JP4397822B2 - 周波数選択装置及びリーダライタ管理装置 - Google Patents

周波数選択装置及びリーダライタ管理装置 Download PDF

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Description

この発明は、リーダライタが使用する周波数を選択する周波数選択装置及びリーダライタ管理装置に関するものである。
RFIDシステムにおいては、2種類のユーザが想定される。一つは事業所系のユーザであり、もう一つはコンシューマ(消費者)系のユーザである。
事業所系ユーザは、RFIDシステムを安定的に動作させる必要がある。一方、コンシューマ系ユーザは、ad−hocに動作し、品質に関する規定は事業所に比べて低い。
日本のRFIDシステムにおいては、諸外国と比べて、周波数資源が非常に少ないので、上記のような事業所系ユーザとコンシューマ系ユーザが同居することがある。
特に事業所系のリーダライタは、利用場所によっては1つの周波数で足りないことも想定される。また、一部干渉の問題から他周波数を利用することがあると思われるが、動作単位毎に周波数を切り替えるのではなく、ある一定量の通信成功率を満足する限りは極力同一周波数を用いることを前提としている。
周波数を頻繁に変えると、他システム間の干渉を効率的に回避することが不可能になる。ランダム確率に依存する通信成功率しか実現できなくなるためである。
なお、RFIDタグとデータを送受信するアンテナと、そのアンテナにより送受信されるデータの読み取りや書き換えなどを実施するRFIDリーダライタ部などを実装しているリーダライタが下記の特許文献1に開示されている。
ただし、リーダライタが使用する周波数は固定であり、複数の周波数の中から使用する周波数を選択する技術は開示されていない。
特開2001−155120号公報(段落番号[0005]から[0007]、図2)
従来のリーダライタは以上のように構成されているので、事業所系ユーザとコンシューマ系ユーザが同一の周波数を使用する場合ある。この場合、事業所系ユーザとコンシューマ系ユーザにおいて、周波数リソースの競合が発生し、事業所系ユーザがRFIDシステムを安定的に動作させることができない状況が発生するなどの課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、周波数リソースの競合を回避して、システムの安定的な動作を実現することができる周波数選択装置及びリーダライタ管理装置を得ることを目的とする。
この発明に係る周波数選択装置は、タグと無線通信を実施する際、記憶手段に記憶されている複数の周波数の中から、優先順位が高い周波数を優先的に選択する周波数選択手段を設け、その周波数選択手段により選択された周波数の使用状況を判定し、現在使用中であれば、他の周波数の選択を周波数選択手段に指示し、現在未使用中であれば、周波数の選択完了を周波数選択手段に指示するようにしたものである。
この発明によれば、タグと無線通信を実施する際、記憶手段に記憶されている複数の周波数の中から、優先順位が高い周波数を優先的に選択する周波数選択手段を設け、その周波数選択手段により選択された周波数の使用状況を判定し、現在使用中であれば、他の周波数の選択を周波数選択手段に指示し、現在未使用中であれば、周波数の選択完了を周波数選択手段に指示するように構成したので、周波数リソースの競合を回避して、システムの安定的な動作を実現することができる効果がある。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による周波数選択装置が搭載されるリーダライタとRFIDタグから構成されるRFIDシステムを示す構成図である。
図において、RW1,2は事業者系ユーザのリーダライタであり、通信可能エリア1a,2a内に存在するRFIDタグ6,7と無線通信を実施する。
MT3,4,5は消費者系ユーザのリーダライタであり、例えば、RFIDタグ6と無線通信を実施する。
なお、RW1,2は通信可能エリア1a,2a内に存在するRFIDタグ6,7と確実に無線通信を実施する必要があるが、MT3,4,5は無線通信の成功確率が100%である必要はない。
RW1,2及びMT3,4,5には、以下に示す周波数選択装置が搭載される。
図2はこの発明の実施の形態1による周波数選択装置を示す構成図である。図において、周波数記憶部11はRW1,2及びMT3,4,5が共通に使用可能な周波数F1〜F4を記憶する一方、周波数選択装置がRW1,2に実装される場合、RW1,2が使用する周波数F1〜F4の優先順位を記憶する。また、周波数選択装置がMT3,4,5に実装される場合、MT3,4,5が使用する周波数F1〜F4の優先順位を記憶する。なお、周波数記憶部11は記憶手段を構成している。
周波数選択部12はRFIDタグ6,7と無線通信を実施する際、周波数記憶部11に記憶されている周波数F1〜F4の中から、優先順位が高い周波数を優先的に選択する。
なお、周波数選択部12は周波数選択手段を構成している。
キャリアセンス部13は周波数選択部12により選択された周波数の使用状況を判定し、現在使用中であれば、他の周波数の選択を周波数選択部12に指示し、現在未使用中であれば、周波数の選択完了を周波数選択部12に指示する。なお、キャリアセンス部13は使用状況判定手段を構成している。
通信部14は周波数選択部12により最終的に選択された周波数を使用し、アンテナ15を介して、RFIDタグ6,7と無線通信を実施する。
次に動作について説明する。
RW1,2がRFIDタグ6,7と無線通信を実施する場合、RW1,2に実装されている周波数選択装置の周波数選択部12は、周波数記憶部11に記憶されている周波数F1〜F4の中から、優先順位が高い周波数を優先的に選択する。
ここで、図3はRW1,2に実装されている周波数選択装置の周波数記憶部11の記憶内容を示す説明図であり、図3の例では、周波数F1の優先順位が最も高く、周波数F4の優先順位が最も低い。即ち、周波数F1〜F4の優先順位は下記の通りである。
F1>F2>F3>F4
したがって、図3の例では、周波数選択部12は、最初に周波数F1を選択する。
RW1,2に実装されている周波数選択装置のキャリアセンス部13は、周波数選択部12が周波数F1を選択すると、その周波数F1の使用状況を判定する。
キャリアセンス部13は、例えば、アンテナ15による周波数F1の受信強度を所定の閾値Aと比較し、周波数F1の受信強度Sが所定の閾値Aより高ければ(例えば、S≧A)、他のRW又はMTが周波数F1を現在使用していると判断する。
一方、周波数F1の受信強度Sが所定の閾値Aより低ければ(例えば、S<A)、他のRW又はMTが周波数F1を現在使用していないと判断する。
キャリアセンス部13は、周波数F1が現在使用中であると判断すると、他の周波数の選択を周波数選択部12に指示し、現在未使用中であると判断すると、周波数の選択完了を周波数選択部12に指示する。
RW1,2に実装されている周波数選択装置の周波数選択部12は、キャリアセンス部13から選択完了の指示を受けると(周波数F1が現在未使用中であると判断された場合)、通信部14に対して周波数F1の使用を許可する。
一方、キャリアセンス部13から他の周波数の選択指示を受けると(周波数F1が現在使用中であると判断された場合)、周波数記憶部11の記憶内容を参照して、周波数F1の次に優先順位が高い周波数を選択する(図3の例では、周波数F2)。
RW1,2に実装されている周波数選択装置のキャリアセンス部13は、周波数選択部12が周波数F2を選択すると、その周波数F2の使用状況を判定する。
キャリアセンス部13は、周波数F2が現在使用中であると判断すると、他の周波数の選択を周波数選択部12に指示し、現在未使用中であると判断すると、周波数の選択完了を周波数選択部12に指示する。
RW1,2に実装されている周波数選択装置の周波数選択部12は、キャリアセンス部13から選択完了の指示を受けると(周波数F2が現在未使用中であると判断された場合)、通信部14に対して周波数F2の使用を許可する。
一方、キャリアセンス部13から他の周波数の選択指示を受けると(周波数F2が現在使用中であると判断された場合)、周波数記憶部11の記憶内容を参照して、周波数F2の次に優先順位が高い周波数を選択する(図3の例では、周波数F3)。
RW1,2に実装されている周波数選択装置のキャリアセンス部13は、周波数選択部12が周波数F3を選択すると、その周波数F3の使用状況を判定する。
キャリアセンス部13は、周波数F3が現在使用中であると判断すると、他の周波数の選択を周波数選択部12に指示し、現在未使用中であると判断すると、周波数の選択完了を周波数選択部12に指示する。
RW1,2に実装されている周波数選択装置の周波数選択部12は、キャリアセンス部13から選択完了の指示を受けると(周波数F3が現在未使用中であると判断された場合)、通信部14に対して周波数F3の使用を許可する。
一方、キャリアセンス部13から他の周波数の選択指示を受けると(周波数F3が現在使用中であると判断された場合)、周波数記憶部11の記憶内容を参照して、周波数F3の次に優先順位が高い周波数を選択する(図3の例では、周波数F4)。
RW1,2に実装されている周波数選択装置のキャリアセンス部13は、周波数選択部12が周波数F4を選択すると、その周波数F4の使用状況を判定する。
キャリアセンス部13は、周波数F4が現在使用中であると判断すると、現在通信不可能である旨を周波数選択部12に通知し、現在未使用中であると判断すると、周波数の選択完了を周波数選択部12に指示する。
RW1,2に実装されている周波数選択装置の周波数選択部12は、キャリアセンス部13から選択完了の指示を受けると(周波数F4が現在未使用中であると判断された場合)、通信部14に対して周波数F4の使用を許可する。
一方、キャリアセンス部13から現在通信不可能である旨の通知を受けると(周波数F4が現在使用中であると判断された場合)、通信部14に対する周波数の使用許可を与えないようにする。
RW1,2に実装されている周波数選択装置の通信部14は、周波数選択部12により使用許可された周波数を使用し、アンテナ15を介して、RFIDタグ6,7と無線通信を実施する。
次に、MT3,4,5がRFIDタグ6と無線通信を実施する場合、MT3,4,5に実装されている周波数選択装置の周波数選択部12は、周波数記憶部11に記憶されている周波数F1〜F4の中から、優先順位が高い周波数を優先的に選択する。
ここで、図4はMT3,4,5に実装されている周波数選択装置の周波数記憶部11の記憶内容を示す説明図であり、図4の例では、周波数F4の優先順位が最も高く、周波数F1の優先順位が最も低い。即ち、周波数F1〜F4の優先順位は下記の通りであり、RW1,2の場合と逆順になっている。
F4>F3>F2>F1
したがって、図4の例では、周波数選択部12は、最初に周波数F4を選択し、その周波数F4が使用中であれば、未使用中の周波数が見つかるまで、周波数F3,F2,F1の順に選択する。
周波数選択部12における周波数の選択順序が、RW1,2に実装されている周波数選択装置の周波数選択部12と異なる点以外は、同様の処理を実施するため詳細な説明は省略する。
このように、周波数の選択順序が異なることにより、RW1,2又はMT3,4,5が共通に使用可能な周波数F1〜F4の全てを使用していない限り、周波数リソースの競合が発生しなくなる。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、RFIDタグと無線通信を実施する際、周波数記憶部11に記憶されている周波数1〜F4の中から、優先順位が高い周波数を優先的に選択する周波数選択部12を設け、その周波数選択部12により選択された周波数の使用状況を判定し、現在使用中であれば、他の周波数の選択を周波数選択部12に指示し、現在未使用中であれば、周波数の選択完了を周波数選択部12に指示するように構成したので、周波数リソースの競合を回避して、システムの安定的な動作を実現することができる効果を奏する。
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2によるリーダライタ管理装置が適用されるRFIDシステムを示す構成図である。図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
リーダライタ管理装置8はRW1,2又はMT3,4,5がRFIDタグ6等と無線通信を実施する際、使用を許可する周波数をRW1,2又はMT3,4,5に通知する機能を備えている。
図6はこの発明の実施の形態2によるリーダライタ管理装置を示す構成図であり、図において、周波数記憶部21はRW1,2及びMT3,4,5が共通に使用可能な周波数F1〜F4を記憶する一方、RW1,2が使用する周波数F1〜F4の優先順位とMT3,4,5が使用する周波数F1〜F4の優先順位を記憶する。なお、周波数記憶部21は記憶手段を構成している。
周波数選択部22はアンテナ25がRW1,2又はMT3,4,5から周波数の選択要求を受信すると、周波数記憶部21に記憶されている周波数F1〜F4の中から、優先順位が高い周波数を優先的に選択する。
なお、周波数選択部22は周波数選択手段を構成している。
キャリアセンス結果収集部23は周波数選択部22により選択された周波数の使用状況を示すキャリアセンス結果をRW1,2又はMT3,4,5から収集して、その周波数の使用状況を判定し、現在使用中であれば、他の周波数の選択を周波数選択部22に指示し、現在未使用中であれば、周波数の選択完了を周波数選択部22に指示する。なお、キャリアセンス結果収集部23は使用状況判定手段を構成している。
使用周波数通知部24は周波数選択部22により最終的に選択された周波数をRW1,2又はMT3,4,5に通知する。なお、使用周波数通知部24は周波数通知手段を構成している。
次に動作について説明する。
RW1,2がRFIDタグ6,7と無線通信を実施する場合、RW1,2が無線又は有線の通信回線を利用して、周波数の選択要求をリーダライタ管理装置8に送信する。
リーダライタ管理装置8の周波数選択部22は、例えば、アンテナ25がRW1,2から送信された周波数の選択要求を受信すると、周波数記憶部21に記憶されている周波数F1〜F4の中から、優先順位が高い周波数を優先的に選択する。
ここで、図7は周波数記憶部21の記憶内容を示す説明図であり、図7の例では、RW1,2が使用する周波数の中で、最も優先順位が高い周波数はF1であり、周波数F4の優先順位が最も低い。即ち、周波数F1〜F4の優先順位は下記の通りである。
F1>F2>F3>F4
したがって、図7の例では、周波数選択部22は、最初に周波数F1を選択する。
リーダライタ管理装置8のキャリアセンス結果収集部23は、周波数選択部22が周波数F1を選択すると、その周波数F1に対するキャリアセンスをRW1,2に依頼して、RW1,2から周波数F1のキャリアセンス結果を収集し、そのキャリアセンス結果から周波数F1の使用状況を判定する。
キャリアセンス結果収集部23は、例えば、RW1,2における周波数F1の受信強度を所定の閾値Aと比較し、周波数F1の受信強度Sが所定の閾値Aより高ければ(例えば、S≧A)、他のRW又はMTが周波数F1を現在使用していると判断する。
一方、周波数F1の受信強度Sが所定の閾値Aより低ければ(例えば、S<A)、他のRW又はMTが周波数F1を現在使用していないと判断する。
キャリアセンス結果収集部23は、周波数F1が現在使用中であると判断すると、他の周波数の選択を周波数選択部22に指示し、現在未使用中であると判断すると、周波数の選択完了を周波数選択部22に指示する。
リーダライタ管理装置8の周波数選択部22は、キャリアセンス結果収集部23から選択完了の指示を受けると(周波数F1が現在未使用中であると判断された場合)、その周波数F1の使用許可の通知要求を使用周波数通知部24に出力する。
リーダライタ管理装置8の使用周波数通知部24は、周波数選択部22から周波数F1の使用許可の通知要求を受けると、無線又は有線回線を利用して、周波数の選択要求元であるRW1,2に対して周波数F1の使用許可を通知する。
RW1,2は、リーダライタ管理装置8から周波数F1の使用許可通知を受けると、その周波数F1を使用して、RFIDタグ6,7と無線通信を実施する。
リーダライタ管理装置8の周波数選択部22は、キャリアセンス結果収集部23から他の周波数の選択指示を受けると(周波数F1が現在使用中であると判断された場合)、周波数記憶部21の記憶内容を参照して、周波数F1の次に優先順位が高い周波数を選択する(図7の例では、周波数F2)。
リーダライタ管理装置8のキャリアセンス結果収集部23は、周波数選択部22が周波数F2を選択すると、その周波数F2に対するキャリアセンスをRW1,2に依頼して、RW1,2から周波数F2のキャリアセンス結果を収集し、そのキャリアセンス結果から周波数F2の使用状況を判定する。
キャリアセンス結果収集部23は、周波数F2が現在使用中であると判断すると、他の周波数の選択を周波数選択部22に指示し、現在未使用中であると判断すると、周波数の選択完了を周波数選択部22に指示する。
リーダライタ管理装置8の周波数選択部22は、キャリアセンス結果収集部23から選択完了の指示を受けると(周波数F2が現在未使用中であると判断された場合)、その周波数F2の使用許可の通知要求を使用周波数通知部24に出力する。
リーダライタ管理装置8の使用周波数通知部24は、周波数選択部22から周波数F2の使用許可の通知要求を受けると、無線又は有線回線を利用して、周波数の選択要求元であるRW1,2に対して周波数F2の使用許可を通知する。
RW1,2は、リーダライタ管理装置8から周波数F2の使用許可通知を受けると、その周波数F2を使用して、RFIDタグ6,7と無線通信を実施する。
リーダライタ管理装置8の周波数選択部22は、キャリアセンス結果収集部23から他の周波数の選択指示を受けると(周波数F2が現在使用中であると判断された場合)、周波数記憶部21の記憶内容を参照して、周波数F2の次に優先順位が高い周波数を選択する(図7の例では、周波数F3)。
リーダライタ管理装置8のキャリアセンス結果収集部23は、周波数選択部22が周波数F3を選択すると、その周波数F3に対するキャリアセンスをRW1,2に依頼して、RW1,2から周波数F3のキャリアセンス結果を収集し、そのキャリアセンス結果から周波数F3の使用状況を判定する。
キャリアセンス結果収集部23は、周波数F3が現在使用中であると判断すると、他の周波数の選択を周波数選択部22に指示し、現在未使用中であると判断すると、周波数の選択完了を周波数選択部22に指示する。
リーダライタ管理装置8の周波数選択部22は、キャリアセンス結果収集部23から選択完了の指示を受けると(周波数F3が現在未使用中であると判断された場合)、その周波数F3の使用許可の通知要求を使用周波数通知部24に出力する。
リーダライタ管理装置8の使用周波数通知部24は、周波数選択部22から周波数F3の使用許可の通知要求を受けると、無線又は有線回線を利用して、周波数の選択要求元であるRW1,2に対して周波数F3の使用許可を通知する。
RW1,2は、リーダライタ管理装置8から周波数F3の使用許可通知を受けると、その周波数F3を使用して、RFIDタグ6,7と無線通信を実施する。
リーダライタ管理装置8の周波数選択部22は、キャリアセンス結果収集部23から他の周波数の選択指示を受けると(周波数F3が現在使用中であると判断された場合)、周波数記憶部21の記憶内容を参照して、周波数F3の次に優先順位が高い周波数を選択する(図7の例では、周波数F4)。
リーダライタ管理装置8のキャリアセンス結果収集部23は、周波数選択部22が周波数F4を選択すると、その周波数F4に対するキャリアセンスをRW1,2に依頼して、RW1,2から周波数F4のキャリアセンス結果を収集し、そのキャリアセンス結果から周波数F4の使用状況を判定する。
キャリアセンス結果収集部23は、周波数F4が現在使用中であると判断すると、現在通信不可能である旨を周波数選択部22に通知し、現在未使用中であると判断すると、周波数の選択完了を周波数選択部22に指示する。
リーダライタ管理装置8の周波数選択部22は、キャリアセンス結果収集部23から選択完了の指示を受けると(周波数F4が現在未使用中であると判断された場合)、その周波数F4の使用許可の通知要求を使用周波数通知部24に出力する。
リーダライタ管理装置8の使用周波数通知部24は、周波数選択部22から周波数F4の使用許可の通知要求を受けると、無線又は有線回線を利用して、周波数の選択要求元であるRW1,2に対して周波数F4の使用許可を通知する。
RW1,2は、リーダライタ管理装置8から周波数F4の使用許可通知を受けると、その周波数F4を使用して、RFIDタグ6,7と無線通信を実施する。
リーダライタ管理装置8の周波数選択部22は、キャリアセンス結果収集部23から現在通信不可能である旨の通知を受けると(周波数F4が現在使用中であると判断された場合)、使用不許可の通知要求を使用周波数通知部24に出力する。
リーダライタ管理装置8の使用周波数通知部24は、周波数選択部22から使用不許可の通知要求を受けると、無線又は有線回線を利用して、周波数の選択要求元であるRW1,2に対して使用不許可を通知する。
RW1,2は、リーダライタ管理装置8から周波数F4の使用許可通知を受けると、RFIDタグ6,7との無線通信を当面の間断念する。
次に、MT3,4,5がRFIDタグ6と無線通信を実施する場合、MT3,4,5が無線回線を利用して、周波数の選択要求をリーダライタ管理装置8に送信する。
リーダライタ管理装置8の周波数選択部22は、アンテナ25がMT3,4,5から送信された周波数の選択要求を受信すると、周波数記憶部21に記憶されている周波数F1〜F4の中から、優先順位が高い周波数を優先的に選択する。
図7の例では、周波数F4の優先順位が最も高く、周波数F1の優先順位が最も低い。即ち、周波数F1〜F4の優先順位は下記の通りであり、RW1,2の場合と逆順になっている。
F4>F3>F2>F1
したがって、図7の例では、周波数選択部22は、最初に周波数F4を選択し、その周波数F4が使用中であれば、未使用中の周波数が見つかるまで、周波数F3,F2,F1の順に選択する。
周波数選択部22における周波数の選択順序以外は、RW1,2から周波数の選択要求を受信した場合と同様の処理を実施するため詳細な説明は省略する。
このように、周波数の選択順序が異なることにより、RW1,2又はMT3,4,5が共通に使用可能な周波数F1〜F4の全てを使用していない限り、周波数リソースの競合が発生しなくなる。
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、RW1,2又はMT3,4,5から周波数の選択要求を受信すると、周波数記憶部21に記憶されている周波数F1〜F4の中から、優先順位が高い周波数を優先的に選択する周波数選択部22を設け、その周波数選択部22により選択された周波数の使用状況を判定し、現在使用中であれば、他の周波数の選択を周波数選択部22に指示し、現在未使用中であれば、周波数の選択完了を周波数選択部22に指示するように構成したので、周波数リソースの競合を回避して、システムの安定的な動作を実現することができる効果を奏する。
また、この実施の形態2によれば、RW1,2及びMT3,4,5における周波数記憶部11及び周波数選択部12が不要になり、RW1,2及びMT3,4,5の構成が簡略化される効果を奏する。
実施の形態3.
図8はこの発明の実施の形態3による周波数選択装置を示す構成図である。図において、図2と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
周波数記憶部31は周波数選択装置がRW1,2に実装される場合、RW1,2が使用可能な周波数F1〜F3を記憶する。また、周波数選択装置がMT3,4,5に実装される場合、MT3,4,5が使用可能な周波数F4を記憶する。なお、周波数記憶部31は記憶手段を構成している。
ここでは、RW1,2が使用可能な周波数がF1〜F3であり、MT3,4,5が使用可能な周波数がF4であるものについて示すが(図9を参照)、RW1,2が使用可能な周波数とMT3,4,5が使用可能な周波数との割当割合は、回線容量や使用頻度などを考慮して決定すればよい。また、RW1,2が使用可能な周波数とMT3,4,5が使用可能な周波数との割当割合は、地域毎に変更するようにしてもよい。
周波数選択部32はRW1,2がRFIDタグ6,7と無線通信を実施する際、周波数記憶部31に記憶されている周波数F1〜F3の中から任意の周波数を選択し、MT3,4,5がRFIDタグ6と無線通信を実施する際、周波数記憶部31に記憶されている周波数F4を選択する。なお、周波数選択部32は周波数選択手段を構成している。
次に動作について説明する。
RW1,2がRFIDタグ6,7と無線通信を実施する場合、RW1,2に実装されている周波数選択装置の周波数選択部32は、周波数記憶部31に記憶されている周波数F1〜F3の中から、任意の周波数を選択する。
なお、周波数選択部32における周波数の選択方法は特に問わないが、上記実施の形態1と同様に、予め、周波数F1〜F3の優先順位を設定し、優先順位が高い周波数から順番に選択するようにしてもよい。
RW1,2に実装されている周波数選択装置のキャリアセンス部13は、例えば、周波数選択部32が周波数F1を選択すると、上記実施の形態1と同様に、その周波数F1の使用状況を判定する。
キャリアセンス部13は、周波数F1が現在使用中であると判断すると、他の周波数の選択を周波数選択部32に指示し、現在未使用中であると判断すると、周波数の選択完了を周波数選択部32に指示する。
RW1,2に実装されている周波数選択装置の周波数選択部32は、キャリアセンス部13から選択完了の指示を受けると、上記実施の形態1と同様に、通信部14に対して周波数F1の使用を許可する。
一方、キャリアセンス部13から他の周波数の選択指示を受けると、周波数記憶部31の記憶内容を参照して、周波数F2,F3の中から、いずれかの周波数を選択する。
RW1,2に実装されている周波数選択装置のキャリアセンス部13は、例えば、周波数選択部32が周波数F2を選択すると、その周波数F2の使用状況を判定する。
キャリアセンス部13は、周波数F2が現在使用中であると判断すると、他の周波数の選択を周波数選択部32に指示し、現在未使用中であると判断すると、周波数の選択完了を周波数選択部32に指示する。
RW1,2に実装されている周波数選択装置の周波数選択部32は、キャリアセンス部13から選択完了の指示を受けると、上記実施の形態1と同様に、通信部14に対して周波数F2の使用を許可する。
一方、キャリアセンス部13から他の周波数の選択指示を受けると、周波数記憶部31の記憶内容を参照して、残りの周波数F3を選択する。
RW1,2に実装されている周波数選択装置のキャリアセンス部13は、周波数選択部32が周波数F3を選択すると、上記実施の形態1と同様に、その周波数F3の使用状況を判定する。
キャリアセンス部13は、周波数F3が現在使用中であると判断すると、現在通信不可能である旨を周波数選択部32に通知し、現在未使用中であると判断すると、周波数の選択完了を周波数選択部32に指示する。
RW1,2に実装されている周波数選択装置の周波数選択部32は、キャリアセンス部13から選択完了の指示を受けると、上記実施の形態1と同様に、通信部14に対して周波数F3の使用を許可する。
一方、キャリアセンス部13から現在通信不可能である旨の通知を受けると、通信部14に対する周波数の使用許可を与えないようにする。
RW1,2に実装されている周波数選択装置の通信部14は、周波数選択部32により使用許可された周波数を使用し、アンテナ15を介して、RFIDタグ6,7と無線通信を実施する。
次に、MT3,4,5がRFIDタグ6と無線通信を実施する場合、MT3,4,5に実装されている周波数選択装置の周波数選択部32は、周波数記憶部31に記憶されている周波数F4を選択する。
なお、MT3,4,5が使用可能な周波数として、周波数記憶部31に複数の周波数が記憶されていれば、複数の周波数の中から任意の周波数を選択する。
MT3,4,5に実装されている周波数選択装置のキャリアセンス部13は、周波数選択部32が周波数F4を選択すると、上記実施の形態1と同様に、その周波数F4の使用状況を判定する。
キャリアセンス部13は、周波数F4が現在使用中であると判断すると、現在通信不可能である旨を周波数選択部32に通知し、現在未使用中であると判断すると、周波数の選択完了を周波数選択部32に指示する。
MT3,4,5に実装されている周波数選択装置の周波数選択部32は、キャリアセンス部13から選択完了の指示を受けると、上記実施の形態1と同様に、通信部14に対して周波数F4の使用を許可する。
一方、キャリアセンス部13から現在通信不可能である旨の通知を受けると、通信部14に対する周波数の使用許可を与えないようにする。
MT3,4,5に実装されている周波数選択装置の通信部14は、周波数選択部32により使用許可された周波数を使用し、アンテナ15を介して、RFIDタグ6と無線通信を実施する。
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、周波数選択装置がRW1,2に実装される場合、RW1,2が使用可能な周波数F1〜F3を記憶し、周波数選択装置がMT3,4,5に実装される場合、MT3,4,5が使用可能な周波数F4を記憶するように構成したので、周波数リソースの競合を回避して、システムの安定的な動作を実現することができる効果を奏する。
実施の形態4.
図10はこの発明の実施の形態4によるリーダライタ管理装置を示す構成図であり、図において、図6と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
周波数記憶部41はRW1,2が使用可能な周波数F1〜F3を記憶するとともに、MT3,4,5が使用可能な周波数F4を記憶する。なお、周波数記憶部41は記憶手段を構成している。
周波数選択部42はRW1,2がRFIDタグ6,7と無線通信を実施する際、周波数記憶部41に記憶されている周波数F1〜F3の中から任意の周波数を選択し、MT3,4,5がRFIDタグ6と無線通信を実施する際、周波数記憶部41に記憶されている周波数F4を選択する。なお、周波数選択部42は周波数選択手段を構成している。
上記実施の形態3では、周波数選択装置がRW1,2又はMT3,4,5に実装されるものについて示したが、周波数記憶部41を実装しているリーダライタ管理装置8がRFIDシステムに存在する場合、リーダライタ管理装置8の周波数選択部42が、図8の周波数選択部32と同様にして、RW1,2及びMT3,4,5が使用する周波数を決定し、リーダライタ管理装置8の使用周波数通知部24が当該周波数をRW1,2及びMT3,4,5に通知するようにしてもよい。
なお、RW1,2及びMT3,4,5が使用する周波数の決定方法は上記実施の形態3と同様であり、周波数の通知方法は上記実施の形態2と同様であるため説明を省略する。
この実施の形態4の場合も、上記実施の形態3と同様に、周波数リソースの競合を回避して、システムの安定的な動作を実現することができる効果を奏する。
実施の形態5.
上記実施の形態3,4では、RW1,2又はMT3,4,5が使用可能な周波数の全てが現在使用中である場合、通信部14に対する周波数の使用許可を与えない(または、周波数の選択要求元のRW1,2又はMT3,4,5に対して周波数の使用不許可を通知する)ものについて示したが、周波数選択部32,42がキャリアセンス部13又はキャリアセンス結果収集部23から現在未使用中の周波数が存在しない旨を示す判定結果を受けると、予め設定された周波数の借用条件を満足するか否かを判定し、その借用条件を満足する場合に限り、他系ユーザのリーダライタが使用可能な周波数の中から任意の周波数を選択するようにしてもよい。
具体的には次の通りである。
周波数選択部32,42は、RW1,2の使用周波数を選択する場合、上記実施の形態3,4と同様に、周波数記憶部31,41に記憶されている周波数F1〜F3の中から任意に選択する。
しかし、周波数記憶部31,41に記憶されている周波数F1〜F3の全てが現在使用中である場合、予め設定された周波数の借用条件を満足するか否かを判定する。
例えば、周波数の借用条件が、“キャリアセンス部13又はキャリアセンス結果収集部23による判定結果がN回連続して、現在未使用中の周波数が存在しない旨を示す”ことであるとすれば、周波数選択部32,42は、現在未使用中の周波数が存在しない旨を示す判定結果が1回から連続N−1の間は、周波数の借用条件を満足しないと判断し、その判定結果が連続N回になると、周波数の借用条件を満足していると判断する。
周波数選択部32,42は、周波数の借用条件を満足していると判断すると、他系ユーザのリーダライタが使用可能な周波数、即ち、MT3,4,5が使用可能な周波数F4を選択する。
したがって、周波数選択部32,42は、キャリアセンス部13又はキャリアセンス結果収集部23が、周波数F4が現在未使用であると判定すると、RW1,2の通信部14に対して周波数F4の使用を許可する。
また、周波数選択部32,42は、RW1,2の使用周波数を選択する場合、上記実施の形態3,4と同様にして、周波数記憶部31,41に記憶されている周波数F4を選択する。
しかし、周波数記憶部31,41に記憶されている周波数F4が現在使用中である場合、予め設定された周波数の借用条件を満足するか否かを判定する。
例えば、周波数の借用条件が、“キャリアセンス部13又はキャリアセンス結果収集部23による判定結果がN回連続して、現在未使用中の周波数が存在しない旨を示す”ことであるとすれば、周波数選択部32,42は、現在未使用中の周波数が存在しない旨を示す判定結果が1回から連続N−1の間は、周波数の借用条件を満足しないと判断し、その判定結果が連続N回になると、周波数の借用条件を満足していると判断する。
周波数選択部32,42は、周波数の借用条件を満足していると判断すると、他系ユーザのリーダライタが使用可能な周波数、即ち、RW1,2が使用可能な周波数F1〜F3の中から任意の周波数を選択する。なお、周波数の選択方法は特に問うものではなく、上記実施の形態1,2と同様に、優先順位の高い周波数から順番に選択するようにしてもよい(図11を参照)。
したがって、周波数選択部32,42は、キャリアセンス部13又はキャリアセンス結果収集部23が、選択した任意の周波数が現在未使用であると判定すると、MT3,4,5の通信部14に対して当該周波数の使用を許可する。
以上で明らかなように、この実施の形態5によれば、周波数選択部32,42がキャリアセンス部13又はキャリアセンス結果収集部23から現在未使用中の周波数が存在しない旨を示す判定結果を受けると、予め設定された周波数の借用条件を満足するか否かを判定し、その借用条件を満足する場合に限り、他系ユーザのリーダライタが使用可能な周波数の中から任意の周波数を選択するように構成したので、自系の周波数を使用することができない状況下でも、RFIDタグと無線通信を実施できる機会を得ることができる効果を奏する。
実施の形態6.
図12はこの発明の実施の形態6による周波数選択装置を示す構成図であり、図において、図2と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
周波数帯域記憶部51は例えば周波数選択装置がRW1に実装される場合、RW1が使用可能な周波数帯域B1を記憶する。また、周波数選択装置がRW2に実装される場合、RW2が使用可能な周波数帯域B2を記憶する。
ただし、ここでは説明の便宜上、RW2が使用可能な周波数帯域B2は、図13に示すように、RW1が使用可能な周波数帯域B1を包含しているものとする。なお、周波数帯域記憶部51は周波数帯域記憶手段を構成している。
周波数選択部52は例えば周波数選択装置がRW1に実装される場合、RW1が使用可能な周波数帯域B1の中から任意の周波数を選択する。また、周波数選択装置がRW2に実装される場合、RW2が使用可能な周波数帯域B2の中から、RW1が使用可能な周波数帯域B1の範囲外の周波数を優先的に選択する。なお、周波数選択部52は周波数選択手段を構成している。
次に動作について説明する。
RW2が使用可能な周波数帯域B2が、図13に示すように、RW1が使用可能な周波数帯域B1を包含している場合において、RW2が使用する周波数をRW1が使用可能な周波数帯域B1の中から先に選択するようにすると、RW1が使用可能な周波数帯域B1の範囲外、即ち、B2L,B2Rの周波数帯域の中に未使用の周波数が残っているにも拘わらず、RW1が使用可能な周波数帯域B1の中で未使用の周波数が枯渇し、RW1が周波数を使用することができなくなる状況が発生する。
そこで、RW2に実装される周波数選択装置の周波数選択部52は、RW2がRFIDタグ6と無線通信を実施する際、RW2が使用可能な周波数帯域B2の中から、RW1が使用可能な周波数帯域B1の範囲外の周波数を優先的に選択する。
図14は周波数の選択方式を示しており、例えば、周波数帯域B2L又はB2Rの中から、周波数番号の若番号の周波数から順番に選択するようにしている。
また、図14には、老番号の周波数から順番に選択したり、ランダムに選択したりする方式なども示している。
なお、周波数選択部52における周波数の選択以外は、上記実施の形態1,3と同様であるため説明を省略する。
以上で明らかなように、この実施の形態6によれば、RW2が使用可能な周波数帯域B2が、RW1が使用可能な周波数帯域B1を包含している場合、RW2がRFIDタグ6と無線通信を実施する際、RW2が使用可能な周波数帯域B2の中から、RW1が使用可能な周波数帯域B1の範囲外の周波数を優先的に選択するように構成したので、RW1が使用可能な周波数帯域B1における周波数の枯渇の確率を低減することができる効果を奏する。
なお、この実施の形態6では、周波数選択装置がRW1,RW2に実装されるものについて示したが、上記実施の形態2,4,5と同様に、当該周波数選択装置と同様の機能を有するリーダライタ管理装置8を設けるようにしてもよく、同様の効果を奏することができる。
実施の形態7.
上記実施の形態6では、RW2が使用可能な周波数帯域B2が、RW1が使用可能な周波数帯域B1を包含している場合、RW2がRFIDタグ6と無線通信を実施する際、RW2が使用可能な周波数帯域B2の中から、RW1が使用可能な周波数帯域B1の範囲外の周波数を優先的に選択するものについて示したが、図15及び図16に示すように、周波数帯域記憶部51が、RW1が使用可能な周波数帯域B1として、コマンド送信用の周波数帯域f1_txを記憶するとともに、レスポンス受信用の周波数帯域f1_rxを記憶し、また、RW2が使用可能な周波数帯域B2(RW1が使用可能な周波数帯域B1を包含している周波数帯域)として、コマンド送信用の周波数帯域f1_tx,f2_txを記憶するとともに、レスポンス受信用の周波数帯域f1_rx,f2_rxを記憶している場合、RW2がRFIDタグ6と無線通信を実施する際、RW2が使用可能な周波数帯域B2の中から、RW1が使用可能な周波数帯域B1の範囲外、即ち、コマンド送信用の周波数であれば、f2_txの周波数帯域の周波数を優先的に選択し、レスポンス受信用の周波数であれば、f2_rxの周波数帯域の周波数を優先的に選択するようにしてもよい。
この実施の形態7によれば、RW1が使用可能な周波数帯域B1における周波数の枯渇の確率を低減することができる効果を奏する。
実施の形態8.
図17はこの発明の実施の形態8による周波数選択装置を示す構成図であり、図において、図2と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
コマンド用周波数記憶部61はコマンドの送信に使用可能な周波数F1〜F4を記憶し、レスポンス用周波数記憶部62はコマンド用周波数記憶部61に記憶されている周波数と異なり、かつ、そのコマンド用周波数記憶部61に記憶されている周波数より多くの周波数をレスポンス受信用電波の送信に使用可能な周波数F5〜F10として記憶する。
なお、コマンド用周波数記憶部61はコマンド用周波数記憶手段を構成し、レスポンス用周波数記憶部62はレスポンス用周波数記憶手段を構成している。
周波数選択部63はコマンドをRFIDタグ6,7に送信する場合、コマンド用周波数記憶部61に記憶されている周波数F1〜F4の中から任意の周波数を選択し、レスポンス受信用電波をRFIDタグ6,7に送信する場合、レスポンス用周波数記憶部62に記憶されている周波数F5〜F10の中から任意の周波数を選択する。なお、周波数選択部63は周波数選択手段を構成している。
次に動作について説明する。
RW1,2及びMT3,4,5がRFIDタグ6,7と無線通信を実施するに際して、周波数の利用形態は、大きく分けて2つある。
(1)コマンド送信用の送信電力とレスポンス受信用電波(以下、CWという)の送信電力が同一である利用形態
(2)コマンド送信用の送信電力とレスポンス受信用CWの送信電力が異なる利用形態
一般的に、移動体通信においては、送信用周波数と受信用周波数の数を1:1に割り当てることが多いが、RFIDシステムにおいて、コマンド送信用の送信電力とレスポンス受信用CWの送信電力が異なる場合、1:1に周波数を割り当てると、受信側の周波数リソースが足りなくなる。
即ち、レスポンス受信用CWの送信電力は、図18に示すように、電波の伝搬に伴って減衰し、また、RFIDタグにおける反射に伴って減衰するので、コマンド送信用の送信電力の2倍程度の送信電力が必要とされる。
このため、レスポンス受信用CWに用いている周波数帯域では、リーダライタ間で周波数干渉が多く発生するので、使用周波数の間隔を広げる必要があり、受信側の周波数リソースが足りなくなることがある。
そこで、この実施の形態8では、コマンド送信用の周波数帯域における回線収容容量と、レスポンス受信用CWに用いる周波数帯域における回線収容容量を等しくするようにしている。
ここで、回線収容容量とは、ある帯域におけるユーザの収容容量であり、例えばコマンド送信用の周波数帯域において、10個のリーダライタを同時に収容できる場合、“回線収容容量は、10リーダライタ”ということになる。
レスポンス受信用CWに用いる周波数帯域においては、上述したように、干渉が発生しやすいことから、コマンド送信用と同じ周波数帯域を割り当てても、レスポンス受信用CWに用いる周波数帯域では10個のリーダライタを収容できない。したがって、レスポンス受信用CWに用いる周波数帯域を増やす必要がある。
具体的には、下記の通りである。
この実施の形態8では、送信周波数の数と受信周波数の数を非対称に割り当てるため、図19に示すように、コマンドの送信に使用可能な周波数F1〜F4をコマンド用周波数記憶部61に記憶し、レスポンス受信用CWの送信に使用可能な周波数F5〜F10をレスポンス用周波数記憶部62に記憶する。
図19の例では、コマンド送信用周波数の数と、レスポンス受信用CWに用いる周波数の数との比を2:3にしているが、その比は例えば設計によって変化する。
周波数選択部63は、コマンドをRFIDタグ6,7に送信する場合、コマンド用周波数記憶部61に記憶されている周波数F1〜F4の中から任意の周波数を選択し、レスポンス受信用電波をRFIDタグ6,7に送信する場合、レスポンス用周波数記憶部62に記憶されている周波数F5〜F10の中から任意の周波数を選択する。
なお、周波数の選択方法は特に問わないが、上記実施の形態1と同様に、予め、周波数の優先順位を設定し、優先順位が高い周波数から順番に選択するようにしてもよい。
以上で明らかなように、この実施の形態8によれば、コマンド用周波数記憶部61がコマンドの送信に使用可能な周波数F1〜F4を記憶し、レスポンス用周波数記憶部62がコマンド用周波数記憶部61に記憶されている周波数と異なり、かつ、そのコマンド用周波数記憶部61に記憶されている周波数より多くの周波数をレスポンス受信用CWの送信に使用可能な周波数F5〜F10として記憶するように構成したので、コマンド送信用の周波数帯域における回線収容容量と、レスポンス受信用CWに用いる周波数帯域における回線収容容量を等しくすることができる効果を奏する。
この発明の実施の形態1による周波数選択装置が搭載されるリーダライタとRFIDタグから構成されるRFIDシステムを示す構成図である。 この発明の実施の形態1による周波数選択装置を示す構成図である。 RWに実装されている周波数選択装置の周波数記憶部の記憶内容を示す説明図である。 MTに実装されている周波数選択装置の周波数記憶部の記憶内容を示す説明図である。 この発明の実施の形態2によるリーダライタ管理装置が適用されるRFIDシステムを示す構成図である。 この発明の実施の形態2によるリーダライタ管理装置を示す構成図である。 リーダライタ管理装置の周波数記憶部の記憶内容を示す説明図である。 この発明の実施の形態3による周波数選択装置を示す構成図である。 RW及びMTが使用可能な周波数を示す説明図である。 この発明の実施の形態4によるリーダライタ管理装置を示す構成図である。 RW及びMTが使用可能な周波数を示す説明図である。 この発明の実施の形態6による周波数選択装置を示す構成図である。 RWが使用可能な周波数帯域B1,B2を示す説明図である。 周波数の選択方式を示す説明図である。 RWが使用可能な周波数帯域B1,B2を示す説明図である。 RWが使用可能な周波数帯域B1,B2を示す説明図である。 この発明の実施の形態8による周波数選択装置を示す構成図である。 レスポンス受信用CWの送信電力の減衰を示す説明図である。 コマンド送信用周波数とレスポンス受信用CWに用いる周波数を示す説明図である。
符号の説明
1,2 RW(事業者系ユーザのリーダライタ)、1a,2a 通信可能エリア、3,4,5 MT(消費者系ユーザのリーダライタ)、6,7 RFIDタグ、8 リーダライタ管理装置、11 周波数記憶部(記憶手段)、12 周波数選択部(周波数選択手段)、13 キャリアセンス部(使用状況判定手段)、14 通信部、15 アンテナ、21 周波数記憶部(記憶手段)、22 周波数選択部(周波数選択手段)、23 キャリアセンス結果収集部(使用状況判定手段)、24 使用周波数通知部(周波数通知手段)、25 アンテナ、31 周波数記憶部(記憶手段)、32 周波数選択部(周波数選択手段)、41 周波数記憶部(記憶手段)、42 周波数選択部(周波数選択手段)、51 周波数帯域記憶部(周波数帯域記憶手段)、52 周波数選択部(周波数選択手段)、61 コマンド用周波数記憶部(コマンド用周波数記憶手段)、62 レスポンス用周波数記憶部(レスポンス用周波数記憶手段)、63 周波数選択部(周波数選択手段)。

Claims (6)

  1. 事業者系ユーザ及び消費者系ユーザのリーダライタが共通に使用可能な複数の周波数を記憶する一方、事業者系ユーザのリーダライタに実装される場合、事業者系ユーザのリーダライタが使用する周波数の優先順位を記憶し、消費者系ユーザのリーダライタに実装される場合、消費者系ユーザのリーダライタが使用する周波数の優先順位を記憶する記憶手段と、タグと無線通信を実施する際、上記記憶手段に記憶されている複数の周波数の中から、優先順位が高い周波数を優先的に選択する周波数選択手段と、上記周波数選択手段により選択された周波数の使用状況を判定し、現在使用中であれば、他の周波数の選択を上記周波数選択手段に指示し、現在未使用中であれば、周波数の選択完了を上記周波数選択手段に指示する使用状況判定手段とを備えた周波数選択装置。
  2. 記憶手段に記憶される事業者系ユーザのリーダライタが使用する周波数の優先順位と、消費者系ユーザのリーダライタが使用する周波数の優先順位とが異なることを特徴とする請求項1記載の周波数選択装置。
  3. 事業者系ユーザのリーダライタに実装される場合、事業者系ユーザのリーダライタが使用可能な少なくとも1以上の周波数を記憶し、消費者系ユーザのリーダライタに実装される場合、事業者系ユーザのリーダライタが使用可能な周波数と異なる1以上の周波数を消費者系ユーザのリーダライタが使用可能な周波数として記憶する周波数記憶手段と、タグと無線通信を実施する際、上記周波数記憶手段に記憶されている周波数の中から任意の周波数を選択する周波数選択手段と、上記周波数選択手段により選択された周波数の使用状況を判定し、現在使用中であれば、他の周波数の選択を上記周波数選択手段に指示し、現在未使用中であれば、周波数の選択完了を上記周波数選択手段に指示する使用状況判定手段とを備えた周波数選択装置。
  4. 周波数選択手段は、使用状況判定手段から現在未使用中の周波数が存在しない旨を示す判定結果を受けると、予め設定された周波数の借用条件を満足するか否かを判定し、その借用条件を満足する場合に限り、他系ユーザのリーダライタが使用可能な周波数の中から任意の周波数を選択することを特徴とする請求項3記載の周波数選択装置。
  5. 事業者系ユーザ及び消費者系ユーザのリーダライタが共通に使用可能な複数の周波数を記憶する一方、事業者系ユーザのリーダライタが使用する周波数の優先順位と消費者系ユーザのリーダライタが使用する周波数の優先順位を記憶する記憶手段と、事業者系ユーザ又は消費者系ユーザのリーダライタから周波数の選択要求を受けると、上記記憶手段に記憶されている複数の周波数の中から、上記リーダライタにおける優先順位が高い周波数を優先的に選択する周波数選択手段と、上記周波数選択手段により選択された周波数の使用状況を判定し、現在使用中であれば、他の周波数の選択を上記周波数選択手段に指示し、現在未使用中であれば、周波数の選択完了を上記周波数選択手段に指示する使用状況判定手段と、上記周波数選択手段により最終的に選択された周波数を上記リーダライタに通知する周波数通知手段とを備えたリーダライタ管理装置。
  6. 事業者系ユーザのリーダライタが使用可能な少なくとも1以上の周波数を記憶する一方、事業者系ユーザのリーダライタが使用可能な周波数と異なる1以上の周波数を消費者系ユーザのリーダライタが使用可能な周波数として記憶する周波数記憶手段と、事業者系ユーザ又は消費者系ユーザのリーダライタから周波数の選択要求を受けると、上記周波数記憶手段に記憶されている当該リーダライタに係る周波数の中から任意の周波数を選択する周波数選択手段と、上記周波数選択手段により選択された周波数の使用状況を判定し、現在使用中であれば、他の周波数の選択を上記周波数選択手段に指示し、現在未使用中であれば、周波数の選択完了を上記周波数選択手段に指示する使用状況判定手段と、上記周波数選択手段により最終的に選択された周波数を上記リーダライタに通知する周波数通知手段とを備えたリーダライタ管理装置。
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