JP4395372B2 - 試験サンプル中のMycoplasmapneumoniaeの存在を決定するための組成物、方法およびキット - Google Patents

試験サンプル中のMycoplasmapneumoniaeの存在を決定するための組成物、方法およびキット Download PDF

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Description

本出願は、米国特許仮出願第60/335,015号(2001年11月2日出願)に対して優先権を主張し、その内容全体は、本明細書に参考として援用される。
(発明の分野)
本発明は、試験サンプル中のMycoplasma Pneumoniaeおよび/またはMycoplasma Genitaliumの存在の決定に有用なハイブリダイゼーションアッセイプローブ、捕捉プローブ、増幅プライマー、核酸組成物、方法およびキットに関連する。
(参考文献による援用)
本明細書で引用されるすべての参考文献は、その全体が参考として援用される。これらの参考文献(単独で、発明者らによりこれらの参考文献すべての内容の任意の部分が主張もしくは承認として構成されるべきではない)または任意の参考文献の援用は、特許出願に必要とされる任意の国もしくは地域の法令開示を満たすために必要な材料であると考えられる。にもかかわらず、本発明者らは、検査を行う権限もしくは法廷によって必要であると判断された材料を提供するために適切なこれらの参考文献のいずれかに依存する権利を保持している。本明細書で引用された参考文献は、請求項に係る発明に対して先行技術であると認められない。
(発明の背景)
マイコプラズマは、Mollicutes綱に属する小さな原核生物(0.2〜0.3μm)であり、そのメンバーは、細胞壁がなく、小さなゲノムサイズを有する。Mollicutes綱には、少なくとも100種のマイコプラズマ(そのうち13種が人間に感染することが既知である)が含まれる。これらの種のうちの一つ、M.pneumoniaeは、院外感染性肺炎(非肺炎球菌性細菌性肺炎)の主要な原因である。この型の肺炎は、アメリカ合衆国で毎年200万人に至る呼吸器感染症を引き起こす。マイコプラズマ非肺炎球菌性呼吸器感染の発生率は、この数字より10〜20倍高いと推定されている。GERALD L.MANDELLら、PRINCIPLES AND PRACTICE OF INFECTIOUS DISEASES §D(第5版 2000)を参照のこと;また、PATRICK R.MURRAYら、MANUAL OF CLINICAL MICROBIOLOGY §V(第6版 1995)を参照のこと。
M.pneumoniae感染は、一般的に穏やかであるが、これらに感染した生物の10%が治療もしくは入院を必要とする気管支肺炎に進行する。M.pneumoniae感染の最も一般的な初期症状は気管気管支炎である。X線所見は広範に変化し、そしてしばしばM.pneumoniae感染(例えば、インフルエンザ様乾性咳、咽頭炎、発熱、倦怠感、頭痛および鼻詰まり)と典型的に関連をもつ症状が示唆するよりもより重篤な状態を示す。血液学的な合併症、筋骨格の合併症、心臓血管の合併症、皮膚科学的な合併症および神経性の合併症が報告されているが、特別な肺外部位からの生物の回復はまれである。ELMER W.KONEMAN,COLOR ATLAS AND TEXTBOOK OF DIAGNOSTIC MICROBIOLOGY 862(第5版 1997)を参照のこと。
M.pneumoniae感染は、特に多数の人口で通年発生するが、一般的には、晩秋もしくは冬に最高に達する。この生物の隔離の発生は、年齢とともに増加し、老人の肺炎の原因となるStreptococcus pneumoniaeに次いで2番目である。M.pneumoniae関連の肺炎は、5歳以上の子供および若年成人に最も一般的に見られる。混雑した軍隊の集団、キャンプおよび学校は、M.Pneumoniae感染によって起こる院外感染性肺炎に対して特に危険な状態である。ある研究において、若い軍隊の新兵において見られる肺炎の50%以上がM.Pneumoniaeに関連性があった。Grayら、「Respiratory diseases among U.S. military personnel:countering emerging threats」,Emerg.Infect.Dis.3:379〜387(1999)を参照のこと。
M.pneumoniaeについての培養インキュベーション時間は、一般的には2〜3週間の範囲であり、たいていのウイルス呼吸器感染症よりもきわめて長い。臨床症状の後に、M.pneumoniae感染に関連する症状は、一般的には3〜10日続く。適切な抗生物質による治療は、M.pneumoniae感染に関連する呼吸器症状の持続時間を有意に短くし得る。しかしながら、培養および多くの有効な診断テストは困難で、時間がかかり、そしてまた容易に利用できないので、効果のない抗生物質による治療がしばしば処方され、それによって症状の期間を不必要に長引かせる。
M.pneumoniae感染の診断は、しばしば単に臨床兆候および臨床症状に基づく。培養は、M.pneumoniae感染を診断するためのゴールドスタンダードのままであるが、選好性のM.pneumoniae生物の単離、検出および同定は困難であり、完了するまでに数週間かかり得る。診断はまた、寒冷凝集素の存在の証明に基づいている。しかし、寒冷凝集素はM.pneumoniaeに感染した何人かの患者では決して発現し得ず、またリンパ腫および種々のウイルス性疾患(エプスタイン−バーウイルスおよびサイトメガロウイルスによって引き起こされる単核球症を含む)でも観察されるので、このテストは非特異的な指標である。補体結合抗体についてのアッセイはまた、M.pneumoniae感染を確かめるためにも用いられるが、感染において抗体が生じるのはあまりに遅いため、診断判断および治療判断を導くことにおいては実用的価値がほとんどない。酵素免疫測定法もまたM.pneumoniaeに対して指向されたIgMおよびIgGを検出するために発達してきたが、感染して1〜2週間まで陽性にならないため、その有用性が制限される。さらに、抗原補捉(間接的免疫測定)は、痰サンプル中のM.pneumoniae抗原を検出するために用いられている;しかし、このアッセイの試薬は、M.genitalium抗原と交差反応する。例えば、Bartlettら、「Community−Acquired Pneumonia in Adults:Guidelines for Management」,Clin. Infect.Dis.,26:811−838(1998)を参照のこと。従って、臨床的に適切な期間内で、試験サンプル中のM.pneumoniaeの存在を決定するために用いられ得る、高感度かつ特異的なアッセイが必要である。
臨床的関連性もまた、試験サンプル中のM.genitaliumの検出となる。性感染症である非淋菌性尿道炎(NGU)の原因と考えられているM.genitaliumは、無症候性の人よりも症候性の人において著しく広範囲に検出された。Yoshidaら、「Phylogeny−Based Rapid Identification of Mycoplasma and Ureaplasmas from Urethritis Patients」,J.Clin.Microbiol.,40:105−110(2002)を参照のこと。NGUに加えて、M.genitaliumは、重篤な場合では女性の不妊症を引き起こし得る、骨盤内炎症性疾患に関与していると考えられている。JACK MANILOFFら、MYCOPLASMAS:MOLECULAR BIOLOGY AND PATHOGENESIS 417 (ASM 1992)を参照のこと。M.genitaliumはまた、気道の疾患も引き起こし得、いくつかのアッセイにとって、M.pneumoniaeの存在とM.genitaliumの存在との間の区別をつけることが重要となる。LEE H.HILBORNEら、A REVIEW OF THE SCIENTIFIC LITERATURE AS IT PERTAINS TO THE GULF WAR ILLNESSES,VOL.1:INFECTIOUS DISEASES CH.3(Rand 2000)を参照のこと。従って、M.pneumoniaeとM.genitaliumとを区別し得る、試験サンプル中のM.genitaliumの存在を特異的に検出するためのアッセイを有することが、臨床的に重要なことである。
(発明の要旨)
本発明は、オリゴヌクレオチドを特徴とすることによって、M.pneumoniaeに特異的な高感度アッセイのための臨床的な必要性に対する解決策を提供し、このアッセイは、M.pneumoniaeが試験サンプル(例えば、院外感染性肺炎有していると疑われる個体から得られた喉あるいは鼻咽頭の塗抹標本から得られる)中に存在するか否かを決定するのに有用である。よりまれに、M.pneumoniaeの存在を検出するための試料が、関節液吸引液、脳脊髄液、滑液、生殖管ならびに実験溶液、培養物および他サンプル培地から得られ得る。本発明はまた、オリゴヌクレオチドを特徴とすることによって、M.genitaliumに特異的な高感度アッセイのための臨床的な必要性に対する解決策を提供し、このアッセイは、M.genitaliumが試験サンプル(例えば、尿道、肛門管、女性の下部生殖器官もしくは気道から得られる)中に存在するか否かを決定するのに有用である。特徴とされるオリゴヌクレオチドは、試験サンプル中に存在するM.pneumoniae由来の標的核酸配列を検出、固定化および/または増幅するのに有用である、ハイブリダイゼーションアッセイプローブ、ヘルパープローブ、捕捉プローブおよび/また増幅プライマー中に含まれ得る。
本発明の実施形態の一つにおいて、ハイブリダイゼーションアッセイプローブが提供され、このハイブリダイゼーションアッセイプローブは、検出可能なプローブを形成するためにM.pneumoniae由来の核酸中に存在する標的領域にハイブリダイズし:標的ハイブリッドは、試験サンプル中のM.pneumoniaeの存在を示す。この実施形態のプローブは、標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含んでおり、この標的結合領域の塩基配列は、以下からなる群から選択される塩基配列から構成されるかまたはこれらの塩基配列内に含まれる:
Figure 0004395372
これらのプローブは、ストリジェントなハイブリダイゼーションアッセイ条件下において、非M.pneumoniae生物由来の核酸、特にM.genitalium由来の核酸よりも標的核酸に優先的にハイブリダイズする。
本発明の別の実施形態において、ハイブリダイゼーションアッセイプローブが提供され、このハイブリダイゼーションアッセイプローブは、検出可能なプローブを形成するためにM.genitalium由来の核酸に存在する標的領域にハイブリダイズし:標的ハイブッドは、試験サンプル中のM.Genitaliumの存在を示す。この実施形態のプローブは、標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含んでおり、この標的結合領域の塩基配列は、以下からなる群から選択される塩基配列から構成されるかまたはこれらの塩基配列内に含まれる:
Figure 0004395372
これらのプローブは、ストリジェントなハイブリダイゼーションアッセイ条件下において、非M.genitalium生物由来の核酸、特にM.pneumoniae由来の核酸よりも標的核酸に優先的にハイブリダイズする。
本発明におけるM.pneumoniaeまたはM.genitaliumに対するプローブの標的結合領域の塩基配列は、好ましくは、示された配列の少なくとも12個連続した塩基を含む、より好ましくは、示された配列に対して少なくとも約80%相同であり、さらにより好ましくは示された配列に対して少なくとも約90%相同であり、そして、最も好ましくは示された配列(標的配列にハイブリダイズしないかまた標的核酸と非標的核酸との間の区別に干渉しない、標的結合領域内の内部バルジもしくは無塩基の領域は除く)から成る。好ましい実施形態においては、相同性の程は、標的配列へのハイブリダイゼーションに利用可能である、示された配列内に存在する連続した塩基領域に基づく。標的結合領域は、DNA、RNA、DNAとRNAの組合せから成り得るか、あるいはその標的結合領域は、核酸アナログ(例えば、ペプチド核酸)であり得るか、また1つ以上改変されたヌクレオシド(例えば、2’−O−メチルのリボフラノシル部分への置換を有するリボヌクレオシド)を含み得る。最も好ましくは、本発明のハイブリダイゼーションアッセイプローブは、示された配列から成る核酸または核酸アナログであり、そして検出可能な標識もしくはリポーター基を必要に応じて含む。本発明のプローブは、好ましくは、35、50または100塩基長までのオリゴヌクレオチドである。
本発明のハイブリダイゼーションアッセイプローブは、標的結合領域の塩基配列に加え、ストリジェントな条件下において、標的生物(すなわち、M.pneumoniaeまたはM.genitalium)由来の核酸に安定に結合しない、1つ以上の塩基配列を含み得る。付加塩基配列は、ストリジェントな条件下において、標的生物由来の核酸に安定して結合しない、もしくは標的核酸へのプローブの安定したハイブリダイゼーションを阻害する限り、任意の所望の塩基配列から構成され得る。一例として、付加塩基配列は、捕捉プローブの固定化プローブ結合領域を構成し得る。その固定化プローブ結合領域は、例えば、ストリジェントな条件下において固体支持体に直接もしくは間接的に結合するポリヌクレオチドの5’ポリdT(チミン)領域にハイブリダイズする、3’ポリdA(アデニン)領域から構成される。付加塩基配列は、RNAポリメラーゼによって認識される5’側配列でもあり得るかまたはその塩基配列は、RNAポリメラーゼ(例えば、T7プロモーター)によって開始または伸長を増強する。第一の配列が、例えば、「分子ビーコン」プローブに取り込まれる場合、1つより多い付加塩基配列が含まれ得る。分子ビーコンは、Tyagiら,「Detectably Labeled Dual Conformation Oligonucleotide Probes, Assays and Kits」,米国特許第5,925,517号により開示され、また互いに少なくとも部分的に相補な領域を有する二つの塩基配列によって結合される、標識結合領域を含む。分子ビーコンのより詳細な説明は、「Hybridization Assay Probes to M.pneutnoniae or M.genitalium Ribosomal Nucleic Acid.」と題した章中以下に提供される。付加塩基配列は標的結合領域に直接結合し得るかまたは、例えば非ヌクレオチドリンカーにより直接結合し得る。
必要とされないが、プローブは、好ましくは、検出可能な標識または相互作用の群を含む。標識は、任意の適切な標識物質(放射性同位体、酵素、補酵素、酵素基質、色素、ハプテン、化学発光分子、蛍光分子、りん光分子、電気化学発光分子、発色団、一定の条件下で標的核酸配列に安定して結合できない塩基配列領域、およびこれらを混合したものが挙げられるが、これらに限定されない)であり得る。特に好ましい実施形態において、標識は、アクリジニウムエステル(AE)、好ましくは4−(2−スクシンイミジルオキシカルボニルエチル)−フェニル−10−メチルアクリジニウム−9−カルボキシレートフルオロスルオホネート(以下、「標準AE」と呼ぶ)である。相互作用標識の群としては、酵素/基質、酵素/補酵素、発光物質/消光剤、発光物質/付加物、色素二量体およびFoerresterエネルギー移動対が挙げられるが、これらに限定されない。
別の実施形態において、本発明は試験サンプル中に、M.pneumoniae生物が存在するか否かを測定するために有用なプローブ混合物を企図する。例えば、これらの生物の存在を測定するために、プローブ混合物は、上記の、M.pneumoniaeプローブの一つ以上のヘルパープローブのうちの一つを含み得る。好ましくは、このヘルパープローブは、100塩基長までのオリゴヌクレオチド、より好ましくは、12〜50塩基長、そしてなおより好ましくは18〜35塩基長である。
本発明はまた、ストリジェントなハイブリダイゼーションアッセイ条件下において上記のハイブリダイゼーションアッセイプローブとそのプローブに対する標的核酸との間で形成された安定な核酸二重鎖からなる組成物を企図する。
更なる実施形態において、本発明は、固定化プローブ結合領域と標的結合領域を含む、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドからなる捕捉プローブを提供する。捕捉プローブの固定化プローブ結合領域は、ストリジェントな条件下で、試験サンプル中に存在する固体支持体に結合するオリゴヌクレオチドと安定にハイブリダイズし得る任意の塩基配列を含み得る。好ましくは、固定化プローブ結合領域はポリdA、捕捉プローブの3’末端に存在するホモポリマーテイル(tail)である。この実施形態においては、固体支持体に結合するオリゴヌクレオチドは、アッセイ条件下で捕捉プローブのポリdAテイルに安定に結合するのに十分な長さの5’ポリdTテイルを含む。好ましい実施形態において、この固定化プローブ結合領域は長さ約30アデニン長のポリdAテイルを含み、そして、捕捉プローブは、スペーサー領域を含む。このスペーサー領域は、標的結合領域と固定化プローブ結合領域がお互いに結合するために、約3チミジン長である。
捕捉プローブの標的結合領域は、Mycoplasma生物由来の核酸内に存在する標的配列に安定に結合する。この実施形態の捕捉プローブの標的結合領域は、以下:
Figure 0004395372
からなる群から選択される塩基配列に対して少なくとも約85%相同(好ましくは少なくとも約90%相同、より好ましくは少なくとも約95%相同、そして最も好ましくは100%相同)である塩基配列領域を含む。
本発明はまた、増幅アッセイにおけるMycoplasma生物の存在を検出するために有用な増幅プライマーを特徴とする。一つの好ましい実施形態において、本発明は試験サンプル内に存在するMycoplasma生物由来の核酸を増幅する(例えば、増幅条件下で核酸ポリメラーゼと接触した場合、核酸領域に結合かまたは核酸領域を通じて伸長させる)ための1つ以上の増幅プライマーを提供する。各増幅プライマーは、標的結合領域の塩基配列が以下:
Figure 0004395372
からなる群から選択される塩基配列を有するかまたはこれらの塩基配列に実質的に対応するオリゴヌクレオチドを含む。しかし、本発明の増幅プライマーは、標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含む増幅プライマーを含まず、ここで、この標的結合領域の塩基配列は、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号37、配列番号38、配列番号39または、配列番号40の塩基配列を有するかまたはこれらの塩基配列に実質的に対応する。だが、標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含む増幅プライマーと結合するものは除き、ここで、この標的結合領域の塩基配列は、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35もしくは配列番号36の塩基配列を有するかまたはこれらの塩基配列に実質的に対応する。本発明の増幅プライマーは、好ましくは18〜40塩基長の標的結合領域を有する。本実施形態の増幅プライマーは、RNAポリメラーゼによって認識されるかまたはRNAポリメラーゼによる開始または伸長を増強する5’配列を必要に応じて含む。T7プロモーター(例えば配列番号41 aatttaatacgactcactatagggaga)を含んだ場合、好ましい。
本発明の増幅プライマーが二つ以上の増幅プライマーのセットと合わせられない場合、増幅プライマーは、好ましくは標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含む。ここでこの標的結合領域の塩基配列は、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35または配列番号36の塩基配列と少なくとも約80%相同(より好ましくは少なくとも約90%相同および最も好ましくは100%相同)である。また、RNAポリメラーゼによって認識されるかまたはRNAポリメラーゼによる開始もしくは伸長を増強する任意の5’配列を除き、増幅プライマーの塩基配列は配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35または配列番号36の塩基配列と好ましくは少なくとも約80%相同(より好ましくは少なくとも約90%相同および最も好ましくは100%相同)である。
本発明の増幅プライマーは、好ましくは少なくとも二つの増幅プライマーのセットで利用される。好ましいセットは、標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含む第1の増幅プライマーを含み、その標的結合領域の塩基配列は、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27および配列番号28からなる群から選択される標的配列内に存在する少なくとも10個の連続した塩基領域に対して、少なくとも約80%相補的(より好ましくは少なくとも約90%相補的および最も好ましくは100%相補的)である少なくとも10個の連続した塩基領域を含む。これらの好ましいセットの第2の増幅プライマーは、標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含み、その標的結合領域の塩基配列は、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39および配列番号40からなる群から選択される標的配列内に存在する少なくとも10個の連続した塩基領域に対して、少なくとも約80%相補的(より好ましくは少なくとも約90%相補的および最も好ましくは100%相補的)である少なくとも10個の連続した塩基領域を含む。特に好ましい実施形態において、増幅プライマーの標的結合領域の塩基配列は、標的配列に対して少なくとも約80%相補的、より好ましくは少なくとも約90%相補的および最も好ましくは完全に相補的である。また、RNAポリメラーゼによって認識されるかまたはRNAポリメラーゼによる開始もしくは伸長を増強する任意の5’配列を除き、本発明の最も好ましい実施形態における、増幅プライマーの塩基配列は、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35または配列番号36の塩基配列と少なくとも約80%相同(より好ましくは少なくとも約90%相同および最も好ましくは100%相同)である。
本発明は、増幅条件下において上記の増幅プライマーとそのプライマーに対する標的核酸との間で形成される安定した核酸二重鎖を含む組成物をさらに考慮する。
本発明は、試験サンプル内にM.pneumoniaeが存在するか否か、または代替の方法では、M.genitaliumが存在するか否かを検出するための方法をさらに特徴とする。一つの実施形態においては、本発明は試験サンプル内にM.pneumoniaeまたはM.genitaliumが存在するか否かを検出するための方法を提供する。その方法は、以下の工程を含む:(a)プローブがM.pneumoniaeまたはM.genitalium由来の標的核酸と優先的にハイブリダイズすることを可能にする条件下でM.pneumoniaeまたはM.genitaliumを検出するために、上記のハイブリダイゼーションアッセイプローブの一つと試験サンプルとを接触させ、それによって検出のために安定したプローブ:標的ハイブリッドを形成する、工程;ならびに(b)試験サンプル内のM.pneumoniaeまたはM.genitaliumの存在もしくは非存在の指標として、試験サンプル内にハイブリッドが存在するか否かを決定する、工程。この方法は試験サンプル内に存在するM.pneumoniaeまたはM.genitaliumの量を推定する手段として、試験サンプル内に存在するハイブリッドの量を定量する工程をさらに含み得る。
試験サンプル中にM.pneumoniaeまたはM.genitaliumが存在するか否か、または試験サンプル中に存在するこれらの生物の量を測定するための方法は、所望される場合、試験サンプルと少なくとも一つのヘルパープローブとを接触させる工程をさらに含み得る。Hoganら、「Means and Method for Enhancing Nucleic Acid Hybridization」,米国特許第5,030,557号を参照のこと。ヘルパープローブに加え、または代替の方法では、所望される場合、この方法は、試験サンプルと少なくとも一つのMycoplasma生物由来の核酸内に存在する標的核酸配列を増幅するために適切な上記の増幅プライマーとを接触させる工程をさらに含み得る。
本発明はまた、試験サンプル内に存在するMycoplasma生物由来の核酸内に存在する標的核酸配列を増幅するための方法を企図し、この方法は、以下の工程を含む:(a)増幅条件下において、試験サンプルと少なくとも一つの上記の増幅プライマーとを接触させる工程;および(b)標的核酸配列を増幅する工程。好ましい増幅の方法は、少なくとも二つの上記の増幅プライマーのセットを含む。
一つの実施形態において、Mycoplasma生物由来の核酸内に存在する標的核酸配列を増幅するための方法は、以下の工程をさらに包含する:(a)ストリジェントなハイブリダイゼーション条件下で、試験サンプルと好ましくは標的核酸配列とハイブリダイズするハイブリダイゼーションアッセイプローブ、またはその相補体とを接触させ、それにより検出のために安定な、プローブ:標的ハイブリッドを形成する工程;および(b)試験サンプル中のM.pneumoniaeまたはM.genitaliumの存在または非存在の指標として、試験サンプル内にハイブリッドが存在するか否かを測定する工程。上記のハイブリダイゼーションアッセイプローブはこの方法のために特に好ましい。
本発明はまた、試験サンプル内にM.pneumoniaeまたはM.genitaliumが存在するか否かを測定するためのキットを企図する。これらのキットは、M.pneumoniaeまたはM.genitalium由来の核酸に特異的な少なくとも一つの上記のハイブリダイゼーションアッセイプローブを含むか、また試験サンプル内のM.pneumoniaeもしくはM.genitaliumの存在もしくは量を測定するための文書の指示書を必要に応じて含む。別の実施形態において、そのキットは、M.pneumoniaeおよび/またはM.genitalium由来の核酸に適切な少なくとも一つのヘルパープローブをさらに含む。さらなる実施形態において、そのキットは、ハイブリダイゼーションアッセイプローブに加え、少なくとも1つのMycoplasma生物由来の核酸内に存在する標的核酸配列を増幅するために適切な上記の増幅プライマーを含む。さらに別の実施形態において、そのキットは、ハイブリダイゼーションアッセイプローブに加え、少なくとも一つの上記の捕捉プローブをさらに含む。さらに別の実施形態において、そのキットは、ハイブリダイゼーションアッセイプローブに加え、少なくとも一つの上記の捕捉プローブおよび少なくとも一つの上記の増幅プライマーをさらに含む。補足プローブを含むキットは、試験サンプル内で、直接的にまたは間接的に、捕捉プローブを固定するための固体支持体材料(例えば、磁気共鳴粒子)をさらに含み得る。
本発明はまた、Mycoplasma生物由来の核酸内に存在する標的核酸配列を増幅するためのキットを企図する。そのキットは、少なくとも一つの上記の増幅プライマーを含み、かつMycoplasma生物由来の核酸を増幅するための文書の指示書を必要に応じて含む。さらなる実施形態においては、これらのキットは、増幅プライマーに加え、少なくとも一つの上記の捕捉プローブを含み得る。このようなキットは、試験サンプル内で捕捉プローブを固定するための固体支持体材料をさらに含み得る。
当業者は、本発明のハイブリダイゼーションアッセイプローブが、増幅プライマー、ヘルパープローブまたは捕捉プローブとして使用され得ること;必要とされる特異性の程度に依存して、本発明の増幅プライマーの標的結合領域は、ハイブリダイゼーションアッセイプローブ、ヘルパープローブまたは捕捉プローブとして使用され得ること;および本発明の捕捉プローブの標的結合領域は、特定のアッセイに必要とされる特異性の程度に依存して、ハイブリダイゼーションアッセイプローブ、増幅プライマーまたはヘルパープローブとして使用され得ることを理解する。したがって、本発明は、試験サンプル内のM.pneumoniaeまたはM.genitaliumの存在または非存在の測定に用いるためのオリゴヌクレオチドを企図し、このオリゴヌクレオチドは、上記のヌクレオチド塩基配列およびそのアナログのいずれかを含むか、これから本質的になるかまたはこれからなる。
他に指示されない限り、句「含む」は、以下の開示において、句「から本質的になる」または「からなる」に置きかえられ得る。これによって本発明により企図される種々の程度の範囲を示す。しかし、各特許請求の範囲は、列挙された特定の一時的な句によって限定されることを意図する。
本発明の別の特徴および利点は、以下に記載するその好ましい実施形態および特許請求の範囲から明らかである。
(好ましい実施形態の説明)
本発明は、試験サンプル中のM.pneumoniaeまたはM.genitaliumの存在または非存在を決定するために有用なMycoplasma生物に由来する核酸に標的化されるオリゴヌクレオチドを記載する。このオリゴヌクレオチドは、異なる方法で(例えば、ハイブリダイゼーションアッセイプローブ、捕捉プローブおよび/または増幅プライマ−として機能することによって)M.pneumoniaeまたはM.genitaliumを検出するのを援助し得る。本発明のハイブリダイゼーションアッセイプローブは、試験サンプル中にM.pneumoniaeおよびM.genitaliumの存在を示す検出可能な二重鎖を形成するためにストリンジェントなハイブリダイゼーションアッセイ条件下のM.pneumoniaeまたはM.genitaliumに由来する核酸に存在する標的核酸配列に優先的にハイブリダイズし得る。このプローブのいくつかは、標的生物とそれに系統発生的に最も近い公知の生物との間を識別することができると考えられる。本発明の捕捉プローブは、ストリンジェントなハイブリダイゼーションアッセイ条件下でMycoplasma生物に由来する核酸に存在する核酸配列にハイブリダイズし得、そして臨床的な試料から標的核酸を分離するために使用され得る。本発明の増幅プライマーは、増幅条件下でMycoplasma生物に由来する核酸に存在する標的核酸配列にハイブリダイズし得、そしてM.由来核酸を生成するための増幅反応にプライマ−として使用され得る。このプローブおよび増幅プライマ−は、試験サンプル中にM.pneumoniaeまたはM.genitaliumの検出および/または定量に対するアッセイに使用され得る。
(A.定義)
以下の用語は、異なる意味を有することを特別に示されない限り、本明細書中において示された意味を有する。
「サンプル」または「試験サンプル」は、標的生物に由来する標的生物または標的核酸を含むと思われる任意の物質を意味する。この物質は、例えば、痰または尿道の試料のような、処理されていない臨床的試料、試料を含む緩衝化した培養液、試料および標的生物に属する核酸を放出する溶解剤を含む培養液であり得るか、または標的生物または、反応容器内もしくは反応物質または反応装置上で単離および/または精製される標的生物に由来する核酸を含む培養液であり得る。特許請求の範囲において、用語「サンプル」および「試験サンプル」は、その未処理の形態の試料または、試料内の標的生物に由来する核酸を放出、単離、および精製するためのプロセシングの任意の段階を言い得る。このように、使用される特許請求の範囲の方法において、「サンプル」または「試験サンプル」の各基準は、プロセシングの異なる段階の標的生物に由来する核酸を含むと思われる物質を言い得、そして特許請求の範囲における物質の最初の形態に限定されない。
「標的核酸」または「標的」は、標的核酸配列を含む核酸を意味する。
「標的核酸配列」、「標的核酸配列」、「標的配列」または「標的領域」は、一本鎖核酸分子のヌクレオチド配列の全部または一部およびそれらに相補的なデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド配列の全部または一部を含む特定のデオキシリボヌクレオチド配列またはリボヌクレオチド配列を意味する。(しかし、本特許請求の範囲は、列挙された配列の特定の意味に標的配列を制限し得る。但し、それらの相補的配列を除外する)。
「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」または「オリゴマー」は、互いに結合した2つ以上のヌクレオシドサブユニットまたは核酸塩基サブユニットからできているポリマーを意味する。このオリゴオリゴヌクレオチドは、DNAおよび/またはRNAおよびそれらの類似物であり得る。ヌクレオシドサブユニットの糖基は、リボース、デオキシリボースおよびそれらの類似物(例えば、リボフラノシル部分に2’−O−アルキル置換(例えば、2’−O−メチル)を有するリボヌクレオシドを含む)であり得る。(ハイブリダイゼーションアッセイプローブ、捕捉プローブ、ヘルパープローブおよび/または増幅プローブとして有用な2’置換を有するヌクレオシドサブユニットを含むオリゴヌクレオチドは、Beckerら、「Method for Amplifying Target Nucleic Acids Using Modified Primers」米国特許第6,130,038号によって開示される。)このヌクレオシドサブユニットは、ホスホジエステル結合のように結合によって結び付けられ、結合を改変され、またはその相補的な標的核酸配列へのオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを阻止しない非ヌクレオチドの部分によって結び付けら得る。改変された結合は、標準的なホスホジエステル結合が、ホスホロチオネート結合またはメチルホスホネート結合のような異なる結合で置換されるこれらの結合を含む。核酸塩基サブユニットは、(例えば、核酸塩基サブユニットの中心の第二級アミンにカルボキシメチルリンカーによって結合する2−アミノエチルグリシン骨格のような偽ペプチド骨格にDNAの天然のデオキシリボースリン酸塩骨格を置換することによって)結合され得る。(偽ペプチド骨格を有するDNA類似物は、「ペプチド核酸」または「PNA」と言われ、そしてNielsenら、「Peptide Nucleic Acids」,米国特許第5,539,082号によって開示される。)本発明によって企図されるオリゴヌクレオチドまたはオリゴマーの非限定的な他の例としては、「固定された核酸」、「固定されたヌクレオシド類似物」または「LNA」といわれる二環式および三環式のヌクレオシド類似物およびヌクレオチド類似物を含む核酸類似物を含む。(固定された核酸は、Wang、「Conformationally Locked Nucleosides and Oligonucleotides」,米国特許第6,083,482号、Imanishiら、「Bicyclonucleoside and Oligonucleotide Analogues」、米国特許第6,268,490号およびWengelら、「Oligonucleotide Analogues」国際公報WO99/14226)によって開示される。)任意の核酸類似物は、上記定義したようにオリゴヌクレオチドを提供する本発明によって企図され、ストリンジェントなハイブリダイゼーションアッセイ条件または増幅条件下で標的核酸に安定に結合し得る。ハイブリダイゼーションアッセイプローブについて、オリゴヌクレオチドはストリンジェントなハイブリダイゼーションアッセイ条件下で標的核酸に優先的にハイブリダイズできなければならない。捕捉プローブについて、オリゴヌクレオチドまたは結合したオリゴヌクレオチドのセットは、同じまたは異なるアッセイ条件下で固定化されたプローブおよび標識核酸にハイブリダイズできなければならない(標識配列へのハイブリダイゼーションは、好ましくは優先的である)。そして、増幅プライマ−について、オリゴヌクレオチドは増幅条件下で標識核酸にハイブリダイズしなけれべならず、そして核酸合成の初期の間のプライマ−および/またはプロモーターテンプレートとして働かなければならない。
規定の配列のオリゴヌクレオチドは、化学的または生化学的合成、および組換え核酸分子(例えば、細菌ベクターまたはレトロウイルスベクター)からのインビトロまたはインビボ発現によるような、当業者に公知の技術によって生成され得る。この開示によって意図されるように、オリゴヌクレオチドは、野生型の染色体DNAまたはそれらのインビボ転写産物からならない。オリゴヌクレオチドの1つの使用は、ハイブリダイゼージョンアッセイプローブとしてである。オリゴヌクレオチドは、インビボまたはインビトロの治療増幅プライマ−あるいは病気の、感染した、または病原細胞において遺伝子の転写または翻訳を、阻止または阻害するアンチセンス剤、としてもまた使用され得る。
「ハイブリダイゼーションアッセイプローブ」または「プローブ」は、ストリンジェントなハイブリダイゼーションアッセイ条件下で検出について安定であるプローブ:標的ハイブリッドを形成するための、その標的核酸配列に十分に相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを意味する:ストリンジェントなハイブリダイゼーションアッセイ条件下で検出が安定なハイブリッド。当業者に理解されているように、プローブは、人間の介入なしに天然に見出されない形態の、単離された核酸分子またはその類似物である(例えば、外来核酸によってある程度組換えられた、単離された、または生成された)。本発明のプローブは、このようなヌクレオシドまたは核酸塩基が、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でのハイブリダイゼーションを妨げず、そしてハイブリダイゼーションアッセイプローブの場合、標的核酸に優先的なハイブリダイゼーションを妨げない限り、標的の相補的配列に結合される追加のヌクレオシドまたは核酸塩基を有し得る。標的配列に非相補的である1つ以上の配列は、これらの追加の配列が、この試験サンプルに存在する任意の生物に由来する核酸に安定に結合しない場合、本発明のプローブ中に含まれ得る。このような配列は、例として、標的捕捉配列(一般的に、ポリdAテイル、ポリAテイル、ポリdTテイルまたはポリUテイルのようなホモポリマートラクト)、プロモーター配列、RNA転写のための結合部位、制限エンドヌクレアーゼ認識部位または触媒活性部位またはヘアピン構造のような望ましい二次構造または三次構造を与える配列を含み得る。これらは検出および/または増幅を促進するために使用され得る。規定の配列のプローブは、化学合成、および組換え核酸分子からのインビトロまたはインビボでの発現によるような、当業者に公知の技術によって生成され得る。
「安定に」、「安定な」、「検出の間安定な」は、反応混合物の温度が、核酸二重鎖の融解温度より少なくとも2℃低いことを意味する。反応混合物の温度は、より好ましくは核酸二重鎖の融解温度より少なくとも5℃低い、なおさらに好ましくは反応混合物の融解温度より少なくとも10℃低い。
「実質的に相同な」、「実質的に相当する」または「実質的に対応する」は、対象オリゴヌクレオチドが、参照塩基配列(RNAおよびDNAに等価物を除く)に存在する少なくとも連続した10塩基領域に少なくとも約80%相同、好ましくは少なくとも約90%相同、そして最も好ましくは100%相同な少なくとも連続した10塩基領域を含む塩基配列を有することを意味する。(当業者は、標的核酸の検出を妨害するのに十分な非特異的ハイブリダイゼーションのレベルにさせないのと同時に、標的配列に対するオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを可能にする種々の相同性の割合において、ハイブリダイゼーションアッセイ条件に対してなされ得る改変を容易に理解する。)類似性の程度は、2つの配列を作り上げる核酸塩基の配列を比較することによって決定され、そして他の構造の相違が、相補的な塩基との水素結合を妨げない場合、2つの配列の間に存在し得る他の構造の相違を考慮に入れない。2つの配列の間の相同性の程度は、比較された少なくとも連続した10塩基の各セットの間の0、1、2塩基の相違であり得る塩基の相違の数の点からもまた表現され得る。
「実質的に相補的な」は、対象オリゴヌクレオチドが、標的核酸配列(RNAおよびDNA等価物を除く)に存在する少なくとも連続した10塩基領域に少なくとも80%相補的、好ましくは少なくとも90%相補的、そして最も好ましくは100%相補的である少なくとも連続した10塩基領域を含む塩基配列を有することを意味する。(当業者は、標的核酸の検出を妨害するのに十分な非特異的ハイブリダイゼーションのレベルにさせないのと同時に、標的配列へのオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを可能にする種々の相補性の割合においてハイブリダイゼーションアッセイ条件に対してなされ得る改変を容易に理解する。)相補性の程度は、2つの配列を作り上げる核酸塩基の配列を比較することによって決定され、そして構造の相違が、相補的な塩基との水素結合を妨げない場合、2つの配列の間に存在し得る他の構造の相違を考慮に入れない。2つの配列の間の相補性の程度は、比較された少なくとも連続した10塩基の各セットに存在する0、1、2塩基の不一致であり得る塩基の不一致の数の点からもまた表現され得る。
「約」は、相補性または相同性の割合をいうときの最も近いおおよその全体の数を意味する。(例えば、24.4塩基の下限は、24塩基であり、24.5塩基の下限は25塩基である。)
「RNAおよびDNA等価物」は、同じ相補的な塩基対ハイブリダイゼーションの性質を有するRNA分子およびDNA分子を意味する。RNA等価物およびDNA等価物は、異なる糖の部分(すなわちリボースに対してデオキシリボース)を有し、そしてRNAではウラシルの存在およびDNAではチミンの存在によって異なり得る。それら等価物は、特定の配列に対して同程度の相補性を有するので、RNA等価物とDNA等価物との間の相違は、相同性の相違に寄与しない。
「ハイブリダイゼーション」は、二重鎖領域を有する安定な構造を形成するために、明記されるハイブリダイゼーションアッセイ条件下において逆平行の方向で会合する(平行方向もまた可能であり得る。)2つの完全にまたは部分的に相補的な核酸鎖の能力を意味する。この二重鎖構造の2つ構成鎖(時としてハイブリッドと呼ばれる)は、水素結合によって結合される。これらの水素結合が、一本核酸鎖においてアデニン塩基およびチミン塩基またはウラシル塩基(AおよびTまたはU)あるいはシトシン塩基およびグアニン塩基(CおよびG)を含むヌクレオチドの間で最も共通して形成するにもかかわらず、塩基対はこれら「標準的な」対のメンバーではない塩基の間でもまた形成し得る。非標準的な塩基対は、当該分野で周知である。例えばROGER.L.P.ADAMSら、THE BIOCHEMISTRY OF THE NUCLEIC ACIDS(第11版、1992)参照のこと。
「優先的にハイブリダイズする」は、ストリンジェントなハイブリダイゼーションアッセイ条件下でハイブリダイゼーションアッセイプローブが、安定なプローブ:標的ハイブリッド(少なくとも目的の1つの生物の存在を示す)(「検出可能なハイブリッド」)を形成するためにそれらの標的核酸にハイブリダイズし得ることを意味し、そして十分に多くの安定なプローブ:非標的ハイブリッド(非標的生物、特に、系統発生的に近い関係の生物の存在を示す)(「検出可能でないハイブリッド」)を形成しない。このように、このプローブは、当業者がM.pneumoniaeまたはM.genitaliumに由来する核酸の存在(または非存在)を適切に正確に検出でき、適切な場合、試験サンプル中の系統発生的に近い関係の生物の存在からその存在を区別できるような非標的核酸に対してより十分に広い範囲の標的核酸に対してハイブリダイズする。一般的に、オリゴヌクレオチド配列とその標的配列との間の相補性の程度の減少は、その標的領域に対するオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションの程度または割合を減少する。しかし、1つ以上の非相補的な塩基の含有は、非標的生物に対して識別するオリゴヌクレオチドの能力を助長し得る。
優先的なハイブリダイゼーションは、当該分野で公知の種々の任意の技術を使用して測定され得、これらとしては、光放射、質量変化、伝導率または濁度の変化に基づく技術が挙げられるがこれらに限定されない。多くの検出手段は、本明細書に記載され、そして特に一つは以下に提供される実施例において使用される。好ましくは、試験サンプルにおいて標的ハイブリダイゼーション信号と非標的ハイブリダイゼーション信号との間に少なくとも10倍の相違、より好ましくは、少なくとも100倍の相違、最も好ましくは少なくとも500倍の相違がある。好ましくは、試験サンプルにおける非標的ハイブリダイゼーション信号は、背景信号レベル以下である。
「ストリンジェントなハイブリダイゼーションアッセイ条件」、「ハイブリダイゼーションアッセイ条件」、「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」または「ストリンジェントな条件」は、密接に関連する非標的微生物に由来する核酸より標的核酸(好ましくはM.pneumoniaeまたはM.genitaliumに由来するrRNAまたはrDNA)にハイブリダイゼーションアッセイプローブが優先的にハイブリダイズすることを可能にする条件を意味する。ストリンジェントなハイブリダイゼーションアッセイ条件は、GC含量およびそのプローブの長さを含む因子、試験サンプル中に存在し得るプローブ配列と非標的配列との間の類似性の程度ならびに標的配列に依存して変動し得る。ハイブリダイゼーション条件は、ハイブリダイゼーション試薬またはハイブリダイゼーション溶液の温度および成分を含む。下記の実施例項は、発明を検出するための好ましいハイブリダイゼーションアッセイ条件を提供する一方、他のストリンジェントな条件は、当業者によって容易に確認され得る。
「アッセイ条件」は、標的核酸に対するオリゴヌクレオチドの安定なハイブリダイゼーションを可能にする条件を意味する。アッセイ条件は、その標的核酸に対するオリゴヌクレオチドの優先的なハイブリダイゼーションを必要としない。
「異なる加水分解」は、アクリジウムエステル(AE)分子のエステル結合がアルカリ選択試薬の存在において加水分解される異なる割合を意味し、それはAE分子が溶液中にプローブが存在しないまたは、標的核酸に結合したプローブに関連するかどうかに依存する。一般的に、標的核酸に結合したプローブに関連するAE分子は、選択試薬の存在下で、溶液中のプローブの非存在に関連するAE分子よりも遅く加水分解する。アルカリ選択試薬の実施例は、下記実施例項において副題「試薬」で示される。
「異なる加水分解の割合」は、アルカリ選択試薬の存在下で溶液中に同一プローブの存在しないことに関連するAE分子のエステル結合の加水分解の割合の比に対して標的核酸に結合したプローブに関連するAE分子のエステル結合の加水分解の割合を意味する。AE標識プローブの異なる加水分解の割合が大きくなればなるほど、感度および標的核酸に対するAE標識プローブの識別能力が高くなる。
本明細書中でハイブリダイゼーションアッセイプローブに参照されて使用される場合、「から本質的になる(consists essentially of)」または「から本質的になること(consisting essentially of)」は、標的結合領域の塩基配列が配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7または配列番号8の塩基配列の少なくとも連続した29塩基からなるまたはその中に含まれる標的結合領域を含むオリゴヌクレオチドを意味する。標的結合領域の塩基配列は、好ましくは試験サンプル中にM.genitaliumの存在を検出するための配列番号9、配列番号10、配列番号11または配列番号12の塩基配列あるいは試験サンプル中にM.pneumoniaeの存在を検出するための配列番号1、配列番号2、配列番号3または配列番号4の塩基配列の中の対応する塩基配列を含む。このように、これらの句は、配列長の制限および配列バリエーションの制限の両方を含む。任意の付加または欠失は、オリゴヌクレオチドが特許請求される性質(すなわち、ストリンジェントなハイブリダイゼーションアッセイ条件下で非標的核酸より標的核酸に優先的にハイブリダイズすること)を有することを妨げない特定の塩基配列の非物質的バリエーションである。このオリゴヌクレオチドは、標的核酸へのプローブのハイブリダイゼーションに関与せず、そしてそのようなハイブリダイゼーションに影響しない他の核酸分子を含み得る。
「核酸二重鎖」、「二重鎖」、「核酸ハイブリッド」または「ハイブリッド」は、二本鎖、水素結合領域を含む安定な核酸構造を意味する。このようなハイブリッドとしては、RNA:RNA、RNA:DNAおよびDNA:DNA二重鎖分子ならびにそれらの類似物が挙げられる。その構造は、標識に関連するプローブを必要としない方法を含む任意の公知の手段によって検出可能であるように十分に安定である。例えば、検出方法は、その表面で質量の変化に光学的に活性かつ感受性である基質を被覆されたプローブを含み得る。質量変化は、光に応答して光学的に活性な基質の種々の反射特性および透過特性を生じ、そして固定された標的核酸の存在または量を示すために役立つ。例えば、Nygrenら,「Devices and Methods for Optical Detection of Nucleic Acid Hybridization」、米国特許第6,060,237号参照。
「増幅プライマ−」または「プライマ−」は、核酸合成の開始に対して標的核酸にハイブリダイズでき、そしてプライマ−および/またはプロモーターテンプレート(例えば、相補鎖の合成に対して、それによって機能的なプロモーター配列を形成する)として働くことができるオリゴヌクレオチドを意味する。増幅プライマーが、RNA合成を開始するように設計される場合、そのプライマ−は、標的配列に非相補的であるが、T7ポリメラーゼ、T3ポリメラーゼまたはSP6 RNAポリメラーゼのようなRNAポリメラーゼによって認識される塩基配列を含み得る。増幅プライマ−は、プライマ−伸長の割合もしくは量を妨げるまたは減少するように改変される3’末端を含み得る。(McDonoughらが「Methods of Amplifying Nucleic Acids Using Promoter−Containing Primer Sequences」と表題を付けられた米国特許第5,766,849号で改変またはブロックされた3’末端を有するプライマ−またはプロモータープライマ−を開示する。)本発明の増幅プライマ−は、化学合成され得るかまたはベクターに由来し得る場合、それらは、天然に存在する核酸分子でない。
「核酸増幅」、「標的増幅」または「増幅」は、少なくとも1つの標的核酸配列を有する核酸分子数の増加を意味する。本発明に従う標的増幅は、指数関数的な増幅が好ましいにもかかわらず、1次関数的か指数関数的かのいずれかであり得る。
「増幅条件」は、核酸増幅を可能にする条件を意味する。下記実施例項は、転写媒介性増幅法において本発明のプライマ−を使用してMycoplasma生物に由来する標的核酸配列を増幅するための好ましい増幅条件を提供すると同時に、他の許容可能な増幅条件は、個々の望ましい増幅法に依存して当業者によって容易に決定され得る。
「アンチセンス」、「対向センス(opposite sense)」または「ネガティブセンス」は、基準に完全に相補的な核酸分子という意味を意味する。
「センス」、「同一センス(same sense)」または「ポジティブセンス」は、参照またはセンス核酸分子に完全に相同的な核酸分子を意味する。
「アンプリコン」は、核酸増幅反応で生成され、そして標的核酸に由来する核酸分子を意味する。アンプリコンは、標的核酸と同一または反対のセンスであり得る標的核酸配列を含む。
「由来する」はその言われる核酸が、標的生物から直接的にまたは核酸増幅の産物として間接的に得られることを意味する。この産物は例えば標的生物に存在しないアンチセンスRNA分子であり得る。
「捕捉プローブ」は、標的核酸および固定されたプローブにハイブリダイズできる互いに連結したオリゴヌクレオチドまたは少なくとも2つのオリゴヌクレオチドのセットを意味し、それによって試験サンプル中の標的核酸を固定および単離するための手段を提供する。標的核酸にハイブリダイズする捕捉プローブの一部は、「標的結合領域」といわれ、そして固定されたプローブにハイブリダイズする捕捉プローブの一部が「固定されたプローブ結合領域」といわれる。好ましい捕捉プローブがアッセイ条件下で標的核酸および固定されたプローブの両方にハイブリダイズするのと同時に、標的結合領域および固定されたプローブ結合領域は、異なるハイブリダイゼーション条件下でそれらそれぞれの標的配列にハイブリダイズするように設計され得る。このように、捕捉プローブは、設計され得、その結果、固定されたプローブに固定されたプローブ結合領域のハイブリダイゼーションを可能にするための条件を調節する前に溶液反応速度論におけるより好ましい条件下で、標的核酸に最初にハイブリダイズする。標的結合および固定されたプローブ結合領域が、同じ捕捉プローブに提供される場合、それらは、同じオリゴヌクレオチド上で直接互いに隣接され得るか、1つ以上随意的に改変されたヌクレオチドによって互いから分離され得るか、または非ヌクレオチドリンカーによって互いに結合され得る。
「標的結合領域」は、アッセイ条件下での標的核酸、標的配列のDNA等価物もしくはRNA等価物、または標的配列の相補体に存在する標的配列に安定に結合するオリゴヌクレオチドの一部を意味する。アッセイ条件は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件または増幅条件であり得る。
「固定されたプローブ結合領域」は、アッセイ条件下で固定されたプローブにハイブリダイズするオリゴヌクレオチドの一部を意味する。
特許請求の範囲における「ホモポリマーテイル(homopolymer tail)」は、同一の少なくとも10塩基の連続した塩基配列(例えば連続した10個のアデニンまたはチミン)を意味する。
「固定されたプローブ」は、固定された支持体に捕捉プローブを結合するためのオリゴヌクレオチドを意味する。この固定されたプローブは、標的核酸および固定されたプローブに捕捉プローブをハイブリダイズするために使用された条件下で安定なままである連結または相互反応によって、これらの条件が同一または異なっていようと、固体支持体に直接的か間接的かのいずれかで結合される。固定されたプローブは、サンプル中で結合しない物質から結合した標的核酸の分離を容易にする。
「単離する(isolate)」または「単離する(isolating)」は、試験サンプル中に存在する標的核酸の少なくとも一部が、固定されるか放出可能な様式で、反応容器内もしくは反応デバイスまたは固体の担体(例えば、試験管、キュベット、マイクロタイタープレートウェル、ニトロセルロースフィルター、スライドまたはピペットチップ)上にに濃縮され、その結果、標的核酸が、容器、デバイスまたは担体から標的核酸の有意な損失なしに精製され得ることを意味する。
「分離する(separate)」、「分離」、「分離する(separating)」または「精製する(purify)」、「精製した」あるいは「精製する(purifying)」は、容器、デバイスもしくは担体中または上に含まれるサンプルの1つ以上の組成物が、容器、デバイスもしくは担体中または上に存在する1つ以上の他のサンプル組成物から物理的に除去されることを意味する。分離または精製工程の間に除去され得るサンプル組成物は、タンパク質、炭水化物、脂質、インヒビター、非標的核酸および非結合プローブを含む。固定された捕捉プローブに結合した標的核酸は、好ましくは分離または精製工程の間、サンプル中に保持される。
「ヘルパープローブ」は、ハイブリダイゼーションアッセイプローブとは異なる位置で、標的核酸へハイブリダイズするように設計されたオリゴヌクレオチドを意味する。これによって、標的核酸へのプローブのハイブリダイゼーションの割合が増加するか、プローブ:標的ハイブリッドの融解温度が増加するかまたはその両方のいずれかが起こる。
「Mycoplasma生物」は、M.pneumoniaeおよびM.genitaliumを含むMycoplasmaの2つ以上の種を意味する。
「系統発生的に近い関係の」は、その生物が進化的意味において互いに近い関係があり、それゆえより遠い関係の生物より高い全体の核酸配列の相同性を有することを意味する。系統樹上で隣接した位置および隣接した位置のとなりを占める生物は、近い関係である。系統樹上で隣接した位置または隣接した位置のとなりよりもさらに離れた位置を占める生物は、それらが有意な全体の核酸配列の相同性を有する場合、なお近い関係である。
「種特異的」は、ハイブリダイゼーションアッセイプローブと呼ばれるものが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でM.pneumoniae種またはM.genitalium種に属する生物に由来する核酸に存在する標的核酸配列に優先的にハイブリダイズすることが可能であることを意味する。
(B.ハイブリダイゼーション条件およびプローブ設計)
ハイブリダイゼーション反応条件、最も重要なものとしてハイブリダイゼーションの温度およびハイブリダイゼーション溶液中の塩濃度は、本発明のハイブリダイゼーションアッセイプローブがM.pneumoniaeまたはM.genitaliumのいずれかに由来する標的核酸(target nucleic)配列を有する核酸に優先的にハイブリダイズすることを可能にするために、そして試験サンプル中に存在し得る非標的核酸にはハイブリダイズしないことを可能にするために選択され得る。減少した塩濃度および/または上昇した温度(ストリンジェンシーを増加した条件)では、二本鎖ハイブリッド分子において対をなしたヌクレオチド塩基の間での水素結合が崩壊するにつれて、核酸ハイブリダイゼーションの程度が減少する。このプロセスは「融解」として公知である。
一般的に言って、最も安定なハイブリッドは、連続した完全に一致する(すなわち、水素結合した)ヌクレオチド塩基対の最大数を有するものである。このようなハイブリッドは、ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーが増加するにつれて、最後に融解することが通常、期待される。しかし、1つ以上の不一致塩基対、「非標準的」塩基対または不完全な塩基対を含む二本鎖核酸領域(核酸のヌクレオチド配列におけるその位置でのより弱いまたは存在しない塩基対を生じる)は、核酸ハイブリッドが、試験サンプル中に存在し得る他の選択されない核酸との交差反応なしにハイブリダイゼーションアッセイで形成および検出されることを可能にするような比較的高いストリンジェンシーな条件下でなお十分に安定であり得る。
したがって、一方では、標的核酸のヌクレオチド配列と、系統発生的に異なるが近い関係の生物に属する非標的核酸のヌクレオチド配列との間の類似性の程度に依存し、そして他方では、特定のプローブのヌクレオチド配列と標的および非標的核酸のヌクレオチド配列との間の相補性の程度に依存して、1つ以上の不一致は、標的核酸にハイブリダイズし、そして非標的核酸にハイブリダイズしないプローブまたはプライマ−に含まれるオリゴヌクレオチドの能力を必ずしも無効にしない。
本発明のハイブリダイゼーションアッセイプローブは、プローブ:標的ハイブリッドの融解温度(T)と、そのプローブと試験サンプル中に存在すると期待されるが検出されないと考えられる系統発生的に最も近い関係の生物のrRNAまたはrDNAとの間に形成される不一致のハイブリッドのT(Tは、所定の反応混合物中の潜在的に二本鎖分子の半分が一本鎖の変性された状態にある温度と定義される)との間の差違を最大にするように選択、選抜および/または設計された。非標識の増幅プライマ−および捕捉プローブが、本発明において有用であるハイブリダイゼーションアッセイプローブと違って極度に高度な特異性を有する必要がないのと同時に、それらは、明記される増幅またはハイブリダイゼーションアッセイ条件下で他の核酸より、1つ以上の標的核酸に優先的にハイブリダイズするように同様の様式で設計される。
プローブの設計において使用される核酸配列の識別を容易にするために、異なる生物由来の16S rRNAヌクレオチド配列を、相同性が最大になるように最初に整列させた。これらの生物としては、Acholeplasma laidlawii,Escherichia coli,Mycoplasma buccale,Mycoplasma bovis,Mycoplasma capricolum,Mycoplasma faucium,Mycoplasma fermentans,Mycoplasma gallisepticum,Mycoplasma genitalium,Mycoplasma hominis,Mycoplasma iowae,Mycoplasma lipophilum,Mycoplasma muris,Mycoplasma orale,Mycoplasma pneumoniae,Mycoplasma pirum,Mycoplasma primatum,Mycoplasma salivarium,Spiroplasma mirumおよびUreaplasma urealyticumが挙げられた。この比較に使用された配列は、実験室で決定されたかまたは公開された情報源から得られた。M.pneumoniaeおよびM.genitaliumに関する配列は、それぞれGenBankデータベースの登録番号M29061およびX77334から得られた。
rRNA分子内では、二次構造(一部、分子内水素結合による)と機能との間に密な関係がある。この事実は、維持されるような二次構造を生じる一次ヌクレオチド配列における進化的変化での制限を課す。例えば、1塩基が二重へリックスの1つの「鎖」において変化される(分子内水素結合によって、両方の「鎖」が同一のrRNA分子の部分である)場合、相殺置換(compensating substitution)は、相補性(これは、共分散と呼ばれる。)を保存するために他の「鎖」の一次配列に通常生じる、従って、必要な二次構造を生じる。これは、2つの非常に異なるrRNA配列が、保存された一次配列および保存された二次構造要素との両方に基づいて整列されることを可能にする。本明細書中に記載されるハイブリダイゼーションアッセイプローブに対する潜在的な標的配列は、整列した配列の相同性においてバリエーションに注意することによって識別された。
各々の種々の領域における配列進化は、たいていは分岐性である。この分岐性の結果として、M.pneumoniaeおよびM.genitaliumに最も系統発生的に
遠い関係の生物の対応するrRNAの種々の領域は、系統発生的により近い生物のrRNAが示すよりもこれらの生物のrRNAから大きな相違を示す。M.pneumoniaeおよびM.genitaliumならびに他の生物との間の十分なバリエーションは、好ましい標的部位を識別し、そして他の密接に関連する生物よりM.pneumoniaeとM.genitaliumとの間の区別に有用なハイブリダイゼーションアッセイプローブを設計することが観察された。
唯一の潜在的な標的ヌクレオチド配列を単に推定で同定することは、機能的に種特異的なハイブリダイゼーションアッセイプローブが、その配列を含むM.pneumoniaeまたはM.genitaliumのrRNAまたはrDNAにハイブリダイズするように作製され得ることを保証しない。種々の他の因子は、種特異的なプローブに対する標的部位として核酸位置の適合性を決定する。本明細書中に記載されるようなハイブリダイゼーション反応の程度および特異性が、多くの因子によって影響されるので、完全にその標的に相補的であろうとなかろうと、それらの因子の1つ以上の操作は、特定のオリゴヌクレオチドの正確な感度および特異性を決定する。種々のアッセイ条件の重要性および影響は、当業者に公知であり、そして以下:Kohne、「Method for Detection,Identification and Quantitation of Non−Viral Organisms」米国特許第4,851,330号;Hoganら、「Nucleic Acid Probes to Mycobacterium gordonae」米国特許第5,216,143号;およびHogan、「Nucleic Acid Probes for Detection and/or Quantitation of Non−Viral Organisms」米国特許第5,840,488号に開示される。
ハイブリダイゼーションの所望の温度およびハイブリダイゼーション溶液成分(例えば、塩濃度、界面活性剤および他の溶質)は、二本鎖ハイブリッドの安定性にもまた大きく影響し得る。プロ−ブが標的にハイブリダイズすることを可能にするイオン強度および温度のような条件は、種特異的なプローブを構築することを考慮に入れられなければならない。ハイブリッド核酸の熱安定性は、一般的に反応混合物のイオン強度とともに増加する。他方、ホルムアミド、尿素、ジメチルスルホキシドおよびアルコールのような水素結合を妨げる化学試薬は、ハイブリッドの熱安定性を大いに減少し得る。
その標的に対するプローブの特異性を最大にするために、本発明のプローブは、高いストリンジェンシーな条件下でそれらの標的にハイブリダイズするように設計された。このような条件下において、このような高度の相補性を有する1つの核酸鎖(または核酸領域)のみが、互いにハイブリダイズする。高度の相補性なしに1つの核酸鎖は、ハイブリッドを形成しない。したがって、アッセイ条件のストリンジェンシーは、ハイブリッドを形成するために2つの核酸鎖の間に存在するべき相補性の量を決定する。ストリンジェンシーは、試験サンプル中に存在するプローブと標的核酸との間において形成されるハイブリッドと、プローブと任意の非標的核酸との間における潜在的なハイブリッドとの間の安定性の差違を最大にするように選択される。
適切な特異性は、非標的生物の配列に対して完全な相補性を有する最小限のハイブリダイゼーションアッセイプローブ長によって、非標的核酸に相補的なGおよびCに富む領域を除くことによって、および可能な限り多数の非標的配列との不安定ミスマッチを含むプローブを設計することによって成し遂げられ得る。プローブが特定のあるタイプの生物のみを検出するために適切であるか否かは、プローブ:標的ハイブリッドとプローブ:非標的ハイブリッドとの間の熱安定性の違いに大きく依存する。プローブの設計において、これらのT値の違いは可能な限り大きなものであるべきである(好ましくは2〜5℃もしくはそれ以上)。Tの操作は、例えばGC含有量対AT含有量、あるいは、核酸アナログの包含(例えば、2’−O−メチルがリボフラノシル基に置換したリボヌクレオチド)のような、プローブ長およびプローブ組成の変更によって実行され得る。
通常、オリゴヌクレオチドプローブの最適なハイブリダイゼーション温度は、所与の2重鎖の融解温度より約5℃低い。最適温度以下でのインキュベーションは、ミスマッチの塩基配列がハイブリダイズし得、それゆえ特異性が低下し得る。より長く、塩基対間で水素結合をより多く有するプローブほど、通常高いTを有する。GおよびCのパーセンテージが増加するほど、Tも増加する。なぜならG−C塩基対はさらなる水素結合を示し、従ってA−T塩基対よりも高い熱安定性を示すからである。このような考慮は当該分野において、公知である。例えば、J.SAMBROOKら、MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL CH11(2d ed.1989)を参照のこと。
を決定する好ましい方法は、Arnoldら、「Homogenous Protection Assay」、米国特許第5,283,174号によって開示され、周知であるハイブリダイゼーション保護アッセイ(HPA)を使用してハイブリダイゼーションを測定する。Tは、以下の様式においてHPAを使用して測定し得る。プローブ分子は、アクリジニウムエステルによって標識され、過剰量の標的を使用して、コハク酸リチウム緩衝液(0.1Mコハク酸リチウム緩衝液、pH4.7、20mM EDTA、15mM アルドリチオール(aldrithiol)−2、1.2M LiCl、3%(v/v)無水エタノール、2%(w/v)ラウリル硫酸リチウム)中でプローブ:ハイブリッドを形成し得る。プローブ:標的のハイブリッドを含む溶液のアリコートをコハク酸リチウム緩衝化溶液中で希釈し、そして予期されるT(典型的に55℃)以下から開始し、2〜5℃の増分で増加させた様々な温度で5分間インキュベートした。この溶液は、中程度のアルカリホウ酸塩緩衝液(600mM ホウ酸、240mM NaOH、1%(v/v)TORITON(登録商標)X−100,pH8.5)で希釈し、そして等しいまたは低い温度(例えば50℃)で10分間インキュベートした。
これらの条件下で、1本鎖プローブに結合したアクリジニウムエステルは加水分解する一方、ハイブリダイズしたプローブに結合したアクリジニウムエステルは比較的に加水分解から保護される。このように、加水分解処理後のアクリジニウムエステルの量は、ハイブリッド分子の数に比例する。残ったアクリジニウムエステルは、溶液に過酸化水素、ならびにアルカリを加えることによって残ったアクリジニウムエステルから生産した化学発光のモニタリングによって測定し得た。化学発光は、LEADER(登録商標)450i luminometer(Gen−Probe Incorporated,San Diego,CA;Cat.番号3200i)のようなルミノメーター(Luminometer)によって測定され得る。結果データは最大値シグナル(通常は、最低温度由来)対温度のパーセントとしてプロットした。Tは最大シグナルの50%が残る温度として規定される。上記の方法に加え、Tは当業者に公知である同位体法によって決定され得る(例えば、米国特許第5,840,488号を参照のこと)。
所定のハイブリッドについてのTは、使用するハイブリダイゼーション溶液の本質に依存することが記述されるべきである。塩濃度、洗剤、ならびに他の溶質のような因子は、熱変性の間のハイブリッド安定性に影響し得(例えば、SAMBROOKら、上記、ch.11を参照のこと)。プローブと標的とのハイブリッドをもたらすイオン濃度および温度のような条件は、プローブの作製に考慮されるべきである(ハイブリッド核酸の熱安定性は反応混合物のイオン濃度に伴って増加する)。他方では、ホルムアミド、尿素、ジメチルスルホキシドおよびアルコールのような水素結合を破壊する化学試薬が、ハイブリッドの熱安定性を大きく減少し得る。
標的に対するハイブリダイゼーションプローブの特異性を保障するために、高いストリンジェンシーの条件下で標的の核酸のみとハイブリダイズするプローブを設計することが好ましい。高い相補配列のみが、高いストリンジェンシーの条件下でハイブリッドを形成する。従って、アッセイ条件のストリンジェンシーは、2つの配列間で安定なハイブリッドを形成するために必要とされる相補性の量を決定する。ストリンジェンシーは、プローブ:標的ハイブリッドと、潜在的プローブ:非標的ハイブリッドとの間の安定性の違いが最大になるように選択されるべきである。
特異的なストリンジェントハイブリダイゼーション条件の例は、以下の実施例項(例えば、使用され得る特定のハイブリダイゼーション試薬および増幅試薬の説明について「試薬」と題され小区分を参照のこと)によって提供される。もちろん、選択的なストリンジェントハイブリダイゼーション条件は、本説明書の開示に基づき当業者によって決定され得た(例えば、SAMBROOKら、上記ch.11を参照のこと)。
従って、標的核酸配列領域の長さおよびプローブ配列の長さは重要とされ得る。いくつかの場合において、位置と長さの異なる特定の領域からのいくつかの配列が存在し得、望まれるハイブリダイゼーション特性のプローブを設計するために使用され得る。他の場合、1つのプローブは特異性に関して、別の単に1塩基のみ違うものよりも、十分に優れ得る。ハイブリダイズのために完全に相補的でない核酸が存在しうる一方、完全に相補的な塩基の最大伸長は、塩基条件と同じように、通常ハイブリッド安定性を決定する。
ハイブリダイゼーション阻害性の強い内部構造を形成することが公知のrRNAの領域は、特に以下に開示されるヘルパープローブが使用されないアッセイにおいて標的領域としてあまり好ましくない。同様に、広範囲に自己相補性を有するプローブは、通常避けられるべきである。(ところが、以下に考案する分子ビーコンおよび分子トータ(torches)のようなヘアピンプローブのように、プローブのある程度の自己相補性は望ましいと指摘される必要がある。)鎖が全部または一部的に分子内ハイブリッドまたは分子間ハイブリッドに含まれる場合、反応条件を変化させないで、新たな分子間プローブ:標的ハイブリッドの形成に加わり得ることは少ない。リボソームRNA分子が大変安定性のある分子内へリックス構造を形成すること、および水素結合による2次構造を形成することは公知である。ハイブリダイゼーション条件下で十分に一本鎖が残る標的核酸の領域に対するプローブを設計することによって、プローブと標的との間のハイブリダイゼーションについての速度および程度は増加し得る。
ゲノムリボソーム核酸(rDNA)標的は、本質的に二本鎖形態でありポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の産生物である。これらの二本鎖標的は、本質的にプローブとのハイブリダイゼーションを抑制し、そしてハイブリダイゼーションに先立って変性を必要とする。適切な変性およびハイブリダイゼーション条件は当該分野において公知である(例えば、Southern,E.M.、J.Mol、Biol、98:503(1975)を参照のこと)。
標的核酸に完全に一致してオリゴヌクレオチドについての融解温度の概算を提供する多くの数式が利用できる。
1つのこのような数式は以下である:
=81.5+16.6(log10[Na])+0.41(分画G+C)−(600/N)
(ここでN=ヌクレオチドの数におけるオリゴヌクレオチド長)。これは、14から60〜70の範囲のヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドについて良好なTの概算を提供する。このような計算から、その後の実験的な証明またはTの「細かい調整(fine tuning)」は、当該分野で周知のスクリーニング技術を使用してなされ得る。ハイブリダイゼーションおよびオリゴヌクレオチドプローブの参照についてのさらなる情報は、SAMBROOKら、上記、ch.11でなされ得る。当該分野で周知の他のものであるが、とりわけ、この参考文献はまたハイブリッドのTにおけるミスマッチの影響の概算を提供する。このように2つまたはそれ以上の生物のリボソームRNA(またはrRNA)所定の領域にある公知のヌクレオチド配列から、これらの生物を互いに区別するオリゴヌクレオチドが設計され得る。
(C.オリゴヌクレオチドの調製)
本発明のハイブリダイゼーションアッセイプローブ、増幅プライマーおよび捕捉プローブは、当該分野において公知の方法によって容易に調製され得る。好ましくは、オリゴヌクレオチドは固体相法を使用して合成される。例えば、Caruthersは、標準的なホスホラミダイト固体相化学を使用してホスホジエステル結合によってヌクレオチドを繋ぐことを記述している。例えば、Caruthersら,「Chemical Synthesis of Deoxynucleotide by the Phosphoramidite Method」,Methods Enzymol,154:287(1987)を参照のこと。シアノエチルホスホラミダイト前駆体を使用する自動的な固体相化学的合成は、Baroneによって記述されている。Baroneら,「In Situ Activation of bis−dialkylaminephospines−a New Method for Synthesizing Deoxyoligonucleotides on Polymer Supports」Nuclec Acids Res,12(10):4051(1984)を参照のこと。Battは、ホスホロチオエート結合を含むオリゴヌクレオチドの合成するための手順を「Method and Reagent for Sulfurization of Organophosphorous Compounds」と題される米国特許第5,449,769号で開示している。さらにRileyらは、メチルホスホネート結合を含む異なる結合を有するオリゴヌクレオチドの合成を、「Process for the Purification of Oligomers」と題される米国特許第5,811,538号で開示している。これらオリゴヌクレオチドの有機的合成法についての方法は、当業者で公知であり、そして例えばSAMBROOKら、上記、ch.10に記載されている。
特定オリゴヌクレオチドの合成および精製に続き、いくつかの異なった操作がオリゴヌクレオチドの精製および質の調整で利用され得る。適切な操作はポリアクリルアミドゲル電気泳動または、高圧液体クロマトグラフィーを含む。これらの操作の両方は、当該分野において周知である。
本発明におけるすべてのオリゴヌクレオチドは、ハイブリダイゼーションアッセイプローブ、増幅プライマーまたは捕捉プローブにかかわらず、それらの働きを増長するか、あるいは増幅産物の特性を促進する化学基で改変され得る。例えば、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、2’−O−アルキル基または、ペプチド基(これらは、特定のポリメラ−ゼの核酸分解活性に対してまたはヌクレア−ゼ酵素に対してオリゴヌクレオチドを耐性にする)を有するオリゴヌクレオチドのように骨格改変されたオリゴヌクレオチドによって、このような酵素を増幅や他の反応で利用し得る。改変についての他の例は、プローブまたはプライマーの核酸鎖においてヌクレオチド間に組み込まれた、プローブのハイブリダイゼーションまたはプライマーのハイブリダイゼーションおよび伸長を抑制しない非ヌクレオチドリンカーを使用することを含む。Arnoldら、「Non−Nucleotide Linking Reagents for Nucleotide Probes」、米国特許第6,031,091号を参照のこと。本発明のオリゴヌクレオチドはまた、所望の改変されたヌクレオチドおよび天然のヌクレオチドの混合物を含み得る。
増幅プライマーの3’末端は、DNA合成の開始を抑制または阻害するために改変され得るか、または阻止し得る(例えば、Kacianら、米国特許第5,554,516号に開示される)。プライマーの3’末端は、当該分野で周知のさまざまな方法によって改変され得る。例として、プライマーの適切な改変がリボヌクレオチド、3’デオキシヌクレオチド残基(例えば、cordycepin)、2’,3’−ジデオキシヌクレオチド残基、ホスホロチオエートのような改変ヌクレオチド、ならびに米国特許第6,031,091号に開示される非ヌクレオチド結合またはアルカン−ジオール改変の添加を含み得る(Wilkら、「Backbone−Modified Oligonucleotides Containing a Butanediol−1,3, Moiety as a 「Vicarious Segment」for the Deoxyribosyl Moiety−Synthesis and Enzyme Studies」、Nucleic Acids Res、18(8):2065(1990)、を参照のこと)かあるいは、改変は単に標的核酸配列と非相補的であるプライミング配列に対して3’領域から成り立ち得る。加えて、上記に開示されるように異なった3’阻害プライマーの混合物または3’阻害プライマーおよび非阻害プライマーの混合物は核酸増幅の効果を増加し得る。
プライマーの5’末端は、いくつかの核酸ポリメラ−ゼに存在する5’−エキソヌクレア−ゼ活性に耐性であるように改変され得る。このような改変は、Arnoldら、米国特許第6,031,091号に開示されるような技術を使用して、プライマーの末端5’ヌクレオチドに非ヌクレオチドを添加することによって実行され得る。鎖の置換を促進するために、5’末端はまた、Dattaguptaら、「Isothermal Strand Displacement Nucleic Acid Amplification」米国特許第6,087,133号に開示される非相補的ヌクレオチドを含むように改変され得る。
一旦合成されると、選択されたオリゴヌクレオチドがいくつかの周知である手法のいずれかによって標識され得る(例えばSAMBROOK,上記,ch.10を参照のこと)。利用できる標識は放射性同位体および非放射性報告基も含む。同位体の標識は、H、35S、32P、125I、57Coおよび14Cを含む。同位体の標識は、当該分野で公知のニックトランスレーション、末端標識、二次鎖合成、逆転写の使用のような技術によって、ならびに化学的方法によってオリゴヌクレオチドに導入し得る。放射性標識されたプローブを使用した場合、ハイブリダイゼーションは、オートラジオグラフィ、シンチレーションカウンティングまたはγカウンティングによって検出され得る。選択された検出法は、標識に使用する特定の放射性同位体に依存する。
非同位体物質も、また標識に使用され得、核酸配列中または核酸の末端に導入され得る。改変ヌクレオチドは、酵素的または化学的に組み込まれ得る。プローブの化学的改変は、プローブ合成の間またはプローブ合成の後に、例えばArnldら、米国特許第6,031,091号によって開示されるように、非ヌクレオチドリンカー基の使用により実行され得る。非同位体標識は蛍光分子を含む(個々の標識または相互に影響し合う標識の組み合わせ(Tyagiら、米国特許第5,925,517号に開示される蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)ペア)、化学発光分子、酵素、補因子、酵素基質、ハプテンまたは他のリガンド)。本発明のハイブリダイゼーションアッセイプローブとともに、プローブは、好ましくはアクリジウムエステル(AE)(例えば、標準AE)と非ヌクレオチドリンカーとする手法によって標識される。アクリジウムエステル標識はArnoldら、「Acridinium Ester Labelling and Purification of Nucleotide Probes」、米国特許第5,185,439号に開示されるように実行され得る。
(D、核酸増幅)
好ましくは、本発明の増幅プライマーはオリゴデオキシヌクレオチドであり、そして核酸ポリメラ−ゼによって伸長産物の合成の基質として使用されるように十分に長い。最適のプライマー長はいくつかの因子を考慮に入れるべきであり、これには反応温度、構成およびプライマーの塩基組成ならびにプライマーの使用法が挙げられる。例えば、最適な特異性のためにオリゴヌクレオチドプライマーは、通常少なくとも12塩基長であるべきであり、これは、標的核酸配列の複雑性に依存する。もしこのような特異性が重要でなければ、より短いプライマーが使用され得る。このような場合、テンプレート核酸と安定したハイブリッド複合体を形成するためにより低い温度で反応を実施することが所望され得る。
所望の特徴を有する増幅プライマーを設計するのに有用なガイドラインは、上記「Preparation of Oligonucleotide」と題される項に記載される。増幅ならびにプロービングに最適な部位は、M.Pneumoniae核酸および/またはM.genitalium核酸の少なくとも2つ、好ましくは3つの保存された領域を含む。これらの領域は約15〜350塩基長であり、そして好ましくは約15〜150塩基長の間である。
増幅プライマー(プライマーおよび/またはプロモーター−プライマー)のセットを用いて観察した増幅の程度は、いくつかの因子に依存し、この因子には、プライマーが特定の標的核酸とハイブリダイズする能力ならびに酵素的に伸長または複製する能力が挙げられる。異なる長さおよび塩基組成の増幅プライマーが使用され得る一方、本発明において好ましい増幅プライマーは、標的に対して42℃以上の指定T、好ましくは少なくとも約50℃のTを有する18〜40塩基の標的結合領域を有する。
プローブハイブリダイゼーションに影響を及ぼすパラメーター(例えば、融解温度、相補性および標的配列の二次構造)もまた増幅プライマーハイブリダイゼーションに影響し、結果として増幅プライマーの性能に影響する。非特異的な伸長(例えば、プライマーダイマーまたは非標的複製)はまた、増幅効果に影響し得る。こうして、増幅プライマーは、特に3’末端配列に通常低い自己相補性または交差相補性を有するように選択される。それにもかかわらず、自己相補性領域を含む増幅プライマーが利用され得る(例えば、Nadeauら「Detection of Nucleic Acids by Fluorescence Quenching」、米国特許第5,958,700号で開示される自己報告「シグナルプライマー」、およびNazarenkoら、「Nucleic Acid Amplification Oligonucleotides with Moleculer Energy Transfer Labels and Methods Based Thereon」、米国特許出願第5,866,336号によって開示される「ヘアピンプライマー(hairpin primers)」を参照のこと)。長いホモポリマーの連なり、ならびに高いGC含有量は、偽プライマー伸長を減少させるために除かれる。コンピュータプログラムは、本デザインのこの局面を補助するために利用でき、Oligo Therapeutics,IncからおよびWorld Wide Web(以下のURL:http://www.oligosetc.com.)から入手できるOligo Tech(登録商標)解析ソフトウェアが挙げられる。
本発明の増幅プライマーとともに使用される核酸ポリメラーゼは、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドのいずれかまたは両方を、温度依存的方法で核酸ポリマー、または鎖に組み込む化学的因子、物理的因子または生物的因子を示す。核酸ポリメラーゼの例としては、DNA−指向DNAポリメラーゼ、RNA−指向DNAポリメラーゼ、およびRNA−指向RNAポリメラーゼが挙げられる。DNAポリメラーゼは、テンプレート依存的様式で5’→3’の方向で核酸合成を引き起こす。二本鎖核酸は、典型的に非平行な向きの2つの鎖なので、この方向は、テンプレートの3’領域からテンプレートの5’領域である。DNA−指向DNAポリメラーゼの例として、E.coli DNAポリメラーゼI、Thermus aquaticus(Taq)からの熱安定性 DNA ポリメラーゼおよびBacillus stearothermophilus(Bst)からのDNAポリメラーゼIの大フラグメントが挙げられる。例えば、Riggsら、「Purified DNA Polymerase from Bacillus stearothermophilus」、米国特許第6,066,483号特許を参照のこと。RNA−指向DNAポリメラーゼの例として、さまざまな逆転写酵素(例えば、モロニーマウス白血病ウイルス(MMLV)逆転写酵素、または鳥類骨髄芽球症ウイルス(AMV)逆転写酵素)が挙げられる。
大部分の核酸増幅反応の間、核酸ポリメラーゼはテンプレートとして標的核酸を使用してヌクレオチド残基をプライマーの3’末端に付加する。このようにして標的核酸領域と部分的にまたは完全に相補性のあるヌクレオチド配列を有する第二の核酸鎖を合成する。多くの核酸増幅反応では、結果としての二本鎖構造を含む二次構造は、化学的または物理的方法によって増幅反応を続行させるために分離されなくてはならない。あるいは、新しく合成されたテンプレート鎖は、他の方法(例えば、鎖の置換、または本来の標的鎖の一部または全部を消化する核酸酵素の使用)によって第二のプライマーまたはプロモーター−プライマーとのハイブリダイゼーションに利用され得る。このような方法によって、本工程は、多くのサイクルを通して繰り返され得、その結果、標的ヌクレオチド配列を有する多数の核酸分子が大きく増加し得る。
第一または第二の増幅プライマーのいずれかまたは両方は、プロモーター−プライマーであり得る。(いくつかの適応で、増幅プライマーは、センス鎖に相補的なプロモーター−プライマーのみから成り得、Kacianら、「Nucleic Acid Sequence Amplification Method,Composition and Kit」、米国特許第5,554,516号で開示される)。プロモーター−プライマーは通常、標的核酸分子またはプライマー伸長産物に存在するヌクレオチド配列と相補性を有さないオリゴヌクレオチド(例えば、Kacianら、「Nucleic Acid Sequence Amplification Methods」、米国特許第5,399,491号を参照のこと)を包む。これらの非相補的配列は増幅プライマー上の相補的な配列に対して5’に位置し得、そして核酸ポリメラーゼの作用を通して二本鎖にされる場合、RNA合成を開始する遺伝子座を提供し得る。このように提供されたプロモーターは、標的核酸配列の多数のRNAコピーのインビボの転写を生じさせ得る。本明細書においてプライマーに対する全ての参照は、背景が明らかに別のことを示している場合を除いて、プライマー、プロモーター−プライマーを包含することが理解される。
(E.サンプル処理)
標的配列の増幅、または検出に先立つサンプル処理は、サンプルに存在する非標的核酸から標的配列を区別するために、必要または利用され得る。サンプル処理は、例えば不均質アッセイにおける液相からの核酸および/またはオリゴヌクレオチドの直接的または間接的な固定を含み得る。いくつかの手段において、このような固定は多数のハイブリダイゼーションの現象を必要とし得る。例えば、Rankiら、「Detection of Microbial Nucleic Acids by a One−Step Sandwich Hybridization Test」、米国特許第4,486,539号および同第4,563,419号は、標的の相補配列を有する固相結合核酸および、標的核酸の異なる領域に相補的な標識核酸プローブの使用を含む一段階核酸「サンドイッチ」ハイブリダイゼーション法を開示する。Stabinsky、「Methods and Kits for Performing Nucleic Acid Hybridization Assays」米国特許第4,751,177号は、記載されるところでは、固体支持体からの固定したプローブの漏洩から生じるRankiの方法に関連する感受性の問題を克服する「メディエーター」ポリヌクレオチドを含む方法を開示している。標的核酸の直接的な固定の代わりに、Stabinskyのメディエーターポリヌクレオチドは、標的ポリヌクレオチド:プローブポリヌクレオチド複合体(溶液中で遊離して形成される)に結合し、間接的に固定化するために使用される。
任意の公知固体支持体は、サンプル処理(例えば、マトリクスおよび溶液内自由粒子)に利用され得る。固体支持体は、例えばニトロセルロース、ナイロン、ガラス、ポリアクリレート、混合ポリマー、ポリスチレン、シランポリプロピレンおよび、好ましくはサンプルの回収および/または結合していない核酸もしくは他のサンプル成分の回収を容易にする磁荷を有する粒子であり得る。特に好ましい支持体は均散(すなわち±5%の大きさに均一な)磁気を帯びた球体で、特に自動的な操作を使用し便利である、従って一定の結果を提供し、これは、自動化手順における使用に特に有利である。このように1つの自動化された操作はAmmannら、「Automated Process for Isolating and Amplifying a Target Nuleic Acid Sequence」、米国特許第6,335,166号に開示される。
標的核酸を固体支持体に固定するオリゴヌクレオチドは、アッセイ条件下で安定的な任意の結合または相互作用によって、直接的または間接的に固体支持体に結合し得る(例えば、増幅および/または検出の条件)。「固定プローブ」として本明細書中で参照される通り、このオリゴヌクレオチドは、直接的に標的核酸に結合し得るか、またはホモポリメリック領域(tract)のような塩基配列領域(例えば、ポリdT)または、簡単な短い繰り返し配列(例えば、ATリピート)を含み得、それは捕捉プローブに存在する相補的塩基配列領域にハイブリダイズする。直接的な結合は、中間基が不在で固定プローブが固体支持体に結合した場合に生じる。例えば、直接的な結合は、共有結合、キレートまたはイオン相互作用によってであり得る。間接的な結合は、固定プローブが固体支持体に1つまたはそれ以上の結合によって結合する場合に生じる。「リンカー」は、少なくとも2つの異なった分子の、安定的な複合体への結合のための手段であり、結合パートナーセットの1つまたはそれ以上の構成要素を含む。
結合パートナーセットのメンバーは、お互いに認識して結合することができる。結合パートナーセットは例えば、レセプターおよびリガンド、酵素および基質、酵素および補因子、酵素および補酵素、抗体および抗原、糖およびレクチン、ビオチンおよびストレプトアビジン、リガンドおよびキレート剤、ニッケルおよびヒスチジン、実質的に相補的なオリゴヌクレオチド、ならびに相補性のあるホモポリマーの核酸またはポリマー核酸のホモポリマーの部分であり得る。結合パートナーセットの成分は、結合に参与するメンバーの領域にある。
使用しやすく迅速であるという見地から、実際的な利点を有する好ましいサンプル処理システムは、捕捉プローブの塩基配列と相補性のある塩基配列(これは本明細書で「固定プローブ結合領域」と呼ばれる)を含む固定プローブを包含する捕捉プローブはさらに塩基配列を包含し、本明細書で「標的結合領域」として参照され、アッセイ条件下で標的核酸に含有される標的配列に特異的にハイブリダイズし得る。(捕捉プローブの標的結合領域の特異性は、分離過程の後のサンプルから残った非標的核酸が最小であることが所望されるが、捕捉プローブが標的核酸を単離するために単独で使用される場合、これは、本発明の捕捉プローブの必要条件ではない)捕捉プローブが、その後の標的配列の増幅のための標的核酸の分離に使用される場合、捕捉プローブは、さらに標的結合領域の内部および付近に付着した検出可能な標識も包含し得る(例えば、置換または非置換のアクリジニウムエステル)。標識された捕捉プローブは、一本鎖核酸(例えば捕捉プローブ)の検出を伴わず、特異的にハイブリッド核酸を検出するためのホモジェナスまたは半ホモジェナスアッセイに使用され得る。このシステムに使用され得る好ましいホモジェナイズアッセイは、ハイブリダイゼーション保護アッセイ(HPA)であり、「Hybridization Conditions and Probe Design」と題される項において上記に記載される。HPA様式に続き、標識核酸にハイブリダイズしない捕捉プローブに関連する標識は、中程度塩基の付加に伴い加水分解され得、一方捕捉プローブ:標的ハイブリッドに関連する標識は加水分解から保護される。
この後者のアッセイシステムの利益は、1つの標的特異的ハイブリダイゼーション現象(捕捉プローブ:標的のみ)が本明細書中に記載した他のサンプル加工処理で必要とされる多数の似たような現象(例えば、捕捉プローブ:標的およびプローブ:標的またはプローブ:アンプリコン)よりむしろ標的の検出に必要である。さらに、アッセイにおけるより少数のオリゴヌクレオチドは、アッセイの最適化をより速く、簡単にする傾向にある。なぜなら標的核酸が、捕捉および検出される全体的な速度は、最も遅くハイブリダイズするオリゴヌクレオチドによって制限される。捕捉プローブの標的結合領域が代替のアッセイシステムにおいて低い特異性であり得る一方、捕捉プローブと非標的核酸の有意な飽和を除くために、十分希薄でなくてはならない。このように2つの別々の特定の標的配列が、これらの代替的システムで特定される必要条件は、適切な標的の特定を束縛し得る。対照的に、ただ1つのこのような標的配列は、捕捉プローブが同時に検出プローブとして機能する場合に必要とされる。
どちらのアプローチが適切であるとしても、アッセイは、試験サンプルの中に標的核酸の存在の検出するための手段を含むことを必要とする。標的核酸を検出するためのさまざまな手段は、核酸の検出の当業者で周知であり、検出可能な標識の存在を必要としない手段を含んでいる。それにもかかわらず、検出可能な標識を含むプローブが好ましい。標的核酸の存在の検出のために標識されたプローブは、実質的に相補性であり、そして標的核酸に含まれる標的配列に特異的にハイブリダイズする塩基配列を含む必要がある。一旦プローブが標的核酸に安定に結合すれば(その結果の標的:プローブハイブリッドが直接的、または間接的に固定され)、非結合プローブは洗い流されるまたは不活性化され、そして残りの結合プローブは検出および/または測定され得る。
好ましいサンプル処理システムは、検出および核酸増幅のエレメントを連結させる。これらのシステムは、第一に直接的にまたは間接的に捕捉プローブを用いて標的核酸を固定し、捕捉された標的核酸は、サンプル含有容器から特に細胞細片、非標的核酸および増幅インヒビターを取り除くことによって精製され、続けて標的核酸に含まれる標的配列を増幅する。次いで増幅された産物は、好ましくは標識されたプローブの溶液内で検出される。(標的核酸は、増幅の間、固定状態のままであり得るかまたは、増幅に先立って固体支持体から適切な条件(例えば、最初に捕捉プローブ:標的複合体のTm以上の温度および/または捕捉プローブ:固定プローブ複合体のTm以上の温度でのインキュベート)を使用して溶出され得る。)このシステムの好ましい実施形態は、Weisburgら、「Two−Step Hybridization and Capture of a Polynucleotide」、米国特許第6,110,678号に開示される。このシステムで捕捉プローブは、標的核酸にハイブリダイズし、そして固定プローブは捕捉プローブ標的複合体に異なるハイブリダイゼーション条件でハイブリダイズする。第一のハイブリダイゼーション条件のセット下で、捕捉プローブの標的核酸へのハイブリダイゼーションは、捕捉プローブの固定プローブへのハイブリダイゼーションより好まれる。このように、第一の条件のセット下で、捕捉プローブは固体支持体に結合するよりもむしろ溶液内に存在し、従って自由捕捉プローブの濃度を最大にし、そして標的核酸のハイブリダイゼーションに好ましい液相動力を使用する。捕捉プローブは標的核酸にハイブリダイズするのに十分な時間を有し、第二のセットのハイブリダイゼーション条件が捕捉プローブ標的複合体において、固定プローブにハイブリダイズすることを可能にし、従ってサンプル溶液中の標的核酸を単離する。固定した標的核酸はその後精製され得、そして標的核酸に存在する標的配列は増幅され、検出され得る。1つもしくはそれ以上の洗浄過程を含む精製処理は通常、粗製サンプル(例えば、臨床、環境、産業、食糧、水、など)で作業する場合、サンプルに存在する物質に起因して酵素阻害および/または核酸分解を防ぐことが所望される。
好ましい増幅方法は、転写媒介誘導性の増幅法であり、Kacianら、「Nucleic Acid Sequence Amplification Methods」、米国特許第5,480,789号に開示される。この方法に一致して、標的の一部に相補的な3’領域ならびに標的の部分と同じ核酸配列を有する5’プロモーター領域およびプライマーを有するプロモーター−プライマーは標的RNA分子と接触する。このプライマーとプロモーター−プライマーは、増幅する標的領域の境界を規定し、標的分子に存在するセンスおよびその相補物、そしてアンプリコン(amplicon)長さおよび配列が含まれる。この好ましい実施形態では、増幅オリゴヌクレオチドおよび固定した標的RNAは、効果的な量のMoloney マウス白血病ウイルス由来の逆転者酵素、およびT7RNAポリメラ−ゼ、リボヌクレオチドおよびデオキシリボヌクレオチドトリフォスフェートの両方、ならびに必要な塩および補因子の存在中で42℃で接触させた。これらの条件下で核酸増幅が生じ、標的の核酸と逆のセンスのRNAアンプリコンが主にできる。これらのアンプリコンは溶液中で、例えば、Arnoldら、米国特許第5,283,174号で開示されるように標的核酸と同じセンスのアクリジニウムエステル標識ハイブリダイゼーションアッセイプローブを使用して、HPAを使用して検出され得る。
固定プローブおよび捕捉プローブの3’末端は、好ましくは核酸ポリメラーゼの活性のためのテンプレートとしての使用を阻害または抑制するために「キャップされる」かまたはブロックされる。キャッピング(capping)は、3’でオキシリボヌクレオチド(例えば、コーディセピン(cordycepin))、3’,2’−ジデオキシヌクレオチド残基、非ヌクレオチドリンカー(例えば、Arnoldら、米国特許第6,031,091号)、アルカン−ジオール改変、または3’末端に非相補ヌクレオチド残基を含み得る。
当業者は、上記に記載される方法論が、上記または明らかな改変としてさまざまな他の増幅方法に従うことを認識する。(例えば、ポリメラ−ゼ連鎖反応(PCR)、Qβレプリカ−ゼ媒介性増幅、自立型配列複製(self−sustained replication)(3SR)、鎖置換増幅(SDA)、核酸配列に基づく増幅(NASBA)、ループ媒介性等温増幅(LAMP)、およびリガーゼ連鎖反応(LCR)を含む)。
(F. M.リボソーム核酸を分離するための捕捉プローブ)
本発明の捕捉プローブは、非標的核酸の存在下でMycoplasma生物の16Sリボソーム核酸由来の核酸に結合して、分離するように設計されている。このように、捕捉プローブは標的結合領域および固定プローブ結合領域を含む。捕捉プローブの標的結合領域は、アッセイ条件下でMycoplasma生物由来の16Sリボソーム核酸に由来する標的配列にハイブリダイズする塩基配列を含む。必須ではないが、標的結合領域は、好ましくはアッセイ条件下で非標的核酸配列が存在する中で標的配列に対する特異性を示す。固定プローブ結合領域はポリヌクレオチドを含む固定プローブ、または直接的または間接的に試験サンプルに存在する固体支持体と結合する、ポリヌクレオチド配列を含むキメラにハイブリダイズする塩基配列を有する。標的結合領域および固定プローブ結合領域はお互いに、直接的または(例えば、ヌクレオチド塩基配列、無塩基配列もしくは非ヌクレオチドリンカー)によって結合し得る。
好ましい実施形態において、本発明に従う捕捉プローブは、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19および配列番号20からなる群から選択される塩基配列に対し、少なくとも約85%の相同性(好ましくは、少なくとも約90%の相同性、より好ましくは、少なくとも約95%の相同性、最も好ましくは100%の相同性)を有する塩基配列領域を含む標的結合領域を含む。これらの好ましい捕捉プローブの固定化プローブ結合領域は、アッセイ条件下で試験サンプルに提供される固体支持体に直接的または間接的に結合する固定化プローブにハイブリダイズする塩基配列を含む。固定化プローブ結合領域は、好ましくは、固定化プローブの5’末端に位置するホモポリマー領域(例えば、ポリdT)に相補的な、捕捉プローブの3’末端に位置するホモポリマー領域(例えば、ポリdA)を含む。その他の塩基配列は、例えば、短い反復配列を含む固定プローブ結合領域に組み込まれ得る。
望ましくない交差ハイブリダイゼーション反応を防ぐために、本発明の捕捉プローブは、好ましくは、アッセイ条件下で試験サンプルに存在し得る任意の生物由来の核酸に安定に結合し得る、標的結合領域のヌクレオチド塩基配列以外の、ヌクレオチド塩基配列を含まない。本アプローチと一致して、そして生成される捕捉プローブ:標的複合体の固定化を最大にするために、固定化プローブ結合領域のヌクレオチド塩基配列は、好ましくは、アッセイ条件下で固定化プローブ中に存在するヌクレオチド塩基配列に安定に結合し得るように、そして試験サンプル中に存在し得る任意の生物由来の核酸に結合しないように設計される。
捕捉プローブの標的結合領域および固定化プローブ結合領域は、捕捉プローブ:標的複合体が、捕捉プローブ:固定化プローブ複合体のTより高いTを有するように選択され得る。このようにして、固定化プローブを越えて、捕捉プローブの標的配列へのハイブリダイゼーションを支持する第一セットの条件が課され得、その結果、捕捉プローブの標的配列へのハイブリダイゼーションのための最適な液相ハイブリダイゼーション速度論が提供され得る。いったん捕捉プローブの標的配列への結合に十分な時間が経過すると、捕捉プローブの固定化プローブへのハイブリダイゼーションを可能にする第二セットのストリンジェントな条件が課され得る。固体支持体上で標的核酸を捕らえるための異なるハイブリダイゼーション条件の例は、下記の実施例4で示される。その他のセットの条件は、当業者により、慣用的な実験法以上のものに従事することなく確立され得る。
本発明の捕捉プローブは、試験サンプル中での標的配列の直接検出のための標識または一対の相互作用標識もまた含み得る。標識、標識の組み合わせおよびプローブを標識するための手段の併用の非限定的な例は、前出の「オリゴヌクレオチドの調製」と表題を付けられた節の中および以下の「M.pneumoniaeおよび/またはM.genitaliumリボソーム核酸に対するハイブリダイゼーションアッセイプローブ」と表題を付けられた節の中に示されている。標的核酸にハイブリダイズしている捕捉プローブの存在を検出するための特に有益な方法は、「ハイブリダイゼーション条件とプローブ設計」と表題を付けられた節の中に上述されるハイブリダイゼーション保護アッセイ(HPA)である。HPAは、標的核酸にハイブリダイズしているプローブとハイブリダイズしないままのプローブとを識別する均一アッセイである。HPA反応容器から検出されたシグナルは、試験サンプル中の標的生物の存在または量の指標を提供する。
直接検出アッセイへの用途にも関わらず、捕捉プローブの最も一般的な利用法は、標的核酸に含まれる標的配列の増幅の前の、標的核酸の単離および精製においてである。増幅の前に標的核酸を単離および精製することにより、意図しない増幅反応(すなわち、非標的核酸の増幅)の数を大幅に制限し得る。そして、捕捉プローブ自身が、増幅試薬の存在下および増幅条件下における核酸のポリメラーゼ活性のための鋳型として機能することを妨げ、また阻害するために、捕捉プローブの3’末端はキャップされ、またはブロックされ得る。キャッピング剤の例としては、以下のものが挙げられる:3’デオキシリボヌクレオチド、3’、2’−ジデオキシヌクレオチド残基、非ヌクレオチドリンカー、アルカン−ジオール修飾物、および3’末端の非相補的ヌクレオチド残基。
(G.Mycoplasmaリボソーム核酸の増幅)
本発明の増幅プライマーは、Mycoplasma生物体由来の16Sリボソーム核酸の領域に方向付けられている。増幅プライマーは、核酸増幅アッセイにおいてMycoplasma生物体の存在を検出するのに使用されるハイブリダイゼーションアッセイプローブ(またはその相補鎖)の標的核酸配列の少なくとも一つと隣接し得るか、重なり得るか、またはこの配列の内部に含まれ得る。上述のように、増幅プライマーはまた、RNAポリメラーゼに結合し、標的核酸を鋳型として用いるRNA転写を方向付けることを可能にするプロモーター配列を含むプローブの5’末端に、非相補的な塩基をも含み得る。配列番号41のようなT7プロモーター配列が使用され得る。
本発明の増幅プライマーは、増幅条件下でMycoplasma生物体由来の核酸中に存在する標的核酸配列を増幅することが可能である。これらの増幅プライマーは、標的結合領域の塩基配列が、以下の塩基配列(配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、または配列番号40)を有するか、または実質的に対応する標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含む。本発明の増幅プライマーは、しかしながら、標的結合領域の塩基配列が、以下の塩基配列(配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号37、配列番号38、配列番号39、または配列番号40)を有するか、または実質的に対応する標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含む増幅プライマーを含まないが、標的結合領域が、以下の塩基配列(配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、または配列番号36)を有するか、または実質的に対応する標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含む増幅プライマーを併用する場合は除く。本発明に従って、増幅プライマーの標的結合領域は、列挙された塩基配列に対し、好ましくは少なくとも約80%の相同性(より好ましくは少なくとも約90%の相同性、最も好ましくは100%の相同性)を有する。本発明の増幅プライマーは、好ましくは少なくとも12塩基長の、より好ましくは18〜40塩基長の標的結合領域を有する。
標的結合領域の塩基配列が、以下の塩基配列(配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、または配列番号36)を有するか、または実質的に対応する場合には、標的結合領域の塩基配列は、以下の塩基配列(配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、または配列番号36)に対し、好ましくは少なくとも約80%の相同性(より好ましくは少なくとも約90%の相同性、最も好ましくは100%の相同性)を有する。そして、RNAポリメラーゼにより認識されるか、またはRNAポリメラーゼによる開始もしくは伸長を亢進する任意の5’配列を除き、本発明の最も好ましい実施例中の増幅プライマーの塩基配列は、以下の塩基配列(配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、または配列番号36)に対し、少なくとも約80%の相同性(より好ましくは少なくとも約90%の相同性、最も好ましくは100%の相同性)を有する。
ある好ましい実施形態において、Mycoplasma生物体からの核酸を増幅するための少なくとも二つの増幅プライマーのセットが提供される。そのプライマーセットは、以下を含む:(i)標的結合領域の塩基配列が、以下の塩基配列(配列番号21、配列番号22、配列番号23、または配列番号24)を有するか、または実質的に対応する標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含む、第一増幅プライマー;および(ii)標的結合領域の塩基配列が、以下の塩基配列(配列番号29、配列番号30、配列番号31、または配列番号32)を有するか、または実質的に対応する標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含む、第二増幅プライマー。好ましくは、第一増幅プライマーの標的結合領域の塩基配列は、配列番号21の塩基配列を有するか、または実質的に対応し、第二増幅プライマーの標的結合領域の塩基配列は、配列番号29の塩基配列を有するか、または実質的に対応する。好ましい方法では、第二増幅プライマーは、RNAポリメラーゼにより認識されるか、またはRNAポリメラーゼによる開始もしくは伸長を亢進する5’配列を、さらに含む。
別の好ましい実施形態において、Mycoplasma生物体由来の核酸を増幅するための少なくとも二つの増幅プライマーのセットが提供される。そのプライマーセットは、以下を含む:(i)標的結合領域の塩基配列が、以下の塩基配列(配列番号21、配列番号22、配列番号23、または配列番号24)を有するか、または実質的に対応する標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含む、第一増幅プライマー;および(ii)標的結合領域の塩基配列が、以下の塩基配列(配列番号33、配列番号34、配列番号35、または配列番号36)を有するか、または実質的に対応する標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含む、第二増幅プライマー。好ましくは、第一増幅プライマーの標的結合領域の塩基配列は、配列番号21の塩基配列を有するか、または実質的に対応し、第二増幅プライマーの標的結合領域の塩基配列は、配列番号33の塩基配列を有するか、または実質的に対応する。好ましい方法では、第二増幅プライマーは、RNAポリメラーゼにより認識されるか、またはRNAポリメラーゼによる開始もしくは伸長を亢進する5’配列を、さらに含む。
さらに別の好ましい実施形態において、Mycoplasma生物体由来の核酸を増幅するための少なくとも二つの増幅プライマーのセットが提供される。そのプライマーセットは、以下を含む:(i)標的結合領域の塩基配列が、以下の塩基配列(配列番号21、配列番号22、配列番号23、または配列番号24)を有するか、または実質的に対応する標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含む、第一増幅プライマー;および(ii)標的結合領域の塩基配列が、以下の塩基配列(配列番号37、配列番号38、配列番号39、または配列番号40)を有するか、または実質的に対応する標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含む、第二増幅プライマー。好ましくは、第一増幅プライマーの標的結合領域の塩基配列は、配列番号21の塩基配列を有するか、または実質的に対応し、第二増幅プライマーの標的結合領域の塩基配列は、配列番号37の塩基配列を有するか、または実質的に対応する。好ましい方法では、第二増幅プライマーは、RNAポリメラーゼにより認識されるか、またはRNAポリメラーゼによる開始もしくは伸長を亢進する5’配列を、さらに含む。
なお別の好ましい実施形態において、Mycoplasma生物体由来の核酸を増幅するための少なくとも二つの増幅プライマーのセットが提供される。そのプライマーセットは、以下を含む:(i)標的結合領域の塩基配列が、以下の塩基配列(配列番号25、配列番号26、配列番号27、または配列番号28)を有するか、または実質的に対応する標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含む、第一増幅プライマー;および(ii)標的結合領域の塩基配列が、以下の塩基配列(配列番号29、配列番号30、配列番号31、または配列番号32)を有するか、または実質的に対応する標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含む、第二増幅プライマー。好ましくは、第一増幅プライマーの標的結合領域の塩基配列は、配列番号25の塩基配列を有するか、または実質的に対応し、第二増幅プライマーの標的結合領域の塩基配列は、配列番号29の塩基配列を有するか、または実質的に対応する。好ましい方法では、第二増幅プライマーは、RNAポリメラーゼにより認識されるか、またはRNAポリメラーゼによる開始もしくは伸長を亢進する5’配列を、さらに含む。
さらに好ましい実施形態において、Mycoplasma生物体由来の核酸を増幅するための少なくとも二つの増幅プライマーのセットが提供される。そのプライマーセットは、以下を含む:(i)標的結合領域の塩基配列が、以下の塩基配列(配列番号25、配列番号26、配列番号27、または配列番号28)を有するか、または実質的に対応する標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含む、第一増幅プライマー;および(ii)標的結合領域の塩基配列が、以下の塩基配列(配列番号33、配列番号34、配列番号35、または配列番号36)を有するか、または実質的に対応する標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含む、第二増幅プライマー。好ましくは、第一増幅プライマーの標的結合領域の塩基配列は、配列番号25の塩基配列を有するか、または実質的に対応し、第二増幅プライマーの標的結合領域の塩基配列は、配列番号33の塩基配列を有するか、または実質的に対応する。好ましい方法では、第二増幅プライマーは、RNAポリメラーゼにより認識されるか、またはRNAポリメラーゼによる開始もしくは伸長を亢進する5’配列を、さらに含む。
本発明の増幅プライマーは、ブロックされた3’末端および/もしくは5’末端(上述したように)、あるいは、RNAポリメラーゼによって認識される特定のヌクレオチド配列(例えば、T3、T7またはSP6 RNAポリメラーゼについてのプロモーター配列)、RNAポリメラーゼによるRNA転写の開始もしくは伸長を亢進する配列、または分子内塩基対形成のために供給され得、かつ二次もしくは三次核酸構造の形成を促進し得る配列が挙げられるがこれに限定されない配列の付加のような修飾を有し得る。
増幅プライマーは、以下に挙げるような核酸増幅手順に使用される:ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、Qβレプリカーゼに媒介される増幅、自立型配列複製(3SR)、転写に媒介される増幅(TMA)、核酸配列に基づく増幅(NASBA)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(SDA)、およびループに媒介される等温増幅(LAMP)、これらは各々、当該分野において周知である。例えば、Mullis、「Process for Amplifying Nucleic Acid Sequences」、米国特許第4,683,202号;Erlichら、「Kits for Amplifying and Detecting Nucleic Acid Sequences」、米国特許第6,197,563号;Walkerら、「Strand Displacement Amplification−−an Isothermal,In Vitro DNA Amplification Technique」、Nucleic Acids Res.,20(7):1691−1696(1992);Fahyら、「Self-sustained Sequence Replication(3SR):An Isothermal Transcription-Based Amplification System Alternative to PCR」、PCR Methods and Applications、1:25−33(1991);Kacianら、米国特許第5,399,491号;Daveyら、「Nucleic Acid Amplification Process」、米国特許第5,554,517号;Birkenmeyerら、「Amplification of Target Nucleic Acids Using Gap Filling Ligase Chain Reaction」、米国特許第5,427,930号;Marshallら、「Amplification of RNA Sequences Using the Ligase Chain Reaction」、米国特許第5,686,272号;Walker、「Strand Displacement Amplification」、米国特許第5,712,124号;Notomiら、「Process for Synthesizing Nucleic Acid」、米国特許第6,410,278号;Dattaguptaら、「Isothermal Strand Displacement Amplification」、米国特許第6,214,587号;およびHELEN H.LEEら、NUCLEIC ACID AMPLIFICATION TECHNOLOGIES:APPLICATION TO DISEASE DIAGNOSIS(1997)を参照のこと。特に示さないが、前出の「核酸増幅」の定義を満たすその他の増幅手順はまた、本発明者らにより企図される。
本発明の増幅プライマーは、好ましくは標識されないが、ハイブリダイゼーションアッセイプローブと組み合せて、または排他的に、標的核酸の検出を促進するための一つまたはそれ以上のレポーター基を含み得る。多種多様な方法が増幅標的配列を直接検出するために利用可能である。例えば、ヌクレオチド基質またはプライマーは、新規に合成されたDNAに取り込まれる検出可能な標識を含み得る。結果として生じる標識された増幅産物は、次いで、一般的に未使用の標識されたヌクレオチドまたはプライマーから分離され、標識は、分離産物の分画中で検出される。例えば、Wu、「Detection of Amplified Nucleic Acid Using Secondary Capture Oligonucleotides and Test Kit」、米国特許第5,387,510号を参照のこと。
分離工程は、プライマーが、例えばドナー/アクセプター色素対を形成する2つの色素に連結することによって修飾されるならば、必要とされない。修飾されたプライマーは、プライマーが標識核酸にハイブリダイズせず、その結果、物理的に2つの色素を分離する限りは、一方の色素対メンバーの蛍光が、他方の色素対メンバーによってクエンチされたままになるように設計され得る。さらに、プライマーは、修飾されたプライマーと標的核酸との間にハイブリッドが形成されるとき、制限エンドヌクレアーゼ認識部位が2本鎖にされ、適切な制限エンドヌクレアーゼによって切断する、またはニックを入れるために利用可能なように、2つの色素の間に位置する制限エンドヌクレアーゼ認識部位を含むように、さらに修飾され得る。ハイブリッドの切断またはニックは結果として2つの色素を分離し、その結果として、試験サンプル中の標的生物体の存在の指標として検出され得る、減少するクエンチングによる蛍光の変化が得られる。このような修飾されたプライマーは、例えばNadeauら、「Detection of Nucleic Acids by Fluorescence Quenching」、米国特許第5,958,700号、および同第6,054,279号に開示される。
有用な検出標識として役立ち得る物質は、当該分野で周知であり、直接的に検出可能でない一方で、特異的な結合パートナー(例えば、アビジンおよび抗体)の標識形態との反応によって、容易に検出され得る、ビオチンおよびハプテンなどのリガンドならびに、放射性同位体、蛍光分子、化学発光分子、発色団を含む。
別のアプローチは、検出可能なように標識されたプローブとのハイブリダイゼーション、および任意の従来の方法で結果として生じるハイブリッドを測定することにより、増幅産物を検出することである。特に、産物は、化学発光アクリジニウムエステル標識化プローブを標的配列にハイブリダイズすること、ハイブリダイズしていないプローブ上に存在するアクリジニウムエステルを選択的に加水分解すること、および残存するアクリジニウムエステルから産生される化学発光を照度計で測定することにより、アッセイされ得る。例えば、Arnoldら、米国特許第5,283,174号、およびNORMAN C.NELSONら、NONISOTOPIC PROBING、BLOTTING、AND SEQUENCING、ch.17(Larry J.Kricka編、第2版 1995)を参照のこと。
(H.M.pneumoniaeまたはM.genitaliumリボソーム核酸に対するハイブリダイゼーションアッセイプローブ)
本発明のこの実施形態は、新規ハイブリダイゼーションアッセイプローブに関する。ハイブリダイゼーションとは、水素結合された2本鎖を形成するための、相補的核酸の2つの1本鎖の会合である。検出されようとする核酸配列(「標的配列」)とハイブリダイズすることが可能な核酸配列は、標的配列に対するプローブとして役立ち得る。ハイブリダイゼーションは、DNA/DNA、DNA/RNA、およびRNA/RNAを含む相補的核酸鎖の間で起こり得る。ヌクレオチド(塩基アデニン(A)、シトシン(C)、チミジン(T)、グアニン(G)、ウラシル(U)、イノシン(I)、およびそのアナログを含む)から形成されるデオキシリボ核酸(DNA)またはリボ核酸(RNA)の2つの1本鎖は、2本の鎖が相補的な塩基の対の間の水素結合により一緒に保持される、2本鎖構造を形成するようにハイブリダイズし得る。一般的に、AはTまたはUと水素結合され、一方でGはCと水素結合される。従って、ハイブリダイズされた鎖に沿ったどの点においても、古典的な塩基対ATまたはAU、TAまたはUA、GCまたはCGが見出され得る。したがって、核酸の第一の1本鎖が、十分な隣接する、第二の1本鎖に相補的な塩基を含み、その2本の鎖が、それらのハイブリダイゼーションを促進する条件下で合わさるとき、2本鎖核酸が得られる。好ましい条件において、DNA/DNA、RNA/DNA、またはRNA/RNAハイブリッドが形成され得る。
ハイブリダイゼーションの速度および程度は、多くの要因によって影響される。例えば、2つの鎖のうちの1つが全体的にまたは部分的にハイブリッドに関係している場合、新しいハイブリッドの形成にはほとんど関与し得ないことが示唆される。目的の配列の実質部分が1本鎖となるようにプローブを設計することにより、ハイブリダイゼーションの速度および程度は、大きく増加し得る。また、標的が一体型の(integrated)ゲノム配列である場合、ハイブリダイゼーションは、PCRの産物の場合と同様に2本鎖の形態で自然に起こる。これらの2本鎖標的は、自然にプローブとのハイブリダイゼーションに抑制的であり、そしてハイブリダイゼーションの工程の前に変性を必要とする。さらに、十分な自己相補性がある場合、プローブ内に分子内ハイブリッドが形成され得る。ハイブリダイゼーションに抑制的な強い内部構造を形成することが知られている核酸の領域は、典型的にさほど好ましくない。そのような構造の例としてはヘアピンループが挙げられる。ハイブリダイゼーションアッセイプローブにおける望ましくない二次構造は、慎重なプローブ設計によって回避され得、これらのタイプの相互作用を検索するために、Oligo Therapeutics、Inc.から入手可能なOligo Tech(登録商標)解析ソフトウェアのような市販のコンピュータプログラムが利用可能である。
相同的アッセイのようないくつかの適用において、少なくともある程度の自己相補性を示すプローブは、試験サンプル中のプローブ:標的二重鎖の検出を促進するために望ましくあり得る。このようなプローブは、「標的結合ドメイン」および「標的閉鎖ドメイン」と呼ばれる、自己相補性の別々の領域を含むように設計された「分子たいまつ(torch)」を含む。これらの2つのドメインは、分子たいまつの中の結合領域によって結合され、ハイブリダイゼーションアッセイ条件下で互いにハイブリダイズする。結合領域は、ポリエチレングリコールのような非ヌクレオチドリンカーであり得る。分子たいまつは、Beckerら、「Molecular Torches」、米国特許第6,361,945号によって開示される。
変性条件に曝された場合、分子たいまつの2つの相補的な領域(全体的にまたは部分的に相補的であり得る)が融解し、最初のハイブリダイゼーション条件が回復するとき、標的結合ドメインを、標的配列へのハイブリダイゼーションに利用可能なままにする。分子たいまつは、標的結合ドメインが標的閉鎖ドメインより標的配列へのハイブリダイゼーションを好むように設計される。分子たいまつの標的結合ドメインおよび標的閉鎖ドメインは、分子たいまつが自己ハイブリダイズする場合に、分子たいまつが標的核酸にハイブリダイズされるときとは、異なったシグナルが産生されるように位置付けられた相互作用標識(例えば発光/クエンチャー)を含む。その結果、作用可能な標識が結合したハイブリダイズされていないプローブの存在下で、試験サンプル中のプローブ:標識二重鎖の検出を可能にする。
米国特許第6,361,945号中のBeckerらの教示に従い、本発明のハイブリダイゼーションアッセイプローブは、M.pneumoniae由来の核酸とM.genitalium由来の核酸とを区別することが可能な「標的結合ドメイン」に加え、分子たいまつに特徴的な「標的閉鎖ドメイン」、「結合領域」および相互作用標識を含むように設計および構築され得る。
自己相補的なハイブリダイゼーションアッセイプローブのもう一つの実施例は、「分子かがり火(beacon)」である。分子かがり火は、標的の相補的配列を有する核酸分子、標識核酸配列の非存在下でプローブを閉鎖型配座に保持する親和性対(または核酸アーム)、およびプローブが閉鎖型配座にある場合に相互作用する標識対を含む。標識核酸および標識相補配列のハイブリダイゼーションは、親和性対のメンバーを分離し、その結果プローブが開放型配座に移行する。開放型配座への移行は、例えば、発蛍光団およびクエンチャー(例えばDABCYLおよびEDANS)であり得る標識対の減衰した相互作用によって検出される。種々の分子かがり火の配列および用途の実施例は、Tyagiら、米国特許第5,925,517号によって開示されている。Tyagiらの教示に従い、本発明に従うプローブは、M.pneumoniae由来の核酸とM.genitalium由来の核酸とを区別することが可能な「標的相補配列」に加え、分子かがり火に特徴的な「親和性対」および二重標識を含むように設計および構築され得る。
プロ−ブがその標的にハイブリダイズする速度は、プローブ領域における標的二次構造の熱的な安定性のひとつの指標となる。ハイブリダイゼーション速度の標準的な測定値は、リットル×秒あたりのヌクレオチドのモル数として計測されるC1/2である。従って、これはプローブ濃度に最大量のハイブリダイゼーションの50%がその濃度で起こる時間を掛けたものである。この値は、一定時間にわたって一定量の標的に対して、様々な量のプローブをハイブリダイズさせることによって決定される。C1/2は、従来の手順により図式的に見出される。プローブ:標的ハイブリッドの融点は、当業者に周知の同位体法により決定され得る。与えられるハイブリッドの融点は、使用されているハイブリダイゼーション溶液に依存して変化する。
従って、第一の局面において、本発明は、ストリンジェントなハイブリダイゼーションアッセイ条件下でM.pneumoniaeまたはM.genitaliumのどちらか由来の核酸に優先的にハイブリダイズするプローブの性能のおかげで、M.pneumoniae由来の核酸とM.genitalium由来の核酸とを区別することが可能なハイブリダイゼーションアッセイプローブを特徴とする。特に、本発明のプロ−ブは、M.pneumoniaeまたはM.genitaliumのどちらか由来の核酸中に存在する標的配列に実質的に相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを含む。本発明に従うプローブは、標的とされた種のすべてに満たないメンバーを検出し得、さらに、M.pneumoniaeプローブまたはM.genitaliumプローブのどちらかとして特徴づけられ得、但し、このプローブは、ストリンジェントなハイブリダイゼーションアッセイ条件下で、少なくとも1種類の標的とされた種に属する株の存在を検出することが可能である。それにもかかわらず、本発明のプローブはM.pneumoniaeおよびM.genitaliumのすべての株を検出できると考えられている。
ハイブリダイゼーションアッセイの場合、標的核酸配列の長さおよび、それに従い、プローブ配列の長さが重要になり得る。ある場合において、場所および長さにおいて異なる、所望されるハイブリダイゼーションの特徴を有するプローブを得る、特定の領域からの様々な配列が存在し得る。その他の場合において、ある配列が、単に1塩基異なるだけのもう一つの配列よりもよりよいハイブリダイゼーション特性を有し得る。完全には相補的でない核酸がハイブリダイズすることが可能である一方、完全に相補的な塩基配列の最も長い伸展は、通常、主としてハイブリッド安定性を決定する。異なる長さおよび異なる塩基組成のプローブが使用され得る一方で、本発明において好ましいプローブは、100塩基長までの、より好ましくは12〜50塩基長の、さらにより好ましくは18〜35塩基長のオリゴヌクレオチドを有する。
ハイブリダイゼーションアッセイプローブは、M.pneumoniaeもしくはM.genitaliumの核酸中に存在する、またはM.pneumoniaeもしくはM.genitaliumの核酸由来の、16SrRNAまたはrDNA標的配列に実質的に相補的な塩基配列を含む。従って、プローブは、ストリンジェントなハイブリダイゼーションアッセイ条件下において、M.pneumoniaeもしくはM.genitalium標的配列に安定に結合することが可能である。上述のように、ハイブリダイゼーションアッセイプローブは、安定には標的核酸に結合しない付加的な塩基配列を有し得る。
自己相補的なプローブに加え、本発明のプローブは、固定支持体に直接的または間接的に結合する固定化プローブに含まれる、実質的に相補的なヌクレオチド塩基配列に、所定のハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズし得る、ヌクレオチド塩基配列から固定化プローブ結合領域がなる、捕捉プローブの固定化プローブ結合領域を含むように設計および構築され得る。(固定支持体および、オリゴヌクレオチドを固定支持体に結合するための方法の実施例は、「サンプルのプロセシング」と表題された前出の節に記載されている。)固定化プローブ結合領域は、好ましくは、所定のハイブリダイゼーション条件下で、M.pneumoniaeもしくはM.genitaliumを含む、試験サンプル中に存在し得るいかなる生物体からの核酸にも、安定に結合しないように選択される。従って、本発明に従う捕捉プローブの固定化プローブ結合領域のための、好ましいヌクレオチド塩基配列は、固定化プローブ上の5’ポリdTテイルに対応する3’ポリdAテイルのような、ホモポリマーテイルである。これらのテイルは、所定のハイブリダイゼーション条件下での安定なハイブリダイゼーションを促進するのに十分な任意の長さであり得、好ましくは、約30塩基長である。
固定化プローブは、好ましくは、このプローブがサンプル中に存在する標的核酸にハイブリダイズするのに十分な時間があるとすぐに、精製工程の間に反応容器の中で単離され得る、磁力的に帯電した粒子に結合する。(Acostaら、「Assay Work Station」、米国特許第6,254,826号は、このような精製工程を実施するための機器を開示する。)捕捉プローブは、好ましくは、捕捉プロ−ブ:標的ハイブリッドの融点が捕捉プローブ:固定化プローブハイブリッドの融点より高くなるように設計される。このようにして、異なるハイブリダイゼーションアッセイ条件のセットが、固定化オリゴヌクレオチドへの捕捉プローブのハイブリダイゼーションの前に、標的核酸への捕捉プローブのハイブリダイゼーションが促進されるために採用され得る。これにより、遊離プローブの濃度が最大になり、好ましい液相ハイブリダイゼーション速度論が提供される。この「2段階」標的捕捉法は、上述され、Weisburgら、米国特許第6,110,678号により開示される。本発明に容易に適応され得る他の標的捕捉のスキームは、当該分野で周知であり、以下によって開示されるものを含むが、これに限定されない:Dunnら、Methods in Enzymology、「Mapping viral mRNAs by sandwich hybridization」、65(1):468‐478(1980);Rankiら、米国特許第4,486,539号;Stabinsky、米国特許第4,751,177号;およびBeckerら、米国特許第6,130,038号。
M.pneumoniaeに対するプローブについて、用語「標的核酸配列」、「標的ヌクレオチド配列」、「標的配列」、および「標的領域」はすべて、M.pneumoniae rRNAもしくはrDNA中に存在する核酸配列、または非M.pneumoniae近縁種の核酸に存在しない、これらの配列に相補的な配列をいう。そして、M.genitaliumに対するプローブについて、これらの同じ用語は、M.genitalium rRNAもしくはrDNA中に存在する核酸配列、または非M.genitalium近縁種の核酸に存在しない、これらの配列に相補的な配列をいう。標的配列に相補的なヌクレオチド配列を有する核酸は、「Mycoplasmaリボゾーム核酸の増幅」と表題された前出の節で議論されているような、標的増幅技術によって産生され得る。
M.pneumoniaeもしくはM.genitaliumを含む、ある試験サンプル中に存在し得る生物体は、例えばM.buccale、M.faucium、M.hominis、M.orale、およびM.salivariumを含む。もちろん、M.pneumoniaeおよびM.genitaliumが最も近縁関係にある。この生物体のリストは、本発明のM.pneumoniaeおよびM.genitaliumに対するプローブが、区別するために使用され得る生物体の全てを代表することを、決して意図しない。通常、本発明のM.pneumoniaeに対するプローブは、M.pneumoniae由来の核酸を試験サンプル中に存在する任意の非M.pneumoniae生物体由来の核酸から区別するために使用され得ることが期待され、また、本発明のM.genitaliumに対するプローブは、M.genitalium由来の核酸を試験サンプル中に存在する任意の非M.genitalium生物体由来の核酸から区別するために使用され得ることが期待される。
本発明におけるM.pneumoniaeに対するプローブは、標的結合領域の塩基配列が、以下からなる塩基配列群(配列番号1、配列番号2、配列番号3、および配列番号4)から選択された塩基配列からなるか、またはこの塩基配列に含まれる標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含む。このプローブは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、試験サンプル中に存在し得る非M.pneumoniae生物体由来の核酸、特にM.genitalium由来の核酸を越えて、M.pneumoniae由来の標的核酸に優先的にハイブリダイズする。本プローブは、同じ条件下でM.pneumoniae由来の核酸と安定なハイブリッドを形成することのできる標的結合領域に重複して、または加えて、いずれの他の標的相補塩基配列領域も含まない。
本発明におけるM.genitaliumに対するプローブは、標的結合領域の塩基配列が、以下からなる塩基配列群(配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、および配列番号12)から選択された塩基配列に含まれる標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含む。このプローブは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、試験サンプル中に存在し得る非M.genitalium生物体由来の核酸、特にM.pneumoniae由来の核酸を越えて、M.genitalium由来の標的核酸に優先的にハイブリダイズする。本プローブは、同じ条件下でM.genitalium由来の核酸と安定なハイブリッドを形成することのできる標的結合領域に重複して、または加えて、いずれの他の標的相補塩基配列領域も含まない。
一度合成されると、プローブは、任意の周知の方法によって、検出可能な標識またはレポーター基で標識されうる。例えば、SAMBROOKら、前出,ch.10を参照のこと。プローブは、標的配列の検出を容易にするために放射性同位元素、抗体または化学発光部分のような検出可能な部分で標識され得る。有用な標識としては、放射性同位体、および非放射性レポーター基が挙げられる。同位体標識としては、H、35S、32P、125I、57Coおよび14Cが挙げられる。同位体標識は、ニックトランスレーション、末端標識、第二鎖合成、逆転写のような当該分野で公知の技術によって、および化学的方法によって、オリゴヌクレオチドに導入され得る。放射性標識プローブを使用した場合、ハイブリダイゼーションは、オートラジオグラフィー、シンチレーションカウンターまたはガンマカウンターのような技術によって、検出され得る。選択される検出方法は、標識に用いた特定の放射性同位体に依存する。
非放射性材料は、標識にも使用され得、ヌクレオチドの間の内部に、またはオリゴヌクレオチドの末端に導入され得る。改変されたオリゴヌクレオチドは、酵素的または化学的に組み込まれ得る。ヌクレオチドの化学的改変は、オリゴヌクレオチド合成の間または後に、当該分野で公知の技術を用いて行われ得る。例えば、非ヌクレオチドリンカー基の一貫した使用は、Arnoldら、米国特許第6,031,091号において、開示されている。非同位体標識としては、蛍光分子、化学発光分子、蛍光性化学発光分子、リン光分子、電子化学発光分子、発色団、酵素、酵素補因子、酵素基質、染料およびハプテンまたは他のリガンドが挙げられる。別の有用な標識技術は、ストリンジェントな条件下で標的核酸に安定的に結合できない塩基配列である。本発明のプローブは、好ましくはアクリジニウムエステル、特に、標準AE(標準AEは、図5に示されている連結試薬のような非ヌクレオチドリンカーによってプローブに結合される)で標識される(アクリジニウムエステル標識技術は、Arnoldら、米国特許第5,185,439号により開示されており、また、連結試薬は、Arnoldら、米国特許第6,031,091号によって開示されている。)
特に好ましい実施形態において、本発明によるM.pneumoniaeプローブは、標的結合部位を有するオリゴヌクレオチド(ここで、標識結合部位の塩基配列は、配列番号1または配列番号2の塩基配列から成るか、あるいは配列番号1または配列番号2の塩基配列内に含まれる)、および必要に応じて配列番号1または配列番号2の(5’から3’ヘ読んで)改変したヌクレオチド14と15との間に位置する非ヌクレオチドリンカーによってプローブに結合されたアクリジニウムエステル標識を含む。標的結合領域の塩基配列が、配列番号3または配列番号4の中に含まれる場合、アクリジニウムエステル標識は、好ましくは配列番号3または配列番号4の(5’から3’へ読んで)改変されたヌクレオチド18と19との間に位置している非ヌクレオチドリンカーによってプローブに結合されている。プローブにアクリジニウムエステル標識を結合することは、好ましくは、Arnoldら(米国特許第5,185,439および同第6,031,091)、の教示にしたがって、図5に示されている非ヌクレオチドリンカーアームを用いて行われる。
特に好ましい別の実施形態において、本発明によるM.genitaliumプローブは、標的結合領域を有するオリゴヌクレオチド(ここで、標的結合領域の塩基配列は、配列番号5または配列番号6の塩基配列から成るか、あるいは配列番号5または配列番号6塩基配列内に含まれる)、および必要に応じて配列番号5または配列番号6の(5’から3’ヘ読んで)改変したヌクレオチド16と17との間に位置する非ヌクレオチドリンカーによってプローブに結合されたアクリジニウムエステル標識を含む。標的結合領域の塩基配列が、配列番号7または配列番号8の中に含まれる場合、アクリジニウムエステル標識は、好ましくは配列番号7または配列番号8の(5’から3’へ読んで)改変されたヌクレオチド16と17との間に位置している非ヌクレオチドリンカーによってプローブに結合されている。プローブに対してアクリジニウムエステル標識を結合することは、好ましくは、Arnoldら(米国特許第5,185,439号および同第6,031,091号)、の教示にしたがって、図5に示されている非ヌクレオチドリンカーアームを用いて行われる。
選択されたハイブリダイゼーションアッセイプローブは、次に、M.pneumoniaeまたはM.genitaliumを含有することが疑わしい試験サンプルと接触させられ得る。一般に、試験サンプルは、未知の生物もまた含む供給源に由来する。そのプローブを試験サンプルに接触させた後、試験サンプルは、この試験サンプル中の非標的生物に由来する核酸より、M.pneumoniaeまたはM.genitaliumに由来する標的核酸に対するそのプローブの優先的ハイブリダイゼーションを可能にする条件下でインキュベートされ得る。
プローブは、M.pneumoniaeまたはM.genitaliumに由来する標的核酸に結合しやすくするために1つ以上の非標識ヘルパープローブと組み合わされ得る。プローブが、試験サンプル中に存在する標的核酸にハイブリダイズした後、得られたハイブリッドは、ハイドロキシアパタイト吸着および放射性モニタリングなどの当該分野で周知の様々な技術によって、分離および検出され得る。他の技術としては、非ハイブリダイズプローブと関連する標識を選択的に分解し、次にハイブリダイズしているプローブに関連するまだ残っている標識の量を測定することを包含する技術(この技術は、Arnoldら、(米国特許第5,283,174号)により開示されている)が挙げられる。この文献の技術は、特に好ましい。
(I.M.pneumoniaeおよびM.genitaliumの検出に使用されるヘルパープローブ)
この発明の別の実施形態は、ヘルパープローブに関する。上述したように、ヘルパープローブは、それらの意図される標的核酸に対するハイブリダイゼーションアッセイプローブのハイブリダイゼーションを容易にするために使用され得、その結果、ハイブリダイゼーションアッセイプローブは、ヘルパープローブの不在において形成されるよりも、容易にプローブ:標的核酸二本鎖を形成する(ヘルパープローブは、Hoganら、米国特許第5,030,557号により開示されている)、各ヘルパープローブは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でヘルパープローブ:標的核酸二本鎖を形成するために標的核酸配列に対して十分に相補的なオリゴヌクレオチドを含む。所定のヘルパープローブと共に使用されるストリンジェントなハイブリダイゼーションアッセイ条件は、標的核酸に対する関連するハイブリダイゼーションアッセイプローブを優先的にハイブリダイスするために使用される条件によって決定される。
一本鎖RNAおよびDNAの領域は、ストリンジェントなハイブリダイゼーションアッセイ条件下でさえ二次構造および三次構造に関連し得る。そのような構造は、標的核酸に対するハイブリダイゼーションアッセイプローブのハイブリダイゼーションを立体的に阻害し得うる、またはブロックし得る。標的核酸に対するヘルパープローブのハイブリダイゼーションは、標的核酸の二次構造および三次構造を変化させ、それによって、ハイブリダイゼーションアッセイプローブにより標的領域をより接近可能にする。結果として、ヘルパープローブは、動力学および/またはハイブリダイゼーションアッセイプローブ:標的核酸二本鎖の融解温度を高める。ヘルパープローブは、一般に、ハイブリダイゼーションアッセイプローブの標的領域付近に位置する核酸配列に対してハイブリダイズするように選択される。
本発明のM.pneumoniaeおよび/またはM.genitaliumハイブリダイゼーションアッセイプローブとともに使用され得るヘルパープローブは、M.pneumoniaeおよび/またはM.genitaliumから得た標的核酸の内の核酸配列に対して標的とされ得る。各ヘルパープローブは、好ましくは、M.pneumoniaeおよび/またはM.genitaliumに由来する標的核酸に存在する標的配列の中に存在する少なくとも10個連続した塩基の領域に対して少なくとも80%の相補的な少なくとも10個連続した塩基の領域を含む。ヘルパープローブおよびそれらの関係するハイブリダイゼーションアッセイプローブは、同じ標的核酸の中に含まれる異なる標的配列を有する。本発明で使用され得るヘルパープローブは、好ましくは、長さにして100塩基までのオリゴヌクレオチドであり、より好ましくは12〜50塩基、さらにより好ましくは18から35塩基のオリゴヌクレオチドである。あるいは、ヘルパープローブは、それらの標的領域に対して少なくとも90%の相補的またはさらには完全に相補的であり得る。
(J.核酸組成物)
関連する別の局面において、本発明は、ストリンジェントなハイブリダイゼーションアッセイ条件下で、ブリダイゼーションアッセイプローブと標的核酸との間で形成される核酸ハイブリット(「プローブ:標的」)を含む組成物を特徴とする。プローブと標的核酸との間に形成されるハイブリットの1つの使用は、試験サンプルにおいて、存在の指標または標的生物または生物群の量を提供することである。例えば、核酸ハイブリットに存在するアクリジニウムエステル(AE)は、アルカリ溶液中で加水分解に対して耐性であるのに対して、一本鎖核酸中に存在するAEは、アルカリ溶液中で加水分解しやすい(Arnoldら、米国特許第5,283,174を参照)。したがって、結合しなかったAE標識プローブの加水分解後に、核酸ハイブリットと結合したままであるアクリジニウムエステルの化学発光を測定することにより、標的核酸の存在が、検出され得る。
本発明は、ストリンジェントなハイブリダイゼーションアッセイ条件下で、捕捉プローブと標的核酸との間に形成される核酸ハイブリット(「捕捉プローブ:標的」)を含む組成物も意図する。捕捉プローブと標的核酸との間に形成されるハイブリットの1つの使用は、例えば不均質アッセイにおいて、標的核酸に含まれる標的配列の増幅または標的核酸の検出の前に、試験サンプル中の標的核酸を単離および精製することである。増幅または検出の前に、標的核酸を単離、および精製することによって、非特異的結合または増幅の機会は、有意に最小になる。
本発明は、さらに、ストリンジェントなハイブリダイゼーションアッセイ条件下でヘルパープローブと標的核酸との間で形成される核酸ハイブリット(ヘルパープローブ:標的)を含む組成物を意図する。ヘルパープローブと標的核酸の間に形成されたハイブリットの1つの使用は、特定の核酸配列をハイブリダイゼーションのために利用可能とすることである。例えば、ヘルパープローブと標的核酸の間で形成されるハイブリットは、ハイブリダイゼーションアッセイプローブを用いたハイブリダイゼーションに利用可能な核酸配列を与え得る。Hoganらは、米国特許第5,030,557号において、ヘルパープローブの記述を提供している。
本発明はさらに、増幅条件下で増幅プライマーと標的核酸との間に形成される核酸(「プライマー:標的」)を含む組成物を特徴とする。プライマーと標的核酸の間に形成されるハイブリットの1つの使用は、核酸ポリメラーゼのための開始部位を増幅プライマーの3’末端に供給することである。例えば、ハイブリットは、逆転写酵素、TaqポリメラーゼまたはT4ポリメラーゼのようなDNAポリメラーゼ、およびT7ポリメラーゼ、SP6ポリメラーゼ、T3ポリメラーゼなどのようなRNAポリメラーゼのための開始部位を形成し得る。
本発明の組成物は、M.genitalium由来の標的核酸と、標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含むプローブの間で形成される核酸ハイブリットを含む試験サンプルにおいて、M.genitaliumの存在または量を決定するための組成物を含む。ここで、標的結合領域の塩基配列は配列番号1、配列番号2、配列番号3、または配列番号4の塩基配列から成るか、またはそれらの塩基配列内に含まれる。これらの組成物のオリゴヌクレオチドは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でM.pneumoniaeに由来する核酸に安定的に結合しない少なくとも1つのさらなるヌクレオチド塩基配列領域を含み得る。別の実施形態において、これらのプローブ:標的組成物は、さらにM.pneumoniae由来の標的核酸にハイブリダイズする少なくとも1つのヘルパープローブを含み得る。
本発明の組成物は、また、M.pneumoniaeに由来する標的核酸と、標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含むプローブとの間に形成される核酸ハイブリットを含む試験サンプルにおいて、M.pneumoniaeの存在または量を決定するための組成物を含み得る。ここで、標的結合領域の塩基配列は、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11または配列番号12の塩基配列から成るか、あるいは配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11または配列番号12の塩基配列内に含まれている。これらの組成物のオリゴヌクレオチドは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でM.genitaliumに由来する核酸に安定的に結合しない少なくとも1つのさらなるヌクレオチド塩基配列領域を含み得る。別の実施形態において、これらのプローブ:標的組成物は、さらに、M.genitaliumに由来する標的核酸にハイブリダイズされる少なくとも1つのヘルパープローブを構成し得る。
本発明により意図されることは、また、標的核酸と、標的結合領域を有する捕捉プローブとの間に形成される核酸ハイブリットを含む試験サンプルにおいて存在するMycoplasma生物に由来する標的核酸を固定化するための組成物である。ここで、標的結合領域の塩基配列は、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、または配列番号20の塩基配列に対して少なくともおよそ85%の相同性(好ましくは、少なくともおよそ90%の相同性、より好ましくは少なくともおよそ95%の相同性、最も好ましくは100%の相同性)である。さらなる実施形態において、これらの組成物は、さらに、捕捉プローブの固定化プローブ結合領域と固定化プローブの間に形成される核酸ハイブリットを含む。
本発明は、さらに、標的核酸と標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含む増幅プライマーの間に形成された核酸ハイブリットを含む、Mycoplasma生物に由来する標的核酸に存在する標的配列を増幅するための組成物を意図する。ここで、標的結合領域の塩基配列は、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35または配列番号36の塩基配列に対して少なくともおよそ80%の相同性(好ましくは、少なくともおよそ90%の相同性、より好ましくは少なくとも100%の相同性)である。これら組成物の増幅プライマーは、RNAポリメラーゼにより認識されるか、またはRNAポリメラーゼによる開始または伸長を促進する5’配列を任意に含む。含まれるときは、配列番号41のヌクレオチド塩基配列のようなT7プロモーターが好ましい。
(K.アッセイ方法)
本発明は、試験サンプル中のM.pneumoniaeまたはM.genitaliumに由来する核酸の存在または量をアッセイするための様々な方法を意図する。使用される正確なアッセイ条件、プローブおよび/またはプライマーが、使用される特定のアッセイ形式およびサンプルの供給源に依存して変化することは当業者に理解されている。
本発明の1つの局面は、試験サンプルを、ストリンジェントなハイブリダイゼーションアッセイ条件下で、試験サンプル中に存在する非M.pneumoniae生物由来の核酸よりM.pneumoniae由来の核酸に対して優先的にハイブリダイゼーションし得るハイブリダイゼーションアッセイプローブを接触させることにより、試験サンプルにおいてM.pneumoniaeの存在または量を決定するための方法に関する。この方法において、ハイブリダイゼーションアッセイプローブは、標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含む(ここで、標的結合領域の塩基配列は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、または配列番号4の塩基配列の中に含まれる。)。この方法のプローブは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でM.pneumoniae由来の核酸に安定的に結合しない少なくとも1つのさらなる塩基配列領域を含み得る。別の実施形態において、試験サンプル中のM.pneumoniaeの存在または量を決定するための方法はまた、標的核酸に対するプローブのハイブリダイズを容易にするために一つ以上のヘルパープローブと試験サンプルを接触させる工程を含み得る。ヘルパープローブは、ハイブリダイゼーションアッセイプローブの添加前または添加後にサンプルに対して加えられ得るが、好ましくはハイブリダイゼーションアッセイプローブと同時に試験サンプルに対して提供される。
本発明の別の局面は、試験サンプルに存在する非M.genitalium生物由来の核酸よりM.genitalium由来の核酸に対するストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で優先的にハイブリダイズし得るハイブリダイゼーションアッセイプローブを、ストリンジェントなハイブリダイゼーションアッセイ条件下で試験サンプルに接触させることにより、試験サンプル中のM.genitaliumの存在または量を決定するための方法に関する。この方法において、ハイブリダイゼーションアッセイプローブは、標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含む(ここで、標的結合領域の塩基配列は、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、または配列番号12の塩基配列の中に含まれる。)。この方法のプローブは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でM.genitalium由来の核酸に対する安定的に結合しない少なくとも1つの追加核酸配列を含み得る。別の実施形態において、また、試験サンプル中のM.genitaliumの存在または量を決定するためのこの方法は、標的核酸に対するプローブのハイブリダイゼーションを容易にするために一つ以上のヘルパープローブと試験サンプルを接触させる工程を含み得る。ヘルパープローブは、ハイブリダイゼーションアッセイプローブの添加前または添加後にサンプルに対して加えられ得るが、好ましくはハイブリダイゼーションアッセイプローブと同時に試験サンプルに対して提供される。
本発明のさらなる局面は、試験サンプルを増幅条件下で1つ以上の増幅プライマーに接触させることにより試験サンプル中に存在するMycoplasma生物由来の核酸を増幅するための方法に関する。ここで、各増幅プライマーは、標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含む(ここで、標的結合領域の塩基配列は、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、または配列番号40の塩基配列を有するか、またはこれらの塩基配列に実質的に対応する。)。しかしながら、標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含む増幅プライマーとの組み合わせを除いて(ここで、標的結合領域の塩基配列は、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、または配列番号36の塩基配列を有するかまたはこれらの塩基配列に実質的に対応する)、本発明の増幅プライマーは、標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含む増幅プライマーを含まない(ここで、標的結合領域の塩基配列は、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号37、配列番号38、配列番号39、または配列番号40の塩基配列を有するか、またはこれらの塩基配列に実質的に対応する)。この実施形態の増幅プライマーは、RNAポリメラーゼにより認識されるか、またはRNAポリメラーゼによる開始もしくは伸長を促進する5’配列を任意に含む。含まれる場合、配列番号41のヌクレオチド塩基配列のようなT7プロモーターが好ましい。この方法において増幅のために使用され得る増幅プライマーの特定の組み合わせは、「Mycoplasmaリボソーム核酸の増幅」と題した節で明記する。
好ましい実施形態において、試験サンプル中のMycoplasma由来の核酸の増幅方法は、さらにストリジェントなハイブリダイゼーションアッセイ条件下で試験サンプルをハイブリダイゼーションアッセイプローブと接触させる工程を含む。このハイブリダイゼーションアッセイプローブは、ストリジェントな条件下において、試験サンプル中に存在する非M.pneumoniae生物由来の核酸よりも増幅したM.pneumoniae標的核酸に優先的にハイブリダイズし得るか、または試験サンプル中に存在する非M.genitalium生物由来の核酸よりも増幅したM.genitalium標的核酸に優先的にハイブリダイズし得る。試験サンプルは、増幅のための十分な時間が経った後に、一般的にハイブリダイゼーションアッセイプローブと接触させられる一方、増幅プライマーおよびハイブリダイゼーションアッセイプローブは、任意の順番で試験サンプル中に加えられ得る。特に、ここでのハイブリダイゼーションアッセイプローブは、上記で議論される分子トーチ(torch)または分子ビーコン(beacon)のような自己ハイブリダイゼーションプローブである。分子ビーコンは、特に標的核酸のリアルタイムの検出に有用であり得る。
試験サンプルは、試験サンプル中のM.pneumoniaeまたはM.genitaliumの存在または量を計測し得るように、ハイブリダイゼーションアッセイプローブと接触させられる。この方法でM.pneumoniaeの存在を計測するために用いるのに好ましいハイブリダイゼーションアッセイプローブは、標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドからを含む。ここで、この標的結合領域の塩基配列は、配列番号1,配列番号2,配列番号3または配列番号4の塩基配列から成るか、またはそれらの塩基配列に含まれる。また、この方法でM.genitaliumの存在を計測するため、好ましいハイブリダイゼーションアッセイプローブは、標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含み、ここでこの標的結合領域の塩基配列は、配列番号5,配列番号6,配列番号7,配列番号8,配列番号9,配列番号10,配列番号11または配列番号12の塩基配列から成るか、またはその塩基配列に含まれる。これらの方法のプローブは、テストサンプル中での検出を容易にするため、さらに標識を含み得る。しかし、上記のように、これらの方法のハイブリダイゼーションアッセイプローブは、ストリジェントなハイブリダイゼーション条件下で、試験サンプル中に存在するM.pneumoniaeまたはM.genitalium由来の核酸に安定に結合し得る付加的な5’塩基配列領域も3’塩基配列領域も含まない。
ある好ましい実施形態において、増幅のための方法は、Mycoplasmaの核酸を増幅するための少なくとも2つの増幅プライマーのセットを用いて行われる。この増幅プライマーのセットは、(i)標的結合領域(その標的結合領域の塩基配列は、配列番号21,配列番号22,配列番号23もしくは配列番号24の塩基配列を有するか、または実質的にそれらの塩基配列に対応する)を有するオリゴヌクレオチドを含む第1の増幅プライマー;および(ii)標的結合領域(その標的結合領域の塩基配列は、配列番号29,配列番号30,配列番号31もしくは配列番号32の塩基配列を有するか、または実質的にそれらの塩基配列に対応する)を有するオリゴヌクレオチドを含む第2増幅プライマーを含む。好ましくは、第1増幅プライマーの標的結合領域の塩基配列は、配列番号21の塩基配列を有するか、または実質的にその塩基配列に対応し、また第2増幅プライマーの標的結合領域の塩基配列は、配列番号29の塩基配列を有するか、または実質的にその塩基配列に対応する。好ましい形態において、第2増幅プライマーは、RNAポリメラーゼによって認識されるか、またはRNAポリメラーゼによる開始または伸長を増強する5’配列をさらに含む。
他の好ましい実施形態において、Mycoplasmaの核酸を増幅するための少なくとも2つの増幅プライマーのセットが提供される。その増幅プライマーのセットは、(i)標的結合領域(その標的結合領域の塩基配列は、配列番号21,配列番号22,配列番号23もしくは配列番号24の塩基配列を有するか、または実質的にその塩基配列に対応する)を有するオリゴヌクレオチドを含む第1増幅プライマー;および(ii)標的結合領域(その標的結合領域の塩基配列は、配列番号33,配列番号34,配列番号35もしくは配列番号36の塩基配列を有するか、または実質的にその塩基配列に対応する)を有するオリゴヌクレオチドを含む第2増幅プライマーを含む。好ましくは、第1増幅プライマーの標的結合領域の塩基配列は、配列番号21の塩基配列を有するか、または実質的にその塩基配列に対応し、また第2増幅プライマーの標的結合領域の塩基配列は、配列番号33の塩基配列を有するか、または実質的にその塩基配列に対応する。好ましい形態において、第2増幅プライマーは、RNAポリメラーゼによって認識されるか、またはRNAポリメラーゼによる開始または伸長を増強する5’配列をさらに含む。
さらに他の好ましい実施形態において、Mycoplasmaの核酸を増幅するための少なくとも2つの増幅プライマーのセットが提供される。その増幅プライマーのセットは、(i)標的結合領域(その標的結合領域の塩基配列は、配列番号21,配列番号22,配列番号23もしくは配列番号24の塩基配列を有するか、または実質的にその塩基配列に対応する)を有するオリゴヌクレオチドを含む第1増幅プライマー;および(ii)標的結合領域(その標的結合領域の塩基配列は、配列番号37,配列番号38,配列番号39もしくは配列番号40の塩基配列を有するか、または実質的にその塩基配列に対応する)を有するオリゴヌクレオチドを含む第2増幅プライマーを含む。好ましくは、第1増幅プライマーの標的結合領域の塩基配列は、配列番号21の塩基配列を有するか、または実質的にその塩基配列に対応し、また第2増幅プライマーの標的結合領域の塩基配列は、配列番号37の塩基配列を有するか、または実質的にその塩基配列に対応する。好ましい形態において、第2増幅プライマーは、RNAポリメラーゼによって認識されるか、またはRNAポリメラーゼによる開始または伸長を増強する5’配列をさらに含む。
さらに別の好ましい実施形態において、Mycoplasmaの核酸を増幅するための少なくとも2つの増幅プライマーのセットが提供される。その増幅プライマーのセットは、(i)標的結合領域(その標的結合領域の塩基配列は、配列番号25,配列番号26,配列番号27もしくは配列番号28の塩基配列を有するか、または実質的にその塩基配列に対応する)を有するオリゴヌクレオチドから成る第1増幅プライマー;および(ii)標的結合領域(その標的結合領域の塩基配列は、配列番号29,配列番号30,配列番号31もしくは配列番号32の塩基配列を有するか、または実質的にその塩基配列に対応する)を有するオリゴヌクレオチドを含む第2増幅プライマーを含む。好ましくは、第1増幅プライマーの標的結合領域の塩基配列は、配列番号25の塩基配列を有するか、または実質的にその塩基配列に対応し、また第2増幅プライマーの標的結合領域の塩基配列は、配列番号29の塩基配列を有するか、または実質的にその塩基配列に対応する。好ましい形態において、第2増幅プライマーは、RNAポリメラーゼによって認識されるか、またはRNAポリメラーゼによる開始または伸長を増強する5’配列をさらに含む。
さらに好ましい実施形態において、以下を含む、Mycoplasma核酸を増幅するための少なくとも2つの増幅プライマーのセットは:(i)標的結合領域の塩基配列が、配列番号25、配列番号26、配列番号27または配列番号28の塩基配列を有するかまたはこれらの塩基配列に実質的に対応する標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含む、第一の増幅プライマ−;および(ii)標的結合領域の塩基配列が、配列番号33、配列番号34、配列番号35または配列番号36の塩基配列を有するかまたはこれらの塩基配列に実質的に対応する標的結合領域を有するオリゴヌクレオチドを含む、第二の増幅プライマ−が提供される。好ましくは、第一の増幅プライマ−の標的結合領域の塩基配列は、配列番号25の塩基配列を有するかまたはこれらの塩基配列に実質的に対応し、そして第二の増幅プライマ−の標的結合領域の塩基配列は、配列番号33の塩基配列を有するかまたはこれらの塩基配列に実質的に対応する。好ましい方法において、第二の増幅プライマ−は、RNAポリメラーゼによって認識されるかあるいはRNAポリメラーゼによる開始または伸長を促進する5’配列をさらに含む。
本発明のなお別の局面は、試験サンプル内のMycoplasma生物に由来する標的核酸を固定するための方法に関し、この方法は、標的結合領域および固定化プローブ結合領域を有する捕捉プローブが、標的核酸に安定的に結合する(それによって、捕捉プローブ:標的複合体を形成する)ことを可能にする第1のセットのハイブリダイゼーション条件下、およびこの試験サンプル中で捕捉プローブが固定化プローブに安定に結合する(それによって固定化プローブ:捕捉プローブ:標的複合体を形成する)ことを可能にする第2のセットのハイブリダイゼーション条件下で、捕捉プローブを試験サンプルに提供する工程を含む。第一および第二のセットのハイブリダイゼーション条件は、同一であっても異なってもよく、そして捕捉プローブ:標的複合体は、第二のセットのハイブリダイゼーション条件下で安定なままである。この捕捉プローブの標的結合領域は、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19または配列番号20の塩基配列に対して、少なくとも約85%の相同性(好ましくは、少なくとも約90%の相同性、より好ましくは、少なくとも約95%の相同性、最も好ましくは、100%の相同性)である塩基配列領域を含む。精製工程は、好ましくは、固定された標的核酸に含まれる標的配列の増幅または特異的検出を妨害または阻止し得る試験サンプルの1つ以上の組成物を除去するための固定する工程の後に続く。固定およびMycoplasma由来の核酸(nucleic)を必要に応じて精製するためのこの方法は、M.pneumorniaeまたはM.genitaliumに由来する標的核酸の存在を増幅および/または検出するために上記の任意の方法にの前に行われてもよい。精製工程が含まれる場合、標的核酸は、固定されたプローブから間接的に溶出され得るかまたは、標的配列を増幅または検出する前にサンプル条件を改変することによって、固定化プローブ:捕捉プローブ:標的複合体の捕捉プローブから直接的に溶出され得る。
(L.診断システム)
本発明はまた、キットの形態で診断システムを企図する。本発明の診断システムは、キットを含み得る。このキットは、梱包材料中に、本発明のハイブリダイゼーションアッセイプローブ、捕捉プローブおよび/または増幅プローブのいずれかを、少なくとも1回のアッセイに対して十分な量で含む。代表的に、そのキットは、試験サンプル中にM.pneumorniaeまたはM.genitaliumの存在または量を決定するための増幅および/または検出アッセイにおいて、梱包されたプローブおよび/またはプライマ−を使用するために、有体の形態で記録された取扱説明書(例えば、紙または電子媒体に含まれる)もまた含む。さらに、ヘルパープローブが、キット内に含まれ得る。
診断システムの種々の成分は、種々の形態にて提供され得る。例えば、必要な酵素、ヌクレオチド三リン酸、プローブおよび/またはプライマ−は、凍結乾燥された試薬として提供され得る。これらの凍結乾燥された試薬は、凍結乾燥前に混合され得、その結果、再構成された場合、それらは、アッセイに使用するために準備された各成分の適切な比率での完全な混合物を形成する。さらに、本発明の診断システムは、キットの凍結乾燥された試薬を再構成するために再構成試薬を含み得る。M.pneumorniaeまたはM.genitaliumに由来する標的核酸を増幅するための好ましいキットにおいて、酵素、ヌクレオチド三リン酸および酵素に必要な補因子は、再構成されるときに本増幅方法での使用に適切な試薬を形成する、1つの凍結乾燥した試薬として提供され得る。これらのキットでは、凍結乾燥されたプライマ−試薬もまた、提供され得る。他の好ましいキットにおいて、凍結乾燥されたプローブ試薬が、提供される。
代表的な梱包材料は、ガラス、プラスチック、紙、箔、マイクロ粒子などのような、本発明のハイブリダイゼーションアッセイプローブ、捕捉プローブ、ヘルパープローブおよび/または増幅プライマ−を定められた区画内に収容することができる固体のマトリックスを含み得る。したがって、例えば、梱包材料は、サブミリグラム(例えば、ピコグラムまたはナノグラム)量の企図されるプローブまたはプライマ−を含むために使用されるガラスバイアルを含み得るか、またはそれらは、本発明の増幅方法および/または検出方法に関与することが可能であるように、本発明のプローブまたはプライマ−が作動可能に固定すなわち連結されているマイクロタイタープレートであり得る。
この取扱説明書は、代表的に試薬および/または試薬の濃度ならびに少なくとも1つのアッセイ方法パラメーター(例えばサンプル量に対して使用される試薬の相対的な量であり得る)を示す。さらに、維持、期間、温度および緩衝液条件のような詳細もまた、含まれ得る。
本発明の診断システムは、試験サンプル中のM.pneumorniaeまたはM.genitaliumの存在または量を増幅および/または決定する際の使用に対して個々に提供されるか、または上記の好ましい組み合わせの1つで提供されるかに拘らず、本明細書中に記載される、ハイブリダイゼーションアッセイプローブ、捕捉プローブおよび/または増幅プライマーのいずれかを有するキットを企図する。
(M.実施例)
実施例は、下で図解した異なる局面および本発明の実施形態を提供する。当業者は、これらの実施例が、ここに記載される特定の実施形態に本発明を制限するようには意図されないことを理解する。
(1.生物の溶解)
下記の実施例における全細胞は、下記の「試薬」の節に記載される輸送媒体中で化学的に溶解した。この輸送媒体は、界面活性剤を含む緩衝化溶液である。これは、細胞の溶解に加えて、試験サンプルに存在するRNAseの活性を阻害することによって、放出されたRNAを保護する。
(2.標的捕捉アッセイ)
以下の数多くの実施例は、標的核酸配列の増幅の前に標的核酸を単離および精製するために設計された、標的捕捉アッセイを組込んでいる。これらの実施例の捕捉プローブは、配列番号13の塩基配列を有する5’標的結合領域およびポリdAテールの30ヌクレオチド長を有する3’固定プローブ結合領域を含んでいた。捕捉プローブの標的結合領域は、プライマー、プロモーター−プライマーおよびハイブリダイゼーションアッセイプローブによって結合される領域とは異なる標的核酸の領域に結合するよう、設計された。この標的捕捉アッセイの固体支持体は、Sera−MagTMMG−CM Carboxylate Modified(Seradyn、Inc.;Indianapolis、Indiana;Cat.No.24152105−050450)という、1ミクロンの、ハイブリダイゼーション状態下で捕捉プローブのポリdAテールに結合することが出来た、共有結合したオリゴ(dT)14を有する超常磁性粒子であった。同様な磁性粒子が、Sutor、「Process for Preparing Magnetically Responsive Microparticles」、米国特許第5,648,124号により、開示されている。懸濁液から粒子を引き出し、これらをサンプルチューブの内壁に沿って固定するために、チューブを、米国特許第6,254,826号において、Acostaらにより開示された、磁気分離ラックに移動した。分子を固定しながら、流体をチューブから吸引し、チューブを以下に記されたWash Bufferで洗浄した。この洗浄工程を、標的配列を増幅するために以下に述べる増幅試薬(Amplification Reagent)および酵素試薬(Enzyme Reagent)を加える前に、二度繰り返した。洗浄工程の間に、粒子を、Water Buffer中に再度懸濁した。標的捕捉アッセイのさらなる詳細を、以下の実施例4において示す。
(3.転写媒介増幅)
以下の実施例の標的配列の増幅は、例えば、米国特許第5,399,491号および第5,480,784号におけるKacianら、およびLeeら、前出、第8章によって開示された、転写媒介増幅(TMA)手順であった。TMAは、逆転写酵素およびRNAポリメラーゼ(以下の酵素試薬(Enzyme Reagents)を参照のこと)を用いる、標的配列のコピー数における10億倍を超える増加を可能にする等温的な増幅手順である。TMA反応は、1本鎖標的配列を、5’RNAポリメラーゼ特異的プロモーター配列を有する、センスプライマーおよびアンチセンスプライマーの存在下、逆転写酵素によって、2本鎖DNA中間体へと転換することを含む。このDNA中間体に含まれるのは、RNAポリメラーゼによって認識され、数百コピーのRNAへと転写される二本鎖プロモーター配列である。次に、これらの転写されたRNA分子の各々は、追加のRNAを産生するために用いられる二本鎖DNA中間体に転換され得る。従って、TMA反応は指数関数的に進行する。以下の実施例で用いられるTMA反応の詳細を、以下において示す。
(4.ハイブリダイゼーションアッセイプローブ)
M.pneumoniaeまたはM.genitaliumに対して特異的なハイブリダイゼーションアッセイプローブを、M.pneumoniae(ATCC受託番号15531)または公開された16S rRNA配列(M.pneumoniaeのrRNA(GenBank登録番号M29061)およびM.genitaliumのrRNA(GenBank登録番号X77334)を含む)のリボソーム核酸に相補的なプライマーを用いて、予想標的領域を最初に配列決定することによって設計した。可変領域を決定するために、これらの配列をM.bovis(GenBank登録番号U02968)、M.capricolum(GenBank登録番号AB000401)、M.collis(GenBank登録番号X64727)、M.faucium(GenBank登録番号U83663)、M.fermentans(GenBank登録番号AF031374)、M.gallisepticum(GenBank登録番号M22441)、M.hyopneumoniae(GenBank登録番号Y00149)、M.hominis(GenBank登録番号M24473)、M.iowae(GenBank登録番号M24293)、M.liphophilum(GenBank登録番号M24581)、M.muris(GenBank登録番号M23939)、M.orale(GenBank登録番号M24659)、M.pirum(GenBank登録番号M23940)、M.primatum(GenBank 登録番号AF013997)、M.salivarium(GenBank登録番号M24661)を含む、系統発生的に近いもののrRNA配列に対して比較した。Acholeplasma laidlawii(GenBank登録番号M23932)、Spiroplasma mirum(GenBank登録番号M24662)およびUreaplasma urealyticum(GenBank登録番号L08642)のrRNA配列に対してもまた、比較した。
以下の実施例では、配列番号1、配列番号5および配列番号9のヌクレオチド配列を有する、ハイブリダイゼーションアッセイプローブを特色とする。以下に記したハイブリダイゼーションアッセイプローブの全て、ならびに捕捉プローブ、プライマーおよびプロモーター−プライマーを、標準ホスホルアミダイト化学を用いて合成した。この種々の方法が当該分野で周知である。例えば、Caruthersら、Methods in Enzymol.、154:287(1987)を参照のこと。合成を、ExpediteTM8909 Nucleic Acid Synthesizer(Applied Biosystems;Foster City,CA)を用いて実施した。ハイブリダイゼーションアッセイプローブをまた、米国特許第6,031,091号においてArnoldらによって記載されているように、および図5に示されているように、非ヌクレオチドリンカーを含むように合成し、米国特許第5,185,439号においてArnoldらによって記載されているように、化学発光性アクリジニウムエステルで標識した。M.pneumoniaeまたはM.genitalium由来の核酸に対するこれらのプローブの反応性および特異性は、単相均質アッセイフォーマットを用いて証明され、その結果は、以下の実施例5の表14および実施例8の表18〜表20に示されている。この単相均質アッセイは、米国特許第5,283,174号においてArnoldらにより開示されたハイブリダイゼーション保護アッセイであった。以下の結果は、ルミノメーターによって検出された光子の測定単位である相対光単位(RLU)で与えられる。
(5.試薬)
ハイブリダイゼーション試薬、選択試薬、増幅試薬、再構成緩衝液、酵素試薬、酵素希釈緩衝液および油試薬を含め、様々な試薬が、以下の実施例において指定される。別の所で指し示していない限り、これらの試薬の処方および(関連がある所での)pH値は以下の通りであった。
輸送媒体:以下の実施例の「輸送媒体」は、カタログ番号3275(男性用収集キット)またはカタログ番号3300(女性用収集キット)の下で、Gen−Probe Incorporatedより入手可能な、PACE(登録商標)2 Specimen Collection Kitの成分として入手可能である。
標的捕捉試薬:以下の実施例の「標的捕捉試薬」は、250mM N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(N−2−hydroxyethelpiperazine−N’−2−ethanesulfonic acid;HEPES)、310mM LiOH、1.88M LiCl、100mM EDTA、pH6.4にするための2M LiOH、および250μg/ml オリゴ(dT)14が共有結合した1ミクロン磁性粒子(Seradyn)を含んだ。
洗浄緩衝液:以下の実施例の「洗浄緩衝液」は、10mM HEPES、6.5mM NaOH、1mM EDTA、0.3%(v/v)無水エチルアルコール、0.02%(w/v)メチルパラベン、0.01%(w/v)プロピルパラベン、150mM NaCl、0.1%(w/v)ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)、およびpH7.5にするための4M NaOHを含んだ。
ハイブリダイゼーション試薬:以下の実施例の2×「ハイブリダイゼーション試薬」は、100mM コハク酸、2%(w/v)LLS、100mM LiOH、15mM アルドリチオール−2、1.2M LiCl、20mM EDTA、3%(v/v)無水エチルアルコール、およびpH4.7にするための2M LiOHを含んだ。
選択試薬:以下の実施例の「選択試薬」は、600mM ホウ酸、240mM NaOH、1%(v/v)TRITON(登録商標)X−100、およびpH8.5にするための4mM NaOHを含んだ。
増幅試薬:以下の実施例の「増幅試薬」は、各々4mMのrATP、rCTP、rGTPおよびrUTP、各々1mMのdATP、dCTP、dGTPおよびdTTP、40mM トリズマ ベース(trizma base)、25mM MgCl、17.5mM KCl、5%(w/v)ポリビニルピロリドン、ならびにpH7.5にするための1M NaOHおよび6M HClを含んだ、凍結乾燥処方物であった。増幅試薬を、2.2 mlの純水中で再構成した。
酵素試薬:以下の実施例の「酵素試薬」は、125mM N−アセチル−L−システイン(NALC)、0.2%(v/v)TRITON(登録商標)X−102、20mM HEPES、0.1mM EDTA、0.1mM 酢酸亜鉛、0.2M トレハロース、pH7.5にするための4M NaOH、0.25MU/ml モロニ−マウス白血病ウイルス(「MMLV」)逆転写酵素、および0.20MU/ml T7 RNAポリメラーゼを含んだ凍結乾燥処方物であった。(活性の一「単位」は、MMLV転写酵素については37℃で15分間で5.75fmol cDNAの合成および遊離として定義され、T7RNAポリメラーゼについては、活性の一「単位」は、37℃で20分間で5.0fmolのRNA転写産物の産生として定義される。)酵素試薬を、1.5ml酵素希釈試薬で再構成した。
酵素希釈試薬:以下の実施例の「酵素希釈試薬」は、140mM HEPES、1mM EDTA、10%(v/v)TRITON(登録商標)X−102、70mM KCl、20%(v/v)グリセロール、およびpH8.0にするための6M HClを含んだ。
検出試薬:以下の実施例の「検出試薬」は、0.1%(v/v)H、および1mM 硝酸を含む検出試薬I、ならびに1N NaOHおよび界面活性剤成分を含む検出試薬IIから構成された。これらの検出試薬は、カタログ番号1791の下で、Gen−Probe Incorporatedより入手可能であり、全てのLEADER(登録商標)分析装置について使用するために、GEN−PROBE(登録商標)Detection Reagent Kitとして売られている。
油試薬:以下の実施例の「油試薬」は、鉱油であった。
(実施例1)
(改善された示差的加水分解特性を示すM.pneumoniaeプローブ)
本実施例は、Hammondら、「Nucleic Acid Hybridization Assay Probes,Helper Probes and Amplification Oligonucleotides Targeted to M.pneumoniae Nucleic Acid」、米国特許第5,656,427号によって開示された先行技術のプローブと比較して改善された示差加水分解特性を示すことが明らかである、M.pneumoniae 16S rRNAについてのハイブリダイゼーションアッセイプローブを例示する。本実施例で用いられた本発明のハイブリダイゼーションアッセイプローブは、配列番号1のヌクレオチド配列を有し、上記の通り、5’から3’へ読む場合、ヌクレオチド14とヌクレオチド15との間(「プローブ1」)、またはヌクレオチド16とヌクレオチド17との間(「プローブ2」)のいずれかに位置する、非ヌクレオチドリンカーを含むように合成された。ハモンドプローブ(「プローブ3」)は、配列番号42のヌクレオチド塩基配列gcattggaaactattaatctagagtgtgを有し、上記のように、ヌクレオチド17とヌクレオチド18との間(5’から3’へ読む)に非ヌクレオチドリンカーを含むように合成された。
M.pneumoniae 16S rRNA転写物(アンチセンス)を、各々の試験されるプローブに対して、それぞれ、0.0ng(「ネガティブコントロール」)、0.2ngおよび2.0ngの濃度で、二つの12×75mmのポリプロピレンチューブ(Gen−Probe Incorporated;カタログ番号2440)の三セットに対して提供した。これらの濃度は、0.02ng転写物/μl水を含む貯蔵溶液から得られた。(本実験での転写物は、ATCC番号15531として、American Type Culture Collection of Manassas,Virginiaから得られたM.pneumoniaから単離された16S rRNA配列の1453塩基対クローンであった。)各々のチューブにはまた、100fmolのプローブおよび200μlの1×ハイブリダイゼーション試薬を提供し、手で混合した。プローブの貯蔵溶液は、100fmolプローブ/μlの1×ハイブリダイゼーション試薬を含んだ。
ハイブリダイゼーションを容易にするために、チューブを、30分間循環水浴(Precision Scientific,Inc.,Winchester,VA;Model 260;カタログ番号51221035)において60℃でインキュベートした。ハイブリダイゼーションに続いて、300μlの選択試薬を各々のチューブに加え、これらのチューブを手で混合した後、10分間、循環水浴において60℃でインキュベートして、ハイブリダイズされていないプローブと結合したアクリジニウムエステル標識を加水分解させた。サンプルを5分間室温で冷却し、その後、アニールされたハイブリダイゼーションアッセイプローブからシグナルを検出するための検出試薬の自動注入器を備え付けたLEADER(登録商標)450hc ルミノメーター(Gen−Probe Incorporated)において分析した。この結果を、下の表1に示す。ここでは10,000RLUより大きな正味のRLU値を正の結果とみなし、10,000RLUより小さな正味のRLU値を負の結果とみなす。正味のRLU値は、各々のサンプルセットの平均RLU値より、ネガティブコントロールセットの平均RLU値(すなわちバックグラウンドシグナル)を差し引いたものに基づく。
Figure 0004395372
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本実験では、プローブ3に比べて、標的濃度0.2ngおよび2.0ngのプローブ1およびプローブ2について著しく高い平均正味RLU値は、本発明のプローブ1およびプローブ2が、同一のハイブリダイゼーションアッセイ条件下で、標的核酸の存在下、改善された示差的加水分解特性を示すことを示唆した。この結論は、実施例2に示す別の実験におけるプローブ1について確かめられた。
(実施例2)
(M.pneumoniaeプローブに対する示差的加水分解率の比較)
本実施例は、二つのハモンドプローブおよび本発明による二つのプローブの示差的加水分解率を比較する。これらのハモンドプローブは、上記実施例1のプローブ3、およびプローブ3とヌクレオチド配列を共有するが、5’から3’へ読んだ場合、ヌクレオチド15とヌクレオチド16との間に位置する非ヌクレオチドリンカーを含むプローブ(「プローブ4」)であった。本発明による二つのプローブは、上記実施例1のプローブ1およびプローブ2であった。プローブ1とプローブ2、およびプローブ3とプローブ4を別々の実験で研究したが、これらの別々の実験の記述および結果を、比較を容易にするため、本実施例に共に示す。用いられた4つ全てののプローブを、「オリゴヌクレオチドの調製」と題された節において上記の通り、化学発光アクリジニウムエステルで標識した。
プローブ3およびプローブ4を、最初の実験で研究した。本実験では、4つの12×75mmポリプロピレンチューブ(Gen−Probe Incorporated;カタログ番号2440)を、以下の量および濃度の、プローブ、標的およびHyb/Amp試薬を含むように準備した:
Figure 0004395372
標的は、各々のチューブにおいて同じであり、プローブの配列に相補的な配列を含むように、転写媒介増幅により産生したRNA配列であった。各々の場合について、チューブに供給された「Hyb/Amp試薬」は、4:2:1:1の比率のハイブリダイゼーション試薬:水:増幅試薬:酵素試薬を含んでいた。
各々のチューブの中身を、900μl Hyb/Amp試薬で希釈し、ピペッティングにより混合した。続いて1μlのアリコートをこれらの希釈液の各々から取り出し、12×75mmポリプロピレンチューブ(Gen−Probe Incorporated;カタログ番号2440)において、100μl Hyb/Amp試薬と混合し、続いて標的へのプローブ(存在する場合)の結合を容易にするため、40分間60℃で水浴(Precision Scientific;カタログ番号51221035)中でインキュベートした。インキュベーション後、チューブからのシグナルを、LEADER(登録商標)50ルミノメーター(Gen−Probe Incorporated;カタログ番号3100)において相対光単位(RLU)において測定した。これらのRLU値に基づき、1mlの希釈液を、希釈液各々において、100μlあたり200,000RLU〜400,000RLUを得るために、12×75mmポリプロピレンチューブ(Gen−Probe Incorporated;カタログ番号2440)において、調製した。このRLU範囲は、ルミノメーターの直線範囲内にあるように選択された。希釈液を、Hyb/Amp試薬を用いて調製した。
各々の希釈液には、300μlの選択試薬を入れ、このチューブを、手で混合した。チューブ1およびチューブ2(「ハイブリッド」)の希釈液を、0分間、0.5分間、1分間、2分間、3分間および4分間、60℃で別々にインキュベートし、チューブ3およびチューブ4(「コントロール」)の希釈液を、0分間、0.5分間、1分間、2分間、3分間、4分間、5分間および10分間、60℃で別々にインキュベートした。インキュベートを水浴(Precision Scientific;カタログ番号51221035)中で行った。インキュベーションに続いて、希釈液を、1分間氷上で冷却し、続いて1分間室温で水浴中に置き、その後、チューブからのシグナルを、LEADER(登録商標)50ルミノメーターで読みとった。時間0点について、選択試薬を、室温で希釈液に加え、希釈液を、読みとる直前に手で混合した。100μl Hyb/Amp試薬を含むブランクのチューブもまた調製し、ルミノメーターで読みとり、続いて各々の時間点についてのRLU値から差し引いた。ブランクのチューブの値は、540RLUであった。これらの加水分解反応の結果を、下の表2〜表5に示す。
Figure 0004395372
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表2〜表5に示すデータを使用して、図1および図2に示したように、ハイブリッド(黒四角)およびコントロール(黒丸)について、X軸上の、「時間(分)」に対してY軸上に、“時間0のlog%”をプロットして、グラフを作成した。これらのグラフより、傾きおよびt1/2値(アクリジニウムエステル標識に結合したプローブの50%を加水分解するのに必要な時間)を、標準直線回帰分析を用いて、コントロールおよびハイブリッドについて決定し、プローブ3およびプローブ4について差示的加水分解(DH)率を決定するために比較した。DH率はt1/2(ハイブリッド)/t1/2(コントロール)の測定値であるために、より高いDH率を有するプローブが、より望まれる。これは、これらのプローブが、溶液中で遊離したままである場合と反対に、標的配列にハイブリダイズした場合、DH率が、特定のプローブと結合した標識がいかに加水分解から保護されるかについての指標を提供するためである。このように、より高いDH率は、より良い感度および標的配列のより正確な定量化を意味するように変換される。この最初の実験により決定されたt1/2値およびDH率を、以下の表6に示す。
Figure 0004395372
プローブ1およびプローブ2を、第二の実験において研究した。この実験では、4本の12×75mmポリプロピレンチューブ(Gen−Probe Incorporated;カタログ番号2440)を、プローブ、標的およびHyb/Amp試薬の以下の量および濃度を含むよう、調整した:
Figure 0004395372
本実験のプロトコールは、以下の事項を除いて、上のプローブ3およびプローブ4に従うものと同一であった:(i)希釈液を、1mlの代わりに2ml Hyb/Amp試薬で調製した;(ii)各々の希釈液についてのRLU数は、100μl当たり200,000〜400,000の代わりに、100μl当たり約700,000であった;および(iii)チューブ5およびチューブ6(「ハイブリッド」)の希釈液についての選択試薬の存在におけるインキュベーション時間は、チューブ1およびチューブ2の希釈液についての0、0.5、1、2、3および4分と異なり、0、5、10、15、20および30分であった。第二の実験の結果を、下の表7〜表10に示す。
Figure 0004395372
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表7〜表10のデータをまた使用して、図3および図4に示したように、ハイブリッド(黒四角)およびコントロール(黒丸)について、x軸上の「時間(分)」に対して、y軸上に「時間0のlog%」をプロットして、グラフを作成した。これらのグラフより、t1/2値を、標準直線回帰分析を用いてコントロールおよびハイブリッドについて決定し、プローブ1およびプローブ2についてDH率を決定するために比較した。この第二の実験から決定したt1/2値およびDH率を下の表11に示す。
Figure 0004395372
表6および表11のDH率の比較により、プローブ3のDH率およびプローブ4のDH率のどちらよりも2倍より大きいDH率を有するプローブ1が、プローブ3およびプローブ4よりも優れていることが示される。別個の実験において、プローブ3およびプローブ4はプローブ1およびプローブ2の溶融温度よりもほんのわずかに高い溶融温度(T)を有することが決定された(プローブ1およびプローブ2についての64℃の平均Tと比較して、プローブ3およびプローブ4については67.5℃の平均T)。このように、プローブ1は、プローブ3およびプローブ4に対して匹敵する特異性を有し、同様の条件下でプローブ3またはプローブ4のどちらよりも高い感度を有すると予期される。
(実施例3)
(M.pneumoniae核酸の増幅および検出)
本実施例は、M.pneumoniae由来の核酸に特異的なハイブリダイゼーションアッセイプローブを用いて、M.pneumoniae核酸の標的配列の増幅および増幅されたrRNAの検出を説明する。詳細には、5’から3’へ読む場合、ヌクレオチド15とヌクレオチド16との間に位置した非ヌクレオチドリンカーを含むように、上記の通り、配列番号42の塩基配列を有するM.pneumoniaeハイブリダイゼーションアッセイプローブを合成した。このハイブリダイゼーションアッセイプローブは、M.pneumoniae標的rRNAと同じセンスであり、六つの異なる転写媒介増幅の生成物を検出するために用いた。
転写物を、M.pneumoniaeから得られた16S rRNA配列(ATCC受託番号15531)から作製し、プライマーおよびプロモーター−プライマーの異なるセットを用いて別々に増幅した。これらの増幅反応で用いたプライマー/プロモーター−プライマーの組合わせは、以下の通りである:(i)配列番号41の5’末端プロモーター塩基配列および配列番号29の3’末端センス鋳型特異的塩基配列を有するプロモーター/プライマー、ならびに配列番号21のアンチセンス鋳型特異的塩基配列を有するプライマー(「セット1」);(ii)配列番号41の5’末端プロモーター塩基配列および配列番号33の3’末端センス鋳型特異的塩基配列を有するプロモーター/プライマー、ならびに配列番号21のアンチセンス鋳型特異的塩基配列を有するプライマー(「セット2」);(iii)配列番号41の5’末端プロモーター塩基配列および配列番号37の3’末端センス鋳型特異的塩基配列を有するプロモーター/プライマー、ならびに配列番号21のアンチセンス鋳型特異的塩基配列を有するプライマー(「セット3」);(iv)配列番号41の5’末端プロモーター塩基配列および配列番号29の3’末端センス鋳型特異的塩基配列を有するプロモーター/プライマー、ならびに配列番号25のアンチセンス鋳型特異的塩基配列を有するプライマー(「セット4」);(v)配列番号41の5’末端プロモーター塩基配列および配列番号33の3’末端センス鋳型特異的塩基配列を有するプロモーター/プライマー、ならびに配列番号25のアンチセンス鋳型特異的塩基配列を有するプライマー(「セット5」);ならびに(vi)配列番号41の5’末端プロモーター塩基配列および配列番号37の3’末端センス鋳型特異的塩基配列を有するプロモーター/プライマー、ならびに配列番号25のアンチセンス鋳型特異的塩基配列を有するプライマー(「セット6」)。
合計六つのストック溶液チューブを、750μlの水で再構成された375μlの増幅試薬、418μlの水、15pmol/μlの水でのストック溶液からの15μlのプロモーター/プライマー、および15pmol/μlの水でのストック溶液からの15μlのプライマーを含むように調製した。これら六つのストック溶液チューブの各々は、上に示した通り、異なるプライマー/プロモーター−プライマーの組み合わせを含んだ。六つのストック溶液チューブの各々からの65μlのアリコートを、続いて12個の12×75mmポリプロピレンチューブ(Gen−Probe Incorporated;カタログ番号2440)の各々に加え、これらのチューブのセットのニ連のセットに、コピー数0(「ネガティブコントロール」)、コピー数10、コピー数10、コピー数10、コピー数10またはコピー数10の転写物を含む10μl溶液を収容した。各々のサンプルは、200μlの油試薬を収容し、5分間水浴(Precision Scientific;カタログ番号51221035)中60℃でインキュベートした。これらのサンプルを、続いて循環水浴(Lauda Dr.R.Wobser GmbH&Co.KG,Lauda−Koenigshofen,Germany;モデル番号M20−S)に移し、42℃で5分間インキュベートし、この転写物を変性し、その後各々のチューブに25μlの再構成した酵素試薬を加えた。循環水浴中で42℃で60分インキュベーションした後で、100μlのプローブ混合物(100fmol/μlの1×ハイブリダイゼーション試薬の濃度で7.5mlの2×ハイブリダイゼーション試薬および75μlのハイブリダイゼーションアッセイプローブを含むストック溶液から得た)をそれぞれのチューブに加え、このチューブを撹拌し、その後、60℃の水浴中で30分間インキュベートし、増幅された標的配列へプローブをハイブリダイゼーションするのを可能にした。この保温の終わりに、300μlの選択試薬を各々のチューブに加え、このチューブを撹拌し、その後60℃の水浴中で8分間インキュベートして、ハイブリダイズされていないプローブに結合したアクリジニウムエステル標識を加水分解した。サンプルを、検出試薬の自動注入を備え付けた、LEADER(登録商標)450hcルミノメーター(Gen−Probe Incorporated)で分析する前に、1分間氷上で冷却した。ネガティブコントロール(転写コピー数0)についての平均RLU値の10倍より大きい平均RLU値を有するサンプルセットは、転写の増幅を示し、ネガティブコントロールについての平均RLU値の10倍より小さい平均RLU値を有するサンプルセットは、転写の増幅を示さなかった。この結果を以下の表12に示す。
Figure 0004395372
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この実験の結果、試験されたプライマー/プロモーター−プライマーの組み合わせの各々は、転写物に含まれた標的配列を増幅するのに効果的であったことが示された。これらの中で、セット1〜セット4のプライマー/プロモーター−プライマーの組み合わせは、標的配列を増幅するのに最小の可変性で、最大の感度を示した。
(実施例4)
(標的捕捉システムを用いるM.pneumoniae核酸の増幅および検出)
本実施例は、M.pneumoniae核酸の標的配列の固定および増幅、その後のM.pneumoniae由来の核酸に特異的なハイブリダイゼーションアッセイプローブを用いる増幅されたrRNAの検出を示す。詳細には、配列番号1の塩基配列を有するM.pneumoniaeハイブリダイゼーションアッセイプローブを、5’から3’に読む場合、ヌクレオチド14とヌクレオチド15との間に位置した非ヌクレオチドリンカーを含むように、上記の通り、合成した。このハイブリダイゼーションアッセイプローブは、M.pneumoniae標的rRNAと同じセンスであり、転写媒介増幅の生成物を検出するために用いられた。
15個の12×75mmポリプロピレンチューブ(Gen−Probe Incorporated;カタログ番号2440)を準備し、各々に400μlの輸送媒介および200μlの標的捕捉試薬(この標的捕捉試薬は、25pmol/mlの濃度の、「標的捕捉アッセイ」と題された節に上記された捕捉プローブを含む)を供給した。五つのチューブの各々のメンバーに、M.pneumoniae(ATCC受託番号15531)から得られた16S rRNA配列から産生したコピー数0(「ネガティブコントロール」)、コピー数200またはコピー数2,000の転写物を含む10μl水溶液を供給し、続いて手で混合した。これらのチューブを、10分間水浴(Precision Scientific;カタログ番号51221035)中60℃で、続いて室温で5分間インキュベートした。続いてこれらのチューブを、米国特許第6,254,826号において、Acostaらにより開示された、磁気分離ラックに移し、室温でさらに10分間インキュベートした。このインキュベーションに続いて、流体をチューブから吸引し、1.0mlの洗浄緩衝液を、各々のチューブに加えた。このチューブを続いて、手短に撹拌し、その後室温で5分間保温するために磁気分離ラックに戻した。このインキュベーションの後、流体を再びチューブから吸引し、1.0mlの洗浄緩衝液を各々のチューブに加え、そしてこれらのチューブを、室温で磁気分離ラックで二度目の5分間インキュベーションの前に、手短に撹拌した。流体を、チューブから3回吸引し、その後75μl増幅試薬および100μl油試薬をこの順でこのチューブに加え、そして手短に撹拌した。本実験における増幅試薬は、15pmol/μl水の濃度でこれらの試薬を含むストック溶液からのプライマーおよびプロモーター−プライマーを各々30μl含んだ。プロモーター−プライマー試薬は、配列番号29の3’末端センス鋳型特異的塩基配列および配列番号41の5’末端プロモーター塩基配列から構成され、プライマー試薬は、配列番号21のアンチセンス鋳型特異的塩基配列を有した。
この時点で、チューブを、水浴(Precision Scientific;カタログ番号51221035)中60℃で、10分間インキュベートして、転写物を変性させた。その後、サンプルを循環水浴(Lauda Dr.R.Wobser;モデル番号M20−S)に移し、42℃で5分間インキュベートして、その後各々のチューブに25μlの再構成した酵素試薬を加え、手で混合した。循環水浴中、42℃で60分間インキュベートした後、100μlプローブ混合物(2mlの2×ハイブリダイゼーション試薬および100fmol/μlの1×ハイブリダイゼーション試薬の濃度で20μlのハイブリダイゼーションアッセイプローブを含むストック溶液から得た)を、各々のチューブに加え、これらのチューブを撹拌し、その後、60℃の水浴中で20分間インキュベートした。この保温に続いて、300μlの選択試薬を各々のチューブに加え、これらのチューブを撹拌し、60℃の水浴中に10分間インキュベートして、その後、ハイブリダイズされていないプローブと結合したアクリジニウムエステル標識を加水分解した。サンプルを、アニ−ルされたハイブリダイゼーションアッセイプローブからのシグナルを検出するために、検出試薬の自動注入を備え付けた、LEADER(登録商標)450hcルミノメーターにおいて分析する前に、1分間氷上で冷却した。ネガティブコントロール(転写コピー数0)についての平均RLU値の10倍より大きい平均RLU値を有するサンプルセットは、転写の増幅を示し、ネガティブコントロールについての平均RLU値の10倍より小さい平均RLU値を有するサンプルセットは、転写の増幅を示さなかった。この結果を下の表13に示す。
(表13)
(標的捕捉系を使用した、異なる初期濃度のM.pneumoniae標的RNAを含むサンプルからのシグナル)
Figure 0004395372
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ハイブリダイゼーションアッセイプローブ、捕捉プローブ、プロモーター−プライマー、およびプライマーを含む、使用された標的捕捉系は、標的化された転写物の存在を検出する際に非常に感受性があるということをこの実験結果は示している。
(実施例5)
(標的捕捉系を使用した、M.pneumoniae核酸の増幅および特異的検出)
実施例4と同様に、この実施例は、M.pneumoniae核酸の標的配列の固定化および増幅、その後の、核酸に由来するM.pneumoniaeに特異的なハイブリダイゼーションアッセイプローブを使用した増幅されたrRNAの検出を示している。しかし、実施例4とは異なって、この実験は、M.pneumoniaeに加えて、M.fermentans、M.gallisepticum、M.genitalium、M.hominis、M.orale、Streptococcus pneumoniae、Ureaplasma urealyticum、Chlamydiae pneumoniae、Chlamydia psittaci、および、Chlamydia trachomatisを含む非標的生物由来の試験サンプル中に全RNAを含んでいた。この非標的生物の群は、M.pneumoniaeおよび共通の咽喉培養生物と密接に関連している生物を示す。この実験のハイブリダイゼーションアッセイプローブは実施例4のプローブと一致し、そしてこれを、転写媒介増幅産物を検出するのに使用した。
各生物に対するRNAのストック溶液を輸送培地中で調製し、その結果、ストック溶液中のRNAの最終濃度は、C.pneumoniaeを除いて、おおよそ1000細胞/μlに等しかった。C.pneumoniaeストック溶液中のRNAの最終濃度は、おおよそ100細胞/μlに等しかった。ネガティブコントロールのストック溶液およびポジティブコントロールのストック溶液もまた、調製した。次いで、6つの12×75mmポリプロピレン反応チューブ(Gen−Probe Incorporated;カタログ番号2440)を、各非標的生物について設定した。2つセットの反応チューブの各部材は、100個、1,000個、または10,000個相当の細胞(C.pneumoniaeを除くすべての非標的生物)あるいは10個、100個、または1,000個相当の細胞(C.pneumoniae)を受容した。M.pneumoniaeについて、6つの同じ反応チューブを設定し、2つセットのチューブの各部材は、0.1個、1個または10個相当の細胞を受容した。他のすべての関係において、試薬、濃度、条件、時間および器具は、実施例4で示されている標的捕捉アッセイについて詳述したものと同じだった。アニーリングしたハイブリダイゼーションアッセイプローブからシグナルを検出するための検出試薬の自動化注入を備えたLEADER(登録商標)450hc閾値計で、サンプルをアッセイした。ネガティブコントロール(RNAではない)に対する平均RLU値の10倍を超える平均RLU値を有するサンプルセットは、増幅を示し、そして、ネガティブコントロールに対する平均RLU値の10倍より低い平均RLU値を有するサンプルセットは、増幅を示さなかった。この結果を、以下の表14で示す。
(表14)
(標的捕捉系を使用した、異なる初期濃度のM.pneumoniae標的RNAと非標的RNAを含むサンプルからのシグナル)
Figure 0004395372
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この実験結果は、ハイブリダイゼーションアッセイプローブ、捕捉プローブ、プロモーター−プライマーおよびプライマーを含む、使用された標的捕捉系は、密接に関連した非標的生物および共通の咽喉生物の存在下でM.pneumoniaeに特異的であるということを示している。
(実施例6)
(非標的生物由来のRNAの存在下でのM.pneumoniae標的捕捉アッセイの感受性)
この実施例は、密接に関連した生物および共通の咽喉病原体由来の非標的核酸の存在下でM.pneumoniae標的核酸を検出するための、上記の実施例4で述べられた標的捕捉アッセイの有効性を示している。この実験では、試験された各サンプルは、M.pneumoniaeの1細胞相当のRNAおよび以下の一つに等しいRNA(C.pneumoniaeの100細胞、C.psittaciまたはC.trachomatisの1,000細胞、およびM.fermentans、M.gallisepticum、M.genitalium、M.hominis、M.orale、S.pneumoniaeまたはU.urealyticumの10,000細胞)を含んでいた。それぞれ、付加された核酸を含まず、M.pneumoniaeの1細胞相当のRNAを含む、ネガティブコントロールおよびポジティブコントロールもまた、この実験中に含まれていた。100fmol/100μlの濃度での100μlハイブリダイゼーションアッセイプローブを、100fmol/μlの濃度での20μlハイブリダイゼーションアッセイプローブの代わりに使用したこと、および、200μlオイル試薬を100μlオイル試薬の代わりに使用したこと以外は、この実験は、実施例4の基本的なプロトコルに従った。この実験の結果を、以下の表15に示す。
(表15)
(標的捕捉系を使用した、M.pneumoniae標的RNAおよび非標的RNAを含むサンプルからのシグナル)
Figure 0004395372
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この実験の結果は、M.pneumoniaeに最も密接に関連する生物であるM.genitalium以外のいかなる生物由来のRNAによっても有意な干渉がないことを示唆している。
(実施例7)
(M.pneumoniaeおよびM.genitalium由来のRNAの様々な濃度でのM.pneumoniae標的捕捉アッセイの感受性)
この実施例は、さらに、M.genitalium由来の非標的核酸の存在下でM.pneumoniae標的核酸の存在を検出するための、上記の実施例4で述べられた標的捕捉アッセイの有効性を実験している。この実験について、試験された各サンプルは、M.genitaliumの1個,10個または100個細胞相当のRNAを含み、そして試験されたM.pneumoniae RNAの各濃度に対し、サンプルは、M.genitaliumの100個、1,000個または10,000個細胞相当のRNAを含んでいた。各組み合せを、5つのセットで試験した。付加された核酸を含まないネガティブコントロールも含まれていた。上記の実施例6で示された相違を除いて、実施例4のプロトコルに、一般的に従った。この実験の結果を以下の表16で示す。
(表16)
(標的捕捉系を使用した、M.pneumoniae標的RNAおよび非標的RNAの異なる組み合わせを含むサンプルからのシグナル)
Figure 0004395372
Figure 0004395372
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100個のM.pneumoniae細胞のRNA等量濃度において、最低10,000個の細胞のRNA等量濃度までのM.genitalium RNAの存在は、M.pneumoniae標的核酸の存在を検出する際に、上記の実施例4の標的捕捉アッセイの感受性に影響を及ぼさないということをこの実験結果は示している。M.pneumoniaeについてポジティブの試験サンプルは、少なくとも100個のM.pneumoniae細胞を有することが予測される。
(実施例8)
(Mycoplasma genitaliumに由来する核酸の増幅および発現)
この実施例は、4つの異なるハイブリダイゼーションアッセイプローブが異なる温度でM.genitaliumとM.pneumoniaeの単位複製配列との間で分化する能力を説明している。この実施例では、配列番号5の塩基配列を有する3つのハイブリダイゼーションアッセイプローブ(プローブ1〜3)および配列番号9の塩基配列を有する1つのハイブリダイゼーションアッセイプローブ(プローブ4)を、上記のように、非ヌクレオチドのリンカーを含むように合成した。5’〜3’を読むと、非ヌクレオチドのリンカーは、以下のような各プローブ配列の中に含まれていた:(i)プローブ1についてヌクレオチド13と14との間;(ii)プローブ2についてヌクレオチド14と15との間;(iii)プローブ3についてヌクレオチド16と17との間;そして(iv)プローブ4についてヌクレオチド9と10との間。ハイブリダイゼーションアッセイプローブは、M.genitalium標的rRNAと同じセンスのものであり、および、それを、転写媒介増幅産物を検出するために使用した。
配列番号41の5’末端プロモーター塩基配列を有するプロモーター−プライマー、および配列番号29のセンステンプレート特異的塩基配列を有する3’末端プライマー、および配列番号21のアンチセンステンプレート特異的塩基配列を有するプライマーを含むプライマーセットを使用して、M.genitalium(ATCC登録番号49123)およびM.pneumoniae(ATCC登録番号15531)から得られる16S rRNA配列から、転写物を作製した。このプライマーセットのプライマー配列は、M.genitaliumおよびM.pneumoniaeの両方に由来する核酸に結合し、そして、これを、以下に記載される条件下で伸長させた。
この実験で使用される再構成された増幅試薬は、44.1mM HEPES、0.003%(v/v)フェノールレッド、0.5%、9.4mM rATP、1.8mM rCTP、11.8mM rGTP、1.8mM rUTP、dATP、dCTP、dGTPおよびdTTPを各々0,47mM、2.82%(w/v)トレハロース、33.0mM KCl、30.6mM MgCl、0.30%(v/v)エチルアルコール、無水の、0.1%(w/v)メチルパラベン、0.02%(w/v)プロピルパラベン、およびpH7.7までの4M NaOH。プライマーおよびプロモーター−プライマーを、増幅試薬に提供し、その結果、これらの試薬の各最終濃度は、おおよそ0.2pmol/μlであった。
この実施例の増幅およびハイブリダイゼーション反応を、6つの一体型試験管ユニット(TTU)の3セットで行い、各ユニットは、10個の12×75mmプロピレン試験管から構成された。TTUの各セットは標的核酸およびプローブと同じ量を受容し、そして、各セットは、試験された各標的核酸/プローブの組み合せに対し、合計5つの複製を含んでいた。6つのTTUの各セットに対する標的核酸/プローブの組み合せは、TTUの3セットの間で変化するハイブリダイゼーション反応の温度のみとともに、以下の表17で提供されている。
(表17)
(試験された標的核酸/プローブの組み合せ)
Figure 0004395372
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標的核酸の増幅のために、3つのストック溶液チューブを調製し、各チューブは、再構成された増幅試薬4.8mlを含み、そして(i)チューブ1(ネガティブコントロール)に32μlの洗浄緩衝液;(ii)チューブ2でM.pneumoniaeの最終濃度を6.7fg/μlにするため、M.pneumoniae rRNAを含む64.3μlの洗浄緩衝液;および(iii)チューブ3でM.genitaliumの最終濃度を3.47fg/μlにするため、M.genitalium rRNAを含む32μlの洗浄緩衝液を別々に含んでいた。これらのストック溶液チューブから、75μlの増幅試薬を表17に示される様式でTTUの各セットに提供した。次いで、TTUの各チューブは、ボルテックスされる前の200μlのオイル試薬を受容した。
増幅前の標的核酸に対するプロモーター−プライマーの結合を容易にするため、反応チューブを循環水浴(Precision Scientific;カタログ番号51221035)の中で5分間60℃でインキュベートした。次いで、TTUを、別の循環水浴(Precision Scientific;カタログ番号51221035)に移し、そして、各チューブに再構成された酵素試薬を25μl加える前に標的核酸を変成させるため、42℃でさらに5分間インキュベートした。この実験で再構成された酵素試薬は58mM HEPES、50mM NALC、1.0mM EDTA、10%(v/v)TRITON X−100、3%(w/v)トレハロース、120mM KCl、20%(v/v)グリセリン、360U/μl MMLV逆転写酵素、80U/μl T7 RNAポリメラ−ゼ、およびpH7.0までの4M NaOH(酵素に対する活性の「単位」は、「試薬」の節における「酵素試薬」定義の下で上記で定義されている)を含んでいた。チューブに再構成された酵素試薬を加えたあと、TTUにふたをし、手で振り、そしてその後、増幅を42℃の循環水浴で60分間行った。
増幅後、TTUを水浴から取り除き、そして、100μLのプローブ含有ハイブリダイゼーション試薬を、上記の表17で示された様式で各チューブに加えた。プローブ含有2×ハイブリダイゼーション試薬を、4つの15ml高密度ポリエチレンチューブで調製した。各チューブは、12.0mlの2×ハイブリダイゼーション試薬を含み、そして別々に次の1つを含んでいた:(i)プローブ1/μlの4.0pmolを含むストック溶液からの3.0μlのプローブ1;(ii)プローブ2/μlの2.38pmolを含むストック溶液からの5.0μlのプローブ2;(iii)プローブ3/μlの2.66pmolを含むストック溶液からの4.5μlのプローブ3;および(iv)プローブ4/μlの2.34pmolを含むストック溶液からの5.1μlのプローブ4。次いで、TTUをボルテックスし、その後、60℃(「セット1」)、62℃(「セット2」)、および64℃(「セット3」)の温度で循環水浴(Precision Scientific;カタログ番号51221035)で20分間インキュベートした。インキュベーション後、TTUを水浴から取り除き、そして、150mMホウ酸ナトリウム、1%(v/v)TRITON X−100、およびpH8.5までの4M NaOHを含む選択試薬250μlを各チューブに入れた。TTUを再びボルテックスし、その後、同じ温度でさらに10分間水浴でインキュベートして、ハイブリダイズしていないプローブと結合するアクリジニウムエステル標識を加水分解(hydroyze)した。次いで、TTUを、周囲を取り巻く水浴で5分間冷却した後、APTIMA(登録商標)Auto Detection ReagentsIおよびII(Gen−Probe Incorporated;カタログ番号1048)の自動注射を備えたLEADER(登録商標)HC+照度計(Gen−Probe Incorporated)で分析した。結果を下の表18〜21に示す。
(表18)
(60℃のハイブリダイゼーション温度におけるM.genitaliumに由来する標的RNAおよびM.Pneumoniaeに由来する非標的RNAを含むサンプルからのシグナル)
Figure 0004395372
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(表19)
(62℃のハイブリダイゼーション温度におけるM.genitaliumに由来する標的RNAおよびM.Pneumoniaeに由来する非標的RNAを含むサンプルからのシグナル)
Figure 0004395372
(表20)
(64℃のハイブリダイゼーション温度におけるM.genitaliumに由来する標的RNAおよびM.Pneumoniaeに由来する非標的RNAを含むサンプルからのシグナル)
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(表21)
(異なるハイブリダイゼーション条件下で試験されたM.genitaliumプローブに対するシグナルの割合)
Figure 0004395372
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この実験結果は、プローブ3および4がM.genitaliumおよびM.pneumoniaeに由来する核酸の間で区別する際により優れているということを示している。特に、プローブ3は試験されたそれぞれのハイブリダイゼーション温度で良好な比率を示した。
本発明は、特定の好ましい実施形態を参照してかなり詳細に記載されてきたが、当業者は、本発明の他の実施形態を容易に理解する。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の精神および範囲内に包含される全ての改変およびバリエーションを含むとみなされる。
図1は、Hammondら、「Nucleic Acid Hybridization Assay Probes,Helper Probes And Amplification Olignucleotides Targeted to M.pneumoniae Nucleic Acid」,米国特許第5,656,427号によって開示される2つのM.pneumoniaeのプローブの差次的な加水分解の割合を決定するために使用されるグラフである。上記実施例2の表2〜5に示される時間と信号のデータを使用して、これらのグラフに、x軸の分単位の時間に対してy軸の時間ゼロの化学ルミネセンスの百分率の対数として、ハイブリッドに対するデータ(黒四角)およびコントロールに対するデータ(黒丸)をプロットする。傾きおよび関連するt1/2値(アクリジニウム(acridinium)エステル標識に関するプローブの50%を加水分解するために必要な時間)を、標準直線回帰分析を使用して各プローブのコントロールおよびハイブリッドについて決定した。Arnoldら、「Assay Formats Involving Acridinium−Ester−Labelled DNA Probes」, Clinical Chemistry,35:1588〜1594(1989)参照。これらのグラフから決定されたt1/2値に基づいて、各プローブに対する差次的な加水分解の割合を、ハイブリッドのt1/2値をコントロールのt1/2値と比較することによって計算した。 図2は、Hammondら、「Nucleic Acid Hybridization Assay Probes,Helper Probes And Amplification Olignucleotides Targeted to M.pneumoniae Nucleic Acid」,米国特許第5,656,427号によって開示される2つのM.pneumoniaeのプローブの差次的な加水分解の割合を決定するために使用されるグラフである。上記実施例2の表2〜5に示される時間と信号のデータを使用して、これらのグラフに、x軸の分単位の時間に対してy軸の時間ゼロの化学ルミネセンスの百分率の対数として、ハイブリッドに対するデータ(黒四角)およびコントロールに対するデータ(黒丸)を示す。傾きおよび関連するt1/2値(アクリジニウム(acridinium)エステル標識に関するプローブの50%を加水分解するために必要な時間)を、標準直線回帰分析を使用して各プローブのコントロールおよびハイブリッドについて決定した。Arnoldら、「Assay Formats Involving Acridinium−Ester−Labelled DNA Probes」, Clinical Chemistry,35:1588〜1594(1989)参照。これらのグラフから決定されたt1/2値に基づいて、各プローブに対する差次的な加水分解の割合を、ハイブリッドのt1/2値をコントロールのt1/2値と比較することによって計算した。 図3は、本発明にしたがって2つのプローブの差次的な加水分解の割合を決定するために使用されたグラフである。上記実施例2の表7〜10に示される時間および信号のデータを使用して、これらのグラフは、x軸の分単位の時間に対してy軸の時間ゼロの化学ルミネセンスの百分率の対数として、ハイブリッドに対するデータ(黒四角)およびコントロールに対するデータ(黒丸)を示す。傾きおよび関連するt1/2値を、標準直線回帰分析を使用して各プローブのコントロールおよびハイブリッドについて決定した。これらのグラフから決定されたt1/2値に基づいて、各プローブに対する差次的な加水分解の割合を、ハイブリッドのt1/2値をコントロールのt1/2値と比較することによって計算した。 図4は、本発明にしたがって2つのプローブの差次的な加水分解の割合を決定するために使用されたグラフである。上記実施例2の表7〜10に示される時間および信号のデータを使用して、これらのグラフは、x軸の分単位の時間に対してy軸の時間ゼロの化学ルミネセンスの百分率の対数として、ハイブリッドに対するデータ(黒四角)およびコントロールに対するデータ(黒丸)を示す。傾きおよび関連するt1/2値を、標準直線回帰分析を使用して各プローブのコントロールおよびハイブリッドについて決定した。これらのグラフから決定されたt1/2値に基づいて、各プローブに対する差次的な加水分解の割合を、ハイブリッドのt1/2値をコントロールのt1/2値と比較することによって計算した。 図5は、オリゴヌクレオチドに検出可能な標識を結合するために使用され得る延長されたアミノアルキルカルボキシリンカーを有する連結試薬を示す。
配列表
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Claims (7)

  1. 試験サンプル中のMycoplasma pneumoniaeの存在決定における使用のためのハイブリダイゼーションアッセイプローブであって、
    該プローブは、配列番号1または配列番号2の塩基配列と、配列番号1または配列番号2のヌクレオチド14と15との間に位置する非ヌクレオチドリンカーに結合された検出可能な標識とからなり、
    該プローブは、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下で、Mycoplasma pneumoniaeに由来する核酸と検出可能なハイブリッドを形成する能力があり、
    ここで、該プローブは、該条件下で、Mycoplasma genitaliumに由来する核酸と検出可能なハイブリッドを形成する能力がない、
    ハイブリダイゼーションアッセイプローブ。
  2. 請求項1に記載のプローブであって、該プローブは、リボフラノシル部分に対する2’−O−メチル置換を含むように改変された少なくとも1つのリボヌクレオチドを含む、プローブ。
  3. 請求項1に記載のプローブであって、偽ペプチド骨格が該プローブの塩基の少なくとも1部分と連結する、プローブ。
  4. 請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載のプローブであって、前記検出可能な標識はアクリジニウムエステルである、プローブ。
  5. 請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載のプローブであって、前記条件が、50mM コハク酸、1%(w/v)LLS、7.5mM アルドリチオール(aldrithiol)−2、0.6M LiCl、50mM LiOH、10mM EDTA、1.5%(v/v)エチルアルコール(無水)、5.0と6.0との間のpH、および約60℃の温度を含む、プローブ。
  6. 前記条件下でMycoplasma pneumoniaeに由来する核酸にハイブリダイズされた請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載のプローブを含む、組成物。
  7. 試験サンプル中にMycoplasma pneumoniaeが存在するか否かを決定する方法であって、該方法は、以下の工程:
    a)該試験サンプルと請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載のプローブをストリンジェントハイブリダイゼーション条件下で接触させ、その結果、該プローブが、該試験サンプル中のMycoplasma pneumoniaeに由来する核酸と検出可能なハイブリッドを形成し、そして該試験サンプル中のMycoplasma genitaliumに由来する核酸とは検出可能なハイブリッドを形成しない工程:ならびに
    b)該試験サンプル中のMycoplasma pneumoniaeの存在または非存在の指標として、該試験サンプル中に該ハイブリッドが存在するか否かを決定する工程を包含する、方法。
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