JP4395383B2 - Agc回路 - Google Patents

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Description

本発明は、入力された高周波電力を一定の電力レベルで出力するAGC回路に関するものであり、とりわけ、モニタ電圧に対して、可変減衰器の減衰量を線形的に減衰させるための線形化回路を、簡単な回路構成で実現するAGC回路に関する。
高周波信号の入力に対して、ある一定のダイナミックレンジで出力を一定化させる回路としてAGC回路が公知である。このAGC回路は、携帯電話に代表される移動体通信やFWAといった固定マイクロ波通信を含むあらゆる無線通信分野において、フェージング補償回路として用いられている。図8は、従来のAGC回路の一例を示す。以下、図8を用いて、従来のAGC回路の動作について説明する。
図8において、ここでは図示しないアンテナにより受信された高周波信号Pinは、AGC回路100に入力され、比較電圧Vsにより定まる一定の電力レベルPoutで出力される。より詳細に説明すると、AGC回路100内に入力された高周波信号Pinは、可変減衰器30に入力され、制御電流Ipにより定まる減衰を受け、分配器50を介して出力される。このとき、分配器50に入力された高周波信号Pinの一部が、検波器70により検波され、高周波信号Pinのレベルに応じた検波電圧Vdを比較回路90に出力する。そして、比較回路90では、AGC回路100から出力される電力レベルPoutを設定するための比較電圧Vsと、検波器70から出力された検波電圧Vdとを比較し、該比較結果に基づいた設定電圧Vcを、線形化回路10に出力する。さらに、線形化回路10では、入力された設定電圧Vcに基づいて、可変減衰器30に制御電流Ipを出力することにより、可変減衰器30の減衰量を制御する。従って、AGC回路100は、入力された高周波信号Pinの電力レベルが変動しても、入力レベルに応じて可変減衰器30の減衰量を制御しているため、高周波信号Poutを一定の値で出力させることができる。次に、可変減衰器30について詳細に説明する。
図9は、減衰素子としてpinダイオードを用いた場合のマイクロ波帯における可変減衰器の回路構成を示す。ここで、正規化インピーダンスをZ0とし、可変減衰器30の入出力電圧を、それぞれvi、voとする。入力信号源31から入力端bに入力された入力電圧viは、ダイオード33,37及び、マイクロストリップ線路35のインピーダンスにより決定される減衰を受け、出力端aから出力される。ここで、ダイオード33及び37の高周波インピーダンスをZpとし、マイクロストリップ線路35の電気長を高周波信号Pinの4分の1波長(すなわちジャイレータとして機能させる)とすると、可変減衰器30の伝達関数(減衰量)は、式1のようになる。
Figure 0004395383
さらに、ダイオード33及び37に制御電流Ipが流れたときの高周波インピーダンスZpは式2で近似される。
Figure 0004395383
従って、前述した可変減衰器30の伝達関数(減衰量)を表す式1は、制御電流Ipの関数として表すことができる。さらに、式2において、ダイオード33及び37に制御電流Ipが流れたときの高周波インピーダンスZpを制御電流Ipと反比例の関数として近似すると、式1に示した可変減衰器30の伝達関数(減衰量)は、制御電流Ipの2乗項,比例項,定数項からなる多項式となる。
ここで、Zp/Z0=1となるときの制御電流Ipを1として正規化し、式2を式1に代入すると、正規化された制御電流Ipに対する可変減衰器30の減衰量は図10に示すようになる。図10から、見受けられるように、制御電流Ipに対する可変減衰器30の減衰量は、非線形特性を有している。さらに、従来の線形化回路10は、入力される設定電圧Vcに対して、出力される制御電流Ipが比例特性であるため、入力電力Pinに対する設定電圧Vcの特性が図11に示すようになる。従って、設定電圧Vcをモニタ電圧として受信電力をモニタする場合において、以下のような課題があった。
例えば、モニタ電圧から受信電力を求める必要があるものの一例として、FWA、FPU等におけるパラボラアンテナの据え付け工事が挙げられる。パラボラアンテナの据付工事では、電波発信源の方向に対して、正確にパラボラアンテナの向きを向かわせる必要がある。このとき、パラボラアンテナから受信された受信電力レベルが規定電力か否かを判断しつつ、パラボラアンテナの向きを調整する。このときモニタ端子から出力された電圧値を基にして受信電力レベルを検出することになるが、モニタ端子から出力された電圧値が受信電力に対して非線形特性を有しているとすると、モニタ電圧に対する入力電力の特性を図示したグラフなどが必要となり、現地作業者は、そのグラフを参照しつつ据付工事をすることになる。このため、モニタ電圧(設定電圧Vc)に対して減衰量を線形化させるために、折れ線近似により近似する方法及び回路構成も提案されている(特許文献1)。
特開平9−93059号公報 特開平10−112620号公報
しかしながら、前述したような折れ線近似を用いた方法は、折れ点を多く実装しなければならず回路構成を複雑にする又は複雑な処理が必要であった。このため、モニタ電圧と可変減衰器の減衰特性を線形化させるための線形化回路を単純な構成で実現することが望まれる。
本発明の構成は、入力された高周波電力を、減衰素子に流れる電流により減衰量を制御して出力する可変減衰器と、前記可変減衰器から出力された高周波電力の一部を検波する検波器と、高周波電力の出力レベルを設定する比較電圧と前記検波電圧とを比較し、該比較結果に基づく設定電圧を出力する比較回路と、前記設定電圧に基づいた制御電流を、前記可変減衰器に出力する線形化回路と、を有するAGC回路において、前記設定電圧と電源電圧により定まる基準電圧とを演算増幅し出力する第一の演算増幅回路と、エミッタに電源電圧が印加され、ベースに前記第一の演算増幅回路から出力された電圧が印加され、コレクタから前記設定電圧に対して指数特性を有する電流を出力する指数トランジスタと、を有する指数回路と、前記指数トランジスタのコレクタに接続され、定電流を流す定電流源と、前記設定電圧と前記電源電圧により定まる基準電圧とを演算増幅し出力する第二の演算増幅回路を有し、前記設定電圧に対して比例特性を有する電流を出力する比例回路と、を備え、前記線形化回路は、前記指数回路から出力された電流と、前記定電流源に流れる電流と、前記比例回路から出力された電流と、を加算して出力することを特徴とする。
また、本発明は、前記第一及び第二の演算増幅回路に正の温度特性を有する素子を接続し、前記定電流源に負の温度特性を有する素子を備えることが望ましい。
また、本発明は、前記指数トランジスタとエミッタが共通接続され、ベースとコレクタが接続され、コレクタ電位を、前記第一の演算増幅回路に、基準電圧として印加するトランジスタを備えた線形化回路を含むことが望ましい。
本発明の他の構成は、入力された高周波電力を、減衰素子に流れる電流により減衰量を制御して出力する可変減衰器と、前記可変減衰器から出力された高周波電力の一部を検波する検波器と、高周波電力の出力レベルを設定する比較電圧と前記検波電圧とを比較し、該比較結果に基づく設定電圧を出力する比較回路と、前記設定電圧に基づいた制御電流を、一対のトランジスタを用いて前記可変減衰器に出力する線形化回路と、を有するAGC回路において、前記一対のトランジスタにおけるエミッタ間の電位差が設定電圧で決まる値となるように演算増幅し出力する第一の演算増幅回路と、ベースに前記第一の演算増幅回路から出力された電圧が印加され、エミッタから前記設定電圧に対して指数特性を有する電流を出力する指数トランジスタと、を有する指数回路と、前記指数トランジスタのエミッタに接続され、定電流を流す定電流源と、前記設定電圧と電源電圧により定まる基準電圧とを演算増幅し出力する第二の演算増幅回路を有し、前記設定電圧に対して比例特性を有する電流を出力する比例回路と、前記指数トランジスタとコレクタ及びベースが共通接続され、エミッタ電位を前記第一の演算増幅回路に帰還量として負帰還で印加するトランジスタを有する線形化回路と、を備え、前記線形化回路は、前記指数回路から出力された電流と、前記定電流源に流れる電流と、前記比例回路から出力された電流と、を加算して出力することを特徴とする。
また、本発明の他の構成は、前記第一及び第二の演算増幅回路に正の温度特性を有する素子を接続し、前記定電流源に負の温度特性を有する素子を備えることが望ましい。
また、本発明の他の構成は、前記第一及び第二の演算増幅回路に正の温度特性を有する素子を接続し、前記定電流源に負の温度特性を有する素子を備えることが望ましい。
本発明のAGC回路によれば、簡単な回路構成で、モニタ電圧Vcから入力電力をモニタすることができる。また、温度補償を施すことにより、温度変化に対応することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の第一の実施形態に係るAGC回路における線形化回路である。以下に、第一の実施形態に係る線形化回路について詳細に説明する。
「第一の実施形態」
図1に示した線形化回路は、定電流Irを流す定電流源11と、入力された設定電圧Vcに対して指数特性を有する電流Iaを出力する指数回路13とを備え、定電流Irと電流Iaとを加算した制御電流Ipを出力する構成である。以下、定電流源11及び、指数回路13について詳細に説明する。
まず、定電流源11について詳細に説明する。定電流源11には、電源電圧Vccが印加され、抵抗R4、トランジスタTR1、抵抗R1及びR4により定まる定電流Irを抵抗R1に流す。さらに、トランジスタTR2は、トランジスタTR1と電流ミラー回路を構成しており、その電流ミラー比を1:1と設定すると、トランジスタTR2のエミッタに接続された抵抗R2には定電流Irが流れる。ここで、トランジスタTR2のコレクタ電流をIc2とし、エミッタ電流とコレクタ電流が、ほぼ同じ値であるものとすると、
Ic2 = Ir ・・・ (3)
となる。従って、定電流源11は定電流Irを出力することができる。
次に、指数回路13について詳細に説明する。指数回路13のトランジスタTR3は、定電流源11のトランジスタTR1と電流ミラー回路を構成しており、その電流ミラー比を1:1と設定すると、トランジスタTR3のエミッタに接続された抵抗R3には定電流Irが流れる。そして、トランジスタTR3のコレクタ電流をIc3とし、エミッタ電流とコレクタ電流が、ほぼ同じ値であるものとすると、
Ic3 = Ir ・・・ (4)
となる。ここで、トランジスタTR4のコレクタと、トランジスタTR3のコレクタとの間(A点)には、電源電圧VccからトランジスタTR4のベースエミッタ間電圧VBE4だけ降下した電位(Vcc−VBE4)が印加される。そして、前述したA点の電位(Vcc−VBE4)が、抵抗R7及びR8により分圧され演算増幅回路IC1に印加される。ここで、トランジスタTR3に流れる電流Irは定電流であるため、A点における電位は変化しない。従って、電源電圧Vccにより定まる一定の電位が第一の演算増幅回路IC1に基準電圧として印加されることになる。
そして、指数回路13は、演算増幅回路IC1において、印加された設定電圧Vcと、前述した基準電圧とを演算増幅し、指数トランジスタTR5のベースに出力する。ここで、指数トランジスタTR5のエミッタ電位は、電源電圧Vccで一定の値であるため、指数トランジスタTR5のベースエミッタ間電圧VBE5は、設定電圧Vcに応じて変動することになる。従って、指数トランジスタTR5のコレクタに出力される電流Iaは、設定電圧Vcに応じて出力される。
ここで、指数回路13の指数トランジスタTR5のコレクタに流れる電流Iaについて詳細に説明する。指数トランジスタTR5のコレクタに流れる電流Iaを求めるためには、指数トランジスタTR5のベースエミッタ間電圧VBE5を求める必要がある。ここで、指数トランジスタTR5のエミッタ電圧は、Vccが印加されているため、ベース電圧、すなわち、演算増幅回路IC1の出力電圧を求めることにより、指数トランジスタTR5のベースエミッタ間電圧VBE5が求まる。演算増幅回路IC1はA点の電位(Vcc−VBE4)を抵抗R7及びR8により分圧した電位を基準としている。A点の電位は、指数トランジスタTR5とペアに配置されたトランジスタTR4のベースエミッタ間電圧VBE4により設定される電圧であるため、指数トランジスタTR5のコレクタに流れる電流Iaは、VBE5とVBE4の差分ΔVBEの関数として表現することができる。
ここで、バイポーラトランジスタのベースエミッタ間電圧VBEと、エミッタ電流Ie(及びコレクタ電流Ic)の関係は、pn接合における順方向電圧Vfに対する、順方向電流Ifで近似できる(Vf=VT×ln(If/Is4))ことから、トランジスタTR4及びTR5のベースエミッタ間電圧を、それぞれVBE4、VBE5とすると、その差分ΔVBEは、式5のようになる。
ΔVBE = VBE5−VBE4
= VT×ln(Ia/Is4)−VT×ln(Ir/Is5)
・・・(5)
ここで、VTは、ボルツマン定数kと、絶対温度Tと、電荷量qとからなる熱電圧(VT=kT/q)であり、Is4及びIs5は、トランジスタTR4及びTR5の各々の飽和電流である。
そして、トランジスタTR4とTR5の飽和電流Is4とIs5が等しいものとすると、トランジスタTR5のコレクタに出力される電流Iaは、式5を展開して、式6のようになる。
Ia = Ir×exp(ΔVBE/VT) ・・・ (6)
さらに、R5=R7、R6=R8とし、トランジスタTR3のベース電流及び抵抗R6,R8に流れる電流が微小である(無視できるレベル)とすると、ΔVBEは、式7のようになる。
ΔVBE = (R6/R5)×Vc ・・・ (7)
そして、式7を式6に代入することにより、式8が導かれる。
Ia = Ir×exp((R6/R5)×(Vc/VT)) ・・・ (8)
従って、式8に示すように、図1に示す指数回路13は、設定電圧Vcに対して指数特性を有する電流Iaを出力することができる。
従って、図1に示した線形化回路において、入力された設定電圧Vcに対して出力される制御電流Ipは、前述した定電流源11からの出力電流−Irと、指数回路13からの出力電流Iaとを加算した値になるため、式9のようになる。
Ip = Ia−Ir
= Ir×exp((R6/R5)×(Vc/VT))−Ir ・・・ (9)
ここで、一例として、設定電圧Vcが1V増える毎に可変減衰器の減衰量を10dB増える線形化回路を設計するものとすると、式10a及び10bのような条件となる。
Ia = exp(Vc/1.5) ・・・ (10a)
Ir = −1 ・・・ (10b)
さらに、式10a及び10bを、式9に代入したときの、(正規化された)制御電流Ipに対する設定電圧Vc及び減衰量の特性を図示すると、図2のようになる。図2では、正規化制御電流Ipに対して、設定電圧Vcと減衰量とが、減衰量が30dBを少し上回る程度まで、ほぼ同じ特性であることを示している。従って、図2に示したような理想的な近似をすることができたものとすると、モニタ電圧Vcに対する可変減衰器の減衰量は、図3に示すように線形的に変化することが可能となる。
「第二の実施形態」
また、第一の実施形態の図1に示した線形化回路に、設定電圧Vcに対して比例特性を有する電流を出力する比例回路を設けて、設定電圧Vcに対する減衰量を近似させても良い。そこで、第二の実施形態として、第一の実施形態で示した線形化回路に、新たに比例回路15を備えた線形化回路を、図4を用いて説明する。図4において、定電流源11、指数回路13は、第一の実施形態において、図1を用いて説明した回路と同一もしくは類似の構成であり、その動作も同一もしくは類似の動作をするものであるため、定電流源11及び指数回路13の説明は、ここでは割愛する。以下、比例回路15について、詳細に説明する。
比例回路15において、第二の演算増幅回路IC2には、電源電圧Vccを抵抗R9,R10により分圧した電位が印加される。ここで、電源電圧Vccが一定の値であるため、電源電圧Vccにより定まる一定の電位が第二の演算増幅回路に基準電圧として印加されることになる。
そして、比例回路15は、第二の演算増幅回路IC2において、印加された設定電圧Vcと、前述した基準電圧とを演算増幅し抵抗R13に出力する。ここで、B点の電位をVbとすると、抵抗R13に流れる電流Ibは、式11のようになる。
Ib = (Vcc−Vb)/R13 ・・・ (11)
ここで、R9=R11、R10=R12とし、R10、R12に流れる電流が微小(無視できるレベル)とすると、
Vcc−Vb = (R10/R9)×Vc ・・・ (12)
となる。従って、式12を式11に代入すると、
Ib = (R10/(R9×R13))×Vc ・・・ (13)
となる。ここで、トランジスタTR6のエミッタ電流とコレクタ電流が、ほぼ等しいものとすると、トランジスタTR6のコレクタから、式13で示したIbが出力される。従って、比例回路15は、入力された設定電圧Vcに対して比例特性を有する電流Ibを出力することができる。
ここで、比例回路15を備えたことによる線形化回路から出力される制御電流Ipの特性は、式14で表すことができる。
Ip = Ia+Ib−Ir ・・・ (14)
さらに、設定電圧Vcに対して出力される制御電流Ipを求めるために、式14に第一の実施形態で示した式9と式13を代入すると、
Ip = Ir×exp((R6/R5)×(Vc/VT))+(R10/(R9×R13))×Vc−Ir ・・・(15)
となる。従って、第二の実施形態に示す線形化回路では、設定電圧Vcに対して指数特性、比例特性、定数により近似式回路を構成することが可能となる。
前述した第一の実施形態で説明した線形化回路(比例回路15なし)と、第二の実施形態で説明した線形化回路(比例回路15あり)との設定電圧Vcに対する減衰量に関する実測値を図5に示す。各々の線形化回路において、設定電圧Vcが1V増える毎に可変減衰器30の減衰量が10dB増えるように定数を選択し、周波数帯は18.5GHzで実測した。図5からもわかるように、制御電圧Vcに対する減衰量の実測値は、図3に示した理論値と非常に近い値であることがわかる。ここで、比例回路15がなしの場合を比例回路15がある場合と比べると、低電圧(設定電圧Vcが2V以下)領域において良好な線形特性を有し、制御電圧Vcが2V以上の領域では飽和しやすい特性であることがわかる。従って、比例回路15を線形化回路に備えるか否かは、使用する周波数帯及び入出力電力等の仕様に応じて適宜設計すれば良い。
「第三の実施形態」
前述の第一及び第二の実施形態で説明した線形化回路は、指数回路13及び比例回路15を、pnpトランジスタを用いて構成していた。しかし、pnpトランジスタとnpnトランジスタとを比べた場合、一般的にnpnトランジスタの性能の方がばらつき等の諸特性が優れている。そこで、第三の実施形態として、指数回路及び比例回路をnpnトランジスタで構成する線形化回路について、図6を用いて説明する。
図6は、指数回路14のトランジスタTR7及び指数トランジスタTR8と、比例回路16のトランジスタTR9をnpnトランジスタで構成した線形化回路である。図6において、定電流源11は、第一及び第二の実施形態で示したものと同一もしくは類似の構成であり、その動作も同一もしくは類似の動作をするものとする。以下、指数回路14及び、比例回路16について、詳細に説明する。
まず、指数回路14について説明する。指数回路14は、トランジスタTR7及び指数トランジスタTR8のベース及びコレクタが共通接続され、各々のコレクタに電源電圧Vccが印加される。そしてトランジスタTR7のエミッタと、指数トランジスタTR8エミッタとの間の電位差が、Vc×(R6/R5)となるよう第一の演算増幅回路及びトランジスタ7で負帰還制御をする構成となっている。以下に詳細に説明する。
指数回路14の指数トランジスタTR8のエミッタに流れる電流Iaについて詳細に説明する。前述したように、指数トランジスタTR8のエミッタに流れる電流Iaを求めるためには、指数トランジスタTR8のベースエミッタ間電圧VBE8を求める必要がある。まず、線形化回路10の出力端には、可変増幅器30のpinダイオード33(又は37)の負荷で決まる電圧Vpが印加されている。そして、この出力端電圧Vpと設定電圧Vcとの電位差(Vp−Vc)が抵抗R5,R6により分圧され、GNDレベルを基準とすると、(Vp+(Vc−Vp)×(R6/R5+R6))の値を持つ電圧が、基準電圧として、第一の演算増幅回路IC3に印加されることになる。そして、第一の演算増幅回路IC3はA点とC点との電位差がVc×(R6/R5)となるようトランジスタTR7を介して負帰還制御し、トランジスタTR7及び指数トランジスタTR8のベース電圧を制御する。そして前述した制御量に応じて指数トランジスタTR8のエミッタから電流Iaが出力されることになる。さらに、トランジスタTR7のエミッタ電位と、指数トランジスタTR8のエミッタ電位との差分は、ベース電圧が共通のため、指数トランジスタTR8のエミッタに流れる電流Iaは、VBE8とVBE7の差分ΔVBEの関数として表現することができる。
ここで、第一の演算増幅回路IC3からA点とC点の間に対して出力される電圧差はVBE8とVBE7の差分ΔVBEである。さらに、第一の演算増幅回路IC3は、入力された設定電圧Vcに対して、図6のIC3,R5,R6,R7,R8から構成されるいわゆるレベルシフタ回路としての出力電圧がVc×(R6/R5)として出力される。従ってΔVBEは、第一の実施形態で示した式7と同じになり、指数トランジスタTR8のエミッタに流れる電流Iaは、式8と同じ式が導くことが出来る。従って、指数回路14は入力電圧Vcに対して、指数特性を有する電流Iaを出力することができる。
次に、比例回路16について、以下に詳細に説明する。比例回路16は、第二の演算増幅回路IC4がトランジスタTR9を介して、負帰還で印加される電圧を基準として、入力電圧Vcと演算増幅して出力する構成である。ここで、第二の実施形態で示した比例回路15と同様に、R9=R11、R10=R12とし、R10、R12に流れる電流を無視できるものとすると、抵抗R13の両端に印加される電位差は、(R10/R9)×Vcとなる。なお、トランジスタTR9は、エミッタホロワとして動作しており、第二の演算増幅回路IC4のドライブ能力が十分にあれば無くとも良い。このため、比例回路16に入力される設定電圧Vcに対する出力電流Ibは、第二の実施形態で示した式13と同じになる。従って、指数回路14のトランジスタTR7及び指数トランジスタTR8と、比例回路16のトランジスタTR9をnpnトランジスタで構成しても第二の実施形態で示した線形化回路を具備したAGC回路と同じ特性が得られる。なお、前述したように、第一の実施形態の指数回路13と、第三の実施形態に示した指数回路14が、同様な特性が得られる。従って、図6を用いて第三の実施形態に示した線形化回路において、比例回路16をなしにしたときの特性は、第一の実施形態と同様な特性となる。
「第四の実施形態」
図9に示した可変減衰器のpinダイオードのインピーダンス特性は、温度特性を有する。このため、温度特性を補償した制御電流Ipを出力することにより、AGC回路全体の温度補償も可能となる。そこで、第四の実施形態として、可変減衰器の温度特性に合わせた制御電流を出力させる線形化回路を図7に示す。以下に、温度補償された制御電流Ipを出力する線形化回路について、図7を用いて、詳細に説明する。
可変減衰器に用いたpinダイオードのインピーダンスZpの温度特性は、式16に示す式で表される。
Figure 0004395383
式16からわかるように温度変数Tは分子にある。このため、分母にある制御電流Ipを同じ温度特性とすれば、pinダイオードのインピーダンスZpは温度補償され、可変減衰器の温度依存性を抑えることができる。
図7において、定電流源11bは、第一から三の実施形態における定電流源11に、温度補償用としてトランジスタTR10及びTR11を挿入したものであり、基本的な動作については第一から三の実施形態における定電流源11と同じである。さらに、指数回路14bは、第三の実施形態に示した指数回路14に温度補償用として、感温抵抗R6b及びR8bを挿入したものであり、基本的な動作については第三の実施形態における指数回路14と同じである。そして、比例回路16bは、第3の実施形態に示した比例回路16に温度補償用として、感温抵抗R10b、R12bを挿入したものであり、基本的な動作については第三の実施形態における比例回路16と同じである。以下に温度補償を施した定電流源11b、指数回路14b及び、比例回路16bについて、詳細に説明する。
まず、定電流源11bの温度補償について説明する。定電流源11bのトランジスタTR1のベースエミッタ間電圧VBE1は、負の温度特性を有している。このため、定電流Irは正の温度特性を有することになる。従って、トランジスタTR10及びTR11のようにベースエミッタ間VBEを追加して調整することにより、可変減衰器のpinダイオードのインピーダンスZpの温度特性をキャンセルできる。
次に、指数回路14bの温度補償について説明する。抵抗R6b及びR8bを正の温度係数を有する感温抵抗を用いることにより、指数回路14bのIC3からの出力電圧(Vc×(R6/R5)=ΔVBE)を調整し、指数トランジスタTR8から出力される出力電流Iaの温度補償を行うことができる。
そして、比例回路16bの温度補償について説明する。指数回路14bと同様に、抵抗R10b及びR12bを正の温度係数を有する感温抵抗にすることにより、比例回路16bの出力電流Ibに正の温度特性を持たせることができる。従って、可変減衰器のpinダイオードのインピーダンスZpの温度特性をキャンセルできる。
本発明の第一の実施形態に係るAGC回路の線形化回路を示す回路図である。 本発明の第一の実施形態に係るAGC回路の線形化回路の正規化制御電流Ipに対する設定電圧Vc及び可変減衰器の減衰量の特性を示す図である。 本発明の第一の実施形態に係るAGC回路の線形化回路に入力される設定電圧Vcと可変減衰器の減衰量を示す図である。 本発明の第二の実施形態に係るAGC回路の線形化回路を示す回路図である。 本発明の第一及び第二の実施形態に係るAGC回路の線形化回路に入力される制御電圧Vcに対する可変減衰器の減衰量の実測値を示す図である。 本発明の第三の実施形態に係るAGC回路の線形化回路を示す回路図である。 本発明の第四の実施形態に係るAGC回路の線形化回路を示す回路図である。 従来のAGC回路を示す図である。 従来のAGC回路の可変減衰器を示す回路図である。 従来のAGC回路における正規化制御電流Ipに対する可変減衰器の減衰量を示す図である。 従来のAGC回路における設定電圧Vc(モニタ電圧)に対する可変減衰器の減衰量を示す図である。
符号の説明
10 線形化回路、11,11b 定電流源、13,14,14b 指数回路、15,16,16b 比例回路、30 可変減衰器、50 分配器、70 検波器、90 比較回路、100 AGC回路。

Claims (5)

  1. 入力された高周波電力を、減衰素子に流れる電流により減衰量を制御して出力する可変減衰器と、
    前記可変減衰器から出力された高周波電力の一部を検波する検波器と、
    高周波電力の出力レベルを設定する比較電圧と前記検波電圧とを比較し、該比較結果に基づく設定電圧を出力する比較回路と、
    前記設定電圧に基づいた制御電流を、前記可変減衰器に出力する線形化回路と、
    を有するAGC回路において、
    前記設定電圧と電源電圧により定まる基準電圧とを演算増幅し出力する第一の演算増幅回路と、エミッタに電源電圧が印加され、ベースに前記第一の演算増幅回路から出力された電圧が印加され、コレクタから前記設定電圧に対して指数特性を有する電流を出力する指数トランジスタと、を有する指数回路と、
    前記指数トランジスタのコレクタに接続され、定電流を流す定電流源と、
    前記設定電圧と前記電源電圧により定まる基準電圧とを演算増幅し出力する第二の演算増幅回路を有し、前記設定電圧に対して比例特性を有する電流を出力する比例回路と、
    を備え、
    前記線形化回路は、前記指数回路から出力された電流と、前記定電流源に流れる電流と、前記比例回路から出力された電流と、を加算して出力することを特徴とするAGC回路。
  2. 請求項1に記載のAGC回路において、
    前記第一及び第二の演算増幅回路に正の温度特性を有する素子を接続し、前記定電流源に負の温度特性を有する素子を備えることを特徴とするAGC回路。
  3. 請求項1に記載のAGC回路において、
    前記線形化回路は、前記指数トランジスタとエミッタが共通接続され、ベースとコレクタが接続され、コレクタ電位を前記第一の演算増幅回路に基準電圧として印加するトランジスタを含むことを特徴とするAGC回路。
  4. 入力された高周波電力を、減衰素子に流れる電流により減衰量を制御して出力する可変減衰器と、
    前記可変減衰器から出力された高周波電力の一部を検波する検波器と、
    高周波電力の出力レベルを設定する比較電圧と前記検波電圧とを比較し、該比較結果に基づく設定電圧を出力する比較回路と、
    前記設定電圧に基づいた制御電流を、一対のトランジスタを用いて前記可変減衰器に出力する線形化回路と、
    を有するAGC回路において、
    前記一対のトランジスタにおけるエミッタ間の電位差が設定電圧で決まる値となるように演算増幅して出力する第一の演算増幅回路と、ベースに前記第一の演算増幅回路から出力された電圧が印加され、エミッタから前記設定電圧に対して指数特性を有する電流を出力する指数トランジスタと、を有する指数回路と、
    前記指数トランジスタのエミッタに接続され、定電流を流す定電流源と、
    前記設定電圧と電源電圧により定まる基準電圧とを演算増幅し出力する第二の演算増幅回路を有し、前記設定電圧に対して比例特性を有する電流を出力する比例回路と、
    前記指数トランジスタとコレクタ及びベースが共通接続され、エミッタ電位を前記第一の演算増幅回路に印加するトランジスタを有する線形化回路と、
    を備え、
    前記線形化回路は、前記指数回路から出力された電流と、前記定電流源に流れる電流と、前記比例回路から出力された電流と、を加算して出力することを特徴とするAGC回路。
  5. 請求項4に記載のAGC回路において、
    前記第一及び第二の演算増幅回路に正の温度特性を有する素子を接続し、前記定電流源に負の温度特性を有する素子を備えることを特徴とするAGC回路。
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