JP4392368B2 - 建具 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された上げ下げ窓は、窓枠と、この窓枠の上半分に固定された固定障子と、この固定障子の室内側に沿って上下にスライド開閉自在に設けられた室内障子(下部障子)とを備えて構成されている。そして、下部障子の室外側には、網戸が設けられており、下部障子を開放して通気や換気を行う際に、その下方に形成される開口部から埃や虫等が室内に入り込むことが防止できるようになっている。
以上の本発明によれば、上側の障子を開放することで、通風や換気が可能となるとともに、この通風、換気状態において、網戸によって埃や虫等の室内への侵入が防止でき、良好な室内環境を得ることができる。
また、下側の障子を通して室外を見た場合には、網戸が邪魔にならずに良好な景観を得ることができ、室内の居住性および快適性をより一層高めることができる。つまり、当該建具を腰窓として設置した場合には、ソファ等に腰掛けた状態の居住者の目の高さに下側の障子が位置することとなり、この下側の障子を通して室外の景観を楽しむことができる。
さらに、当該建具を室外側から見た場合には、網戸が直接見えないので、建具の外観が良好にできて意匠性を向上させることができる。そして、網戸が室内側に設けられているので、網戸の汚れが防止でき、意匠性を良好に維持することができる。
さらに、網戸が窓枠に支持されているので、上側の障子の開閉移動を阻害することがないとともに、下側の障子を開閉可能に構成した場合にも、その開閉移動を阻害することもなく、良好な操作性を得ることができる。
また、網戸上框を上枠に係止して網戸下端部を係止部材で縦枠に係止するようにしたことで、簡単な構造で網戸を窓枠に取り付けることができる。
このような構成によれば、網戸下框から左右に出没自在に設けたピンで網戸下端部を縦枠に係止するようにしたことで、網戸の下部を持って網戸上框を上枠に引っ掛けて係止してから、網戸下框のピンを操作して縦枠に係止することができる。また、網戸を取り外す際にも、網戸の下部を持って網戸下框のピンを縦枠から外してから、網戸上框を上枠から外すことで容易に取り外すことができる。従って、上枠が手の届かない高さ位置にあったとしても、取り付け作業および取り外しの作業が容易に実行できる。
このような構成によれば、網戸框材の室内部材と室外部材にネットが挟持されているので、ネットの四周端縁が露出せず、網戸の外観を良好にすることができる。また、従来の網戸において、框材に圧入する網戸ロープによってネットの端縁を支持する取付方法が一般的であるが、この方法では、取付作業に手間が掛かるとともにネットに弛みが生じやすいという不都合があった。これに対して、網戸框材の室内部材と室外部材にネットを挟持する本発明の構造では、手間が軽減できるとともに、ネットの弛みが防止でき、さらに意匠性を向上させることができる。
このような構成によれば、網戸下框が召合せ框の見込み方向に重なっているので、障子を閉じた状態で室内外から網戸下框が見えなくでき、さらに意匠性を向上させることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る建具である上げ下げ窓1を室外側から見た正面図である。図2は、上げ下げ窓1を示す縦断面図である。図3は、上げ下げ窓1を示す横断面図であって、上部障子位置における横断面図である。
図1〜図3において、上げ下げ窓1は、戸建て住宅等の建物の外壁2における開口部3に設けられて建物の室内空間と室外空間とを仕切るもので、下端位置が床面よりも所定寸法(例えば、600mm〜900mm)だけ高い位置に設けられた腰窓である。
一方、上部障子20が閉鎖位置にある状態で下部障子30を開放位置まで全開した場合にも、下部障子30の略上半分が上部障子20および網戸50の室内側に重なった状態となり、下部障子30の下方に開口が形成されて上げ下げ窓1が開かれるようになっている。
図4は、上げ下げ窓1の上部を拡大して示す縦断面図である。図5は、上げ下げ窓1の縦枠13および上部障子20の縦框23を拡大して示す横断面図である。
上枠11は、図4に示すように、それぞれアルミ押出形材製の室内部材111、室外部材112、室内下面部材113、および室外下面部材114と、室内下面部材113と室外下面部材114とを連結する樹脂製の断熱部材115とを備えて中空状に形成されている。室内下面部材113は、略水平に延びる中空部材であって、その室外側端部下面には、網戸50の上端縁を係止する網戸係止片113Aが下方に延びて形成されている。
下部障子30の上框31は、それぞれアルミ押出形材製の室内部材311および室外部材312と、これらの室内部材311と室外部材312とを連結する樹脂製の断熱部材313とを備えて形成されている。そして、上框31の室内部材311の室外側側面には、網戸50に当接して埃等の浸入を防止するモヘヤ311Aが取り付けられている。また、室外部材312の室外側側面には、室外側に延びるとともに下方に折れ曲がって引き寄せ片222Aに係合する鈎状片312Aが形成されている。
一方、下部障子30の下框32には、室内レール部材133に挿入されるスライドシュー(不図示)が設けられており、下部障子30の上框31には、ラッチ装置(不図示)が設けられており、このラッチ装置から突出した突出片が室内レール部材133に挿入されている。そして、これらのスライドシューおよびラッチ装置の突出片が室内レール部材133に沿って案内されることで、下部障子30が上下にスライド開閉されるようになっている。さらに、下部障子30は、ラッチ装置の突出片と室内レール部材133との係合を外すことで、スライドシューに軸支されて上框31側が室内側に回動(内倒し)可能に構成されている。
図6〜図8は、縦枠13および網戸50の一部を示す斜視図である。
網戸50は、それぞれアルミ形材製の上框(網戸上框)51、下框(網戸下框)52、および左右の縦框(網戸縦框)53と、これら上下左右の框51,52,53に四周を囲まれた内部に設けられたネット54とを備えて構成されている。上下左右の框51,52,53は、それぞれ室内部材511,521,531と、室外部材512,522,532とをビス止め固定して形成されている。そして、ネット54は、樹脂コーティングされたグラスファイバー製であって、その四周端縁は、室内部材511,521,531と室外部材512,522,532とで挟持されるとともに、接着材や両面テープ、あるいは室内部材511,521,531と室外部材512,522,532との嵌合により上下左右の框51,52,53に固定されている。また、網戸50の上下左右の框51,52,53は、上部障子20の上下左右の框21,22,23の室内側に重なって位置し、つまり網戸50の下框52は、障子の内外の召合せ框31,22の間に位置して設けられている。
網戸50を窓枠10から取り外す場合には、下部障子30の上框31側を室内側に回動(内倒し)させてから、係止部523の係止ピン523Aを没入させて気密部材15の係止孔151から外した後に、爪部513を上枠11の網戸係止片113Aから外せばよい。
(1)すなわち、上部障子20を開放することで、通風や換気が可能となるとともに、この通風、換気状態において、網戸50によって埃や虫等の室内への侵入が防止でき、良好な室内環境を得ることができる。
例えば、前記実施形態においては、上げ下げ窓1が上下一対の2枚の障子(上部障子20および下部障子30)を有して構成されていたが、これに限らず、3枚以上の障子を有して構成されていてもよい。また、上部障子20および下部障子30がそれぞれ上下にスライド開閉可能に構成されていたが、これに限らず、下部障子30が開閉不能な固定障子であってもよい。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (5)
- 上枠、下枠、および左右の縦枠を有する窓枠と、この窓枠内に支持された少なくとも上下二段の障子とを備え、
前記少なくとも上下二段の障子のうち、少なくとも上側の障子は、下側の障子の室外側において上下方向にスライド開閉自在に設けられ、
前記上側の障子よりも見込み方向室内側で、かつ前記下側の障子よりも見込み方向室外側には、当該上側の障子の室内側を覆う網戸が設けられ、
前記網戸は、網戸上框、網戸下框、および左右の網戸縦框を有した網戸枠と、この網戸枠内に支持されたネットとを有して形成され、前記網戸上框が前記上枠に係止されるとともに、前記網戸の下端部および前記縦枠の一方から他方に向かって出没自在に設けられた係止部材により当該網戸の下端部が当該縦枠に係止されて、当該網戸が前記窓枠に支持され、
前記網戸下框は、前記上側の障子の下框と前記下側の障子の上框との間に位置して設けられている建具。 - 前記係止部材は、前記網戸下框の両端部から左右に出没自在に設けられたピンで構成されている請求項1に記載の建具。
- 前記網戸枠の上下左右の網戸框材は、それぞれ室内部材と室外部材とを接合して形成され、
前記ネットは、前記上下左右の網戸框材における室内部材と室外部材との間に挟持されている請求項2に記載の建具。 - 前記網戸の網戸下框は、閉鎖位置にある前記上下の障子における室内外の召し合わせ框の間に位置し、当該召し合わせ框の見込み方向に重なって設けられている請求項2または請求項3に記載の建具。
- 前記上側の障子の下框には、前記網戸下框の下方にて当該網戸下框よりも室内側に延びて前記下側の障子の上框に係合可能な引き寄せ片が設けられている請求項1から請求項4のいずれかに記載の建具。
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