JP4389695B2 - 内燃機関の燃料分留装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料を軽質燃料と重質燃料とに分留する内燃機関の燃料分留装置に関する。
排気管の熱を利用して燃料を液相と気相とに分離し、分離した気相の燃料を還元剤としてNOx吸収剤に添加する装置が知られている(特許文献1参照)。また、分留室にて燃料を軽質分と重質分とに分留し、この軽質分及び重質分によって燃焼室内における混合気の形成を早めさせる装置が知られている(特許文献2参照)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献3が存在する。
特許第3093905号公報 特開2001−193525号公報 特許第2850547号公報
従来の装置では気相燃料の温度又は液相燃料の温度のみで分留を制御しているが、一方の温度のみでは気相燃料の性状を精度良く管理し難い。
そこで、本発明は、分留により生成される気相燃料の性状を精度良く管理できるとともに気相燃料の収率を向上させることが可能な内燃機関の燃料分留装置を提供することを目的とする。
本発明の内燃機関の燃料分留装置は、内燃機関の燃料供給系統に接続され、供給された燃料を気相と液相とに分留する分留部と、前記分留部に供給する燃料の流量を調整する流量調整手段と、を備えた内燃機関の燃料分留装置において、前記分留部における気相燃料の温度を検出する気相燃料温度検出手段と、前記分留部における液相燃料の温度を検出する液相燃料温度検出手段と、前記液相燃料温度検出手段により検出された液相燃料温度と前記気相燃料温度検出手段により検出された気相燃料温度との温度差に基づいて前記流量調整手段から供給される燃料流量を補正する流量補正手段と、を備えたことにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
気相燃料温度検出手段により検出された気相燃料温度(気相燃料温度検出値)が低い場合には、例えば、実際の気相燃料の温度が低いために気相燃料温度検出値が低い場合と、実際の気相燃料の温度は高いのだが気相燃料が少量であるため気相燃料温度検出手段の熱容量によって気相燃料温度検出値が低く検出される場合とがある。このような場合における燃料流量の補正としては、例えば、実際の気相燃料の温度が低い場合には気相燃料の温度を上昇させるために燃料流量を減少させる。一方、気相燃料が少量であるために気相燃料温度検出値が低い場合には気相燃料を増加させるために燃料流量を増加させる。液相燃料温度検出手段により検出された液相燃料温度(液相燃料温度検出値)のみで燃料流量を補正する場合、気相燃料の温度を参照していないので、気相燃料が実際に生成されているか否か判断できない。そのため、燃料流量を誤って補正するおそれがある。本発明の内燃機関の燃料分留装置によれば、気相燃料温度検出値と液相燃料温度検出値とを利用して燃料流量を補正するので、燃料流量の補正を適切に実施することができる。また、気相燃料の温度と液相燃料の温度との温度差に基づいて燃料流量を補正するので、分留部に供給すべき燃料流量を精度良く補正することができる。そのため、気相燃料の性状を精度良く管理することができる。
本発明の内燃機関の燃料分留装置は、前記流量補正手段は、前記液相燃料温度から前記気相燃料温度を引いた温度差の拡大に応答して前記分留部に供給する燃料流量を減少させてもよい(請求項2)。分留部に供給する燃料流量を減少させることによって、燃料の気化率を増加させることができる。この気化率の増加は、気相燃料の温度を上昇させるので、温度差を縮小させる。このように温度差を縮小させ、気相燃料の温度と液相燃料とがほぼ同様な温度で推移するように燃料流量を調整することにより、確実に気相燃料を生成させることができる。そのため、気相燃料の収率を向上させることができる。
本発明の内燃機関の燃料分留装置において、前記流量補正手段は、前記液相燃料温度検出手段により検出された液相燃料温度が燃料分留時における液相燃料の目標温度域の上限値を超えると判断した場合、前記分留部に供給する燃料流量を増加させてもよい(請求項3)。分留部に供給される燃料の流量が減少すると燃料の気化率は増加するが、気相燃料の絶対量が減少する。この場合、例えば気相燃料温度検出手段の熱容量の影響で、気相燃料温度検出手段の検出値が低下する場合がある。この際、気相燃料の温度を上昇させるために分留部に供給する燃料流量を低下させると更に液相燃料温度が上昇し、高沸点の重質な成分が気相燃料に混入するおそれがある。そこで、液相燃料の温度が目標温度域の上限値を超えると判断した場合は、燃料流量を増加させて高沸点の重質な成分の気化を抑制し、気相燃料の重質化を防止する。
本発明の内燃機関の燃料分留装置において、前記流量補正手段は、前記気相燃料温度検出手段により検出された気相燃料温度が燃料分留時における気相燃料の目標温度域の下限値未満の状態が所定の判定期間以上継続していると判断した場合、前記分留部への燃料の供給を停止させてもよい(請求項4)。このように気相燃料温度が燃料分留時における気相燃料の目標温度域の下限値未満の場合には、目標温度域にて生成される目標性状の気相燃料よりも軽質な気相燃料が生成されるため、気相燃料の性状が目標性状よりも軽質化するおそれがある。そこで、このような場合には分留部への燃料供給を停止させ、気相燃料の軽質化を抑制する。
本発明の内燃機関の燃料分留装置において、前記流量補正手段は、前記気相燃料温度検出手段により検出された気相燃料温度が燃料分留時における気相燃料の目標温度域の上限値よりも高いと判断し、かつ前記分留部に供給する燃料流量として前記流量調整手段が調整可能な流量の上限値よりも大きい値が設定される場合、前記分留部への燃料の供給を停止させてもよい(請求項5)。このような状態で分留を実施した場合、高沸点の重質な燃料も気化して気相燃料に混入し、気相燃料の性状が重質化するおそれがある。そこで、このような場合には分留部への燃料供給を停止し、気相燃料の重質化を防止する。また、分留部における燃料の過熱を防止できるので、燃料の劣化を抑制し、燃料の酸化や分留部のコーキングを防止することができる。
以上に説明したように、本発明によれば、気相燃料の温度と液相燃料の温度との温度差に基づいて分留部に供給する燃料流量を補正しているので、誤った補正を防止しつつ燃料流量を精度良く補正することができる。そのため、気相燃料の性状を精度良く管理することができる。また、確実に気相燃料が生成されるように燃料流量を補正するので、気相燃料の収率を向上させることができる。
図1は、本発明の燃料分留装置を内燃機関としてのディーゼルエンジン1に適用した一形態を示している。エンジン1は車両に走行用動力源として搭載されるもので、そのシリンダ2には吸気通路3及び排気通路4が接続され、吸気通路3にはターボチャージャ5のコンプレッサ5a、吸気を冷却するインタークーラ6、吸気量調節用の絞り弁7が、排気通路4にはターボチャージャ5のタービン5b、排気浄化触媒8がそれぞれ設けられている。排気通路4と吸気通路3とはEGR通路9で接続され、EGR通路9にはEGRクーラ10が設けられている。
エンジン1には、燃料供給系統として燃料供給装置11が設けられている。燃料供給装置11は、シリンダ2に燃料を噴射するための燃料噴射弁12と、燃料噴射弁12に供給される高圧の燃料を蓄えるコモンレール13と、燃料タンク14と、燃料タンク14の燃料残量に対応した信号を出力する残量センサ15と、燃料タンク14からコモンレール13に燃料を供給する燃料ポンプ16とを備えている。燃料タンク14には、燃料タンク14内の圧力を調整するための大気連通管14aと、燃料タンク14の燃料(以下、原料燃料と記述することもある。)の温度に対応した信号を出力する原料燃料温度センサ17と、が設けられている。
また、エンジン1には、原料燃料を低沸点成分を多く含み軽質な気相燃料(以下、軽質燃料と記述することもある。)と高沸点成分を多く含み重質な液相燃料(以下、重質燃料と記述することもある。)とに分留する燃料分留装置18と、排気浄化触媒8の機能再生時等に排気浄化触媒8の上流側の排気通路4に軽質燃料及び原料燃料を添加する燃料添加装置19とが設けられている。
燃料分留装置18は、分留部としての分留通路20と、燃料タンク14から分留通路20に原料燃料を供給するための原料燃料ポンプ21と、分留通路20に供給する原料燃料の流量を調整する流量調整手段としての流量調整バルブ22と、分留通路20から分岐する気相通路23及び液相通路24と、分留された軽質燃料を貯留する軽質燃料タンク25と、軽質燃料タンク25に貯留されている軽質燃料量に対応した信号を出力する貯留量センサ26とを備えている。分留通路20には、分留通路20内の気相燃料の温度に対応した信号を出力する気相燃料温度検出手段としての気相燃料温度センサ27と、分留通路20内の液相燃料の温度に対応した信号を出力する液相燃料温度検出手段としての液相燃料温度センサ28とが設けられている。軽質燃料タンク25には、軽質燃料タンク25内の圧力を調整するための大気連通管25aと、軽質燃料タンク25内の軽質燃料の温度に対応した信号を出力する軽質燃料温度センサ29とが設けられている。また、燃料分留装置18には、原料燃料と軽質燃料とを熱交換させる第一の熱交換器30と、原料燃料と重質燃料とを熱交換させる第二の熱交換器31とが設けられている。なお、原料燃料ポンプ21で吸引された原料燃料のうち分留通路20に供給されなかった原料燃料は、原料燃料リターン通路21aを介して燃料タンク14に戻される。
分留通路20は、排気通路4の排気マニホールド4a内に配置されて供給された原料燃料を目標温度(例えば200〜250°C)まで昇温させる分留区間20aと、分留区間20aで気化した軽質燃料を気相通路23へ、液相のままの重質燃料を液相通路24へそれぞれ導く分岐部20bとを備えている。図2に、分岐部20bの構造の一例を拡大して示す。図2に示したように、気相通路23は分岐部20bから水平方向に延びるように分留通路20と接続され、液相通路24は分岐部20bから鉛直下方に延びるように分留通路20と接続されている。このように液相通路24を接続させ、重力によって重質燃料のみを液相通路24に導く。なお、気相通路23は軽質燃料タンク25と接続され、液相通路24は燃料タンク14に接続されている。そのため、重質燃料は燃料タンク14に導かれる。
燃料添加装置19は、軽質燃料を排気通路4に添加する軽質燃料添加インジェクタ32と、軽質燃料タンク25から軽質燃料添加インジェクタ32に軽質燃料を供給する軽質燃料供給ポンプ33と、原料燃料を排気通路4に添加する原料燃料添加インジェクタ34と、燃料タンク14から原料燃料添加インジェクタ34に原料燃料を供給する添加用原料燃料供給ポンプ35とを備えている。なお、軽質燃料ポンプ33で吸い上げられた軽質燃料のうち、排気通路4に添加されなかった分は、軽質燃料リターン通路32aを介して軽質燃料タンク25に戻される。
流量調整バルブ22の動作は、エンジンコントロールユニット(ECU)36により制御され、図3及び図4のルーチンを実行することによって流量調整バルブ22から分留通路20に供給すべき原料燃料量を設定する。ECU36は、エンジン1の運転状態を制御する周知のコンピュータユニットである。ECU36には、制御時に参照する種々のセンサが接続されている。例えば、排気マニホールド4a内の排気の温度に対応した信号を出力する排気温センサ37、気相燃料温度センサ27、液相燃料温度センサ28等が接続されている。図3及び図4のルーチンは、エンジン1の運転中に所定の周期で繰り返し実行される。
図3のルーチンにおいてECU36は、まずステップS1でエンジン1が運転状態であるか否かを判断する。エンジン1が運転状態であるか否かは、例えば不図示のエンジン回転角度センサの出力信号を参照して判断する。エンジン1が運転状態ではないと判断した場合は、今回のルーチンを終了する。一方、エンジン1が運転状態であると判断した場合はステップS2に進み、ECU36はエンジン1が暖機状態であるか否かを判断する。なお、本発明における暖機状態には、エンジン1の暖機を実施している状態及びエンジン1の暖機が完了した状態の両方の状態が含まれる。エンジン1が暖機状態であるか否かは、例えばエンジン1の冷却水温、排気温度等を参照して判断する。エンジン1が暖機状態ではないと判断した場合はステップS3に進み、ECU36は分留通路20に原料燃料が供給されても分留通路20における気相燃料の温度が気相燃料の目標温度域まで上昇せず、目標性状の気相燃料を回収し難い状態であることを示すフラグFglにフラグFglがオンの状態であることを示す1を代入する。その後、今回のルーチンを終了する。なお、気相燃料の目標温度域は上述した目標温度を基準に設定される。例えば、この目標温度にオフセットさせる分の温度を加えて目標温度域の上限値を設定し、目標温度からオフセットさせる分の温度を減じて目標温度域の下限値を設定する。オフセットさせる分の温度は、例えばエンジン1の仕様、燃料分留装置18の仕様、及び原料燃料の性状などに応じて適宜設定される。一方、エンジン1が暖機状態であると判断した場合はステップS4に進み、ECU36はエンジン1の運転状態が分留可能運転条件を満たしている(分留可能運転条件が成立している)か否かを判断する。分留可能運転条件としては、分留通路20に供給された原料燃料が確実に分留可能な温度まで昇温されるようなエンジン1の運転状態が設定される。分留可能運転条件が成立しているか否かは、例えばエンジン1の回転数、負荷を参照して判断される。この他、エンジン1の排気温度、冷却水温、分留通路20内の気相燃料、液相燃料の温度を参照して分留可能運転条件の成立を判断してもよい。
分留可能運転条件が成立していると判断した場合はステップS5に進み、ECU36は分留通路20にて気化した気相燃料の温度が気相燃料の目標温度域の上限値より高く、高沸点の重質な燃料も気化して気相燃料が重質化するおそれのある状態であることを示すフラグFghの値がフラグFghがオンの状態であることを示す1であるか、又はフラグFglの値が1であるか否かを判断する。フラグFghの値が1である又はフラグFglの値が1であると判断した場合はステップS6に進み、ECU36はエンジン1の回転数及び負荷に基づいて分留通路20に供給すべき燃料量(燃料供給量、Qv)を算出する。燃料供給量Qvは、例えばECU36にエンジン1の回転数及び負荷と燃料供給量Qvとの関係を示すマップを記憶させておき、このマップを参照して算出する。続くステップS7においてECU36は、フラグFgh及びフラグFglにゼロを代入する。その後ステップS8に進む。なお、ステップS4又はステップS5においてECU36が否定判断した場合もステップS8に進む。
ステップS8においてECU36は、気相燃料温度センサ27によって検出された気相燃料温度Tgが、分留通路20における気相燃料の目標温度域の上限値Tgcrhよりも高いか否かを判断する。気相燃料温度Tgが気相燃料の目標温度域の上限値Tgcrhよりも高いと判断した場合はステップS31に進み、ECU36はフラグFglにゼロを代入する。続くステップS9においてECU36はフラグFghの値が1であるか否か判断する。フラグFghの値が1であると判断した場合は今回のルーチンを終了する。一方、フラグFghの値が1でないと判断した場合はステップS10に進み、ECU36は燃料供給量Qvが、流量調整バルブ22が調整可能な流量の最大値(最大燃料供給可能量、Qvmax)以下であるか否か判断する。燃料供給量Qvが最大燃料供給可能量Qvmaxよりも多いと判断した場合はステップS11に進み、ECU36は燃料供給量Qvにゼロを代入する。続くステップS12においてECU36はフラグFghに1を代入する。その後、今回のルーチンを終了する。一方、ステップS10で燃料供給量Qvが最大燃料供給可能量Qvmax以下であると判断した場合はステップS13に進み、ECU36は燃料供給量Qvに対して増量補正を実施する。その後、今回のルーチンを終了する。なお、増量補正を実施する際の補正量は、一定でもよいし、分留に関するパラメータ(例えば気相燃料温度等)に応じて変化させてもよい。
ステップS8において気相燃料温度Tgが気相燃料の目標温度域の上限値Tgcrh以下であると判断した場合はステップS32に進み、ECU36はフラグFghにゼロを代入する。その後、図4のステップS14に進み、ECU36は気相燃料温度Tgが気相燃料の目標温度域の下限値Tgcrl未満であるか否か判断する。気相燃料温度Tgが気相燃料の目標温度域の下限値Tgcrl未満であると判断した場合はステップS15に進み、ECU36は気相燃料温度Tgが気相燃料の目標温度域の下限値Tgcrl未満である状態が一定期間(所定の判定期間)継続しているか否か判断する。一定期間としては、例えばこの期間以上原料燃料を分留させると軽質燃料タンク25内の軽質燃料が目標性状よりも軽質化するような期間が設定される。気相燃料温度Tgが気相燃料の目標温度域の下限値Tgcrl未満である状態が一定期間継続していると判断した場合はステップS16に進み、ECU36は燃料供給量Qvにゼロを代入する。続くステップS17においてECU36はフラグFglに1を代入する。その後、今回のルーチンを終了する。
ステップS15において気相燃料温度Tgが気相燃料の目標温度域の下限値Tgcrl未満である状態が一定期間継続していないと判断した場合はステップS18に進み、ECU36は液相燃料温度センサ28によって検出された液相燃料温度Tlが分留通路20における液相燃料の目標温度域の上限値Tlcrl未満であるか否かを判断する。液相燃料の目標温度域も気相燃料の目標温度域と同様に目標温度を基準にして設定される。そのため、液相燃料の目標温度域の上限値及び下限値は、目標温度にオフセットさせる分の温度を加える、又は減じることによって設定される。オフセットさせる分の温度は、例えばエンジン1の仕様、燃料分留装置18の仕様、及び原料燃料の性状などに応じて適宜設定される。液相燃料温度Tlが液相燃料の目標温度域の上限値Tlcrl未満であると判断した場合はステップS19に進み、ECU36は燃料供給量Qvに減量補正を実施する。その後、今回のルーチンを終了する。一方、液相燃料温度Tlが液相燃料の目標温度域の上限値Tlcrl以上であると判断した場合はステップS20に進み、ECU36は燃料供給量Qvに対して増量補正を実施する。その後、今回のルーチンを終了する。ステップS19、S20にて実施される減量補正、増量補正の補正量は、一定値でもよいし、分留に関するパラメータ(例えば気相燃料温度等)に応じて変化させてもよい。
ステップS14において気相燃料温度Tgが気相燃料の目標温度域の下限値Tgcrl以上であると判断した場合はステップS33に進み、ECU36はフラグFglにゼロを代入する。続くステップS21においてECU36は液相燃料温度Tlから気相燃料温度Tgを減じた温度差dTがゼロよりも大きいか否か判断する。温度差dTがゼロよりも大きいと判断した場合はステップS22に進み、ECU36は温度差dTが、この燃料供給量設定ルーチンを前回実行した時に取得した温度差(前回温度差)dTよりも大きいか否か判断する。温度差dTが前回温度差dT以下であると判断した場合は、今回のルーチンを終了する。一方、温度差dTが前回温度差dTよりも大きいと判断した場合即ち温度差dTが拡大していると判断した場合はステップS23に進み、ECU36は燃料供給量Qvに対して減量補正を実施する。その後、今回のルーチンを終了する。減量補正を実施する際の補正量は、一定でもよいし、分留に関するパラメータ(例えば、気相燃料温度と液相燃料温度との温度差、気相燃料温度等)に応じて変化させてもよい。
ステップS21において温度差dTがゼロ以下であると判断した場合はステップS24に進み、ECU36は燃料供給量Qvに対して増量補正を実施する。その後、ルーチンを終了する。増量補正を実施する際の補正量は、一定でもよいし、分留に関するパラメータ(例えば、気相燃料温度と液相燃料温度との温度差、気相燃料温度等)に応じて変化させてもよい。
なお、燃料供給量Qv及び温度差dTの値は、ルーチン終了後もECU36のRAMに記憶され、図3及び図4のルーチンの次回実行時に使用される。
このルーチンでは、温度差dTが拡大していると判断した(ステップS22で肯定判断)場合、この温度差dTの拡大に対応させて燃料供給量Qvに対して減量補正が実施される(ステップS23)。この減量補正は、原料燃料の気化率を上昇させ、気相燃料温度を上昇させる。このように気化率を上昇させるように燃料供給量Qvを補正することで、原料燃料から軽質燃料を確実に生成させることができる。そのため、軽質燃料の収率を向上させることができる。
また、このルーチンでは、気相燃料温度Tgが気相燃料の目標温度域の下限値Tgcrl未満である状態が一定期間継続していると判断した(ステップS15で肯定判断)場合、燃料供給量Qvにゼロを代入して原料燃料の分留を停止させる(ステップS16)。このように分留を停止させて軽質燃料が目標性状よりも軽質化することを抑制する。
このルーチンでは、気相燃料温度Tgが気相燃料の目標温度域の上限値Tgcrhより大きく(ステップS8で肯定判断)、かつ燃料供給量Qvが最大燃料供給可能量Qvmaxよりも多いと判断した(ステップS10で否定判断)場合、燃料供給量Qvにゼロを代入して分留を停止させる(ステップS11)。このように分留を停止させることで、原料燃料の過熱を防止し、原料燃料の劣化を抑制することができる。また、高沸点の重質燃料の気化を抑制することができるので、軽質燃料の重質化を抑制することができる。
このルーチンでは、気相燃料温度Tgが気相燃料の目標温度域の下限値Tgcrl未満(ステップS14で肯定判断)であっても液相燃料温度Tlが液相燃料の目標温度域の上限値Tlcrl以上であると判断(ステップS18で否定判断)した場合、燃料供給量Qvに増量補正を実施する(ステップS20)。気相燃料温度を上昇させるために燃料供給量Qvを減少させると原料燃料の気化率は増加するが、気相燃料の量は減少する。気相燃料量が減少すると、気相燃料温度センサ27の熱容量の影響によって気相燃料温度センサ27の検出値が実際の気相燃料の温度よりも低くなるおそれがある。この場合、燃料供給量Qvにはさらに減量補正が実施されるので、液相燃料温度が上昇し、高沸点の重質燃料も気化するおそれがある。そこで、液相燃料温度Tlによるガードを設けて重質燃料の気化を抑制する。このように重質燃料の気化を抑制して軽質燃料の重質化を抑制する。なお、ステップS20では、増量補正の代わりに燃料供給量Qvにゼロを代入して分留を停止させてもよい。このように分留を停止させても軽質燃料の重質化を抑制できる。
以上に説明したように、ECU36は、図3及び図4のルーチンを実行して燃料供給量Qvを補正することで、流量補正手段として機能する。
なお、ECU36は、燃料供給量Qvにゼロを代入して分留を停止させた場合でも、気相通路23に軽質燃料が流入しないような程度の原料燃料を分留通路20に供給してもよい。このような状態でも加熱された燃料を熱交換器31に通し続けることにより、分留を再開した時に迅速に原料燃料を目標温度まで到達させることができる。
また、ECU36は、燃料供給量Qvにゼロを代入して分留を停止させた場合、燃料分留装置18を再稼動させる温度条件(再稼動温度条件)を、通常時に燃料分留装置18を稼動させる温度条件(通常時稼動温度条件)よりも狭めてもよい。例えば、通常時稼動温度条件の温度範囲として200〜240°Cが設定されていた場合、再稼動温度条件の温度範囲として例えば210〜230°Cが設定される。このように再稼動温度条件を狭めることで、燃料分留装置18が稼動と停止とを繰り返すハンチングを防止することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態にて実施してよい。例えば、本発明はディーゼルエンジンに限らず、ガソリンその他の燃料を利用する各種の内燃機関に適用してよい。
燃料分留装置は、分留通路又は分留通路の周辺の温度を検出、推定などにより取得し、この温度が分留通路内において原料燃料が目標温度まで加熱されると判断できる温度以上である場合に稼動させてもよい。このように稼動条件を設定することで、分留不可能な条件での燃料分留装置の稼動を防止できるので、稼動エネルギを節約することができる。また、燃料分留装置は、分留通路又は分留通路の周辺の温度が分留通路にて原料燃料が過熱されると判断できる温度以上である場合に稼動を停止させてもよい。このように稼動を停止させることで、過熱による燃料の劣化や、燃料タンクに貯留されている原料燃料の温度の上昇を防止することができる。
本発明の燃料分留装置が適用されるディーゼルエンジンの一形態を示す図。 図1の分岐部の拡大図。 図1のECUが実行する燃料供給量設定ルーチンを示すフローチャート。 図3に続くフローチャート。
符号の説明
1 ディーゼルエンジン(内燃機関)
11 燃料供給装置(燃料供給系統)
18 燃料分留装置
20 分留通路(分留部)
22 流量調整バルブ(流量調整手段)
27 気相燃料温度センサ(気相燃料温度検出手段)
28 液相燃料温度センサ(液相燃料温度検出手段)
36 エンジンコントロールユニット(流量補正手段)

Claims (5)

  1. 内燃機関の燃料供給系統に接続され、供給された燃料を気相と液相とに分留する分留部と、前記分留部に供給する燃料の流量を調整する流量調整手段と、を備えた内燃機関の燃料分留装置において、
    前記分留部における気相燃料の温度を検出する気相燃料温度検出手段と、前記分留部における液相燃料の温度を検出する液相燃料温度検出手段と、前記液相燃料温度検出手段により検出された液相燃料温度と前記気相燃料温度検出手段により検出された気相燃料温度との温度差に基づいて前記流量調整手段から供給される燃料流量を補正する流量補正手段と、を備えたことを特徴とする内燃機関の燃料分留装置。
  2. 前記流量補正手段は、前記液相燃料温度から前記気相燃料温度を引いた温度差の拡大に応答して前記分留部に供給する燃料流量を減少させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料分留装置。
  3. 前記流量補正手段は、前記液相燃料温度検出手段により検出された液相燃料温度が燃料分留時における液相燃料の目標温度域の上限値を超えると判断した場合、前記分留部に供給する燃料流量を増加させることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の燃料分留装置。
  4. 前記流量補正手段は、前記気相燃料温度検出手段により検出された気相燃料温度が燃料分留時における気相燃料の目標温度域の下限値未満の状態が所定の判定期間以上継続していると判断した場合、前記分留部への燃料の供給を停止させることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の燃料分留装置。
  5. 前記流量補正手段は、前記気相燃料温度検出手段により検出された気相燃料温度が燃料分留時における気相燃料の目標温度域の上限値よりも高いと判断し、かつ前記分留部に供給する燃料流量として前記流量調整手段が調整可能な流量の上限値よりも大きい値が設定される場合、前記分留部への燃料の供給を停止させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料分留装置。

JP2004193451A 2004-06-30 2004-06-30 内燃機関の燃料分留装置 Expired - Fee Related JP4389695B2 (ja)

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