JP4390497B2 - エルボ継手 - Google Patents

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本発明は、第一粉体搬送筒の端部を連通状態に取付自在な第一取付部と、第二粉体搬送筒の端部を連通状態に取付自在な第二取付部とを備えると共に、前記両取付部に各別に取り付けた前記第一粉体搬送筒と第二粉体搬送筒とを連通させる粉体搬送屈曲流路を内部に備えたエルボ継手本体を設けてあるエルボ継手に関する。
従来、この種のエルボ継手としては、「L」字形状のパイプで、エルボ継手本体を構成してあり、パイプの両端部にフランジからなる第一取付部と第二取付部が設けてあり、例えば、パイプやホース等で構成した第一・第二粉体搬送筒の端部のフランジと、前記各取付部のフランジとをボルト接合することで、両粉体搬送筒どうしを屈曲状態に連結できるように構成してあるものがあった。
尚、この様な従来技術に関しては、先行技術調査を行うまでもなく、当業者の間で広く知られているものであることから、先行技術文献は示していない。
上述した従来のエルボ継手によれば、例えば、第一粉体搬送筒から第二粉体搬送筒に粉体が搬送される際に、エルボ継手本体内の屈曲流路内周壁面に粉体が付着し易く、搬送を継続するに伴って壁面に付着した粉体が層を成して成長し、流路断面積が著しく小さくなったり、最終的には流路を閉塞してしまう危険性がある。
従って、頻繁にエルボ継手を取り外して、内周壁に付着した粉体を取り除く等のメンテナンスを行う必要性があり、維持管理に非常に手間が掛かると言った問題点があった。
このような問題点を解消するために、図3に示すようなエルボ継手を考えたが、結果的には、流路の閉塞は防止できるものの、メッシュ体の目詰まりによって搬送量が安定し難いものであった。この提案品は、エルボ継手本体4内の屈曲流路R3を構成する流路壁7をメッシュ体で形成し、その屈曲流路R3の外周側に密閉空間Vを形成すると共に、その密閉空間Vに空気K3を吹き込み自在な空気吹き込み口8を設け、吹き込んだ空気K3を流路壁7を通して屈曲流路R3内に吹き出すように構成したものであった。
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、内空部に粉体が詰まり難く、且つ、安定した空気搬送が実施でき、維持管理に手間が掛かり難いエルボ継手を提供するところにある。
請求項1の発明の特徴構成は、第一粉体搬送筒の端部を連通状態に取付自在な第一取付部と、第二粉体搬送筒の端部を連通状態に取付自在な第二取付部とを備えると共に、前記両取付部に各別に取り付けた前記第一粉体搬送筒と第二粉体搬送筒とを連通させる粉体搬送屈曲流路を内部に備えたエルボ継手本体を設けてあるエルボ継手において、前記粉体搬送屈曲流路の流路屈曲部に粉体搬送気体を送り込み自在な送気筒の端部を連通状態に取付自在な第三取付部を前記エルボ継手本体に設けると共に、前記第三取付部に取り付けた前記送気筒を前記粉体搬送屈曲流路に連通させる送気流路を、その流路方向が前記粉体搬送屈曲流路の屈曲下手側流路方向に沿う状態で前記エルボ継手本体内に設け、前記粉体搬送屈曲流路と前記送気流路との流路壁に流路径方向に沿って貫通する多数の挿通孔を設け、前記流路壁の外周側に、前記各挿通孔を通して前記粉体搬送屈曲流路と連通する密閉空間を形成し、前記密閉空間に外部から気体を吹き込み自在な気体吹き込み口を、前記エルボ継手本体に設けてあるところにある。
請求項1の発明の特徴構成によれば、第一取付部に第一粉体搬送筒を取り付けると共に、第二取付部に第二粉体搬送筒を取り付け、更には、第三取付部に送気筒を取り付け、気体吹き込み口から前記密閉空間内に気体を吹き込める状態にするだけで、従来なら、搬送粉体が流路壁に付着して屈曲流路を閉塞してた問題点を、著しく改善することが可能となった。
本件の作用効果を説明する前に、流路壁への搬送粉体の付着について説明すると、第一粉体搬送筒からエルボ継手本体に送られてきた粉体は、屈曲流路によってその進路が変更される訳であるが、その際、粉体は流路屈曲部の流路壁に強く突き当たり、付着しやすい状態となる。そして、一度、粉体が付着すると、後は、その付着部分が抵抗となり、後続の粉体が次々と重なって、遂には屈曲流路を閉塞するまでにいたる。
本発明の特徴構成によれば、この様な状況下で、気体吹き込み口から密閉空間に吹き込まれた気体が、流路壁の挿通孔を通して粉体搬送屈曲流路内に流入しながら付着しようとする粉体を流路壁から浮かす作用と、送気筒から送気流路に送り込まれた気体が、流路壁の流路屈曲部に滞留しようとする粉体を速やかに第二粉体搬送筒へと送り出す作用との協同作用により、流路壁に搬送粉体が非常に付着し難くなるのである。
その結果、従来であれば、エルボ継手を取り外して、内部を閉塞している粉体を除去したり、流路壁面を清掃したりすると言った手間をかけていたものが、殆ど皆無に近い状態にすることが可能となり、メンテナンス手間の軽減を図ることができるようになった。それに伴って、粉体搬送を停止させる頻度も低下し、効率の良い粉体搬送を実現することが可能となる。
請求項2の発明の特徴構成は、前記挿通孔は、その孔径寸法を、搬送対象の粉体粒径より小さく設定してあるところにある。
請求項2の発明の特徴構成によれば、請求項1の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、粉体搬送屈曲流路内を搬送されて行く粉体が、挿通孔から前記密閉空間に漏れ出るのを防止でき、よりメンテナンス手間の軽減を図ることが可能となる。
請求項3の発明の特徴構成は、前記流路壁は、複数の金属メッシュを重ね合わせた状態に一体化して形成してあるところにある。
請求項3の発明の特徴構成によれば、請求項1又は2の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、細かい孔径寸法の挿通孔を、比較的バラツキ少ない状態で作ることが可能で、且つ、製法自体も簡単なものを採用できるので、品質・経済性共に優れたエルボ継手を提供することが可能となる。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示している。
図1、図2は、本発明のエルボ継手の一実施形態品(以後、単にエルボという)Lを示すものである。
前記エルボLは、例えば、微粒子から構成された付着性の高い粉体(例えば、カーボンブラックや、シリカヒューム等)1を搬送する粉体搬送流路Rの一部に取り付けてあり、粉体搬送流路Rの上手側に配置された第一筒(第一粉体搬送筒に相当)P1と、その第一筒P1とほぼ直角の角度で流路下手側に配置された第二筒(第二粉体搬送筒に相当)P2とを連結するのに用いられている。
尚、前記粉体1の搬送は、空気(粉体搬送気体に相当)K1と共に前記粉体搬送流路R内を送られる所謂「空気搬送」によって実施されるようになっている。そして、前記第一筒P1、第二筒P2は、それぞれ、例えば、合成樹脂製や金属製のパイプ(又はホース)で構成されており、端縁部には、前記エルボLとの連結用のフランジ部2が形成してある。このフランジ部2には、周方向に間隔をあけて複数のボルト挿通孔hが形成してあり、後述するエルボLのフランジ部3と突き合わして、夫々のボルト挿通孔hに連結ボルトBを挿通させて締結することで密閉状態に連結することができるものである。
しかしながら、エルボLに関しては、特に、搬送方向がほぼ直角方向に曲がることから、エルボL内周面には粉体1が強く衝突することが避けられず、その部分に粉体が一度付着すると、後続の粉体1がその上に更に付着し、粉体魂が成長して閉塞してしまう危険性が高い。
前記エルボLは、第一筒P1のフランジ部2と連結自在な第一フランジ部(第一取付部に相当)3Aと、第二筒P2のフランジ部2と連結自在な第二フランジ部(第二取付部に相当)3Bと、後述する送気筒P3のフランジ部2と連結自在な第三フランジ部(第三取付部に相当)3Cとを備えると共に、前記両フランジ部3A,3Bに各別に取り付けた前記第一筒P1と第二筒P2とを連通させる粉体搬送屈曲流路(以後、単に屈曲流路という)R3と、送気筒P3と前記屈曲流路R3とを連通させる送気流路Sとを内部に備えたエルボ継手本体4を設けて構成してある。
因みに、図中のR1は、第一筒P1内の粉体搬送流路であり、R2は、第二筒P2内の粉体搬送流路である。
尚、当該エルボLと、送気筒P3との連結に関しては、前記第一筒P1や第二筒P2とのフランジ連結と同様に実施することができるように構成されている。具体的には、第三フランジ部3Cに対して、送気筒P3のフランジ部2とを合わせてボルト連結してある。
前記エルボ継手本体4は、金属製の密閉外殻ケース5を設け、その密閉外殻ケース5内に、金属メッシュ積層体6を流路壁7とした前記屈曲流路R3と送気流路Sとを貫通状態に設け、それら各流路の端部に該当する前記各フランジ部を各別に形成して構成されている。従って、各流路壁7と密閉外殻ケース5との間には、密閉空間Vが形成されている。
前記密閉外殻ケース5は、本実施形態においてはステンレス鋼によって形成してあり、図に示すような直方体ボックス形状に構成してある。そして、前記密閉外殻ケース5の両側壁部には、前記密閉空間Vに外部から空気(気体の一例)K3を吹き込み自在な吹き込み口(気体吹き込み口に相当)8をそれぞれ形成してある。この吹き込み口8にコンプレッサー(不図示)からのホースを連結して空気K3を前記密閉空間Vに吹き込むことで、その空気K3は、前記流路壁7を通して前記屈曲流路R3内に流入し、流路壁7の内周面に搬送粉体1が付着し難くすることが可能となる。
前記流路壁7は、前述の通り、複数枚の金属メッシュを積層一体化して形成した金属メッシュ積層体6によって構成してある。各金属メッシュは、本実施形態においてはステンレス鋼によって構成されている。従って、金属メッシュ積層体6によって構成してある流
路壁7は、一枚のメッシュで構成するものに比べて高強度に仕上がっており、流路の保形性が向上している。また、流路壁7には、各メッシュ孔が壁厚み方向に連通しているから、流路径方向に沿って貫通する挿通孔9が多数設けられていることになる。本実施形態においては、前記挿通孔9の孔径は、概ね5μm程度に設定されている。一方、当該粉体搬送流路Rを空気搬送される粉体1は、平均粒径が10μm程度以上に設定されたものであり、前記挿通孔9を通して流路内から前記密閉空間Vに粉体1が漏出することは防止されている。
尚、前記金属メッシュ積層体6は、屈曲流路R3の流路壁7に用いられている他、前記送気流路Sの流路壁10にも同様に使用されている。
前記送気流路Sは、前記密閉外殻ケース5内で、その流路方向が前記屈曲流路R3の屈曲下手側流路方向(即ち、第二筒P2の流路方向)に沿う状態で、前記屈曲流路R3に合流させてある。そして、前記送気筒P3から送られる空気K2を、屈曲流路R3に合流させることで、前記流路壁7の内周面に搬送粉体1が付着し難くすると共に、速やかに、粉体搬送流路Rの下手側に送り出すことが可能となり、エルボ内での粉体付着を継続的に防止することが可能となる。
そして、本実施形態のエルボによれば、上述の送気流路Sを通した屈曲流路R3への空気K2による効果と、前記吹き込み口から前記挿通孔9を通した屈曲流路R3への空気K3による効果とが相まって、より詰まり難いエルボを構成することが可能となっている。その結果、流路のメンテナンスの頻度を低下させることができると共に、エルボ部分のメンテナンスそのものも非常に手間が掛からなくなった。
尚、粉体搬送をスムースに実施できるようにするためには、前記各空気K1,K2,K3の送風圧は、K1:K2:0〜0.25MPa、K3:0.3MPa以上のように設定するのが好ましい。
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
〈1〉 当該エルボ継手を使用して搬送される粉体1は、先の実施形態で説明したカーボンブラックやシリカヒュームに限るものではなく、例えば、他の付着性の高い粉体であってもよく、それらを総称して粉体という。
〈2〉 前記第一,第二,第三の各取付部3A,3B,3Cは、先の実施形態で説明したフランジ部で構成されたものに限るものではなく、例えば、ネジ継手や、嵌合継手や、係止継手等、様々な対応が可能で、それらを含めて取付部と言う。
〈3〉 前記流路壁7は、先の実施形態で説明したように複数の金属メッシュを重ねて一体化して形成されたものに限るものではなく、要するに、流路内外に貫通する挿通孔9が多数形成されてあればよい。
〈4〉 前記粉体搬送気体K1や、送気筒P3から吹き込む気体K2や、挿通孔9を通して屈曲流路R3に吹き出す空気K3は、先の実施形態で説明した唯の空気に限るものではなく、例えば、不活性ガス等の気体であってもよく、要するに、搬送粉体を効率よく搬送することができ、且つ、搬送粉体との間で化学反応が生じ難いものであればよい。
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
エルボ継手を示す側面視断面図 エルボ継手を示す流路下手側から見た一部切欠き説明図 提案された比較例のエルボ継手を示す側面視断面図
符号の説明
3A 第一フランジ部(第一取付部に相当)
3B 第二フランジ部(第二取付部に相当)
3C 第三フランジ部(第三取付部に相当)
4 エルボ継手本体
7 流路壁
8 吹き込み口(気体吹き込み口に相当)
9 挿通孔
K1 空気(粉体搬送気体に相当)
K3 空気(気体の一例)
P1 第一筒(第一粉体搬送筒に相当)
P2 第二筒(第二粉体搬送筒に相当)
P3 送気筒
R3 粉体搬送屈曲流路
S 送気流路
V 密閉空間

Claims (3)

  1. 第一粉体搬送筒の端部を連通状態に取付自在な第一取付部と、第二粉体搬送筒の端部を連通状態に取付自在な第二取付部とを備えると共に、前記両取付部に各別に取り付けた前記第一粉体搬送筒と第二粉体搬送筒とを連通させる粉体搬送屈曲流路を内部に備えたエルボ継手本体を設けてあるエルボ継手であって、
    前記粉体搬送屈曲流路の流路屈曲部に粉体搬送気体を送り込み自在な送気筒の端部を連通状態に取付自在な第三取付部を前記エルボ継手本体に設けると共に、前記第三取付部に取り付けた前記送気筒を前記粉体搬送屈曲流路に連通させる送気流路を、その流路方向が前記粉体搬送屈曲流路の屈曲下手側流路方向に沿う状態で前記エルボ継手本体内に設け、
    前記粉体搬送屈曲流路と前記送気流路との流路壁に流路径方向に沿って貫通する多数の挿通孔を設け、前記流路壁の外周側に、前記各挿通孔を通して前記粉体搬送屈曲流路と連通する密閉空間を形成し、前記密閉空間に外部から気体を吹き込み自在な気体吹き込み口を、前記エルボ継手本体に設けてあるエルボ継手。
  2. 前記挿通孔は、その孔径寸法を、搬送対象の粉体粒径より小さく設定してある請求項1に記載のエルボ継手。
  3. 前記流路壁は、複数の金属メッシュを重ね合わせた状態に一体化して形成してある請求項1又は2に記載のエルボ継手。
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