁弁制御装置44、電磁弁45、比例電磁式圧力制御弁46、46、その他、作動油タンク、蓄圧器、フィルターなどであり、ポンプ41で発生した油圧は、電磁弁45を介して後述する押圧板式姿勢制御装置70の変位出力型油圧ジャッキ73に供給され、また比例電磁弁圧力制御弁46(正転ディスク用)、46(逆転ディスク用)を介してディスクブレーキ式姿勢制御装置60に供給され、後述するように掘削軸の捩れ誤差や変位誤差を修正する。
図6は、傾斜角検出装置50による傾斜角検出システムの一例を示したものである。図7は、掘削軸の傾斜角αと掘削軸連結部の捩れ角θの関係を示したものである。図6に示すように、傾斜角検出装置50は、掘削軸2に沿って平行に支持し、回転する掘削軸2に対して定置した状態で傾斜角αを検出できるようにしたものであり、掘削軸2に沿う筒状の傾斜角検出体51と、この傾斜角検出体51に上下に間隔をおいて取付けられ、傾斜角検出体51を掘削軸2と平行に保持する傾斜計ガイド52と、連結支持装置20の側板23に取付けられ、傾斜角検出体51を支持する支持装置53などから構成される。
dX=L・cosθ・sin(0.5・(α1x+α3x))・cos(0.5・(α1x−α3x))
−L・sinθ・sin(0.5・(α1y+α3y))・cos(0.5・(α1y−α3y))
…(2)
dY=L・sinθ・sin(0.5・(α1x+α3x))・cos(0.5・(α1x−α3x))
+L・cosθ・sin(0.5・(α1y+α3y))・cos(0.5・(α1y−α3y))
…(3)
θ:掘削軸の捩れ角(平面角度)
dX:掘削軸のX方向変位誤差
dY:掘削軸のY方向変位誤差
α1x:第1掘削軸のx方向傾斜角
α3x:第3掘削軸のx方向傾斜角
α1y:第1掘削軸のy方向傾斜角
α3y:第3掘削軸のy方向傾斜角
L:掘削軸の長さ
D:削孔間距離
掘削軸の誤差修正は、上記の捩れ角θをディスクブレーキ式姿勢制御装置60で修正し、次に上記の変位誤差dX及びdYを押圧板式姿勢制御装置70で修正することにより、実現できる。
図8は、ディスクブレーキ式姿勢制御装置60による捩れ方向制御用ディスクロータシステムの一例を示したものである。ディスクブレーキ式姿勢制御装置60は、掘削軸2に取付けられて掘削軸2と共に回転するディスクロータ61と、連結支持装置20の底板22の上に設置されてディスクロータ61、61の回転偶力を連結支持装置20に伝達するブレーキ(クラッチ)装置62などから構成されている。この装置60と、図3に示す、電磁弁制御装置44と、比例電磁式圧力制御弁46と、その他の油圧機器とにより、システムが構成される。
図9は、押圧板式姿勢制御装置70による土壁押圧スキッドシステムの一例を示したものである。図10は、土壁押圧用スキッドの駆動機構の一例を示したものである。図9、図10に示すように、押圧板式姿勢制御装置70は、連結支持装置20の側板23の外側に配置される押圧板としての土壁押圧用スキッド71と、このスキッド71を削孔の土壁に対して進退させる駆動装置72などから構成されている。この装置70と、図3に示す、電磁弁制御装置44と、電磁弁45と、その他の油圧機器とにより、システムが構成される。
図3は、本発明の機器構成と計測・制御系をブロック図で示したものである。この図3において、前述の傾斜角検出装置50の傾斜計は、3本の掘削軸のうちの両端の掘削軸先端部でX・Y方向の2方向の傾斜角αを測定しており、掘削軸内の信号伝送ケーブル80と、ロッド接続部(錐継ぎ部)の非接触式信号伝送手段81とにより、傾斜角データが地上部の計測・方向制御コンピュータ82の掘削方向計測部82aに伝送される。また、掘削軸の累計深度は、地上部のガイドリーダマストに設けた掘削深度検出器13で取得され、傾斜角データと共に掘削方向計測部82aに入力される。
2……掘削軸
3……掘削ビット
4……オーガーヘッド
5……オーガーロッド
6……攪拌羽根
7……攪拌用ロッド
8……中継用ロッド
10……ベースマシン(掘削機本体)
11……ガイドリーダマスト
12……回転駆動装置
13……掘削深度検出器
14……深度検出用ワイヤ
20……連結支持装置
21……上板
22……底板
23……側板
30……発電・充電装置
31……発電・充電機(オルターネータ)
32……バッテリー
33……動力取出し歯車
34……従動歯車
40……油圧発生装置
41……油圧ポンプ
42……油圧制御機器
43……従動歯車
44……電磁弁制御装置
45……電磁弁
46……比例電磁式圧力制御弁
50……傾斜角検出装置
51……傾斜角検出体
52……傾斜計ガイド
53……支持装置
60……ディスクブレーキ(クラッチ)式姿勢制御装置
61……ディスクロータ
62……ブレーキ(クラッチ)装置
70……押圧板式姿勢制御装置
71……土壁押圧用スキッド(押圧板)
72……駆動装置
73……変位出力型油圧ジャッキ
74……平行リンク
75……取付板
80……信号伝送ケーブル
81……非接触式信号伝送手段
82……計測・方向制御コンピュータ
Claims (9)
- 地上の掘削機本体に鉛直に支持された並列配置の複数本の掘削軸を回転駆動させつつ地中に掘進させて削孔を行う地下連続壁施工用掘削機において、
複数本の掘削軸の下部において各掘削軸を回転自在に連結支持する連結支持装置と、この連結支持装置に設けられて複数本の掘削軸の削孔姿勢を修正する姿勢制御装置とを備え、前記連結支持装置内には、掘削軸の回転動力により駆動されて発電し、充電された電力を前記姿勢制御装置の電気関係機器に供給する発電・充電装置と、掘削軸の回転動力により駆動されて油圧を発生させ、油圧を前記姿勢制御装置の油圧関係機器に供給する油圧発生装置とが設けられていることを特徴とする地下連続壁施工用掘削機。 - 地上の掘削機本体に鉛直に支持された並列配置の複数本の掘削軸を回転駆動させつつ地中に掘進させて削孔を行う地下連続壁施工用掘削機において、
複数本の掘削軸の下部において各掘削軸を回転自在に連結支持する連結支持装置と、この連結支持装置に設けられて複数本の掘削軸の削孔姿勢を修正する姿勢制御装置とを備え、前記連結支持装置内には、掘削軸の外周面に摺動自在に当接するガイドを介して掘削軸と平行に配置され、回転する掘削軸に対して共回りしないように、かつ、前記ガイドを掘削軸に押圧できるように支持され、掘削軸の傾斜角を検出する傾斜角検出装置が設けられていることを特徴とする地下連続壁施工用掘削機。 - 地上の掘削機本体に鉛直に支持された並列配置の複数本の掘削軸を回転駆動させつつ地中に掘進させて削孔を行う地下連続壁施工用掘削機において、
複数本の掘削軸の下部において各掘削軸を回転自在に連結支持する連結支持装置と、この連結支持装置に設けられて複数本の掘削軸の削孔姿勢を修正する姿勢制御装置とを備え、前記連結支持装置内には、掘削軸の回転動力により駆動されて発電し、充電された電力を前記姿勢制御装置の電気関係機器に供給する発電・充電装置と、掘削軸の回転動力により駆動されて油圧を発生させ、油圧を前記姿勢制御装置の油圧関係機器に供給する油圧発生装置と、掘削軸の外周面に摺動自在に当接するガイドを介して掘削軸と平行に配置され、回転する掘削軸に対して共回りしないように、かつ、前記ガイドを掘削軸に押圧できるように支持され、掘削軸の傾斜角を検出する傾斜角検出装置とが設けられていることを特徴とする地下連続壁施工用掘削機。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の地下連続壁施工用掘削機において、姿勢制御装置は、掘削軸と一体的に回転するディスクロータと、このディスクロータに押圧されてディスクロータの回転動力を連結支持装置に伝達するブレーキ装置とから構成される制動装置であることを特徴とする地下連続壁施工用掘削機。
- 請求項1から請求項4までのいずれか1つに記載の地下連続壁施工用掘削機において、姿勢制御装置は、削孔の土壁と連結支持装置との間に配置されて削孔の土壁に押圧される押圧板と、この押圧板を削孔の土壁に対して進退させる駆動装置とから構成される土壁押圧装置であることを特徴とする地下連続壁施工用掘削機。
- 請求項1から請求項5までのいずれか1つに記載の地下連続壁施工用掘削機において、掘削軸内に信号伝送ケーブルが設けられ、掘削軸の接続部には非接触式の信号伝送手段が設けられていることを特徴とする地下連続壁施工用掘削機。
- 地上の掘削機本体に鉛直に支持された並列配置の複数本の掘削軸を回転駆動させつつ地中に掘進させて削孔を行う地下連続壁施工用掘削機において、複数本の掘削軸の削孔姿勢を修正する姿勢制御方法であり、
複数本の掘削軸の下部において各掘削軸を回転自在に連結支持する連結支持装置に、掘削軸の回転動力により駆動される発電・充電装置と、掘削軸の回転動力により駆動される油圧発生装置と、掘削軸と平行に配置されて掘削軸の傾斜角を検出する傾斜角検出装置と、掘削軸と共に回転するディスクロータと前記電力および油圧で作動するディスクロータのブレーキ装置からなる制動装置と、削孔の土壁に押圧される押圧板と前記電力および油圧で作動して押圧板を進退させる駆動装置からなる土壁押圧装置を設け、
前記傾斜角検出装置により両端の掘削軸のそれぞれの傾斜角αを検出し、この傾斜角αから連結支持装置の水平面内における捩れ角θと水平方向の変位誤差dX及びdYを求め、
前記捩れ角θに基づいて、掘削軸と共に正方向または逆方向に回転するディスクロータを選択すると共に、選択したディスクロータの回転動力をブレーキ装置により連結支持装置に伝達し、連結支持装置を共回りさせて連結支持装置の捩れを修正し、
前記変位誤差dX及びdYに基づいて、土壁押圧装置の押圧板を駆動装置により進退移動させて、連結支持装置のX方向及びY方向の変位を修正することを特徴とする地下連続壁施工用掘削機の姿勢制御方法。 - 請求項7に記載の姿勢制御方法において、掘削軸内の信号伝送ケーブルと、掘削軸の接続部の非接触式の信号伝送手段を用い、制動装置のブレーキ装置と土壁押圧装置の駆動装置への制御信号をデータ多重伝送方式で送信することを特徴とする地下連続壁施工用掘削機の姿勢制御方法。
- 請求項7または請求項8に記載の姿勢制御方法において、土壁押圧装置の駆動装置に変位出力型の油圧ジャッキを用い、ジャッキの伸縮制御量とジャッキの実際の伸縮変位量とを比較し、油圧ジャッキをフィードバック制御により伸縮制御することを特徴とする地下連続壁施工用掘削機の姿勢制御方法。
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