JP4396824B2 - 高濃度pcbの光照射脱塩素化方法 - Google Patents

高濃度pcbの光照射脱塩素化方法 Download PDF

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本発明は、光照射によりポリ塩化ビフェニール(以下PCBと略称することがある。)を脱塩素化して無害化する方法に関する。
各種ハロゲン化有機化合物のなかでも、PCBは人体を含む生体に極めて有害であることから、1973年に特定化学物質に指定され、その製造、輸入、使用が禁止されている。しかし、その後適切な廃棄方法が決まらないまま数万トンのPCBが未処理の状態で放置されている。PCBは、高温(30〜750℃)分解では強毒性のダイオキシン類である塩素化ジベンゾ−p−ダイオキシン(PCDD)とジベンゾフラン(PCDF)が副生することから、技術的にPCBを安全に分解することが難しく、永年にわたりPCBの安全で効率的な各種分解法が検討されている。
また、PCB処理設備の建設やPCBの輸送にはアセスメントが必要であることより、特殊な装置を用いることなく変圧器貯蔵所などの現場でPCBの無害化処理が可能で、しかも、PCBを安全に大量処理することができ、かつ安価に分解処理できる方法の開発が望まれている。
光照射によるPCBの分解方法として、紫外線分解が知られているが、紫外線処理のみでは分解後に低塩素化PCBが残ってしまうため、完全分解処理するために、PCB分解菌にて生物処理などを行う必要がある。そこで、光触媒を用いて光照射によりPCBを分解する方法が提案されているが、光触媒の存在下で光(可視光又は紫外光)照射を行っただけではPCBの分解は不十分である。
光照射によるPCBの分解効率を高める手段として、特許文献1には、PCBを含む油に水及び二酸化チタン触媒を加え、酸素源を吹き込みながら光(太陽光又は紫外光)を照射し、ハロゲンイオンが溶けている水相と油相を分離する方法が提案されている。この方法では、被処理油に二酸化チタン触媒と共に水を加えることが重要であり、水を加えない場合はPCBが殆んど分解できていない。
また、特許文献2には、光触媒(酸化チタン)を用いたPCBの光分解方法であって、PCB含有液をpH調製剤によりpH調製しながら、臭素酸カリウムを添加して紫外線照射下で光分解する方法が提案されている。この方法では、アルカリで反応液のpHを7.0〜8.0に維持することで、10ppm程度の低濃度PCBを略分解できることが報告されているが、光触媒分解反応において生成した電子が正孔と再結合して反応が阻害されることを防止するため、臭素酸カリウムなどの電子受容体付与剤を添加するのが好ましいとされている。
特開平11−80775号公報(請求項1、段落0004、段落0014等) 特開2001−29942号公報(段落0006、段落0017等)
本発明は、前記従来の課題に鑑みてなされたものであり、脱塩素化が困難な高濃度PCBを、安全に大量に脱塩素化して無毒化することができ、より低コストで、しかも副反応生成物が生成する可能性の低い、実用上可能な脱塩素化方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、濃度100%のPCBと有機系水素供与体とアルカリ化合物とを混合し、光触媒の存在下、常温常圧で光照射することにより、外部から水素及び熱を供給することなく、2〜3週間でPCBの脱塩素化が可能になることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ポリ塩化ビフェニール、水素供与体及びアルカリ化合物の混合溶液に、光触媒(貴金属を担持した光触媒を除く)の存在下で太陽光を照射し、外部から水素ガスを供給することなく、ポリ塩化ビフェニールから塩素を除去することを特徴とするポリ塩化ビフェニールの脱塩素化方法を提供する。
本発明の方法においては、前記ポリ塩化ビフェニールの濃度が100〜100,000ppm(混合溶液全量中)であるのが好ましく、500〜10,000ppmであるのが、特に好ましい。また、前記アルカリ化合物の濃度が0.1〜50質量%(水素供与体及びアルカリ化合物の合計量中)であるのが好ましく、該アルカリ化合物が水素供与体に溶解した状態であるのが、より好ましい。
本発明によれば、外部から水素及び熱を供給することなくPCBの脱塩素化が可能であるため、低コストで、安全に大量のPCBを脱塩素化して無毒化することができる。さらに、添加する薬剤量はPCB量に対し100〜1000倍量(容量)が好適であるが、かかる場合でも処理温度を上げる必要がなく(加温不要)、変圧器を保管している貯蔵所等の現場で処理することをも可能としたものである。
前記ポリ塩化ビフェニールの脱塩素化方法においては、前記水素供与体が、複素環式化合物、アミン系化合物、アルコール系化合物、ケトン系化合物及び脂環式化合物からなる群から選ばれた少なくとも一つの化合物であることが好ましく、アルコール系化合物から選ばれた少なくとも一つの化合物であることが、より好ましい。水素供与体のなかでもこれらの有機系水素供与体の一種又は二種以上の混合物を使用することにより、PCBの脱塩素化効率を高めることができる。
また、前記ポリ塩化ビフェニールの脱塩素化方法においては、前記アルカリ化合物が、苛性ソーダ、苛性カリ、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド及び水酸化カルシウムからなる群から選ばれた少なくとも一つの化合物であることが好ましい。アルカリ化合物のなかでもこれらの化合物の一種又は二種以上の化合物を使用することにより、PCBの脱塩素化効率を高めることができる。
以上説明した通り、本発明によれば、高濃度PCBを、常温、常圧で簡易に分解処理することができるので、変圧器貯蔵所などの現場でそのまま脱塩素化処理を実施することができる。よって、実用的な規模で大量の高濃度PCBを無毒化することが可能となるので、その実用的価値は大である。
本発明の高濃度PCBの脱塩素化方法は、高濃度PCB、水素供与体及びアルカリ化合物を混合し、この混合溶液に光触媒の存在下で光を照射することにより、ポリ塩化ビフェニールから塩素を除去することを特徴とする。以下、本発明の詳細を説明する。
本発明で対象とするポリ塩化ビフェニールとしては、ビフェニール化合物に塩素原子が置換した化合物が含まれ、その置換塩素原子の数は1個〜10個である。平均置換塩素原子数は、一般に2〜6個である。本発明では、これらのポリ塩化ビフェニールから選択された少なくとも一種を用いることができ、それぞれ単独で又は二種以上を任意に組合わせたものも用いることができる。
一般に、ポリ塩化ビフェニールは単一化合物として存在せずに、塩素原子の数や置換位置が異なる混合物として存在する。従って、塩素原子の数及び置換位置の組み合せからして209種の異性体が存在し、市販品には100を越える異性体が存在している。
例えば、コプラナーPCBとしては、3,4,4’,5−テトラクロロビフェニール、3,3’,4,4’−テトラクロロビフェニール、3,3’,4,4’,5−ペンタクロロビフェニール、3,3’,4,4’,5,5’−ヘキサクロロビフェニール、2,3,3’,4,4’−ペンタクロロビフェニール、2,3,4,4’,5−ペンタクロロビフェニール、2,3’,4,4’,5−ペンタクロロビフェニール、2’,3,4,4’,5−ペンタクロロビフェニール、2,3,3’,4,4’,5−ヘキサクロロビフェニール、2,3,3’,4,4’,5’−ヘキサクロロビフェニール、2,3’,4,4’,5,5’−ヘキサクロロビフェニール、2,3,3’,4,4’,5,5’−ヘプタクロロビフェニール等が挙げられる。
PCBは、通常PCB単体の混合物として市販されており、これらがコンデンサやトランスに使用されている。その具体例としては、鐘淵化学(株)の KC−200(2塩化ビフェニール)、KC−300(3塩化ビフェニール)、KC−400(4塩化ビフェニール)、KC−500(5塩化ビフェニール)、KC−600(6塩化ビフェニール)や、三菱モンサイト(株)のアロクロール1254(54% Chlorine)等が挙げられる。
以下に一例として、市販品KC−300の異性体の分布(重量%)を示す。
モノクロロビフェニール 若干
ジクロロビフェニール 12.10%
トリクロロビフェニール 54.98%
テトラクロロビフェニール 27.05%
ペンタクロロビフェニール 4.72%
ヘキサクロロビフェニール 1.08%
ヘプタクロロビフェニール 若干
オクタクロロビフェニール 0
ノナクロロビフェニール 0
デカクロロビフェニール 0
本発明において、「水素供与体」とは、ポリ塩化ビフェニールから発生したラジカルに対して、水素原子を供与することができる化合物を意味し、例えば、複素環式化合物、アミン系化合物、アルコール系化合物、ケトン系化合物、及び脂環式化合物等の有機系水素供与体等が挙げられる。これらの化合物はPCBの脱塩素化効率に優れている。中でも、安全性の観点より、アルコール系化合物、ケトン系化合物、脂環式化合物が好ましく、特に、安全性が高く、低コストで入手可能であり、しかも反応制御が容易で、PCB分解効率が高い点より、アルコール系化合物が好ましい。水素供与体は、単独で又は二種以上を任意に組合わせて使用することができる。
ここで、前記の複素環式化合物としては、例えば1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)等が挙げられる。
前記のアミン系化合物としては、例えばジメチルエチレンジアミン等が挙げられる。
前記のアルコール系化合物としては、脂肪族アルコール、芳香族アルコールのいずれであってもよく、直鎖又は分岐鎖を有する一価アルコールや多価アルコールを、制限なく用いることができる。アルコール系化合物の炭素数は1〜12の範囲が好ましく、より好ましくは2〜9の範囲、さらに好ましくは3〜6の範囲である。前記アルコール系化合物の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール等の脂肪族アルコール、シクロプロピルアルコール、シクロブチルアルコール、シクロペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、シクロヘプチルアルコール、シクロオクチルアルコール等の脂環式アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、デカリンジオール等の多価アルコール等が挙げられる。これらの中でも、分解効率の点から2−プロパノール、シクロヘキサノールが特に好ましい。
前記のケトン系化合物としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トリシクロドデカノン等が挙げられる。
前記の脂環式化合物としてはテトラリン、シクロヘキサン等が挙げられる。
本発明で用いるアルカリ化合物としては、ポリ塩化ビフェニールの脱塩素化反応を促進しうるものであれば制限なく使用することができるが、脱塩素化効率を高める観点より、苛性ソーダ、苛性カリ、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、水酸化カルシウム等が好ましく用いられる。中でも、コストやハンドリング性の観点より、苛性ソーダ、苛性カリが特に好ましい。アルカリ化合物は、単独で又は二種以上を任意に組合わせて使用することができる。
本発明で用いる光触媒としては、光触媒活性を有する金属酸化物が好適に用いられる。その種類は特に限定されない。具体例としては、例えば、アナターゼ型二酸化チタン、ルチル型二酸化チタン、ブルッカイト型二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉛、酸化第二鉄等が挙げられる。これらの複数種を適宜混合して用いても良い。好ましくは、プラズマ法や湿式法(アンモニア加水分解処理)などによる酸素欠陥型の酸化チタン光触媒(TiO2−x)(より好ましくは、アナターゼ型酸化チタン)、窒素ドープ法などによる窒素ドープ型酸化チタン光触媒(TiO2−x,x=N)(より好ましくは、アナターゼ型酸化チタン)、イオン注入法や、金属ドープ法などによるV、Cr、Ni、Mn、Fe、W等の遷移金属注入型酸化チタン(より好ましくは、アナターゼ型酸化チタン)、マグネトロンスパッタ法などによる薄膜型酸化チタン光触媒などの可視光応答可能な酸化チタン光触媒が良い。また、CdS、Fe、硫化モリブデン、GaAs、WOなどの可視光応答性が良いが光触媒活性が弱いもしくは不安定な物質(単一もしくは複数)をHTiなどの半導体の層間に包接することで、活性を向上させた光触媒を用いることも考えられる。光触媒は、一種又は複数種を適宜混合して用いることができる。
本発明の脱塩素化方法では、上記の水素供与体とアルカリ化合物を別々に反応系に添加しても良く、事前に両者をプレ攪拌してアルカリ化合物を水素供与体に溶解させておいても良い。脱塩素化を速める観点からは、アルカリ化合物を水素供与体に溶解したものを反応系に供給するのが好ましい。プレ攪拌の方法は特に限定されない。例えば、水素供与体とアルカリ化合物とを混合し、これを3000rpmのホモミキサーで20分程度攪拌することにより、アルカリ化合物を水素供与体中に完全に溶解させることが可能となる。
本発明の方法では、水素供与体をポリ塩化ビフェニールに対し、1〜10000(容量比)用いることが好ましい。水素供与体の容量比が1未満では溶液の粘度が高くなり、また分解反応が進まなくなる。また、水素供与体の容量比が10000を超えると、反応は十分進むが、実用上意味がない。前記容量比は、50〜5000がより好ましく、100〜1000が特に好ましい。
また、水素供与体/アルカリ化合物混液中におけるアルカリ化合物量は、水素供与体に対する割合(質量%)として、0.1〜50%とするのが好ましい。前記質量割合が0.1%未満では分解反応が進まず、50%を超えるとアルカリが溶解しきれなくなる。前記質量割合は1〜10%がより好ましい。
また、光触媒の添加量は、反応溶液全量に対する質量比として、0.001〜0.5とするのが好ましい。前記質量比が0.001未満では水素発生量が少なくなるため脱塩素化が進行し難くなり、前記質量比が0.5を超えると反応系の撹拌混合が難しくなり、経済的にも不利となる。より好ましくは0.005〜0.2である。
光照射のための光源は、太陽光良い。
本発明の脱塩素化方法において、攪拌する場合は、振とうによる外部からの攪拌、攪拌子による内部からの攪拌、超音波によるミクロ的な攪拌の三通りが考えられるが、いずれの方法を用いてもよい。振とうによる外部からの攪拌としては、例えば、変圧器容器を、振動式攪拌機、振動台、振とう機等を用いて加振する方法(例えば、垂直および/または水平方向へ平行振動させる方法、回旋振動させる方法など)などが挙げられる。攪拌子による内部からの攪拌としては、例えば、攪拌羽根やマグネチックスターラー等の攪拌子を用いて反応溶液を攪拌する方法などが挙げられる。
振とうあるいは攪拌子による攪拌の場合、その回転数は5rpm〜500rpmの範囲とするのが好ましい。5rpm未満では分解反応速度が遅くなり、500rpmを超えると振とうのエネルギー効率が悪くなる。より好ましくは、20rpm〜200rpmの範囲が望ましい。
また攪拌する場合は、連続攪拌、間欠攪拌のいずれの方法を採用してもよい。攪拌時間及び攪拌停止時間は、溶液中のPCB濃度、水素供与体の種類や量、反応触媒の種類や量等に応じて適宜に決定することができる。
反応時間は特に限定されないが、0.5日〜6ヶ月が望ましい。0.5日未満ではPCBの分解反応が不十分であり、6ヶ月を超える反応時間では実用上意味がない。さらに望ましくは1日〜3ヶ月とするのがよい。
本発明の方法においては、PCB、アルカリ化合物及び水素供与体を混合し、該混合溶液が光触媒と接触するように攪拌しながら、常温(−15〜60℃)で放置することによりPCBの脱塩素化反応が進行するので、外部加熱は不要である。副生成物を抑制するため、反応温度が水素供与体の還流条件とならないように水素供与体を選択するのが良い。
本発明の方法によれば、高濃度PCBがほぼ完全に分解されるので、当該方法で分解されたビフェニールを回収することにより、燃料として再利用することができる。
本発明の高濃度PCBの脱塩素化方法によれば、外部から水素ガスや熱を加える場合より若干遅い速度でPCBが分解し脱塩素化される。その機構は明らかではないが、アルカリ化合物(アルカリ化合物/水素供与体混液を調製した場合は、ここから提供されるアルカリ金属アルコキシド)がPCBの脱ハロゲン化反応を促し、そこに水素供与体からの水素ラジカルが入り込むものと考えられる。分解速度が遅くても、変圧器の貯蔵所等の現場であれば新たな加熱源等を用意せずとも放置するだけでPCBを処理できる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。また、以下の実施例等において、特に言及する場合を除き、「質量%」は「%」と略記する。
高濃度PCBとして、KC−400(4塩化ビフェニール、鐘淵化学(株)製)0.1mlを三角フラスコに用意した。そこに、アルカリ物質として、日本曹達製KOHフレーク(95%)1.00gと、有機系水素供与体として和光純薬製イソプロピルアルコール72.64gとを、3000rpmのホモミキサーで20分攪拌し混液としたものを加えた。さらに、酸化チタン光触媒(エコデバイス(株)製、ブルーアクティブ パウダー BA−PW25)1gを添加し、東京理化機械製の振とう機(EYELA3010型)で60rpmで21日間連続振とうさせた。実験は常温(約25℃)で実施した。その間、UVランプ(岡谷電機工業(株)ZL−40B)を用いて、三角フラスコ内の溶液に波長254nmの紫外線を照射した。ランプ出力は2±1W、紫外線強度は100μW/cm/10cmとした。
実験で用いたKC−400の異性体分布(質量%)を以下に示す。
モノクロロビフェニール 0.01%
ジクロロビフェニール 0.48%
トリクロロビフェニール 17.47%
テトラクロロビフェニール 51.43%
ペンタクロロビフェニール 27.92%
ヘキサクロロビフェニール 2.55%
ヘプタクロロビフェニール 0.14%
オクタクロロビフェニール 0%
ノナクロロビフェニール 0%
デカクロロビフェニール 0%
(テトラクロロビフェニールの組成)
2,3,4,5−テトラクロロビフェニール、2,3,4,6−テトラクロロビフェニール、2,2’,3,4−テトラクロロビフェニール、2,3,3’,4−テトラクロロビフェニール、2,3,4,4’−テトラクロロビフェニール、3,4,4’,5−テトラクロロビフェニール、3,3’,4,4’−テトラクロロビフェニールなどを主に含有。
(評価方法)
反応前後の溶液をDB1(J&Wサイエンティフィック製)をキャピラリーカラムとする(株)島津製作所製のガスクロマトグラフィー質量分析計QP5050(以下、「GC−MS」)にかけ、PCBのピーク面積の変化から脱塩素化(分解率)を確認した。
実施例1において、紫外線を照射する替わりに太陽光を照射した以外は、実施例1と同様にして、光照射によるPCBの分解実験を実施した。なお、太陽光は日照時間内のみの照射とした。
実施例1〜2及び比較例1の実験条件、評価結果を表1にまとめて示す。
Figure 0004396824
表1の結果から、経日によりPCBが消失することが確認できた。

Claims (6)

  1. ポリ塩化ビフェニール、水素供与体及びアルカリ化合物の混合溶液に、光触媒(貴金属を担持した光触媒を除く)の存在下で太陽光を照射し、外部から水素ガスを供給することなく、ポリ塩化ビフェニールから塩素を除去することを特徴とするポリ塩化ビフェニールの脱塩素化方法。
  2. 前記ポリ塩化ビフェニールの濃度が500〜100,000ppm(混合溶液全量中)である請求項1に記載のポリ塩化ビフェニールの脱塩素化方法。
  3. 前記アルカリ化合物の濃度が0.1〜50質量%(水素供与体及びアルカリ化合物の合計量中)である請求項1又は2に記載のポリ塩化ビフェニールの脱塩素化方法。
  4. 前記アルカリ化合物が水素供与体に溶解した状態である請求項1〜3のいずれかに記載のポリ塩化ビフェニールの脱塩素化方法。
  5. 前記水素供与体が、複素環式化合物、アミン系化合物、アルコール系化合物、ケトン系化合物及び脂環式化合物からなる群から選ばれた少なくとも一つの化合物である請求項1〜4のいずれかに記載のポリ塩化ビフェニールの脱塩素化方法。
  6. 前記アルカリ化合物が、苛性ソーダ、苛性カリ、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド及び水酸化カルシウムからなる群から選ばれた少なくとも一つの化合物である請求項1〜4のいずれかに記載のポリ塩化ビフェニールの脱塩素化方法。
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