JP4392991B2 - 免疫不全症の処置のための組成物、およびその調製と使用のための方法 - Google Patents
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Description
(発明の分野)
本発明は、新規の医療組成物、特に免疫調節組成物すなわち免疫不全症の処置に使用する組成物に関する。本発明はまた、この組成物を調製する方法およびその物を医療適用する方法を開示する。
【0002】
(先行技術の説明)
α−フェトプロテイン(AFP)は、哺乳動物の胎児血液からのタンパク質であって、1958年に最初に発見されて以来、一定の科学的興味が持たれてきた。このタンパク質の生物的性質について多数の研究がなされている。しかし、このタンパク質の生体における役割に関し最終的な答えは出ていない。知られているように、アラキドン酸やドコサヘキサエノ酸およびこれらの代謝物などの不飽和脂肪酸は、天然のAFPリガンドとしての特性があり、血管を循環する所定のタンパク質との複合体として検出し得る。しかし、AFPは不飽和脂肪酸の輸送タンパク質だけではない。AFPがビリルビン、レチノイドおよび銅と複合体をつくることも知られている。低分子量物質の輸送に加えて、AFPは免疫応答の調節に関与する。AFPの免疫調節特性についての研究の大部分によると、このタンパク質は免疫抑制性がある。
【0003】
次のことも指摘しなければならない。純粋なタンパク質でのAFPのの免疫抑制性についてのデータがないのに、インビトロ実験でAFPに富む血清または羊膜液が利用されていた。AFPの免疫調節性は、元の調製および精製法に依存的であることが報告されている。例えば、胎児肝から得たAFPは、原発性肝癌患者の血液から得たAFPに比べると、マイトジェン誘発リンパ球の形質転換の強力な抑制を特徴とする。
【0004】
同時に、AFPが損傷後の組織再生を促進することも報告されている。AFPには、動物における人工的につくられた炎症過程を減少せしめる傾向がある。おそらく、免疫適格性細胞の受容体を遮断することによる。一連の実験についての最近の報告によると、生長および分化の細胞がAFPを活性的に吸収する。この過程の調節は、発現されたAFP受容体の量でなされる。細胞AFP濃度は、増殖Tリンパ球および悪性細胞の表面におけるAFP受容体量の増加と同時に増加する。これらのデータによると、このタンパク質はシャトル輸送体として機能し、リガンドを細胞に運び、ついで細胞間液中に戻し、周期を繰り返す(Esteban C., et al., Int. J. Cancer, v. 49, p.425-430, 1991)。
【0005】
細胞の内部に輸送される最も重要なリガンドは不飽和脂肪酸、例えば、アラキドン酸やドコサヘキサエノ酸およびこれらの代謝物である。AFPの存在がこれらの酸の活性Tリンパ球細胞質への流れを顕著に増加することが実験で証明されている(Torres J. M., et al., J. Cell. Physiol. v. 150, p.456-462, 1992)。
【0006】
不飽和脂肪酸の濃度の増加が非常に重要なのは、これらの酸が細胞膜に必要な構造上の成分であるだけでなく、細胞にとってのエネルギーの追加源として働くからである。これらの酸の代謝物、特にアラキドン酸の代謝物は、第2次メッセンジャーとして作用し、細胞の生長および分化の調節に参画する(Bevan S., et al., Nature (London), v. 328, p.20, 1987)。
【0007】
アナンダミド(アラキドニル−2−エタノルアミド)は最近発見された脂肪酸代謝物の一つである。その特徴は脳に対する高い生理的作用である。アナンダミドはブタの脳から最初に単離された新しい脂質・神経伝達物である。これはカンナビノイドCB1およびCB2の受容体に対する機能的アゴニストであることがわかっている。これが存在すると、デルタ9−テトラヒドロカンナビノール(デルタ9−THC)が起こす多くの薬理作用をもたらす。アナンダミドはデルタ9−THCと、カンナビノイド受容体との特異的相互作用において、およびアデニレート・シクラーゼの阻害において、平行関係にある。数十年間、構造的にデルタ9−THCに類似しているカンナビノイド化合物の作用は知られていなかった。非常な研究の進展があり、カンナビノイド受容体の中枢的および末梢的な特徴および細胞レベルでの第2メッセンジャー系の役割がわかってきた。カンナビノイド誘導の薬物が何世紀にもわたって医療で使用されてきた。しかし今日市販されているこの種の薬物は特徴がなく、多くの副作用を生じる(Chakrabarti A. et al., Brain. Res. Bull., v.45, p.67-74, 1998)。
【0008】
アナンダミドの形成は、脳において次の2つの別個の合成経路で酵素的になされる。遊離のアラキドン酸とエタノールアミンの酵素的縮合と;ホスファチジルエタノールアミンおよびホスファチジルコリンの1位でエステル化されたアラキドン酸に由来するN−アラキドノイルホスファチジルエタノールアミンの形成、および続くホスフォジエステラーゼの作用によるN−アラキドノイルホスファチジルエタノールアミンからのアナンダミドの放出である(Suguira T., et al., Eur. J. Biochem., v.240, p.53-62, 1996)。
【0009】
N−アシルトランスフェラーゼがアラキドノイル残基のホスファチジルエタノールアミンNH2基への輸送を触媒する。この酵素はCa2+依存性であり、脳および精巣に主に存在する。アナンダミド形成の経路は下記のとおりである。
【化1】
R-アラキドノイル
R1およびR2−アルキル
【0010】
N−アラキドノイルホスファチジルエタノールアミンは、ホスホリパーゼCの基質でもあり得る(Brockerhoff H., Jensen R. G., Lipolytic enzymes, Academic press, New York-San Francisco-London, 1974)。この場合、酵素作用によりN−アラキドノイルアミノエチルホスフェート(N−AAP)が形成する。
【化2】
【0011】
脳でのN−AAPの存在について文献上のデータがないことから推測すると、このホスフェートは不安定であって、脳標本でのプロセシングにおいて内因性ホスファターゼによりアナンダミドにすぐに変形されるのであろう。N−AAPの生物活性を研究するためには、AFPのN−AAPとの可逆性複合体を考慮しなければならない。この場合、N−AAPが血管および他の生物的液における酵素の影響からタンパク質分子により保護されることがある。
【0012】
輸送タンパク質とその天然リガンド−薬剤の共役体との可逆性複合体を用いて、特に癌治療において、薬剤の医薬作用を強化し副作用を軽減しようとの考えは、1958年に最初に報告された(Mathe G. et al., C. R. Seances Acad. Sci. V.5 p.33-40, 1969)。AFPとダウノマイシン・アラキドン酸/ドコソヘキサエノ酸共役体との可逆性複合体は、遊離のダウノマイシンよりも多くAFPをつくり、肝癌AH−66細胞に対する細胞静止剤として一層効果的なようであった(Deutsch H. F. et al., Cancer Res. v.43, p.2668-2662, 1983)。2−デオキシ−5−フルオロウリジン・オレイン酸/ドコソヘキサエノ酸共役体とAFPが、遊離の2−デオキシ−5−フルオロウリジンよりも癌細胞系H1−29に対して非常に大きい細胞毒性を有していた(Halmos T. et al., Biochem. Pharmacol v.44., p.149-156, 1992)。
【0013】
AFPとみられる因子の役割についてのいくつかの直接的免疫応答が報告されている(Abramsky O., et al., Isr. Med., vol.15, p.943, 1979; Brenner T., et al., Immunol Lett., vol.3, p.163, 1981)。これらの報告によると、胎AFP様の物がウサギの重症筋無力症の進展を予防し、この推定AFPによるウサギの治療では臨床症状が消失した。モルモットに発生せしめた実験的アレルギー性脳脊髄膜炎がAFPの投与で治療され、さらに部分的に予防されたことが報告されている(Abramsky O., et al., J. Neuroimmunol., vol.2, p.1, 1982)。
【0014】
このように、AFPは、その起源および周りの状態に依存して異なるメカニズムにより異なる機能を発揮する。第1に、その種々のリガンド(例えば、脂肪酸、エストロジェン、フィトステロイド)の非結合型の濃度に対する調節作用がある。脂肪酸、特にポリ不飽和脂肪酸が、膜誘発信号の伝達に関与する種々のステロイドや多数の酵素の作用の多くの工程を正にも負にも調整することが分かっている。第2に、AFPの異なる配座(ホロ型)が、これはその結合するリガンドの性質および濃度に依存するものであるが、このタンパク質の特異的受容体との結合に影響を与えることがあり、その生物活性(インターカレイション、膜信号伝達経路に対する作用)に影響を及ぼす。第3に、上記のメカニズムに加えて、このタンパク質は生長因子などの他の信号に関連する作用を発揮し得る。
【0015】
明かに、AFPのメカニズムについて画一的な統一された理解は存在しない。現在使用されている免疫調節物質、特に免疫促進物質に欠点がないわけでない。インターフェロン製剤は約90%の患者でインフルエンザ様症状をもたらし、また他の副作用もある。典型的には、副作用のいくつかを挙げると、筋肉や骨格筋の痛みおよび頭痛などの症状から、さらに重篤な症状として白血球減少症、貧血、血小板減少症、脾肥大、肝肥大などがある。
【0016】
本発明の目的は、改善された性質を有する新しい免疫調節医薬組成物を可能にすることである。この性質の改善は、適用の効率や範囲など医療上の性質だけでなく、製造、保存、混合、投与などの薬理学的および技術的性質についてである。
【0017】
(発明の要旨)
本発明は、医療上有用な複合体、特に添付の請求項の免疫調節複合体に関する。本発明を下記の説明および実施例で詳細に述べる。
【0018】
(発明の詳細な説明)
本発明は、α−フェトプロテインとN−アラキドノイルアミノエチルホスフェートとの平衡性可逆複合体を提供する。特に、アラキドン酸の代謝物であるN−アラキドノイルアミノエチルホスフェート(N−AAP)と高純度のα−フェトプロテイン(AFP)との平衡した非共有結合性複合体を提供する。このAFPは、例えば、99%以上の純度でもってから得られる。複合体の非タンパク質部分の化学構造を下記する。
【化3】
【0019】
本発明の複合体は、その構成成分を非常に広範な分子比率で含有し得る。例えば、N−AAPがAFPに対して等モルから非常な過剰にある。すなわち、複合体は1モルのAFPに対し1から300モルのN−AAPを含有する。本発明の複合体を得るには、N−AAPのエタノール溶液をAFPの希釈水溶液に加え、超濾過する。この濾過によって、溶液を濃縮し、AFPに未結合のN−AAPを除去する。溶液中のAFP濃度は0.1から2mg/mlであり、N−AAPの濃度は0.005から30mg/mlである。
【0020】
本発明の複合体において、タンパク質が、1つまたは数個のリガンドと可逆的に連結しないで、驚くべきことに300分子までのN−AAPを含有するミセルと連結する。アラキドン酸やドコソヘキサエノ酸のような天然AFPリガンドがあまり水に溶けないことは知られている。これらの物質の濃縮エタノール溶液を特別の条件で水に注ぐと、コロイド溶液を得る。得たコロイド溶液(ミセル)は、50から約300以上の分子の脂質を含有する。不飽和脂肪酸−AFPリガンドをAFP水溶液に加えると、タンパク質−脂質複合体が形成する。この複合体の性質はあまり研究されていないが、この形成がタンパク質分子の疎水性断片によるのみでなく、AFPの活性中心の関与にもよると推定し得る。他の脂肪酸とのAFP複合体(このタンパク質に対するリガンドでなく、すなわち他の脂肪酸との複合体)をつくろうとの試みは成功していない。ゲル濾過で判定されるタンパク質の分子量の変化は、AFP天然リガンド・ミセルとのAFP複合体が存在する証拠である。
【0021】
1つの態様において、AFP天然リガンドまたはその誘導体(例えば、N−AAP)との複合体に取り込まれたAFPの分子量は、約2倍に増加する。一方、パルミトイル酸ミセルを有するAFPをゲル濾過すると、遊離のAFPに比して溶出量が変わらない。ミセルは約200−300分子の脂質を含有する。AFPの天然リガンド・ミセルとの複合体は、可逆的タンパク質−脂質複合体の特性を有するが、同時にタンパク性リポソームの性質を有する(Degrip W.J. Biochem J. Mar.1. 330, p.667-674, 1998)。
【0022】
別の態様において、AFPの天然リガンドまたはその誘導体(例えば、N−AAP)との複合体に取り込まれたAFPの分子量は、約2−3倍に増加する。ミセルは100−300分子の脂質を含有する。AFPの天然リガンドのミセルまたは代謝物との複合体は、可逆的タンパク質−脂質複合体の特性を有するが、同時にタンパク性リポソームの性質を有する。
【0023】
AFPが小さい小胞およびエンドソームを介して細胞に入り、ゴルジ中心球領域に位置する多重小胞体および管状小胞要素に移動し、最後に媒質中に再還流することは報告されている(Geuskens M., et al. Microsc. Res. Tech. v. 28, p. 297-307, 1994)。
【0024】
文献上のデータおよび本発明者の実験結果からの示唆によると、AFPのN−AAPとの可逆複合体はリンパ球中にAFP受容体仲介エンドサイトーシスでもって侵入する。一方で、リンパ球中のAFP/N−AAP複合体は、細胞膜の構造成分としてリン脂質の合成を明かに調節するようである。他方、N−AAPは、リン脂質構造にさらに組込まれるアラキドン酸の供給源である。
【0025】
体性免疫応答に対するAFP/N−AAP複合体の影響を、その元の成分の影響と同様に、脾臓中の抗体形成細胞(AFC)を計量して評価した。N−AAP自体が免疫原性活性を示さないことを実験的に証明した。AFC細胞の比較量は、ヒツジ赤血球で免疫した動物にN−AAPを注射した5日後で、対照に比して有意に変化しなかった。本発明のAFP/N−AAP複合体(AFP/N−AAPの比は1:200)の同量を投与すると、AFC細胞の比較量および全AFC量が、ヒツジ赤血球のみで免疫した動物での細胞量に比較して、注射5日後で、それぞれ87%および162%増加した。
【0026】
AFP/N−AAP比が1:100または1:300の本発明の複合体を投与すると、複合体の免疫促進活性がわずかに減少した。1:100複合体の注射5日後で、見かけのAFC量が30%、全量が79%増加していた。1:300複合体では、見かけのAFC量が48.3%、全量が103.3%の増加であった。この結果は、AFP/N−AAP比1:200に対応する改善作用とともに、1:100から1:300の範囲での複合体の有意な作用を示す。しかし、AFP/N−AAP比は、広い範囲、例えば1:1‐1:10000で変り得る。
【0027】
AFPのみは、対応量の投与で、マウスにおいてヒツジ赤血球の免疫原特性
を減少し、有意に作用しない。
【0028】
ヒト臍帯血からのAFPの単離を、Sepharose(商標)上で固定したAFPに対するモノクローナル抗体について免疫親和性クロマトグラフィ−、正常ヒト血のタンパク質に対するポリクローナル抗体について免疫親和性クロマトグラフィ−、およびSephacryl S-200(商標)でのゲル濾過で行った。このようにして得たAFP調製物は、99%以上の純度であり、低分子量不純物を含有せず、その生物活性を完全に保持していた。
【0029】
AFPの他の供給源は、他の哺乳動物、例えば遺伝子的に修飾された哺乳動物、または細胞培養物に由来する精製および/または修飾のAFPであり得る。好ましくは、ヒトAFPを発現する遺伝子的に修飾された細胞の細胞培養物を用いて、AFPを生物工学的に製造する。ヒトAFPをコードするヌクレオチド配列についての知識でもって、この配列の宿主への挿入を、必要なプロモーターおよび他の情報配列、例えばAFPの細胞外発現に影響する配列とともに行う。AFPを細胞培養物から収集し、クロマトグラフィ−で精製し、ゲル濾過でさらに精製し得る。いかなる場合でも、精製方法は、最終産物にパイロジェンおよび可能性のあるウイルスまたは細菌の汚染物がないことを保証する工程を含まねばならない。適当な製造方法は、例えば、インターフェロン製造の分野で知られている。
【0030】
本発明の態様にしたがって、AFP/N−AAP複合体を、それ自体医療活性化物質として用いたり、他の活性物質含有の医療薬剤の製造のために使用できる。本発明の複合体は、例えば、免疫不全の処置のための免疫促進物質として、特に適している。複合体は免疫促進剤の製造にも使用し得る。
【0031】
好ましい態様にしたがって、本発明の複合体を、癌治療に関連の免疫障害の処置に使用できる。本発明の複合体はまた、癌の処置のための医薬製剤の製造に使用できる。癌処置の結果として起きる該障害すなわち免疫不全の例に、好中球減少症がある。
【0032】
本発明の複合体は、感染しやすい者に対する予防剤として、または、かかる者の処置のための医薬組成物の製造に使用できる。
【0033】
従って、本発明はまた、免疫不全症の処置のための方法に関する。この方法では、本発明の平衡可逆複合体を哺乳動物に投与する。好ましくは、該複合体を静注する。
【0034】
医療形態の調製:活性組成物を静脈投与し得る。あるいは、貯蔵および取扱いを簡単にするために、無菌の注射用溶液または分散液の用時調製のための無菌粉末として組成物をつくることができる。いずれの場合も、この形態は無菌であるべきであり、シリンジなどの器具で容易に取扱われるような液体でなければならない。さらに、調製物は、製造および貯蔵の条件で安定であり、また細菌やカビなどの微生物の汚染作用から保護されなければならない。
【0035】
無菌注射用溶液の調製は、AFPおよびN−AAPを必要量の水に入れ、溶液の超濾過(濃縮)を濾過滅菌で行う。無菌注射用溶液の調製のための無菌粉末の場合、好ましい調製法は、真空乾燥または適当な凍結乾燥であって、前もって無菌濾過した溶液から活性成分の粉末をつくる。
【0036】
複合体を患者に直接的に与えるために、無菌製剤をまず生理食塩水(100−500ml)またはタンパク質(アルブミン)溶液に注入し、次いで患者の静脈に投与する。凍結乾燥製剤を使用するときは、予め無菌溶液(蒸留水、生理食塩水、アルブミン溶液)2−10mlに溶かす。溶液を使用の場合と同じく、得た無菌溶液を静脈注入のための生理溶液またはタンパク溶液100−500mlに加える。
【0037】
治療上有効量の範囲は、N−AAPが2mg/kg−7mg/kg、AFPが0.2mg/kg−0.7mg/kgである。
【0038】
実施例
実施例1.ヒトAFPの単離
11人のヒト臍帯血を1時間継続的に攪拌しながら、AFPに対する固定モノクローナル抗体を有するSepharose(商標)25mlとともにインキュベートした。インキュベーションの終了後にゲルを0.1M炭酸水素塩緩衝液pH8.3で洗い、AFPを0.05Mグリシン塩酸緩衝液pH2.5で溶出した。溶出物をバラスト・タンパク質につきクロマトグラフィ−で精製した。カラムは正常ヒト血タンパク質に対する固定ポリクローナル抗体を有するSepharose(商標)25mlを含有していた(パックのゲルにつき1mg/ml)。AFP含有の溶出物を濃縮し、Sephacryl(商標)S-200(カラム1.5x120cm)に適用した。溶出のAFPを凍結乾燥した。得たAFP剤は、99%以上の純度であり、低分子量の不純物を含まず、生物活性を完全に保持していた。
【0039】
AFP単離のための免疫親和性マトリックスを、マウス腹水から単離した抗AFPモノクローナル抗体(AFP−Ab)をBrCN-Sepharose(商標)に固定してつくった。AFP−Ab30mgの炭酸水素塩緩衝液10mlを濃縮BrCN-Sepharose(商標)25mlに加え、1時間室温でインキュベートした。得たAFP−Ab−Sepharoseを炭酸水素塩緩衝液0.5lで洗った。親和性マトリックスは、濃縮ゲル1mlにつきAFP−Ab1mgを含有していた。
【0040】
血清タンパク質のAFP精製のための免疫親和性マトリックスを、正常ヒト血清タンパク質に対するポリクローナル抗体をBrCN-Sepharose(商標)に固定してつくった。抗体30mgの炭酸水素塩緩衝液10mlを濃縮BrCN-Sepharose(商標)25mlに加え、1時間室温でインキュベートした。得た免疫吸着物を炭酸水素塩緩衝液0.5lで洗った。最終の親和性マトリックスは、濃縮ゲル1mlにつき固定抗体約1mgを含有していた。
【0041】
実施例2: N−AAPの合成
アラキドン酸(Sigma chemical Co.)305mg(1mモル)をトリエチルアミン0.14ml含有のアセトニトリル溶液3mlに溶解した。混合物を−15℃に冷却し、続いてブチルホルミエート130mlを加え、所定の温度でインキュベートした。30分後に、沈殿したトリエチルアミン塩酸塩を分離した。次いで、得た混合無水物溶液をエタノール−アミン0.12ml含有のメタノール溶液1 mlに加えた。混合物を15分間0℃で攪拌し、室温にした。2時間後に、混合物を1N HClの10mlで希釈し、エーテル(2 × 20ml)により抽出した。抽出エーテルを水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。次いで、溶液を蒸留乾固し、それをアセトン溶液5mlに溶解して、2cm厚の酸化アルミニウムカラム(10g、塩基性、11グレード acc.、Brockman)に掛けた。このカラムを30mlのアセトンで洗った。溶出液を蒸発して、さらに真空圧下で乾燥した。かくして得たN−アラキドノイルエタノールアミンは、シリカゲルTCLデータ(ベンゼン−ジオキサン−酢酸、25:5:1)から判定すると、純粋であった。
【0042】
次に、ピリジニウム・2−シアノエチルホスフェート400mgを含有するピリジン5mlを加え、続いてジシクロヘキシルカルボジイミド620mgを加えた。フラスコにアルゴンを満たし、混合物を室温で20時間保持した。その後に、水1mlを加えてさらに30分間攪拌した。沈殿したN,N−ジシクロヘキシル尿素を濾過して分離し、水とピリジンを蒸発した。反応産物アラキドノイルアミノエチル,2−シアノエチルホスフェートをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに掛けて、そのカラムをクロロホルム−メタノール混合液で、メタノールの含有量を増やしつつ洗って浄化した。フラクションをTLC(クロロホルム−メタノール−水、65:25:4、Rf=0.63)に掛けて、リン脂質検出試薬でプレートにスプレイして陽性着色したフラクションを合わせて、乾燥し、テトラヒドロフラン溶液1.5mlに溶解した。得た溶液に、あらかじめ0℃に冷やした1N NaOH溶液5mlを滴下して加えた。20分後に攪拌しながらpHを2〜3に調節し、続いて混合物をクロロホルム−メタノール 2:1(v/v)の溶液で抽出した。抽出物をメタノール−水 10:9溶液で洗い、蒸発し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに掛けて、カラムをクロロホルム−メタノール混合溶液でメタノール含有量を増やしつつ洗った。そのフラクションをTLC(クロロホルム−メタノール−水 65:25:4、v/v/v、Rf=0.3)に掛けて、リン脂質検出試薬でプレートにスプレイして陽性着色したフラクションを合わせて、乾燥した。アラキドノイルアミノエチルホスフェート(N−AAP)の最終収量は150mg(35%)であった。
【0043】
計算値:P 7.26。測定値:P 7.14。 IR-spectrum(film: v,cm-1)1070,1220,1555,1650. H-NMR(d, CDCl3) 0.88(3H, t, CH3), 1.30(8H, s, CH2), 2.00-2.40(6H, m, 2 groups CH2CH=CH and CH2CO), 2.70-2.90(6H, wid. s, 3CH=CHCH2CH=CH), 3.48(2H, t, NCH2), 5.24-5.44(8H, m, CH=CH).
【0044】
実施例3: AFPとN−AAPとの結合
ヒトAFPに対するN−AAPの親和性を測定するために、タンパク質の結合部位からの[5,6,8,9,11,12,14,15,-3H]アラキドンの競合置換を使用した。 AFP0.05nMの0.1M炭酸水素塩緩衝液1mlおよび[3H]アラキドン酸0.7nM含有のチューブに、アラキドン酸またはN−AAP(5〜5000nM)を増量しつつ加えた。各チューブを2時間室温でインキュベートした。[3H]アラキドン酸のタンパク質結合フラクションと遊離フラクションとを分離するために、0.5%活性炭素懸濁液0.5mlを各チューブに加え、30分間4℃でインキュベートした。3000gで遠心分離して炭素を沈殿させ、アリコートを発光混合物10mlに加え、バイアルをベータカウンターで計測した。
【0045】
アラキドン酸およびN−AAPの結合パラメーター、およびタンパク質分子当りの結合部位の数をScatchard(Scatchard O., Ann. N.Y. Acad. Sci. 51., p660-664, 1949)にしたがって計算した。
【0046】
3つの独立した測定によると、Kaはアラキドン酸とのN−AFPについて6 107 M-1 およびn>1.2であった。N−AAPについて、アラキドン酸のAFPとの阻害結合定数(Ki)は3 106 M-1であった。
【0047】
実施例4: ヒトAFPとのN−AAP複合体の調製
AFP(0.75mモル)50mgを生理溶液150mlに溶解した。N−AAP(〜75mモル)35mgのエタノール溶液5mlを、得た溶液に加えた。混合物を30分間室温(20〜25℃)でインキュベートした。得たN−AAPのAFPとの複合体を、20.000 Da膜除外の高分子量化合物のSartocon(商標) Micro “Sartorius”を使用して、10mlに濃縮した。最終溶液を、シリンジ・チップMinisart(商標)SRP Syringe Filter、"Sartorius"、小孔サイズ0.22μの膜で無菌化した。無菌濃縮調製物をそれぞれ1mlの10個の小瓶に分配した。小瓶にアルゴン気流を吹き込んで、それを密閉して4〜8℃で保存した。
【0048】
実施例5: 体性免疫応答に対するAFPの影響
CBA系の雄マウス10匹(体重18〜22g)に、AFPを、1匹当り0.009mgの量で静脈投与した。同時に、対照動物と試験動物の両方に5%ヒツジ赤血球懸濁液を腹膜注射した(一匹当り0.2ml)。対照動物には、また、等量の等張食塩溶液を静脈注射した。
【0049】
体性免疫応答に対するAFPの影響はCunningham(Cunningham A., J., Nature, v.207, p.1106-1107, 1965)にしたがって、脾臓内のAFCを定量(106 脾臓細胞および脾臓当り)して解析した。
【0050】
AFPの投与によって、ヒツジ赤血球懸濁液注射後第5日目におけるAFCの比較量が、対照群の量と比較して30%低い結果を示した(対照動物:366.2±40.8、試験動物:255.5±13、106 細胞につき、 P<0.05)。しかしながら、AFCの全量は顕著には変化しなかった(対照群の各脾臓:27.2±5.7 ・103、試験動物:23.6±1.5 ・103、P>0.05)。
【0051】
実施例6: 体性免疫応答に対するN−AAPの影響
CBA系の雄マウス10匹(体重18〜22g)に、N−AAPを、1匹当り0.09mgの量で静脈投与した。同時に、5%ヒツジ赤血球懸濁液を腹膜注射した(一匹当り0.2ml)。対照動物には、等張食塩溶液0.15mlを静脈注射した。体性免疫応答に対するN−AAPの影響はCunninghamにしたがって、脾臓内のAFCを定量(106 脾臓細胞および脾臓当り)して解析した。
【0052】
注射後第5日目におけるAFCの比較量が、対照動物で366.2±40.8、試験動物で342.2±28.5、P>0.05であった。AFCの全量は、対照群で27.2±5.7x103、試験動物で36.0±8.7x103、P>0.05であった。得たデータによると、N−AAP自体は本質的に免疫原性活性を有しない。
【0053】
実施例7: 体性免疫応答に対するAFP/N−AAP複合体(1:200)の影響
CBA系の雄マウス10匹(体重18〜22g)に、AFP/N−AAP複合体0.15mlを、1匹につきAFP0.009mgおよびN−AAP0.09mgの量で静脈投与した。同時に、5%ヒツジ赤血球懸濁液を腹膜注射した(一匹当り0.2ml)。対照動物には、等量の等張食塩溶液を静脈注射した。体性免疫応答に対するAFP/N−AAP複合体の影響はCunninghamにしたがって、脾臓内のAFCを定量(106 脾臓細胞および脾臓当り)して解析した。
【0054】
注射後第5日目におけるAFCの比較量が、対照動物で366.2±40.8、試験動物で686.7±89.5、P<0.05であった。AFCの全量は、対照群で27.2±5.3x103、試験動物で71.0±18.7x103、P<0.05であった。
【0055】
かくして、ヒツジ赤血球のみで免疫した動物の細胞の量に比して、注射後第5日目におけるAFCの比較量が87%増加し、AFC全量が162%増加した。得たデータによると、ヒツジ赤血球注射と共にAFP(一匹当り0.009mg、実施例5参照)の投与も受けた動物においては、AFC比較量が169%増加し、AFC全量が203%増加した。
【0056】
実施例8:体性免疫応答に対するAFP/N−AAP複合体(1:100)の影響
CBA系の雄マウス10匹(体重18〜22g)に、AFP/N−AAP複合体0.15mlを、1匹当りAFP0.009mgおよびN−AAP0.045mgの量で静脈投与した。同時に、5%ヒツジ赤血球懸濁液を腹膜注射した(一匹当り0.2ml)。対照動物には、等量の等張食塩溶液を静脈注射した。体性免疫応答に対するAFP/N−AAP複合体の影響はCunninghamにしたがって、脾臓内のAFCを定量(106 脾臓細胞および脾臓当り)して解析した。
【0057】
注射後第5日目におけるAFCの比較量が、対照動物で366.2±40.8、試験動物で476.2±28.1、P<0.05であった。AFCの全量は、対照群で27.2±5.7 ・103、試験動物で48.0±6.2 ・103、P<0.05であった。
【0058】
かくして、ヒツジ赤血球のみで免疫した動物の細胞の量に比して、注射後第5日目におけるAFCの見掛けの量が30%増加し、AFC全量が79%増加した。得たデータによると、ヒツジ赤血球注射と共にAFP(一匹当り0.009mg、実施例5参照)の投与も受けた動物におけるAFCの見掛けの量が86.6%増加し、AFC全量が103.4%増加した。
【0059】
実施例9: 体性免疫応答に対するAFP/N−AAP複合体(1:300)の影響
CBA系の雄マウス10匹(体重18〜22g)に、AFP/N−AAP複合体0.15mlを、1匹当りAFP0.009mgおよびN−AAP0.135mgの量で静脈投与した。同時に、5%ヒツジ赤血球懸濁液を腹膜注射した(一匹当り0.2ml)。対照動物には、等量の等張食塩溶液を静脈注射した。体性免疫応答に対するAFP/N−AAP複合体の影響はCunninghamにしたがって、脾臓内のAFCを定量(106 脾臓細胞および脾臓当り)して解析した。
【0060】
注射後第5日目におけるAFCの比較量が、対照動物で366.2±40.8、試験動物で543.2±50.2、P<0.05であった。AFCの全量は、対照群で27.2±5.7・ 103、試験動物で55.3±5.3×103、P<0.05であった。
【0061】
かくして、ヒツジ赤血球のみで免疫した動物の細胞の量に比して、注射後第5日目におけるAFCの比較量が48.3%増加し、AFC全量が103%増加した。得たデータによると、ヒツジ赤血球注射と共にAFP(一匹当り0.009mg、実施例5参照)の投与も受けた動物におけるAFCの比較量が112.8%増加し、AFC全量が134.3%増加した。
【0062】
優先年の期間に追加した試験部分
複合体におけるAFPとN−AAPとのモル比率を測定するために、[3H]−N−AAPの存在下で限外濾過あるいは(および)ゲル−クロマトグラフィーを実行した。いろいろな成分濃度でのN−AAPとのAFP複合体についてゲル排除クロマトグラフィーを実施した。すなわち、N−AAPの800、1600、2400モルにつきAFP1モルとして、AFPの最大結合力の評価を行なった。得たデータによると、複合体における比率AFP/N−AAPが1/100および1/300の間である。さらに、それらの複合体におけるモル比率AFP/N−AAPが溶液の初期成分濃度に依存する。かくして、N−AAP800モルについてAFP1モルの初期濃度は、複合体において1/100(AFP/N−AAP)に近いモル比率となり;N−AAP1600モルについてAFP1モルの濃度は、複合体において1/200(AFP/N−AAP)に近いモル比率となり;N−AAP2400モルについてAFP1モルの濃度は、複合体において1/300(AFP/N−AAP)に近いモル比率となった。
【0063】
実施例10: N−AAPの合成
アラキドン酸(152mg、0.5mモル)およびトリエチルアミン(52mg、0.51mモル)を乾燥アセトニトリル溶液3mlに溶解して−15℃に冷却し、ブチルクロロホルメート(70mg、0.51mモル)を加えた。30分後に、遊離のトリエチルアミン塩酸塩沈殿混合物を2−アミノエタノール(61mg、1mモル)のメタノール溶液1mlにピペットで移し、15分間−15℃で攪拌し続け、次に得た混合物を室温に温めた。2時間後に、HClの0.5Mを加え、混合物をエーテル(20ml)で抽出した。抽出物を水で洗い、次にNa2SO4で乾燥し、減圧下で蒸発させた。残留物をクロロホルム2mlに溶解して酸化アルミニウム(塩基性、Brockmann II)上のカラム(2×2cm)クロマトグラフィーで浄化した。クロロホルム−エタノール(9:1 v/v)でカラムの溶出と、適当なフラクションの蒸発により、所望のN−アラキドノイルアミノエタン−2−オル165mg(95%)を油状物として得た:TLC[ベンゼン−ジオキサン−酢酸(25:5:1 v/v/v)]Rf0.4。
【0064】
ピリジニウム・シアノエチルホスフェート(2mモル)の無水ピリジン(3ml)溶液を乾燥N−アシルアミノエタン−2−オルに加えた。次にN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド(413mg、2mモル)を加えて混合物を室温で攪拌した。20時間後に混合物を0℃に冷やして水(0.5ml)を加え、30分間室温で攪拌した後に、沈殿したN,N'−ジシクロヘキシル尿素を濾過して分離した。濾過物を減圧下で蒸発し、得た残留物をシリカゲル上のショートカラムクロマトグラフィーによって分留した。所望のリン酸化N−アシルアミノアルコールを、クロロホルム−メタノール(70〜60:30〜40、v/v)によってカラムから溶出した。スポットを検出するためにモリブデン酸塩スプレイを使用して、シリカゲル60プレート上のTLC[クロロホルム−メタノール−NH3 水溶液 (9:7:2、v/v/v)]によって溶出液の組成を調整した。適当なフラクションを合わせて真空下で蒸留乾固し、残留物をテトラヒドロフラン溶液1mlに溶解した。この溶液を、氷浴で冷し攪拌しているNaOH水溶液1.5M(4ml)に5分間以上にわたって滴下して加えた。さらに、25分後に混合物を1N HClでpHを2〜3の酸性とし、クロロホルム−メタノール(2:1、v/v)で抽出した。抽出物をメタノール−水(10:9、v/v)で洗い、真空下で濃縮し、シリカゲルカラムに掛けた。クロロホルム−メタノール(30〜20:70〜80、v/v)によってカラムから所望の産物を溶出し、TLCのプレート上でモリブデン酸塩によって着色された純粋の物質を含むフラクションを合わして、蒸留乾固してN−AAP88mg(41%)を得た。
【0065】
Rf 0.10-0.15[クロロホルム-メタノール-NH3 aq (9:7:2,v/v/v)]; 1H-NMR (CD3SOCD3, 200 MHz) δ 0.9-1.0 (t, 3H, ω-CH3); 1.3(s, 8H, 4CH2); 2.0-2.4 (m, 6H, 2CH2CH=CH and CH2CO); 2.7-2.9 (br s, 6H, 3HC=CHCH2CH=CH); 3.4-3.5 (br s, 2H, CH2NH); 3.9-4.0 (br s, 2H,CH2OP); 5.2-5.4 (br s, 8H, 4HC=CH); 8.2-8.4 (m, 3H, NH and 2POH).
【0066】
実施例11:ヒトAFPとN−AAPとの複合体の分子量の測定
Sephacryl(商標)S−300−HRおよびゲル濾過分子量マーカー、すなわち、29kD〜700kDの範囲の分子量を有するタンパク質(MW−GF−1000キット)をSigma Chemical Co.から購入した。[5,6,8,9,11,12,1 15−3H]アラキドン酸をAmersham International, UK.から購入した。それらのタンパク質を分子量マーカーとして、Sephacryl(商標)S−300−HR使用のゲル濾過カラム(1.0×90cm)を標準化した。NaClの100mMを含む50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)を平衡緩衝液として試験に使用した。
【0067】
いろいろな量のN−AAP(2.5mg、5mg、7.5mg)とのAFP(0.5mg)複合体のサンプル0.5mlについて、Sephacryl(商標)S−300−HR使用の標準化カラムで分析した。AFP複合体の検出は、280nmでの吸光を測定するか、あるいは、放射性ラベル[125I]がAFP分子に、[3H]がN−AAPにそれぞれ組み入れられているかを計数して、実行した。
【0068】
AFPとN−AAPとの複合体が、120kD〜180kDの範囲の分子量を有するタンパク質の位置と等しい位置の分子排除カラムから溶出した。したがって、このデータによると、複合体におけるAFP/N−AAPの比率がおよそ1/100〜300モルである。
【0069】
実施例12: 体性免疫応答に対するラットAFP/N−AAP複合体(1:200)の影響
ラットAFPをラット新生児の血清から単離した。単一種抗ラット血清α−フェトプロテイン免疫グロブリン(IgG)を臭化シアン活性Sepharose4B(ゲルのパック量4.5mg/ml)と結合せしめて免疫親和性マトリックスを得た。酸性溶出条件は既に発表されている(Calvo, M., et al., J. Chromatogr. V.328, p.392-395, 1985)。ヒトAFPと類似して、ラットAFP/N−AAP複合体は、マウスにおける体性免疫応答に対して強い作用を示す(実施例11)。このように、ヒツジ赤血球のみで免疫した動物における細胞の量に比して、注射後第5日目におけるAFCの比較量が195%増加し、AFC全量が175%増加した。これらの試験から、ヒトAFP/N−AAP複合体およびラットAFP/N−AAPは共に効果的な医療薬剤として使用できるという結論を引き出せる。別の動物の遺伝子修飾した細胞培養液から得たAFPを使用して類似の薬剤を作り出せるであろう。具体的な事例において、コスト、利用価値、ウイルス感染の危険性、製造承認を得る可能性など、いろいろな要件を考慮する必要がある。
【0070】
本発明による複合体の効果を測定するために、CBA系の雄マウス10匹(体重18〜22g)に、AFP/N−AAP複合体0.15mlを、1匹当りAFP0.009mgおよびN−AAP0.09mgの量で静脈投与した。同時に、5%ヒツジ赤血球懸濁液を腹膜注射した(一匹当り0.2ml)。対照動物には、等量の等張食塩溶液を静脈注射した。体性免疫応答に対するラットAFP/N−AAP複合体の影響はCunninghamにしたがって、脾臓内のAFCを定量(106 脾臓細胞および脾臓当り)して解析した。
【0071】
注射後第5日目におけるAFCの比較量が、対照動物で338.8±67.9、試験動物で659±38.4、P<0.05であった。AFCの全量は、対照群で51.2±13.5・103、試験動物で89.4±11.8・103、P<0.05であった。ラットAFPは免疫活性を示さない。AFCの比較量は、対照動物で425.1±42.1、試験動物で428.1±11.5、P>0.05であった。AFCの全量は、対照群で65.4±6.8x103、試験動物で60.3±13.5x103、P>0.05であった。
【0072】
かくして、ヒツジ赤血球のみで免疫した動物の細胞の量に比して、注射後第5日目におけるAFCの比較量が195%増加し、AFC全量が175%増加した。
【0073】
実施例13: 毒性試験
無作為交配の雄マウス(19〜24g)でN−AAPの毒性について調べた。N−AAP水溶液を投与量40〜70mg/kgで一度にゆっくりとマウスの尾に静脈注射した。各群のマウスを少なくとも6匹とした。Litchfield et al.(Litchfield J.T., Wilcoxon F., J. Pharmacol. Exptl. Therap., Vol.96, P.99-103, 1949)の方法にしたがって急性毒性の判定を行なった。N−AAPの急性毒性を次に示す:
DL50 = 63(54.8÷72.5)mg/kg、p=0.05;
DL10 = 46mg/kg;
DL90 = 87mg/kg;
治療指標は10である。
【0074】
マウスにおける体性免疫応答に対するAFP/N−AAP複合体の影響(実施例8〜10)を評価するために、これらの複合体の比率を1/100、1/200、1/300として試験した。これらの全複合体は、すべての試験において生物活性を示した。AFP/N−AAP複合体は、1:200モル/モルの比率において強力な作用を有していた。
Claims (15)
- α−フェトプロテイン(AFP)とポリ不飽和脂肪酸誘導体との平衡性可逆複合体であって、該複合体がAFP1モルに対し100−300モルの範囲の濃度でN−アラキドノイルアミノエチルホスフェート(N−AAP)を含むことを特徴とする複合体。
- N−AAPの濃度がAFP1モルに対し200モルであることを特徴とする、請求項1に記載の平衡性可逆複合体。
- AFPがヒト臍帯血清から単離されたヒトAFPであることを特徴とする、請求項1または2に記載の平衡性可逆複合体。
- AFPが生物工学的方法によってヒトAFPを発現する遺伝子的に修飾された細胞の細胞培養物から得られるAFPであることを特徴とする、請求項1または2に記載の平衡性可逆複合体。
- 医療薬剤として使用するための、請求項1−4のいずれかに記載の平衡性可逆複合体。
- 免疫促進物質として使用するための、請求項1−4のいずれかに記載の平衡性可逆複合体。
- 免疫不全症の処置のためのものである、請求項6に記載の平衡性可逆複合体。
- 免疫不全症が癌処置の結果として起きる免疫不全症である、請求項7に記載の平衡性可逆複合体。
- 癌処置の結果として起きる免疫不全症が好中球減少症である、請求項8に記載の平衡性可逆複合体。
- 感染を受けやすい患者の予防薬剤として使用するための、請求項1−4のいずれかに記載の平衡性可逆複合体。
- 請求項1−4のいずれかに記載の平衡性可逆複合体を含有する免疫不全症の処置用医薬組成物。
- 静脈投与用製剤であることを特徴とする、請求項11に記載の医薬組成物。
- 請求項1−4のいずれかに記載の平衡性可逆複合体を含有することを特徴とする凍結乾燥製剤。
- 請求項1−4のいずれかに記載の平衡性可逆複合体の治療上有効量を含有することを特徴とする注射用溶液。
- 請求項1−4のいずれかに記載の平衡性可逆複合体を活性成分として含有することを特徴とする、免疫不全症の処置のための医薬組成物。
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