JP4392866B2 - 塞栓材料および医療用ワイヤー装置 - Google Patents

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    • A61B17/12145Coils or wires having a pre-set deployed three-dimensional shape

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体における脈管構造中の所定部位に適用される塞栓材料、および当該塞栓材料がワイヤーの先端部に接続されて構成される医療用ワイヤー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近において、動脈瘤などに対する侵襲性の少ない治療法として、塞栓材料を瘤内に留置する血管塞栓術が注目されている(例えば米国特許第4,884,579号、同4,739,768号参照)。この血管塞栓術において、動脈瘤内に留置された塞栓材料は、血液流に対する物理的な障害となるとともに、瘤内における血栓の形成を促進して動脈瘤破裂の危険性を減少させることができる。
【0003】
ここで、動脈瘤など脈管構造中の所定部位に留置される塞栓材料として、プラチナなどの金属からなるコイル状のものが知られている。
斯かるコイル状の塞栓材料は、その端部に離脱可能に接続されている押出手段(ガイドワイヤー)により、適宜のカテーテルを介して動脈瘤内に導入される(例えば特表平5−500322号公報、特表平8−501015号公報、特表平7−502674号公報参照)。
【0004】
具体的には、ガイドワイヤーの先端部にコイル状の塞栓材料を接続して医療用ワイヤー装置を作製し、この医療用ワイヤー装置を、動脈瘤内に先端開口が位置するよう先行して生体内に挿入されたカテーテル内に、塞栓材料を先頭として挿入する。これにより、当該塞栓材料は、ガイドワイヤーに押圧されながらカテーテル内を移動し、カテーテルの先端開口から瘤内に押し出される。そして、当該塞栓材料の全長が先端開口から押し出された時点、すなわち、ガイドワイヤーとの接続部分がカテーテルの先端開口に到達した時点で、機械的手段または電気分解などを利用して、ガイドワイヤーから当該塞栓材料を離脱させる。これにより、動脈瘤内には塞栓材料のみが留置される。
【0005】
しかしながら、コイル状の塞栓材料には下記のような問題がある。
(1)コイル状の塞栓材料を動脈瘤内に高密度で充填すると、金属からなる当該塞栓材料によって瘤内の内壁が傷つきやすい。このため、十分な量の塞栓材料を瘤内に充填することができず、確実な塞栓効果を得ることは困難である。
(2)コイル状の塞栓材料の径(コイル径)が、動脈瘤の内径よりも大きい場合に、当該塞栓材料の端部が瘤外に伸び出してしまうことがある。
(3)コイル状の塞栓材料は、その全長を瘤内に留置させなければならず、留置できない場合には、当該塞栓材料を引き戻し、瘤内の容量に適合する全長のコイル体に交換して再度入れ直す必要がある。
【0006】
一方、動静脈奇形、脳腫瘍、肝臓癌などの症例に対する治療法としても血管塞栓術が採用されている。
このような治療法(血管塞栓術)に適用される塞栓材料としては、樹脂粉末からなるものが知られており、樹脂粉末からなる塞栓材料はマイクロシリンジなどによって生体内に注入することができる。
【0007】
しかしながら、樹脂粉末からなる塞栓材料には下記のような問題がある。
(1)1回の注入操作により生体内に導入される塞栓材料の量は極めて少なく、何回も注入操作を繰り返す必要があった。このため、患者および術者の負担は大きいものとなっている。
(2)粉末状の塞栓材料は、血流によって適用部位から流されやすく、当該塞栓材料によって正常な抹消血管が閉塞されることがある。このため、動脈瘤のように抹消に正常血管が存在する場合には使用することができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の第1の目的は、脈管構造中の所定部位において、確実な塞栓効果を得ることができる塞栓材料を提供することにある。
本発明の第2の目的は、動脈瘤を治療するための血管塞栓術に好適に使用することができる塞栓材料を提供することにある。
本発明の第3の目的は、コイル状の塞栓材料などに比べて格段に優れた柔軟性(可変形性)を有する塞栓材料を提供することにある。
本発明の第4の目的は、高密度で充填しても、適用部位における脈管の内壁を傷つけることがない塞栓材料を提供することにある。
本発明の第5の目的は、コイル状の塞栓材料と併用することにより、当該塞栓材料による隙間を効率的かつ確実に埋めることができる塞栓材料を提供することにある。
【0009】
本発明の第6の目的は、動静脈奇形、脳腫瘍、肝臓癌などを治療するための血管塞栓術に好適に使用することができる塞栓材料を提供することにある。
本発明の第7の目的は、1回の注入操作によって多くの量を生体内に導入することができる塞栓材料を提供することにある。
本発明の第8の目的は、適用部位の下流の血管に移動するようなことはなく、適用部位において確実な塞栓効果を発揮することができる塞栓材料を提供することにある。
【0010】
本発明の第9の目的は、上記の塞栓材料を目的部位に確実に導入し、留置させることができる医療用ワイヤー装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の塞栓材料は、生体における脈管構造中の所定部位に適用される塞栓材料であって、生体内において溶断可能な、柔軟性を有する親水性の樹脂よりなり、ロッド状に形成されており、
カテーテルを介して導入され、カテーテルの先端開口から押し出されて脈管の適用部位において変形して充填され、カテーテルの先端部に設けられた電極に供給される高周波電流により加熱溶断されて分離されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の塞栓材料においては、下記の形態が好ましい。
(1)水と接触することにより膨潤し、ロッドの外径が10%以上、特に50%以上増加すること。
(2)ポリビニルアルコール系の重合体よりなること。
(3)薬剤、特に血液凝固促進物質が含有されていること。
(4)造影性を有する物質が含有されていること。
本発明の医療用ワイヤー装置は、本発明の塞栓材料が、ワイヤーの先端部に接続されて構成されていることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面によって本発明の一実施例を説明する。
<本発明の塞栓材料および医療用ワイヤー装置>
図1は、本発明の医療用ワイヤー装置の一実施形態の構成を示す。この例の医療用ワイヤー装置は、導電性を有するガイドワイヤー10と、このガイドワイヤー10の先端部に接続して設けられたロッド状の塞栓材料20(本発明の塞栓材料)とにより構成されている。
【0016】
図示のガイドワイヤー10は、塞栓材料20を目的部位に導入するための誘導子(押出手段)として使用される。このガイドワイヤー10は、コアワイヤーの外周面上に樹脂被覆層が形成されたワイヤー本体11と、これに続く先端造影部分12とを有してなる。ここに、ガイドワイヤー10の外径は、例えば0.1〜2.0mmとされ、ガイドワイヤー10の長さは、例えば0.1〜2.0mとされる。ガイドワイヤー10を構成するコアワイヤーとしては、ステンレス鋼などの導電性材料よりなるものを用いることができる。
【0017】
ガイドワイヤー10のワイヤー本体11における樹脂被覆層は、例えばフッ素樹脂、親水性の樹脂などをコアワイヤーの外周面上にコートすることにより形成することができる。この樹脂被覆層がフッ素樹脂または親水性の樹脂よりなる場合には、表面の摩擦係数を小さくすることができる点で好ましい。ワイヤー本体11の外端部には、コアワイヤーが露出された端子部分13が形成されており、この端子部分13を介して、電気コネクタ、プラグ、クリップなどの適宜の導電部材を介して電力を供給することができる。この端子部分13の長さは1〜3cm程度であれば十分である。
【0018】
ガイドワイヤー10の先端造影部分12は、コアワイヤーの外周面上に、更に巻回ワイヤーをコイル状に密に巻回した構成とされている。先端造影部分12を構成する巻回ワイヤーとしては、プラチナ、銀、タングステンなどの金属よりなる線材を用いることができる。
【0019】
ロッド状の塞栓材料20は親水性の樹脂から構成される。塞栓材料20を構成する親水性の樹脂としては、生体に悪影響を与えず、良好な柔軟性(可変形性)を有し、加熱によって溶融するものの中から選択することができる。
【0020】
塞栓材料20を構成する親水性の樹脂の具体例としては、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA架橋重合体、PVA吸水ゲル凍結解凍エラストマー、エチレンビニルアルコール共重合体などのポリビニルアルコール系の重合体、ポリメタクリル酸ヒドロキシエチル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリグリコール酸、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体、ポリヒドロキシエチルフタル酸エステル、ポリジメチロールプロピオン酸エステル、メチルイソプロピルケトンホルムアルデヒド、ポリエチレンイミン、ポリスチレンスルホネート、水溶性ナイロンなどの合成高分子物質;カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン、セルロース類(CMC,MC,HEC,HPC)、タンニン、リグニン、アルギン酸、アラビアゴム、グアーガム、トラガントガム、ゼラチン、カゼイン、にかわ、コラーゲンなどの天然高分子物質を例示することができる。
これらのうち、ポリビニルアルコール系の重合体が好ましい。また、水と接触したときに、適度な膨潤性を発揮させる観点から、ポリビニルアルコール系の重合体の重合度は500〜4000であることが好ましく、更に好ましくは1500〜2500である。
【0021】
ロッド状の塞栓材料20中には、血液凝固促進物質などの薬剤を含有させることができる。血液凝固促進物質を含有してなる塞栓材料によれば、当該塞栓材料により塞栓された瘤内において血栓の形成が促進され、さらに優れた塞栓効果を発揮させることができる。
かかる血液凝固促進物質としては、トロンビン、フィブリノゲン、フィブロネクチン、プロテアーゼなどを例示することができる。
【0022】
さらに、ロッド状の塞栓材料20中には、造影性を有する物質(以下、単に「造影剤」ともいう。)を含有させることもできる。造影剤を含有してなる塞栓材料によれば、目的部位に導入される当該塞栓材料の動態を造影装置によってモニタリングすることができる。
かかる造影剤としては、タングステン、酸化ビスマス、硫酸バリウム、プラチナ、金、銀などのX線造影効果を奏する物質を例示することができる。
【0023】
図1に示すように、塞栓材料20は、その後端部20Aがガイドワイヤー10の先端造影部分12内に挿入された状態において、更に接着剤が適用されることによってガイドワイヤー10と固定的に連結されている。
なお、ガイドワイヤー10(先端造影部分12)と塞栓材料20との固定手段は特に限定されるものではなく、接着剤による固着手段のほか、溶接、物理的力による連結、その他の手段を利用することができる。
【0024】
塞栓材料20の外径としては、非膨潤状態の外径(d)が0.1〜0.5mmとされ、膨潤状態の外径(D)が0.2〜1.0mmとされ、外径の増加率〔(D/d−1)×100〕が10〜300%、好ましくは50〜100%とされる。
外径の増加率が10%以上である膨潤性樹脂よりなる塞栓材料によれば、適用部位において、血液などと接触して拡径することによって、更に優れた塞栓効果を発揮することができる。
塞栓材料20の長さとしては、適用部位(瘤内)の容量などに応じて適宜調整することができるが、通常1〜500mm程度とされ、好ましくは5〜100mm程度とされる。
【0025】
本発明の塞栓材料は、親水性の樹脂よりなるので、コイル状のものと比較して柔軟性に優れ、患部の形状等に応じて変形することができるので、適用部位における脈管の内壁を傷つけるようなことなく、高い密度で充填することができる。また、本発明の塞栓材料は、ロッド状に形成されているので、1回の注入操作・留置操作によって、多くの量を生体内に導入することができる。
【0026】
<医療用ワイヤー装置の使用方法>
図2および図3は、本発明の医療用ワイヤー装置の使用方法の一例を示す説明図である。
医療用ワイヤー装置を構成する塞栓材料20は、適宜のカテーテルを介して生体内の目的部位(例えば動脈瘤内)に導入される。
具体的には、当該医療用ワイヤー装置(図1に示した構成の医療用ワイヤー装置)は、図2に示すように、生体31の目的部位Pに先端開口が位置するように先行して挿入されたカテーテル32内に、塞栓材料(20)を先頭として、手元操作部33から挿入される。これにより、塞栓材料は、ガイドワイヤー(10)に押圧されながらカテーテル32内を移動し、カテーテル32の先端開口から目的部位P内に押し出される。そして、カテーテル32の先端開口から塞栓材料の全長が押し出された時点、すなわち、ガイドワイヤーとの接続部分がカテーテル32の先端開口に到達した時点(図3(イ)参照)で、生体31の適宜の皮膚面にアース電極34を装着するとともに、ガイドワイヤー10の端子部分13に高周波電源装置35を接続し、例えばモノポーラ高周波電流を当該ガイドワイヤー10に供給する。
【0027】
これにより、図3(ロ)に示すように、ガイドワイヤー10と塞栓材料20との接続部分が高周波電流により加熱され、ガイドワイヤー10から塞栓材料20が離脱され、当該塞栓材料20が目的部位に留置される。そして、塞栓材料20の材質として、融点の低い(例えば100℃以下)親水性の樹脂を選択することにより、当該塞栓材料20を、高周波電流の供給によって短時間の内に離脱させることが可能となる。具体的には、塞栓材料20がポリビニルアルコール系の重合体よりなるものである場合には、3秒間以内という極めて短時間の高周波電流の供給により、塞栓材料20を離脱させることができる。従って、術者のみでなく施術される生体に対する負担が非常に軽くなり、留置操作において生体に不測の事態が生ずる可能性を大幅に減少させることができる。
【0028】
図4は、本発明の医療用ワイヤー装置の使用方法の他の例を示す説明図であり、図4(イ)は、カテーテル36の先端開口から塞栓材料の一部が押し出されている状態を示している。
この状態において、生体31の適宜の皮膚面にアース電極34を装着するとともに、カテーテル36の先端部に設けられた電極37に、高周波電源装置35を電気的に接続し、例えばモノポーラ高周波電流をガイドワイヤーに供給する。
ここで、高周波電源装置35から電極37への高周波電流の供給は、カテーテル36の管壁内に埋設されている導線(図示省略)を介して行うことができる。
これにより、図4(ロ)に示すように、カテーテル36の先端開口に位置する部分において、塞栓材料20が高周波電流により加熱溶断され、当該塞栓材料20の一部20A(カテーテルの先端開口から押し出されている部分)と、当該塞栓材料20の残部20B(カテーテルの内部に残留している部分)とが分離され、当該塞栓材料20の一部20Aが生体31の目的部位に留置される。
このような方法によれば、塞栓材料を任意の位置で切断し、その一部のみを目的部位に留置させることができるので、瘤内の容量に応じて必要十分な容量の塞栓材料を充填させることができる。
【0029】
図5は、本発明の塞栓材料が、コイル状の塞栓材料とともに適用部位(動脈瘤P’)内に充填されている状態を示す説明図である。
図5に示すように、本発明の塞栓材料20を、コイル状の塞栓材料40と併用することにより、動脈瘤P’内において、コイル状の塞栓材料40による隙間を効率的かつ確実に埋めることができる。この結果、適用部位における脈管の内壁を傷つけるようなことがなく、しかも、前記隙間の充填による塞栓材料の高密度化(塞栓効果の確実性)を達成することができる。
【0030】
以上において、ガイドワイヤーを用いて塞栓材料を留置させる方法を説明したが、本発明の塞栓材料は、マイクロシリンジなどを用いることにより、生体内の目的部位(例えば動静脈奇形部位)に注入することも可能である。
このような方法によれば、樹脂粉末などを使用する従来の方法と比較して、1回の注入操作によって多くの量を生体内に導入することができる。
また、適用部位に留置されたロッド状の塞栓材料は、血流によって下流の血管(ロッド外径よりも細い血管)に移動するようなことはなく、適用部位において確実な塞栓効果を発揮することができる。
【0031】
【実施例】
<実施例1>
(1)塞栓材料の調製例:
ポリビニルアルコール(重合度1500〜2500)の水溶液(20%)をエタノール中に押し出し、生成した析出物を延伸処理することにより、直径0.1〜0.2mm、長さ約30mmのロッド状の塞栓材料(本発明の塞栓材料)を得た。
なお、この塞栓材料を生理食塩水と接触させたところ、ロッド外径の増加率は200%程度であった。
【0032】
(2)塞栓材料の使用例:
脳動静脈奇形の症例において、マイクロカテーテルを、その先端開口が患部の直前に位置するように挿入し、このマイクロカテーテルを介して、上記(1)で得られた塞栓材料3本を患部に注入した。ここに、注入用のキャリアとしては、生理食塩水とイオパミドール(造影剤)との等量混合液を使用した。注入してから10分間経過後、造影装置によってモニタリングしたところ、患部(奇形血管)が閉塞されていることが確認された。
【0033】
<実施例2>
(1)塞栓材料の調製例:
造影剤(タングステン)を含有させたポリビニルアルコール(重合度1500〜2000)の水溶液(30%)を調製し、この水溶液を、内径0.5mmのチューブ内に封入した後、凍結処理(−5℃×180分間)と解凍処理(7℃×420分間)を9サイクル繰り返すことにより、ロッド状に形成されたゲル状物質を得、このゲル状物質を延伸処理することにより、直径0.2mm、長さ約100mmのロッド状の塞栓材料(本発明の塞栓材料)を得た。
なお、この塞栓材料を生理食塩水と接触させたところ、ロッド外径の増加率は100%程度であった。
【0034】
(2)医療用ワイヤー装置の製造例:
外径0.35mm、長さ1.8m(先端造影部分の長さ30mm)のステンレス製のガイドワイヤーの先端部に、上記(1)で得られた塞栓材料の端部を接着剤により接着することにより、図1に示したような構成の医療用ワイヤー装置(本発明の医療用ワイヤー装置)を製造した。
【0035】
(3)塞栓材料の使用例:
外径約20mmの動脈瘤の症例において、ガイド用のカテーテル(内径0.55mm)を、その先端開口が患部(瘤内)に位置するように挿入した。
次いで、このカテーテルを介して、プラチナ合金線を巻回してなる1次コイルを更に巻回してなる2次コイル体より構成されたコイル状塞栓材料(合金線の直径0.10mm、1次コイル径0.35mm、2次コイル径10〜20mm、2次コイルを伸ばしたときの長さ150〜200mm)20本を瘤内に留置した。
次いで、前記カテーテル内に、上記(2)で得られた医療用ワイヤー装置を、塞栓材料を先頭にして挿入し、前記カテーテルの先端開口から塞栓材料の全長が押し出された時点で、患者の背中の皮膚面にアース電極を装着するとともに、ガイドワイヤーの端子部分に高周波電源装置を接続し、モノポーラ高周波電流(1W)をガイドワイヤーに供給し、ガイドワイヤーから本発明の塞栓材料を離脱させた。
このような操作の終了後、血管造影装置(DSA)によって患部(動脈瘤内)をモニタリングしたところ、図5に示したような状態であり、コイル状の塞栓材料による隙間が本発明の塞栓材料によって確実に埋められていることが確認された。
【0036】
<実施例3>
(1)塞栓材料の調製例:
実施例2(1)と同様にして、直径0.2mm、長さ約300mmのロッド状の塞栓材料(本発明の塞栓材料)を調製した。
【0037】
(2)医療用ワイヤー装置の製造例:
実施例2(2)と同様にして、ガイドワイヤーの先端部に塞栓材料を接着することにより、図1に示したような構成の医療用ワイヤー装置(本発明の医療用ワイヤー装置)を製造した。
【0038】
(3)塞栓材料の使用例:
外径約20mmの動脈瘤の症例において、先端部に電極が設けられているガイド用のカテーテル〔図4(36)に示したような内径が0.55mmのカテーテル〕を、その先端開口が患部(瘤内)に位置するように挿入した。
次いで、このカテーテルを介して、実施例2(3)で用いたものと同様のコイル状塞栓材料20本を瘤内に留置した。
次いで、前記カテーテル内に、上記(2)で得られた医療用ワイヤー装置を、塞栓材料を先頭にして挿入したところ、前記カテーテルの先端開口から塞栓材料の一部(先端から150mm程度)が押し出された時点で、瘤内の隙間がほぼ埋まった。
この状態で、患者の背中の皮膚面にアース電極を装着するとともに、カテーテルの先端部に設けられた電極に高周波電源装置を接続し、当該電極とアース電極との間にモノポーラ高周波電流(1W)を供給した。これにより、塞栓材料の一部(カテーテルの先端開口から押し出されている部分)と、当該塞栓材料の残部(カテーテルの内部に残留している部分)とが分離された。
このような操作の終了後、造影装置によって患部(動脈瘤内)をモニタリングしたところ、図5に示したような状態であり、コイル状の塞栓材料による隙間が本発明の塞栓材料の一部によって確実に埋められていることが確認された。
【0039】
【発明の効果】
本発明の塞栓材料によれば、下記に示すような効果が奏される。
(1)脈管構造中の所定部位において、確実な塞栓効果を得ることができる。
(2)動脈瘤を治療するための血管塞栓術に好適に使用することができる。
(3)コイル状の塞栓材料などに比べて格段に優れた柔軟性(可変形性)を有し、患部の形状等に応じて変形することができるので、適用部位における脈管の内壁を傷つけるようなことなく、高い密度で充填することができる。
(4)コイル状の塞栓材料と併用することにより、当該コイル状の塞栓材料による隙間を効率的かつ確実に埋めることができる。
(5)動静脈奇形、脳腫瘍、肝臓癌などを治療するための血管塞栓術に好適に使用することができる。
(6)樹脂粉末による塞栓材料と比較して、1回の注入操作によって多量の材料を生体に導入することができ、注入操作を何回も繰り返す必要がない。
(7)適用部位に留置された塞栓材料は、血流によって下流の血管(ロッド外径よりも細い血管)に移動するようなことはなく、適用部位において確実な塞栓効果を発揮することができる。
(8)血液凝固促進物質を含有してなる塞栓材料によれば、当該塞栓材料が留置された瘤内において血栓の形成が促進され、さらに優れた塞栓効果が発揮される。
【0040】
本発明の医療用ワイヤー装置によれば、本発明の塞栓材料を目的部位に確実に導入し、留置させることができるとともに、当該塞栓材料の一部(瘤内の容量に応じた必要十分な量)のみを目的部位に留置させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の医療用ワイヤー装置の一実施形態の構成を示す説明図である。
【図2】本発明の医療用ワイヤー装置の使用方法の一例(脳動脈瘤に適用する場合)を示す説明図である。
【図3】本発明の医療用ワイヤー装置の使用方法の一例を示す説明図である。
【図4】本発明の医療用ワイヤー装置の使用方法の他の例を示す説明図である。
【図5】本発明の塞栓材料が、コイル状の塞栓材料とともに動脈瘤内に充填されている状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10 ガイドワイヤー
11 ワイヤー本体
12 先端造影部分
13 端子部分
20 塞栓材料
31 生体
32 カテーテル
33 手元操作部
34 アース電極
35 高周波電源装置
36 カテーテル
37 電極
40 コイル状の塞栓材料

Claims (8)

  1. 生体における脈管構造中の所定部位に適用される塞栓材料であって、生体内において溶断可能な、柔軟性を有する親水性の樹脂よりなり、ロッド状に形成されており、
    カテーテルを介して導入され、カテーテルの先端開口から押し出されて脈管の適用部位において変形して充填され、カテーテルの先端部に設けられた電極に供給される高周波電流により加熱溶断されて分離されることを特徴とする塞栓材料。
  2. 膨潤状態の外径が0.2〜1.0mm、長さが1〜500mmのロッド状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の塞栓材料。
  3. 水と接触することにより膨潤し、ロッドの外径が10%以上増加することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の塞栓材料。
  4. ポリビニルアルコール系の重合体よりなることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の塞栓材料。
  5. 薬剤が含有されていることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の塞栓材料。
  6. 薬剤として、血液凝固促進物質が含有されていることを特徴とする請求項5に記載の塞栓材料。
  7. 造影性を有する物質が含有されていることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記載の塞栓材料。
  8. 請求項1〜請求項7の何れかに記載の塞栓材料が、ワイヤーの先端部に接続されて構成されていることを特徴とする医療用ワイヤー装置。
JP21470597A 1997-08-08 1997-08-08 塞栓材料および医療用ワイヤー装置 Expired - Lifetime JP4392866B2 (ja)

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