JP4389445B2 - レーザ顕微鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はレーザ光を標本に照射して標本を観察するレーザ顕微鏡に関するものであり、特に標本の画像に対する照射レーザ光強度の変動の影響を補正する機能を備えたレーザ顕微鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザ顕微鏡は、レーザ光源から射出されたレーザ光を標本に照射し、標本からの反射光や蛍光を光検出器で受光して観察する顕微鏡であり、走査型のレーザ顕微鏡では集光したレーザ光を標本に照射し、照射位置を標本上で2次元的に走査することによって標本の画像を取得する。標本が発する蛍光を検出するレーザ顕微鏡では、標本中に複数の種類の蛍光物質が存在する場合があり、複数の波長のレーザ光で標本を照明し、複数の異なる波長の蛍光を検出することが行われるため、複数の種類のレーザを備えた光源部と、複数の光検出器とそれに接続される複数の画像処理回路を備えた構成になってなっているものが知られている。
【0003】
蛍光を検出するレーザ顕微鏡では、照射するレーザ光の強度に比例して画像の輝度、すなわち検出する蛍光の強度が変化するが、レーザ顕微鏡の光源として使用される一般的なレーザから射出される光には1%程度のノイズ、すなわち早い周波数での強度の変動や、これよりも遅い時間的にゆっくりとした強度の変動が含まれていることが多い。また最近のレーザ顕微鏡ではレーザ光源からの光をファイバを介して顕微鏡本体に導入することが行われているが、レーザ光をファイバに導入するファイバ入射口が振動することによって、レーザ光のファイバへの導入効率が変動したり、ファイバに外部から圧力が加わってファイバの伝送効率が変動したりすることによって、ファイバ出射口でのレーザ光の強度が変動することがある。この様にレーザ光強度が変動すると、その変動率に比例して検出する蛍光の強度が変動してしまう。画像の輝度を定量解析する場合には、この照射レーザ光強度の変動は特に問題になる。
【0004】
この問題を解決するために、レーザ光源から射出されるレーザ光の強度を測定し、レーザ光強度が一定になるようにレーザ光源自体を制御する方法や、レーザの外部にレーザ光の強度を一定にするための光学素子を設けて、レーザから射出されたレーザ光の強度を一定にする方法などが使用されている。どちらの方法を使用するのかは、レーザの種類や波長などを考慮して決められるが、制御に対する応答性が悪いレーザや、そもそも制御することができないレーザなどもあり、その場合には後者のレーザ光の外部に光学素子を設けてレーザ光強度を一定にする方法が使用される。なお光学素子としては音響光学変調素子(AOM)や、電気光学変調素子(EOM)などが使用される。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−139931号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した光学素子を使用してレーザから射出される光の強度を一定にする方法では、レーザの外部に音響光学変調素子などを設けなければならないため、レーザ顕微鏡の光源部が大型化してしまうという問題がある。
【0007】
そこで、本発明はレーザ光強度が変動してもその影響を受けない画像を得ることのできるレーザ顕微鏡を提供することを目的とする。
【0008】
上記問題点を解決するために請求項1に係る発明は、レーザ光を射出する光源と、前記レーザ光を標本上で走査する走査装置と、前記標本からの光を検出する複数の光検出器と、前記複数の光検出器からの信号を前記標本の画像信号に変換して出力する処理装置と、前記光源から射出される前記レーザ光の一部を参照光として検出し、前記複数の光検出器とは別個の参照光検出器とを備え前記処理装置は、前記複数の光検出器の各々に対応する複数の処理回路を有し、前記複数の処理回路は前記参照光検出器からの出力をも各々接続可能に構成され、前記複数の処理回路のうち、いずれか一つの処理回路は、設定により前記参照光検出器からの信号を前記レーザ光が照明する前記標本上の位置に対応する補正データに変換して出力し、前記処理装置は補正手段を有し、該補正手段は、残りの他の処理回路が出力する前記標本の画像信号を前記補正データに基づいて補正することを特徴とするレーザ顕微鏡を提供する。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1記載のレーザ顕微鏡において、前記複数の処理回路は各々信号切換え装置を有し、前記信号切換え装置は、前記光検出器からの信号及び前記参照光検出器からの信号の両方が入力した場合は、いずれか一方が出力するように設定されることを特徴とするレーザ顕微鏡を提供する。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載のレーザ顕微鏡において、前記補正手段は、前記補正データを正規化し、前記標本の画像信号を前記正規化した補正データで除算することを特徴とするレーザ顕微鏡を提供する。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項3記載のレーザ顕微鏡において、前記補正データの正規化は、複数のデータから構成される前記補正データの中から最大値を抽出し、前記複数のデータを最大値で除算することにより行うことを特徴とするレーザ顕微鏡を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るレーザ顕微鏡の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0013】
本発明の実施の形態に係るレーザ顕微鏡は、標本からの蛍光を検出するレーザ顕微鏡であり、図1はそのブロック構成図である。なお図1においては、レーザ顕微鏡の光学部材のうち本実施の形態の説明に必要なものだけを図示しており、その他の光学部材は省略してある。
【0014】
まずレーザ顕微鏡の照明系、観察系について説明する。照明系は、標本7を照明するレーザ光30を射出するレーザ光源1と、レーザ光30の強度を調節する光減衰器2と、レーザ光30の一部を分離して参照光30aとする光分離装置3と、励起光であるレーザ光30と蛍光を分離する第1のダイクロイックミラー5と、レーザ光30を標本7上で2次元的に走査する走査手段6と、不図示の対物レンズとから構成されている。
【0015】
レーザ光源1としては、例えばアルゴンイオンレーザやHe−Neレーザなどの気体レーザ、YAGレーザなどの固体レーザ及びその第2高調波、各種半導体レーザなどが使用される。レーザ光源1は少なくとも1種類のレーザから構成されるが、好ましくは射出する光の波長が異なる複数の種類のレーザで構成され、標本7中に存在する蛍光色素により射出するレーザ光30の波長が選択される。
【0016】
レーザ光源1から射出されたレーザ光30は、光減衰器2に入射する。光減衰器2はレーザ光30の強度を任意に減衰させるものであり、透過率が連続的に変化する連続可変式NDフィルタや、透過率が異なる複数のNDフィルタを同一円周上に配置した円盤状のNDフィルターホイールなどが使用される。これらのNDフィルタは画像処理部14を構成するCPU26からの制御信号に基づいて光減衰器2を制御するが、手動で調整しても構わない。
【0017】
光減衰器2で強度が調整されたレーザ光30は、光分離装置3でその一部が分離される。光分離装置3はレーザ光源1から射出したレーザ光30の一部をレーザ光30の強度の変動を検出するための参照光30aとして分離するものであり、表面が研磨されたガラス板やハーフミラー、偏光ビームスプリッタなどが使用される。表面が研磨されたガラス板を使用した場合は、その表面で数パーセントの光が反射されて参照光30aとなり、残りのレーザ光30はガラス板を透過する。
【0018】
分離された参照光30aは光検出器4に入射し、レーザ光30の強度の変動が検出される。光検出器4としては光電子増倍管(PMT)やシリコンフォトダイオード(SPD)などが使用される。検出された参照光30aはその強度に応じた電気信号に変換されて光検出器4から出力され、画像処理手段14に入力する。
【0019】
光分離装置3を通過したレーザ光30は第1のダイクロイックミラー5で反射され、2次元走査装置6及び不図示の顕微鏡光学系によってステージ8上に保持された標本7に集光して照射され、その照射位置は標本7上で2次元方向に走査される。2次元走査装置6としては2つのガルバノミラースキャナを組み合わせたものや音響光学偏向素子等が使用される。
【0020】
観察系は不図示の対物レンズと、2次元走査装置6、第1のダイクロイックミラー5、蛍光を分離する第2のダイクロイックミラー9、分離した蛍光の波長を更に選択する蛍光フィルタ10、11、蛍光を検出する光検出器12、13とから構成されている。
【0021】
標本7のレーザ光30が照射された部分からは蛍光31、32が発生する。蛍光31と蛍光32は波長が異なり、例えば蛍光31の蛍光波長は蛍光32の蛍光波長よりも長波長である。蛍光31、32は不図示の顕微鏡対物レンズを含む不図示の顕微鏡光学系を通過し、2次元走査装置6でデスキャニングされ第1のダイクロイックミラー5を透過する。蛍光31、32は第2のダイクロイックミラー9によって長波長の蛍光31と短波長の蛍光32に分離される。分離された蛍光31、32はそれぞれ蛍光フィルタ10、11によってさらに蛍光波長が選択された後、光検出器12、13に入射する。光検出器12、13としては光電子増倍管(PMT)やシリコンフォトダイオード(SPD)などが使用される。光検出器12、13で検出された光は、光の強度に応じた電気信号に変換されて、光検出器12、13から出力され画像処理部14に入力する。
【0022】
次に光検出器4、12、13で検出された光が電気信号に変換された後に入力する画像処理部14の構成について説明する。画像処理部14は入力された複数の光検出器からの電気信号を選択して画像処理するもので、画像処理回路16、17、CPU26、D/A変換器27から構成されている。
【0023】
画像処理回路16は信号切換え装置18、増幅回路20、A/D変換器22、フレームメモリ24から構成されている。光検出器12から出力される電気信号は、画像処理回路16に入力する。画像処理回路16に入力した信号は、まず信号切換え装置18の信号入力部18aに入力する。信号切換え装置18は2つの信号入力部18a、18bと1つの信号出力部18cを有し、信号入力部18a、18bに入力された信号から1つの信号を選択して、信号出力部18cから出力する。信号切換え装置18の信号入力部は3つ以上あっても構わない。信号入力部18a、18bに入力した信号のどちらを出力させるかという切換えはCPU26から制御して行う。
【0024】
信号切換え装置18の信号出力部18cから出力された信号は増幅回路20で、必要な大きさまでその信号が増幅された後、A/D変換器22に入力し、2次元走査手段6の駆動信号に同期したサンプリングクロックでデジタルデータに変換される。デジタルデータに変換された信号はフレームメモリ24に保存される。すなわち光検出器12で検出された標本7の蛍光31は画像処理回路16でデジタルデータに変換され、画像データとして保存される。光検出器12で検出した蛍光画像をモニタ15で表示する場合には、表示する蛍光の画像データが保存されているフレームメモリ24から、デジタルデータに変換された蛍光強度データを読み出し、D/A変換器27でアナログ信号に変換した後モニタ15に表示する。光検出器13からの出力も、画像処理回路16と同じ部品で構成された画像処理回路17で同様に処理される。
【0025】
光検出器4から出力された電気信号は、画像処理回路16、17の両方に入力する。画像処理回路16に入力した信号は、信号切換え装置18の信号入力部18bに入力する。信号入力部18aには光検出器13で検出した蛍光の信号が入力されており、入力部を切換えることによって、信号切換え装置18は光検出器13で検出した蛍光の信号か光検出器4で検出した参照光30aの信号のいずれか一方を出力部18cから出力する。
【0026】
信号切換え装置18を、入力部18bに入力された信号が出力されるように設定すると信号切換え装置18から参照光30aの強度に対応した信号が出力され、増幅回路20、A/D変換器22を経て、フレームメモリ24にレーザ光30の強度が標本7を照明している位置に対応した画像データとして保存される。すなわちレーザ光30が標本7を照射した位置での参照光30aの強度が、二次元の画像データとしてフレームメモリ24に保存される。画像処理回路17に入力した信号は信号切換え装置19の入力部19bに入力され、同様に処理される。
【0027】
光検出器4の出力は、画像処理回路16、17の両方に接続されているので、いずれの画像処理回路を使用して参照光30aの強度を画像データとして保存しても構わない。どちらの画像処理回路でレーザ光30の画像データを処理するのかは、光検出器12、13のどちらの出力を蛍光の画像データとして保存するかによって決定される。すなわち本実施の形態で示すレーザ顕微鏡で標本7からの蛍光を検出する場合、検出する蛍光の波長によって光検出器12、13のどちらか一方を選択し、選択した光検出器からの出力が入力される信号切換え装置を蛍光の信号が入力されている入力部を選択するように設定し、標本7の蛍光画像データを取得する。もう一方の蛍光の検出に使用しない光検出器が接続されている信号切換え装置を、参照光30aが入射する光検出器4からの信号が入力される入力部を選択するように設定し、レーザ光強度の画像データを取得する。従ってフレームメモリの一方に蛍光の画像データが保存され、他方にレーザ光強度の画像データが保存される。
【0028】
CPU29は機器の制御やフレームメモリに保存された画像データを読みだし、画像演算処理等を行う。
次に上記のように構成したレーザ顕微鏡の動作を説明する。図2は本実施の形態に係るレーザ顕微鏡の動作を示すフローチャートである。標本7としては2種類の蛍光色素で染色された生体組織標本を使用する。
【0029】
まず測定を開始する前に測定を行う蛍光の波長を選択する。本実施形態の画像
処理装置14は2つの画像処理回路16、17を備えているので、一方の画像処理回路で蛍光の画像データを取得し、他方の画像処理回路でレーザ光強度の画像データを取得する。ここでは長波長の蛍光31を測定するとする。光検出器12の信号が入力する信号切換え装置18を18aに入力された信号が18cから出力されるように設定し、蛍光31は画像処理回路16で処理される(S01)。レーザ光30の強度を検出する光検出器4からの信号は信号切換え装置18、19の入力部18b、19bに入力しているが、信号切換え装置18は蛍光31を測定するために使用するので、信号切換え装置19の19bに入力された信号が出力部19cから出力されるように設定し、レーザ光強度に関する信号は画像処理回路17で処理される(S02)。
【0030】
次に標本7に照射するレーザ光30の強度を調整する。レーザ光源1から射出されたレーザ光30は、レーザ顕微鏡の照明系によって標本7に集光して照射され、標本7上で2次元的に走査される。標本7中に存在する蛍光色素がレーザ光30によって励起されて発する蛍光31、32は、観察系を通過して光検出器12、13で検出される。信号切換え装置18は18aに入力された信号が出力されるように設定されているが、信号切換え装置19は19bに入力された参照光30aの信号が出力されるように設定されているため、光検出器12からの信号は画像処理回路16で処理され、D/A変換器27を介してモニタ15に標本7の蛍光画像が表示される(S03)が、光検出器13からの信号は画像処理回路17では処理されない。モニタ15に表示された標本7の蛍光画像の輝度を観察しながら、光減衰器2を調節し、標本7に照射されるレーザ光30の強度を設定する(S04)。レーザ光30の強度は、照射される標本7から発せられる蛍光の強度や蛍光色素の退色の程度に基づいて調整されるが、蛍光の強度や蛍光色素の退色の程度は標本によって異なるため、レーザ光30の光強度は標本を交換する毎に光減衰器2で調整する。
【0031】
なお本実施形態では蛍光31を測定しているが、蛍光31、32の両方を測定する場合がある。その場合には、まず蛍光31の画像データを測定し、続けて蛍光32の画像データを測定する。この場合標本に照射するレーザ光30の強度は蛍光31と蛍光32を測定する場合それぞれで測定する。
【0032】
標本7を照明するレーザ光30の強度を調整した後、測定を開始する(S05)。標本7に照射されるレーザ光30の強度の変動は光分割器3で分割された参照光30aから測定される。参照光30aは光検出器4で検出され、画像処理部14の画像処理回路17で処理されレーザ光30の強度の画像データとして保存される。一方蛍光31は光検出器12で検出され、画像処理部14の画像処理回路16で処理され標本7の蛍光31の画像データとして保存される(S06)。なおここで保存されるレーザ光強度の画像データは参照光30aの強度のデータであり、標本7に照射されるレーザ光30の強度ではないが、レーザ光30の強度と参照光30aの強度は比例しており、参照光30aの強度を測定することによってレーザ光30の強度の時間的な変動を検出することができる。
【0033】
次に画像処理部14で行われる保存されたレーザ光強度の画像データから、標本7に照射されるレーザ光30の強度の変動による蛍光画像の輝度の変動を補正する方法について説明する。まずCPU26はフレームメモリ24と25から、蛍光の画像データ(F0、F1、…、Fn)及びその蛍光画像の測定を行った時のレーザ光強度の画像データ(L0、L1、…、Ln)を読み出す(S07)。次に読み出したレーザ光強度の画像データの最大値(Lmax)を抽出する(S08)。抽出したレーザ光強度の最大値(Lmax)で、読み出したレーザ光強度の画像データ(L0、L1、…、Ln)を除算(Nn=Ln/Lmax)して正規化する(S09)。正規化したレーザ光強度のデータで蛍光の画像データの対応する画素の輝度を除算する(Cn=Fn/Nn)(S10)。この演算によって、レーザ光強度が最大の時を基準として、これよりも低い強度のレーザが照射された標本上の位置における蛍光強度が、照射レーザ光の強度に応じて補正される。光の強度が補正された蛍光強度の画像データ(C0、C1、…、Cn)をモニタに表示する輝度レンジに合うように定数を乗算する(AC0、AC1、…、ACn)(S11)。例えば表示の輝度レンジが0から255であるとすると、光の強度が補正された蛍光強度の画像データ(C0、C1、…、Cn)の最大値が255に成るように、全ての画像データに定数を乗算する。なお必ずしも最大値を255にする必要はなく、適当な値を指定してその値が最大値になるように乗算しても構わない。表示する輝度レンジを補正した画像データ(AC0、AC1、…、ACn)をフレームメモリ24に保存する(S12)。これらの画像演算によって蛍光強度の照射レーザ光強度の変動によるばらつきが補正され、蛍光画像内のすべての画素の輝度を定量的に比較することができる。
【0034】
本実施の形態では、レーザ光強度のデータを正規化しているが、必ず正規化しなければならないわけではなく、正規化しないレーザ光強度の画像データで、蛍光強度の画像データを除算しても構わない。レーザ光強度の補正方法はこれに限られず、レーザ光強度の輝度変動の周波数特性などによって変えることもある。
【0035】
本実施形態に係るレーザ顕微鏡は、レーザ光源の外部にレーザ光強度を補正するAOMなどの高価な光学素子を配置しないためレーザ光源部を小型化することができ、レーザ顕微鏡の価格を低くすることができる。また標本からの蛍光を画像化する画像処理回路をレーザ光強度を画像化する画像処理回路として使用するので追加する回路は少なくて済み、さらにレーザ顕微鏡が備えている画像処理のためのソフトウエアまたはハードウエアをレーザ光強度の画像処理に使用できるため、新たな画像処理機能を必要とすることもない。
【0036】
なお本発明は上記の実施形態に限られるものではない。例えば上記の実施形態に係るレーザ顕微鏡では同時に2波長の蛍光画像を取得することはできないが、画像処理装置14において画像処理回路16、17に加えて、参照光30aの信号を処理するための画像処理回路をさらに追加すると、光検出器4、12、13からの出力は3つの画像処理回路のそれぞれで並列に処理されるので、2波長の蛍光の画像データとレーザ光30の強度の画像データの3つの画像データを同時に取得することができる。この場合、画像処理回路に信号切換え装置は必要ない。
【0037】
また上記した実施形態ではピンホールは使用していないが、図1に示すレーザ顕微鏡において2次元走査手段6と光検出器12、13との間の光路に標本7の集光点と共役な位置を設け、その位置にピンホールを配置することによってレーザ共焦点顕微鏡として使用することもできる。
【0038】
また実施形態は、蛍光を検出するレーザ顕微鏡について説明したが、蛍光に限らず標本7で反射された光を検出するレーザ顕微鏡においても照明光の強度を補正することができる。この場合は、第1のダイクロイックミラー5をハーフミラーにし、第2のダイクロイックミラー9は必要ない。標本に照射されたレーザ光31はハーフミラーを透過し、光検出器12で検出される。この場合光検出器13は使用されない。従って光検出器12で検出された反射光の信号は常に画像処理回路16で処理され、光検出器4で検出された参照光の信号は画像処理回路17で処理される。補正方法はこれまでに説明した方法と同様の方法を使用する。
【0039】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、レーザ光強度が変動してもその影響を受けない画像を得ることができるレーザ顕微鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のレーザ走査顕微鏡の構造を示すブロック構成図である。
【図2】第1の実施の形態に係るレーザ顕微鏡の動作を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 レーザ光源
2 光減衰器
3 光分離装置
4 光検出器
5、9 ダイクロイックミラー
6 2次元走査手段
7 標本
8 ステージ
10、11 蛍光フィルタ
12、13 光検出器
14 画像処理部
15 モニタ
16、17 画像処理回路
18、19 信号切換えスイッチ
20、21 増幅回路
22、23 A/D変換器
24、25 フレームメモリ
26 CPU
27 D/A変換器
30 レーザ光
31、32 蛍光
Claims (4)
- レーザ光を射出する光源と、
前記レーザ光を標本上で走査する走査装置と、
前記標本からの光を検出する複数の光検出器と、
前記複数の光検出器からの信号を前記標本の画像信号に変換して出力する処理装置と、
前記光源から射出される前記レーザ光の一部を参照光として検出し、前記複数の光検出器とは別個の参照光検出器とを備え
前記処理装置は、前記複数の光検出器の各々に対応する複数の処理回路を有し、前記複数の処理回路は前記参照光検出器からの出力をも各々接続可能に構成され、
前記複数の処理回路のうち、いずれか一つの処理回路は、設定により前記参照光検出器からの信号を前記レーザ光が照明する前記標本上の位置に対応する補正データに変換して出力し、
前記処理装置は補正手段を有し、該補正手段は、残りの他の処理回路が出力する前記標本の画像信号を前記補正データに基づいて補正することを特徴とするレーザ顕微鏡。 - 前記複数の処理回路は各々信号切換え装置を有し、前記信号切換え装置は、前記光検出器からの信号及び前記参照光検出器からの信号の両方が入力した場合は、いずれか一方が出力するように設定されることを特徴とする請求項1 記載のレーザ顕微鏡。
- 前記補正手段は、前記補正データを正規化し、前記標本の画像信号を前記正規化した補正データで除算すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ顕微鏡。 - 前記補正データの正規化は、複数のデータから構成される前記補正データの中から最大値を抽出し、前記複数のデータを最大値で除算することにより行うことを特徴とする請求項3に記載のレーザ顕微鏡。
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