JP4392118B2 - 半導体製造装置及び半導体製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体製造装置に関し、特に、基板を処理する反応室と前記反応室内を排気する排気ポンプとを備えた半導体製造装置とそれを用いた半導体製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
層間絶縁膜として用いられるTEOS膜(テトラエトキシシランを原料として形成したSiO膜)の原料であるSi(OC)(テトラエトキシシラン)や誘電体材料として用いられるTa膜の原料Ta(OC)(ペンタエトキシタンタル)は、常温常圧で液体であり、これを加熱気化して成膜に用いる。
【0003】
また、電極材料として注目されているRu膜や高誘電材料として期待されているBST膜(チタン酸バリウムストロンチウム膜)を形成する際の原料にも液体原料が用いられ、近年液体原料を用いることを前提とした半導体製造装置が増加する傾向にある。
【0004】
このような常温常圧で液体である原料を用いた半導体製造装置は、いずれの原料を用いた場合においても、反応室内で反応しきれなかった未反応原料ガスや副生成物を反応系外に排除するための排気ポンプを有する。また、場合によっては、原料の気化を安定させるための専用の排気配管を備え、その配管を減圧に引くことを目的とした排気ポンプを有する。
【0005】
この排気系統の中途部には、通常トラップが設けられており、ここで、未反応原料ガスや副生成物を吸着させたり、凝縮(液化あるいは固化)させて回収することにより、これらの未反応原料ガスや副生成物が排気配管内で凝縮したり、排気ポンプや外部環境へ到達することを防いでいた。
【0006】
図5に、上記の半導体製造装置の従来例の構成を示す。図において、51はCVD法(化学気相堆積法)による薄膜形成などを行う反応室であり、52は反応室51から排気ポンプ56に到る配管54の途中に設けられたトラップであり、53はトラップ52における凝縮物を回収する回収タンクである。55はポンプユニットであり、ポンプユニット55は排気ポンプ56とサイレンサ57とからなる。58はサイレンサ57から排出される排気ガスを除害装置(排気ガス中の有害物質を除去する装置)に導く排気管である。
【0007】
サイレンサ57はポンプ排気音を消音するためのものであり、たとえば、図6に示した構造を有する。図6において、61はサイレンサ57の外壁を構成する外筒であり、外筒61の内部は、仕切板62によって、第1の空間63と第2の空間64とに分けられている。さらに、外筒61の内部には、仕切板62を貫通して、第1の内管65と第2の内管66とが設けられ、第2の内管66の一端は排気ガス出口67となっている。68は外筒61の側面に設けられた排気ガス入り口である。排気ポンプ56から排出される排気ガスは、排気ガス入り口68からサイレンサ57内に流入し、図中の実線矢印の方向に沿ってサイレンサ57内を流れ、排気ガス出口67から外部に流出する。サイレンサ57内の空間63、64及び内管65、66は、電気回路にたとえれば、平滑回路中の容量及び抵抗に相当し、平滑回路の作用と同様にして、排気ガス圧力のリップルすなわち音波のレベルを低減する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のトラップ(たとえば、図5における52)を用いた場合においても、未反応原料ガスや副生成物が、後述の理由によって、トラップによって完全には捕捉されずにトラップを通過してしまい、排気ポンプ(たとえば、図5における56)の排気口及びその下流において再凝縮し、排気口内部や排気口に直結したサイレンサ(たとえば、図5における57)内部に付着固化したり、液体となって多量に溜まることがある。このような状態において、装置をそのまま使用し続けると、排気ポンプの排圧異常を生じるので、排気ポンプを解体し、付着した物質を除去したり、排気ポンプを交換したり、あるいはサイレンサを交換することが必要であった。また、排気ポンプ内の物質の溜まり具合も、排気ポンプを解体するまで確認できないため、装置稼働を円滑に行うために、頻繁にメンテナンスや排気ポンプ交換を実施する必要があった。従って、装置のダウンタイム(稼働不可能の状態にある時間)が発生すると同時に、排気ポンプ交換にかかるコストも大きな負担となっていた。さらに、排気ポンプ内に溜まった物質によって、排気ポンプの寿命も短くなる。
【0009】
図5に示した半導体製造装置を用い、ペンタエトキシタンタル(PETaと略す)を原料としてTa膜を基板上に形成する場合には、PETaは蒸気圧が低く(145℃において13Pa)、常温常圧では液体であり、反応室51にはPETaを加熱し気化させてガスとして供給し、配管54の内壁に未反応PETaガスや副生成物が凝縮しないように、配管54を加熱する。トラップ52において、PETaを液化させて回収しているが、真空雰囲気であるため、回収率は低く(約20%)、ほとんどのPETaが排気ポンプ56ヘ流れる。そして、排気ポンプの出口で圧力が上昇した(常圧に近い)ところ、すなわち、サイレンサ57及び排気管58で多くのPETaが液化する。液化したPETaは流路内の低い部分に溜り、その部分の径が細ければ、流路を閉塞させることになる。実際に、サイレンサ57の出口(図5において、破線で囲んだ部分)が閉塞しがちであり、数ヶ月に一度のサイレンサ57の交換が必要となっている。
【0010】
さらに、上記の半導体製造装置においては、反応室51のクリーニング時に、ClFガスを使用しており、PETaが流路内に溜っていると、化学反応により、HClやHFなどを発生させるため、メンテナンスに危険を伴う。この化学反応の反応式は
Ta(OC)+5/2ClF →1/4TaCl+3/4TaF+5C+5/2O+5/4HCl+15/4HF
である。
【0011】
このように、排気ポンプ(たとえば、図5における56)の排気口及びその下流(たとえば、図5におけるサイレンサ57の内部)に付着物が生成する原因は、反応室(たとえば、図5における51)から排気ポンプ(たとえば、図5における56)に到る流路の中間にあるトラップ(たとえば、図5における52)においては、流路全体が減圧下にあるため、ガスの吸着や凝縮が起こりにくく、未反応原料ガスや副生成物が完全には捕捉されずに排気ポンプに到達してしまい、排気ポンプ内は、断熱圧縮により昇温して気化している未反応原料ガスや副生成物を大量に含むことができる一方で、排気ポンプ排気口においては、ガスは大気圧に開放され、断熱膨張により温度が下がり、未反応原料ガスや副生成物が凝縮し易い状態となることにある。このようにして、排気ポンプの排気口付近が未反応原料ガスや副生成物が凝縮しやすい場所となっており、これが排気ポンプあるいはその下流流路の詰まりの原因となっていた。
【0012】
本発明は、上記の点に鑑み、なされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、基板を処理する反応室と前記反応室内を排気する排気ポンプとを備えた半導体製造装置において、装置のダウンタイムの短縮と装置運営コストの低減と排気ポンプの寿命向上とを可能とする半導体製造装置とそれを用いた半導体製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、請求項1に記載のように、
基板を処理する反応室と、前記反応室内を排気する排気ポンプと、前記排気ポンプから排出されたガスを通過させることで前記排気ポンプの排気音を消音するサイレンサとを有し、前記サイレンサには、前記サイレンサ内を流れる排気ガスを冷却する冷却手段と、前記冷却手段により排気ガスが冷却されることで生成する凝縮物を溜める空間とが設けられていることを特徴とする半導体製造装置を構成する。
【0014】
また、本発明は、請求項2に記載のように、
前記サイレンサは、前記サイレンサの外壁を構成する外筒と、前記外筒の内部を第1の空間と第2の空間とに分ける仕切板と、前記排気ポンプから排出されたガスを前記外筒内部の前記第1の空間に流入させる排気ガス入り口と、前記第1の空間と前記第2の空間とに連通し前記仕切板を貫通して設けられる第1の内管と、前記第2の空間に連通すると共に前記第2の空間に流入したガスを外部に流出させる排気ガス出口を構成する第2の内管と、を有し、前記冷却手段は前記外筒内部に設けられ、前記凝縮物を溜める空間は、前記第1の空間と前記第2の空間とにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体製造装置を構成する。
【0015】
また、本発明は、請求項3に記載のように、
前記サイレンサは、前記サイレンサの外壁を構成する外筒と、前記外筒の内部を第1の空間と第2の空間とに分ける仕切板と、前記排気ポンプから排出されたガスを前記外筒内部の前記第1の空間に流入させる排気ガス入り口と、前記第1の空間と前記第2の空間とに連通し前記仕切板を貫通して設けられる第1の内管と、前記第2の空間に連通すると共に前記仕切板と前記第1の空間を貫通して設けられ前記第2の空間に流入したガスを外部に流出させる排気ガス出口を構成する第2の内管と、を有し、前記冷却手段は前記外筒内部に設けられ、前記凝縮物を溜める空間は、前記第1の空間と前記第2の空間とにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体製造装置を構成する。
また、本発明は、請求項4に記載のように、
前記冷却手段は前記第1の内管に設けられることを特徴とする請求項2または3に記載の半導体製造装置を構成する。
また、本発明は、請求項5に記載のように、
前記冷却手段は前記第1の内管および第2の内管に設けられることを特徴とする請求項2または3に記載の半導体製造装置を構成する。
また、本発明は、請求項6に記載のように、
前記冷却手段は前記第1の内管、第2の内管および外筒に設けられることを特徴とする請求項2または3に記載の半導体製造装置を構成する。
また、本発明は、請求項7に記載のように、
基板を処理する反応室と、前記反応室内を排気する排気ポンプと、前記排気ポンプから排出されたガスを通過させることで前記排気ポンプの排気音を消音するサイレンサとを有し、前記サイレンサには、前記サイレンサ内を流れる排気ガスを冷却する冷却手段と、前記冷却手段により排気ガスが冷却されることで生成する凝縮物を溜める空間とが設けられている半導体製造装置により、常温常圧で液体である原料を気化させたガスを用いて基板を処理することを特徴とする半導体製造方法を構成する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を実例によって説明するが、本発明はこれに限られるものではない。
[実施の形態1]
本発明の実施の形態の一例を図1に示す。図において、10は基板を処理する反応室であり、3は反応室10内を排気する排気ポンプであり、1は排気ポンプ3が排出する排気ガスを冷却し該冷却によって生成する凝縮物を回収するトラップ冷却部であり、トラップ冷却部1は、図に示したように、排気ポンプ3の下流すなわち流体流出側に設けられている。11は反応室を排気ポンプ3によって排気するための配管であり、4は排気ポンプ3からトラップ冷却部1に到る排気ガスの流路を形成する排気導入管であり、6は排気導入管4の中間部に設けられた仕切弁である。5はトラップ冷却部1から排気ガスを排出し、必要に応じて除害装置を経由して、大気に放出するための排気排出管であり、7は排気排出管5の中間部に設けられた仕切弁である。2はトラップ冷却部1において回収された凝縮物を収納するトラップタンク部であり、トラップ冷却部1とトラップタンク部2とが請求項2に記載のトラップを構成している。8はトラップ冷却部1内あるいはトラップタンク部2内の凝縮物を目視することを可能とする窓である。9はトラップ(トラップ冷却部1とトラップタンク部2とが一体化したもの)の脱着や移動を容易にするためにトラップタンク部2の下に取付けられた車輪である。
【0017】
図1に示した半導体製造装置においては、反応室10内の気体は配管11を通して(図中実線矢印の方向に)排気ポンプ3によって排気される。排気ポンプ3から排出される排気ガスは排気導入管4中を(実線矢印の方向に)流れてトラップ冷却部1に達する。トラップ冷却部1の内部は、冷却水によって、トラップ冷却部1内部を通過する排気ガスを冷却するようになっており、排気ガス中の未反応原料や副生成物の凝縮が効率よく起こるようになっている。このように、排気ガス中の未反応原料や副生成物の凝縮が効率よく起こる場所を設けることによって、この場所以外での排気ガス中の未反応原料や副生成物の凝縮を起こりにくくし、排気ポンプ3の排気側での凝縮物による詰まりを防ぐことができる。また、排気ポンプ3内に溜る凝縮物の量も減少するので、これによって、排気ポンプ3の寿命が長くなる。
【0018】
トラップ冷却部1によって、凝縮成分の含有率を大幅に下げられた排気ガスは、仕切弁7を通って(図中白矢印の方向に)流れ、そのまま、あるいは除害装置を通して、大気中に排出される。
【0019】
さらに、図1に示した半導体製造装置においては、トラップ冷却部1で凝縮した物質を回収するためのタンク(トラップタンク部2)を設け、凝縮物を(図中点線矢印の方向に)移動させ、流路詰まりの原因とはならない場所(トラップタンク部2内)に収納する。窓8に凝縮物(多くの場合に液体)が達した時点でメンテナンス(トラップ冷却部1内及びトラップタンク部2内の凝縮物を外部に取り出す操作)を行うこととする。このメンテナンスの際に、トラップ(トラップ冷却部1とトラップタンク部2とが一体化したもの)を外す際には、排気ポンプを停止し、トラップ冷却部1内及びトラップタンク部2内を大気に触れさせないように上記仕切弁6、7を閉め、接続部より取り外す。新しいトラップを取り付ける場合は、上記仕切弁6、7は開けて取り付け後排気ポンプを動作させる。従って、排気ポンプ3本体は交換をせずにトラップ(トラップ冷却部1とトラップタンク部2とが一体化したもの)のみを交換することになり、費用を軽減することができる。また、トラップタンク部2の容量を大きくすれば、その分だけ、メンテナンスの周期を長くすることができ、経費を削減することができる。
【0020】
また、図1に示した半導体製造装置においては、トラップ冷却部1及びトラップタンク部2の空間を閉鎖及び開放する一対の仕切弁6、7を備えることによって、トラップ冷却部1内及びトラップタンク部2内の物質を大気に触れさせることなく回収できるので、作業の安全性及び作業効率の向上と再生利用可能な物質の回収が可能となる。すなわち、トラップタンク部2内に溜まった凝縮物は、大気中の水分や酸素等と反応せずに回収できるため、その凝縮物から原料(たとえばペンタエトキシタンタル)を回収、精製して再利用することも可能である。上述した液体原料は、一般的に高価なものが多いため、効率よく排気され、回収された物質を再生利用することは、原料のコスト低下にも繋がる。また、このような効率のよい凝縮物の回収は、除害装置の負担の軽減にも役立つ。
【0021】
なお、本実施の形態において、配管11の中間部に、従来技術において使用されているトラップ(たとえば、図5における52)を設けてもよい。
[実施の形態2]
つぎに、本発明の実施の形態の他の例を説明する。本実施の形態においては、本発明に係るトラップがサイレンサとしての機能を具備していることを特徴とする。すなわち、本実施の形態における本発明に係るトラップは、トラップとしての機能とサイレンサとしての機能とを兼備しており、トラップとしての機能を具備しているサイレンサでもある。なお、本実施の形態において、本発明に係るトラップ以外の構成要素としては、従来技術(図5参照)において用いられているものを用いてよい。すなわち、本実施の形態は、図5に示した従来技術の形態におけるサイレンサ57を、下記のトラップ(図2に示す)で置き換えたものに相当する。この場合に、従来技術においては必要であったトラップ52は、回収タンク53と共に、必ずしも必要ではなくなる。トラップ52及び回収タンク53を使用しない場合には、本実施の形態における装置の全容積を、図5に示した従来技術における装置の全容積よりも小さくすることが可能となり、実用上好都合である。
【0022】
本実施の形態におけるトラップの一例を図2に示す。図中、20は本実施の形態におけるトラップであり、21はトラップ20の外壁を構成する外筒であり、外筒21の内部は、仕切板22によって、第1の空間23と第2の空間24とに分けられている。さらに、外筒21の内部には、仕切板22を貫通して、第1の内管25と第2の内管26とが設けられ、第2の内管26の一端は排気ガス出口27となっている。28は外筒21の側面に設けられた排気ガス入り口である。
【0023】
排気ポンプ(たとえば、図5における56)から排出される排気ガスは、排気ガス入り口28からトラップ20内に流入し、図中の実線矢印の方向に沿ってトラップ20内を流れ、排気ガス出口27からトラップ20外に流出する。このように、トラップ20内部における排気ガスの流れは従来技術におけるサイレンサ(たとえば、図6に示したもの)と同様であり、トラップ20はサイレンサとしての機能も具備している。
【0024】
トラップ20が従来技術におけるサイレンサと異なる点は、第1の内管25が二重管構造を有し、径大の管と径小の管との間の空間に冷却水を流すことができるようになっている点である。この冷却水によって第1の内管25は冷却され、排気ガス中の未反応原料や副生成物を凝縮させる。すなわち、第1の内管25はトラップ機能を発揮する。このトラップ機能によって生成した凝縮物は第1の空間23の底部あるいは第2の空間24の底部に溜る。排気ガス入り口28から流入した排気ガスは最初に第1の空間23において第1の内管25に触れるので、凝縮の大部分は第1の空間23において起こり、多くの凝縮物は第1の空間23の底部に溜る。図2においては、凝縮物を「液化したPETa」として例示してある。原料としてPETaを使用した場合には、排気ガス出口27からトラップ20外に流出する排気ガスにはほとんどPETaが含まれていない。
【0025】
トラップ機能をさらに高める方法としては、図3に示したように、水冷している第1の内管25にフィン31を設けてガスを冷却する面積を増加させる方法や、外筒21や第2の内管26も水冷する方法などがある。また、外筒21内部に、第1の内管25あるいは第2の内管26とは別の冷却手段、たとえば、内部に冷却水を流すことができる蛇管を設けることもトラップ機能を高める方法として有効である。
【0026】
トラップ20内の凝縮物は、図2に示したように、第1の空間23の底部あるいは第2の空間24の底部に溜り、その量が一定限度を超えると、排気ガスの流れの障害となるので、その場合にはメンテナンスが必要となる。第1の空間23の底部あるいは第2の空間24の底部(特に、凝縮物の大部分が溜る第1の空間23の底部)の容積を大きくしておけば、その分だけメンテナンスの周期を長くすることができる。このように、メンテナンスの周期を長くして、排気ポンプ(たとえば、図5における56)の定期的(たとえば2年に1回の)オーバーホールの際に、メンテナンスも併せて行うだけで足りるようにすれば、有害物質対策設備が完備した場所において、HClやHFなどの危険なガスを溜めている可能性のあるトラップ20のメンテナンスを安全確実に行うことができる。
【0027】
本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、外筒21に、上記凝縮物の目視を可能とする窓を設けておけば、上記メンテナンスの時期を知る上で好都合である。
【0028】
さらに、図4に示したように、トラップ20の底部に凝縮物排出口29を設け、凝縮物排出口29を、凝縮物を溜める回収タンク41の凝縮物流入口42に連結し、トラップ20内で生成した凝縮物を回収タンク41に収納するようにすれば、上記メンテナンスの周期を飛躍的に長くすることができる。この場合に、トラップ20と回収タンク41とが凝縮物排出口29と凝縮物流入口42とを介して一体化したものが、請求項2に記載のトラップに該当する。上記メンテナンスに際して、トラップ20内の排気ガスの流れに支障が生じていないかぎり、回収タンク41のみを新しいものと交換するだけで足りるので、好都合である。さらに、回収タンク41に凝縮物の目視を可能とする窓を設けておけば、回収タンク41の交換の時期を知る上で好都合である。
【0029】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の実施によって、基板を処理する反応室と前記反応室内を排気する排気ポンプとを備えた半導体製造装置において、装置のダウンタイムの短縮と装置運営コストの低減と排気ポンプの寿命向上とを可能とする半導体製造装置とそれを用いた半導体製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例に係る半導体製造装置の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態2におけるトラップの構成図である。
【図3】本発明の実施の形態2におけるトラップの内管の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態2におけるトラップの一例を示す図である。
【図5】従来技術における半導体製造装置の構成図である。
【図6】従来技術におけるサイレンサの内部構造を示す図である。
【符号の説明】
1…トラップ冷却部、2…トラップタンク部、3…排気ポンプ、4…排気導入管、5…排気排出管、6、7…仕切弁、8…窓、9…車輪、10…反応室、11…配管、20…トラップ、21…外筒、22…仕切板、23…第1の空間、24…第2の空間、25…第1の内管、26…第2の内管、27…排気ガス出口、28…排気ガス入り口、29…凝縮物排出口、31…フィン、41…回収タンク、42…凝縮物流入口、51…反応室、52…トラップ、53…回収タンク、54…配管、55…ポンプユニット、56…排気ポンプ、57…サイレンサ、58…排気管、61…外筒、62…仕切板、63…第1の空間、64…第2の空間、65…第1の内管、66…第2の内管、67…排気ガス出口、68…排気ガス入り口。

Claims (7)

  1. 基板を処理する反応室と、前記反応室内を排気する排気ポンプと、前記排気ポンプから排出されたガスを通過させることで前記排気ポンプの排気音を消音するサイレンサとを有し、前記サイレンサには、前記サイレンサ内を流れる排気ガスを冷却する冷却手段と、前記冷却手段により排気ガスが冷却されることで生成する凝縮物を溜める空間とが設けられていることを特徴とする半導体製造装置。
  2. 前記サイレンサは、前記サイレンサの外壁を構成する外筒と、前記外筒の内部を第1の空間と第2の空間とに分ける仕切板と、前記排気ポンプから排出されたガスを前記外筒内部の前記第1の空間に流入させる排気ガス入り口と、前記第1の空間と前記第2の空間とに連通し前記仕切板を貫通して設けられる第1の内管と、前記第2の空間に連通すると共に前記第2の空間に流入したガスを外部に流出させる排気ガス出口を構成する第2の内管と、を有し、前記冷却手段は前記外筒内部に設けられ、前記凝縮物を溜める空間は、前記第1の空間と前記第2の空間とにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体製造装置。
  3. 前記サイレンサは、前記サイレンサの外壁を構成する外筒と、前記外筒の内部を第1の空間と第2の空間とに分ける仕切板と、前記排気ポンプから排出されたガスを前記外筒内部の前記第1の空間に流入させる排気ガス入り口と、前記第1の空間と前記第2の空間とに連通し前記仕切板を貫通して設けられる第1の内管と、前記第2の空間に連通すると共に前記仕切板と前記第1の空間を貫通して設けられ前記第2の空間に流入したガスを外部に流出させる排気ガス出口を構成する第2の内管と、を有し、前記冷却手段は前記外筒内部に設けられ、前記凝縮物を溜める空間は、前記第1の空間と前記第2の空間とにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体製造装置
  4. 前記冷却手段は前記第1の内管に設けられることを特徴とする請求項2または3に記載の半導体製造装置
  5. 前記冷却手段は前記第1の内管および前記第2の内管に設けられることを特徴とする請求項2または3に記載の半導体製造装置
  6. 前記冷却手段は前記第1の内管、前記第2の内管および前記外筒に設けられることを特徴とする請求項2または3に記載の半導体製造装置
  7. 基板を処理する反応室と、前記反応室内を排気する排気ポンプと、前記排気ポンプから排出されたガスを通過させることで前記排気ポンプの排気音を消音するサイレンサとを有し、前記サイレンサには、前記サイレンサ内を流れる排気ガスを冷却する冷却手段と、前記冷却手段により排気ガスが冷却されることで生成する凝縮物を溜める空間とが設けられている半導体製造装置により、常温常圧で液体である原料を気化させたガスを用いて基板を処理することを特徴とする半導体製造方法。
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