JP4389258B2 - 光学観察装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、顕微鏡等の光学観察装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より良く知られているように、顕微鏡等の対物レンズは図3に示すように直交する二方向x,yによって示される平面にある観察物体の物体情報O(x,y)を像情報i(x’,y’)として結像する。
この場合、像情報i(x’,y’)は対物レンズ1の収差と回折限界のために物体情報O(x,y)にボケが重畳した像となる。
【0003】
回折限界は、図4(a)に示す点物体が同図(b)に示すような広がりを持った像になることを意味しており、このボケ方は情報伝達関数PSF(Point Spread Function)によって決定される。
【0004】
一般に、物体情報O(x,y)は、点物体の集合として扱えるためi(x’,y’)は以下のように表わすことができる。
【数式1】
【0005】
式(1)は次式のようにも表わされる。
【数式2】
【0006】
ところで、ボケのない元情報であるO(x,y)を求めるためには、従来はコンピュータを用いてのデコンボリューション処理を行うか、あるいは共焦点顕微鏡を用いる必要があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、その場合次のような課題があった。
(1)デコンボリューション処理の場合は、計算が複雑で時間がかかるという欠点がある。
(2)共焦点顕微鏡を用いる場合は、装置が複雑化し、共焦点顕微鏡においてもボケが残るという欠点がある。特にマルチピンホール式共焦点顕微鏡はクロストークによるボケの影響がある。
【0008】
本発明の目的は、上記の課題を解決するもので、実質上ボケのない観察物体の実像を得ることのできる光学観察装置を実現することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、
対物レンズと、下記の関係式におけるOTF(u,v)の逆数である透過率を有する液晶フィルタが使用され、この対物レンズにより観察物体の像が結像するフーリエ変換面に置かれたデコンボリューションフィルタと、このデコンボリューションフィルタの後側に配置され、実空間における観察物体の実像を得るチューブレンズを備えたことを特徴とする。
【0010】
デコンボリューションフィルタを用いることにより、デコンボリューションのための複雑な計算が不要で、しかもボケのない元情報である観察物体の実像を容易かつ高速に求めることができる。
【0011】
この場合のデコンボリューションフィルタは、次の関係式におけるOTF(u,v)の逆数である透過率を有する。
O(u,v)=I(u,v)/OTF(u,v)
ただし、I(u,v)は、フーリエ変換面に形成される観察物体のフーリエ変換像。
OTF(u,v)は、情報伝達関数のフーリエ変換。
O(u,v)は、実空間における観測物体の実像。
【0012】
また、デコンボリューションフィルタとしては、請求項1のように、前記透過率を持った液晶フィルタを使用することもできる。液晶フィルタはマトリックス状に配置された液晶画素ごとに光透過率を制御でき、対物レンズに応じて透過率を容易に変更できるという利点もある。
【0013】
請求項2の発明では、
対物レンズと、この対物レンズの後側に配置され対物レンズのフーリエ変換面の像を結像するチューブレンズと、このチューブレンズの後側に配置され、チューブレンズの後側の実像面に結像した像の実像を得るための第1と第2のリレーレンズと、下記の関係式におけるOTF(u,v)の逆数である透過率を有する液晶フィルタが使用され、この第1と第2のリレーレンズの中間に配置されたデコンボリューションフィルタを備えたことを特徴とする。
O(u,v)=I(u,v)/OTF(u,v)
ただし、I(u,v)は、フーリエ変換面に形成される観察物体のフーリエ変換像。
OTF(u,v)は、情報伝達関数のフーリエ変換。
O(u,v)は、実空間における観測物体の実像。
【0014】
このような構成によれば、顕微鏡光路系を変更せずに外付け光学系での対応ができるため、容易に外付け光学系を配置できるという効果がある。
【0015】
この場合、請求項3のように、チューブレンズの後側の実像面に、シングルピンホールまたはマルチピンホールの共焦点用ピンホールを配置することができる。共焦点用ピンホールを配置すると、有限の大きさを持つピンホールサイズによる光学的ボケを除去できる効果がある。
マルチピンホールの場合は更にクロストークによる光学的ボケを除去することができるという効果もある。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いて本発明を詳しく説明する。図1は本発明に係る光学観察装置の一実施例を示す原理構成図である。図1において、1は対物レンズ、2は観察物体、3はフーリエ変換面、4はチューブレンズ、5は実像、6はデコンボリューションフィルタである。
【0017】
物体2は対物レンズ1によりフーリエ変換面3として形成される。一方、式(1)はフーリエ変換を施すと、次式のように表わされる。
I(u,v)=OTF(u,v)O(u,v) ……(3)
ただし、
【数式3】
【数式4】
【数式5】
【0018】
I(u,v)はフーリエ変換面3にて形成される物体i(x’,y’)のフーリエ変換像であり、式(3)よりフーリエ空間においてO(u,v)は、
O(u,v)=I(u,v)/OTF(u,v) ……(7)
と表わされる。
【0019】
OTF(u,v)はPSFのフーリエ変換であるから、実空間における情報伝達関数、すなわち対物レンズ1の持つ画像伝達物性により、一意的に決定される。なお、顕微鏡の場合、異なる倍率、異なる開口数を持つ対物レンズが使用されるため、各々の対物レンズに応じたOTFが必要である。
【0020】
したがって、1/OTFなる透過率を持った光学的デコンボリューションフィルタ6をフーリエ変換面3に設置すれば、O(u,v)が光演算され、かつチューブレンズ4により実空間における実像5、つまりO(x,y)が求められる。この演算は光速で行われる。
【0021】
図2は本発明の他の実施例図である。図1と異なるところは、顕微鏡光学系の後側に連結した光学系およびデコンボリューションフィルタ6の配置位置である。
図において、7は実像面5の後に置かれた第1のリレーレンズ、8は第1のリレーレンズ7の後に配置された第2のリレーレンズである。第1のリレーレンズ7と第2のリレーレンズ8の中間の第2のフーリエ変換面9にデコンボリューションフィルタ6が設置される。なお、図1で示したフーリエ面3を図2では第1のフーリエ変換面と呼ぶ。
【0022】
このような構成とすれば、顕微鏡光路系を変更することなく外付け光学系での対応ができるため、配置が容易となる。
【0023】
なお、本発明は上記実施例に限定されることなくその本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形が可能である。
例えば、実像面5にシングルピンホールの共焦点用ピンホールを置き、共焦点効果の得られる構成としても構わない。このような構成によれば、ピンホールサイズが有限の大きさを持つ限り光学的なボケが混ざった共焦点像しか得られないけれども、ピンホールを用いなかった場合に比べて格段にボケの少ない画像を得ることができる。
【0024】
あるいは、実像面5にマルチピンホールである共焦点用ニポウディスク板(例えば、特表平01−503493号等にニポウディスク板の記載がある)を置いても構わない。このような構成とすれば、クロストークによる光学的ボケを大幅に除去できるという効果が生じる。
【0025】
また、液晶フィルタはマトリックス状に配置された液晶画素ごとの光透過率を制御できるため、図2におけるデコンボリューションフィルタ6として、式(3)のOTF(u,v)によって決定される光透過率を持った液晶フィルタを使用することもできる。この場合には、異なる対物レンズに応じてOTF(u,v)を容易に変化できるという効果がある。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば次のような効果がある。
請求項1に記載の発明によれば、デコンボリューションのための複雑な計算が不要で、しかもボケのない元情報である観察物体の実像を容易かつ高速に求めることができる。
【0027】
また、請求項2に記載の発明によれば、顕微鏡光路系を変更せずに外付け光学系での対応ができるため、容易に外付け光学系を配置できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光学観察装置の一実施例を示す原理構成図である。
【図2】本発明の他の実施例図である。
【図3】観察物体の物体情報と像情報の関係を示す図である。
【図4】回折限界を説明するための図である。
【符号の説明】
1 対物レンズ
2 観察物体
3 フーリエ変換面
4 チューブレンズ
5 実像
6 デコンボリューションフィルタ
7 第1のリレーレンズ
8 第2のリレーレンズ
9 第2のフーリエ変換面
10 像
Claims (3)
- 対物レンズと、
下記の関係式におけるOTF(u,v)の逆数である透過率を有する液晶フィルタが使用され、この対物レンズにより観察物体の像が結像するフーリエ変換面に置かれたデコンボリューションフィルタと、
このデコンボリューションフィルタの後側に配置され、実空間における観察物体の実像を得るチューブレンズを備えたことを特徴とする光学観察装置。
O(u,v)=I(u,v)/OTF(u,v)
ただし、I(u,v)は、フーリエ変換面に形成される観察物体のフーリエ変換像。
OTF(u,v)は、情報伝達関数のフーリエ変換。
O(u,v)は、実空間における観測物体の実像。 - 対物レンズと、
この対物レンズの後側に配置され対物レンズのフーリエ変換面の像を結像するチューブレンズと、
このチューブレンズの後側に配置され、チューブレンズの後側の実像面に結像した像の実像を得るための第1と第2のリレーレンズと、
下記の関係式におけるOTF(u,v)の逆数である透過率を有する液晶フィルタが使用され、この第1と第2のリレーレンズの中間に配置されたデコンボリューションフィルタを備えたことを特徴とする光学観察装置。
O(u,v)=I(u,v)/OTF(u,v)
ただし、I(u,v)は、フーリエ変換面に形成される観察物体のフーリエ変換像。
OTF(u,v)は、情報伝達関数のフーリエ変換。
O(u,v)は、実空間における観測物体の実像。 - 前記チューブレンズの後側の実像面に、シングルピンホールまたはマルチピンホールの共焦点用ピンホールを配置したことを特徴とする請求項2記載の光学観察装置。
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