JP4399510B1 - つる性植物の定植方法及びつる性植物が定植された栽培槽 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】栽培槽本体110に植物20を定植する方法は、植物20の根が植え込まれたペーパーポット168を、栽培槽本体110内の中心から、植物20を引き出すための切り欠き111が形成された側面116と反対側の側面に片寄るように配置して植え込み、栽培槽本体110内に植え込まれた植物20のつるを、当該切り欠き111が形成された側面116に向けて伸長するように傾け、前記栽培槽本体110内から当該切り欠き111を介して栽培槽本体110外に引き出す。
【選択図】 図6
Description
例えば、特許文献1には、植物を定植するための植栽口が上部に設けられたパイプ状の栽培槽を、複数並列に連結してビル等の壁面に設けることにより緑化させる技術が開示されている。
つる性植物の根を、前記栽培槽内に、前記栽培槽内の中心から、当該つる性植物を引き出すための切り欠きが形成された側面と反対側の側面に片寄るように配置して植え込み、
前記栽培槽内に植え込まれた前記つる性植物のつるを、当該切り欠きが形成された側面に向けて伸長するように傾け、前記栽培槽内から当該切り欠きを介して前記栽培槽外に引き出すことを特徴とする。
また、透水性を有する材料からなる鉢内につる性植物を植え込んで水耕育苗させることにより、つる性植物を鉢に植え込んだまま栽培槽内に定植できるので、移設設置作業が簡単である。また、定植時に根を傷めてしまうことがなく、つる性植物を栽培槽内の環境に徐々に順応させることができる。
図1に示すように、屋上緑化装置10は、例えば、工場等の切妻形の屋根2の表面を緑化する目的で設置されるものであり、栽培槽100と、水耕栽培循環システム200と、網材300とを備える。栽培槽100は、屋根2の頂上部に設けられ、植物20を定植するためのものである。水耕栽培循環システム200は、供給管260、排液管270、培養液タンク210、ポンプ230を備え、栽培槽100に培養液を循環させるためのものである。網材300は、屋根2の表面に沿って設けられ、栽培槽100から伸長する植物20を支持するためのものである。
これらの図2に示すように、栽培槽100は、植物が植え込まれる栽培槽本体110と、栽培槽本体110を屋根2上に固定するための栽培槽架台140とを備えて構成されている。
これらの図3に示すように、栽培槽本体110は、例えば、上面が開口する外観が略直方体形状を有し、植物を植え込む培地を収納する容器部112と、容器部112の上面の開口を覆うように着脱自在に装着される蓋部114とを備える。
容器部112の長手側の側面116には、蓋部114を容器部112に固定する際に用いられる螺子孔120が所定の位置に複数形成されている。
すなわち、蓋部114を容器部112に設置したときには、栽培槽本体110は、切り欠きを有さない上面と、栽培槽本体110の内部に植え込まれた植物20を栽培槽本体110の外部に引き出すための切り欠き111を有する側面とを備える略直方体状の容器になる(図2(a)参照)。
また、既に植物が栽培槽本体110の内部から外部に引き出された状態において蓋部114を容器部112から取り外すことができ、栽培槽本体110の内部のメンテナンス等を容易に行うことができる。さらに、容器部112には切り込みが形成されないので、培地や培養液が充填される容器部112の容積を充分に確保することができる。
容器部112の内部がこのような構造であることにより、栽培槽本体110内に供給された培養液は、栽培槽本体110の底部に移動し、空間135に集められ、排液管270から円滑に容器部112の外部に排出される。したがって、容器部112の排水性を向上させることができる。
脚部152を棚部142に固定する際には、ボルト154の頭部154aを当接板160に固定するとともに、ボルト154にナット156を螺着してその上からワッシャ158を嵌め込んだ後に、棚部142のフレームに形成された挿着孔146を嵌め込み、さらにその上からワッシャ158を嵌め込んだ後にナット156を螺着して、棚部142のフレームをワッシャ158間で挟持させる。棚部142と屋根2の表面との間隔は、ナット156の位置を調節して挟持位置を変更することにより調節することができる。
図2に示すように、本実施形態では、当接板160が棚部142のフレームの長辺150に設けられた複数の脚部152の下端に接続している。
これにより、栽培槽100の荷重を分散させて屋根2の表面に伝達することができるので、屋根2の荷重集中による破損を回避することができる。
なお、当接板160と屋根2とをワイヤー等により締結して固定してもよい。
以上のようにすれば、植物20のつるを鋭角に折り曲げることなく、栽培槽本体110内から外に切り欠き111を介して引き出すことができる。
植物20は生長してくると、その根がペーパーポット168を突き破り、ペーパーポット168の外部へと伸長していく。
したがって、このような配置でペーパーポット168を容器部112内に配置することにより、ペーパーポット168の周囲には、植物20の根の伸長領域が有効に確保されるので、植物20を良好に生育させることができる。
これにより、培地30の排液管270からの流出や、培地30による排液管270の詰まりを防止することができる。また、植物20の根が底上げ部材134の貫通孔136を通り抜けて生長し、排液管270を詰まらせることも抑制する。
夏期等に屋根2の表面が高温になる場合には、屋根2の表面の輻射熱による植物20のダメージを低減することができる。また、植物20に陰を好む陰性植物を用いた場合は、直射日光の照射による立ち枯れを防止する。
図7に示すように、水耕栽培循環システム200は、培養液タンク210と、液肥タンク220と、ポンプ230と、紫外線滅菌装置240と、ディスクフィルタ250と、供給管260と、排液管270と、配電盤280とを備えて構成される。これらの設備うち、供給管260及び排液管270以外の設備は、箱型のフレーム290の中に収納されている。
なお、箱型のフレーム290の周囲には、水耕栽培循環システム200の内部の設備に直射日光が当たらないように寒冷遮を設けたり、水耕栽培循環システム200の内部の設備が外気温度の影響を受けないように断熱用の発泡スチロール板を設けてもよい。
図8に示すように、培養液タンク210には、植物20を生育させるための培養液40が貯蔵されており、培養液タンク210内の培養液40の水位に応じて培養液40を補給する培養液供給管212とフロート弁214とが設けられ、常時一定量の培養液40が培養液タンク210内に貯留されるようになっている。
電磁弁242は、紫外線滅菌装置240より後段の供給管260に設けられ、タイムスイッチ244からの電気信号に応じて、供給管260の開閉をする。
タイムスイッチ244のスケジュールは、季節による培養液40の蒸散量に応じて、水耕栽培循環システム200を、連続運転や間欠運転に変更できるようになっている。
紫外線滅菌装置240と電磁弁242との間の供給管260に、供給管260に流通する培養液40を培養液タンク210へ還流させる戻り管246と、戻り管246の途中に、戻り管246内における供給管260側の培養液40の圧力が所定圧以上になった場合に、戻り管246内の培養液40を、供給管260側から培養液タンク210側に流通させる逃がし弁248とを設け、紫外線滅菌装置240の電源を常時オンの状態にするとともに、タイムスイッチ244で電磁弁242の開閉制御のみを制御する。
このように、培養液40の栽培槽100への供給又は停止のどちらの場合においても、紫外線滅菌装置240には、培養液40が流通することになり、紫外線滅菌装置240が高温になるのを防止できる。また、培養液40が培養液タンク210と紫外線滅菌装置240との間で循環するので、培養液タンク210内に貯留される培養液40の細菌の繁殖も抑制することができる。
これにより、栽培槽本体110に植え込まれた植物20を、つるを鋭角に折り曲げることなく、栽培槽本体110の内部から切り欠き111を介して外部に引き出すことができる。したがって、植物20を傷つけることなく栽培槽本体110に定植することができ、定植後に植物20を良好に生育させることができる。
これにより、隣り合う植物20の根は、栽培槽本体110内の中心から異なる側面116の側に水平方向に互い違いに片寄るように植え込まれる。これにより、同じ側面116の側に定植された植物20の根間は、一定の距離が隔たれる。また、栽培槽本体110内に植え込まれた植物20の根からみて、その植物20のつるが伸長する方向には、他の植物20の根が植え込まれることはない。したがって、このような配置で複数の植物20の根を栽培槽本体110内に植え込むことにより、植物20の根の周囲には、根の伸長領域が有効に確保されるので、定植後に植物20を良好に生育させることができる。
また、ペーパーポット168内に植えられた植物20の根が生長して鉢中いっぱいに伸びた場合でも、植物20の根がペーパーポット168を容易に突き破りペーパーポット168の外部に伸長することができるので、植物20の発根を促すことができる。
10 屋上緑化装置
20 植物
30 培地
40 培養液
100 栽培槽
110 栽培槽本体
111 切り欠き
112 容器部
114 蓋部
116 長手側側面
118 短手側側面
119 孔
120 螺子孔
122 水平部分
124 固定具
126 天板
128 蓋部側面
130 切り込み
132 略L字形切り込み
134 底上げ部材
135 空間
136 貫通孔
138 螺子
140 栽培槽架台
142 棚部
144 載置面
146 挿着孔
150 長辺
152 脚部
154 ボルト
154a 頭部
156 ナット
158 ワッシャ
160 当接板
168 ペーパーポット
170 透水シート
172 ドリップチューブ
200 水耕栽培循環システム
210 培養液タンク
212 培養液供給管
214 フロート弁
216 ヒータ
218 サーモコントローラ
220 液肥タンク
222 液肥混入器
230 ポンプ
240 紫外線滅菌装置
242 電磁弁
244 タイムスイッチ
246 戻り管
248 逃がし弁
250 ディスクフィルタ
260 供給管
262 圧力調整弁
270 排液管
280 配電盤
290 フレーム
292 脚部材
300 網材
Claims (5)
- 略直方体形状の外形を有し、その側面に切り欠きが形成された栽培槽に、つる性植物を当該切り欠きを介して外部へ引き出すように定植する方法であって、
つる性植物の根を、前記栽培槽内に、前記栽培槽内の中心から、当該つる性植物を引き出すための切り欠きが形成された側面と反対側の側面に片寄るように配置して植え込み、
前記栽培槽内に植え込まれた前記つる性植物のつるを、当該切り欠きが形成された側面に向けて伸長するように傾け、前記栽培槽内から当該切り欠きを介して前記栽培槽外に引き出すことを特徴とするつる性植物の定植方法。 - 前記栽培槽として、前記栽培槽の互いに対向する両側面に、複数の前記切り欠きが、互いに対面しないように、水平方向に互い違いに形成されたものを用いることを特徴とする請求項1に記載のつる性植物の定植方法。
- 前記つる性植物として、その根を透水性を有する材料からなる鉢内に植え込んで、あらかじめ水耕育苗させたものを用い、
前記つる性植物を前記鉢に植え込んだまま、前記栽培槽内に定植することを特徴とする請求項1又は2に記載のつる性植物の定植方法。 - 前記鉢として、紙製又は圧縮成形したピートモスを用いることを特徴とする請求項3に記載のつる性植物の定植方法。
- つる性植物が定植された栽培槽であって、
略直方体形状の外形を有するとともに、その側面に、内部に定植されたつる性植物を外部へ引き出すための切り欠きが形成され、
つる性植物の根を、前記栽培槽内に、前記栽培槽内の中心から、当該つる性植物を引き出すための切り欠きが形成された側面と反対側の側面に片寄るように配置して植え込み、
前記栽培槽内に植え込まれた前記つる性植物のつるを、当該切り欠きが形成された側面に向けて伸長するように傾け、前記栽培槽内から当該切り欠きを介して前記栽培槽外に引き出してなることを特徴とするつる性植物が定植された栽培槽。
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