JP4393367B2 - 放射線遮蔽ダクト構造 - Google Patents

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Description

本発明は、医療用などの放射線が放射線区画におけるダクト貫通部を通じて外部に漏洩するのを防止する放射線遮蔽ダクト構造に関し、詳しくは、放射線区画を貫通させるダクトにおいて、そのダクトにおける放射線区画貫通部を含む処置対象ダクト部分の周壁に放射線遮蔽材を設ける放射線遮蔽ダクト構造に関する。
従来、ダクト貫通部を通じて放射線が外部に漏洩するのを防止するには、一般的に図7に示す如く、ダクトにおける放射線区画貫通部を含む処置対象ダクト部分11をクランク状に屈曲させ、このクランク状に屈曲させた処置対象ダクト部分11の周壁11a〜11dの全面に鉛板等の放射線遮蔽材14を貼設する構造が採られていた。
また、図8に示す如く、放射線遮蔽材からなる風路横断姿勢の複数の遮蔽板14aを処置対象ダクト部分11の内部においてダクト長さ方向に並設するとともに、これら遮蔽板14aに一端側の開口14bと他端側の開口14cを交互に形成して、処置対象ダクト部分11の内部風路を蛇行状風路にし、この蛇行状風路を内部に形成した処置対象ダクト部分11の周壁11a〜11dの全面に放射線遮蔽材14を設ける構造(具体的には、放射線区画壁3におけるダクト貫通孔の内面と処置対象ダクト部分11の外面との間に放射線遮蔽材14を充填する構造)も提案されている(特許文献1参照)。
特開平8−122494号公報
しかし、上記した従来のいずれの構造にしても、処置対象ダクト部分11をクランク状に屈曲させたり、遮蔽板14aによる仕切りにより処置対象ダクト部分11の内部風路を蛇行状風路にするなどの為、処置対象ダクト部分11の構造が複雑になって製作コストが高く付く問題があり、特に処置対象ダクト部分11をクランク状に屈曲させるダクト構造では、そのクランク状の処置対象ダクト部分11の設置に大きなスペースを要することでダクト7の施設(例えば、天井裏施設)が難しくなる問題もあった。
そしてまた、処置対象ダクト部分11をクランク状に屈曲させたり、処置対象ダクト部分11の内部風路を蛇行状風路にする為、処置対象ダクト部分11における通気抵抗が大きくなってダクト内通風に大きな送風動力を要する問題もあった。
この実情に鑑み、本発明の主たる目的は、合理的な遮蔽構造を採ることにより上記の如き問題を効果的に解消する点にある。
放射線区画を貫通させるダクトにおいて、そのダクトにおける放射線区画貫通部を含む処置対象ダクト部分の周壁に放射線遮蔽材を設ける放射線遮蔽ダクト構造としては、
前記処置対象ダクト部分を、その長さ方向に直線状に延びる直筒構造にし、
放射線区画におけるダクト貫通部への放射線の入射角について放射線発生源とダクト貫通部との位置関係により下限入射角が存在することに対し、
その下限入射角以上の入射角でダクト貫通部に入射する放射線を遮蔽する範囲にわたらせて前記処置対象ダクト部分の周壁に放射線遮蔽材を設ける構成にしてもよい。
つまり、ダクト7の天井裏施設に合わせてダクト貫通部12を室壁3における天井裏部分に配置する場合に代表されるように(図1参照)、放射線室2に設置される放射線治療装置などの放射線発生源1と室壁3などに設けられるダクト貫通部12との位置関係について見た場合、放射線発生源1から直接にダクト貫通部12に向かう放射線x、また、放射線発生源1から室壁3,天井部4,床部5などで一度反射してダクト貫通部12に向かう放射線xにしても、放射線xの直進性から、ダクト貫通部12に入射する放射線xの入射角θには、ある程度大きな下限入射角θuが存在する場合が多いことを、研究の結果、本発明者は知見するに至った。(なお、図1では説明を簡略にする為、放射線発生源1としての放射線治療装置などにおける装置中心部から放射線xが室内に放射される状態を模式的に示している。)
すなわち、先述した図7や図8に示す従来の構造は、処置対象ダクト部分11の周壁に放射線遮蔽材14を設けることに加えて、処置対象ダクト部分11をクランク状に屈曲させたり、遮蔽板14aにより処置対象ダクト11の内部風路を蛇行状風路にすることで、ダクト貫通部に対しどのような入射角で入射する放射線をも遮蔽することを前提とした構造であるが、上記知見によれば、放射線発生源1とダクト貫通部12との位置関係によりダクト貫通部12への入射放射線xの入射角θに下限入射角θuが存在するような場合には、処置対象ダクト部分11を、その長さ方向に直線状に延びる単なる直筒構造(内部風路も直線状)にしても、下限入射角θu以上の入射角θでダクト貫通部12に入射する放射線xさえ遮蔽すれば、ダクト貫通部12を通じての放射線漏洩を十分に防止することができる。
このことから、上記の放射線遮蔽ダクト構造によれば、処置対象ダクト部分を直筒構造にする構成を採りながらも、下限入射角以上の入射角でダクト貫通部に入射する放射線を遮蔽する範囲にわたって処置対象ダクト部分の周壁に放射線遮蔽材を設けることで、ダクト貫通部を通じての放射線漏洩を防止することができる。
そして、この放射線遮蔽ダクト構造によれば、処置対象ダクト部分を直筒構造にすることから、先述の従来構造に比べ製作コストを安価にすることができ、また、処置対象ダクト部分をクランク状に屈曲させる従来構造に比べ、処置対象ダクト部分の設置スペース面でダクトの施設も容易にすることができる。
また、処置対象ダクト部分を直筒構造にすることから、処置対象ダクト部分における通気抵抗も極めて小さくすることができ、これにより、従来構造に比べダクト内通風に要する送風動力も低減することができる。
なお、上記放射線遮蔽ダクト構造の実施において、処置対象ダクト部分を配置するダクト貫通部の位置は、室壁における天井裏部分に限られるものではなく、放射線区画(一般的には放射線室の室壁、天井スラブ、床スラブなど)におけるいずれの位置であってもよく、また、放射線発生源の設置箇所も床上に限られるものではなく、要するに、放射線発生源とダクト貫通部との位置関係においてダクト貫通部へ入射放射線の入射角にある程度大きな下限入射角が存在する場合であれば、上記放射線遮蔽ダクト構造の実施が可能である。
ちなみに、本発明において、ダクト貫通部への入射放射線の入射角とは、放射線区画におけるダクト貫通部でのダクト横断面に対する垂線に対して入射放射線が成す角度を言う。
上記放射線遮蔽ダクト構造の実施において、遮蔽対象とする放射線は、処置対象ダクト部分の周壁に設ける放射線遮蔽材により遮蔽し得るものであれば、α線、β線、γ線など、どのような放射線であってもよく、また、放射線遮蔽材も鉛を初め、遮蔽対象の放射線に応じて種々のものを使用することができる。
〕本発明の第特徴構成は放射線遮蔽ダクト構造に係り、その特徴は、
放射線区画を貫通させるダクトにおいて、そのダクトにおける放射線区画貫通部を含む処置対象ダクト部分の周壁に放射線遮蔽材を設ける放射線遮蔽ダクト構造であって、
前記処置対象ダクト部分を、その長さ方向に直線状に延びる直筒構造にするとともに、前記処置対象ダクト部分の内部風路を処置対象ダクト部分の横断面視長辺方向において複数の分割風路に分割する仕切壁を設け、
この仕切壁と前記処置対象ダクト部分の周壁とに放射線遮蔽材を設けてある点にある。
つまり、前述した放射線遮蔽ダクト構造では、処置対象ダクト部分の横断面形状が長方形であるなど偏平な形状である場合、処置対象ダクト部分の周壁における放射線遮蔽材装備範囲のダクト長さ方向における必要寸法(すなわち、下限入射角以上の入射角でダクト貫通部に入射する放射線を遮蔽するのに必要な遮蔽材装備範囲長さ、以下、必要遮蔽範囲長さと称す)は、処置対象ダクト部分の横断面視長辺方向における幅寸法によって決まり、この為、処置対象ダクト部分の横断面視長辺方向における幅寸法が大きな場合(例えば、ダクトの天井裏施設のためにダクト横断面形状における長辺寸法と短辺寸法との比を大きくする場合など)には、処置対象ダクト部分における必要遮蔽範囲長さはかなり大きくなってしまう。
これに対し、上記第特徴構成によれば、直筒構造にした処置対象ダクト部分の内部風路を仕切壁により処置対象ダクト部分の横断面視長辺方向において複数の分割風路に分割するとともに、その仕切壁にも放射線遮蔽材を設けるから、それら分割風路の夫々を個別の処置対象ダクト部分と見なし得る状態にするとともに、それら個別処置対象ダクト部分(分割風路)夫々の横断面視長辺方向における幅寸法を元の処置対象ダクト部分の横断面視長辺方向における幅寸法よりも小さくして、それら個別処置対象ダクト部分(分割風路)夫々の必要遮蔽範囲長さを、仕切壁による内部風路の分割が無い状態での元の処置対象ダクト部分についての必要遮蔽範囲長さよりも短くすることができる。
そして、実質的に、これら個別処置対象ダクト部分(分割風路)のうちで必要遮蔽範囲長さの最も大きなものの必要遮蔽範囲長さが、仕切壁により内部風路を分割した処置対象ダクト部分についての必要遮蔽範囲長さとなることから、仕切壁による内部風路の分割を行わない場合(すなわち、前述した放射線遮蔽ダクト構造の処置対象ダクト部分)に比べ、処置対象ダクト部分の必要遮蔽範囲長さを効果的に短くすることができる。
すなわち、上記第特徴構成によれば、基本的には前述した放射線遮蔽ダクト構造と同様、処置対象ダクト部分を直筒構造(内部風路も直線状)にすることから、製作コストを安価にし得るとともに、処置対象ダクト部分の設置スペース面でダクトの施設も容易にすることができ、また、処置対象ダクト部分を直筒構造にすることと、仕切壁が処置対象ダクト部分の横断面視長手方向において内部風路を分割するもの(すなわち、ダクト長さ方向に沿う姿勢のもの)であることとから、処置対象ダクト部分における通気抵抗も小さくしてダクト内通風に要する送風動力も低減することができる。
そして、これに加え、上記の如く前述した放射線遮蔽ダクト構造に比べ処置対象ダクト部分の必要遮蔽範囲長さを効果的に短くし得ることで、製作コストを一層安価にすることができる。
なお、前述した放射線遮蔽ダクト構造と同様、第特徴構成の実施において、処置対象ダクト部分を配置するダクト貫通部の位置は、室壁における天井裏部分に限られるものではなく、放射線区画(一般的には放射線室の室壁、天井スラブ、床スラブなど)におけるいずれの位置であってもよく、また、放射線発生源の設置箇所も床上に限られるものではなく、要するに、放射線発生源とダクト貫通部との位置関係においてダクト貫通部への入射放射線の入射角にある程度大きな下限入射角が存在しさえすれば、第特徴構成の実施が可能である。
前述した放射線遮蔽ダクト構造と同様、第特徴構成の実施において、遮蔽対象とする放射線は、処置対象ダクト部分の周壁及び仕切壁に設ける放射線遮蔽材により遮蔽し得るものであれば、α線、β線、γ線など、どのような放射線であってもよく、また、放射線遮蔽材も鉛に限らず、遮蔽対象の放射線に応じて種々のものを使用することができる。
特徴構成の実施において、仕切壁のダクト長さ方向における延設範囲は少なくとも処置対象ダクト部分の周壁における放射線遮蔽材装備範囲をダクト長さ方向において含む範囲にする。
特徴構成の実施において、処置対象ダクト部分の横断面視長辺方向において処置対象ダクトの内部風路を仕切壁により分割するのに、その分割数は2分割に限らず、いくらであってもよく、また、処置対象ダクト部分の横断面形状は長方形に限らず偏平な形状であればよく、楕円などであってもよい。
〕本発明の第特徴構成は、第特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記処置対象ダクト部分の横断面視長辺方向における前記分割風路夫々の幅寸法を前記処置対象ダクト部分の横断面視短辺方向における幅寸法以下にしてある点にある。
つまり、この第特徴構成によれば、上記の如く処置対象ダクト部分の横断面視長辺方向における分割風路夫々の幅寸法を処置対象ダクト部分の横断面視短辺方向における幅寸法以下にするから、それら分割風路の夫々を前述の如く個別の処置対象ダクト部分と見なすと、元の処置対象ダクト部分の横断面視短辺方向における幅寸法が、それら個別処置対象ダクト部分(分割風路)夫々の横断面視長辺方向における幅寸法となり、このことから、それら個別処置対象ダクト部分(分割風路)夫々の必要遮蔽範囲長さは元の処置対象ダクト部分の横断面視短辺方向における幅寸法により決まることになって、実質的に元の処置対象ダクト部分の必要遮蔽範囲長さも元の処置対象ダクト部分の横断面視短辺方向における幅寸法によって決まることになる。
すなわち、このように処置対象ダクト部分の必要遮蔽範囲長さが処置対象ダクト部分の横断面視短辺方向における幅寸法によって決まるようにし得ることで、処置対象ダクト部分の内部風路を処置対象ダクト部分の横断面視長辺方向でのみ分割する構成においては、処置対象ダクト部分の必要遮蔽範囲長さを最短にする(下限入射角の違いによる必要遮蔽範囲長さの違いはある)ことができ、これにより、製作コストを一層効果的に低減することができる。
なお、第特徴構成の実施においては、仕切壁の並設数を極力少なくして製作コストを安価にする上で、処置対象ダクト部分の横断面視長辺方向における分割風路夫々の幅寸法を処置対象ダクト部分の横断面視短辺方向における幅寸法以下の範囲で極力大きな寸法にする(換言すれば、分割数を極力少なくする)のが望ましい。
〕本発明の第特徴構成は、第特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記処置対象ダクト部分の周壁における放射線遮蔽材装備範囲のダクト長さ方向における寸法を前記処置対象ダクト部分の横断面視短辺方向における幅寸法と等しくしてある点にある。
つまり、放射線治療装置の設置室や放射線診断装置の設置室などごく一般的な放射線室について検討した結果、ごく一般的な放射線室については、処置対象ダクト部分を配置するダクト貫通部が室壁における天井裏部分に配設され、また、放射線発生源が床上設置されるなどのことから、ダクト貫通部に入射する放射線の下限入射角がかなり大きく、この為、処置対象ダクト部分の横断面視長辺方向における分割風路夫々の幅寸法を処置対象ダクト部分の横断面視短辺方向における幅寸法以下にする前記第特徴構成の実施において、上記の如く処置対象ダクト部分の周壁における放射線遮蔽材装備範囲のダクト長さ方向における寸法を処置対象ダクト部分の横断面視短辺方向における幅寸法と等しくしておけば、ごく一般的な放射線室についてはダクト貫通部を通じての放射線漏洩をほぼ確実に防止し得ることが判明した。
すなわち、上記第特徴構成によれば、放射線治療装置の設置室や放射線画像診断装置の設置室などごく一般的な放射線室について、ダクト貫通部を通じての放射線漏洩をほぼ確実に防止しながらも、処置対象ダクト部分の周壁における放射線遮蔽材装備範囲のダクト長さ方向における寸法を処置対象ダクト部分の横断面視短辺方向における幅寸法と等しいごく小さな寸法にすることができ、これにより、製作コストが極めて安価な放射線遮蔽ダクト構造にすることができる。
〕本発明の第特徴構成は、第又は第特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記分割風路の夫々を前記処置対象ダクト部分の横断面視短辺方向において複数の細分風路に分割する補助仕切壁を設け、この補助仕切壁と前記仕切壁と前記処置対象ダクト部分の周壁とに放射線遮蔽材を設けてある点にある。
つまり、この第特徴構成によれば、分割風路(すなわち、第特徴構成の実施により処置対象ダクト部分の横断面視長辺方向での幅寸法を処置対象ダクト部分の横断面視短辺方向における幅寸法以下にした分割風路)の夫々を、さらに処置対象ダクト部分の横断面視短辺方向において補助仕切壁により複数の細分風路に分割するとともに、その補助仕切壁にも放射線遮蔽材を設けるから、それら細分風路の夫々を個別の処置対象ダクト部分と見なし得る状態にするとともに、それら個別処置対象ダクト部分(細分風路)夫々の横断面視長辺方向における幅寸法を、第特徴構成における分割風路の横断面視長辺方向における幅寸法よりもさらに小さくすることが可能になって、それら個別処置対象ダクト部分(細分風路)夫々の必要遮蔽範囲長さを、補助仕切壁による分割風路の追加分割が無い状態での元の処置対象ダクト部分の必要遮蔽範囲長さよりもさらに短くすることが可能になる。
そして、実質的に、これら個別処置対象ダクト部分(細分風路)のうちで必要遮蔽範囲長さの最も大きなものの必要遮蔽範囲長さが、補助仕切壁により分割風路を追加分割した処置対象ダクト部分の必要遮蔽範囲長さとなることから、補助仕切壁による分割風路の追加分割を行わない場合に比べ、処置対象ダクト部分の必要遮蔽範囲長さをさらに効果的に短くすることが可能になり、これにより、製作コストを一層安価にすることができる。
〕本発明の第特徴構成は、第〜第特徴構成のいずれかの実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記処置対象ダクト部分の両端部にダクト接続部を設けて、前記処置対象ダクト部分をそれに対する接続ダクトとは別体のユニット構造にしてある点にある。
つまり、この第特徴構成によれば、処置対象ダクト部分を上記の如きユニット構造にすることから、放射線区画に貫通させるダクトの施設については、そのユニット構造の処置対象ダクト部分を予め工場で製作しておき、そして、ダクトの施設現場では、そのユニット構造の処置対象ダクト部分をダクト貫通部に設置するとともに、そのユニット構造の処置対象ダクト部分に対してダクトを接続するだけで済み、これにより、例えば、ダクトの施設現場でダクトの一部における内部風路を仕切壁により分割して第〜第4特徴構成の処置対象ダクト部分を製作するなどに比べ、放射線区画のダクト貫通部に対する放射線遮蔽処置を容易に能率良く行うことができる。
なお、第特徴構成の実施においては、ユニット構造とした処置対象ダクト部分をコンパクトにして、その設置施工性を高める上で、ユニット構造とする処置対象ダクト部分の長さ寸法(略言すれば、ユニットの長さ寸法)を必要遮蔽範囲長さと等しい寸法、ないし、必要遮蔽範囲長さよりも若干大きい寸法にしておくのが望ましい。
図1は放射線室を示し、1は放射線室2の室内床上に設置された放射線診断装置などの放射線発生源であり、この放射線室2の室壁3,天井スラブ4,床スラブ5には放射線区画6を形成する放射線遮蔽処置を施してある。
7は放射線室2の天井裏部で室壁3に貫通させた空調用ダクト、8は放射線室2の天井9に配設した吹出器具、10は空調用ダクト7から分岐して吹出器具8に接続した分岐ダクトであり、この放射線室2では、室外の空調機から空調用ダクト7を通じて送給される空調用空気Aを分岐ダクト10を通じて吹出器具8から室内に吹き出すことで室内を空調する。
空調用ダクト7を放射線区画6としての室壁3に貫通させることに対し、空調用ダクト7のうち室壁貫通部(放射線区画貫通部)を含む一部のダクト部分11は放射線遮蔽処置の対象とする処置対象ダクト部分とし、この処置対象ダクト部分11には、室壁3におけるダクト貫通部12(すなわち、室壁3に施した放射線遮蔽処置がダクト貫通のために途切れている部分)を通じて放射線発生源1での発生放射線xが室外に漏出するのを防止するための放射線遮蔽処置を施してある。(なお、図1では実施形態の説明を簡略にする為、放射線発生源1としての放射線診断装置などにおける装置中心部から放射線xが室内に放射される状態を模式的に示している。)
具体的には、同図1及び図2〜図4に示す如く、横断面形状が横長の長方形である処置対象ダクト部分11をその長さ方向に直線状に延びる直筒構造にするとともに、処置対象ダクト部分11の内部風路を処置対象ダクト部分11の横断面視長辺方向において複数の分割風路fに分割する仕切壁13を処置対象ダクト部分11の内部に設け、そして、処置対象ダクト部分11の周壁11a〜11d及び仕切壁13には、それらの全面にわたらせて鉛板などの放射線遮蔽材14を貼設してある。
また、この処置対象ダクト部分11は、仕切壁13及び放射線遮蔽材14の装備とともに両端部にダクト接続部としてのフランジ15を設けたユニット構造(換言すれば、その処置対象ダクト部分11に対する前後の接続ダクト7a,7bとは別体のユニット構造)にしてある。
処置対象ダクト部分11の横断面視長辺方向における分割風路f夫々の幅寸法d(本例では横幅寸法)は、処置対象ダクト部分11の横断面視短辺方向における幅寸法H(本例では縦幅寸法)以下の範囲内で、できるだけ大きい寸法にしてあり、また、処置対象ダクト部分11の周壁11a〜11dにおける放射線遮蔽材装備範囲のダクト長さ方向における寸法e(本例では、処置対象ダクト部分11の長さ寸法Lにほぼ等しい)は、処置対象ダクト部分11の横断面視短辺方向における幅寸法Hと等しくしてある。
つまり、この放射線室2については、放射線発生源1と室壁3におけるダクト貫通部12との位置関係により、放射線発生源1から直接にダクト貫通部2に向かう放射線x、また、放射線発生源1から室壁3、天井スラブ4、床スラブ5などで一度反射してダクト貫通部12に向かう放射線xにしても、ダクト貫通部12に入射する放射線xの入射角θに下限入射角θuが存在するとともに、その下限入射角θuがかなり大きな角度であり、このことから、上記の如き直筒構造の処置対象ダクト部分11を採用しても、ダクト貫通部12に入射する放射線x(すなわち、下限入射角θu以上の入射角θの放射線)を確実に処置対象ダクト部分11の周壁11a〜11dにおける放射線遮蔽材14又は仕切壁13における放射線遮蔽材14に衝突させて、その入射放射線xの外部漏洩を阻止することができる。
すなわち、この放射線室2について言えば、処置対象ダクト部分11の周壁11a〜11dにおける放射線遮蔽材装備範囲のダクト長さ方向における寸法e(=L)は、下限入射角θu以上の入射角θでダクト貫通部12に入射する放射線xを遮蔽するのに必要なダクト長さ方向における遮蔽材装備範囲長さeu(すなわち、必要遮蔽範囲長さ)以上の寸法になっている。
〔別実施形態〕
次に本発明の別の実施形態を列記する。
前述の実施形態では、処置対象ダクト部分11の横断面形状が偏平形状であることに対し、放射線遮蔽材14を設けた仕切壁13により処置対象ダクト部分11の内部風路を処置対象ダクト部分11の横断面視長辺方向において複数の分割風路fに分割し、これにより、処置対象ダクト部分11の必要遮蔽範囲長さeu(処置対象ダクト部分11の周壁11a〜11dにおける放射線遮蔽材装備範囲のダクト長さ方向における必要寸法)を短くする例を示したが、処置対象ダクト部分11の横断面形状が正方形や円形である場合、ないしは、ダクト貫通部12へ入射する放射線xの下限入射角θuが相当に大きい場合など、図6に示す如く、仕切壁13による内部風路の分割を省略した構造、すなわち、処置対象ダクト部分11をその長さ方向に直線状に延びる直筒構造にし、そして、放射線区画6におけるダクト貫通部12への放射線xの入射角θについて放射線発生源1とダクト貫通部12との位置関係により下限入射角θuが存在することに対し、その下限入射角θu以上の入射角θでダクト貫通部12に入射する放射線xを仕切壁13の不存下で遮蔽する範囲にわたらせて(望ましくは、その範囲に限って)処置対象ダクト部分11の周壁11a〜11dに放射線遮蔽材14を設ける構造を採用してもよい。
また逆に、ダクト貫通部12へ入射する放射線xの下限入射角θuが比較的小さい場合など、放射線遮蔽材14を設けた仕切壁13により処置対象ダクト部分11の内部風路を処置対象ダクト部分11の横断面視長辺方向において複数の分割風路fに分割するとともに、その分割において、処置対象ダクト部分11の横断面視長辺方向における分割風路f夫々の幅寸法dを処置対象ダクト部分11の横断面視短辺方向における幅寸法H以下にすることに加え、図5に示す如く、それら分割風路fの夫々を処置対象ダクト部分11の横断面視短辺方向において複数の細分風路に分割する補助仕切壁16を設け、この補助仕切壁16と仕切壁13と処置対象ダクト部分11の周壁11a〜11dとに放射線遮蔽材14を設ける構造にし、これにより、処置対象ダクト部分11の必要遮蔽範囲長さeuを極力短くするようにしてもよい。
処置対象ダクト部分11の周壁11a〜11dに放射線遮蔽材14を設けるには、周壁11a〜11dの内面や外面に放射線遮蔽材14を貼設する形態、周壁11a〜11dに放射線遮蔽材14を埋め込む形態、周壁11a〜11bそのものを放射線遮蔽材14で形成する形態、あるいは、放射線区画壁3におけるダクト貫通孔の内面と処置対象ダクト部分11の外面との間に放射線遮蔽材14を充填する形態など、種々の形態を採ることができる。
また、仕切壁13や補助仕切壁16に放射線遮蔽材14を設けるにも、仕切壁13や補助仕切壁16の壁面に放射線遮蔽材14を貼設する形態、仕切壁13や補助仕切壁16に放射線遮蔽材14を埋め込む形態、あるいは、仕切壁13や補助仕切壁16そのものを放射線遮蔽材14で形成する形態など、種々の形態を採ることができる。
放射線発生源1は放射線診断装置や放射線治療装置に限られるものではなく、ダクト貫通が必要な放射線区画内に設置されるものであれば、どのようなものであってもよい。
本発明による放射線遮蔽ダクト構造は、種々の目的で設けられる放射線区画において、その放射線区画を貫通させる種々の用途のダクトに適用できる。
放射線室を示す側面図 処置対象ダクト部分の正面図 処置対象ダクト部分の側面図 処置対象ダクト部分の斜視図 別実施形態を示す処置対象ダクト部分の斜視図 他の別実施形態を示す処置対象ダクト部分の斜視図 従来の遮蔽構造を示す斜視図 従来の他の遮蔽構造を示す側面視断面図
6 放射線区画
7 ダクト
11 処置対象ダクト部分
11a〜11d 周壁
14 放射線遮蔽材
12 ダクト貫通部
x 放射線
θ 入射角
1 放射線発生源
θu 下限入射角
f 分割風路
13 仕切壁
16 補助仕切壁
15 ダクト接続部

Claims (5)

  1. 放射線区画を貫通させるダクトにおいて、そのダクトにおける放射線区画貫通部を含む処置対象ダクト部分の周壁に放射線遮蔽材を設ける放射線遮蔽ダクト構造であって、
    前記処置対象ダクト部分を、その長さ方向に直線状に延びる直筒構造にするとともに、前記処置対象ダクト部分の内部風路を処置対象ダクト部分の横断面視長辺方向において複数の分割風路に分割する仕切壁を設け、
    この仕切壁と前記処置対象ダクト部分の周壁とに放射線遮蔽材を設けてある放射線遮蔽ダクト構造。
  2. 前記処置対象ダクト部分の横断面視長辺方向における前記分割風路夫々の幅寸法を前記処置対象ダクト部分の横断面視短辺方向における幅寸法以下にしてある請求項1記載の放射線遮蔽ダクト構造。
  3. 前記処置対象ダクト部分の周壁における放射線遮蔽材装備範囲のダクト長さ方向における寸法を前記処置対象ダクト部分の横断面視短辺方向における幅寸法と等しくしてある請求項2記載の放射線遮蔽ダクト構造。
  4. 前記分割風路の夫々を前記処置対象ダクト部分の横断面視短辺方向において複数の細分風路に分割する補助仕切壁を設け、この補助仕切壁と前記仕切壁と前記処置対象ダクト部分の周壁とに放射線遮蔽材を設けてある請求項2又は3記載の放射線遮蔽ダクト構造。
  5. 前記処置対象ダクト部分の両端部にダクト接続部を設けて、前記処置対象ダクト部分をそれに対する接続ダクトとは別体のユニット構造にしてある請求項1〜4のいずれか1項に記載の放射線遮蔽ダクト構造。
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