JP2014023433A - 野菜栽培設備、野菜栽培方法及び野菜栽培用ラック - Google Patents

野菜栽培設備、野菜栽培方法及び野菜栽培用ラック Download PDF

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Abstract

【課題】葉物野菜と果実野菜とを平面的に重なる空間内で栽培することができて、葉物野菜と果実野菜のいずれかのみを栽培する場合に比べて土地の単位面積当たりの収量を上げ得る,野菜栽培設備、野菜栽培方法及び野菜栽培用ラックを提供する。
【解決手段】葉物野菜栽培部Aと果実野菜栽培部Bとが配設された野菜栽培設備100であって、葉物野菜栽培部Aは、骨材製組立体である野菜栽培用ラック10と、野菜栽培用ラック10にその開口部を閉塞する防虫ネット12と、防虫ネット12の外面に重ねられかつ下端に取り付けられたフィルム巻上具15により巻上可能に設けられたフィルム13と、野菜栽培用ラック10のプール設置用ベッド10A上に設置され養液を溜めるプールとを備え、果実野菜栽培部Bは、野菜栽培用ラック10の上面部上に設置された果実野菜栽培台20と、果実野菜栽培台20上に設置された培地21と、を備えている。
【選択図】図4

Description

本発明は、葉物野菜と果実野菜とを同一平面内の培地にて併行して栽培し得る野菜栽培設備、野菜栽培方法及び野菜栽培設備と方法に用いられる野菜栽培用ラックに関する。
本発明者は、葉物野菜と果実野菜とを栽培するに際し、同一平面内に重なるように、葉物野菜を栽培するための培地と果実野菜を栽培するための培地とを備えることができれば、土地の単位面積当たりの収量を上げられることに想到した。
そこで、本発明者は、IPDLにより先行技術調査をした結果、先行技術を見つけることは出来なかった。具体的には、葉物野菜と果実野菜とを同一平面内に重なる複数の培地のうち、一の培地で収穫期間が1月前後であるほうれん草,コマツナ,シュンギク,ルッコラ等の葉物野菜を栽培し、他の培地では収穫期間が2月位から1年前後であるナス,キュウリ,イチゴ,オクラ,モロコシ,メロン等の果実野菜を栽培し得る栽培設備、栽培方法及び栽培設備を構成するための骨組構造体について、IPDLにより先行特許文献を調査したが、一件も見つけられなかった。なお、葉物野菜を栽培に関する先行特許文献と、果実野菜を栽培に関する先行特許文献については、見つけられたので以下に説明する。
特許文献1には、温度と湿度を調整する空調手段と植物に光を照射する照明器具とを備えた密閉室内に、植物を支持する多数の孔を有する2枚のパネルの上端部同士を合わせた山形パネルよりなる複数列の畝を備え、山形パネルの裏側の三角空間より植物の根へ養液等を供給するとともに、山形パネルのV形空間に空気を流動させて葉物野菜を植物栽培する方法が開示されている。
特許文献2には、上面に複数の植栽孔を有し、その底面に長手方向に平行な凹凸溝を有し、長手方向に傾斜勾配を有する葉菜栽培容器に対し、養水を傾斜勾配の上端で供給し下端から流出させて循環させ、葉菜を植栽孔に挿通し、葉菜の根部に養水を接触させて栽培する葉菜の水耕栽培方法が開示されている。
特許文献3には、開口を有しこの葉菜開口に幼苗を植えた植鉢をはめて支持されるキャリングプレートと、キャリングプレートに支持される幼苗が浸漬する状態に養液を流動されキャリングプレートを受け容れて支持するトラフと、有し、トラフを所定の日数をかけて前進させて葉菜を成長させ、終着端にて葉菜を収穫する水耕栽培装置が開示されている。
特許文献4には、ハウス内で、ロックウールなどの培地を用い、その培地に培養液をかけ流してトマト等を栽培するトマト等の栽培における培地冷却システムが示されている。このシステムは、ハウス内の床面に敷設された断熱材と、断熱材の上に設けられ夏季などに培地温度が30℃以上になる際に培地冷却用の冷水を通流される金属製の蓋付き樋と、蓋付き樋上に横長のブロック状のスラブを載置しその上に所定間隔をおいてポットを設けてなるロックウール等で形成された培地と、を有し、ポットにおいてトマトが植栽され、トマトの根がポットスラブ内にまで伸び、各ポットに培養液注入パイプから培養液が適宜流し込まれる、トマト等の栽培水耕栽培方法が開示されている。
特許文献5には、トレイと、トレイ上に載置された水分調節用ロックウールと、水分調節用ロックウールの上に載置され防根シートで包まれた栽培用ロックウールと、を備え、トレイに養液を液面管理しつつ湛液し、栽培床の含水率及び養液濃度を安定させるように養液を水分調節用ロックウールに浸漬させてトマト等の作物に最適な量の養液を供給する養液栽培方法が開示されている。
特開2002−142585号公報 国際公開WO2010/073901号公報 特開平08−047348号公報 特開2006−081474号公報 特開平11−146737号公報
本発明は、土地の単位面積当たりの収量を上げ得る手法として、葉物野菜栽培部と果実野菜栽培部が上下に配設され葉物野菜と果実野菜とを併行して栽培し得る野菜栽培設備、野菜栽培方法及び前記野菜栽培設備を構成するための野菜栽培用ラックを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様の野菜栽培設備は、平面的に重なる下位空間と上位空間に葉物野菜栽培部と果実野菜栽培部とが配設され葉物野菜と果実野菜とを併行して栽培する野菜栽培設備であって、前記葉物野菜栽培部は、周面の開口部を密閉されることで水平方向に長い空間を構成するための骨材製組立体である野菜栽培用ラックと、前記野菜栽培用ラックにその開口部を閉塞するように張られた防虫ネットと、前記防虫ネットの外面に重ねられかつ下端に取り付けられたフィルム巻上具により巻上可能に設けられたフィルムと、前記野菜栽培用ラックのプール設置用ベッド上に設置され養液を溜めるプールとを備え、浮きパネルに形成された孔に苗の根を通して該苗を固定して該浮きパネルを前記プールに溜めた養液に浮かべて葉物野菜を水耕栽培する構成であり、前記果実野菜栽培部は、前記野菜栽培用ラックの上面部上に設置された果実野菜栽培台と、前記果実野菜栽培台上に設置された培地とを備えている、ことを特徴とする。
第1の態様において、「葉物野菜」とは、ほうれん草,コマツナ,シュンギク,ルッコラ等であり、「果実野菜」とは、トマト,ナス,キュウリ,イチゴ,オクラ,モロコシ,メロン等である。
第1の態様によれば、野菜栽培用ラックのプール設置用ベッド上のプールに養液を溜め、浮きパネルに形成された孔に苗の根を通して該苗を固定して該浮きパネルを前記プールに溜めた養液に浮かべて葉物野菜を水耕栽培し、また野菜栽培用ラックの上面部の果実野菜栽培台上に設置した培地に苗を固定し一定時間毎に養液を給液して果実野菜を栽培する。プールに溜める養液は、葉物野菜の栽培サイクルで全量を回収し、新規に養液を貯留する。果実野菜の培地への養液の給液は、ポンプと養液タンク等を含む養液供給手段により行うか、やかん等に養液を入れて人手作業により行なっても良い。
第1の態様によれば、夏季の高温となる日中には、フィルム巻上具によりフィルムを巻き上げて外気を葉物野菜の栽培空間に流通させることができ、葉物野菜の栽培空間の温度を適温まで下げることができる。フィルムを巻き上げても防虫ネットが野菜栽培用ラックの開口部を閉塞しているから、蜂などが葉物野菜の栽培空間に侵入できないので、虫食い状態でなくまた虫が卵を産みつけていない葉物野菜を栽培できる。果実野菜の葉茎に防虫薬を散布する際には、フィルムを巻き下げることで防虫薬の葉物野菜の栽培空間への侵入を回避することができて、防虫薬の葉物野菜への付着を回避することができる。また、寒気にはフィルムを巻き下げることで葉物野菜の栽培空間の温度を適温に保持できる。
第1の態様によれば、野菜栽培用ラックと防虫ネットとフィルムとプールと果実野菜栽培台と培地とを備えるだけのコンパクトで安価な構成により、平面的に重なる下位空間と上位空間に葉物野菜栽培部と果実野菜栽培部とが配設され葉物野菜と果実野菜とを併行して栽培することを実現でき、複数列の畝状に安価設備することが可能であり、葉物野菜と果実野菜とを平面的に重なる空間内で畝状に栽培することができて、葉物野菜と果実野菜のいずれかのみを栽培する場合に比べて土地の単位面積当たりの収量を上げ得る。
本発明の第2の態様の野菜栽培設備は、第1の態様において、前記野菜栽培用ラックは、長矩形のプール設置用ベッドと、前記プール設置用ベッドの長手方向に沿った両側面に立設され前記防虫ネットを張り込める枠形に形成された一対の側面枠体部と、前記一対の側面枠体部の上端に支持され、前記防虫ネットを張り込める枠形に形成されかつ前記フィルムの上端を止着し得るフィルム止着部を有する上面枠体部と、前記上面枠体部に支持された状態に設けられ前記プール設置用ベッドに比べて幅方向の寸法が小さく前記プール設置用ベッドに沿って長い果実野菜栽培用の培地を設置するための果実野菜栽培台を備えている。
第2の態様の野菜栽培用ラックは、プール設置用ベッドにプールを設置し、一対の側面枠体部と上面枠体部のそれぞれに防虫ネットを張り込み、防虫ネットの外面にフィルムを重ねフィルムの上端をフィルム止着部に止着するだけで、迅速に葉物野菜と果実野菜とを併行して栽培できる野菜栽培設備を作り上げることができる。
本発明の第3の態様の野菜栽培設備は、第2の態様において、前記果実野菜栽培台の下面に対応し前記上面枠体部に葉物野菜の水耕栽培に必要な栽培光を照射する照明具が設置されている。
第3の態様によれば、野菜栽培用ラックの上面部上に設置する果実野菜栽培台及び培地により太陽光の葉物野菜の栽培空間への採光が遮られ、葉物野菜に必要な光量が不足がちになるのを照明具の照明より光量の不足を補うことができる。また、夜間にも照明具の照明より栽培が促進される。
本発明の第4の態様は、第1乃至3のいずれかの態様において、前記プールは、ラック長手方向に分割された複数の分割受皿であって、前記分割受皿中のラック長手方向の両端に位置する分割受皿が三方に立ち上がる側面壁を有し、その他の分割受皿がラックの幅方向に立ち上がる側面壁を有し、これらの分割受皿が敷き詰められて周壁を有する組立受皿として備えられ、前記組立受皿の上にプール用フィルムが被され組立受皿の内面に密着されて養液を貯留し得る容器形状に形成されてなる。
第4の態様によれば、数十メートルと長尺なプールが必要な場合でも、簡便に低コストで構成でき、設置現場での組立てが容易にできる。
本発明の第5の態様は、第1乃至4のいずれかの態様において、前記果実野菜栽培台は、幅方向の一端又は両端に樋部を有し、前記プール設置用ベッドに載置固定されている。
第4の態様によれば、果実野菜を栽培するための培地に養液を掛け、養液が培地に浸透し垂れ出る液を樋部に流通して回収でき、培地に掛けた養液がフィルムに垂れ流れないのでフィルムが汚れず、長いトンネル状の葉物野菜の栽培空間の中途の葉物野菜の生育状況をフィルムを通して良好に視認できる。
本発明の第6の態様は、第1乃至5のいずれかの態様において、前記培地は、下面部に液抜孔を有する耐久性・断熱性を有する袋で包まれた横長の多孔質含水性ブロックと、前記袋の上面部の長手方向に所定間隔をおいて開孔された載置位置開口部を通して前記多孔質含水性ブロック上に載置された複数の多孔質含水性ポットと、を備えている。
この態様によれば、各多孔質含水性ポットに供給された養液は、多孔質含水性ポットに含浸して留まる分が果実野菜に吸収され、多孔質含水性ポットに留まらない分は多孔質含水性ブロックに含浸し多孔質含水性ポットの含水量が少なくなるに連れて多孔質含水性ポットに移動する。多孔質含水性ブロックが耐久性・断熱性を有する袋で包まれているが、多量の養分は液抜孔から果実野菜栽培台の樋部へ流出するから、袋内が養液で充満して袋内が嫌気性になることはなく、養液が多孔質含水性ブロック内に適切な含水状態でとどまることができ、この養液が多孔質含水性ポットに徐々に移動し、果実野菜に生育に有効に利用される。袋は、多孔質含水性ブロックの表面での蒸散を防止できる。
本発明の第7の態様は、第6の態様において、前記多孔質含水性ブロック及び前記多孔質含水性ポットは、ロックウール又はグラスウールからなる。
この態様によれば、多孔質含水性ブロック及び多孔質含水性ポットに葉物野菜を犯す病原菌の繁殖を抑えつつ栽培に良好な量の養液を含浸保持できる。
本発明の第8の態様は、第1乃至5のいずれかの態様において、前記培地は、底面部に水抜き用の小孔を有する発泡スチロール製の箱に培養土を入れたものである。
この態様によれば、果実野菜の種類ごとに、培養土を入れた発泡スチロール製の箱で苗を育て、有る程度に大きくなってから、該箱を果実野菜栽培台上に載置して栽培できる。
本発明の第9の態様は、第6乃至8のいずれかの態様において、前記含水性ポット又は前記箱の培養土に果実野菜を栽培するために必要な養液を供給する養液供給手段を備えて
この態様によれば、養液の供給を規則的に行うことが必要な給液管理を自動的に行える。
本発明の第10の態様は、第6又は7の態様において、前記果実野菜栽培台と前記培地との間に挟まれるように、液通流パイプを備えた。
この態様によれば、液通流パイプに対し、寒気には温水を通流させ、夏季に冷水を通流させることにより培地温度を調節することができる。
本発明の第11の態様は、第1乃至10のいずれかの態様において、前記野菜栽培用ラックの長手方向の端面部に連結され該端面部を開閉する戸を備えた。
この態様によれば、葉物野菜の苗を固定した浮きパネルの野菜栽培用ラックの内部空間に対する収容、及び栽培により成長した葉物野菜の苗を固定した浮きパネルの野菜栽培用ラックの内部空間からの取り出しを、該ラックの端面より行うことができ、内部に虫が侵入する端面解放状態になることを回避できる。
本発明の第12の態様の野菜栽培方法は、周面の開口部を密閉されることで水平方向に長い空間を構成するための骨材製組立体である野菜栽培用ラックを設置し、前記野菜栽培用ラックの開口部に防虫ネットを張り、前記防虫ネットの外面にフィルムを重ねられかつ該フィルムの下端にフィルム巻上具を取り付けて該フィルムを下端より巻上可能とし、前記野菜栽培用ラックの内部を密閉解放可能なトンネル空間とし、該トンネル空間を利用して葉物野菜を水耕栽培し、前記野菜栽培用ラックの上面部の幅方向中央部に培地接地用果実野菜栽培台を備えてその上で果実野菜を栽培し、葉物野菜と果実野菜とを上下の空間で併行して栽培することを特徴とする。
この態様によれば、第1の態様と全く同一の効果が得られる。
修正しました
本発明の第13の態様の野菜栽培用ラックは、平面的に重なる下位空間と上位空間に葉物野菜栽培部と果実野菜栽培部とが配設され葉物野菜と果実野菜とを併行して栽培する野菜栽培設備を構成するための野菜栽培用ラックであって、長矩形のプール設置用ベッドと、前記プール設置用ベッドの長手方向に沿った両側面に立設され前記防虫ネットを張り込める枠形に形成された一対の側面枠体部と、前記一対の側面枠体部の上端に支持され、前記防虫ネットを張り込める枠形に形成されかつ前記フィルムの上端を止着し得るフィルム止着部を有する上面枠体部と、前記上面枠体部に支持された状態に設けられ前記プール設置用ベッドに比べて幅方向の寸法が小さく前記プール設置用ベッドに沿って長い果実野菜栽培用の培地を設置するための果実野菜栽培台を備えている、ことを特徴とする
この態様によれば、第2の態様と同一の効果が得られ、構成がコンパクトで安価であり迅速な組立性を有する野菜栽培用ラックを提供することができる。
本発明によれば、平面的に重なる下位空間と上位空間に葉物野菜栽培部と果実野菜栽培部とが配設され葉物野菜と果実野菜とを併行して栽培することを実現でき、複数列の畝状に安価設備することが可能であり、葉物野菜と果実野菜とを平面的に重なる空間内で畝状に栽培することができて、葉物野菜と果実野菜のいずれかのみを栽培する場合に比べて土地の単位面積当たりの収量を上げ得る,野菜栽培設備、野菜栽培方法及び野菜栽培用ラックを提供することができる。
本発明の実施形態に係る野菜栽培設備の正面図である。 図1の野菜栽培設備の手前の防虫ネットとフィルムを除外して内部を見た正面図である。 図1におけるIII−III矢視図である。 図1におけるIV−IV断面図である。 図1の野菜栽培設備の要部である野菜栽培用ラックの正面図である。 図5におけるVI−VI矢視図である。 図6におけるVII−VII矢視図である。 図6におけるVIII−VIII矢視図である。 図6におけるIX−IX矢視図である。 図1の野菜栽培設備の要部であるプールの斜視図である。 図1の野菜栽培設備の要部である果実野菜栽培部を構成するための果実野菜栽培台と多孔質含水性ブロックと複数の多孔質含水性ポットの組付関係を示す斜視図である
以下、本発明の野菜栽培設備に係る実施形態について図面を参照して説明する。本発明の野菜栽培方法及び野菜栽培用ラックについては野菜栽培設備の説明の中で併せて説明する。
〔第1実施形態〕
〔全体の概要〕
図1〜図4は野菜栽培設備の全体に関係する図である。図1〜図4に示すように、野菜栽培設備100は、主要構成要素として野菜栽培用ラック10を有し、野菜栽培用ラック10の長手方向に沿った外面を防虫ネット12で囲むと共にフィルム13で開閉可能に覆い、長手方向に両端面を戸11で閉じることにより、虫の侵入を防止し温室度を調整可能である内部空間に養液を貯留するプール16を設置すると共に、野菜栽培用ラック10の上面部である屋根組部10Dに支持される果実野菜栽培用果実野菜栽培台20を備え、該果実野菜栽培台20に多孔質含水性ブロックの培地21を設置した構成である。
従って、野菜栽培設備100は、ほうれん草に代表される葉物野菜の苗を固定した浮きパネル17をプール16に浮かべて葉物野菜を水耕栽培する葉物野菜栽培部Aと、培地21にトマトに代表される果実野菜の苗を固定し養液を培地に一定時間毎に供給して果実野菜栽培部Bとを、平面的に重なる上下の空間に一設備として野菜栽培用ラック10において纏めた構成である。
〔葉物野菜栽培部Aの概要〕
葉物野菜栽培部Aは、パイプ材と継手等を組立てられた野菜栽培用ラック10を有する。野菜栽培用ラック10は、底面部に長矩形のプール設置用ベッド10Aを有し、プール設置用ベッド10Aの長手方向に沿った側面部に側面枠体部10Bを有し、上面中央部に屋根組部10Dを有し、上面両側の端部に上面枠体部10Cを有する骨組み構造である。葉物野菜栽培部Aは、側面枠体部10Bと上面枠体部10Cの開口部を閉塞するように防虫ネット12が張られ、さらに、防虫ネット12にフィルム13が重ねられ、フィルム13の上端が上面枠体部10Cに固定されかつ下端にフィルム巻上具15が取り付けられている。フィルム13は、フィルム巻上具15により巻上可能である。野菜栽培用ラック10の長手方向に両端面は取り外し可能な戸11で閉じられている。野菜栽培用ラック10のプール設置用ベッド10A上に設置され養液を溜めるプール16を備え、浮きパネル17に形成された孔に苗の根を通して該苗を固定して該浮きパネル17をプール16に溜めた養液に浮かべて葉物野菜を水耕栽培する構成である。従って、葉物野菜栽培部Aは、防虫ネット12とフィルム13と戸11で閉じられていることにより、虫の侵入を防止できてかつフィルム13の開け閉めにより温室度を調整可能である野菜栽培用ラック10の内部空間で水耕栽培を行えるようになっている。
〔野菜栽培用ラック10の概要〕
図5〜図9は野菜栽培用ラック10に関係する図である。野菜栽培用ラック10は、骨材(例えば、パイプ材、丸棒材、平板材、継手など)を用いて組立てられていて、骨材間の周面開口部を防虫ネット12及びフィルム13で閉塞されることにより、野菜を栽培するための水平方向に長いトンネル状の空間を構成し得る。野菜栽培用ラック10は、図では、設置場所への運搬性を考慮して、アルミニウム製パイプ又は樹脂製パイプ又は薄肉鋼管の外面に樹脂を被覆して成るパイプのいずれかと、複数種類の継手とを組立ててなる骨材製組立体が示されているが、鉄骨溶接組立製でも良い。継手は、成形一体形、分割組合形、挟持形、雌雄嵌合形など必要に応じて採用される。野菜栽培用ラック10は、設置面積に応じて、例えば30〜50mと長尺に設けることができる。
図6に示すように、野菜栽培用ラック10は、プール設置用ベッド10Aと、プール設置用ベッドの長手方向(紙面に垂直方向)に沿った両側面に立設された一対の側面枠体部10Bと、各側面枠体部10Bの上端より一体に緩傾斜状態に延在された一対の上面枠体部10Cと、各上面枠体部10Cの傾斜方向上端に支持された状態に設けられた果実野菜栽培台20を備えている。各側の側面枠体部10Bと上面枠体部10Cには防虫ネット12が張設される。
プール設置用ベッド10Aに比べて幅方向の寸法が小さくプール設置用ベッド10Aに沿って長い果実野菜栽培用の培地を設置するための果実野菜栽培台20を備えている。
図5〜図9に示す野菜栽培用ラック10は、複数の異なった手順により組立てることができる。ここでは、パイプと該継手を用いて積み上げていく組立手順を説明することで、構成について分かり易く説明する。以下、さらに詳述する。
まず、図7に示すように、長矩形のプール設置用ベッド10Aが組み立てられている。これは、2本の長いパイプ材10aと4本の短いパイプ材10bとを3升矩形枠となるように配し、交差箇所を継手10cで連結しねじで固定し、4本の短いパイプ材10bの上に例えば3本のパイプ材10dを横架しねじで固定することで達成し得る。尚、パイプ材10dに替えて例えば波板材でも良い。
次に、図5,図6に示すように、8本の支柱パイプ10eがプール設置用ベッド10Aに組み付けられている。これは、8つの継手10cのそれぞれに、下方より支柱パイプ10eを挿通しねじで継手10cと支柱パイプ10eを固定することで達成し得る。これにより、プール設置用ベッド10Aの下側にタンクやポンプ等の基材を設置するための空間を設ける。なお、図5,図6では、プール設置用ベッド10Aを一段としているが、複数段としても良い。支柱パイプ10eに下端には脚10fを備えている。
次に、図5,図6に示すように、2本の長いパイプ材10aの上方に少し離れた高さに連結パイプ10gを支柱パイプ10eに対し分割挟持形の継手10hを介して組み付けられている。この連結パイプ10gは、プール設置用ベッド10Aにプール16を載置したときに、該プール16が振動等に起因して前後方向に移動するのを抑止している。
次に、図8に示すように、2本の長いパイプ10iと4本の短いパイプ10jとを3升矩形枠となるように配し、交差箇所を継手10kを連結しねじで固定し、この3升矩形枠を、8本の支柱パイプ10eの上端に継手10kを介して嵌合しねじで固定されている。これにより、野菜栽培用ラック10は、果実野菜栽培部Bの果実野菜栽培台20を載置可能な強度を備えたトラス構造に構成されている。
次に、図8に示す8つの継手10kの各上端より短パイプ10mを伸ばして継手10nを組み付け、継手10nを介し、パイプ材10iの上方に少し離れた高さに連結パイプ10pを横架されると共に傾斜パイプ10qが組み付けられる。なお、傾斜パイプ10qに替えて、継手10nから立ち上がってから水平にのびるL字パイプとし、斜がいを設けても良い。
次に、野菜栽培用ラック10の上面に果実野菜栽培部Bを受承状態に設置するため、図4に示すように、屋根組部10Dが組み付けられ、該屋根組部10Dが、図6に示すように、両側の傾斜パイプ10qの傾斜上端に継手10rを介して組み付けられている。
屋根組部10Dは、両側の傾斜パイプ10qの傾斜上端に継手10rを介して組み付けられる2本の長い棟パイプ10sを有し、該2本の棟パイプ10sが複数の連結パイプ10tで梯子段状に連結され、2本の棟パイプ10s上に果実野菜栽培用ベースプレート14が載置されている。果実野菜栽培用ベースプレート14の幅方向の端縁は棟パイプ10sより端出していて、該張り出し部分がフィルム挟持用受け部18aとなっていて、フィルム挟持用受け部18aの上に帯板よりなるフィルム押さえ板18bを重ねられ、ボルト(符号なし)でフィルム押さえ板18bに止着しうる。これにより、図4に示すように、野菜栽培用ラック10は、プール設置用ベッド10Aの上方の中央に屋根組部10Dを備え、屋根組部10D上に、果実野菜栽培部Bの果実野菜栽培台20を載置状態に備えている。
側面枠体部10Bは、プール設置用ベッド10Aの長手方向に沿った両側面に上面枠体部10Cを張り込める。
上面枠体部10Cは、一対の側面枠体部の上端に上面枠体部10Cを張り込める
〔照明具26〕
図4に示すように、照明具26は、果実野菜栽培台20の下面に対応しパイプ10jの中央位置の下面に固定されている。照明具26は、葉物野菜に対しその生育に必要な光を照射する。照明具26は、白色光を放射する蛍光管型のLEDランプが設置されている。このLEDランプは、長矩形の基板と、基板の下向き面に一列又は複数列に配列された白色光を放射するチップ型LEDと、を有し、下向きに放射する蛍光管型の構造のLEDランプを採用することが好ましい。又、照明具26は、LEDランプに変えて冷陰極管を設置しても良い。
野菜栽培用ラック10の内部空間は、果実野菜栽培台20の両側の上面枠体部10Cから太陽光が入り込むが、果実野菜栽培台20及び培地21により太陽光が届かない影の領域を作るので、この影の領域で葉物野菜に必要な光量が不足がちになる、照明具26による照明は、この影の領域の光量の不足を補い、栽培を促進する役目を果たす。また、照明具26は、夜間照明を行うことで栽培を促進する役目を果たす。
〔防虫ネット12とフィルム13とフィルム巻上具15〕
図1、図4に示すように、プール設置用ベッド10Aの両側において、上下の長いパイプ材10a,10i,10pと4本の支柱パイプ10eとにより、図6に示す、プール設置用ベッド10Aの長手方向に沿った側面枠体部10Bが構成されており、また、屋根組部10Dを構成している棟パイプ10sと傾斜パイプ10qとパイプ材10pとにより、図6に示す、上面枠体部10Cが構成されており、図4に示すように、各側の側面枠体部10Bと上面枠体部10Cに一枚の防虫ネット12が張設されている。防虫ネット12の上端は、棟パイプ10sと果実野菜栽培用ベースプレート14とに挟まれて固定される。すなわち、果実野菜栽培用ベースプレート14の取り付けは、防虫ネット12の上端を挟み込むようにして行う。なお、防虫ネット12の上端の固定手段(例えば防虫ネット12を巻き付けてクリップ等で固定できる水平棹など)をフィルム挟持用受け部18aと平行に隣設しても良い。
フィルム13は、防虫ネット12に重ねられ、上端をフィルム挟持用受け部18aとフィルム押さえ板18bとに挟まれて固定され、下端をパイプ材10aの位置まで下げられ、下端にフィルム巻上具15のシャフト15aが固着される。
フィルム巻上具15は、ハンドル15bを回し、本体内の歯車減速機構を介してシャフト15aを巻き上げ方向及び巻き下げ方向に回転し得る。夏季の蒸し暑い日には、フィルム巻上具15を巻上げ操作してフィルム13を巻上げ葉物野菜栽培部Aに外気を流入させ、寒気には、フィルム巻上具15を巻下げ操作してフィルム13を巻下げ、葉物野菜栽培部Aへの外気の流入を遮断して葉物野菜栽培部A内の温度調節を図る。
〔プール16〕
図4、図10に示すように、プール16は、発泡スチロールで構成されたプルール本体(16a,16b)と、プール床用フィルム16dとを含んでなる。プルール本体は、長矩形の底面部とこの底面部を囲む長い側壁部と短い側壁部とを有する長矩形の升形状であり、ラック長手方向に分割された分割受皿16a,16bを組立てて成る。両端の分割受皿16aは、三方に立ち上がる側面壁を有し、他の分割受皿16bは、ラックの幅方向に立ち上がる側面壁を有している。両端の分割受皿16aには、床面にドレン孔16c(浅い大径の凹部及び該凹部と同心の小径の貫通孔)が形成されている。
図4、図10に示すように、プール16は、野菜栽培用ラック10のプール設置用ベッド10A上で、複数の分割受皿16a,16bを敷き詰めて端面同士を密着させ離れないように粘着テープ(図示しない)を内外面の継ぎ目に貼り付けてプルール本体を構成し、プール床用フィルム16dを被せて受皿内面に密着させ、両端の分割受皿16aのドレン孔16cに合わせて排液手段を設けて完成する。この排液手段は、使い終わった養液を排水するためのもので、ドレン孔16cに合わせてプール床用フィルム16dに孔を開け、ドレン孔16cに対し鍔を上端に有するドレンパイプ16eを上方から挿し込み、該ドレンパイプ16eに対し分割受皿16aの下面に強く密着するまでナットリング16fを締め付けて成る。プール16は、このような構成であるので、数十メートルと長い場合でも、簡便に低コストで構成でき、設置現場での組立てが容易かつ短時間にできる。なお、ドレンパイプ16eには栓をする。また、ドレンパイプ16eから排出する使用済の液は、配管を介して使用済液回収タンク(図示しない)に回収される。
プール16には、ほうれん草,コマツナ,シュンギク,ルッコラ等の葉物野菜の種類に応じ必要な複数種類の肥料を配合した養液を貯留する。養液は、葉物野菜の1収穫毎に全量を交換する。なお、養液を循環し得るようにプールを設けても良い。
〔浮きパネル17〕
図4に示すように、プール16に貯留する養液に浮かばせる浮きパネル17は、プール16の内幅一杯に収まり、取り扱いし易い大きさとなるように長手方向の大きさが決められた矩形状の発泡スチロール板で構成される。浮きパネル17は、長さ方向に並べてプール16内に一杯に敷き詰められように複数枚を用意する。浮きパネル17には、苗の根を下側に通して該苗P1を固定する孔が正列状あるいは斜列状に設けられている。分割した葉物野菜の種類に応じ必要な複数種類の肥料を配合した養液を貯留浮きパネル17に形成された孔に該浮きパネル17をプール16に溜めた養液に浮かべて葉物野菜を水耕栽培する構成である。
浮きパネル17には、葉物野菜の苗P1の根を通して固定し得る孔を有している。浮きパネル17の全ての孔に葉物野菜の苗P1を固定し、該浮きパネル17をプール16に溜めた養液に浮かべる。
〔戸11について〕
図3に示すように、野菜栽培用ラック10の長手方向の端面部は、葉物野菜の栽培のために浮きパネル17を出し入れに際して開放する。しかし、平時は開放したままにすると、ラック内に虫が入り込み、葉物野菜が虫食いになる。このため、野菜栽培用ラック10の長手方向の端面部も戸11により閉じられる。戸11は、戸枠11aと、戸枠11aの上辺部及び下辺部に設けられた係止金具11b,11cと、戸枠11aの両側部に設けられた把手11dと、戸枠11aに張設された戸フィルム11eとからなる。上側の係止金具11bは上方に延びて係止長さが大きく、下側の係止金具11cは下方に延びて係止長さが小さく、これにより、戸11は、野菜栽培用ラック10の長手方向の端面部に対してけんどん式に取り外しできる。なお、戸11は、戸フィルム11eに替えてネットを設けても良い。また、戸11を観音開き式に設けても良い。
この態様によれば、葉物野菜の苗P1を固定した浮きパネル17の野菜栽培用ラック10の内部空間に対する収容、及び栽培により成長した葉物野菜の苗P1を固定した浮きパネル17の野菜栽培用ラック10の内部空間からの取り出しを、該ラックの端面より行うことができ、内部に虫が侵入する端面解放状態になることを回避できる。
〔果実野菜栽培部Bの概要〕
図4に示すように、果実野菜栽培部Bは、野菜栽培用ラック10の上面部上に設置された果実野菜栽培台20と、果実野菜栽培台20上に設置された培地21と、培地21に果実野菜を栽培するために必要な養液を供給する養液供給手段25を備えている。
〔果実野菜栽培台20の構成〕
果実野菜栽培台20は、アルミニウム板又は銅板を折り曲げ形成されて成り、図11に示すように、果実野菜栽培用ベースプレート14上に載置されボルト(図示しない)で固定される。果実野菜栽培台20は、図4,図10に示すように、中央部が高い幅広の平面で培地21を設置する設置面20aとなっていて、設置面20aの幅方向の両端に垂下部20bを有し、垂下部20bの下端に一対の樋部20cを有している。
〔培地21の構成〕
図4,図11に示すように、培地21は、果実野菜栽培用ベースプレート14と果実野菜栽培台20の上に載置される。培地21は、下面部に液抜孔22aを有する耐久性・断熱性を有する袋22で包まれた横長の多孔質含水性ブロック23と、袋22の上面部の長手方向に所定間隔をおいて開孔された載置位置開口部22bを通して多孔質含水性ブロック23上に載置された複数の多孔質含水性ポット24と、を備える。多孔質含水性ブロック23及び多孔質含水性ポット24は、ロックウール又はグラスウールからなる。多孔質含水性ブロック23及び多孔質含水性ポット24に果実野菜P2を犯す病原菌の繁殖を抑えつつ栽培に良好な量の養液を含浸保持できる。なお、多孔質含水性ブロック23及び多孔質含水性ポット24を幅広に設けて果実野菜P2を2列に栽培するように設けても良い。
〔養液供給手段25の構成〕
図4に示すように、養液供給手段25は、野菜栽培設備100の長手方向に沿った両側に作業通路を確保するため、プール設置用ベッド10Aの下側空間に、水タンク25a、第1のポンプ25b、第1の養液タンク25c、第2のポンプ25d、第2の養液タンク25e、第3のポンプ25f、第3の養液タンク25g、第4のポンプ25hを備えている。養液供給手段25は、図示しないコントローラにより運転を管理され、例えば、夏季には30分経過する毎に、冬季には60分経過する毎に、第1〜第4のポンプ25b,25d,25f,25hを所要時間駆動するようになっていて、第1のポンプ25bにより水タンク25a内の水を養液供給管25iに給送し、これと同期して、第2〜第4のポンプ25d,25f,25hにより、第1〜第3の養液タンク25c,25e,25g内の肥料液が養液供給管25iに、例えば水に対して各肥料液が百分の1の量で給送され、混合されて果実野菜を栽培するために必要な養液とし、各多孔質含水性ポット24に対応して分岐した複数の分岐管に養液を流し、分岐管の先端の圧力調整弁(図示しない)を通り多孔質含水性ポット24に供給する。
多孔質含水性ポット24に供給される養液は、多孔質含水性ポット24に含浸され、余分の養液が多孔質含水性ブロック23に含水保持され、さらに余剰の養液は、養液回収タンク25jに回収される。
各多孔質含水性ポット24に供給される養液は、多孔質含水性ポット24に含浸して留まる分が果実野菜に吸収され、多孔質含水性ポット24に留まらない分は多孔質含水性ブロック23に含浸し多孔質含水性ポット24の含水量が少なくなるに連れて多孔質含水性ポット24に移動する。
このため、果実野菜を栽培するための培地に養液を掛け、養液が培地に浸透し垂れ出る液を樋部20cに流通して回収できる。樋部20cがあるので、多孔質含水性ポット24に掛けた養液がフィルム13に垂れ流れないのでフィルム13が汚れず、長いトンネル状の葉物野菜の栽培空間の中途の葉物野菜の生育状況をフィルム13を通して良好に視認できる。
多孔質含水性ブロック23が耐久性・断熱性を有する袋22で包まれているが、多量の養分は液抜孔22aから果実野菜栽培台20の樋部20cへ流出するから、袋22内が養液で充満して袋内が嫌気性になることはなく、養液が多孔質含水性ブロック23内に適切な含水状態でとどまることができ、この養液が多孔質含水性ポット24に徐々に移動し、果実野菜に生育に有効に利用される。袋は、多孔質含水性ブロック23の表面での蒸散を防止できる。
〔液通流パイプ27について〕
図4に示すように、液通流パイプ27は、銅管又はアルミニウム管により構成され、果実野菜栽培台20と培地21との間に挟まれるように備えられている。液通流パイプ27に対し、寒気には温水を通流させ、夏季に冷水を通流させることにより培地温度を調節することができる。
以上説明してきた上記構成のよう野菜栽培設備及び野菜栽培方法によれば、野菜栽培用ラック10を設置し、防虫ネット12を張り、フィルム13が重ね、フィルム13の下端にフィルム巻上具15を取り付け、野菜栽培用ラック10の内部を密閉解放可能なトンネル空間とし、該トンネル空間をプール16を設置し、プール16に養液を溜め、浮きパネル17に形成された孔に苗P1の根を通して該苗P1を固定して該浮きパネル17をプール16に溜めた養液に浮かべてほうれん草,コマツナ,シュンギク,ルッコラ等の葉物野菜葉物野菜を水耕栽培し、また野菜栽培用ラック10の上面部の果実野菜栽培台20上に設置した培地21に苗P2を固定し一定時間毎に養液を給液してトマト,ナス,キュウリ,イチゴ,オクラ,モロコシ,メロン等の果実野菜を栽培する。プール16に溜める養液は、葉物野菜の栽培サイクルで全量を回収し、新規に養液を貯留する。果実野菜の培地21への養液の給液は、ポンプと養液タンク等を含む養液供給手段25により行う。
上記構成のよう野菜栽培設備及び野菜栽培方法によれば、夏季の高温となる日中には、フィルム巻上具15によりフィルム13を巻き上げて外気を葉物野菜の栽培空間に流通させることができ、葉物野菜の栽培空間の温度を適温まで下げることができる。フィルム13を巻き上げても上面枠体部10Cが野菜栽培用ラック10の周面開口部を閉塞しているから、蜂などが葉物野菜の栽培空間に侵入できないので、虫食い状態でなくまた虫が卵を産みつけていない葉物野菜を栽培できる。果実野菜の葉茎に防虫薬を散布する際には、フィルム13を巻き下げることで防虫薬の葉物野菜の栽培空間への侵入を回避することができて、防虫薬の葉物野菜への付着を回避することができる。また、寒気にはフィルム13を巻き下げることで葉物野菜の栽培空間の温度を適温に保持できる。
上記構成のよう野菜栽培設備及び野菜栽培方法によれば、野菜栽培用ラック10と上面枠体部10Cとフィルム13とプール16と果実野菜栽培台20と培地21とを備えるだけのコンパクトで安価な構成により、平面的に重なる下位空間と上位空間に葉物野菜栽培部Aと果実野菜栽培部Bとが配設され葉物野菜と果実野菜とを併行して栽培することを実現でき、複数列の畝状に安価設備することが可能であり、葉物野菜と果実野菜とを平面的に重なる空間内で畝状に栽培することができて、葉物野菜と果実野菜のいずれかのみを栽培する場合に比べて土地の単位面積当たりの収量を上げ得る。
〔その他の実施形態〕
本発明は、上記の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲の技術的範囲には、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々、設計変更した形態が含まれる。
図5〜図9に示す野菜栽培用ラック10は、実施形態とは異なった手順により組立てることができる。例えば、長手方向に対して直角な垂直面内に起立する縦枠部を工場で予め組立てて、設置する現地で縦枠部同士を長手方向に連結することで組立てることもできる。
培地21は、底面部に水抜き用の小孔を有する発泡スチロール製の箱に培養土或は多孔質含水性ブロックを収納した態様としてもよい。この態様によれば、果実野菜の種類ごとに、培養土を入れた発泡スチロール製の箱で苗を育て、有る程度に大きくなってから、該箱を果実野菜栽培台20上に載置して栽培できる。
野菜栽培設備100、A…葉物野菜栽培部、P1…葉物野菜及びその苗、B…果実野菜栽培部、P2…果実野菜及びその苗、10…野菜栽培用ラック、10A…プール設置用ベッド、10B…側面枠体部、10C…上面枠体部、10D…屋根組部、10a…パイプ材、10b…パイプ材、10c…継手、10d…パイプ材、10e…支柱パイプ、10f…脚、10g…連結パイプ、10h…継手、10i…パイプ、10j…パイプ、10k…継手、10m…短パイプ、10n…継手、10p…連結パイプ、10q…傾斜パイプ、10r…継手、10s…棟パイプ、10t…連結パイプ、11…戸、11a…戸枠、11b,11c…係止金具、11d…把手、11e…戸フィルム、12…防虫ネット、13…フィルム、14…果実野菜栽培用ベースプレート、18a…フィルム挟持用受け部、18b…フィルム押さえ板、15…フィルム巻上具、15a…シャフト、15b…ハンドル、16…プール、16a,16b…分割受皿(プール本体)、16c…ドレン孔、16d…プール床用フィルム、16e…ドレンパイプ、16f…ナットリング、17…浮きパネル、20…果実野菜栽培台、20a…設置面、20b…垂下部、20c…樋部、21…培地、22…袋、22a…液抜孔、22b…載置位置開口部、23…多孔質含水性ブロック、24…多孔質含水性ポット、25…養液供給手段、25a…水タンク、25b…第1のポンプ、25c…第1の養液タンク、25d…第2のポンプ、25e…第2の養液タンク、25f…第3のポンプ、25g…第3の養液タンク、25h…第4のポンプ、25i…養液供給管、25j…回収タンク、26…照明具、27…液通流パイプ

Claims (13)

  1. 平面的に重なる下位空間と上位空間に葉物野菜栽培部と果実野菜栽培部とが配設され葉物野菜と果実野菜とを併行して栽培する野菜栽培設備であって、
    前記葉物野菜栽培部は、周面の開口部を密閉されることで水平方向に長い空間を構成するための骨材製組立体である野菜栽培用ラックと、前記野菜栽培用ラックにその開口部を閉塞するように張られた防虫ネットと、前記防虫ネットの外面に重ねられかつ下端に取り付けられたフィルム巻上具により巻上可能に設けられたフィルムと、前記野菜栽培用ラックのプール設置用ベッド上に設置され養液を溜めるプールとを備え、
    前記果実野菜栽培部は、前記野菜栽培用ラックの上面部上に設置された果実野菜栽培台と、前記果実野菜栽培台上に設置された培地とを備えている、
    ことを特徴とする野菜栽培設備。
  2. 前記野菜栽培用ラックは、長矩形のプール設置用ベッドと、前記プール設置用ベッドの長手方向に沿った両側面に立設され前記防虫ネットを張り込める枠形に形成された一対の側面枠体部と、前記一対の側面枠体部の上端に支持され、前記防虫ネットを張り込める枠形に形成されかつ前記フィルムの上端を止着し得るフィルム止着部を有する上面枠体部と、前記上面枠体部に支持された状態に設けられ前記プール設置用ベッドに比べて幅方向の寸法が小さく前記プール設置用ベッドに沿って長い果実野菜栽培用の培地を設置するための前記果実野菜栽培台を備えている請求項1に記載の野菜栽培設備。
  3. 前記果実野菜栽培台の下面に対応し前記上面枠体部に葉物野菜の水耕栽培に必要な栽培光を照射する照明具が設置されている請求項2に記載の野菜栽培設備。
  4. 前記プールは、ラック長手方向に分割された複数の分割受皿であって、前記分割受皿中のラック長手方向の両端に位置する分割受皿が三方に立ち上がる側面壁を有し、その他の分割受皿がラックの幅方向に立ち上がる側面壁を有し、これらの分割受皿が敷き詰められて周壁を有する組立受皿として備えられ、前記組立受皿の上にプール用フィルムが被され組立受皿の内面に密着されて養液を貯留し得る容器形状に形成されてなる請求項1乃至3のいずれかに記載の野菜栽培設備。
  5. 前記果実野菜栽培台は、幅方向の一端又は両端に樋部を有し、前記プール設置用ベッドに載置固定されている請求項1乃至4のいずれかに記載の野菜栽培設備。
  6. 前記培地は、下面部に液抜孔を有する耐久性・断熱性を有する袋で包まれた横長の多孔質含水性ブロックと、前記袋の上面部の長手方向に所定間隔をおいて開孔された載置位置開口部を通して前記多孔質含水性ブロック上に載置された複数の多孔質含水性ポットと、を備えている請求項1乃至5のいずれかに記載の野菜栽培設備。
  7. 前記多孔質含水性ブロック及び前記多孔質含水性ポットは、ロックウール又はグラスウールからなる請求項6に記載の野菜栽培設備。
  8. 前記培地は、底面部に水抜き用の小孔を有する発泡スチロール製の箱に培養土を入れたものである請求項1乃至4のいずれかに記載の野菜栽培設備。
  9. 前記含水性ポット又は前記箱の培養土に果実野菜を栽培するために必要な養液を供給する養液供給手段を備えている請求項6乃至8のいずれかに記載の野菜栽培設備。
  10. 前記果実野菜栽培台と前記培地との間に挟まれるように、寒気に温水を通流させ夏季に冷水を通流させて培地温度を調節する液通流パイプを備えた請求項6又は7に記載の野菜栽培設備。
  11. 前記野菜栽培用ラックの長手方向の端面部に連結され該端面部を開閉する戸を備えた請求項1乃至10のいずれかに記載の野菜栽培設備。
  12. 周面の開口部を密閉されることで水平方向に長い空間を構成するための骨材製組立体である野菜栽培用ラックを設置し、前記野菜栽培用ラックの開口部に防虫ネットを張り、前記防虫ネットの外面にフィルムを重ねられかつ該フィルムの下端にフィルム巻上具を取り付けて該フィルムを下端より巻上可能とし、前記野菜栽培用ラックの内部を密閉解放可能なトンネル空間とし、該トンネル空間を利用して葉物野菜を水耕栽培し、前記野菜栽培用ラックの上面部の幅方向中央部に培地接地用果実野菜栽培台を備えてその上で果実野菜を栽培し、葉物野菜と果実野菜とを上下の空間で併行して栽培する、ことを特徴とする野菜栽培方法。
  13. 平面的に重なる下位空間と上位空間に葉物野菜栽培部と果実野菜栽培部とが配設され葉物野菜と果実野菜とを併行して栽培する野菜栽培設備を構成するための野菜栽培用ラックであって、
    長矩形のプール設置用ベッドと、前記プール設置用ベッドの長手方向に沿った両側面に立設され前記防虫ネットを張り込める枠形に形成された一対の側面枠体部と、前記一対の側面枠体部の上端に支持され、前記防虫ネットを張り込める枠形に形成されかつ前記フィルムの上端を止着し得るフィルム止着部を有する上面枠体部と、前記上面枠体部に支持された状態に設けられ前記プール設置用ベッドに比べて幅方向の寸法が小さく前記プール設置用ベッドに沿って長い果実野菜栽培用の培地を設置するための果実野菜栽培台を備えている、ことを特徴とする野菜栽培用ラック。
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