JP4400271B2 - 劣化防止剤 - Google Patents

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本発明は、劣化防止剤に関するものであり、詳しくは、食品、化粧品を含む製品自体の日持ち向上剤としても有効な劣化防止剤に関するものである。
物質が劣化していく過程における品質の変化とそれに係わる物質成分間の反応は非常に多岐にわたり、しかも、それらの多くが同時に、また連鎖的に起こってしまう。最近の研究において、殆どの劣化過程において、酸化や光劣化が関わってきていることは自明である。酸化や光劣化は、空気中、水中、空気/水界面、水/油界面、空気/油界面で起こることも、知られている。また、酸化劣化を増強させる因子として、酵素、金属、増感剤などが知られており、これらの組み合わせにおいて、酸化劣化が起こる。一方、光劣化は、物質が紫外光、可視光或いは近赤外光を吸収することにより起こる。
飲食品や香粧品は、製造工程中または保存中において、それに配合されている香料、色素、その他の素材が、通常、酸化されて劣化するので、その劣化防止が飲食品、香粧品の品質を保持する上で重要である。そのため、例えば、天然酸化防止剤、合成酸化防止剤、それらを適当に配合した酸化防止剤製剤など(以下、これらを酸化防止剤と総称する)が、食品や香粧品に使用されている。例えば、ロスマリン酸による酸化防止剤、カルノジック酸による劣化防止剤、ローズマリー等のハーブ系の酸化防止剤、ビタミンC、ビタミンE含有の酸化防止剤が一般的に知られている。しかしながら、これらの酸化防止剤は、酸化防止能の外的環境に対する安定性の面で満足出来るものではなかった。
特に、添加量が少量でも使用でき、加熱によっても劣化しない酸化防止剤は、食品や香粧品分野において強く望まれているものの、未だ十分に満足できるものではなかった。
また、光劣化は光反応により酸化劣化を起こす場合もあるが、酸化劣化とそのメカニズム等が異なる場合も多く、酸化防止剤であっても、光劣化防止剤としては十分な効果を奏さず、また、酸化防止剤自体が光劣化を起こすこともあり、光劣化防止剤として十分に満足できるものはなかった。
一方、酸化防止剤を用いずに包装形態にて、酸化防止を図ろうとする試みも活発である。例えば、生の食品材料を真空包装し、その袋ごと低温で加熱調理した真空調理食品は、香気香味の逸散がなく且つまた酸化されることも殆どなく、食品素材の持味を長期間にわたり保存できるという点で注目されている。しかしながら、この方法では、材料の適用範囲に限界があり、また、細菌の残存の問題など未解決の問題が多くあり、未だ汎用されるに至っていない。
また、香粧品の分野において、使用される香料その他の素材の劣化を防止するため、従来、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等が使用されているが、これらは合成化学物質であるため敬遠される傾向にある。
一方、色素は、飲食品、香粧品などの着色に使用され、特に飲食品においては、天然物由来の色素の使用が望まれているが、天然色素は変色し易い。色素の褪色または褐変などの変色防止に関しては、これまでに幾つかの提案がなされており、例えば、クロロゲン酸、カフェー酸などがもつ抗酸化性を利用したアントシアニン系色素の褪色防止剤(例えば特許文献1参照)、アントシアニン系色素含有飲食物(例えば特許文献2参照)及びパプリカ色素の褪色防止方法(例えば特許文献3参照);カフェー酸、フェルラ酸、クロロゲン酸などによる糖類の褐変防止方法(例えば特許文献4参照)、糖類の褐変防止効果を利用した褐変のないキャンディーの製造法(例えば特許文献5参照)等が提案されている。
また、ぶどう果実の搾汁粕または種子等の植物体から採取されるプロアントシアニジン少量体を有効成分とする酸化防止剤が食品、医薬品、化粧品などの酸化による劣化を防止するに有用であることが提案されている(例えば特許文献6及び7参照)。
しかしながら、従来提案されているクロロゲン酸、カフェー酸、フェルラ酸などの抗酸化性物質は、加熱による食品の変質を抑制する効果は比較的大きいが、光照射による食品の劣化防止効果は必ずしも充分ではない。また、同様の目的で使用されるプロアントシアニジン少量体は、光による食品の劣化を抑制する効果はあるが、加熱による食品変質防止効果は必ずしも十分とは言いがたく、更なる改善方法の開発が求められている。
また、(a)クロロゲン酸、カフェー酸、フェルラ酸及びコーヒー生豆抽出物から選ばれる少なくとも1種の抗酸化性物質と、(b)アミノ酸、メイラード反応物及びペプタイドから選ばれる少なくとも1種の成分からなる酸化防止剤組成物を、例えば、飲食品や香粧品などに添加すると、それぞれの単独の作用によっては達成し得ない飛躍的な相乗効果により、食品中の香料の劣化、香気の変調、色素の退色、異味異臭の発生などによる製品の品質劣化を顕著に抑制する報告がある(例えば特許文献8参照)が、これも従来のものと同様に、十分満足のできるものではない。
特公平1−22872号公報 特開平1−132344号公報 特公昭59−50265号公報 特開昭57−115147号公報 特公昭58−32855号公報 特公平3−7232号公報 特開平3−200781号公報 特開平9−221667号公報
本発明は、前述の問題点を解決することを目的としてなされたものであり、食品、化粧品などの劣化防止性能に優れた劣化防止剤の提供を目的とする。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、マルトトリオースを含有する劣化防止剤が物質の劣化防止に優れた効果を発揮することを見出し、以下の本発明に到達した
マルトトリオース、ロスマリン酸を含有するローズマリー水溶性抽出物、及びカルノソールとカルノジック酸を含有するローズマリー非水溶性抽出物を含有し、マルトトリオース、ロスマリン酸、及びカルノソールとカルノジック酸の合計、の各含有割合が、ロスマリン酸/マルトトリオース/カルノソールとカルノジック酸の合計、の重量比率として、1/200/0.1〜1/10/10であることを特徴とする劣化防止剤。
)上記(1)に記載の劣化防止剤を含有する食品。
)上記(1)に記載の劣化防止剤を含有する化粧品。
)上記(1)に記載の劣化防止剤を含有するグレーズ剤。
)上記(1)に記載の劣化防止剤を含有するプラスティック製品。
本発明の劣化防止剤は、安全性が高く、かつ食品、化粧品などの劣化防止に優れる。
以下、本発明を詳細に説明する。先ず、本発明の劣化防止剤で使用する成分について説明する。
(1)マルトトリオース:
本発明において使用されるマルトトリオースは、重合度が3以下の直鎖オリゴ糖であり、オリゴ糖の中で最も保湿力が高く、甘味度は砂糖の約1/4である。このため、甘味を上げずに、糖度を高められるので、大量に投入しても、安全で、甘味度が低い。さらに、大量に投入することにより、腐敗防止、でんぷんの老化抑制などの機能が発揮できる。容易に入手し得るマルトトリオースとしては、三菱化学フーズ社製の商品「オリゴトース」がある。劣化防止剤中のマルトトリオースの含有量は、通常20〜99重量%、好ましくは20〜80重量%、更に好ましくは20〜60重量%である。
(2)水溶性酸化防止剤:
水溶性酸化防止剤としては、ロスマリン酸、ビタミンC、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸またはそれらの塩(例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩など)、カテキン類、カテキン類含有天然抽出物などが挙げられる。具体的には、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム等のアスコルビン酸類;ガロカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン、エピガロカテキンガレート、エピカテキンガレート等のカテキン類;ルチン、ミリセチン、ミリシトリン等、クロロゲン酸、コーヒー酸、フェルラ酸、没食子酸など、茶抽出物、りんご抽出物、ブドウ種子抽出物、ひまわり種子抽出物、米ぬか抽出物などのカテキン類含有天然物が挙げられるが、好ましくはロスマリン酸である。劣化防止剤中のマルトトリオースと併用する水溶性酸化防止剤の含有量は、通常0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜5重量%、更に好ましくは0.2〜2重量%である。水溶性酸化防止剤/マルトトリオースの重量比率は、通常1/1000〜1/1、好ましくは1/500〜1/5、更に好ましくは1/200〜1/10である。
(3)ロスマリン酸:
ハーブ中に含まれるフェノールカルボン酸の一つであり、特にローズマリーの中に多く含まれている。その構造は、フェノールカルボン酸が2個結合した形である。したがって、構造的、機能的に、フェルラ酸、カフェ酸、クロロゲン酸などのフェノールカルボン酸より、フェノール性水酸基が多いので、酸化防止効力が高い。また、SOD(スーパーオキシドデスムターゼ)様などの酵素阻害活性効果も高い。また、構造中に共役二重結合を有しているため、光劣化防止効力が高い。劣化防止剤中のロスマリン酸の含有量は、通常0.1〜80重量%、好ましくは0.3〜60重量%、更に好ましくは0.5〜50重量%である。ロスマリン酸の含有量が少なすぎると、水/油界面で劣化防止剤の酸化防止能の劣化を生じやすい。また、ロスマリン酸の含有量が多すぎると、光により触媒された金属の影響を受けやすくなる為好ましくない。
使用するロスマリン酸は、安全の観点から、天然からの抽出物が好ましく、ロスマリン酸に糖がついたロスマリン酸配糖体が好ましい。本発明に係るロスマリン酸は、ロスマリン酸配糖体も含む。配糖体の形はどの形でも構わない。この天然物は、ハーブ、特にシソ科植物から抽出されるが、ロスマリン酸が多量に存在するローズマリーからの抽出物が好ましい。
ロスマリン酸の一般的な製法は次の通りである。原料としては、ローズマリーの全草、または、その葉、根、茎、花、果実、種子の何れを使用してもよいが、好ましくは葉を使用する。通常、抽出効率を高めるため、刻んでから使用する。ロスマリン酸は、ローズマリーの水溶性抽出物として得られる。従って、含水エタノールで抽出処理し、当該抽出液に水を添加して非水溶性成分を析出させ、非水溶性成分を分離した溶液を減圧濃縮することにより得られる。含水エタノールとしては含水率40〜60重量%のものが好適に使用される。
(4)カルノソール及びカルノジック酸:
カルノソール及びカルノジック酸は、セージ、タイム、オレガノ等のハーブ系香辛料中に多く含まれている。その構造は、他の抗酸化剤と異なり、イソプレン骨格のアピエタン
の構造を有している。油脂などの酸化防止効果が他の抗酸化剤よりも格段に強い。また、構造中に共役二重結合を有しているおり、さらに、光により生じたラジカルの影響を受けても互変異性の構造を有する為、ラジカル安定化構造をとりやすく、光劣化防止効力が高い。
劣化防止剤中のカルノソール及びカルノジック酸の含有量は、通常0.05〜10重量%、好ましくは0.05〜3重量%、更に好ましくは0.1〜1重量%である。ロスマリン酸/マルトトリオース/カルノソールとカルノジック酸の合計の重量比率として、通常1/1000/0.1〜1/1/10、好ましくは1/500/0.1〜1/5/10、更に好ましくは1/200/0.1〜1/10/10である。
使用するカルノソール及びカルノジック酸は、安全の観点から、天然からの抽出物が好ましい。この天然物は、セージ、タイム、オレガノ等のハーブ系の植物から抽出されるが、多量に存在する、ローズマリーからの抽出物が好ましい。
カルノソール及びカルノジック酸は、ローズマリーの非水溶性抽出物として得られ、その製法の一例は次の通りである。先ず、前述の水溶性抽出物の場合と同様に、含水エタノールで抽出し、当該抽出液に水を添加して非水溶性成分を析出させ、活性炭を加えて撹拌した後、非水溶性成分と活性炭との混合物を分離し、得られた混合物をエタノールで抽出処理し、得られた抽出液からエタノールを留去し、粉末状の濃縮物として、カルノソール及びカルノジック酸を得る。その詳細は、特公昭59−4469号公報の記載を参照することが出来る。
(5)劣化防止剤中のその他の成分:
本発明においては、ポリグリセリンラウリン酸エステル、ポリグリセリンミリスチン酸エステル、ポリグリセリンパルミチン酸エステル、ポリグリセリンステアリン酸エステル、ポリグリセリンオレイン酸エステル等のポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル等を併用してもよい。
上記の本発明の劣化防止剤は、好ましくは酸化防止剤及び/又は光劣化防止剤として用いられ、劣化し易い食品や化粧品等に好ましく使用できる。本発明の劣化防止剤は、上記各成分を混合して製造される。混合順序は特に制限されない。本発明の劣化防止剤の形態は、通常、上記各成分を水またはエタノール−水の混合溶媒に溶解させた溶液である。カルソノール及びカルリジック酸を併用する場合には、通常、エタノール−水の混合溶媒に溶解させる。この溶液は、通常、上記各成分を混合した後、これにエタノールを加え、次いで、水を加えることによって調製する。水とエタノールの混合割合は、通常1:1〜3:1である。本発明の酸化防止剤は、粉末状でもよく、上記の溶液をスプレードライ又は凍結乾燥することによって調製することが出来る。本劣化防止剤の添加量は、製品に対し、通常0.001〜30重量%、好ましくは0.01〜10重量%、更に好ましくは0.05〜5重量%である。
(1)食品:
本発明の食品としては、劣化し易い食品が好ましく使用できる。その具体例としては、飲料、乳飲料、アルコール飲料、米飯、豆類(米、麦、大麦、とうもろこし、あわ、ひえ)、パン、その他の小麦粉製品、麺、カレー、シチューのルウ、レトルト製品、アイスクリーム等の乳製品などの食品、ペットフードなどがある。本発明の劣化防止剤の使用割合は、食品に対し、通常0.001〜30重量%、好ましくは0.01〜10重量%、更に好ましくは0.05〜5重量%である。
(2)化粧品:
本発明の化粧品としては、劣化し易い化粧品が好ましく使用できる。その具体例としては、保湿剤、美白剤、クレンジング、ローション、洗剤、柔軟剤、仕上げ剤、食器洗い洗
剤、野菜、果実の洗浄剤、リンス剤などがある。本発明の劣化防止剤の使用割合は、化粧品に対し、通常0.001〜30重量%、好ましくは0.01〜10重量%、更に好ましくは0.05〜5重量%である。
(3)水産、畜肉、油脂加工品:
本発明の水産、畜肉、油脂加工品としては、劣化し易い水産、畜肉、油脂加工品および長期間保存する水産、畜肉、油脂加工品が好ましく使用できる。その具体例としては、鮮魚、干物、一夜干し、みりん干し、貝類、赤魚、甲殻類の色素維持剤、すり身、水産練り製品、珍味、魚肉ソーセージ、塩蔵品、ノリ、海藻食品、αリノレン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等の不飽和多価脂肪酸類およびそのトリグリセリド類、それらを含有する食品、鶏肉、豚肉、牛肉、羊肉、ソーセージ、ハム、それを加工した製品、コーンフレーク、インスタントラーメン、油脂を使用した油菓子、ファストスプレッド、マーガリン等がある。本発明の劣化防止剤の使用割合は、上記の食品に対し、通常0.001〜30重量%、好ましくは0.01〜10重量%、更に好ましくは0.05〜5重量%である。
(4)グレーズ剤:
水揚げされた魚を冷凍する際に、魚表面に氷で覆うことをグレーズといい、氷を均一に魚表面に覆わせる剤をグレーズ剤という。本発明の劣化防止剤の使用割合は、食品に対し、通常0.001〜30重量%、好ましくは0.01〜10重量%、更に好ましくは0.05〜5重量%である。
(5)プラスティック製品
本発明はプラスティック製品に添加することで、該プラスティック製品を介して間接的に飲食品、香粧品その他の劣化を防止させることもできる。この様なプラスティック製品の具体例としては、飲食品、香粧品のプラスティック容器、バラン、調理済み食品保存用パック等の食品包装材、消臭剤、液体洗剤等のサニタリー用包装材、冷蔵庫、エアコン、空気清浄機、洗濯乾燥機等の白家電、船舶、自動車、電車、飛行機、建物等にに使用される空調機器等が挙げられる。本発明の劣化防止剤の使用割合は、プラスティック製品に対し、通常0.001〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%、更に好ましくは0.1〜5重量%である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に制限されるものではない。
[実験1]アジの劣化試験
<ローズマリー水溶性抽出物の製造>
ローズマリー1kgに50%含水エタノール10Lを加えて3時間加熱還流し、温時に濾過して濾液を得た。残渣を50%含水エタノール6Lで同様に抽出する操作を更に2回繰り返して濾液を得た。これらの濾液を合わせ、水5Lを加えて沈殿物を析出させた。これに活性炭100gを加え、1時間撹拌し、一夜冷所で保存した後に濾過して濾液を得た。この濾液を減圧濃縮し、120gのローズマリー水溶性抽出物を得た。
<ローズマリー非水溶性抽出物の製造>
ローズマリー1kgに50%含水エタノール10Lを加えて3時間加熱還流し、温時に濾過して濾液を得た。残渣を50%含水エタノール6Lで同様に抽出する操作を更に2回繰り返して濾液を得た。これらの濾液を合わせ、水5Lを加えて沈殿物を析出させた。これに活性炭100gを加え、1時間撹拌し、一夜冷所で保存した後に濾過して沈殿と活性炭の混合物を得た。この混合物にエタノール4Lを加え、3時間加熱還流し、温時に濾過して濾液を得た。残渣をエタノール2.4Lで同様に抽出する操作を更に2回繰り返して濾液を得た。これらの濾液を合わせ、減圧濃縮してエタノールを留去し、粉末状のローズマリー非水溶性抽出物を得た。
実施例1〜及び比較例1〜として次の試験を行なった。先ず、比較例1、4、5〜7では、ロスマリン酸(メルク社製)、カルノソール(カイマン社製)、カルノジック酸(カイマン社製)、マルトトリオース(三菱化学フーズ社製の商品「オリゴトース」)を、表2の重量比となる様に混合し、エタノール4mlと残部は水を使用して溶解し、20mlのサンプルを各々調製した。また、比較例2、3、及び実施例では、ローズマリー水溶性抽出物(ロスマリン酸:31.6重量%含有)、ローズマリー非水溶性抽出物(カルノソール及びカルノジック酸:24.9重量%含有)、マルトトリオース(三菱化学フーズ社製の商品「オリゴトース」)を、表2の重量比となる様に混合し、エタノール4mlと残部は水を使用して溶解し、20mlのサンプを各々調製した。次いで、アジを用意し、このアジを開き、表面を水で洗浄し、上記の各種サンプル20mLを添加した10重量%塩水2Lに1時間浸漬した。浸漬後、アジを洗浄し、2時間、25℃で乾燥した。乾燥後、5℃にて保存し、11日後の夫々のアジの目視評価を行った。表1に評価基準を、表2に評価結果を示す。
Figure 0004400271
Figure 0004400271
[実験2]牛乳の光劣化試験
牛乳100mlに実施例の劣化防止剤1mlを添加したもの(実施例)と無添加のもの(比較例)を作成し、総光量2万ルクスの光を48時間照射(5℃)した。その後、これらの牛乳の劣化度合いを、揮発成分であるヘキサナール量をヘッドスペースガスクロマトグラフィー(Agilent6890GC )により測定し、ヘキサナールの面積成分比を無添加のものと比較することにより評価した。無添加のものを100として換算した。
Figure 0004400271
上記結果から、本発明の劣化防止剤は光劣化防止剤としても利用可能であることが分かった。

Claims (5)

  1. マルトトリオース、ロスマリン酸を含有するローズマリー水溶性抽出物、及びカルノソールとカルノジック酸を含有するローズマリー非水溶性抽出物を含有し、マルトトリオース、ロスマリン酸、及びカルノソールとカルノジック酸の合計、の各含有割合が、ロスマリン酸/マルトトリオース/カルノソールとカルノジック酸の合計、の重量比率として、1/200/0.1〜1/10/10であることを特徴とする劣化防止剤。
  2. 請求項1に記載の劣化防止剤を含有する食品。
  3. 請求項1に記載の劣化防止剤を含有する化粧品。
  4. 請求項1に記載の劣化防止剤を含有するグレーズ剤。
  5. 請求項1に記載の劣化防止剤を含有するプラスティック製品。
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